JP7333695B2 - 共役ジエン系重合体のクラム及びベール成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、共役ジエン重合体のクラム及びベールに関する。
溶液重合で得られる共役ジエンの重合体の製造工程においては、一般に重合後に得られる共役ジエン重合体と溶剤の混合物を脱溶剤することにより固形状の共役ジエン重合体の粒子(クラム)を得て、この粒子を圧縮成形することでベールと称される直方体の成形体に加工している。例えば特許文献1では溶融混練して押し出したゴムからペレットを製造し、そのゴムペレットを圧縮成形することによってベールを製造する方法が開示されている。また、例えば、特許文献2ではベールへの金属成分が混入することを防止することができるベールの成形装置及びベールの製造方法が開示されている。
特開2012-86424号公報 特開2008-93954号公報
近年、共役ジエン重合体の主用途である自動車用タイヤに耐摩耗性のニーズが強まる傾向があり、これに対応するために共役ジエン重合体の高分子量化のニーズが強まっている。そこで、本発明者は高分子量化に伴ってベールに発生する課題について検討した。共役ジエン重合体を重合後、脱溶剤して得られる共役ジエン重合体のクラムは分子量が高くなるほどベール表面から剥がれ落ち易く、成形機周辺や成形後にベールを搬送するコンベア周辺は、長時間の運転によってクラムが散乱するため、作業環境上の課題が生じうる。また、ベールは成形直後から膨脹する傾向があるが、共役ジエン重合体の分子量が高いほどその傾向が大きく、コンテナへの収納が困難になる可能性もある。そのため、高分子量の共役ジエン重合体のベールにおいては表面からの粒子の剥がれと、膨張率を抑えることが望まれる。
そこで、本発明は共役ジエン重合体のベール表面からの共役ジエン重合体のクラムの剥がれとベールの膨張とを抑えることを目的とする。
本発明者は、前記従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、共役ジエン重合体のクラム及びベールの比表面積を特定の範囲にすることにより、ベール表面からの共役ジエン重合体のクラムの剥がれとベールの膨張とが抑えられること見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
比表面積が0.7m2/g~3.2m2/gである共役ジエン重合体のクラム。
[2]
共役ジエン重合体が、分子量100万以上の成分を30~90質量%含む[1]に記載のクラム。
[3]
共役ジエン重合体100質量部に対してプロセスオイル1~20質量部を含む[1]又は[2]に記載のクラム。
[4]
比表面積が0.005m2/g~0.05m2/gである共役ジエン重合体のベール。
[5]
比表面積が0.7m2/g~3.2m2/gである共役ジエン重合体のクラムを作製し、前記クラムを圧縮成形することによりベールを得るベールの製造方法。
[6]
前記共役ジエン重合体のクラムをふるい分ける工程を更に有する[5]に記載のベールの製造方法。
本発明のベールは、表面からの共役ジエン重合体のクラムの剥がれが抑制され、成形後の膨張が少ない。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[共役ジエン重合体]
本実施形態に用いる共役ジエン重合体の原料となるモノマーは、重合可能な共役ジエン化合物であれば特に限定されず、例えば1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘプタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましく、タイヤのトレッドに耐摩耗性、弾性、強度を付与する目的では1,3-ブタジエンが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。共役ジエン化合物中に、アレン類、アセチレン類等が不純物として含有されていると、重合体末端の変性反応を阻害するおそれがある。そのため、これらの不純物の含有量濃度(質量)の合計は、200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。
アレン類としては、特に限定されないが、例えばプロパジエン、1,2-ブタジエン等が挙げられる。アセチレン類としては、特に限定されないが、例えばエチルアセチレン、ビニルアセチレン等が挙げられる。
本実施形態に用いる共役ジエン重合体は、上記共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物との共重合体であってもよい。芳香族ビニル化合物は共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であればよく、特に限定されず、例えばスチレン、m又はp-メチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。
本実施形態に用いる共役ジエン重合体が共重合体である場合、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
ランダム共重合体としては、特に限定されないが、例えばブタジエン-イソプレンランダム共重合体、ブタジエン-スチレンランダム共重合体、イソプレン-スチレンランダム共重合体、ブタジエン-イソプレン-スチレンランダム共重合体等が挙げられる。共重合体鎖中の各単量体の組成分布は特に限定されないが、例えば統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成分布に勾配があるテーパー(勾配)ランダム共重合体等が挙げられる。共役ジエンの結合様式、すなわち1,4-結合や1,2-結合等の組成は、分子鎖によって均一であってもよいし、異なっていてもよい。
ブロック共重合体としては、特に限定されないが、例えばブロックが2個からなる2型ブロック共重合体、3個からなる3型ブロック共重合体、4個からなる4型ブロック共重合体等が挙げられる。ここでスチレン等の芳香族ビニル化合物からなるブロックをSで表し、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物からなるブロック及び/又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体からなるブロックをBで表すと、S-B2型ブロック共重合体、S-B-S3型ブロック共重合体、S-B-S-B4型ブロック共重合体等で表される。
上式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。例えばブロックBが芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体の場合、ブロックB中の芳香族ビニル化合物は均一に分布していても、又はテーパー状に分布していてもよい。また、ブロックBに、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。さらには、ブロックBに、芳香族ビニル化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。共重合体中にブロックS、ブロックBがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量や組成等の構造は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態において、共役ジエン重合体の重量平均分子量は30万~200万が好ましく、より好ましくはタイヤの耐摩耗性の観点から80万以上が好ましく、タイヤに加工する際の加工性の観点から180万以下であることが好ましい。
