JP7321136B2 - 車両用ドアトリム - Google Patents

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Description

本発明は、側突時の衝撃荷重を吸収する構造を備えた車両用ドアトリムに関する。
車両のドアの車室側には、ドアトリム本体が設けられている。側突等によりドアトリム本体に対して側方から衝撃荷重が加わった際、ドアトリム本体が変形することにより、衝撃荷重を吸収する。このような衝撃を吸収する構造を備えたドアトリム本体に関する従来技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されたドアトリム本体は、ドアトリム本体の車室側に膨出した膨出部を有している。膨出部の上面には、パワーウィンドウ等のスイッチを備えたパネルと、乗員が肘を置くアームレストと、が取り付けられている。
膨出部の上面は、上下方向に貫通しておりアームレストを取り付けた際に塞がれる開口を有している。この開口は、車両前後方向を長手方向とする形状を呈している。開口には、開口の車室側の縁から車外側の縁に亘り、略板状の架け渡し部が車幅方向に複数の架け渡されている。各々の架け渡し部は、ドアトリム本体と一体に構成されている。側突等によりドアトリム本体に対して側方から衝撃荷重が加わった際、架け渡し部が変形することにより衝撃荷重を吸収する。
特開2010ー126050号公報
架け渡し部は、架け渡し方向の中央に溝が形成されており、この溝を基点として逆V字状に屈曲している。そのため、側突時において膨出部に対して車外方向に荷重が加わると、架け渡し部は溝を基点としてさらに屈曲する。屈曲した架け渡し部は、アームレストの裏面に接触して、アームレストを突き上げる。突き上げられたアームレストがドアトリム本体から外れ、膨出部が車外方向に変位するストローク量を確保することができる。
一方で、架け渡し部は、屈曲しやすい形状のため衝撃荷重を吸収する能力は低く、改良の余地がある。
本発明は、側突時の衝撃荷重を吸収する能力が高い車両用ドアパネルの提供を課題とする。
請求項1による発明によれば、車幅方向内側に膨出した膨出部を備えたドアトリム本体と、前記膨出部の上面に固定されたアームレストと、を有している車両用ドアトリムにおいて、
前記膨出部の前記上面は、前記アームレストにより塞がれている車両前後方向に長い開口を有し、
前記開口の車室側の縁から車外側の縁に亘って、架け渡し部が車幅方向に架け渡され且つ一体化されており、
前記架け渡し部の下面には、車幅方向に延びているリブが設けられており、
前記架け渡し部及び前記リブは、前記ドアトリム本体に対して車幅方向に荷重が加わった際に、全体的に撓むように構成されている、ことを特徴とする車両用ドアトリムが提供される。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記架け渡し部の幅は、車外側又は車室側のいずれか一方の端部から他方の端部へ向けて狭くなるように、設定されている。
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記他方の端部の幅は、前記リブの厚みと、略同一に設定されている。
請求項4に記載のごとく、好ましくは、前記架け渡し部と、前記アームレストの裏面とは、互いに接触することなく、間に隙間を有している。
請求項5に記載のごとく、好ましくは、前記ドアトリム本体の前記開口の前記室外側の縁は、前記アームレストを前記ドアトリム本体に対して固定するための板状の固定部を有しており、
前記アームレストは、前記ドアトリム本体の前記固定部に対して固定可能な被固定部を有しており、
前記ドアトリム本体の前記固定部は、前記固定部を車幅方向に貫通している貫通孔を有し、
前記ドアトリム本体の前記開口を上から見て、前記架け渡し部は、前記貫通孔の中心線に対して隙間を空けて挟み込むように、車両前後方向に一対設けられている。
