JP7326855B2 - タイヤの評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの操縦安定性能を評価するための方法に関する。
近年、タイヤを車両に装着したときのサスペンションの影響も含めた車両挙動からタイヤの操縦安定性能を評価する試みが着目されている。下記特許文献1には、車両の後輪に装着されたタイヤの等価コーナリングパワーを評価する方法が提案されている。
特開2018-084551号公報
しかしながら、特許文献1の評価方法は、測定されたパラメータの時系列データの解析対象範囲を評価者が抽出していたので、評価に要する時間が長く、より短時間で、車両に装着されたタイヤの操縦安定性能を評価したいとの要望があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、車両に装着されたタイヤの操縦安定性能を短時間で精度よく評価するための方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、車両の前輪及び後輪の少なくとも1つに装着されたタイヤの操縦安定性能を評価するための方法であって、前記車両を走行させたときのパラメータの時系列データを測定する測定工程と、前記測定工程で測定された前記時系列データの解析対象範囲に基づき、タイヤの操縦安定性能を評価する解析工程とを含み、前記解析工程は、コンピュータが前記解析対象範囲を自動で抽出する抽出工程と、前記コンピュータが抽出した前記解析対象範囲を含む前記時系列データを、評価者が視認可能なグラフで表示する表示工程とを含むことを特徴とする。
本発明のタイヤの評価方法において、前記解析工程は、表示された前記解析対象範囲の適否を前記評価者が判断する判断工程を含むのが望ましい。
本発明のタイヤの評価方法において、前記車両を異なる車体速度で複数回旋回走行させる旋回工程を更に含み、前記測定工程は、前記旋回工程で前記車両を旋回走行させたときの前記車体速度、操舵角、車体横加速度、車体ヨー角速度及び車体スリップ角の前記時系列データを測定するのが望ましい。
本発明のタイヤの評価方法において、前記解析工程は、前記車体速度、前記車体横加速度及び前記車体スリップ角に基づき、前記後輪の等価コーナリングパワーを求める後輪計算工程と、前記車体速度、前記操舵角及び前記車体ヨー角速度に基づき、前記車両のスタビリティファクタを求める車両計算工程と、前記後輪の等価コーナリングパワー及び前記車両のスタビリティファクタに基づき、前記前輪の等価コーナリングパワーを求める前輪計算工程とを含むのが望ましい。
本発明のタイヤの評価方法において、前記旋回工程は、前記車体速度を設定速度でかつ前記操舵角を前記車両の直進状態の直進操舵角から設定操舵角まで変化させて前記車両を旋回走行させる過渡旋回工程と、前記設定速度でかつ前記設定操舵角で前記車両を旋回走行させる定常円旋回工程とを含み、前記定常円旋回工程は、前記過渡旋回工程に続いて行われるのが望ましい。
本発明のタイヤの評価方法において、前記定常円旋回工程は、3秒以上連続して行われるのが望ましい。
本発明のタイヤの評価方法において、前記抽出工程は、前記定常円旋回工程における前記時系列データを抽出するのが望ましい。
本発明のタイヤの評価方法において、前記抽出工程は、前記コンピュータに予め設定された前記設定操舵角、前記設定操舵角の保持時間、前記設定操舵角の保持公差及び前記直進操舵角に基づき、前記解析対象範囲を抽出するのが望ましい。
本発明のタイヤの評価方法において、前記設定速度は、40、50、60、70、80km/hの5水準であるのが望ましい。
本発明のタイヤの評価方法において、前記旋回工程は、前記車両を右方向へ旋回させる右旋回工程と、前記車両を左方向へ旋回させる左旋回工程とが、それぞれ、複数回行われるのが望ましい。
本発明のタイヤの評価方法において、解析工程は、コンピュータが解析対象範囲を自動で抽出する抽出工程を含んでいる。このような解析工程は、コンピュータが解析対象範囲を自動で抽出しているので、解析対象範囲を評価者が抽出する必要がなく、解析に要する時間を大幅に短縮することができる。
