JP7326000B2 - 筆記具及び筆記具セット - Google Patents

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Description

本発明は、筆記具及びこれを備えた筆記具セットに関するものである。
下記特許文献1には、軸筒と、前記軸筒の内部に収容され、毛細管力によってインクを誘導可能なインク供給芯と、前記インク供給芯の外周を覆う芯周囲部材とを備え、前記インク供給芯及び前記芯周囲部材の一部を前記軸筒の先端から露出させた筆記具において、前記インク供給芯と前記芯周囲部材との軸方向の位置関係を相対的に変えることができる変位手段を備え、前記変位手段により、前記インク供給芯を前記芯周囲部材に対し相対的に後方へ移動させることで、前記インク供給芯の先端と前記芯周囲部材の先端とを筆記面に同時に接触させることができるように形成されていることを特徴とする筆記具が記載されている。
このように、軸筒の内部に、インク供給芯が貫通した芯周囲部材を収容した筆記具では、インク供給芯の毛細管力で先端まで誘導されたインクが、インク供給芯と芯周囲部材との間を伝って軸筒内までせり上がる現象がしばしば認められる。たとえば軸筒を内部が視認可能な材質で形成した場合には、軸筒内までせり上がったインクが見えることで外観を損なう。そればかりか、乾燥したインクが軸筒の内部と外部とを連絡する空気置換孔を閉塞することもあり、インクと空気との置換が阻害され、インクが吐出されなくなる可能性がある。
一方、従来より、特定のポリマー構成を有する樹脂エマルションを染料で染色して、疑似顔料とも呼ばれる色材を用いた筆記具用インクが知られている。
たとえば、1)重合性界面活性剤の存在下で水溶性塩基性染料が溶解された酸性官能基を有するビニルモノマーを乳化重合して調製された水性インク用着色樹脂微粒子水性分散液(たとえば、特許文献2参照)、2)少なくとも、酸性官能基として水への溶解度が10質量%以下のカルボキシル基含有ビニルモノマー(A)と、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2~18の直鎖若しくは環状アルコールとのエステルモノマー(B)と、塩基性染料又は油溶性染料とで構成される着色樹脂微粒子が水に分散されている水性インク用着色樹脂微粒子の分散液を用いた筆記具用水性インク組成物(たとえば、特許文献3参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献2及び3記載の水性インク用着色樹脂微粒子の分散液を色材として用いた筆記具用水性インクは、内包可能な染料の量が限られていた。そのため描線の濃度が若干不足がちであった。一方、着色樹脂微粒子の合成時に添加する染料の量を多くすると、重合が阻害されて安定な着色樹脂微粒子が得られないことがあった。
特開2016-026930号公報 特開平10-259337号公報 特開2016-196623号公報
本開示における態様は、筆圧によって描線の幅を自在に変化させる筆記具において、細軸のサインペン又はマーキングペンに対応可能な筆記具と、これを備えた筆記具セットとを提供することを目的とする。
本開示における態様はさらに、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、内包する染料の量を多くしても、安定性に優れ、十分な描線濃度を有するインクを貯蔵した筆記具を提供することを目的とする。
本開示の第1の態様に係る筆記具は、軸筒と、
前記軸筒の内部でインクを貯蔵するインク貯蔵部と、
前記軸筒の内部の先端側に収容され、毛細管力によって前記インク貯蔵部から前記インクを誘導する第1の筆記部と、
前記軸筒の先端に装着され、前記第1の筆記部が貫通し、かつ、前記第1の筆記部の先端が突出する第2の筆記部と、
を有し、
前記第1の筆記部は、筆圧によって、前記第2の筆記部の先端において後方に移動するとともに、
前記インクは、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーを少なくとも含むモノマーと、架橋剤とを含む全ポリマー成分と、塩基性染料及び油溶性染料のうちの一方からなる染料成分と、を少なくとも含む着色樹脂微粒子と、
水溶性有機溶剤と、水とを含有し、
前記全ポリマー成分に占める前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの割合が30質量%以上であるとともに、
前記全ポリマー成分100質量部に対して前記染料成分が15質量部以上であることを特徴とする。
また、前記第1の筆記部における前記第2の筆記部の先端からの突出寸法は、非筆記時においては0.05~0.7mmであることが好ましい。
また、前記第2の筆記部は、前記第1の筆記部の先端が突出する先端開口を有し、前記先端開口の内径から前記流路の外径を減じた値が、0.5mm以下、好ましくは0未満であることが好ましい。なお、当該数値は、負の数となり得るものである。
また、同一の筆記荷重において、筆記面に対する筆記角度60°における描線幅を、筆記面に対する筆記角度90°における描線幅で除した値が、0.67以上かつ1.5未満、より好ましくは0.9以上かつ1.1未満であることが好ましい。なお、この値が0.67未満又は1.5以上になると、筆記条件により、描線の幅が変わってしまい、使用者が使いにくいものとなる。
本開示の第2の態様に係る筆記具セットは、第1の態様の筆記具と、前記筆記具を収納するケースと、から成る筆記具セットであって、
前記ケースは、
前記筆記具を長方形状の開口部を通じて出し入れ可能に収容する収納部と、
前記開口部の長辺の1つに設けられるヒンジ部と、
前記開口部の両方の短辺である2つの開口端縁と、
前記ヒンジ部を介して前記収納部に連設されて前記開口部に対して閉鎖位置と開放位置との間を回動可能である可動部と、
前記可動部において前記閉鎖位置で前記2つの開口端縁のそれぞれと当接する2つの当接縁と、
前記開口端縁の内面側から前記可動部の方向へ突設された支持片と、
前記支持片に穿設された係合孔と、
前記支持片において前記ヒンジ部の側に面する辺である係止縁と、
前記可動部の前記当接縁の近傍において内方へ突設され、前記閉鎖位置で前記係合孔に嵌合するとともに、前記開放位置で前記係止縁と当接する係合突起と、
を備えることを特徴とする。
本開示の第3の態様に係る筆記具セットは、第1の態様の筆記具と、前記筆記具を収納するケースと、から成る筆記具セットであって、
前記ケースは、
前記筆記具を長方形状の開口部を通じて出し入れ可能に収容する収納部と、
前記開口部の長辺の1つに設けられるヒンジ部と、
前記開口部の両方の短辺である2つの開口端縁と、
前記ヒンジ部を介して前記収納部に連設されて前記開口部に対して閉鎖位置と開放位置との間を回動可能である可動部と、
前記可動部において前記閉鎖位置で前記2つの開口端縁のそれぞれと当接する2つの当接縁と、
前記開口端縁の内面側から前記可動部の方向へ突設された支持片と、
前記支持片において前記ヒンジ部の側に面する辺である係止縁と、
前記支持片の前記係止縁の近傍において外方へ突設された嵌合突起と、
前記可動部の前記当接縁の近傍において内方へ突設され、前記開放位置で前記係止縁と当接する係合突起と、
前記可動部の前記当接縁の近傍において穿設され、前記閉鎖位置で前記嵌合突起が嵌合する係合孔と、
を備えることを特徴とする。
本開示の各態様は、上記の如く構成されているので、細軸のサインペン又はマーキングペンにおいても、筆圧によって描線の幅を自在に変化させることができるものである。
さらに本開示の各態様によれば、内包する染料の量を多くしても、安定性に優れ、十分な描線濃度を有する着色樹脂微粒子を色材として用いたインクを貯蔵した筆記具が提供される。
第1の実施形態に係る筆記具の全体構成を示す正面図である。 図1Aのα-α断面図である。 図1Bの要部を拡大したものである。 第1の実施形態に係る筆記具における把持部材を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る筆記具における把持部材を示す側面図である。 図3Bのβ-β断面図である。 第1の実施形態に係る筆記具におけるキャップを示す斜視図である。 図4Aのγ-γ断面図である。 図4Aのδ-δ断面図である。 第1の実施形態に係る筆記具におけるキャップの頭部を示す平面図である。 第1の実施形態に係る筆記具におけるキャップの挿入部を示す底面図(B)である。 第1の実施形態に係る筆記具におけるキャップへの先軸の挿入時の状態を示す側面断面図である。 第1の実施形態に係る筆記具における尾栓を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る筆記具における尾栓を示す側面図である。 図6Bのε-ε断面図である。 第1の実施形態に係る筆記具における第2の筆記部の斜視図である。 第1の実施形態に係る筆記具における第2の筆記部の側面図である。 図7Bのζ-ζ断面図である。 第1の実施形態に係る筆記具における第2の筆記部の変形例を示す側面図である。 図8Aのη-η断面図である。 第1の実施形態に係る筆記具における第1の筆記部と第2の筆記部との動作前の状態を示す断面図である。 第1の実施形態に係る筆記具における第1の筆記部と第2の筆記部との動作中の状態を示す断面図である。 第1の実施形態に係る筆記具の先端部を示す拡大断面図である。 図10Aの第1の筆記部の一例を示すθ-θ断面図である。 図10Aの第1の筆記部の別の例を図10Bと同様の断面図で示す。 第2の実施形態に係る筆記具の全体構成を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る筆記具の全体構成を示す正面図である。 図11Bのι-ι断面図である。 図11Cの要部拡大図である。 第2の実施形態に係る筆記具の把持部材の正面図である。 図13Aの把持部材の前方斜視図である。 図13Aの把持部材の後方斜視図である。 図13Aの把持部材の平面図である。 図13Aの把持部材の底面図である。 図13Aのκ-κ断面図である。 第2の実施形態に係る筆記具の軸筒の斜視図である。 図14Aの軸筒の正面図である。 図14Aの軸筒の平面図である。 図14Aの軸筒の底面図である。 図14Bのλ-λ断面図である。 図14Aに示す軸筒の変形例の斜視図である。 図15Aの軸筒の正面図である。 図15Aの軸筒の平面図である。 図15Aの軸筒の底面図である。 図15Aのμ-μ断面図である。 第2の実施形態に係る筆記具の尾栓の正面図である。 図16Aのν-ν断面図である。 図12の先端部分をさらに拡大したものである。 図17Aの変形例を示す。 筆記具を収納可能な第1実施形態のケースの正面上方斜視図である。 筆記具を収納可能な第1実施形態のケースの背面上方斜視図である。 筆記具を収納可能な第1実施形態のケースの正面下方斜視図である。 筆記具を収納可能な第1実施形態のケースの背面下方斜視図である。 第1実施形態のケースの正面図である。 第1実施形態のケースの背面図である。 第1実施形態のケースの平面図である 第1実施形態のケースの底面図である。 第1実施形態のケースの左側面図である。 第1実施形態のケースの右側面図である。 第1実施形態のケースの可動部が開口部に対して開放位置にある状態を正面上方斜視図にて示す。 第1実施形態のケースを展開した状態を正面下方斜視図で示す。 第1実施形態のケースの蓋部を正面上方斜視図で示す。 第1実施形態のケースの可動部を正面下方斜視図で示す。 第1実施形態のケースの可動部を回動させてケースを立位にした状態を正面下方斜視図で示す。 図24に示す状態において、係止縁と係合突起との係止状態を拡大して示す。 筆記具と第1実施形態のケースとを組み合わせた筆記具セットを正面上方斜視図にて示す。 筆記具を収納可能な第2実施形態のケースの正面上方斜視図である。 筆記具を収納可能な第2実施形態のケースの背面上方斜視図である。 筆記具を収納可能な第2実施形態のケースの正面下方斜視図である。 筆記具を収納可能な第2実施形態のケースの背面下方斜視図である。 第2実施形態のケースの正面図である。 第2実施形態のケースの背面図である。 第2実施形態のケースの平面図である。 第2実施形態のケースの底面図である。 第2実施形態のケースの左側面図である。 第2実施形態のケースの右側面図である。 第2実施形態のケースの可動部が開口部に対して開放位置にある状態を正面上方斜視図にて示す。 第2実施形態のケースを展開した状態を正面下方斜視図で示す。 第2実施形態のケースの蓋部を正面上方斜視図で示す。 第2実施形態のケースの可動部を正面下方斜視図で示す。 第2実施形態のケースの可動部を回動させてケースを立位にした状態を正面下方斜視図で示す。 図33に示す状態において、係止縁と係合突起との係止状態を拡大して示す。 筆記具と第2実施形態のケースとを組み合わせた筆記具セットを正面上方斜視図にて示す。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る筆記具1として、細軸のサインペン又はマーキングペンを例に説明する。なお、各図において、筆記具1及びその構成部品についての「前方」とは、筆記具1の先端の方向を示し、「後方」とはその反対側の方向を示し、「軸方向」とは、軸筒10の前方から後方までを貫く軸の方向を示し、「横断方向」とは、軸方向に直交する方向を示すものとする。また、各図面間で共通して付されている符号は、特に各図面の説明において言及がなくとも、同じ構成又は部材を表している。
<第1の実施形態の全体構成>
第1の実施形態に係る筆記具1は、図1Aに示すように、より小径の先軸11及びより大径の後軸12が一体に形成された(図2参照)軸筒10と、先軸11の前方側に装着された第2の筆記部30とを備えている。後軸12の内部には、図1Bに示すように、インクが貯蔵されるインク貯蔵部15が収容される。先軸11の先端付近には、軸筒10の内部と外部との空気の流通を可能とする空気置換口11Eが設けられている。このインク貯蔵部15に貯蔵されるインクについては後述する。
また、第2の筆記部30には、第1の筆記部20が貫通している。第1の筆記部20の先端は第2の筆記部30の先端から突出している。第1の筆記部20の後端はインク貯蔵部15の前端に突き刺さるまで延伸している。
また、図1Aには図示しないが、図1Aに示す先軸11には、図4A~Cに示すキャップ50が装着される。
(軸筒の構造)
