JP7318286B2 - 回転電機ユニット、及び回転電機システム - Google Patents

回転電機ユニット、及び回転電機システム Download PDF

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Description

本発明は、回転電機と、回転電機に流れる電流を制御する制御装置と、を備える回転電機ユニットに関する。
従来、モータ・ジェネレータ(回転電機)の界磁巻線に流れる界磁電流と電流閾値との差分を積分し、積分値が積分閾値よりも大きくなった場合に、界磁電流を電流制限値以下に制限する回転電機ユニットがある(特許文献1参照)。特許文献1に記載の回転電機ユニットによれば、回転電機が過熱することを抑制することができる。
特許第5972385号公報
ところで、一般に回転電機ユニットは、上位制御装置からのトルク指令値に基づいて、回転電機の界磁巻線に流れる界磁電流を制御する。回転電機ユニットで上記の界磁電流の制限が行われると、回転電機の発生するトルクがトルク指令値から急変する。このため、上位制御装置にとって予期しないトルク変動が生じる。なお、界磁巻線式の回転電機に限らず、磁石式の回転電機において電機子に流れる電流が制限された場合も、同様の問題が生じ得る。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、上位制御装置にとって予期しないトルク変動が生じることを抑制することのできる回転電機ユニットを提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段は、
回転電機(21)と、上位制御装置(40)から受信したトルク指令値に基づいて前記回転電機に流れる電流を制御して前記回転電機により発生させるトルクを制御する制御装置(23)と、を備える回転電機ユニット(16)であって、
前記回転電機により発生させるトルクを前記トルク指令値に制御する制御部(23a)と、
前記回転電機が連続して出力可能なトルクの上限値である連続上限値を、前記トルク指令値が超えている時間が所定の上限時間を超えた場合に、前記制御部による制御よりも優先して、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限する制限部(23b)と、
前記制限部による制限が行われる前に、前記連続上限値を前記上位制御装置に通知する通知部(23c)と、
を備える。
上記構成によれば、回転電機ユニットは、回転電機と制御装置とを備えている。制御装置は、上位制御装置から受信したトルク指令値に基づいて、回転電機に流れる電流を制御して回転電機により発生させるトルクを制御する。
制御部は、回転電機により発生させるトルクを上記トルク指令値に制御する。このため、制御部による制御では、回転電機は上位制御装置により指令された指令トルクを発生する。一方、制限部は、回転電機が連続して出力可能なトルクの上限値である連続上限値を、トルク指令値が超えている時間が所定の上限時間を超えた場合に、制御部による制御よりも優先して、回転電機により発生させるトルクを連続上限値以下に制限する。このため、回転電機が発生するトルクを連続上限値以下に制限することで、回転電機に流れる電流を減少させることができ、回転電機が過熱することを抑制することができる。
ここで、通知部は、制限部による制限が行われる前に、連続上限値を上位制御装置に通知する。このため、上位制御装置は、制限部により回転電機のトルク制限が行われる場合に、制限後のトルクの大きさ(連続上限値)を予期することができる。その結果、上位制御装置は、回転電機に流れる電流と発生するトルクとの関係を規定したマップ等を備えていなくても、回転電機に流れる電流が減少した際に回転電機が発生するトルクの大きさを知ることができる。したがって、上位制御装置にとって予期しないトルク変動が生じることを抑制することができる。なお、上位制御装置は、回転電機の発生するトルクが連続上限値以下に制限された場合に備えた制御を行ったり、トルク制限が行われないようにトルク指令値を変更したりすることができる。
第2の手段では、前記通知部は、前記制限部による制限が行われる前に、前記トルク指令値が前記連続上限値を超えている時間が前記上限時間になるまでの残り時間である第1時間を前記上位制御装置に通知する。したがって、上位制御装置は、制限部によりトルク制限が行われる時期を正確に予測したり、トルク制限が行われる直前までトルク指令値を維持したりし易くなる。
第3の手段では、前記通知部は、前記トルク指令値が前記連続上限値を超えている場合に、前記トルク指令値が前記連続上限値を超えている時間に第1係数を掛けた時間を前記第1時間から引き、前記トルク指令値が前記連続上限値未満である場合に、前記トルク指令値が前記連続上限値未満である時間に前記第1係数よりも小さい第2係数を掛けた時間を前記第1時間に足す。
上記構成によれば、通知部は、トルク指令値が上記連続上限値を超えている場合に、トルク指令値が連続上限値を超えている時間に第1係数を掛けた時間を上記第1時間から引く。このため、トルク指令値が連続上限値を超えている時間と回転電機の温度上昇量との関係に応じて第1係数を設定することにより、回転電機の温度上昇量に応じて第1時間を減少させることができる。また、通知部は、トルク指令値が連続上限値未満である場合に、トルク指令値が連続上限値未満である時間に第1係数よりも小さい第2係数を掛けた時間を第1時間に足す。このため、トルク指令値が連続上限値未満である時間と回転電機の温度下降量との関係に応じて第2係数を設定することにより、回転電機の温度下降量に応じて第1時間を増加させることができる。さらに、第2係数は第1係数よりも小さいため、回転電機の温度が下降しにくく上昇し易い特性に合わせて、第1時間を増減させることができる。
第4の手段では、前記通知部は、前記トルク指令値が前記連続上限値を上回る場合に、前記トルク指令値が前記連続上限値を上回る度合が大きいほど前記第1係数を大きい値に設定し、前記トルク指令値が前記連続上限値を下回る場合に、前記トルク指令値が前記連続上限値を下回る度合が大きいほど前記第2係数を大きい値に設定する。
上記構成によれば、通知部は、トルク指令値が上記連続上限値を上回る場合に、トルク指令値が連続上限値を上回る度合が大きいほど第1係数を大きい値に設定する。このため、トルク指令値が連続上限値を上回る度合、すなわち回転電機の温度上昇量に応じて、第1時間を減少させる量を変化させることができる。また、通知部は、トルク指令値が連続上限値を下回る場合に、トルク指令値が連続上限値を下回る度合が大きいほど第2数を大きい値に設定する。このため、トルク指令値が連続上限値を下回る度合、すなわち回転電機の温度下降量に応じて、第1時間を増加させる量を変化させることができる。
