JP7328502B2 - 乗り物用表皮材及び乗り物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、乗り物用表皮材及び乗り物用シートに係り、特に、複数の孔が形成された乗り物用表皮材及び乗り物用シートに関する。
従来、乗り物用シートの中には、シート本体に送風装置を取り付けて、シートに着座した乗員に対して風を送ることが可能なシートが存在する。
このような乗り物用シートでは、送風装置によって生じる風がシート内を通過し乗員の身体に達するようになる。そのため、送風装置が取り付けられている乗り物用シートでは、通常、シート構成部品である表皮材に対して通気孔が穿設されている。
通気孔が形成された表皮材の一例として、特許文献1、2に記載の表皮材が挙げられる。
特許文献1に記載の表皮材は、自動車用シートに用いられる本革材料からなる通気孔付き表皮材である。表皮材上には、所望の装飾効果を与えるべく、複数の通気孔が形成される孔形成領域に隣接した領域に対して所望のステッチライン(縫製ライン)が施されている。
また特許文献2に記載の表皮材も同様であって、車両用シートに用いられる通気孔付き表皮材(シートカバー)において、シートカバー表面の意匠性を確保すべく、複数の通気孔の周辺に所定のキルティングパターン(縫製パターン)が施されている。
特表2012-511636号公報 特開2016-190620号公報
しかし、特許文献1、2のようなステッチラインが施された本革材料からなる表皮材の場合には、比較的製造コストが高くなってしまうこと、また、乗り物用シートとして仕立てた際に縫製によって皺やうねりが局部的に発生してしまい意匠性を損なうことがあった。
そのため、製造コストを抑えながらも、意匠性に優れた乗り物用表皮材が望まれていた。
また、表皮材の意匠性を確保しながらも、機能面として送風装置による風が効率良くシート内を通過して乗員に達するような乗り物用シートが望まれていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、製造コストを抑えながらも、意匠性を確保した乗り物用表皮材、乗り物用シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、表皮材の意匠性を確保しながらも、送風装置による風が効率良く乗員に達するように機能性に優れた乗り物用表皮材、乗り物用シートを提供することにある。
前記課題は、本発明の乗り物用表皮材によれば、シート状の乗り物用表皮材であって、シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、前記凹凸形成領域は、互いに隣り合う前記孔形成領域の間を通るように設けられ、前記凹部または凸部は、破線状に形成され、前記孔形成領域の外縁に沿って複数並ぶように配置されていること、により解決される。
上記構成により、例えば高周波ウェルダー加工や、押し型による加圧痕形成によって、従来の縫製作業と比較して容易に装飾用の凹凸パターンを形成することができる。
また、従来のように縫製によって皺やうねりが局部的に発生してしまうことがないため、意匠性を確保することができる。
従って、比較的製造コストを抑えながらも、意匠性を確保した乗り物用表皮材を実現することができる。
また前記課題は、本発明の乗り物用表皮材によれば、シート状の乗り物用表皮材であって、シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、前記凹凸形成領域は、互いに隣り合う前記孔形成領域の間を通るように設けられ、前記凹凸形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、前記孔形成領域と前記凹凸形成領域とが交互に配置されていること、により解決される。
また前記課題は、シート状の乗り物用表皮材であって、シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、前記凹凸形成領域は、互いに隣り合う前記孔形成領域の間を通るように設けられ、前記凹凸形成領域において前記凹部または凸部が形成される部分と、略平坦部分とが、交互に配置されていること、により解決される。
上記構成により、シンプルな構造で表皮材の意匠性を向上させることができる。また、立体的なデザインからなる表皮材となる。
また前記課題は、本発明の乗り物用表皮材によれば、シート状の乗り物用表皮材であって、シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、前記孔形成領域は、複数の前記凹凸形成領域によって周囲を囲まれていること、により解決される。
また前記課題は、シート状の乗り物用表皮材であって、シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、前記孔形成領域は、略多角形状の領域からなり、前記凹凸形成領域は、前記孔形成領域それぞれの辺に対して対向するように配置されていること、により解決される。
上記構成により、表皮材の意匠性を向上させることができる。また、孔形成領域と凹凸形成領域が互いに重なり合うことを抑制する配置パターンとなっているため、従来と比較して表皮材の歪を抑制することができ、皺やうねりを抑制できる。
また前記課題は、本発明の乗り物用表皮材によれば、シート状の乗り物用表皮材であって、シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、前記乗り物用表皮材のシート底面のうち、前記凹凸形成領域が設けられた位置に対応する部分が、略平坦面を有していること、により解決される。
上記構成において、例えば乗り物用シートにおいて表皮材とクッションパッドの間に荷重センサーを取り付けている場合には、たとえ表皮材の表面に凹凸を形成しても表皮材の裏面が略平坦面となっているので、当該荷重センサーを安定して配置し、検出精度を確保することができる。
