JP7335123B2 - 樹脂組成物、硬化性組成物、塗膜付き物品、塗膜付き物品の製造方法、コーティング剤及び積層塗膜付き基材の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、硬化性組成物、塗膜付き物品、塗膜付き物品の製造方法、コーティング剤及び積層塗膜付き基材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、硬化性組成物、塗膜付き物品、塗膜付き物品の製造方法、コーティング剤及び積層塗膜付き基材の製造方法に関する。
コーティング剤は、基材表面に潤滑性を付与する目的で、多種多様な分野において用いられる。例えば、カテーテル等の医療用具は、血液等の生体成分や生体組織と接触する環境下で使用されるが、このような医療用具を血管等の生体組織に抵抗なく用いることができるように、医療用具の表面に潤滑性のコーティングを施すことが実施されている。また、基材表面に汚れ(タンパク質、微生物、ケイ藻、海藻、貝類、フジツボ類等)が付着するのを防止する、又は汚れが付着したとしても容易に除去できるようにするために潤滑性のコーティングを用いることも種々検討されている。
例えば、下記特許文献1では、トイレの便器等の硬質表面の汚れの防止を目的として、芳香族スルホン酸系ホルマリン縮合物を含有する防汚剤が提案されている。また、下記特許文献2では、塩素化イソシアヌル酸化合物等の水溶液状態で塩素を発生する固体状漂白剤を含む汚損生物防除剤が開示されている。
また、下記特許文献3では、グリセロール基含有単量体由来の構造単位と、エチレン性不飽和基に炭素数4以上の有機基が結合した構造を有する不飽和単量体由来の構造単位とを有し、且つ所定のガラス転移温度を有する重合体を医療用具用材料として用いることが提案されている。特許文献3の重合体によれば、抗血栓性に優れるとされる。
特開2007-99793号公報 特開平6-157222号公報 特開2018-33846号公報
本発明は、基材表面に潤滑性を付与することができ、且つ基材表面に汚れが付着するのを防止することができる、新たな樹脂組成物、硬化性組成物、塗膜付き物品、塗膜付き物品の製造方法、コーティング剤及び積層塗膜付き基材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、オキサゾリン基を有する架橋剤、エポキシ基を有する架橋剤、カルボジイミド基を有する架橋剤及びメラミン樹脂系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋剤と、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体由来の第1の構造単位及びカルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体由来の第2の構造単位を有する共重合体と、を含有し、当該共重合体における第1の構造単位の含有量が、70質量%以上であり、第2の構造単位の含有量が、1質量%以上であり、架橋剤の含有量が、共重合体100質量部に対して、0.1~4質量部である、樹脂組成物を提供する。
第1の構造単位における少なくとも10質量%が、2以上の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体由来の構造単位であってもよい。
2以上の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体由来の構造単位が、グリセロール(メタ)アクリレート由来の構造単位を含んでいてもよい。
上記本発明に係る樹脂組成物は、防汚塗料用であってよく、医療用具コーティング用であってもよい。
本発明はまた、オキサゾリン基を有する架橋剤、エポキシ基を有する架橋剤、カルボジイミド基を有する架橋剤及びメラミン樹脂系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋剤と、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体及びカルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体を含むモノマーと、ラジカル発生剤と、を含有し、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体の含有量が、モノマー全量を基準として、70質量%以上であり、カルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体の含有量が、モノマー全量を基準として、1質量%以上であり、架橋剤の含有量が、モノマー100質量部に対して、0.1~4質量部である、硬化性組成物を提供する。
上記本発明に係る硬化性組成物は、防汚塗料用であってよく、医療用具コーティング用であってもよい。
本発明はまた、基材と、該基材上に設けられた上記本発明に係る樹脂組成物又は硬化性組成物を架橋してなる架橋体を含む塗膜とを備える、塗膜付き物品を提供する。
本発明はさらに、基材の少なくとも一方の主面上に、上記本発明に係る樹脂組成物又は硬化性組成物を塗布して塗膜を形成するコーティング工程を備える、塗膜付き物品の製造方法を提供する。
本発明はまた、オキサゾリン基を有する架橋剤、エポキシ基を有する架橋剤、カルボジイミド基を有する架橋剤及びメラミン樹脂系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋剤を含有する第1剤と、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体由来の第1の構造単位及びカルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体由来の第2の構造単位を有する共重合体を含有し、共重合体における第1の構造単位の含有量が、70質量%以上であり、共重合体における第2の構造単位の含有量が、1質量%以上である、第2剤と、を備える、コーティング剤を提供する。
上記本発明に係るコーティング剤は、防汚塗料用であってよく、医療用具コーティング用であってもよい。