また、本発明のタイヤの評価方法において、解析工程は、コンピュータが抽出した解析対象範囲を含む時系列データを、評価者が視認可能なグラフで表示する表示工程を含んでいる。このような解析工程は、コンピュータが抽出した解析対象範囲をグラフで表示しているので、コンピュータが抽出した解析対象範囲に不適切な範囲が含まれていたとしても、評価者が短時間で発見することができ、評価の精度を向上させることができる。このため、本発明のタイヤの評価方法は、車両に装着されたタイヤの操縦安定性能を短時間で精度よく評価することができる。
本発明のタイヤの評価方法に用いられる車両の一実施形態を示す概念図である。 本発明のタイヤの評価方法の一実施形態を示すフローチャートである。 旋回工程を示すフローチャートである。 解析工程を示すフローチャートである。 表示工程の一例を示すグラフである。 後輪計算工程を模式的に示すグラフである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のタイヤの評価方法(以下、単に「方法」ということがある。)に用いられる車両1の概念図である。図1に示されるように、本実施形態の方法は、車両1の前輪2及び後輪3の少なくとも1つに装着されたタイヤの操縦安定性能を評価するための方法である。
本実施形態の方法に用いられる車両1は、一対の前輪2と一対の後輪3とを有し、ステアリング4の操舵により、前輪2が操向する。本実施形態の車両1は、平坦な舗装路面を旋回走行させたときに、車両1の重心位置Pcにおける車体速度V、車体横加速度A及び車体ヨー角速度Yと、任意の測定点Pにおける車体スリップ角βとを測定することが可能である。
本実施形態の測定点Pは、後輪3の前方側に位置している。測定点Pは、後輪3の中心軸から前方側に予め定められた水平距離Lだけ離れた位置であるのが望ましい。水平距離Lは、例えば、1mである。水平距離Lを1mとすることで、後述する解析に要する時間を短縮することができる。なお、本実施形態の測定点Pは、重心位置Pcの後方側に位置しているが、このような態様に限定されるものではなく、測定点Pは、例えば、重心位置Pcよりも前方でもよく、重心位置Pcと重複していてもよい。
以下、図1を参照しつつ、本実施形態の方法が説明される。
図2は、本実施形態の方法のフローチャートである。図2に示されるように、本実施形態の方法は、車両1を異なる車体速度Vで複数回旋回走行させる旋回工程S1を含んでいる。旋回工程S1は、平坦な舗装路面上で車両1を旋回走行させるのが望ましい。このような旋回工程S1は、車両1を異なる車体速度Vで複数回旋回走行させるのみであるので、容易に旋回走行させることができる。
図3は、旋回工程S1を示すフローチャートである。図3に示されるように、本実施形態の旋回工程S1は、まず、車両1を予め定められた設定速度Vcで走行させる設定速度走行工程S11が行われる。設定速度走行工程S11は、例えば、車両1が停止状態から開始した場合には、設定速度Vcまで加速される。また、設定速度走行工程S11は、例えば、車両1が設定速度Vcで走行している場合には、設定速度Vcが維持される。
設定速度Vcは、例えば、予め定められた任意の車体速度Vが選択される。設定速度Vcは、複数の水準を含むのが望ましい。この設定速度Vcの水準数は、多いほどより高精度に評価することができ、少ないほどより短時間で評価することができる。このような観点から、本実施形態の設定速度Vcは、40、50、60、70、80km/hの5水準である。
本実施形態の旋回工程S1は、次に、車両1を右方向へ旋回させる右旋回工程S1Rを行うか、車両1を左方向へ旋回させる左旋回工程S1Lを行うかを決定する旋回方向決定工程S12が行われる。旋回方向決定工程S12は、事前に設定されるのが望ましい。
本実施形態の旋回工程S1は、次に、車体速度Vを設定速度Vcでかつ操舵角θを車両1の直進状態の直進操舵角θ0から予め定められた設定操舵角θcまで変化させて車両1を旋回走行させる過渡旋回工程S13が行われる。設定操舵角θcは、例えば、30°である。過渡旋回工程S13では、旋回方向決定工程S12で決定された方向に旋回走行させるのが望ましい。
