以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1~図12は、本発明の第1実施形態に係る加湿器を示している。本実施形態の加湿器A1は、加湿器筐体1、給水部2、霧化部3、送風部4、導出部5、排水手段6、温湿度状態表示部7、全体制御部81、操作制御部83、電源部85及び操作部91を備えている。
図1は、加湿器A1を示す斜視図である。図2は、加湿器A1を示す正面図である。図3は、加湿器A1を示す平面図である。図4は、加湿器A1を示す底面図である。図5は、加湿器A1を示す左側面図である。図6は、加湿器A1を示す右側面図である。図7は、加湿器A1を示す背面図である。図8は、加湿器A1を示す要部斜視図である。図9は、図3のIX-IX線に沿う断面図である。図10は、図3のX-X線に沿う断面図である。図11は、加湿器A1を示す分解斜視図である。図12は、加湿器A1を示す斜視図である。これらの図において、z方向の一方側を「上」、他方側を「下」と称する場合がある。また、x方向の一方側を「右」、他方側を「左」と称する場合がある。また、y方向の一方側を「前」、他方側を「後」と称する場合がある。また、図13~図39は、加湿器A1の各部を説明するための図であり、説明において適宜参照する。
<加湿器筐体1>
加湿器筐体1は、霧化部3及び送風部4等を収容しており、加湿器A1の外観の大部分をなしている。加湿器筐体1は、例えばABS樹脂等の樹脂材料からなるが、その材質は特に限定されない。また、加湿器筐体1は、全体が一体的に形成されていてもよいし、複数の別体の部位によって形成されていてもよい。加湿器A1の製造や使用の便宜から、加湿器筐体1は、複数の別体の部位によって形成されていることが好ましい。
本実施形態の加湿器筐体1は、z方向に起立した姿勢で設置可能な形状であり、z方向視において楕円形状又は四隅がラウンド形状とされた矩形状である。加湿器筐体1は、上面101、底面102、前面103、背面104、側面105、側面106及び凹窪部108を有する。
底面102は、図2及び図4に示すように、z方向下側を向く面であり、加湿器A1を床面等に載置する際に、床面等に当接させる面であり、z方向に対して直角である。前面103は、図2、図3、図5及び図6に示すように、y方向前側を向く面であり、z方向に対して略平行である。また、前面103は、z方向においてy方向前側に若干膨出する緩やかな曲面である。図3、図5、図6及び図7に示すように、背面104は、y方向後ろ側を向く面であり、z方向対して略平行である。また、背面104は、z方向においてy方向後側に若干膨出する緩やかな曲面である。背面104には、吸気口1041が形成されている。背面104は、複数の貫通孔によって構成されており、送風部4に向けて外気を吸気するための部位である。
上面101は、図2、図5及び図6に示すように、z方向上側に位置する面であり、図示された例においては、略平坦な面である。上面101は、y方向後端よりもy方向前端が底面102側に位置するように、前方下傾状に形成されている。上面101がxy平面(底面102)となす角度は、例えば10度~15度であり、図示された例においては、11度程度である。
凹窪部108は、図1~図3、図9及び図10に示すように、上面101からz方向下方に凹んでいる。凹窪部108は、z方向視において略中央に略円形状の開口を有する。
側面105は、図2、図3、図4及び図5に示すように、y方向正面視においてx方向左側に位置する面であり、z方向に対して略平行である。側面105は、上面101と底面102とに略到達しており、加湿器筐体1のz方向全長にわたって設けられている。また、側面105は、z方向においてx方向左側に若干膨出する緩やかな曲面である。
側面106は、図2、図3、図4及び図6に示すように、y方向正面視においてx方向右側に位置する面であり、z方向に対して略平行である。側面106は、底面102に到達し、上面101から離間しており、加湿器筐体1のz方向下側のみに設けられている。また、側面106は、z方向においてx方向右側に若干膨出する緩やかな曲面である。
また、本実施形態の加湿器筐体1は、図8に示すように、内部構造部11、底部構造部12及び受け部材13を有する。内部構造部11、底部構造部12及び受け部材13は、加湿器筐体1を構成する複数の部位の例示である。
内部構造部11は、z方向において上面101と底面102との間に位置しており、給水部2による給水機能、霧化部3による霧発生機能、排水手段6による排水機能を実現するための筐体をなしており、また導出部5を支持している。
内部構造部11は、図8~図11、図17、図24、図25、図36、図37及び図38に示すように、中板部111、給水槽112、排水槽113、給水路114、給水パイプ115、環状突条116、係止爪117、トラップ流路下側部118、挿通孔119及び複数の排水孔1191を有する。また、図示された例においては、内部構造部11は、後述するように霧化部3を構成するための部位を有している。図17は、加湿器A1の要部分解斜視図であり、主に、内部構造部11と導出部5との配置等を説明するために参照する。図24は、加湿器A1の要部斜視図であり、図25は、加湿器A1の要部平面図であり、おもに給水経路を説明するために参照する。図36は、加湿器A1を示す断面図であり、図37は、加湿器A1の要部断面斜視図であり、図38は、要部断面側面図である。図36、図37及び図38は、通気させるための機構及び水滴等を機外に排出する機構について説明するために参照する。
中板部111は、図8及び図9に示された例においては、加湿器筐体1の上面101と底面102との間のz方向中心よりも若干下方に位置している。中板部111は、z方向に対して略直角な平板状の部位である。
給水槽112は、図17に示すように、中板部111からz方向下方に凹んでおり、y方向前側に位置している。給水槽112は、給水部2から水を給水される槽である。図示された例においては、給水槽112は、z方向視において円形状である。給水部2による給水については、後述する。
排水槽113は、図9、図24及び図30に示すように、中板部111からz方向下方に凹んでおり、y方向後側に位置している。排水槽113は、排水手段6を収容している。図示された例においては、排水槽113は、z方向視において、x方向に平行な辺、y方向に平行な辺及びこれらの辺の一端同士を繋ぐ曲線からなる形状である。本実施形態の排水槽113は、排水手段受け部1131及び排水凹部1132を有する。
排水手段受け部1131は、排水槽113の一部が内方に向けて突出するように段差が設けられた部位である。排水手段受け部1131は、z方向に直角に延びる部分と、z方向下方に凹んだ部分とを有する。
排水凹部1132は、排水槽113の一部が、z方向上端からz方向下方に向けて凹むように切り欠かれた形状の凹部である。排水凹部1132は、排水手段受け部1131のうちz方向下方に凹んだ部分に対応した位置に設けられており、x方向視においてz方向に長く延びる矩形状である。
給水路114は、給水槽112に給水された水を霧化部3へと導くための経路の一部をなしている。給水路114は、排水槽113に収容された排水手段6に隣接しており、給水パイプ115へと延びる経路である。
給水パイプ115は、給水路114によって導かれた水を霧化部3へと導くための経路をなしている。図示された例においては、給水パイプ115は、給水路114から、z方向下方に延びる部分、y方向に延びる部分、x方向に延びる部分、及び霧化部3に向けてz方向に延びる部分、を有する。なお、本実施形態においては、給水パイプ115に、ヒータ39が取り付けられている。ヒータ39は、給水部2から霧化部3に供給される水を給水パイプ115において加熱することにより、水に雑菌が繁殖するのを抑制するためのものである。
環状突条116は、図17に示すように、中板部111からz方向上側に突出する部位であり、z方向視において環状をなしている。図25に示すように、環状突条116は、z方向視において後述の霧化槽32及び供給口313を囲んでいる。環状突条116の平面視形状は、導出部5のz方向下端の平面視形状と略一致している。
係止爪117は、環状突条116の一部からz方向に突出しており、z方向視において環状突条116の内方に突出する部位を有している。係止爪117は、導出部5の一部と係止するためのものである。
トラップ流路下側部118は、図36に示すように、受け部材13の後述のトラップ流路上側部1332とともに、底部構造部12の電源部収容部122と中板部111のz方向上側の空間とを通じさせるための通気経路を構成するための部位である。トラップ流路下側部118は、中板部111をz方向に貫通する部分と、当該貫通部分に隣接して中板部111のz方向上側においてz方向下方に凹む凹んだ部分と、を有している。図25に示すように、トラップ流路下側部118は、中板部111のx方向左側であってy方向後側に配置されている。
挿通孔119は、図25及び図36に示すように、中板部111をz方向に貫通する孔である。挿通孔119は、トラップ流路下側部118のx方向左側に隣接して配置されている。
