JP7334871B1 - ε-カプロラクタムの製造方法およびポリアミド6の製造方法 - Google Patents

ε-カプロラクタムの製造方法およびポリアミド6の製造方法 Download PDF

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Abstract

ポリアミド6樹脂組成物からのε-カプロラクタムの製造方法において、化石資源循環利用と地球温暖化ガス排出量低減を両立する、グリーンで省エネルギーな製造方法を提供すること。本発明は、少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)と、290℃以上350℃以下に加熱された水(B)を接触させてε-カプロラクタムを製造する方法において、水とポリアミド6の質量比をX:1、反応温度Y℃とした場合、XとYの積を2,000以下の条件で接触させることを特徴とする、ε-カプロラクタムの製造方法である。

Description

本発明は、資源循環利用と地球温暖化ガス排出量低減を両立するポリアミド6の分解方法であって、より詳しくは比熱容量および気化熱の高い水を少量のみ用いてポリアミド6の解重合を行い、高純度のε-カプロラクタムを高収率で回収するリサイクル方法に関するものである。
近年、海洋プラスチック問題をトリガーに地球環境問題に対する関心が高まり、持続可能な社会の構築が必要であるとの認識が広まってきている。地球環境問題には、地球温暖化をはじめ、資源枯渇、水不足などがあるが、その多くは産業革命以降の急速な人間活動による、資源消費量と地球温暖化ガス排出量の増大が原因にある。そのため、持続可能な社会構築のためには、プラスチックなどの化石資源循環利用、および地球温暖化ガス排出量低減に関する技術がますます重要となる。
プラスチック再資源化技術として、プラスチック廃材を熱分解し、ガス、オイルなどを回収する熱分解油化技術が注目され、数多くの方法が提案されている。例えば、特許文献1には、廃プラスチックの熱分解、スチームクラッキングを含むプロセスにより炭化水素を製造する方法が開示されている。これらの方法は混合廃プラスチックを熱分解油化できるといった利点があるものの、熱分解油をプラスチックモノマーなどの二次原料に変換するためには800℃以上の高温でのクラッキングが必要であり、さらに廃プラスチック中に例えばポリ塩化ビニルのように塩素、ポリアリーレンスルフィドのように硫黄を含むプラスチックが混在した場合にはプラント腐食の課題、ポリアミドのように酸素や窒素を含むプラスチックが混在した場合には爆発の懸念がある。
繊維、フィルム、エンジニアリングプラスチックとして各分野で多量に使用されているポリアミド6の再資源化方法としては、リン酸触媒の存在下、過熱水蒸気を吹き込むことでε-カプロラクタムを得る方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。
また、酸や塩基などの触媒を用いずにポリアミド6の解重合を行う方法として、ポリアミド6と過熱水を280℃から320℃の温度で接触させてラクタムを回収する方法が開示されている(例えば特許文献3、4参照)。
特表2019-533041号公報 特開平8-217746号公報 特表平10-510280号公報 特表平10-510282号公報
特許文献2に開示されたε-カプロラクタムの回収方法はポリアミド6の解重合収率が80%以上と高収率な反応ではあるものの、解重合反応に長時間を要する。さらにポリアミド6繊維に対して約10倍量と多量の過熱水蒸気が必要であるため、化石資源循環利用と地球温暖化ガス排出量低減を両立するには課題の残る技術である。また、本手法はリン酸を触媒として用いた反応であるため、プラスチック中に含まれる添加剤や廃プラスチックにおける付着不純物による触媒失活など、不純物の影響を受けやすい反応である。実際、本発明者らがカリウム塩を含むポリアミド6を原料に、特許文献2記載の方法と同条件、類似条件で回収実験を行った場合、収率が大幅に低下することが見出された。これはカリウム塩によるリン酸触媒作用の失活のためではないかと考えられる。
一方、特許文献3、4に開示されたε-カプロラクタムの回収方法は解重合反応に用いているのは水のみで、上記リン酸のような触媒を用いていないため、添加剤や付着不純物などによる反応失活は起こらない利点がある。しかしながら、開示されているε-カプロラクタムの回収方法は、比熱容量が4.2kJ/kg・K、気化熱が2,250kJ/kgと非常に高い水をポリアミド6に対して約10倍量と多量に用いて長時間反応を行っているため、解重合反応および低濃度のε-カプロラクタム水溶液からのε-カプロラクタムの回収において多量のエネルギーを要する。また、同一条件または類似の条件で単純に水の使用量を下げてもε-カプロラクタムの回収率は低下するのみであった。これは単純に水の使用量を下げただけでは、解重合により生成したε-カプロラクタムとε-カプロラクタムの加水開環により生成する線状オリゴマーの熱力学的平衡点が線状オリゴマー側に移動したためであると考えられる。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
