JP7330693B2 - 弾性波素子 - Google Patents

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Description

本開示は、弾性波素子に関するものである。
下記の特許文献1には、15°回転YカットX伝搬のLiNbO膜上に、Alからなる電極が設けられている弾性表面波共振子が開示されている。この弾性表面波共振子では、IDT電極の第1の電極指の先端同士を結ぶ直線及び第2の電極指の先端同士を結ぶ直線が、表面波伝搬方向に対して18°から72°ほど傾斜されている。
また、特許文献2には、支持基板上に、高音速膜、低音速膜、LiTaO膜及びIDT電極をこの順序で積層してなる弾性波装置が開示されている。
特開2000-286663号公報 国際公開2012/086639号
特許文献1には、一方のバスバーで反射された横モードと、他方のバスバーで反射された横モードとが打ち消し合い、横モードを抑制することができるとされている。
特許文献2には、LiTaO膜を用いたときにも横モードリップルが現れるという問題が提示されている。
近年、さらに、横モードリップルを抑制した弾性波素子の提供が求められている。本開示はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、横モードリップルを抑制し、高い位相特性を有する弾性波素子を提供することにある。
本開示の一実施形態に係る弾性波素子は、圧電膜と、IDT電極と、を備える。IDT電極は前記圧電膜に位置する。IDT電極は、間をあけて位置する第1バスバーおよび第2バスバーと、前記第1バスバーに接続された複数の第1電極指と、前記第2バスバーに接続され、前記第1電極指と互い違いに間挿し合っている複数の第2の電極指と、前記第1バスバーに接続され、前記第2電極指の先端と間をあけて対向する第1ダミー電極と、前記第2バスバーに接続され、前記第1電極指の先端と間をあけて対向する第2ダミー電極と、を有する。そして、前記第1電極指の先端を結ぶ方向と、前記第1電極指および前記第2電極指の配列方向とが傾斜角度をなしている。また、前記第2ダミー電極の前記配列方向における幅は、前記第1電極指および前記第2電極指が交差する交差領域における第1電極指の幅に比べて太くなっている。前記圧電膜は、前記第1電極指および前記第2電極指の周期で決まる波長をλとしたときに1λ未満である。
弾性波素子1の平面図である。 図1のII-II線における断面図である。 図3(a)は実施例および比較例に係る弾性波素子の位相特性を示す線図であり、図3(b)は図3(a)の一部を拡大した図である。 図4(a)は比較例に係る弾性波素子の位相特性を示す線図であり、図4(b)は図4(a)の一部を拡大した図である。 実施例および比較例に係る弾性波素子の位相特性を示す線図である。 図6(a)は比較例に係る弾性波素子の位相特性を示す線図であり、図6(b)は図6(a)の一部を拡大した図である。 図7(a)は比較例に係る弾性波素子の位相特性を示す線図であり、図7(b)は図7(a)の一部を拡大した図である。 実施例および比較例に係る弾性波素子の位相特性を示す線図である。 変形例に係るIDT電極の要部拡大図である。
以下、本開示の一実施形態に係る弾性波素子について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図は模式的なものであり、図面上の寸法および比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
弾性波素子は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として上面、下面等の用語を用いるものとする。
<弾性波素子1>
実施形態に係る弾性波素子の一例としてSAW(Surface Acoustic Wave)を用いた弾性波素子1(SAW素子1)の構成について説明する。
図1は、SAW素子1の模式的な平面図であり、図2は図1のII-II線における断面図である。
SAW素子1は、圧電層2と、圧電層2の上面2Aに設けられたIDT電極3と、SAWの伝搬方向に沿ってIDT電極3の両側に設けた反射器電極4と、支持基板5と、を備える。
