JP7334636B2 - 副室式点火システム - Google Patents

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Description

本発明は、主室と副室とに区分けされた燃焼室の副室内の燃料に点火する副室式点火システムに関する。
副室式点火システムの中には、エンジンの燃焼室を副室と主室とに区分けする隔壁と、副室内の燃料に点火する点火プラグと、点火プラグを制御する点火制御部とを有し、隔壁に、副室と主室とを連通させる連通孔が設けられているものがある。そして、このような技術を示す文献としては、次の特許文献1がある。
特開2009-270541号公報
上記の副室式点火システムでは、まず副室内の燃料に炎が着火して副室内に火炎が広がってから、次にその火炎が連通孔から主室内に噴出して主室内に火炎が広がることになる。そのため、点火から主室内に火炎が広がるまでの時間が長くなる。そして、このような問題は、エンジンに加わっている負荷の大きさが小さい低負荷状態の時に、特に顕著になる。すなわち、アクセルの踏み込み量等が少ない低負荷状態の時には、燃焼室内に供給される燃料の量が少なくなること等により、副室内や主室内における燃料が少なくなり燃え難くなることにより、副室内や主室内における燃焼の進行が遅くなるからである。そのため、副室式点火システムにおける低負荷状態の時には、特に顕著に、点火から主室内に火炎が広がるまでの時間が長くなる。
そのため、副室式点火システムにおける低負荷状態の時において、次に示す最適点火制御を行おうとした場合、次に示す問題があることに本発明者は着目した。以下では、点火プラグが点火を行うタイミングを「点火タイミング」とし、点火タイミングの後において、燃焼室内の燃料のうちの所定量が燃焼した状態になるタイミングを「燃焼タイミング」とする。そして、点火タイミングから燃焼タイミングまでの時間を「燃焼時間」とする。
最適点火制御では、最適な燃焼タイミングとしての最適燃焼タイミングよりも燃焼時間だけ早いタイミングである最適点火タイミングを算出する。その最適点火タイミングに点火タイミングを制御する。しかしながら、副室式点火システムにおける低負荷状態の時には、上記のとおり、点火から主室内に火炎が広がるまでの時間が長くなることにより、上記の燃焼時間が長くなってしまう。それにより、その燃焼時間の分だけ最適燃焼タイミングよりも早い最適点火タイミングが、早くなり過ぎてしまう。
そして、算出された最適点火タイミングが早過ぎる場合、事実上、その最適点火タイミングに点火タイミングを制御することは不可能になる。その最適点火タイミングで実際に点火した場合、圧縮上死点前での、すなわち圧縮行程での燃焼量が多くなり過ぎ、その燃焼により発生する逆トルク、すなわちエンジンの回転を減衰させる方向に加わる逆方向のトルクにより、エンジンのトルクの一部が相殺されてトルクが下がってしまうからである。
そのため、副室式点火システムにおける低負荷状態の時には、最適点火タイミングよりも遅いタイミングに点火タイミングを制御する他なくなる。しかしながら、その場合、燃焼タイミングが最適燃焼タイミングよりも遅くなることにより、効率的にトルクを得ることができなくなってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、副室式点火システムにおける低負荷状態の時においても、最適点火タイミングに点火タイミングを制御できるようにすることを、主たる目的とする。
本発明の副室式点火システムは、エンジンの燃焼室を副室と主室とに区分けする隔壁と、所定の放電ギャップに電圧を印加して放電火花を発生させることにより前記副室内の燃料に点火する点火プラグと、前記点火プラグを制御する点火制御部とを有する。そして、前記隔壁に、前記副室と前記主室とを連通させる連通孔が形成されている。
以下では、前記エンジンに加わっている負荷が所定の大きさである状態を高負荷状態とし、前記エンジンに加わっている負荷が当該所定の大きさよりも小さい状態を低負荷状態とする。また、前記点火プラグが前記放電ギャップにおける放電を開始するタイミングを点火タイミングとし、前記点火タイミングの後において前記燃焼室内の燃料のうちの所定量が燃焼した状態になるタイミングを燃焼タイミングとする。そして、前記点火タイミングから前記燃焼タイミングまでの時間を燃焼時間とする。
前記点火制御部は、最適な前記燃焼タイミングとしての最適燃焼タイミングよりも前記燃焼時間だけ早いタイミングである最適点火タイミングを算出して、前記最適点火タイミングに前記点火タイミングを制御する最適点火制御を、前記高負荷状態の時に行う。
以下では、前記点火タイミングと前記燃焼タイミングとの間において、前記副室内に発生した火炎が前記連通孔から前記主室内に噴出し始めるタイミングを噴出タイミングとする。そして、前記点火タイミングから前記噴出タイミングまでの時間を噴出時間とする。
前記点火制御部は、前記高負荷状態の時に比べて前記低負荷状態の時に前記噴出時間が長くなるのを抑制する噴出遅延抑制制御を行う噴出制御部を有する。そして、前記低負荷状態の時には、前記噴出制御部により前記噴出遅延抑制制御を行うことにより、前記高負荷状態の時に比べて前記燃焼時間が長くなるのを抑制しつつ、前記点火制御部により前記最適点火制御を行う。