本実施形態の旋回工程S1は、次に、設定速度Vcでかつ設定操舵角θcで車両1を旋回走行させる定常円旋回工程S14が行われる。定常円旋回工程S14は、過渡旋回工程S13に続いて行われるのが望ましい。このような定常円旋回工程S14は、車両1の前輪2及び後輪3に装着されたタイヤの等価コーナリングパワーCf、Crの評価に必要なパラメータを、安定して精度よく取得することができる。
定常円旋回工程S14は、3秒以上連続して行われるのが好ましい。このような定常円旋回工程S14は、コンピュータによる自動抽出が容易であり、抽出ミスが軽減し、より短時間でより精度の高い評価をすることができる。
旋回工程S1は、この設定速度Vcでの他の旋回走行を行うかを判断する旋回判断工程S15が行われる。旋回判断工程S15では、例えば、他の旋回走行を行うと判断されると、設定速度走行工程S11に戻り、過渡旋回工程S13及び定常円旋回工程S14が繰り返し行われる。旋回判断工程S15では、例えば、この設定速度Vcでの旋回走行を終了すると判断されると、旋回工程S1を終了させる。
旋回工程S1では、車両1を右方向へ旋回させる右旋回工程S1Rと、車両1を左方向へ旋回させる左旋回工程S1Lとが、それぞれ、複数回行われるのが望ましい。すなわち、旋回判断工程S15では、右旋回工程S1Rと左旋回工程S1Lとが、それぞれ、複数回行われたかを判断している。旋回工程S1は、右旋回工程S1R及び左旋回工程S1Lが、それぞれ、少なくとも2回以上、好ましくは5回以上行われる。このような旋回工程S1は、測定する時系列データDの不均衡を抑止し、評価の精度をより向上させることができる。
図1に示されるように、本実施形態の方法は、更に、車両1を走行させたときのパラメータの時系列データDを測定する測定工程S2を含んでいる。このような測定工程S2は、走行する車両1の状態を時系列に沿って把握することができる。
測定工程S2は、例えば、旋回工程S1で車両1が旋回走行しているときの車体速度V、操舵角θ、車体横加速度A、車体ヨー角速度Y及び車体スリップ角βの各時系列データDを測定している。なお、測定工程S2は、例えば、その他のパラメータを適宜測定してもよい。
車体速度V及び車体横加速度Aは、車両1の重心位置Pcに配されたGPSセンサー(図示省略)により測定されるのが望ましい。車体速度Vは、例えば、車速センサー(図示省略)により測定されてもよい。車体横加速度Aは、例えば、加速度センサー(図示省略)により測定されてもよい。
車体ヨー角速度Yは、車両1の重心位置Pcに配されたジャイロセンサー(図示省略)により測定されるのが望ましい。車体スリップ角βは、車両1の任意の測定点Pに配された光学式のスリップセンサー(図示省略)により測定されるのが望ましい。
操舵角θは、ステアリング4に配された操舵力角計(図示省略)により測定されるのが望ましい。測定工程S2は、操舵角θの代わりに、例えば、前輪2の実舵角が測定されてもよい。
本実施形態の方法は、更に、異なる車体速度Vで旋回走行させるかを判断する継続判断工程S3を含んでいる。継続判断工程S3では、例えば、車両1を異なる車体速度Vで旋回走行させると判断されると、旋回工程S1に戻り、旋回工程S1及び測定工程S2が繰り返し行われる。一方、継続判断工程S3では、例えば、車両1を異なる車体速度Vで旋回走行させない、すなわち、旋回工程S1及び測定工程S2を終了させると判断されると、次工程に進んで解析工程S4が行われる。
本実施形態の方法は、更に、測定工程S2で測定された時系列データDの解析対象範囲ARに基づき、タイヤの操縦安定性能を評価する解析工程S4を含んでいる。解析工程S4は、測定工程S2で測定された各時系列データDの解析対象範囲ARの平均値に基づき、後輪3の等価コーナリングパワーCr及び前輪2の等価コーナリングパワーCfを求めるのが望ましい。このような方法は、測定に要する時間及び解析に要する時間が短く、車両1の前輪2及び後輪3に装着されたタイヤの等価コーナリングパワーCf、Crを短時間で精度よく評価することができる。