図2に示すように、SAW素子1は、圧電層2の下面2B側に支持基板5が位置する。圧電層2と支持基板5とは直接、または間接的に接合されている。この例では、圧電層2と支持基板5との間には中間層7が介在している。
支持基板5は、本実施形態では、圧電層2を伝搬する弾性波(バルク波)の音速よりも速い音速を有する材料からなる。このような材料として、Siやサファイア、水晶、AlN等を例示できる。
また、支持基板5として圧電層2よりも熱膨張係数の小さい材料を用いてもよい。このような材料として、例えばSi,サファイア等を例示できる。この場合には、温度変化による圧電層2の伸縮を抑制し、温度変化による特性変化を低減することができる。
中間層7は、圧電層2と支持基板5と接合する材料としてもよい。また、圧電層2を伝搬するバルク波の音速よりも遅い音速を備える材料を用いてもよい。このような材料として、酸化ケイ素(SiOx)を例示できる。
そして、中間層7の上に、圧電層2が位置している。圧電層2は、ニオブ酸リチウム(LiNbO:以下、LNという)結晶またはタンタル酸リチウム(LiTaO:以下、LTという)結晶からなる圧電性を有する単結晶の基板によって構成されている。具体的には、例えば、圧電層2は、36°~54°Yカット-X伝搬のLT基板によって構成
してもよい。圧電層2の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。
なお、圧電層2の厚み(z方向)は、後述する電極指32の中心間の間隔をpとしたとき2p未満とする。言い換えると、圧電層2は、後述する電極指32周期で決まる波長をλとすると、λは2pに相当することから、λ未満の厚みとしている。
圧電層2の上面2AにはIDT電極3が位置している。IDT電極3は、例えば、Alや、Alを主体とする合金を用いてもよい。また、複数の金属材料からなる層を積層して構成してもよい。このような金属材料としては、Alの他にCu,Mo,Ni等を例示できる。
IDT電極3は、互いに異なる電位に接続される2つのポートP1,P2の間に位置する。そして、SAW素子1は、ポートP1から高周波信号が入力され、ポートP2から高周波信号が出力される、いわゆる1ポート共振子として機能する。IDT電極3は、複数の電極指32を有し、図面のx方向に繰り返し配列されるように並んでいる。
IDT電極3は、互いに噛み合う1対の櫛歯電極30で構成される。櫛歯電極30は、互いに対向する2本のバスバー31と、各バスバー31から他のバスバー31側へ延びる複数の電極指32と、各バスバー31から他のバスバー31側へ延び、他のバスバー31から延びる電極指32の先端と対向するダミー電極35と、を有している。そして、1対の櫛歯電極30は、一方のバスバー31に接続された電極指32と他方のバスバー31に接続された電極指32とが、弾性波の伝搬方向に互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。このように、IDT電極3は複数の電極指32を備え、これらは、SAWの伝搬方向に沿って配列している。言い換えると、電極指32の配列方向(x方向)がSAWの伝搬方向である。さらに言い換えると、電極指32の伸びる方向(長辺方向)に直交する方向が、電極指32の配列方向であり、かつSAWの伝搬方向である。
この電極指32のピッチは、略同一としてもよいし、反射器電極4に近い側の一部でピッチを小さくしたり大きくしたりする変化部を備えていてもよい。変化部はIDT電極4全体の10%以下とする。
ここで、便宜的に、ポートP1側のバスバー31を第1バスバー31aとし、ポートP2側のバスバー31を第2バスバー31bとする。また、第1バスバー31aに接続される電極指32,ダミー電極35をそれぞれ第1電極指32a,第1ダミー電極35aという。同様に第2バスバー31bに接続される電極指32,ダミー電極35をそれぞれ第2電極指32b,第2ダミー電極35bという。
そして、第1電極指32aの先端を結ぶ方向と配列方向とが傾斜角度をなしている。具体的には、第1電極指32aの先端を結ぶ仮想線L1と配列方向であるx軸とが成す角度A1が傾斜角度となるようにIDT電極3が傾斜している。以後、角度A1を第1傾斜角度ということがある。