1.少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)と、290℃以上350℃以下に加熱された水(B)を接触させてε-カプロラクタムを製造する方法において、水とポリアミド6の質量比をX:1、反応温度Y℃とした場合、XとYの積を2,000以下の条件で接触させることを特徴とする、ε-カプロラクタムの製造方法。
2.反応温度Y℃での滞留時間をZ分とした場合、XとYとZの積を60,000以下の条件で接触させることを特徴とする1項記載のε-カプロラクタムの製造方法。
3.前記ポリアミド6に含まれる環状2~4量体オリゴマー量が2.0質量%以下であることを特徴とする1または2項記載のε-カプロラクタムの製造方法。
4.前記少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)がアルカリ金属ハロゲン化物を含むことを特徴とする、1から3項のいずれかに記載のε-カプロラクタムの製造方法。
5.前記少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)が、少なくともポリアミド6を含有する樹脂成形体の廃棄物であることを特徴とする、1から4項のいずれかに記載のε-カプロラクタムの製造方法。
6.1からの5項のいずれかの方法によりε-カプロラクタムを得て、ポリアミド6を重合するポリアミド6の製造方法。
本発明は、ポリアミド6樹脂組成物の解重合において、比熱容量の高い水の少量使用での実施でも高収率でε-カプロラクタムを製造可能であることから、エネルギー消費量の少ないε-カプロラクタムの製造方法を提供できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(1)樹脂組成物(A)
本発明は少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)と290℃以上350℃以下に加熱された水(B)を接触させてε-カプロラクタムを製造する方法である。
本発明に用いられるポリアミド6とは、6-アミノカプロン酸および/またはε-カプロラクタムを主たる原料とするポリアミド樹脂である。本発明の目的を損なわない範囲で、他の単量体が共重合されたものでもよい。ここで、「主たる原料とする」とは、ポリアミド樹脂を構成する単量体単位の合計100モル%中、6-アミノカプロン酸由来の単位またはε-カプロラクタム由来の単位を合計50モル%以上含むことを意味する。6-アミノカプロン酸由来の単位またはε-カプロラクタム由来の単位を70モル%以上含むことがより好ましく、90モル%以上含むことがさらに好ましい。
共重合される他の単量体としては、例えば、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ω-ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、5-メチルノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン、1-(2-アミノエチル)ピペラジンなどの脂環族ジアミン、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2-クロロテレフタル酸、2-メチルテレフタル酸、5-メチルイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。これらを2種以上共重合してもよい。
また、これらポリアミド6は重合度調節剤、末端基調整剤などが付加されていても良い。重合度調節剤、末端基調整剤としては、例えば酢酸や安息香酸などを挙げることができる。
本発明のポリアミド6の重合度には特に制限はないが、樹脂濃度0.01g/mLの98%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が1.5~5.0の範囲であることが好ましい。相対粘度がこのような好ましい範囲にあることにより少量の水との反応効率が高くなる傾向となるため好ましく例示できる。
本発明のポリアミド6は、下記式(a)に示す環状オリゴマーを含みうる。ポリアミド6に含まれる下記式(a)に示す環状オリゴマー量に特に制限はないが、2.0質量%以下であることが好ましく、1.8質量%以下であることがより好ましく、1.5質量%以下であることがさらに好ましく例示できる。下記式(a)に示す環状オリゴマーにおいて、mは2~4の整数である。下記式(a)に示す環状オリゴマーは溶融揮発し、ライン閉塞等の原因となるため、環状オリゴマー量が好ましい範囲にあることにより溶融揮発に因るライン閉塞を抑制できる傾向にある。なお、下記式(a)に示すmが5以上の環状オリゴマーはその揮発の程度を考慮して本発明では着目していない。
Figure 0007334871000001