本実施形態において、共役ジエン重合体は、シリカ配合架硫物の強度や耐摩耗性の観点から、高分子量成分を含むのが好ましい。高分子量成分の指標の例として、分子量100万以上の成分の組成で表現すると、分子量100万以上の成分が30~95質量%であると好ましく、より好ましくは30~90質量%であり、さらに好ましくは40~90質量%である。30質量%以上では耐摩耗性に優れ、95質量%以下では共役ジエン重合体とシリカとを混合する際、シリカの分散性が良いため、タイヤ製品とした場合の省燃費性やグリップ性に優れる。高分子量成分が前記組成の範囲にあると、クラムの剥がれが起こり易く、ベールの膨張が起こりやすい傾向があるので、ベールの比表面積を特定の範囲にすることの意義がより一層高くなる。
<共役ジエン重合体の重合>
共役ジエンや芳香族ビニルを重合する際の開始剤はアニオン重合開始剤であれば特に制限されないが、安定性や取扱い性の観点から、例えば、アルミニウム、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム等の金属のアルキル化合物が好ましく、中でも重合効率の観点から有機リチウムが特に好ましい。重合開始剤として用いる有機リチウムとしては、特に制限されないが、例えば、低分子化合物や可溶化したオリゴマーの有機リチウムが挙げられ、また、有機基とリチウムの結合様式においては、特に制限されないが、例えば、炭素-リチウム結合からなる化合物、窒素-リチウム結合からなる化合物、錫-リチウム結合からなる化合物等が挙げられる。
炭素-リチウム結合を有する有機リチウムとしては、特に制限されないが、例えばn-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、n-ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等が挙げられる。
窒素-リチウム結合からなる有機リチウムとしては、特に制限されないが、例えばリチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジ-n-ヘキシルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムモルホリド等が挙げられる。
有機リチウムとしては、上記のモノ有機リチウムだけでなく、多官能有機リチウムを使用して、又は、モノ有機リチウムと併用して重合させることもできる。
多官能有機リチウムとしては、特に制限されないが、例えば1,4-ジリチオブタン、sec-ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンの反応物、1,3,5-トリリチオベンゼン、n-ブチルリチウムと1,3-ブタジエン及びジビニルベンゼンの反応物、n-ブチルリチウムとポリアセチレン化合物の反応物等が挙げられる。さらに、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書等に開示されている有機リチウムも使用することもできる。有機リチウムとしては、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウムが好ましい。
有機リチウムは1種のみならず2種以上の混合物として用いてもよい。
実際に有機リチウムを重合に用いる際は、取扱い性及び重合溶液への分散性を良くするために、炭化水素溶剤に希釈して溶液にしたものが用いられる。炭化水素溶剤の例としては、特に制限されないが、C4~C8の炭化水素溶剤が挙げられ、環式でもよく、不飽和結合や分岐構造を含んでいてもよい(トルエン、キシレン等でもよい)。沸点や蒸気圧が製造工程上取り扱いやすいことからC5,C6が好ましく、具体的にはペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンが好ましく用いられる。
有機リチウムを上記炭化水素に希釈した時の濃度は、重合開始効率とモノマーとの均一混合性の観点から0.01質量%~1質量%の範囲であることが好ましく、特に好ましくは0.1質量%~0.8質量%である。
共役ジエン化合物の重合反応は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、特に制限されないが、例えば飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、例えば、ブタン、ペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素混合物が好ましい。これはらは単独でも2種以上併用してもよいが、脱溶剤後の共重合体の粒径を小径化する観点からノルマルヘキサンを含む混合溶媒であることがより好ましく、重合槽内のスケーリング防止の観点からノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサンの混合溶媒が特に好ましい。混合溶媒の場合、ノルマルヘキサンの割合は20~80質量%が好ましく、30~70質量%がより好ましく、40~65質量%が特に好ましい。ノルマルヘキサンの割合が20質量%以上では脱溶剤後の残溶剤量が低減できるため良く、ノルマルヘキサンの割合が80質量%以下では重合槽のスケーリングが防止できるため良い。
重合反応に供する前に、不純物であるアレン類やアセチレン類を有機金属化合物で処理することは、高濃度の活性末端を有する重合体が得られる傾向にあり、重合後に変性反応を行う場合には高い変性率が達成される傾向にあるため好ましい。
共役ジエン化合物の重合反応においては、極性化合物を添加してもよい。極性化合物は、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させるために用いることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合速度の改善等にも効果がある。
極性化合物としては、特に限定されず、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2-ビス(2-オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム-t-アミラート、カリウム-t-ブチラート、ナトリウム-t-ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等を用いることができる。これらの極性化合物は、それぞれ単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができる。通常、重合開始剤1モルに対して0.01~100モルであることが好ましい。このような極性化合物(ビニル化剤)は重合体共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて、適量用いることができる。
多くの極性化合物は、同時に共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として用いることができる。共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム重合する方法としては、例えば特開昭59-140211号公報に記載されているような、共重合の途中に1,3-ブタジエンの一部を断続的に添加する方法を用いてもよい。
