以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図18は、本実施の形態に係る物品処理装置を示す図である。このうち、図1乃至図3は、それぞれ、本実施の形態による物品処理装置の具体的な構成を示す斜視図、側面図および拡大斜視図である。また、図4は、図1等に示す物品処理装置の底蓋の構成を説明するための正面図であり、図5(a)~(c)は、それぞれ、図1等に示す物品処理装置の載置部の動作を説明するための概略的な側面図である。また、図6および図7は、それぞれ図1等に示す物品処理装置に設けられた上蓋検知部の構成を示す拡大側面図であり、図8および図9は、それぞれ図1等に示す物品処理装置に設けられた載置台検知部の構成を示す拡大側面図である。また、図10は、図1等に示す物品処理装置の制御系の構成を示す機能ブロック図であり、図11は、図1等に示す物品処理装置の載置台にワークが載置されるときの構成の一例を説明するための上面図である。また、図12は、図1等に示す物品処理装置によりワークを袋に収納する動作の流れを概略的に説明するためのフローチャートである。また、図13乃至図18は、それぞれ、図1等に示す物品処理装置により袋の内部にワークを投入するときの動作の流れ等を説明するための側面図である。なお、図13乃至図18において、物品処理装置により袋に投入されるべきワークを参照符号Wで示している。また、図18において、図示しない袋保持装置により保持された袋を参照符号Sで示している。
以下に、本実施の形態による物品処理装置100の構成について図1乃至図11を参照して説明した後、物品処理装置100の動作について図12乃至図18を参照して説明する。この物品処理装置100は、開口を有する袋にワークを投入する際に用いられるものであり、後述するように載置台110に載置された複数のワークの積層状態を平準化することができるものである。
図1乃至図3等に示すように、物品処理装置100は、1または複数のワークが載置される載置台110と、載置台110を覆うための上蓋120と、底蓋130と、ガイド部140とを備えている。また、上蓋120は、図2の実線で示す退避位置と、図2の二点鎖線により示すカバー位置との間で移動可能となっている。より具体的には、上蓋120は、退避位置において載置台110におけるワークが載置される部分に対して上方に延びる姿勢となっている。このため、上蓋120が退避位置に位置しているときに載置台110へのワークの載置が許容されるようになっている。一方、上蓋120は、カバー位置において載置台110におけるワークが載置される部分に対して略水平となるよう延びる姿勢となっている。このため、上蓋120がカバー位置に位置しているときに載置台110へのワークの載置が許容されないようになっている。
図1等に示す例では、上蓋120は、略水平方向に延びる第1の軸122を中心として載置台110に対して回転可能となるよう構成されている。また、物品処理装置100には上蓋120を駆動するための第1駆動部120aが設けられている。そして、制御部195(後述)によって第1駆動部120aが制御されることにより、上蓋120が退避位置とカバー位置との間で第1の軸122を中心として回転するようになっている。なお、第1駆動部120aは例えばステッピングモータから構成されている。また、図2の二点鎖線で示すように、上蓋120は、載置台110の延びる方向において底蓋130よりも突出した部分を有する長さとなるよう形成されている。
また、物品処理装置100には、載置台110を上蓋120に対して移動させることにより載置台110に載置された複数のワークの積層状態を平準化するための平準部が設けられている。具体的には、平準部は、載置台110に接続されたエアシリンダ115を含んでいる。また、エアシリンダ115には、当該エアシリンダ115を駆動するための第2駆動部116として空気供給部が接続されている。そして、制御部195によって第2駆動部116が制御されてエアシリンダ115が駆動されることにより、載置台110が上蓋120に対して移動させられるようになっている。
より具体的には、退避位置からカバー位置に向かって移動させられた後の上蓋120に対して、載置台110を揺動させるようエアシリンダ115が駆動されることにより、載置台110に載置された複数のワークの積層状態が平準化されるようになっている。言い換えると、制御部195は、上蓋120を退避位置からカバー位置に向かって移動させた後、エアシリンダ115を駆動させるよう第1駆動部120aおよび第2駆動部116をそれぞれ制御するようになっている。このことにより、載置台110に載置された複数のワークが載置台110と上蓋120との間に挟まれている場合にも、挟まれていない場合にも、載置台110に載置された複数のワークの積層状態を容易に平準化することができる。
より詳細には、積層状態の複数のワークが載置台110の上面と上蓋120の下面との間に挟まれてしまうと、これらのワークが載置台110および上蓋120に対して自由に動くことができなくなる。この場合には、載置台110と上蓋120とを一体的に移動させてもワークの積層状態が大きく変化せず、複数のワークの積層状態を平準化することが難しいという問題があった。これに対し、本実施の形態の物品処理装置100によれば、カバー位置に位置している上蓋120に対して載置台110が移動するようになっているため、上記の問題を解決することができる。すなわち、複数のワークを挟み込んでいる2つの部材のうち、一方の部材(載置台110)を他方の部材(上蓋120)に対して移動させると、複数のワークと当該ワークを挟み込んでいる2つの部材との間に摩擦力が働くようになる。このため、載置台110と上蓋120とを一体的に移動させる場合と比較して複数のワークの積層状態を大きく変化させることができ、よって載置台110に集積されたワークの積層状態を平準化することができるようになる。
なお、本実施の形態においては、載置台110は当該載置台110の延びる方向に沿って3回往復するようエアシリンダ115が駆動されるようになっているが、このような態様に限定されることはない。例えば、載置台110が1~2回または4回以上往復するようエアシリンダ115が駆動されるようになっていてもよい。また、載置台110を直線的に移動させることができるものであれば、エアシリンダ115以外のリニアアクチュエータ等が用いられてもよい。
また、物品処理装置100は、少なくとも載置台110と上蓋120とを第2の軸112を中心として一体的に回転させるための第3駆動部110aを備えている。図1等に示す例では、第3駆動部110aは、載置台110、上蓋120、底蓋130およびガイド部140等を第2の軸112を中心として一体的に回転させるようになっている。なお、第3駆動部110aは、例えばステッピングモーターから構成されている。