複数の排水孔1191は、図25及び図38に示すように、中板部111をz方向に貫通する孔であり、図示された例においては、中板部111のy方向前側に2つの排水孔1191が設けられている。複数の排水孔1191は、中板部111に意図せずに滞留しうる水を、中板部111のz方向下側の空間に落下させるためのものである。
底部構造部12は、内部構造部11のz方向下方に設けられている。底部構造部12は、全体制御部収容部121及び電源部収容部122を有する。
全体制御部収容部121は、全体制御部81を収容する部位である。全体制御部収容部121は、全体制御部81を少なくともz方向上側、y方向両側及びx方向両側から覆っており、これらの方向から全体制御部81に水が進入することを防止する。本実施形態においては、全体制御部収容部121は、z方向視において矩形状であり、z方向寸法が短い扁平な形状である。
電源部収容部122は、電源部85を収容する部位である。電源部収容部122は、電源部85を少なくともy方向両側及びx方向両側から覆っており、これらの方向から電源部85に水が進入することを防止する。本実施形態においては、電源部収容部122は、y方向視において矩形状であり、y方向寸法が短く、z方向寸法が長い扁平な形状である。電源部収容部122は、z方向に起立した姿勢で設けられている。また、本実施形態においては、全体制御部収容部121と電源部収容部122とは、互いに繋がっている。
受け部材13は、図8~図11及び図36に示すように、内部構造部11の中板部111と上面101との間に設けられている。受け部材13は、送風部収容部131及び操作制御部収容部134を有する。
送風部収容部131は、送風部4の大部分を収容する部位である。送風部収容部131は、側部132及び底部133を有する。側部132は、z方向視において送風部4を囲んでおり、z方向高さが、送風部4よりも低い。底部133は、側部132のz方向下方を塞いでおり、送風部4を支持する部位である。
底部133は、水抜き孔1331及びトラップ流路上側部1332を有する。
水抜き孔1331は、底部133の一部がz方向下方に向けて円筒形状に延出した部位である。図36に示すように、水抜き孔1331は、内部構造部11の挿通孔119に挿通されている。水抜き孔1331は、送風部収容部131の内部空間と内部構造部11及び底部構造部12の間の空間とを通じさせている。
トラップ流路上側部1332は、図36に示すように、内部構造部11のトラップ流路下側部118とともに、底部構造部12の電源部収容部122と中板部111のz方向上側の空間である送風部収容部131の内部空間とを通じさせるための通気経路を構成するための部位である。トラップ流路上側部1332は、底部133をz方向に貫通する部分と、当該貫通部分に隣接して底部133のz方向下側においてz方向上方に凹む凹んだ部分と、を有している。トラップ流路上側部1332とトラップ流路下側部118とが組み合わされることにより、2つのU字通路が連結された屈曲状の通路が構成されている。
操作制御部収容部134は、送風部収容部131の上側部分に連結されており、送風部収容部131のx方向右側に位置している。操作制御部収容部134は、操作部91を収容している。図示された例においては、操作制御部収容部134は、y方向両側に長く延びており、操作部91をx方向両側、y方向両側及びz方向下側から覆っている。
<給水部2>
給水部2は、霧化部3において霧を発生させるための水を供給するためのものである。給水部2の材質は特に限定されず、例えば樹脂からなる。給水部2は、図1~図3、図6、図7、図9、図21、図22及び図23に示すように、水タンク21、タンクキャップ22及び天蓋部23を有する。本実施形態においては、水タンク21は、加湿器筐体1に脱着自在であり、加湿器筐体1のx方向右側にz方向上方から取り付けられる。
水タンク21は、供給すべき水を貯めるためのものである。水タンク21は、外面211、底部212、給排水口213及び嵌合突条214を有する。
外面211は、水タンク21のx方向右側及びy方向両側の外観に表れる外面である。図2、図3、図6及び図7に示すように、給水部2が加湿器筐体1に取り付けられた状態において、前面103の一部、背面104の一部及び側面106と、面一な外面を構成している。すなわち、外面211は、z方向に対して略平行であり、z方向視において前面103の一部、背面104の一部及び側面106と一致する形状である。
底部212は、図22に示すように、外面211のz方向下側に繋がっており、z方向に略平行な平板状の部位である。給排水口213は、底部212からz方向下方に突出状に設けられており、水タンク21の内部空間と底部212のz方向下方の空間とを通じさせる。給排水口213の外側面には、タンクキャップ22を脱着自在に取り付けるための例えばねじが形成されている。嵌合突条214は、底部212のうち外面211に繋がる端縁に沿って設けられており、底部212からz方向下方に突出している。嵌合突条214は、給水部2を加湿器筐体1に対して位置決めするための部位である。
天蓋部23は、水タンク21をz方向上側から覆っている。図示された例においては、天蓋部23は、水タンク21に固定されている。天蓋部23は、把手部231を有する。把手部231は、給水部2の加湿器筐体1への脱着や、給水部2への注水において、使用者が給水部2を保持するための部位である。
タンクキャップ22は、水タンク21の給排水口213に脱着自在に取り付けられるものであり、給排水口213を閉じる閉状態と開口させる開状態とをとり得る構成とされている。図示された例においては、タンクキャップ22は、図23に示すように、螺合筒部220、延長筒部221、底部222、外筒部223、内筒部224、連結部225、ばね226、可動ロッド227及び開閉弁部228を有する。図23(a)は、閉状態のタンクキャップ22を示しており、図23(b)は、開状態のタンクキャップ22を示している。
螺合筒部220は、タンクキャップ22の最も外側に設けられた筒状部位であり、内側面に水タンク21の給排水口213と螺合するねじが形成されている。延長筒部221は、螺合筒部220の内側においてz方向下方に延びる筒状部位である。延長筒部221には、凹部2211が形成されている。凹部2211は、延長筒部221のz方向下端からz方向上側に凹む部位である。外筒部223は、螺合筒部220の内側に位置しており、延長筒部221のz方向上端に繋がっている。外筒部223は、延長筒部221からz方向上方に延びる筒状部位である。
底部222は、螺合筒部220のz方向下端と延長筒部221及び外筒部223の境界部分とに繋がっており、z方向視において円環形状の板状部位である。底部222は、螺合筒部220と延長筒部221及び外筒部223との間の空間を塞いでいる。
内筒部224は、外筒部223の内側に位置しており、z方向に延びる筒状部位である。連結部225は、延長筒部221と内筒部224とを繋いでおり、内筒部224を外筒部223に対して固定している。
ばね226は、例えば金属製のつる巻きばねであり、内筒部224内に収容されている。可動ロッド227は、内筒部224及びばね226に挿通されており、内筒部224及びばね226に対してz方向に可動である。可動ロッド227の下端には、鍔状部分が設けられており、ばね226の下端と当接している。可動ロッド227の上端部分は、内筒部224からz方向上方に突出している。開閉弁部228は、z方向上方に広がる傘状部材であり、可動ロッド227のz方向上側部分に気密性を維持した状態で固定されている。また、開閉弁部228のz方向視における外形(円形の場合の外径)は、外筒部223の内径よりも大きい。開閉弁部228は、例えばゴムからなる。
図23(a)に示す閉状態は、給水部2が加湿器筐体1に取り付けられる前の状態を示している。この状態においては、z方向下方に向かうばね226の弾性力が、可動ロッド227に付勢されている。これにより、可動ロッド227に固定された開閉弁部228が外筒部223のz方向上端縁に密着している。これにより、タンクキャップ22は、給排水口213を閉じている。
一方、図23(b)に示す開状態は、給水部2が加湿器筐体1に取り付けられた状態を示している。この状態においては、後述の排水手段6の蓋部62の給水用凸部624が、z方向下方から可動ロッド227に当接している。これにより、ばね226が圧縮され、可動ロッド227が、内筒部224に対してz方向上方に相対的に移動している。このため、可動ロッド227に固定された開閉弁部228が外筒部223のz方向上端縁から離間する。そして、外筒部223と開閉弁部228との間から、水タンク21の水がz方向下方へと流出し、外筒部223及び延長筒部221を通じて、加湿器筐体1内の所定箇所に供給される。
なお、給水部2は、開閉機構を備えたタンクキャップ22以外の部位において、密閉されている。このため、給水部2からの給水においては、タンクキャップ22の延長筒部221の凹部2211から水タンク21内へと給水量に対応した体積の空気が流入する。加湿器筐体1内の水位が上昇すると、凹部2211が水に埋没する格好となる。これにより、水タンク21内への空気の流入が阻止され、給水が停止する。したがって、加湿器筐体1内の最大水位は、凹部2211のz方向上端の高さで維持される。この水位維持機能は、後述の給水部2からの給水に利用される。
