JP7327122B2 - 超音波デバイス - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態に係る超音波装置100の概略構成を示す図である。
この超音波装置100は、図1に示すように、超音波デバイス10と、制御部60とを備えて構成されている。
このような超音波装置100は、超音波デバイス10から図示略の対象物に対して超音波を送信し、対象物で反射された超音波を受信することで距離センサーや厚み検出センサーとして利用することができる。例えば、超音波装置100を、距離センサーとして用いる場合、制御部60は、超音波デバイス10からの超音波の送信タイミングと、対象物で反射された超音波を超音波デバイス10で受信した受信タイミングまでの時間を測定する。これにより、制御部60は、測定された時間と、既知の音速とに基づいて、超音波デバイス10から対象物の距離を算出する。また、超音波装置100を厚み検出センサーとして用いる場合、制御部60は、超音波デバイス10から対象物に超音波を送信し、対象物で反射されて超音波デバイス10で受信された超音波の音圧を測定する。これにより、制御部60は、音圧に基づいて、対象物の厚みや対象物の重なりを検出することができる。
以下、このような超音波装置100の各構成について説明する。
図2は、図1のA-A線で超音波デバイス10を切断した場合の断面図である。図3は、図1のB-B線で超音波デバイス10を切断した場合の断面図である。
超音波デバイス10は、図1に示すように、超音波を送信する送信チャンネルCHOと、超音波を受信する受信チャンネルCHIとを備えている。本実施形態では、受信チャンネルCHIの周囲に、8つの送信チャンネルCHOが配置されている。各チャンネルは、それぞれ個別に駆動される素子群である。例えば、1つの送信チャンネルCHOには、2次元アレイ構造に配置された複数の超音波送信部11が含まれている。これらの超音波送信部11の信号線が互いに結線されることで、1つの送信チャンネルCHOに含まれる超音波送信部11が同時に駆動可能となる。つまり、本実施形態の超音波デバイスでは、8つの送信チャンネルCHOをそれぞれ独立して駆動することが可能となる。
受信チャンネルCHIに関しても同様であり、受信チャンネルCHI内に、2次元アレイ構造に配置された複数の超音波受信部12が含まれている。
なお、各壁部22の壁幅及び壁長についての説明は後述する。
突出部52は、図2に示すように、Y方向に長手に形成されており、図3に示すように、X方向に沿って複数設けられている。この突出部52の突出先端は、例えば、シリコーン等の接合部材により、振動板30に接合されている。つまり、ベース部51と突出部52とにより凹部53が形成されている。
なお、図3では、ベース部51と突出部52とが一体構成となる例を示すが、ベース部51と突出部52とが別部材であり、ベース部51に対して突出部52が接合される構成としてよい。
上記のように、本実施形態では、X方向に長手の開口部21がY方向に沿って複数設けられ、Y方向に長手の突出部52がX方向に沿って複数設けられている。このため、これらの振動部31は、X方向及びY方向に沿って並び、2次元アレイ構造に配置されている。つまり、各送信チャンネルCHO及び受信チャンネルCHIは、それぞれ、X方向及びY方向に並ぶ2次元アレイ構造に配置された振動部31を有する。また、1つの送信チャンネルCHOでX方向に沿って配置される振動部31と、この送信チャンネルCHOと隣り合う他の送信チャンネルCHOでX方向に沿って配置される振動部31は、X方向に沿って並んでいる。同様に、1つの送信チャンネルCHOでX方向に沿って配置される振動部31と、この送信チャンネルCHOと隣り合う他の受信チャンネルCHIでX方向に沿って配置される振動部31とは、X方向に沿って並んでいる。Y方向においても同様である。
また、受信チャンネルCHI内に配置される複数の超音波受信部12の下部電極は信号線によって互いに結線され、受信チャンネルCHI内に配置される複数の超音波受信部12の上部電極は信号線によって互いに結線されている。これにより、受信チャンネルCHIで超音波を受信した際に、各超音波受信部12の振動部31が振動し、圧電膜の下部電極側と上部電極側との間で電位差が発生する。よって、受信チャンネルCHIから当該電位差に応じた信号電圧の受信信号が出力され、制御部60は、超音波の受信を検出できる。