請求項6に記載のごとく、好ましくは、前記貫通孔は、前記開口の前記車室側の縁のなかにおいて、車両前後方向の略中央に位置している。
請求項1では、アームレストに塞がれている開口には、車室側の縁から車外側の縁に亘って、架け渡し部が車幅方向に架け渡され且つ一体化されている。架け渡し部の下面には、車幅方向に延びているリブが設けられている。架け渡し部及びリブは、ドアトリム本体に対して車幅方向に荷重が加わった際に、全体的に撓むように構成されている。
換言すると、架け渡し部及びリブは、溝や切り欠き等の脆弱部を含まず一様に構成されている。架け渡し部の一部に脆弱部を設けて、脆弱部を基点に折れ曲がるようなものと比較すると、緩やかな撓み変形により、衝突初期時においても衝撃を確実に吸収できる。そのため、車両用ドアトリムは側突時の衝撃荷重を吸収する能力が高い。また、アームレスト上部からの静的荷重や室内側からの静的荷重に対して、適度な剛性を確保したまま、十分な衝撃吸収性能を発揮することが可能となる。
請求項2では、架け渡し部の幅は、車外側又は車室側のいずれか一方の端部から他方の端部へ向けて狭くなるように、設定されている。架け渡し部の幅が一定の場合と比較すると、架け渡し部が撓みやすくなる。衝撃荷重の上がり過ぎや下がり過ぎを抑制することができる。さらに、幅が狭くなっているためドアトリム本体を軽量化にも寄与する。
請求項3では、幅の狭い他方の端部の幅は、リブの厚みと、略同一に設定されている。架け渡し部は車両前後方向に撓みやすくなるため、架け渡し部の上方に位置するアームレストに接触しにくくなる。ドアトリムの衝撃吸収能力が安定する。
請求項4では、架け渡し部と、アームレストの裏面とは、互いに接触することなく、間に隙間を有している。そのため、側突時に、ドアトリム本体と共に架け渡し部が変形した場合において、変形した架け渡し部が、アームレストに対して接触しにくくなる。即ち、ドアトリム本体の変形がアームレストに影響を与えにくくなり、ドアトリム本体と、アームレストとが、それぞれ確実に衝撃吸収能力を発揮しやすくなる。
請求項5では、ドアトリム本体の開口の室外側の縁は、アームレストをドアトリム本体に固定するための板状の固定部を有している。ドアトリム本体の開口を上から見て、架け渡し部は、固定部の貫通孔の中心線に対して隙間を空けて挟み込むように、車両前後方向に一対設けられている。即ち、ドアトリム本体の固定部の近傍に、衝撃吸収可能な要素である一対の架け渡し部を配置させている。そのため、ドアトリム本体に対してアームレストを安定して保持することができ、衝突初期時におけるガタつきが少なく、かつ継続する衝撃に対して安定した挙動を得ることが可能となる。
請求項6では、貫通孔は、開口の車室側の縁のなかにおいて、車両前後方向の略中央に位置している。即ち、ドアトリム本体の固定部を、車両前後方向のいずれにも偏ることなく中央に配置している。アームレストを安定して保持することができ、衝突初期時におけるガタつきが少なく、かつ継続する衝撃に対して安定した挙動を得ることが可能となる。
図1Aは、実施例1による車両用ドアトリムの斜視図である。図1Bは、図1Aに示された車両用ドアトリムの分解斜視図である。 図2Aは、図1Bに示されたドアトリム本体の第2の開口の拡大図である。図2Bは、図2Aの2B矢視図である。 図3Aは、図2Aの3A拡大図である。図3Bは、図3Aの3B矢視図である。 図4は、図1Aの4-4線断面図である。 図5は、下方から見上げた状態一対の架け渡し部を説明する図である。 図6は、従来技術と比較した車両用ドアトリムの衝撃吸収特性を表したグラフである。 図7は、実施例2による車両用ドアトリムの架け渡し部周辺の斜視図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Inは乗員から見て車幅方向内側、Ouは乗員から見て車幅方向外側、Upは上、Dnは下を示している。