重合温度は重合が進行する温度であれば、特に限定されないが、生産性の観点から、0℃以上であることが好ましく、重合中の失活を抑制する観点から、120℃以下であることが好ましい。また、共役ジエン重合体のコールドフローを防止する観点から、分岐をコントロールするためのジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル化合物を用いてもよい。
重合反応のプロセスはバッチ式、セミバッチ式、連続式の何れでもよいが、連続式では一般に分子量分布が広く、高分子量成分も得られやすいため好ましい。
反応溶液に必要に応じて、失活剤、中和剤等を添加してもよい。失活剤としては、特に限定されず、例えば水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール等が挙げられる。中和剤としては、特に限定されず、例えばステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸等のカルボン酸、無機酸の水溶液、炭酸ガス等が挙げられる。
さらに、重合後のゲル生成を防止する観点や、加工時の安定性を向上させる観点から、得られた共役ジエン重合体に対して、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。ゴム用安定剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)、n-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-ブチルフェノール)プロピオネート、2-メチル-4,6-ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤が好ましい。
上述のような方法で共役ジエン重合体を得た後、共役ジエン重合体の活性末端に、エポキシ基、アルコール基、アミノ基、イソシアネート基、シアヌレート基、シラノール基、珪素に結合したアルコキシル基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する化合物を反応させることで、共役ジエン重合体を変性させてもよく、エポキシ基、シラノール基、又は珪素に結合したアルコキシル基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する化合物で変性させることが、シリカを含有する組成物に利用する場合に、シリカ分散性の観点で好ましい。
エポキシ基を有する化合物としては、特に限定されず、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、及び4,4’-ジグリシジル-ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4-ジグリシジルベンゼン、1,3,5-トリグリシジルベンゼン、及びポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’-ジグリシジル-ジフェニルメチルアミン、及び4,4’-ジグリシジル-ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル-p-フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、及びテトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロペンタン等のジグリシジルアミノ化合物等が挙げられる。これらのうち、ジグリシジルアミノ基を有する多官能化合物が好ましい。また、ジグリシジルアミノ基を有する多官能化合物の分子内のエポキシ基の数は2個以上であり、好ましくは3個以上、より好ましくは4個以上である。
シラノール基及び/又は珪素に結合したアルコキシル基を有する変性剤としては、特に限定されず、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
(式中、XはCl,Br,Iのいずれか1つから選ばれ、R1及びR2は各々独立してアルキル基、アリール基、ビニル基のいずれか1つ、mは1~4の整数、nは1~3の整数、m+nは2~4である)
なお、R1、R2は、置換されていてもよい。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、特に限定されず、例えば、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、トリフェノキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリ(2-メチルブトキシ)エチルシラン、トリ(2-メチルブトキシ)ビニルシラン、トリフェノキシフェニルシラン、テトラフェノキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラキス(2-エチルヘキシルオキシ)シラン、フェノキシジビニルクロロシラン、メトキシジエチルクロロシラン、ジフェノキシメチルクロロシラン、ジフェノキシフェニルヨードシラン、ジエトキシメチルクロロシラン、ジメトキシエチルクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリフェノキシクロロシラン、トリス(2-エチルヘキシルオキシ)クロロシラン、フェノキシメチルジクロロシラン、メトキシエチルジクロロシラン、エトキシメチルジクロロシラン、フェノキシフェニルジヨードシラン、フェノキシジクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、ビス(2-メチルブトキシ)ジブロモシラン等が挙げられる。
更に、アルコキシシリル基を有する変性剤としては、分子内にN原子と複数個のアルコキシシリル基とを有する一般式(2)又は(3)で表される化合物を用いることが好ましい。
(式(2)中、R1~R4は、各々独立して、炭素数1~20のアルキル基又はアリール基を表し、R5は炭素数1~10のアルキレン基を表し、R6は炭素数1~20のアルキレン基を表し、mは1又は2の整数であり、nは2又は3の整数である。)
(式(3)中、R1及びR2は、各々独立して炭素数1~20のアルキル基、又はアリール基であり、R3は炭素数1~20のアルキレン基であり、R4及びR5は、各々独立して炭素数1~6の炭化水素基であって、隣接する2つのNとともに5員環以上の環構造をなし、R6は炭素数1~20の炭化水素基、活性水素を持たないヘテロ原子で置換されている炭素数1~20の炭化水素基、又は3有機置換シリル基であり、nは、2又は3の整数である。)
なお、R1~R6は、置換されていてもよい。