回転電機の温度が許容温度を超えた場合、すなわち回転電機の温度に相関する相関温度が上限温度を超えた場合は、回転電機により発生させるトルクを上記連続上限値以下に制限することが望ましい。
この点、第5の手段では、通知部は、前記回転電機の温度に相関する相関温度が上限温度を超えた場合に、前記第1時間を0にする。したがって、回転電機の温度が許容温度を超えた場合に、回転電機により発生させるトルクを連続上限値以下に制限することができる。
第6の手段では、前記通知部は、前記制限部による制限が行われる前に、前記トルク指令値が前記連続上限値を超えている時間である第1時間を前記上位制御装置に通知する。したがって、上位制御装置は、制限部によりトルク制限が行われる時期を正確に予測したり、トルク制限が行われる直前までトルク指令値を維持したりし易くなる。
回転電機の回転速度が低い場合や、回転電機の温度が低い場合は、回転電機が過熱するまでに余裕があるため、上記連続上限値を大きい値に設定することが望ましい。
この点、第7の手段では、前記通知部は、前記回転電機の回転速度、及び前記回転電機の温度に相関する相関温度に応じて、前記連続上限値を可変設定する。したがって、回転電機が過熱するまでの余裕に応じて、連続上限値を変化させることができる。
回転電機の温度が低い場合は、回転電機が過熱するまでに余裕があるため、上記上限時間を長い時間に設定することが望ましい。
この点、第8の手段では、前記通知部は、前記回転電機の温度に相関する相関温度に応じて、前記上限時間を可変設定する。したがって、回転電機が過熱するまでの余裕に応じて、上限時間を変化させることができる。
トルク指令値が連続上限値を上回る度合が所定度合よりも大きい場合は、危険回避等のために連続上限値を上回るトルクを回転電機により発生させることが要求されている可能性がある。
この点、第9の手段では、前記制限部は、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限している状態であっても、前記トルク指令値が前記連続上限値を上回る度合が所定度合よりも大きい場合は、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限することを解除する。したがって、危険回避等のために連続上限値を上回るトルクを回転電機により発生させることが要求されている場合に、トルク制限を解除して回転電機により発生させるトルクをトルク指令値に制御することができる。
第10の手段は、回転電機システム(20)であって、第1~第9の手段のいずれか1つの回転電機ユニットと、前記上位制御装置と、を備える。
上記構成によれば、回転電機ユニットと上位制御装置とを備える回転電機システムにおいて、第1~第9の手段のいずれか1つと同様の作用効果を奏することができる。
第11の手段では、上位制御装置は、制限部による制限が行われる前に、前記通知部により通知された前記連続上限値に基づいて前記トルク指令値を変更する。その結果、上位制御装置は、トルク制限が行われないようにトルク指令値を変更することができ、トルク変動が生じることを抑制することができる。
電源システム及び回転電機システムを示す電気回路図。 回転電機ユニットの電気的構成を示す電気回路図。 回転電機の連続使用領域及び短期使用領域を示すグラフ。 回転電機のトルク制御の手順を示すフローチャート。 回転電機の回転速度及び検出温度と連続上限値との関係を示すグラフ。 検出温度と上限時間との関係を示すグラフ。 トルク制御の態様を示すタイムチャート。
以下、車両の各種機器に電力を供給する電源システムと、発電及び力行を行う回転電機システムとに具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、電源システム10は、第1蓄電部としての鉛蓄電池11と第2蓄電部としてのリチウムイオン蓄電池12とを有する2電源システムである。電源システム10では、回転電機ユニット16に対して並列に、鉛蓄電池11、リチウムイオン蓄電池12、及び電気負荷14,15が接続されている。各蓄電池11,12からは、スタータ13や、各種の電気負荷14,15、回転電機ユニット16への給電が可能となっている。また、各蓄電池11,12に対しては、回転電機ユニット16による充電が可能となっている。
鉛蓄電池11は周知の汎用蓄電池である。これに対し、リチウムイオン蓄電池12は、鉛蓄電池11に比べて、充放電における電力損失が少なく、出力密度、及びエネルギ密度の高い高密度蓄電池である。リチウムイオン蓄電池12は、鉛蓄電池11に比べて充放電時のエネルギ効率が高い蓄電池であるとよい。また、リチウムイオン蓄電池12は、それぞれ複数の単電池を有してなる組電池として構成されている。これら各蓄電池11,12の定格電圧はいずれも同じであり、例えば12Vである。
図示による具体的な説明は割愛するが、リチウムイオン蓄電池12は、収容ケースに収容されて基板一体の電池ユニットUとして構成されている。電池ユニットUは、出力端子P1~P4を有している。出力端子P1に鉛蓄電池11とスタータ13と電気負荷14とが接続され、出力端子P2に回転電機ユニット16が接続され、出力端子P4に電気負荷15が接続されている。鉛蓄電池11及びスタータ13はヒューズ17を介して出力端子P1に接続されている。
各電気負荷14,15は、各蓄電池11,12から供給される供給電力の電圧について要求が相違するものである。このうち電気負荷14には、供給電力の電圧が一定又は少なくとも所定範囲内で変動するよう安定であることが要求される定電圧要求負荷が含まれる。これに対し、電気負荷15は、定電圧要求負荷以外の一般的な電気負荷である。電気負荷14は被保護負荷とも言える。また、電気負荷14は電源失陥が許容されない負荷であり、電気負荷15は、電気負荷14に比べて電源失陥が許容される負荷であるとも言える。
定電圧要求負荷である電気負荷14の具体例としては、ナビゲーション装置やオーディオ装置、メータ装置、エンジンECU等の各種ECUが挙げられる。この場合、供給電力の電圧変動が抑えられることで、上記各装置において不要なリセット等が生じることが抑制され、安定動作が実現可能となっている。電気負荷14として、電動ステアリング装置やブレーキ装置等の走行系アクチュエータが含まれていてもよい。また、電気負荷15の具体例としては、シートヒータやリヤウインドウのデフロスタ用ヒータ、ヘッドライト、フロントウインドウのワイパ、空調装置の送風ファン等が挙げられる。