また前記課題は、本発明の乗り物用表皮材によれば、シート状の乗り物用表皮材であって、シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、前記孔形成領域は、複数の前記孔からなる孔集合体が形成された部分を有し、前記孔集合体は、円形状、楕円形状、またはその他の幾何学形状からなること、により解決される。
上記構成により、乗り物用シートや乗り物用内装部材のデザインに応じて種々の形状を選択することができるため、表皮材の意匠性を向上させることができる。
また前記課題は、本発明の乗り物用表皮材によれば、シート状の乗り物用表皮材であって、シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、前記凹凸形成領域は、第1凹凸形成領域であって、前記孔形成領域の所定位置において、凹部または凸部が形成される領域となる第2凹凸形成領域がさらに形成され、該第2凹凸形成領域に形成された凹部または凸部は、その凹凸方向において前記第1凹凸形成領域に形成された凹部または凸部よりも小さく形成されていること、により解決される。
上記構成により、例えば高周波ウェルダー加工等によって、凹凸の高さ方向において少なくとも3段階から構成される立体的な凹凸パターンを形成することができる。
このとき、前記第1凹凸形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、前記孔形成領域と前記第1凹凸形成領域とが交互に配置され、前記第2凹凸形成領域は、前記第1凹凸形成領域と隣り合うように配置されていると良い。
上記構成により、凹凸の高さ方向において段階的な凹凸パターンを形成することができ、表皮材の意匠性をより一層向上させることができる。
また前記課題は、本発明の乗り物用表皮材によれば、シート状の乗り物用表皮材であって、シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、前記乗り物用表皮材は、シート上面の略全体にわたって複数の孔が間隔を空けて形成された表皮材であって、前記凹凸形成領域は、前記複数の孔が形成された所定の領域において凹部が形成された領域であって、前記凹部の内部において前記孔を塞ぐための孔塞ぎ部を有し、該孔塞ぎ部によって前記孔が形成されていない領域となっていること、により解決される。
また、前記孔塞ぎ部は、前記凹部の内周部分が溶融されることで形成されていると良い。
上記構成により、例えば高周波ウェルダー加工によって装飾用の凹部を形成するときに、瞬間的に高熱かつ高圧の条件下で溶融されることで、表皮材の一部が、予め形成されていた孔を塞ぐように溶着した状態となる。
そのため、シート全面に孔開け加工した表皮材に対してシンプルな方法で装飾用の凹部を形成できるとともに、所定の条件下で溶融して予め形成された孔を塞ぐことで、装飾パターンのバリエーションを増やすことができる。
そのほか、乗員が着座可能なシート本体と、シート本体において着座した乗員と対向する部分に設けられる前記乗り物用表皮材と、前記シート本体に取り付けられ、前記乗り物用表皮材に設けられた前記孔を通じて乗員に対し風を生じさせる送風装置と、を備えた乗り物用シートを実現することもできる。
上記構成により、表皮材の意匠性を向上させた送風装置付きの乗り物用シートとなる。
提供することにある。
このとき、前記凹凸形成領域は、前記凹部が形成される領域であって、複数の前記孔は、前記凹凸形成領域から離れるに従って開口面積が大きくなるように構成されていると良い。
上記構成により、例えば、乗り物用シートの表面形状を考慮すると、孔形成領域が乗員に接し易い部位となって、凹部が形成された領域が乗員に接し難い部位となるから、乗員と接する部位において送風装置による風を効率良く供給できるようになる。
従って、表皮材の意匠性を確保しながらも、送風装置による風が効率良く乗員に達するように機能性に優れた乗り物用シートとなる。
本発明によれば、比較的製造コストを抑えながらも、意匠性を確保した乗り物用表皮材を実現することができる。
また上記発明によれば、乗り物用シートや乗り物用内装部材において、シンプルな構造で表皮材の意匠性を向上させることができる。また、立体的なデザインからなる表皮材となる。
また上記発明によれば、従来と比較して表皮材の歪を抑制することができ、皺やうねりを抑制できる。
また上記発明によれば、例えば車両用シートにおいて表皮材とクッションパッドの間に荷重センサーを取り付けている場合に、当該荷重センサーを安定して配置し、検出精度を確保することができる。
また上記発明によれば、例えば高周波ウェルダー加工等によって、凹凸の高さ方向において少なくとも3段階から構成される立体的な凹凸パターンを形成することができる。
また上記発明によれば、凹凸の高さ方向において段階的な凹凸パターンを形成することができ、表皮材の意匠性をより一層向上させることができる。
また上記発明によれば、シート全面に孔開け加工した表皮材に対してシンプルな方法で装飾用の凹部を形成できるとともに、所定の条件下で溶融して予め形成された孔を塞ぐことで、装飾パターンのバリエーションを増やすことができる。
また上記発明によれば、表皮材の意匠性を確保しながらも、送風装置による風が効率良く乗員に達するように機能性に優れた乗り物用シートとなる。