本発明によれば、低負荷状態の時に、噴出遅延抑制制御を行うことにより、高負荷状態の時に比べて燃焼時間が大きくなるのを抑制できる。そのため、その燃焼時間の分だけ最適燃焼タイミングよりも早い最適点火タイミングが、早くなり過ぎるのを抑制できる。それにより、副室式点火システムにおける低負荷状態の時においても、最適点火タイミングに点火タイミングを制御することが可能になる。そして、実際に最適点火制御を行うことにより、最適点火タイミングに点火タイミングが制御される。それにより、最適燃焼タイミングに燃焼タイミングが制御されることになり、トルクを効率的に発生させることができる。
第1実施形態の点火システムを示す断面図 副室及びその周辺を示す断面図 点火プラグ及びその周辺の回路を示す回路図 点火プラグによる点火を示すタイミングチャート 放電エネルギの制御を示すグラフ 上死点前点火制御における副室及びその周辺を示す断面図 上死点後点火制御における副室及びその周辺を示す断面図 連通気流の流速変化を示すグラフ 燃焼の進行を示すタイミングチャート 点火制御部による制御を示すフローチャート
次に本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施できる。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の副室式点火システム70を示す断面図である。この副室式点火システム70は、エンジン90に対して設置されている。エンジン90は、一燃焼サイクルが吸気行程→圧縮行程→膨張行程→排気行程の4行程からなる4ストロークエンジンである。以下では、それらのうちの圧縮行程と膨張行程との間の上死点を「圧縮上死点tD」という。エンジン90は、シリンダ10と、その上部に取り付けられているヘッド20とを有する。
以下では、図に合わせて、シリンダ10の中心線Xの長さ方向を上下方向として説明する。ただし、例えば、当該中心線Xを上下方向に対して斜めにしてエンジン90及び副室式点火システム70を設置したり、当該中心線Xを水平方向にしてエンジン90及び副室式点火システム70を設置したりする等、エンジン90及び副室式点火システム70は、任意の方向に設置することができる。
シリンダ10内には、ピストン18が設置されている。ピストン18は、リンク12を介してクランクシャフト11に連結されており、クランクシャフト11の回転に従い上下動する。そのピストン18の上方に燃焼室30が形成されている。
ヘッド20には、燃焼室30内に気体を吸入するための吸気通路21と、燃焼室30内の気体を排出するための排気通路29とが設けられている。そして、吸気通路21には吸気弁24が設置され、排気通路29には排気弁26が設置されている。吸気弁24は吸気カム23により駆動され、排気弁26は排気カム27により駆動される。そして、ヘッド20には、吸気通路21に燃料を噴射するための燃料噴射装置22が設置されている。
副室式点火システム70は、ヘッド20に取り付けられている点火プラグ40と、気流を点火プラグ40の放電ギャップ45に流れ易くするための気流支援構造Asと、各センサ51~53と、各センサ51~53からの入力に基づいて点火プラグ40を制御する点火制御部60とを有する。
各センサ51~53は、クランクセンサ51と吸気圧センサ52と水温センサ53とを含む。クランクセンサ51は、クランク角度やエンジン90の回転速度を検出する。吸気圧センサ52は、吸気通路21の気圧である吸気圧を検出する。水温センサ53は、エンジン90を冷却するための冷却水の水温を検出する。
点火制御部60は、ECU(電子制御ユニット)等の一部であり、噴出制御部63及び対気流制御部64を有する。噴出制御部63は、点火プラグ40により副室38内の燃料に点火してから火炎が主室内に噴出し始めるまでの時間である噴出時間t13を制御する。
具体的には、噴出制御部63は、エンジン90に加わっている負荷や、エンジン90の空燃比や、エンジン90において排気を再び吸気に戻す量であるEGR量や、エンジン90の冷却水の水温等の各パラメータに基づいて、それらのパラメータの変動によっても噴出時間t13の変動が小さくなるように制御する。上記の負荷は、例えば、アクセルペダルの踏み込み量から算出してもよいし、エンジン90に加わっている負荷を直接検出してもよいし、エンジン90の回転速度の変化等から算出してもよい。対気流制御部64は、気流支援構造Asによる気流によっても点火プラグ40の放電火花Fが途切れないように点火プラグ40を制御する。
図2は、副室38及びその周辺を示す断面図である。点火プラグ40は、中心電極44とその外周側に設けられている絶縁碍子41とを有する。絶縁碍子41の下端部には、隔壁34が取り付けられている。その隔壁34により、燃焼室30が主室31と副室38とに区分けされている。具体的には、隔壁34よりも内側が副室38を構成し、隔壁34よりも外側が主室31を構成している。隔壁34は、導電体製であり、点火プラグ40の接地電極を兼ねている。
