JP7323054B2 - 研磨剤及び研磨方法 - Google Patents

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Description

本開示は、研磨剤、研磨方法等に関する。
近年、半導体集積回路(以下、「LSI」ともいう)の高集積化又は高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下、「CMP」ともいう)法は、その一つであり、LSI製造工程(特に、多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成等)において頻繁に利用される技術である。
一例として、CMP法を用いた埋め込み配線の形成について説明する。まず、表面に凹凸を有する絶縁部材(絶縁材料を含有する部材)を有する基材を準備する。絶縁部材を構成する絶縁材料としては、酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。次に、バリア材料を絶縁部材上の全体に堆積することにより、絶縁部材の表面に追従する形状のバリア部材を得る。さらに、凹部(溝部)を埋め込むようにバリア部材の全体に金属材料を堆積することによって金属部材を得ることにより基体(被研磨体)を得る。次に、凹部以外の不要な金属部材、及び、絶縁部材の凸部上に位置するバリア部材をCMPにより除去することにより埋め込み配線を形成する。このような配線形成方法をダマシン法と呼ぶ。
近年、金属材料としては、タングステン、タングステン合金等のタングステン材料が用いられるようになってきている。タングステン部材(タングステン材料を含有する部材)を用いたダマシン法による配線形成方法の一例を図1に示す。図1(a)に示すように、基体(被研磨体)10は、表面に凹凸を有する絶縁部材1と、絶縁部材1の表面に追従する形状のバリア部材(バリア材料を含有する部材)2と、凹部を埋め込むようにバリア部材2の全体を覆うタングステン部材3と、を有している。基体10の研磨方法は、バリア部材2が露出するまでタングステン部材3の大部分を研磨する第一の研磨工程(粗研磨工程。図1(a)~図1(b))と、絶縁部材1が露出するまでバリア部材2及びタングステン部材3を研磨する第二の研磨工程(図1(b)~図1(c))と、絶縁部材1、バリア部材2及びタングステン部材3を研磨する第三の研磨工程(仕上げ研磨工程)と、をこの順に有している。
タングステン材料の研磨に用いることが可能な研磨剤として、例えば、下記特文献1には、触媒(例えば鉄化合物)、酸化剤等を含有する研磨剤が記載されている。絶縁材料の研磨に用いることが可能な研磨剤として、例えば、下記特文献2には、リン酸等を含有する研磨剤が記載されている。
特開平10-265766号公報 特開平6-124932号公報
研磨剤に対しては、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素のうちの一部のみについて優れた研磨速度が得られるのではなく、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素の全てについて優れた研磨速度が得られることが求められる場合がある。
本開示の一側面は、このような課題を解決しようとするものであり、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨することが可能な研磨剤を提供することを目的とする。本開示の他の一側面は、このような研磨剤を用いた研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ゼータ電位が正である砥粒と、所定量のアンモニウム塩と、鉄含有化合物と、酸化剤と、を含有する研磨剤を用いることで、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨することができることを見出した。
本開示の一側面は、砥粒と、アンモニウム塩と、鉄含有化合物と、酸化剤と、を含有し、砥粒のゼータ電位が正であり、アンモニウム塩の含有量が、研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上0.20質量%未満である、タングステン材料用の研磨剤を提供する。
本開示の他の一側面は、上述の研磨剤を用いて被研磨面を研磨する、研磨方法を提供する。
このような研磨剤及び研磨方法によれば、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨することができる。
本開示の一側面によれば、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨することが可能な研磨剤を提供することができる。本開示の他の一側面によれば、このような研磨剤を用いた研磨方法を提供することができる。
図1は、ダマシン法による配線形成を説明するための模式断面図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。但し、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<定義>
本明細書において、「研磨速度」とは、被研磨材料が研磨により除去される速度(例えば、時間あたりの被研磨材料の厚みの低減量。Removal Rate)を意味する。「砥粒」とは、複数の粒子の集合を意味するが、便宜的に、砥粒を構成する一の粒子を砥粒と呼ぶことがある。「工程」との語には、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できないもののその工程の所期の作用が達成される工程が含まれる。「膜」及び「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。数値範囲の「A以上」とは、A、及び、Aを超える範囲を意味する。数値範囲の「A以下」とは、A、及び、A未満の範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、一種を単独で、又は、二種以上を組み合わせて使用できる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を意味する。X倍に希釈するとは、希釈前の質量のX倍になるように水等を添加することとして定義される。例えば、研磨剤用貯蔵液の質量に対して同質量の水を加えて、希釈前の研磨剤用貯蔵液の質量の2倍の研磨剤を得ることは、2倍に希釈することを意味する。
<研磨剤>
本実施形態に係る研磨剤は、砥粒と、アンモニウム塩と、鉄含有化合物と、酸化剤と、を含有する。本実施形態に係る研磨剤において砥粒のゼータ電位は、正である。本実施形態に係る研磨剤においてアンモニウム塩の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上0.20質量%未満である。本実施形態に係る研磨剤は、タングステン材料用の研磨剤(タングステン材料の研磨に使用可能な研磨剤)である。「タングステン材料」とは、タングステンを50モル%以上含む材料を意味し、タングステン(単体)、タングステン合金、タングステン化合物(酸化タングステン、タングステンシリサイド、窒化タングステン等)などが挙げられる。
本実施形態に係る研磨剤によれば、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨することができる。この理由は明確ではないが、以下のように推察される。すなわち、所定量のアンモニウム塩を含有する研磨剤において、アンモニウム塩が窒化珪素と反応することで、窒化珪素の表面を改質して軟質化させる。これにより、砥粒による機械的作用(物理的作用)が補助され、窒化珪素を優れた研磨速度で研磨することができると考えられる。そして、研磨剤がアンモニウム塩に加えて、ゼータ電位が正である砥粒と、鉄含有化合物と、酸化剤と、を含有することにより、砥粒の機械的作用、研磨剤の化学的作用等が好適に得られるため、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨できると考えられる。
本実施形態に係る研磨剤によれば、タングステン材料の研磨速度として80nm/min以上を得ることができる。タングステン材料の研磨速度は、90nm/min以上、100nm/min以上、110nm/min以上、120nm/min以上、130nm/min以上、又は、140nm/min以上であってよい。
本実施形態に係る研磨剤によれば、酸化珪素の研磨速度として70nm/min以上を得ることができる。酸化珪素の研磨速度は、80nm/min以上、85nm/min以上、又は、90nm/min以上であってよい。
本実施形態に係る研磨剤によれば、窒化珪素の研磨速度として25nm/min以上を得ることができる。窒化珪素の研磨速度は、27nm/min以上又は30nm/min以上であってよい。
本実施形態に係る研磨剤の一態様によれば、酸化珪素に対する窒化珪素の研磨速度比(窒化珪素の研磨速度/酸化珪素の研磨速度)として0.25以上を得ることができる。酸化珪素に対する窒化珪素の研磨速度比は、0.30以上又は0.35以上であってよい。
本実施形態に係る研磨剤は、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む被研磨面の研磨に用いられてよく、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を含む被研磨面の研磨に用いられてよい。本実施形態に係る研磨剤は、タングステン材料を含む被研磨面(例えば、タングステン膜の被研磨面)の研磨、酸化珪素を含む被研磨面(例えば、酸化珪素膜の被研磨面)の研磨、又は、窒化珪素を含む被研磨面(例えば、窒化珪素膜の被研磨面)の研磨に用いられてよい。本実施形態に係る研磨剤は、タングステン材料と、酸化珪素及び窒化珪素からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を含む被研磨面の研磨に用いられてよい。本実施形態によれば、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む被研磨面の研磨への研磨剤の応用を提供することができる。
(砥粒)
本実施形態に係る研磨剤は、ゼータ電位が正である砥粒を含有する。研磨剤は、ゼータ電位が正である砥粒を含有することにより、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨することができる。
砥粒のゼータ電位が正である(研磨剤中で正の電荷を有する)ことは、研磨剤における砥粒のゼータ電位を測定することにより判断できる。研磨剤における砥粒のゼータ電位を測定し、数値が0mVを超える場合、砥粒のゼータ電位が正であると判断することができる。
砥粒の構成材料としては、シリカ、アルミナ、セリア、ジルコニア、セリウムの水酸化物、樹脂粒子等が挙げられる。砥粒は、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、シリカを含んでよい。シリカを含む砥粒は、他の種類の砥粒と比較して、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素との親和性が高く、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素との接触頻度が増加すると考えられる。そのため、シリカを含む砥粒を用いることにより、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすいと考えられる。また、シリカを含む砥粒を用いることにより、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しつつ、研磨傷(研磨後の表面に現れる傷をいう。以下同じ)を低減することができる。
砥粒におけるシリカの含有量は、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点、並びに、研磨傷を低減しやすい観点から、砥粒の全質量(研磨剤に含まれる砥粒全体、又は、砥粒を構成する一の粒子の全体)を基準として、50質量%超、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、又は、99質量%以上であってよい。砥粒は、シリカからなる(研磨剤に含まれる砥粒の実質的に100質量%がシリカである、又は、砥粒を構成する一の粒子の実質的に100質量%がシリカである(砥粒を構成する一の粒子がシリカ粒子である))態様であってよい。
シリカを含む砥粒としては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられる。砥粒は、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点、研磨傷を低減しやすい観点、並びに、粒子径の選択が容易である観点から、コロイダルシリカを含んでよい。砥粒は、一種類単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。研磨剤は、例えば、シリカを含む砥粒と、シリカとは異なる構成材料を含む砥粒とを含有してよい。
研磨剤中における砥粒の平均粒子径(平均二次粒子径)は、砥粒の機械的作用が充分となり、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、10nm以上、30nm以上、40nm以上、50nm以上、55nm以上、又は、60nm以上であってよい。砥粒の平均粒子径は、砥粒の良好な分散安定性が得られやすい観点から、200nm以下、120nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、70nm未満、65nm以下、又は、60nm以下であってよい。これらの観点から、砥粒の平均粒子径は、10~200nm、30~120nm、又は、40~90nmであってよい。砥粒がシリカを含む場合、及び、砥粒がシリカ以外とは異なる構成材料を含む場合のいずれの場合においても、砥粒の平均粒子径は、上述の平均粒子径の範囲内であってよい。
砥粒の平均粒子径は、光子相関法で測定できる。砥粒の平均粒子径は、例えば、COULTER Electronics社製のCOULTER N4SDを用いて、測定温度:20℃、溶媒屈折率:1.333(水)、粒子屈折率:Unknown(設定)、溶媒粘度:1.005cp(水)、Run Time:200秒、レーザ入射角:90°、Intensity(散乱強度、濁度に相当):5E+04~4E+05の範囲で測定することができ、Intensity(散乱強度、濁度に相当)が4E+05よりも高い場合には水で希釈して測定することができる。コロイダル粒子は、通常、水に分散された状態で得られるので、上述の散乱強度の範囲に入るように適宜希釈して測定することもできる。砥粒の平均粒子径を測定する際の砥粒の含有量の目安としては、砥粒が0.5~2.0質量%含まれるようにすればよい。
砥粒の含有量は、研磨剤の全質量を基準として、下記の範囲であってよい。砥粒の含有量は、砥粒の充分な機械的作用が得られやすく、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、0.1質量%以上、0.3質量%以上、0.4質量%以上、0.5質量%以上、0.6質量%以上、0.8質量%以上、1質量%以上、1.5質量%以上、2質量%以上、2.4質量%以上、2.5質量%以上、2.8質量%以上、又は、3質量%以上であってよい。砥粒の含有量は、研磨剤の粘度が上昇することを避けやすい観点、砥粒の凝集を避けやすい観点、研磨傷を低減しやすい観点、研磨剤の取り扱いが容易である観点等から、15質量%以下、10質量%以下、7質量%以下、5質量%以下、4質量%以下、3.6質量%以下、3.2質量%以下、又は、3質量%以下であってよい。これらの観点から、砥粒の含有量は、0.1~15質量%、0.5~10質量%、又は、1~5質量%であってよい。