本実施形態に係る乗り物用シートの外観斜視図である。 乗り物用シートのシート本体、送風装置を示す図である。 表皮材の積層構造を示す模式拡大図である。 表皮材の孔形成領域、凹凸形成領域の配置パターンを示す図である。 第2実施形態の孔形成領域、凹凸形成領域の配置パターンを示す図である。 第3実施形態の孔形成領域と凹凸形成領域の配置パターンを示す図である。 第4実施形態の孔形成領域と凹凸形成領域の配置パターンを示す図である。 第5実施形態の孔形成領域と凹凸形成領域の配置パターンを示す図である。 第6実施形態の孔形成領域と凹凸形成領域の配置パターンを示す図である。 第7実施形態の孔形成領域と凹凸形成領域の配置パターンを示す図である。 第7実施形態の表皮材の積層構造を示す模式拡大図である。 第8実施形態の孔形成領域と凹凸形成領域の配置パターンを示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る乗り物用シートについて、図1~図12を参照しながら説明する。
本実施形態は、乗員が着座可能なシート本体と、シート本体において乗員と対向する部分に設けられる乗り物用表皮材と、シート本体に取り付けられ、乗り物用表皮材を通じて乗員に対し風を生じさせる送風装置とを備えており、乗り物用表皮材は、表皮材の上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域とを有し、孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、凹凸形成領域は、互いに隣り合う孔形成領域の間を通るように設けられていることを特徴とする乗り物用シートの発明に関するものである。
なお、乗り物用シートのシートバックに対して乗員が着座する側がシート前方側となる。
本実施形態の乗り物用シートSは、図1、図2に示すように、シートバック1と、シートバック1の前面側に配置されるシートクッション2と、シートバック1の上面側に配置されるヘッドレスト3とを備えるシート本体と、シート本体のうちシートバック1及びシートクッション2の下方側に取り付けられる送風装置4と、から主に構成されている。
シートバック1は、乗員の背中を後方から支持する背もたれ部であって、骨格となるバックフレーム1aにクッションパッド1bを載置して表皮材10で被覆されて構成されている。
シートクッション2は、乗員を下方から支持する着座部であって、骨格となるクッションフレーム2aにクッションパッド2bを載置して表皮材20で被覆されて構成されている。
ヘッドレスト3は、乗員の頭を後方から支持する頭部であって、芯材となる不図示のピラーに不図示のクッションパッドを載置して不図示の表皮材で被覆されて構成されている。
送風装置4は、図2に示すように、空調や換気のための公知なブロア装置であって、シートバック1においてバックフレーム1aよりも後方位置に、また、シートクッション2においてクッションフレーム2aよりも下方位置に取り付けられている。
送風装置4は、クッションパッド1b,2bそれぞれに設けられた複数の空気通路5、及び表皮材10,20それぞれに設けられた複数の孔11a,21を通過して、着座した乗員に対し風を生じさせる構成となっている。
なお、送風装置4は、排気式のブロア装置であって、送風装置4からの送風がシートクッション2上に着座した乗員に当たるように構成されているが、吸気式のブロア装置であっても良い。吸気式である場合、着座面付近の空気が風となって送風装置4へ吸気されるように構成される。
クッションパッド1b,2bは、それぞれ発泡ウレタン等からなるパッド部材であって、図1、図2に示すように、これらクッションパッドにおいて着座した乗員と対向する面上には、表皮吊り込み溝1c、2cがそれぞれ形成されている。
表皮吊り込み溝1cは、表皮材10の端部を吊り込むための横断面略U字形状の溝であって、シートバック1の略中央部分を囲むように配置されている。
また表皮吊り込み溝2cは、表皮材20の端部を吊り込むための縦断面略U字形状の溝であって、シートクッション2の略中央部分を囲むように配置され、また、送風装置4を囲むように配置されている。
クッションパッド1b,2bのうち、送風装置4と対応する部分には、図2に示すように、クッションパッド1b,2bの厚み方向に貫通する断面略円形状の空気通路5が所定の配列パターンで形成されている。
なお、クッションパッド1b,2bは、発泡ウレタン等のパッド部材から形成されているため、空気通路5以外に全体的に空気を通すことが可能である。
表皮材10は、伸縮性を有する合成皮革材料からなり、図1、図2に示すように、シートバック1のクッションパッド1bを上方から被覆可能な形状に形成されている。
詳しく言うと、表皮材10は、複数からなり、表皮吊り込み溝1cに対応する位置で互いに縫製されて連結されている。
なお、シートクッション2の表皮材20は、表皮材10と同等の構成を備えている。
表皮材10は、図3に示すように、積層構造からなり、具体的には表面から順にトップ層10a、発泡層10b及び基布層10cの3層構造から主に構成されている。
トップ層10aは、非発泡のポリ塩化ビニル(PVC)製の合成皮革から形成され、発泡層10bは、発泡されたポリ塩化ビニル(PVC)から形成され、基布層10cは、繊維材料を編むことで構成された布材料から形成されている。
なお、トップ層10aの表面には、耐摩耗性及び保護性を確保すべく、ウレタンコーティングによる不図示のウレタン表面処理層が形成されている。
また、トップ層10aと発泡層10bは、互いに熱溶着されている一方で、発泡層10bと基布層10cは、接着剤で接着されており、発泡層10bと基布層10cの境界面には、当該接着剤による塗布膜が形成されている。
また、基布層10cの裏面には、着座感を良好にすべく、伸縮性と通気性を備えたウレタンフォーム材料からなる不図示のワディング材が取り付けられている。
表皮材10は、図4に示すように、その表面において複数の孔11aが形成される領域となる孔形成領域11と、孔形成領域11とは異なる位置に設けられ、凹部12aが形成される領域となる凹凸形成領域12とを備えている。
孔形成領域11は、シートバック1の表面上においてシート幅方向に長尺となるように形成されており、また、シート上下方向に向かって所定の間隔を空けながら複数並ぶように配置されている。
