JP7327747B2 - 箱型擁壁 - Google Patents

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Description

本発明は、箱型擁壁に関するものである。
箱型擁壁は、特許文献1に記載のように、表面板と控板とこれらを連結する2つの繋ぎ板とを含むコンクリート製の箱型ブロックを左右方向に複数並べ、その表面板から法面までの空所に単粒度砕石(粒径40mm程度)等の粒状充填材を充填して一つの段を構成し、この段を下から上へ複数段にかつ階段状に積み上げて構築される。
箱型擁壁は、箱型ブロックどうしを左右・上下に結合する構造を持っておらず、箱型ブロックに充填されて拘束された粒状充填材が上下・左右に噛み合うことにより、各箱型ブロックはわずかには動きうるが大きくは動かないようにされた、「可撓性を有するもたれ式擁壁」であることが大きな特長である。地震の際には、箱型ブロックのわずかな動きが許容されることで箱型ブロックにかかる力が緩和されて箱型ブロック破損が防止され、かつ、箱型ブロックの大きな動きが防止されることで、擁壁全体の形状が維持されるようになっている。
しかし、近年、震度の大きな地震が幾つも発生している。2007年に発生し震度6強を記録した新潟中越沖地震では、箱型擁壁においても、左右方向に隣り合う箱型ブロックの表面板間の目地が開き、箱型擁壁の要である粒状充填材が前方へこぼれ出すことがあった。
そこで、新潟中越沖地震以降、箱型擁壁では、先に特許文献2で提案したように、表面板間の目地の直後に網状体である防護材(例えば商品名「ネトロンシート」)を設置して、該目地が多少開いても、防護材が粒状充填材のこぼれ出しを防ぐ、という地震対策を標準仕様としてきた。
特許第3823075号公報 特許第4583365号公報
しかし、震度7を越えるような極めて大きな地震が発生した場合、左右に隣り合う箱型擁壁が左右離間方向に大きく動き、表面板間の目地が大きく開いて、粒状充填材が前方へ多量にこぼれ出して、箱型擁壁の機能が低下する可能性がある。また、標準仕様のとおりに防護材を設置していても、表面板裏面と固定していない防護材に表面板間の目地が開くのを止める働きはないから、大きく開いた目地から防護材すらも前へ押し出されて、粒状充填材が前方へこぼれ出す可能性がある。
そこで、本発明の目的は、地震の際に、箱型ブロックの破損を防止するとともに、左右に隣り合う箱型ブロックの両表面板間の目地が大きく開かないようにして、該目地からの粒状充填材のこぼれ出しを防止又は軽減することにある。
本発明の箱型擁壁は、法面に沿って階段状に積み上げられた複数の段を含み、各段は、起立する表面板とその後方に離間して起立する控板と表面板及び控板の左右中間部どうしを繋ぐ繋ぎ板とを含み構成された箱型ブロックが法面の手前に左右に複数並べられるとともに、表面板から法面までの間の空所に粒状充填材が充填されて構築されている箱型擁壁において、
左右に隣り合う箱型ブロックの左右離間方向の相対的な移動を、所定移動量までは許容するが、所定移動量を越えないように制限する、移動制限構造を設けたことを特徴とする。
ここで、所定移動量としては、特に限定されないが、20~150mmの範囲内で設定されることが好ましく、30~120mmの範囲内で設定されることが好ましい。所定移動量が20mm未満では、箱型擁壁の特長である可撓性が低下する。
さらに、本発明の箱型擁壁は、特許文献2のように、左右に隣り合う箱型ブロックの両表面板の裏面に、両表面板の相互間を跨いであてがわれる前面部と、前面部の下端から表面板と控板との間の空所の底面に沿って後方へ延びる底面部とを備え、少なくとも底面部は粒状充填材が突出可能な大きさの網目を備えた網状体である防護材を設置することが好ましい。
このように防護材を設置する場合、所定移動量は30~150mmの範囲内で設定されることが好ましい。
移動制限構造としては、特に限定されないが、次の態様を例示できる。
[A]移動制限構造は、左右に隣り合う箱型ブロックの両繋ぎ板の被係止部と、前記相対的な移動が所定移動量に達した時に両繋ぎ板の被係止部に係止可能な係止体とからなる構造
この構造としては、次の態様を例示できる。
(1)両繋ぎ板の被係止部はその上面に溝が加工されておらず、係止体は上方から両繋ぎ板の被係止部にまたがるコ字形折曲鉄筋であり、コ字形折曲鉄筋の両端折曲部は両繋ぎ板の背向面との間に所定の距離をおく態様。