また、底蓋130は、閉止位置と開放位置との間で回転可能となるよう構成されている。具体的には、底蓋130は、図2の実線で示す閉止位置において、載置台110におけるワークが載置される部分とは直交する方向に延びる姿勢となっている。このことにより、底蓋130は、閉止位置において、載置台110が略水平姿勢から下向きとなるよう第2の軸112を中心として回転させられたときに載置台110に載置されたワークが載置台110から落下してしまうことを防止するようになっている。一方、底蓋130は、図2の二点鎖線で示す開放位置において、載置台110におけるワークが載置される部分と平行に延びる姿勢となっている。このことにより、底蓋130は、開放位置において、載置台110が略水平姿勢から下向きとなるよう第2の軸112を中心として回転したときに当該載置台110に載置されたワークの落下を許容するようになっている。
また、底蓋130は、複数(具体的には、4つ)のヒンジ132を介してガイド部140に接続されており、各ヒンジ132に設けられたねじりバネ(図示せず)によって閉止位置に向かって常に付勢されている。また、ガイド部140にはストッパ(図示せず)が設けられている。これらのねじりバネおよびストッパにより、底蓋130は、当該底蓋130に力が加えられていないときに図2の実線で示す載置台110に直交する方向に延びる姿勢に保たれるようになっている。また、底蓋130にねじりバネの付勢力に逆らうような力が加えられると、底蓋130は略水平方向に延びる各ヒンジ132の軸を中心として閉止位置から開放位置に向かって回転するようになっている。
図3等に示すように、載置台110におけるワークが載置される部分の両側部には、それぞれ上方に延びる側壁114が設けられている。また、カバー位置に位置するときの上蓋120の下面と、載置台110の各側壁114の上端縁とが接触するようになっている。このような側壁114および120により、略水平姿勢から底蓋130が下方に移動する方向に回転させられた載置台110に載置されたワークの落下が抑制されるようになっている。
また、各側壁114における載置台110とは反対側の面には、側方に突出するピン114aが設けられている。また、ガイド部140の各側壁144には長孔142が形成されている。より具体的には、各長孔142は、載置台110におけるワークが載置される部分の延びる方向、言い換えるとエアシリンダ115による載置台110の移動方向に沿って延びるようになっている。そして、載置台110は、各側壁114に設けられたピン114aが各長孔142の内部に位置するよう、ガイド部140に対して配置されるようになっている。このことにより、エアシリンダ115によって載置台110が上蓋120に対して移動させられるときに載置台110がガイド部140により案内されるようになる。具体的には、載置台110は、当該載置台110に設けられたピン114aがガイド部140の長孔142に沿って移動するよう案内される。このことにより、上蓋120に対して載置台110を精度よく移動させることができる。
なお、図1等に示す例では、ガイド部140は各側壁144の形状を除いて載置台110と略同一の形状となるよう形成されているが、このような例に限定されることはない。載置台110が上蓋120に対して移動させられるときに当該載置台110を案内するものであれば、ガイドレール等の部材がガイド部として用いられるようになっていてもよい。
図4に示すように、底蓋130の両端部における下端側にはそれぞれ略直角形状の切り欠き部134が形成されており、底蓋130の両端部における上端側にはそれぞれ傾斜部136が形成されている。また、底蓋130の両端部における、切り欠き134部と傾斜部136との間には、それぞれ被押出部分138が形成されている。また、底蓋130の各被押出部分138は、エアシリンダ115による載置台110の移動方向に沿った方向から見たときに、載置台110の各側壁114と重なる位置に配置されている。このことにより、載置台110が底蓋130に向かって移動させられたときに、載置台110の各側壁114によって底蓋130の被押出部分138が押されるようになる。また、載置台110の各側壁114によって底蓋130の被押出部分138が押されると、底蓋130が閉止位置から開放位置に向かって回転する。
具体的には、図5(a)に示す状態においてエアシリンダ115が駆動されると、載置台110が図5における右方向に移動させられる。そして、載置台110の各側壁114によって閉止位置に位置している底蓋130の被押出部分138が押され、底蓋130が開放位置に向かって移動する(図5(b)参照)。また、エアシリンダ115が更に駆動されると、載置台110の各側壁114により底蓋130の被押出部分138が更に押されることにより、底蓋130が開放位置まで完全に移動する。このように、載置台110の各側壁114と、底蓋130の下端部から上方に離れた箇所に位置する被押出部分138とが接触するようになっているため、比較的小さな力で底蓋130を回転させることができるようになっている。すなわち、底蓋130は、支点であるヒンジ132の軸から離れた箇所(具体的には、被押出部分138)が載置台110の各側壁114により押される力点となるよう構成されている。この場合には、底蓋130に各切り欠き部134が形成されておらず、底蓋130の下端部近傍が各側壁114により押されるような場合と比較して、より小さい力で底蓋130を開放位置に向かって回転させることができる。
また、図5等に示すように、載置台110の各側壁114における底蓋130が設けられている側の下端縁は、滑らかな湾曲形状となるよう形成されている。このことにより、載置台110の各側壁114により底蓋130の被押出部分138が押されて底蓋130が回転するときに、底蓋130が各ヒンジ132の軸を中心としてスムーズに動くようになる。より詳細には、載置台110の各側壁114により底蓋130の被押出部分138が押されて底蓋130が回転するときに、底蓋130の各被押出部分138は、各側壁114の下端縁の湾曲形状と接触した状態を維持しながら移動するようになっている。言い換えると、各側壁114の下端部の湾曲形状は、底蓋130が移動するときに底蓋130を案内する案内部としても機能する。なお、載置台110の各側壁114における底蓋130が設けられている側の下端縁を多角形形状としてもよいし、他の形状としてもよい。
上述したように、底蓋130はねじりバネ(図示せず)により常に閉止位置に向かって付勢された状態となるようガイド部140に接続されている。このため、図5(c)に示す状態においてエアシリンダ115が駆動されて載置台110が左方向に移動すると、底蓋130はねじりバネによる付勢力によって開放位置から閉止位置に向かって移動する。具体的には、図5(c)に示す状態から、図5(b)に示す状態を介して図5(a)に示す状態となるよう、底蓋130がねじりバネの付勢力によって回転する。
また、図3等に示す例では、底蓋130はガイド部140に設けられているが、ガイド部140以外に底蓋130が設けられていてもよい。すなわち、載置台110を案内するためのガイド部と、底蓋130が取り付けられる部材とが別個のものから構成されていてもよい。また、エアシリンダ115により載置台110が移動させられたときに、載置台110により底蓋130が押されることによって底蓋130が閉止位置から開放位置に向かって移動させられるようになっているが、他の構成が用いられてもよい。例えば、底蓋130を駆動するための底蓋移動手段として、上述したエアシリンダ115および載置台110とは別個の部材が物品処理装置100に設けられていてもよい。この場合には、制御部195によって上記の底蓋移動手段が駆動されることにより、底蓋130が閉止位置から開放位置に向かって移動させられるようになる。