本発明の樹脂組成物(A)には、本発明の目的を損なわない範囲で、さらにアルカリ金属ハロゲン化物を含むことができる。アルカリ金属ハロゲン化物としては、例えばヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物などが挙げられ、これらを2種以上併用することができる。これらの中でも、入手が容易で、ポリアミド6への分散性に優れ、ラジカルとの反応性がより高く、かつ高温での滞留安定性をより向上させるという観点からヨウ化カリウムが好ましい。さらに、これらアルカリ金属ハロゲン化物はヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、塩化銅(I)などの第11族金属ハロゲン化物と併用されることがさらに高温での滞留安定性が向上するためより好ましく用いられる。
これらアルカリ金属ハロゲン化物はポリアミド6が100質量部に対して0.01~1質量部配合してなることが好ましい。アルカリ金属ハロゲン化物をこれら好ましい範囲配合することで、本プロセスにおける加水分解以外の副反応を抑制することができ、ε-カプロラクタム収率が高くなる傾向にある。アルカリ金属ハロゲン化物の配合量は0.02~0.5質量部がより好ましく、0.03~0.4質量部であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物(A)には繊維状充填材を含んでいても良い。ここでの繊維状充填材は、繊維状の形状を有するいずれの充填材でもよい。具体的には、ガラス繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、ワラステナイト、アルミナシリケートなどの繊維状、ウィスカー状充填材、ニッケル、銅、コバルト、銀、アルミニウム、鉄およびこれらの合金からなる群より選ばれる1種以上の金属で被覆されたガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。繊維状充填材の含有量は、樹脂組成物(A)100質量部に対し、1~200質量部であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物(A)には、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに繊維状充填材以外の充填剤、ポリアミド6以外の熱可塑性樹脂、各種添加剤などを配合することができる。繊維状充填材以外の充填剤としては、有機充填剤、無機充填剤のいずれでもよいし、例えば非繊維状充填材が挙げられ、これらを2種以上配合しても良い。非繊維状充填材としては、例えば、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケート、珪酸カルシウムなどの非膨潤性珪酸塩、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母の膨潤性雲母などの膨潤性層状珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ、珪藻土、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化アンチモンなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドロマイト、ハイドロタルサイトなどの金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの金属水酸化物、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、セラミックビーズ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化珪素、燐酸カルシウム、カーボンブラック、黒鉛などが挙げられる。上記の膨潤性層状珪酸塩は、層間に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換されていてもよい。有機オニウムイオンとしては、例えば、アンモニウムイオンやホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどが挙げられる。
各種添加剤の具体例としては、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナミド)、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール系化合物、リン系化合物、メルカプトベンゾイミダゾール系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、有機チオ酸系化合物などの硫黄系化合物、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのアミン系化合物などの熱安定剤、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン系化合物などの可塑剤、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、モンタン酸ワックス類、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミなどの金属石鹸、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物、シリコーン系化合物などの離型剤、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤などを挙げることができる。これら添加剤を含有する場合、その含有量は、ポリアミド6を100質量部とした場合、10質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましい。
