JP7328703B2 - 落雷保護を提供する導電性広幅物 - Google Patents

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Description

本開示は、複合材料、特に、落雷保護を提供する広幅物に関する。
航空宇宙機は、より大きな割合の複合材料で設計および建造されている。例えば、複合材は、航空宇宙用途における様々な一次および二次構造(例えば、航空機の機体および/または機体外スキン(例えば、胴体、翼、その他)を形成する複合パネル)の構築において使用することができる。複合材を使用すると、強度が増し、重量が減少し、機能的な性能特性が得られ、そして航空宇宙機の様々なコンポーネントの耐用年数が長くなる。
しかしながら、スキンパネルなどの複合コンポーネントを有する航空宇宙機は、落雷保護のための、および/または、関連するアビオニクスおよび電子機器を外部の電磁干渉からシールドするための付加材料の用途が必要とされる場合がある。このような付加材料は、航空宇宙機の重量並びにその建造時間およびコストを不必要に増加させることがある。
また、落雷保護を提供するアプローチの中には、航空宇宙機のクリティカルエリア、例えばSAEの標準規格:Aerospace Recommended Practices 5414によってゾーン1Aとして定義される、ファーストリターンストライクゾーン(first return strike zone)などの、ファーストリターンが雷光放電路接触の間にフラッシュハングオンの可能性が低い状態で起こりやすい(a first return is likely during lightning channel attachment with a low expectation of flash hang on)航空宇宙機の表面において、目標に達していないものがある。例えば、導電性複合材料を作製するための一つのアプローチは、金属被覆、一般的にはニッケルを用いて金属被覆したカーボン繊維又は繊維束(tows)を得て、この金属被覆繊維を0.1ミリメートル(mm)から25.4ミリメートル(mm)以上の長さに切り、これらを結合させて、機体スキンの構築に使用されるカーボン繊維ベールを形成する。このようにして構築されたチョップドファイバーは、実際には、ゾーン1Aなどのクリティカルエリアにおける効果的な落雷保護を提供するには高すぎる抵抗を有する不連続な金属構造を生み出す。
したがって、当業者は、複合材料の分野における研究開発を継続している。
本発明は、広幅物であって、当該広幅物全体にわたってランダムにループした複数の繊維と、前記複数の繊維を結合させるバインダー材料(ここで、結合した複数の繊維は、寸法安定性不織ベールを形成してなる)と、前記ベールの前記結合した複数の繊維の表面を覆う第1の金属コーティングと、前記第1の金属コーティングの表面を覆う第2の金属コーティングとを含んでなり、前記第1および第2の金属コーティングが、前記寸法安定性不織ベールの形状に従った高導電性金属スクリーンを形成してなる、広幅物を提供する。
一つの態様において、広幅物は広幅シートを含む。
別の態様において、航空宇宙の用途に用いられる表面プライであって、ランダムに配向し、絡み合った複数の繊維を含むベールマットと、前記繊維の表面を覆う第1の金属コーティングと、前記第1の金属コーティングの表面を覆う第2の金属コーティングとを含んでなり、前記第1および第2の金属コーティングが、前記ベールマットの前記繊維に合った高導電性金属スクリーンを形成してなる、表面プライである。
別の態様において、軽量高導電性シートであって、ランダムに絡み合った複数の繊維を含む金属コーティング担体と、前記担体の前記繊維を覆う第1の金属コーティングと、前記第1の金属コーティングの表面を覆う第2の金属コーティングとを含んでなり、前記第1および第2の金属コーティングが、前記担体に従った高導電性金属スクリーンを形成してなる、シートである。
本発明の別の態様において、バインダーは、耐酸性バインダー材料および耐塩基性バインダー材料の少なくとも一つである。
本発明の別の態様において、複数の繊維はカーボン繊維である。
本発明の別の態様において、第1の金属コーティングは、カーボンとのガルバニック反応または塩環境への曝露により腐食され得る第1の金属を含む。第2の金属は、第1の金属コーティングのガルバニック反応および前記暴露を抑制することができる。
本発明の別の態様において、第1の金属コーティングは銅を含み、かつ、第2の金属コーティングはニッケルを含む。
本発明の別の態様において、第1の金属コーティングは、複数の繊維およびバインダー材料の表面の少なくとも一部を覆う。第2の金属コーティングは、第1の金属コーティングの表面を覆い、好ましくは完全に覆う。
本発明の別の態様において、第2の金属コーティングは、スルファミン酸ニッケル系の電気ニッケルメッキを含む。
本発明の別の態様において、第1の金属コーティングは、銅を含み、かつ坪量が約10~50g/m広幅物であり、さらに、第2の金属コーティングは、ニッケルを含み、かつ坪量が約5~20g/m広幅物である。