隔壁34には複数の連通孔35が形成されており、それら複数の連通孔35により、副室38と主室31とが連通している。それら複数の連通孔35のうちの1つである中央連通孔35cは、シリンダ10の中心線X上に設けられており、隔壁34を上下方向に貫通している。
その中央連通孔35cのすぐ上方に中心電極44の下端部が位置している。すなわち、中心電極44の下部は、絶縁碍子41の下端から下方に長く延びており、中央連通孔35cに近接している。その中心電極44の下端部と、隔壁34における中央連通孔35cの上端周辺部との間の隙間が、放電ギャップ45を構成している。よって、放電ギャップ45は、副室38内における中央連通孔35cの直ぐ近くに設けられており、複数の連通孔35のうち中央連通孔35cに最も近接している。
このように、放電ギャップ45が中央連通孔35cに近接していることにより、放電ギャップ45に気流が流れ易くなっている。この構造が、気流支援構造Asを構成している。すなわち、気流支援構造Asとして、放電ギャップ45が中央連通孔35cに近接している構造が形成されている。点火プラグ40は、その放電ギャップ45に電圧を印加することにより放電火花Fを発生させる。その放電火花Fが、気流支援構造Asによる気流により伸長することにより、燃料に対する着火性が向上する。
図3は、点火プラグ40の回路及びその周辺を示す回路図である。点火プラグ40は、一次コイル412と2次コイル421とを有する。一次コイル412と2次コイル421とはコア401に巻かれている。一次コイル412にはバッテリ411とスイッチング素子413とが直列に接続されている。他方、2次コイル421には、放電ギャップ45とダイオード422とが直列に接続されている。スイッチング素子413は、点火制御部60により制御される。
以下では、スイッチング素子413をONからOFFにした際に2次コイル421において電流が流れる方向を「順方向」といい、その反対方向を「逆方向」という。ダイオード422は、順方向の電流が流れるのを許容し、逆方向に電流が流れるのを阻止する方向に設置されている。
図4は、点火プラグ40の制御を示すタイミングチャートである。図4(a)に示すように、所定の通電タイミングt0で点火信号がHighになると、それに伴い点火制御部60は、スイッチング素子413をONにする。それにより、一次コイル412に図4(b)に示す一次電流が流れ始め、その一次電流は、時間の経過と共に大きくなっていく。それにより図4(e)に示すように、一次コイル412に放電エネルギEが磁気エネルギの形で蓄えられる。そして、図4(a)に示す点火信号が、通電タイミングt0よりも所定の充電時間t01だけ後の点火タイミングt1でLowになる。それにより、2次コイル421に、図4(c)に示す二次電圧が発生して、放電ギャップ45に絶縁破壊が生じる。それにより、放電ギャップ45に図4(d)に示す二次電流が流れて、放電ギャップ45に放電火花Fが発生する。その後は、図4(e)に示すように、磁気エネルギとして蓄えられていた放電エネルギEが、図4(d)に示す二次電流が流れるのに従い減少していき、それに伴い二次電流の大きさも減少する。
次に図5を参照しつつ、放電ギャップ45に印加する放電エネルギEの制御について説明する。図5(a)は、放電エネルギEを相対的に小さく制御した場合の一次電流の時間変化を示すグラフであり、図5(b)は、放電エネルギEを相対的に大きく制御した場合の一次電流の時間変化を示すグラフである。図5(a)に示すように、放電エネルギEを相対的に小さく制御する場合には、充電時間t01を相対的に短く設定し、図5(b)に示すように、放電エネルギEを相対的に大きく制御する場合には、充電時間t01を相対的に長く設定する。以上の制御により、噴出制御部63及び対気流制御部64は放電エネルギEを制御する。
図6は、圧縮上死点tDよりも前(すなわち圧縮行程)に点火を行う上死点前点火制御における、副室38及びその周辺を示す断面図である。このような上死点前点火制御は、通常時に行う。以下では、中央連通孔35cに流れる気流を「連通気流A」という。この上死点前点火制御における点火の際には、主室31側から副室38側に流れる上向きの連通気流Aが放電ギャップ45に流れる。その連通気流Aにより、放電火花Fが副室38内において上方に伸長する。その伸長した放電火花Fにより、副室38内の燃料に炎が着火する。それにより副室38内に発生した火炎は、副室38内に伝播した後、各連通孔35から主室31内に向けて放出される。
図7は、圧縮上死点tDよりも後(すなわち膨張行程)に点火を行う上死点後点火制御における、副室38及びその周辺を示す断面図である。このような上死点後点火制御は、ファーストアイドリング時等、エンジン90が所定の運転状況の時に行う。ファーストアイドリング時は、エンジン90の始動後において、触媒暖機等のためにアイドル回転数を通常よりも高くする時期である。この上死点後点火制御における点火の際には、副室38側から主室31側に流れる下向きの連通気流Aが放電ギャップ45に流れる。その連通気流Aにより、放電火花Fが副室38内から中央連通孔35cを通じて主室31内にまで伸長する。その伸長した放電火花Fにより、副室38内及び主室31内の両室内の燃料に炎が着火する。
