JP7324458B2 - 金属酸窒化物粉末および金属酸窒化物焼成体 - Google Patents

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Description

本発明は、金属酸窒化物粉末および金属酸窒化物焼成体に関する。
デジタル機器の高性能化に伴い、誘電特性を利用する電子部品を構成する誘電体には、高いキュリー温度(Tc)を示し、かつ高誘電率を有することが求められている。しかしながら、これらは同時に達成することは難しい。たとえば、優れた誘電特性を示すチタン酸バリウムは、その高い誘電率を発現するために、構造相転移を利用しているため、Tcは低い。
ABONとして表されるペロブスカイト構造を有する金属酸窒化物は、誘電体材料として注目されており、その結晶構造に起因して高いTcを示す。しかしながら、この金属酸窒化物の誘電特性の発現機構に関して様々な提案がなされているが、明確になっていない。
たとえば、特許文献1には、窒素原子がc軸方向に配向している正方晶ペロブスカイト型酸窒化物が記載されている。特許文献1によれば、窒素原子がc軸方向に配向することにより、正方晶ペロブスカイト型酸窒化物は強誘電性を示し、圧電特性が良好であることが記載されている。
また、非特許文献1には、基板との格子不整合を利用して、当該基板上に酸窒化物薄膜をエピタキシャル成長させることにより、窒素原子をc軸方向に配向させる方法が記載されている。
また、特許文献2には、主組成がペロブスカイト型酸窒化物であって、強誘電性を示す多結晶体を有する誘電体磁器組成物が記載されている。
特開2010-143788号公報 国際公開2017/135298号
Daichi Oka, et al., "Possible ferroelectricity in perovskite oxynitride SrTaO2N epitaxial thin films", SCIENTIFIC REPORTS 4, DOI: 10.1038/srep04987
しかしながら、窒素原子をc軸方向に配向させるために、特許文献1では、形状異方性粒子を配向させる配向工程が必要となる。すなわち、余分な工程が必要となる。また、非特許文献1に記載された方法は、特殊な方法であり、工業的には適さない。特許文献2に記載されている酸窒化物は、強誘電体から構成されており、誘電損失が高いという問題があった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、強誘電性を有しつつ、誘電損失が小さい金属酸窒化物粉末および金属酸窒化物焼成体を提供することを目的とする。
本発明者らは、非中心対称性を有する構造の領域が小さく、また非中心対称性を有する構造に起因する分極の向きもランダムであることから平均構造として中心対称性構造に見えるものの、その非中心対称性構造の領域を回折が生じる程度以上に大きくすることで強誘電性を発現させ、また全体として誘電損失が小さい金属酸窒化物が得られることを見出した。
上記目的を達成するため、本発明の態様は、以下の通りである。
[1]一般式ABONで表される金属酸窒化物を含む金属酸窒化物粉末であって、
Aが、バリウムおよびストロンチウムからなる群から選ばれる少なくとも1つであり、Bがタンタルであり、
金属酸窒化物は、中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域と、を有し、
中心対称性を示す回折を生じる領域が、金属酸窒化物の平均結晶構造である金属酸窒化物粉末である。
[2]中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域とにおいて、陰イオンの配置秩序範囲が異なる[1]に記載の金属酸窒化物粉末である。
[3]中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域とは、同じ化学組成を有している[1]または[2]に記載の金属酸窒化物粉末である。
[4]中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合と非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合との合計を100質量%とした時に、非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合が3質量%以上である[1]から[3]のいずれかに記載の金属酸窒化物粉末である。
[5]一般式ABONで表される金属酸窒化物を含む金属酸窒化物焼成体であって、