回転電機ユニット16は、3相交流モータとしての回転電機21と、電力変換装置としてのインバータ22と、回転電機21の作動を制御する回転電機ECU23とを備えている。回転電機ユニット16は、モータ機能付き発電機であり、機電一体型のISG(Integrated Starter Generator)として構成されている。
ここで、回転電機ユニット16の電気的構成について図2を用いて説明する。回転電機21は、3相電機子巻線としてU相、V相、W相の相巻線24U,24V,24Wと、界磁巻線25とを備えている。回転電機21の回転軸は、図示しないエンジン出力軸に対してベルトにより駆動連結されている。エンジン出力軸の回転によって回転電機21の回転軸が回転する一方、回転電機21の回転軸の回転によってエンジン出力軸が回転する。すなわち、回転電機ユニット16は、エンジン出力軸や車軸の回転により発電(回生発電)を行う発電機能と、エンジン出力軸に回転力を付与する力行機能とを備えている。
インバータ22は、各相巻線24U,24V,24Wから出力される交流電圧を直流電圧に変換して電池ユニットUに対して出力する。また、インバータ22は、電池ユニットUから入力される直流電圧を交流電圧に変換して各相巻線24U,24V,24Wへ出力する。インバータ22は、相巻線の相数と同数の上下アームを有するブリッジ回路であり、3相全波整流回路を構成している。また、インバータ22は、回転電機21に供給される電力を調節することで回転電機21を駆動する駆動回路を構成している。
インバータ22は、相ごとに上アームスイッチSp及び下アームスイッチSnを備えている。本実施形態では、各スイッチSp,Snとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、例えばNチャネルMOSFETを用いている。上アームスイッチSpには、上アームダイオードDpが逆並列に接続され、下アームスイッチSnには、下アームダイオードDnが逆並列に接続されている。本実施形態では、各ダイオードDp,Dnとして、各スイッチSp,Snのボディダイオードを用いている。なお、各ダイオードDp,Dnとしては、ボディダイオードに限らず、例えば各スイッチSp,Snとは別部品のダイオードであってもよい。
各相におけるスイッチSp,Snの直列接続体の中間接続点は、各相巻線24U,24V,24Wの一端にそれぞれ接続されている。また、インバータ22の高圧側経路と低圧側経路との間には、インバータ22の入出力の電圧を検出する電圧センサ26が設けられている。その他、回転電機ユニット16には、各相巻線24U,24V,24Wを流れる電流を検出する電流センサ27と、界磁巻線25に流れる電流を検出する電流センサ28と、回転電機ECU23の温度を検出する温度センサ29とが設けられている。回転電機ECU23の温度(相関温度)は、回転電機21の温度に相関しており、検出した回転電機ECU23の温度に基づいて回転電機21の温度を推定することができる。なお、電流センサ27は、インバータ22と各相巻線との間に設けられていてもよいし、下アームスイッチSnとグランドラインとの間に相ごとに設けられていてもよい。上記各センサ26~29の検出信号は回転電機ECU23に適宜入力される。また、図示は略すが、回転電機21には、回転子の角度情報を検出する回転角度センサが設けられ、インバータ22には、その回転角度センサからの信号を処理する信号処理回路が設けられている。回転電機ECU23は、回転角度センサにより検出された角度情報に基づいて、回転電機21の回転速度を検出する。
回転電機ECU23(制御装置)は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイコンにより構成されている。回転電機ECU23は、制御部23a、制限部23b、及び通知部23cを備えている。制御部23a、制限部23b、及び通知部23cの詳細については後述する。回転電機ECU23は、その内部の図示しないICレギュレータにより、界磁巻線25に流す界磁電流(電流)を調整する。これにより、回転電機ユニット16の発電電圧(電池ユニットUに対する出力電圧)が制御される。また、回転電機ECU23は、車両の走行開始後にインバータ22を制御して回転電機21を駆動させて、エンジン42の駆動力をアシストする。回転電機21は、エンジン始動時にクランク軸に初期回転を付与することが可能であり、エンジン始動装置としての機能も有している。なお、図1において、回転電機ECU23に鉛蓄電池11が接続されているとよい。
次に、電池ユニットUにおける電気的構成を説明する。図1に示すように、電池ユニットUには、ユニット内電気経路(通電経路)として、各出力端子P1,P2を繋ぐ電気経路L1と、電気経路L1上の点N1とリチウムイオン蓄電池12とを繋ぐ電気経路L2とが設けられている。このうち電気経路L1にスイッチ31が設けられ、電気経路L2にスイッチ32が設けられている。なお、鉛蓄電池11とリチウムイオン蓄電池12とを接続する電気経路で言えば、回転電機ユニット16との接続点N1よりも鉛蓄電池11の側にスイッチ31が設けられ、接続点N1よりもリチウムイオン蓄電池12の側にスイッチ32が設けられている。
これら各スイッチ31,32は、例えば2×n個のMOSFET(半導体スイッチング素子)を備え、その2つ一組のMOSFETの寄生ダイオードが互いに逆向きになるように直列に接続されている。この寄生ダイオードによって、各スイッチ31,32をオフ状態とした場合にそのスイッチが設けられた経路に流れる電流が完全に遮断される。なお、スイッチ31,32として、MOSFETに代えて、IGBTやバイポーラトランジスタ等を用いることも可能である。
電気経路L1においてスイッチ31よりも出力端子P1側には電圧センサ33が設けられ、スイッチ31よりも出力端子P2側には電圧センサ34が設けられている。電圧センサ33により出力端子P1の端子電圧が検出され、電圧センサ34により出力端子P2の端子電圧が検出される。
