JP7332378B2 - 組成物及び補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、組成物に関する。
従来、土木建築分野において構造物の補修を行う場合に(メタ)アクリル系接着剤が用いられてきた。しかしながら、(メタ)アクリル系接着剤の硬化機構はラジカル反応によるため、大気中で常温硬化させる際に酸素が反応を阻害し、塗膜表面の硬化に長期間要するといった課題があった。この課題を解決するものとして、反応を阻害する酸素ラジカルのトラップ剤や触媒により酸化反応を促進し塗膜表面の硬化性を向上させる手法が用いられている(特許文献1~3)。
土木建築分野において構造物の補修を行う場合に、(メタ)アクリル系接着剤以外の例としてエポキシ系接着剤やウレタン系接着剤が用いられている。これらの接着剤の硬化機構は付加重合によるため、零度以下の温度では硬化反応が進行しないといった課題があった。(メタ)アクリル系接着剤は零度以下の環境でも硬化反応が進行し、低温域での使用温度範囲が広いという特徴を有する(特許文献4)。
特許第4672103号公報 特許第3315619号公報 特開2001-055421号公報 特許第5727708号公報
しかしながら、構造物の状況を目視しやすくするために、補修実施後の塗膜の可視性を向上することが求められている。従来の樹脂系では酸素阻害を抑制するための触媒の色、添加剤の色が反映され、塗膜自体が有色透明である。その色味や膜厚により補修実施後の塗膜の可視性が得られにくいといった課題が存在した。補修実施後も下地コンクリートの劣化の進行度を確認するためには従来の有色透明樹脂では可視性が得られにくく、より高透明な樹脂の開発が求められている。
本発明者らは、検討を重ねた結果、共重合体を用いることによって、硬化性と透明性が優れる組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の実施形態では下記を提供できる。
[1](1)ラジカル重合性単量体、(2)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体、(3)重合開始剤及び(4)重合促進剤を含有し、(2)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体を、(1)及び(2)の合計100質量部に対して1~10質量部含有する組成物。
[2](2)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体が、スチレンブロック共重合体である[1]に記載の組成物。
[3]スチレンブロック共重合体が、スチレン含有量30~50%質量である[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]スチレンブロック共重合体が、A-B-A型スチレンブロック共重合体である[2]又は[3]に記載の組成物。
[5](1)ラジカル重合性単量体が、(1-1)ビスフェノール骨格を有するジ(メタ)アクリレート、(1-2)脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート及び(1-3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上を含有する[1]~[4]の何れか一項に記載の組成物。
[6](3)重合開始剤が、有機過酸化物である[1]~[5]の何れか一項に記載の組成物。
[7]有機過酸化物が、ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイル-m-メチルベンゾイルパーオキサイド、m-トルオイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエートからなる群から選択される1種以上である[6]に記載の組成物。
[8](4)重合促進剤が、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、アセチルチオ尿素、メルカプトベンゾイミダゾール、ベンゾイルチオ尿素、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジイソプロパノール-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルアニリン、エチレンジアミン及びトリエタノールアミンからなる群の1種以上である[1]~[7]の何れか一項に記載の組成物。
[9]組成物を第一剤と第二剤の二剤に分け、第一剤が少なくとも(3)重合開始剤を含有し、第二剤が少なくとも(4)重合促進剤を含有する[1]~[8]の何れか一項に記載の二剤型の組成物。
[10]組成物が樹脂組成物である[1]~[9]の何れか一項に記載の組成物。
[11]組成物が硬化性樹脂組成物である[1]~[10]の何れか一項に記載の組成物。
[12]組成物がコンクリート構造物補修用である[1]~[11]の何れか一項に記載の組成物。
[13][1]~[12]の何れか一項に記載の組成物の硬化物。
[14][1]~[12]の何れか一項に記載の組成物をセメントコンクリート構造物の表面に用いることにより行われる補修方法。
[15][14]に記載の補修方法により補修された構造物。
本発明により、硬化性と透明性が優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。本明細書に記載される数値範囲は、別段の断わりが無い限りは、上限値と下限値を含むものとする。本明細書においては、別段の断わりの無い限りは、以下定義する。(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを表す。