本発明の別の態様において、広幅物は、航空機の建造に適切に使用される場合、航空機に直接落ちるか、あるいは航空機の近くで発生する200,000アンペアの雷の直接的および間接的な影響による航空機表面への構造的損傷に耐えおよび/または当該損傷を防ぐことができ、さらに2.0×l0~2.5×10・秒の作用積分に耐えることができる。
本発明の別の態様において、広幅物の坪量は60g/m未満である。
本発明の別の態様において、広幅物の坪量は60g/m未満であり、かつ、広幅物のシート抵抗は0.015Ω/□未満である。
本発明のさらに別の態様において、複数の繊維のランダムループは、LFバンド(30kHz~300kHz)において75dBを超え、かつ、Sバンド(2GHz~4GHz)において約70dBのシールド効果を提供する。
本発明のさらに別の態様において、広幅物は12インチ以上の幅を有する。
落雷保護を提供する広幅物の様々な態様は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び添付図面に関してより良く理解される。
図1は、本発明による広幅物の斜視図である。 図2は、図1に示す広幅物の詳細な斜視図である。 図3は、図2に示す切断線2-2に沿って切断された繊維の断面図である。 図4は、図2に示す切断線4-4に沿って切断された、バインダー材料によって結合した2つの繊維の断面図である。 図5は、本発明による広幅物の2つのサンプルの1メガヘルツ(MHz)から100メガヘルツ(MHz)におけるシールド効果のグラフである。 図6は、本発明による広幅物の2つのサンプルの100メガヘルツ(MHz)から10,000メガヘルツ(MHz)におけるシールド効果のグラフである。 図7は、本発明による広幅物の2つのサンプルの10,000メガヘルツ(MHz)から40,000メガヘルツ(MHz)におけるシールド効果のグラフである。
図1は、本発明の第1の態様による広幅物10の斜視図である。図1に描かれているように、広幅物10は、複合材料産業において一般的であるように、幅14と長さ16(通常、インチおよびヤード(またはセンチメートルおよびメートル)で特定される)を有するロール12の状態で製造および供給されてもよい。したがって、供給される際、広幅物10の幅14は、通常、長さ16に比べてはるかに短いが、他の態様において、そうでなくてもよい。例えば、一つの態様において、広幅物は広幅シートを含み得る。
より具体的には、幅14は広幅物10を定義することができる。以降において、広幅物とは、特にリボン、バンド、トゥ(束)、またはトリミングとは異なり、標準的なおよび/またはそれより広い幅を指す。広幅物10は、通常、12インチ(約30.5cm)以上の幅を有する。例えば、広幅物10の購入者は、航空宇宙用途(例えば、機体および/または機体外スキン(例えば、胴体、翼、その他)に必要な広幅物10の被覆率に基づいて、自動化されたテープレイアップを用いて、3~36インチ(8~76cm程度)の標準幅を購入し、そして幅60インチ(152cm程度)までハンドレイアップしてよい。当業者は、本発明が特定の幅に限定されるものではないことを理解し、また幅14は、本発明の範囲から逸脱しない所望の、標準的なおよび/またはより広い幅の間で変化させることができる。
例えば、本発明の思想に従って広幅物を製造するための生産ラインは、12インチ(30.5cm程度)、24インチ(61cm程度)、36インチ(94cm程度)、または60インチ(152cm程度)幅の広幅物を生産することができる。
広幅物10は、またシートの厚さ18を有する。シートの厚さ18は、通常、幅14および長さ16に対して非常に小さい。図示される態様において、シートの厚さ18は0.075ミリメートル(mm)、すなわち75マイクロメートル(μm)程度である。当業者は、本発明の思想から逸脱することなく、シートの厚さを所望の厚さに変えることができることを理解するであろう。
図2も参照すると、広幅物10の詳細な斜視図20が提供される。図2は、概して、広幅物10全体にわたって均一に分配された、またはランダムにループした複数の繊維22を示す。図示されるように、各ストランドファイバー22は、その長さに比べて直径が比較的に小さい。例えば、いくつかの態様において、ストランドファイバー22は、1~10マイクロメートル(μm)の直径を有していてもよく、一方で、その長さは10,000マイクロメートル(μm)またはそれ以上であってよい。これは、アスペクト比が10,000:1(またはこの比より大きく)~1,000:1であることを表す。これらの相対的な寸法により、ランダムに分散した、もつれた、ループした又は絡み合った複数の繊維22は、例えば図2において、詳細な斜視図20の拡大又はスケールに起因して、直線状に見えてよい。