Aが、バリウムおよびストロンチウムからなる群から選ばれる少なくとも1つであり、Bがタンタルであり、
金属酸窒化物は、中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域と、を有し、
中心対称性を示す回折を生じる領域が、金属酸窒化物の平均結晶構造である金属酸窒化物焼成体である。
[6]中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域とにおいて、陰イオンの配置秩序範囲が異なる[5]に記載の金属酸窒化物焼成体である。
[7]中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域とは、同じ化学組成を有している[6]に記載の金属酸窒化物焼成体である。
[8]中心対称性を示す回折が生じる領域が占める割合と非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合との合計を100質量%とした時に、非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合が3質量%以上である[5]から[7]のいずれかに記載の金属酸窒化物焼成体である。
[9][5]から[8]のいずれかに記載の金属酸窒化物焼成体を有する電子部品である。
本発明によれば、強誘電性を有しつつ、誘電損失が小さい金属酸窒化物粉末および金属酸窒化物焼成体を提供することができる。
図1は、ABONの結晶構造を示す斜視図である。 図2Aは、ABONにおいて、窒素がcis配置であるBO八面体を示す模式図である。 図2Bは、ABONにおいて、窒素がtrans配置であるBO八面体を示す模式図である。 図3は、窒素がcis配置であるBO八面体がc軸方向に八面体鎖を形成していることを示す模式図である。 図4は、中心対称性を有する構造のみから構成されている金属酸窒化物の中性子回折シミュレーション結果および中心対称性を有する構造のみから構成されている金属酸窒化物の中性子回折シミュレーション結果である。
以下、本発明を、具体的な実施形態に基づき、以下の順序で詳細に説明する。
1.金属酸窒化物粉末
1.1 金属酸窒化物
2.金属酸窒化物焼成体
3.金属酸窒化物粉末の製造方法
4.金属酸窒化物焼成体の製造方法
5.本実施形態のまとめ
(1.金属酸窒化物粉末)
金属酸窒化物粉末は、複数の金属酸窒化物粒子を有する。金属酸窒化物粉末の平均粒径は特に制限されないが、たとえば、0.05~5μm程度である。また、金属酸窒化物粒子は、1つの結晶粒から構成されていてもよいし、複数の結晶粒から構成されていてもよい。
(1.1 金属酸窒化物)
本実施形態では、金属酸窒化物は組成式ABONで表される。式中、Aは、バリウム(Ba)およびストロンチウム(Sr)からなる群から選ばれる少なくとも1つである。また、式中、Bはタンタル(Ta)である。
また、金属酸窒化物はペロブスカイト構造を有している。図1にペロブスカイト構造を示す。図1に示すように、ペロブスカイト構造においては、陰イオン(11,12)が6つの頂点を占め、中心にBサイト原子13が存在する八面体15が頂点を互いに共有して3次元ネットワークを構成しており、このネットワークの間隙にAサイト原子14が配置されている。陰イオンは、酸素と窒素との組成比に応じて配分されており、ABONの場合、当該八面体はBO八面体である。すなわち、BO八面体において、陰イオンが占める6つの頂点のうち、2つの頂点を窒素が占める。
本実施形態では、金属酸窒化物は強誘電性を有している。強誘電性は、自発分極の向きが外部電界により反転し、外部電界を取り去っても分極が残る性質である。自発分極は、結晶中の陽イオンおよび陰イオンの位置が相対的に変化することにより生じる電荷分布の偏りである。
したがって、強誘電性を有する物質は、電荷分布の偏りが生じるような構造を有している。たとえば、ペロブスカイト型強誘電体として知られるチタン酸バリウム(BaTiO)は、室温において、正方晶系の結晶構造を有しており、c軸方向の格子長さが、a軸方向およびb軸方向の格子長さよりも長い。したがって、単位格子において、酸素イオンの重心位置からチタンイオンの位置がずれている配置に起因して自発分極が生じている。このような配置は、中心対称性を有していない配置である。
一方、外部電界を取り去ると分極がなくなる物質を常誘電体と呼ぶ。チタン酸バリウムは高温において立方晶系の結晶構造に転移して、c軸方向の格子長さが、a軸方向およびb軸方向の格子長さと同じとなる。その結果、チタン酸バリウムは強誘電性を失い、常誘電体となる。すなわち、酸素イオンの重心位置とチタンイオンの重心位置とが一致する配置となり、電荷分布の偏りが生じない構造に転移することにより、自発分極が消滅する。このような配置は、中心対称性を有する配置である。