(2)両繋ぎ板の被係止部はその上面に溝が加工されており、係止体は上方から溝に入るとともに両繋ぎ板の被係止部にまたがるコ字形折曲鉄筋であり、コ字形折曲鉄筋の両端の折曲部は両繋ぎ板の背向面との間に所定の距離をおく態様。
(3)両繋ぎ板の被係止部のうち少なくとも一方はその上面から挿入孔が加工されており、係止体は上方から両繋ぎ板の被係止部にまたがるコ字形折曲鉄筋であり、コ字形折曲鉄筋の一端の折曲部は一方の繋ぎ板の挿入孔に挿入され、コ字形折曲鉄筋の他端の折曲部は他方の繋ぎ板の背向面との間に所定の距離をおく態様。
(4)両繋ぎ板の被係止部はその上面に溝が加工されており、両繋ぎ板の被係止部のうち少なくとも一方はその上面から挿入孔が加工されており、係止体は上方から溝に入るとともに両繋ぎ板の被係止部にまたがるコ字形折曲鉄筋であり、コ字形折曲鉄筋の一端の折曲部は一方の繋ぎ板の挿入孔に挿入され、コ字形折曲鉄筋の他端の折曲部は他方の繋ぎ板の背向面との間に所定の距離をおく態様。
(5)両繋ぎ板の被係止部はその下面に溝が加工されており、両繋ぎ板の被係止部のうち少なくとも一方はその下面から挿入孔が加工されており、係止体は下方から溝に入るとともに両繋ぎ板の被係止部にまたがるコ字形折曲鉄筋であり、コ字形折曲鉄筋の一端の折曲部は一方の繋ぎ板の挿入孔に挿入され、コ字形折曲鉄筋の他端の折曲部は他方の繋ぎ板の背向面との間に所定の距離をおく態様。
(6)両繋ぎ板の被係止部はその上面に被係止鉄筋が突設されており、係止体は上方から両繋ぎ板の被係止鉄筋にまたがる両端フック付鉄筋であり、両端フック付鉄筋の一端のフック部は一方の繋ぎ板の被係止鉄筋に左右方向に動かないように係止されるか又は左右方向に動くように掛着され、両端フック付鉄筋の他端のフック部は他方の繋ぎ板の被係止鉄筋に動くように掛着された態様。
[B]移動制限構造は、左右に隣り合う箱型ブロックの両表面板の被係止部と、前記相対的な移動が所定移動量に達した時に両表面板の被係止部に係止可能な係止体とからなる構造
この構造としては、次の態様を例示できる。
(1)両表面板の被係止部はその後面に被係止鉄筋が突設されており、係止体は後方から両表面板の被係止鉄筋にまたがる孔付プレートであり、孔付プレートの左右一方の長孔には一方の表面板の被係止鉄筋が左右スライド可能に挿入され、孔付プレートの左右他方の単純孔には他方の表面板の被係止鉄筋が挿入された態様。
(2)両表面板の被係止部はその後面に被係止鉄筋が突設されており、係止体は後方から両表面板の被係止鉄筋にまたがる両端フック付鉄筋であり、両端フック付鉄筋の一端のフック部は一方の表面板の被係止鉄筋に左右方向に動かないように係止されるか又は左右方向に動くように掛着され、両端フック付鉄筋の他端のフック部は他方の表面板の被係止鉄筋に動くように掛着された態様。
<作用>
移動制限構造は、左右に隣り合う箱型ブロックの左右離間方向の相対的な移動を、所定移動量までは許容する。この移動の許容により、地震の際に、箱型ブロックにかかる力が緩和されて、箱型ブロックの破損が防止される。
移動制限構造は、左右に隣り合う箱型ブロックの左右離間方向の相対的な移動を、所定移動量を越えないように制限する。この移動の制限により、地震の際に、表面板間の目地が大きく開かないため、該目地からの粒状充填材のこぼれ出しが防止又は軽減される。
本発明によれば、地震の際に、箱型ブロックの破損を防止するとともに、左右に隣り合う箱型ブロックの両表面板間の目地が大きく開かないようにして、該目地からの粒状充填材のこぼれ出しを防止又は軽減することができる。
図1は実施例1の箱型擁壁を(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。 図2は同箱型擁壁の断面図である。 図3は同箱型擁壁の箱型ブロックを示し、(a)は移動制限部材を設置する前の側面図、(b)は左右に隣り合う箱型ブロックのIIIb-IIIb断面図、(c)は移動制限部材を設置した後の側面図、(d)は同じく断面図、(e)は両箱型ブロックが左右離間方向に移動したときの断面図である。 図4は実施例2の箱型擁壁の箱型ブロックを示し、(a)は移動制限部材を設置する前の側面図、(b)は左右に隣り合う箱型ブロックのIVb-IVb断面図、(c)は移動制限部材を設置した後の側面図、(d)は同じく断面図、(e)は両箱型ブロックが左右離間方向に移動したときの断面図である。 図5は実施例3の箱型擁壁の箱型ブロックを示し、(a)は移動制限部材を設置する前の側面図、(b)は左右に隣り合う箱型ブロックのVb-Vb断面図、(c)は移動制限部材を設置した後の側面図、(d)は同じく断面図、(e)は両箱型ブロックが左右離間方向に移動したときの断面図である。 