JP7326992B2 - 油劣化抑制フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、油の劣化を抑制するフィルタに関し、特に食用油の劣化を抑制するフィルタに適用して有効な技術に関するものである。
食用油(以下、単に「油」ともいう。)は種々の食べ物に使用されているが、天ぷらやフライなどの調理に伴う加熱や、放置などにより劣化し、食べ物の味や臭い、外観を悪化させる。また場合によっては、食用油の劣化により、食中毒の原因になる虞もある。従って、劣化の度合いを例えば酸価や過酸化物価などの指標を用いることにより適切に判断し、然るべきタイミングで新品の食用油と交換する必要がある。
然しながら、天ぷらやフライなどを調理している惣菜店やスーパーの惣菜コーナーなどでは、交換周期が短くなるほど食用油の劣化は防げるものの、調理後の惣菜品の価格上昇を招いてしまうという問題がある。また、所定の基準以上に劣化してしまった食用油は廃棄されることとなるが、地球環境保全の観点から、廃棄された油が環境に及ぼす影響が懸念されている。従って、食用油の劣化を少しでも遅らせ、これによる油の交換周期を少しでも長くしたり、油の廃棄回数を少なくすることが望まれている。
このような食用油の劣化を抑制する技術として、例えば特許文献1に記載されているようなフィルタを用いた食用油の再生方法が提案されている。図8は、特許文献1に記載されたフィルタ111を用いた濾過装置101を示したものである。フライヤー102中に蓄えられている使用済の食用油は、第1送液管104を通って油槽108に送られ、濾過部110を通過して濾過される。
濾過部110は再生フィルタ111、金属メッシュ120を備えている。濾過部110を通過したのち油槽108下部に溜まった油は、第2送液管105を通って循環ポンプ103に送られる。循環ポンプ103を出た油は弁109を通過した後、一方は第3送液管106を通って油槽108へ、もう一方は第4送液管107を通ってフライヤー102へと送られる。何れの経路をとるにしても、油はフィルタ111を含んだ濾過部110にて濾過処理され、使用済の油が再生されると説明されている。
図9(a)は図8に示す濾過装置101に使用されるフィルタ111の平面図、同図(b)は図9(a)の断面図である。フィルタ111は2枚の繊維シート113、113の周辺部をシールして袋状とした樹脂繊維シート114と、複合酸化物粒子が充填された粒子充填部112とより構成されている。
ところが、かかるフィルタ111を使用する場合、複合酸化物粒子が袋状の樹脂繊維シート114から外部に流出しないように、繊維シート113、113の気孔(繊維間のすきま)の大きさは、袋内に収容されている複合酸化物粒子の粒径よりも小さくしておく必要がある。この気孔の大きさを小さくすればするほど、袋内の複合酸化物粒子の外部への流出は抑えられるが、金属メッシュ120を通過してしまった油かす等が付着した場合に目詰まりを起こしたり、気孔が小さいために油の通過速度が低下してしまい、濾過速度が低下してしまうことが考えられる。
なお、特許文献2には、フィルタ作用を有するシート間に食用油の劣化抑止剤を挟んだ食用油浄化用フィルタが開示されている。しかしながら、劣化抑制剤をフィルタ内に担持するため、フィルタの気孔が添加剤粒径より小さい。すると、油かす等が通過する際に、目詰まりを起こしたり、また、気孔が小さいために油の通過速度が低下したり、濾過速度が低下する可能性がある。
特開2006-088039号公報 特開2018-002977号公報
本発明は、上述した事情を背景にしてなされたものであり、収容された劣化抑制剤が外部に流出するのを防止できるとともに、油の濾過性が良好な食用油用のフィルタを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1);油の劣化を抑制する劣化抑制剤と、該劣化抑制剤を間に挟み込んだ一対のシートからなるフィルタ本体とを有し、上記フィルタ本体には、上記劣化抑制剤を閉じ込めるための閉止部と、油を通過させるための油通過穴と、が設けられていることを特徴とするフィルタ。
(2);上記油通過穴の大きさは、上記フィルタ本体の気孔の大きさよりも大きい上記(1)記載のフィルタ。
(3);上記フィルタ本体は抄紙シートからなり、上記油通過穴の大きさは、上記抄紙シートの気孔の大きさよりも大きい上記(2)記載のフィルタ。