本発明はさらに、基材の少なくとも一方の主面上に、上記本発明に係るコーティング剤における第1剤を塗布して第1の塗膜を形成するアンダーコーティング工程と、第1の塗膜上に、第2剤を塗布して第2の塗膜を形成するコーティング工程と、を備える、積層塗膜付き基材の製造方法を提供する。
本発明によれば、基材表面に潤滑性を付与することができ、且つ基材表面に汚れが付着するのを防止することができる、新たな樹脂組成物、硬化性組成物、塗膜付き物品、塗膜付き物品の製造方法、コーティング剤及び積層塗膜付き基材の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本明細書中、「(メタ)アクリル酸」なる用語は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。「(メタ)アクリレート」のような類似の表現についても同様である。
<樹脂組成物>
本実施形態に係る樹脂組成物は、所定の架橋剤と、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体(以下、「単量体A」ともいう)由来の第1の構造単位及びカルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体(以下、「単量体B」ともいう)由来の第2の構造単位を有する共重合体と、を含有する。かかる共重合体における第1の構造単位の含有量は70質量%以上であり、第2の構造単位の含有量は1質量%以上である。また、かかる架橋剤の含有量は、共重合体100質量部に対して、0.1~4質量部である。
(架橋剤)
架橋剤は、オキサゾリン基を有する架橋剤、エポキシ基を有する架橋剤、カルボジイミド基を有する架橋剤及びメラミン樹脂系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
オキサゾリン基を有する架橋剤としては、例えば、2,2’-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-メチレン-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-エチレン-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-トリメチレン-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-テトラメチレン-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-ヘキサメチレン-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-オクタメチレン-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-エチレン-ビス(4,4’-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレン-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレン-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレン-ビス(4,4’-ジメチル-2-オキサゾリン)、ビス(2-オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス(2-オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド、オキサゾリン環含有重合体が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中で、反応性を向上させる観点から、オキサゾリン環含有重合体が好ましく、水溶性を有するオキサゾリン環含有重合体がより好ましい。
オキサゾリン環含有重合体は、例えば、株式会社日本触媒製、商品名:エポクロスWS-500、エポクロスWS-700、エポクロスK-2010、エポクロスK-2020、エポクロスK-2030等として商業的に容易に入手することができる。これらの中では、反応性を向上させる観点から、株式会社日本触媒製、商品名:エポクロスWS-500、エポクロスWS-700等の水溶性を有するオキサゾリン環含有重合体が好ましい。
エポキシ基を有する架橋剤としては、例えば、エポキシ基を2以上有するエポキシ基含有化合物が挙げられる。
エポキシ基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル等のエポキシ基を2つ有する化合物;3官能以上のポリエチレングリコールのグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等のエポキシ基を3つ以上有する化合物が挙げられる。
カルボジイミド基を有する架橋剤としては、例えば、カルボジイミド基を2以上有するカルボジイミド基含有化合物が挙げられる。その具体例としては、カルボジライトV-02、カルボジライトE-01(商品名;日清紡ケミカル株式会社製)が挙げられる。
メラミン樹脂系架橋剤としては、例えば、メラミンにホルマリンを作用させた化合物又はそのアルキル変性物が挙げられる。その具体例としては、サイテック・インダストリーズ社製の「サイメル」(登録商標)300、301、303、350、736、738、370、771、325、327、703、701、266、267、285、232、235、238、1141、272、254、202、1156、1158、三和ケミカル社の「ニカラック」(登録商標)E-2151、MW-100LM、MX-750LM、が挙げられる。
樹脂組成物における架橋剤の含有量は、後述する共重合体100質量部に対して、0.1~4質量部であることが必要であり、潤滑性及び防汚性を更に向上させる観点から、0.3~3質量部であると好ましく、0.5~2.5質量部であるとより好ましく、1~2質量部であると更に好ましい。
(共重合体)
本実施形態に係る共重合体は、単量体A由来の第1の構造単位及び単量体B由来の第2の構造単位を有する。