<霧化部3>
霧化部3は、給水部2から供給された水を用いて霧を発生させるためのものである。本実施形態においては、図34、図36、図37及び図38に示すように、霧化部3は、気体供給部31、霧化槽32、超音波発振部33及びカップ34を有する。
気体供給部31は、霧を霧化部3から放出するための気体を供給するためのものである。本実施形態の気体供給部31は、ファン311、モータ3111、供給路312、供給口313及びケーシング部314を有する。なお、図示された例においては、供給路312、供給口313及びケーシング部314は、加湿器筐体1の内部構造部11の一部によって構成されているが、霧化部3の構成は特に限定されず、例えば加湿器筐体1とは別体の部材によって構成されていてもよい。
ファン311は、気体を流動させるためのものであり、複数の翼体によって構成されている。図示された例においては、ファン311は、いわゆるシロッコファンである。ケーシング部314は、ファン311を収納しており、ファン311の回転によって、気体を供給するための空間を規定している。モータ3111は、ケーシング部314の外側に配置されており、ファン311に連結されている。モータ3111は、ファン311の回転駆動源である。
供給路312は、ケーシング部314に繋がっており、ファン311が供給した気体を霧化槽32へと導く経路を構成している。供給口313は、供給路312の下流側に繋がっており、供給路312内を導かれてきた気体を霧化槽32内へと放出する。
霧化槽32は、水を霧へと変化させるための層である。霧化槽32は、中板部111からz方向下方に凹んでおり、図示された例においては、トラップ流路下側部118のy方向前側に位置している。霧化槽32の大部分は、z方向視円形状の槽である。この円形状の槽部分の底部には、超音波発振部33が設置されている。超音波発振部33は、超音波発振子(超音波振動子)を有しており、超音波を利用した霧化を実現する部位である。
また、霧化槽32は、水位検知部321を有する。水位検知部321は、霧化槽32の水位が低くなったことを検知すると、超音波発振部33を停止させるように構成されている。
カップ34は、霧化槽32の内面に沿う形状であり、霧化槽32に脱着自在とされている。カップ34の材質は特に限定されず、例えば樹脂からなる。
<送風部4>
送風部4は、霧化部3が発生させた霧を、加湿器A1外のより広い領域に飛散させるための風を発生させるためのものである。本実施形態の送風部4は、いわゆるサーキュレータとして構成されており、図9~図16に示すように、送風口41、グリル42、上下首振りケース43、左右首振り側支持部44、固定側支持部45及びファン46を有する。
送風口41は、風を外部へと送風する部位である。本実施形態においては、送風口41は、加湿器筐体1の上面101の凹窪部108内に設けられている。
グリル42は、送風部4のz方向上端に位置している。グリル42の材質は特に限定されず、例えば樹脂からなる。図16に示すように、本実施形態においては、グリル42は、複数のフィン421、内端部422、外端部423及び複数の係合部424を有する。
複数のフィン421は、z方向に延びる軸を中心に放射状に設けられている。複数のフィン421は、図16(b)によく表れているように、渦巻き状に設けられている。内端部422は、複数のフィン421の内端に繋がっている。図示された例においては、内端部422は、円形部材の外周端である。外端部423は、複数のフィン421の外端に繋がっており、図示された例においては、円環形状である。本実施形態においては、内端部422は、外端部423に対して送風方向O4(図13参照)に突出している。複数の係合部424は、外端部423からz方向下方に突出しており、グリル42を上下首振りケース43に係止するためのものである。
上下首振りケース43は、ファン46を収容しており、左右首振り側支持部44に対して上下首振り可能に支持されている。上下首振りケース43の材質は特に限定されず、例えば樹脂からなる。本実施形態においては、上下首振りケース43は、グリル42とともに、略球殻状のケースを構成している。
上下首振りケース43は、一対の上下首振り軸部431、吸気口432及びギヤ部433を有する。一対の上下首振り軸部431は、上下首振りケース43のy方向及びz方向の略中央位置からx方向両側に突出している。一対の上下首振り軸部431は、左右首振り側支持部44によって支持されることにより、上下首振りケース43の上下首振りの軸O41を構成する。なお、本実施形態においては、上下首振りケース43の上下首振りは、使用者が手動によって好みの角度に上下首振りケース43を設定することによって行うが、これに限定されず、例えば上下首振りのためのモータ等の駆動源を備える構成であってもよい。吸気口432は、上下首振りケース43のz方向下方部分が開口された部位である。吸気口432は、ファン46によって風を生じさせるための空気を吸入する部位である。
ギヤ部433は、上下首振りケース43のy方向前面に設けられており、x方向に沿って配列された複数の歯を有する。これらの歯は、上下首振りケース43の外面から突出している。ギヤ部433は、後述の導出部5の吹出口51を、上下首振りケース43の首振り動に連動させるためのものである。
左右首振り側支持部44は、上下首振りケース43を支持しており、固定側支持部45に対して左右首振り可能に支持されている。本実施形態においては、左右首振り側支持部44は、ベース部441、一対の支柱部442、一対の軸受孔部443、左右首振りモータ444及び左右首振り軸部445を有する。ベース部441、支柱部442、軸受孔部443及び左右首振り軸部445の材質は特に限定されず、例えば樹脂からなる。
ベース部441は、z方向下方に位置する箱状部位である。ベース部441は、図10に示すように左右首振りモータ444を収容している。一対の支柱部442は、ベース部441の両側からz方向上方に起立した部位である。一対の軸受孔部443は、一対の支柱部442のz方向上側部分に形成されており、x方向に貫通している。一対の軸受孔部443には、上下首振りケース43の一対の上下首振り軸部431が挿通されている。左右首振りモータ444は、左右首振り側支持部44を固定側支持部45に対して左右首振りさせるための駆動源である。左右首振り軸部445は、z方向下方に延びる軸である。左右首振り軸部445は、固定側支持部45に支持されることにより、左右首振り側支持部44の左右首振りの軸O42を構成する。
固定側支持部45は、送風部4を加湿器筐体1の受け部材13に固定するための部位であり、受け部材13に対して相対動しない部位である。固定側支持部45は、左右首振り側支持部44の左右首振り軸部445を軸O42周りに回転可能に支持している。なお、送風部4(左右首振り側支持部44)の左右首振り角度範囲は、例えば、25度~45度に設定される。
ファン46は、送風部4から送風する風を発生させるためのものである。ファン46は、グリル42及び上下首振りケース43に収容されている。ファン46は、例えば送風モータ461によって回転駆動される。図示された例においては、送風モータ461は、ファン46とともに上下首振りケース43に収容されている。
<導出部5>
導出部5は、霧化部3で発生した霧を送風部4の送風口41の近傍に導くためのものであり、図17~図20に示すように、吹出口51及び誘導部52を有する。導出部5の材質は特に限定されず、例えば樹脂からなる。
吹出口51は、霧化部3で発生した霧を放出させる部位である。図1~図3、図5、図6、図8及び図10に示すように、吹出口51は、凹窪部108内に位置しており、送風部4の送風口41に対してy方向前側に隣接している。吹出口51の上端部は、加湿器筐体1の凹窪部108内で上方突出状に設けられている。
本実施形態の吹出口51は、図17~図20に示すように、筒部511、方向規定部512、延出片513及びギヤ部514を有する。筒部511は、誘導部52に取り付けられる部位であり、誘導部52に対して回転可能に支持される。方向規定部512は、筒部511の上端に設けられており、図10によく表れているように、筒部511をz方向上方に向けて進行してきた霧を、y方向後側に傾いた方向に進行するように、霧の進行方向である霧放出方向Nを規定する部位である。
延出片513は、筒部511からz方向可能に延出しており、一部のz方向位置が、送風部4のギヤ部433に重なる程度の長さとされている。ギヤ部514は、延出片513のz方向下側部分に設けられており、y方向後側に突出する複数の歯を有している。図20によく表れているように、ギヤ部514は、上下首振りケース43のギヤ部433と噛み合っている。これにより、上下首振りケース43が左右首振り側支持部44の左右首振りに伴って図中矢印に沿って左右首振りすると、ギヤ部433とギヤ部514との噛合により、吹出口51が上下首振りケース43に連動して首振りする。本実施形態においては、上下首振りケース43及び左右首振り側支持部44の左右首振り角度範囲は、ギヤ部433とギヤ部514とが噛み合う範囲に限定されている。
