JP7319621B1 - バーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼管外に噴出される火炎の保炎性を高めることが可能なバーナを提供する。【解決手段】バーナ1は、バーナユニット部10を複数または単数有している。バーナユニット部10は、先端部が開放された燃焼管100を備え、燃焼管100における先端開口部100aから外側に、燃焼用酸化剤ガスの存在下にて燃料の旋回燃焼により生じる管状火炎Fを噴出可能に構成されている。バーナ1は、管状火炎Fの内部空間が管状火炎Fの外部空間から閉ざされた状態で燃焼するように構成されている。バーナ1は、複数のバーナユニット部10を有しており、主ダクト部11内において、各管状火炎F同士が衝突するように構成されていることが好ましい。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用 第32回環境工学総合シンポジウム2022のHP「https://confit.atlas.jp/guide/event/env22/top」、令和4年4月15日 第32回環境工学総合シンポジウム2022 [1301-06-03] 「https://confit.atlas.jp/guide/event-img/env22/1301-06-03/public/pdf?type=in」、令和4年6月30日
本発明は、バーナに関する。
従来、特許文献1に記載されるように、小径部と小径部に連結されたテーパ部とテーパ部に連結された大径部とを備える燃焼管を有するガスバーナが知られている。同文献には、燃焼管のテーパ部内において、旋回する予混合ガスに点火して火炎を形成する点が記載されている。
特許第6846713号
上述した従来のガスバーナは、燃焼管内にて火炎を形成し、燃焼管外に燃焼ガスのみを噴出するものである。そのため、上記特許文献は、燃焼管外に噴出される火炎の保炎性の向上について何ら開示や示唆をするものではない。
近年、二酸化炭素の排出を伴わない燃料としてアンモニアが注目されている。今後、アンモニアのような難燃性燃料を燃料として活用する取り組みが進んでくると、燃焼管外に火炎を噴出させるバーナにおいては、火炎の保炎性を高めることが重要になってくる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、燃焼管外に噴出される火炎の保炎性を高めることが可能なバーナを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
先端部が開放された燃焼管を備え、上記燃焼管における先端開口部から外側に、燃焼用酸化剤ガスの存在下にて燃料の旋回燃焼により生じる管状火炎を噴出可能なバーナユニット部を複数または単数有しており、
上記管状火炎の内部空間が上記管状火炎の外部空間から閉ざされた状態で燃焼するように構成されている、
バーナにある。
上記バーナのバーナユニット部は、燃焼用酸化剤ガスの存在下にて燃料を旋回燃焼させることにより、燃焼管における先端開口部から外側に管状火炎を噴出させることができる。ここで、管状火炎の内部空間が外部空間と繋がった開放状態で燃焼するように構成されている場合には、旋回流によって形成される管状火炎の内部空間は通常負圧になるために、外部空気や冷却燃焼ガスあるいはその成分が管状火炎の内部空間に流入し、管状火炎の保炎性が悪くなる。これに対し、上記バーナは、管状火炎の内部空間が管状火炎の外部空間から閉ざされた状態で燃焼するように構成されているので、外部空気や冷却燃焼ガスあるいはその成分が管状火炎の内部空間に流入し難くなり、燃焼管における先端開口部から外側に噴出される管状火炎の保炎性を高めることができる。
図1は、図2に示したI-I線矢視方向から見て、一部を断面で示した実施形態1のバーナの模式的な正面図である。 図2は、実施形態1のバーナの模式的な平面図である。 図3は、一部を断面で示した実施形態1のバーナの模式的な右側面図(左側面図)である。 図4は、実施形態2のバーナの模式的な平面図である。 図5は、図6に示したV-V線矢視方向から見て、一部を断面で示した実施形態3のバーナの模式的な正面図である。 図6は、実施形態3のバーナの模式的な平面図である。 図7は、一部を断面で示した実施形態3のバーナの模式的な右側面図(左側面図)である。 図8は、実施形態4のバーナの模式的な平面図である。 図9は、一部を断面で示した実施形態5のバーナの模式的な正面図である。 図10は、一部を断面で示した実施形態5のバーナの模式的な右側面図(左側面図)である。 図11は、一部を断面で示した実施形態6のバーナの模式的な正面図である。 図12は、一部を断面で示した実施形態6のバーナの模式的な右側面図(左側面図)である。 図13は、一部を断面で示した実施形態7のバーナの模式的な正面図である。 図14は、一部を断面で示した実施形態7のバーナの模式的な右側面図(左側面図)である。 図15は、図16に示したXV-XV線矢視方向から見て、一部を断面で示した実施形態8のバーナの模式的な正面図である。 図16は、実施形態8のバーナの模式的な平面図である。 図17は、一部を断面で示した実施形態9のバーナの模式的な平面図である。 図18は、一部を断面で示した実施形態10のバーナの模式的な正面図である。 図19は、実施形態10のバーナの模式的な右側面図である。 図20は、実験例1にて作製したバーナユニットの形状、寸法を説明するための説明図である。 図21は、実験例1にて作製したバーナユニットにおける燃焼状態の確認結果(マッピング図)を示した図である。 図22は、実験例1にて作製したバーナユニットにおいて、空気流量を2L/minに固定した場合の、当量比の変化に伴う火炎の外観写真をまとめて示した図である。 図23は、実験例2にて作製したバーナと形成火炎の様子を示した写真である。 図24は、実験例2にて作製したバーナと形成火炎の様子を示した、図23とは別の写真である。 図25は、実験例3にて作製したバーナに適用した保炎ガードの外観写真である。 図26は、実験例3にて作製したバーナと形成火炎の様子を示した写真である。 図27は、実験例3にて作製したバーナにおける燃焼状態の確認結果(マッピング図)を示した図である。