樹脂組成物(A)に含まれるポリアミド6以外の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリアミド6以外のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などが挙げられる。これらを2種以上配合しても良い。また、ここでのポリアミド6以外の熱可塑性樹脂の配合量は、本発明の熱可塑性樹脂(A)におけるポリアミド6を100質量部に対し30質量部以下とすることが好ましく例示できる。
本発明のポリアミド6を含む樹脂組成物(A)は、少なくともポリアミド6を含有する樹脂成形体の廃棄物であっても良い。ポリアミド6を含有する樹脂成形体の廃棄物としては、ポリアミド6製品、ポリアミド6製品製造過程で発生する産業廃棄物、あるいはポリアミド6製品使用済み廃棄物などを含む。ポリアミド6製品としては、例えば古着、ユニホーム、スポーツウエアおよびインナーウエアなどの衣料用繊維構造物、カーテン、カーペット、ロープ、網、ベルトおよびシートなどの産業用繊維構造物、住宅建材用成形部品、電気電子成形部品、航空機部品、産業用機械部品、フィルム製品、押出成形品、現場重合成形品、RIM成形品などが挙げられる。さらに、これらの生産工程で発生する製品屑、ペレット屑、塊状屑、切削加工時の切り屑なども廃棄物の対象となる。
(2)ε-カプロラクタムの製造方法
本発明のε-カプロラクタムの製造方法は、少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)と、290℃以上350℃以下に加熱された水(B)を接触させる際、水とポリアミド6の質量比をX:1、反応温度をY℃とした場合、XとYの積を2,000以下の条件で接触させることを特徴とする。
ここで用いられる水(B)に特に制限はないが、水道水、イオン交換水、蒸留水、井戸水など、どのような水を用いても良いが、共存する塩の影響による副反応を抑制するとの観点からはイオン交換水や蒸留水が好ましく用いられる。
また、水(B)としては290℃以上350℃以下に加熱された水が用いられる。水は圧力22.1MPa、温度374.2℃まで上げると液体でも気体でもない状態を示す。この点を水の臨界点と言い、臨界点より低い温度および圧力の熱水を亜臨界水と言う。本発明に用いる水(B)は290℃以上350℃以下であり亜臨界水に該当する。この亜臨界水は水であるにも関わらず、(i)誘電率が低い、(ii)イオン積が高いといった特徴があり、亜臨界水の誘電率、イオン積は温度や水の分圧に依存し、制御することが可能である。誘電率が低くなることにより、水でありながらも有機化合物の優れた溶媒となり、イオン積が高くなることにより水素イオンおよび水酸化物イオン濃度が高くなることから優れた加水分解作用を有する。本発明の水(B)の温度としては300℃以上340℃以下であることが好ましく、320℃以上340℃以下であることがさらに好ましい。このような好ましい範囲にあることで反応時の装置腐食を抑制できる傾向にある。また、水(B)の圧力としては飽和蒸気圧よりも高いことが好ましく例示できる。水(B)としては、液体状態でも水蒸気のような気体状態でも、その両者を用いても良いが、反応場としては、気体状態よりも液体状態の方が反応が進みやすいため水(B)の圧力としては飽和蒸気圧よりも高いことが好ましい。また、水(B)の圧力の上限としては特に制限はないが、20MPa以下であることが例示できる。このような圧力範囲にあることにより、上記した水のイオン積が高くなる傾向にあるため好ましい。水(B)をこのような圧力範囲とするために圧力容器内部を加圧して密閉する方法が挙げられる。圧力容器内部を加圧するには、水(B)に加え気体を封入すれば良く、このような気体としては、空気、アルゴン、窒素などが挙げることができるが、酸化反応などの副反応を抑制するとの観点から、窒素、アルゴンを用いることが好ましい。気体加圧の程度としては、目的の圧力となるように設定するため特に限定はされないが、0.3MPa以上を挙げることができる。