誘導部52は、霧化部3から吹出口51に霧を誘導する部位である。本実施形態においては、誘導部52は、殻状蓋部521、通風部522、漏洩抑制突片523及び筒部524を有する。また、誘導部52は、被検知部を備え、加湿器筐体1は、検知部を備える。誘導部52が加湿器筐体1に取着されることで、検知部がONに切換えるよう構成されている。具体的には、誘導部52にはマグネット(被検知部)が設けられ、加湿器筐体1にはマグネットに反応するスイッチ手段(検知部)が設けられている。この構成により、誘導部52を付け忘れたまま加湿を行うといった誤使用を防止できる。
殻状蓋部521は、霧化部3の霧化槽32をz方向上側から塞ぐ部位であり、z方向上方に膨出する殻状部位である。通風部522は、霧化部3の供給口313を覆う部位であり、供給口313からの風を殻状蓋部521及び霧化槽32に導くための部位である。漏洩抑制突片523は、霧化槽32内で発生した霧が、霧化槽32や殻状蓋部521外に意図せず漏洩することを防止するための部位である。漏洩抑制突片523は、内部構造部11に対面した状態で当接する板状部位である。筒部524は、殻状蓋部521からz方向上方に延びるテーパ状の筒状部位である。筒部524は、霧化槽32で発生した霧をz方向上方へと導く。筒部524のz方向上側部分には、吹出口51が回転可能に取り付けられている。
誘導部52の下端縁のz方向視形状は、内部構造部11の環状突条116のz方向視形状と略一致している。誘導部52が環状突条116に嵌め込まれることにより、導出部5の内部構造部11に対する位置決めがなされ、霧の漏洩を防止できる。また、内部構造部11の係止爪117は、漏洩抑制突片523の一部が係合する。これにより、導出部5が内部構造部11に対してより確実に固定される。
<排水手段6>
排水手段6は、給水部2から供給され、霧化部3における霧の発生に用いられる水を、適宜回収するためのものである。排水手段6の材質は特に限定されず、例えば樹脂からなる。図26~図33に示すように、排水手段6は、排水容器61、蓋部62及びパッキン63を有する。図26は、排水手段6を示す斜視図であり、図27は、排水手段6を示す平面図である。図28は、排水手段6を示す側面図であり、図29は、図28のXXIX-XXIX線に沿う断面図である。図30は、加湿器A1の通常の使用において排水手段6が内部構造部11に装填された状態を示す断面斜視図であり、図31は、図30のXXXI-XXXI線に沿う要部断面図及び要部拡大断面図である。図32は、排水手段6による排水が行われる状態を示す断面側面図であり、図33は、図32のXXXIII-XXXIII線に沿う要部断面図及び要部拡大断面図である。
排水容器61は、給水部2から霧化部3に供給される水を収容するための容器である。排水容器61は、加湿器A1の使用時において、内部構造部11の排水槽113に収容されている。本実施形態においては、排水容器61は、側板部611、底部612、係止突条613及び第1排水口614を有する。
側板部611は、z方向に平行な板状部位であり、排水容器61の内部空間をz方向視において囲んでいる。底部612は、側板部611のz方向下端に繋がっており、側板部611をz方向下方から塞いでいる。係止突条613は、側板部611からz方向視において外側に突出しており、図示された例においては、側板部611の全周にわたって設けられている。係止突条613は、排水容器61を排水槽113に収容する際に、排水槽113に対して排水容器61を位置決めするためのものである。図示された例においては、係止突条613は、水平部6131及び垂下部6132を有する。水平部6131は、z方向に対して直角に延びる部位であり、側板部611のy方向前面、x方向右側面及びy方向後面と、x方向左側面のy方向両側一部ずつとに設けられている。垂下部6132は、水平部6131に繋がっており、側板部611のx方向左側面に設けられている。垂下部6132は、水平部6131からz方向下方に凹んだ、x方向視台形状の部位である。
第1排水口614は、排水されるべき水を排水容器61内へと導くための開口である。第1排水口614は、側板部611を貫通している。本実施形態においては、第1排水口614は、係止突条613の垂下部6132のz方向下側に隣接して設けられており、y方向に長く延びる扁平な矩形状である。
蓋部62は、排水容器61を塞ぐものである。本実施形態の蓋部62は、天板部621、把手部622、延出部623及び給水用凸部624を有する。
天板部621は、排水容器61に嵌め込まれて、排水容器61をz方向上方から塞ぐものである。本実施形態においては、天板部621には、第2排水口625が形成されている。第2排水口625は、天板部621をz方向に貫通する複数の貫通孔からなる。
把手部622は、天板部621からz方向上方に突出する環状部分である。把手部622は、排水手段6を持ち上げたりする際に把持される部位である。
延出部623は、天板部621に繋がっており、内部構造部11の排水槽113から給水槽112へと至る部位である。図示された例においては、延出部623は、天板部621からy方向前側に若干延びた部分と、当該部分からz方向下方に延びる部分と、当該部分からy方向前側に延びる部分とを有する。
給水用凸部624は、延出部623のy方向前側部分であって給水槽112に収容される部分から、z方向上方に突出している。図示された例においては、給水用凸部624は、コーン形状とされている。給水用凸部624は、図23(b)に示したように、給水部2のタンクキャップ22の可動ロッド227のz方向下端に当接する部位である。
パッキン63は、排水容器61と内部構造部11の排水槽113とに挟まれることにより、気密状態を実現するためのものである。図示された例においては、パッキン63は、排水容器61の係止突条613に対してz方向下側に取り付けられている。このため、パッキン63は、図30及び図31に示す加湿器A1の通常の使用において、排水容器61の係止突条613と排水槽113の排水手段受け部1131に挟まれることにより、これらの気密状態を実現している。
<温湿度状態表示部7>
温湿度状態表示部7は、図1及び図2に示すように、加湿器筐体1の前面103に設けられており、少なくとも加湿器A1の周囲環境の湿度を表示する湿度表示部の一例に相当する。温湿度状態表示部7の湿度表示は、例えば加湿器筐体1の背面104の吸気口1041の内側に設けられた温湿度センサー(図示略)の出力信号に基づいて、図39に例示するように、当該湿度センサーが検知した湿度を数値で表示する数値表示部72を有する。数値表示部72は、加湿器A1から離れたところからも読み取れるように、比較的大きな数字を表示する。
また、温湿度状態表示部7は、当該温湿度センサーが検知した温度及び湿度に基づいて周辺環境の状態を表示する温湿度状態表示部を有しており、図示された例においては、面発光部71が温湿度状態表示部を構成している。面発光部71は、例えば複数色を発光可能なLEDと、このLEDからの光を面状光に変換する反射部や導光部を有している。温度と湿度との関係から、加湿器A1が置かれた環境が例えばウイルスの繁殖のしやすさ等の衛生面の観点で、状態評価を行う。衛生面の観点から好ましいと言える、相対的に湿度が高い状態においては、面発光部71が例えば青色や緑色に発光する(図39(a))。また、湿度が若干低下した状態においては、面発光部71が例えば黄色に発光する(図39(b))。そして、湿度がさらに低下した状態においては、面発光部71が例えば赤色に発光する(図39(c))。
<全体制御部81>
全体制御部81は、加湿器A1の全体の動作を制御する部位であり、例えば制御基板811及び複数の制御部品812によって構成されている。全体制御部81は、底部構造部12の全体制御部収容部121に収容されている。本実施形態においては、制御基板811は、z方向に対して直角な姿勢でxy平面に沿って配置されている。複数の制御部品812は、制御基板811に実装されている。
<操作制御部83>
操作制御部83は、加湿器A1の使用者の操作を電気信号等に変換して全体制御部81に伝達する部位であり、例えば操作基板831及び複数の操作部品832からなる。操作基板831は、y方向に長く延びる帯状の基板である。複数の操作部品832は、操作基板831に実装されている。操作制御部83は、受け部材13の操作制御部収容部134に収容されている。
<電源部85>
電源部85は、加湿器A1に供給される商用の100V交流電力を変換する部位であり、例えば、霧化部3の超音波発振部33に適した40V直流電力に変換する。電源部85は、電源基板851及び複数の電源部品852からなる。電源部85は、底部構造部12の電源部収容部122に収容されている。本実施形態においては、電源基板851は、z方向に沿って起立した姿勢で、zx平面に沿って配置されている。複数の電源部品852は、電源基板851に実装されている。
<操作部91>
操作部91は、加湿器A1の使用者の操作を実現するための部位である。操作部91は、操作制御部83のz方向直上に配置されており、操作制御部83の複数の操作部品832に対応したボタン等を有する。
<給水>
