添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図1~図5は、本実施形態における測定方法の概要を説明したものである。これら図面を用いて、本実施形態の測定方法について説明する。図1は、測定対象物である鉄骨Tの斜視図である。図1に示されるとおり、この鉄骨Tは、I形鋼である。この鉄骨Tは、原点Sに位置決めマーカMが添付されている。また、サブマーカSMが、原点Sから所定間隔(例えば50cm)ごとに添付されている。鉄骨Tには、そのウエブに付属物Hが付加されている。
この鉄骨Tは、数メートルあり、一般のAR(Augmented Reality)メジャーまたはスマートメジャーで測定することが困難である。
そのため、複合現実感による映像を提供する装置を利用して鉄骨Tの一部を撮影し、概略測定値を取得することで、ARメジャー等で測定する範囲を小さくする。なお、本実施形態におけるARメジャーとは、カメラで撮影した測定対象物の指定した範囲を測定する機能を示す。一般的に、ARメジャー機能は、スマートフォンなどで撮影した測定対象物との距離を、カメラの測距機能で測定し、その測定した距離に基づいて、測定対象物を測定することができる。
図2は、ユーザUに複合現実感による映像を提供する画像表示装置100を用いた測定過程を示す図である。図2においては、ユーザUは、移動しながら、画像表示装置100を利用して、鉄骨Tの位置決めマーカMを始点にして測定開始基準位置Pまでを撮影する。画像表示装置100は、自己位置姿勢推定機能を有しており、鉄骨Tの測定を開始すると、鉄骨Tと画像表示装置100との位置関係を推定する。この自己位置姿勢機能は、公知の技術であって、例えばSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)と呼ばれる技術を利用することにより実現される。
本実施形態においては、画像表示装置100は、自己位置姿勢推定機能を実現するために、画像表示装置100が撮影した位置決めマーカMを撮影することで、画像表示装置100と鉄骨Tとの初期位置における相対位置関係を把握することができる。すなわち、画像表示装置100は、自己位置姿勢推定機能により、画像表示装置100の位置情報および位置決めマーカMの位置情報を算出することができる。これら位置情報は、相対的な情報であり、位置決めマーカMの位置情報を原点(0,0)とした場合、画像表示装置100の位置情報(X,Y)を算出する。位置決めマーカMの形状および大きさの情報は予め画像表示装置100は有している。
その後、ユーザUは、鉄骨Tの測定方向に対して平行移動しながら当該鉄骨Tを撮影する。その撮影した鉄骨Tの映像に基づいて、鉄骨Tと画像表示装置100との位置関係を算出することができる。鉄骨Tの撮影方向に応じてその形状(見え方)が変わることから、どの方向の、どれぐらいの距離から撮影したのかを把握することができる。よって、画像表示装置100は、鉄骨Tの位置決めマーカMを原点として移動後の位置(X1,Y1)を算出することができる。また、同様に鉄骨Tのユーザが指定した位置(X2、Y2)を算出することができる。
なお、自己位置姿勢推定機能は、上述の方法に限るものではなく、測定対象物との位置関係を推定することができるものであればよい。例えば、レーザートラッカーなどを利用してもよい。
画像表示装置100は、自己位置姿勢推定機能を用いて、サブマーカSM3の位置を推定し、測定開始基準位置Pとする。この測定開始基準位置Pは、自己位置姿勢推定機能により測定されたものであることから、誤差を含んでいる。
なお、サブマーカSM3の位置の推定は、ユーザU(画像表示装置100)の移動先の位置に基づいて行われる。すなわち、サブマーカSMは所定間隔ごとにおかれているため、ユーザUの位置に基づいて、最も近いサブマーカSMの位置は一義的に決まる。例えば、ユーザUの位置が、原点Sから1.5mであった場合、最も近いサブマーカSMは、原点Sから1.5mの位置と推定できる。画像表示装置100は原点Sから1.5mの位置を自己位置姿勢推定機能により、算出することができる。なお、サブマーカSMは50cmごとに配置されているとする。
説明の便宜上、上記のような説明をしたが、自己位置姿勢推定機能を利用するため、最も近いサブマーカSMの推定位置(測定開始基準位置P)は、座標情報(X2、Y2)で得られる。なお、サブマーカSM自体を認識してもよいし、ユーザが当該サブマーカSMをタップ等してもよい。
画像表示装置100は、測定開始基準位置Pの最も近くにあるサブマーカSM3を画像認識技術によって認識し、測定開始位置S2として認識する。なお、本実施形態においては、測定開始基準位置Pは座標情報で表されるが、測定開始位置S2は測定の起点として視覚的に示されるものである。