通常、強誘電性を有している物質は、中心対称性を有していない配置(非中心対称性を有する配置)が秩序を持って繰り返される領域のみを有している。あるいは、当該領域が支配的である。したがって、回折法により当該物質を解析すると、非中心対称性を示す回折を生じる構造が平均結晶構造となる。
しかしながら、本実施形態では、上記の金属酸窒化物は、中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域とを有し、中心対称性を示す回折を生じる領域が、金属酸窒化物の平均結晶構造である。
本実施形態では、中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域と、は、どちらも非中心対称性を有する配置から構成されている。しかしながら、中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を有する回折を生じる領域と、では、陰イオン(酸素イオンおよび窒素イオン)の配置秩序が維持される範囲が異なる。
中心対称性を示す回折を生じる領域では、陰イオンの配置は非中心対称性を有する配置となっているものの、その配置が結晶粒子全体にランダムに存在しており、また非中心対称性を有する配置は単位格子の大きさ程度であり、非中心対称性に起因して生じる分極が影響を与える範囲が小さい。したがって、当該領域では、分極の向きが全方位的に存在しているので、当該領域は全体として特定の方向に向いた分極は存在せず、中心対称性を有していると見なすことができる。その結果、本実施形態に係る金属酸窒化物を回折法により分析すると、当該領域は、中心対称性を示す回折が生じる領域であり、第2相としての非中心対称性を示す回折を生じる領域としては検出されない。
一方、非中心対称性を有する配置が秩序的に配列している領域では、特定の方向に配置秩序が繰り返されるため、その方向において非中心対称性が強められる。このような領域がある程度の大きさになると、この領域において生じる回折が検出されるようになる。
したがって、本実施形態に係る金属酸窒化物を回折法により分析すると、中心対称性を示す回折が比較的に強いため、回折法により導出される金属酸窒化物の平均結晶構造は、中心対称性を示す回折が生じる領域が有する結晶構造となるが、非中心対称性を示す回折も検出される。非中心対称性を示す回折を生じる領域では陰イオンが秩序的に配列しており、強誘電性を発現させる起点となる。一方、金属酸窒化物の平均結晶構造は中心対称性を有するので、誘電損失が小さくなる。
なお、中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域と、において、化学組成が同じであってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態では、化学組成は同じであることが好ましい。金属酸窒化物を構成する元素の種類を少なくすることにより、コンタミが抑制でき、製造プロセスの負荷を低減することができる。
BO八面体では、図2Aに示すように、2個の窒素(N)12が互いに隣り合う配置(cis配置)と、図2Bに示すように、2個の窒素(N)12が互いに隣り合わない配置(trans配置)と、がある。酸素イオンの結合長さと窒素イオンの結合長さとが異なるので、cis配置およびtrans配置のどちらも非中心対称性を有する配置である。
本実施形態では、非中心対称性を有する配置は、cis配置であることが好ましい。したがって、中心対称性を示す回折を生じる領域および非中心対称性を示す回折を生じる領域は、cis配置から構成されていることが好ましい。
図2Aに示すcis配置のBO八面体では、a軸方向とc軸方向とに窒素イオンが存在しているが、a軸方向とb軸方向とに窒素イオンが存在するBO八面体およびb軸方向とc軸方向とに窒素イオンが存在するBO八面体もcis配置である。したがって、これらのBO八面体がランダムに存在し、頂点共有することにより、非中心対称性が弱められ、中心対称性を示す回折を生じる領域が形成される。
これに対して、cis配置が秩序を持って存在する構造を図3に示す。図3において、cis配置秩序構造では、八面体の頂点のうち、c軸方向のサイト(4a)の1つと、a軸およびb軸に平行な面上のサイト(8h)の1つと、に窒素が配置されている。その結果、BO八面体は、Bを結ぶ軸(図3ではc軸)から傾いた状態で連なった八面体鎖を形成する。