複数の繊維22は、一つまたはそれ以上の様々な材料からできていてよい。このような材料として、アラミド(例えば、ケブラー(登録商標))、カーボン、繊維ガラス、ガラス、グラフェン、カーボンナノチューブ、炭化ケイ素、ナイロンおよびポリエステル並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるものが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。本明細書に示されるように、本発明の好ましい態様において、繊維22はカーボン繊維である。
バインダー材料24は、複数の繊維22のそれぞれを互いに複数の近接点26で保持又は結合し、寸法安定性不織ベール28を形成するために使用することができる。一つの態様において、寸法安定性不織ベール28またはベールマットは、複数の繊維22およびバインダー材料24を含む。本発明の好ましい態様において、バインダー材料24は、耐酸性材料、耐塩基性材料、または耐酸性かつ耐アルカリ性材料である。耐酸性材料は、本明細書において、塩酸(HCl)に耐性を有するバインダー材料であり、バインダー材料24が塩酸溶液と接触したとき、当該バインダー材料が、複数の結合した繊維22のほころびを引き起こし、および/または、寸法安定性不織ベール28の通常の形状の大きな歪みを引き起こす化学的攻撃に耐えることを意味する。耐酸性および/または耐アルカリ性のバインダー材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アセタール、アクリル、セルロースアセテートブチレート(CAB)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、フルオロシント(Fluorosint)、ポリアミド(ナイロン)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリフェニレン(PPS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリフッ化ビニリデンまたはポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、Tecator(商標)、スチレンアクリル、フェノキシ、ポリウレタン、ポリイミド、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、架橋されたポリエステル、スチレンアクリル、コポリエステル、および超高分子量ポリエチレン(UHMPE又はUHMW)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されてよいが、これらに限定されるものではない。
本発明の態様において、複数の繊維22とバインダー材料24とを含む寸法安定性不織ベール28は、不織カーボン繊維ベールの形態で購入することができる。不織カーボン繊維ベールの供給者として、英国、バーンサイドに本社を置くTechnical Fibre Products社、およびマサチューセッツ州に本社を置くHollingsworth&Vose社が挙げられる。このようなベールは、通常、単位面積あたりの空中重量または重量、例えばg/mで特定される。不織カーボン繊維ベールは、通常、約2g/mと50g/mの間の空中重量を有するものを利用できる。これらの不織カーボン繊維ベールは、通常約70g/mを超える空中重量を有する従来の耐荷重性複合構造体に使用される重い生地のような、構造負荷を支持することは意図していない。むしろ、これらの不織カーボン繊維ベールは、加工や繊維パターンブリードスルーが最小限に抑えられた複合構造用の、表面仕上げ又は滑らかな外面の提供のために使用される。滑らかな外面は、特に、飛行機の翼のような翼型において非常に重要(import)である。また、スルーブリード繊維パターンを最小化する塗料の量がきれいで審美的な外観を提供するために必要な塗料の量を低減させる。
本発明の一つの態様において、本明細書に示されるように、航空機の翼の前縁部などの複合構造体の仕上げ層又は最表面に落雷保護を配置することを可能にする導電性の高い連続的な不織カーボン繊維ベールの金属膜化が提供される。これにより、当業者によって理解されるように、静電容量、溶落ち、層間剥離等を最小限にすることによって、落雷保護がより効果的になる。別の態様において、不織カーボン繊維ベールに落雷保護を組み込むことにより、最小限の仕上げ加工が可能とされ、さらにブリードスルーを防止するため、また静電容量、溶落ち、層間剥離等を低減するために必要な塗料の量を低減することが可能となる。
一つの態様において、10g/m仕様の不織カーボン繊維ベールを選択してよい。上述したとおり、シートの厚さは0.075ミリメートル(mm)、すなわち75マイクロメートル(μm)程度である。10g/m仕様の不織カーボン繊維ベールにおいて、バインダー材料24は全重量の約5~10%、つまり約0.5~1.0g/m含まれていてよく、残りの約9.0~9.5g/mはカーボン繊維である。