なお、底蓋130を移動させる手段としてエアシリンダ115および載置台110を用いた場合には、載置台110におけるワーク載置領域P(図11参照)の面積を大きくすることができる。例えば、底蓋移動手段として、底蓋130に接続されたワイヤおよびワイヤを引っ張るためのエアシリンダ等を用いる構成では、ワイヤーを設置するためのスペースが必要となってしまうため載置台110におけるワーク載置領域Pが比較的小さくなってしまう。これに対し、エアシリンダ115および載置台110により底蓋130を開閉する構成によれば、ワイヤ等の設置スペース等を確保する必要がないため載置台110におけるワーク載置領域Pの面積を大きくすることができる。
また、上述したように、上蓋120は、カバー位置に位置しているときに底蓋130よりも突出した部分を有する長さに形成されている。このため、ワークが載置された載置台110が、略水平姿勢から底蓋130が下方に移動するよう第2の軸112を中心として回転させられたときに、ワークが落下してしまうことをより確実に抑制することができる。具体的には、底蓋130が下方に位置するよう載置台110が回転させられると、載置台110に載置されていたワークが自重によって底蓋130の上に移動する。このときに、底蓋130がワークの重さにより閉止位置から開放位置に向かって少し回転してしまう場合がある。また、上蓋120に底蓋130から突出する部分が形成されていない場合には、底蓋130がワークの重さにより開放位置に向かって少し回転してしまったときに、底蓋130と、上蓋120との間に形成された隙間からワークが外部に落下してしまう場合があった。これに対し、図2等に示す構成によれば、底蓋130がワークの重さにより開放位置に向かって少し移動してしまったときにも、底蓋130と上蓋120との間に形成された隙間からワークが落下してしまうことをより確実に抑制することができるようになる。
また、底蓋130の両端部における上端側には各傾斜部136が設けられている。このような各傾斜部136により、ワークの重さにより底蓋130が開放位置に向かって少し移動してしまった場合でも、後述する袋の内部に底蓋130等を挿入する動作をスムーズに行うことができる。言い換えると、底蓋130に各傾斜部136が設けられていない場合には、底蓋130がワークの重さによって少し開いてしまったときに底蓋130の両端部における上端側が袋の開口縁に引っかかってしまう場合がある。しかしながら、底蓋130に各傾斜部136を設けることにより、袋の内部に底蓋130が挿入されるときに、袋の開口縁に底蓋130がひっかかってしまうことを防止することができる。
また、図1等に示すように、物品処理装置100の載置台110は、底蓋130が設けられている側の端部近傍の形状が先細り形状に形成されている。また、上蓋120は、当該上蓋120がカバー位置に位置するときに底蓋130に近い箇所の形状が先細り形状に形成されている。このような構成とすることにより、載置台110、上蓋120および底蓋130を袋の内部に挿入する動作を行う際に、載置台110や上蓋120が袋の開口縁にひっかかることなくスムーズに挿入されるようになる。なお、図1等に示す例では、載置台110における底蓋130側の端部の輪郭は曲線形状の先細り形状となっているが、底蓋130側の端部の輪郭が直線形状の先細り形状となっていてもよい。また、カバー位置に位置する上蓋120における底蓋130側の端部の輪郭は直線形状の先細り形状となっているが、底蓋130側の端部の輪郭が曲線形状の先細り形状となっていてもよい。
また、物品処理装置100には、上蓋120が上記の退避位置からカバー位置に正常に移動させられたか否かを検知する上蓋検知部150が設けられている。このような上蓋検知部150の構成について図6および図7を参照して説明する。
図6は、図2に示す物品処理装置100における上蓋検知部150の近傍を拡大して示す側面図である。図6に示すように、上蓋検知部150は、第1検知部分152と、第2検知部分154と、各検知部分152、154により検知される被検知板156とを有している。また、被検知板156は、上蓋120と一体的に回転するよう構成されており、第1の軸122を中心として上蓋120が回転させられたときに被検知板156も同期して回転するようになっている。また、図2の実線で示すように、上蓋120が退避位置にある状態では、被検知板156は第1検知部分152のみにより検知されるようになっている(図6参照)。そして、上蓋120が退避位置からカバー位置に向かって移動すると、被検知板156は図6に示す位置から図7に示す位置に向かって移動する。
図7は、上蓋120が退避位置からカバー位置に正常に移動させられたときの上蓋検知部150の構成を示す図である。この状態においては、被検知板156は、第2検知部分154のみにより検知されるようになっている。また、被検知板156が図6に示す位置から図7に示す位置に回転する途中の段階では、被検知板156は第1検知部分152および第2検知部分154の両方により検知されるようになっている。このため、上蓋120が正常に移動すると、被検知板156が第1検知部分152のみにより検知された状態から、各検知部分152、154の両方により検知されるようになり、最終的に第2検知部分154のみにより検知されるようになる。このことにより、上蓋120がカバー位置に正常に移動したことが上蓋検知部150によって検知される。
一方、退避位置からカバー位置に向かって移動した上蓋120の下面と、載置台110との間に、載置台110に載置されているワークが挟まれることにより、上蓋120がカバー位置に正常に移動させられない場合も起こり得る。この場合には、上蓋120が退避位置からカバー位置に正常に移動しなかったことが上蓋検知部150により検知されるようになっている。具体的には、被検知板156が第1検知部分152のみにより検知された状態から、第2検知部分154のみにより検知される状態とならなかったときに、上蓋120がカバー位置に正常に移動しなかったことが上蓋検知部150により検知される。言い換えると、被検知板156が第1検知部分152および第2検知部分154の両方により検知されている状態が所定の時間よりも長く続いたときに、上蓋120がカバー位置に正常に移動しなかったことが検知される。
図1等に示す例では、制御部195は、上蓋120が退避位置からカバー位置に正常に移動させられなかったことが上蓋検知部150により検知された場合にのみ、第2駆動部116を制御してエアシリンダ115を駆動させるようになっている。このことにより、上蓋120が正常にカバー位置まで移動したことが検知されたときにはエアシリンダ115が駆動されないため、ワークをより迅速に処理することができるようになる。また、制御部195は、上蓋検知部150による検知結果に基づいてエアシリンダ115が駆動された後、上蓋120がカバー位置に正常に移動したことが依然として検知されなかった場合に、エアシリンダ115を再び駆動させるようになっている。