本発明のε-カプロラクタムの製造方法は、水とポリアミド6の質量比をX:1、反応温度をY℃とした場合、XとYの積が2,000以下の条件で接触させることを特徴とする。XとYの積は1,600以下の条件とすることが好ましく、1,300以下の条件とすることがさらに好ましく、1,200以下の条件とすることが特に好ましく例示できる。また、XとYの積の下限に特に制限はないが、好ましくは300以上、より好ましくは320以上、特に好ましくは340以上の条件とすることが例示できる。本発明は化石資源の循環利用と地球温暖化ガス排出量低減の両立を目的としたポリアミド6樹脂組成物からの省エネルギーでのε-カプロラクタムの製造に関するものである。水の比熱容量は4.3kJ/kg・K、気化熱が2,250kJ/kgと、他の有機溶剤と比べると非常に高いため、水の使用量を減らすことが重要であり、XとYの積をこれら条件範囲とすることによりε-カプロラクタムの生成効率と省エネルギーを両立することができる。また、反応温度Y℃における滞留時間をZ分とした場合、XとYとZの積が60,000以下の条件で接触させることを好ましく例示できる。より好ましくは40,000以下、さらに好ましくは30,000以下、特に好ましくは20,000以下の条件とすることを挙げることができる。また、XとYとZの積の下限に特に制限はないが、5,000以上の条件とすることが好ましく、8,000以上の条件がより好ましく、9,000以上の条件が特に好ましく例示できる。XとYとZの積をこのような好ましい条件範囲とすることでより省エネルギーでのε-カプロラクタムの製造効率が高くなる傾向にあるため好ましい。ポリアミド6と水との反応ではε-カプロラクタムの生成に加え、副反応としてε-カプロラクタムと水との反応による線状オリゴマー生成の副反応が進行し、単純に使用する水の量を減らした場合は線状オリゴマーが多量に生成するため、ε-カプロラクタムの生成効率は大幅に低下する。本発明者らは、ポリアミド6と水との反応によるε-カプロラクタムの生成反応、および線状オリゴマー生成の副反応の熱力学的平衡点を解明した結果、XとYの積、ならびにX、YおよびZの積を上記範囲とすることで線状オリゴマーの副生を抑制し、ε-カプロラクタムの生成効率を大幅に向上させることを見出し本発明に至った。
本発明のε-カプロラクタムの製造には、バッチ式および連続方法など公知の各種反応方式を採用することができる。例えばバッチ式であれば、いずれも撹拌機と加熱機能を備えたオートクレーブ、縦型・横型反応器、撹拌機と加熱機能に加えてシリンダー等の圧縮機構を備えた縦型・横型反応器などが挙げられる。連続式であれば、いずれも加熱機能を備えた押出機、管型反応器、バッフルなどの混合機構を備えた管型反応器、ラインミキサー、縦型・横型反応器、撹拌機を備えた縦型・横型反応器、塔などが挙げられる。また、製造における雰囲気は非酸化性雰囲気下が望ましく、窒素、ヘリウム、およびアルゴンなどの不活性雰囲気下で行うことが好ましく、経済性および取り扱いの容易さの面からは窒素雰囲気下が好ましい。
(3)ε-カプロラクタムの回収方法
本発明のε-カプロラクタムの回収方法には特に制限はなく、何れの方法も採用できる。例えば、解重合反応をバッチ式で行う場合は、解重合反応が終了してから水とともに留出させε-カプロラクタム水溶液を得る。解重合反応を連続式で行う場合には、反応の進行とともにε-カプロラクタム水溶液を得ることができる。得られたε-カプロラクタム水溶液は蒸留により水と分離することで純度の高いε-カプロラクタムを回収することができる。また、回収したε-カプロラクタム水溶液中に水に不溶の成分があれば事前に固液分離などの公知の方法により分離し、蒸留分離に供することもできる。
さらに高純度のε-カプロラクタムを得る方法としては、回収したε-カプロラクタムを精密蒸留する方法、微量の水酸化ナトリウムを添加して減圧蒸留する方法、活性炭処理する方法、イオン交換処理する方法、再結晶する方法等の精製方法と組み合わせることができる。これら方法により、蒸留分離では分離困難な不純物も効率的に除去することができる。
(4)ポリアミド6及びその成形品
本発明の記載のε-カプロラクタムの製造方法では、純度の高いε-カプロラクタムを得ることができることから、ポリアミド6の重合原料として用いることができる。ポリアミド6は、ε-カプロラクタムを少量の水の存在下に加熱溶融重合する通常公知の方法によって製造することができる。
また、このようにして得られたポリアミド6は、必要に応じて繊維状充填材や各種添加剤と溶融混練することによりポリアミド6樹脂組成物を製造し、射出成形や押出成形などの通常公知の方法でシートやフィルムなどの各種成形品を得ることができる。
本発明のポリアミド6およびその成形品は、その優れた特性を活かし、電気・電子部品、建築部材、各種容器、日用品、生活雑貨および衛生用品など各種用途に利用することができる。とりわけ、靭性および剛性が要求される航空機用部品、電気・電子部品用途に特に好ましく用いられる。