一般式(2)で表される変性剤としては、特に限定されず、例えば2,2-ジメトキシ-1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジエトキシ-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジメトキシ-1-(4-トリメトキシシリルブチル)-1-アザ-2-シラシクロヘキサン、2,2-ジメトキシ-1-(5-トリメトキシシリルペンチル)-1-アザ-2-シラシクロヘプタン、2,2-ジメトキシ-1-(3-ジメトキシメチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジエトキシ-1-(3-ジエトキシエチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-メトキシ-2-メチル-1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-エトキシ,2-エチル-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-メトキシ-2-メチル-1-(3-ジメトキシメチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2-エトキシ-2-エチル-1-(3-ジエトキシエチルシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン等が挙げられる。これらの中でも、変性剤の官能基とシリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点や、引っ張り特性の観点から、mが2、nが3であるものが好ましい。具体的には、2,2-ジメトキシ-1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタン、2,2-ジエトキシ-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタンが好ましい。
一般式(3)で示される変性剤としては、特に限定されず、例えば1-[3-(トリアルコキシシリル)-プロピル]-4-アルキルピペラジン、1-[3-(アルキルジアルコキシシリル)-プロピル]-4-アルキルピペラジン、1-[3-(トリアルコキシシリル)-プロピル]-3-アルキルイミダゾリジン、1-[3-(アルキルジアルコキシシリル)-プロピル]-3-アルキルイミダゾリジン、1-[3-(トリアルコキシシリル)-プロピル]-3-アルキルヘキサヒドロピリミジン、1-[3-(アルキルジアルコキシシリル)-プロピル]-3-アルキルヘキサヒドロピリミジン、3-[3-(トリアルコキシシリル)-プロピル]-1-アルキル-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン、3-[3-(アルキルジアルコキシシリル)-プロピル]-1-アルキル-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン等であり、具体的には以下のような化合物が挙げられる。
即ち、1-[3-(トリエトキシシリル)-プロピル]-4-メチルピペラジン、1-[3-(ジエトキシエチルシリル)-プロピル]-4-メチルピペラジン、1-[3-(トリメトキシシリル)-プロピル]-3-メチルイミダゾリジン、1-[3-(ジエトキシエチルシリル)-プロピル]-3-エチルイミダゾリジン、1-[3-(トリエトキシシリル)-プロピル]-3-メチルヘキサヒドロピリミジン、1-[3-(ジメトキシメチルシリル)-プロピル]-3-メチルヘキサヒドロピリミジン、3-[3-(トリブトキシシリル)-プロピル]-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン、3-[3-(ジメトキシメチルシリル)-プロピル]-1-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン、1-(2-エトキシエチル)-3-[3-(トリメトキシシリル)-プロピル]-イミダゾリジン、(2-{3-[3-(トリメトキシシリル)-プロピル]-テトラヒドロピリミジン-1-イル}-エチル)ジメチルアミン等が挙げられる。好ましい化合物としては、1-[3-(トリエトキシシリル)-プロピル]-4-メチルピペラジンである。
共役ジエン重合体のクラムは、例えば、共役ジエン重合体の溶液を脱溶剤することにより得ることができる。
脱溶剤する方法としては、特に限定されないが、例えば、国際公開WO2013-080969号明細書に開示されたスチームストリッピング法や特開平6-93014号公報に開示されたフラッシュ蒸発法、二軸のスクリューで搬送しながら脱溶剤する方法等が挙げられる。
共役ジエン重合体にプロセスオイルを添加して油展共役ジエン重合体にすることもできる。プロセスオイルは特に限定されないが、例えば、アロマチック系、ナフテン系、パラフィン系RAE(Residual Aromatic Extracts)、MES(Mild Extracted Solvates)、及びTDAE(Treated Distilled Aromatic Extracts)が挙げられ、中でも成形性とシリカ配合物の架硫物性の観点からTDAEが好ましい。
プロセスオイルの添加量は共役ジエン重合体100質量部に対して1~50質量部であることが好ましく、1~30質量部であることがより好ましく、5~30質量部であることがさらに好ましく、5~20質量部であることが特に好ましい。プロセスオイルの添加量が1質量部以上で共役ジエン重合体の比表面積を制御する際に微粉の発生を抑えることができ、プロセスオイルの添加量が50質量部以下では脱溶剤性が良い。
プロセスオイルは共役ジエン重合体の溶液を脱溶剤する前に混合してもよく、脱溶剤した後に混練して混合してもよい。
脱溶剤後の共役ジエン重合体のクラムに含まれる残揮発分は100~10,000ppmであることが好ましく、より好ましくは200~7,000ppm、特に好ましくは500~5,000ppmである。当該残揮発分が10,000pppm以下では、ベール成形工程で発生するガス量が少ないため作業環境上好ましい。当該残揮発分が100ppm以上ではゴム粉体の飛散が少ない。ここで言う残揮発成分は共役ジエン重合体の製造過程で用いるヘキサンや脱溶剤工程で用いる水を指す。
残揮発分を調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、スチームストリッピング法の場合には共役ジエン重合体と接触させるスチームの温度や量を調整する方法、スチームに界面活性剤を加える方法、スチームと共役ジエン重合体を混合する際に用いる回転翼の形状や回転速度を調整する方法等が挙げられるが、中でもスチームの温度を調整する方法が簡便かつ効果的である。残揮発分が10,000ppmを超える場合は、スチーム温度を上げると10,000ppm以下に調整することが可能で、残溶剤が100ppm未満の時にはスチーム温度を下げることにより100ppm以上に調整することができる。二軸のスクリューで搬送しながら脱溶剤する場合には、二軸のスクリューの装置の加熱温度条件を調整する方法が簡便かつ効果的である。残揮発分が10,000ppmを超える場合は、加熱温度を上げると10,000ppm以下に調整することが可能で、残溶剤が100ppm未満の時には加熱温度を下げることにより100ppm以上に調整することができる。
脱溶剤後の共役ジエン重合体のクラムの粒径は、0.1~20mmであると好ましく、取り扱い性の観点から0.5~15mmである好ましい。共役ジエン重合体のクラムの粒径が0.1mm以上ではベールから剥離するクラムが少なく、共役ジエン重合体のクラムの粒径が20mm以下ではベール成形後にベールの膨張性が抑えられる。
共役ジエン重合体のクラムの粒径を調整する方法としては、重合後に得られるポリマー溶液を脱溶剤してクラムを製造する過程で調整する場合と、製造されたクラムを加工して調整する場合とがある。脱溶剤してクラムを製造する過程で調整する場合には、特に限定されないが、例えば、ポリマー溶液に添加するプロセスオイルの量を調整する方法、乾燥押し出し機のダイス穴径を調整する方法、ポリマー溶液を熱水に投入して脱溶剤する際の条件を調整する方法等が挙げられる。後者の製造されたクラムを加工して調整する場合では、特に限定されないが、例えば、クラムをふるい分けする方法、クラムをミキサーやグラニュレータで解砕、粉砕する方法を挙げることができる。