なお、制御部195は、上蓋120を退避位置からカバー位置に向かって移動させた後、エアシリンダ115を毎回駆動させるよう第1駆動部120aおよび第2駆動部116をそれぞれ制御するようになっていてもよい。すなわち、上蓋検知部150による検知結果とは関係なく、上蓋120がカバー位置に向かって移動させられた後に毎回エアシリンダ115を駆動するよう、第1駆動部120aおよび第2駆動部116をそれぞれ制御するようになっていてもよい。この場合には、載置台110にワークが高く積み上げられておらず、上蓋120が正常にカバー位置に位置するよう回転させられるようなケースにおいても、載置台110に載置されたワークの積層状態を平準化することができる。
また、物品処理装置100は報知部190(図10参照)を備えており、物品処理装置100においてエラーが発生したときにこのことが報知部190によって操作者に報知されるようになっている。具体的には、報知部190は制御部195に接続されたディスプレイ、スピーカーやランプから構成されている。例えば、上蓋検知部150による検知脚気に基づいてエアシリンダ115が駆動された後、上蓋120がカバー位置に正常に移動したことが依然として上蓋検知部150により検知されなかった場合に、報知部190によりこのことが操作者に報知されるようになる。
また、物品処理装置100は、載置台110に載置されたワークを載置台110の外部に向かって押し出すための押出部材160と、押出部材160を駆動するための押出部材駆動部(図示せず)とを備えている。具体的には、押出部材160は、載置台110における底蓋130が設けられた側に向かって進退可能となるよう構成されている。また、押出部材駆動部は、例えばエアシリンダから構成されている。本実施の形態においては、押出部材160は、載置台110に載置されたワークを袋保持装置(図示せず)により保持される袋の内部に向かって押し出すために用いられるようになっている。
また、物品処理装置100は、載置台110、底蓋130および上蓋120等を一体的に上下させるための昇降機構170と、昇降機構170を駆動するための第4駆動部170aとを備えている。昇降機構170は、例えばロボシリンダから構成されている。なお、昇降機構170は載置台110、上蓋120、底蓋130およびガイド部140等を一体的に上下させるものであるが、以下では、説明を簡易なものとするため昇降機構170は載置台110を昇降させるものであると記載する。
また、載置台110を第2の軸112を中心として回転させるための上記の第3駆動部110aは、載置台110、上蓋120、底蓋130およびガイド部140等を一体的に回転させるようになっている。しかしながら、昇降機構170と同様に、以下の説明において第3駆動部110aは載置台110を回転させるものであると記載する。
より具体的には、載置台110は、図2に示す載置台110が略水平姿勢となる位置と、底蓋130が下方に移動するよう略水平姿勢から回転させられて載置台110が略鉛直姿勢となる位置との間で第3駆動部110aにより回転させられるようになっている。また、物品処理装置100には載置台検知部180が設けられており、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう正常に回転したか否かが載置台検知部180により検知されるようになっている。このような載置台検知部180の構成について図8および図9を参照して説明する。
図8は、図2に示す物品処理装置100における載置台検知部180の近傍を拡大して示す側面図である。図8に示すように、載置台検知部180は、第1検知部分182と、第2検知部分184と、各検知部分182、184により検知される被検知板186とを有している。被検知板186は載置台110と一体的に回転するよう構成されており、第2の軸112を中心として載置台110が回転させられたときに被検知板186も同期して回転するようになっている。また、図2に示すような載置台110が略水平姿勢となっている状態では、被検知板186は第1検知部分182のみにより検知されるようになっている(図8参照)。そして、載置台110が、底蓋130が下方に移動するよう略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう回転させられると、被検知板186は図8に示す位置から図9に示す位置に向かって移動する。
図9は、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう回転したときの載置台検知部180の構成を示す図であり、この状態において被検知板186は第2検知部分184のみにより検知されるようになっている。一方、被検知板186が図8に示す位置から図9に示す位置に回転する途中の段階では、被検知板186は第1検知部分182および第2検知部分184の両方により検知されるようになっている。このため、載置台110が正常に回転すると、被検知板186が第1検知部分182のみにより検知された状態から、各検知部分182、184の両方により検知されるようになった後、最終的に第2検知部分184のみにより検知されるようになる。このことにより、載置台110が略鉛直姿勢となったことが載置台検知部180により検知される。
一方、底蓋130が下方に移動するよう略水平姿勢から回転させられた載置台110が略鉛直姿勢とならなかった場合には、載置台検知部180によりこのことが検知される。具体的には、被検知板186が第1検知部分182のみにより検知された状態から、第2検知部分184のみにより検知される状態とならなかったときに、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう正常に回転しなかったことが検知される。言い換えると、被検知板186が第1検知部分182および第2検知部分184の両方により検知されている状態が所定の時間よりも長く続いたときに、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう正常に回転しなかったことが検知される。
また、物品処理装置100には、当該物品処理装置100の各構成部材を制御するための制御部195が設けられている。図10に示すように、制御部195には、上述した第1駆動部120a、第2駆動部116、第3駆動部110a、第4駆動部170a、押出部材駆動部(図示せず)、上蓋検知部150、載置台検知部180および報知部190がそれぞれ接続されている。また、上蓋検知部150および載置台検知部180による検知結果は制御部195に送られるようになっている。そして、制御部195は、上蓋検知部150および載置台検知部180による検知結果に基づいて、載置台110や上蓋120が正常に移動させられたか否かを判定するようになっている。また、制御部195から物品処理装置100の各構成部材に指令が送られることにより、物品処理装置100によるワークの処理が行われるようになっている。このようなワークの処理の詳細については後述する。
このような構成の物品処理装置100の近傍には図示しないワーク搬送手段が設置されており、ワーク搬送手段によって載置台110に対して1または複数のワークが載置されるようになっている。具体的には、ワーク搬送手段は、図11に示すような載置台110におけるワーク載置領域Pの内側にワークを載置するよう構成されている。
