JP7323065B2 - 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池を有する燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法に関する。
JP2017-117550Aは、最も高温となるセルスタックの中央部分の温度を検出して、燃料電池全体の温度分布が均一となるように制御する方法を開示している。この燃料電池システムは、最も高温となるセルスタックの中央部分に不活性ガスを供給して、セルスタックの中央部分の温度を低下させることにより、燃料電池全体の温度分布の均一化を図っている。
上記のように、JP2017-117550Aはセルスタックの中央部分が最も高温になることを前提としているが、燃料電池の構成及び/または運転シーンによっては、他の部分と比較してセルスタックの中央部分が常に最高温になるとは限らない。例えば、燃料を改質するように構成された触媒(以下、改質触媒という)をセルスタックの内部に有する燃料電池では、部分酸化改質を行う場合に、セルスタックの中央部分よりもアノードの入口側の端部が相対的に最も高温になる。したがって、この内部改質型の燃料電池において、セルスタックの中央部分の温度に基準とする温度制御を行うと、セルスタックの一部において耐熱上限温度を超えてしまう可能性がある。
本発明は、改質触媒を有するセルスタックを備える場合に、燃料電池の耐熱上限温度を超えない範囲において温度制御を行うことができる燃料電池システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様による燃料電池システムの制御方法は、炭化水素から水素を生成する改質触媒を有するセルスタックと、セルスタックに炭化水素を含む燃料を供給する第1流路と、燃料と対向または直交して流れるように酸化剤ガスをセルスタックに供給する第2流路と、を有する燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法であって、第2流路から排出された酸化剤ガスである排出酸化剤ガスの温度を検出し、第1流路に空気を供給し、セルスタックにおける部分酸化改質を行うときに、排出酸化剤ガスの温度に基づいて燃料電池の温度制御を行う。
図1は、第1実施形態の燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 図2は、セルスタックにおける燃料の流路及び酸化剤ガスの流路を示す説明図である。 図3は、部分酸化改質を行う場合における燃料電池内の温度分布を示す模式的なグラフである。 図4は、燃料電池の温度制御に関するフローチャートである。 図5は、暖機運転における温度制御を模式的に示すグラフである。 図6は、定常運転における温度制御を模式的に示すグラフである。 図7は、第2実施形態の燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 図8は、温度センサの取り付け位置を変更した変形例の説明図である。 図9は、燃料及び酸化剤ガスの流路の構成を変更した変形例の説明図である。 図10は、燃料及び酸化剤ガスの流路の構成と、温度センサの取り付け位置を変更した変形例の説明図である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の燃料電池システム10の構成を示すブロック図である。図1に示すように、燃料電池システム10は、発電装置11と、コントローラ12と、を備える。発電装置11は、燃料電池20を用いて発電する装置であり、燃料電池20の他、燃料流量調節装置31、空気流量調節装置33、酸化剤ガス供給装置41、熱交換器43、燃焼器51、及び、温度センサ60等を備える。コントローラ12は、発電装置11及び発電装置11を構成する各部を統括的に制御する制御装置である。
燃料電池20は、燃料と酸化剤ガスとを用いて電気化学反応により発電するように構成された燃料電池セル(以下、単にセルという)を備える。本実施形態においては、燃料電池20は、単一のセルにより構成され、または、複数のセルを積層して構成され、全体として必要な電力を生成するように構成されたセルスタック21を備える。
セルスタック21は、その内部に改質触媒(以下、内部改質触媒という)を有する。内部改質触媒22は、特定の化学反応を発生させ、または促進することにより、燃料電池20に供給される燃料(以下、原燃料という)を改質し、原燃料から、発電に直接的に利用できる燃料(以下、改質燃料(アノードガス)という)を生成する。原燃料は、例えば、アルキル基等の炭化水素基を含む原料を主な成分として含有する燃料であり、具体的には、メタン等の炭化水素類、または、メタノール等のアルコール類である。内部改質触媒22は、炭化水素を含む原燃料から、発電に用いられる水素を含む改質燃料を生成する。したがって、燃料電池20はいわゆる直接内部改質型であり、原則として別途の改質器を要せず、燃料電池20自身が未改質の原燃料あるいは改質が不完全な原燃料の供給を受けて発電することができる。
セルスタック21が行い得る燃料の改質には、例えば、部分酸化改質(POX)、水蒸気改質(SR)、及び、二酸化炭素改質等がある。内部改質触媒22は、これらの一部または全部の改質反応に寄与する。
部分酸化改質は、原燃料に酸素(O)を混合させることにより、原燃料を部分的に酸化して改質燃料を得る改質反応である。例えば、原燃料がメタン(CH)である場合、部分酸化改質は、主に下記(1)に示す部分酸化反応によって進行する。なお、一部のごく例外的な触媒上で発生する場合を除けば、部分酸化改質では、例えば初期段階において、下記(2)に示す完全燃焼(完全酸化)が発生及び進行する。このため、部分酸化改質では、水素(H)の他、水(HO)も発生する。(1)の部分酸化反応、及び、(2)の完全燃焼はいずれも発熱反応である。このため、部分酸化改質は発熱反応である。また、(1)及び(2)から分かるとおり、部分酸化改質は、酸素を消費する反応である。このため、部分酸化改質は、セルスタック21の全体において均一に発生するのではなく、燃料の流路(後述する第1流路23)の上流部分において相対的に発生量が多く、酸素が消費された燃料の流路の下流部分においては相対的に発生量が少ない。上流部分においては酸素が豊富であるが、下流部分においては、部分酸化改質の進行によって酸素が順次に消費され、相対的に含有する酸素の量が少なくなるからである。このように、部分酸化改質は、セルスタック21において燃料の流路に沿って傾斜的に発生量が変化するので、セルスタック21に大きな温度勾配を発生させる場合がある。
CH+1/2O → CO +2H …(1)
CH+ 2O → CO+2HO …(2)
水蒸気改質は、原燃料と水(水蒸気)との反応により、原燃料または改質燃料を部分的に酸化して改質燃料を得る改質反応である。例えば、原燃料がメタンである場合、水蒸気改質は、主に下記(3)または(4)に示す酸化反応によって進行する。水蒸気改質は、新たに供給する水、または、部分酸化改質(特に完全燃焼)によって発生する水、を利用して進行させることができる。本実施形態においては、セルスタック21は、部分酸化改質によって発生する水を利用して水蒸気改質を行う。水蒸気改質は吸熱反応である。