図8は、連通気流Aの流速(絶対値)の変化のイメージを示すグラフである。放電ギャップ45に流れる流速は、この連通気流Aの流速に略比例する。具体的には、連通気流Aは、圧縮行程の後半においては、主室31内の気体が中央連通孔35cを含む各連通孔35に集中して流れることにより、主室31内や副室38内の気流に比べて強くなる。そのため、中央連通孔35cに近接している放電ギャップ45に流れる気流も、主室31内や副室38内の気流に比べて強くなる。その後、連通気流Aの流速は、この図8に示すように、圧縮上死点tDに近づくに従い低下していき、圧縮上死点tD又はその近傍で、一旦略零になる。しかし連通気流Aは、圧縮上死点tDの後に再び速やかに発生する。連通気流Aは、ピストン18が下降を開始して副室38と主室31との間に気圧差が発生し始めると、今度は逆に、副室38内の気体が中央連通孔35cを含む各連通孔35に集中して流れることにより、速やかに発生するからである。
副室式点火システム70は、この連通気流Aを積極的に利用して、放電ギャップ45に気流を流すようにしている。それが上記の気流支援構造Asである。以上のように、連通気流Aは、圧縮上死点tDから離れるに従い強くなる。具体的には、圧縮上死点tDよりも前、すなわち圧縮行程の後半においては、クランク角度が圧縮上死点tDから進角するほど放電ギャップ45に流れる気流が強くなる。他方、圧縮上死点tDよりも後、すなわち膨張行程の前半においては、クランク角度が圧縮上死点tDから遅角するほど、放電ギャップ45に流れる気流が強くなる。そのため、点火タイミングt1が圧縮上死点tDから離れるほど、放電火花Fは吹き消えやすくなる。そのため、対気流制御部64は、その気流によっても放電火花Fが途切れないように放電エネルギEを制御する。
具体的には、対気流制御部64は、上死点前点火制御の際、すなわち、圧縮行程の後半に点火が行われる際には、点火タイミングt1が所定のタイミングである場合に比べて、点火タイミングt1が当該所定のタイミングよりも早いタイミングである場合に、放電エネルギEが大きくなるように制御する。より具体的には、例えば、点火タイミングt1が早くなるに従い放電エネルギEが大きくなるように制御する。
他方、対気流制御部64は、上死点後点火制御の際、すなわち、膨張行程の前半に点火が行われる際には、点火タイミングt1が所定のタイミングである場合に比べて、点火タイミングt1が当該所定のタイミングよりも遅いタイミングである場合に、放電エネルギEが大きくなるように制御する。より具体的には、例えば、点火タイミングt1が遅くなるに従い放電エネルギEが大きくなるように制御する。
図9は、上死点前点火制御における燃焼の進行を示すタイミングチャートである。以下では、点火プラグ40が放電ギャップ45に電圧を印加するタイミングを「点火タイミングt1」とする。また、点火タイミングt1の後において、放電火花Fにより燃料に炎が着火するタイミングを「副室着火タイミングt2」とする。また、副室着火タイミングt2の後において、副室38内で発生した火炎が連通孔35から主室31内に噴出し始めるタイミングを「噴出タイミングt3」とする。また、噴出タイミングt3の後において、噴出した火炎により主室31内の燃料に本格的に炎が着火し始めるタイミングを「主室着火タイミングt4」とする。また、主室着火タイミングt4の後において燃焼室30内の燃料の所定量(例えば質量の50%)が燃焼した状態になるタイミングを「燃焼タイミングt5」とする。
また、点火タイミングt1から副室着火タイミングt2までの期間を、「火花段階期間t12」とする。また、副室着火タイミングt2から噴出タイミングt3までの期間を「副室伝播期間t23」とする。また、噴出タイミングt3から主室着火タイミングt4までの期間を「火炎噴出期間t34」とする。また、主室着火タイミングt4から燃焼タイミングt5までの期間を「主室伝播期間t45」とする。また、点火タイミングt1から噴出タイミングt3までの時間を「噴出時間t13」とする。また、点火タイミングt1から燃焼タイミングt5までの時間を「燃焼時間t15」とする。
図9(a)(b)は、比較例での上死点前点火制御における燃焼の進行を示すタイミングチャートである。比較例において、第1実施形態のものと同一の又は対応する部材等については、同一の符号を付して説明する。比較例の副室式点火システム70は、本実施形態のものと比較して、図2に示す気流支援構造Asを有していない点で相違している。すなわち、比較例の副室式点火システム70は、本実施形態に比べて中心電極44が短く、且つ隔壁34とは別に接地電極を有している。そのため、放電ギャップ45が中央連通孔35cに近接していない。さらに、比較例の副室式点火システム70は、本実施形態と比較して、図1に示す点火制御部60が噴出制御部63を有していない点で相違している。