また、電池ユニットUには、スイッチ31を迂回するバイパス経路L3が設けられている。バイパス経路L3は、出力端子P3と電気経路L1上の点N1とを接続するようにして設けられている。出力端子P3はヒューズ35を介して鉛蓄電池11に接続されている。バイパス経路L3によって、スイッチ31を介さずに、鉛蓄電池11と電気負荷15及び回転電機ユニット16との接続が可能となっている。バイパス経路L3には、例えば常閉式の機械式リレーからなるバイパススイッチ36が設けられている。バイパススイッチ36を閉鎖することで、スイッチ31がオフ(開放)されていても鉛蓄電池11と電気負荷15及び回転電機ユニット16とが電気的に接続される。電気負荷15はヒューズ38を介して出力端子P4に接続されており、出力端子P4はスイッチ39を介して出力端子P2及び点N1に接続されている。スイッチ39は、スイッチ31,32と同様のスイッチである。ここで、ヒューズ35の容量A1よりもヒューズ38の容量A2が大きく、ヒューズ38の容量A2よりもヒューズ17の容量A3が大きくなっている(A1<A2<A3)。
電池ユニットUは、各スイッチ31,32のオンオフ(開閉)を制御する電池ECU37を備えている。電池ECU37は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイコンにより構成されている。電池ECU37は、各蓄電池11,12の蓄電状態や、上位制御装置であるエンジンECU40からの指令値に基づいて、各スイッチ31,32のオンオフを制御する。これにより、鉛蓄電池11とリチウムイオン蓄電池12とを選択的に用いて充放電が実施される。例えば、電池ECU37は、リチウムイオン蓄電池12のSOC(残存容量:State Of Charge)を算出し、そのSOCが所定の使用範囲内に保持されるようにリチウムイオン蓄電池12への充電量及び放電量を制御する。また、電池ECU37は、エンジンECU40からの指令値に基づいて、スイッチ39のオンオフを制御する。
回転電機ユニット16の回転電機ECU23や電池ユニットUの電池ECU37には、これら各ECU23,37を統括的に管理する上位制御装置としてのエンジンECU40が接続されている。エンジンECU40は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイコンにより構成されており、都度のエンジン運転状態や車両走行状態に基づいて、エンジン42の運転を制御する。エンジンECU40は、回転電機ECU23へ電圧指令値及びトルク指令値Trcを送信する。
回転電機ECU23は、回転電機21に流れる電流(界磁電流、電機子電流)と発生するトルクとの関係を規定したマップを備えている。回転電機ECU23は、エンジンECU40から受信した電圧指令値及びトルク指令値Trcに基づいて、界磁巻線25に流す界磁電流及びインバータ22の動作(相巻線24U,24V,24Wに流す電流)を制御する。これにより、回転電機ECU23の制御部23a(図2参照)は、回転電機21により発生させるトルクをトルク指令値Trcに制御する。なお、エンジンECU40は、回転電機21に流れる電流(界磁電流、電機子電流)と発生するトルクとの関係を規定したマップを備えていない。また、トルク指令値は、発電時のトルク指令値と、力行時のトルク指令値とを含む。
これら各ECU23,37,40は、CAN等の通信ネットワークを構築する通信線41により接続されて相互に通信可能(信号伝達可能)となっており、所定周期で双方向の通信が実施される。これにより、各ECU23,37,40に記憶される各種データが互いに共有できるものとなっている。なお、回転電機ユニット16、及びエンジンECU40により、回転電機システム20が構成されている。
図3は、回転電機21の連続使用領域及び短期使用領域を示すグラフである。ここでは、回転電機21により発電を行う場合を例に説明する。なお、回転電機21により力行を行う場合は、例えばトルク=0の軸に対して図3のグラフを上側に折り返したグラフとなる。
連続使用領域は、その領域内の回転速度及びトルクであれば、回転電機21が過熱することなく連続して発電可能な領域である。短期使用領域は、その領域内の回転速度及びトルクであると、回転電機21が過熱するおそれがあるため、回転電機21により継続して発電する時間が制限される領域である。短期使用領域は、連続使用領域よりも高トルク側及び高回転速度側に設定されている。例えば、回転電機21により回生発電が行われる場合に、短期使用領域で回転電機21が動作させられる。連続使用領域と短期使用領域との境界が、連続使用領域のトルクの上限値である連続上限値Trlになっている。そして、回転電機ECU23の制限部23b(図2参照)は、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを超えている時間が所定の上限時間tfを超えた場合に、制御部23aによる制御よりも優先して、回転電機21により発生させるトルクを連続上限値Trl以下に制限(以下、「トルク制限」という)する。
ところで、回転電機ユニット16は、エンジンECU40からのトルク指令値Trcに基づいて、回転電機21の界磁巻線25に流れる界磁電流を制御する。回転電機ユニット16で上記トルク制限が行われることに伴って界磁電流の制限が行われると、回転電機21の発生するトルクがトルク指令値Trcから急変する。このため、エンジンECU40にとって予期しないトルク変動が生じる。そこで、本実施形態では、回転電機ECU23の通知部23c(図2参照)は、制限部23bによる制限が行われる前に(すなわち予め)、連続上限値TrlをエンジンECU40に通知する。
図4は、回転電機21のトルク制御の手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、回転電機ECU23により実行される。
まず、現在の回転電機21の状態における連続上限値Trlを算出する(S10)。詳しくは、図5に示すように、連続上限値Trlを、温度センサ29により検出された検出温度に応じて、例えば互いに異なる連続上限値Trl1~Trl4に設定する。検出温度が高くなるに従って、連続上限値Trl1から連続上限値Trl4へと変化させる。すなわち、回転電機の温度に相関する検出温度に応じて、連続上限値Trlを可変設定する。また、連続上限値Trl1~Trl4を、回転電機21の回転速度に応じて変化させる。具体的には、回転電機21の回転速度が高くなるほど、連続上限値Trl1~Trl4を小さくする。すなわち、回転電機の回転速度に応じて、連続上限値Trlを可変設定する。なお、回転角度センサにより検出された角度情報に基づいて、回転電機21の回転速度を検出する。
続いて、現在の回転電機21の状態における連続上限値Trlを、エンジンECU40に通知する(S11)。なお、この時点では、未だトルク制限が行われていない。