制御部60は、例えば、超音波デバイス10を駆動させる駆動回路及び、超音波装置100の全体の動作を制御する制御回路を備える。
駆動回路は、例えば、超音波デバイス10の送信チャンネルCHOに出力する駆動信号(電圧信号)を出力する送信回路、受信チャンネルCHIから入力された受信信号を信号処理する受信回路を備えている。
制御回路は、例えばマイコン等により構成され、駆動回路に超音波の送受信処理を実施させる旨の指令信号を出力する。また、制御回路は、駆動回路の受信回路から入力される受信信号に基づいた各種処理を実施する。例えば、超音波装置100を距離センサーとして用いる場合、制御回路は、超音波の送信タイミングから受信信号の受信タイミングまでの時間に基づいて、超音波デバイス10から対象物までの距離を演算する。
次に、図2に基づいて、上述した超音波デバイス10の壁部22の壁幅及び壁長について説明する。
なお、以降の説明にあたり、送信チャンネルCHO内で隣り合う開口部21の間の壁部22、つまり、隣り合う超音波送信部11の間に位置する壁部22を、送信間壁部22Oと称する。受信チャンネルCHI内で隣り合う開口部21の間の壁部22、つまり、隣り合う超音波受信部12の間に位置する壁部22を、受信間壁部22Iと称する。受信チャンネルCHIと隣り合う送信チャンネルCHOで、最も受信チャンネルCHIの近傍に配置された開口部21と、当該開口部21に隣り合う受信チャンネルCHIの開口部21との間に配置された壁部22、つまり、隣り合う超音波送信部11と超音波受信部12との間の壁部22を、送受信間壁部22IOと称する。受信チャンネルCHIと隣り合う送信チャンネルCHOで、最も受信チャンネルCHIの近傍に配置された超音波送信部11を最外超音波送信部11Aと称する。
また、壁部22の壁幅とは、壁部22を挟み込む2つの開口部21の配置方向に沿った壁部22の寸法、つまり、壁部22を挟み込む2つの開口部21の距離である。また、壁部22の壁長とは、壁部22の振動板30側の端部から、振動板30とは反対側の端部までの長さであり、つまり、壁部22のZ方向の寸法であり、基板20の厚みである。
さらに、本実施形態では、突出部52の振動板30に接合される部分の幅は、壁部22の幅よりも小さい。突出部52の振動板30に接合される部分の幅とは、突出部52を挟み込む2つの振動部31の配置方向に沿った突出部52の寸法である。
図3に示すように、クロストーク比率は、壁幅が大きくなるに従って低下する。この際、壁幅が40μmとなる点を変化点として、壁幅が40μm未満となる場合に、クロストーク比率の変化は急峻となる。一方、壁幅が40μmよりも大きくなると、クロストーク比率は小さくなるが、その変化率は小さく、図4のように緩やかに変化する。
図5に示すように、壁長を90μm以下とすることで、クロストーク比率を低減することができる。一方、クロストーク比率が低減するのは、壁幅が40μm以上となる場合であり、壁幅が40μm未満の場合では、壁長を90μm以下にしても、クロストーク比率の差は非常に小さい。
また、送受信間壁部22IOの壁幅WIOは、40μm以上であることが好ましい。これにより、最外超音波送信部11Aから受信チャンネルCHIの超音波受信部12へのクロストークをより効果的に低減することができる。一方、送受信間壁部22IOの壁幅WIOが90μmを超えると、超音波デバイス10の平面サイズの大型化を招いたり、送信チャンネルCHOから送信した超音波の送信角度によっては、対象物で反射された超音波を受信チャンネルCHIで受信した際の受信感度が低下したりするおそれがある。したがって、送受信間壁部22IOの壁幅WIOは、40μm以上、90μm以下とすることがより好ましい。
さらには、図5に示すように、送受信間壁部22IOの壁長は、90μm以下とすることが好ましい。一方、壁長を30μm未満とすると、送信間壁部22Oの機械的強度が低下する。したがって、送信間壁部22Oの壁長は、30μm以上90μm以下とすることがより好ましい。
また、送信間壁部22O及び送受信間壁部22IOは、製造上、平行平板である基板20に対して、エッチング等によって開口部21を形成することで形成することが好ましい。このため、送信間壁部22Oの壁長は、送受信間壁部22IOの壁長と同じ寸法となる。ここで、送信間壁部22Oの壁幅WOを40μm未満とする場合、図5に示すように、壁長によるクロストーク比率の影響は極めて小さい。したがって、送信間壁部22Oの壁長が小さい場合でも、最外超音波送信部11Aから受信チャンネルCHIに向かうクロストーク成分が増大することがない。