単量体Aは、例えば下記式(1)で表される化合物である。単量体Aは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
Figure 0007335123000001

(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水酸基を有する有機基を示す。)
式(1)において、Rは、水酸基を有する有機基であり、好ましくは水酸基を有する炭素数1~30の有機基であり、より好ましくは水酸基を有する炭素数1~20の有機基である。この有機基としては、例えば、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数4~20のポリオキシアルキレン基、炭素数7~20のアラルキル基が挙げられる。またRには、例えば、フッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子、窒素原子、水酸基以外の官能基等が含まれていてもよい。
単量体A由来の第1の構造単位は、潤滑性及び防汚性を更に向上させる観点から、2以上の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体由来の構造単位を含むことが好ましい。この場合、2以上の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体由来の構造単位の含有量は、第1の構造単位における少なくとも10質量%であるとより好ましく、20質量%以上であると更に好ましく、30質量%以上であると特に好ましい。2以上の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体由来の構造単位の含有量の上限は、特に制限はなく、例えば、第1の構造単位における100質量%以下であってよく、70質量%以下であってもよい。
単量体Aとしては、例えば、2以上の水酸基を有する多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、糖類と(メタ)アクリル酸とのエステル、アミノ基を有する糖類と(メタ)アクリル酸とのエステルが挙げられる。これらのエステルは、エステル化反応のみならず、エステル交換反応や(メタ)アクリル酸グリシジルエステルの開環反応によって調製されたものであってもよい。
2以上の水酸基を有する多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ペンタエリスリトール、1,2,6-ヘキサントリオール、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールが挙げられる。糖類としては、例えば、グルコース、マンノース、ガラクトース、グロース、フルクトース、D-リボース等の単糖類、当該単糖類から誘導されるグルコシド、ガラクトシド、フルクトシド等をはじめ、これらの二量体、三量体が挙げられる。アミノ基を有する糖類としては、例えば、D-グルコサミンが挙げられる。
単量体Aは、潤滑性及び防汚性を更に向上させる観点から、2以上の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体として下記式(1A)で表される単量体及び/又は1つの水酸基を有する(メタ)アクリル単量体として下記式(1B)で表される単量体が好ましい。
Figure 0007335123000002

(式(1A)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1~4のアルキレン基を示す。)
Figure 0007335123000003

(式(1B)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1~4のアルキレン基を示す。)
式(1A)で表される単量体としては、グリセロールモノアクリレート(R=水素原子、R=メチレン基)、グリセロールモノメタクリレート(R=メチル基、R=メチレン基)が挙げられる。
式(1B)で表される単量体としては、ヒドロキシエチルアクリレート(R=水素原子、R=エチレン基)、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル(R=メチル基、R=エチレン基)等が挙げられる。
なお、式(1A)で表される単量体由来の構造単位は、以下の式(1A’)で表される構造単位に相当し、式(1B)で表される単量体由来の構造単位は、以下の式(1B’)で表される構造単位に相当する。
Figure 0007335123000004

(式(1A’)中、R及びRは式(1A)と同義である。)
Figure 0007335123000005

(式(1B’)中、R及びRは式(1B)と同義である。)
単量体Aの分子量は、500以下であると好ましい。
単量体1Aとしては、1,3-ジオキソラン構造を有する単量体を、原料又は中間体として経由する方法で合成された単量体であることが好ましい。1,3-ジオキソラン構造を有する単量体を原料又は中間体として経由して合成した単量体を用いて重合した重合体は、塗膜の平滑性がよく好ましい。
単量体Aに由来する第1の構造単位の含有量は、共重合体の総量に対して、70質量%以上である。潤滑性及び防汚性をより向上させる観点から、共重合体における第1の構造単位の含有量は、80質量%~99質量%であると好ましく、90質量%~97質量%であるとより好ましい。
なお、第1の構造単位は、共重合体中で水酸基を有する構造単位であればよい。すなわち、単量体Aを用いて重合した構造単位であってもよく、水酸基が保護基により保護された単量体として重合した後に、保護基を脱保護する等ポリマーを変性することで水酸基を有する構造を導入してもよい。
単量体Bとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、ビニル安息香酸などのカルボキシ基含有脂肪族系単量体が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸又はイタコン酸が好ましく、アクリル酸又はメタクリル酸がより好ましい。単量体Bは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