(アンモニウム塩)
本実施形態に係る研磨剤は、アンモニウム塩を含有する。研磨剤がアンモニウム塩を含有することにより、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨することができる。
アンモニウム塩は、一般式(NHX(nは自然数であり、Xは単一原子又は原子団を示す)で表される化合物であってよい。アンモニウム塩は、研磨剤中においてアンモニウムイオン(NH )と対イオン(Xn-)とに解離していてよい。アンモニウム塩は、アルキルアンモニウム塩及びアルキルアンモニウム水酸化物を含まなくてもよい。
アンモニウム塩は、無機酸のアンモニウム塩である無機アンモニウム塩を含んでよく、有機酸のアンモニウム塩である有機アンモニウム塩を含んでよい。アンモニウム塩は、一種類単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
無機アンモニウム塩としては、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム等の1価の無機酸のアンモニウム塩;炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、過硫酸アンモニウム等の2価の無機酸のアンモニウム塩;リン酸アンモニウム、ホウ酸アンモニウム等の3価の無機酸のアンモニウム塩などが挙げられる。アンモニウム塩は、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、1価の無機酸のアンモニウム塩、及び、2価の無機酸のアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。アンモニウム塩は、硝酸アンモニウム及び亜硝酸アンモニウムを含まなくてよく、硝酸アンモニウム及び硫酸アンモニウムを含まなくてよく、炭酸アンモニウム及びリン酸アンモニウムを含まなくてもよく、塩素酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、臭素酸アンモニウム、過臭素酸アンモニウム、ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸アンモニウム、過ホウ酸アンモニウム、過マンガン酸アンモニウム、一過硫酸アンモニウム、クロム酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムセリウムを含まなくてよい。
有機アンモニウム塩としては、カルボン酸のアンモニウム塩、スルホン酸のアンモニウム塩等が挙げられる。カルボン酸のアンモニウム塩としては、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム等の1つのカルボキシル基を有するカルボン酸のアンモニウム塩;シュウ酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム等の2つのカルボキシル基を有するカルボン酸のアンモニウム塩;クエン酸アンモニウム等の3つのカルボキシル基を有するカルボン酸のアンモニウム塩などが挙げられる。スルホン酸のアンモニウム塩としては、メタンスルホン酸アンモニウム、ベンゼンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸アンモニウム等が挙げられる。アンモニウム塩は、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、カルボン酸のアンモニウム塩を含んでよく、1つのカルボキシル基を有するカルボン酸のアンモニウム塩を含んでよい。アンモニウム塩は、酢酸アンモニウムを含まなくてよく、クエン酸アンモニウム及びシュウ酸アンモニウムを含まなくてよい。
アンモニウム塩は、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、1価の酸のアンモニウム塩、及び、2価の酸のアンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよく、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、及び、硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよく、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、及び、硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。アンモニウム塩は、炭酸アンモニウムを含む態様、酢酸アンモニウムを含む態様、又は、硝酸アンモニウムを含む態様であってよい。
アンモニウム塩の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上0.20質量%未満である。アンモニウム塩の含有量が0.01質量%以上0.20質量%未満であることにより、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨することができる。
アンモニウム塩の含有量は、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、研磨剤の全質量を基準として、下記の範囲であってよい。アンモニウム塩の含有量は、0.02質量%以上、0.03質量%以上、0.04質量%以上、0.05質量%以上、0.08質量%以上、0.10質量%以上、0.12質量%以上、0.14質量%以上、又は、0.15質量%以上であってよい。アンモニウム塩の含有量は、0.18質量%以下、0.15質量%以下、0.12質量%以下、0.10質量%以下、0.10質量%未満、0.08質量%以下、0.06質量%以下、0.05質量%以下、0.05質量%未満、0.03質量%以下、又は、0.02質量%以下であってよい。これらの観点から、アンモニウム塩の含有量は、研磨剤の全質量を基準として、0.01~0.18質量%、0.01~0.15質量%、0.02~0.12質量%、又は、0.03~0.10質量%であってよい。
砥粒の含有量に対するアンモニウム塩の含有量の質量比率R1(アンモニウム塩の含有量/砥粒の含有量)は、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、下記の範囲であってよい。質量比率R1は、0.001以上、0.003以上、0.005以上、0.01以上、0.015以上、0.02以上、0.04以上、又は、0.05以上であってよい。質量比率R1は、1以下、0.5以下、0.1以下、0.05以下、0.03以下、0.02以下、0.01以下、0.008以下、0.005以下、又は、0.004以下であってよい。これらの観点から、質量比率R1は、0.001~1、0.003~0.5、又は、0.003~0.1であってよい。
(鉄含有化合物)
本実施形態に係る研磨剤は、鉄含有化合物(鉄成分を含む化合物。但し、砥粒又はアンモニウム塩に該当する化合物を除く)を含有する。鉄含有化合物は、鉄イオンを含む鉄イオン含有化合物を含んでよく、研磨剤中に鉄イオンを供給する鉄イオン供給剤を含んでよい。鉄イオンは、第二鉄イオン(Fe2+)であってよい。研磨剤が鉄含有化合物を含有する、すなわち、研磨剤が鉄成分(例えば鉄イオン)を含有することにより、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨することができる。
鉄含有化合物は、鉄イオン供給剤として鉄の塩を含んでよい。鉄イオン供給剤は、研磨剤中において、鉄イオンと鉄イオン供給剤由来の対アニオン成分とに解離していてよい。鉄含有化合物(例えば鉄イオン供給剤)は、酸化剤として機能する場合があるが、鉄含有化合物及び酸化剤の両方に該当する化合物は、本明細書では、鉄含有化合物に該当するものとする。