加湿器A1の給水について、説明する。水タンク21に注水し、水タンク21の給排水口213をタンクキャップ22によって塞ぐ。次いで、図21に示すように、内部構造部11の排水槽113に排水手段6を収容しておく。次いで、タンクキャップ22をz方向下方に位置させた姿勢で、給水部2を加湿器筐体1に取り付ける。この際、水タンク21が排水手段6に載置される。これにより、水タンク21の重量によって、パッキン63が係止突条613と排水手段受け部1131とに挟まれる。この結果、パッキン63が気密状態を実現し、水漏れを防止する。
給水部2を加湿器筐体1に取り付けると、図23(b)に示すように、給水用凸部624によって、可動ロッド227が内筒部224に対してz方向上方に押し上げられる。これにより、開閉弁部228が外筒部223のz方向上端から離間し、この隙間を通じて、水タンク21内の水がz方向下方に給水される。この水は、図25に示すように、給水槽112に給水される。
給水槽112に水が満たされると、排水槽113と排水手段6との間に設けられた給水路114を通じて、給水パイプ115へと水が流入する。次いで、給水パイプ115を通じて霧化部3の霧化槽32へと水が給水される。この給水に際しては、給水パイプ115に設けられたヒータ39によって水を加熱することにより、水の雑菌発生を抑制してもよい。霧化槽32に水が満たされると、霧化槽32及び給水槽112内の水位が、図23(b)の凹部2211のz方向上端に到達する。これにより、凹部2211が水によって塞がれ、水タンク21内への空気の流入が阻止される。この結果、給水部2からの給水が停止する。この後は、霧化部3の霧化処理に伴い、霧化槽32及び給水槽112の水位が低下する。水位が凹部2211から下降すると、再び凹部2211が水によって塞がれるまで、給水が再開する。このように、霧化槽32及び給水槽112における水位が一定に保たれる。
<加湿>
加湿器A1の加湿について、説明する。霧化部3の超音波発振部33によって霧が発生すると、気体供給部31からの風によって、霧化槽32内の霧が導出部5へと送られる。導出部5の誘導部52から吹出口51へと誘導された霧は、吹出口51から放出される。図10に示すように、吹出口51は、方向規定部512を有しており、吹出口51からの霧は、y方向後側に傾いた方向に放出される。この霧の発生と並行して、送風部4からは、図13の送風方向O4に向けて送風される。この送風部4からの風に乗せて、吹出口51から放出された霧が飛散する。送風方向O4のz方向に対する角度は、上下首振りケース43を左右首振り側支持部44に対して軸O41周りに上下首振りすることにより調整可能である。また、送風部4は、左右首振り側支持部44の左右首振りモータ444の駆動により、z方向に延びる軸O42周りに左右首振りする。送風方向O4がz方向に対して傾いているため、左右首振り側支持部44の首振りによって、送風方向O4が左右首振りする。また、図19及び図20に示すように、上下首振りケース43のギヤ部433と吹出口51のギヤ部514とが噛み合っていることにより、左右首振り側支持部44の首振りに連動して、吹出口51が首振りする。これにより、図3に示すように、z方向視において霧放出方向Nが左右首振りする。なお、図3においては、霧放出方向Nが、y方向に対して40度程度傾いた状態を示している。
<排水>
加湿器A1の排水について、説明する。加湿器A1の通常の使用時には、給水部2からの給水、霧化部3による霧の発生及び送風部4からの送風がなされる。これらの通常使用が終了した場合や、清掃等の理由により、加湿器A1を分解する際には、給水槽112や霧化槽32に貯められた水を排水することが好ましい。加湿器A1においては、図30及び図31に示す通常使用時には、第1排水口614がパッキン63によって封鎖されており、その周囲に、上述した水位維持機能により、水が満たされている。
この水を排水するには、給水部2を取り除いた後に、排水手段6の把手部622を把持する等によって、排水手段6を若干持ち上げる。図示された排水手段6の位置は、排水位置である。これにより、図32及び図33に示すように、パッキン63による気密状態が解除され、第1排水口614が排水槽113の排水凹部1132のz方向下方部分に開口することとなる。これにより、第1排水口614から排水容器61内へと、水が流入し、霧化槽32及び給水槽112の水が排水される。また、第1排水口614からの排水のみによって排水しきれない水については、例えばスポイト等によってこの水を吸引し、排水手段6の蓋部62の把手部622から排水容器61内へとスポイトの水を注入することにより、排水してもよい。
また、他の排水方法として、排水手段6の蓋部62を排水容器61から取り外すことで、排水容器61内へ水が流入するように構成されていても良い。図示省略するが、この場合、蓋部62と排水容器61の間に挟まれるようにパッキンが設けられる。
次に、加湿器A1の作用について説明する。
本実施形態によれば、送風部4が左右首振りであることにより、加湿器A1からx方向左右のより広い領域に向けて霧を拡散させることができる。このため、加湿器A1を室内の隅部に置きつつ、室内の別の領域に霧を拡散させることが可能であり、例えば加湿器A1を室内の中央に配置する必要がないという利点がある。また、送風部4の気流(スパイラル気流)によって室内空気を撹拌でき、室内空気の温度を均一化することで、室内全体に於ける飽和水蒸気量の差異を小さくすることができ、室内をムラなく加湿できる。
ギヤ部433とギヤ部514とが噛み合うことにより、送風部4の左右首振りに対応して吹出口51が左右に追従するように構成されている。これにより、送風部4の左右首振りによって、送風方向O4がいずれの方位に向いている場合であっても、送風部4からの風に十分な量の霧を乗せることが可能である。したがって、より広い領域により均一に霧を飛散させることができる。また、吹出口51からの霧放出方向Nが、常に送風部4の送風方向O4に交差するように構成され、送風部4の気流(スパイラル気流)に十分な量の霧を乗せることができ、霧(ミスト)をより遠くに飛ばすことができる。
図16に示すように、グリル42は、渦巻き状に設けられた複数のフィン421を有している。これにより、図13に示すように、送風部4は、送風方向O4を中心としてスパイラル状に進行する気流を発生させることが可能である。このようなスパイラル状の気流は、指向性が高く、より遠い位置に到達できる。したがって、加湿器A1によれば、より広い領域に霧を飛散させることができ、室内を隅々まで加湿できる。内端部422が外端部423よりも送風方向O4に突出している構成は、送風方向O4の中央(中心)に向けてスパイラル気流を集めて(収束させて)、より指向性が高いスパイラル状の気流を発生させるのに適している。さらに、左右首振り時に、送風部4と加湿器筐体1の隙間の大きさが増大することなく、指詰めを防止できる。
加湿器筐体1の凹窪部108に送風部4の送風口41が囲まれており、凹窪部108に導出部5の吹出口51が設けられている。これにより、送風口41と吹出口51とを近接させることが可能であり、霧をより効率よく飛散させることが可能である。また、送風口41と吹出口51とが、凹窪部108に設けられていることにより、送風口41及び吹出口51は、上面101から大きく突出する構成ではない。これにより、送風口41及び吹出口51が過大に目立ってしまうことを抑制可能であり、加湿器A1の外観をより美麗に保つことができる。
吹出口51が、凹窪部108内においてz方向上方に突出して設けられていることにより、吹出口51からの霧が凹窪部108に付着して露濡れするのを防ぎ、また、加湿器筐体1の一部に霧が不当に吹き付けられ露濡れする等の事態を回避することができる。
加湿器筐体1の上面101がxy平面に対して前方下傾状に形成されており、送風部4が上下首振り自在に構成されている。これにより、送風部4からの気流を加湿器A1の直上ではなく、加湿器A1に対してy方向前方に位置する領域に向かわせることが可能であり、加湿器A1を室内の隅部に置いた場合でも、室内を隅々まで加湿できる。また、加湿器筐体1の上面101に設けた操作部91を前方から視認し易いという利点がある。なお、y方向前方へ向かう送風部4からの気流の上下角度は、送風部4の上下首振りにより調節することができる。
図2及び図6に示すように、給水部2の水タンク21の外面211が、加湿器筐体1の前面103、背面104及び側面106とともに、連続した外面を構成している。これにより、仮に、給水部2が不適切な状態で加湿器筐体1に取り付けられていると、加湿器A1の外面が屈曲状であったり、隙間を有する状態であったりと、外観が乱れた状態となる。したがって、給水部2の不適切な取り付けを、目視によって容易かつ確実に認識することが可能であり、加湿器A1の誤使用や故障を回避することができる。
給水部2から霧化部3に給水される水を回収する排水手段6を備えることにより、清掃等際に、加湿器A1内の水をより確実かつスムーズに排水することができる。特に、加湿器A1においては、図30~図33に示すように、排水手段6をy方向上方に若干持ち上げるという動作のみによって、霧化槽32や給水槽112に貯められた水を第1排水口614から排水容器61内に流入させることが可能である。排水の際、加湿器A1を持ち上げて逆さにする必要はなく、加湿器A1の手入れを容易とし、排水にかかる手間を大幅に低減することができる。また、第1排水口614を通じた排水のみによって除去し難い水を、第2排水口625を用いた排水によって除去することができる。例えば、スポイト等によって排水槽113から除去した水を、第2排水口625から排水容器61内に注入することができる。