図2および図3を参照すると、第1の金属コーティング30は、寸法安定性不織ベール28を形成している繊維22およびバインダー材料24の表面に形成され、または当該表面を被覆、コートもしくはカバーし、さらにこの第1の金属コーティング30を第2の金属コーティング32が覆っている。第1の金属コーティング30は第2の金属コーティング32とは異なるものであることが理解されるであろう。一つの態様において、第1の金属コーティング30は、寸法安定性不織ベール28を形成している繊維22およびバインダー材料24の表面の少なくとも一部または少なくとも実質的に全てを覆っている。第1の金属コーティング30は必ずしも寸法安定性不織ベール28の全てを覆っている必要はなく、均一な導電性を付与していればよいことが理解されるであろう。また、第2の金属コーティング32は、第1の金属コーティング30の実質的に全てまたは全てを覆っていることが理解されるであろう。第1および第2の金属コーティング30および32は、抵抗の低い高導電性金属スクリーン34を形成している。
図3は、金属被覆された連続的な繊維ストランドの断面図である。より具体的には、繊維22のストランドは、第1の金属コーティング30および第2の金属コーティング32を有する。上述したとおり、本発明の態様において、繊維22のストランドは、例えば、10g/mの不織カーボン繊維ベールの一部であってよいカーボン繊維である。本発明の一つの態様において、第1の金属コーティング30は銅を含み、第2の金属コーティング32はニッケルを含む。ベールの一般的な仕様に沿うと、銅を含む第1の金属コーティング30の坪量は約30g/mであり、ニッケルを含む第2の金属コーティング32の坪量は約10g/mである。このことは、均一なコーティングを想定した場合、銅の電荷密度が約8.69g/mmアンペアであり、ニッケルの電荷密度が約8.91g/mmであることを用いて、銅の最大電流密度が約100A/mmアンペアであり、ニッケルの最大電流密度が約43A/mmであることに基づけば、銅を含む第1の金属コーティング30の厚さが約3.35μmであり、ニッケルを含む第2の金属コーティング32の厚さが約1.12μmであることを示す。
したがって、要約すると、広幅物10の各構成要素の重量は、寸法安定性不織ベール28が約10g/mであり、銅を含む第1の金属コーティング30が約30g/mであり、ニッケルを含む第2の金属コーティング32が約10g/mであり、広幅物10の全重量は約50g/mまたは約60g/m未満である。以下、「20mΩ/□(全坪量50g/mの広幅物)」という。下の表1に、20mΩ/□(全坪量50g/mの広幅物)、40mΩ/□(全坪量22g/mの広幅物)、10mΩ/□(全坪量37g/mの広幅物)そして2mΩ/□(全坪量77g/mの広幅物)の場合の抵抗および重量を示す。これらは、いずれも10g/mの不織カーボン繊維ベールを用い、坪量10g/mのニッケルを含む第2の金属コーティングを有し、銅を含む第1の金属コーティングの厚さまたは坪量は、各態様において、抵抗または導電性により変化する。また、当業者は、特定の用途(例えば、航空機の翼の前縁部のゾーン1A落雷保護)に適した本発明の思想に従って、例えば単位面積あたりの抵抗もしくは坪量またはこれら双方に基づいて、特定の広幅物を選択することができる。
Figure 0007328703000001
当業者はまた、他の金属が本発明の思想から逸脱することなく使用可能であることを理解するであろう。一つの態様において、第1および第2の金属コーティング30および32の一方または双方のために優れた電気伝導性および展延性を発揮する金属が好ましい。優れた電気伝導性は低抵抗率およびより大きな通電能力と関連し、これにより広幅物10の落雷保護能力を向上させる。より高い展延性をもつ金属は、広幅物10がより容易に航空機の機体および/または機体外スキン(例えば、胴体、翼、その他)を形成する複合パネルにおける複雑な外形(contours)を追従することを可能にする点で有利である。
優れた導電性および展延性を有する銅、銀、いくつかのアルミニウム類、ある種の合金、およびいくつかの鋼のような金属は、複合パネルにおける他の層のカーボン繊維と、当該カーボン繊維の構造的強度を損なわせながら、ガルバニック相互作用可能である。銅、銀、いくつかのアルミニウム類、ある種の合金、およびいくつかの鋼のような金属はまた、塩環境において腐食する傾向があり、カーボンでガルバニック腐食する傾向があり、空気中でほぼ瞬時に酸化される傾向があり、これにより抵抗率が増し、広幅物10の落雷保護能力を低下および/または損なわせる。このことは、広幅物10が、酸化や腐食が起こり易い、航空機の翼などの複合構造体の仕上げ層又は最表面に落雷保護を配置することを可能にすることから、特に懸念される事項である。
本発明は、第1の金属コーティング30または腐食し得る金属オーバーレイを覆う連続的で途切れのない第2の金属コーティング32を備えることによって、上記の懸念事項及び他の起こり得る懸念事項に対処している。第2の金属コーティング32は、第1の金属コーティングの金属材料が複合パネルにおける他の層のカーボン繊維とガルバニック相互作用するのを抑制するだけでなく、第1の金属コーティング30が外部の要素に曝されるのを抑制する。ニッケルと複合パネルにおける他の層のカーボン繊維との間にはガルバニック相互作用はない。さらに、ニッケルは、塩環境において耐食性を有し、空気中で容易に酸化されない。これにより、航空機の翼などの複合構造体の仕上げ層又は最表面に落雷保護を配置することが可能となる。