具体的には、ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブなどの航空機関連部品、電気・電子部品としては、例えば、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、抵抗器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、スイッチ、ナイフスイッチ、多極ロッド、モーターケース、テレビハウジング、ノートパソコンハウジングおよび内部部品、CRTディスプレーハウジングおよび内部部品、プリンターハウジングおよび内部部品、携帯電話、モバイルパソコン、ハンドヘルド型モバイルなどの携帯端末ハウジングおよび内部部品、ICやLED対応ハウジング、コンデンサー座板、ヒューズホルダー、各種ギヤー、各種ケース、キャビネットなどの電気部品、コネクタ、SMT対応のコネクタ、カードコネクタ、ジャック、コイル、コイルボビン、センサー、LEDランプ、ソケット、抵抗器、リレー、リレーケース、リフレクター、小型スイッチ、電源部品、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップシャーシ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、SiパワーモジュールやSiCパワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、トランス部材、パラボナアンテナ、コンピューター関連部品などの電子部品などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
各実施例には下記原料を用いた。
[ポリアミド6(PA6-A)]
ポリアミド6樹脂(東レ株式会社製“アミラン”(登録商標)CM1017)、ηr=2.70、融点225℃、環状2~4量体オリゴマー量0.2質量%。
ここで、上記溶液粘度ηrは、98%濃硫酸の0.01g/mL溶液を用いて25℃にて測定した。また、融点は、示差走査型熱量計を用いて、窒素ガス雰囲気下、ポリアミドを溶融状態から20℃/分の降温速度で30℃まで降温した後、20℃/分の昇温速度で融点+40℃まで昇温した場合に現れる吸熱ピークの温度とした。ただし、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、ピーク強度の最も大きい吸熱ピークの温度を融点とした。
ここで、上記環状2~4量体オリゴマー量は、ポリアミド6を粉砕し、JIS標準ふるい24meshを通過し、124meshは不透過であるポリアミド6粉末を集め、当該ポリアミド6粉末20gをメタノール200mLで3時間ソックスレー抽出器を用いて抽出し、抽出液に含まれる環状オリゴマーを高速液体クロマトグラフィーを用いて定量分析を行った。測定条件は次の通り。
〈測定条件〉
高速液体クロマトグラフィー:ウォーターズ社600E
カラム:GLサイエンス社ODS-3
検出器:ウォーターズ社484Tunable Absorbance Detector
検出波長:254nm
溶媒:メタノール/水(メタノール水の組成は20:80→80:20のグラジエント分析)
流速:1mL/min
[繊維状充填材]
ガラス繊維(日本電気硝子株式会社製 T-249)
[アルカリ金属ハロゲン化物]
ヨウ化カリウム(東京化成工業株式会社製)
[参考例1]ガラス繊維強化ポリアミド6(PA6-B)
ポリアミド6(PA6-A)、ガラス繊維をポリアミド6とガラス繊維の質量比が70/30となるように配合して、シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数150rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所社製TEX30α)を用い、ポリアミド6を主フィーダーより供給し、ガラス繊維をサイドフィーダーより供給し、押出されたガットをペレタイズしてガラス繊維強化ポリアミド6(PA6-B)を調製した。
[参考例2]ヨウ化カリウム添加ガラス繊維強化ポリアミド6(PA6-C)
ポリアミド6(PA6-A)、ヨウ化カリウムおよびガラス繊維をポリアミド6とヨウ化カリウム、ガラス繊維の質量比が70/0.2/30となるように配合して、シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数150rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所社製TEX30α)を用い、ポリアミド6とヨウ化カリウムを主フィーダーより供給し、ガラス繊維をサイドフィーダーより供給し、押出されたガットをペレタイズしてヨウ化カリウム添加ガラス繊維強化ポリアミド6(PA6-C)を調製した。
[参考例3]ポリアミド6樹脂成形体の廃棄物I(PA6-D)
ガラス繊維を30質量%含有するポリアミド6樹脂(東レ株式会社製“アミラン”(登録商標)CM1011G30)を成形してダンベル片とした後、破砕してペレット状のポリアミド6成形体廃棄物Iとした。
[参考例4]ポリアミド6樹脂成形体の廃棄物II(PA6-E)
ガラス繊維を30質量%含有するポリアミド6樹脂(東レ株式会社製“アミラン”(登録商標)CM1011G30)を成形してナット状の金属カラーのついた成形片とした後、破砕してペレット状のポリアミド6成形体廃棄物IIとした。
[参考例5]ポリアミド6樹脂成形体の廃棄物III(PA6-F)
非強化ポリアミド6製ファスナー部品(ポリアミド6含有割合99質量%以上)を回収し、破砕してポリアミド6成形体廃棄物IIIとした。上記した高速液体クロマトグラフィー分析を行った結果、ポリアミド6成形体廃棄物IIIにおけるポリアミド6中の環状2~4量体オリゴマー量は0.4質量%であった。