凹凸形成領域12も同様にシート幅方向に長尺となるように形成されており、また、シート上下方向において互いに隣り合う孔形成領域11の間を通るように配置されている。
詳しく言うと、凹凸形成領域12は、シート上下方向に向かって所定の間隔を空けながら複数並ぶように配置されており、孔形成領域11と凹凸形成領域12とが交互に配置されている。
孔11aは、図3、図4に示すように、シート前後方向に貫通した略円形状の孔であって、公知のパンチングロール装置やパーフォレーション装置を用いてパンチング加工によって形成されている。
孔11aは、凹凸形成領域12から離れるに従って、その開口面積が大きくなるように構成されている。シートバック1の表面形状を考慮すると、一般に孔形成領域11が乗員に比較的接し易い部位となって、凹凸形成領域12が乗員に接し難い部位となるから、乗員と接し易い部位において送風装置4による風を効率良く供給できるようになる。
凹部12aは、図3、図4に示すように、表皮材10の表面を凹ませた略矩形状(略平行四辺形形状)の凹部分であって、公知の高周波誘導加熱装置を用いて高周波ウェルダー加工(高周波熱圧着加工)によって形成されている。
凹部12aは、積層構造からなる表皮材10のうち、発泡層10bの所定深さ位置まで凹ませた構成となっており、言い換えると、表皮材10の裏面のうち、凹凸形成領域12が設けられた位置に対応する部分が、略平坦面を有している。
なお、基布層10cは、パンチング加工やウェルダー加工によって一部が破れたり、切れてしまわないように従来よりも厚みを厚くしている。そのため、基布層10cの強度が保持されており、また、表皮材10の裏面が略平坦面を維持することができる。
具体的には、本実施形態の基布層10cでは、トップ層10aと同等の厚みであるか、またはトップ層10aよりも大きい厚みとなっている。
複数の凹部12aは、表皮材10の表面上においてシート幅方向に破線状に延びるように形成されており、言い換えると、凹凸形成領域12において凹部12aが形成される部分と、略平坦部分とが、交互に配置されている。
また、複数の凹部12aは、シート幅方向において孔形成領域11の外縁に沿って複数並ぶように配置されており、複数の凹部12aが2列となってシート幅方向に延びている。
一方の列をなす複数の凹部12aと、他方の列をなす複数の凹部12aとは、互いに所定の間隔を空けながらシート幅方向に延びており、シート幅方向の略中央部分においては互いに離れるように幅広の間隔を空けながら配置されている。
上記構成により、シンプルな構造で立体的なデザインからなる意匠性の高い表皮材10を実現することができる。
上記において、表皮材10を製造する際には、高周波ウェルダー加工を採用することで、表皮材10のトップ層10aと発泡層10bを熱溶着すると同時に、複数の凹部12aを形成することができる。
具体的な工程としては、まず、金型によってトップ層10a及び発泡層10bの2枚の樹脂シートの溶接部位を所定の圧力をかけて挟み込んだ状態で、高周波電界を加えて昇温させ、半液相状態まで溶かしてつなぎ合わせる。
その後、高周波電界を断って加熱を止め、圧締状態を保持したまま溶接部位を冷却することで、2枚の樹脂シートを熱溶着することができ、同時に溶接部位に凹部12aを形成することができる。
このとき、トップ層10a及び発泡層10bは、ポリ塩化ビニルから形成されているため、従来の素材と比較して、効率良く表皮材10を製造することができる。具体的には、ポリ塩化ビニルは、素材特性として、従来のポリウレタンやポリエステルよりも損失係数が高いため、効率良く発熱することができる。
なお、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステルの損失係数は、それぞれ約0.315~0.45(ε・tanδ)、約0.07~0.15(ε・tanδ)、約0.01~0.11(ε・tanδ)となっている。単位εは誘電率、単位tanδは誘電力率を示す。
また上記において、表皮材10を製造する際には、縫製糸を使用することがないため、従来のようにステッチラインが形成されていた場合と比較して、縫製糸の引っ掛かりや、ほつれが生じることがなく、長期にわたって意匠性を維持することができる。
<表皮材の第2実施形態>
次に、第2実施形態となる表皮材110について、図5に基づいて説明する。
なお、以下の説明において、表皮材10と重複する内容は説明を省略する。
表皮材110では、表皮材10と比較して、孔形成領域111と凹凸形成領域112とが形成されている点が異なっている。
孔形成領域111は、正四角形状の領域からなり、表皮材110上においてシート幅方向とは斜め45度の角度で傾斜した傾斜方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように配置されている。
凹凸形成領域112も同様に、傾斜方向に向かって所定の間隔を空けながら複数並ぶように配置されており、孔形成領域111と凹凸形成領域112とが、傾斜方向において交互に配置されている。
言いかえると、孔形成領域111と凹凸形成領域112は、互いに複数設けられ、略全体にわたって網目形状を形成している。すなわち、孔形成領域111は、複数の凹凸形成領域112によって周囲を囲まれるように構成されている。
孔111aは、略円形状の孔であって、孔形成領域111の略全体にわたって所定の間隔を空けながら均一となるように配置されている。
凹部112aは、略矩形状の凹部分であって、シート幅方向とは傾斜した傾斜方向に沿って破線状に一列となって延びている。
上記構成であっても、シンプルな構造で立体的なデザインからなる意匠性の高い表皮材110を実現できる。
<表皮材の第3実施形態>
次に、第3実施形態となる表皮材210について、図6に基づいて説明する。
表皮材210では、第2実施形態の表皮材110と比較して、孔形成領域211の孔211aの配置パターンが異なっている。