単量体Bに由来する第2の構造単位の含有量は、共重合体の総量に対して、1質量%以上である。潤滑性及び防汚性をより向上させる観点から、共重合体における第2の構造単位の含有量は、2質量%~25質量%であると好ましく、3質量%~20質量%であるとより好ましい。
なお、第2の構造単位は、共重合体中でカルボキシ基を有する構造単位であればよい。すなわち、単量体Bを用いて重合した構造単位であってもよく、エステル基等の他の置換基を有する単量体を重合した後に、エステル基等を加水分解等によりカルボキシ基に変換した構造単位であってもよい。
本実施形態に係る共重合体は、上記単量体A及びBのいずれでもない単量体C由来の構造単位を含んでいてもよい。単量体Cとしては、例えば、エチレン性不飽和基に炭素数4以上の有機基が結合した構造を有する単量体が挙げられる。そのような単量体としては、以下の式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
Figure 0007335123000006

(式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素が連続して4個以上結合した炭素鎖を有する有機基を示す。)
式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n-アミル、(メタ)アクリル酸s-アミル、(メタ)アクリル酸t-アミル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸β-メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β-エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチルが挙げられる。
上記エチレン性不飽和基に炭素数4以上の有機基が結合した構造を有する単量体のうち、式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステル以外のものとしては、ブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル等のビニルエーテル類、N-ビニルモルホリン、N-ビニルカルバゾール等のN-ビニル類(ラクタム環を有するものを除く)、N-フェニルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ナフチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ブチルマレイミド、N-イソプロピルマレイミド、N-エチルマレイミド等のN置換マレイミド類が挙げられる。
また、単量体Cとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、及び(メタ)アクリル酸イソプロピルのいずれかの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等;エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレン等のオレフィン類;N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン等のN-ビニル化合物;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチルマレイミド等を使用することもできる。
単量体Cに由来する構造単位の含有量は、共重合体の総量に対して、25質量%以下であると好ましく、20質量%以下であるとより好ましく、10質量%以下であると更に好ましい。
上記共重合体は、上述の単量体を適宜選択して重合反応を行うことにより製造することができる。重合反応の際の単量体の好ましい使用量は、上記共重合体におけるこれらの単量体由来の構造単位の好ましい含有量と同様である。
上記重合反応は、重合開始剤の存在下で重合反応を行うことが好ましい。重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酢酸、ジ-t-ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物等が好適である。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
重合開始剤の使用量としては、重合反応に使用される単量体の使用量1モルに対して、0.01g以上10g以下であると好ましく、0.1g以上5g以下であるとより好ましい。
上記重合反応は、溶媒を使用せずに行ってもよいが、溶媒を使用することが好ましい。溶媒としては、水、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、環境汚染防止の観点等から、水であると好ましい。これらの溶媒は、単独で使用されても2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。溶媒の使用量としては、重合反応に使用される単量体100質量部に対して40~250質量部が好ましい。
上記重合反応は、通常、0℃以上で行われることが好ましく、また、150℃以下で行われることが好ましい。より好ましくは、40℃以上であり、更に好ましくは、60℃以上であり、特に好ましくは、80℃以上である。また、より好ましくは、120℃以下であり、更に好ましくは、110℃以下である。上記重合温度は、重合反応において、常にほぼ一定に保持する必要はなく、一度又は二度以上変動(加温又は冷却)してもよい。重合反応は、常圧、加圧、減圧のいずれの条件下で行ってもよい。
上記重合反応において、単量体や重合開始剤等は、それぞれ反応器に一括して添加してもよく、逐次的又は連続的に添加してもよい。
共重合体の製造方法は、上記重合反応工程以外の他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、例えば、熟成工程、中和工程、重合開始剤や連鎖移動剤の失活工程、希釈工程、乾燥工程、濃縮工程、精製工程が挙げられる。