CH+ HO → CO +3H …(3)
CH+2HO → CO+4H …(4)
二酸化炭素改質は、原燃料、もしくは、部分酸化改質または水蒸気改質によって改質された改質燃料、と二酸化炭素(CO)との反応により、原燃料または改質燃料を部分的に酸化して改質燃料を得る改質反応である。例えば、原燃料がメタンである場合、二酸化炭素改質は、主に下記(5)に示す部分酸化反応によって進行する。二酸化炭素改質は、新たに供給する二酸化炭素、もしくは、部分酸化改質(特に完全燃焼)または水蒸気改質によって発生する二酸化炭素、を利用して進行させることができる。本実施形態においては、セルスタック21は、部分酸化改質及び/または水蒸気改質によって発生する二酸化炭素を利用して二酸化炭素改質を行う。二酸化炭素改質は吸熱反応である。
CH+ CO →2CO+2H …(5)
また、燃料電池20は、例えば固体酸化物型燃料電池(SOFC)である。燃料電池20がSOFCである場合、セルスタック21は、原燃料及び/または改質燃料(以下、区別が必要な場合を除き、単に燃料という)の流路である第1流路23と、酸化剤ガスの流路である第2流路24と、固体酸化物からなる電解質(図示しない)と、を有する。そして、セルスタック21は、第1流路23と第2流路24とが電解質を介して隣接する構造を有する。したがって、内部改質触媒22は、燃料の流路である第1流路23に設けられる。また、第1流路23における電解質の表面には負極として機能するように構成された電極(以下、アノードという)が設けられ、第2流路24における電解質の表面には正極として機能するように構成された電極(以下、カソードという)が設けられている。なお、本実施形態では内部改質触媒22はアノードと別体であるが、アノードの一部または全部が内部改質触媒22として機能する場合がある。また、内部改質触媒22は、セルスタック21内の全体に実質的に一様に設けられる。すなわち、内部改質触媒22は、第1流路23の特定の部分にのみ設けられている等ということがなく、セルスタック21内においては実質的に第1流路23の任意部分で原燃料を改質し得る。
燃料電池20は、アノード入口A1、アノード出口A2、カソード入口C3、及び、カソード出口C4を有する。
アノード入口A1は、第1流路23の上流側の端部であり、燃料電池20への原燃料の入口である。したがって、アノード入口A1は、燃料供給路32を介して燃料流量調節装置31と接続する。一方、アノード出口A2は、第1流路23の下流側の端部であり、使用済みの燃料及び発電により生じたガス等(以下、排出燃料(アノードオフガス)という)を燃料電池20の外部に排出する。本実施形態においては、アノード出口A2は燃料排出路34を介して燃焼器51と接続する。
カソード入口C3は、第2流路24の上流側の端部であり、燃料電池20への酸化剤ガスの入口である。本実施形態においては、カソード入口C3は、酸化剤ガス供給路42を介して酸化剤ガス供給装置41と接続する。一方、カソード出口C4は、第2流路24の下流側の端部であり、発電に使用済みの酸化剤ガス及び発電により生じたガス等(以下、排出酸化剤ガス(カソードオフガス)という)を燃料電池20の外部に排出する。本実施形態においては、カソード出口C4は、酸化剤ガス排出路44を介して燃焼器51と接続する。
なお、燃料電池20は、燃料電池20に接続された機器または装置等に電力を供給する。燃料電池20に接続された機器または装置等とは、例えば、蓄電池、または、電動車両の駆動源として利用するモータ等である。本実施形態においては、図示を省略するが、燃料電池20は、電動車両を駆動するためのモータに接続した蓄電池に接続される。このため、燃料電池20は、間接的に電動車両を駆動するエネルギー源として機能する。
燃料流量調節装置31は、燃料電池20に原燃料を供給する装置(燃料供給装置)であり、かつ、燃料電池20に供給する原燃料の流量を調節する装置である。燃料流量調節装置31は、燃料供給路32を介してアノード入口A1に接続する。燃料流量調節装置31は、燃料タンクとインジェクタとを備える。燃料タンクは、原燃料を例えば液体の状態で貯蓄する。インジェクタは、燃料タンクから燃料供給路32に原燃料を噴出させる。これにより、燃料流量調節装置31は燃料電池20に原燃料を供給する。燃料流量調節装置31が燃料電池20に原燃料を供給するタイミング、及び、原燃料の供給量等は、コントローラ12が制御する。なお、燃料流量調節装置31は、必要に応じて熱交換器等を含む場合がある。この場合、燃料流量調節装置31は、加熱または熱交換等により、原燃料の温度、相、及び圧力等を調整することができる。本実施形態においては、燃料流量調節装置31は、原燃料を気化して燃料電池20に供給する。
空気流量調節装置33は、燃料供給路32に接続しており、燃料流量調節装置31が燃料電池20に供給する原燃料に、必要に応じて空気を混合させる装置(空気供給装置)であり、かつ、原燃料に混合させる空気の流量を調節する装置である。空気流量調節装置33は、例えば、エアブロアである。空気流量調節装置33によって、原燃料に空気を混合させる目的は、原燃料に酸素を含ませることにより、セルスタック21において部分酸化改質を発生させること、または、セルスタック21で発生している部分酸化改質を促進することである。したがって、空気流量調節装置33は、必要に応じて原燃料に酸素を混合させることができればよい。このため、空気流量調節装置33は、自然な空気の代わりに、酸素のみ、酸素を含む空気以外の気体、構成成分や温度等を調整した空気等を原燃料に混合させる構成にしてもよい。空気流量調節装置33が原燃料に空気を混合させるタイミング、及び、原燃料に混合させる空気の量等は、コントローラ12が制御する。
酸化剤ガス供給装置41は、燃料電池20に酸化剤ガスを供給する装置であり、酸化剤ガス供給路42を介してカソード入口C3に接続する。本実施形態においては、酸化剤ガスは、燃料電池20が発電に使用する酸素を含む空気である。すなわち、本実施形態においては、酸化剤ガス供給装置41はエアブロアである。
熱交換器43は、酸化剤ガス供給路42に設けられており、熱交換により、酸化剤ガスを加熱する。したがって、熱交換器43は、燃料電池20に加熱した酸化剤ガスを供給する。酸化剤ガスを加熱するための熱交換は、燃焼器51が排出するガス(以下、排ガスという)との間で行われる。
燃焼器51には、燃料排出路34を介して燃料電池20から排出燃料が供給される。また、燃焼器51には、酸化剤ガス排出路44を介して燃料電池20から排出酸化剤ガスが供給される。そして、燃焼器51は、排出燃料と排出酸化剤ガスを例えば触媒燃焼により燃焼する。この燃焼の結果として生成される排ガスは、排気路52から熱交換器43を介して燃料電池システム10の外部に排出される。このため、燃料電池20における電気化学反応や排ガスの生成等によって生じる熱は、熱交換器43における熱交換により、酸化剤ガス供給路42にある酸化剤ガスの加熱に利用される。