孔形成領域211は、正四角形状の領域からなり、複数の孔211aからなる四角形状の孔集合体211bが形成された部分と、その孔集合体211bが形成されない平坦部分とが、互いに交互に並ぶように配置されている。
言いかえると、正四角形状の孔形成領域211を同面積の正方形で9等分した領域を考えたときに、複数の孔211aからなる孔集合体211bが、当該9等分した領域のうち、四隅及び中央部の5つの領域において配置されている。
なお、凹凸形成領域212については、第2実施形態の凹凸形成領域112と同様の構成となっている。
上記構成であっても、シンプルな構造で立体的なデザインからなる意匠性の高い表皮材110を実現できる。
<表皮材の第4実施形態>
次に、第4実施形態となる表皮材310について、図7に基づいて説明する。
表皮材310では、第2実施形態の表皮材110と比較して、孔形成領域311の孔311a、凹凸形成領域312の凹部312aそれぞれの配置パターンが異なっている。
孔形成領域311は、正四角形状の領域からなり、略矩形状の孔311aが、孔形成領域311の略全体にわたって所定の間隔を空けながら均一に配置されている。
凹凸形成領域312は、所定方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように配置されており、かつ、凹凸形成領域312において長尺な凹部312aが、孔形成領域311それぞれの辺に対して同一長さとなるように対向して配置されている。
言い換えると、凹凸形成領域312において複数の凹部312a同士が互いに重なり合うことを抑制するように配置されている。
上記構成であっても、シンプルな構造で立体的なデザインからなる意匠性の高い表皮材110を実現できる。
また、孔形成領域311と凹凸形成領域が互いに重なり合うことを抑制する配置パターンとなっているため、従来と比較して表皮材の歪を抑制することができ、皺やうねりを抑制できる。
<表皮材の第5実施形態>
次に、第5実施形態となる表皮材410について、図8に基づいて説明する。
表皮材410では、第3実施形態の表皮材210と比較して、凹凸形成領域412の凹部の配置パターンが異なっている。
凹凸形成領域412は、所定方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように配置されており、かつ、凹凸形成領域412において複数の凹部412a(5つの凹部412a)からなる凹部集合体が、孔形成領域411それぞれの辺に対して同一長さとなるように対向して配置されている。
また、表皮材410のうち、互いに交差して延びている凹凸形成領域412の交点に相当する部分には、略円形状の凹部412bが形成されている。
詳しく言うと、凹部412bは、その中央部分が凸形状となる略リング形状の凹みとして形成されている。そのため、飾りボタンのような装飾性、意匠性を奏することができる。
上記のように凹部412bが形成されることで、表皮材410の表面が一層立体的となるため、意匠性を向上することができる。
<表皮材の第6実施形態>
次に、第6実施形態となる表皮材510について、図9に基づいて説明する。
表皮材510では、他の実施形態と比較して、孔形成領域511の孔511a、凹凸形成領域512の凹部512aそれぞれの配置パターンが異なっている。
孔形成領域511は、正四角形状の領域及び三角形状の領域からなり、円形状の孔511aが、孔形成領域511の略全体にわたって間隔を空けながら均一に配置されている。
凹凸形成領域512は、所定方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように配置されており、かつ、隣接する凹凸形成領域512が、正四角形状の孔形成領域511と、三角形状の孔形成領域511とを間に挟むように配置されている。
詳しく言うと凹凸形成領域512は、三角形状の孔形成領域511の1辺に対向するように延びている。
<表皮材の第7実施形態>
次に、第7実施形態となる表皮材610について、図10、図11に基づいて説明する。
表皮材610では、他の実施形態と比較して、第1凹凸形成領域612(第1凹部612a)及び第2凹凸形成領域613(第2凹部613a)が形成されている点が主に異なっている。
孔形成領域611は、正四角形状の領域からなり、表皮材610上においてシート幅方向とは斜め45度の角度で傾斜した傾斜方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように配置されている。
第1凹凸形成領域612は、長方形状の領域からなり、孔形成領域611と同様にして傾斜方向に向かって所定の間隔を空けながら複数並ぶように配置されており、孔形成領域611と第1凹凸形成領域612とが、傾斜方向において交互に配置されている。
言いかえると、孔形成領域611と第1凹凸形成領域612は、互いに複数設けられ、略全体にわたって網目形状を形成している。すなわち、孔形成領域611は、複数の第1凹凸形成領域612によって周囲を囲まれるように構成されている。
第2凹凸形成領域613は、正四角形状の領域からなり、孔形成領域611の所定位置に形成され、孔形成領域611と同様にして傾斜方向に向かって所定の間隔を空けながら複数並ぶように配置されている。
また、第2凹凸形成領域613は、第1凹凸形成領域612と隣り合うように配置されている。詳しく述べると、第2凹凸形成領域613の4辺のうち、隣り合う2辺が、それぞれ第1凹凸形成領域612に対向するように延びている。また、その他の隣り合う2辺が、それぞれ孔形成領域611に対向するように延びている。
孔611aは、図10、図11に示すように、表皮材610を貫通した略円形状の孔であって、パンチング加工によって形成され、所定の間隔を空けて複数配置されている。