本実施形態では、窒素がcis配置である八面体が連なって形成されるこのような秩序構造は大きい方が好ましい。すなわち、金属酸窒化物において、非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合が、中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合に対して、大きいことが好ましい。
本実施形態では、上記の割合は質量%として表され、非中心対称性を示す回折を生じる領域の割合は3質量%以上であることが望ましい。この割合が大きいほど、高い強誘電性が得られる。一方、この非中心対称性を示す回折を生じる領域は陰イオンの秩序化によって形成されているが、非中心対称性を示す回折を生じる領域における陽イオンの配置と、平均構造として検出される中心対称性を示す回折を生じる領域における陽イオン配置とは同一であることから、結晶全体としての歪みが小さく低い誘電損失を両立することができる。すなわち、陰イオンの秩序化に伴うBO八面体の傾斜が生じて陰イオンの位置が大きく変化しても、八面体の中心に存在するBの位置はほとんど変化しない。また、本実施形態では、上記の割合は30%以下であることが好ましい。
金属酸窒化物において、中心対称性を示す回折を生じる領域と非中心対称性を示す回折を生じる領域とは、回折法を用いて評価することができる。回折法としては、XRD回折を用いることが多い。しかしながら、上述したように、上記の金属酸窒化物において、中心対称性を示す回折を生じる領域であるか、非中心対称性を示す回折を生じる領域であるかは、陰イオン(酸素および窒素)の配置の違いに依存している。酸素および窒素のような軽元素の位置は、XRD回折により評価することは非常に困難である。
そこで、本実施形態では、中性子回折により、金属酸窒化物において、中心対称性を示す回折を生じる領域であるか、非中心対称性を示す回折を生じる領域であるかを評価する。具体的には、所定の面間隔において観測される回折ピークの強度と、別の面間隔において観測される回折ピークの強度との比に基づき、金属酸窒化物中における中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合と非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合とを算出する。
まず、同じ組成を有するペロブスカイト型金属酸窒化物に対して、中心対称性を示す回折を生じる領域のみから構成されている金属酸窒化物の中性子回折シミュレーションと、非中心対称性を示す回折を生じる領域のみから構成されている金属酸窒化物の中性子回折シミュレーションと、を行い、それぞれの回折ピークのパターンを算出する。
続いて、算出された2つのパターンを比較して、中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合と非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合との違いがよく反映された回折ピークを選択する。選択した2つの回折ピークの強度比を算出し、リファレンスとする。中性子回折シミュレーションは公知のソフトウェアで行うことができる。
次に、リファレンスと同じ組成を有する金属酸窒化物に対して、中性子回折測定を行い、回折ピークのパターンを得る。得られた回折ピークのパターンにおいて、シミュレーション結果において選択した2つの回折ピークと同じ回折ピークの強度比を算出して、当該強度比とリファレンスの強度比とから、金属酸窒化物中における中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合と非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合とが算出される。
本実施形態では、ABONがBaTaONである場合には、中心対称性を示す回折を生じる領域は空間群Pm-3m(Table No.221)に属し、cis配置秩序構造に起因する非中心対称性を示す回折を生じる領域は空間群Pmc2(Table No.26)に属している。これらの構造が占める割合は、面間隔d値が2.1付近に現れる回折ピークと、面間隔d値が2.4付近に現れる回折ピークとの強度比に基づいて算出する。
図4に、BaTaONが中心対称性を示す回折を生じる領域(空間群Pm-3m)のみから構成されている場合の中性子線回折シミュレーション結果、および、BaTaONが非中心対称性を示す回折を生じる領域(空間群Pmc2)のみから構成されている場合の中性子線回折シミュレーション結果を示す。