上述した本実施形態に係る樹脂組成物は、潤滑性及び防汚性に優れることから、防汚塗料用或いは医療用具コーティング用として好適に用いることができる。具体的には、船底塗料、防汚塗料等の塗料、また、金属、繊維、布帛、ガラス、樹脂、中空糸、セラミックス、多孔質、膜など種々の基材の防汚処理、防雲処理、帯電防止、親水化処理、汚染防止処理、アンチファウリング処理等の表面処理に適しており、特に医療用具、医療用機器の表面処理や、船舶、水中構造物、漁網、漁具、配管、用水路、取水施設等の物品の表面処理に好適である。
<硬化性組成物>
本実施形態に係る硬化性組成物は、所定の架橋剤と、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体及びカルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体を含むモノマーと、ラジカル発生剤と、を含有する。水酸基を有する(メタ)アクリル単量体の含有量は、モノマー全量を基準として、70質量%以上であり、カルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体の含有量は、モノマー全量を基準として、1質量%以上である。また、かかる架橋剤の含有量は、モノマー100質量部に対して、0.1~4質量部である。
(架橋剤)
架橋剤は、オキサゾリン基を有する架橋剤、エポキシ基を有する架橋剤、カルボジイミド基を有する架橋剤及びメラミン樹脂系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である。架橋剤の好ましい種類は、上記樹脂組成物において説明した架橋剤の種類と同様であり、ここでは重複する説明を省略する。
硬化性組成物における架橋剤の含有量は、後述するモノマー100質量部に対して、0.1~4質量部であることが必要であり、潤滑性及び防汚性を更に向上させる観点から、0.3~3質量部であると好ましく、0.5~2.5質量部であるとより好ましく、1~2質量部であると更に好ましい。
(モノマー)
本実施形態に係るモノマーに含まれる、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体及びカルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体としては、それぞれ上記樹脂組成物において説明した単量体A及び単量体Bと同様のものを用いることができる。また、モノマーには、単量体A及び単量体Bのいずれでもない単量体Cを含んでいてもよい。当該単量体Cとしては、上記樹脂組成物において説明した単量体Cと同様のものを用いることができる。
(ラジカル発生剤)
ラジカル発生剤としては、例えば光ラジカル発生剤及び熱ラジカル発生剤が挙げられる。
光ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン及びそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2-メチルアントラキノン、2-アミルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパン-1-オンや2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1;アシルホスフィンオキサイド類及びキサントン類が挙げられる。
熱ラジカル発生剤としては、例えば、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシー2-エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物;2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]ハイドレート、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)などのアゾ化合物;t-ブチルハイドロパーオキシド、過酸化水素などの過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、重合開始剤とともに遷移金属塩やアミン類等の還元剤を併用してもよい。
硬化性組成物におけるラジカル発生剤の含有量は、特に制限されないが、例えば0.1~10質量%であると好ましく、0.3~8質量%であるとより好ましく、0.5~5質量%であると更に好ましい。
上述した本実施形態に係る硬化性組成物は、潤滑性及び防汚性に優れることから、防汚塗料用或いは医療用具コーティング用として好適に用いることができる。具体的には、船底塗料、防汚塗料等の塗料、また、金属、繊維、布帛、ガラス、樹脂、中空糸、セラミックス、多孔質、膜など種々の基材の防汚処理、防雲処理、帯電防止、親水化処理、汚染防止処理、アンチファウリング処理等の表面処理に適しており、特に医療用具、医療用機器の表面処理や、船舶、水中構造物、漁網、漁具、配管、用水路、取水施設等の物品の表面処理に好適である。
<塗膜付き物品>
上述した本実施形態に係る樹脂組成物又は硬化性組成物を用いて基材上に塗膜を形成することで、塗膜付き物品を得ることができる。すなわち、本実施形態に係る塗膜付き物品は、基材と、該基材上に設けられた、上記樹脂組成物又は硬化性組成物を架橋してなる架橋体を含む塗膜と、を備える。
基材上に塗膜を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂組成物又は硬化性組成物の溶液を基材に浸漬する方法、当該溶液を基材にスプレーする方法等が挙げられる。
樹脂組成物を架橋してなる架橋体(以下、「架橋体A」ともいう)は、上述の共重合体及び架橋剤を架橋させることで得られる。
架橋前の共重合体及び架橋剤は、取り扱い性等の観点から、共重合体及び架橋剤を含有する水性溶液とすることが好ましい。水性液体は、基材上に容易に塗布することが可能であり、得られる塗膜を架橋させることにより、基材上に架橋体を形成することができる。