(4);上記フィルタ本体は不織布シートからなり、上記油通過穴の大きさは、上記不織布シートの気孔の大きさよりも大きい上記(2)記載のフィルタ。
(5);上記油通過穴の大きさは、上記劣化抑制剤の粒径よりも大きい上記(1)~(4)の何れかに記載のフィルタ。
(6);上記閉止部は、上記劣化抑制剤の周囲を閉鎖する閉止縁部と、該閉止縁部に囲まれ上記劣化抑制剤を収容する袋部とを有し、上記油通過穴は該閉止縁部に形成されている上記(1)~(5)の何れかに記載のフィルタ。
(7);物理的濾過のための第2フィルタを、上記フィルタ本体の一対のシートの少なくとも何れか一方に重ね合わせた上記(1)~(6)の何れかに記載のフィルタ。
本発明によれば、収容された劣化抑制剤が外部に流出するのを防止できるとともに、油の濾過性が良好な油用のフィルタを得ることが出来る。
本発明の食用油用のフィルタが適用される食用油の濾過装置を説明する図である。 本発明に係るフィルタの第1実施形態の分解斜視図、及び斜視図である。 (a)は第1実施形態の平面図、(b)は(a)のA-A断面図である。 本発明に係るフィルタの第2実施形態の平面図である。 本発明に係るフィルタの第3実施形態の平面図である。 本発明に係るフィルタの第4実施形態の平面図である。 本発明に係るフィルタの第5実施形態の断面図である。 従来の食用油の濾過装置の一例を説明する図である。 図8の濾過装置に用いられるフィルタの平面図、及び断面図である。 本発明に係るフィルタの第1実施例の平面図である。 本発明に係るフィルタの第2実施例の平面図である。 本発明に係るフィルタの第3実施例の平面図である。 本発明に係るフィルタの第4実施例の平面図である。 本発明に係るフィルタの第5実施例の平面図である。 本発明に係るフィルタの第6実施例の平面図である。 本発明に係るフィルタの第7実施例の平面図である。 本発明に係るフィルタの第8実施例の平面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係るフィルタが適用される食用油の濾過装置を示したものである。濾過装置1は、食用油を貯蔵するフライヤー2と、フライヤー2に貯蔵された食用油を濾過装置1内で循環させるためのポンプ3と、ポンプ3から送り出された食用油を濾過するフィルタ11とを有している。フライヤー2とポンプ3との間は第1油路4で、ポンプ3とフィルタ11との間は第2油路5で、フィルタ11とフライヤー2との間は第3油路でそれぞれ接続され、本発明に係るフィルタ11は第2油路5と第3油路6との間に設けられている。
図2は、フィルタ11の分解斜視図、及び斜視図、図3(a)はフィルタ11の平面図、図3(b)は図3(a)のA-A断面図である。なお、図3のフィルタは、図2のフィルタの外周の輪郭を円形に加工した状態を示したものである。フィルタ11は、劣化抑制剤12と、この劣化抑制剤12を間に挟み込むための一対のシート13、13からなるフィルタ本体14と、を有する。
劣化抑制剤12は、食用油と接触することにより食用油の劣化を抑制する働きをするものであり、例えば酒石酸水素カリウムや酸化カルシウムが使用される。
フィルタ本体14は、抄紙シートや不織布シート又は樹脂繊維シートの一対のシート13、13から、もしくはこれら各種シートを適宜組合わせた一対のシート13、13からなり、この一対のシート13、13にて劣化抑制剤12を間に挟みこんでいる。そして、抄紙シートや不織布シート又は樹脂繊維シートを構成する繊維間の隙間(気孔)の大きさは、これらシート13、13から劣化抑制剤12が外部に流出しないように、劣化抑制剤12の粒径よりも小さくされている。
また、食用油の濾過装置1によって食用油を濾過中に、劣化抑制剤12がフィルタ本体14から外部に流出するのを防止するために、劣化抑制剤12の周囲はフィルタ本体14に設けられた閉止部15によって閉鎖されている(図3(b)の断面図参照)。図2の分解斜視図は、フィルタ11が劣化抑制剤12を閉止部15で閉止する前の状態を示したものである。劣化抑制剤12の周囲を閉止部15によって閉鎖する方法としては、例えば、片面ヒートシール性不織布に劣化抑制剤12を挟み込み、熱を加えて熱融着加工を施す。また他の方法として、超音波溶着で閉止部を形成してもよい。また抄紙シートの場合、紙の繊維をかみ合わせ圧着して閉止部を形成してもよい。