なお、ワーク載置領域Pにおける同一の場所に複数のワークが戴置されたときに、側壁114の上端部の高さレベルを超えた高さとなるようワークが集積されてしまう場合がある。この場合には、上蓋120が退避位置からカバー位置に向かって移動させられたときに載置台110と上蓋120との間にワークが挟まれてしまうことにより、上蓋120をカバー位置まで正常に回転させることができないという課題があった。このような課題を解決するため、物品処理装置100には上述したエアシリンダ115が設けられている。具体的には、上蓋120がカバー位置に向かって移動させられた後にエアシリンダ115を駆動することにより、載置台110と上蓋120との間に挟まれた複数のワークの積層状態を平準化させ、上蓋120をカバー位置まで移動させることができるようにする。
また、上蓋120がカバー位置に向かって移動させられた後にエアシリンダ115を駆動する構成によれば、ワーク運搬手段として簡易な構成のものを用いることができるようになる。すなわち、載置台110のワーク載置領域Pにおける同一箇所にワークを載置するような、単純な動作を行うワーク搬送手段を用いた場合にも、平準部によりワークの積層状態を平準化することによって上蓋120をカバー位置まで正常に回転させることができる。
なお、上記の課題を解決する別の方法として、他の態様により物品処理装置100の載置台110にワークを載置するようにしてもよい。具体的には、図11に示すワーク載置領域Pを予め複数の領域に仮想的に分割しておき、各領域に順次ワークを載置するようワーク搬送手段を駆動させるようにしてもよい。この場合には、上蓋120を閉じる前に、載置台110のワーク載置部分に載置されたワークの厚みが大きくなってしまうことを抑制することができる。なお、このような方法によって載置台110にワークを載置することに加えて、物品処理装置100の平準部を駆動させることにより、載置台110に載置された複数のワークの積層状態を平準化するようにしてもよい。
次に、物品処理装置100により、図示しない袋保持装置により保持された袋にワークを投入する動作等について図12乃至図18を参照して説明する。ここで、図12は、物品処理装置100の載置台110に載置されたワークを、図示しない袋保持装置によって保持された袋に収納する動作の流れを概略的に説明するためのフローチャートである。また、図13乃至図18は、ワーク投入動作のいくつかのステップにおける物品処理装置100の構成を示す側面図である。
なお、物品処理装置100の動作を理解しやすくするため、図13乃至図18において、ガイド部140の描写を省略している。また、図14乃至図18において、図示しない袋保持装置により保持された袋に投入されるべきワークを参照符号Wで示している。また、袋保持装置により保持された袋については、図18において参照符号Sで示している。
本実施の形態による物品処理装置100によりワークを袋に収納する動作が開始される前には、物品処理装置100は図13に示すような待機状態となっている。待機状態においては、載置台110は略水平姿勢となっており、底蓋130は閉止位置に位置しており、上蓋120は退避位置に位置している。すなわち、制御部195は、ワークが載置台110に載置されるときに上蓋120が退避位置に維持されるよう第3駆動部110aを制御する。また、ワークが投入される袋は、図示しない袋保持装置により開口が上方を向いた姿勢となるよう保持されている。
このような状態においてワークの投入動作が開始されると、図示しないワーク搬送手段が駆動されて物品処理装置100の載置台110にワークが載置される。また、載置台110に所定の量のワークが載置されると、物品処理装置100によりこのことが検知される(STEP1)。なお、載置台110に所定の量のワークが載置されたか否かを検知するための構成として、物品処理装置100の載置台110に重量センサ等を設けるようにしてもよい。あるいは、ワーク搬送手段から物品処理装置100に対して信号が送られることにより、物品処理装置100の載置台110に所定の量のワークが載置されたことが物品処理装置100により検知されるようになっていてもよい。
また、物品処理装置100によって載置台110に所定の量のワークが載置されたことが検知されると、物品処理装置100の制御部195により第1駆動部120aが駆動される(STEP2)。具体的には、待機状態において図13に示す退避位置に位置している上蓋120が、図14に示すカバー位置に移動するよう、第1の軸122を中心として回転させられる(図14の矢印参照)。この際に、上蓋検知部150により上蓋120が正常に退避位置に移動したか否かが検知される(STEP3)。上述したように、上蓋120が退避位置に位置しているときには、上蓋検知部150の被検知板156は第1検知部分152のみにより検知されるようになっている(図6参照)。一方、上蓋120がカバー位置に位置しているときには、被検知板156は上蓋検知部150の第2検知部分154のみにより検知されるようになる(図7参照)。このような構成とすることにより、各検知部分152、154による検知結果に基づいて、上蓋120が退避位置からカバー位置に正常に移動したか否かを検知することができる。
そして、上蓋検知部150により異常が検知されなかった場合、すなわち上蓋120がカバー位置に正常に移動させられたことが検知された場合には、(STEP3の「NO」)、物品処理装置100によるワークの投入動作が継続される(STEP4)。上蓋120をカバー位置に移動させた後のワーク投入動作の詳細については後述する。
一方、上蓋検知部150により異常が検知された場合、すなわち上蓋120がカバー位置に正常に移動させられなかったことが検知された場合には、(STEP3の「Yes」)、制御部195により以下の事が判定される。具体的には、STEP1から開始された一連のワーク投入動作において、上蓋検知部150により検知された異常が1回目に検知されたものであるか否かが制御部195により判定される(STEP5)。そして、上蓋検知部150により現在検知されている異常がワークの処理フローにおいて1回目に検知された異常であると判定された場合には、制御部195により第2駆動部116が制御されてエアシリンダ115が駆動される。
より詳細には、上蓋検知部150により上蓋120が正常にカバー位置まで移動していないことが1回目に検知された場合には、物品処理装置100は概して図15に示すような状態となっている。すなわち、複数のワークが載置台110と上蓋120との間に挟まれたことにより、上蓋120をカバー位置まで移動させることができない状態となっている。この状態においてエアシリンダ115が駆動されると、載置台110が上蓋120に対して移動させられる。そして、上蓋120に対して載置台110が移動させられたときに、載置台110、上蓋120および各ワークの間に摩擦力が働くことにより、載置台110に載置されたワークが移動する(図16の矢印参照)。なお、図1等に示す例では、載置台110は、略水平姿勢の載置台110の延びる方向に沿って複数回(具体的には、3回)往復移動させられるようになっている。