本実施形態に係る補修方法においては、(1)ラジカル重合性単量体、(2)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体、(3)重合開始剤及び(4)重合促進剤を混合して組成物を得ることができる。
(1)ラジカル重合性単量体の中では、効果が大きい点で、(1-1)ビスフェノール骨格を有するジ(メタ)アクリレート、(1-2)脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート及び(1-3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上を含有することが好ましく、(1-1)ビスフェノール骨格を有するジ(メタ)アクリレート、(1-2)脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート及び(1-3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含有することがより好ましい。
(1-1)ビスフェノール骨格を有するジ(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(ア)で示されるジ(メタ)アクリレートが好ましい。
(1-2)脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートとしては、脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する(メタ)アクリレートが好ましい。脂環式炭化水素基をエステル結合を介して有する(メタ)アクリレートとしては、ジシクロペンテニルオキシアルキレン(メタ)アクリレートが好ましい。ジシクロペンテニルオキシアルキレン(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(イ)で示されるジシクロペンテニルオキシアルキレン(メタ)アクリレートが好ましい。
(1-3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(ウ)で示される(メタ)アクリレートが好ましい。
式(ウ)
CH=CR-O-(RO)q-H
(式中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは1~12個の炭素原子を有するアルキレン基を表し、qは1~20の範囲の整数を表す)
(1-1)の一般式(ア)においては、貯蔵安定性の点で、一般式(ア)中のR2及びR2’が水酸基を有しないアルキレン基であることが好ましい。水酸基を有しないアルキレン基としてはエチレン基が好ましい。
及びR’が水酸基を有しないアルキレン基である(1-1)の例としては、ポリエチレングリコール変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。これらの1種以上を用いることができる。これらの中では、樹脂強度が大きい点で、R1及びR1’はメチル基が好ましい。m+nの和は、硬化物の樹脂特性及び耐燃焼性の点で、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。m及びnは硬化物の樹脂特性及び耐燃焼性の点から1以上が好ましく、2以上がより好ましい。m+nの和は、硬化物の樹脂特性及び耐燃焼性の点で、30以下が好ましく、20以下がより好ましい。安定して所望の硬化物の物性が発現される点で、m=nが好ましい。
(1-1)の使用量は、(1)100質量部中、20~80質量部が好ましく、30~50質量部がより好ましい。(1-1)の使用量が20質量部以上であると硬化物の樹脂強度を向上できる。(1-1)の使用量が80質量部以下であると表面硬化性を高めることができる。
(1-2)の一般式(イ)においては、貯蔵安定性の点で、一般式(イ)中のRは、水酸基を有しないアルキレン基が好ましい。水酸基を有しないアルキレン基としては、エチレン基が好ましい。
一般式(イ)で示されるジシクロペンテニルオキシアルキレン(メタ)アクリレートとしては、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びジシクロペンテニルオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの1種以上を用いることができる。これらの中では、表面硬化性が良く、容易に入手できる点で、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。一般式(イ)中のR3は、人体に対する安全性の点で、メチル基が好ましい。pは、樹脂強度が大きい点で、1~3が好ましく、1がより好ましい。
(1-2)の使用量は、(1)100質量部中、10~50質量部が好ましく、30~50質量部がより好ましい。(1-2)の使用量が10質量部以上であると表面硬化性を向上できる。(1-2)の使用量が50質量部以下であると硬化物の樹脂強度を高めることができる。
(1-3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びグリセロールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの1種以上を用いることができる。(1-3)はヒドロキシル基を有するから、湿潤面への接着性を向上し、水酸化カルシウムといったアルカリ性化合物による硬化阻害を受けにくい。
(1-3)の一般式(ウ)においては、貯蔵安定性の点で、一般式(イ)中のRは、水酸基を有しないアルキレン基が好ましい。水酸基を有しないアルキレン基としては、エチレン基が好ましい。一般式(ウ)中のRは、人体に対する安全性の点で、メチル基が好ましい。qは、樹脂強度が大きい点で、1~3が好ましく、1がより好ましい。