フィルタ本体14にはさらに、円形の油通過穴16が設けられている。この油通過穴16は、好ましくは上述した閉止部を形成した後、穿孔機により打ち抜かれることで形成される。但し、予め油通過穴が形成された一対のシートを用いて閉止部を形成してもよい。
図2のフィルタ11の斜視図は、閉止・穿孔処理した後の状態を示したものである。この油通過穴16の大きさは、上述したフィルタ本体14の気孔の大きさよりも大きくされている。これにより、食用油は油通過穴16の部分が劣化抑制剤12の部分よりも通過し易くなっている。なお、油通過穴の大きさや気孔の大きさという場合の「大きさ」とは、平面視で見たときの面積の大きさのことを言う。
かかるフィルタ11を、前述した図1に示す食用油の濾過装置1に使用する場合、フィルタ11を通過する油は、油通過穴16と劣化抑制剤12を挟み込んでいる閉止部15の双方を通過することになる。油通過穴16を通過する油は厳密には必ずしも濾過されているとはいえない。しかし、フライヤー2に貯蔵されている油を循環させて何度かフィルタ11を通過させれば、後述する実施形態のように油通過穴の形状を工夫することにより、油の同一部分が毎回油通過穴を通過する確率は格段に小さくなり、食用油は大部分が劣化抑制剤12にて濾過された状態となる。
このフィルタ11を食用油が通過する際に、劣化抑制剤12は閉止部15によって閉じ込められているため、フィルタ本体14から外部に流出することを防止される。
また、食用油が通過できる油通過穴16が形成されていることにより、フィルタ11での濾過性が良好となる。また、フィルタ本体14の気孔の大きさは、劣化抑制剤12の大きさとの関係で制約があるが、例えば油通過穴16の大きさを劣化抑制剤12の粒径よりも大きくすることで、フィルタ11の濾過性をより向上させることが出来る。
<第2実施形態>
次に、図4を参照して第2実施形態について説明する。なお以下の説明においては、第1実施形態と同様な構成については、同一又は類似の符号を付して詳細な説明は省略する。図4は図3(a)と同様な、フィルタ21の平面図である。
第1実施形態と異なるのは、油通過穴26の形状が三角形となっていることである。かかる形状となっていることで、油通過穴26の数が同一であっても、油通過穴26を通過する油の量を制限し、劣化抑制剤12(図2参照)で濾過される油の量を多くすることが出来る。本実施形態のごとく、油通過穴の形状を工夫する(例えば、円形穴と三角形穴とを所定の比率で混合させるとか、さらには菱形穴のような別の形状とする等)ことにより、油通過穴を通過する油の量と劣化抑制剤を通過する油の量とを調整することが出来る。
<第3実施形態>
次に、図5を参照して第3実施形態について説明する。図5は図3(a)と同様な、フィルタ31の平面図である。本実施形態では、油通過穴36がフィルタ本体33の中央に1ヶ所のみ形成されている。かかる構成とすることにより、油通過穴36を通過する油の量を最小限に絞り、劣化抑制剤12(図2参照)で濾過される油の量を多くすることが出来る。
<第4実施形態>
次に、図6を参照して第4実施形態について説明する。図6は図3(a)と同様な、フィルタ41の平面図である。本実施形態では、劣化抑制剤12(図2参照)を閉じ込めるための閉止部45は、閉止縁部45aと、この閉止縁部45aに囲まれ劣化抑制剤12を収容する袋部45bとを有している。
上述した各実施形態のように、閉止部45はフィルタ本体44全面に閉止処理を施すのではなく、閉止縁部45aのみが閉止されている(図中、閉止されている部分を便宜的にハッチング表示した)。閉止縁部45aは、フィルタ本体44の周縁部に円周方向に延びた円形縁部45a1と、フィルタ本体44の中央部に十文字状に延びた直線縁部45a2とを有する。これにより、袋部45bは4つの領域45b1、45b2、45b3、45b4に4分割されている。
油通過穴46は、円形縁部45a1、直線縁部45a2に所定の間隔をもって設けられている。かかる構成とすることで、フィルタ41を通過する油の通過量を確保しつつ、袋部45bに収容された劣化抑制剤12(図2参照)による濾過も確実に実施することができる。
<第5実施形態>