図6は実施例4の箱型擁壁の箱型ブロックを示し、(a)は移動制限部材を設置する前の側面図、(b)は左右に隣り合う箱型ブロックのVIb-VIb断面図、(c)は移動制限部材を設置した後の側面図、(d)は同じく断面図、(e)は両箱型ブロックが左右離間方向に移動したときの断面図である。 図7は実施例5の箱型擁壁の箱型ブロックを示し、(a)は移動制限部材を設置する前の側面図、(b)は左右に隣り合う箱型ブロックのVIIb-VIIb断面図、(c)は移動制限部材を設置した後の側面図、(d)は同じく断面図、(e)は両箱型ブロックが左右離間方向に移動したときの断面図である。 図8は実施例6の箱型擁壁の箱型ブロックを示し、(a)は移動制限部材を設置する前の側面図、(b)は左右に隣り合う箱型ブロックのVIIIb-VIIIb断面図、(c)は移動制限部材を設置した後の側面図、(d)は同じく断面図、(e)は両箱型ブロックが左右離間方向に移動したときの平面図である。 図9は実施例7の箱型擁壁の箱型ブロックを示し、(a)は移動制限部材を設置する前の左右に隣り合う箱型ブロックの背面図、(b)は移動制限部材を設置した後の背面図、(c)は両箱型ブロックが左右離間方向に移動したときの平面図である。 図10は実施例8の箱型擁壁の箱型ブロックを示し、(a)は移動制限部材を設置する前の左右に隣り合う箱型ブロックの背面図、(b)は移動制限部材を設置した後の背面図、(c)は両箱型ブロックが左右離間方向に移動したときの平面図である。
1、粒状充填材
粒状充填材としては、特に限定されないが、砕石、栗石等を例示でき、単粒度砕石が好ましい。より具体的には次のものを例示できる。
・道路用砕石:JIS A5001-2008、S-30(4号)30~20mm、S-40(3号)40~30mm、S-60(2号)60~40mm
・コンクリート用砕石:JIS A5005-2009、砕石4020
・割ぐり石:JIS A5006-1995、粒径50~150mm
2.鉄筋
上記例示のコ字形折曲鉄筋や両端フック付鉄筋に用いる鉄筋としては、特に限定されないが、D10以上の鉄筋が好ましく、D13以上の鉄筋がより好ましい。
大地震時に、左右に隣り合う箱型擁壁が左右離間方向に移動しようとするとき、該移動に粒状充填材の噛み合いが抵抗するから、D10の鉄筋でも破断することなく該移動を制限できる(地震時の慣性力に抵抗できる)。しかし、安定計算の見地からは、粒状充填材の噛み合いは無いものとして、移動制限部材のみで該移動を制限できる強度を持たせることが好ましいため、D13以上がより好ましい。
3.繋ぎ板の被係止部の位置
繋ぎ板の被係止部の位置は、特に限定されないが、繋ぎ板の前後長におけるむ前半の範囲内に設定されることが好ましい。表面板に近い方が、目地の開きを抑制しやすいからである。
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、実施例の構造及び各部の形状寸法は例示であり、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更できる。
[実施例1]
図1~図4に示す実施例1の箱型擁壁は、法面10の手前に設けられた基礎13と、その基礎13の上に法面10に沿って階段状に積み上げられた複数の段z1,z2とからなる。
基礎13は、法面10の手前の地盤11に溝12を掘削し、その溝12に粗粒状基礎材14を基礎用ネット15で巻き囲んで形成されている。粗粒状基礎材14には、例えば単粒度砕石S-40(3号)が用いられている。基礎用ネット15には、粗粒状基礎材14の平均粒径より小さくかつ粗粒状基礎材14の一部が突出可能な大きさの網目単位を持つ樹脂製のジオグリッドが用いられている。
各段z1,z2は、箱型ブロック1が法面10の手前に左右に複数並べられるとともに、表面板2から法面10までの間の空所6,7,8に粒状充填材9が充填されることで構築されている。
箱型ブロック1は、図2に示すように、起立した表面板2と、表面板2より奥へ離間して起立した控板3と、表面板2の左右方向途中部と控板3の左右方向途中部とを連結する一対の繋ぎ板4、4とが、コンクリートで一体的にプレキャストされてなる。