上述したように、本実施形態では、振動部31の±Y側の縁は、開口部21を構成する壁部22の縁により規定される。一方、振動部31の±X側の縁は、保護部材50の突出部52の縁により規定される。
以降の説明にあたり、超音波送信部11間に配置される突出部52を送信間突出部52O、超音波受信部12間に配置される突出部52を受信間突出部52I、最外超音波送信部11Aと超音波受信部12との間に配置される突出部52を送受信間突出部52IOと称する。
また、突出部壁幅とは、突出部52を挟み込んで配置される振動部31の配置方向に沿った突出部52の寸法、つまり、突出部52を挟み込む2つの振動部31の距離である。さらに、突出部52のベース部51から振動板30までの突出寸法、つまり、凹部53の溝深さを、突出部壁長と称する。
図6に示すように、突出部壁幅とクロストーク比率との関係は、壁幅とクロストーク比率との関係と同様であり、クロストーク比率は、突出部壁幅が大きくなるに従って低下する。より具体的には、突出部壁幅が40μmとなる点を変化点として、突出部壁幅が40μm未満となる場合に、クロストーク比率の変化は急峻となる。一方、突出部壁幅が40μm以上の場合、クルストーク比率の変化は、突出部壁幅の変化に対してなだらかである。
図7に示すように、突出部壁長を90μm以下とすることで、さらにクロストーク比率を低減することができる。一方、クロストーク比率が低減するのは、突出部壁幅が40μm以上となる場合であり、突出部壁幅が40μm未満の場合では、突出部壁長を90μm以下としても、クロストーク比率の差は非常に小さい。
また、送受信間突出部52IOの突出部壁幅UIOは、40μm以上であることが好ましい。これにより、最外超音波送信部11Aから受信チャンネルCHIの超音波受信部12へのクロストークをより効果的に低減することができる。一方、送受信間突出部52IOの突出部壁幅UIOが90μmを超えると、超音波デバイス10Aの平面サイズの大型化を招いたり、送信チャンネルCHOから送信した超音波の送信角度によっては、対象物で反射された超音波を受信チャンネルCHIで受信した際の受信感度が低下したりするおそれがある。したがって、送受信間突出部52IOの突出部壁幅UIOは、40μm以上、90μm以下とすることがより好ましい。
さらには、図7に示すように、送受信間突出部52IOの突出部壁長は、90μm以下とすることが好ましい。一方、突出部壁長を20μm未満とすると、保護部材50が、振動部31とともに振動する圧電素子40に接触するおそれがある。したがって、送信間突出部52Oの突出部壁長は、20μm以上90μm以下とすることがより好ましい。
また、保護部材50は、製造上、平行平板に対して凹部53を形成するか、平行平板のベース部51に対して突出部52を接合することが好ましい。この場合、送信間突出部52O及び送受信間突出部52IOの突出部壁長は、同一寸法となる。送信間突出部52Oの突出部壁幅UOを40μm未満とする場合では、図7に示すように、突出部壁長によるクロストーク比率の影響は極めて小さい。したがって、送信間突出部52Oの突出部壁長が小さい場合でも、最外超音波送信部11Aから受信チャンネルCHIに向かうクロストーク成分が増大することがない。
本実施形態の超音波装置100の超音波デバイス10は、複数の開口部21、及び隣り合う開口部21の間に配置される壁部22を備えた基板20と、開口部21を閉塞する振動板30と、Z方向から見た平面視で、開口部21と重なる位置で、振動板30に設けられた圧電素子40(振動素子)と、を備えている。複数の開口部21は、第一開口部211と、第一開口部211に送受信間壁部22IO(第一壁部)を介して隣り合う第二開口部212と、第一開口部211に送信間壁部22O(第二壁部)を介して隣り合う第三開口部213と、を含む。振動板30の第一開口部211を閉塞する第一振動部311と、第一振動部311に配置される圧電素子40とは、超音波を送信する第一超音波送信部111(最外超音波送信部11A)を構成する。振動板30の第二開口部212を閉塞する第二振動部312と、第二振動部312に配置される圧電素子40とは、超音波を受信する超音波受信部12を構成する。振動板30の第三開口部213を閉塞する第三振動部313と、第三振動部313に配置される圧電素子40とは、超音波を送信する第二超音波送信部112を構成する。そして、本実施形態では、送受信間壁部22IOの壁幅WIOは、送信間壁部22Oの壁幅WOよりも大きい。