また、一つの態様において、第1の金属コーティングは、必ずしも広幅物における繊維を完全に覆う必要はなく、第1の金属コーティングにおけるいくつかのギャップまたは広幅物における繊維を完全には覆っていない第1の金属コーティングの部分は許容され得る。広幅物における繊維の形状に従う高導電性金属スクリーンの形成はそれでも特定の用途のために必要な導電性を提供するのに十分である。また、第2の金属コーティングは、第1の金属コーティングにおけるギャップまたは不連続部分を埋めるように機能することができ、これにより高導電性金属スクリーンの形成が促進される。
同様に、一つの態様において、第2の金属コーティングは必ずしも広幅物における第1の金属コーティングおよび/または繊維を完全に覆う必要はなく、第2の金属コーティングにおけるいくつかのギャップは許容され得る。この場合も先と同様に、広幅物における繊維の形状に従う高導電性金属スクリーンの形成はそれでも特定の用途のために必要な導電性を提供するのに十分であり、第2の金属コーティングは依然として複合パネルの他の層とのsignificantガルバニック相互作用を防止するのに十分である。
表1に示す態様について、他のカーボン繊維複合材料と比較して、特別な取扱い要件は必要ないことが見出された。本発明の思想による広幅物および他のカーボン繊維複合シートを含む多数の落雷試験パネルを製造し、その工程において特別な取扱いは必要とされなかった。
また、表1に示す1つまたはそれ以上の態様は、破損または物理的もしくは電気的な性能の明らかな損失なく、繰り返し曲げおよび/または収縮を受け入れた。同様に、当業者による慣用的な取扱いを使用した。
ニッケルは耐食性および耐摩耗性を有するが、通常、特に展延性を有するとは考えられていない。しかし、例えば、スルファミン酸ニッケル系電気メッキ(EP)ニッケルは、硫酸ニッケル系電気メッキ(EP)ニッケル、すなわちワットニッケルよりも展延性がある。なお、スルファミン酸ニッケルは、ヒドロキシル基の1つがアミド基で置換されている点を除いて硫酸ニッケルと類似している。Milan Paunovic & Mordechay Schlesinger, MODERN ELECTROPLATING (2010)を参照されたい。また、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。本発明の一の態様において、第2の金属コーティング32はスルファミン酸ニッケル系電気メッキ(EP)ニッケルを含む。
本質的には、互いに異なり、相補的および/または相乗的な特性を有する二つの金属コーティング30、32を用いることにより、両金属の利点を有する広幅物10が提供される。例えば、銅または銀などの高導電性、展延性金属を含む第1のコーティングは、スルファミン酸ニッケル系電気メッキ(EP)ニッケルまたは硫酸ニッケル系電気メッキ(EP)ニッケルなどの展延性の低い第2の金属コーティング材料がその降伏点に到達するのを抑制するために作動することができる。したがって、広幅物10は、優れた導電性、これに関連する低い抵抗、さらには向上した展延性および耐食性を示し、カーボン複合構造体、とりわけその最外層における使用に特に適する。
さらなる態様において、図4は、図の線4-4に沿って切り取られた切断面を示す。概して、図4は、バインダー材料24によって結合され、寸法安定性不織ベール28の一部を形成する二つの繊維22を示す。図4は、第1および第2の金属コーティング32、34がどのように結合した複数の繊維28を覆った状態で形成されているのかについて詳細を示す。図示されるように、第1および第2の金属コーティング30、32はそれぞれ、繊維およびバインダー材料24を完全かつ連続的に覆っており、寸法安定性不織ベールの形状に従った高導電性金属スクリーン34を形成している。
図1~4およびこれらの説明は本発明の多数の態様を詳述しているが、いくつかの動作原理は当業者に明らかとなるであろう。
所定の繊維22のサイズに関し、寸法安定性不織ベール28の坪量が大きいほど、広幅物10の単位体積における複数の繊維22の数が大きくなり、また繊維22の間の空間は小さくなり、それ故、シールド効果の観点から、周波数バンド幅が大きいほど、および/または、広幅物10によって提供されるシールド被覆率を有する最高周波数が大きくなることを当業者は容易に理解するであろう。第1の例において、広幅物10は、LFバンド(30kHz~300kHz)において75dBを超え、Sバンド(2GHz~4GHz)において70dB、そしてXバンド(8GHz~12GHz)において約55dBのシールド効果を提供する。