この例では、第2電極指32bの先端を結ぶ方向と配列方向とも傾斜角度をなすよう傾斜している。具体的には、第2電極指32bの先端を結ぶ仮想線L2と配列方向であるx軸とが成す角度B1が傾斜角度となるようにIDT電極3が傾斜している。以後、角度B1を第2傾斜角度ということがある。
角度A1と角度B1とは異なっていてもよいが、この例では同じ角度としている。そして、第1電極指32aと第2電極指32bとの交差領域、すなわち、仮想線L1・L2と、反射器4側に位置する電極指32とで形成される形状は平行四辺形状となっている。なお、この例では、IDT電極3の外形が平行四辺形状となっているが、交差領域のみが平行四辺形状となっていてもよい。
バスバー31は、例えば概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されている。従って、バスバー31の互いに対向する側の縁部は直線状である。複数の電極指32は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、SAWの伝搬方向に概ね一定の間隔で配列されている。
なお、バスバー31の幅は一定でなくてもよい。バスバー31の互いに対向する側(内側)の縁部が直線状であればよく、例えば内側の縁部を台形の底辺とするような形状であってもよい。
各電極指32は、SAWの伝搬方向における幅w1が、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。電極指32の幅w1は、例えばピッチpに対して0.3倍以上0.7倍以下である。すなわち、Dutyが0.3~0.7である。
なお、ここで電極指32の幅w1とは、第1電極指32aと第2電極指32bとが互いに交差する交差領域の中央付近における値である。
そして、第2ダミー電極35bの幅w2は幅w1よりも太くなっている。この例では、第2ダミー電極35bに加え、第1ダミー電極35aの幅w3も幅w2と同等とし幅w1より太くしている。さらに、第1ダミー電極35aの先端をつなぐ仮想線L3よりも第1バスバー31a側の領域である第1ダミー電極領域,第2ダミー電極35bの先端をつなぐ仮想線L4よりも第2バスバー31b側の領域である第2ダミー電極領域に位置する第1電極指32aおよび第2電極指32bの幅も幅w2と同等としている。すなわち、電極指32の根本部分の幅が太くなっている。このような構成とすることで、横モードスプリアスを低減することができる。以下、本構成によるスプリアス低減効果について検証する。
上記SAW素子1において共振子特性を説明する。SAW素子1(実施例1)の設計パラメータは以下の通りとした。
圧電層2の材料:カット角46°のYカットX伝搬のLT
圧電層2の厚さ:0.8p
IDT電極3の交差幅:20λ
IDT電極3の電極指本数:200本
IDT電極3の第1ダミー電極領域および第2ダミー電極領域におけるDuty:0.70
IDT電極3の交差領域におけるDuty:0.53
ダミー電極35の長さ:4p
傾斜角度:6°(ただしA1=B1とする)
中間層7の材料:酸化ケイ素
中間層7の厚み:0.3p
なお、IDT電極3のピッチp=1μmとした。
上記設計パラメータに従って、ただし、第1ダミー電極領域および第2ダミー電極領域におけるDutyを交差領域におけるDutyと同等とした比較例1のSAW素子を作製した。
図3(a)に、実施例1と比較例1との共振子の位相特性を示す。また、図3(b)に
、図3(a)の拡大図を示す。図3(a),(b)において、横軸は周波数(単位:MHz)、縦軸は位相(単位:°)を示す。図3(b)に示す共振周波数および***振周波数の間においては位相が90°に近いほどロスが低減できていることを示す。なお、図3では、実施例1の特性を実線で、比較例1の特性を破線で示している。
図3から明らかなように、実施例1は、比較例1に比べて共振周波数近傍におけるロスを低減できていることが確認できる。このように、消費電力が最も高くなる共振周波数近傍におけるリップルを低減することで、耐電力性を向上させることができる。