続いて、エンジンECU40から受信したトルク指令値Trcが、現在の回転電機21の状態における連続上限値Trlよりも大きいか否か判定する(S12)。この判定において、トルク指令値Trcが連続上限値Trlよりも大きいと判定した場合(S12:YES)、超過継続時間t2をカウントアップする(S13)。超過継続時間t2(第2時間)は、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを超えている時間であり、初期値は0である。超過継続時間t2をカウントアップする際には、前回算出時からの経過時間Δtに第1係数k1を掛けた値を現在の超過継続時間t2に足す。詳しくは、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを上回る場合に、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを上回る度合が大きいほど第1係数k1を大きい値に設定する。例えば、図5において、回転電機21の動作点が点P1であるとすると、連続上限値Trlが連続上限値Trl2の場合は第1係数k1=1.2とし、連続上限値Trlが連続上限値Trl4の場合は第1係数k1=1.8とする。
続いて、超過継続時間t2が上限時間tfよりも長いか否か判定する(S14)。図6に示すように、上限時間tfは、検出温度が温度T1になるまでは一定である。温度T1は、トルク指令値Trcを連続上限値Trl以下に制限する必要が生じる温度である。検出温度が温度T1から温度T2までの間は、上限時間tfは検出温度が高いほど短くなる。そして、検出温度が温度T2を超えると、上限時間tfは0になる。温度T2(上限温度)は、短時間であっても回転電機21が劣化するおそれが生じる温度である。すなわち、回転電機21の温度に相関する検出温度に応じて、上限時間tfを可変設定する。この判定において、超過継続時間t2が上限時間tfよりも長くないと判定した場合(S14:NO)、S18の処理へ進む。
また、S12の判定において、トルク指令値Trcが連続上限値Trlよりも大きくないと判定した場合(S12:NO)、超過継続時間t2をカウントダウンする(S15)。超過継続時間t2をカウントダウンする際には、前回算出時からの経過時間Δtに第2係数k2を掛けた値を現在の超過継続時間t2から引く。第2係数k2は、第1係数k1よりも小さい値である。詳しくは、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを下回る場合に、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを下回る度合が大きいほど第2係数k2を大きい値に設定する。例えば、図5において、回転電機21の動作点が点P2であるとすると、連続上限値Trlが連続上限値Trl2の場合は第1係数k1=1.0とし、連続上限値Trlが連続上限値Trl4の場合は第1係数k1=0.5とする。
続いて、超過継続時間t2が0以下であるか否か判定する(S16)。この判定において、超過継続時間t2が0以下であると判定した場合(S16:YES)、超過継続時間t2を0にする(S17)。一方、この判定において、超過継続時間t2が0以下でないと判定した場合(S16:NO)、S18の処理へ進む。
S18の処理では、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを超えている時間が上記上限時間tfになるまでの残り時間である超過残り時間t1を、エンジンECU40に通知する(S18)。超過残り時間t1(第1時間)は、上限時間tfから超過継続時間t2を引いた時間である。すなわち、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを超えている場合(S12:YES)、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを超えている時間に第1係数k1を掛けた時間を超過残り時間t1から引く。また、トルク指令値Trcが連続上限値Trl未満である場合(S12:NO)、トルク指令値Trcが連続上限値Trl未満である時間に第1係数k1よりも小さい第2係数k2を掛けた時間を超過残り時間t1に足す。なお、回転電機21の温度に相関する検出温度が上記温度T2(図6参照)を超えた場合は、上限時間tfが0になることから超過残り時間t1を0にする。そして、超過残り時間t1をエンジンECU40に通知する。
続いて、回転電機21により発生させるトルクをトルク指令値Trcに制御する(S19)。すなわち、回転電機21により発生させるトルクを制限しない。
また、S14の判定において、超過継続時間t2が上限時間tfよりも長いと判定した場合(S14:YES)、回転電機21により発生させるトルクを連続上限値Trl以下に制限する(S20)。詳しくは、図5に示す関係により現在の回転電機21の状態において設定された連続上限値Trlよりもトルク指令値Trcが大きい場合は、回転電機21により発生させるトルクを連続上限値Trlとする。また、トルク指令値Trcが連続上限値Trl以下である場合は、回転電機21により発生させるトルクをトルク指令値Trcとする。
続いて、トルク制限を行う残り時間である制限残り時間trをカウントダウンする(S21)。制限残り時間trの初期値は、S20の処理の開始時の超過継続時間t2(すなわち上限時間tf)である。制限残り時間trをカウントダウンする際に、回転電機21により発生させるトルクを連続上限値Trlとしている場合は、前回算出時からの経過時間Δtに第3係数k3を掛けた値を現在の制限残り時間trから引く。第3係数k3は、上記第2係数k2よりも小さい値である。トルク指令値Trcが連続上限値Trlを下回る場合は、前回算出時からの経過時間Δtに上記第2係数k2を掛けた値を現在の制限残り時間trから引く。
続いて、制限残り時間trが0以下であるか否か判定する(S22)。この判定において、制限残り時間trが0以下でないと判定した場合(S22:NO)、制限残り時間trをエンジンECU40に通知する(S23)。
続いて、S20の処理においてトルク制限を行う際の制限値を、エンジンECU40に通知する(S24)。制限値は、S20の処理において、図5に示す関係により現在の回転電機21の状態において設定された連続上限値Trlである。その後、S20の処理へ戻る。
一方、S22の判定において、制限残り時間trが0以下であると判定した場合(S22:YES)、制限残り時間trを0にする(S25)。同様に超過継続時間t2を0にする(S26)。