表面板2は、左右長さ約2000mm、高さ約1000mm、厚さ約120mmの長方形板であり、その表面には例えば石垣模様、溝模様等の模様が設けられ、左右の側端面の上部及び下部には、水抜きスリット形成用の浅い凹部5が形成されている。控板3は、左右長さ約1860mm、高さ約500mm、厚さ約120mmの長方形板である。一対の繋ぎ板4,4は、それぞれ前後長さ約1010mm、高さ約500mm(但し、表面板2に結合する前部分のみは高さ約900mmに増加した補強部4aとなっている)、厚さ約100mmの板である。箱型ブロック1の重さは約1300kgである。
控板3及び繋ぎ板4,4の各下端面は、表面板2の下端面と同じレベルに合わせられている。両繋ぎ板4,4は左右に約1000mmの相互間隔をおいて平行に対峙しており、その中央位置と表面板2の左右方向中央位置と控板3の左右方向中央位置とは前後に合わせられている。従って、各繋ぎ板4,4の外側面に対し、表面板2は近い方の側端面までが約400mm突出しており、控板3は近い方の側端面までが約330mm突出している。表面板2と控板3と一対の繋ぎ板4、4とで囲まれた平面四角形の中央空所6を備える。表面板2の突出部と控板3の突出部と各繋ぎ板4,4とで囲まれた平面コ字形の側部凹所7を備える。また、控板3と法面10との間に後方空所8が形成される。前記のとおり、これらの空所6,7,8に粒状充填材9が充填されている。粒状充填材9には、例えば単粒度砕石S-40(3号)が用いられている。
防護材16は、左右に連なる2つの表面板2,2の相互間に隙間gができた際に該隙間gから粒状充填材9が流出するのを防止するためのものであり、左右に連なる2つの表面板2,2の裏面に両表面板2,2の相互間を跨いであてがわれる前面部17と、該前面部17の下端から屈曲して側部空所7の底面に沿って後方へ延びる底面部18とから構成されている。防護材16は、樹脂製の網状体(例えば商品名「ネトロンシート」)を曲げて形成されており、その網目の大きさは、粒状充填材9が突出可能な大きさ、よって、該網目を通して粒状充填材9が噛み合い得る大きさとなっている。この噛み合いにより、防護材16の底面部18は上下の粒状充填材9の間に拘束される。
防護材16の寸法は、前面部17の上下長が約1000mm、前面部17及び底面部18の左右長が約500mm、底面部18の前後の長さが約300mmである。防護材は、前面部17の左右の中央を両表面板2,2の相互間に合わせて設置されるから、前面部17と左右の各表面板2,2との重なり幅はそれぞれ約250mmとなる。
さて、本実施例1では、左右に隣り合う箱型ブロック1,1の左右離間方向の相対的な移動を、所定移動量までは許容するが、所定移動量を越えないように制限する、移動制限構造が設けられている。
移動制限構造は、左右に隣り合う箱型ブロック1,1の両繋ぎ板4,4の被係止部と、前記相対的な移動が所定移動量に達した時に両繋ぎ板4,4の被係止部に係止可能な係止体とからなる。所定移動量としては、前記のとおり30~150mmの範囲内が好ましいため、本例では例えば60mmと設定された。
図3に示すように、両繋ぎ板4,4の被係止部は、前記高さ約500mmの部分における前記補強部4aにかかる手前の上部に設定されており、これは繋ぎ板の前半の範囲内にある。被係止部はその上面に溝が加工されていない。
なお、図3に2点鎖線で示すように、両繋ぎ板4,4の被係止部を、補強部4aの上部に設定してもよい(後述する実施例2~4においても同じ)。
係止体は、上方から両繋ぎ板4,4の被係止部にまたがるコ字形折曲鉄筋20である。コ字形折曲鉄筋20は、D13の所定長の鉄筋の両端部が直角に折曲されて長さ約150mmの折曲部21,22とされたものである。両端の折曲部21,22は、両繋ぎ板4,4の背向面との間にそれぞれ30mm(所定移動量の1/2)の距離dをおく。背向面とは、隣り合う箱型ブロック1,1の互いに近い方の繋ぎ板4,4の、互いに対向する面とは反対の、互いに背を向け合う面である。
以上のように構成される箱型擁壁は、まず基礎13を設置し、基礎13の上に箱型ブロック1を左右に並べて設置し、防護材16とコ字形折曲鉄筋20を設置してから、空所6,7,8に粒状充填材9を充填して、最下段z1を構築する。次に、2段目z2以上の段を、法面10に沿って後退させながら階段状に積み上げていくことで、構築される。
以上のように構築された箱型擁壁は、震度の大きい地震が起きたとき、各箱型ブロック1が種々の方向に僅かに移動しうる。例えば、左右に隣り合う箱型擁壁1,1が左右離間方向に相対的に移動したとき、表面板2,2間の目地が僅かに開く。
このとき、防護材16が、目地からの粒状充填材9の前方へのこぼれ出しを防止する。