図5~7に、2つのサンプル、例えば広幅物のサンプルAおよびサンプルBのシールド効果試験の結果を示す。各サンプルの成分の重量は、寸法安定性不織ベール28が約10g/mであり、銅を含む第1の金属コーティング30が約30g/mであり、ニッケルを含む第2の金属コーティング32が約10g/mであり、広幅物10の全重量は約50g/mである。サンプルの測定は、アンリツ製VectorStarシリーズのベクトル・ネットワーク・アナライザ:モデルMS4647B、およびアジレント/ヒューレット・パッカード(HP)のSパラメータ・ネットワーク・アナライザ:モデル8753ESを使用し、Damaskos製モデル1500T同軸フィクスチャおよび7ミリメートル(mm)同軸ラインを使用し、Mac OS X用のMU-EPSLN(商標)の制御下で行った。モデル1500T同軸フィクスチャを使用した測定は、米国材料試験協会(ASTM)のD4935-10規格(the Standard)に完全に従った。一方、7ミリメートル(mm)同軸ラインを使用した測定は、中心導体のためのディスクレファレンスピースを小さく、すなわち0.1インチ(約3ミリメートル(mm))に切断することができなかったため、完全には上記規格に従わず行った。モデル1500T測定に基づいて、シールド効果の低下は1デシベル(dB)未満であり、測定におけるノイズよりも遥かに小さかった。全ての測定は、相対湿度約40%および摂氏23度(℃)の周囲条件下で行った。
図5は、1500T同軸フィクスチャおよび8753ESを使用して測定した1~100メガヘルツ(MHz)におけるシールド効果を示す。図6は、1500T同軸フィクスチャおよびMS4647Bを使用して測定した100~10,000メガヘルツ(MHz)におけるシールド効果を示し、図7は、7ミリメートル(mm)同軸ラインおよびMS4647Bを使用して測定した10,000~40,000メガヘルツ(MHz)におけるシールド効果を示す。
図5に示すように、1~100メガヘルツ(MHz)におけるシールド効果は、少なくとも約10デシベル(dB)、少なくとも約20デシベル(dB)、少なくとも約30デシベル(dB)、少なくとも約40デシベル(dB)、少なくとも約50デシベル(dB)、少なくとも約60デシベル(dB)、または少なくとも約70デシベル(dB)である。シールドの有用な範囲は、約10デシベル(dB)以上約80デシベル(dB)以下の間の任意の値から選択され得る。このような範囲の非限定的な例としては、約10~約15デシベル(dB)、約15~約20デシベル(dB)、約20~約25デシベル(dB)、約25~約30デシベル(dB)、約30~約35デシベル(dB)、約35~約40デシベル(dB)、約40~約45デシベル(dB)、約45~約50デシベル(dB)、約55~約60デシベル(dB)、約60~約65デシベル(dB)、約65~約70デシベル(dB)、約70~約75デシベル(dB)または約75~約80デシベル(dB)が挙げられる。
図6に示すように、100~10,000メガヘルツ(MHz)におけるシールド効果は、少なくとも約10デシベル(dB)、少なくとも約20デシベル(dB)、少なくとも約30デシベル(dB)、少なくとも約40デシベル(dB)、少なくとも約50デシベル(dB)または少なくとも約60デシベル(dB)である。シールドの有用な範囲は、約10デシベル(dB)以上約65デシベル(dB)以下の間の任意の値から選択され得る。このような範囲の非限定的な例としては、約10~約15デシベル(dB)、約15~約20デシベル(dB)、約20~約25デシベル(dB)、約25~約30デシベル(dB)、約30~約35デシベル(dB)、約35~約40デシベル(dB)、約40~約45デシベル(dB)、約45~約50デシベル(dB)、約55~約60デシベル(dB)、約60~約65デシベル(dB)が挙げられる。
図7に示すように、10,000~40,000メガヘルツ(MHz)におけるシールド効果は、少なくとも約10デシベル(dB)、少なくとも約15デシベル(dB)、少なくとも約20デシベル(dB)、少なくとも約25デシベル(dB)、少なくとも約30デシベル(dB)、少なくとも約35デシベル(dB)、少なくとも約40デシベル(dB)または少なくとも約45デシベル(dB)である。シールドの有用な範囲は、約10デシベル(dB)以上約50デシベル(dB)以下の間の任意の値から選択され得る。このような範囲の非限定的な例としては、約10~約15デシベル(dB)、約15~約20デシベル(dB)、約20~約25デシベル(dB)、約25~約30デシベル(dB)、約30~約35デシベル(dB)、約35~約40デシベル(dB)、約40~約45デシベル(dB)または約45~約50デシベル(dB)が挙げられる。