鉄含有化合物は、鉄イオン供給剤として、鉄の無機塩を含んでよく、鉄の有機塩を含んでよい。鉄の無機塩としては、硝酸鉄、硫酸鉄、ほう化鉄、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、リン酸鉄、フッ化鉄等が挙げられる。鉄の有機塩としては、三ギ酸鉄、二ギ酸鉄、酢酸鉄、プロピオン酸鉄、シュウ酸鉄、マロン酸鉄、コハク酸鉄、リンゴ酸鉄、グルタル酸鉄、酒石酸鉄、乳酸鉄、クエン酸鉄等が挙げられる。鉄含有化合物は、水等の配位子を含んでもよく、水和物等であってもよい。鉄含有化合物は、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨しやすい観点、研磨装置、基体への汚染を抑制することができる観点、及び、コストの観点から、鉄の無機塩を含んでよく、硝酸鉄及びその水和物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよく、硝酸鉄九水和物を含んでよい。鉄含有化合物は、一種類単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
鉄含有化合物の含有量は、研磨剤の全質量を基準として、下記の範囲であってよい。鉄含有化合物の含有量は、タングステン材料及び酸化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、0.0001質量%以上、0.0003質量%以上、0.0005質量%以上、0.001質量%以上、0.003質量%以上、0.005質量%以上、0.007質量%以上、0.008質量%以上、0.010質量%以上、0.012質量%以上、0.014質量%以上、0.015質量%以上、又は、0.016質量%以上であってよい。鉄含有化合物の含有量は、酸化剤等の分解及び変質を抑制しやすい観点から、0.1質量%以下、0.05質量%以下、0.03質量%以下、0.02質量%以下、0.018質量%以下、0.016質量%以下、0.015質量%以下、0.01質量%以下、0.009質量%以下、又は、0.008質量%以下であってよい。これらの観点から、鉄含有化合物の含有量は、0.0001~0.1質量%、0.0003~0.1質量%、0.0005~0.05質量%、0.001~0.02質量%、又は、0.001~0.01質量%であってよい。鉄含有化合物の含有量は、後述の研磨剤中の鉄イオンの含有量の範囲を満たすように調整してよい。
砥粒の含有量に対する鉄含有化合物の含有量の質量比率R2(鉄含有化合物の含有量/砥粒の含有量)は、下記の範囲であってよい。質量比率R2は、タングステン材料及び酸化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、0.0001以上、0.0005以上、0.001以上、0.002以上、0.0025以上、0.003以上、0.004以上、又は、0.005以上であってよい。質量比率R2は、酸化剤等の分解及び変質の発生を抑制しやすい観点から、0.1以下、0.05以下、0.01以下、0.008以下、0.006以下、0.005以下、0.004以下、又は、0.003以下であってよい。これらの観点から、質量比率R2は、0.0001~0.1、0.001~0.05、又は、0.002~0.01であってよい。
アンモニウム塩の含有量に対する鉄含有化合物の含有量の質量比率R3(鉄含有化合物の含有量/アンモニウム塩の含有量)は、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、下記の範囲であってよい。質量比率R3は、0.005以上、0.01以上、0.03以上、0.05以上、0.1以上、0.15以上、0.3以上、0.5以上、0.7以上、又は、0.8以上であってよい。質量比率R3は、5以下、1以下、0.8以下、0.6以下、0.4以下、0.2以下、0.1以下、又は、0.06以下であってよい。これらの観点から、質量比率R3は、0.005~5、0.01~1、又は、0.03~0.8であってよい。
鉄イオンの含有量は、研磨剤の全質量を基準として、下記の範囲であってよい。鉄イオンの含有量は、タングステン材料及び酸化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、0.0001質量%以上、0.0003質量%以上、0.0005質量%以上、0.001質量%以上、0.0011質量%以上、0.0015質量%以上、0.002質量%以上、又は、0.0022質量%以上であってよい。鉄イオンの含有量は、酸化剤等の分解及び変質を抑制しやすい観点から、0.1質量%以下、0.05質量%以下、0.01質量%以下、0.005質量%以下、0.003質量%以下、0.0025質量%以下、0.002質量%以下、0.0015質量%以下、又は、0.0012質量%以下であってよい。これらの観点から、鉄イオンの含有量は、0.0001~0.1質量%、0.0003~0.1質量%、0.0005~0.05質量%、又は、0.001~0.01質量%であってよい。
(酸化剤)
本実施形態に係る研磨剤は、酸化剤(但し、アンモニウム塩又は鉄含有化合物に該当する化合物を除く)を含有する。研磨剤が酸化剤を含有することにより、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨することができる。
酸化剤としては、過酸化水素;過酢酸;過安息香酸;過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸化合物などが挙げられる。酸化剤は、コストの観点、及び、液体での供給が可能である観点から、過酸化水素を含んでよい。酸化剤は、一種類単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
酸化剤における過酸化水素の含有量は、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、酸化剤の全質量を基準として、50質量%超、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は、95質量%以上であってよい。酸化剤は、過酸化水素からなる(研磨剤に含まれる酸化剤の実質的に100質量%が過酸化水素である)態様であってもよい。
酸化剤の含有量は、研磨剤の全質量を基準として、下記の範囲であってよい。酸化剤の含有量は、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、0.1質量%以上、0.3質量%以上、0.5質量%以上、0.6質量%以上、0.7質量%以上、0.8質量%以上、又は、0.9質量%以上であってよい。酸化剤の含有量は、タングステン材料のエッチングの進行を抑制しやすい観点、及び、タングステン材料の研磨速度を制御しやすい観点から、10質量%以下、7質量%以下、5質量%以下、3質量%未満、4質量%以下、2質量%以下、1.5質量%以下、1質量%以下、又は、0.9質量%以下であってよい。これらの観点から、酸化剤の含有量は、0.1~10質量%、0.3~7質量%、0.5質量%以上3質量%未満、又は、0.6~4質量%であってよい。
砥粒の含有量に対する酸化剤の含有量の質量比率R4(酸化剤の含有量/砥粒の含有量)は、下記の範囲であってよい。質量比率R4は、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、0.01以上、0.05以上、0.1以上、0.2以上、0.25以上、又は、0.3以上であってよい。質量比率R4は、タングステン材料のエッチングの進行を抑制しやすい観点、及び、タングステン材料の研磨速度を制御しやすい観点から、5以下、3以下、1以下、0.6以下、0.5以下、0.4以下、0.35以下、又は、0.3以下であってよい。これらの観点から、質量比率R4は、0.01~5、0.05~3、又は、0.1~1であってよい。