図3に示すように、壁幅が40μmとなる点を変化点として、壁幅が40μm以上となる場合に、クロストーク比率は安定して10以下の低い値が維持される。一方、壁幅が40μm未満となる場合、壁幅が小さくなる程、クロストーク比率は高くなり、かつ、クロストークの変化が急峻となる。したがって、壁幅WIOを40μm以上とすることで、最外超音波送信部11Aから受信チャンネルCHIに向かうクロストーク成分が低減し、壁幅WOを40μm未満とすることで、最外超音波送信部11Aから送信チャンネルCHOの他の超音波送信部11に向かうクロストーク成分が増大する。これにより、送信チャンネルCHOから受信チャンネルCHIに向かうクロストークをさらに低減させることができる。
送受信間壁部22IOの壁長を90μm以下とすることで、クロストーク比率を低減することができ、送信チャンネルCHO内の超音波送信部11から受信チャンネルCHIへのクロストークをさらに抑制できる。また、壁部22の壁幅が40μm未満である場合、壁長の違いによるクロストーク比率の変化は極めて小さい。したがって、送信間壁部22Oの壁幅WOを40μm未満とすることで、超音波送信部11間でのクロストーク成分が減少することはない。つまり、最外超音波送信部11Aから、受信チャンネルCHIに向かうクロストーク成分が減少され、送信チャンネルCHO内の他の超音波送信部11に向かうクロストーク成分が増大されることで、送信チャンネルCHOから受信チャンネルCHIへのクロストークをより低減できる。
図6に示すように、壁幅が40μmとなる点を変化点として、突出部壁幅が40μm以上となる場合に、クロストーク比率は安定して10以下の低い値が維持される。一方、突出部壁幅が40μm未満となる場合、壁幅が低くなる程、クロストーク比率は急峻に大きくなる。したがって、突出部壁幅UIOを40μm以上とすることで、最外超音波送信部11Aから受信チャンネルCHIに向かうクロストーク成分を低減でき、突出部壁幅UOを40μm未満とすることで、最外超音波送信部11Aから送信チャンネルCHOの他の超音波送信部11に向かうクロストーク成分を増大させることができる。これにより、送信チャンネルCHOから受信チャンネルCHIに向かうクロストークをさらに低減させることができる。
送受信間突出部52IOの突出部壁長を90μm以下とすることで、クロストーク比率を低減することができ、送信チャンネルCHO内の超音波送信部11から受信チャンネルCHIへのクロストークをさらに抑制できる。また、突出部52の突出部壁幅が40μm未満である場合、突出部壁長の違いによるクロストーク比率の変化は極めて小さい。したがって、送信間突出部52Oの突出部壁幅UOを40μm未満とすることで、超音波送信部11間でのクロストーク成分が減少することはない。つまり、最外超音波送信部11Aから、受信チャンネルCHIへのクロストーク成分が減少され、送信チャンネルCHO内の他の超音波送信部11へのクロストーク成分が増大されることで、送信チャンネルCHOから受信チャンネルCHIへのクロストークをより低減できる。
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、振動部31は、振動板30のうち、X方向に長手の開口部21の縁と、Y方向に長手の突出部52の縁とで囲われる領域とした。これに対して、基板は、各振動部31に対応した複数の開口部を備える構成とし、当該開口部がX方向及びY方向に2次元アレイ構造に配置される構成としてもよい。この場合、開口部の縁(壁部の縁)のみにより、振動部31の外形が規定される。
このような構成とする場合、Y方向のみならず、X方向においても、送受信間壁部22IOの壁幅WIOが、送信間壁部22Oの壁幅WOよりも大きくなるように、各開口部を形成すればよい。この場合、保護部材50に突出部52が設けられていなくてもよい。