2つのシミュレーション結果において、d値が2.1付近に現れる回折ピークP1の強度と、d値が2.4付近に現れる回折ピークP2の強度と、に着目する。非中心対称性を示す回折を生じる領域のシミュレーション結果におけるP1の強度に対するP2の強度に比べて、中心対称性を示す回折を生じる領域のシミュレーション結果において、P2の強度は、P1の強度に対して低くなっている。すなわち、中心対称性を示す回折を生じる領域と非中心対称性を示す回折を生じる領域とでは、P1とP2との強度比が異なる。したがって、これらの強度比をリファレンスとすることにより、金属酸窒化物中における中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合と非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合とを算出することができる。
なお、非中心対称性を示す回折を生じる領域のシミュレーション結果には、中心対称性を示す回折を生じる領域のシミュレーション結果に比べて、強度の低い回折ピークが多く現れている。これは、対称性の低下に伴い現れる回折ピークである。
(2.金属酸窒化物焼成体)
本実施形態に係る金属酸窒化物焼成体は、金属酸窒化物粉末を成形および焼成することにより得られる誘電体組成物である。すなわち、金属酸窒化物焼成体は、固相反応により形成されるバルクである。当該金属酸窒化物焼成体においては、複数の金属酸窒化物結晶粒子が界面を介して互いに結合している。
本実施形態では、金属酸窒化物焼成体は、上記の(1)で説明した金属酸窒化物粉末を成形および焼成して得られるバルク状の焼成体であることが好ましい。
金属酸窒化物焼成体を構成する金属酸窒化物結晶粒子において、上述した金属酸窒化物粒子と同様に、中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域とが存在し、中心対称性を示す回折を生じる領域が、金属酸窒化物結晶粒子の平均結晶構造となっている。中心対称性を示す回折を生じる領域および非中心対称性を示す回折を生じる領域の説明については、(1)での説明と重複するので省略する。
(3.金属酸窒化物粉末の製造方法)
次に、上記の金属酸窒化物粉末の製造方法について説明する。以下では、組成式ABONで表される組成を有する金属酸窒化物粉末を製造する場合について説明する。金属酸窒化物粉末を製造する方法は特に限定されない。例えば、固相反応法を用いて製造することができる。
次に、固相反応法を用いて、金属酸窒化物粉末を製造する方法について説明する。本実施形態では、原料粉末として、Aを含む化合物の粉末と、Bを含む化合物の粉末とを準備する。化合物としては、たとえば、酸化物、炭酸塩が例示される。原料粉末をAとBとのモル比が1:1となるように秤量する。秤量したAを含む化合物の粉末およびBを含む化合物の粉末を混合して、6~10時間おきに粉砕しながら、1000~1200℃の条件で加熱を複数回行い、合計で30~40時間の仮焼きすることにより酸化物前駆体が得られる。なお、加熱時の雰囲気は特に限定されないが、たとえば空気中とすることができる。
次に、得られた酸化物前駆体に対して窒化処理を行うことにより、組成式ABONで表される金属酸窒化物粉末を得ることができる。窒化処理は、たとえばロータリーキルン炉を用いることができるが、その他の炉を用いてもよい。ロータリーキルン炉を用いる場合には、窒化処理の条件として、アンモニア(NH)の供給速度を40~200ml/minとし、加熱温度を900~1000℃とし、10~20時間おきに粉砕しながら加熱時間を80~120時間とすればよい。
(4.金属酸窒化物焼成体の製造方法)
次に、上記の金属酸窒化物焼成体の製造方法について説明する。本実施形態では、上記の金属酸窒化物粉末の製造方法により製造される金属酸窒化物粉末を用いて、金属酸窒化物焼成体を製造する。
上記で得られる組成式ABONで表される組成を有する金属酸窒化物粉末を成形して、成形体を得る。成形方法としては特に制限されず、乾式成形であってもよいし、湿式成形であってもよい。乾式成形としては、たとえば、プレス成形、CIP成形等が例示される。CIP成形により成形する場合、成形圧力は、たとえば100~200MPaとすればよい。
得られた成形体を焼成し、焼成体を得る。本実施形態では、焼成温度は1300℃以上、好ましくは1400~1450℃とする。1000℃以上で焼成することで、成形体に含まれる窒素の一部が放出され、導電性を生じると考えられる。また、焼成時間は特に制限はないが、好ましくは3~6時間である。焼成雰囲気は特に制限はないが、0.1~0.6MPaの窒素(N)雰囲気とすることが好ましい。