図1Bに示すように、軸筒10は、前述したように、先軸11と後軸12とを有する。先軸11の前方の端部には前部開口13が開口し、後軸12の後方の端部には後部開口14が開口している。なお、後部開口14には尾栓60が圧入されている。
また、軸筒10の外形は、図3Aに示すように、横断方向の断面が、全体に丸みを帯びた四角形に形成されている。
後軸12は、図2に示すように、後述する把持部材40で被覆される前方側の前部把持部12Aと、後方側の後部把持部12Bとが、一体に形成されている。
また、前部把持部12Aと後部把持部12Bとは、その境界部12Cにおいて、前方に向けて縮径した段差を有しており、これによって前部把持部12Aの太さが後部把持部12Bの太さよりも細くなっている。
また、前部把持部12Aの外周面の一部には、軸方向に長い長方形の形状を有する複数の溝穴12Dが穿設されている。この溝穴12Dには、後述する把持部材40の内面に突出する係止片44が嵌入する。
また、前部把持部12Aの前方の端部12Eは、横断方向の断面が凸円弧状となる面が形成され、その前方に一体に形成される先軸11はこの端部12Eよりも細くなっている。
また、後軸12の後端縁には、尾栓60の鍔部62が接触している(図1B参照)。
先軸11は、図2に示すように、後端から、根本部11Aと、縮径部11Bと、先端部11Cと、係止面11Dと、を有する。
根本部11Aは、前部把持部12Aの前方の端部12Eから一定の太さで、前方に延設された部分である。なお、図2及び図3A~Cに示すように、根本部11Aの中間部分には、軸方向と交差する方向に沿った突起が各側面に形成されている。これらの突起を係止突起11A1と称する。本実施形態においては、この係止突起11A1は合計4個設けられている。
縮径部11Bは、根本部11Aの前端から先細りとなって前方に延設された部分である。
先端部11Cは、縮径部11Bの前端から一定の太さで前方に延設された部分である。
係止面11Dは、先端部11Cの先端縁であり、後述する第2の筆記部30の係合部33の係合片33Aと接触している。
(把持部材)
把持部材40は、図3A~Cに示すように、全体が断面略正方形の筒状に形成され、前方に開口する前方開口42と、後方に開口する後方開口43と、を有する。
係止片44は、把持部材40の内側において、複数個が内側に向けて突出し、かつ軸方向に長い突条として形成される。これらの係止片44は、後軸12の前部把持部12Aの外周に設けられた複数の溝穴12Dに嵌合することで、把持部材40は後軸12に装着される。
前方開口42の端部には、縁部42Aが形成されている。縁部42Aの内面は、前部把持部12Aの端部12Eの断面の凸円弧状に対応するように断面凹円弧状に形成される。前方開口42は、先軸11の根本部11Aが嵌入し得る大きさで形成されている。
後方開口43の端部には端面43Aが形成され、後軸12の後部把持部12Bの境界部12Cの段差面に接触している。
また、把持部材40は、図3A及びBに示すように、軸筒10とは異なる色彩が付与されていてもよく、その色彩は、たとえば、インク貯蔵部15に貯留されるインクの色と同系色としてもよい。
なお、軸筒10と把持部材40とは、たとえば二色成形により形成することができる。
(キャップ)
キャップ50は、図4A~C及び図5A~Cに示すように、キャップ外筒51とキャップ内筒52とを有する。
キャップ外筒51は、図4Aに示すように、全体が筒形状に形成され、前方と後方とに開口を有する。これらのうち後方の開口を後方開口54と称する。このキャップ外筒51の外周面は、横断方向の断面が、軸筒10の外周面と同じく、全体に丸みを有する四角形に形成されている。
キャップ内筒52は、図4A~C及び図5A~Cに示すように、先端が閉鎖し、後端が開放した筒形状に形成されている。キャップ内筒52は、キャップ外筒51の内部の前半部分に収容され、開放した後端部分は、キャップ外筒51のほぼ中間部分の内周面に対して、不連続的に等配される連結部52Aにて連結している。これら連結部52Aの間は、複数の貫通孔53Aとなっている。また、キャップ内筒52の後端縁は、連結部52Aで分断された不連続縁52Bとなっている。本実施形態においては、連結部52A及び不連続縁52Bはそれぞれ6箇所形成されている。
また、キャップ内筒52の閉鎖した先端部分は、キャップ外筒51の先端と面一になっており、その周囲は連続した周回溝53に囲まれている。周回溝53は前記貫通孔53Aでキャップ外筒51の内部の後半部分と連絡している。
後方開口54からは、前述した先軸11(図1A及びB並びに図3A~C参照)が挿入される。
係止突起55は、キャップ外筒51の内面の後端付近に軸方向と交差して形成される複数の突起であり、先軸11に設けられる前記係止突起11A1(図2及び図3A~C参照)を前方から後方に向けて弾性変形により乗り越えることで互いに係止される。これによって、キャップ50が軸筒10に装着される。
本実施形態においては、複数の係止突起55は、図4Aに示すように、キャップ外筒51の丸みを有する各側面に対応して、計4個設けられている。
案内片56は、図4B及びCに示すように、前記連結部52Aからキャップ外筒51の内面までを連結する傾斜した突条として形成されている。本実施形態においては、複数の案内片56は、計6つが等配されている。
そして、この複数の案内片56は、図5Cに示すように、先軸11をキャップ50の後方開口54からその内周縁54Aと摺接しつつ挿入する際に、第2の筆記部30における縮径部31と第1の筆記部20における先端部23とを案内することで、縮径部31や先端部23の、不連続縁52Bへの衝突を回避して、破損を防止するようになっている。
(尾栓)
尾栓60は、図6A~Cに示すように、全体が筒形状に形成され、挿入部61と、鍔部62と、頭部63と、を有する。挿入部61の先端が、尾部64となっている。
挿入部61は、軸筒10における後軸12の後部開口14から後軸12の内部に挿入され、後部開口14を塞ぐ(図1B参照)。
鍔部62は、後部開口14の端面に密着して後軸12の内部を密閉し、後軸12の内部を外気から遮断する。
頭部63は、鍔部62から後方に延びるように形成されており、ここに筆記時にキャップ50を装着しておくことができる。
尾栓60の形状は、挿入部61と頭部63は、横断方向の断面が円形に形成されているが、鍔部62は、軸筒10の横断方向の断面形状と同じく、丸みを有する四角形に断面形状が形成されている。すなわち、尾栓60が、軸筒10の後部開口14に挿入された際に、鍔部62と後軸12とが同じ形状となるように、形状を合わせている。
なお、この尾栓60に代えて、図示しない他の筆記部を装着することができる。ここで、その他の筆記部が後軸12に挿入される部分の外径をこの尾栓60の挿入部61と同じ形状にすることで、軸筒10を、本実施形態のような筆記先端が一端にのみある筆記具1と、筆記先端が両端にある筆記具とで兼用することができる。
(インク貯蔵部)
図1Bに示すインク貯蔵部15は、インクを貯留する円筒形状のポリエステル繊維素材で構成された中綿であり、軸筒10の後軸12の内部に収容されている。
また、インク貯蔵部15の前方の端部は、図2に示すように、後軸12における前部把持部12Aの内部において、境界部12Cよりも僅かに前方に位置して、前部把持部12Aの内周面に軸方向に形成されている複数本のリブ12A1(図3C参照)に接触している。
一方、インク貯蔵部15の後方の端部は、後軸12に嵌まり込む尾栓60の尾部64に接触する位置にある。
これにより、インク貯蔵部15は、図1Bに示すように、前部把持部12Aのリブ12A1と、尾栓60の尾部64とに挟まれて固定されている。
(インク)
本実施形態のインクは、インク貯蔵部15に浸漬された状態で貯蔵されており、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーを少なくとも含むモノマーと、架橋剤とを含む全ポリマー成分と、塩基性染料及び油溶性染料のうちの一方からなる染料成分と、を少なくとも含む無着色樹脂微粒子と、水溶性有機溶剤と、水とを含有する。前記全ポリマー成分に占める前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの割合が30質量%以上である。さらに、前記全ポリマー成分100質量部に対して前記染料成分が15質量部以上である。
本実施形態で用いられる全ポリマー成分に含まれる(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーは、内包する染料の量を多くしても、色の濃い発色性に優れる安定な着色樹脂微粒子が得られ、さらに、得られる着色樹脂微粒子により十分な描線の濃度となるという利点を有する。ここで、「全ポリマー成分」とは、最終的なポリマーの原料となる全ての種類のモノマーと、架橋剤とを含むものであり、そのモノマーの1つが上記した(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーである。なお、「(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマー」とは、モノマーとして用いられる(メタ)アクリル酸シクロヘキシルのことである。
本開示における「(メタ)アクリル酸」との表記は、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を表す。したがって、「(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマー」は、「アクリル酸シクロヘキシルモノマー及び/又はメタクリル酸シクロヘキシルモノマー」を意味する。(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーは、既知の製法で製造される。この既知の製法としては、たとえば、(メタ)アクリル酸と、シクロヘキサノールとを無機酸、有機スルホン酸、強酸性イオン交換樹脂等の触媒を用いてエステル化するエステル化法や、チタンや錫等を含む有機金属化合物を触媒に用いるエステル交換法が挙げられる。
本実施形態においては、モノマーの全てが上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーであってもよいし、他の種類のモノマーも全ポリマー成分に含まれることとしてもよい。この他のモノマーとしては、疎水性ビニルモノマー及び/又は水性モノマーが挙げられる。
疎水性ビニルモノマーとしては、たとえば、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマー以外の(メタ)アクリル酸のエステル類、スチレン、メチルスチレン等のスチレン類等の少なくとも1種のモノマーを用いることができる。具体的には、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、スチレン及びメチルスチレンのうちの少なくとも1種、すなわち、これらのうちのいずれか1種類又は2種類以上の混合物が挙げられる。
用いることができる水性モノマーとしては、たとえば、グリセリンモノメタクリレート、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール-プロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール-テトラメチレングリコール-モノメタクリレート及びプロピレングリコール-ポリブチレングリコール-モノメタクリレートのうちの少なくとも1種、すなわち、これらのうちのいずれか1種類又は2種類以上の混合物が挙げられる。
本実施形態で用いられる塩基性染料としては、たとえば、ジアリールメタン系染料及びトリアリールメタン系染料が挙げられ、アジン系(ニグロシンを含む)、オキサジン系及びチアジン系等のキノンイミン系染料も挙げられ、キサンテン系染料、トリアゾールアゾ系染料、チアゾールアゾ系染料、ベンゾチアゾールアゾ系染料及びアゾ系染料も挙げられ、ポリメチン系、アゾメチン系及びアザメチン系等のメチン系染料も挙げられ、アントラキノン系染料及びフタロシアニン系染料も挙げられる。これらの塩基性染料は、少なくとも1種、すなわち、これらのうちのいずれか1種類又は2種類以上の混合物としてもちいることができる。好ましくは、これらのうち、水溶性の塩基性染料が望ましい。
用いることができる具体的な塩基性染料としては、たとえば、C.I.ベーシックイエロー1、2、9及び80、C.I.ベーシックオレンジ1、2、7及び34、C.I.ベーシックレッド1、2、3及び53、C.I.ベーシックバイオレット1、2、3及び39、C.I.ベーシックブルー1、2、5及び88、C.I.ベーシックグリーン1、4、6及び10、C.I.ベーシックブラウン、1、2、4及び15、並びにC.I.ベーシックブラック1、2、7及び8が挙げられる。これらの市販品としては、たとえば、AIZEN CATHILON YELLOW GLH(保土谷化学工業)、AIZEN CATHILON RED BLH(保土谷化学工業)、AIZEN CATHILON RED RH(保土谷化学工業)、Diacryl Supra Brilliant Red 2G(三菱化学)及びSumiacryl Red B(住友化学)、AIZEN CATHILON TURQUOISE BLUE LH(保土谷化学工業)、Diacryl Supra Brilliant Green 2GL(三菱化学)、Janus Brown R(日本化学)及びAIZEN CATHILON BROWN GH(保土谷化学工業)が挙げられる。
また、本実施形態で用いられる油溶性染料としては、たとえば、一般に市販されているモノアゾ系染料、ジスアゾ系染料、金属錯塩型モノアゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料及びトリアリールメタン系染料が挙げられる。また、酸性染料又は塩基性染料等の官能基を疎水基で置換した造塩タイプ油溶性染料も使用することができる。
用いることができる具体的な油溶性染料としては、たとえば、C.I.ソルベントイエロー114及び116、C.I.ソルベントオレンジ67、C.I.ソルベントレッド122及び146、C.I.ソルベントブルー5、36、44、63、70、83、105及び111、並びにC.I.ソルベントブラック3、7、27及び29が挙げられる。これらの市販品としては、SBNブルー701(保土谷化学工業)、オイルブルー650(オリエント化学工業)、サビニールブルーGLS(クラリアント)及びSOC-1-0100(オリエント化学工業)、並びにオイルブラック860、オイルピンク314、オイルイエロー3G、バリファストピンク2310N、バリファストレッド3312、バリファストイエローCGHNnew、バリファストイエロー1108及びバリファストブラック3830(以上、オリエント化学工業)を挙げることができる。