次に、図7を参照して第5実施形態について説明する。図7は図3(b)と同様な、フィルタ51の断面図である。本実施形態では、第1実施形態にて説明したフィルタである第1フィルタ11のフィルタ本体14の一方のシート13の上方に第2フィルタ61が重ね合わされている。すなわち、この第5実施形態に係るフィルタ51は、第1実施形態1のフィルタ11を第1フィルタ(第1フィルタ層)11Aとして備え、更に、この第1フィルタ11Aのフィルタ本体14の一方のシート13に重ね合わされた第2フィルタ(第2フィルタ層)61を備えている。この第2フィルタ61は、抄紙又は不織布のシートからなり、油かす等が通過するのを排除する物理的濾過の機能を果たすようになっている。従って、第2フィルタ61には、油通過穴は設けられていない。この第1フィルタ11Aと第2フィルタ61とは、単に重ね合わされるだけでもよいが、接着等により一体とされていてもよい。
かかる構成とすることで、第2フィルタ61が物理的濾過を実施し、第1フィルタ11Aが化学的濾過を実施するため、油の劣化抑制効果をより向上させることが出来る。なお、第2フィルタ61は、第1フィルタ11Aの上方だけでなく、上下両方に重ね合わせるようにしてもよい。すなわち、第2フィルタ61を2枚の第1フィルタ11Aの間に挟み込んだ構成としてもよい。このようにすると、図1に示す食用油の濾過装置1にフィルタ51を取付けるときに、油の流れる方向に対する第1フィルタ11Aと第2フィルタ61の相互の位置関係(第1フィルタ11Aによる化学的濾過の上流側で第2フィルタ61による物理的濾過を行う)を考慮する必要がなくなる。また、第1フィルタ11Aは第1実施形態で説明した構造に限らず、第2~4実施形態で説明したフィルタを用いてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれによってなんら制限されるものはない。
〔サンプル作製〕
(実施例1,比較例1)
図10に示す形状のフィルタを以下の方法で作製した。
片面ヒートシール性の不織布として、旭化成(株)製の「プレシゼαシール(登録商標)」、劣化抑制剤として、酒石酸水素カリウムと酸化カルシウムを質量比1:1で混合したものを用意した。更に、不織布(「プレシゼαシール」)としては、一枚の厚みが0.17mm、坪量が45g/m、気孔率が52vol%、気孔径が55μmの条件のものを用いた。気孔率及び気孔径は、水銀圧入法の原理を利用した水銀ポロシメータで測定した。
予め混合した劣化抑制剤を坪量30g/mになるように散布し、不織布(プレシゼαシール)のヒートシール面同士で挟み込み、全面熱融着(全面熱溶着)させ、その後、Φ90mmに裁断することにより比較例1を得た。そして、これを穿孔機によりΦ8mmを打ち抜くことで穴(油通過穴16)の開いた実施例1のフィルタ71を得た。すなわち、比較例1のフィルタは「油通過穴無し」とする構成であり、実施例1のフィルタ71は、図10に示すように、「油通過穴有り」とする構成である。そして、実施形1のフィルタ71及び比較例1のフィルタは、基本的な構造が上述した第1実施形態のフィルタ11とほぼ同様になっており、異なる点は油通過穴16の有無である。そして、実施例1のフィルタ71は、上述した第3実施形態のフィルタ31(図5参照)の油通過穴36と同様に中央に1ヶ所のみ油通過穴16を備えている。
(実施例2~8)
実施例1に準じて穴径及び穴数を変え、平面視で見たときの油通過穴16の総穴面積が異なる実施例2~8の各フィルタ72~78を得た(図11~図17及び表1参照)。すなわち、図11のフィルタ72が実施例2であり、図12のフィルタ73が実施例3であり、図13のフィルタ74が実施例4であり、図14のフィルタ75が実施例5であり、図15のフィルタ76が実施例6であり、図16のフィルタ77が実施例7であり、図17のフィルタ78が実施例8である。
(実施例9)
酸化劣化抑制効果を十分に得るために、実施例5のフィルタ75(図14参照)を2枚重ね、さらに比較例2のフィルタと同様のPET製不織布フィルタを上層に重ねた。フィルタ75を2枚重ねた積層体に更にPET製不織布を重ねることで、劣化物による目詰まりをより効果的に防止することができる。
(比較例2)
油かす等が通過するのを排除する物理的な機能を果たす厚さ4mmのPET製不織布フィルタを用意した。このPET製不織布は、坪量が340g/mである。
〔評価試験〕
図1の食用油の濾過装置1を用いた。図1に示すフィルタ11の前後に圧力計を設置し、更に2個目の圧力計(2個の圧力計のうちの下流側の圧力計)の後に流量計を設置し、フライヤー2に食用油として日清オイリオグループ(株)製「日清キャノーラ油」を8L投入した。フィルタ11の位置にΦ90mmのフィルタ・ホルダを設置し、ポンプで食用油を常時循環する設計とした。