図3に示されるように、画像表示装置100は、測定開始位置S2に相当するサブマーカSM3を含めて撮影する。この撮影した画像は、確認用画像X1として記憶される。
図4は、サブマーカSM3の測定開始位置S2を用いてARメジャーにて測定する処理を示す。図4に示されるように、画像表示装置100は、ARメジャー機能により測定開始位置S2から付属物H(ガゼットプレート)までの距離L1を測定する。付属物Hは、ユーザが画像表示装置100を操作することにより指定される。その際、画像表示装置100は、付属物Hを含んだ鉄骨Tの画像を確認用画像X2として撮影し、記憶する。
そして、画像表示装置100は、原点Sから測定開始基準位置Pまでの距離Lを算出する。そして、距離Lと、ARメジャーにより測定された距離L1とを合計して、距離L2を算出する。なお、測定開始位置S2が測定対象位置S3より原点Sから遠くにあった場合には距離Lから距離L1を減算して距離L2を算出する。この距離L2は、原点Sから付属物Hまでの長さを示す。距離L2を複合現実感にて表示することで、測定値と測定箇所とをわかりやすく対応付ける。また、原点Sおよび測定開始基準位置Pは、自己位置姿勢推定機能により測定された位置である。ユーザが移動することによりこれら位置情報は誤差を含むことになるが、相対的な位置関係は変わらないことから、概略的な距離Lを算出する際には、原点Sと測定開始基準位置Pとの距離を測定する。
図5に示すように、表示部106は、測定ミスの判断のため、複合現実感により確認用画像X1および確認用画像X2が合成された映像を表示する。
このようにして、鉄骨Tにおける測定対象を概略的に測定し、詳細な部分については、ARメジャーなど緻密な測定方法を利用することで、ARメジャーなどでは測定が困難な大きな測定対象物の測定を可能にする。
上記説明した測定方法について、その測定方法を実行する画像表示装置100について説明する。図6は、画像表示装置100の機能構成を示すブロック図である。図6に示されるとおり、画像表示装置100は、カメラ101(撮影部)、自己位置姿勢推定部102(原点算出部、位置導出部)、概略測定部103(概略測定値算出部)、電子的測定部104(位置特定部、電子的測定値取得部)、測定値算出部105、表示部106(測定開始位置表示部、確認用画像表示部、測定値表示部)、および記憶部108(操作記憶部)を含んで構成されている。この画像表示装置100は、タブレット型の装置であって、カメラ101が撮影した鉄骨T等を表示部106に表示することができる。なお、タブレット型の装置に限るものではなく、ユーザの頭部に装着するゴーグル型の装置としてもよい。また、シースルー型のグラスに複合現実感機能を有したものとしてもよい。
カメラ101は、測定対象物である鉄骨Tを撮影する部分である。撮影した映像データは、表示部106に送られ表示される。
自己位置姿勢推定部102は、カメラ101が撮影した映像データに基づいて、測定対象物である鉄骨Tと、自装置との位置関係を推定する部分である。上述したとおり、自己位置姿勢推定部102は、カメラ101が撮影した鉄骨Tに付加されている位置決めマーカMに基づいて、鉄骨Tの位置情報および自装置の位置情報を推定する。また、自己位置姿勢推定部102は、ユーザ(画像表示装置100)が移動すると、カメラ101が撮影した映像データに基づいて、移動後の画像表示装置100の位置を推定する。また、自己位置姿勢推定部102は、カメラ101が撮影した鉄骨Tの任意の部分(測定開始基準位置P)の位置を推定する。
概略測定部103は、自己位置姿勢推定部102により推定された鉄骨Tの位置決めマーカMにより定められた原点Sから測定開始基準位置Pまでの距離を測定する。上述したとおり、原点Sは位置決めマーカMに基づいて自己位置姿勢推定部102により算出される。測定開始基準位置Pは、ユーザUがサブマーカSMの近傍に移動して、そのサブマーカSMの推定位置として自己位置姿勢推定部102により算出される。
電子的測定部104は、測定開始基準位置Pに最も近いサブマーカSMを認識することにより求められた測定開始位置S2から測定対象位置S3までの距離を測定する。測定開始位置S2は、カメラ101により撮影されたサブマーカSMに基づいて指定される。ここでの電子的測定部104は、いわゆるAR(Augmented Reality)メジャーといわれる測定部であり、対象物までの距離と、カメラ101で撮影した映像データに基づいて、映像データ上で指定された範囲の距離を測定することができる。
測定値算出部105は、概略測定部103により測定された概略測定値と、電子的測定部104により測定された測定値とを合計することで、測定対象物の指定した範囲の測定値を取得することができる。