以下、本実施形態のバーナについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態のバーナは、以下の例示によって限定されるものではない。
(実施形態1)
実施形態1のバーナについて、図1~図3を用いて説明する。図1~図3に例示されるように、本実施形態1のバーナ1は、バーナユニット部10を有している。
バーナユニット部10は、先端部が開放された管状の燃焼管100を備えている。燃焼管100は、例えば、ステンレスなどの金属材料やセラミックなどより構成することができる。なお、燃焼管100の両端部のうち、管状火炎Fを噴出させる側の端部が先端部であり、先端部と反対側の端部が基端部である。
バーナユニット部10は、燃焼管100における先端開口部100aから外側に、管状火炎Fを噴出可能に構成されている。管状火炎Fは、管状の火炎であり、スワール火炎、旋回火炎などと称されることもある。管状火炎Fは、空気や酸素などの燃焼用酸素含有ガスをはじめとする燃焼用酸化剤ガスの存在下にて燃料の旋回燃焼により生じさせるものである。燃料としては、例えば、アンモニア、水素、各種炭化水素などのガス燃料、重油、灯油などの噴霧液体燃料や揮発性燃料、ならびに、微粉炭などの粉体燃料などを例示することができ、これらは1種または2種以上併用することができる。本実施形態1は、難燃性ガスの一つであって二酸化炭素の排出を伴わないアンモニアが燃料とされる例である。
バーナユニット部10は、燃焼管100における先端開口部100aから外側に、管状火炎Fを噴出可能に構成されておれば、特に限定されるものではない。なお、管状火炎Fの噴出は、可視火炎面や輝炎形状にて判断する。水素炎など可視発光の少ない火炎の場合には、カメラ等の映像機器により判断する。本実施形態1では、バーナユニット部10は、図1~図3に例示されるように、燃焼管100内に第1ガス体G1を供給するための第1供給管101と、燃焼管100内に第2ガス体G2を供給するための第2供給管102と、点火プラグ103とを備えている。
第1供給管101は、燃焼管100の内壁面の接線方向から燃焼管100内に第1ガス体G1を旋回的に供給できるように燃焼管100に接続されている。同様に、第2供給管102は、燃焼管100の内壁面の接線方向から燃焼管100内に第2ガス体G2を旋回的に供給できるように燃焼管100に接続されている。但し、第1ガス体G1が供給される接線方向と第2ガス体G2が供給される接線方向とは異なっており、これにより燃焼管100内の旋回流を増強することができる。本実施形態1では、これら両接線方向が互いに平行となるように、第1供給管101および第2供給管102が配置されている。なお、図2および図3では、第1供給管101、第2供給管102の接続部が平たく形成され、流路形状が円形から細長い長方形に変化し、流路面積を減少させている例が示されている。これは、流速を増加させ、強い旋回流を燃焼管100内に形成するためである。
第1ガス体G1、第2ガス体G2は、燃料、燃焼用酸化剤ガス、燃料と燃焼用酸化剤ガスとが予混合された予混合ガスのいずれかから、それぞれ選択することができる。本実施形態1では、例えば、第1ガス体G1を燃料とし第2ガス体G2を燃焼用酸化剤ガスとする第1の組み合わせ、第1ガス体G1を燃焼用酸化剤ガスとし第2ガス体G2を燃料とする第2の組み合わせ、第1ガス体G1および第2ガス体G2を両方とも予混合ガスとする第3の組み合わせなどを選択することができる。なお、第1の組み合わせおよび第2の組み合わせを選択した場合には、燃焼管100内において形成される旋回流により燃料と燃焼用酸化剤ガスとが混合される。なお、第1供給管101、第2供給管102は、個数を増減することができる。また、他の供給管からの流れで旋回が得られていれば、旋回を伴わない供給方法でも、燃焼管100に対して所定のガス体を供給することができる。
点火プラグ103は、燃焼管100の基端部に設けられている。図1~図3では、燃焼管100の基端開口部から点火プラグ103の着火部(不図示)が挿通され、点火プラグ103によって燃焼管100の基端開口部が閉塞されている例が示されている。なお、上述した第1供給管101および第2供給管102は、良好な保炎性をもたらす長い管状火炎Fを得るために、燃焼管100の基端部寄りに取り付けられている。点火プラグ103は、中心絶縁電極だけを第1供給管101、第2供給管102の取り付け位置付近まで長めに突き出し、中心絶縁電極先端から燃焼管100の内壁への放電により、点火を実現すると良い。
バーナユニット部10は、第1供給管101および第2供給管102を介して上述の組み合わせによる第1ガス体G1および第2ガス体G2を燃焼管100内に供給し、燃焼管100の内壁面に沿って旋回する燃料に点火プラグ103にて着火することにより、燃焼用酸化剤ガスの存在下にて燃料を旋回燃焼させ、燃焼管100における先端開口部100aから外側に管状火炎Fを噴出させることができる。なお、後述の実験例に示すように、上記構成によるバーナユニット部10によれば、空気などの燃焼用酸化剤ガスの存在下にて難燃性ガスであるアンモニアガスを燃料に用いた場合でも、燃焼管100における先端開口部100aから外側に管状火炎Fを噴出させることができる。