続いて、回転電機21により発生させるトルクを連続上限値Trl以下に制限するトルク制限を解除する(S27)。その後、この一連の処理を終了する(END)。
なお、S11、S18、S23、及びS24の処理が通知部23cとしての処理に相当し、S19の処理が制御部23aとしての処理に相当し、S20の処理が制限部23bとしての処理に相当する。
エンジンECU40は、回転電機ECU23によるトルク制限が行われる前に、回転電機ECU23により通知された連続上限値Trlに基づいてトルク指令値Trcを変更する。また、エンジンECU40は、回転電機ECU23によるトルク制限が行われた場合に、回転電機ECU23により通知された制限値(連続上限値Trl)に基づいてトルク指令値Trcを変更する。
図7は、トルク制御の態様を示すタイムチャートである。
時刻t11から時刻t12において、トルク指令値Trcが連続上限値Trlよりも大きいため、超過継続時間t2がカウントアップされる。この際に、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを上回る度合が大きいため、超過継続時間t2が増加する傾きが大きくなる。超過継続時間t2は上限時間tf未満であるため、回転電機21が発生するトルク(発生トルク)は制限されず、発生トルクはトルク指令値Trcに等しくなる。なお、上限時間tfと超過継続時間t2との差が、超過残り時間t1である。
時刻t12から時刻t13において、トルク指令値Trcが連続上限値Trlよりも小さいため、超過継続時間t2がカウントダウンされる。この際に、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを下回る度合に応じて、超過継続時間t2が減少する傾きが変化する。超過継続時間t2は上限時間tf未満であるため、発生トルクは制限されず、発生トルクはトルク指令値Trcに等しくなる。
時刻t13から時刻t14において、トルク指令値Trcが連続上限値Trlよりも大きいため、超過継続時間t2がカウントアップされる。この際に、時刻t11から時刻t12までと比較して、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを上回る度合が小さいため、超過継続時間t2が増加する傾きが小さくなる。超過継続時間t2は上限時間tf未満であるため、発生トルクは制限されず、発生トルクはトルク指令値Trcに等しくなる。
時刻t14において、超過継続時間t2が上限時間tfを超えるため、発生トルクが制限され、発生トルクは連続上限値Trlに等しくなる。
時刻t14以降において、トルク制限が行われ、発生トルクは連続上限値Trl以下に制限され、超過継続時間t2がカウントダウンされる。この際に、超過継続時間t2が減少する傾きは、時刻t12から時刻t13において超過継続時間t2が減少する傾きよりも小さくなる。その後、超過継続時間t2が0になるまで発生トルクが制限され、超過継続時間t2が0になるとトルク制限が解除される。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・通知部23cは、制限部23bによる制限が行われる前に、連続上限値TrlをエンジンECU40に通知する。このため、エンジンECU40は、制限部23bにより回転電機21のトルク制限が行われる場合に、制限後のトルクの大きさ(連続上限値Trl)を予期することができる。その結果、エンジンECU40は、回転電機21に流れる電流と発生するトルクとの関係を規定したマップ等を備えていなくても、回転電機21に流れる電流が減少した際に回転電機21が発生するトルクの大きさを知ることができる。したがって、エンジンECU40にとって予期しないトルク変動が生じることを抑制することができる。
・通知部23cは、制限部23bによる制限が行われる前に、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを超えている時間が上限時間tfになるまでの残り時間である超過残り時間t1をエンジンECU40に通知する。したがって、エンジンECU40は、制限部23bによりトルク制限が行われる時期を正確に予測したり、トルク制限が行われる直前までトルク指令値Trcを維持したりし易くなる。
・通知部23cは、トルク指令値Trcが上記連続上限値Trlを超えている場合に、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを超えている時間に第1係数k1を掛けた時間を上記超過残り時間t1から引く。このため、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを超えている時間と回転電機21の温度上昇量との関係に応じて第1係数k1を設定することにより、回転電機21の温度上昇量に応じて超過残り時間t1を減少させることができる。また、通知部23cは、トルク指令値Trcが連続上限値Trl未満である場合に、トルク指令値Trcが連続上限値Trl未満である時間に第1係数k1よりも小さい第2係数k2を掛けた時間を超過残り時間t1に足す。このため、トルク指令値Trcが連続上限値Trl未満である時間と回転電機21の温度下降量との関係に応じて第2係数k2を設定することにより、回転電機21の温度下降量に応じて超過残り時間t1を増加させることができる。さらに、第2係数k2は第1係数k1よりも小さいため、回転電機21の温度が下降しにくく上昇し易い特性に合わせて、超過残り時間t1を増減させることができる。
・通知部23cは、トルク指令値Trcが上記連続上限値Trlを上回る場合に、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを上回る度合が大きいほど第1係数k1を大きい値に設定する。このため、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを上回る度合、すなわち回転電機21の温度上昇量に応じて、超過残り時間t1を減少させる量を変化させることができる。また、通知部23cは、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを下回る場合に、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを下回る度合が大きいほど第2数を大きい値に設定する。このため、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを下回る度合、すなわち回転電機21の温度下降量に応じて、超過残り時間t1を増加させる量を変化させることができる。