表示部106は、複合現実感による映像をユーザに提供する部分であり、現実空間にある測定対象物に対して、現実空間の所定位置に仮想的に配置した仮想画像を合成して表示する部分である。また、表示部は、測定開始位置を示す画像、確認用画像X1、X2、および最終測定値である距離L2を表示してもよい。本実施形態においては、タッチパネルの機能も有しており、ユーザにより表示されている部分を特定可能に構成されている。
記憶部108は、測定作業を仮想画像とともに動画データで記憶し、また撮影された各測定箇所の画像データを記憶する部分である。
このように構成された画像表示装置100の動作について説明する。図7は、画像表示装置100の動作を示すフローチャートである。
自己位置姿勢推定部102は、カメラ101により撮影された鉄骨Tの位置決めマーカMに基づいて、初期位置の設定を行う。この初期位置は、測定対象物である鉄骨Tと画像表示装置100との位置関係を示すための位置情報である。また、自己位置姿勢推定部102は、位置決めマーカMの位置である原点Sを設定する(S101)。これら位置情報は、例えば、位置決めマーカMを原点S(0,0)とし、画像表示装置100の位置を(X,Y)とする。
ユーザU(画像表示装置100)は、概略測定のために鉄骨Tに沿って移動し、サブマーカSMの近辺まで移動する。 概略測定部103は、移動した画像表示装置100に最も近いサブマーカSMを推定し、その位置を測定開始基準位置Pとして記録する(S102)。その際、複合現実感により、測定開始位置を示す画像(矢印画像など)を重畳表示する。この測定開始基準位置Pは、自己位置姿勢推定部102に測定された位置である。
電子的測定部104は、測定開始基準位置Pに最も近いサブマーカSMを画像処理により認識し、このサブマーカSMを測定開始位置S2として特定する(S103)。
カメラ101は、サブマーカSMを含む鉄骨Tを撮影して、確認用画像X1を取得して、記憶部108はこれを記憶する(S104)。
電子的測定部104は、測定開始位置S2から測定対象位置S3までの距離L1を測定する(S105)。測定対象位置S3は、ユーザにより指定された地点である。本実施形態では、測定対象物である鉄骨Tのガゼットプレートであり、ユーザにより表示部106をタップすることにより特定される。この電子的測定部104は、例えば、ARメジャーであり、カメラ101が撮影した映像データに基づいて、電子的に測定することができる機能を有する。
カメラ101は、測定対象位置S3を含む鉄骨Tを撮影した確認用画像X2を取得し、記憶部108はこれを記憶する(S106)。
測定値算出部105は、原点Sから測定開始基準位置Pまでの距離Lと、距離L1とを合計して、測定結果L2を算出する(S107)。測定開始位置S2が、原点Sを起点にして測定終了位置より遠くにあった場合には距離Lから距離L1を減算して距離L2を算出する。表示部106は、複合現実感により鉄骨Tに測定結果を合成して表示する(S108)。さらに表示部106は、測定開始位置S2を認識した際の確認用画像X1および測定対象位置S3を測定した際の確認用画像X2を、測定結果とともに表示する(S109)。
これにより、正確な測定値を得ることができるとともに、一般的なメジャーを利用した際における測定値の転記ミスなどを防止することができる。
つぎに変形例について説明する。上記実施形態は、電子的測定部104として、ARメジャーを利用したが、これに限るものではない。スマートメジャーまたはレーザー距離計など、画像表示装置100の機能外の装置を利用してもよい。この変形例においては、ゴーグル型の装置を想定している。すなわち、ユーザの頭部に装着するHMD型が好ましい。図8および図9を用いてその変形例における測定方法について説明する。これら図は、複合現実感による測定処理を模式的に示した図である。
図8(a)に示すように、ユーザUは、ゴーグル型の画像表示装置100aを装着している。この画像表示装置100aは、鉄骨Tを測定対象として、測定処理を行う。図8(b)に示すように、この画像表示装置100aは、鉄骨Tを撮影しつつ、自己位置姿勢推定機能に基づいて測定開始基準位置Pを算出し、そして測定開始位置S2を特定する。これら位置の算出・特定方法は上述の通りである。画像表示装置100aは、測定開始基準位置Pの位置を示すために、「測定開始位置」を示すメッセージを表示部106に表示する。このメッセージは、いわゆる複合現実感により合成処理されて表示される。