図23に示すように、排水手段6の給水用凸部624にタンクキャップ22の可動ロッド227が当接することにより、タンクキャップ22は、閉状態から開状態をとらされる。これにより、給水部2を加湿器筐体1に取り付けることにより、容易かつスムーズに給水部2からの給水を行うことができる。また、排水手段6を付け忘れたまま加湿を行うというような誤使用を防止できる。
図31に示すようにパッキン63は、排水容器61の係止突条613と排水槽113の排水手段受け部1131とに挟まれており、給水部2の重量が付加されている。これにより、パッキン63は、十分な力で係止突条613及び排水手段受け部1131に挟まれることとなり、確実な密閉状態を実現することができる。簡素な構造で確実に密閉状態を形成することができ、かつ、排水手段6をz方向上方に若干持ち上げるという動作のみで、容易に止水を解除して排水容器61内に水を流入させて排水することが可能である。従って、簡単に加湿器A1の手入れを行うことができる。
霧化部3がカップ34を有していることにより、霧化部3の霧化処理を継続した場合に発生しうる水垢等を、カップ34に付着させることができる。カップ34は、霧化槽32に対して脱着可能であるため、カップ34を取り外して容易に清掃可能であるという利点がある。
図35及び図36に示すように、送風部4を収容及び支持する受け部材13には、水抜き孔1331が設けられている。加湿器A1の使用中に、受け部材13内に意図しない水分が侵入した場合、この水分は雑菌の温床となり臭いの原因となったり、送風部4を故障させたりする原因となりうる。このような水分を水抜き孔1331を通じて、中板部111の下方空間に落下させることが可能である。これにより、雑菌の繁殖や臭いの発生、送風部4の故障等を抑制することができる。
図37及び図38に示すように、底部構造部12には、溝部124及び排水孔125が形成されている。溝部124は、全体制御部収容部121及び電源部収容部122の内部空間には通じておらず、これらから区画されている。水抜き孔1331を通じて落下した水は、溝部124に流入し、排水孔125から加湿器A1外へと排出される。したがって、このような水が全体制御部収容部121内の全体制御部81や電源部収容部122内の電源部85に付着することを防止することができる。また、中板部111に設けられた排水孔1191を通じて、中板部111上に意図せず滞留した水を、溝部124へと落下させることができる。
図36に示すように、底部構造部12の通風口123からz方向上方へと進入した気流は、全体制御部収容部121及び通風口123を通過して、トラップ流路下側部118及びトラップ流路上側部1332によって構成されたトラップ流路に導かれる。そして、この気流は、受け部材13内をz方向上方へと通過する。これにより、全体制御部収容部121内の全体制御部81や電源部収容部122内の電源部85を乾燥した状態に保つことができる。また、トラップ流路は、上方からの水が、誤って電源部収容部122や全体制御部収容部121に進入することを阻止する機能を果たす。したがって全体制御部81や電源部85に水分が付着することを抑制することができる。また、電源部85の電源基板851がz方向に沿って起立している。電源部85は、電源変換機能を果たすため、相対的に発熱量が多い。この電源部85が起立していることにより、通風口123から流入した気流によって、複数の電源部品852等を効率よく冷却することが可能である。
加湿器筐体1の前面103に温湿度状態表示部7を設けることにより、使用者が温湿度の状態をより迅速かつ容易に認識することが可能である。温湿度状態表示部7に比較的大きな数字で加湿器A1周辺の雰囲気の湿度の状態を表示することにより、加湿器A1を部屋の隅部に置いた場合でも、室内のどこからでも湿度を読み取ることができる。また、温湿度状態表示部7の面発光部71によって状態表示することにより、より直感的に温湿度の状態を把握することができる。面発光部71は、加湿器A1から離れたところからも視認し易く、加湿器A1を部屋の隅部に置いた場合でも、温湿度状態の注意喚起をすることができる。
図40~図51は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一又は類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
<第2実施形態>
図40は、本発明の第2実施形態に係る加湿器を示している。本実施形態の加湿器A2は、排水手段6を排水位置に位置決めする位置決め手段を備えている。
具体的には、図40(a)に示すように、排水手段6の排水容器61の側板部611に位置決め凹部6111が設けられている。位置決め凹部6111は、側板部611が部分的に内側に凹んだ部位である。また、加湿器筐体1の内部構造部11の排水槽113には、位置決め凸部1133及び位置決め凸部1134が設けられている。位置決め凸部1133及び位置決め凸部1134は、それぞれ排水槽113が部分的に内側に突出した部位である。位置決め凸部1134は、位置決め凸部1133よりもz方向上方に位置している。
図40(a),(b)は、図30及び図31に示した通常の使用状態であり、排水手段6が排水槽113の最深部に収容されている。この際、排水容器61の位置決め凹部6111に、排水槽113の位置決め凸部1133が嵌まり込んでいる。
一方、図40(c)は、図32及び図33に示した排水状態を示しており、排水手段6が排水位置にある。この際、排水容器61の位置決め凹部6111に、排水槽113の位置決め凸部1134が嵌まり込んでいる。
このような実施形態によっても、より広い領域に向けて霧を拡散させることができる。また、排水手段6を排水位置に位置決めする位置決め手段としての位置決め凹部6111及び位置決め凸部1134を備えることにより、排水手段6を排水位置に確実に位置させることができる。また、位置決め凹部6111に位置決め凸部1134が嵌まり込むと、排水手段6が排水位置で保持される。このため、使用者が排水手段6から手を話した状態で排水を継続できるという利点がある。また、位置決め凸部1133を有する構成は、排水手段6を通常使用の位置に確実に位置させるのに好ましい。
なお、排水手段6及び排水槽113(内部構造部11、加湿器筐体1)のいずれの側に凸部又は凹部を設けるかは特に限定されない。また、凹部や凸部以外の従来公知の位置決め機構を適宜採用してもよい。また、位置決め凸部1133を有しない構成であってもよい。
<第3実施形態>
図41は、本発明の第3実施形態に係る加湿器の導出部5を示している。本実施形態の導出部5は、加湿器A1におけるギヤ部514を有していない。このため、本実施形態の導出部5は、吹出口51が送風部4の左右首振りに連動して左右首振りする構成ではない。
本実施形態においては、導出部5は、吹出口51と誘導部52とが一体的に形成されている。また、導出部5は、水受け部53を有する。導出部5は、吹出口51に対してy方向前側に設けられたカップ状の部材である。
本実施形態によっても、送風部4が左右首振りを行うことにより、より広い領域に霧を飛散させることができる。また、水受け部53を有することにより、吹出口51からの霧の放出に伴って吹出口51に水滴が付着した場合に、この水滴を水受け部53によって受けることが可能である。
<第4実施形態>
図42~図51は、本発明の第4実施形態に係る加湿器を示している。本実施形態の加湿器A3は、後述するように、主に排水手段6の構成と、これに伴う内部構造部11の構成とが、上述した加湿器A1,A2と異なっている。加湿器A1,A2と同様である構成要素は、適宜説明を省略するが、これらの構成要素は、加湿器A1,A2と同様の構成であってもよいし、合理的な組み合わせである範囲で異なる構成であってもよい。
図42は、加湿器A3を示す分解斜視図である。図43は、加湿器A3の排水手段を示す分解斜視図である。図44は、加湿器A3の排水手段を示す斜視図である。図45は、加湿器A3の蓋部を示す斜視図である。図46は、加湿器A3の上蓋部を示す斜視図である。図47は、加湿器A3の排水手段を示す要部平面図である。図48は、図47のXLVIII-XLVIII線に沿う要部拡大断面図である。図49は、図47のXLIX-XLIX線に沿う要部拡大断面図である。図50は、加湿器A3の排水手段を示す、(a)は要部平面図であり、(b)は要部拡大平面図である。図51は、図50(b)のLI
-LI線に沿う断面図である。
図42~図45に示すように、本実施形態の排水手段6は、排水容器61、蓋部62及び上蓋部64を有する。排水容器61、蓋部62及び上蓋部64は、z方向において互いに接近させて組み合わせることにより、排水手段6を構成する。
図43および図50(a)に示すように、本実施形態の排水容器61は、排水ガイド615及び注出部616を有する。なお、図59(a)は、排水手段6から蓋部62及び上蓋部64を取り外した状態であり、後述する排水状態を示している。