図9(a)は、比較例での上死点前点火制御における、高負荷状態での燃焼の進行を示すタイミングチャートである。ここでは、点火制御部60は、次に示す最適点火制御を行う。その最適点火制御では、まず、最適な燃焼タイミングt5としての最適燃焼タイミングT5を取得する。その最適燃焼タイミングT5は、例えば、得られるトルクが略最大となる燃焼タイミングt5であり、より具体的には、例えば、圧縮上死点tDよりも10CA(クランクアングル)後のタイミングである。次に、燃焼時間t15を算出する。その詳細については後述する。次に、最適燃焼タイミングT5よりも燃焼時間t15だけ早いタイミングである最適点火タイミングT1を算出する。次に、その最適点火タイミングT1に点火タイミングt1を制御する。以上の最適点火制御により、最適燃焼タイミングT5に燃焼タイミングt5が制御される。
図9(b)は、比較例での上死点前点火制御における、低負荷状態での燃焼の進行を示すタイミングチャートである。ここでは、最適点火制御により、最適燃焼タイミングT5よりも燃焼時間t15だけ早い最適点火タイミングT1を算出すると、その最適点火タイミングT1は早くなり過ぎてしまう。そのため、もしこの最適点火タイミングT1で点火した場合、圧縮上死点tDよりも前での、すなわち圧縮行程での燃焼量が多くなり過ぎ、その燃焼により発生する逆トルクにより、エンジン90のトルクが相殺されてトルクが下がってしまう。そのため、この低負荷状態の時には、最適点火制御を行うことはできず、最適点火タイミングT1よりも遅いタイミングに点火タイミングt1を制御する。それにより、最適燃焼タイミングT5よりも遅いタイミングが燃焼タイミングt5となってしまう。
図9(c)は、本実施形態での上死点前点火制御における、高負荷状態での燃焼の進行を示すタイミングチャートである。本実施形態においても、比較例と同様の最適点火制御を行う。ただし、本実施形態では気流支援構造Asがあるので、図9(a)に示す比較例の高負荷状態に比べて、放電火花Fが伸長する。それにより、副室38内における着火性が向上し、副室着火タイミングt2よりも手前の火花段階期間t12が短くなる。さらに、放電火花Fが伸長することにより、副室38内の燃料に強くしっかりと炎が着火する。それにより、副室38内において火炎が伝播し易くなり、副室伝播期間t23も短くなる。以上により、噴出時間t13が短くなる。さらに、それに伴い、火炎噴出期間t34や主室伝播期間t45も若干短くなる。以上の気流支援構造Asの作用により、燃焼時間t15が、図9(a)に示す比較例の高負荷状態に比べて短くなる。
このとき、もし仮に、点火タイミングt1が、図9(c)に破線で示すように、図9(a)に示す比較例の高負荷状態の時と同じだと、燃焼タイミングt5が、最適燃焼タイミングT5よりも早くなってしまう。そのため、本実施形態では、比較例に比べて、燃焼時間t15が短くなった分だけ、点火タイミングt1が遅くなるように、最適点火制御により制御される。
図9(d)は、本実施形態での上死点前点火制御における、低負荷状態での燃焼の進行を示すタイミングチャートである。本実施形態では気流支援構造Asがあるので、それだけでも、図9(b)に示す比較例の低負荷状態に比べて燃焼時間t15が短くなる。さらに、それに加えて、噴出制御部63により、高負荷状態の時に比べて低負荷状態の時に噴出時間t13が長くなるのを抑制する噴出遅延抑制制御が行われることにより、さらに、燃焼時間t15が短くなる。
具体的には、低負荷状態の時には、噴出遅延抑制制御として、高負荷状態の時に比べて放電エネルギEを大きくする。それにより、副室38内における着火性が向上する。それにより、噴出遅延抑制制御を行わない場合に比べて、副室着火タイミングt2よりも手前の火花段階期間t12が短くなる。さらに、放電エネルギEが大きくなることにより、副室38内の燃料に炎が強くしっかりと着火する。そのため、副室38内において火炎が伝播し易くなり、噴出遅延抑制制御を行わない場合に比べて、副室伝播期間t23も短くなる。以上により、噴出遅延抑制制御を行わない場合に比べて、噴出時間t13が短くなり、それに伴い、火炎噴出期間t34や主室伝播期間t45も若干短くなる。以上の噴出遅延抑制制御の作用によっても、図9(b)に示す比較例の低負荷状態に比べて、燃焼時間t15が短くなる。すなわち、気流支援構造Asと噴出遅延抑制制御との双方の作用により、図9(b)に示す比較例の低負荷状態に比べて、燃焼時間t15が顕著に短くなる。
そのため、この図9(d)に示す本実施形態の低負荷状態の時には、図9(b)に示す比較例の低負荷状態の時とは違い、最適点火制御により、燃焼時間t15の分だけ最適燃焼タイミングT5よりも早い最適点火タイミングT1を算出しても、その最適点火タイミングT1は早くなり過ぎない。そのため、この最適点火タイミングT1に点火タイミングt1を制御したとしても、圧縮上死点tDよりも前での、すなわち膨張行程での燃焼量が多くなり過ぎて逆トルクが強くなり過ぎるといったことはない。そのため、本実施形態では、低負荷状態の時にも最適点火制御を行うことができる。そして、実際に最適点火制御を行うことにより、すなわち、最適点火タイミングT1に点火タイミングt1を制御することにより、最適燃焼タイミングT5に燃焼タイミングt5を制御することができる。
図10は、以上に示した噴出制御部63及び対気流制御部64を有する点火制御部60による制御を示すフローチャートである。まず、各センサ51~53により、エンジン90の運転状況を示す各パラメータを取得する(S101)。