バーナ1は、上述したバーナユニット部10を複数または単数有している。本実施形態1は、バーナ1が、同構成のバーナユニット部10を2個有している例を示している。ここで、バーナ1は、管状火炎Fの内部空間が管状火炎Fの外部空間から閉ざされた状態で燃焼するように構成されている。本実施形態1では、2個のバーナユニット部10によって2個の管状火炎Fが形成されるが、その2個の管状火炎Fの内部空間がいずれも外部空間から閉ざされた状態で燃焼するように構成されている。なお、上記「管状火炎Fの内部空間がいずれも外部空間から閉ざされた状態」とは、外部空気や冷却燃焼ガスやその成分が管状火炎Fの内部に逆流しない状態のことをいう。以下、これについて具体的に説明する。
本実施形態1において、バーナ1は、図1~図3に例示されるように、筒状の主ダクト部11を有している。主ダクト部11は、一端部が開放されている。図1~図3では、主ダクト部11は、バーナユニット部10の燃焼管100よりも大径に形成されている例が示されている。主ダクト部11は、例えば、ステンレスなどの金属材料あるいはセラミックなどの耐熱材料などより構成することができる。なお、主ダクト部11の両端部のうち、燃焼ガスCを噴出させる側の端部が一端部であり、一端部と反対側の端部が他端部である。主ダクト部11の他端部は、閉塞されていてもよいし、開放されていてもよい。本実施形態1では、図1~図3に例示されるように、主ダクト部11の他端部がキャップ部111により閉塞されている。
バーナ1が有する複数または単数のバーナユニット部10(具体的には2個のバーナユニット部10)は、主ダクト部11の筒壁に取り付けられている。具体的には、主ダクト部11内に複数または単数のバーナユニット部10(具体的には2個のバーナユニット部10)の燃焼管100の先端開口部100aが連通されている。バーナ1は、主ダクト部11内において、各管状火炎F同士が衝突するように構成されている。図1~図3では、2個の管状火炎F同士が正面で衝突する例が示されている。本実施形態1では、このような構成を採用することにより、管状火炎Fの内部空間が管状火炎Fの外部空間から閉ざされた状態とされる。
ここで、管状火炎Fの内部空間が外部空間と繋がった開放状態で燃焼するように構成されている場合には、旋回流によって形成される管状火炎Fの内部空間は通常負圧になるために、外部空気や冷却燃焼ガスあるいはその成分が管状火炎Fの内部空間に流入し、管状火炎Fの保炎性が悪くなる。これに対し、本実施形態1のバーナ1は、上記のように管状火炎Fの内部空間が管状火炎Fの外部空間から閉ざされた状態で燃焼するように構成されているので、外部空気や冷却燃焼ガスあるいはその成分が管状火炎Fの内部空間に流入し難くなり、燃焼管100における先端開口部100aから外側に噴出される管状火炎Fの保炎性を高めることができる。
本実施形態1では、各バーナユニット部10は、各燃焼管100の管軸線が主ダクト部11の筒軸線上またはその近傍において交わるように配置されている。なお、上記近傍とは、各燃焼管100の管軸線が厳密に主ダクト部11の筒軸線上において交わることを要求するものではないことを意図するものである。また、各燃焼管100の管軸線は、いずれも同一面内に配置されている。上記各構成によれば、主ダクト部11内における各管状火炎F同士の衝突をより確実なものとすることができる。図1~図3では、2個のバーナユニット部10が、主ダクト部11の筒壁周方向において互いに対向するように配置されている例が示されている。この2個のバーナユニット部10は、各燃焼管100の管軸線が主ダクト部11の筒軸線と垂直に交わるとともに、各管軸線が同軸となるように配置されているといえる。
なお、後述する他の実施形態も含めて本開示のバーナ1において、バーナユニット部10の個数が複数の場合、各バーナユニット部10同士は、全く同じものでなくともよい。例えば、各バーナユニット部10は、同一の寸法である必要はなく、また、第1供給管101および第2供給管102の個数や、第1供給管101および第2供給管102に供給するガス体の種類、旋回方向、ガス体の供給方法も同一である必要はなく、主ダクト部11への取り付け方も同じである必要はない。
また、本実施形態1では、主ダクト部11の他端部をガス密に閉塞するキャップ部111における主ダクト部11内側の表面に、衝突した管状火炎Fの逃げ場となる溝部111aが形成されている。この構成によれば、各管状火炎F同士の衝突によって広がる衝突火炎CFがキャップ部111に当たるのを抑制することができ、衝突火炎CFの形成を阻害し難くなる。
なお、衝突火炎CFがキャップ部111に当たらないように衝突火炎CFとキャップ部111との間の空間を十分にとることもできる。しかしながら、この場合には、燃焼管100の管長さを長くする必要があるため、バーナ1が大型化する。上記構成によれば、燃焼管100の管長さを短くしてバーナ1の小型化を図りつつ、衝突火炎CFの形成がキャップ部111によって阻害されないようにすることができる。
(実施形態2)
実施形態2のバーナについて、図4を用いて説明する。なお、実施形態2以降において用いられる符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図4に例示されるように、本実施形態2のバーナ1は、3個以上の複数のバーナユニット部10を有している。複数のバーナユニット部10は、主ダクト部11の筒壁周方向に配置されている。図4では、具体的には、バーナ1が3個のバーナユニット部10を有しており、主ダクト部11の筒壁周方向を三等分する位置に各バーナユニット部10がそれぞれ配置されている例が示されている。
本実施形態2のバーナ1は、複数のバーナユニット部10の各管状火炎F同士が主ダクト部11内において衝突し、衝突火炎CFが形成される。本実施形態2のバーナ1は、各管状火炎Fの内部空間が外部空間から閉ざされた状態で燃焼するように構成されているので、外部空気や冷却燃焼ガスあるいはその成分が各管状火炎Fの内部空間に流入し難くなり、各燃焼管100における先端開口部100aから外側に噴出される各管状火炎Fの保炎性を高めることができる。