本実施形態の着色樹脂微粒子は、水に分散された状態の分散液として製造することができる。その製造法としては、たとえば、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーに、又は、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーとこれ以外の疎水性ビニルモノマー又は水性モノマーを含む混合モノマーに、上記塩基性染料又は油溶性染料を溶解し、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム若しくは過酸化水素等を単独で、又はこれに還元剤をさらに併用したものを重合開始剤として、さらにトリアリルイソシアヌレート、イソシアヌル酸トリアリル、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、ジトリメチロールプロパンアクリレート、ジペンタエリスリトールアクリレート、メトキシ化ビスフェノールAメタクリレート、ペンタエリスリトールメタクリレート、ジトリメチロールプロパンメタクリレート、ジペンタエリスリトールメタクリレート又はエトキシ化ポリグリセリンメタクリレート等の架橋剤や、必要に応じて、ポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)-アルキルエーテル硫酸アンモニウム、エーテルサルフェート、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル、ポリアクリル酸アンモニウム、スチレン-マレイン酸コポリマーアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等の重合性界面活性剤(乳化剤)を用いて乳化重合することにより製造することができる。なお、上記では塩基性染料又は油溶性染料による染色は重合と同時に行っているが、重合後に塩基性染料又は油溶性染料を溶解して染色を行ってもよい。
上記した架橋剤の使用により、着色樹脂微粒子の耐熱性、機械的特性、耐加水分解性及び耐候性が向上する。
本実施形態において、上記乳化重合の際には、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマー等に、さらに、ジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマー等を適宜量混合して乳化重合を行ってもよい。このジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマーをさらに、混合して乳化重合したものでは、分散液中の水分が揮発したとしても安定性が損なわれにくく、さらに安定性に優れた水性インク用着色樹脂微粒子の分散液等が得られるものとなる。
なお、このジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマーには、ジシクロペンタニルアクリレートモノマー、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレートモノマー及びジシクロペンテニルメタクリレートが含まれる。
また、本実施形態において、上記乳化重合の際には、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマー、これ以外の上記疎水性ビニルモノマー等、上記ジシクロペンタ(テ)ニル(メタ)アクリレートモノマーの他に、エポキシ基、ヒドロキシメチルアミド基又はイソシアネート基等の反応性架橋基を有するモノマーや2つ以上のビニル基を有する多官能性モノマーを適宜配合して架橋してもよい。
本実施形態において、前記着色樹脂微粒子を構成する全ポリマー成分のうち、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量は、着色樹脂微粒子を構成する全ポリマー成分に対して、30質量%以上であることが必要であり、好ましくは、30~95質量%、さらに好ましくは、30~70質量%であることが望ましい。
なお、本実施形態において、「全ポリマー成分」とは、着色樹脂微粒子を構成する重合性成分をいい、具体的には、用いられる(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、用いられる他のモノマー成分と、後述する架橋剤との合計量をいう。
上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量を全ポリマー成分に対して、30質量%以上とすることにより、本実施形態の効果を発揮せしめることができる。一方、この含有量が30質量%未満であると、経時安定性が劣ることとなり、好ましくない
また、前記水性インク用着色樹脂微粒子を構成するポリマー成分のうち、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマー以外の他のモノマー成分の含有量は、用いる(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと後述する架橋剤との合計量の残部となる。
好ましくは、他のモノマー成分の含有量は、本実施形態の効果をさらに発揮せしめる点、分散性の点、反応性の点から、全ポリマー成分に対して、5~65質量%とすることが望ましい。
本実施形態において、上記塩基性染料又は油溶性染料の含有量は、発色性、十分な描線濃度を得る点、安定性等の点から、全ポリマー成分を100質量部とした場合、15質量部以上とすることが必要であり、好ましくは、15~50質量部、さらに好ましくは、15~40質量部とすることが望ましい。
この染料の含有量を上記した15質量部以上とすることにより、十分な発色性、十分な描線濃度を発揮せしめることができ、一方、染料の含有量が上記した15質量部を下回ると、発色性が十分ではなくなる。
上記した必要に応じて用いることができる重合性界面活性剤としては、上記乳化重合に通常用いられる重合性界面活性剤であれば特に制限はないが、たとえば、アニオン系又はノニオン系の重合性界面活性剤を用いることができる。その例としては、アデカリアソープNE-10、NE-20、NE-30、NE-40及びSE-10N(以上、ADEKA)、ラテムルS-180、S-180A及びS-120A(以上、花王)、エレミノールJS-20(三洋化成工業)及びアクアロンKH-10(第一工業製薬)が挙げられる。これらの重合性界面活性剤は、それぞれ単独で用いても、又は2種類以上を併用してもよい。これらの重合性界面活性剤の使用量は、上記全ポリマー成分100質量部に対して、0~50質量部、好ましくは、0.1~50質量部が望ましい。
また、上記した架橋剤の含有量は、上記全ポリマー成分のうち、0~50質量%、好ましくは、0.1~25質量%が望ましい。
本実施形態において、上記好ましい態様、具体的には、少なくとも、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーに、上述の塩基性染料又は油溶性染料を溶解し、乳化重合することにより、又は、少なくとも、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと他のモノマー成分を含む混合モノマーの重合後に塩基性染料又は油溶性染料を溶解して染色することにより、樹脂固形分として20~50質量%の着色樹脂微粒子が水に分散されている分散液が得られることとなる。
この着色樹脂微粒子の分散液は、従来よりも十分な発色性、経時安定性等に優れた機能を有する色材となるものであり、サインペンやマーキングペン、ボールペン等の筆記具に好適なインクの色材として有用となるものである。
また、本実施形態において、上記した分散液における着色樹脂微粒子の平均粒子径は、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーを含めた用いられるモノマーの種類、含有量及び重合条件等により変動するものであるが、好ましくは、20~300nm、さらに好ましくは、40~150nm、さらに好ましくは、60~110nmであることが望ましい。
上記好ましい平均粒子径の範囲とすることにより、前記した第1の筆記部20において目詰まりすることなく、さらに、保存安定性等に優れたものとなる。
なお、本実施形態で規定する「平均粒子径」は、散乱光強度分布によるヒストグラム平均粒子径であり、粒度分布測定装置(FPAR1000、大塚電子)にて、測定したD50の値とすることができる。
本実施形態で用いられるインクは、上記構成の着色樹脂微粒子と、水溶性有機溶剤と、水とを含有することを特徴とするものである。
用いることができる水溶性有機溶剤としては、たとえば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、3-メチル1,3-ブタンジオール、2メチルペンタン-2,4-ジオール、3-メチルペンタン-1,3,5トリオール、1,2,3-ヘキサントリオール等のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール等のグリセロール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル等のグリコールの低級アルキルエーテル、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダリジノン等の少なくとも1種が挙げられる。
その他にも、たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類等の水溶性溶剤を混合することもできる。
これらの水溶性有機溶剤の含有量は、インク全体に対して、1~40質量%が望ましく、描線乾燥性をさらに向上させる点からは、10質量%以下、より好ましくは、3~8質量%とすることが望ましい。
水(精製水、イオン交換水、蒸留水又は純水等)の含有量は、インク全体に対して30~90質量%が好ましく、より好ましくは40~60質量%である。
また、着色樹脂粒子の含有量は、インク全体に対して、固形分量で1~30質量%が好ましい。
本実施形態で用いられるインクでは、その効果を損なわない範囲で、必要に応じて防腐剤若しくは防黴剤、pH調整剤又は消泡剤等を適宜選択して使用することができる。
たとえば、pH調整剤として、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、トリポリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等炭酸やリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の少なくとも1種を用いることができる。特に水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
防腐剤又は防黴剤として、フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2-ベンズイソチアゾリン3-オン、2,3,5,6-テトラクロロ-4(メチルフォニル)ピリジン、安息香酸やソルビン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミダゾール系化合物等の少なくとも1種を用いることができる。
潤滑剤として、リン酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリアルキレングリコール誘導体、脂肪酸アルカリ塩、ノニオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のフッ素系界面活性剤、ジメチルポリシロキサンのポリエチレングリコール付加物等のポリエーテル変性シリコーン等の少なくとも1種を用いることができる。
本実施形態のインクは、少なくとも、上記構成の着色樹脂微粒子の分散液と、水溶性溶剤、その他の各成分を筆記具用(ボールペン用、マーキングペン用等)インクの用途に応じて適宜組み合わせて、ホモミキサー、ホモジナイザー又はディスパー等の撹拌機により撹拌混合することにより、さらに必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子を除去すること等によって調製することができる。
本実施形態の筆記具1は、上記組成のインクを前記したインク貯蔵部15に貯蔵したものである。このように構成される筆記具1では、十分な描線濃度が得られるとともに、貯蔵するインクの経時安定性が優れている。
<要部の構成>
ここで、本実施形態における要部である第1の筆記部20及び第2の筆記部30について詳述する。
[第1の筆記部]
第1の筆記部20は、図2に示すように、外周部21と、流路22と、先端部23と、後端部24(図1B参照)と、胴部25と、を有する。
第1の筆記部20は、インク供給芯として、ポリアセタール樹脂の押出成形で形成され、その形状は、前方の側から後方の側に向けて、全体がほぼ円筒形をなし、先端部23は、前方に縮径する円錐形状をなし、後端部24は、後方に向けて縮径する円錐形状をなし、これら先端部23と後端部24とに挟まれる胴部25は、先端部23及び後端部24の縮径が始まる部位の外径と同じ外径の円筒形状をなしている。ここで、第1の筆記部20は、繊維束芯や焼結芯等で構成されたものでもよい。
(外周部)
外周部21は、第1の筆記部20の外側面をなしている。外周部21の先端部23の先端、及び後端部24の先端は、後述する流路22が露出するように形成されている。
(流路)
流路22は、外周部21の内部の軸心に沿って形成され、前述のとおり、外周部21の先端部23及び後端部24においてそれぞれ露出している。
ここで、第1の筆記部20の押出成形の際、中心部に細かい隙間を有するダイスを用いることで、断面の中心部分に細かい隙間としての流路22が形成されることとなる。この隙間としての流路22が毛細管力を発揮して、インクを保持する。この場合、第1の筆記部20においては、外周部21と流路22とが一体に成形されていることになる。
流路22は、図10Aの断面図において、軸心に沿った部分、すなわち径W2を占める部分として形成され、その周囲を占める部分が外周部21である。