<実施例1>
図1Aには、実施例1による車両用ドアトリム10が示されている。この車両用ドアトリム10は、運転席のドアパネル(不図示)の車幅方向内側(以下、車室側とする)の面に設けられる。車両用ドアトリム10は、ドアトリム本体20と、車両の乗員が肘を置くアームレスト30と、アームレスト30の前方に配置されたパネル11と、から構成されている。
図1Bを参照する。ドアトリム本体20は、ドアハンドル用の開口21aが形成された面21よりも車室側に膨出している膨出部22を有している。この膨出部22の上面23には、各々が上下方向に貫通している第1の開口24と、第2の開口40(開口)と、が形成されている。第1の開口24は、パネル11により塞がれている。第2の開口40は、アームレスト30により塞がれている。第1の開口24と、第2の開口40とは、車両前後方向を長手方向としている。
パネル11には、ドアを閉じるときに乗員が手を掛けるプルポケット12が取り付けられる。パネル11には、パワーウインドウ等の各種スイッチを露出させるための複数の孔11aが形成されている。
図2A及び図2Bを参照する。第1の開口24と第2の開口40との間には、アームレスト30(図1B参照)の前部を固定可能な前固定部25が設けられている。前固定部25は、L字の板状を呈している。前固定部25は、ドアトリム本体20と一体に構成されており、第1の開口24と第2の開口40とを仕切っている部位ともいえる。前固定部25は、ねじ等の締結部材(不図示)が車幅方向に貫通可能な前貫通孔25aを有している。
第2の開口40の後方には、アームレスト30(図1参照)の後部を固定可能な後固定部26が設けられている。後固定部26は、上下方向に延びている板状である。後固定部26は、ねじ等の締結部材(不図示)が車幅方向に貫通可能な後貫通孔26aを有している。
第2の開口40は、車両前後方向に延びている車室側の縁41及び車幅方向外側(以下、車外側とする)の縁42と、前固定部25の後端である前縁43と、後固定部26の前端である後縁44と、と、に囲われた領域である。
第2の開口40の車外側の縁42には、アームレスト30を固定するための固定部45が設けられている。この固定部45は、上下方向に延びている板状の板状部46と、板状部46を車幅方向に貫通している貫通孔46aと、を有している。
第2の開口40の前縁43から貫通孔46aの中心線CLまでの寸法L1と、中心線CLから第2の開口40の後縁44までの寸法L2とは、互いに略等しい(L1≒L2)。即ち、貫通孔46aは、第2の開口40の車室側の縁41のなかにおいて、車両前後方向の略中央に位置している。
第2の開口40には、第2の開口40の車室側の縁41から車外側の縁42に亘って、一対の架け渡し部50,60が車幅方向に架け渡されている。各々の架け渡し部50,60は、ドアトリム本体20と一体に構成されている。一対の架け渡し部50,60のうち、中心線CLよりも前側のものを前架け渡し部50とし、中心線CLよりも後側のものを後架け渡し部60とする。なお、一対の架け渡し部50,60に代えて、単一の架け渡し部を設けても良い。
後架け渡し部60の後側には、第2の開口40の後縁44の近傍に第2の架け渡し部55が設けられている。
ドアトリム本体20の第2の開口40を上から見て(図2B参照)、前架け渡し部50及び後架け渡し部60は、貫通孔46aの中心線CLの近傍に位置している。詳細には、前架け渡し部50及び後架け渡し部60は、貫通孔46aの中心線CLに対して隙間を空けて挟み込むように位置している。
車室側の縁41は、車幅方向に貫通しておりアームレスト30と係止可能な複数(例えば4つ)の係止孔48を有する。これらの係止孔48は、中心線CLを基準として、前側に2個、後側に2つ配置されている。