なお、本実施形態2では、主ダクト部11の筒壁周方向に複数のバーナユニット部10を配置した例を示したが、各バーナユニット部10が噴出する各管状火炎F同士を衝突させ、各管状火炎Fの内部空間が外部空間から閉ざされた状態で燃焼させることができれば、複数のバーナユニット部10の配置は、特に限定されるものではない。
例えば、複数のバーナユニット部10は、例えば、各バーナユニット部10が噴出する各管状火炎F同士が衝突するように、主ダクト部11の筒軸線方向などに配置することもできる。
その他の構成および作用効果については、実施形態1のバーナ1と同様であり、また、他の実施形態のバーナ1の説明も適宜参照することが可能である。
(実施形態3)
実施形態3のバーナについて、図5~図7を用いて説明する。
図5~図7に例示されるように、本実施形態3のバーナ1において、各バーナユニット部10は、各燃焼管100の管軸線が主ダクト部11の一端開口部側に向かって斜めに傾斜するように配置されている。したがって、各燃焼管100の管軸線は、同一面内にはない。
本実施形態3のバーナ1によれば、各バーナユニット部10による各管状火炎Fは、主ダクト部11の一端開口部側に向かって斜めに傾斜して形成される。そして、上記斜めに傾斜して形成された各管状火炎F同士が衝突し、衝突火炎CFが形成される。
そのため、本実施形態3のバーナ1によれば、実施形態1のバーナ1に比べ、主ダクト部11内の燃焼ガスCが一端開口部に向かって流れやすくなる。それ故、本実施形態3のバーナ1は、主ダクト部11内の燃焼ガスCの排出(噴出)を効率良く実施することが可能になる。
その他の構成および作用効果については、実施形態1のバーナ1と同様であり、また、他の実施形態のバーナ1の説明も適宜参照することが可能である。
(実施形態4)
実施形態4のバーナについて、図8を用いて説明する。
図8に例示されるように、本実施形態4のバーナ1において、各バーナユニット部10は、各燃焼管100の管軸線が段違いとなるように配置されている。図8では、各バーナユニット部10が、主ダクト部11の筒軸線に垂直な面内において2つの管軸線が段違いとなるように配置されている例が示されている。より具体的には、主ダクト部11の筒軸線に垂直な面内において2つの管軸線は平行に配置されており、2つの管軸線の間に主ダクト部11の筒軸線が配置されている。
本実施形態4のバーナ1によれば、主ダクト部11内において、各バーナユニット部10による各管状火炎Fが段違いに形成される。そして、上記段違いに形成された各管状火炎F同士が衝突し、衝突火炎CFが形成される。この場合、上記段違いに形成された各管状火炎Fに起因して、主ダクト部11内において燃焼ガスCが旋回して流れるようになる。
そのため、本実施形態4のバーナ1によれば、主ダクト部11内における各管状火炎F、衝突火炎CFの燃焼状態を改善する効果が得られ、燃料の燃え残りを低減させることが可能になる。
その他の構成および作用効果については、実施形態1のバーナ1と同様であり、また、他の実施形態のバーナ1の説明も適宜参照することが可能である。
(実施形態5)
実施形態5のバーナについて、図9および図10を用いて説明する。
図9および図10に例示されるように、本実施形態5のバーナ1は、主ダクト部11の他端部が開放されている。つまり、本実施形態5のバーナ1は、主ダクト部11の両端部が開放されており、主ダクト部11の他端部はキャップ部111により閉塞されていない。
この構成によれば、図9および図10に例示されるように、主ダクト部11の他端部から一端部に向かって、燃料、燃焼用酸化剤ガス、または、これらが予混合された予混合ガスより構成される主ガスMGが流れるように構成することができる。この構成によれば、主ダクト部11内に形成される衝突火炎CFを種火として保持して火炎のボリュームを増加させることが可能となり、主ダクト部11の一端部から噴出される燃焼ガスCの噴出力を増大させることが可能となる。
また、本実施形態5のバーナ1は、主ダクト部11の他端部が開放されるとともに、主ダクト部11内を主ガスMGが流れるように構成された状態において、図9および図10に例示されるように、主ダクト部11内を流れる主ガスMGから、各管状火炎F同士の衝突によって形成される衝突火炎CFを守る保炎ガード112が設けられている。
主ダクト部11内に主ガスMGの流れがある場合には、主ガスMGによって衝突火炎CFの形成が妨げられることが生じうる。これに対して、本実施形態5のバーナ1によれば、保炎ガード112により主ガスMGの流れから衝突火炎CFが守られ、衝突火炎CFの形成が妨げられ難くなる。そのため、本実施形態5のバーナ1によれば、主ダクト部11から噴出される燃焼ガスCの出力を調整しやすくなる。
保炎ガード112は、例えば、ステンレスなどの金属材料やセラミックなどより構成することができる。保炎ガード112の形状は、上記作用効果が得られる限り、特に限定されるものではない。
図9および図10では、一方のバーナユニット部10における燃焼管100の先端部から主ダクト部11の他端部側に傾斜する第1傾斜面112aと、他方のバーナユニット部10における燃焼管100の先端部から主ダクト部11の他端部側に傾斜して第1傾斜面112aの先端部に連結される第2傾斜面112bとを有する保炎ガード112が例示されている。図9および図10に例示される保炎ガード112によれば、主ガスMGの流れから衝突火炎CFを守ること以外にも、保炎ガード112に当たった主ガスMGを第1傾斜面112a側と第2傾斜面112b側とに分けて流すことが可能となり、主ガスMGの流れを極力妨げないようにすることができる。