≪評価方法≫
(ε-カプロラクタムの収率(HPLC))
本発明のε-カプロラクタム収率(HPLC)の算出は高速液体クロマトグラフィー測定により実施した。測定条件を下記する。
装置 :島津株式会社製 LC-10Avpシリーズ
カラム :Mightysil RP-18GP150-4.6
検出器 :フォトダイオードアレイ検出器(UV=205nm)
流速 :1mL/min
カラム温度 :40℃
移動相 :0.1%酢酸水溶液/アセトニトリル
サンプル :反応混合物を約0.1g量取り、約10gの脱イオン水で希釈、濾過により脱イオン水に不溶な成分を分離除去することにより高速液体クロマトグラフィー分析サンプルを調製した。
ε-カプロラクタムの定量 :絶対検量線法によりポリアミド6に対するε-カプロラクタム量を定量した。
[実施例1]
撹拌機を具備したSUS316L製オートクレーブに、ポリアミド6(PA6-A)20.0g、脱イオン水60.0gを仕込んだ。水とポリアミド6の質量比(X:1)は3:1である。
反応容器の窒素置換を行い、窒素加圧0.5MPa下に密閉した後、200rpmで撹拌しながら340℃で15分間保持し反応を行った。反応時の到達圧力は13.2MPaであった。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を回収した。反応温度Y℃は340℃であることから、XとYの積は1,020、反応温度340℃での滞留時間が15分であることから、XとYとZの積は15,300である。
回収した反応混合物の高速液体クロマトグラフィー測定により算出したε-カプロラクタム収率は76%であった。
ポリアミド6に対する水の質量比(X)、反応温度(Y)、ε-カプロラクタム収率、および、固定値である水の比熱(4.2kJ/kg・K)、ポリアミド6の比熱(0.6kcal/kg・K)、溶解熱(10kcal/kg)、分解熱(29kcal/kg)、単位時間当たり必要加熱量の20%放熱する前提で算出した、ε-カプロラクタムを1kg製造するに必要な加熱熱量は1,817kcal/kg-Lcmであった。
また、ポリアミド6に対する水の質量比(X)、反応温度(Y)、ε-カプロラクタム収率、および滞留時間(Z)と固定値である水の比熱(4.2kJ/kg・K)、ポリアミド6の比熱(0.6kcal/kg・K)、溶解熱(10kcal/kg)、分解熱(29kcal/kg)、単位時間当たり必要加熱量の20%放熱する前提で算出した、ε-カプロラクタムを1kg製造するのに必要なエネルギーは1,908kcal/kg-Lcmであった。
また、上記反応により回収した反応混合物を減圧30mmHg、加熱温度55℃で水の蒸留分離を行い、濃縮ε-カプロラクタム水溶液を得て、さらに減圧5mmHg、加熱温度150~170℃で蒸留し、留出ε-カプロラクタムを得た。濃縮、蒸留収率は95.8%であった。留出ε-カプロラクタムのHPLC不純物は0.48%であり、ポリアミド6の重合原料として使用可能な品質であった。
[実施例2~8、比較例1~4]
原料にPA6-Aを用い、ポリアミド6に対する水の量、反応温度、反応時間を変更して実施例1と同様の方法にて解重合を行いε-カプロラクタムの製造を行った。反応条件およびε-カプロラクタム収率、ε-カプロラクタム1kgを製造するに要した加熱熱量、エネルギーを表1に示す。
Figure 0007334871000002
表1よりXとYの積を2,000以下、さらにはXとYとZの積を60,000以下とすることによりε-カプロラクタム製造に要するエネルギー量を大幅に抑制しつつ、高収率でε-カプロラクタムを製造可能であることが分かる。
[実施例9~13]
原料にPA6-B~Fを用い、ポリアミド6に対する水の量を変更して実施例2と同様の条件にて解重合を行いε-カプロラクタムの製造を行った。反応条件およびε-カプロラクタム収率、ε-カプロラクタム1kgを製造するに要した加熱量、エネルギーを表2に示す。
Figure 0007334871000003
表2より、ポリアミド6を含む樹脂組成物(A)がアルカリ金属ハロゲン化物を含むことによりε-カプロラクタムの収率が向上傾向にあることが分かる。さらに、ポリアミド6を含む樹脂組成物(A)として樹脂成形体の廃棄物を用いても収率の低下なく、省エネルギーでε-カプロラクタムが得られることが分かる。
[実施例14]ポリアミド6の重合
試験管に実施例1に記載の方法で回収したε-カプロラクタム10g、安息香酸2.16mg、イオン交換水10.0gを量り取った。試験管をオートクレーブ内に仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した後、ジャケット温度を250℃に設定し、加熱を開始した。内圧を1.0MPaに到達した後、内圧を1.0MPaで3時間保持した。その後1.5時間かけて内圧を常圧に放圧、内温が228℃に到達した時点で、加熱を停止した。重合完了後、試験管からポリマーを回収し破砕処理を行った。破砕ポリマーを95℃熱水中で15時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のポリマーは80℃で24時間真空乾燥に処して、融点226℃、ηr=2.75のポリアミド6樹脂を得た。