水性溶液とは、水又は含水率が50質量%以上である水と親水性有機溶媒との混合溶媒の溶液を意味する。親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、アリルアルコール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン等のケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、アセト酢酸メチル等の脂肪族有機酸アルキルエステル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテルが挙げられる。これらの親水性有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。水性媒体としては、水が好ましい。
水性溶液における共重合体及び架橋剤の濃度は特に限定されないが、例えば、0.5~20質量%とすることができる。
上述の共重合体及び架橋剤を架橋させる際の条件は、用いる架橋剤の種類に合わせて調整することができるが、例えば、50~150℃で5~120分熱処理する条件で架橋させることができる。
硬化性組成物を架橋してなる架橋体(以下、「架橋体B」ともいう)は、上述の架橋剤、モノマー及びラジカル発生剤を重合及び架橋させることで得られる。
ラジカル発生剤として光ラジカル発生剤を用いる場合、例えば、上記硬化性組成物を紫外線照射することにより重合及び架橋反応を進行させることができる。
紫外線としては、波長150~450nmの紫外線を適用することができる。紫外線照射の条件は特に限定されないが、例えば、紫外線照射の照度0.1~100mW/cm、照射時間1~15分の条件とすることができる。
ラジカル発生剤として熱ラジカル発生剤を用いる場合、例えば、上記硬化性組成物を熱処理することにより重合及び架橋反応を進行させることができる。
熱処理条件としては、特に限定されないが、例えば熱処理温度50~200℃、処理時間0.05~5時間とすることができる。
このようにして得られた塗膜は、上述した架橋体A又は架橋体Bを含む、かかる塗膜は、例えば、上述の架橋体又はその前駆体の溶液を適切な基材上に塗布し、適切な条件で乾燥後、必要に応じて架橋条件に付すことにより得られる。
塗膜の厚さは、用途に合わせて適宜調整することができるが、例えば、0.01μm~200μm、好ましくは0.1μm~100μm、更に好ましくは0.5μm~10μmとすることができる。
<コーティング剤、積層塗膜付き基材>
本実施形態に係るコーティング剤は、上述した架橋剤を含有する第1剤と、上述した共重合体を含む第2剤と、を備える。このように、第1剤と第2剤とを別々に備えるコーティング剤を用いることで、第1剤から形成される第1の塗膜と第2剤から形成される第2の塗膜とを別々に形成することができ、結果として、基材と、該基材上に設けられた第1の塗膜と、第1の塗膜上の該基材とは反対側の主面上に設けられた第2の塗膜と、を備える積層塗膜付き基材を得ることができる。
すなわち、積層塗膜付き基材は、基材の少なくとも一方の主面上に上記コーティング剤における第1剤を塗布して第1の塗膜を形成するアンダーコーティング工程と、第1の塗膜上に、第2剤を塗布して第2の塗膜を形成するコーティング工程と、を備える。
このようにして得られた第1の塗膜及び第2の塗膜は、適切な条件で乾燥後、架橋条件に付すことにより架橋されてもよい。
なお、上記第2剤は、共重合体を含んでいてもよいが、上述したモノマー及び上述したラジカル発生剤を含んでいてもよい。この場合、得られた第1の塗膜及び第2の塗膜は、適切な条件で乾燥後、重合及び架橋条件に付すことにより重合及び架橋される。
第1の塗膜及び第2の塗膜の厚さは、用途に合わせて適宜調整することができる。第1の塗膜の厚さは、例えば、0.01~50μmであってよく、0.05~30μmであってよい。第2の塗膜の厚さは、例えば、0.1~10μmであってよく、0.2~5μmであってよい。
また、第1の塗膜及び第2の塗膜の合計厚さも、用途に合わせて適宜調整することができるが、例えば、0.1~200μmであってよく、0.5~100μmであってよい。
本実施形態に係るコーティング剤は、潤滑性及び防汚性に優れることから、防汚塗料用或いは医療用具コーティング用として好適に用いることができる。具体的には、船底塗料、防汚塗料等の塗料、また、金属、繊維、布帛、ガラス、樹脂、中空糸、セラミックス、多孔質、膜など種々の基材の防汚処理、防雲処理、帯電防止、親水化処理、汚染防止処理、アンチファウリング処理等の表面処理に適しており、特に医療用具、医療用機器の表面処理や、船舶、水中構造物、漁網、漁具、配管、用水路、取水施設等の物品の表面処理に好適である。
以下に示す実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<合成例>
[GLMA(グリセロールモノアクリレート)]
撹拌子を入れた反応容器にガス導入管、温度計、冷却管、及び、留出液受器に繋げたトの字管を付し、アクリル酸メチル230g、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール(DOM)70gを仕込み、ガス導入管を通して酸素/窒素混合ガス(酸素濃度7vol%)を吹き込みながら反応溶液を攪拌し、オイルバス(バス温110℃)で加熱を開始した。留出液に水が出てこなくなってから、チタンテトライソプロポキシド4.5gを反応容器に添加し、エステル交換反応を開始させた。生成してくるメタノールをアクリル酸メチルで共沸留去しながら、ガスクロマトグラフィ(GC)分析によりiPGLMA(イソプロピリデングリセリルアクリレート)/DOMの面積比を追跡した。反応開始から7時間後のGC分析で、iPGLMA/DOMの面積比が9/1を超えたのを確認し、反応を終了し、室温まで冷却した。このようにして、GLMA合成の中間体として、1,3―ジオキソラン構造を有する単量体である、iPGLMAを得た。反応液に精製水150gと抽出溶媒として酢酸エチル300gを加え10分撹拌した。チタンテトライソプロポキシドの加水分解により生じた酸化チタンの沈殿を、吸引濾過で除いた濾液を分液漏斗に移し、有機層と水層を分離した。有機層を精製水で2回洗浄したのち、ロータリーエバポレーターに移し、残存アクリル酸メチル及び軽沸成分を留去し、iPGLMA96gを得た。