また、図16に示すように、載置台110と上蓋120との間に挟まれた複数のワークの積層状態が平準化されると、積み重ねられたワークによってカバー位置まで移動することができなかった上蓋120が更に回転してカバー位置に位置するようになる。そして、制御部195により、上蓋検知部150により上蓋120がカバー位置まで正常に移動したか否かが再度確認される(STEP3)。また、上蓋120がカバー位置まで正常に移動したことが検知されると(STEP3の「No」)、後述するワークの投入動作が行われるようになる(STEP4)。このように、物品処理装置100の動作によって載置台110に集積された複数のワークの積層状態を平準化することにより、上蓋120と載置台110との間にワークが挟まれた場合に操作者が手動でワークの積層状態を平準化する作業を省略することができる。また、上蓋120がカバー位置まで完全に移動しないことによるエラーの発生が抑制されるため、物品処理装置100の稼働率を向上させることができる。
しかしながら、上蓋検知部150により上蓋120がカバー位置まで正常に移動したか否かが再度確認されたときに(2回目のSTEP3)、上蓋120が依然としてカバー位置まで正常に移動していないケースも考えられる(STEP5の「No」)。例えば、退避位置からカバー位置に向かって回転した上蓋120の下面と載置台110の側壁114の上端縁との間にワークが挟まれるような場合には、上蓋120に対して載置台110を移動させても上蓋120がカバー位置まで移動しないことがある。このような場合には、制御部195により第1駆動部120aが駆動され、上蓋120が退避位置に向かって移動させられる(STEP7)。また、制御部195は、報知部190を制御することにより、上蓋120が正常にカバー位置まで移動しないエラーが発生したことを操作者に報知する(STEP8)。そして、制御部195により物品処理装置100の動作が停止され、操作者による物品処理装置100の再起動が行われる(STEP9)。具体的には、操作者の手により載置台110におけるワークの積層状態が平準化された後、物品処理装置100が再起動され、上記のSTEP1から物品処理動作が再開される。
なお、STEP6を経由した2回目のSTEP3において、上蓋120がカバー位置まで正常に移動していないことが上蓋検知部150により依然として検知されたときに、エアシリンダ115が再び駆動されるようになっていてもよい。また、3回目以降のSTEP3において上蓋120がカバー位置まで正常に移動していないことが上蓋検知部150により依然として検知されたときに、エアシリンダ115を再び駆動するようにしてもよい。
また、1回目のSTEP3において上蓋120がカバー位置に位置していると判定されたり、2回目以降のSTEP3により上蓋120がカバー位置に位置するようになったことが判定されると、ワークの投入動作が継続される。具体的には、まず、図14に示す載置台110にワークが載置された後に上蓋120がカバー位置に位置させられた状態から、第4駆動部170aが駆動されて載置台110が上方に移動させられる。その後、制御部195によって第3駆動部110aが制御されることにより、底蓋130が下方に移動するよう載置台110が略水平姿勢から回転させられる(図17参照)。図17に示すように、本実施の形態においては、載置台110は略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう略90度回転させられるようになっている。
なお、上蓋120がカバー位置に位置しており、底蓋130が閉止位置に位置しているため、載置台110に載置されていたワークが略鉛直姿勢となった載置台110から落下してしまうことを防止することができる。また、上述したように、載置台110の延びる方向(図17における上下方向)において上蓋120が底蓋130から突出した部分を有するよう形成されている。このことにより、自重によって底蓋130の上に移動したワークの重さにより底蓋130が閉止位置から開放位置に向かって少し回転した場合でも、載置台110からワークが落下してしまうことを防止することができる。
また、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう回転させられる際に、載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう正常に回転したか否かが載置台検知部180により検知される。このときに、載置台110が略鉛直姿勢となるよう正常に回転しなかったことが検知された場合には、制御部195により物品処理装置100の動作が停止されるとともに報知部190によりこのことが操作者に報知される。そして、操作者による物品処理装置100の再起動が行われる。一方、載置台検知部180によって載置台110が略水平姿勢から略鉛直姿勢となるよう回転させられたことが検知されると、制御部195により第4駆動部170aが制御され、昇降機構170が駆動される。具体的には、載置台110が所定の距離だけ下方に移動するよう昇降機構170が駆動される。このことにより、載置台110の底蓋130が設けられた側の端部が、袋保持装置により保持される袋の内部に所定の長さ分だけ挿入される(図18参照)。上述したように、略鉛直姿勢となっている載置台110および上蓋120の下端部がそれぞれ先細り形状となっており、底蓋130には、各傾斜部136が形成されている。このため、載置台110、底蓋130および上蓋120が袋の開口部に引っかからずにスムーズに袋の内部に入るようになっている。
この状態において、制御部195によって第2駆動部116が制御されることにより、エアシリンダ115が駆動されて載置台110が移動させられる。そして、載置台110によって底蓋130が閉止位置から開放位置に向かって回転させられる。このことにより、図18に示すように、載置台110、底蓋130および上蓋120により落下が防止されていたワークの落下が許容されるようになり、袋の内部にワークが投入される。このように、物品処理装置100によるワークの投入動作においては、ワークが挟持部材等によって挟持されないため、袋に投入されるべきワークが変形してしまうことを防ぐことができる。また、底蓋130は、載置台110におけるワークが載置される部分と平行に延びた姿勢となるよう、閉止位置から開放位置に向かって略90度回転させられるようになっている。このため、袋の内部において厚み方向(図18における左右方向)に十分なスペースが無い場合であっても、袋の内部にワークを投入することができる。
その後、第4駆動部170aを駆動して載置台110を上昇させて袋の内部から上方に退避させる。本実施の形態においては、載置台110を上方に退避させる動作が行われるときに、押出部材駆動部が駆動されて押出部材160が下降するようになっている。このため、載置台110に載置されたワークが例えば静電気で載置台110や上蓋120に付着してしまい自重によって袋の内部に落下していない場合にも、このワークを袋の内部により確実に投入することができる。