(1-3)の中では、臭気が少ない点で、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、安全性の面から2-ヒドロキシエチルメタクリレートがより好ましい。
(1-3)の使用量は、(1)100質量部中、3~40質量部が好ましく、5~30質量部がより好ましく、8~15質量部がより好ましい。(1-3)の使用量が3質量部以上であると湿潤面への接着性が得られる。(1-3)の使用量が40質量部以下であると耐水性を向上できる。
(2)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体としては、ブロック共重合体が好ましい。ブロック共重合体としては、A-B-A型ブロック共重合体が好ましい。ここで、Aはビニル系芳香族炭化水素のブロックであり、Bは共役ジエンのブロックである。
ビニル系芳香族炭化水素とは、ビニル基を有する芳香族炭化水素化合物をいう。ビニル系芳香族炭化水素としては、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン及びビニルアントラセン等が挙げられる。これらの1種以上を用いることができる。これらの中では、スチレンが好ましい。
共役ジエン化合物とは、少なくとも1個の共役二重結合を有するジオレフィン化合物をいう。共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(又はイソプレン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。これらの1種以上を用いることができる。これらの中では、ブタジエンが好ましい。
(2)の中では、スチレンブロック共重合体が好ましい。スチレンブロック共重合体としては、A-B-A型スチレンブロック共重合体、即ち、トリブロック型スチレンブロック共重合体が好ましい。ここで、Aはスチレンブロックであり、Bは共役ジエンブロックである。A-B-A型スチレンブロック共重合体中のスチレン含有量は30~50質量%が好ましい。
(2)の重量平均分子量は、7000~1000000が好ましい。重量平均分子量は、例えば、以下の方法で測定できる。溶剤としてテトラヒドロフランを用い、GPCシステム(東ソー社製SC-8010)を使用し、下記条件で、市販の標準ポリスチレンで検量線を作成して重量平均分子量を求める。
流速:1.0ml/min
設定温度:40℃
カラム構成:東ソー社製「TSKguardcolumn MP(×L)」6.0mmID×4.0cm1本、及び東ソー社製「TSK-GELMULTIPOREHXL-M」 7.8mmID×30.0cm(理論段数16,000段)2本、計3本(全体として理論段数32,000段)、サンプル注入量:100μl(試料液濃度1mg/ml)
送液圧力:39kg/cm
検出器:RI検出器
(2)の使用量は、成分(1)及び(2)の合計100質量部に対して1~10質量部が好ましく、2~9質量部が好ましく、5~8質量部がより好ましい。(2)の使用量が1質量部以上であると塗膜表面の硬化性が向上する。(2)の使用量が10質量部以下であると透明性が向上する。
(3)重合開始剤としては、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物は、例えば、(4)重合促進剤と反応し、ラジカルを発生させ、モノマーの重合を開始させるものである。有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートに分類されるもの等が挙げられる。ケトンパーオキサイドとしては、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等が挙げられる。パーオキシケタールとしては、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。ハイドロパーオキサイドとしては、3-イソプロピルヒドロパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。ジアルキルパーオキサイドとしては、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3等が挙げられる。ジアシルパーオキサイドとしては、ベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、3,3,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイル-m-メチルベンゾイルパーオキサイド、m-トルオイルパーオキサイド等が挙げられる。パーオキシエステルとしては、t-ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。パーオキシジカーボネートとしては、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。これらの1種以上を用いることができる。
これらの中では、ジアシルパーオキサイド ケトンパーオキサイド ハイドロパーオキサイド パーオキシエステルからなる群から選択される1種以上が好ましく、ジアシルパーオキサイドが最も好ましい。これらの中では、ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイル-m-メチルベンゾイルパーオキサイド、m-トルオイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエートからなる群から選択される1種以上が好ましい。これらの中では、樹脂硬化物への着色性が小さい点で、ベンゾイルパーオキサイドがより好ましい。