車外側の縁42は、車外側へ膨らむように膨出している。車外側の縁42のうち、最も車外側の部位42aは、車両前後方向の略中央に位置している。車外側の縁42は、上下方向に貫通しておりアームレスト30と係止可能な複数(例えば4つ)の係止孔49を有する。これらの係止孔49は、中心線CLを基準として、前側に2個、後側に2つ配置されている。
図3A及び図4を参照する。第2の開口40のなかの、前架け渡し部50が設けられる位置において、車外側の縁42は、車室側の縁41よりも高く設定されている。前架け渡し部50は、車両前後方向に沿って見て、全体として略L字状を呈している。
前架け渡し部50は、車室側の縁41から上方へ延びている板状の第1の板状部51と、第1の板状部51の上端51aから車外側の縁42へ上り勾配状に延びている板状の第2の板状部52と、が一体となって構成されている。
架け渡し部の厚みT1は、第1の板状部51から第2の板状部52に亘り一定である。
図3A及び図3Bを参照する。第2の板状部52の前端面52aと後端面52bとの間の寸法を、第2の板状部52の幅W2とする。第2の板状部52の幅W2は、第2の板状部52の車外側の端部54から車室側の端部53へ向けて狭くなるように、テーパ状に設定されている。
前架け渡し部50の車室側の端部53の幅を幅W2aとする。第1の板状部51の前端面51aと後端面51bとの間の寸法を、第1の板状部51の幅W1とする。車室側の端部53の幅W2aは、第1の板状部51の幅W1と略等しい(W2a≒W1)。第1の板状部51の幅W1は略一定である。
図4及び図5を参照する。前架け渡し部50の下面50aには、車幅方向に延びているリブ70が設けられている。リブ70は、車両前後方向に沿って見て(図4参照)略三角形状を呈しており、第1の板状部51及び第2の板状部52と一体に構成されている。リブ70の車室側の端部71は、車室側の縁41よりも下方まで延びている。
前架け渡し部50の下面50aからリブ70の下端面70aまでの寸法を、リブ70の高さH1とする。リブ70の高さH1は、車室側から車外側へ向けて低く設定されている。リブ70の車外側の端部72は、車外側の縁42よりも車室側に位置している。即ち、リブ70は第2の開口40に対して架け渡されていない。
図3Bを参照する。車幅方向に沿って見て、リブ70の前面70bとリブ70の後面70cとの間の寸法を、リブ70の厚みT2とする。リブ70の厚みT2は一定である。
第2の板状部52の車室側の端部53の幅W2aは、リブ70の厚みT2よりわずかに長く設定されている。なお、最も車室側の幅W2aを、リブ70の厚みT2と同一に設定してもよい。
図4を参照する。アームレスト30は、基材31と、基材31に合わせて設けられたクッション材32と、基材31及びクッション材32を覆っている表皮33と、から構成されている。基材31は、車両前後方向に沿った断面視で略L字状を呈している。詳細には、基材31は、下端が膨出部22に支持されており上方へ延びている壁部34と、壁部34の上端から車外方向へ広がっており第2の開口40を覆っている天板部35と、天板部35の下方に位置してドアトリム本体20の固定部45に対して固定可能な被固定部36と、が一体となって構成されている。
アームレスト30の被固定部36は、ドアトリム本体20の固定部45に対して、例えばねじ締結により固定される。被固定部36は、内周面に雌ねじが形成された締結孔36aを有している。締結孔36aは車幅方向に延びており、ねじ37の軸部37bとねじ締結可能である。ねじ37の頭部37aと、被固定部36の端面とは、ドアトリム本体20の固定部45とを挟み込んでいる。
なお、ねじ締結に代えて、熱かしめによる固定方法を採用してもよい。具体的には、ドアトリム本体20の貫通孔46aに対してアームレスト30の被固定部(不図示)を貫通させ、被固定部の先端を貫通孔46aの径よりも大きくなるように加熱して変形させ、被固定部を固定部45に対して固定する。