なお、図9および図10に図示はされていないが、保炎ガード112は、例えば、第1傾斜面112aおよび第2傾斜面112bにおける燃焼管100側の各基端部に、燃焼管100の外周壁の周方向に篏合させる篏合部をそれぞれ設け、ばね弾性力など利用して、各篏合部を各燃焼管100の外周壁に取り付けることができる(例えば、実験例で示す図25参照)。この構成によれば、バーナユニット部10に保炎ガード112を着脱自在とすることができるので、必要に応じて保炎ガード112の取り付け、取り外しを行うことができる。
その他の構成および作用効果については、実施形態1のバーナ1と同様であり、また、他の実施形態のバーナ1の説明も適宜参照することが可能である。
(実施形態6)
実施形態6のバーナについて、図11および図12を用いて説明する。
図11および図12に例示されるように、本実施形態6のバーナ1は、実施形態5のバーナ1と同様に、主ダクト部11の他端部が開放されるとともに、主ダクト部11内を主ガスMGが流れるように構成されている。
本実施形態6のバーナ1は、このように構成された状態において、図11および図12に例示されるように、各管状火炎F同士の衝突によって形成される衝突火炎CFよりも主ガスMGの流れの上流側に循環流生成器113が設けられている。循環流生成器113は、主ガスMGの循環流を生成するものである。
主ダクト部11内に主ガスの流れがある場合には、主ガスMGによって衝突火炎CFの形成が妨げられることが生じうる。これに対して、本実施形態6のバーナ1によれば、衝突火炎CFよりも主ガスMGの流れの上流側に循環流生成器113を設けたことにより、循環流生成器113の下流側に(循環流生成器113と衝突火炎CFとの間)に、主ガスMGの循環流が生成し、主ガスMGの流れの穏やかな領域ができる。そのため、勢いの強い主ガスMGが直接、衝突火炎CFにぶつかることがなくなり、主ガスMGの流れから衝突火炎CFが守られ、衝突火炎CFの形成が妨げられ難くなる。そのため、本実施形態6のバーナ1によれば、主ダクト部11から噴出される燃焼ガスCの出力を調整しやすくなる。
循環流生成器113は、例えば、ステンレスなどの金属材料やセラミックなどより構成することができる。循環流生成器113の形状は、上記作用効果が得られる限り、特に限定されるものではない。
図11および図12では、主ガスMGの流れを主ダクト部11の内壁側寄りに流れるように分ける傾斜面部113aと、傾斜面部113aにおける主ダクト部11の一端部側に設けられた本体部113bとを有する循環流生成器113が例示されている。図11および図12に例示される循環流生成器113によれば、傾斜面部113aにより主ガスMGの流れが主ダクト部11の内壁側寄りに流れるように分けられ、分流した主ガスMGの一部は、傾斜面部113aの後段部にある本体部113bの下流側の空間に流れ込む。そのため、この循環流生成器113を有するバーナ1によれば、循環流生成器113の下流側における主ガスMGの循環流の生成を確実なものとすることができる。この際、図11および図12に例示されるように、本体部113bにおける衝突火炎CF側の面が、主ガスMGの流れの上流側に窪んでいる場合には、その窪みによって形成される空間に循環流を保持しやすくなり、上述した作用効果を高めることが可能となる。
なお、図11および図12に図示はされていないが、循環流生成器113は、例えば、循環流生成器113を支持可能な支持部材を介して主ダクト部11の内壁面などに取り付けることができる。
その他の構成および作用効果については、実施形態5のバーナ1と同様であり、また、他の実施形態のバーナ1の説明も適宜参照することが可能である。
(実施形態7)
実施形態7のバーナについて、図13および図14を用いて説明する。
図13および図14に例示されるように、本実施形態7のバーナ1は、実施形態5のバーナ1と同様に、主ダクト部11の他端部が開放されるとともに、主ダクト部11内を主ガスMGが流れるように構成されている。
本実施形態7のバーナ1は、このように構成された状態において、図13および図14に例示されるように、各管状火炎F同士の衝突によって形成される衝突火炎CFよりも主ガスMGの流れの上流側に、旋回羽根114が設けられている。旋回羽根114は、主ダクト部11の他端部から主ダクト部11内に流入する主ガスMGを旋回させるものである。
本実施形態7のバーナ1によれば、旋回羽根114により、旋回羽根114を通過した主ガスMGは、旋回して流れるようになる。そのため、本実施形態7のバーナ1によれば、主ダクト部11内における各管状火炎F、衝突火炎CFの燃焼状態を改善する効果が得られ、燃料の燃え残りを低減させることが可能になる。
旋回羽根114は、例えば、ステンレスなどの金属材料やセラミックなどより構成することができる。旋回羽根114の形状は、上記作用効果が得られる限り、特に限定されるものではない。
図13および図14では、中心部にボス部114aを有する旋回羽根114が例示されている。ボス部114aの中心軸(旋回羽根114の中心軸)は、主ダクト部11の筒軸線と同軸に配置されている。図13および図14に例示されるバーナ1は、旋回羽根114のボス部114aにより、ボス部114aの下流側に主ガスMGの循環流を生成させることができる。この構成によれば、旋回羽根114のボス部114aを、実施形態6にて説明した循環流生成器113として作用させることができる。そのため、この構成によれば、主ダクト部11内に流入する主ガスMGに旋回を与えることができるとともに、ボス部114aによる循環流生成作用により、ボス部114aの下流側に(ボス部114aと衝突火炎CFとの間)に、主ガスMGの循環流を生成させて主ガスMGの流れから衝突火炎CFを守ることが可能となる。
なお、図13および図14に図示はされていないが、旋回羽根114は、例えば、旋回羽根114を支持可能な支持部材を介して主ダクト部11の内壁面などに取り付けることができる。また、図13および図14に例示するように、必要に応じて、実施形態5にて説明した保炎ガード112を設けることも可能である。