このような構成とする場合、X方向のみならず、Y方向においても、送受信間突出部52IOの突出部壁幅UIOが、送信間突出部52Oの突出部壁幅UOよりも大きくなるように、各突出部を形成すればよい。この場合、基板20が設けられていなくてもよい。
すなわち、送受信間壁部22IOの壁幅WIOと、送受信間突出部52IOの突出部壁幅UIOとを同一寸法とし、送信間壁部22Oの壁幅WOと、送信間突出部52Oの突出部壁幅UOとを同一寸法とし、壁幅WIO及び突出部壁幅UIOが、壁幅WO及び突出部壁幅UOよりも大きくなるように構成する。この場合、壁部22の壁長、及び突出部52の突出部壁長も、同一寸法とすることが好ましい。
上記実施形態では、壁部22の壁長を90μm以下とし、突出部52の突出部壁長を90μm以下とする例を示したが、これに限定されない。
例えば、壁部22の壁長を90μmより大きくしてもよく、突出部52の突出部壁長を90μmより大きくしてもよい。
この場合、超音波デバイス10の製造誤差によって、壁部22の壁長や、突出部52の突出部壁長の値が多少変動したとしても、クロストーク比率が変動しない。したがって、製造誤差によって、送信チャンネルCHOから受信チャンネルCHIへのクロストークの影響が変動することがなく、ロバストな設計で、安定した送受信性能の超音波デバイス10を提供できる。
例えば、送受信間壁部22IOは、送信間壁部22Oに比べて、壁長が小さくてもよい。同様に、送受信間突出部52IOは、送信間突出部52Oに比べて、突出部壁長が小さくてもよい。
上記実施形態では、送受信間壁部22IOの壁幅WIOを40μm以上90μm以下とし、送信間壁部22Oの壁幅WOを30μm以上40μm未満とする例を示した。また、送受信間突出部52IOの突出部壁幅UIOを40μm以上90μm以下とし、送信間突出部52Oの突出部壁幅UOを30μm以上40μm未満とする例を示した。これに対して、壁幅WIO、壁幅WO、突出部壁幅UIO、突出部壁幅UOは、上記に限定されない。
例えば、送受信間壁部22IOの壁幅WIOが、送信間壁部22Oの壁幅WOよりも大きければ、壁幅WIOが40μm未満であってもよい。また、送受信間壁部22IOの壁幅WIOが、送信間壁部22Oの壁幅WOよりも大きければ、壁幅WOが40μm以上であってもよい。ただし、図4に示すように、壁幅に対するクロストーク比率は、壁幅が40μm以上となる場合、その変化率は小さくなる。したがって、壁幅WO及び壁幅WIOを40μm以上とする場合では、例えば壁長を小さくして、受信チャンネルCHIへのクロストーク成分を減少させることが好ましい。
また、例えば、送信チャンネルCHOから送信する超音波の送信方向を制御可能な構成とする場合等では、壁幅WIOが90μm以上であってもよい。さらに、基板20の素材を変更する等によって、送信間壁部22Oの強度が十分に高い場合では、壁幅WOを30μm未満としてもよい。
なお、突出部52の突出部壁幅UIO、及び突出部壁幅UOについても、同様である。
上記実施形態では、振動素子として、圧電素子40を例示したが、これに限定されない。
例えば、振動素子して、振動部に設けられる第一電極と、第一電極に対してギャップを介して固定される第二電極とを備える構成としてもよい。この場合、第一電極と第二電極との間に、周期駆動電圧を印加することで、第一電極と第二電極との間に作用する静電引力が周期的に変化して振動部が振動し、送信チャンネルから振動部の振動に応じた超音波を送信することができる。また、受信チャンネルで超音波が受信されると振動部が振動するので、第一電極及び第二電極の間の静電容量の変化を検出することで、超音波の受信を検出することができる。
本発明に係る第一態様の超音波デバイスは、複数の開口部、及び隣り合う前記開口部の間に配置される壁部を備えた基板と、前記開口部を閉塞する振動板と、前記基板及び前記振動板の積層方向から見た際に、前記開口部と重なる位置で、前記振動板に設けられた振動素子と、を備え、複数の前記開口部は、第一開口部と、前記第一開口部に第一壁部を介して隣り合う第二開口部と、前記第一開口部に第二壁部を介して隣り合う第三開口部と、を含み、前記振動板において前記第一開口部を閉塞する第一振動部と、当該第一振動部に配置される前記振動素子は、超音波を送信する第一超音波送信部を構成し、前記振動板において前記第二開口部を閉塞する第二振動部と、当該第二振動部に配置される前記振動素子は、超音波を受信する超音波受信部を構成し、前記振動板において前記第三開口部を閉塞する第三振動部と、当該第三振動部に配置される前記振動素子は、超音波を送信する第二超音波送信部を構成し、前記第一壁部の前記第一開口部から前記第二開口部までの幅は、前記第二壁部の前記第一開口部から前記第三開口部までの幅よりも大きい。