第1凹部612aは、表皮材610の上面を凹ませた長方形状の凹部であって、上記傾斜方向に向かって連続して延びている。
第2凹部613aは、表皮材610の上面を凹ませた正四角形状の凹部であって、その凹凸方向において(深さ方向において)第1凹部612aよりも小さく形成されている。
第1凹部612a、第2凹部613aは、それぞれ高周波ウェルダー加工(高周波熱圧着加工)によって所定の熱圧着条件のもとで形成されている。
詳しく述べると、第1凹部612aは、第2凹部613aよりも高熱かつ高圧の熱圧着条件で形成されており、第2凹部613aよりも深い凹部として形成されている。
第1凹部612aは、図11に示すように、積層構造からなる表皮材610のうち、発泡層610bの底面又は底面に近接した深さ位置まで凹ませた構成となっている。
第2凹部613aは、積層構造からなる表皮材610のうち、発泡層610bの所定深さ位置(略中央位置)まで凹ませた構成となっている。
また、第2凹部613aの底面には、複数の孔611aが配置されている。
上記において、表皮材610を製造する方法を説明すると、まず、トップ層610a、発泡層610b及び基布層610cからなる表皮材610のシート表面全体に対してパンチング加工によって孔611aを均一に複数形成する。
そして、表面全体に孔開け加工した表皮材610に対して高周波ウェルダー加工をすることで、表皮材610の表面に対して複数の第1凹部612a及び第2凹部613aを形成する。
このとき、図11に示すように、第1凹部612aが形成された部分では、高熱かつ高圧の条件下で溶融されることで、トップ層610aが、予め形成されていた孔611aを塞ぐように溶着した状態となっている。
言い換えれば、第1凹部612aの内部において孔611aを塞ぐための孔塞ぎ部612bが形成されている。孔塞ぎ部612bは、第1凹部612aの内周部分が溶融されることで形成されている。
そのため、表皮材610のうち、第1凹部612aが形成された第1凹凸形成領域612では、孔611aが塞がれることで、孔611aが形成されていない領域となっている。
上記構成により、製造コストを抑えたシンプルな加工方法によって、凹凸の高さ方向において3段階から構成される立体的な凹凸パターンを形成することができる。
<表皮材の第8実施形態>
次に、第8実施形態となる表皮材710について、図12に基づいて説明する。
表皮材710では、他の実施形態と比較して、凹凸形成領域712の凹部712aの配置パターン、形状が異なっている。
孔形成領域711は、正四角形状の領域からなり、表皮材710上においてシート幅方向とは斜め45度の角度で傾斜した傾斜方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように配置されている。
凹凸形成領域712も同様に、傾斜方向に向かって所定の間隔を空けながら複数並ぶように配置されており、孔形成領域111と凹凸形成領域112とが、傾斜方向において交互に配置されている。
凹部712aは、円形状の凹部分であって、シート幅方向とは傾斜した傾斜方向に沿って所定の間隔を空けながら一列となって延びている。
上記構成であっても、シンプルな構造で立体的なデザインからなる意匠性の高い表皮材710を実現できる。
<その他の実施形態>
上記実施形態において、図2に示すように、送風装置4は、シートバック1及びシートクッション2の両方に取り付けられているが、特に限定されることなく、送風装置4がシートクッション2のみに取り付けられても良いし、ヘッドレスト3の後方部に取り付けられていても良い。
上記実施形態において、図3に示すように、表皮材10は、トップ層10a、発泡層10b及び基布層10cの3層構造から主に構成されているところ、トップ層10aと基布層10cとを異なる色に設定しても良い。
上記構成であれば、表皮材10の表面から孔11aを通じて基布層10cの端片を視認することができるため、立体的な意匠を有する表皮材10を実現することができる。
上記実施形態において、図1、図4に示すように、表皮材10の表面パターンは、シートバック1の表皮材として採用されているが、特に限定されることなく、シートクッション2の表皮材や、ヘッドレスト3の表皮材として採用されていても良い。
上記実施形態において、図4に示すように、孔11aは、円形状(断面円形状)からなるが、特に限定されることなく、例えば、楕円形状(断面楕円形状)またはその他の幾何学形状(断面幾何学形状)等、適宜形状を変更しても良い。
また、図6に示すように、複数の孔211aからなる孔集合体211bは、矩形状からなるが、特に限定されることなく、例えば、円形状、楕円形状、またはその他の幾何学形状等、適宜形状を変更しても良い。
上記構成により、乗り物用シートや乗り物用内装部材のデザインに応じて種々の形状を選択することができるため、表皮材の意匠性を向上させることができる。
上記実施形態において、図4に示すように、孔形成領域11は、シート幅方向に長尺な長方形状の領域として形成されているが、特に限定されることなく、長方形状以外の略多角形状の領域として形成されていても良い。
例えば、第2実施形態の孔形成領域111のように正四角形状の領域として形成されていても良いし、略トラス形状の領域として形成されていても良い。
上記実施形態において、図4に示すように、孔11aは、凹凸形成領域12から離れるに従って、その開口面積が大きくなるように構成されているが、特に限定されることなく、凹凸形成領域12に近づくに従って、その開口面積が大きくなるように構成されていても良い。
上記構成であれば、例えば、シートバック1の後方部に送風装置が別途取り付けられた場合に、シートバック1の空調性能を向上できる。
具体的には、送風装置からの風が、凹凸形成領域12に設けられた凹部12a、及び凹部12a近辺に設けられた幅広の孔11aを通じて乗員に効率良く達するようになる。