[実施例15]高圧反応
ここでは、高圧下での反応結果について記す。
撹拌機を具備したSUS316L製オートクレーブに、ポリアミド6(PA6-A)45.0g、脱イオン水135.0gを仕込んだ。
反応容器の窒素置換を行い、窒素加圧5.0MPa下に密閉した後、200rpmで撹拌しながら320℃で15分間保持して反応を行った。反応時の到達圧力は19.8MPaであった。
反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を回収した。反応温度Y℃は320℃であることから、XとYの積は960、反応温度320℃での滞留時間が15分であることから、XとYとZの積は14,400である。
回収した反応混合物の高速液体クロマトグラフィー測定により算出したε-カプロラクタム収率は83%であった。実施例2との比較により、反応時の圧力を飽和蒸気圧以上の高圧とすることにより、ε-カプロラクタムを高収率で得られる傾向にあることが分かる。
[実施例16]
原料にPA6-Aを用い、ポリアミド6(60g)に対する水(120g)の量を変更して実施例15と同様の方法にて解重合を行いε-カプロラクタムの製造を行った。反応条件およびε-カプロラクタム収率、ε-カプロラクタム1kgを製造するに要した加熱熱量、エネルギーを表3に示す。
Figure 0007334871000004
表3より高圧下で解重合を行うことにより、ε-カプロラクタムの収率が向上傾向にあり、ε-カプロラクタム1kgを製造するに要する加熱熱量、消費エネルギーが低減することが分かる。

Claims (9)

  1. 少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)と、300℃以上340℃以下に加熱された水(B)を接触させてε-カプロラクタムを製造する方法において、前記少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)がアルカリ金属ハロゲン化物を含み、水とポリアミド6の質量比をX:1、反応温度Y℃とした場合、XとYの積を1,600以下の条件で接触させることを特徴とする、ε-カプロラクタムの製造方法。
  2. 少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)と、300℃以上340℃以下に加熱された水(B)を接触させてε-カプロラクタムを製造する方法において、用いる水(B)が300℃以上340℃以下に加熱された液体状態の水であり、水とポリアミド6の質量比をX:1、反応温度をY℃とした場合、XとYの積を1,600以下の条件で接触させることを特徴とする、ε-カプロラクタムの製造方法(ただし、加熱筒内に挿通されたスクリュにて繊維含有の加水分解性樹脂組成物と水とを前記加熱筒の上流側から下流側に向けて搬送しつつ加熱加圧下に混練することによって前記加水分解性樹脂組成物を連続的に加水分解することを特徴とする加水分解連続処理方法を除く)
  3. 少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)と水(B)を接触させてε-カプロラクタムを製造する方法において、用いる水(B)が300℃以上340℃以下に加熱された液体状態の水であることを特徴とする請求項1に記載のε-カプロラクタムの製造方法。
  4. 少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)と水(B)を接触させてε-カプロラクタムを製造する方法において、ポリアミド6と水の反応圧力が10.3MPa以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のε-カプロラクタムの製造方法。
  5. 反応温度Y℃での滞留時間をZ分とした場合、XとYとZの積を60,000以下の条件で接触させることを特徴とする請求項1または2に記載のε-カプロラクタムの製造方法。
  6. 前記ポリアミド6に含まれる環状2~4量体オリゴマー量が2.0質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のε-カプロラクタムの製造方法。
  7. 前記少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)がアルカリ金属ハロゲン化物を含むことを特徴とする請求項2に記載のε-カプロラクタムの製造方法。
  8. 前記少なくともポリアミド6を含む樹脂組成物(A)が、少なくともポリアミド6を含有する樹脂成形体の廃棄物であることを特徴とする、請求項1または2に記載のε-カプロラクタムの製造方法。
  9. 請求項1または2に記載ε-カプロラクタムの製造方法によりε-カプロラクタムを得る工程、および得られたε-カプロラクタムを重合しポリアミド6を得る工程を含む、ポリアミド6の製造方法。
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