図1~4も参照すると、当業者は、一般的に、広幅物10における第1および第2の金属コーティング30、32の坪量が増えるにつれて、広幅物10の幅16および長さ14にわたる抵抗、すなわち、平方単位当たりのオーム(Ω/ )で表されるシート抵抗は減少すると理解するであろう。また、第1および第2の金属コーティング30、32の重量が増えるにつれて、広幅物10の通電能力は一般的に増加する。このことは、上述した高導電性金属スクリーン34が落雷保護を提供するという点において特に重要である。現実的には、第1および第2の金属コーティング30、32の厚さは、上述したように、ミクロンレベル(すなわち、10-6メートル)であり、容易に測定するのは困難であるため、シート抵抗を特定するために使用されないことが理解されるであろう。むしろ測定単位は、金属コーティング30、32の単位面積あたりの相対重量(通常、平方メートルあたりのグラム(g/m)として与えられる)である。
また、シールド効果について、既に示し説明したように、複数の繊維22の相対的な間隔は特定周波数でのシールド効果を決定するものである。例えば、複数の繊維間の空間が減少するにつれて、あるいは、寸法安定性不織ベールの坪量が増大するにつれて、より高い周波数でのシールド効果は増大する。
例えば、約10g/mの寸法安定性不織カーボン繊維ベール28、約30g/mの、銅からなる第1の金属コーティング30、約10g/mの、ニッケルからなる第2の金属コーティング32を含み、全重量が約50g/mであるか又は坪量が60g/m未満である広幅物10は、0.015Ω/□未満のシート抵抗を示し、この測定における単位は正方形の形状を有するシート材料の抵抗であり、一方、当該材料の導電率はシート抵抗をシートの厚さで割った値として算出される。さらに、この測定値は広幅物10の幅16および長さ14にわたって一貫していることが見出されている。このことは、第1および第2の金属コーティング30、32で寸法安定性不織ベール28を被覆するために使用されるいくつかのプロセスが、いくつかの例において、幅16にわたって広幅物10を十分均一に被覆できないことから、特に重要である。
さらに、航空機の建造に適切に使用される場合、約10g/mの寸法安定性不織カーボン繊維ベール28、約30g/mの、銅からなる第1の金属コーティング30、約10g/mの、ニッケルからなる第2の金属コーティング32を含み、全重量が約50g/mであるか又は坪量が60g/m未満である広幅物10は、落雷保護を提供する。このような落雷保護として、広幅物10が、航空機に直接落ちるか、あるいは航空機の近くで発生する200,000アンペアの雷の直接的および間接的な影響に耐えることができ、さらに2.0×l0~2.5×10・秒の作用積分に耐えることができる、ゾーン1A落雷保護が挙げられる。
例えば、銅の最大電流密度が100A/mmであり、電荷密度(ρ)が8.96g/cm)であり、ニッケルの最大電流密度が43A/mmであり、電荷密度(ρ)が8.91g/cm)である場合、各構成要素の重量が、不織カーボン繊維ベールを含む寸法安定性不織ベール28が約10g/mであり、銅を含む第1の金属コーティング30が約30g/mであり、ニッケルを含む第2の金属コーティング32が約10g/mであり、広幅物10の全重量は約50g/mである広幅物10は、約3.35マイクロメートル(μm)の銅および約1.12マイクロメートル(μm)のニッケルを与え、約0.34A/mmの銅および約0.05A/mmのニッケル、すなわち広幅物10に対し約0.39A/mmの電流容量を与える結果となる。
銅を含む第1の金属コーティングの坪量は10~50g/mの間で変化し、ニッケルを含む第2の金属コーティングの坪量は5~20g/mの範囲内で変化し、その結果、多様なレベルの所望の落雷保護および/または電磁シールドを提供することを当業者は理解するであろう。
本発明の一つの態様において、20mΩ/□のシート抵抗がゾーン1A雷保護を提供するために特定され、別の態様において、40mΩ/□のシート抵抗がゾーン1A雷保護を提供するために特定される。本明細書の執筆時点では、例えば、ゾーン1A落雷保護のための普遍的または合意的なシート抵抗の仕様は存在しない。他の指定された落雷ゾーンについても同様である。当業者は、様々なタイプの航空機の異なる製造業者が異なるシート抵抗の仕様を持ち、製造業者の落雷保護ニーズに必要なもの(例えば、実装の詳細、安全マージン等)の製造業者の解釈にある程度基づいて、各々の仕様を本発明の思想に従って広幅物を選択するために使用することができることを理解するであろう。
図1を再び参照すると、広幅物10は、航空宇宙用途の様々な一次および二次構造(例えば、航空機の機体および/または機体外スキン(例えば、胴体、翼、その他)を形成する複合パネル)の構築において使用することができる。これらの用途で使用される場合、広幅物10は、落雷を保護し、および/または、落雷に関連するアビオニクスおよび電子機器を外部の電磁干渉からシールドする。そのように使用される場合、広幅物10は、雷を航空機の外部表面を横切らせて、保護および/またはシールドする。