・回転電機21の温度が許容温度を超えた場合、すなわち回転電機21の温度に相関する検出温度が温度T2を超えた場合は、回転電機21により発生させるトルクを上記連続上限値Trl以下に制限することが望ましい。この点、通知部23cは、回転電機21の温度に相関する検出温度が温度T2を超えた場合に、超過残り時間t1を0にする。したがって、回転電機21の温度が許容温度を超えた場合に、回転電機21により発生させるトルクを連続上限値Trl以下に制限することができる。
・回転電機21の回転速度が低い場合や、回転電機21の温度が低い場合は、回転電機21が過熱するまでに余裕があるため、上記連続上限値Trlを大きい値に設定することが望ましい。この点、通知部23cは、回転電機21の回転速度、及び回転電機21の温度に相関する検出温度に応じて、連続上限値Trlを可変設定する。したがって、回転電機21が過熱するまでの余裕に応じて、連続上限値Trlを変化させることができる。
・回転電機21の温度が低い場合は、回転電機21が過熱するまでに余裕があるため、上記上限時間tfを長い時間に設定することが望ましい。この点、通知部23cは、回転電機21の温度に相関する検出温度に応じて、上限時間tfを可変設定する。したがって、回転電機21が過熱するまでの余裕に応じて、上限時間tfを変化させることができる。
・エンジンECU40は、制限部23bによる制限が行われる前に、通知部23cにより通知された連続上限値Trlに基づいてトルク指令値Trcを変更する。その結果、エンジンECU40は、トルク制限が行われないようにトルク指令値Trcを変更することができ、トルク変動が生じることを抑制することができる。
・トルク指令値Trcと連続上限値Trlとに基づいてトルク制限を行うため、電流センサ28がない場合であってもトルク制限を行うことができる。
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
・回転電機ユニット16は、回転電機ECU23の温度を検出する温度センサ29に代えて、回転電機21の温度に相関する他の部分の温度(相関温度)を検出する温度センサや、回転電機21の温度を直接検出する温度センサを備えていてもよい。
・通知部23cは、制限部23bによる制限が行われる前に、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを超えている時間である超過継続時間t2(第2時間)を、上記超過残り時間t1と共に、又は超過残り時間t1に代えて、エンジンECU40に通知してもよい。こうした構成によっても、エンジンECU40は、制限部23bによりトルク制限が行われる時期を正確に予測したり、トルク制限が行われる直前までトルク指令値Trcを維持したりすることができる。
・上記第1係数k1及び上記第2係数k2の少なくとも一方を、固定値(一定値)に設定することもできる。また、第1係数k1と第2係数k2とを同一値に設定することもできる。
・通知部23cは、回転電機21の回転速度及び回転電機21の温度に相関する検出温度の少なくとも一方に応じて、連続上限値Trlを可変設定してもよい。また、通知部23cは、回転電機21の回転速度及び回転電機21の温度に相関する検出温度にかかわらず、連続上限値Trlを固定値(一定値)に設定することもできる。
・通知部23cは、回転電機21の温度に相関する検出温度にかかわらず、上限時間tfを固定値(一定値)に設定することもできる。
・回転電機21により力行を行う場合に、図4に示す回転電機21のトルク制御を適用することもできる。この場合、図3,5の回転電機21の連続使用領域及び短期使用領域を示すグラフは、トルク=0の軸に対して図3,5のグラフを上側に折り返したグラフとなる。また、回転電機21は、発電機能のみを備える発電機であってもよいし、力行機能のみを備えるモータであってもよい。
・回転電機21により力行を行っている際に、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを上回る度合が所定度合よりも大きい場合は、危険回避等のために連続上限値Trlを上回るトルク(駆動トルク)を回転電機21により発生させることが要求されている可能性がある。そこで、制限部23bは、回転電機21により発生させるトルクを連続上限値Trl以下に制限している状態であっても、トルク指令値Trcが連続上限値Trlを上回る度合が所定度合よりも大きい場合は、回転電機21により発生させるトルクを連続上限値Trl以下に制限することを解除してもよい。こうした構成によれば、危険回避等のために連続上限値Trlを上回るトルクを回転電機21により発生させることが要求されている場合に、トルク制限を解除して回転電機21により発生させるトルクをトルク指令値Trcに制御することができる。
・界磁巻線式の回転電機21に限らず、磁石式の回転電機の電機子に流れる電流が制限された場合も、上記実施形態と同様の問題が生じ得る。そこで、磁石式の回転電機に、上記実施形態(図4)に準じたトルク制御を適用することもできる。
16…回転電機ユニット、21…回転電機、23…回転電機ECU、23a…制御部、23b…制限部、23c…通知部、40…エンジンECU。

Claims (10)

  1. 回転電機(21)と、上位制御装置(40)から受信したトルク指令値に基づいて前記回転電機に流れる電流を制御して前記回転電機により発生させるトルクを制御する制御装置(23)と、を備える回転電機ユニット(16)であって、
    前記回転電機により発生させるトルクを前記トルク指令値に制御する制御部(23a)と、
    前記回転電機が連続して出力可能なトルクの上限値である連続上限値を、前記トルク指令値が超えている時間が所定の上限時間を超えた場合に、前記制御部による制御よりも優先して、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限する制限部(23b)と、
    前記制限部による制限が行われる前に、前記連続上限値を前記上位制御装置に通知する通知部(23c)と、
    を備え、
    前記通知部は、前記制限部による制限が行われる前に、前記トルク指令値が前記連続上限値を超えている時間が前記上限時間になるまでの残り時間である第1時間を前記上位制御装置に通知し、