温度センサ60は、酸化剤ガス排出路44に設けられる。温度センサ60は、燃料電池20から排出された酸化剤ガス、より具体的には第2流路24から排出された酸化剤ガスである排出酸化剤ガスの温度を検出する。温度センサ60は、検出した排出酸化剤ガスの温度をコントローラ12に入力する。
コントローラ12は、温度センサ60が検出した排出酸化剤ガスの温度に基づいて燃料電池20の温度制御を行う。特に、本実施形態では、コントローラ12は、セルスタック21における部分酸化改質の発熱によって燃料電池20の温度制御を行う。コントローラ12が燃料電池20の温度制御を行う具体的な方法については詳細を後述する。また、コントローラ12は、CPUやGPU等のプロセッサやメモリ等を用いて構成されるコンピュータあるいはマイクロコンピュータである。コントローラ12は、燃料電池システム10を制御するための専用のコンピュータとして構成することができる他、他の装置またはシステム等を制御するコンピュータの一部として構成できる。例えば、燃料電池システム10を電動車両に搭載する場合には、その電動車両の駆動等を制御する車両コントローラを、燃料電池システム10のコントローラ12として機能させることができる。また、コントローラ12は、発電装置11と通信することによりこれを制御するサーバ型のコンピュータとして構成できる。
図2は、本実施形態のセルスタック21における燃料の流路及び酸化剤ガスの流路を示す説明図である。図2に示すように、第1流路23は、セルスタック21に燃料を供給する流路である。また、第2流路24は、酸化剤ガスが燃料と対向して流れるように、酸化剤ガスをセルスタック21に供給する流路である。第1流路23と第2流路24は、流路としての形状は平行であるが、第1流路23を燃料が流れる方向と第2流路24を酸化剤ガスが流れる方向は反対である。したがって、燃料と酸化剤ガスの流れる方向まで考慮すると、第1流路23と第2流路24は反平行あるいは逆平行であり、燃料と酸化剤ガスはいわゆるカウンターフローとなっている。なお、後述するように、第2流路24は、酸化剤ガスが燃料と直交して流れるように、酸化剤ガスをセルスタック21に供給する流路にすることができる。
図3は、部分酸化改質を行う場合における燃料電池20内の温度分布を示す模式的なグラフである。図3では、セルスタック21が、全体として部分酸化改質が起こり得る程度の温度以上に到達しており、その上でセルスタック21において部分酸化改質を行った場合に形成される燃料電池20の温度分布を表している。部分酸化改質が起こり得る程度の温度とは、例えば約300度以上である。なお、横軸は第1流路23及び第2流路24に沿った位置を表す。セルスタック21を構成する各セルはこの縦軸の方向にスタックされている。また、実線で示すグラフ101は燃料電池20内の燃料の温度を表し、破線で示すグラフ102は酸化剤ガスの温度を表す。セルスタック21内における燃料及び酸化剤ガスの温度は、実質的に燃料電池20の温度と同一とみなすことができる。
原燃料がアノード入口A1から例えば常温で供給され、原燃料がセルスタック21に到達すると、発熱反応である部分酸化改質が発生する。その結果、グラフ101に示すように、部分酸化改質の発生量に応じて、燃料及び燃料電池20の温度が上昇する。部分酸化改質は、前述のように、酸素が豊富なアノード入口A1側において相対的に多く発生し、酸素が消費されたアノード出口A2側においては相対的に発生量が少なくなる。このため、グラフ101に示すように、部分酸化改質は、アノード入口A1からアノード出口A2にかけて概ね減少する温度分布を燃料電池20に形成する。この温度分布により、燃料電池20は、燃料電池20の中央部分の位置ではなく、アノード入口A1側に偏った所定位置(アノード入口A1またはアノード入口A1の近傍の位置)において最も高温の温度Tpとなる。
グラフ102に示すように、酸化剤ガスの温度分布は、上記のように部分酸化改質によって形成される温度分布に追従し、少なくともセルスタック21内においてはほぼ同一の温度分布となる。燃料と酸化剤ガスは、薄膜である電解質を介して表裏一体にセルスタック21内を流れるので、相互の熱交換により、実質的に同じ温度になるからである。したがって、カソード出口C4から排出される排出酸化剤ガスは、部分酸化改質によって形成された温度分布の最高温度にほぼ等しい温度、または、部分酸化改質によって形成された温度分布における最高温度に相関がある温度、となって排出される。最高温度に相関がある温度とは、燃料電池20内の最高温度と一定の関係性があることにより、その温度に基づいて、燃料電池20内の最高温度を算出または推定し得る温度をいう。
温度センサ60は、排出酸化剤ガスの温度を検出する。その結果、温度センサ60は、燃料電池20内の最高温度、または、燃料電池20内の最高温度に相関がある温度を検出する。コントローラ12は、温度センサ60が検出した排出酸化剤ガスの温度に基づいて燃料電池20の温度制御をすることにより、燃料電池20内の最高温度に基づいて燃料電池20の温度制御をする。
本実施形態では、燃料と酸化剤ガスはカウンターフローとなっているので、排出酸化剤ガスの温度は、部分酸化改質によって形成された温度分布の最高温度にほぼ等しい温度である。したがって、温度センサ60は、排出酸化剤ガスの温度を検出することによって、実質的に燃料電池20内の最高温度を検出する。そして、コントローラ12は、温度センサ60が検出した排出酸化剤ガスの温度を用いることによって、直接的に、燃料電池20内の最高温度に基づいて燃料電池20の温度制御をする。
なお、セルスタック21の中央部分において燃料電池20の温度が低下するのは、吸熱反応である水蒸気改質及び/または二酸化炭素改質が進行するからである。また、セルスタック21の中央部分からアノード出口A2及びカソード入口C3にかけて燃料電池20の温度が上昇するのは、カソード入口C3から加熱された酸化剤ガスが供給されるからである。
以下、コントローラ12が、セルスタック21における部分酸化改質の発熱によって、燃料電池20の温度を制御する方法を説明する。図4は、燃料電池20の温度制御に関するフローチャートである。すなわち、セルスタック21における部分酸化改質の発熱によって燃料電池20の温度制御を行う場合、コントローラ12は、排出酸化剤ガス温度取得ステップS101、判定ステップS102、昇温限界演算ステップS103、目標発熱量演算ステップS104、燃料流量演算ステップS105、混合空気流量演算ステップS106、及び、制御実行ステップS107をこの順に、所定の時間間隔で繰り返し実行することにより、燃料電池20の温度を制御する。なお、「燃料電池20の温度制御」は、特に、昇温限界演算ステップS103、目標発熱量演算ステップS104、燃料流量演算ステップS105、混合空気流量演算ステップS106、及び、制御実行ステップS107で行われる制御をいう。