また、移動制限構造は、左右に隣り合う箱型ブロック1,1の左右離間方向の相対的な移動を、コ字形折曲鉄筋20の折曲部21,22と繋ぎ板4,4の背向面との距離により、所定移動量までは許容する。この移動の許容により、地震の際に、箱型ブロックにかかる力が緩和されて、箱型ブロックの破損が防止される。
そして、図3(e)に示すように(目地を見やすくするため防護材16を省いて示す。実施例2以降においても同じ)、箱型擁壁1,1が左右離間方向に大きく移動しようとするとき、表面板2,2間の目地は大きく開いて隙間gが生じる。隙間gがこれ以上大きくなると、樹脂製の防護材16すらも変形して目地から前方へ押し出されて、粒状充填材9の前方へのこぼれ出しが始まる可能性がある。
しかし、本実施例1によれば、このとき、移動制限構造のコ字形折曲鉄筋20の折曲部21,22が繋ぎ板4,4の背向面に当接・係止して、箱型ブロック1,1の左右離間方向の移動を所定移動量を越えないように制限する。この移動の制限により、前記防護材16の変形・押し出しが防止又は軽減され、防護材16による粒状充填材のこぼれ出し防止機能が維持される。
次に、移動制限構造において実施例1の箱型擁壁と相違し、その他は実施例1と共通である、実施例2~7の箱型擁壁について説明する。同箱型擁壁の全体構成については、図1及び図2と上記説明を援用する。
[実施例2]
図4に示す実施例2の箱型擁壁の移動制限構造は、両繋ぎ板4,4の被係止部と係止体とからなる点は実施例1と共通であるが、両繋ぎ板4,4の被係止部はその上面に溝23が加工されており、係止体は上方から溝23に入るとともに両繋ぎ板4,4の被係止部にまたがるコ字形折曲鉄筋20であり、コ字形折曲鉄筋20の両端の折曲部21,22は両繋ぎ板4,4の背向面との間に所定の距離dをおく態様である。
図4(e)に示すように、箱型擁壁1,1が左右離間方向に大きく移動しようとするとき、コ字形折曲鉄筋20の折曲部21,22が繋ぎ板4,4の背向面に当接・係止して、箱型ブロック1,1の左右離間方向の移動を所定移動量を越えないように制限する。コ字形折曲鉄筋20は溝23に収まっているため前後方向に動かない、という利点が加わる。
[実施例3]
図5に示す実施例3の箱型擁壁の移動制限構造は、両繋ぎ板4,4の被係止部と係止体とからなる点は実施例1と共通であるが、両繋ぎ板4,4の被係止部のうち少なくとも一方はその上面から挿入孔24が加工されており、係止体は上方から両繋ぎ板4,4の被係止部にまたがるコ字形折曲鉄筋20であり、コ字形折曲鉄筋20の一端の折曲部21は一方の繋ぎ板4の挿入孔24に挿入され、コ字形折曲鉄筋20の他端の折曲部22は他方の繋ぎ板4の背向面との間に所定の距離dをおく態様である。
図5(e)に示すように、箱型擁壁1,1が左右離間方向に大きく移動しようとするとき、コ字形折曲鉄筋20の折曲部22が繋ぎ板4の背向面に当接・係止して、箱型ブロック1,1の左右離間方向の移動を所定移動量を越えないように制限する。
[実施例4]
図6に示す実施例4の箱型擁壁の移動制限構造は、両繋ぎ板4,4の被係止部と係止体とからなる点は実施例1と共通であるが、両繋ぎ板4,4の被係止部はその上面に溝23が加工されており、両繋ぎ板4,4の被係止部のうち少なくとも一方はその上面から挿入孔24が加工されており、係止体は上方から溝23に入るとともに両繋ぎ板4,4の被係止部にまたがるコ字形折曲鉄筋20であり、コ字形折曲鉄筋20の一端の折曲部は一方の繋ぎ板4の挿入孔24に挿入され、コ字形折曲鉄筋20の他端の折曲部22は他方の繋ぎ板4の背向面との間に所定の距離dをおく態様である。
図6(e)に示すように、箱型擁壁1,1が左右離間方向に大きく移動しようとするとき、コ字形折曲鉄筋20の折曲部22が繋ぎ板4の背向面に当接・係止して、箱型ブロック1,1の左右離間方向の移動を所定移動量を越えないように制限する。コ字形折曲鉄筋20は溝23に収まっているため前後方向に動かない、という利点が加わる。
[実施例5]
図7に示す実施例5の箱型擁壁の移動制限構造は、両繋ぎ板4,4の被係止部と係止体とからなる点は実施例1と共通であるが、両繋ぎ板4,4の被係止部はその下面に溝25が加工されており、両繋ぎ板4,4の被係止部のうち少なくとも一方はその下面から挿入孔26が加工されており、係止体は下方から溝25に入るとともに両繋ぎ板4,4の被係止部にまたがるコ字形折曲鉄筋20であり、コ字形折曲鉄筋20の一端の折曲部21は一方の繋ぎ板4の挿入孔26に挿入され、コ字形折曲鉄筋20の他端の折曲部22は他方の繋ぎ板4の背向面との間に所定の距離dをおく態様である。