図9(a)に示すように、ユーザUは、このメッセージに従って、スマートメジャー200を用いて、サブマーカSM3を認識することで得られた測定開始位置S2から所望の測定対象位置S3(ここでは付属物Hの位置)まで測定する。図9(b)に示すように、画像表示装置100aは、原点Sから測定開始基準位置Pまでの距離Lを算出する。また、スマートメジャー200は、測定開始位置S2から測定対象位置S3までの距離L1を算出する。画像表示装置100aは、スマートメジャー200が測定した距離L1を取得することで、これら距離LおよびL1に基づいて距離L2を算出することができる。
ユーザUは、ゴーグル型の画像表示装置100aを装着することで、スマートメジャー200を操作することができる。したがって、鉄骨Tの測定開始位置S2を、スマートメジャー200の測定起点とすることができる。
この画像表示装置100aは、機能構成は画像表示装置100とほぼ同じである。異なる点は、電子的測定部104はなく、スマートメジャー200から測定値を受信するために近距離無線部107(測定値取得部)を有する点にある。なお、図示しない画像処理部が、位置特定部として機能する電子的測定部104と同等の処理を行うことで、サブマーカSMを認識し、そして測定開始位置S2を特定する。
図10はその機能構成を示す図である。画像表示装置100aにおいて、自己位置姿勢推定部102および概略測定部103が距離Lを測定する。近距離無線部107は、ブルートゥースなどでの通信を行う。近距離無線部107は、距離Lを測定した後、所定時間内に(または所定操作などの所定条件のもと)、スマートメジャー200から数値情報を受信した場合、測定値算出部105は、その数値情報を距離L1と扱う。そして、測定値算出部105は、これら距離LおよびL1を合算することで、距離L2を算出することができる。
上述の画像表示装置100およびその変形例の画像表示装置100aは、ARメジャーまたはスマートメジャー200により測定される鉄骨Tを、複合現実感による合成処理を行いつつ、カメラ101を用いて撮影し、録画する録画部(図示せず)を有してもよい。また、画像表示装置100および画像表示装置100aは、録画のための操作部(図示せず)を備え、測定開始のための操作を行ってから録画部による録画を所定秒間行うようにしてもよい。また、操作の前後数秒間を録画してもよい。なお、録画部は、常に録画処理を行い、その操作の前後数秒間を記憶するようにしてもよい。
ARメジャー、またはスマートメジャー200は一例であり、そのほかの電子的測定値を取得することができる測定装置であればよい。例えば、レーザー距離計でもよい。また、画像表示装置100がメジャーの測定文字を画像認識で読み取ることにより電子的測定値を取得してもよい。また、メジャーが音声読み上げをする機能を有している場合には、画像表示装置100が、メジャーが読み上げた測定値を音声認識で読み取ることにより電子的測定値を取得してもよい。
つぎに、本実施形態の測定装置である画像表示装置100の作用効果について説明する。画像表示装置100は、測定対象物である鉄骨Tを撮影するカメラ101を備える。そして、自己位置姿勢推定部102は、カメラ101により撮影された、鉄骨Tに付加された位置決めマーカM(指定部分)に基づいて測定対象物の原点Sを算出する。また、自己位置姿勢推定部102は、鉄骨Tの概略測定値を取得するための測定開始基準位置Pを導出する。また一方で、電子的測定部104は、位置特定部として機能して、測定開始基準位置Pの近傍のサブマーカSM(基準位置)を画像処理により認識し、それを測定開始位置S2とする。
概略測定部103は、原点Sから測定開始基準位置Pまでの概略測定値を算出する。また、電子的測定部104は、測定開始位置S2から、測定対象物における任意の位置である測定対象位置S3までの距離L1を示す電子的測定値を取得する。誤差を考慮しない場合には、測定開始基準位置Pから測定対象位置S3までの距離を測定してもよい。
なお、画像表示装置100においては、ARメジャーなどの映像処理の手法により電子的測定を取得できる。また、変形例の画像表示装置100aにおいては、スマートメジャー200から得た測定を取得することができる。
測定値算出部105は、概略測定値である距離Lおよび電子的測定値である距離L1に基づいて、測定対象物に対する最終測定値である距離L2を算出する。
この画像表示装置100によれば、装置内おいて、測定値を取得し、計算することで、測定対象物の測定値を取得することができる。