排水ガイド615は、側板部611のz方向上端付近からx方向一方側(給水パイプ115が存在する側)に延出している。排水ガイド615は、排水状態において排水容器61に流入する水を導くための部位である。図示された例においては、排水ガイド615は、x方向視においてコの字状の溝である。
注出部616は、側板部611のz方向上端縁部からx方向他方側(排水ガイド615とは反対側)に膨出している。注出部616は、排水容器61に排水された水を、使用者が廃棄する際に、スムーズに注出するための部位である。図50(a)に示すように、注出部616は、z方向視において側板部611の縁部がx方向に部分的に膨出した形状とされている。
図42~図45に示すように、本実施形態の蓋部62は、給水槽626、給水路627及び給水ノズル628を有する。給水槽626は、給水部2から給水される水を受けるための槽である。給水槽626の形状や大きさは特に限定されず、図示された例においては、z方向視において円形である。また、給水槽626は、排水手段6を内部構造部11に装填した状態で、内部構造部11の給水槽112に収容される形状及び大きさとされている。なお、本実施形態においては、給水部2から給水された水は、給水槽626によって受けられ、給水槽112には受けられない仕組みとなっている。また、本実施形態においては、上述した給水用凸部624が、給水槽626の略中央に設けられている。
給水路627は、給水槽626に給水された水を、給水ノズル628へと導くための水路である。給水路627の形状や大きさは特に限定されず、給水槽626からの水を漏水等させることなく給水ノズル628に適切に導きうる構成であればよく、単体で気密性を担保しうる構成が好ましい。図示された例においては、給水路627は、断面コの字状の溝形状である。また、給水路627は、z方向視において、把手部622を迂回するように屈曲した形状である。
給水ノズル628は、給水路627によって導かれた水を、内部構造部11の給水パイプ115に給水するための部位である。給水ノズル628は、給水路627の端部からz方向下方に延びており、図示された例においては、略円筒形状である。本実施形態では、給水ノズル628は、図48に示すように、後述の内部構造部11のノズル受け部1101に気密状態で取り付けられる構成であり、図示された例においては、Oリング6281が設けられている。Oリング6281は、給水ノズル628の先端付近に設けられた溝に装填されており、ゴム製のシール部材である。なお、給水槽626、給水路627及び給水ノズル628によって構成される給水経路は、これらによって気密性が保たれ漏水防止が図られる。このため、本実施形態の蓋部62は、たとえば、排水容器61との間で機密性を保つためのシール構造等は必須ではなく、上述した実施形態のパッキン63は設けられていない。ただし、パッキン63又はパッキン63に相当するシール部材を適宜設けてもよい。
図42~図44及び図46に示すように、上蓋部64は、蓋部62のz方向上側に取り付けられる部材である。上蓋部64の材質は特に限定されず、例えば樹脂からなる。上蓋部64は、たとえば加湿器A3全体が転倒する事態となった際に、排水容器61や蓋部62の給水経路から水が勢いよく外部に漏れることを防止する役割を果たす。
本実施形態においては、上蓋部64は、天板部641および延出部642を有する。天板部641は、蓋部62の天板部621及び把手部622と給水路627の一部とをz方向上方から覆う部位である。
延出部642は、天板部641からx方向一方側(給水パイプ115が存在する側)に延出しており、z方向視において蓋部62の給水路627の端部(給水ノズル628が設けられた部位)と重なる位置に設けられている。延出部642の形状や大きさは特に限定されず、後述するように給水部2の重量を利用して蓋部62の給水ノズル628と内部構造部11のノズル受け部1101との気密性を高める構成であることが好ましい。なお、延出部642を省略し、蓋部62が直接に給水部2に当接するように構成しても良い。
図示された例においては、延出部642は、図43及び図46に示すように、リブ6421及びリブ6422を有する。リブ6421は、z方向上方に突出しており、図示された例においては、x方向に延びている。また、図示された例においては、y方向に互いに離間した2つのリブ6421が設けられている。リブ6422は、z方向下方に突出しており、図示された例においては、z方向視においてコの字状である。また、図示された例においては、リブ6422の互いに対向する2辺が、z方向視において2つのリブ6422と重なる配置とされている。なお、延出部642を省略した場合には、蓋部62に上方突出状のリブを設けても良い。
図42、図48及び図49~図51に示すように、本実施形態の内部構造部11は、上述の排水手段6の構成に対応して、ノズル受け部1101、連結部1102、ガイド受け部1103及びリブ1104を有する。
ノズル受け部1101は、蓋部62の給水ノズル628が挿入される部位である。ノズル受け部1101は、中板部111に対してz方向下方に設けられている。図示された例においては、ノズル受け部1101は、z方向を軸線方向とする略円筒形状である。ノズル受け部1101は、給水パイプ115の端部に挿入されており、嵌合や接着等の固定手法によって適宜固定されている。
連結部1102は、ノズル受け部1101とガイド受け部1103とを連結する部位である。図示された例においては、連結部1102は、ノズル受け部1101のz方向上端縁に繋がっている。言い換えると、連結部1102に設けられた円形の開口から、z方向下方にノズル受け部1101が設けられている。
ガイド受け部1103は、排水容器61の排水ガイド615を受ける部位である。図示された例においては、ガイド受け部1103は、連結部1102に対してz方向における若干下方に位置するように、たとえば段差部分を介して連結部1102と繋がっている。図示された例においては、連結部1102とガイド受け部1103とのz方向におけるギャップは、排水ガイド615のz方向厚さと略同じとされている。これにより、ガイド受け部1103に排水ガイド615が受けられた状態においては、連結部1102のz方向上面と排水ガイド615のz方向上面とが、略面一となっている。
図50(b)及び図51に示すように、リブ1104は、連結部1102のうちx方向において排水ガイド615(ガイド受け部1103)と隣接する部分からz方向上方に延びた領域に形成されており、y方向に向けて側方突出状である。図示された例においては、2つのリブ1104が、連結部1102を挟んでy方向両側に配置されている。また、2つのリブ1104には、排水ガイド615のx方向先端が隣接している。2つのリブ1104の間隔は、当該部分を流れる水の水路が部分的に狭幅(y方向寸法が局所的に縮小)となるものであればよい。図示された例においては、2つのリブ1104の間隔は、排水ガイド615のy方向における内寸と略同じとされている。
図47~図49は、加湿器A3の通常使用状態を示している。図47は、理解の便宜上、給水部2を省略した要部平面図である。通常の使用状態において、給水部2が装填されると、図23を参照して説明した通り、給水部2から水が給水される。本実施形態においては、給水用凸部624の当接によって給水部2から給水槽626へと給水される。図47に示すように、給水槽626に給水された水は、給水槽626から給水路627に流れ込み、給水ノズル628へと導かれる。図48および図49に示すように、給水ノズル628は、内部構造部11のノズル受け部1101に気密状態で挿入されている。このため、給水ノズル628からノズル受け部1101を介して給水パイプ115へと水が給水される。この後は、この水が、図25を参照して説明した霧化部3へと導かれ、霧の発生に用いられる。
図50及び図51は、加湿器A3の排水状態を示している。図50(a)は、給水部2と、上蓋部64及び蓋部62とが取り除かれることにより、排水状態とされた加湿器A3を示す要部平面図であり、(b)は、その要部拡大平面図であり、図51は、要部拡大断面図である。図51に示すように、排水状態においては、ノズル受け部1101に挿入されていた蓋部62の給水ノズル628が取り除かれている。給水ノズル628をノズル受け部1101から取り外すと、たとえば、給水槽626や給水路627に滞留していた水が排水ガイド615(連結部1102)へと流入する。また、給水パイプ115や霧化部3に滞留していた水のうち、排水ガイド615(連結部1102)よりもz方向上方に位置する分量が、連結部1102に流入しうる。この流入した水は、連結部1102から排水ガイド615に沿って、排水容器61へと流れていく。この際、図50(b)に示すように、2つのリブ1104の間を水が流れる。
本実施形態によっても、上述の加湿器A1,A2と同様に、加湿器A3を室内の隅部に置きつつ、室内の別の領域に霧を拡散させることが可能であり、例えば加湿器A3を室内の中央に配置する必要がないという利点がある。また、送風部4の気流(スパイラル気流)によって室内空気を撹拌でき、室内空気の温度を均一化することで、室内全体に於ける飽和水蒸気量の差異を小さくすることができ、室内をムラなく加湿できるという効果をはじめ加湿器A1,A2と構成を共通する点については、同様の効果を奏しうる。