図7(e)に示すように、箱型擁壁1,1が左右離間方向に大きく移動しようとするとき、コ字形折曲鉄筋20の折曲部22が繋ぎ板4の背向面に当接・係止して、箱型ブロック1,1の左右離間方向の移動を所定移動量を越えないように制限する。コ字形折曲鉄筋20は溝25に収まっているため前後方向に動かない、という利点が加わる。
[実施例6]
図8に示す実施例6の箱型擁壁の移動制限構造は、両繋ぎ板4,4の被係止部と係止体とからなる点は実施例1と共通であるが、両繋ぎ板4,4の被係止部はその上面に被係止鉄筋33が突設されており、係止体は上方から両繋ぎ板の被係止鉄筋33にまたがる両端フック付鉄筋30であり、両端フック付鉄筋30の一端のフック部31は一方の繋ぎ板4の被係止鉄筋33に左右方向に動かないように係止されるか又は左右方向に動くように掛着され、両端フック付鉄筋30の他端のフック部32は他方の繋ぎ板4の被係止鉄筋33に動くように掛着された態様である。
図8(e)に示すように、箱型擁壁1,1が左右離間方向に大きく移動しようとするとき、両端フック付鉄筋30のフック部32の端が繋ぎ板4の被係止鉄筋33に係止して、箱型ブロック1,1の左右離間方向の移動を所定移動量を越えないように制限する。
[実施例7]
図9に示す実施例7の箱型擁壁の移動制限構造は、左右に隣り合う箱型ブロック1,1の両表面板2,2の被係止部と、両箱型ブロック1,1の左右離間方向の相対的な移動が所定移動量に達した時に両表面板2,2の被係止部に係止可能な係止体とからなる。
両表面板2,2の被係止部はその後面の中間高さの目地付近に設定され、被係止部には被係止鉄筋43が後向きに突設されており、係止体は後方から両表面板2,2の被係止鉄筋43にまたがる孔付プレート40であり、孔付プレート40の左右一方の単純孔41には一方の表面板2の被係止鉄筋43が挿入され、孔付プレート40の左右他方の長孔42には他方の表面板2の被係止鉄筋43が左右スライド可能に挿入された態様である。
図9(c)に示すように、箱型擁壁1,1が左右離間方向に大きく移動しようとするとき、孔付プレート40の長孔42の端に表面板2の被係止鉄筋43が係止して、箱型ブロック1,1の左右離間方向の移動を所定移動量を越えないように制限する。
[実施例8]
図10に示す実施例8の箱型擁壁の移動制限構造は、両表面板2,2の被係止部と係止体とからなる点は実施例7と共通であるが、係止体は後方から両表面板の被係止鉄筋にまたがる両端フック付鉄筋50であり、両端フック付鉄筋50の一端のフック部51は一方の表面板2の被係止鉄筋43に左右方向に動かないように係止されるか又は左右方向に動くように掛着され、両端フック付鉄筋50の他端のフック部52は他方の表面板2の被係止鉄筋43に動くように掛着された態様である。
図10(c)に示すように、箱型擁壁1,1が左右離間方向に大きく移動しようとするとき、両端フック付鉄筋50のフック部51,52の端に表面板2の被係止鉄筋43が係止して、箱型ブロック1,1の左右離間方向の移動を所定移動量を越えないように制限する。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、例えば次のように、発明の要旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することができる。
(1)防護材の上記左右幅500mmを、例えば200~400mmに縮小すること。
(2)防護材を省略して、上記所定移動量を例えば20~40mmの範囲内(より好ましくは30~40mmの範囲内)で設定すること。
1 箱型ブロック
2 表面板
3 控板
4 繋ぎ板
4a 補強部
5 凹部
6 中央空所
7 側部凹所
8 後方空所
9 粒状充填材
10 法面
16 防護材
17 前面部
18 底面部
20 コ字形折曲鉄筋
21 一端の折曲部
22 他端の折曲部
23 溝
24 挿入孔
25 溝
26 挿入孔
30 両端フック付鉄筋
31 一端のフック部
32 他端のフック部
33 被係止鉄筋
40 孔付プレート
41 単純孔
42 長孔
43 被係止鉄筋
50 両端フック付鉄筋
51 一端のフック部
52 他端のフック部
d 距離
g 隙間
z1 最下段
z2 2段目

Claims (13)

  1. 法面(10)に沿って階段状に積み上げられた複数の段(z1,z2)を含み、各段(z1,z2)は、起立する表面板(2)とその後方に離間して起立する控板(3)と表面板(2)及び控板(3)の左右中間部どうしを繋ぐ繋ぎ板(4)とを含み構成された箱型ブロック(1)が、法面(10)の手前に左右に複数並べられるとともに、表面板(2)から法面(10)までの間の空所(6,7,8)に粒状充填材(9)が充填されて構築されている箱型擁壁において、