(酸成分)
本実施形態に係る研磨剤は、酸成分を更に含有してよい。研磨剤が酸成分を含有することにより、水系分散体の分散性及び安定性、並びに、研磨速度を向上させやすい。酸成分は、有機酸、無機酸等であってよい。研磨剤は、有機酸及び無機酸からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。酸成分は、一種類単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2-メチル酪酸、n-ヘキサン酸、3,3-ジメチル酪酸、2-エチル酪酸、4-メチルペンタン酸、n-ヘプタン酸、2-メチルヘキサン酸、n-オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコ-ル酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、クロム酸等が挙げられる。有機酸は、マロン酸を含んでよい。
有機酸の含有量は、研磨剤の全質量を基準として、下記の範囲であってよい。有機酸の含有量は、0.001質量%以上、0.005質量%以上、0.01質量%以上、0.02質量%以上、0.03質量%以上、又は、0.04質量%以上であってよい。有機酸の含有量は、1質量%以下、0.5質量%以下、0.1質量%以下、0.08質量%以下、0.06質量%以下、0.05質量%以下、又は、0.04質量%以下であってよい。これらの観点から、有機酸の含有量は、0.001~1質量%であってよい。
((メタ)アクリル酸系重合体)
本実施形態に係る研磨剤は、(メタ)アクリル酸系重合体((メタ)アクリル酸重合体。但し、アンモニウム塩に該当する化合物を除く)を更に含有してよい。(メタ)アクリル酸系重合体は、(メタ)アクリル酸由来の構造単位を有する重合体である。(メタ)アクリル酸系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸の単独重合体(ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸)、(メタ)アクリル酸と他の単量体成分とを含む組成物を重合させて得られる共重合体((メタ)アクリル酸由来の構造単位を有する共重合体。(メタ)アクリル酸と他の単量体成分との共重合体)が挙げられる。(メタ)アクリル酸と共重合可能な単量体成分としては、(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸系重合体の重合形態は、ブロック共重合体、ランダム共重合体等であってよい。
(メタ)アクリル酸系重合体は、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨しやすい観点、及び、エロージョンを低減することが容易である観点から、アクリル酸の単独重合体、メタクリル酸の単独重合体、及び、アクリル酸とメタクリル酸とを単量体成分として含む組成物を重合させて得られる共重合体(以下、「アクリル酸/メタクリル酸共重合体」ともいう)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。アクリル酸/メタクリル酸共重合体を得るための組成物は、(メタ)アクリル酸以外の単量体成分(アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等)を含んでよい。
(メタ)アクリル酸由来の構造単位を有する共重合体は、アミド基、ヒドロキシ基、ウレア基、カルボキシル基、メチル基、スルホ基等の官能基を有する単量体成分を用いることにより、アミド基、ヒドロキシ基、ウレア基、カルボキシル基、メチル基、スルホ基等を有してよい。例えば、アクリル酸/メタクリル酸共重合体は、(メタ)アクリル酸以外の単量体成分を用いることにより、アミド基、ヒドロキシ基、ウレア基、カルボキシル基、メチル基、スルホ基等を有してよい。
アクリル酸/メタクリル酸共重合体を用いる場合、メタクリル酸に対するアクリル酸の共重合比(モル比:アクリル酸/メタクリル酸)は、特に制限はないが、1/99~95/5であってよい。共重合比(アクリル酸/メタクリル酸)は、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨しやすい観点、タングステン材料のエッチングを抑制しやすい観点、及び、溶解性に優れる観点から、1/99~40/60であってよい。
(メタ)アクリル酸系重合体は、水溶性高分子であってもよい。「水溶性高分子」とは、25℃において水100gに対して0.1g以上溶解する高分子として定義する。(メタ)アクリル酸系重合体は、一種類単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量は、タングステン材料のエッチングを抑制しやすい観点から、1000以上であってよい。(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量は、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、2000以上又は4000以上であってよい。(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量の上限は、特に制限はないが、研磨剤への溶解性及び研磨剤の保存安定性に優れる観点から、500万以下、100万以下、又は、50万以下であってよい。これらの観点から、(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量は、1000~500万であってよい。
重量平均分子量(Mw)は、例えば、以下の条件で、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
[条件]
試料:10μL
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製、標準ポリスチレン(分子量:190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所製、RI-モニター、商品名「L-3000」
インテグレーター:株式会社日立製作所製、GPCインテグレーター、商品名「D-2200」
ポンプ:株式会社日立製作所製、商品名「L-6000」
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名「Shodex DEGAS」
カラム:日立化成株式会社製、商品名「GL-R440」、「GL-R430」、「GL-R420」をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75mL/分
測定時間:45分
(メタ)アクリル酸系重合体の含有量は、研磨剤の全質量を基準として、下記の範囲であってよい。(メタ)アクリル酸系重合体の含有量は、タングステン材料のエッチングを抑制しやすい観点から、0.005質量%以上、0.01質量%以上、又は、0.05質量%以上であってよい。(メタ)アクリル酸系重合体の含有量は、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、2質量%以下又は1質量%以下であってよい。これらの観点から、(メタ)アクリル酸系重合体の含有量は、0.005~2質量%、0.01~1質量%、又は、0.05~1質量%であってよい。
(腐食防止剤)
本実施形態に係る研磨剤は、腐食防止剤(但し、アンモニウム塩に該当する化合物を除く)を更に含有してよい。腐食防止剤を用いることにより、タングステン材料の研磨速度、及び、タングステン材料の耐エッチング性を向上させやすい。