前架け渡し部50と、アームレスト30の裏面30a(表皮33と反対側の面)とは、互いに接触することなく、間に隙間Cを有している。詳細には、アームレスト30の基材31の壁部34と、架け渡し部の第1の板状部51の車室側の面51dとは、互いに接触することなく、間に隙間C1を有している。アームレスト30の基材31の天板部35と、架け渡し部の第2の板状部52の上面52cとは、互いに接触することなく、間に隙間C2を有している。
図3を参照する。後架け渡し部60の構成は、前架け渡し部50の構成と同一である。即ち、後架け渡し部60は、第1の板状部61、第2の板状部62を有している。第2の板状部62の幅は、第2の板状部52の車外側の端部64から車室側の端部63へ向けて狭くなるように、テーパ状に設定されている。後架け渡し部60の下面60aに設けられたリブ80の構成は、リブ70の構成と同一である。リブ80の詳細な説明は省略する。
実施例1の効果を説明する。
図3A、図3B及び図4を参照する。第2の開口40には、第2の開口40の車室側の縁41から車外側の縁42に亘って、一対の架け渡し部50,60が車幅方向に架け渡されている。前架け渡し部50の下面50aには、車幅方向に延びているリブ70が設けられている。前架け渡し部50及びリブ70と、前架け渡し部50及びリブ70は、ドアトリム本体20に対して車幅方向に荷重が加わった際に、全体的に撓むように構成されている。
換言すると、前架け渡し部50及びリブ70は、溝や切り欠き等の脆弱部を含まず一様に構成されている。架け渡し部の一部に脆弱部を設けて、脆弱部を基点に折れ曲がるようなものと比較すると、緩やかな撓み変形により、衝突初期時においても衝撃を確実に吸収できる。そのため、車両用ドアトリムは、側突時の衝撃荷重を吸収する能力が高い。また、アームレスト上部からの静的荷重や室内側からの静的荷重に対して、適度な剛性を確保したまま、十分な衝撃吸収性能を発揮することが可能となる。
図6は、車両用ドアトリム10の衝撃吸収特性を表したグラフである。このグラフは、本発明の発明者が行った解析の結果に基づいて描かれている。グラフ中の実線は、実施例1の車両用ドアトリム10の衝撃吸収特性を示している。破線は、比較例の車両用ドアトリム(実施例1の架け渡し部に脆弱部(溝)を加えた構成)の衝撃吸収特性を示している。実施例1と比較例と比較すると、実施例1の車両用ドアトリム10は、より大きな荷重を吸収する。
加えて、第2の板状部52の幅W2は、第2の板状部52の車外側の端部54から車室側の端部53へ向けて狭くなるように、テーパ状に設定されている。幅が一定の架け渡し部と比較すると、前架け渡し部50がたわみやすくなる。衝撃荷重の上がり過ぎや下がり過ぎを抑制することができる。さらに、幅が狭くなっているため、ドアトリム本体20を軽量化にも寄与する。
加えて、第2の板状部52の最も車室側の幅W2aは、リブ70の厚みT2よりわずかに長く設定されている。即ち、第2の板状部52の最も車室側の幅W2aは、リブ70の厚みT2と略等しくなるまで狭くなるように設定されている。そのため、前架け渡し部50は車両前後方向にたわみやすくなる。前架け渡し部50が変形しても、前架け渡し部50の上方に位置するアームレスト30に接触しにくくなる。ドアトリム10の衝撃吸収能力が安定する。
加えて、前架け渡し部50と、アームレスト30の裏面30aとは、互いに接触することなく、間に隙間Cを有している。そのため、側突時に、ドアトリム本体20と共に前架け渡し部50が変形した場合において、変形した前架け渡し部50が、アームレスト30に対して接触しにくくなる。即ち、ドアトリム本体20の変形がアームレスト30に影響を与えにくくなり、ドアトリム本体20と、アームレスト30とが、それぞれ確実に衝撃吸収能力を発揮しやすくなる。
上記の前架け渡し部50及びリブ70の効果は、後架け渡し部60及びリブ80も発揮する。