    左右に隣り合う箱型ブロック(1)の左右離間方向の相対的な移動を、所定移動量までは許容するが、所定移動量を越えないように制限する、移動制限構造を設け、
    左右に隣り合う箱型ブロックの両表面板(2)の裏面に、両表面板(2)の相互間を跨いであてがわれる前面部(17)と、前面部(17)の下端から表面板(2)と控板(3)との間の空所(7)の底面に沿って後方へ延びる底面部(18)とを備え、少なくとも底面部(18)は粒状充填材(9)が突出可能な大きさの網目を備えた網状体である防護材(16)を設置することを特徴とする箱型擁壁。
  2. 法面(10)に沿って階段状に積み上げられた複数の段(z1,z2)を含み、各段(z1,z2)は、起立する表面板(2)とその後方に離間して起立する控板(3)と表面板(2)及び控板(3)の左右中間部どうしを繋ぐ繋ぎ板(4)とを含み構成された箱型ブロック(1)が、法面(10)の手前に左右に複数並べられるとともに、表面板(2)から法面(10)までの間の空所(6,7,8)に粒状充填材(9)が充填されて構築されている箱型擁壁において、
    左右に隣り合う箱型ブロック(1)の左右離間方向の相対的な移動を、所定移動量までは許容するが、所定移動量を越えないように制限する、移動制限構造を設け、
    移動制限構造は、左右に隣り合う箱型ブロック(1)の両繋ぎ板(4)の被係止部と、前記相対的な移動が所定移動量に達した時に両繋ぎ板(4)の被係止部に係止可能な係止体とからなり、
    係止体は両繋ぎ板(4)の被係止部にまたがるコ字形折曲鉄筋(20)であることを特徴とする箱型擁壁。
  3. 両繋ぎ板(4)の被係止部はその上面に溝が加工されておらず、コ字形折曲鉄筋(20)は上方から両繋ぎ板(4)の被係止部にまたがり、コ字形折曲鉄筋(20)の両端の折曲部(21,22)は両繋ぎ板(4)の背向面との間に所定の距離(d)をおく請求項2記載の箱型擁壁。
  4. 両繋ぎ板(4)の被係止部はその上面に溝(23)が加工されており、コ字形折曲鉄筋(20)は上方から溝(23)に入るとともに両繋ぎ板(4)の被係止部にまたがり、コ字形折曲鉄筋(20)の両端の折曲部(21,22)は両繋ぎ板(4)の背向面との間に所定の距離(d)をおく請求項2記載の箱型擁壁。
  5. 両繋ぎ板(4)の被係止部のうち少なくとも一方はその上面から挿入孔(24)が加工されており、コ字形折曲鉄筋(20)は上方から両繋ぎ板(4)の被係止部にまたがり、コ字形折曲鉄筋(20)の一端の折曲部(21)は一方の繋ぎ板(4)の挿入孔(24)に挿入され、コ字形折曲鉄筋(20)の他端の折曲部(22)は他方の繋ぎ板(4)の背向面との間に所定の距離(d)をおく請求項2記載の箱型擁壁。
  6. 両繋ぎ板(4)の被係止部はその上面に溝(23)が加工されており、両繋ぎ板(4)の被係止部のうち少なくとも一方はその上面から挿入孔(24)が加工されており、コ字形折曲鉄筋(20)は上方から溝(23)に入るとともに両繋ぎ板(4)の被係止部にまたがり、コ字形折曲鉄筋(20)の一端の折曲部(21)は一方の繋ぎ板(4)の挿入孔(24)に挿入され、コ字形折曲鉄筋(20)の他端の折曲部(22)は他方の繋ぎ板(4)の背向面との間に所定の距離(d)をおく請求項2記載の箱型擁壁。
  7. 両繋ぎ板(4)の被係止部はその下面に溝(25)が加工されており、両繋ぎ板(4)の被係止部のうち少なくとも一方はその下面から挿入孔(26)が加工されており、コ字形折曲鉄筋(20)は下方から溝(25)に入るとともに両繋ぎ板(4)の被係止部にまたがり、コ字形折曲鉄筋(20)の一端の折曲部(21)は一方の繋ぎ板(4)の挿入孔(26)に挿入され、コ字形折曲鉄筋(20)の他端の折曲部(22)は他方の繋ぎ板(4)の背向面との間に所定の距離(d)をおく請求項2記載の箱型擁壁。
  8. 法面(10)に沿って階段状に積み上げられた複数の段(z1,z2)を含み、各段(z1,z2)は、起立する表面板(2)とその後方に離間して起立する控板(3)と表面板(2)及び控板(3)の左右中間部どうしを繋ぐ繋ぎ板(4)とを含み構成された箱型ブロック(1)が、法面(10)の手前に左右に複数並べられるとともに、表面板(2)から法面(10)までの間の空所(6,7,8)に粒状充填材(9)が充填されて構築されている箱型擁壁において、