腐食防止剤としては、トリアゾール骨格を有する化合物、イミダゾール骨格を有する化合物、ピリミジン骨格を有する化合物、グアニジン骨格を有する化合物、チアゾール骨格を有する化合物、ピラゾール骨格を有する化合物等が挙げられる。腐食防止剤は、一種類単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。腐食防止剤は、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨しやすい観点、及び、タングステン材料のエッチングを抑制しやすい観点から、トリアゾール骨格を有する化合物、及び、イミダゾール骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。
トリアゾール骨格を有する化合物としては、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3-ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシベンゾトリアゾール、4-カルボキシル(-1H-)ベンゾトリアゾール、4-カルボキシル(-1H-)ベンゾトリアゾールメチルエステル、4-カルボキシル(-1H-)ベンゾトリアゾールブチルエステル、4-カルボキシル(-1H-)ベンゾトリアゾールオクチルエステル、5-ヘキシルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1-ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸、3-アミノトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール等が挙げられる。腐食防止剤は、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨しやすい観点、及び、タングステン材料のエッチングを抑制しやすい観点から、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、及び、5-メチルベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。
イミダゾール骨格を有する化合物としては、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール、2-プロピルイミダゾール、2-ブチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、4-エチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-アミノイミダゾール等が挙げられる。
ピリミジン骨格を有する化合物としては、ピリミジン、[1,2,4]-トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、1,3,4,6,7,8-ヘキサハイドロ-2H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン、1,3-ジフェニル-ピリミジン-2,4,6-トリオン、1,4,5,6-テトラハイドロピリミジン、2,4,5,6-テトラアミノピリミジンサルフェイト、2,4,5-トリハイドロキシピリミジン、2,4,6-トリアミノピリミジン、2,4,6-トリクロロピリミジン、2,4,6-トリメトキシピリミジン、2,4,6-トリフェニルピリミジン、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシルピリミジン、2,4-ジアミノピリミジン、2-アセトアミドピリミジン、2-アミノピリミジン、2-メチル-5,7-ジフェニル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、2-メチルサルファニル-5,7-ジフェニル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、2-メチルサルファニル-5,7-ジフェニル-4,7-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、4-アミノピラゾロ[3,4-d]ピリミジン等が挙げられる。
グアニジン骨格を有する化合物としては、1,3-ジフェニルグアニジン、1-メチル-3-ニトログアニジン等が挙げられる。
チアゾール骨格を有する化合物としては、2-メルカプトベンゾチアゾ-ル、2-アミノチアゾール、4,5-ジメチルチアゾール、2-アミノ-2-チアゾリン、2,4-ジメチルチアゾール、2-アミノ-4-メチルチアゾール等が挙げられる。
ピラゾール骨格を有する化合物としては、3,5-ジメチルピラゾール、3-メチル-5-ピラゾロン、3-アミノ-5-メチルピラゾール、3-アミノ-5-ヒドロキシピラゾール、3-アミノ-5-メチルピラゾール等が挙げられる。
腐食防止剤の含有量は、研磨剤の全質量を基準として、下記の範囲であってよい。腐食防止剤の含有量は、タングステン材料のエッチングを抑制しやすい観点から、0.005質量%以上又は0.01質量%以上であってよい。腐食防止剤の含有量は、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、5質量%以下又は3質量%以下であってよい。これらの観点から、腐食防止剤の含有量は、0.005~5質量%又は0.01~3質量%であってよい。
(その他の添加剤)
本実施形態に係る研磨剤は、研磨剤中の砥粒の分散性の向上、研磨剤の化学的安定性の向上、研磨速度の向上等の目的で、上述の成分以外の添加剤を更に含有することができる。このような添加剤としては、塩基成分、消泡剤等が挙げられる。
(水)
本実施形態に係る研磨剤は、水を含有することができる。水は、他の成分の分散媒又は溶媒として作用してよい。水としては、純水、超純水、蒸留水等が挙げられる。研磨剤における水の含有量は、他の含有成分の含有量を除いた研磨剤の残部でよい。
(研磨剤のpH)
本実施形態に係る研磨剤のpHは、タングステン材料を優れた研磨速度で研磨しやすい観点から、2.0以上、2.1以上、2.2以上、2.4以上、2.6以上、2.7以上、又は、2.8以上であってよい。研磨剤のpHは、砥粒の優れた分散安定性が得られやすい観点から、6.0以下、5.8以下、5.6以下、5.0以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、3.0未満、2.9以下、又は、2.8以下であってよい。これらの観点から、研磨剤のpHは、2.0~6.0、2.0~5.0、又は、2.0~4.0であってよい。研磨剤のpHは、液温25℃におけるpHと定義する。
研磨剤のpHは、一般的なガラス電極を用いたpHメータによって測定することができる。研磨剤のpHは、例えば、株式会社堀場製作所の商品名:Model(F-51)により測定することができる。例えば、フタル酸塩pH標準液(pH:4.01)と、中性リン酸塩pH標準液(pH:6.86)と、ホウ酸塩pH標準液(pH:9.18)とをpH標準液として用いてpHメータを3点校正した後、pHメータの電極を研磨剤に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定することで研磨剤のpHを得ることができる。このとき、pH標準液(標準緩衝液)及び研磨剤の液温は、25℃とする。
研磨剤のpHは、例えば、上述の酸成分;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)等の塩基成分により調整することができる。
(保存方法)
本実施形態に係る研磨剤は、貯蔵、運搬、保管等に係るコストを抑制する観点から、研磨剤用貯蔵液として調製されてよい。研磨剤用貯蔵液は、使用時に水で希釈することにより、本実施形態に係る研磨剤を提供するものである。研磨剤用貯蔵液は、水の量を使用時に予定される量よりも減じて保管されており、使用前又は使用時に水で希釈(例えば、質量基準で1.5倍以上に希釈)して、研磨剤として用いることができる。研磨剤用貯蔵液は、研磨の直前に水で希釈して研磨剤としてよく、研磨定盤上に貯蔵液と水とを供給し、研磨定盤上で希釈して研磨剤としてもよい。