次に、それらのパラメータに基づいて、放電エネルギEと最適点火タイミングT1とを算出する(S102)。すなわち、噴出制御部63は、エンジン90に加わっている負荷や、エンジン90の空燃比や、エンジン90におけるEGR量や、エンジン90の冷却水の水温等に基づいて、放電エネルギEを算出する。
具体的には、噴出制御部63は、空燃比が所定の空燃比である場合に比べて当該所定の空燃比よりも大きい場合に、放電エネルギEが大きくなるように算出する。より具体的には、例えば、空燃比が大きい程、放電エネルギEが大きくなるように算出する。また、噴出制御部63は、EGR量が所定量である時に比べて当該所定量よりも大きい時に、放電エネルギEが大きくなるように制御する。より具体的には、例えばEGR量が大きい程、放電エネルギEが大きくなるように算出する。また、水温が所定温度である時に比べて、水温が当該所定温度よりも低い時に、放電エネルギEが大きくなるように制御する。より具体的には、例えば冷却水の水温が低い程、放電エネルギEが大きくなるように算出する。
他方、対気流制御部64は、最適点火タイミングT1が圧縮上死点tDに近い場合よりも遠い場合に、放電エネルギEが大きくなるように算出する。よって、これらの放電エネルギEと最適点火タイミングT1とは同時に算出される。なぜなら、放電エネルギEが大きくなるほど燃焼時間t15が短くなることにより最適点火タイミングT1が遅くなる。よって、放電エネルギEは最適点火タイミングT1に影響を及ぼす。他方、対気流制御部64は、上記のとおり、最適点火タイミングT1が圧縮上死点tDに近い場合よりも遠い場合に、放電エネルギEを大きくする。よって、最適点火タイミングT1は放電エネルギEに影響を及ぼす。このように、放電エネルギE及び最適点火タイミングT1の各方は他方に影響を及ぼす。そのため、放電エネルギE及び最適点火タイミングT1の両値は、例えば、それら両値を同時に算出することができる連立方程式や多次元マップを用いることにより、同時に算出する(S102)。
次に、最適点火タイミングT1及び放電エネルギEから通電タイミングt0を算出する(S103)。通電タイミングt0は、最適点火タイミングT1よりも充電時間t01だけ早いタイミングである。その充電時間t01は、放電エネルギEが大きい程長くなり、また、バッテリ411の電圧が低い程長くなる。また、充電時間t01は同じでも、エンジン90の回転速度が速くなるほど、その充電時間t01が占めるクランク角度は大きくなる。以上に基づいて、点火制御部60は充電時間t01を算出し、さらにその充電時間t01に基づいて通電タイミングt0を算出する(S103)。この算出は、例えば数式に基づいて算出してもいし、マップに基づいて算出してもよい。
次に、算出された通電タイミングt0で、スイッチング素子413をONにする(S104)。次に、算出された最適点火タイミングT1で、スイッチング素子413をOFFにする(S105)。すなわち、最適点火タイミングT1に点火タイミングt1を制御する。これにより、点火プラグ40による点火が実行されて、最適燃焼タイミングT5に上記の所定量(例えば質量の50%)の燃料が燃焼した状態になる。すなわち、最適燃焼タイミングT5に燃焼タイミングt5が制御される。
なお、以上には、通常時等の上死点前点火制御を説明したが、ファーストアイドリング時等の上死点後点火制御では、燃焼タイミングt5が最適燃焼タイミングT5ではなく、あえて最適燃焼タイミングT5よりも遅いタイミングになるように点火タイミングt1を制御する。よって、上死点後点火制御では、最適燃焼制御を行わない。
本実施形態によれば、次の効果が得られる。気流支援構造Asが有るのに加え噴出遅延抑制制御を行うことにより、上死点前点火制御における低負荷状態での燃焼時間t15を抑制することができる。そのため、その燃焼時間t15の分だけ最適燃焼タイミングT5よりも早い最適点火タイミングT1が、早くなり過ぎるのを抑制できる。それにより、副室式点火システム70における低負荷状態の時においても、最適点火タイミングT1に点火タイミングt1を制御することが可能になる。そして、実際に最適点火制御を行うことにより、最適点火タイミングT1に点火タイミングt1が制御される。それにより、最適燃焼タイミングT5に燃焼タイミングt5が制御されることになり、トルクを効率的に発生させることができる。
具体的には、噴出制御部63は、噴出遅延抑制制御として、高負荷状態の時に比べて低負荷状態の時に放電エネルギEが大きくなるように制御する。それにより低負荷状態の時に、噴出時間t13を短縮して燃焼時間t15を短縮することができる。
また、副室式点火システム70は、気流支援構造Asにより、放電ギャップ45に気流を流れ易くすることにより、放電火花Fを伸長させることができる。それにより、放電火花Fによる着火性を向上させて噴出時間t13を短くすることができる。それにより燃焼時間t15を短縮できる。また、気流支援構造Asとして、放電ギャップ45が連通孔35に近接する構造を採用することにより、連通孔35を利用して効率的に気流支援構造Asを形成することができる。
また、対気流制御部64は、気流支援構造Asによる気流によっても放電火花Fが途切れないように放電エネルギEを制御する。そのため、このように気流支援構造Asが有る場合においても、放電火花Fの安定性を確保することができる。