本実施形態の共役ジエン重合体のクラムの比表面積は0.7~3.2m2/gであり、より好ましくは取り扱い性の観点から1.0~3.0m2/gである。共役ジエン重合体のクラムの比表面積が0.7m2/g以上ではベールに成形される際に1個のクラムが周囲のクラムと密着する面積も増えるため、クラムはベールから剥がれにくくなる。共役ジエン重合体のクラムの比表面積が3.2m2/g以下ではベールに成形された際にクラム粒子はより高密度に圧縮されクラム間の空隙も抑えられるためベールの膨張を抑えることができる。
共役ジエン重合体のクラムの比表面積を前記範囲に調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、共役ジエン重合体のクラムをふるい分けして、各ふるい分けしたクラムの組成を調整する方法が挙げられる。
本実施形態のベールの製造方法は、比表面積が0.7m2/g~3.2m2/gである共役ジエン重合体のクラムを作製し、前記クラムを圧縮成形することによりベールを得る工程を含む。また、本実施形態のベールの製造方法は、前記共役ジエン重合体のクラムをふるい分ける工程を更に有することが好ましい。
共役ジエン重合体のクラムを圧縮成形する際にクラムも密着する場合があるので、ベールの比表面積はクラムの比表面積に比べて低くなる。圧縮成型時のクラムの密着性は、共役ジエン重合体の分子量、プロセスオイル組成、圧縮時の温度、圧力によって調整することができ、例えばクラムの密着性を上げてベールの比表面積を下げたい場合には、共役ジエン重合体の分子量を下げる、プロセスオイルの組成を上げる、圧縮時の温度及び圧力を共に上げる条件が好ましい。
本実施形態のベールの比表面積は0.005~0.05m2/gであり、より好ましくは、フィルム包装性の観点から0.01~0.04m2/gであることが好ましい。ベールの比表面積が0.005m2/g以上ではベールの膨張が抑えられ、ベールの比表面積が0.05m2/g以下ではベールからのクラムの剥離が低減するので好ましい。
共役ジエン重合体のクラム及びベールの比表面積はBET法により求めることができる。吸着質は窒素、クリプトンガスを用いることができるが、比表面積が0.1m2/g未満の領域ではクリプトンガスを用いると測定精度が良く、好ましい。
ベールの比表面積はベールの部位によって異なることがあり、その中でもベール膨張性やクラム剥離性との相関性が高いのはベールの中央部付近の比表面積であるため、比表面積の測定に用いる試料もベール中央部付近から採取することが好ましい。ここで中央部付近とは、ベールの各面からの距離の和が最も大きくなる位置である。
ベール成形に用いるクラムは成形されたベールの比表面積を上記範囲とできれば脱溶剤後のクラムをそのまま用いてもよいが、脱溶剤後のクラムを粒径別にふるい分けした後に、適切な量比で混合することが好ましい。
脱溶剤後のクラムをそのまま用いて成形されたベールの比表面積が上記範囲の上限を超える場合は、ふるい分けされたクラムのうち、大粒径のクラム組成を増やして小粒径のクラム組成を減らすと良く、下限に満たない場合は大粒径のクラム組成を減らして、小粒径のクラムを増やすと良い。
例えば共役ジエン重合体の重量平均分子量が100万でプロセスオイル組成が10質量部の脱溶剤後のクラムを目開きが0.5mm、3.4mm、4.0mm、6.7mm、8.0mm、9.5mmの金網でふるい分けした時の、各金網に残ったクラム質量組成が各々、30、10、10、20、20、10質量部で、ベールの比表面積が0.004~0.0048m2/gであった場合、0.5mm金網のクラムを10質量部に減らし、3.4mm金網のクラムを20質量部、4.0mm金網のクラムを20質量部を増やすことでベール比表面積を0.030~0.038m2/gとすることができる。
クラムのふるいわけは、特に限定されないが、例えば、「JISZ8815:1994ふるい分け試験方法通則」に従って行うことができる。ふるいわけは目開きの異なる複数のふるいを用いて行うが、その中で目開き最小のふるいはクラム粒径最小サイズでも通過しないものを、目開き最大のふるいはクラム粒径最大サイズよりも少し小さい目開きのものを選ぶと良く、上記最大目開きと最小目開きの間に、少なくとも3つの異なる目開きのふるいを入れると、ベール比表面積の制御の精度が上がるため好ましい。
ベール成形時の圧縮圧力は、好ましくは、3~30MPa、より好ましくは10~20MPaである。ベール成形時の圧縮圧力が30MPa以下では装置をコンパクトに設計することができ、設置効率が良く、ベール成形時の圧縮圧力が3MPa以上ではベール成形性が良好である。ベールの成形性が良い場合は、ベール表面が滑らかで、成形工程以降での重合体の剥離が無く、成形後の膨張が抑えられる傾向にある。
ベール成形時の共役ジエン重合体の温度は30~120℃が好ましく、より好ましくは残溶剤低減と熱劣化抑制の観点から50~100℃である。ベール成形時の共役ジエン重合体の温度が30℃以上では、ベールの成形性が良く、ベール成形時の共役ジエン重合体の温度が120℃以下ではベール成形後の熱劣化によるゲル生成が抑えられるため好ましい。
共役ジエン重合体の分子量やプロセスオイルの組成が同じであれば、ベール成形時の温度及び圧力は高い程、ベールの比表面積は小さくなる。
圧縮時の保圧時間は、好ましくは3~30秒で、より好ましくは5~20秒である。圧縮時の保圧時間が30秒以下では生産効率が良く、5秒以上では成形性が良い。
ベールは、成形体同士の密着を避けるために樹脂フィルムで包装することもある。当該フィルムの樹脂としては特に限定されず、例えば、PET、ポリエチレン、ポリスチレンを用いることができる。
ベールは運送用の容器に収納される。成形後1日経過後のベールの膨張率が5%未満であると、容器への収納性が良く、好ましい。
輸送中にベール水分が樹脂フィルムに結露することを防ぐため、フィルムに穴を開けることもある。
共役ジエン重合体は天然ゴム等の他のゴム材料、シリカ、カーボン等の無機材料などと配合してタイヤ、各種工業用ベルト、履物等に加工される。
以下の実施例により本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例及び比較例により何ら限定されるものではない。
(1)結合スチレン量
重合反応槽から押出された重合溶液から溶液100mlをサンプリングし、そこに1mlのエタノールを加えて混合し、ポリマー分子鎖の活性末端を失活させてポリマー溶液を得た。次に真空乾燥機を用いてポリマー溶液から溶剤を除去し、測定に用いる固形試料を作成した。固形試料にクロロホルムを加えてクロロホルム溶液とし、当該クロロホルム溶液を用いてスチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所製:UV-2450)。
(2)ブタジエン部分のビニル結合量
上記(1)と同様の操作を行って得られた固形試料を10mLの二硫化炭素に溶解して、溶液セルを作製した。溶液セルを用いて、赤外分光光度計(日本分光社製の商品名「FT-IR230」)を使用して、600~1000cm-1の範囲における赤外線スペクトルを測定した。その結果得られた吸光度より、ハンプトンの方法の計算式(R.R.Hampton,Analytical Chemistry 21,923(1949)に記載の方法)に従い、ブタジエン部分のミクロ構造、すなわち、ビニル結合量(モル%)を求めた。
(3)分子量及び分子量分布
ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを用いたGPCを使用して試料及び標準ポリスチレンのクロマトグラムを測定した。標準ポリスチレンの測定結果から検量線を作成し、これにより分子量及び分子量分布を計算した。溶離液にはテトラヒドロフラン(THF)を使用した。試料10mgを20mlのTHFに溶解し、これを200μlカラムに注入して測定した。測定はオーブン温度40℃、THFの流量1.0ml/分の条件で、東ソー;HLC8020(検出器;RI)を用いて行った。