図4に、比較例2として比較例1のSAW素子において傾斜角度を-6°~+6°まで変化させたときの位相特性を示す。具体的には、比較例2-1の傾斜角度を-6°,比較例2-2の傾斜角度を-4°比較例2-3の傾斜角度を0°,比較例2-4の傾斜角度を4°,比較例2-5の傾斜角度を6°とした。なお、図4では、比較例2-1~2-5の特性を順に、実線,点線,破線,一点鎖線,長二点鎖線でそれぞれ示している。
図4(a),図4(b)はそれぞれ、図3(a),図3(b)に相当する線図である。この図からも明らかなように、傾斜角度を0°のときに共振周波数と***振周波数との間の周波数範囲において多く確認されていたリップルがIDT電極3を傾斜させることにより低減されている。なお、実際にはさらに大きく傾斜角度を振って位相特性を確認している。その結果、傾斜角度を|6°±1°|とすることで共振周波数から***振周波数の間における最大位相が高い状態で効果的に横モードリップルを低減できることが分かった。ただし、比較例2のうち最も位相特性のよかった傾斜角度+6°のSAW素子(比較例1)においても共振周波数近傍のリップルを低減することができていないことが確認できる。
これに対して、実施例1に係るSAW素子1によれば、IDT電極3を傾斜させるだけでは低減しきれなかったリップルを、ダミー電極35の線幅を交差領域の電極指32線幅に比べて太くすることで低減できることが確認できた。
なお、傾斜角度の正負は圧電層3の結晶軸であるX軸に対する向きで決まる。すなわち右手系の座標軸表示で表わすときに、平面視で左回りの方向に傾斜する場合を+方向に傾斜するものと定義する。
<Duty>
次に、実施例1のSAW素子1において、交差領域における電極指32の線幅に対するダミー電極35の線幅を変化させたときの位相特性を測定した。具体的には、交差領域におけるDutyが0.53であるのに対して、ダミー領域(第1ダミー領域および第2ダミー領域)におけるDutyを、0.53~0.70まで変化させた。具体的には、ダミー領域におけるDutyを、0.53,0.57,0.61,0.66,0.70と異ならせ、順に比較例1,実施例1-1,実施例1-2,実施例1-3,実施例1-4として位相特性を測定した。
図5に、このようにして測定した結果を示す。図5は図3(b)に相当する図である。図5において、比較例1、比較例1-1~1-4の特性を順に、実線,点線,破線,一点鎖線,長二点鎖線でそれぞれ示している。図5からも明らかなように、ダミー領域におけるDutyを大きくしていくことで共振周波数近傍のリップルを低減させることができることを確認した。特に交差領域におけるDutyよりも0.08以上大きくすることで、リップルを概ねなくすことができる。また、Dutyを大きくするほどロスを低減できるが、隣接する他の電極指32やダミー電極35との短絡を低減するためにDutyは0.7以下としてもよい。すなわち、交差領域のDutyよりも0.16以下の範囲で大きくしてもよい。この値は、交差領域におけるDutyを基準とすると比率で1.15~1.32倍となる。
なお、ダミー領域におけるDutyを0.7を超えてさらに大きくした場合には、***振周波数よりも高周波数側におけるストップバンドのスプリアスが***振周波数側に近付くようにシフトし、かつスプリアス強度も大きくなっていく様子を確認している。
<横モードスプリアス発生条件>
次に、本構成の優位性が発現する条件に付いて検討する。
図6に、比較例3として圧電層2の厚みが1λ以上ある場合の位相特性を示す。比較例3のSAW素子は、実施例1の構成と、電極指32のピッチが1.1μmである点、圧電層の厚みが18p(すなわち9λ)である点が異なる。そして、交差領域におけるDutyが0.53であるのに対して、ダミー領域におけるDutyを、0.53~0.70(0.53,0.57,0.61,0.66,0.70)まで変化させた。順に比較例3-1~3-5というものとする。
図6は、このような比較例3のSAW素子の位相特性であって、図3(a),図3(b)に相当するものである。図6において、比較例3-1~3-4の特性を順に、実線,点線,破線,一点鎖線,長二点鎖線でそれぞれ示している。図6からも明らかなように、圧電層2の厚みが1λ以上ある場合には、バルク波スプリアスは散見されるが、共振周波数および***振周波数近傍における横モードリップルは確認されず、さらにダミー電極領域のDutyによる特性変化も確認されなかった。