上記実施形態において、図3、図4に示すように、凹凸形成領域12は、複数の凹部12aが形成される領域であるが、特に限定されることなく、公知な加工方法によって凸部が形成される領域であっても良い。
その場合には、複数からなる凸部が縫製ステッチの糸目模様等を再現していると、意匠性が高い表皮材を実現することができる。
上記実施形態において、図7に示すように、凹凸形成領域312において複数の凹部312a(5つの凹部312a)からなる凹部集合体が、孔形成領域311それぞれの辺に対して同一長さとなるように配置されているが、特に限定されることなく、孔形成領域311それぞれの辺に対して長くなるように配置されても良いし、短くなるように配置されていても良い。
上記実施形態において、図11に示すように、表皮材610は、シート上面の略全体にわたって複数の孔が予め形成された表皮材を用いていたが、特に限定されることなく、シート全体にわたって孔が形成されていなくても良い。
上記実施形態において、図11に示すように、第1凹部612a、第2凹部613aが、それぞれ高周波ウェルダー加工によって形成され、第2凹部613aの底面には複数の孔611aが配置されている。
このとき、表皮材610のうち、少なくとも当該第2凹部613aが形成された部分に対応する基布層610cについてはカラーコード化しておくと良い。そうすることで、表皮材の意匠性を向上できる。
上記実施形態において、図11に示すように、第1凹部612aが形成された部分では、高熱かつ高圧の条件下で溶融されることで、第1凹部612aの内部において孔611aを塞ぐための孔塞ぎ部612bが形成されているが、必ずしも孔611aを完全に塞いでいなくても良い。
すなわち、本実施形態において「孔を塞ぐ」とは、孔を完全に塞ぐものに限定されず、例えば、表皮材610の第1凹部612aを表面側から視認したときに表皮材610の裏面にある基布層610cが視認できない程度に孔が塞がっているものも含めてよい。
上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる乗り物用シートについて説明したが、特に限定されることなく、電車、バス等の乗り物用シートのほか、飛行機、船等の乗り物用シートとしても利用することができる。
また上記実施形態では、具体例として乗り物用シートに用いられる表皮材について説明したが、特に限定されることなく、乗り物用内装部品に用いられる表皮材としても利用することができる。
本実施形態では、主として本発明に係る乗り物用表皮材を備えた乗り物用シートに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
特に、表皮材の孔形成領域、凹凸形成領域の形状、配置、及び構成について、上記の実施形態にて説明したものは、あくまで一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
S 乗り物用シート
1 シートバック
1a バックフレーム
1b クッションパッド
1c 表皮吊り込み溝
2 シートクッション
2a クッションフレーム
2b クッションパッド
2c 表皮吊り込み溝
3 ヘッドレスト
4 送風装置
5 空気通路
10,110,210,310,410,510,610,710 表皮材(乗り物用表皮材)
10a,610a トップ層
10b,610b 発泡層
10c,610c 基布層
11,111,211,311,411,511,611,711 孔形成領域
11a,111a,211a,311a,411a,511a,611a,711a 孔
12,112,212,312,412,512,712 凹凸形成領域(凹部形成領域)
12a,112a,212a,312a,412a,412b,512a,712a 凹部
612 第1凹凸形成領域(第1凹部形成領域)
612a 第1凹部
612b 孔塞ぎ部
613 第2凹凸形成領域
613a 第2凹部
20 表皮材
21 孔
211b 孔集合体

Claims (13)

  1. シート状の乗り物用表皮材であって、
    シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、
    シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、
    前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、
    前記凹凸形成領域は、互いに隣り合う前記孔形成領域の間を通るように設けられ
    前記凹部または凸部は、破線状に形成され、前記孔形成領域の外縁に沿って複数並ぶように配置されていることを特徴とする乗り物用表皮材。
  2. シート状の乗り物用表皮材であって、
    シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、
    シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、
    前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、
    前記凹凸形成領域は、互いに隣り合う前記孔形成領域の間を通るように設けられ
    前記凹凸形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、
    前記孔形成領域と前記凹凸形成領域とが交互に配置されていることを特徴とする乗り物用表皮材。
  3. シート状の乗り物用表皮材であって、
    シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、
    シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、
    前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、