・濾過性試験(圧力損失試験)
フィルタ・ホルダに実施例1~9のフィルタ71~78を各実施例毎に設置して食用油通過前後の圧力の差を測定した。初期の濾過性は、温度100℃における流量と圧力差の関係の傾きを指標として用いた(傾きが小さいほど、濾過性が良い)。時間経過後の濾過性は、温度180℃で96時間常時循環加熱し、96時間経過後の圧力損失を指標として用いた。いずれも比較例1の測定結果を1として相対値を表1に示した。
ここで、フライヤー2内の食用油を100℃に加温し、ポンプ3の回転数を変えることにより流量を変化させ、その時の食用油通過前後の圧力差を2個の圧力計を用いて測定することにより、近似式を導き出し、傾きを算出し、傾きを初期の濾過性の指標とした。具体的には、流量(L/min)をX軸とし、圧力差(MPa)をY軸とするXY座標で描かれる近似直線(y=ax)から傾きaを求める。
・酸化劣化抑制試験(実施例5,9、比較例1~2)
食用油180℃を常時加熱循環し、96時間試験を継続した。劣化の度合いとして、JIS K 2501に準拠し、電位差滴定法を用いた測定である酸価を指標とした。96時間後の酸価を測定し、比較例2の結果を1として相対値を表1に示した。表1において、穴加工の構成に記載しているパーセント(%)は、フィルタ全体面積に対して穴加工を施した面積で計算される。そして、フィルタ全体面積と穴加工を施した面積の両方とも理想値である。
Figure 0007326992000001
〔結 果〕
表1に示す試験結果から、比較例1と比べて穴加工を施すことにより濾過性(初期と経時変化)が良好なフィルタを得ることができる。また、実施例1から4は、穴加工面積に関わらず濾過性が比較例1より向上する。更に実施例1,5から8は、穴径に関わらず濾過性が向上する。即ち、平面視で見たときの油通過穴の面積および径に特に制限はないことがわかる(実施例1~9,比較例1)。
次に劣化抑制剤の効果を確認した。実施例5及び9、比較例1は、酸化劣化抑制剤が含まれていないフィルタ(比較例2)と比べて酸化劣化抑制効果を有することがわかる。以上の結果から、穴を設けることによりフィルタの濾過性も良好になり、また酸化劣化抑制効果を有するフィルタが得られた。すなわち、収容された劣化抑制剤が外部に流出するのを防止できるとともに、油の濾過性が良好で、かつ食用油の酸化劣化を抑制することが可能なフィルタを得ることができた。
また、実施例5のフィルタ75と実施例9のフィルタとを比較して、実施例9のフィルタの方が96hr後の濾過性及び酸化劣化抑制が良好であることも分かった。即ち、酸化劣化抑制剤の量を増やすことにより、酸化劣化抑制効果がより得られ、また、PET不織布を重ねることで長期に渡って濾過性が向上する。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、油通過穴の形状や数は種々に変更可能であり、また使用するフィルタの数や複数のフィルタをどのように組合せるかは、用途に応じ種々に変更可能である。
また、本発明は、食用油の劣化を抑制するフィルタに限定されるものではなく、その他の油の劣化を抑制するフィルタにも適用することができる。
11、21、31、41、51 フィルタ
11A 第1フィルタ
12 劣化抑制剤
13、33 シート
14、44 フィルタ本体
15、45 閉止部
16、26、36、46 油通過穴
45a 閉止縁部
45b 袋部
61 第2フィルタ

Claims (3)

  1. 油の劣化を抑制する劣化抑制剤と、該劣化抑制剤を間に挟み込んだ一対のシートからなるフィルタ本体とを有し、
    前記フィルタ本体には、前記劣化抑制剤を閉じ込めるための閉止部と、油を通過させるための油通過穴と、が設けられており、
    前記油通過穴の大きさは、前記フィルタ本体の気孔の大きさよりも大きいことを特徴とするフィルタ。
  2. 前記フィルタ本体は抄紙シートからなり、前記油通過穴の大きさは、前記抄紙シートの気孔の大きさよりも大きい請求項記載のフィルタ。
  3. 前記フィルタ本体は不織布シートからなり、前記油通過穴の大きさは、前記不織布シートの気孔の大きさよりも大きい請求項記載のフィルタ。
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