(3)の使用量は、(1)及び(2)の合計100質量部に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.5~3質量部が好ましい。
(4)重合促進剤は、硬化触媒である。(4)重合促進剤は、例えば、(3)有機過酸化物を分解し、ラジカルを発生させるものである。重合促進剤としては、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、アセチルチオ尿素、メルカプトベンゾイミダゾール、ベンゾイルチオ尿素、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジイソプロパノール-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルアニリン、エチレンジアミン及びトリエタノールアミン等からなる群から選択される1種以上が好ましく、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジイソプロパノール-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルアニリン、エチレンジアミン及びトリエタノールアミンからなる群から選択される1種以上がより好ましく、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジイソプロパノール-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジンからなる群から選択される1種以上が最も好ましい。これらの1種以上を用いることができる。これらの中では、反応性の点で、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジンがより好ましい。本実施形態の重合促進剤が淡色である場合、高透明な組成物が得られる。
(4)の使用量は、(1)及び(2)の合計100質量部に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.5~3質量部がより好ましい。
本実施形態の組成物は、二剤型として使用できる。本実施形態の組成物は、第一剤と第二剤の二剤に分け、第一剤が少なくとも(2)重合開始剤を含有し、第二剤が少なくとも(3)重合促進剤を含有することが好ましい。本実施形態の組成物は、組成物を第一剤と第二剤の二剤に分け、第一剤が少なくとも(1)ラジカル重合性単量体、(2)スチレンブロック共重合体、(3)重合開始剤を含有し、第二剤が少なくとも(3)重合促進剤を含有することが好ましい。
本実施形態の組成物は、樹脂組成物、硬化性組成物、硬化性樹脂組成物として使用できる。本実施形態の組成物は、常温硬化型高透明樹脂組成物として使用できる。
本実施形態の組成物は、セメントコンクリート構造物の補修用樹脂組成物として使用できる。
本実施形態の補修方法においては、成分(1)~(4)を撹拌混合して組成物を調製する。このようにして調製した組成物は、大気下で構造物の表面に、塗布、散布、又は噴霧等といった使用をして、構造物の表面に存在するヒビや割れ等の欠陥を補修できる。塗布、散布又は噴霧をする量は、0.05~5.0kg/mが好ましく、0.1~3.0kg/mがより好ましい。セメントコンクリートとは、セメントペースト、モルタル、コンクリートをいう。
本実施形態の硬化性組成物は、-10~50℃の大気中で硬化が進行し、硬化性組成物の表層を完全に硬化する。本実施形態の硬化物は、高い透明性を有する塗膜を形成する。
本実施形態は、高い可視性を有しながら、薄膜状塗膜表面の硬化性にも優れ、0℃以下の低温でも硬化可能な常温硬化型の樹脂組成物を提供できる。本実施形態の組成物を用いると、コンクリート構造物補修方法を提供できる。
特に、本実施形態は、A-B-A型スチレンブロック共重合体と淡色の重合促進剤を併用することにより、-10~50℃の大気中で硬化でき、高透明になり、接着剤の表層における硬化性に優れたコンクリート構造物補修用樹脂組成物が得られる。
以下の実験例に基づき、本実施形態を詳細に説明する。各物質の使用量の単位は特記しない限り質量部で示す。特記しない限り23℃で実施した。
(硬化性組成物の製造)
表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で撹拌混合して硬化性組成物を調製し、得られた硬化性組成物について表面硬化時間を測定した。これらの結果を表1に記載した。
成分(1-1)としてはビスフェノールA型エチレンオキシド変性ジメタクリレート(一般式(ア)において、R及びR’はメチル基、R及びR’はエチレン基、m+n=4である。)(Miwon/Miramer M241)、成分(1-2)としてはジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(日立化成工業/DH500)、成分(1-3)としては2-ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱ケミカル/アクリエステルHO)、成分(2)としてはスチレンブロック共重合体(JSR/TR2000、スチレン-ブタジエン-スチレン型トリブロック共重合体、SBSポリマー、重量平均分子量10万、スチレン含有量40質量%)、成分(3)としてはベンゾイルパーオキサイド(日本油脂/ナイパーNS)、成分(4)としてはN,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン(モーリン化学工業/PT-2HE)を用いた。
但し、成分(1-1)、成分(1-2)、成分(1-3)、成分(2)、成分(3)を予め混合して第一剤を調製した後、第二剤である成分(4)を混合して硬化性組成物を調製した。
(表面硬化時間の測定方法)