(4)比表面積の測定
比表面積はBET法により求めた。即ち、試料を25℃で8時間、真空脱揮した後、クリプトンガスによる吸着離脱等温線を測定することにより比表面積を求めた。
ベールの測定の場合は、直方体の各面から均等に離れた中央部付近の部位を測定試料に用いた。
(5)ベール膨張率
成形直後のベール容積(V0)m3と1日経過後のベール容積(V1)m3から、次式(1)でベール膨張率を求めた。
ベール膨張率(%)=100×[(V1)―(V0)]/(V0)・・・(1)
ベールを金属容器へ収納する際の収納性の観点から、ベール膨張率は5%未満であることが好ましい。
(6)クラム剥離性テスト
ベール落下試験によりベール成形体から剥がれ落ちた共役ジエン重合体のクラムの量を求めた。具体的には、は、ベールを高さ100cmから垂直にコンクリート床面に落下させた時にベールから剥がれ落ちた共役ジエン重合体のクラムの量を測定した。この共役ジエン重合体のクラムの量が少ないほど、実際の製造工程の成形工程以降で、ベールから剥がれ落ちる重合体のクラムの量も少ないので好ましく、この量がベール全量の0.2質量%未満であると好ましい。
(油展共役ジエン重合体Aの溶液の製造例1)
4枚パドルの撹拌翼を具備する10L反応器(反応器の径(D)に対する反応器の長さ(L)の比率としてL/D=4)を2つ直列に配置し、1基目を重合反応器、2基目を変性反応器とした。予め水分等の不純物を除去した1,3-ブタジエンを22.0g/分、スチレンを7.1g/分、n-ヘキサンを144g/分の条件で混合し、更に不純物不活性化処理用として、重合反応器に入る直前でn-ブチルリチウム(処理用n-ブチルリチウム)0.10mmol/分をスタティックミキサーで混合した後、重合反応器の底部に連続的に供給した。更に、極性物質として2,2-ビス(2-オキソラニル)プロパンを0.040g/分の速度で、重合開始剤としてn-ブチルリチウムを0.180mmol/分の速度で、重合反応器の底部へ供給し、反応器出口の内温を90℃となるように重合反応を継続させた。1基目の重合反応器から押出された重合溶液を、そのまま2基目の変性反応器に供給した。
変性反応器の温度を85℃に保ち、変性剤としてテトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.35mmol/分の速度で変性反応器の底部から添加することで変性反応を実施することにより共役ジエン重合体Aの溶液が変性反応器から押出された。ここにTDAEオイル(VIVATEC500)を添加して油展共役ジエン重合体Aの溶液を得た。
共役ジエン重合体Aを分析した結果、結合スチレン量24質量%、結合ブタジエン量76質量%、ブタジエン中のビニル結合量65モル%であり、重量平均分子量(Mw)は105万、分子量100万以上の組成は45質量%であった。
(油展共役ジエン重合体Bの溶液の製造例2)
変性剤をテトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサンの代わりに2,2-ジメトキシ-1-(3-トリメトキシシリルプロピル)-1-アザ-2-シラシクロペンタンした他は油展共役ジエン重合体Aの溶液の製造例1と同様に行い、共役ジエン重合体Bの溶液を得た。反応器出口から押し出される溶液にTDAEオイル(VIVATEC500)を所望量添加して油展共役ジエン重合体Bの溶液を得た。
共役ジエン重合体Bを分析した結果、結合スチレン量24質量%、結合ブタジエン量76質量%、ブタジエン中のビニル結合量65モル%であり、重量平均分子量(Mw)は130万、分子量100万以上の組成は70質量%であった。
〔共役ジエン重合体のクラムの製造例1〕
スクリュー径が50mm、L/D=10の二軸押出機において、共役ジエン重合体の溶液を供給口から毎時5kgの速さで連続的に供給した。二軸押出機のジャケットに180℃の熱媒オイルを供給しながら共役ジエン重合体の溶液を加熱した。ベント口は配管を通して真空ポンプに接続され、装置内部を100torrに保った。共役ジエン重合体(ポリマー)溶液は押出機内で脱溶剤された。脱溶剤されて得られた共役ジエン重合体は二軸押出機吐出口に接続されたタンクに粒子状(クラム)として吐出された。
〔共役ジエン重合体のクラムの製造例2〕
10Lの容器に80℃の温水5Lを入れ、パドル型の攪拌翼で攪拌しながら共役ジエン重合体の溶液を毎分100gの速さで30分間滴下し、滴下終了後も30分間、攪拌を継続することで脱溶剤を行った。温水中に生成した共役ジエン重合体のクラムを、乾燥することで共役ジエン重合体のクラムを得た。
〔ベール成形用クラムの調製方法〕
「JISZ8815:1994ふるい分け試験通則」に従って行った。脱溶剤後のクラムを直径200mm、目開きが0.5mm、3.4mm、4.0mm、6.7mm、8.0mm、9.5mmの金網でふるい分けし、各金網に残った共役ジエン重合体クラムを分別した。ここで、例えば、目開き4.0mmの金網に残ったクラムは、目開き6.7mmの金網を通過したが、4.0mmの金網を通過しなかったものであり、これを4.0mmクラムと呼ぶ。他の目開きサイズの金網に残ったクラムも、同様に0.5mmクラム、3.4mmクラム、6.7mmクラム、8.0mmクラム、9.5mmクラムと呼ぶ。これらのふるい分けによって分別されたクラムを任意の配合比で均一に混合し、ベール成形用クラムを調製した。
〔ベールの製造方法〕
寸法が長辺420mm、短辺210mm、深さ400mmの直方型容器に、上記方法で調製されたクラムを60℃に加温した後に充填し、シリンダーで3.5MPaの圧力を10秒間かけて圧縮した。
〔実施例1〕
油展共役ジエン重合体Aの溶液を用いてクラムの製造例1に従って脱溶剤を行い、クラムを得た。TDAEオイルの添加量は共役ジエン重合体100質量部に対して20質量部であった。上記、クラム粒径制御方法に従って、ベール成形に用いるクラムを配合、調製した。配合組成は、0.5mmクラムが10質量%、3.4mmクラムが20質量%、4.0mmクラムが20質量%、6.7mmクラムが20質量%、8.0mmクラムが20質量%、9.5mmクラムが10質量%とした。ベール成形用クラムの比表面積は1.72m2/gであった。調製したベール成形用クラムを用いて上記ベールの製造方法に従って、直方体の重さ6kgのベールを得た。得られたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ88mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.020m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは0.60gで、ベール全量に対して0.010質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り膨張率を求めた結果、3.3%であった。
〔実施例2〕
TDAEオイルの添加量を共役ジエン重合体100質量部に対して10質量部とした他は、実施例1と同様に行い、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は1.77m2/gであった。成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.037m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは0.96gで、ベール全量に対して0.016質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り膨張率を求めた結果、1%未満であった。