撹拌子を入れたナスフラスコにガス導入管を設け、精製水160mlとiPGLMA80gを加えて溶解させた後に、予め水に浸漬後に風乾した固体酸触媒アンバーリスト15Jwet(オルガノ社製)を35g加えた。ガス導入管を通して酸素/窒素混合ガス(酸素濃度7vol%)を吹き込みながら反応溶液を攪拌し、室温下で脱保護反応を開始させた。GC分析によりGLMA/iPGLMAの面積比を追跡し、面積比が99/1を超えたのを確認し、4時間で反応を終了した。固体酸触媒を濾別して得られた濾液をn-ヘキサンで洗浄し、未反応iPGLMAを除いた。水層を減圧濃縮し、目的とするGLMA53gを得た。
[共重合体]
撹拌子を入れた反応容器にガス導入菅、温度計、冷却管を付し、単量体としてGLMA13.3g、アクリル酸(AA)0.7g、溶媒としてイオン交換水125.0gを仕込み、窒素ガスを流しながら98℃まで昇温した。アゾ系ラジカル重合開始剤0.007g(和光純薬株式会社製、商品名:VA086)をイオン交換水1.0gに溶解した溶液を投入し、重合反応を開始した。温度を99℃以上に保ちながら、反応を7時間継続し、その間、反応開始から1時間後、3時間後、5時間後にそれぞれ、0.0035gのVA086をイオン交換水0.5gに溶解した溶液を投入した。
得られた重合体1は、GPCにより測定した重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)が、369000であった。また、E型粘度計により測定した反応液の溶液粘度は25℃において19.1mPa・sであった。
<評価方法>
後述する実施例1~7及び比較例1~4で得られた試料フィルムを以下の方法で評価した。結果を表1、表2及び表3に示す。
[塗膜厚み]
マイクロメーターにより測定した。
[水中摺動抵抗]
動摩擦測定機(トリニティラボ社製、商品名:TL201Tt)により、ステンレス鋼(SUS)の平板接触子を用いて、荷重400g、速度1000mm/sec、10往復、往復距離10mmの条件で、試料フィルムの摺動抵抗値を測定した。なお、摺動抵抗の測定は、市販のシアノアクリレート系接着剤で、試料フィルムの縁部をポリスチレン製シャーレに固定子、イオン交換水を注ぎ、試料フィルムを浸漬した状態で行った。
<実施例1>
上記で得られた共重合体を固形分換算で100質量部、及び架橋剤としてのエポクロスWS-700(オキサゾリン系架橋剤:株式会社日本触媒製)を固形分換算で2質量部配合し、エタノールで希釈して濃度5%に調整し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、ペットフィルム(東レ ルミラー)上に、バーコーターを用いて塗布し、室温で乾燥後、熱風乾燥機により120℃で30分間、熱処理し試料フィルムとした。
<実施例2、比較例1>
架橋剤の種類及び配合量を下記表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして、試料フィルムを得た。表1中の商品名又は略語の詳細を以下に示す。
(架橋剤)
WS700:エポクロスWS-700(オキサゾリン基含有架橋剤:株式会社日本触媒製)
V-02:カルボジライト V-02(カルボジイミド基含有架橋剤:日清紡ケミカル株式会社製)
Figure 0007335123000007
<実施例3>
エポクロスWS-700をイソプロピルアルコールで濃度0.5%に希釈して得られた第1剤と、上記で得られた共重合体を水で希釈して得られた第2剤(濃度:5%)とを備えるコーティング剤を準備した。続いて、アンダーコートとして第1剤を、バーコーターを用いてペットフィルム上に塗布し、80℃で5分間乾燥した。次に、第2剤を、バーコーターを用いてその上からオーバーコートして塗布した。室温で乾燥後熱風乾燥機により120℃で30分間、熱処理し試料フィルムとした。
<実施例4>
第1剤に含まれる架橋剤をカルボジライト V-02に変更した以外は実施例3と同様にして、試料フィルムを得た。
<実施例5>
第2剤として、GLMA50質量部、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)45質量部、アクリル酸(AA)5質量部及びラジカル発生剤としてルペロックス575(有機過酸化物:アルケマ吉富社製)0.5質量部からなる液を調製した以外は実施例3と同様にして、試料フィルムを得た。
<比較例2>
アンダーコートを行わなかった以外は実施例3と同様にして、試料フィルムを得た。
実施例3~5及び比較例2の試料フィルムについての評価結果を表2に示す。表2中の商品名又は略語の詳細を以下に示す。
(モノマー)
GLMA:上記グリセロールモノアクリレート
HEA :ヒドロキシエチルアクリレート
AA :アクリル酸
(ラジカル発生剤)
ルペロックス575:ルペロックス575(有機過酸化物:アルケマ吉富社製)
Figure 0007335123000008
<実施例6~7、比較例3~4>
表3に記載の配合で、モノマー、架橋剤及びラジカル発生剤を混合し、硬化性組成物を調製した。得られた硬化性組成物を、ペットフィルム(東レ ルミラー)上に、バーコーターを用いて塗布し、熱風乾燥機により120℃で30分間、熱処理し試料フィルムを得た。
Figure 0007335123000009
後述する実施例8及び比較例5の試料サンプルを作製し、以下の方法でフジツボ付着試験を行った。
<フジツボ付着試験>
試験生物として、内湾海域の人工構造物に大量付着するタテジマフジツボの付着期幼生(キプリス)を用いた。タテジマフジツボ成体(姫路沿岸産)は、循環式水槽(水温23±1℃)内でアルテミアを給餌することによって、維持・飼育した。成体から孵出したノープリウス幼生を回収し、ろ過海水で満たしたガラスビーカー内に移し、浮遊珪藻Cheatoceros calcitransを与えて飼育することによって、人工的に付着期幼生(キプリス幼生)を得た。得られたキプリス幼生は冷暗処理によって維持した。これらの幼生を試験前に室温に戻し、活発に遊泳する固体を選別し、付着試験に用いた。