このことから、ダミー電極領域のDutyによる特性変化は圧電層3の厚みが1λ未満となり、SAWが圧電層内に閉じ込められるようになってから発現するものと推測される。
次に、図7に、比較例4のSAW素子の位相特性を示す。比較例4のSAW素子は、実施例1の構成と、傾斜角度を0°とした点、電極指32のピッチを1.1μmとした点、および圧電層の厚みを0.7λとした点で異なる。そして、交差領域におけるDutyが0.53であるのに対して、ダミー電極領域のDutyを0.70とした場合(比較例4-1)と、交差領域と同等とした場合(比較例4-2)との2条件を設定した。
図7は、このような比較例4のSAW素子の位相特性であって、図3(a),図3(b)に相当するものである。図7において比較例4-1の特性を実線で、比較例4-2の特性を破線で示している。図7からも明らかなように、傾斜角度が0°の場合には、共振周波数および***振周波数近傍における横モードリップルが大きく、ダミー領域のDutyによる特性変化も確認されなかった。
このことから、ダミー領域のDutyによる特性変化は、IDT電極を傾斜させることで初めて発現するものと推測される。
以上より、ダミー領域のDutyによる特性変化は、圧電層の厚みが1λ未満になって、SAWが圧電層に閉じ込める構成になり、かつ、IDT電極を傾斜させて横モードリップルを低減することで初めて効果を発現する現象であることが確認された。
<変形例>
次に、電極指32の先端形状について検討する。比較例5として、電極指32およびダミー電極35の先端部に拡幅部を備える構成のSAW素子について位相特性を測定した。
拡幅部とは、SAWの伝搬方向、もしくは、電極指32の間やダミー電極35と電極指32との間の領域に張り出す突起部と言うこともできる。
図8に、比較例5と実施例1との位相特性のうち共振周波数の低周波数側(図3(a)の破線で囲む領域)の拡大図を示す。図8において、実線は実施例1の特性を、破線は比較例5の特性を示している。図8からも明らかなように、拡幅部を備える場合には共振周波数の低周波数側の位相特性が悪化することを確認した。以上より、IDT電極3を電極指32の先端近傍に拡幅部を備えない形状としてもとよい。
また、拡幅部は静電破壊の原因となりうる。このため、図9に示すようにダミー領域においては一様な線幅とし、そこから交差領域に向かって徐々に幅を減少させていくことで、SAWの伝搬方向に張り出すような突起部を備えない構成としてもよい。
<変形例2>
次に、電極指32の根本を太くする場合において、根本から太くする長さを異ならせた場合について検討した。その結果、根元からダミー電極の先端を結ぶ仮想線(L1,L2)まで太くした場合よりも、他方の電極指の先端を結ぶ仮想線の位置まで太くした場合の方が共振周波数と***振周波数との間の最大位相値を高くすることができることが分かった。
具体的には、根元からダミー電極の先端を結ぶ仮想線(L1,L2)まで太くした場合には最大位相が88.67degであったのに対して、他方の電極指の先端を結ぶ仮想線の位置まで太くした場合には最大位相が88.74degであった。
なお、最大位相以外の特性は特に差異が確認されなかった。すなわち、根本から太くする長さを異ならせても、スプリアス等が発生することはなかった。
上述の例では、圧電層3と支持基板5との間に中間層7を介在させた場合を例に説明したが、この限りではない。例えば、圧電層3のみであってもよいし、圧電層3と支持基板5とが直接接合されていてもよいし、中間層7が2層以上積層された構成としてもよい。その場合には、圧電層3よりも高音速の材料からなる層を含んでいてもよい。さらに、圧電層3と支持基板7との間に、低音速膜と高音速膜とを交互に繰り返し配列した多層膜反射器が位置していてもよい。
また、上述の例では、第1電極指の先端を結ぶ方向に加え第2電極指の先端を結ぶ方向もSAWの伝搬方向に対して傾斜していたが、どちらか一方でも効果を奏しうる。また、上述の例では、IDT電極全体において一様に傾斜する構成としたが、IDT電極の一部のみ傾斜する構成としてもよいし、傾斜角度が一様でなくてもよい。