具体的には、圧縮行程の後半においては、タイミングが早い程、すなわち圧縮上死点tDから離れる程、放電ギャップ45に流れる気流が強くなる。そのため、点火タイミングt1が早い程、放電火花Fが吹き消え易くなる。その点、対気流制御部64は、点火タイミングt1が圧縮行程の後半の場合においては、点火タイミングt1が遅い場合に比べて早い場合に、放電エネルギEが大きくなるように制御する。これにより、効率的に吹き消えを防止することができる。
また、膨張行程の前半においては、タイミングが遅い程、すなわち圧縮上死点tDから離れる程、放電ギャップ45に流れる気流が強くなる。そのため、点火タイミングt1が遅い程、放電火花Fが吹き消え易くなる。その点、対気流制御部64は、点火タイミングt1が膨張行程の前半の場合においては、点火タイミングt1が早い場合に比べて遅い場合に、放電エネルギEが大きくなるように制御する。これにより、効率的に吹き消えを防止することができる。
また、隔壁34は、点火プラグ40の接地電極を兼ねている。その隔壁34に連通孔35が形成されている。そのため、放電ギャップ45を効率的に連通孔35に近接させて配置することができる。
また、噴出制御部63は、空燃比、EGR、水温等のエンジン90の運転状態を示す各パラメータに基づいて放電エネルギEを制御する。それにより、所定の状況下で噴出時間t13が長くなるのを効率的に抑制できる。
具体的には、エンジン90の空燃比が大きい時には、燃焼室30内の燃料が希薄になることにより、燃料が燃え難くなり火炎が伝播し難くなる。その点、噴出制御部63は、空燃比が小さい時に比べて大きい時に放電エネルギEが大きくなるように制御する。そのため、空燃比が小さい時に比べて大きい時に噴出時間t13が長くなるのを抑制できる。
また、エンジン90のEGR量が多い時には、吸気に戻る排気の量が多くなることにより、燃料が燃え難くなり火炎が伝播し難くなる。その点、噴出制御部63は、EGR量が小さい時に比べて大きい時に放電エネルギEが大きくなるように制御する。そのため、EGR量が小さい時に比べて大きい時に噴出時間t13が長くなるのを抑制できる。
また、エンジン90の冷却水の水温が低い時には、燃焼室30内の燃料が温まり難いことにより、燃料が燃え難くなり火炎が伝播し難くなる。その点、噴出制御部63は、冷却水の水温が高い時に比べて低い時に放電エネルギEが大きくなるように制御する。そのため、冷却水の水温が高い時に比べて低い時に噴出時間t13が長くなるのを抑制できる。
また、上死点後点火制御においては、次の効果が得られる。すなわち、上死点後点火制御においては、放電火花Fが中央連通孔35cを通じて主室31内にまで伸長して、直接、主室31内の燃料に炎を着火することになるので、これにより燃焼時間t15を短縮することができる。
[他の実施形態]
以上に示した実施形態は、次のように変更して実施できる。例えば、第1実施形態では、吸気通路21に燃料を噴射しているが、これに代えて又は加えて、副室38内や主室31内に燃料を噴射するようにしてもよい。また例えば、第1実施形態では、充電時間t01を制御することにより放電エネルギEを制御しているが、これに代えて又は加えて、一次コイル412に流れる電流を制御することにより放電エネルギEを制御するようにしてもよい。
また例えば、第1実施形態の噴出制御部63は、空燃比、EGR量、水温の各パラメータに基づいて、放電エネルギEを変更しているが、それらのうちのいずれかについては、当該パラメータに基づいて放電エネルギEを変更するのをなくしてもよい。また例えば、第1実施形態では、圧縮行程の後半に点火される場合及び膨張行程の前半に点火される場合の両方において、対気流制御部64による放電エネルギEの制御を行っている。これに代えて、圧縮行程の後半に点火される場合及び膨張行程の前半に点火される場合の一方又は両方において、対気流制御部64による放電エネルギEの制御を行わないようにしてもよい。
また例えば、第1実施形態では、気流支援構造As及び対気流制御部64が設けられているが、対気流制御部64をなくしたり、気流支援構造Asと対気流制御部64との両方をなくしたりしてもよい。このような場合においても、噴出制御部63による噴出遅延抑制制御の効果は得ることができる。
また例えば、第1実施形態では、噴出制御部63が、放電エネルギEを制御することにより噴出遅延抑制制御を行っているが、これに代えて、次のようにして、噴出遅延抑制制御を行うようにしてもよい。すなわち、放電ギャップ45に気流を吹き付ける吹付装置を設け、その吹付装置を噴出制御部63により制御することにより、高負荷状態の時に比べて低負荷状態の時に強く気流を放電ギャップ45に吹き付けるようにしてもよい。この場合、低負荷状態の時には、放電火花Fがより長く伸長することにより着火性が向上して、高負荷状態の時に比べて噴出時間t13が長くなるのが抑制される。
30…燃焼室、31…主室、34…隔壁、35…連通孔、38…副室、40…点火プラグ、45…放電ギャップ、60…点火制御部、63…噴出制御部、70…副室式点火システム、90…エンジン、F…放電火花、T1…最適点火タイミング、T5…最適燃焼タイミング、t1…点火タイミング、t3…噴出タイミング、t5…燃焼タイミング、t13…噴出時間、t15…燃焼時間。