    前記凹凸形成領域は、互いに隣り合う前記孔形成領域の間を通るように設けられ
    前記凹凸形成領域において前記凹部または凸部が形成される部分と、略平坦部分とが、交互に配置されていることを特徴とする乗り物用表皮材。
  4. シート状の乗り物用表皮材であって、
    シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、
    シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、
    前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ
    前記孔形成領域は、複数の前記凹凸形成領域によって周囲を囲まれていることを特徴とする乗り物用表皮材。
  5. シート状の乗り物用表皮材であって、
    シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、
    シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、
    前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ
    前記孔形成領域は、略多角形状の領域からなり、
    前記凹凸形成領域は、前記孔形成領域それぞれの辺に対して対向するように配置されていることを特徴とする乗り物用表皮材。
  6. シート状の乗り物用表皮材であって、
    シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、
    シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、
    前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ
    前記乗り物用表皮材のシート底面のうち、前記凹凸形成領域が設けられた位置に対応する部分が、略平坦面を有していることを特徴とする乗り物用表皮材。
  7. シート状の乗り物用表皮材であって、
    シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、
    シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、
    前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ
    前記孔形成領域は、複数の前記孔からなる孔集合体が形成された部分を有し、
    前記孔集合体は、円形状、楕円形状、またはその他の幾何学形状からなることを特徴とする乗り物用表皮材。
  8. シート状の乗り物用表皮材であって、
    シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、
    シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、
    前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ
    前記凹凸形成領域は、第1凹凸形成領域であって、
    前記孔形成領域の所定位置において、凹部または凸部が形成される領域となる第2凹凸形成領域がさらに形成され、
    該第2凹凸形成領域に形成された凹部または凸部は、その凹凸方向において前記第1凹凸形成領域に形成された凹部または凸部よりも小さく形成されていることを特徴とする乗り物用表皮材。
  9. 前記第1凹凸形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ、
    前記孔形成領域と前記第1凹凸形成領域とが交互に配置され、
    前記第2凹凸形成領域は、前記第1凹凸形成領域と隣り合うように配置されていることを特徴とする請求項に記載の乗り物用表皮材。
  10. シート状の乗り物用表皮材であって、
    シート上面において複数の孔が形成される領域となる孔形成領域と、
    シート上面において前記孔形成領域とは異なる位置に設けられ、凹部または凸部が形成される領域となる凹凸形成領域と、を備え、
    前記孔形成領域は、所定の方向に向かって間隔を空けながら複数並ぶように設けられ
    前記乗り物用表皮材は、シート上面の略全体にわたって複数の孔が間隔を空けて形成された表皮材であって、
    前記凹凸形成領域は、
    前記複数の孔が形成された所定の領域において凹部が形成された領域であって、
    前記凹部の内部において前記孔を塞ぐための孔塞ぎ部を有し、該孔塞ぎ部によって前記孔が形成されていない領域となっていることを特徴とする乗り物用表皮材。
  11. 前記孔塞ぎ部は、前記凹部の内周部分が溶融されることで形成されていることを特徴とする請求項10に記載の乗り物用表皮材。
  12. 乗員が着座可能なシート本体と、
    該シート本体において着座した乗員と対向する部分に設けられる請求項1乃至11のいずれか1項に記載の乗り物用表皮材と、
    前記シート本体に取り付けられ、前記乗り物用表皮材に設けられた前記孔を通じて乗員に対し風を生じさせる送風装置と、を備えていることを特徴とする乗り物用シート。
  13. 前記凹凸形成領域は、前記凹部が形成される領域であって、
    複数の前記孔は、前記凹凸形成領域から離れるに従って開口面積が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の乗り物用シート。
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