その他の構成および作用効果については、実施形態5のバーナ1と同様であり、また、他の実施形態のバーナ1の説明も適宜参照することが可能である。
(実施形態8)
実施形態8のバーナについて、図15および図16を用いて説明する。
図15および図16に例示されるように、本実施形態8のバーナ1は、バーナユニット部10を単数(1個)有している。そして、本実施形態8のバーナ1では、主ダクト部11内において、管状火炎Fが主ダクト部11の筒内壁に衝突するように構成されている。
本実施形態8のバーナ1によれば、管状火炎Fの先端部が主ダクト部11の筒内壁によって蓋をされたような状態となる。そのため、本実施形態8のバーナ1は、管状火炎Fの内部空間が管状火炎Fの外部空間から閉ざされた状態で燃焼することができる。したがって、本実施形態8のバーナ1は、バーナユニット部10が単数であっても、外部空気や冷却燃焼ガスあるいはその成分が管状火炎Fの内部空間に流入し難くなり、管状火炎Fの内部空間は高温の燃焼ガスで満たされるため、燃焼管100における先端開口部100aから外側に噴出される管状火炎Fの保炎性を高めることができる。また、本実施形態8のバーナ1は、比較的簡単な構成であるため、比較的低コストで、管状火炎Fの保炎性を高めることができる。
なお、図15では、主ダクト部11の他端部を閉塞するキャップ部111に溝部111aが形成されていない例が示されている。本実施形態8においても、実施形態1と同様に、キャップ部111に溝部111aが形成されていてもよい。
また、本実施形態8では、主ダクト部11の他端部が開放され、主ガスMGが流れる構造であっても良いが、このとき管状火炎Fと主ダクト部11の内壁面との間に主ガスMGが流れ込み、保炎性が低下するのを防ぐため、実施形態5の保炎ガード112や実施形態6の循環流生成器113を衝突火炎CFの上流部に設置すると良い。
また、図15では、バーナユニット部10が単数の場合を図示したが、図示したバーナユニット部10と主ダクト部11の内壁との関係を有するバーナユニット部10が複数個配置されても良い。
また、図15では、主ダクト部11の内壁への管状火炎Fの衝突を用いて、バーナユニット部10からの管状火炎Fの保炎性の向上を図っているが、管状火炎Fを衝突させる対象は主ダクト部11の内壁だけでなく、主ダクト部11内に存在する他の固体壁であっても良い。例えば、上述のように複数のバーナユニット部10が存在する場合には、主ダクト部11の内壁の代わりに、例えば、他のバーナユニット部10の燃焼管100に管状火炎Fを衝突させて、保炎性を向上させることもできる。つまり、上記固体壁とは、主ダクト部11の内壁以外にも、他のバーナユニット部10の燃焼管壁などを含みうるものである。
その他の構成および作用効果については、実施形態1のバーナ1と同様であり、また、他の実施形態のバーナ1の説明も適宜参照することが可能である。
(実施形態9)
実施形態9のバーナについて、図17を用いて説明する。
図17に例示されるように、本実施形態9のバーナ1は、複数のバーナユニット部10と、炉壁12とを有している。炉壁12は、炉内と炉外とを隔てる隔壁である。バーナ1は、炉壁12に各バーナユニット部10が所定の交差角θで向き合うように取り付けられている。各バーナユニット部10の交差角θは、互いに交差する各燃焼管100の管軸線のなす角であり、例えば、45度以上120度以下とすることができる。
図17では、バーナ1が、同構成のバーナユニット部10を2個有している例が示されている。また、図17では、各燃焼管100の管軸線と炉壁12との間のなす角が45度とされており、各燃焼管100の管軸線同士が交差角θ=90度で交差する例が示されている。
本実施形態9のバーナ1は、炉内において、各管状火炎F同士が衝突するように構成されている。そのため、本実施形態9のバーナ1は、炉内において、各管状火炎Fの内部空間が管状火炎Fの外部空間から閉ざされた状態で燃焼することができる。したがって、本実施形態9のバーナ1は、外部空気や冷却燃焼ガスあるいはその成分が管状火炎Fの内部空間に流入し難くなり、管状火炎Fの内部空間は高温の燃焼ガスで満たされるため、燃焼管100における先端開口部100aから外側に噴出される管状火炎Fの保炎性を高めることができる。また、管状火炎F同士の衝突後の燃焼ガスCは、炉内に噴出される。
なお、本実施形態9では、複数のバーナユニット部10を炉壁12における水平方向に配置した例を示したが、複数のバーナユニット部10は、炉壁12における垂直方向など、その他の方向に配置することができ、また、各方向の組み合わせで配置することもできる。
その他の構成および作用効果については、実施形態1のバーナ1と同様であり、また、他の実施形態のバーナ1の説明も適宜参照することが可能である。
(実施形態10)
実施形態10のバーナについて、図18および図19を用いて説明する。
図18および図19に例示されるように、本実施形態10のバーナ1は、バーナユニット部10を複数有している。図18および図19では、バーナ1が、同構成のバーナユニット部10を2個有している例が示されている。本実施形態10のバーナ1では、各燃焼管100の基端部同士が連通状態で接続され、当該管接続部105において単数の火炎センサ104にて火炎監視を行うように構成されている。なお、図18および図19に例示されるように、本実施形態10では、管接続部105に点火プラグ103が設けられ、管接続部105において着火が行われるように構成されている。
本実施形態10のバーナ1によれば、各バーナユニット部10に火炎センサ104をそれぞれ設けるように構成したバーナに比べ、高価な火炎センサ104の個数を減らすことができる。そのため、本実施形態10のバーナ1によれば、より少ない個数の火炎センサ104により低コストで火炎監視を行うことができる。