〔実施例3〕
脱溶剤をクラムの製造例2に従って行った他は、実施例1と同様に行い、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は1.84m2/g、成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ88mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.019m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは0.582gで、ベール全量に対して0.0097質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は3.5%であった。
〔実施例4〕
TDAEオイルの添加量を共役ジエン重合体100質量部に対して10質量部とした他は、実施例3と同様に行い、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は1.70m2/g、成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.041m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは1.02gで、ベール全量に対して0.017質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は1%未満であった。
〔実施例5〕
油展共役ジエン重合体Aの溶液の替りに油展共役ジエン重合体Bの溶液を用い、TDAEオイルの添加量を共役ジエン重合体100質量部に対して15質量部とした他は、実施例1と同様に行い、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は1.76m2/g、成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.025m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは無かった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は1%未満であった。
〔実施例6〕
脱溶剤をクラムの製造例2に従って行い、ベール成形用クラムの配合組成を、0.5mmクラムが15質量%、3.4mmクラムが25質量%、4.0mmクラムが10質量%、6.7mmクラムが10質量%、8.0mmクラムが20質量%、9.5mmクラムが20質量%となるようにした他は実施例5と同様に実施し、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は2.90m2/g、成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.042m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは0.72gで、ベール全量に対して0.012質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は1%未満であった。
〔実施例7〕
油展共役ジエン重合体Aの溶液を用い、脱溶剤法をクラムの製造例1に従って行った他は実施例6と同様に行ない、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は2.73m2/g、成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.045m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは0.72gで、ベール全量に対して0.012質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は1%未満であった。
〔実施例8〕
油展共役ジエン重合体Aの溶液を用いてクラムの製造例1に従って脱溶剤を行い、クラムを得た。TDAEオイルの添加量は共役ジエン重合体100質量部に対して5質量部であった。その他は実施例1と同様に行ない、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は1.75m2/g、成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.018m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは0.78gで、ベール全量に対して0.013質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は1%未満であった。
〔実施例9〕
油展共役ジエン重合体Aの溶液を用いてクラムの製造例2に従って脱溶剤を行い、クラムを得た。TDAEオイルの添加量は共役ジエン重合体100質量部に対して5質量部であった。その他は実施例1と同様に行ない、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は1.82m2/g、成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.025m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは0.60gで、ベール全量に対して0.010質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は1%未満であった。
〔比較例1〕
油展共役ジエン重合体Aの溶液をクラムの製造例1に従って脱溶剤を行い、クラムを得た。TDAEオイルの添加量は共役ジエン重合体100質量部に対して10質量部であった。上記クラムをふるい分けした結果、0.5mmクラムが19質量%、3.4mmクラムが37質量%、4.0mmクラムが22質量%、6.7mmクラムが12質量%、8.0mmクラムが6質量%、9.5mmクラムが4質量%であった。上記クラムの組成を調整することなく、そのままベール成形を行い、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は3.46m2/g、成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ92mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.056m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは1.32gで、ベール全量に対して0.022質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は1%未満であった。
〔比較例2〕