排出酸化剤ガス温度取得ステップS101では、コントローラ12は、温度センサ60で検出される排出酸化剤ガスの温度を取得する。すなわち、コントローラ12は排出酸化剤ガス温度取得部として機能するように構成されている。燃料電池システム10の暖機運転中(部分酸化改質の開始前)においては、カソード出口C4側(アノード入口A1側)の温度が低くなる。このため、暖機運転中の場合、コントローラ12は、この温度を反映した温度センサ60で検出される排出酸化剤ガスの温度によって、燃料電池20内の温度が、部分酸化改質が可能な温度に達したか否かを判定することができる。一方、部分酸化改質が開始されると、温度センサ60で検出される排出酸化剤ガスの温度は、部分酸化改質による発熱を反映して、燃料電池20内の最高温度とほぼ等しい温度となる。このため、部分酸化改質の開始後においては、コントローラ12は、温度センサ60から取得した排出酸化剤ガスの温度を燃料電池20内の最高温度とみなし、当該燃料電池20の温度を制御するための後続のステップを実行する。なお、燃料電池20の運転状態などによって、排出酸化剤ガスの温度が燃料電池20内の最高温度から制御上の誤差をもたらす程度にずれる可能性がある場合には、必要に応じて、検出した排出酸化剤ガスの温度を補正してもよい。この場合、コントローラ12は、排出酸化剤ガスの温度と、燃料電池20内の最高温度との相関関係を考慮して以下のステップを行う。また、排出酸化剤ガスの温度を用いて、燃料電池20内の最高温度を推定する場合、例えば、排出酸化剤ガスの温度と燃料電池20内の最高温度とを対応付けたマップを用いることができる。
判定ステップS102では、コントローラ12は、排出酸化剤ガスの温度が、部分酸化改質が可能な温度以上であるか否かを判定する。すなわち、コントローラ12は判定部として機能するように構成されている。排出酸化剤ガスの温度が、部分酸化改質が可能な温度未満である場合、コントローラ12は、判定ステップS102に続くステップを実行せず、所定周期で排出酸化剤ガスの温度の取得を継続する。排出酸化剤ガスの温度すなわち燃料電池20の最高温度ですら部分酸化改質を行い得る温度に到達していない場合、部分酸化改質が発生しないので、その熱を燃料電池20の温度制御に利用し得ないからである。排出酸化剤ガスの温度が、部分酸化改質が可能な温度以上である場合、コントローラ12は、昇温限界演算ステップS103を実行する。
昇温限界演算ステップS103では、コントローラ12は、検出した排出酸化剤ガスの温度Tqを用いて昇温限界ΔTmを演算する。すなわち、コントローラ12は、昇温限界演算部として機能するように構成されている。昇温限界ΔTmとは、セルスタック21及びその他の燃料電池20を構成する部品のうち、最も耐熱温度が低い部品の耐熱上限温度(以下、単に耐熱上限温度という)から、検出した排出酸化剤ガスの温度Tqを減算して求める温度である。本実施形態においては、内部改質触媒22の耐熱上限温度Tkが、セルスタック21及びその他の燃料電池20の部品の耐熱上限温度の中で最も低い。このため、コントローラ12は、昇温限界ΔTmをΔTm=Tk-Tqによって算出する。
目標発熱量演算ステップS104では、コントローラ12は、排出酸化剤ガスの温度Tqに基づく所定の目標発熱量Qtを演算する。これにより、コントローラ12は、燃料電池20の温度制御において、排出酸化剤ガスの温度Tqが内部改質触媒22の耐熱上限温度Tkを超えないように、目標発熱量Qtを設定する。すなわち、コントローラ12は、目標発熱量演算部及び/または目標発熱量設定部として機能するように構成されている。目標発熱量Qtとは、部分酸化改質による発熱量の目標値である。また、目標発熱量Qtは、所定時間(例えば排出酸化剤ガスの温度Tqの検出周期)当たりの発熱量の目標値である。目標発熱量Qtは、例えば、昇温限界ΔTmと、セルスタック21あるいは各セルの比熱Shと、部分酸化改質が発生するセルの質量Mcと、の積、すなわちQt=ΔTm×Sh×Mcによって目標発熱量Qtを求めることができる。コントローラ12は、目標発熱量Qtを達成するための燃料(酸素)の流量を、部分酸化改質の反応式から求める発熱量に基づいて演算する。
燃料流量演算ステップS105では、コントローラ12は、目標発熱量Qtに基づいて、原燃料の流量である燃料流量Ffを演算する。すなわち、コントローラ12は、燃料流量演算部として機能するように構成されている。燃料流量Ffは、部分酸化改質によって目標発熱量Qtに達するために必要な原燃料の流量である。セルスタック21において発電が開始している場合、燃料流量演算ステップS105において算出する燃料流量Ffは、目標発熱量Qtを達成しつつ、発電を維持するための原燃料の流量である。
混合空気流量演算ステップS106では、コントローラ12は、目標発熱量Qtに基づいて、原燃料に混合させる空気の量である混合空気流量Faを演算する。すなわち、コントローラ12は、混合空気流量演算部として機能するように構成されている。混合空気流量Faは、部分酸化改質によって目標発熱量Qtに達するために原燃料に混合させることが必要な空気の流量である。セルスタック21において発電が開始している場合、混合空気流量Faは、発生させる部分酸化改質の量に対応した酸素を含む空気の流量である。
制御実行ステップS107では、コントローラ12は、演算した燃料流量Ff及び混合空気流量Faを実現するように、燃料流量調節装置31及び空気流量調節装置33をそれぞれ制御する。すなわち、コントローラ12は、セルスタック21における部分酸化改質の発熱量が目標発熱量Qtとなるように、燃料流量Ff及び混合空気流量Faを操作する。したがって、コントローラ12は、燃料流量調節装置31が燃料電池20に供給する原燃料の流量を制御する燃料流量制御部として機能するように構成されている。また、コントローラ12は、空気流量調節装置33が原燃料に混合させる空気の流量を制御する混合空気流量制御部として機能するように構成されている。このように、燃料流量Ff及び混合空気流量Faを制御することによって、部分酸化改質によって燃料電池20の内部にアノード入口A1からアノード出口A2にかけて減少する温度分布が発生する場合でも、燃料電池20の温度は内部改質触媒22の耐熱上限温度Tkを超えない範囲内において制御される。したがって、燃料電池システム10は、セルスタック21の内部で部分酸化改質によって燃料の改質を行っても、内部改質触媒22を損傷することなく、継続的に、かつ、効率的に運転することができる。
上記のように、セルスタック21における部分酸化改質の発熱によって行う燃料電池20の温度制御は、燃料電池システム10の始動時に暖機運転をする運転シーンと、水蒸気改質等によりセルスタック21の温度が低下した場合に、セルスタック21の温度を回復する運転シーンにおいて特に有用である。以下、これらの運転シーンについて詳細に説明する。
図5は、暖機運転における温度制御を模式的に示すグラフである。温度Taは、部分酸化改質が可能となる温度であり、例えば約300度である。温度Tbは、燃料電池20が固体酸化物型燃料電池である場合に、発電が可能になる温度であり、例えば約500度である。温度Tcは、燃料電池20が固体酸化物型燃料電池である場合に、発電効率を考慮して定常運転時に維持する温度であり、例えば約800度から約1000度である。また、図5の各グラフG1~G6は、所定の時間間隔で計測等した場合の酸化剤ガスの温度を表している。