    左右に隣り合う箱型ブロック(1)の左右離間方向の相対的な移動を、所定移動量までは許容するが、所定移動量を越えないように制限する、移動制限構造を設け、
    移動制限構造は、左右に隣り合う箱型ブロック(1)の両繋ぎ板(4)の被係止部と、前記相対的な移動が所定移動量に達した時に両繋ぎ板(4)の被係止部に係止可能な係止体とからなり、
    両繋ぎ板(4)の被係止部はその上面に被係止鉄筋(33)が突設されており、係止体は上方から両繋ぎ板(4)の被係止鉄筋(33)にまたがる両端フック付鉄筋(50)であり、両端フック付鉄筋(50)の一端のフック部(51)は一方の繋ぎ板(4)の被係止鉄筋(33)に左右方向に動かないように係止されるか又は左右方向に動くように掛着され、両端フック付鉄筋(50)の他端のフック部(52)は他方の繋ぎ板(4)の被係止鉄筋(33)に動くように掛着されたことを特徴とする箱型擁壁。
  9. 法面(10)に沿って階段状に積み上げられた複数の段(z1,z2)を含み、各段(z1,z2)は、起立する表面板(2)とその後方に離間して起立する控板(3)と表面板(2)及び控板(3)の左右中間部どうしを繋ぐ繋ぎ板(4)とを含み構成された箱型ブロック(1)が、法面(10)の手前に左右に複数並べられるとともに、表面板(2)から法面(10)までの間の空所(6,7,8)に粒状充填材(9)が充填されて構築されている箱型擁壁において、
    左右に隣り合う箱型ブロック(1)の左右離間方向の相対的な移動を、所定移動量までは許容するが、所定移動量を越えないように制限する、移動制限構造を設け、
    移動制限構造は、左右に隣り合う箱型ブロック(1)の両表面板(2)の被係止部と、前記相対的な移動が所定移動量に達した時に両表面板(2)の被係止部に係止可能な係止体とからなり、
    両表面板(2)の被係止部はその後面に被係止鉄筋(43)が突設されており、係止体は後方から両表面板(2)の被係止鉄筋(43)にまたがる孔付プレート(40)であり、孔付プレート(40)の左右一方の単純孔(41)には一方の表面板(2)の被係止鉄筋(43)が挿入され、孔付プレート(40)の左右他方の長孔(42)には他方の表面板(2)の被係止鉄筋(43)が左右スライド可能に挿入されたことを特徴とする箱型擁壁。
  10. 法面(10)に沿って階段状に積み上げられた複数の段(z1,z2)を含み、各段(z1,z2)は、起立する表面板(2)とその後方に離間して起立する控板(3)と表面板(2)及び控板(3)の左右中間部どうしを繋ぐ繋ぎ板(4)とを含み構成された箱型ブロック(1)が、法面(10)の手前に左右に複数並べられるとともに、表面板(2)から法面(10)までの間の空所(6,7,8)に粒状充填材(9)が充填されて構築されている箱型擁壁において、
    左右に隣り合う箱型ブロック(1)の左右離間方向の相対的な移動を、所定移動量までは許容するが、所定移動量を越えないように制限する、移動制限構造を設け、
    移動制限構造は、左右に隣り合う箱型ブロック(1)の両表面板(2)の被係止部と、前記相対的な移動が所定移動量に達した時に両表面板(2)の被係止部に係止可能な係止体とからなり、
    両表面板(2)の被係止部はその後面に被係止鉄筋(43)が突設されており、係止体は後方から両表面板(2)の被係止鉄筋(43)にまたがる両端フック付鉄筋(50)であり、両端フック付鉄筋(50)の一端のフック部(51)は一方の表面板(2)の被係止鉄筋(43)に左右方向に動かないように係止されるか又は左右方向に動くように掛着され、両端フック付鉄筋(50)の他端のフック部(52)は他方の表面板(2)の被係止鉄筋(43)に動くように掛着されたことを特徴とする箱型擁壁。
  11. 所定移動量は、20~150mmの範囲内で設定される請求項1~10のいずれか一項に記載の箱型擁壁。
  12. 左右に隣り合う箱型ブロックの両表面板(2)の裏面に、両表面板(2)の相互間を跨いであてがわれる前面部(17)と、前面部(17)の下端から表面板(2)と控板(3)との間の空所(7)の底面に沿って後方へ延びる底面部(18)とを備え、少なくとも底面部(18)は粒状充填材(9)が突出可能な大きさの網目を備えた網状体である防護材(16)を設置する請求項2~10のいずれか一項に記載の箱型擁壁。
  13. 所定移動量は、30~150mmの範囲内で設定される請求項1又は12記載の箱型擁壁。
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