流路22は、たとえば、図10Bに示す第1の筆記部20の断面図のような、軸心部分における内周縁が不整形な空洞を有する領域として形成され、その空洞に仮想的に外接する円の直径として、流路の外径W2が定められる。流路22はまた、たとえば図10Cの断面図に示す別の例のように、図10Bに示す流路22よりも細かい分岐を有する空洞を有する領域として形成することとしてもよい。この別の例では、流路の外径W2は図10Bに示す例よりも大きく、流路22が第1の筆記部20の断面に占める割合がより高い。
なお、毛細管構造を有する繊維束芯又は焼結芯で流路22を形成する場合、外周部21を流路22の外側面をコーティングする構造として形成することで、第1の筆記部20において、この外周部21を、流路22の外側の肉厚部分とすることが可能となり、流路22の外側面を露出させずに第2の筆記部30へ固定することできる。
第1の筆記部20においては、インク貯蔵部15に差し込まれている後端部24から、インク貯蔵部15に貯留されているインクが毛細管力によって先端部23にまで誘導される。
[第2の筆記部]
第2の筆記部30は、第1の筆記部20の周囲に位置する芯周囲部材として、図7A~Cに示すように、前方の側から後方の側に向かって、先端部30Aと、中央部30Bと、後端部30Cと、を有する。
先端部30Aは、縮径部31と、円筒部32と、係合部33と、を有する。中央部30Bは、弾性部34から構成される。後端部30Cは、筒部35から構成される。
また、これら各部を先端から後端にわたって貫通する貫通部37を有する。この貫通部37には、図2に示すように第1の筆記部20が貫通する。
本実施形態においては、縮径部31、円筒部32、係合部33、弾性部34、筒部35は一体に形成され、縮径部31以外の基本形状は、円筒形である。
第2の筆記部30は、筆記時の低摩擦性、耐摩耗性、及び、弾性部34の耐クリープ性の観点から、ポリアセタール樹脂で形成されるのが好ましい。
(縮径部)
縮径部31は、図7Cに示すように、第2の筆記部30の前方の側に位置し、前方に向けて縮径するテーパー形状に形成されている。
縮径部31の先端には、円形の先端開口31Aが形成され、その周囲には開口周縁部31Bが形成されている。一方、縮径部31における貫通部37は第1貫通部37Aとなっている。
この第1貫通部37Aは、先端開口31Aに向けて縮径する停止面37A1を有し、この停止面37A1に、前述した第1の筆記部20の先端部23の側面が接触して係止することで、第1の筆記部20の先端部23の先端が外部に突出する(図2参照)。
また、縮径部31における第1貫通部37Aは、図7Cに示すように、先端開口31Aから後方に向かって、その内径が拡大している。この形状は、第1の筆記部20の先端部23の外周面の円錐形状に対応している。
(円筒部)
円筒部32は、図7A~Cに示すように、縮径部31の後方の側に連続して、縮径部31の後端の外径と同じ外径を有して後方の側に延びる円筒形に形成されている。
円筒部32における貫通部37は、縮径部31に引き続き第1貫通部37Aとなっている。
この円筒部32における第1貫通部37Aは、縮径部31における第1貫通部37Aの後端の内径と同じ内径を有する断面円形の孔として形成されており、第1の筆記部20が軸方向に移動可能となるように、第1の筆記部20の外径よりも大きい内径が与えられている。
(係合部)
係合部33は、図7A~Cに示すように、円筒部32の外径よりも大きい外径を有する円盤状の係合片33Aを介して、円筒部32の後端から連続して設けられている。係合部33の外径は、円筒部32の外径よりも大きく、かつ係合片33Aの外径よりも小さい。係合部33は、側面の一部に軸方向に切欠きを有してほぼ円筒形に形成されている。
この係合部33の内部においても、図7Cに示すように、円筒部32を貫通している第1貫通部37Aが、その内径を同じくして、引き続き後方へ延びる円形の孔として形成されている。
(弾性部)
弾性部34は、図7A~Cに示すように、本実施形態においては、係合部33の後方の側に連続して、係合部33の後端の外径とほぼ同じ外径を有する二重の螺旋ばねとして形成されている。この螺旋ばねの断面は、図7Cに示すように三角形を呈している。
螺旋ばね34の内部には、図7Cに示すように、第1貫通部37Aの後端から連続する第2貫通部37Bが形成されている。第2貫通部37Bは、第1貫通部37Aの内径とほぼ同じ内径を有し、後方へ延びる円形の孔として形成されている。
なお、螺旋ばねは、弾性部34の形状の一例である。
弾性部34としての螺旋ばねは、細字用のサインペン又はマーキングペンに対応させるための予め定められたばね定数で形成されており、第1の筆記部20に、後述する軸方向への移動ができる程度の付勢力が付与されるようになっている。
(筒部)
筒部35は、図7A~Cに示すように、弾性部34の後端から連続して、弾性部34の外径とほぼ同じ外径を有して、後方に延びる円筒形を呈している。
この筒部35においても、その内部には、弾性部34における第2貫通部37Bに連続して、ほぼ同じ内径を有する第3貫通部37Cが、後方へ延びる円形の孔として形成されている。その筒部35の後端には、後部開口35Aが開口している。
このように、第2の筆記部30は、前方から後方にわたって、複数の部位から構成されるとともに、第1貫通部37A、第2貫通部37B、及び第3貫通部37Cに対して、第1の筆記部20が、第2の筆記部30の後方の側の後部開口35Aから挿入される。
なお、弾性部34を構成する螺旋ばねの形状はこれに限られず、たとえば、図8A及びBに示すように、断面が四角形を呈するものとしてもよい。
[第1の筆記部の第2の筆記部への固定]
ここで、第1の筆記部20と第2の筆記部30との固定について説明する。
前述のとおり、第1の筆記部20は、第2の筆記部30の貫通部37(第1貫通部37A、第2貫通部37B、第3貫通部37C)を貫通している。
そして、本実施形態においては、図9A及びBに示すように、第1の筆記部20は、第2の筆記部30における後端部30Cを構成する筒部35の外周面において、ポンチを用いた打撃変形にてポンチ固定部36を圧縮することで、筒部35の内面に形成される突起36Aが第1の筆記部20の外周面を押圧して固定している。
すなわち、第1の筆記部20と第2の筆記部30とは、第2の筆記部30の後端部30Cでのみ固定されており、先端部30A及び中央部30Bにおいては固定されていない。
これにより、先端部30Aの第1貫通部37A、及び中央部30Bの第2貫通部37Bの内部において、第1の筆記部20は固定されておらず、移動可能となっている。
なお、筆記の際に大きな荷重が第1の筆記部20にかかった際には、第1の筆記部20が後退してクッション作用が働くため、第1の筆記部20の折れを防止することが可能となる。
<要部の作用>
上記のような構成に基づいて、筆記具1において、第1の筆記部20が筆圧によって第2の筆記部30の後方に移動可能となることについて、図2、図9A及びB並びに図10を参照して説明する。
本実施形態における筆記具1は、第1の筆記部20と、第2の筆記部30と、を有し、第1の筆記部20は、筆圧によって第2の筆記部30の先端において、後方に移動する構成を有している。
そして、筆記具1が、筆圧によって描線の幅を自在に変化させるようにできるのは、次に示す作用による。
まず、細い描線を描こうとする場合、筆記具1に、所定以下の筆圧が与えられている状態であり、このとき、第1の筆記部20の先端部23は、図9A及び図10に示すように、第2の筆記部30の先端開口31Aから所定の長さ(たとえば、0.1mm程度)だけ突出した位置にある。このような位置の第1の筆記部20の先端部23によって、図示しない用紙等に描線を描くことができる。
このとき、螺旋ばねである弾性部34は、図9Aに示すように、長さL1の状態が維持されており、第1の筆記部20は後方に移動していない。
次に、より太い描線を描こうとする場合は、筆記具1に、前記所定を上回る筆圧が与えられる。
ここで、第1の筆記部20は、図9Bに示すように、第2の筆記部30における筒部35(後端部30C)の突起36Aによって、第2の筆記部30の筒部35の第3貫通部37C内に固定されている。
一方、第2の筆記部30の先端部30A、及び中央部30Bにおける第1貫通部37A、及び第2貫通部37Bの中では、第1の筆記部20は固定されておらず、筆圧が付与されると、第1の筆記部20は後方に移動しようとする。
そうすると、第2の筆記部30の筒部35に固定されている第1の筆記部20は、弾性部34の付勢力に抗して、筒部35を後方に押し、図9Bに示すように、長さL1の弾性部34が長さLxだけ伸長し、長さL2となる。
この弾性部34を構成する螺旋ばねについては、太字を描こうとする場合に第1の筆記部20に付与される筆圧(細字を描こうとする場合に第1の筆記部に付与される筆圧よりも大きい)に対応して初めて伸長可能なばね定数が設定されている。
これにより、第1の筆記部20の先端部23は、第2の筆記部30の先端開口31Aから僅かにその先端が突出する程度に後方に移動し、先端開口31Aの周囲を囲む開口周縁部31Bとの間に僅かに隙間ができる。
そして、インクは、第1の筆記部20の先端部23と、先端開口31Aの周囲を囲む開口周縁部31Bとの間に僅かにできた隙間との間にも供給される。同時に、第1の筆記部20の先端部23と、第2の筆記部30の開口周縁部31Bとが、図示しない用紙等に同時に接触することで、より太い描線を描くことができるようになる。
このように、本実施形態における筆記具1は、細字用の第1の筆記部20を備えるサインペン又はマーキングペンにおいても、描線の幅を太く変化させることができるものである。
また、過剰に筆圧がかかっても第1の筆記部20が可動であり、第2の筆記部30に負荷がかかるため、第1の筆記部20の座屈や潰れによる筆記不良を防ぐことが可能である。
<第1の筆記部の先端部の突出寸法>
次に、第1の筆記部の先端部の、第2の筆記部の先端開口からの突出寸法との関係について説明する。
第1の筆記部20の先端部23の、第2の筆記部30の先端開口31Aからの突出寸法H1(図10参照)は、非筆記時においては0.05~0.7mmである。
この突出寸法は、0.1~0.3mmの範囲がより好ましく、0.2mmが最も好ましい。
なお、0.05mmを下回る突出寸法では、描線を描き難くなる。また、0.7mmを超える突出寸法では、第1の筆記部20と第2の筆記部30の距離が遠くなり、カスレの原因となるとともに、筆圧で第1の筆記部20が折れたり座屈したりしやすくなる。
<第2の実施形態の全体構成>
第2の実施形態に係る筆記具1は、図11Aに示すように、より小径の先軸11及びより大径の後軸12が一体に形成された(図12参照)軸筒10と、先軸11の前方側に装着された第2の筆記部30とを備えている。後軸12の内部には、図11Cに示すように、インクが貯蔵されるインク貯蔵部15が収容される。先軸11の先端付近には、軸筒10の内部と外部との空気の流通を可能とする空気置換口11Eが設けられている。
また、第2の筆記部30には、第1の筆記部20が貫通している。第1の筆記部20の先端は第2の筆記部30の先端から突出している。第1の筆記部20の後端はインク貯蔵部15の前端に突き刺さるまで延伸している。
また、図11Aに示す先軸11には、キャップ50が装着され、不使用時には図11Bに示すような外観を呈する。
(軸筒の構造)
図11C及び図14A~E(又は図15A~E)に示すように、軸筒10は、前述したように、先軸11と後軸12とを有する。先軸11の前方の端部には前部開口13が開口し、後軸12の後方の端部には後部開口14が開口している。なお、後部開口14には尾栓60が圧入されている。
また、軸筒10の外形は、図14A(又は図15A)に示すように、横断方向の断面が、全体に丸みを帯びた四角形に形成されている。
後軸12は、図12並びに図14A、B及びE(又は図15A、B及びE)に示すように、後述する把持部材40で被覆される前方側の前部把持部12Aと、後方側の後部把持部12Bとが、一体に形成されている。
また、前部把持部12Aと後部把持部12Bとは、その境界部12Cにおいて、前方に向けて縮径した段差を有しており、これによって前部把持部12Aの太さが後部把持部12Bの太さよりも細くなっている。
また、前部把持部12Aの外周の各面には、図14A及びBに示すように、把持部材40との係合に関与する外方突起12A2が形成されている。この外方突起12A2は、後述する把持部材40の内周面に形成される内方凹部41(図13C及びF参照)と嵌合する。
また、前部把持部12Aの前方の端部12Eは、横断方向の断面が凸円弧状となる面が形成され、その前方に一体に形成される先軸11はこの端部12Eよりも細くなっている。
また、後軸12の後端縁には、尾栓60の鍔部62が接触している(図11C参照)。
先軸11は、図12並びに図14A、B及びE(又は図15A、B及びE)に示すように、後端から、根本部11Aと、縮径部11Bと、先端部11Cと、係止面11Dと、を有する。
根本部11Aは、前部把持部12Aの前方の端部12Eから一定の太さで、前方に延設された部分である。なお、図14A及びBに示すように、根本部11Aの中間部分には、軸方向と交差する方向に沿った突起が各側面に形成されている。これらの突起を係止突起11A1と称する。本実施形態においては、この係止突起11A1は合計4個(図14A及びB)又は合計2個(図15A又はB)設けられていることで、係止突起11A1の高さの加工バラつきによる嵌合力のバラつきを抑えることが可能になるため、手の力の弱いユーザでも容易にキャップ50を取り付けたり取り外したりすることができる。また、係止突起11A1は、先軸11側に形成するだけではなくキャップ50側に形成してもよい。
係止突起11A1は、先端側の面及び後端側の面がそれぞれ傾斜しており、その角度は先端側の面の方が大きい。こうすることで、キャップ50の引抜力を小さくしつつ、キャップ50の取り付けを確実に行うことが可能になり、良好な着脱感を得ることができる。
縮径部11Bは、根本部11Aの前端から先細りとなって前方に延設された部分である。
先端部11Cは、縮径部11Bの前端から一定の太さで前方に延設された部分である。
係止面11Dは、先端部11Cの先端縁であり、第2の筆記部30の係合部33の係合片33Aと接触している。
(把持部材)
把持部材40は、図13A~Fに示すように、全体が断面略正方形の筒状に形成され、前方に開口する前方開口42と、後方に開口する後方開口43と、を有する。