なお、カメラ101および自己位置姿勢推定部102による測定開始基準位置Pの導出処理は必須ではない。概略測定部103は、鉄骨Tに、位置決めマーカM(指定部分)およびサブマーカSM(基準部分)を添付しておき、それらのみを利用して、位置決めマーカMからユーザが指定したサブマーカSMまでの距離を概略測定値として測定してもよい。この場合、指定したサブマーカSMの位置が測定開始位置に相当することになる。この場合、サブマーカSMが、それぞれ別の柄または色などで互いを識別可能とし、移動中に認識される必要がある。サブマーカSMは、所定間隔ごとに並んで添付されていることを前提としているため、サブマーカSMの個数とその間隔に基づいて概略測定値を算出することができる。なお、位置決めマーカMは必ずしも、鉄骨Tの端部に添付するものではない。測定範囲の起点をしめすものであればよい。
また、画像表示装置100において、電子的測定部104は、測定開始基準位置Pおよび予め定められた間隔ごとに鉄骨Tに配置されたサブマーカSMに基づいて、測定開始位置S2を導出する。電子的測定部104は、測定開始位置S2を測定の起点として、電子的測定値である距離L1を取得する。すなわち、自己位置姿勢推定部102は、概略測定対象となるサブマーカSMを推定して、その位置を測定開始基準位置Pとする。電子的測定部104は、測定開始基準位置Pに最も近いサブマーカSMを画像認識して、その位置を測定開始位置S2とする。よって、測定開始位置S2を導出できる。
これにより、正確な距離L1を取得できる。測定開始基準位置Pは、自己位置姿勢推定により得られたものであることから、ユーザの移動に伴って誤差が生じる。そして、サブマーカSMに基づいた測定開始位置S2とS3との間の正確な距離L1を求め、測定開始基準位置Pの論理的な位置を加算することで、正確なL2を簡単に求めることができる。
画像表示装置100において、表示部106は、測定開始基準位置Pであることを示すメッセージを表示する。測定開始基準位置Pと測定開始位置S2とは、ほとんど同じ位置を示している。よって、ユーザは、このメッセージに基づいて、測定開始位置S2から前記任意の位置までの距離を、電子的測定手段を用いて測定可能にさせる。特に変形例における画像表示装置100aにおいては、メッセージを表示することで、スマートメジャー200の測定開始位置を正確にすることができる。
また、画像表示装置100は、カメラ101により撮影された、測定時における測定開始位置S2および測定対象位置S3の少なくとも一つを含んだ鉄骨Tを確認用画像X1またはX2として記憶する確認用画像記憶部である記憶部108をさらに備える。表示部106は、最終測定値である距離L2および確認用画像X1およびX2を表示する。
これにより、どのような状態において距離L2が得られたのかユーザ、そのほかの測定者は把握することができる。例えば、付属物Hのずれなどにより距離L2が大きくずれていた場合などでの測定ミスを容易に発見することができる。
また、記憶部108は、カメラ101により撮影された鉄骨Tに対する測定操作を動画データとして記憶する。特に、記憶部108は、ユーザが測定操作を行った時を基準にした前後所定時間の動画データを記憶する。
これにより、測定ミスの発見を容易にする。
また、画像表示装置100および画像表示装置100aにおいて、自己位置姿勢推定部102を用いて、SLAMなどの自己位置姿勢推定機能を用いて測定開始基準位置を取得する。これにより、位置測定を容易にする。
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態における画像表示装置100、100aなどは、本開示の測定方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図11は、本開示の一実施の形態に係る画像表示装置100、100aのハードウェア構成の一例を示す図である。上述の画像表示装置100、100aは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。画像表示装置100、100aのハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
画像表示装置100、100aにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の自己位置姿勢推定部102、概略測定部103、電子的測定部104などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、画像表示装置100の自己位置姿勢推定部102、概略測定部103、電子的測定部104は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る測定方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、画像表示装置100、100aは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。