図4は、解析工程S4を示すフローチャートである。図4に示されるように、本実施形態の解析工程S4は、まず、コンピュータ(図示省略)が解析対象範囲ARを自動で抽出する抽出工程S41が行われる。このような解析工程S4は、コンピュータが解析対象範囲ARを自動で抽出しているので、解析対象範囲ARを評価者が抽出する必要がなく、解析に要する時間を大幅に短縮することができる。
抽出工程S41は、定常円旋回工程S14における各時系列データDを抽出するのが望ましい。抽出工程S41は、例えば、コンピュータに予め設定された設定操舵角θc、設定操舵角θcの保持時間tc、設定操舵角θcの保持公差rc及び直進操舵角θ0に基づき、解析対象範囲ARを抽出している。抽出工程S41は、例えば、操舵角θが直進操舵角θ0である時点t0を検出し、その直後で操舵角θが設定操舵角θcとなる時点t1を検出する。そして、抽出工程S41は、操舵角θが設定操舵角θcの保持公差rc内で保持時間tc以上保持されているときに、この時間を解析対象範囲ARとして抽出している。
抽出工程S41は、例えば、直進操舵角θ0が0°で、設定操舵角θcが30°である場合、操舵角θが0°である時点t0を検出し、その直後に操舵角θが30°となる時点t1を検出している。そして、抽出工程S41は、例えば、保持時間tcが3秒で、保持公差rcが±5°である場合、操舵角θが30°となる時点t1から3秒間以上、操舵角θが30±5°の範囲内を保持されているときに、この時間を解析対象範囲ARとして抽出している。なお、抽出工程S41の抽出条件は、このような数値に限定されるものではなく、種々の範囲が適宜設定され得る。
本実施形態の解析工程S4は、次に、コンピュータが抽出した解析対象範囲ARを含む時系列データDを、評価者が視認可能なグラフで表示する表示工程S42が行われる。このような解析工程S4は、コンピュータが抽出した解析対象範囲ARをグラフで表示しているので、コンピュータが抽出した解析対象範囲ARに不適切な範囲が含まれていたとしても、評価者が短時間で発見することができ、評価の精度を向上させることができる。このため、本実施形態の方法は、車両1に装着されたタイヤの操縦安定性能を短時間で精度よく評価することができる。
図5は、表示工程S42の一例を示すグラフである。図5の横軸は時間tであり、縦軸は車体速度V及び操舵角θである。図5には、設定速度Vcが80km/hの一例が示されている。図5に示されるように、本実施形態の表示工程S42は、車両1の車体速度V及びステアリング4の操舵角θを表示している。表示工程S42は、例えば、操舵角θのみを表示してもよく、その他のパラメータを表示してもよい。このような表示工程S42は、解析対象として不適切な範囲を発見し易く、タイヤの評価を短時間で精度よく行うことができる。
表示工程S42では、例えば、解析対象範囲ARとして抽出した操舵角θの時系列データDを異なる色で表示している。表示工程S42では、例えば、解析対象範囲ARとして抽出した操舵角θの時系列データDを異なる線種で表示してもよく、太さの異なる線で表示してもよい。このような表示工程S42は、その視認性が良好であり、解析対象として不適切な範囲の発見がより容易である。
図4に示されるように、本実施形態の解析工程S4は、次に、表示工程S42で表示された解析対象範囲ARの適否を評価者が判断する判断工程S43が行われる。このような判断工程S43は、最終的に評価者が判断できるので、不適切な解析対象範囲ARが抽出されたとしても当該解析対象範囲ARを除外することで、評価の精度を向上させることができる。また、判断工程S43は、表示工程S42で解析対象範囲ARが異なる色で表示されているので、評価者が短時間で正確に判断することができる。
判断工程S43は、例えば、コンピュータが抽出した解析対象範囲ARに対応して、チェックボックスが表示され、当該チェックボックスにチェックをいれることで、解析対象範囲ARの適否を指示することができる。このような判断工程S43は、簡単な操作で精度の高い評価をすることができる。なお、判断工程S43は、省略されてもよい。この場合、解析工程S4は、複数の各時系列データDに基づき、全自動でタイヤの評価をすることができる。
本実施形態の解析工程S4は、次に、車体速度V、車体横加速度A及び車体スリップ角βに基づき、後輪3の等価コーナリングパワーCrを求める後輪計算工程S44が行われる。