硬化性組成物を薄膜状に塗布した際に、硬化性組成物を塗布してから、塗膜表面が硬化するまでの時間(ベトツキがなくなるまでの時間)を測定した。23℃環境下で、JIS R 5201:2015に規定された方法で調製したモルタル試験板(寸法:10mm×70mm×150mm)に硬化性組成物を塗布量0.2kg/m2となる様に秤量しながら刷毛で塗布し、試験体とした。試験体をそのまま23℃環境下に静置し、一定時間経過後に塗膜表面を指触し、ベトツキがなくなるまでの時間を表面硬化時間とし、時間単位にて表1に記載した。
(硬化塗膜の透明性)
表面硬化時間の測定を完了した試験体を目視により確認した。評価基準を以下に示す。
評価結果を表1に記載した。
・透明 : 硬化塗膜を通して下地面が鮮明に確認できる
・半透明 : 硬化塗膜に曇りはあるが、不鮮明ながら下地面を確認できる
・不透明 : 硬化塗膜が白濁し、下地面が確認できない
ラジカル重合による樹脂の硬化反応では空気中の酸素及び溶存酸素により重合が阻害される場合があった。従来の技術では、酸素ラジカルのトラップ剤や硬化触媒により酸化反応を促進し、塗膜表面の硬化性を向上させる手法が用いられてきたが、硬化触媒の色や添加剤の色が反映され、塗膜自体の可視性を低下させる課題が存在した。本実施形態は、特にスチレンブロック共重合体を用いることにより、(メタ)アクリレートの表面硬化性を向上することを見出した。本実施形態により、硬化触媒の選択肢の幅が広がり、高透明の硬化性組成物を調製可能となった。本実施形態は、可視性に優れる。
高い透明性を有し、かつ表面硬化性が良好である硬化性組成物を用いることにより、本実施形態は、特に大気下での構造物の補修において、以下の優れた効果が認められる。本実施形態の産業的利用性は大きい。
(1)高い透明性により、構造物の補修後も下地の劣化進行度を確認可能である。
(2)硬化性組成物を塗布した後、6時間以内に表面が硬化するため、補修工事における工期短縮に繋がり、効率的である。
(3)常温硬化型の反応系であり、加熱機器やUV照射機等の特別な装置を必要としない。
(4)零度以下の環境でも硬化反応が進行し、寒冷地や冬季の施工が可能である。

Claims (11)

  1. (1)ラジカル重合性単量体、(2)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体、(3)重合開始剤及び(4)重合促進剤を含有し、前記(2)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体を、前記(1)ラジカル重合性単量体、及び前記(2)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体の合計100質量部に対して1~10質量部含有する組成物であり、
    前記(2)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体が、スチレンブロック共重合体であり、前記スチレンブロック共重合体が、A-B-A型スチレンブロック共重合体であり、
    前記(1)ラジカル重合性単量体が、(1-1)ビスフェノール骨格を有するジ(メタ)アクリレート、(1-2)脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート及び(1-3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上を含有し、
    前記組成物がコンクリート構造物補修用である、組成物。
  2. 前記スチレンブロック共重合体が、スチレン含有量30~50質量%である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記(3)重合開始剤が、有機過酸化物である請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記有機過酸化物が、ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイル-m-メチルベンゾイルパーオキサイド、m-トルオイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエートからなる群から選択される1種以上である請求項に記載の組成物。
  5. 前記(4)重合促進剤が、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、アセチルチオ尿素、メルカプトベンゾイミダゾール、ベンゾイルチオ尿素、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジイソプロパノール-p-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルアニリン、エチレンジアミン及びトリエタノールアミンからなる群の1種以上である請求項1~の何れか一項に記載の組成物。
  6. 前記組成物を第一剤と第二剤の二剤に分け、前記第一剤が少なくとも前記(3)重合開始剤を含有し、前記第二剤が少なくとも前記(4)重合促進剤を含有する二剤型の組成物である請求項1~の何れか一項に記載の組成物。
  7. 前記組成物が樹脂組成物である請求項1~の何れか一項に記載の組成物。
  8. 前記組成物が硬化性樹脂組成物である請求項1~の何れか一項に記載の組成物。
  9. 請求項1~の何れか一項に記載の組成物の硬化物。
  10. 請求項1~の何れか一項に記載の組成物をセメントコンクリート構造物の表面に用いることにより行われる補修方法。
  11. 請求項10に記載の補修方法により補修された構造物。
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