    前記通知部は、前記トルク指令値が前記連続上限値を超えている場合に、前記第1時間をカウントダウンし、前記トルク指令値が前記連続上限値未満である場合に、前記第1時間をカウントアップし、前記回転電機の温度に相関する相関温度が上限温度を超えた場合に、前記第1時間を他に優先して0にする、回転電機ユニット。
  2. 回転電機(21)と、上位制御装置(40)から受信したトルク指令値に基づいて前記回転電機に流れる電流を制御して前記回転電機により発生させるトルクを制御する制御装置(23)と、を備える回転電機ユニット(16)であって、
    前記回転電機により発生させるトルクを前記トルク指令値に制御する制御部(23a)と、
    前記回転電機が連続して出力可能なトルクの上限値である連続上限値を、前記トルク指令値が超えている時間が所定の上限時間を超えた場合に、前記制御部による制御よりも優先して、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限する制限部(23b)と、
    前記制限部による制限が行われる前に、前記連続上限値を前記上位制御装置に通知する通知部(23c)と、
    を備え、
    前記通知部は、前記制限部による制限が行われる前に、前記トルク指令値が前記連続上限値を超えている時間が前記上限時間になるまでの残り時間である第1時間を前記上位制御装置に通知し、
    前記通知部は、前記トルク指令値が前記連続上限値を超えている場合に、前記トルク指令値が前記連続上限値を超えている時間に第1係数を掛けた時間を前記第1時間から引き、前記トルク指令値が前記連続上限値未満である場合に、前記トルク指令値が前記連続上限値未満である時間に前記第1係数よりも小さい第2係数を掛けた時間を前記第1時間に足し、前記回転電機の温度に相関する相関温度が上限温度を超えた場合に、前記第1時間を他に優先して0にする、回転電機ユニット。
  3. 前記通知部は、前記トルク指令値が前記連続上限値を上回る場合に、前記トルク指令値が前記連続上限値を上回る度合が大きいほど前記第1係数を大きい値に設定し、前記トルク指令値が前記連続上限値を下回る場合に、前記トルク指令値が前記連続上限値を下回る度合が大きいほど前記第2係数を大きい値に設定する、請求項2に記載の回転電機ユニット。
  4. 前記制限部は、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限している状態であっても、前記トルク指令値が前記連続上限値を上回る度合が所定度合よりも大きい場合は、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限することを解除する、請求項1~のいずれか1項に記載の回転電機ユニット。
  5. 回転電機(21)と、上位制御装置(40)から受信したトルク指令値に基づいて前記回転電機に流れる電流を制御して前記回転電機により発生させるトルクを制御する制御装置(23)と、を備える回転電機ユニット(16)であって、
    前記回転電機により発生させるトルクを前記トルク指令値に制御する制御部(23a)と、
    前記回転電機が連続して出力可能なトルクの上限値である連続上限値を、前記トルク指令値が超えている時間が所定の上限時間を超えた場合に、前記制御部による制御よりも優先して、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限する制限部(23b)と、
    前記制限部による制限が行われる前に、前記連続上限値を前記上位制御装置に通知する通知部(23c)と、
    を備え、
    前記通知部は、前記制限部による制限が行われる前に、前記トルク指令値が前記連続上限値を超えている時間である第2時間を前記上位制御装置に通知し、
    前記通知部は、前記トルク指令値が前記連続上限値を超えている場合に、前記第2時間をカウントアップし、前記トルク指令値が前記連続上限値未満である場合に、前記第2時間をカウントダウンし、
    前記制限部は、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限している状態であっても、前記トルク指令値が前記連続上限値を上回る度合が所定度合よりも大きい場合は、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限することを解除する、回転電機ユニット。
  6. 前記通知部は、前記回転電機の回転速度、及び前記回転電機の温度に相関する相関温度に応じて、前記連続上限値を可変設定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の回転電機ユニット。
  7. 前記通知部は、前記回転電機の温度に相関する相関温度に応じて、前記上限時間を可変設定する、請求項1~6のいずれか1項に記載の回転電機ユニット。
  8. 回転電機(21)と、上位制御装置(40)から受信したトルク指令値に基づいて前記回転電機に流れる電流を制御して前記回転電機により発生させるトルクを制御する制御装置(23)と、を備える回転電機ユニット(16)であって、
    前記回転電機により発生させるトルクを前記トルク指令値に制御する制御部(23a)と、
    前記回転電機が連続して出力可能なトルクの上限値である連続上限値を、前記トルク指令値が超えている時間が所定の上限時間を超えた場合に、前記制御部による制御よりも優先して、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限する制限部(23b)と、
    前記制限部による制限が行われる前に、前記連続上限値を前記上位制御装置に通知する通知部(23c)と、
    を備え、
    前記制限部は、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限している状態であっても、前記トルク指令値が前記連続上限値を上回る度合が所定度合よりも大きい場合は、前記回転電機により発生させるトルクを前記連続上限値以下に制限することを解除する、回転電機ユニット。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の回転電機ユニットと、
    前記上位制御装置と、
    を備える回転電機システム(20)。
  10. 前記上位制御装置は、前記制限部による制限が行われる前に、前記通知部により通知された前記連続上限値に基づいて前記トルク指令値を変更する、請求項に記載の回転電機システム。
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