図6は、後輪計算工程S44を模式的に示すグラフである。図6の横軸は車体速度Vの二乗の逆数、すなわち1/V2であり、縦軸は車体横加速度Aに対する車体スリップ角β、すなわちβ/Aである。図6に示されるように、本実施形態の後輪計算工程S44は、異なる車体速度Vで複数回測定された車体スリップ角β、車体横加速度A及び車体速度Vに基づき、車体横加速度Aに対する車体スリップ角βと車体速度Vの二乗の逆数とが、それぞれ演算される。図6には、右旋回工程S1R及び左旋回工程S1Lにおける各時系列データDの解析対象範囲ARの平均値がそれぞれプロットされている。
本実施形態の後輪計算工程S44は、これらの複数のプロットに基づき、回帰直線Rが求められる。回帰直線Rは、例えば、最小二乗法によって求められる。このような後輪計算工程S44は、車体スリップ角β、車体横加速度A及び車体速度Vのそれぞれの測定誤差の影響が更に低減され得る。
本実施形態の回帰直線Rは、車両1を右旋回工程S1Rで旋回走行させたときの右回帰直線RRと、車両1を右旋回工程S1Rで旋回走行させたときの左回帰直線RLとを含んでいる。このように、本実施形態の後輪計算工程S44は、右旋回工程S1Rで測定された各時系列データDの解析対象範囲ARの平均値に基づき、右回帰直線RRが求められる。また、この後輪計算工程S44は、左旋回工程S1Lで測定された各時系列データDの解析対象範囲ARの平均値に基づき、左回帰直線RLが求められる。
本実施形態の後輪計算工程S44は、右回帰直線RRと左回帰直線RLとの交点から、車体スリップ角βが0となるときの第1速度V1が求められる。このような後輪計算工程S44は、右旋回工程S1Rでの測定誤差と左旋回工程S1Lでの測定誤差との影響が低減され、車体スリップ角βが0となるときの第1速度V1を精度よく求めることができる。
本実施形態の後輪計算工程S44は、第1速度V1、重力加速度g及び測定点Pの水平距離Lから、以下の数式1の関係式に基づき後輪3の等価コーナリングパワーCrを求めている。
Figure 0007326855000001
後輪計算工程S44は、例えば、水平距離Lが1mである場合、数式1を変形した以下の数式2により、後輪3の等価コーナリングパワーCrを求めることができる。このような後輪計算工程S44は、演算が容易であり、解析に要する時間を短縮することができる。
Figure 0007326855000002
図4に示されるように、本実施形態の解析工程S4は、次に、車体速度V、操舵角θ及び車体ヨー角速度Yに基づき、車両1のスタビリティファクタSfを求める車両計算工程S45が行われる。車両計算工程S45は、例えば、後輪計算工程S44の前に行われてもよく、また、後輪計算工程S44と同時に行われてもよい。
本実施形態の車両計算工程S45は、車体ヨー角速度Y、操舵角θ、車体速度V、測定点Pの水平距離L及び車両1毎に定められたステアリングギア比Sgから、以下の数式3に基づき車両1のスタビリティファクタSfを求めている。
Figure 0007326855000003
本実施形態の解析工程S4は、次に、後輪3の等価コーナリングパワーCr及び車両1のスタビリティファクタSfに基づき、前輪2の等価コーナリングパワーCfを求める前輪計算工程S46が行われる。
本実施形態の前輪計算工程S46は、後輪3の等価コーナリングパワーCr及び車両1のスタビリティファクタSfから、以下の数式4に基づき前輪2の等価コーナリングパワーCfを求めている。
Figure 0007326855000004
このような解析工程S4は、数式1ないし数式4に基づき、前輪2の等価コーナリングパワーCfと後輪3の等価コーナリングパワーCrとを求めることができ、解析に要する時間を短縮することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
図2ないし図4の方法で、試験車両の前輪及び後輪に装着されたタイヤの等価コーナリングパワーを評価した実施例がテストされた。比較例として、解析対象範囲の各時系列データを評価者が全て入力して試験車両の前輪及び後輪に装着されたタイヤの等価コーナリングパワーが評価された。テストの共通仕様は、以下のとおりである。