なお、図18および図19では、主ダクト部11に干渉しないように各バーナユニット部10の燃焼管100を延長し、各燃焼管100の基端部を集合させて接続する構成が例示されている。つまり、本開示において、燃焼管100は、必ずしも直管である必要はなく、曲がっていてもよい。各バーナユニット部10の燃焼管100の延長経路は、特に限定されるものではなく、主ダクト部11に干渉しないよう適宜設定することができる。
その他の構成および作用効果については、実施形態1のバーナ1と同様であり、また、他の実施形態のバーナ1の説明も適宜参照することが可能である。
(実験例1)
図20に、本実験例1にて作製したバーナユニットの形状、寸法を示す。なお、図20において、寸法の単位はmmである。本実験例1では、具体的には、図20に示されるように、先端開口内径14.3mm、先端開口外径16mm、管長さ22.3mmの円管状の燃焼管に対し、燃焼管の内壁面の接線方向から燃焼管内にアンモニアガスと空気とが予混合された予混合ガスを流入させて約2.04のスワール数の旋回流を得ることが可能なバーナユニットを作製した。
図21に、上記作製したバーナユニットにおける燃焼状態の確認結果(マッピング図)を示す。図21において、横軸は当量比φを表しており、縦軸は、燃焼管の内部流路面積(内径14.3mm)に対する予混合ガスの管軸方向平均流速である。また、空気流量一定の状態を斜め破線で示した。燃焼状態は目視により確認され、安定燃焼(白丸記号)、不安定燃焼(短時間での消炎)(黒丸記号)、保炎不可(×記号)に分類された。図21によれば、上記作製したバーナユニットでは、バーナユニット出口での予混合ガスの平均流速が約0.45m/s以下では幅広い当量比で燃焼が達成され、予混合ガスの流速の増加にともない保炎可能範囲が狭まり、約0.8m/s以上の条件では火炎が得られないことがわかる。
図22に、上記作製したバーナユニットにおいて、空気流量を2L/minに固定した場合の、当量比φの変化に伴う火炎の外観写真を示す。図22によれば、当量比φ=0.9以下では、オレンジ色の可視火炎の大部分が管状火炎として燃焼管内に存在するが、燃焼管の先端開口部から外側に、管状の管状火炎を噴出することができており、保炎性が確保されていることがわかる。なお、図22はカラー写真をグレースケールとしたものであるが、カラー写真では、可視火炎はオレンジ色を呈している。アンモニア火炎は、炭化水素系燃料の場合と異なり、オレンジ色に発光する。当量比φ=1.0以上では、管状火炎の下端部分における細い円錐状の部分のほとんどが燃焼管の先端開口部下流に存在し、浮き上がり火炎となるが、当量比φ=1.0~1.2程度の場合には、保炎性が確保されていることがわかる。
上記作製したバーナユニットによれば、燃焼管における先端開口部から外側に、空気存在下にて難燃性のアンモニアガスを旋回燃焼させて管状火炎を噴出させることが可能であることが確認された。なお、本実験例1では、燃料としてアンモニアガスを用いたが、上記実験結果によれば、アンモニアガス以外の難燃性の燃料ガスや、好燃焼性の水素や炭化水素などの燃料ガスを用いた場合であっても、燃焼管における先端開口部から外側に、燃焼用酸化剤ガスの存在下にて燃料の旋回燃焼により生じる管状火炎を噴出させることができるといえる。
(実験例2)
実験例1にて作製したバーナユニットをバーナユニット部として用い、図1~図3に示されるバーナを作製した。本実験例2のバーナは、主ダクト部の筒壁に燃焼管の先端開口が対向するように取り付けた2個のバーナユニット部による各管状火炎を主ダクト部の中央部で衝突させて衝突火炎を形成するものである。図23および図24に、作製したバーナと形成火炎の様子を示す。
図23および図24に示されるバーナによれば、互いに逆方向に旋回する管状火炎同士の衝突火炎が形成されていることがわかる。また、このバーナのアンモニア燃焼ガス量は、実験例1の単独バーナユニットのアンモニア燃焼ガス量の4倍以上と計測され、保炎性の向上が達成されていることがわかる。
(実験例3)
上述した実験例2では、広い当量比にわたる燃焼確認実験は行われなかったので、本実験例3では実験例2と同じ装置を用いて,広い当量比にわたる燃焼状態確認実験が実施された。但し、今後の主ガスMGを流入させる実験に備えて、図9および図10に図示した実施形態5にて説明した保炎ガード112を使用した。図25に使用した保炎ガードの写真を示す。この保炎ガードを、主ダクト部内に対向して突出する各バーナユニット部の各燃焼管の先端部に、主ダクト部の基端部側から装着した。但し、本実験例3では、主ダクト部の基端部側は閉鎖状態とした。また、本実験例3では、4つのガス供給管に対してアンモニアガスと空気とが予混合された予混合ガスを供給した。図26に、作製したバーナと形成火炎の様子を示す。
図27に、上記作製したバーナにおける燃焼状態の確認結果(マッピング図)を示す。図27において、横軸(当量比φ)や燃焼状態の記号などは、実験例1にて説明した図21と同様に描かれている。一方、図27において、縦軸は、燃焼管の内部流路面積(内径14.3mm)に対する予混合ガスの管軸方向平均流速がとられているが、本実験例3において作製したバーナでは、バーナユニット部が2個設置されていることに注意を要する。
図27と図21とを比較すると、最大保炎軸方向平均流速(縦軸)が、実験例1で作製したバーナユニット単独では0.8m/sであるのに対して、本実験例3で作製したバーナでは1.8m/sと2倍以上の保炎性を示すことがわかる。なお、バーナ全体としては、2個のバーナユニット部を有するバーナでは、約4倍の空気流量で保炎が行われていることがわかる。
(実験例4)
上述した実験例1~3は、各供給管にアンモニア・空気の予混合ガスを供給した実験(予混合式)であったが、産業用バーナとしては、一方の供給管に酸化剤ガスのみを供給し、もう一方の供給管に燃料のみを供給し、酸化剤ガスと燃料とを燃焼領域に別々に供給し逆火を防止する「先混合式」化が重要である。そこで、実験例3と同じバーナを用いて,各バーナユニット部の第1供給管に空気を、第2供給管にアンモニアガスを供給したところ、良好な燃焼が確認された。この結果から、本開示のバーナが、アンモニア・空気の「先混合式」燃焼も実現できることが確認された。