燃料電池システム10を起動し、燃料電池20を発電可能な温度域まで暖機運転をする場合、燃料電池20は、発電可能な温度よりも低温である。このため、コントローラ12は、燃焼器51に酸化剤ガスと原燃料を供給しつつ、酸化剤ガスを燃料電池20に加熱した酸化剤ガスを流すことによって燃料電池20を暖機する。これにより、グラフG1及びグラフG2に示すように、燃料電池20は徐々に温まり、発電可能な温度に近づく。温度Td1は、グラフG1の時点における排出酸化剤ガスの温度Tqである。温度Td2は、グラフG2の時点における排出酸化剤ガスの温度Tqである。
ここで、上記の過熱した酸化剤ガスを用いた暖機運転を継続すると、グラフG1からグラフG3の各間隔によって示す通り、燃料電池20が温まる速度が遅く、燃料電池20が発電可能な温度に到達するまでには長時間を要する。そこで、グラフG3に示すように、排出酸化剤ガスの温度Tqが温度Td3に到達し、部分酸化改質が可能な温度Ta以上の温度になった場合、コントローラ12は、耐熱上限温度Tkから、検出した排出酸化剤の温度Td3を減算することにより、グラフG3の時点における昇温限界ΔTmである昇温限界δ3を演算する。コントローラ12は、昇温限界δ3に基づいて目標発熱量Qtを演算し、さらに、算出した目標発熱量Qtに基づいて、燃料流量Ff及び混合空気流量Faを演算する。その後、算出した燃料流量Ff及び混合空気流量Faにしたがって、コントローラ12が燃料流量調節装置31及び空気流量調節装置33をそれぞれ制御すると、グラフG3*に示すように、セルスタック21の所定範囲Rpoxにおいて部分酸化改質が進行する。その結果、この所定範囲Rpoxの温度が、部分酸化改質の発熱によって上昇する。但し、所定範囲Rpoxにおいても燃料電池20の最高温度は耐熱上限温度Tk以下である。
グラフG3*の部分酸化改質によって発生した熱は、セルスタック21を伝搬する。このため、グラフG4に示すように、次に排出酸化剤ガスの温度Tqを検出するタイミングにおいては、グラフG1からグラフG3までの各グラフ間隔と比較して、グラフG3からグラフG4の間隔は大きくなる。すなわち、暖機運転をする運転シーンにおいて、部分酸化改質を発生させることで、燃料電池20の暖機が促進される。
グラフG4の時点では、排出酸化剤ガスの温度Tqは、温度Td4であり、発電が可能な温度Tbよりも低いが、部分酸化改質が可能な温度Taよりは高い。このため、コントローラ12は、上記と同様に、セルスタック21において再び部分酸化改質を行い、その熱によって燃料電池20の暖機を促進する。すなわち、コントローラ12は、グラフG4の時点における昇温限界δ4を算出する。そして、コントローラ12は、昇温限界δ4に基づいて目標発熱量Qtを演算し、さらに、算出した目標発熱量Qtに基づいて、燃料流量Ff及び混合空気流量Faを演算及び制御する。これにより、グラフG4*に示すように、セルスタック21の所定範囲Rpoxにおいて部分酸化改質が発生し、その熱が伝搬することによって燃料電池20の暖機が再び促進される。
グラフG4時点の昇温限界δ4は、グラフG3時点の昇温限界δ3よりも小さいので、当然に、グラフG4時点の目標発熱量QtはグラフG3時点の目標発熱量Qtよりも小さい。また、グラフG4時点の燃料流量Ff及び混合空気流量Faも、グラフG3時点の燃料流量Ff及び混合空気流量Faよりも少ない。その結果、セルスタック21の所定範囲Rpoxにおいて発生する部分酸化改質の発熱量は、グラフG4時点の方がグラフG3時点よりも抑えられる。その結果、グラフG4時点において追加的に部分酸化改質を行っても、燃料電池20の最高温度は耐熱上限温度Tk以下に保たれる。
その後、グラフG5に示すように、排出酸化剤ガスの温度Tqが温度Td5となって、発電可能な温度Tbを超えるようになると、セルスタック21においては、燃料及び酸化剤ガスの供給により、発電が始まる。燃料電池20は、通常、温度が高いほど発電効率も高い。このため、燃料電池20は、耐熱上限温度Tk以下の範囲内において可能な限り高温を保って運転される。したがって、発電が開始された後であっても、グラフG5で示すように、定常運転の目標とする温度Tcに到達しないような場合には、コントローラ12は、上記と同様に燃料電池20の暖機を継続する。すなわち、コントローラ12は、グラフG5時点の昇温限界δ5を算出する。そして、コントローラ12は、昇温限界δ5に基づいて目標発熱量Qtを演算し、さらに、算出した目標発熱量Qtに基づいて、燃料流量Ff及び混合空気流量Faを演算及び制御する。これにより、グラフG4*に示すように、セルスタック21の所定範囲Rpoxにおいて部分酸化改質が発生し、その熱が伝搬することによって燃料電池20の暖機が促進される。この結果、グラフG6の時点で、排出酸化剤ガスの温度Tqは温度Td6となり、燃料電池20の全体の温度も定常運転時に維持する温度Tcを超える。これにより、従来のようにヒータや燃焼器51のみで加熱した酸化剤ガスを流すことによって暖機運転をする場合と比較して、短時間で暖機運転は完了し、燃料電池システム10は、セルスタック21において発電をする定常運転に移行することができる。
図6は、定常運転における温度制御を模式的に示すグラフである。燃料電池20の温度が概ね定常運転時に維持する温度Tcを超え、定常運転が継続している場合であっても、水蒸気改質等による吸熱量や燃料電池20への負荷等によっては、燃料電池20の温度が低下する場合がある。例えば、燃料電池20に要求される出力電力が中程度であるか少なく、燃料電池20に対する負荷が低負荷または中負荷で定常運転をしている場合、燃料電池20内の温度分布は、概ねカソード入口C3からカソード出口C4にかけて温度が上昇する温度分布となる。本実施形態の燃料電池20では、低負荷または中負荷の場合、発電によって発生する熱量が少ないが、水蒸気改質等による吸熱量はさらに小さいので、発電による発熱量が水蒸気改質等による吸熱量を上回るからである。一方、燃料電池20に要求される出力電力が大きく、燃料電池20に対する負荷が高い場合、燃料電池20内の温度分布は、燃料電池20内の温度分布は、カソード入口C3からカソード出口C4にかけて温度が低下する温度分布となる場合がある。本実施形態の燃料電池20では、高負荷の場合、発電によって発生する熱量が大きいが、水蒸気改質等による吸熱量がさらに大きいので、発電による発熱量が水蒸気改質等による吸熱量を下回るからである。このように、燃料電池20が高負荷の状態で定常運転を継続すると、例えば、グラフG7に示すように、定常運転の開始後であるにもかかわらず、燃料電池20の温度が、定常運転時に維持すべき温度Tcを下回る場合がある。このような状態で、単に定常運転を継続し続けると、その後、発電可能な温度Tbをも下回り、発電を継続できなくなるおそれがある。