<共通仕様>
試験タイヤ:185/65R15 84H
空気圧:230kPa
試験車両:小型乗用車
試験タイヤ装着位置:前輪及び後輪
テストの結果、実施例の評価結果と比較例の評価結果とは、同等であり、精度に関しては差異がないことが確認された。また、実施例の評価時間は約10分であり、比較例の評価時間の約40分に対して25%の時間で評価できることが確認された。このため、実施例の方法は、車両の前輪及び後輪に装着されたタイヤの操縦安定性能を短時間で精度よく評価していることが確認できた。
1 車両
2 前輪
3 後輪
S2 測定工程
S4 解析工程
S41 抽出工程
S42 表示工程

Claims (9)

  1. 車両の前輪及び後輪の少なくとも1つに装着されたタイヤの操縦安定性能を評価するための方法であって、
    前記車両を異なる車体速度で複数回旋回走行させる旋回工程と、
    前記車両を走行させたときのパラメータの時系列データを測定する測定工程と、
    前記測定工程で測定された前記時系列データの解析対象範囲に基づき、前記操縦安定性能を評価する解析工程とを含み、
    前記測定工程は、前記旋回工程で前記車両を旋回走行させたときの前記車体速度、操舵角、車体横加速度、車体ヨー角速度及び車体スリップ角の前記時系列データを測定し、
    前記解析工程は、
    コンピュータが前記解析対象範囲を自動で抽出する抽出工程と、
    前記コンピュータが抽出した前記解析対象範囲を含む前記時系列データの少なくとも1つを、評価者が視認可能なグラフで表示する表示工程とを含む、
    タイヤの評価方法。
  2. 前記表示工程では、前記解析対象範囲として抽出した前記時系列データを異なる色、異なる線種又は太さの異なる線で表示し、
    前記解析工程は、表示された前記解析対象範囲の適否を前記評価者が判断する判断工程を含む、請求項1に記載のタイヤの評価方法。
  3. 前記解析工程は、
    前記車体速度、前記車体横加速度及び前記車体スリップ角に基づき、前記後輪の等価コーナリングパワーを求める後輪計算工程と、
    前記車体速度、前記操舵角及び前記車体ヨー角速度に基づき、前記車両のスタビリティファクタを求める車両計算工程と、
    前記後輪の等価コーナリングパワー及び前記車両のスタビリティファクタに基づき、前記前輪の等価コーナリングパワーを求める前輪計算工程とを含む、請求項1又は2に記載のタイヤの評価方法。
  4. 前記旋回工程は、
    前記車体速度を設定速度でかつ前記操舵角を前記車両の直進状態の直進操舵角から設定操舵角まで変化させて前記車両を旋回走行させる過渡旋回工程と、
    前記設定速度でかつ前記設定操舵角で前記車両を旋回走行させる定常円旋回工程とを含み、
    前記定常円旋回工程は、前記過渡旋回工程に続いて行われる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタイヤの評価方法。
  5. 前記定常円旋回工程は、3秒以上連続して行われる、請求項に記載のタイヤの評価方法。
  6. 前記抽出工程は、前記定常円旋回工程における前記時系列データを抽出する、請求項4又は5に記載のタイヤの評価方法。
  7. 前記抽出工程は、前記コンピュータに予め設定された前記設定操舵角、前記設定操舵角の保持時間、前記設定操舵角の保持公差及び前記直進操舵角に基づき、前記解析対象範囲を抽出する、請求項4ないし6のいずれか1項に記載のタイヤの評価方法。
  8. 前記設定速度は、40、50、60、70、80km/hの5水準である、請求項4ないし7のいずれか1項に記載のタイヤの評価方法。
  9. 前記旋回工程は、前記車両を右方向へ旋回させる右旋回工程と、前記車両を左方向へ旋回させる左旋回工程とが、それぞれ、複数回行われる、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のタイヤの評価方法。
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