次に、得られる焼成体に対して、アンモニア(NH)を含む雰囲気中でアニール処理を行う。これにより、焼成で生じた焼成体中の欠陥に窒素が補償され、絶縁性が向上し、本実施形態に係る金属酸窒化物焼成体(誘電体組成物)を得ることができる。アニール処理は900~1050℃で行うことが好ましい。また、アニール時間は5~20時間とすることが好ましい。また、アニール雰囲気におけるアンモニアの供給速度は40~200ml/minとすることが好ましい。
なお、焼成では窒素欠陥が生じ、アニールでは生じた窒素欠陥が補償されるが、最終的に得られる金属酸窒化物焼成体においても、金属酸窒化物粉末を構成する金属窒化物粒子に存在する中心対称性を示す回折を生じる領域および非中心対称性を示す回折を生じる領域はそのまま維持される。
得られる金属酸窒化物焼成体を用いて電子部品を製造する方法については、特に制限されず、公知の方法を用いればよい。金属酸窒化物焼成体を用いて得られる電子部品の種類に特に限定はない。たとえば、コンデンサ、サーミスタ、フィルター、ダイプレクサ、共振器、発信子、アンテナ、圧電素子、強誘電体メモリ等が挙げられる。特に、使用温度がチタン酸バリウムのキュリー温度付近となり、かつ高誘電率が求められる電子部品に好適に用いられる。
(5.本実施形態のまとめ)
本実施形態では、金属酸窒化物は、中心対称性を示す回折を生じる領域と非中心対称性を示す回折を生じる領域とを有しており、金属酸窒化物全体の平均結晶構造は中心対称性を示す回折を生じる領域である。中心対称性を示す回折を生じる領域は、非中心対称性を有する配置から構成されており、微視的に見ると、非中心対称性に起因する自発分極が生じているものの、非中心対称性を有する配置はランダムな方向に存在しているので、生じる自発分極は打ち消される。その結果、非中心対称性を有する配置から構成されているにもかかわらず、中心対称性を示す回折が生じる。したがって、当該領域全体では自発分極は生じないので、当該領域は常誘電性である。一方、非中心対称性を有する配置が秩序を持っている存在している領域が、非中心対称性を示す回折が観測可能な程度に大きいので、当該領域では、結合長さが異なる2種の陰イオンの変位により自発分極が生じている。したがって、当該領域は強誘電性である。
その結果、中心対称性を示す回折を生じる領域と非中心対称性を示す回折を生じる領域との両方が存在していることにより、金属酸窒化物は、全体として強誘電性を示しつつ、誘電損失が小さい。したがって、強誘電性を利用する用途に好適でありながら、常誘電体の特徴である誘電損失の小ささを兼ね備えることができる。
また、非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合を上記の範囲内とすることにより、金属酸窒化物全体として強誘電性を強めつつ、誘電損失の悪化を抑制することができる。非中心対称性に起因する分極は2種の陰イオンの変位により実現されているので、強誘電性の増加に伴う結晶の歪みが比較的小さいからである。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の態様で改変しても良い。
以下、実施例において、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1、比較例1)
本実施例では、組成式BaTaONで表される金属酸窒化物粉末を、固相反応法を用いて以下のように製造した。まず、原料粉末として、炭酸バリウム(BaCO)粉末および酸化タンタル(Ta)粉末を準備し、バリウムとタンタルとのモル比が1:1になるように秤量した。
秤量したBaCO粉末およびTa粉末をエタノールで湿式混合し、実施例1に係る試料については、1200℃-10時間の条件で仮焼きを空気中で3回行い、バリウムおよびタンタルを有する酸化物前駆体を得た。比較例1に係る試料については、湿式混合した粉末を1100℃-10時間の条件で仮焼きを空気中で1回行い、バリウムおよびタンタルを有する酸化物の前駆体を得た。
次に、得られた酸化物の前駆体に対して窒化処理を2回行い、組成式BaTaONで表される金属酸窒化物粉末を得た。窒化処理では、アンモニア(NH)の供給速度を100ml/minとし、加熱温度を1000℃とし、加熱時間を20時間とした。
得られた金属酸窒化物粉末について、下記に示す方法により中性子線回折測定を行った。
(中性子線回折測定)
中性子線回折測定は大強度陽子加速器施設J-PARC(ジェイパーク、Japan Proton Accelerator Research Complex)のBL20 に設置されたiMATERIAにおいて実施され、中性子飛行時間法により測定された。 中性子飛行時間法は、中性子がある一定の距離を飛行する時間を計測することによって、速度、エネルギー、質量などを求めて回折パターンを得る方法である。