内方凹部41は、把持部材40の後端近傍の内側の各面において、内側に向けた陥凹部として形成される。これらの内方凹部41には、後軸12の前部把持部12Aの外周に設けられた外方突起12A2が嵌合することで、把持部材40は後軸12に装着される。
前方開口42の端部には、縁部42Aが形成されている。縁部42Aの内面は、前部把持部12Aの端部12Eの断面の凸円弧状に対応するように断面凹円弧状に形成される。前方開口42は、先軸11の根本部11Aが嵌入し得る大きさで形成されている。
後方開口43の端部には端面43Aが形成され、後軸12の後部把持部12Bの境界部12Cの段差面に接触している。
また、把持部材40は、軸筒10とは異なる色彩が付与されていてもよく、その色彩は、たとえば、インク貯蔵部15に貯留されるインクの色と同系色としてもよい。
なお、軸筒10と把持部材40とは、たとえば二色成形により形成することができる。
(キャップ)
キャップ50の構造については、前記第1の実施形態とほぼ同様である(図4A~C並びに図5A及びB参照)。
(尾栓)
尾栓60は、図16A及びBに示すように、全体が筒形状に形成され、挿入部61と、鍔部62と、頭部63と、を有する。挿入部61の先端が、尾部64となっている。
挿入部61は、軸筒10における後軸12の後部開口14から後軸12の内部に挿入され、後部開口14を塞ぐ(図11C参照)。
鍔部62は、後部開口14の端面に密着して後軸12の内部を密閉し、後軸12の内部を外気から遮断する。
頭部63は、鍔部62から後方に延びるように形成されており、ここに筆記時にキャップ50を装着しておくことができる。
尾栓60の形状は、挿入部61、鍔部62及び頭部63のいずれも、横断方向の断面が円形に形成されている。また、頭部63から鍔部62にかけては外周が緩やかな凹曲面で接続されている。これにより、頭部63と鍔部62との境界が目立たなくなり、外観も損なわない。
(インク貯蔵部)
図11Cに示すインク貯蔵部15は、インクを貯留する円筒形状のポリエステル繊維素材で構成された中綿であり、軸筒10の後軸12の内部に収容されている。
また、インク貯蔵部15の前方の端部は、図12に示すように、後軸12における前部把持部12Aの内部において、前部把持部12Aの内周面に軸方向に形成されている複数本のリブ12A1(図14C及びE(又は図15C及びE)参照)に接触している。
一方、インク貯蔵部15の後方の端部は、後軸12に嵌まり込む尾栓60の尾部64の直前に位置している。
これにより、インク貯蔵部15は、図1Bに示すように、前部把持部12Aのリブ12A1(図14E(又は図15E)参照)と、尾栓60の尾部64との間に位置している。なお、後部把持部12Bの内側面において、複数個の固定突起12B1(図14E(又は図15E)参照)が環状に配列されており、これらによってインク貯蔵部15は後軸12の内部で固定されている。
(インク)
インクに関しては、前記第1の実施形態と同様である。
<要部の構成>
ここで、本実施形態における要部である第1の筆記部20及び第2の筆記部30について詳述する。
[第1の筆記部]
第1の筆記部20は、図12に示すように、外周部21と、流路22と、先端部23と、後端部24と、胴部25と、を有する。
第1の筆記部20は、インク供給芯として、ポリアセタール樹脂の押出成形で形成され、その形状は、前方の側から後方の側に向けて、全体がほぼ円筒形をなし、先端部23は、前方に縮径する円錐形状をなし、後端部24は、後方に向けて縮径する円錐形状をなし、これら先端部23と後端部24とに挟まれる胴部25は、先端部23及び後端部24の縮径が始まる部位の外径と同じ外径の円筒形状をなしている。ここで、第1の筆記部20は、繊維束芯や焼結芯等で構成されたものでもよい。
(外周部)
外周部21は、第1の筆記部20の外側面をなしている。外周部21の先端部23の先端、及び後端部24の先端は、後述する流路22が露出するように形成されている。
(流路)
流路22は、外周部21の内部の軸心に沿って形成され、前述のとおり、外周部21の先端部23及び後端部24においてそれぞれ露出している。
ここで、第1の筆記部20の押出成形の際、中心部に細かい隙間を有するダイスを用いることで、断面の中心部分に細かい隙間としての流路22が形成されることとなる。この隙間としての流路22が毛細管力を発揮して、インクを保持する。この場合、第1の筆記部20においては、外周部21と流路22とが一体に成形されていることになる。
流路22については、前記第1の実施形態と同様である(図10A~C参照)。
なお、毛細管構造を有する繊維束芯又は焼結芯で流路22を形成する場合、外周部21を流路22の外側面をコーティングする構造として形成することで、第1の筆記部20において、この外周部21を、流路22の外側の肉厚部分とすることが可能となり、流路22の外側面を露出させずに第2の筆記部30へ固定することできる。
第1の筆記部20においては、インク貯蔵部15に差し込まれている後端部24から、インク貯蔵部15に貯留されているインクが毛細管力によって先端部23にまで誘導される。
[第2の筆記部]
第2の筆記部30については、前記第1の実施形態と同様である(図7A~C並びに図8A及びB参照)。
<要部の作用>
要部の作用については、前記第1の実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、図17Aに示すように、第1の筆記部20の先端部分において、不連続的に外径を減じる段部26が全周にわたって設けられている。これによって、第1の筆記部20と第2の筆記部30との間の間隙が、全周にわたって拡張している拡張部70が設けられている。この拡張部70における第1の筆記部20と第2の筆記部30との距離は、筆記具1に使用するインクに対して、毛細管力が生じ得ない程度の長さに設定されている。
第1の筆記部20において流路22によって誘導されたインクは、外周部21で覆われていない先端部23から浸み出して、本来であれば筆記面に転写され描線となる。しかし、浸み出したインクの一部は、第1の筆記部20の先端部23の外周面と、第2の筆記部30の縮径部31の内周面との間の間隙を毛細管力により浸透して後方へせり上がる。しかし、せり上がったインクは、拡張部70に至るとその毛細管力を失い、これ以上後方へせり上がることはない。これにより、軸筒10の内部までインクがせり上がることが阻止される。
なお、図17Bに示す変形例のように、第1の筆記部20の胴部25の先端寄りの位置において、全周にわたる環状溝27を設けることで、この環状溝27の位置における第1の筆記部20と第2の筆記部30との間の間隙を、拡張部70とすることができる。この変形例においても、拡張部70によってインクのせり上がりが阻止される。
<その他>
なお、本発明の特定の実施形態について上記にて詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
たとえば、第2の筆記部30の先端部30Aと中央部30Bとが一体に形成されるものとして前記実施形態では説明したが、中央部30Bを別体として構成してもよい。たとえば、前記実施形態と同じ樹脂材料で先端部30A及び後端部30Cを形成し、その間に金属製のスプリングを中央部30Bとして介装することとしてもよい。
また、インクを貯留する手段をインク貯蔵部15として説明したが、インクタンク形式のものとしてもよい。
<第1実施形態のケース>
[外観]
前記した第1又は第2の実施形態の筆記具1は、以下に説明する第1実施形態のケース100に収納可能である。
ケース100は、図18Aの正面上方斜視図、図18Bの背面上方斜視図、図18Cの正面下方斜視図及び図18Dの平面下方斜視図に示すような外観を呈する。なお、図18A及び図18Bでは、手前側に平坦面155として視認される側が平面で、底面は奥側で視認されない。また、図18C及び図18Dでは、手前側に曲面として視認される側が底面で、平面は奥側で視認されない。
ケース100は比較的軟質な合成樹脂(たとえば、JIS K7161に準拠した引張弾性率200~1000MPaのポリプロピレン樹脂)で形成され、これら図18A、図18B、図18C及び図18Dに示すように、平坦な箱状の収納部110と、この収納部110とヒンジ部121にて連設される可動部150とで構成される。ヒンジ部121を挟んで、可動部150の側と収納部110の側とにそれぞれ補強突条125、125がヒンジ部121に沿って突設されている(図18B、図18D)。収納部110は、背面側を構成するトレイ部111と、このトレイ部111の正面側を覆う蓋部112とが組み合わされた構成となっている(図18A、図18C)。収納部110の平面側は開放した長方形状の開口部120となっている(図18A)。この開口部120を通じて、収納部110に筆記具1が出し入れ可能である。可動部150の正面側は開放した窓部160となっている(図18A及び図18C)。なお、これらの図18A、図18B、図18C及び図18Dにおいては、可動部150は収納部110の開口部120に対して閉鎖位置にある。
図19A、図19B、図19C、図19D、図19E及び図19Fは、ケース100をそれぞれ正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図及び右側面図で示したものである。なお、以下の説明においては、ケース100において平面側の方向を「先端方向」又は「先端側」と称し、また、底面側の方向を「後端方向」又は「後端側」と称することがある。
図19Aは、ケース100を正面図で示したものである。上側に位置する可動部150と、下側に位置する収納部110とが、ヒンジ部121にて連設されている。収納部110は、背面側を構成するトレイ部111と、このトレイ部111の正面側を覆う蓋部112とが組み合わされた構成となっている。可動部150の正面側は開放した窓部160となっている。
図19Bは、ケース100を背面図で示したものである。上側に位置する可動部150と、下側に位置する収納部110とが、ヒンジ部121にて連設されている。収納部110は、背面側を構成するトレイ部111と、このトレイ部111の正面側を覆う蓋部112とが組み合わされた構成となっているが、この図では蓋部112は視認されない。ヒンジ部121を挟んで、可動部150の側と収納部110の側とにそれぞれ補強突条125、125がヒンジ部121に沿って突設されている。
図19Cは、ケース100を平面図で示したものである。この図では、可動部150の平坦面155が視認される。また、図19Dは、ケース100を底面図で示したものである。この図では、収納部110を構成するトレイ部111の両側面と、蓋部112の底面側である曲面115とが視認される。また、収納部110の側に設けられている補強突条125も視認される。
図19E及び図19Fは、ケース100をそれぞれ左側面図及び右側面図で示したものである。これらの図ではいずれも、上側に位置する可動部150の側面と、下側に位置する収納部110を構成するトレイ部111の側面とが視認される。また、可動部150の平坦面155及び収納部110の曲面115の形状がそれぞれ認められる。
[開口部]
図20は、可動部150が収納部110の開口部120に対して開放位置にある状態を正面上方斜視図にて示したものである。開口部120の背面側の長辺は、可動部150との間に介在するヒンジ部121となっている。可動部150は、このヒンジ部121を介して収納部110に連設されている。このヒンジ部121は、可動部150の背面及びトレイ部111の背面よりも肉薄に形成されている。これにより、このヒンジ部121を弾性的に折り曲げることで、可動部150は背面側に回動可能となっている。すなわち、可動部150は、開口部120に対して、図18Aに示す閉鎖位置と、本図に示す開放位置との間を回動可能となっている。
開口部120の正面側の長辺は、蓋部112の先端縁116となっている。開口部120の両方の短辺は、閉鎖位置において可動部と当接する開口端縁122、122となっている。さらに、開口端縁122の内面側から先端方向へ突出した支持片130、130も視認される。換言すると、支持片130、130は、開口端縁の内面側から可動部150の方向へ突設されている。これらの支持片130、130はそれぞれ、トレイ部111の両側面が先端方向へ延長したものである。また、可動部150の両側面の後端縁は、閉鎖位置において前記した開口端縁122、122と当接する当接縁151、151となっている。
[ケース成型品]
ケース100は、図21の正面下方斜視図に示すように展開した状態のケース成型品101として最初に成形される。すなわち、このケース成型品101では、可動部150とトレイ部111とがヒンジ部121を介して連設され、また、トレイ部111と蓋部112とがより肉薄の連結部117を介して連設されている。
トレイ部111の両側面であるトレイ側面111A、111Aには、各々2個の側面孔111Bが形成されている。トレイ部111には、長手方向に沿った凹部113が複数本形成されている。この凹部113は、前記した筆記具1が収納されるような形状となっている。また、凹部113間の境界が複数あるうちのいくつかは、他よりも成の高い仕切部114となっている。この仕切部114によって、ケース100を傾けた際に筆記具1が内部で転がるのを阻止できる。
蓋部112の両側面である蓋側面112Aには、各々2個の側面突起112Bが形成されている。蓋部112を、トレイ部111に向かって連結部117で折り曲げ、蓋側面112Aがトレイ側面111Aの内側に嵌め込むと、各々の側面突起112Bは対応する位置の側面孔111Bに嵌合する。それによって蓋部112とトレイ部111とは互いに固定され、収納部110となる。各々の蓋側面112Aの端部は、前記した支持片130として、先端縁116を越えて突出している。支持片130には係合孔131が穿設されている。また、このケース成型品101において、支持片130の正面側の辺(この部分は、図18Cに示した状態のケース100では、背面側の辺になる)が、係止縁132となっている。
[蓋部]
図22は、蓋部112のみを正面上方斜視図で示したものである。すなわち、本図は、図18Aに示す状態で、蓋部112のみを抜き出して示したものであり、実際には後端側の連結部117でトレイ部111と繋がっており、本図に示す状態のような蓋部112そのものが独立したものは実際には存在しない。