本発明は、上記各実施形態、各実験例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、各実施形態、各実験例に示される各構成は、それぞれ任意に組み合わせることができる。また、各請求項同士は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
1 バーナ
10 バーナユニット部
100 燃焼管
F 管状火炎

Claims (16)

  1. 先端部が開放された燃焼管を備え、上記燃焼管における先端開口部から外側に、燃焼用酸化剤ガスの存在下にて燃料の旋回燃焼により生じる管状火炎を噴出可能なバーナユニット部を複数または単数有しており、
    上記管状火炎の内部空間が上記管状火炎の外部空間から閉ざされた状態で燃焼するように構成されている、
    バーナ。
  2. 一端部が開放された筒状の主ダクト部を有しており、
    上記主ダクト部内に複数または単数の上記バーナユニット部の上記燃焼管の上記先端開口部が連通されている、
    請求項1に記載のバーナ。
  3. 複数の上記バーナユニット部を有しており、
    上記主ダクト部内において、各上記管状火炎同士が衝突するように構成されている、
    請求項2に記載のバーナ。
  4. 各上記バーナユニット部は、各上記燃焼管の管軸線が上記主ダクト部の筒軸線上またはその近傍において交わるように配置されている、
    請求項3に記載のバーナ。
  5. 各上記管軸線が、同一面内にある、
    請求項4に記載のバーナ。
  6. 各上記バーナユニット部は、各上記管軸線が上記主ダクト部の一端開口部側に向かって斜めに傾斜するように配置されている、
    請求項3に記載のバーナ。
  7. 各上記バーナユニット部は、各上記燃焼管の管軸線が段違いとなるように配置されている、
    請求項3に記載のバーナ。
  8. 上記主ダクト部の他端部が開放されており、
    上記主ダクト部の他端部から一端部に向かって、燃料、燃焼用酸化剤ガス、または、これらが予混合された予混合ガスより構成される主ガスが流れるように構成されている、
    請求項3に記載のバーナ。
  9. 上記主ダクト部の他端部が開放されており、
    上記主ダクト部の他端部から一端部に向かって、燃料、燃焼用酸化剤ガス、または、これらが予混合された予混合ガスより構成される主ガスが流れるように構成されており、
    上記主ダクト部内を流れる上記主ガスから、各上記管状火炎同士の衝突によって形成される衝突火炎を守る保炎ガード、あるいは、
    各上記管状火炎同士の衝突によって形成される衝突火炎よりも上記主ガスの流れの上流側に設置される、上記主ガスの循環流を生成する循環流生成器、のうち少なくともいずれか1つが設けられている、
    請求項3に記載のバーナ。
  10. 上記主ダクト部の他端部が開放されており、
    上記主ダクト部の他端部から一端部に向かって、燃料、燃焼用酸化剤ガス、または、これらが予混合された予混合ガスより構成される主ガスが流れるように構成されており、
    上記主ダクト部内を流れる上記主ガスから、各上記管状火炎同士の衝突によって形成される衝突火炎を守る保炎ガード、あるいは、
    各上記管状火炎同士の衝突によって形成される衝突火炎よりも上記主ガスの流れの上流側に設置される、上記主ダクト部の他端部から上記主ダクト部内に流入する上記主ガスを旋回させる旋回羽根、のうち少なくともいずれか1つが設けられている、
    請求項3に記載のバーナ。
  11. 上記主ダクト部の他端部が開放されており、
    上記主ダクト部の他端部から一端部に向かって、燃料、燃焼用酸化剤ガス、または、これらが予混合された予混合ガスより構成される主ガスが流れるように構成されており、
    上記主ダクト部内を流れる上記主ガスから、各上記管状火炎同士の衝突によって形成される衝突火炎を守る保炎ガード、あるいは、
    各上記管状火炎同士の衝突によって形成される衝突火炎よりも上記主ガスの流れの上流側に設置される、上記主ダクト部の他端部から上記主ダクト部内に流入する上記主ガスを旋回させる旋回羽根、のうち少なくともいずれか1つが設けられており、
    上記旋回羽根は、中心部にボス部を有しており、上記ボス部がその下流側に上記主ガスの循環流を生成させる、
    請求項3に記載のバーナ。
  12. 上記主ダクト部の他端部がキャップ部により閉塞されている、
    請求項3に記載のバーナ。
  13. 上記キャップ部における上記主ダクト部内側の表面に、衝突した上記管状火炎の逃げ場となる溝部が形成されている、
    請求項12に記載のバーナ。
  14. 上記主ダクト部内において、上記管状火炎が上記主ダクト部内の固体壁に衝突するように構成されている、
    請求項2に記載のバーナ。
  15. 複数の上記バーナユニット部と、
    炉内と炉外とを隔てる炉壁と、を有しており、
    上記炉壁に各上記バーナユニット部が所定の交差角で向き合うように取り付けられており、
    上記炉内において、各上記管状火炎同士が衝突するように構成されている、
    請求項1に記載のバーナ。
  16. 複数の上記バーナユニット部を有しており、
    各上記燃焼管の基端部同士が連通状態で接続され、当該管接続部において単数の火炎センサにて火炎監視を行うように構成されている、
    請求項1から請求項15の少なくとも1つに記載のバーナ。
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