80mLポリプロピレン容器(68×68×35mm)の底面に試料サンプルを静置し、海水と付着期幼生を投入した。なお、海水は、姫路市沿岸より採取した天然海水をポアサイズ0.45μm(東洋濾紙)の混合セルロースメンブレンにてろ過したものを使用した。海水性状は、塩分濃度2.88%、pH8.19であった。
室温25℃前後、昼間は明下(実験室照明)、夜間は暗下として10日間静置後、付着期幼生の付着率を算出した。結果を表4に示す。
<実施例8>
実施例3で準備したコーティング剤を用い、アンダーコートとして第1剤を、バーコーターを用いて3cm×3cmの硬質塩化ビニル樹脂板上に塗布し、80℃で5分間乾燥した。次に、第2剤を、バーコーターを用いてその上からオーバーコートして塗布した。室温で乾燥後熱風乾燥機により120℃で30分間、熱処理し試料フィルムとした。
<比較例5>
何も塗装しない3cm×3cmの硬質塩化ビニル樹脂板を準備した。
Figure 0007335123000010

Claims (15)

  1. オキサゾリン基を有する架橋剤、エポキシ基を有する架橋剤、カルボジイミド基を有する架橋剤及びメラミン樹脂系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋剤と、
    水酸基を有する(メタ)アクリル単量体由来の第1の構造単位及びカルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体由来の第2の構造単位を有する共重合体と、
    を含有し、
    前記共重合体における前記第1の構造単位の含有量が、70質量%以上であり、
    前記共重合体における前記第2の構造単位の含有量が、1質量%以上であり、
    前記架橋剤の含有量が、前記共重合体100質量部に対して、0.1~質量部であり、
    前記第1の構造単位における少なくとも10質量%が、グリセロール(メタ)アクリレート由来の構造単位を含む
    樹脂組成物。
  2. 前記架橋剤が、水溶性を有するオキサゾリン環含有重合体である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 防汚塗料用である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 医療用具コーティング用である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  5. オキサゾリン基を有する架橋剤、エポキシ基を有する架橋剤、カルボジイミド基を有する架橋剤及びメラミン樹脂系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋剤と、
    水酸基を有する(メタ)アクリル単量体及びカルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体を含むモノマーと、
    ラジカル発生剤と、
    を含有し、
    前記水酸基を有する(メタ)アクリル単量体の含有量が、前記モノマー全量を基準として、70質量%以上であり、
    前記カルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体の含有量が、前記モノマー全量を基準として、1質量%以上であり、
    前記架橋剤の含有量が、前記モノマー100質量部に対して、0.1~質量部であり、
    前記水酸基を有する(メタ)アクリル単量体が、グリセロール(メタ)アクリレートを含む
    硬化性組成物。
  6. 前記架橋剤が、水溶性を有するオキサゾリン環含有重合体である、請求項5に記載の硬化性組成物。
  7. 防汚塗料用である、請求項5又は6に記載の硬化性組成物。
  8. 医療用具コーティング用である、請求項5又は6に記載の硬化性組成物。
  9. 基材と、該基材上に設けられた、請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂組成物又は請求項~8のいずれか一項に記載の硬化性組成物を架橋してなる架橋体を含む塗膜と、を備える、塗膜付き物品。
  10. 基材の少なくとも一方の主面上に、請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂組成物又は請求項~8のいずれか一項に記載の硬化性組成物を塗布して塗膜を形成するコーティング工程を備える、塗膜付き物品の製造方法。
  11. オキサゾリン基を有する架橋剤、エポキシ基を有する架橋剤、カルボジイミド基を有する架橋剤及びメラミン樹脂系架橋剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の架橋剤を含有する第1剤と、
    水酸基を有する(メタ)アクリル単量体及びカルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体を含むモノマーと、ラジカル発生剤と、を含有し、前記水酸基を有する(メタ)アクリル単量体の含有量が、前記モノマー全量を基準として、70質量%以上であり、前記カルボキシ基を有する重合性二重結合含有単量体の含有量が、前記モノマー全量を基準として、1質量%以上であり、前記水酸基を有する(メタ)アクリル単量体が、グリセロール(メタ)アクリレートを含む、第2剤と、
    を備える、コーティング剤。
  12. 前記架橋剤が、水溶性を有するオキサゾリン環含有重合体である、請求項11に記載のコーティング剤。
  13. 防汚塗料用である、請求項11又は12に記載のコーティング剤。
  14. 医療用具コーティング用である、請求項11又は12に記載のコーティング剤。
  15. 基材の少なくとも一方の主面上に、請求項11~14のいずれか一項に記載のコーティング剤における前記第1剤を塗布して第1の塗膜を形成するアンダーコーティング工程と、
    前記第1の塗膜上に、前記第2剤を塗布して第2の塗膜を形成するコーティング工程と、
    を備える、積層塗膜付き基材の製造方法。
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