さらに、上述の例では、第1ダミー電極および第2ダミー電極の双方の幅を太くした場合について説明したが、どちらか一方でもよい。
また、上述の例では1ポート共振子の場合を例に説明したが、この限りではない。例えば、DMS等の縦結合型共振子フィルタを構成する櫛歯電極にも適用可能である。
また、上述のSAW素子1を複数備えたフィルタおよび分波器(デュプレクサ、マルチプレクサ等)としてもよい。例えば、複数のSAW素子1をラダー型に接続してフィルタを構成してもよい。
さらに、上述のように構成したフィルタや分波器等とICとを組み合わせて通信装置を
構成してもよい。
1:弾性波素子(SAW素子),2:圧電基板,2A:上面,3:励振電極(IDT電極),30:櫛歯電極,31:バスバー(第1バスバー31a、第2バスバー31b),32:電極指,35:ダミー電極(第1ダミー電極35a,第2ダミー電極35b),4:反射器電極

Claims (11)

  1. 圧電膜と、
    前記圧電膜に位置するIDT電極と、を備え、
    前記IDT電極は、
    間をあけて位置する第1バスバーおよび第2バスバーと、
    前記第1バスバーに接続された複数の第1電極指と、
    前記第2バスバーに接続され、前記第1電極指と互い違いに間挿し合っている複数の第2電極指と、
    前記第1バスバーに接続され、前記第2電極指の先端と間をあけて対向する第1ダミー電極と、
    前記第2バスバーに接続され、前記第1電極指の先端と間をあけて対向する第2ダミー電極と、
    を有し、
    前記第1電極指の先端を結ぶ方向と、前記第1電極指および前記第2電極指の配列方向とが傾斜角度をなしており、
    前記第2ダミー電極の前記配列方向における幅は、前記第1電極指および前記第2電極指が交差する交差領域における前記第1電極指の幅に比べて太く、
    前記圧電膜は、前記第1電極指および前記第2電極指の周期で決まる波長をλとしたときに1λ未満である、
    弾性波素子。
  2. 前記第2電極指は、前記第2ダミー電極の先端を結ぶ仮想線よりも前記第2バスバーの側である第2ダミー電極領域において、前記交差領域に比べて幅が太くなっている、請求項1に記載の弾性波素子。
  3. 前記第2ダミー電極領域におけるデューティーは、前記交差領域におけるデューティーよりも0.08以上大きい、請求項2に記載の弾性波素子。
  4. 前記第2ダミー電極領域におけるデューティーは、前記交差領域におけるデューティーよりも0.08以上0.16以下の範囲で大きい、請求項3に記載の弾性波素子。
  5. 前記第1電極指および前記第2電極指の先端は拡幅部を備えない、請求項1乃至4のいずれかに記載の弾性波素子。
  6. 前記圧電膜の前記IDT電極が位置する側と反対側に位置し、前記圧電膜におけるバルク波の音速に比べ高いバルク波の音速を備える支持基板を備え、前記圧電膜と前記支持基板との間には、前記圧電膜よりもバルク波の音速の低い材料からなる中間層が位置する、請求項1乃至5のいずれかに記載の弾性波素子。
  7. 前記第2電極指は、前記第1電極指の先端を結ぶ仮想線よりも前記第2バスバー側の領域において前記交差領域に比べて幅が太くなっている、請求項6に記載の弾性波素子。
  8. 前記圧電膜の前記IDT電極が位置する側と反対側に位置する支持基板を備え、前記圧電膜と前記支持基板との間には、多層膜反射器が位置する、請求項1乃至5のいずれかに記載の弾性波素子。
  9. 前記第2電極指の先端を結ぶ方向と、前記配列方向とが傾斜角度をなしており、
    前記第1ダミー電極の前記配列方向における幅は、前記交差領域における前記第2電極指の幅に比べて太い、請求項1乃至8のいずれかに記載の弾性波素子。
  10. 前記圧電膜の厚さは2μm未満であり、前記第2ダミー電極のデューティーは0.61以上である、請求項1乃至9のいずれかに記載の弾性波素子。
  11. 前記第2電極指は、前記第2ダミー電極領域においては一様な線幅であり、そこから前記交差領域に向かって徐々に幅を減少させている、請求項2乃至4のいずれかに記載の弾性波素子。
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