蓋部112の後端側は、前記したように曲面115として形成されている。各々の蓋側面112Aには、前記したように2個の側面孔111Bが設けられている。各々の蓋側面112Aの端部は、支持片130として先端縁116を越えて突出している。支持片130には前記した係合孔131が穿設されている。支持片130の平面側の辺は、前記した係止縁132となっている。支持片130において、係止縁132に沿った外側面には、係合突条133が突設されている。
[可動部]
図23は、可動部150のみを正面下方斜視図で示したものである。すなわち、本図は、図18Cに示す状態で、可動部150のみを抜き出して示したものであり、実際には後端側のヒンジ部121でトレイ部111と繋がっており、本図に示す状態のような可動部150そのものが独立したものは実際には存在しない。
可動部150の先端側は、前記したように平坦面155として形成されている。可動部150の各々の側面の後端縁が、当接縁151となっている。可動部150の各々の側面において、当接縁151より僅かに先端寄りの近傍には、係合溝153が形成されている。また、この係合溝153より僅かに先端寄りの近傍には、係合突起152が突設されている。
[閉鎖位置]
図18A~図18Dに示した閉鎖位置においては、可動部150の当接縁151の各々は、開口部120の開口端縁122(図20参照)の各々と当接している。この状態で、可動部150の係合突起152は、支持片130の係合孔131(図22参照)と嵌合している。この係合孔131と係合突起152との嵌合によって、収納部110と可動部150との閉鎖位置が維持される。
[開放位置]
この閉鎖位置から、可動部150を背面方向に折り曲げると、支持片130が内方へ弾性変形するとともに可動部150が外方へ弾性変形し、係合孔131と係合突起152との嵌合が解除される。そのままヒンジ部121を背面方向に折り曲げていくと、図24に示すような、可動部150が収納部110に対して立位をとった開放位置に至る。
この開放位置における支持片130の周囲の状態を拡大して示したのが図25である。本図に示すように、支持片130の係止縁132が、可動部150の係合突起152と当接している。加えて、支持片130の係合突条133が、可動部の係合溝153に嵌入している。すなわち、係止縁132と係合突起152との接触、及び、係合突条133の係合溝153への嵌入によって、可動部150のそれ以上の回動が阻止されている。同時に、ケース100の背面側では、2本の補強突条125、125が接触しており、この接触によっても、可動部150のそれ以上の回動が阻止されている。以上述べた可動部150の回動阻止によって、収納部110と可動部150との、図24に示すような開放位置が維持される。
この開放位置から、可動部150を正面方向に折り曲げると、支持片130が内方へ弾性変形するとともに可動部150が外方へ弾性変形し、係合突条133が嵌入していた係合溝から離脱する。これと同時に係止縁132も係合突起152から離間する。そのままヒンジ部121を正面方向に折り曲げていくと、可動部150の当接縁151の各々が開口部120の開口端縁122の各々と当接する。これと同時に、係合突起152が係合孔131と嵌合することで、収納部110と可動部150とは再び図18A~図18Dに示した閉鎖位置に至る。
<筆記具セット>
上記したように、収納部110と可動部150とからなるケース100に、前記した筆記具1を収納すると、図26に示すような筆記具セット200となる。なお、本図に示す筆記具セット200では、収納されている筆記具1は1本であるが、筆記具セット200は、前記した凹部113(図21参照)の数と同数までの、複数本の筆記具1をケース100に収納させたものとすることができる。
<第2実施形態のケース>
[外観]
前記した第1又は第2の実施形態の筆記具1は、以下に説明する第2実施形態のケース100にも収納可能である。
ケース100は、図27Aの正面上方斜視図、図27Bの背面上方斜視図、図27Cの正面下方斜視図及び図27Dの平面下方斜視図に示すような外観を呈する。なお、図27A及び図27Bでは、手前側に平坦面155として視認される側が平面で、底面は奥側で視認されない。また、図27C及び図27Dでは、手前側に曲面として視認される側が底面で、平面は奥側で視認されない。
ケース100は比較的軟質な合成樹脂(たとえば、JIS K7161に準拠した引張弾性率200~1000MPaのポリプロピレン樹脂)で形成され、これら図27A、図27B、図27C及び図27Dに示すように、平坦な箱状の収納部110と、この収納部110とヒンジ部121にて連設される可動部150とで構成される。ヒンジ部121を挟んで、可動部150の側と収納部110の側とにそれぞれ補強突条125、125がヒンジ部121に沿って突設されている(図27B、図27D)。収納部110は、背面側を構成するトレイ部111と、このトレイ部111の正面側を覆う蓋部112とが組み合わされた構成となっている(図27A、図27C)。収納部110の平面側は開放した長方形状の開口部120となっている(図27A)。この開口部120を通じて、収納部110に筆記具1が出し入れ可能である。可動部150の正面側は開放した窓部160となっている(図27A及び図27C)。なお、これらの図27A、図27B、図27C及び図27Dにおいては、可動部150は収納部110の開口部120に対して閉鎖位置にある。
図28A、図28B、図28C、図28D、図28E及び図28Fは、ケース100をそれぞれ正面図、背面図、平面図、底面図、左側面図及び右側面図で示したものである。なお、以下の説明においては、ケース100において平面側の方向を「先端方向」又は「先端側」と称し、また、底面側の方向を「後端方向」又は「後端側」と称することがある。
図28Aは、ケース100を正面図で示したものである。上側に位置する可動部150と、下側に位置する収納部110とが、ヒンジ部121にて連設されている。収納部110は、背面側を構成するトレイ部111と、このトレイ部111の正面側を覆う蓋部112とが組み合わされた構成となっている。可動部150の正面側は開放した窓部160となっている。
図28Bは、ケース100を背面図で示したものである。上側に位置する可動部150と、下側に位置する収納部110とが、ヒンジ部121にて連設されている。収納部110は、背面側を構成するトレイ部111と、このトレイ部111の正面側を覆う蓋部112とが組み合わされた構成となっているが、この図では蓋部112は視認されない。ヒンジ部121を挟んで、可動部150の側と収納部110の側とにそれぞれ補強突条125、125がヒンジ部121に沿って突設されている。
図28Cは、ケース100を平面図で示したものである。この図では、可動部150の平坦面155が視認される。また、図28Dは、ケース100を底面図で示したものである。この図では、収納部110を構成するトレイ部111の両側面と、蓋部112の底面側である曲面115とが視認される。また、収納部110の側に設けられている補強突条125も視認される。
図28E及び図28Fは、ケース100をそれぞれ左側面図及び右側面図で示したものである。これらの図ではいずれも、上側に位置する可動部150の側面と、下側に位置する収納部110を構成するトレイ部111の側面とが視認される。また、可動部150の平坦面155及び収納部110の曲面115の形状がそれぞれ認められる。
[開口部]
図29は、可動部150が収納部110の開口部120に対して開放位置にある状態を正面上方斜視図にて示したものである。開口部120の背面側の長辺は、可動部150との間に介在するヒンジ部121となっている。可動部150は、このヒンジ部121を介して収納部110に連設されている。このヒンジ部121は、可動部150の背面及びトレイ部111の背面よりも肉薄に形成されている。これにより、このヒンジ部121を弾性的に折り曲げることで、可動部150は背面側に回動可能となっている。すなわち、可動部150は、開口部120に対して、図27Aに示す閉鎖位置と、本図に示す開放位置との間を回動可能となっている。
開口部120の正面側の長辺は、蓋部112の先端縁116となっている。開口部120の両方の短辺は、閉鎖位置において可動部と当接する開口端縁122、122となっている。さらに、開口端縁122の内面側から先端方向へ突出した支持片130、130も視認される。換言すると、支持片130、130は、開口端縁の内面側から可動部150の方向へ突設されている。これらの支持片130、130はそれぞれ、トレイ部111の両側面が先端方向へ延長したものである。また、可動部150の両側面の後端縁は、閉鎖位置において前記した開口端縁122、122と当接する当接縁151、151となっている。
[ケース成型品]
ケース100は、図30の正面下方斜視図に示すように展開した状態のケース成型品101として最初に成形される。すなわち、このケース成型品101では、可動部150とトレイ部111とがヒンジ部121を介して連設され、また、トレイ部111と蓋部112とがより肉薄の連結部117を介して連設されている。
トレイ部111の両側面であるトレイ側面111A、111Aには、各々2個の側面孔111Bが形成されている。トレイ部111には、長手方向に沿った凹部113が複数本形成されている。この凹部113は、前記した筆記具1が収納されるような形状となっている。また、凹部113間の境界が複数あるうちのいくつかは、他よりも成の高い仕切部114となっている。この仕切部114によって、ケース100を傾けた際に筆記具1が内部で転がるのを阻止できる。
蓋部112の両側面である蓋側面112Aには、各々2個の側面突起112Bが形成されている。蓋部112を、トレイ部111に向かって連結部117で折り曲げ、蓋側面112Aがトレイ側面111Aの内側に嵌め込むと、各々の側面突起112Bは対応する位置の側面孔111Bに嵌合する。それによって蓋部112とトレイ部111とは互いに固定され、収納部110となる。各々の蓋側面112Aの端部は、前記した支持片130として、先端縁116を越えて突出している。支持片130の外側面には嵌合突起131Aが突設されている。また、このケース成型品101において、支持片130の正面側の辺(この部分は、図27Cに示した状態のケース100では、背面側の辺になる)が、係止縁132となっている。支持片130において、この係止縁132近傍の内側面は厚みが削がれた薄肉部130Aとなっている。
[蓋部]
図31は、蓋部112のみを正面上方斜視図で示したものである。すなわち、本図は、図27Aに示す状態で、蓋部112のみを抜き出して示したものであり、実際には後端側の連結部117でトレイ部111と繋がっており、本図に示す状態のような蓋部112そのものが独立したものは実際には存在しない。
蓋部112の後端側は、前記したように曲面115として形成されている。各々の蓋側面112Aには、前記したように2個の側面孔111Bが設けられている。各々の蓋側面112Aの端部は、支持片130として先端縁116を越えて突出している。支持片130の外側面には前記した嵌合突起131Aが突設されている。支持片130の平面側の辺は、前記した係止縁132となっている。支持片130において、係止縁132に沿った外側面には、係合突条133が突設されている。また、支持片130において、この係止縁132近傍の内側面は前記したように厚みが削がれた薄肉部130Aとなっている。
[可動部]
図32は、可動部150のみを正面下方斜視図で示したものである。すなわち、本図は、図27Cに示す状態で、可動部150のみを抜き出して示したものであり、実際には後端側のヒンジ部121でトレイ部111と繋がっており、本図に示す状態のような可動部150そのものが独立したものは実際には存在しない。
可動部150の先端側は、前記したように平坦面155として形成されている。可動部150の各々の側面の後端縁が、当接縁151となっている。可動部150の各々の側面において、当接縁151より僅かに先端寄りの近傍の正面寄りの位置には、係合孔153Aが形成されている。また、この係合孔153Aより僅かに先端寄りの近傍には、係合突起152が突設されている。
[閉鎖位置]
図27A~図27Dに示した閉鎖位置においては、可動部150の当接縁151の各々は、開口部120の開口端縁122(図29参照)の各々と当接している。この状態で、可動部150の係合孔153Aは、支持片130の嵌合突起131A(図31参照)と嵌合している。この嵌合突起131Aと係合孔153Aとの嵌合によって、収納部110と可動部150との閉鎖位置が維持される。
[開放位置]
この閉鎖位置から、可動部150を背面方向に折り曲げると、支持片130が内方へ弾性変形するとともに可動部150が外方へ弾性変形し、嵌合突起131Aと係合孔153Aとの嵌合が解除される。そのままヒンジ部121を背面方向に折り曲げていくと、図33に示すような、可動部150が収納部110に対して立位をとった開放位置に至る。
この開放位置における支持片130の周囲の状態を拡大して示したのが図34である。本図に示すように、支持片130の係止縁132が、可動部150の係合突起152と当接している。すなわち、係止縁132と係合突起152との接触によって、可動部150のそれ以上の回動が阻止されている。同時に、ケース100の背面側では、2本の補強突条125、125が接触しており、この接触によっても、可動部150のそれ以上の回動が阻止されている。以上述べた可動部150の回動阻止によって、収納部110と可動部150との、図33に示すような開放位置が維持される。
この開放位置から、可動部150を正面方向に折り曲げると、支持片130が内方へ弾性変形するとともに可動部150が外方へ弾性変形し、係止縁132は係合突起152から離間する。そのままヒンジ部121を正面方向に折り曲げていくと、可動部150の当接縁151の各々が開口部120の開口端縁122の各々と当接する。これと同時に、嵌合突起131Aが係合孔153Aと嵌合することで、収納部110と可動部150とは再び図27A~図27Dに示した閉鎖位置に至る。
<筆記具セット>
上記したように、第2の実施形態のケース100には、前記した筆記具1を筆記芯として軸筒に収容した後端の操作部を押圧することにより出没可能なノック式の筆記具1が収納され、図35に示すような筆記具セットとなる。それ以外については第1の実施形態の筆記具セットと同様である。また、ノック式の筆記具1とした場合、筆記用インクにトリメチルグリシンを保湿剤として用いることで、ペン先の耐乾燥性を向上させることができる。また、トリメチルグリシンの含有量は、インク組成物全量に対して、0.5~50%、好ましくは、1~15%、より好ましくは、2~10%とすることが望ましい。この含有量が0.5%未満であると、ペン先の乾燥抑制効果が充分でなく、一方、50%超過であると、効果はそれほど変わらず、むしろ粘度増加による筆記性能、保存安定性の低下をもたらすこととなる。