本実施形態に係る研磨剤は、少なくとも砥粒、アンモニウム塩、鉄含有化合物、酸化剤、及び、水を含む1液式研磨剤として保存してもよく、砥粒を含むスラリ(第1の液)と、アンモニウム塩、鉄含有化合物、及び、酸化剤を含む添加液(第2の液)と、を有する複数液式研磨剤として保存してもよい。複数液式研磨剤では、スラリと添加液とを混合して、本実施形態に係る研磨剤となるように上述の研磨剤の構成成分がスラリと添加液とに分けられる。スラリは、例えば、少なくとも砥粒及び水を含む。添加液は、例えば、少なくともアンモニウム塩、鉄含有化合物、酸化剤、及び、水を含む。砥粒以外の添加剤(アンモニウム塩、鉄含有化合物、酸化剤等)は、スラリ及び添加液のうち添加液に含まれていてよい。研磨剤の構成成分は、3液以上に分けて保存してもよい。
複数液式研磨剤においては、研磨直前又は研磨時にスラリ及び添加液が混合されて研磨剤が調製されてもよい。複数液式研磨剤におけるスラリと添加液とをそれぞれ研磨定盤上へ供給し、研磨定盤上においてスラリ及び添加液が混合されて得られる研磨剤を用いて被研磨面を研磨してもよい。
本実施形態に係る研磨剤の配合方法及び希釈方法としては、特に制限はなく、例えば、翼式攪拌機による攪拌、超音波分散等で各成分を分散又は溶解させることにより研磨剤を調製することができる。また、水に対する他の成分の混合順序は限定されない。
<研磨方法>
本実施形態に係る研磨方法は、本実施形態に係る研磨剤を用いて被研磨面を研磨する研磨工程を備える。研磨剤は、研磨剤用貯蔵液を水で希釈することにより得られる研磨剤であってよく、複数液式研磨剤におけるスラリと添加液とを混合して得られる研磨剤であってもよい。被研磨面を有する研磨対象は、膜状(被研磨膜)であってよい。被研磨面は、タングステン材料(例えばタングステン)を含んでよく、タングステン材料を含有する層を含んでよい。被研磨面は、酸化珪素及び窒化珪素からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよく、酸化珪素を含有する層、及び、窒化珪素を含有する層からなる群より選ばれる少なくとも一種を含んでよい。研磨工程では、研磨剤を用いて、被研磨膜(例えばタングステン膜)を有する基体(例えば、半導体素子製造に係る基板)の被研磨膜の少なくとも一部を研磨して除去することができる。
研磨工程は、本実施形態に係る研磨剤を用いて、バリア材料(例えばバリア金属)を含む被研磨面を研磨する工程であってもよい。研磨工程は、例えば、タングステン材料、酸化珪素及び窒化珪素からなる群より選ばれる少なくとも一種と、バリア材料と、を含む被研磨面を研磨する工程であってもよい。バリア材料としては、タンタル、タンタル合金、タンタル化合物(酸化タンタル、窒化タンタル等)、チタン、チタン合金、チタン化合物(酸化チタン、窒化チタン等)などが挙げられる。
研磨工程において、タングステン材料を含む被研磨面を研磨する工程、酸化珪素を含む被研磨面を研磨する工程、窒化珪素を含む被研磨面を研磨する工程、及び、バリア材料を含む被研磨面を研磨する工程は、互いに明確に区別されるものではなくてよく、これらの工程の少なくとも二種の工程が同時に実施される場合、各工程において用いられる研磨剤は、互いに同一であってよく、異なっていてもよい。
研磨工程は、例えば、基体の被研磨面を研磨定盤の研磨布(研磨パッド)に押しあて、基体における被研磨面とは反対側の面(基体の裏面)から基体に所定の圧力を加えた状態で、本実施形態に係る研磨剤を基体の被研磨面と研磨布との間に供給して、基体を研磨定盤に対して相対的に動かすことにより被研磨面を研磨する工程であってよい。研磨布としては、特に制限はないが、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等を使用することができる。
本実施形態に係る研磨方法において、研磨装置としては、例えば、回転数を変更可能なモータ等が取り付けられ、研磨布を貼り付けることができる研磨定盤と、基体を保持するホルダーとを有する一般的な研磨装置を使用することができる。研磨条件には、特に制限はないが、基体が研磨定盤から飛び出さないように、研磨定盤の回転速度は、200min-1(200rpm)以下の低回転に調整されていてよい。研磨している間、研磨布にはポンプ等で研磨剤を連続的に供給してよい。研磨剤の供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨剤で覆われ、且つ、研磨の進行による形成物が連続的に排出されていく供給量であってよい。
本実施形態に係る研磨方法は、研磨布の表面状態を常に同一にして研磨(CMP等)を行うために、各研磨工程の前に研磨布のコンディショニングするコンディショニング工程を備えてよい。コンディショニング工程は、例えば、ダイヤモンド粒子のついたドレッサを用いて、少なくとも水を含む液で研磨布のコンディショニングを行う。
本実施形態に係る研磨方法は、研磨終了後の基体(被研磨体)を洗浄する洗浄工程を備えてよい。洗浄工程では、例えば、研磨終了後の基体を流水中でよく洗浄した後、スピンドライ等を用いて、基体に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることができる。また、公知の洗浄方法(例えば、市販の洗浄液を基体の表面に流しつつ、ポリウレタンでできたブラシを回転させながら当該ブラシを基体に一定の圧力で押し付けて基体上の付着物を除去する方法)を実施した後、基体を乾燥させてもよい。
本実施形態に係る部品の製造方法は、本実施形態に係る研磨方法により研磨された基体を個片化する個片化工程を備える。個片化工程は、例えば、本実施形態に係る研磨方法により研磨されたウエハ(例えば半導体ウエハ)をダイシングしてチップ(例えば半導体チップ)を得る工程であってよい。本実施形態に係る部品の製造方法は、個片化工程の前に、本実施形態に係る研磨方法により基体を研磨する工程を備えてよい。本実施形態に係る部品は、例えばチップ(例えば半導体チップ)である。本実施形態に係る部品は、本実施形態に係る部品の製造方法により得られる部品である。本実施形態に係る電子デバイスは、本実施形態に係る部品を備える。
以下、実施例により本開示を更に詳しく説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
<研磨剤の調製>
(実施例1~6)
表1の各成分を混合することにより実施例1~6の研磨剤を調製した。具体的には、アンモニウム塩と、マロン酸(酸成分)と、硝酸鉄九水和物(鉄含有化合物、鉄イオン供給剤)とを容器に入れた。次いで、容器に超純水を注ぎ、攪拌して各成分を溶解させた。次いで、シリカ粒子1(砥粒;ゼータ電位が正であり、平均粒子径が60nmであるコロイダルシリカ)を添加した。最後に、過酸化水素(酸化剤)を添加することにより研磨剤を調製した。各成分の含有量は、表1に示す量(単位:質量%)であり、残部は水(超純水)とした。
(比較例1)
アンモニウム塩を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして研磨剤を得た。
(比較例2)
炭酸アンモニウムの含有量を0.20質量%に変えたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤を得た。
(比較例3)
炭酸アンモニウムの含有量を0.005質量%に変えたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤を得た。
(比較例4)
砥粒を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして研磨剤を得た。
(比較例5)
酸化剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして研磨剤を得た。