このため、コントローラ12は、定常運転に移行後も排出酸化剤ガスの温度Tqの検出を継続する。そして、排出酸化剤ガスの温度Tq定常運転時に維持すべき温度Tc以下となった場合には、コントローラ12は部分酸化改質の発熱により、燃料電池20を加熱する。例えば、グラフG7のように、排出酸化剤ガスの温度Tqが温度Td7となり、定常運転時に維持すべき温度Tcを下回ると、コントローラ12は昇温限界δ7を算出する。そして、コントローラ12は、昇温限界δ7に基づいて目標発熱量Qtを演算し、さらに、算出した目標発熱量Qtに基づいて、燃料流量Ff及び混合空気流量Faを演算及び制御する。これにより、グラフG7*に示すように、セルスタック21の所定範囲Rpoxにおいて部分酸化改質が発生させる。そして、発生させた部分酸化改質の熱が伝搬することによって、グラフG8に示すように、燃料電池20の温度は、定常運転時に維持すべき温度Tc以上の温度になる。この温度制御の結果、燃料電池20は高負荷の状態が続いても、要求される出力電力を満たしながら発電を継続できる。また、このように定常運転時に維持すべき温度Tc以上の温度に燃料電池20の温度を維持する温度制御をする場合も、コントローラ12は、排出酸化剤ガスの温度Tqに基づいた温度制御をするので、燃料電池20の温度は局所的に見ても耐熱上限温度Tkを超えることがない。したがって、燃料電池システム10は、燃料電池20を破損等することなく、定常運転を安定的に継続できる。
上記のように、一実施形態の燃料電池システム10の制御方法は、炭化水素から水素を生成する改質触媒である内部改質触媒22を有するセルスタック21と、セルスタック21に炭化水素を含む燃料を供給する第1流路23と、燃料と対向または直交して流れるように酸化剤ガスをセルスタック21に供給する第2流路24と、を有する燃料電池20を備える燃料電池システム10の制御方法であって、第2流路24から排出された酸化剤ガスである排出酸化剤ガスの温度Tqを検出し、排出酸化剤ガスの温度Tqに基づいて燃料電池20の温度制御を行う。
この燃料電池システム10の制御方法では、上記の通り、燃料電池20が内部改質型であるため、セルスタック21の中央部分よりもアノード入口A1の付近で相対的に高温になる場合がある。また、燃料電池20は、いわゆるカウンターフローまたはクロスフローであり、カソード出口C4の温度は、相対的な高温部分であるアノード入口A1の温度とみなすことができる。そして、燃料電池システム10のコントローラ12は、アノード入口A1に近いカソード出口C4で検出した排出酸化剤ガスの温度Tqに基づいて燃料電池20の温度制御を行う。すなわち、上記実施形態に係る燃料電池システム10の制御方法では、燃料電池20内での相対的な高温部分の温度に基づいて温度制御を行うので、より確実に耐熱基準である耐熱上限温度Tkを遵守した安定的な制御を実現できる。
一方、従来のように燃料電池20の中央部分の温度に基づいて燃料電池20の温度制御をする場合、燃料電池20が内部改質型であって、セルスタック21の中央部分よりもアノード入口A1の付近で相対的に高温になる運転シーンにおいて、アノード入口A1の付近の相対的な高温部分が耐熱基準である耐熱上限温度Tkを超え、燃料電池20を破損等してしまうおそれがある。したがって、上記実施形態に係る燃料電池システム10の制御方法は、従来の燃料電池システムの制御方法と比較して、燃料電池20を破損等せず、より確実に安定的に運転できる。
セルスタック21の中央部分よりもアノード入口A1の付近が相対的な高温部分になりやすい場面の例としては、部分酸化改質が生じる運転シーンがある。このため、上記の燃料電池システム10の制御方法は、セルスタック21において部分酸化改質が生じる場合に特に好適である。
例えば、燃料電池20の暖機(昇温)を促進するため、約300度程度の低温域から部分酸化改質を積極的に行う場合、部分酸化改質の発熱によってアノード入口A1側が燃料電池20内の温度分布において最高温度になる。このため、燃料電池20の暖機のために部分酸化改質を行う場合にも、上記のようにカソード出口C4に設けた温度センサ60によって排出酸化剤ガスの温度Tqを検出し、検出した排出酸化剤ガスの温度Tqに基づいて燃料電池20の温度制御を行うことで、局所的に見ても耐熱上限温度Tkを超えない範囲で、燃料電池20の暖機を促進することができる。なお、上記実施形態のように、燃料と酸化剤ガスがカウンターフローとなっている場合、温度センサ60によって検出する排出酸化剤ガスの温度Tqは、実質的に燃料電池20の最高温度と等しくなるので、上記の温度制御を特に正確に実行できる。
なお、上記実施形態に係る燃料電池システム10の制御方法では、特に、燃料電池20の温度制御を、燃料電池20の温度が所定温度である耐熱上限温度Tk以下となるように制御する。そして、耐熱上限温度Tkは任意である。したがって、上記実施形態に係る燃料電池システム10の制御方法は、燃料電池20の温度が所定温度以下となるように制御する場合に特に好適であり、燃料電池20及び燃料電池システム10を破損等の恐れを低減した安定的な制御を実現することができる。
上記実施形態の燃料電池システム10は、上記の基本的な構成に加えて、燃料電池20に供給する燃料の流量を調節する燃料流量調節装置31と、燃料に混合させる空気の流量を調節する空気流量調節装置33と、をさらに備える。そして、上記実施形態の燃料電池システム10の制御方法では、燃料電池20の温度制御において、具体的に、セルスタック21における部分酸化改質の発熱量が排出酸化剤ガスの温度Tqに基づく所定の目標発熱量Qtとなるように、燃料の流量である燃料流量Ffと、燃料に混合させる空気の流量である混合空気流量Faと、を操作する。したがって、上記実施形態の燃料電池システム10の制御方法は、燃料電池20の温度制御を、内部改質触媒22の性質上必然的に生じる部分酸化改質を利用するという方法で実現する。すなわち、上記実施形態の燃料電池システム10の制御方法では、特別な熱源又は冷熱源の準備を要しない燃料電池20の温度制御が実現される。
また、燃料電池システム10では、空気流量調節装置33によって燃料に空気を混合させることにより、部分酸化改質を積極的に発生させる。そして、燃料電池システム10では、この排出酸化剤ガスの温度Tqに基づいて目標発熱量Qtを定め、燃料流量Ff及び混合空気流量Faを制御する。その結果、燃料電池システム10では、発生させる部分酸化改質の発熱量を制御することにより、燃料電池20の温度が制御される。このように、排出酸化剤ガスの温度Tqに基づいて部分酸化改質の発熱を制御すると、燃料電池20の温度制御を好適に行うことができる。特に、燃料電池20を暖機する場合、及び、燃料電池20を高負荷で使用継続するために燃料電池20の温度を維持しようとする場合に、燃料電池システム10は、局所的に見ても耐熱上限温度Tkを超えない範囲で、特に適切に燃料電池20の温度を制御できる。燃料電池20の暖機については、部分酸化改質の発熱を利用した上記の温度制御により、暖機を促進できる。また、高負荷で燃料電池20を使用する場合については、定常運転のために維持すべき温度Tcを維持できる。