図2Bを参照する。加えて、ドアトリム本体20の第2の開口40を上から見て、一対の架け渡し部50,60は、貫通孔46aの中心線CLに対して隙間を空けて挟み込むように位置している。即ち、ドアトリム本体20の固定部45の近傍に、衝撃吸収可能な要素である一対の架け渡し部50,60を配置させている。そのため、ドアトリム本体20に対してアームレスト30を安定して保持することができ、衝突初期時におけるガタつきが少なく、かつ継続する衝撃に対して安定した挙動を得ることが可能となる。
加えて、貫通孔46aは、第2の開口40の車室側の縁41のなかにおいて、車両前後方向の中央に位置している。ドアトリム本体20の固定部45を、車両前後方向のいずれにも偏ることなく中央に配置している。アームレスト30を安定して保持することができ、衝突初期時におけるガタつきが少なく、かつ継続する衝撃に対して安定した挙動を得ることが可能となる。
<実施例2>
図7には、実施例2による車両用ドアトリム10Aが示されている。実施例1の車両用ドアトリム10と共通する構成については、実施例1と同一の符号を付すると共に説明は省略する。
第2の開口40には、第2の開口40の車室側の縁41から車外側の縁42に亘って、一対の架け渡し部50A,60Aが車幅方向に架け渡されている。前架け渡し部50Aは、全体として略L字状を呈している。
詳細には、前架け渡し部50Aは、車室側の縁41から上方へ延びている板状の第1の板状部51Aと、第1の板状部51Aの上端から車外側の縁42へ上り勾配状に延びている板状の第2の板状部52Aと、が一体となって構成されている。第2の板状部52Aの幅W3は、車室側の端部53Aから車外側の端部54Aへ向けて狭くなるように、テーパ状に設定されている。
後架け渡し部60Aの構成は、前架け渡し部50Aの構成と同一である。即ち、後架け渡し部60Aは、全体として略L字状を呈しており、第1の板状部61Aと、第2の板状部62Aと、から構成されている。第2の板状部62Aの幅は、第2の板状部52の車室側の端部63Aから車外側の端部64Aへ向けて狭くなるように、テーパ状に設定されている。
実施例2の車両用ドアトリム10Aも、実施例1と同一の効果を有する。説明は省略する。
なお、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
本発明の車両用ドアトリムは、乗用車に搭載するのに好適である。
10‥車両用ドアトリム
20‥ドアトリム本体
22‥膨出部
23‥膨出部の上面
30‥アームレスト
30a‥アームレストの裏面
36‥被固定部
40‥第2の開口(開口)
41‥車室側の縁
42‥車外側の縁
45‥固定部
46a‥貫通孔
50‥前架け渡し部、50A‥前架け渡し部
50a‥前架け渡し部の下面
53‥車外側の端部(一方の端部)、53A‥車外側の端部(他方の端部)
54‥車室側の端部(他方の端部)、54A‥車室側の端部(一方の端部)
60‥後架け渡し部、60A‥後架け渡し部
60a‥下面
63‥車外側の端部(一方の端部)、63A‥車外側の端部(他方の端部)
64‥車室側の端部(他方の端部)、64A‥車室側の端部(一方の端部)
70‥リブ
80‥リブ
W2‥架け渡し部の幅、W3‥架け渡し部の幅
W2a‥車室側の端部の幅(幅の狭い他方の端部の幅)
T2‥リブの厚み
C‥隙間
CL‥貫通孔の中心線

Claims (4)

  1. 車幅方向内側に膨出した膨出部を備えたドアトリム本体と、前記膨出部の上面に固定されたアームレストと、を有している車両用ドアトリムにおいて、
    前記膨出部の前記上面は、前記アームレストにより塞がれている車両前後方向に長い開口を有し、
    前記開口の車室側の縁から車外側の縁に亘って、架け渡し部が車幅方向に架け渡され且つ一体化されており、
    前記架け渡し部の下面には、車幅方向に延びているリブが設けられており、
    前記架け渡し部及び前記リブは、前記ドアトリム本体に対して車幅方向に荷重が加わった際に、全体的に撓むように構成され