そして、制御部195によって第1駆動部120a、第2駆動部116、第3駆動部110aおよび第4駆動部170aが制御されることにより、物品処理装置100が図13に示す待機状態に戻される。なお、待機状態への復帰動作中にエラーが発生した場合には、物品処理装置100の動作が停止させられるとともに報知部190によりこのことが操作者に報知される。そして、操作者による物品処理装置100の再起動が行われる。
ここで、従来の物品処理装置では、例えば、複数のワークが重なり合った状態で載置台に載置されたときに、当該載置台を上下させることによってワークに振動を加えて各ワーク同士が重ならない状態となるよう平準化するようになっている。しかしながら、物品処理装置に載置台を覆うような上蓋が設けられている場合には、当該上蓋により載置台が覆われたときに、載置台に載置された物品群が当該載置台の上面と上蓋の下面との間に挟まれてしまう場合がある。また、物品群が当該載置台の上面と上蓋の下面との間に挟まれてしまうと、これらの物品群が載置台に対して自由に動くことができなくなるため、この状態において載置台および上蓋を一体的に移動させても物品群を平準化することが難しいという問題があった。また、物品処理装置に上蓋が設けられている場合に、当該上蓋を開閉させる動作を行うことによって物品群の積層状態を平準化しようとしても、上蓋を開閉するだけでは、物品群の積層状態の変化が少なく積層状態を平準化することが難しいという問題があった。
これに対し、以上のような構成からなる本実施の形態の物品処理装置100によれば、載置台110と、上蓋120と、平準部(具体的には、エアシリンダ115)と、第1駆動部120aと、第2駆動部116と、制御部195とがそれぞれ設けられている。また、載置台110には、1または複数のワークが載置されるようになっている。また、上蓋120は、載置台110へのワークの載置を許容する退避位置と、載置台110を覆うことにより載置台110へのワークの載置を許容しないカバー位置との間で移動可能となっている。また、平準部は、上蓋120がカバー位置に向かって移動させられた後に載置台110を上蓋120に対して移動させることにより載置台110に載置された複数のワークの積層状態を平準化させるために設けられている。また、第1駆動部120aは、上蓋120を駆動するようになっており、第2駆動部116は平準部を駆動するようになっている。そして、制御部195により、第1駆動部120aおよび第2駆動部116が制御されるようになっている。このような物品処理装置100の平準部が駆動されたときに、載置台110が上蓋120に対して移動させられるようになっている。このため、積層状態にある複数のワークが載置台110と上蓋120との間に挟まれている場合にも、挟まれていない場合にも、載置台110に載置された複数のワークの積層状態を容易に平準化することができる。
また、本実施の形態の物品処理装置100は、上述したように、上蓋120に対して載置台110を揺動させることによって載置台110に載置された複数のワークの積層状態を平準化するようになっている。また、制御部195は、少なくとも載置台110にワークが載置されるときに上蓋120が退避位置に位置するよう第1駆動部120aを制御する。このため、ワークが載置台110に載置される際に、ワーク搬送手段や作業者の手等と物品処理装置100の構成部材とが干渉してしまうことを防止することができる。また、上蓋120は、略水平方向に延びる第1の軸122を中心として載置台110に対して回転可能となっている。また、制御部195は、退避位置とカバー位置との間で上蓋120が第1の軸122を中心として回転するよう第1駆動部120aを制御するようになっている。このことにより、シンプルな構成によって上蓋120を開閉することができる。
また、本実施の形態の物品処理装置100においては、上述したように、制御部195は、上蓋120を退避位置からカバー位置に向かって移動させた後、平準部を駆動させるよう第1駆動部120aおよび第2駆動部116をそれぞれ制御する。このように、上蓋120をカバー位置に位置させた後、平準部を毎回駆動させる場合には、上蓋120が正常にカバー位置に位置するようなワークの積層状態である場合にも、載置台110に載置されたワークの積層状態を平準化することができる。すなわち、ワークが載置台110における特定箇所に集積されているが、その高さが各側壁114の上端部の高さよりも低い場合でも、ワークの積層状態を平準化することができる。
また、本実施の形態の物品処理装置100は、上述したように、上蓋120が退避位置からカバー位置に正常に移動させられたか否かを検知するための上蓋検知部150を更に備えている。このことにより、上蓋120が正常にカバー位置に移動させられたか否かを判定することができるようになる。また、制御部195は、上蓋120が退避位置からカバー位置に正常に移動させられなかったことが上蓋検知部150により検知された場合にのみ第2駆動部116を制御して平準部を駆動させるようになっている。この場合には、ワークが載置台110の各側壁114の上端部の高さよりも高く積層されている場合にのみ平準部が駆動されるようになるため、ワークをより迅速に処理することができるようになる。また、制御部195は、上蓋120がカバー位置に正常に移動しなかったことが上蓋検知部150により検知され、平準部が駆動された後に上蓋120がカバー位置に正常に移動したことが依然として上蓋検知部150により検知されなかった場合に、第2駆動部116を制御して平準部を再び駆動させるようになっている。このため、1度平準部を駆動させたときに、上蓋120がカバー位置に移動可能となるようワークの積層状態が平準化されなかった場合でも、平準部を再び駆動することにより、ワークの積層状態を平準化することができる。
また、本実施の形態の物品処理装置100は、上述したように、上蓋検知部150により検知されなかった場合にこのことを報知する報知部190を更に備えている。具体的には、上蓋120がカバー位置に正常に移動しなかったことが上蓋検知部150により検知され、平準部が駆動された後に上蓋120がカバー位置に正常に移動したことが依然として検知されなかった場合に、報知部190による報知が行われるようになっている。このため、物品処理装置100においてエラーが発生したことを操作者が迅速に気づくことができるようになる。また、本実施の形態の物品処理装置100は、平準部により載置台110が移動させられるときに当該載置台110を案内するためのガイド部140を更に備えている。このようなガイド部140が設けられている場合には、平準部により載置台110が移動させられる際に載置台110を精度よく移動させることができるようになる。
また、本実施の形態の物品処理装置100は、上述したように、少なくとも載置台110と上蓋120とを第2の軸112を中心として一体的に回転させるための第3駆動部110aと、閉止位置と開放位置との間で移動可能となっている底蓋130とを備えている。また、底蓋130は、閉止位置において、載置台110および上蓋120が略水平姿勢から第2の軸112を中心として回転させられたときに載置台110に載置されたワークの落下を防止するようになっている。また、底蓋130は、開放位置において、載置台110が略水平姿勢から第2の軸112を中心として回転させられたときに当該載置台110に載置されたワークの落下を許容するようになっている。