(比較例6)
シリカ粒子1に代えてシリカ粒子2(砥粒;ゼータ電位が負であり、平均粒子径が70nmであるコロイダルシリカ)を用いたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤を得た。
(比較例7)
炭酸アンモニウムに代えてリン酸を用いたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤を得た。
(比較例8)
鉄含有化合物を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして研磨剤を得た。
<pH測定>
各研磨剤のpHを下記に従って測定した。
測定器:pHメータ(株式会社堀場製作所、商品名:Model(F-51))
校正液:フタル酸塩pH標準液(pH:4.01(25℃))、中性リン酸塩pH標準液(pH6.86(25℃))、及び、ホウ酸塩pH標準液(pH9.18(25℃))
測定温度:25℃
測定方法:校正液を用いて3点校正した後、電極を研磨剤に入れ、25℃で2分以上放置し、安定した後のpHを測定した。
<評価>
評価用基板として、タングステン膜を有するブランケット基板と、酸化珪素膜を有するブランケット基板と、窒化珪素膜を有するブランケット基板とを用いた。上述の研磨剤を用いてこれらの基板の研磨を行った。
研磨及び洗浄装置としては、CMP用研磨機Reflexion LK(APPLIED MATERIALS社製)を用いた。研磨布としては、発泡ポリウレタン樹脂(商品名:IC1010、Rohm and Haas製)からなる研磨布を用いた。定盤回転数を93回/min、ヘッド回転数を87回/min、研磨圧力を21kPa、研磨剤の供給量を200mL/minに調整した。研磨時間は60秒間とした。
タングステン膜を有するブランケット基板を用いてタングステンの研磨速度を算出した。研磨前後でのタングステン膜の膜厚を金属膜厚測定装置(日立国際電気株式会社製、型番VR-120/08S)を用いて測定し、その膜厚の差を研磨時間で除算することにより研磨速度を算出した。結果を表1及び表2に示す。
酸化珪素膜を有するブランケット基板を用いて酸化珪素の研磨速度を算出し、窒化珪素膜を有するブランケット基板を用いて窒化珪素の研磨速度を算出した。研磨前後での酸化珪素膜及び窒化珪素膜の膜厚を膜厚測定装置F-80(フィルメトリクス社製)を用いて測定し、その膜厚の差を研磨時間で除算することにより研磨速度を算出した。また、酸化珪素に対する窒化珪素の研磨速度比を算出した。結果を表1及び表2に示す。
Figure 0007323054000001
Figure 0007323054000002
表1に示されるとおり、実施例1~6においては、タングステンの研磨速度が80nm/min以上であり、酸化珪素の研磨速度が70nm/min以上であり、窒化珪素の研磨速度が25nm/min以上である。そのため、実施例1~6においては、タングステン、酸化珪素及び窒化珪素を優れた研磨速度で研磨することができる。
表2に示されるとおり、アンモニウム塩を用いない比較例1及び7、並びに、アンモニウム塩の含有量が0.005質量%である比較例3では、窒化珪素の研磨速度が実施例1~6よりも小さいことがわかる。これは、窒化珪素の表面の改質作用が得られないためであると考えられる。
アンモニウム塩の含有量が0.20質量%である比較例2では、窒化珪素の研磨速度が実施例1等の結果よりも大きいが、酸化珪素の充分な研磨速度が得られないことがわかる。これは、酸化珪素を研磨する際の砥粒の機械的作用が低下したためであると考えられる。
砥粒を用いない比較例4では、タングステン、酸化珪素及び窒化珪素の充分な研磨速度が得られないことがわかる。これは、砥粒の機械的作用が得られないためであると考えられる。
酸化剤を用いない比較例5では、タングステンの充分な研磨速度が得られないことがわかる。これは、酸化剤を用いないことにより化学的作用が不足したことからタングステンを研磨できなかったためであると考えられる。
ゼータ電位が負である砥粒を用いた比較例6では、実施例1~6よりも窒化珪素の研磨速度が大きくなったが、タングステン及び酸化珪素の充分な研磨速度が得られないことがわかる。これは、タングステン及び酸化珪素の表面が負の表面電荷を示すと考えられることから、砥粒とタングステンとの間、及び、砥粒と酸化珪素との間に静電的反発力が働き、砥粒とタングステンとの接触頻度、及び、砥粒と酸化珪素との接触頻度が低下したためであると考えられる。
鉄含有化合物を用いない比較例8では、タングステンの充分な研磨速度が得られないことがわかる。これは、鉄含有化合物を用いないことにより化学的作用(例えば酸化作用)が不足したことからタングステンを研磨できなかったためであると考えられる。
1…絶縁部材、2…バリア部材、3…タングステン部材、10…基体。

Claims (13)

  1. 砥粒と、アンモニウム塩と、鉄含有化合物と、酸化剤と、を含有し、
    前記砥粒のゼータ電位が正であり、
    前記アンモニウム塩が、炭酸アンモニウムを含み、
    前記アンモニウム塩の含有量が、研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上0.20質量%未満である、タングステン材料用の研磨剤。
  2. 砥粒と、アンモニウム塩と、鉄含有化合物と、酸化剤と、を含有し、
    前記砥粒のゼータ電位が正であり、
    前記アンモニウム塩が、酢酸アンモニウムを含み、
    前記アンモニウム塩の含有量が、研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上0.20質量%未満である、タングステン材料用の研磨剤。
  3. 砥粒と、アンモニウム塩と、鉄含有化合物と、酸化剤と、を含有し、
    前記砥粒のゼータ電位が正であり、
    前記アンモニウム塩が、硝酸アンモニウムを含み、
    前記アンモニウム塩の含有量が、研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上0.20質量%未満である、タングステン材料用の研磨剤。
  4. 前記砥粒がシリカを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨剤。
  5. 前記砥粒がコロイダルシリカを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の研磨剤。
  6. 前記鉄含有化合物が、硝酸鉄及びその水和物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の研磨剤。
  7. 前記鉄含有化合物の含有量が、研磨剤の全質量を基準として0.0001~0.1質量%である、請求項1~のいずれか一項に記載の研磨剤。
  8. 前記酸化剤が過酸化水素を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の研磨剤。
  9. pHが2.0~5.0である、請求項1~のいずれか一項に記載の研磨剤。
  10. タングステン材料と、酸化珪素及び窒化珪素からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を含む被研磨面の研磨に用いられる、請求項1~のいずれか一項に記載の研磨剤。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の研磨剤を用いて被研磨面を研磨する、研磨方法。
  12. 前記被研磨面がタングステン材料を含む、請求項11に記載の研磨方法。
  13. 前記被研磨面が、酸化珪素及び窒化珪素からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項11又は12に記載の研磨方法。
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