    前記架け渡し部の幅は、車外側又は車室側のいずれか一方の端部から他方の端部へ向けて狭くなるように、設定され、
    前記ドアトリム本体の前記開口の前記室外側の縁は、前記アームレストを前記ドアトリム本体に対して固定するための板状の固定部を有しており、
    前記アームレストは、前記ドアトリム本体の前記固定部に対して固定可能な被固定部を有しており、
    前記ドアトリム本体の前記固定部は、前記固定部を車幅方向に貫通している貫通孔を有し、
    前記ドアトリム本体の前記開口を上から見て、前記架け渡し部は、前記貫通孔の中心線に対して隙間を空けて挟み込むように、車両前後方向に一対設けられている、ことを特徴とする車両用ドアトリム。
  2. 車幅方向内側に膨出した膨出部を備えたドアトリム本体と、前記膨出部の上面に固定されたアームレストと、を有している車両用ドアトリムにおいて、
    前記膨出部の前記上面は、前記アームレストにより塞がれている車両前後方向に長い開口を有し、
    前記開口の車室側の縁から車外側の縁に亘って、架け渡し部が車幅方向に架け渡され且つ一体化されており、
    前記架け渡し部の下面には、車幅方向に延びているリブが設けられており、
    前記架け渡し部及び前記リブは、前記ドアトリム本体に対して車幅方向に荷重が加わった際に、全体的に撓むように構成され
    前記架け渡し部の幅は、車外側又は車室側のいずれか一方の端部から他方の端部へ向けて狭くなるように、設定され、
    前記他方の端部の幅は、前記リブの厚みと、略同一に設定され、
    前記ドアトリム本体の前記開口の前記室外側の縁は、前記アームレストを前記ドアトリム本体に対して固定するための板状の固定部を有しており、
    前記アームレストは、前記ドアトリム本体の前記固定部に対して固定可能な被固定部を有しており、
    前記ドアトリム本体の前記固定部は、前記固定部を車幅方向に貫通している貫通孔を有し、
    前記ドアトリム本体の前記開口を上から見て、前記架け渡し部は、前記貫通孔の中心線に対して隙間を空けて挟み込むように、車両前後方向に一対設けられている、ことを特徴とする車両用ドアトリム。
  3. 車幅方向内側に膨出した膨出部を備えたドアトリム本体と、前記膨出部の上面に固定されたアームレストと、を有している車両用ドアトリムにおいて、
    前記膨出部の前記上面は、前記アームレストにより塞がれている車両前後方向に長い開口を有し、
    前記開口の車室側の縁から車外側の縁に亘って、架け渡し部が車幅方向に架け渡され且つ一体化されており、
    前記架け渡し部の下面には、車幅方向に延びているリブが設けられており、
    前記架け渡し部及び前記リブは、前記ドアトリム本体に対して車幅方向に荷重が加わった際に、全体的に撓むように構成され
    前記架け渡し部と、前記アームレストの裏面とは、互いに接触することなく、間に隙間を有し、
    前記ドアトリム本体の前記開口の前記室外側の縁は、前記アームレストを前記ドアトリム本体に対して固定するための板状の固定部を有しており、
    前記アームレストは、前記ドアトリム本体の前記固定部に対して固定可能な被固定部を有しており、
    前記ドアトリム本体の前記固定部は、前記固定部を車幅方向に貫通している貫通孔を有し、
    前記ドアトリム本体の前記開口を上から見て、前記架け渡し部は、前記貫通孔の中心線に対して隙間を空けて挟み込むように、車両前後方向に一対設けられている、ことを特徴とする車両用ドアトリム。
  4. 前記貫通孔は、前記開口の前記車室側の縁のなかにおいて、車両前後方向の略中央に位置している、ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の車両用ドアトリム。
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