また、化学蒸着(CVD)、無電解メッキ(EL)および/または電気メッキ(EP)、またはこれらの任意の組み合わせの方法は、第1および第2の金属コーティング30、32で寸法安定性不織ベール28を被覆するために使用され得る。文献「Tin-Palladium Catalysts for Electroless Plating by Gerald A. Krulik, Gerald A. Krulik」、「Tin-Palladium Catalysts for Electroless Plating, 26 Platinum Metals Review 58-64 (1982)」は、無電解メッキ(EL)のプロセスを詳細に説明しており、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
以上、落雷保護を提供する広幅物の様々な態様を例示し、詳細に説明したが、特許請求の範囲が上記の説明に制限されることを何ら意図するものではない。さらなる利点および改変が、当業者に容易に明らかとなるであろう。

Claims (11)

  1. ロールの状態で供給されてもよい、幅と長さを有する広幅シートであって、
    当該広幅シート全体にわたってランダムにループした複数の繊維からなる寸法安定性不織ベールと、
    前記複数の繊維を結合させるバインダー材料と、
    前記ベールの前記結合した複数の繊維および前記バインダー材料の表面を完全かつ連続的に覆う第1の金属コーティングと、
    前記第1の金属コーティングの表面を完全に覆う第2の金属コーティングと
    を含んでなり、
    前記第1および第2の金属コーティングが、前記寸法安定性不織ベールの形状に従った高導電性金属スクリーンを形成してなり、
    前記第1の金属コーティングが、銅を含み、かつ坪量が10~50g/m広幅シートであり、さらに、前記第2の金属コーティングが、ニッケルを含み、かつ坪量が5~20g/m広幅シートであり、
    前記繊維がカーボン繊維である、広幅シート
  2. 12インチ以上の幅を有する、請求項1に記載の広幅シート。
  3. 前記バインダー材料が、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アセタール、アクリル、セルロースアセテートブチレート(CAB)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、充填剤入りポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリフェニレン(PPS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリフッ化ビニリデンまたはポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミドイミド、スチレンアクリル、フェノキシ、ポリウレタン、ポリイミド、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、架橋されたポリエステル、スチレンアクリル、コポリエステル、および超高分子量ポリエチレン(UHMPE又はUHMW)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるものである、請求項1または2に記載の広幅シート
  4. 前記第2の金属コーティングが、スルファミン酸ニッケル系の電気ニッケルメッキを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の広幅シート
  5. 表面を有する航空機の建造に適切に使用される場合、
    航空機に直接落ちるか、あるいは航空機の近くで発生する200,000アンペアの雷の直接的および間接的な影響による航空機表面への構造的損傷に耐えおよび/または当該損傷を防ぐことができ、さらに
    2.0×l0~2.5×10・秒の作用積分に耐えることができる
    請求項1~のいずれか一項に記載の広幅シート
  6. 坪量が60g/m未満であり、かつ、シート抵抗が0.015Ω/□未満である、請求項1~のいずれか一項に記載の広幅シート
  7. 前記複数の繊維のランダムループが、LFバンド(30kHz~300kHz)において75dBを超え、かつ、Sバンド(2GHz~4GHz)において70dBのシールド効果を提供する、請求項1~のいずれか一項に記載の広幅シート
  8. 前記複数の繊維のランダムループが、1メガヘルツ(MHz)~40,000メガヘルツ(MHz)において、少なくとも10、15、20、25、30、35、40または45デシベル(dB)のシールド効果を提供する、請求項1~のいずれか一項に記載の広幅シート
  9. 前記複数の繊維は、直径が1~10マイクロメートル(μm)であり、アスペクト比(長さ:直径)が10,000:1~1,000:1である、請求項1~のいずれか一項に記載の広幅シート
  10. 前記寸法安定性不織ベールが2g/mと50g/mの間の空中重量を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の広幅シート
  11. 前記第2の金属コーティングの坪量が10g/mである、請求項1~10のいずれか一項に記載の広幅シート
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