<製造例1~12:着色樹脂微粒子の分散液の製造>
下記製造例1~12により、各着色樹脂微粒子の分散液を製造した。
(製造例1)
2リットルのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及びモノマー投入用1000ml分液漏斗を取り付け、温水槽にセットし、蒸留水329.5質量部、グリセリンモノメタクリレート(ブレンマーGLM、日油)5質量部、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム(アクリルエステルSEM-Na、三菱ケミカル)5質量部、重合性界面活性剤(エーテルサルフェート、商品名アデカリアソープSE-10N、ADEKA)20質量部及び過硫酸アンモニウム0.5質量部をフラスコ内に仕込んで、窒素ガスを導入しながら、内温を50℃まで昇温させた。
一方、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー55質量部と、他のモノマーとして、メタクリル酸n-ブチル35質量部とからなる混合モノマーに、油溶性染料(サビニールブルーGLS、クラリアント)40質量部、架橋剤(トリアリルイソシアヌレート、商品名タイク(TAIC)、日本化成)10質量部を混合した液を調製した。
この調製液を上記分液漏斗から温度50℃付近に保った上記フラスコ内に撹拌下で3時間にわたって添加し、乳化重合を行った。さらに5時間熟成して重合を終了し、着色樹脂微粒子(粒子1)の分散液を得た。分散液の全量は500質量部であった。
以上より、全ポリマー成分は、グリセリンモノメタクリレート(5質量部)、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム(5質量部)、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(55質量部)、メタクリル酸n-ブチル(35質量部)及び架橋剤(10質量部)を合計した110質量部となる。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(55質量部)の含有量は、粒子1を構成する全ポリマー成分(110質量部)に対して、50.0質量%であり、30質量%を上回った。
また、前記油溶性染料は40質量部で、全ポリマー成分は110質量部であったが、この全ポリマー成分を100質量部に換算すると、これに対する染料成分としての前記油溶性染料の相対量は36.4質量部と、15質量部を上回った。
なお、全ポリマー成分(110質量部)と油溶性染料(40質量部)との合計で表される樹脂固形分(150質量部)の、分散液の全量(500質量部)に対する割合は、30.0質量%であった。また、粒子1の平均粒子径は、40nmであった。
(製造例2)
上記製造例1において、蒸溜水を340.5部とし、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの量を30部とし、メタクリル酸n-ブチルの量を45部とし、また、染料として、油溶性染料(バリファーストピンク2310N、オリエント化学工業)20部、油溶性染料(オイルピンンク 314、オリエント化学工業)12部、油溶性染料(バリファースト レッド 3312、オリエント化学工業)12部を用いた以外は、上記製造例1と同様にして、着色樹脂微粒子(粒子2)の分散液を得た。分散液の全量は500質量部であった。
以上より、全ポリマー成分は、グリセリンモノメタクリレート(5質量部)、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム(5質量部)、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(30質量部)、メタクリル酸n-ブチル(45質量部)及び架橋剤(10質量部)を合計した95質量部となる。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(30質量部)の含有量は、粒子2を構成する全ポリマー成分(95質量部)に対して、31.6質量%であり、30質量%を上回った。
また、前記油溶性染料の総計は44質量部で、全ポリマー成分は95質量部であったが、この全ポリマー成分を100質量部に換算すると、これに対する染料成分としての前記油溶性染料の相対量は46.3質量部と、15質量部を上回った。
なお、全ポリマー成分(95質量部)と油溶性染料(44質量部)との合計で表される樹脂固形分(139質量部)の、分散液の全量(500質量部)に対する割合は、27.8質量%であった。また、粒子2の平均粒子径は、82nmであった。
(製造例3)
上記製造例1において、蒸溜水を333.5部とし、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの量を60部とし、メタクリル酸n-ブチルの量を30部とし、また、染料として、油溶性染料(スピロンイエローCGNH New、保土谷化学工業)25部、油溶性染料(バリファーストイエロー1109、オリエント化学工業)11部を用いた以外は、上記製造例1と同様にして、着色樹脂微粒子(粒子3)の分散液を得た。分散液の全量は500質量部であった。
以上より、全ポリマー成分は、グリセリンモノメタクリレート(5質量部)、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム(5質量部)、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(60質量部)、メタクリル酸n-ブチル(30質量部)及び架橋剤(10質量部)を合計した110質量部となる。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(60質量部)の含有量は、粒子3を構成する全ポリマー成分(110質量部)に対して、54.5質量%であり、30質量%を上回った。
また、前記油溶性染料の総計は36質量部で、全ポリマー成分は110質量部であったが、この全ポリマー成分を100質量部に換算すると、これに対する染料成分としての前記油溶性染料の相対量は32.7質量部と、15質量部を上回った。
なお、全ポリマー成分(110質量部)と油溶性染料(36質量部)との合計で表される樹脂固形分(146質量部)の、分散液の全量(500質量部)に対する割合は、29.2質量%であった。また、粒子3の平均粒子径は、65nmであった。
(製造例4)
上記製造例1において、蒸溜水を309.5部とし、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの量を60部とし、メタクリル酸n-ブチルの量を35部とし、また、染料として、油溶性染料(バリファーストレッド3312、オリエント化学工業)10部、油溶性染料(バリファーストブラック1821、オリエント化学工業)25部、油溶性染料(バリファーストイエロー129、オリエント化学工業)10部を用いた以外は、上記製造例1と同様にして、着色樹脂微粒子(粒子4)の分散液を得た。分散液の全量は490質量部であった。
以上より、全ポリマー成分は、グリセリンモノメタクリレート(5質量部)、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム(5質量部)、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(60質量部)、メタクリル酸n-ブチル(35質量部)及び架橋剤(10質量部)を合計した115質量部となる。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(60質量部)の含有量は、粒子4を構成する全ポリマー成分(115質量部)に対して、52.2質量%であり、30質量%を上回った。
また、前記油溶性染料の総計は45質量部で、全ポリマー成分は115質量部であったが、この全ポリマー成分を100質量部に換算すると、これに対する染料成分としての前記油溶性染料の相対量は39.1質量部と、15質量部を上回った。
なお、全ポリマー成分(115質量部)と油溶性染料(45質量部)との合計で表される樹脂固形分(160質量部)の、分散液の全量(490質量部)に対する割合は、32.7質量%であった。また、粒子4の平均粒子径は、132nmであった。
(製造例5)
上記製造例1において、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー55部を、アクリル酸シクロヘキシルモノマー55部とした以外は、上記製造例1と同様にして、着色樹脂微粒子(粒子5)の分散液を得た。分散液の全量は500質量部であった。
以上より、全ポリマー成分は、グリセリンモノメタクリレート(5質量部)、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム(5質量部)、アクリル酸シクロヘキシルモノマー(55質量部)、メタクリル酸n-ブチル(35質量部)及び架橋剤(10質量部)を合計した110質量部となる。
前記アクリル酸シクロヘキシルモノマー(55質量部)の含有量は、粒子5を構成する全ポリマー成分(110質量部)に対して、50.0質量%であり、30質量%を上回った。
また、前記油溶性染料は40質量部で、全ポリマー成分は110質量部であったが、この全ポリマー成分を100質量部に換算すると、これに対する染料成分としての前記油溶性染料の相対量は36.4質量部と、15質量部を上回った。
なお、全ポリマー成分(110質量部)と油溶性染料(40質量部)との合計で表される樹脂固形分(150質量部)の、分散液の全量(500質量部)に対する割合は、30.0質量%であった。また、粒子5の平均粒子径は、51nmであった。
(製造例6)
上記製造例2において、メタクリル酸nーブチル45部をメタクリル酸メチル45部とした以外は、上記製造例2と同様にして、着色樹脂微粒子(粒子6)の分散液を得た。分散液の全量は500質量部であった。
以上より、全ポリマー成分は、グリセリンモノメタクリレート(5質量部)、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム(5質量部)、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(30質量部)、メタクリル酸メチル(45質量部)及び架橋剤(10質量部)を合計した95質量部となる。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(30質量部)の含有量は、粒子6を構成する全ポリマー成分(95質量部)に対して、31.6質量%であり、30質量%を上回った。
また、前記油溶性染料の総計は44質量部で、全ポリマー成分は95質量部であったが、この全ポリマー成分を100質量部に換算すると、これに対する染料成分としての前記油溶性染料の相対量は46.3質量部と、15質量部を上回った。
なお、全ポリマー成分(95質量部)と油溶性染料(44質量部)との合計で表される樹脂固形分(139質量部)の、分散液の全量(500質量部)に対する割合は、27.8質量%であった。また、粒子6の平均粒子径は、91nmであった。
(製造例7)
上記製造例3において、メタクリル酸nーブチル30部をスチレン30部とした以外は、上記製造例3と同様にして、着色樹脂微粒子(粒子7)の分散液を得た。分散液の全量は500質量部であった。
以上より、全ポリマー成分は、グリセリンモノメタクリレート(5質量部)、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム(5質量部)、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(60質量部)、スチレン(30質量部)及び架橋剤(10質量部)を合計した110質量部となる。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(60質量部)の含有量は、粒子7を構成する全ポリマー成分(110質量部)に対して、54.5質量%であり、30質量%を上回った。
また、前記油溶性染料の総計は36質量部で、全ポリマー成分は110質量部であったが、この全ポリマー成分を100質量部に換算すると、これに対する染料成分としての前記油溶性染料の相対量は32.7質量部と、15質量部を上回った。
なお、全ポリマー成分(110質量部)と油溶性染料(36質量部)との合計で表される樹脂固形分(146質量部)の、分散液の全量(500質量部)に対する割合は、29.2質量%であった。また、粒子7の平均粒子径は、70nmであった。
(製造例8)
上記製造例4において、蒸溜水を289.5部とし、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの量を90部とし、メタクリル酸nーブチルの量を25部とした以外は、上記製造例4と同様にして、着色樹脂微粒子(粒子8)の分散液を得た。分散液の全量は490質量部であった。
以上より、全ポリマー成分は、グリセリンモノメタクリレート(5質量部)、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム(5質量部)、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(90質量部)、メタクリル酸n-ブチル(25質量部)及び架橋剤(10質量部)を合計した135質量部となる。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(90質量部)の含有量は、粒子8を構成する全ポリマー成分(135質量部)に対して、66.7質量%であり、30質量%を上回った。
また、前記油溶性染料の総計は45質量部で、全ポリマー成分は135質量部であったが、この全ポリマー成分を100質量部に換算すると、これに対する染料成分としての前記油溶性染料の相対量は33.3質量部と、15質量部を上回った。
なお、全ポリマー成分(135質量部)と油溶性染料(45質量部)との合計で表される樹脂固形分(180質量部)の、分散液の全量(490質量部)に対する割合は、36.7質量%であった。また、粒子8の平均粒子径は、110nmであった。