TDAEオイルの添加量を共役ジエン重合体100質量部に対して10質量部とした他は、比較例1と同様に行い、クラムを得た。上記クラムをふるい分けした結果、0.5mmクラムが28質量%、3.4mmクラムが35質量%、4.0mmクラムが13質量%、6.7mmクラムが9質量%、8.0mmクラムが9質量%、9.5mmクラムが6質量%であった。上記クラムの組成を調整することなく、そのままベール成形を行い、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は4.40m2/g、成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ92mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.071m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは1.86gで、ベール全量に対して0.031質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は1%未満であった。
〔比較例3〕
脱溶剤法をクラムの製造例2とした他は、比較例2と同様に行い、クラムを得た。上記クラムをふるい分けした結果、0.5mmクラムが27質量%、3.4mmクラムが33質量%、4.0mmクラムが15質量%、6.7mmクラムが15質量%、8mmクラムが5質量%、9.5mmクラムが5質量%であった。上記クラムの組成を調整することなく、そのままベール成形を行い、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は4.25m2/g、成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ92mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.068m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは1.74gで、ベール全量に対して0.029質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は1%未満であった。
〔比較例4〕
油展共役ジエン重合体Aの溶液の替りに油展共役ジエン重合体Bの溶液を用い、TDAEオイルの添加量を共役ジエン重合体100質量部に対して15質量部とした他は、比較例1と同様に行い、クラムを得た。上記クラムをふるい分けした結果、0.5mmクラムが23質量%、3.4mmクラムが32質量%、4.0mmクラムが18質量%、6.7mmクラムが13質量%、8mmクラムが8質量%、9.5mmクラムが6質量%であった。上記クラムの組成を調整することなく、そのままベール成形を行い、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は3.81m2/g、成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ92mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.063m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは1.26gで、ベール全量に対して0.021質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は1%未満であった。
〔比較例5〕
脱溶剤法をクラムの製造例2に従った他は、比較例4と同様に行い、クラムを得た。上記クラムをふるい分けした結果、0.5mmクラムが22質量%、3.4mmクラムが35質量%、4.0mmクラムが16質量%、6.7mmクラムが12質量%、8.0mmクラムが9質量%、9.5mmクラムが6質量%であった。上記クラムの組成を調整することなく、そのままベール成形を行い、直方体の重さ6kgのベールを得た。ベール成形用クラムの比表面積は3.71m2/g、成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ92mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.061m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは1.50gで、ベール全量に対して0.025質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は1%未満であった。
〔比較例6〕
油展共役ジエン重合体Aの溶液をクラムの製造例1に従って脱溶剤を行い、クラムを得た。TDAEオイルの添加量は共役ジエン重合体100質量部に対して15質量部であった。上記、クラム粒径制御方法に従って、ベール成形に用いるクラムを配合、調製した。配合組成は、9.5mmクラムが100質量%であった。ベール成形用クラムの比表面積は0.50m2/gであった。上記ベールの製造方法に従って、直方体の重さ6kgのベールを得た。成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ87mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.004m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは無かった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は6.7%であった。
〔比較例7〕
油展共役ジエン重合体Aの溶液をクラムの製造例1に従って脱溶剤を行い、クラムを得た。TDAEオイルの添加量は共役ジエン重合体100質量部に対して5質量部であった。上記クラムをふるい分けし、クラム粒径分布の組成が比較例1と同じとなるように調整してベール成形を行い、直方体の重さ6kgのベールを得た。成形されたベールの寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ87mmであった。ベール中央部付近を切り出して比表面積を測定した結果、0.065m2/gであった。ベール表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン重合体のクラムは2.70gで、ベール全量に対して0.045質量%であった。1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、膨張率は1%未満であった。
上記実施例及び比較例で得られた成形用クラム及びベールの評価結果を表1及び2に示す。

Claims (5)

  1. 比表面積が0.7m2/g~3.2m2/gである共役ジエン重合体のクラムであり、前記共役ジエン重合体が、共役ジエン重合体の単独重合体であるか、あるいは、共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体であり、前記クラムの粒径が0.1~20mmである、ベール成形用クラム
  2. 共役ジエン重合体が、GPCを使用して測定した分子量100万以上の成分を30~90質量%含む請求項1に記載のクラム。
  3. 共役ジエン重合体100質量部に対してプロセスオイル1~20質量部を含む請求項1又は2に記載のクラム。
  4. 比表面積が0.7m2/g~3.2m2/gである共役ジエン重合体のクラムを作製し、前記共役ジエン重合体が、共役ジエン重合体の単独重合体であるか、あるいは、共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体であり、前記クラムの粒径が0.1~20mmであり、前記クラムを圧縮成形することによりベールを得るベールの製造方法。
  5. 前記共役ジエン重合体のクラムをふるい分ける工程を更に有する請求項に記載のベールの製造方法。
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