測定により得られた中性子線回折ピークの強度比と、図4に示す中心対称性を示す回折を生じる領域に対する中性子回折パターンのシミュレーション結果および非中心対称性を示す回折を生じる領域に対する中性子回折パターンのシミュレーション結果と、から、中心対称性を示す回折を生じる領域の割合および非中心対称性を示す回折を生じる領域の割合を算出した。結果を表1に示す。
次に、得られた金属酸窒化物粉末を150MPaの圧力でCIP成形し、直径5.2mm×厚さ1.7mmの円柱状の成形体を得た。得られた成形体を窒素分圧0.2MPaの雰囲気下、1400℃で3時間、焼成し、焼成体を得た。
得られた焼成体に対し、1000℃にてアニール処理を行った。アニール処理はアンモニア供給速度100ml/minで実施し、金属酸窒化物焼成体を得た。
得られた金属酸窒化物焼成体について、下記に示す方法により非中心対称性構造の有無の確認を行った。
(強誘電性の有無)
第二次高調波発生(SHG)により判断を行った。SHGとは、二次の非線形感受率の存在により、入射光の周波数の2倍の光が発生する現象である。強誘電体などの結晶の中心対称性がない試料で観測される。試料にレーザー光を入射して、第二次高調波が発生するか否かを観測した。結果を表1に示す。
Figure 0007324458000001
表1より、中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域とが存在している場合には、金属酸窒化物全体として強誘電性を有していることが確認できた。
10… ペロブスカイト構造
11… 酸素
12… 窒素
13… Bサイト原子
14… Aサイト原子
15… 八面体

Claims (9)

  1. 一般式ABONで表される金属酸窒化物を含む金属酸窒化物粉末であって、
    前記Aが、バリウムおよびストロンチウムからなる群から選ばれる少なくとも1つであり、前記Bがタンタルであり、
    前記金属酸窒化物は、中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域と、を有し、
    前記中心対称性を示す回折を生じる領域が、前記金属酸窒化物の平均結晶構造である金属酸窒化物粉末。
  2. 前記中心対称性を示す回折を生じる領域と、前記非中心対称性を示す回折を生じる領域とにおいて、陰イオンの配置秩序範囲が異なる請求項1に記載の金属酸窒化物粉末。
  3. 前記中心対称性を示す回折を生じる領域と、前記非中心対称性を示す回折を生じる領域とは、同じ化学組成を有している請求項1または2に記載の金属酸窒化物粉末。
  4. 前記中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合と前記非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合との合計を100質量%とした時に、非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合が3質量%以上である請求項1から3のいずれかに記載の金属酸窒化物粉末。
  5. 一般式ABONで表される金属酸窒化物を含む金属酸窒化物焼成体であって、
    前記Aが、バリウムおよびストロンチウムからなる群から選ばれる少なくとも1つであり、前記Bがタンタルであり、
    前記金属酸窒化物は、中心対称性を示す回折を生じる領域と、非中心対称性を示す回折を生じる領域と、を有し、
    前記中心対称性を示す回折を生じる領域が、前記金属酸窒化物の平均結晶構造である金属酸窒化物焼成体。
  6. 前記中心対称性を示す回折を生じる領域と、前記非中心対称性を示す回折を生じる領域とにおいて、陰イオンの配置秩序範囲が異なる請求項5に記載の金属酸窒化物焼成体。
  7. 前記中心対称性を示す回折を生じる領域と、前記非中心対称性を示す回折を生じる領域とは、同じ化学組成を有している請求項5または6に記載の金属酸窒化物焼成体。
  8. 前記中心対称性を示す回折が生じる領域が占める割合と前記非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合との合計を100質量%とした時に、非中心対称性を示す回折を生じる領域が占める割合が3質量%以上である請求項5から7のいずれかに記載の金属酸窒化物焼成体。
  9. 請求項5から8のいずれかに記載の金属酸窒化物焼成体を有する電子部品。
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