(製造例9)
上記製造例1において、蒸溜水を339.5部とし、架橋剤を0(ゼロ)部(不使用)とした以外は、上記製造例1と同様にして、着色樹脂微粒子の(粒子9)分散液を得た。
分散液の全量は500質量部であった。
以上より、全ポリマー成分は、グリセリンモノメタクリレート(5質量部)、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム(5質量部)、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(55質量部)、メタクリル酸n-ブチル(35質量部)及び架橋剤(0質量部)を合計した100質量部となる。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(55質量部)の含有量は、粒子9を構成する全ポリマー成分(100質量部)に対して、55.0質量%であり、30質量%を上回った。
また、前記油溶性染料は40質量部で、全ポリマー成分は100質量部であったが、この全ポリマー成分に対する染料成分としての前記油溶性染料の相対量は40.0質量部と、15質量部を上回った。
なお、全ポリマー成分(100質量部)と油溶性染料(40質量部)との合計で表される樹脂固形分(140質量部)の、分散液の全量(500質量部)に対する割合は、28.0質量%であった。また、粒子9の平均粒子径は、40nmであった。
(製造例10)
上記製造例2において、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーを用いずに(含有量、ゼロ)、メタクリル酸nーブチルを75部とした以外は、上記製造例2と同様にして、重合を行ったが、染料が多い一方でメタクリル酸シクロヘキシルモノマーを用いていないので、良好な重合ができなかった。
前記油溶性染料の含有量(44質量部)は全ポリマー成分(95質量部)に対して、46.3質量%であった。
(製造例11)
上記製造例3において、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーを用いずに(含有量、ゼロ)、メタクリル酸nーブチルを90部とした以外は、上記製造例3と同様にして、重合を行ったが、染料が多い一方でメタクリル酸シクロヘキシルモノマーを用いていないので、良好な重合ができなかった。
前記油溶性染料の含有量(36質量部)は全ポリマー成分(110質量部)に対して、32.7質量%であった。
(製造例12)
上記製造例4において、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの量を30部、メタクリル酸n-ブチルの量を65部とした以外は、上記製造例4と同様にして、着色樹脂微粒子(粒子12)の分散液を得た。分散液の全量は490質量部であった。
以上より、全ポリマー成分は、グリセリンモノメタクリレート(5質量部)、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム(5質量部)、メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(30質量部)、メタクリル酸n-ブチル(65質量部)及び架橋剤(10質量部)を合計した115質量部となる。
前記メタクリル酸シクロヘキシルモノマー(30質量部)の含有量は、粒子12を構成する全ポリマー成分(115質量部)に対して、26.1質量%であり、30質量%を下回った。
また、前記油溶性染料の総計は45質量部で、全ポリマー成分は115質量部であったが、この全ポリマー成分を100質量部に換算すると、これに対する染料成分としての前記油溶性染料の相対量は39.1質量部と、15質量部を上回った。
なお、全ポリマー成分(115質量部)と油溶性染料(45質量部)との合計で表される樹脂固形分(160質量部)の、分散液の全量(490質量部)に対する割合は、32.7質量%であった。また、粒子12の平均粒子径は、85nmであった。
<インクの調製>
上記製造例1~9及び12により製造した各着色樹脂微粒子の分散液を用いて、下記表1に示す配合組成により常法に従い各インクを調製することができる。
上記にて得られた各インクについて、下記評価方法により、経時安定性について評価した。
(経時安定性の評価方法)
上記で得た各インクをガラス製バイアル瓶に充填し蓋を閉め、50℃の環境下に保存し、一定期間後に、バイアル瓶内のインクに凝集や沈降が見られない期間を「安定性が維持されている期間」とし、次の評価基準で評価した。すなわち、この期間が6ヶ月以上であったものを評価基準「A」とした。また、この期間が3ヶ月以上6ヶ月未満であったものを評価基準「B」とした。さらに、この期間が3ヶ月未満であったものを評価基準「C」とした。この結果を下記表2に示す。なお、製造例10及び11は良好な重合ができなかったので、この評価基準による評価はできなかったため、下記表2では評価欄を「―」とした。
上記表2より、本発明範囲となる製造例1~9の着色樹脂微粒子を用いたインクは、本発明の範囲外となる製造例12の着色樹脂微粒子を用いたインクに較べ、経時安定性に優れていることが判る。さらに、製造例1~7と、製造例8及び9とを比較すると、製造例8では、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量が製造例1~7に較べ多く、また、製造例9では、架橋剤を含有しない場合であり、これらの場合は、経時安定性の評価が若干劣る傾向となった。
<第2の筆記部の先端開口の内径と第1の筆記部の流路の外径との関係>
上記した製造例2及び製造例3の着色樹脂微粒子の分散液を用いて、前記表1に示す配合組成により、常法に従い、それぞれインクA及びインクBの2種類のインクを調製した。
そして、第1の筆記部20の先端部23が突出する第2の筆記部30の先端開口31Aの内径をW1(mm)、第1の筆記部20の流路の外径をW2(mm)、とした下記実施例1及び実施例2の筆記具1並びに比較例の筆記具の各々において、上記2種類のインクを用いた描線のかすれの状態を検証するための実験を行った結果を、下記表3に示す。インクAの表面張力は37mN/m、粘度は3.1mPa・sであった。また、インクBの表面張力は35mN/m、粘度は2.9mPa・sであった。なお、下記表3中、発明者による直径約5cmの丸書きを約5周行ったときの描線の評価として、かすれが認められなかったものを「A」、僅かにかすれが認められたものを「B」とした。
(実施例1)
実施例1は、W1=0.47mm、W2=0.56mmとした。その結果、W1-W2=-0.09mmと、0を下回った。描線については、使用したいずれの種類のインクにおいて、かすれが認められず、良好な結果であった。
(実施例2)
実施例2は、W1=0.55mm、W2=0.60mmとした。その結果、W1-W2=-0.05mmとなり、評価としては実施例1とほぼ同様であった。
(比較例)
比較例は、W1=1.0mm、W2=0.49mmとした。その結果、W1-W2=0.51mmと、0.5mmを上回った。描線については、いずれのインクの種類についても描線にかすれが認められた。結論としては、好ましくないと判断された。
このように、第1の筆記部20の先端部23が突出する第2の筆記部30の先端開口31Aの内径W1から、第1の筆記部20の流路の外径W2を減じた値(W1-W2)は、0.5mm以下であるときに、描線のかすれは認められたとしても僅かであり、0未満であればかすれは認められないことが判明した。
以上の結果により、第2の筆記部30の先端開口31Aの内径W1と、第1の筆記部20の流路22の外径W2との関係については、第1の筆記部20の先端部23が突出する第2の筆記部30の先端開口31Aの内径W1から、第1の筆記部20の流路の外径W2を減じた値は、0.5mm以下であることが望ましく、さらには、0未満であることがより望ましいことが分かった。
<描線幅>
ここで、前記実施例1に係る筆記具1(W1=0.47mm、W2=0.56mm)について、インクA及びインクBについてそれぞれ3本のサンプルを調製し、筆記速度4.5m/min、筆記荷重0.98N(100g重)、筆記角度60°及び90°において、上質紙面上に螺旋状に筆記を行い、そこで筆記された描線幅を測定し、その描線幅の割合を算出した。その結果は下記表4の通りである。
以上のとおり、いずれのサンプルにおいても、同一の筆記荷重において、筆記面に対する筆記角度60°における描線幅を、筆記面に対する筆記角度90°における描線幅で除した値が1.00前後と、0.67以上かつ1.5未満である。よって、描線幅の変化を一定の範囲内に収めることができた。
本発明は、筆記時に描線の幅を変更可能な筆記具に利用可能である。
1 筆記具
10 軸筒
11 先軸 11A 根本部 11A1 係止突起
11B 縮径部 11C 先端部 11D 係止面
11E 空気置換口
12 後軸 12A 前部把持部 12A1 リブ
12A2 外方突起 12B 後部把持部 12B1 固定突起
12C 境界部 12D 溝穴 12E 端部
13 前部開口 14 後部開口 15 インク貯蔵部
20 第1の筆記部 21 外周部 22 流路
23 先端部 24 後端部 25 胴部
26 段部 27 環状溝
30 第2の筆記部 30A 先端部 30B 中央部
30C 後端部
31 縮径部 31A 先端開口 31B 開口周縁部
32 円筒部 33 係合部 33A 係合片
34 弾性部 35 筒部 35A 後部開口
36 ポンチ固定部 36A 突起
37 貫通部 37A 第1貫通部 37A1 停止面
37B 第2貫通部 37C 第3貫通部
40 把持部材 41 内方凹部 42 前方開口
42A 縁部 43 後方開口 43A 端面
44 係止片
50 キャップ 51 キャップ外筒 52 キャップ内筒
52A 連結部 52B 不連続縁 53 周回溝
53A 貫通孔 54 後方開口 54A 内周縁
55 係止突起 56 案内片
60 尾栓 61 挿入部 62 鍔部
63 頭部 64 尾部
70 拡張部
100 ケース 101 ケース成型品
110 収納部
111 トレイ部 111A トレイ側面 111B 側面孔
112 蓋部 112A 蓋側面 112B 側面突起
113 凹部 114 仕切部 115 曲面
116 先端縁 117 連結部
120 開口部 121 ヒンジ部 122 開口端縁
125 補強突条
130 支持片 130A 薄肉部
131 係合孔 131A 嵌合突起
132 係止縁 133 係合突条
150 可動部 151 当接縁 152 係合突起
153 係合溝 153A 係合孔
155 平坦面
160 窓部
200 筆記具セット
H1 突出寸法 W1 先端開口の内径 W2 流路の外径

Claims (3)

  1. 軸筒と、
    前記軸筒の内部でインクを貯蔵するインク貯蔵部と、
    前記軸筒の内部の先端側に収容され、毛細管力によって前記インク貯蔵部から前記インクを誘導する第1の筆記部と、
    前記軸筒の先端に装着され、前記第1の筆記部が貫通し、かつ、前記第1の筆記部の先端が突出する第2の筆記部と、
    を有し、
    前記第1の筆記部は、筆圧によって、前記第2の筆記部の先端において後方に移動するとともに、
    前記第2の筆記部の先端開口の内径をW1とし、前記第1の筆記部の流路の外径をW2としたとき、W1-W2が0未満であり、
    前記インクは、
    (メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーを少なくとも含むモノマーと、架橋剤とを含む全ポリマー成分と、塩基性染料及び油溶性染料のうちの一方からなる染料成分と、を少なくとも含む着色樹脂微粒子と、
    水溶性有機溶剤と、水とを含有し、
    前記全ポリマー成分に占める前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの割合が30質量%以上54.5質量%以下であるとともに、
    前記全ポリマー成分100質量部に対して前記染料成分が15質量部以上であることを特徴とする筆記具。
  2. 請求項1記載の筆記具と、前記筆記具を収納するケースと、から成る筆記具セットであって、
    前記ケースは、
    前記筆記具を長方形状の開口部を通じて出し入れ可能に収容する収納部と、
    前記開口部の長辺の1つに設けられるヒンジ部と、
    前記開口部の両方の短辺である2つの開口端縁と、
    前記ヒンジ部を介して前記収納部に連設されて前記開口部に対して閉鎖位置と開放位置との間を回動可能である可動部と、
    前記可動部において前記閉鎖位置で前記2つの開口端縁のそれぞれと当接する2つの当接縁と、
    前記開口端縁の内面側から前記可動部の方向へ突設された支持片と、
    前記支持片に穿設された係合孔と、
    前記支持片において前記ヒンジ部の側に面する辺である係止縁と、
    前記可動部の前記当接縁の近傍において内方へ突設され、前記閉鎖位置で前記係合孔に嵌合するとともに、前記開放位置で前記係止縁と当接する係合突起と、
    を備えることを特徴とする筆記具セット。
  3. 請求項1記載の筆記具と、前記筆記具を収納するケースと、から成る筆記具セットであって、
    前記ケースは、
    前記筆記具を長方形状の開口部を通じて出し入れ可能に収容する収納部と、
    前記開口部の長辺の1つに設けられるヒンジ部と、
    前記開口部の両方の短辺である2つの開口端縁と、
    前記ヒンジ部を介して前記収納部に連設されて前記開口部に対して閉鎖位置と開放位置との間を回動可能である可動部と、
    前記可動部において前記閉鎖位置で前記2つの開口端縁のそれぞれと当接する2つの当接縁と、
    前記開口端縁の内面側から前記可動部の方向へ突設された支持片と、
    前記支持片において前記ヒンジ部の側に面する辺である係止縁と、
    前記支持片の前記係止縁の近傍において外方へ突設された嵌合突起と、
    前記可動部の前記当接縁の近傍において内方へ突設され、前記開放位置で前記係止縁と当接する係合突起と、
    前記可動部の前記当接縁の近傍において穿設され、前記閉鎖位置で前記嵌合突起が嵌合する係合孔と、
    を備えることを特徴とする筆記具セット。
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