上記実施形態の燃料電池システム10の制御方法では、具体的に、排出酸化剤ガスの温度Tqが改質触媒である内部改質触媒22の耐熱上限温度Tkを超えないように、目標発熱量Qtを設定する。これにより、局所的に見ても耐熱上限温度Tkを超えない範囲で、特に適切に燃料電池20の温度を制御できる。
上記実施形態の燃料電池システム10の制御方法では、具体的に、排出酸化剤ガスの温度Tqが、セルスタック21において部分酸化改質が可能な温度以上である場合に、燃料及び燃料に混合させる空気の供給を行う等、燃料電池20の温度制御を実行する。これにより、部分酸化改質が可能な温度域に達している場合にのみ適切に燃料及び空気の混合気を供給して、部分酸化改質の発熱を利用した燃料電池20の温度制御を実施できる。その結果、燃料の無駄を省き、炭素の析出等の不具合も防止できる。
なお、上記実施形態の燃料電池システム10は、炭化水素から水素を生成する改質触媒である内部改質触媒22を有するセルスタック21と、セルスタック21に炭化水素を含む燃料を供給する第1流路23と、燃料と対向または直交して流れるように酸化剤ガスをセルスタック21に供給する第2流路24と、を備えた燃料電池20と、第2流路24から排出された酸化剤ガスである排出酸化剤ガスの温度Tqを検出する温度センサ60と、排出酸化剤ガスの温度Tqに基づいて燃料電池20の温度制御を行うコントローラ12と、を備えるものである。
この燃料電池システム10は、上記実施形態に係る燃料電池20の温度制御の趣旨を逸脱しない範囲で構成を変更することができる。例えば、上記実施形態においては、部分酸化改質の発熱を利用して、燃料電池20の温度制御を行う例を説明したが、排出酸化剤ガスの温度Tqに基づいて燃料電池20の温度制御を行うことができれば、ヒータで加熱する等、部分酸化改質の発熱を利用する以外の方法で燃料電池20の温度を制御することができる。例えば、部分酸化改質の発熱を利用する代わりに、コントローラ12は、排出酸化剤ガスの温度Tqが所望の温度となるように(例えば所定の上限温度を守るように)、酸化剤ガス供給装置41による空気の供給量、もしくは、燃焼器51への燃料、排ガス、及び/または、新規の空気の供給量を制御してもよい。但し、上記実施形態のように、部分酸化改質を利用する燃料電池20の温度制御は、燃料電池20の温度を制御するための特別の構成が不要であるため、特に好ましい。
(第2実施形態)
上記第1実施形態の燃料電池システム10は、内部改質触媒22を有するセルスタック21を備えた内部改質型の燃料電池20を1つ備える。このような内部改質型の燃料電池20は、炭素の析出等を防ぐために、原燃料を過剰気味に供給して使用する。このため、燃料の利用率が低い。そこで、上記第1実施形態の燃料電池システム10は、以下のように、さらに別の燃料電池を併用することで、燃料の利用率を向上することができる。
図7は、第2実施形態の燃料電池システム210の構成を示すブロック図である。この第2実施形態の燃料電池システム210は、第1実施形態の燃料電池システム10の燃料電池20を第1燃料電池として利用しつつ、第2燃料電池220を加えたものである。このため、第1実施形態の燃料電池システム10と共通の構成は、第1実施形態と同一の符号を付し、説明を省略する。
第2燃料電池220は、第1燃料電池である燃料電池20と比較して、内部改質触媒22が少ないセルスタック221を有する燃料電池である。本実施形態では、第2燃料電池220のセルスタック221は、内部改質触媒22を有しない固体酸化物型燃料電池である。すなわち、第2燃料電池220は、改質燃料が供給されることにより発電をする。
第2燃料電池220のアノード入口A3は、燃料電池20のアノード出口A2に接続される。また、第2燃料電池220のアノード出口A4は燃料排出路34を介して燃焼器51に接続する。すなわち、第2燃料電池220は、燃料電池20から排出された燃料が、燃料として供給される。燃料電池20の排出燃料は、原燃料が過剰気味に供給されているので、燃料として完全に使用されきっているわけではなく、水素が残存しており、未だ燃料として使用可能である。一方、燃料電池20の排出燃料は、燃料電池20の内部改質によって、原燃料はほぼ全て水素に改質されている。したがって、燃料電池20の排出燃料は、第2燃料電池220において改質燃料として使用される。
第2燃料電池220のカソード入口C1は酸化剤ガス排出路44を介して酸化剤ガス供給装置41に接続される。また、第2燃料電池220のカソード出口C2は、燃料電池20のカソード入口C3に接続する。すなわち、第2燃料電池220は、酸化剤ガス供給装置41から供給された酸化剤ガスを発電に使用する。その後、第2燃料電池220は、第2燃料電池220から排出された酸化剤ガス(排出酸化剤ガス)を、酸化剤ガスとして燃料電池20に供給する。第2燃料電池220の排出酸化剤ガスは酸素を含んでおり、燃料電池20においても十分に酸化剤ガスとして機能し得る。
上記のように、第2実施形態の燃料電池システム210は、第1燃料電池である燃料電池20の他に、第2燃料電池220を備える。そして、第2燃料電池220には、燃料電池20から排出された燃料が供給される。その結果、内部改質型の燃料電池20には過剰気味に原燃料を供給して使用するので燃料の利用率が低いが、燃料電池20の排出燃料は第2燃料電池220において発電のために再利用される。したがって、燃料電池システム210は、原燃料を殆ど余らせることなく発電に利用でき、第1実施形態の燃料電池システム10よりも燃料の利用率を向上することができる。
また、第2実施形態の燃料電池システム210は、第2燃料電池220から排出された酸化剤ガスである排出酸化剤ガスを、燃料電池20に酸化剤ガスとして供給する。燃料電池20の内部で水蒸気改質等の吸熱反応が進行すると燃料電池20の温度が低下するが、上記のように、第2燃料電池220における発電によって加熱された排出酸化剤ガスが燃料電池20に酸化剤ガスとして供給されることにより、燃料電池20における発電による発熱と、燃料改質による吸熱の熱収支を維持しやすくなる。また、燃料電池システム210の全体としてみても、熱収支を維持しやすくなる。したがって、コントローラ12は、内部改質型の燃料電池20を、より安定的に高効率に定常運転を維持しやすい。
また、第2実施形態の燃料電池システム210が加える第2燃料電池220は、燃料電池20に比べて内部改質触媒22が少ないものを採用する。このため、第2燃料電池220では、水蒸気改質等の吸熱反応の発生が少ない。したがって、第2燃料電池220の排出酸化剤ガスを燃料電池20に供給することにより、コントローラ12は、燃料電池20における発電による発熱と、燃料改質による吸熱の熱収支を特に維持しやすい。また、燃料電池システム210の全体としてみても、熱収支を維持しやすい。そして、上記第2実施形態のように、第2燃料電池220が内部改質触媒22を有しない場合には、これらの熱収支を最も維持しやすい。
(変形例)