また、壁幅が40μm未満である場合では、壁長の違いによるクロストーク比率の変化は極めて小さい。よって、第二壁部の壁幅を40μm未満とすれば、第一超音波送信部から超音波受信部へのクロストーク成分が減少され、第一超音波送信部から第二超音波送信部へのクロストーク成分が増大される。よって、第一超音波送信部から超音波受信部へのクロストークをより低減できる。
また、突出部壁幅が40μm未満である場合では、突出部壁長の違いによるクロストーク比率の変化は極めて小さい。よって、第二突出部の突出部壁幅を40μm未満とすれば、突出部壁長によらず、第三超音波送信部から超音波受信部へのクロストーク成分が減少され、第三超音波送信部から第四超音波送信部へのクロストーク成分が増大される。以上により、第三超音波送信部から超音波受信部へのクロストークをより低減できる。
Claims (6)
- 複数の開口部、及び隣り合う前記開口部の間に配置される壁部を備えた基板と、
前記開口部を閉塞する振動板と、
前記基板及び前記振動板の積層方向から見た際に、前記開口部と重なる位置で、前記振動板に設けられた振動素子と、を備え、
複数の前記開口部は、第一開口部と、前記第一開口部に第一壁部を介して隣り合う第二開口部と、前記第一開口部に第二壁部を介して隣り合う第三開口部と、を含み、
前記振動板において前記第一開口部を閉塞する第一振動部と、当該第一振動部に配置される前記振動素子は、超音波を送信する第一超音波送信部を構成し、
前記振動板において前記第二開口部を閉塞する第二振動部と、当該第二振動部に配置される前記振動素子は、超音波を受信する超音波受信部を構成し、
前記振動板において前記第三開口部を閉塞する第三振動部と、当該第三振動部に配置される前記振動素子は、超音波を送信する第二超音波送信部を構成し、
前記第一壁部の前記第一開口部から前記第二開口部までの幅は、前記第二壁部の前記第一開口部から前記第三開口部までの幅よりも大きい
ことを特徴とする超音波デバイス。 - 請求項1に記載の超音波デバイスにおいて、
前記第一壁部の前記第一開口部から前記第二開口部までの幅は、40μm以上であり、
前記第二壁部の前記第一開口部から前記第三開口部までの幅は、40μm未満である
ことを特徴とする超音波デバイス。 - 請求項1または請求項2に記載の超音波デバイスにおいて、
前記壁部の、前記振動板から前記振動板とは反対側の端面までの寸法は、90μm以下である
ことを特徴とする超音波デバイス。 - 振動板と、
前記振動板に接合され、前記振動板を複数の振動部に分割する突出部を備えた保護部材と、
前記振動板の各前記振動部に配置される振動素子と、を備え、
複数の前記振動部は、第四振動部と、前記第四振動部に第一突出部を介して隣り合う第五振動部と、前記第四振動部に第二突出部を介して隣り合う第六振動部を含み、
前記第四振動部と、当該第四振動部に配置される前記振動素子は、超音波を送信する第三超音波送信部を構成し、
前記第五振動部と、当該第五振動部に配置される前記振動素子は、超音波を受信する超音波受信部を構成し、
前記第六振動部と、当該第六振動部に配置される前記振動素子は、超音波を送信する第四超音波送信部を構成し、
前記第一突出部の前記第四振動部から前記第五振動部までの幅は、前記第二突出部の前記第四振動部から前記第六振動部までの幅よりも大きい
ことを特徴とする超音波デバイス。 - 請求項4に記載の超音波デバイスにおいて、
前記第一突出部の前記第四振動部から前記第五振動部までの幅は、40μm以上であり、
前記第二突出部の前記第四振動部から前記第六振動部までの幅は、40μm未満である
ことを特徴とする超音波デバイス。 - 請求項4または請求項5に記載の超音波デバイスにおいて、
前記保護部材は、前記振動板に対向するベース部を備え、
前記突出部は、前記ベース部から前記振動板に向かって突出して設けられており、
前記突出部の、前記振動板から前記ベース部までの寸法は、90μm以下である
ことを特徴とする超音波デバイス。
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