また、本実施の形態の物品処理装置100においては、上述したように、制御部195は、第3駆動部110aを制御するようになっている。具体的には、制御部195は、上蓋120がカバー位置に位置しており底蓋130が閉止位置に位置している状態で底蓋130が下方に移動するよう載置台110を第2の軸112を中心として略水平姿勢から一体的に回転させるよう第3駆動部110aを制御する。また、制御部195は、当該底蓋130が閉止位置から開放位置に向かって移動させられるよう物品処理装置100の各構成部材を制御する。具体的には、制御部195は、載置台110が上蓋120に対して移動させられたときに当該載置台110によって底蓋130が押されることにより当該底蓋130が閉止位置から開放位置に向かって移動させられるよう第2駆動部116を制御する。このように、載置台110に載置されたワークの積層状態を平準化するための構成と、底蓋130を開閉するための構成の一部が兼用されている場合には、物品処理装置100の構成をシンプルなものとすることができる。なお、底蓋130を駆動するための底蓋移動手段が別個に設けられている場合には、制御部195は、物品処理装置100の各構成部材として上記の底蓋移動手段を制御する。
また、本実施の形態の物品処理装置100は、上述したように、平準部により載置台110が移動させられるときに当該載置台110を案内するためのガイド部140を更に備え、底蓋130はガイド部140に設けられている。また、本実施の形態の物品処理装置100は、少なくとも載置台110と、上蓋120と、底蓋130とを一体的に上下させるための昇降機構170と、昇降機構170を駆動するための第4駆動部170aと、を備えている。また、制御部195は、上蓋120がカバー位置に位置しており底蓋130が閉止位置に位置している状態で底蓋130が下方に移動するよう回転させられた載置台110を下降させるよう第3駆動部110aおよび第4駆動部170aを制御するようになっている。このことにより、図示しない袋保持装置により保持された袋の開口に少なくとも底蓋130が挿入される。その後、制御部195は、底蓋130を閉止位置から開放位置に移動させることによって載置台110に載置されたワークを落下させて収納具の内部に投入するよう第2駆動部116を制御する。
なお、本実施の形態による物品処理装置100および物品処理装置100により行われる物品処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、物品処理装置として、開口を有する袋にワークを投入する際に用いられる物品処理装置100について説明したが、このような限定されることはない。すなわち、カバー位置に向かって移動させられた上蓋120と載置台110との間に挟まれた複数のワークの積層状態を平準化することができるものであれば、他の構成の装置を物品処理装置としてもよい。例えば、上述した物品処理装置100において、載置台110を回転させるための第3駆動部110aや、載置台110を上下させるための第4駆動部170a等の設置が省略されたものが用いられてもよい。
また、物品処理装置100において、ガイド部140の設置が省略されていてもよい。この場合にも、載置台110が上蓋120に覆われた状態において載置台110を上蓋120に対して移動させることにより、載置台110に載置された複数のワークの積層状態を容易に平準化することができる。
また、物品処理装置100において、上蓋検知部150の設置が省略されていてもよい。この場合には、制御部195により、上蓋120を退避位置からカバー位置に向かって移動させた後、エアシリンダ115を毎回駆動させるよう第1駆動部120aおよび第2駆動部116をそれぞれ制御するようにする。このことにより、載置台110に載置された複数のワークの積層状態を容易に平準化することができる。
また、載置台110の各側壁114の設置が省略されていてもよい。この場合にも、載置台110と、カバー位置に向かって移動させられた後の上蓋120との間に挟まれた複数のワークの積層状態を平準化することができる。あるいは、載置台110におけるワークが載置される部分と、各側壁114とを別個の部材から構成するようにしてもよい。そして、エアシリンダ115により、載置台110におけるワークが載置される部分のみが上蓋120に対して移動させられるようになっていてもよい。すなわち、載置台110におけるワークが載置される部分が上蓋120に対して移動可能となるよう構成されていれば、載置台110に載置された複数のワークの積層状態を平準化することができる。
また、載置台110を上蓋120に対して移動させるときの態様として、上蓋120に対して載置台110を直線に沿って揺動させるものについて説明したが、このような態様に限定されることはない。例えば、上蓋120に対して載置台110を曲線に沿って揺動させるようにしてもよいし、上蓋120に対して載置台110を振動させるようにしてもよい。このように載置台110を移動させた場合にも、載置台110とカバー位置に向かって移動させられた上蓋120との間に挟まれた複数のワークの積層状態を平準化することができる。
また、上蓋120として、退避位置とカバー位置との間で第1の軸122を中心として回転可能となるよう構成されたものについて説明したが、他の構成の上蓋を用いるようにしてもよい。例えば、載置台110へのワークの載置を許容する退避位置と、載置台110を覆うことにより載置台110へのワークの載置を許容しないカバー位置との間で、直線的に移動する上蓋が用いられてもよい。具体的には、載置台110におけるワークが載置される部分に向かって進退可能となるよう構成された上蓋を用いるようにしてもよい。
また、図1等に示す例では、載置台110におけるワークが載置される部分の形状が平面状となっているが、載置台110の形状はこのような構成に限定されることはない。例えば、載置台110におけるワークが載置される部分の形状が、規則的または不規則的な凹凸形状や、波形状、あるいは窪みが形成されたものとなっていてもよい。また、載置台110を、金属や樹脂から構成された網目状の部材から構成してもよい。
また、上蓋120を駆動するための第1駆動部120aと、平準部(具体的には、エアシリンダ115)を駆動させるための第2駆動部116とが別個の駆動部から構成されている例について説明したが、このような構成に限定されることはない。例えば、上蓋120と、エアシリンダ115とが単一の駆動部により駆動されるようになっていてもよい。また、上記の単一の駆動部により、載置台110を第2の軸112を中心として回転させるための第3駆動部110aも駆動されるようになっていてもよい。また、上記の単一の駆動部により、載置台110を上下させるための昇降機構170や、押出部材160を駆動するための押出部材駆動部(図示せず)も駆動されるようになっていてもよい。
また、開口を有する袋にワークを収納する際に物品処理装置100を用いる例について説明したが、開口を有する収納具であれば、箱等の袋以外のものにワークを収納する際に物品処理装置100を用いるようにしてもよい。