上記の第1実施形態及び第2実施形態においては、温度センサ60は、セルスタック21内で複数に分岐する第2流路24が再び1つにまとまったカソード出口C4に設けているが、温度センサ60の配置は、燃料電池20内の温度分布における最高温度を検出または推定できる範囲内おいて任意に変更できる。例えば、図8は、温度センサ60の取り付け位置を変更した変形例の説明図である。図8に示すように、セルスタック21内で分岐した第2流路24の一部を引き出し、カソード出口C4に合流する流路301を設け、この流路301に温度センサ60を設けることができる。このように、第2流路24の一部を引き出した流路301に温度センサ60を設けると、燃料電池20の全体的な構造上の都合により、燃料電池20に第1流路23及び第2流路24に対して垂直なY方向に温度分布が形成される場合でも、このY方向の温度分布によらず、コントローラ12は燃料電池20の最高温度を正確に検出または推定しやすい。
上記第1実施形態及び第2実施形態においては、燃料電池20の燃料及び酸化剤ガスはカウンターフローとなっているが、燃料電池20の燃料及び酸化剤ガスはいわゆるクロスフローにすることができる。例えば、図9は、燃料及び酸化剤ガスの流路の構成を変更した変形例の説明図である。すなわち、燃料電池20は、カウンターフローのセルスタック21の代わりに、第2流路24を、酸化剤ガスが燃料と直交して流れるように、酸化剤ガスをセルスタック21に供給する流路にしたセルスタック302を採用することができる。このように、燃料と酸化剤ガスがいわゆるクロスフローのセルスタック302を採用する場合も、上記第1実施形態及び第2実施形態の制御方法を実行し、その効果を得ることができる。クロスフローのセルスタック302においても、排出酸化剤ガスの温度は、燃料電池20内の温度分布における最高温度と一定の相関を有するので、コントローラ12は、排出酸化剤ガスの温度から燃料電池20内の最高温度を推定できるからである。
なお、第1流路23と第2流路24を平行にし、かつ、これらの流路に燃料と酸化剤ガスを平行に流すパラレルフローのセルスタックを採用することもできる。この場合も、上記第1実施形態及び第2実施形態の制御方法を実行し、その効果を得ることができる。但し、部分酸化改質を行うか否かに関わらず、燃料電池20内の温度分布を均一に近づけ、発電効率を高めるためには、カウンターフローのセルスタック21またはクロスフローのセルスタック302を採用することが好ましく、カウンターフローのセルスタック21を採用することが特に好ましい。
図10は、上記第1実施形態及び第2実施形態に対して燃料及び酸化剤ガスの流路の構成と、温度センサ60の取り付け位置を変更した変形例の説明図である。図10の燃料電池20の変形例は、クロスフローのセルスタック302を採用した上で、第2流路24の一部を引き出し、カソード出口C4に合流する流路303を設けている。そして、温度センサ60はこの流路303に設けられる。このように、クロスフローのセルスタック302を採用する場合に、第2流路24の一部を引き出した流路303を設け、ここに温度センサ60を設けると、燃料電池20内の温度分布における最高温度と、検出する排出酸化剤ガスの温度Tqとの相関が高くなる。したがって、コントローラ12が燃料電池20内の最高温度を推定する場合にはその精度が向上し、結果として燃料電池20の温度制御の精度が向上する。特に、図10に示すように、流路303を部分酸化改質が相対的に多く発生するアノード入口A1側に設けると、部分酸化改質の発熱によって燃料電池20内でアノード入口A1側に最高温度の部分が発生する場合に、その温度を直接的にかつ正確に検出できる。このため、コントローラ12による燃料電池20の温度制御が特に正確に実施できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を、上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。上記実施形態に対し、請求の範囲に記載した事項の範囲内で様々な変更及び修正が可能である。また、上述した実施形態及び変形例で説明した技術思想は適宜組み合わせが可能である。

Claims (8)

  1. 炭化水素から水素を生成する改質触媒を有するセルスタックと、前記セルスタックに炭化水素を含む燃料を供給する第1流路と、前記燃料と対向または直交して流れるように酸化剤ガスを前記セルスタックに供給する第2流路と、を有する燃料電池を備える燃料電池システムの制御方法であって、
    前記第2流路から排出された前記酸化剤ガスである排出酸化剤ガスの温度を検出し、
    前記第1流路に空気を供給し、前記セルスタックにおいて部分酸化改質を行うときに、前記排出酸化剤ガスの温度に基づいて前記燃料電池の温度制御を行う、
    燃料電池システムの制御方法。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池システムは、前記燃料電池に供給する前記燃料の流量を調節する燃料流量調節装置と、前記燃料に混合させる空気の流量を調節する空気流量調節装置をさらに備え、
    前記燃料電池の温度制御では、
    前記セルスタックにおける部分酸化改質の発熱量が前記排出酸化剤ガスの温度に基づく所定の目標発熱量となるように、前記燃料の流量と前記空気の流量とを操作する、
    燃料電池システムの制御方法。
  3. 請求項2に記載の燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池の温度制御では、
    前記排出酸化剤ガスの温度が前記改質触媒の耐熱上限温度を超えないように、前記目標発熱量を設定する、
    燃料電池システムの制御方法。
  4. 請求項2又は3に記載の燃料電池システムの制御方法であって、
    前記排出酸化剤ガスの温度が、前記セルスタックにおいて部分酸化改質が可能な温度以上である場合に、前記燃料電池の温度制御を実行する、
    燃料電池システムの制御方法。
  5. 炭化水素から水素を生成する改質触媒を有するセルスタックと、前記セルスタックに炭化水素を含む燃料を供給する第1流路と、前記燃料と対向または直交して流れるように酸化剤ガスを前記セルスタックに供給する第2流路と、を備えた第1燃料電池と、
    前記第2流路から排出された前記酸化剤ガスである排出酸化剤ガスの温度を検出する温度センサと、
    前記第1流路に空気を供給し、前記セルスタックにおいて部分酸化改質を行うときに、前記排出酸化剤ガスの温度に基づいて前記第1燃料電池の温度制御を行うコントローラと、
    を備える、燃料電池システム。
  6. 請求項5に記載の燃料電池システムであって、
    前記第1燃料電池から排出された前記燃料が供給される第2燃料電池をさらに備える、
    燃料電池システム。
  7. 請求項6に記載の燃料電池システムであって、
    前記第2燃料電池から排出された酸化剤ガスが前記第1燃料電池に供給される、
    燃料電池システム。
  8. 請求項6または7に記載の燃料電池システムであって、
    前記第2燃料電池は、前記第1燃料電池よりも前記改質触媒が少ない、
    燃料電池システム。
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