Claims (10)

  1. エンジン(90)の燃焼室(30)を副室(38)と主室(31)とに区分けする隔壁(34)と、所定の放電ギャップ(45)に電圧を印加して放電火花(F)を発生させることにより前記副室内の燃料に点火する点火プラグ(40)と、前記点火プラグを制御する点火制御部(60)とを有し、前記隔壁に、前記副室と前記主室とを連通させる連通孔(35)が形成されており、
    前記エンジンに加わっている負荷が所定の大きさである状態を高負荷状態とし、前記エンジンに加わっている負荷が当該所定の大きさよりも小さい状態を低負荷状態とし、
    前記点火プラグが前記放電ギャップにおける放電を開始するタイミングを点火タイミング(t1)とし、前記点火タイミングの後において前記燃焼室内の燃料のうちの所定量が燃焼した状態になるタイミングを燃焼タイミング(t5)とし、前記点火タイミングから前記燃焼タイミングまでの時間を燃焼時間(t15)として、
    前記点火制御部は、最適な前記燃焼タイミングとしての最適燃焼タイミング(T5)よりも前記燃焼時間だけ早いタイミングである最適点火タイミング(T1)を算出して、前記最適点火タイミングに前記点火タイミングを制御する最適点火制御を、前記高負荷状態の時に行う、
    副室式点火システム(70)において、
    前記点火タイミングと前記燃焼タイミングとの間において、前記副室内に発生した火炎が前記連通孔から前記主室内に噴出し始めるタイミングを噴出タイミング(t3)とし、前記点火タイミングから前記噴出タイミングまでの時間を噴出時間(t13)として、
    前記高負荷状態の時に比べて前記低負荷状態の時に前記噴出時間が長くなるのを抑制する噴出遅延抑制制御を行う噴出制御部(63)を有し、
    前記低負荷状態の時には、前記噴出制御部により前記噴出遅延抑制制御を行うことにより、前記高負荷状態の時に比べて前記燃焼時間が長くなるのを抑制しつつ、前記点火制御部により前記最適点火制御を行う副室式点火システム。
  2. 前記噴出制御部は、前記噴出遅延抑制制御として、前記高負荷状態の時に比べて前記低負荷状態の時に、前記放電ギャップに印加する放電エネルギ(E)が大きくなるように制御する、請求項1に記載の副室式点火システム。
  3. 前記放電ギャップに気流を流れ易くするための気流支援構造(As)を有し、
    前記隔壁には前記連通孔が複数形成されており、前記気流支援構造として、前記放電ギャップが複数の前記連通孔のうちの1つに近接している、請求項1又は2に記載の副室式点火システム。
  4. 前記気流支援構造による気流によっても前記放電火花が途切れないように、前記放電ギャップに印加する放電エネルギを制御する対気流制御部(64)を有する、請求項3に記載の副室式点火システム。
  5. 前記対気流制御部は、前記点火タイミングに基づいて前記放電エネルギを制御するものであり、前記対気流制御部は、前記点火タイミングが圧縮行程の後半である場合において、前記点火タイミングが所定タイミングである場合に比べて、前記点火タイミングが当該所定タイミングよりも早いタイミングである場合に、前記放電エネルギが大きくなるように制御する、請求項4に記載の副室式点火システム。
  6. 前記対気流制御部は、前記点火タイミングに基づいて前記放電エネルギを制御するものであり、前記対気流制御部は、前記点火タイミングが膨張行程の前半である場合において、前記点火タイミングが所定タイミングである場合に比べて、前記点火タイミングが当該所定タイミングよりも遅いタイミングである場合に、前記放電エネルギが大きくなるように制御する、請求項4又は5に記載の副室式点火システム。
  7. 前記放電ギャップは2つの電極どうし(34,44)の間に形成されており、前記隔壁は、導電体製であり前記2つの電極のうちの一方の電極(34)を兼ねている、請求項3~6のいずれか1項に記載の副室式点火システム。
  8. 前記噴出制御部は、前記エンジンの空燃比に基づいて、前記放電ギャップに印加する放電エネルギを制御するものであり、前記空燃比が所定空燃比である時に比べて、前記空燃比が当該所定空燃比よりも大きい時に、前記放電エネルギが大きくなるように制御する、請求項1~7のいずれか1項に記載の副室式点火システム。
  9. 前記噴出制御部は、前記エンジンにおいて排気を再び吸気に戻す量であるEGR量に基づいて、前記放電ギャップに印加する放電エネルギを制御するものであり、前記EGR量が所定量である時に比べて、前記EGR量が当該所定量よりも大きい時に、前記放電エネルギが大きくなるように制御する、請求項1~8のいずれか1項に記載の副室式点火システム。
  10. 前記噴出制御部は、前記エンジンの冷却水の水温に基づいて、前記放電ギャップに印加する放電エネルギを制御するものであり、前記水温が所定温度である時に比べて、前記水温が当該所定温度よりも低い時に、前記放電エネルギが大きくなるように制御する、請求項1~9のいずれか1項に記載の副室式点火システム。
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