また、本実施形態によれば、図47に示すように、蓋部62に給水槽626、給水路627及び給水ノズル628が設けられており、蓋部62単体によって、給水経路が構成されている。これにより、当該給水経路は、蓋部62によってより確実に気密性が確保されており、漏水が生じにくいという利点がある。特に、複数の部材からなる排水手段6の各部位の間に微小な隙間が生じたとしても、給水経路からの漏水を防止することができる。
また、図50及び図51を参照して説明した通り、上蓋部64及び蓋部62を取り外すと、排水ガイド615(連結部1102)よりも高い位置にある水が、連結部1102および排水ガイド615を経由して排水容器61内に流入する。これにより、使用者は、上蓋部64及び蓋部62を取り外す作業さえすれば、多量の水が滞留していない状態で加湿器A3の各部の手入れをすることができる。
図48及び図49に示すように、上蓋部64の延出部642は、蓋部62の給水ノズル628の直上に位置しており、給水ノズル628及び給水路627と給水部2との間に介在する構成となっている。これにより、加湿器A3の使用に際して、給水部2を装填すると、給水部2の自重が延出部642を介して給水ノズル628へと伝達される。この結果、給水ノズル628がノズル受け部1101へとより強い力で挿入されることとなる。これは、給水ノズル628とノズル受け部1101との気密性を高めるのに好ましい。また、給水ノズル628にOリング6281が取り付けられている構成であることから、給水部2の自重を利用して、気密性を確実に高めることができる。
特に、図示された例においては、延出部642が、リブ6421およびリブ6422を有している。z方向上方に突出するリブ6421を設けることにより、リブ6421と給水部2とをより確実に当接させることが可能である。また、z方向下方に突出するリブ6422を設けることにより、リブ6422と給水路627(給水ノズル628の直上の部分)とをより確実に当接させることが可能である。これは、気密性の向上に好ましい。なお、延出部642は、リブ6421及びリブ6422の双方を有する構成に限定されず、リブ6421及びリブ6422の少なくともいずれか一方を有する構成であってもよい。
図50及び図51に示すように、排水ガイド615がガイド受け部1103に受けられていることにより、連結部1102の上面と排水ガイド615の上面とが略面一となっている。これにより、排水状態において、連結部1102から排水ガイド615へと水が流れる際に、水流を不当に乱すことを抑制することが可能であり、スムーズな水流を実現することができる。また、部分的に間隔を狭めるように2つのリブ1104を設けることにより、2つのリブ1104の間において水流の流速を加速させることが可能である。これにより、連結部1102から排水ガイド615を経由する水を、より勢いよく排水容器61へと流れ込ませることができる。
図42~図44から理解されるように、使用状態において給水部2を装填する際には、排水手段6の最上部に上蓋部64が設置されている。これにより、仮に給水部2が傾いた状態で装填されかけた場合であっても、上蓋部64に給水部2の下端部等が当接することにより、給水部2の傾きを是正することができる。したがって、給水部2の装填作業をより確実に且つより容易に行うことが可能であり、給水部2の装填が不適切な状態で加湿器A3を使用することを抑制することができる。
図43及び図50(a)に示すように、排水容器61には、注出部616が設けられている。これにより、排水容器61への排水が完了した後に、使用者が排水容器61に溜まった水を廃棄する際に、注出部616を注ぎ口のように利用することができる。したがって、周囲に意図せず水が飛散することを抑制することが可能である。また、注出部616は、使用者が容易に目視によって認識しやすい部位に設けられている。このため、使用者が直感的に注出部616を用いて水の廃棄を行いやすいという利点がある。
本発明に係る加湿器は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る加湿器の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。例えば、送風部4の左右首振りの角度範囲を90度に設定した場合においては、加湿器A1を室内の隅部に置いても、室内を隅々まで加湿できる。
〔付記1〕
水タンクを有する給水部と、
前記給水部から供給された水を霧化する霧化部と、
前記霧化部で発生した霧を放出させる吹出口、及び、前記霧化部から前記吹出口に前記霧を誘導する誘導部を有する導出部と、
前記吹出口に接近して設けた送風口を具備し当該送風口から気流を発生させる送風部と、を備え、
前記送風部は、左右首振り自在であることを特徴とする、加湿器。
〔付記2〕
前記導出部の前記吹出口から前記送風部に向けて霧が放出され、
前記吹出口の霧放出方向が、前記送風部の左右首振りに対応して左右に追従するように構成されている、付記1に記載の加湿器。
〔付記3〕
前記送風部は、前記送風口に複数のフィンが渦巻き状に設けられたグリルを有している、付記1又は2に記載の加湿器。
〔付記4〕
前記グリルは、内端部が外端部より送風方向に突出している、付記3に記載の加湿器。〔付記5〕
前記給水部と、前記霧化部と、前記導出部と、前記送風部とを、支持する加湿器筐体をさらに備え、
前記加湿器筐体の上面には凹窪部が設けられ、該凹窪部内に前記送風部の前記送風口が設けられている、付記1ないし4の何れか1項に記載の加湿器。
〔付記6〕
前記導出部は、その上端部が上方突出状に設けられ、前記送風部の前記送風口に隣接している、付記5に記載の加湿器。
〔付記7〕
前記加湿器筐体は、上面が前方下傾状に形成され、
前記送風部は、上下首振り自在に構成されている、付記5又は6に記載の加湿器。
〔付記8〕
前記給水部の前記水タンクは、前記加湿器筐体と連続な外面をなしている、付記5ないし7の何れか1項に記載の加湿器。
〔付記9〕
前記給水部から前記霧化部に供給される水を回収する排水手段を備えている、付記1ないし8の何れか1項に記載の加湿器。
〔付記10〕
前記水タンクには、タンクキャップが取着され、
前記排水手段は、排水容器と、前記タンクキャップを開状態として水を落下させる給水用凸部と、を有する、付記9に記載の加湿器。
〔付記11〕
前記排水手段は、上方に持ち上げることで前記排水容器に前記水を回収する排水位置に移動可能に構成され、
前記排水位置に前記排水手段を位置決めする排水位置決め手段を備えている、付記10に記載の加湿器。
〔付記12〕
前記排水手段は、前記排水位置で前記排水容器に水を回収するための第1排水口と、該排水容器に回収した水を排出させ、かつ、外部から前記排水容器に水を注入可能な第2排水口とを、有している、付記11に記載の加湿器。
〔付記13〕
前記排水手段は、パッキンを有し、
前記水タンクが前記排水手段に上方から荷重をかけることにより、パッキンが密閉状態をとるように構成されている、付記9ないし12の何れか1項に記載の加湿器。
〔付記14〕
前記霧化部は、着脱自在のカップを有している、付記1ないし13の何れか1項に記載の加湿器。
〔付記15〕
前記加湿器筐体は、前記送風部を内有する有底筒状の受け部材を備え、
前記受け部材の底部には、水抜き孔が設けられている、付記5ないし8の何れか1項に記載の加湿器。
〔付記16〕
前記加湿器筐体は、周辺の雰囲気の湿度を検知する湿度センサーと、検知した湿度を数値で表示する湿度表示部と、を備えている、付記5ないし8の何れか1項に記載の加湿器。
〔付記17〕
前記加湿器筐体は、周辺の雰囲気の温度及び湿度を検知する温湿度センサーと、検知した温度及び湿度に基づいて周辺環境の状態を表示する温湿度状態表示部と、を備え、
該温湿度状態表示部は、周辺環境の状態に対応して複数の色彩に発光する面発光部を有している、付記5ないし8の何れか1項に記載の加湿器。
〔付記18〕
前記排水手段は、前記排水容器に取り付けられる蓋部を備えており、
前記蓋部は、前記給水用凸部が設けられた給水槽、当該給水槽に繋がる給水路及び当該給水路に繋がる給水ノズルを有する蓋部を含む、付記10に記載の加湿器。
〔付記19〕
前記排水手段は、前記給水部と前記蓋部との間に介在する上蓋部を備えており、
上蓋部は、前記給水ノズルの直上に位置し且つ前記給水部及び前記蓋部と当接する延出部を有する、付記18に記載の加湿器。
〔付記20〕
前記延出部は、前記給水部側及び前記蓋部側の少なくともいずれかに突出するリブを有する、付記19に記載の加湿器。
〔付記21〕
前記霧化部に水を導くための給水路の一部を構成する内部構造部をさらに備え、
前記排水容器は、上端部から延出する排水ガイドを有しており、
前記内部構造部は、前記排水ガイドと上面が互いに略面一となる状態で前記排水ガイドを受けるガイド受け部を有する、付記18ないし20のいずれか1項に記載の加湿器。
〔付記22〕
前記内部構造部は、前記排水ガイドに隣接する位置に、側方突出状のリブを有する、付記21に記載の加湿器。
〔付記23〕
前記排水容器は、上端縁部から側方へ膨出する注出部を有する、付記21または22に記載の加湿器。