JP7317685B2 - 黒球温度推定システム、暑さ指数推定システム、熱中症リスク推定システム、ウェアラブルデバイス、黒球温度推定方法およびプログラム - Google Patents
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Description
「日本工業規格 電子式湿球黒球温度(WBGT)指数計 JIS B 7922:2017」に規定されている電子式湿球黒球温度指数計においても、黒球温度を計測するために、大型の黒球温度センサを設置することが必要となる。
そのため、現状では、WBGTの計測は各地の代表地点でのみ行われており、個人個人が自分の熱中症リスクを把握することは困難であった。
そのため、依然として、例えば腕時計などのような、普段の生活で身に着けることが可能なウェアラブルデバイスへの適用は困難であった。
図1は第1実施形態の黒球温度推定システム1の概要の一例を示す図である。
図1に示す例では、黒球温度推定システム1が黒球温度を推定する。黒球温度推定システム1は、温度センサ1Aと、湿度センサ1Bと、照度センサ1Cと、皮膚温度センサ1Dと、黒球温度推定装置10とを備えている。
温度センサ1Aは気温を検出する。また、温度センサ1Aは、検出された気温と、その気温が検出された時刻とを示す情報を気温情報として出力する。詳細には、例えば温度センサ1Aは気温の値を一定期間検出する。更に、その一定期間中の気温の時間平均が、上述した気温情報として用いられる。
湿度センサ1Bは、例えば温度センサ1Aと同一のタイミングで湿度(相対湿度)を検出する。また、湿度センサ1Bは、検出された湿度と、その湿度が検出された時刻とを示す情報を湿度情報として出力する。詳細には、例えば湿度センサ1Bは、例えば温度センサ1Aの検出期間と同一期間中、湿度の値を検出する。更に、その期間中の湿度の時間平均が、上述した湿度情報として用いられる。
照度センサ1Cは、例えば温度センサ1Aと同一のタイミングで照度を検出する。また、照度センサ1Cは、検出された照度と、その照度が検出された時刻とを示す情報を照度情報として出力する。詳細には、例えば照度センサ1Cは、例えば温度センサ1Aの検出期間と同一期間中、照度の値を検出する。更に、その期間中の照度の時間平均が、上述した照度情報として用いられる。
皮膚温度センサ1Dは、例えば温度センサ1Aと同一のタイミングで、黒球温度推定システム1の利用者の皮膚温度を検出する。また、皮膚温度センサ1Dは、検出された皮膚温度と、その皮膚温度が検出された時刻とを示す情報を皮膚温度情報として出力する。詳細には、例えば皮膚温度センサ1Dは、例えば温度センサ1Aの検出期間と同一期間中、皮膚温度の値を検出する。更に、その期間中の皮膚温度の時間平均が、上述した皮膚温度情報として用いられる。
気温情報取得部11は、温度センサ1Aから出力された気温情報を取得する。湿度情報取得部12は、湿度センサ1Bから出力された湿度情報を取得する。照度情報取得部13は、照度センサ1Cから出力された照度情報を取得する。皮膚温度情報取得部14は、皮膚温度センサ1Dから出力された黒球温度推定システム1の利用者の皮膚温度情報を取得する。
上述したように、本発明者等は、気温情報と、湿度情報と、照度情報と、黒球温度推定システム1の利用者の皮膚温度情報とを用いることによって、黒球温度を推定できることを見い出した。
そこで、図1に示す例では、黒球温度推定部15が、気温情報取得部11によって取得された気温情報と、湿度情報取得部12によって取得された湿度情報と、照度情報取得部13によって取得された照度情報と、皮膚温度情報取得部14によって取得された皮膚温度情報とに基づいて、黒球温度を推定する。
詳細には、図1に示す例では、学習部16が、既知の黒球温度を示す情報である教師データと、既知の黒球温度が得られた時点の気温情報、湿度情報、照度情報および皮膚温度情報を有する学習データとの組を用いることによって、黒球温度推定部15の機械学習を行う。
図2に示す例では、学習部16(図1参照)が、黒球温度センサデータ(既知の黒球温度を示す情報)を教師データとして用いる。また、学習部16は、温度センサデータ(既知の黒球温度が得られた時点の気温情報)と、湿度センサデータ(既知の黒球温度が得られた時点の湿度情報)と、照度センサデータ(既知の黒球温度が得られた時点の照度情報)と、皮膚温度センサデータ(既知の黒球温度が得られた時点の皮膚温度情報)とを学習データとして用いる。つまり、学習部16は、上述した教師データと学習データとの組を用いる。詳細には、学習部16は、学習データとしての温度センサデータと湿度センサデータと照度センサデータと皮膚温度センサデータとが、モデルに入力されると、教師データとしての黒球温度センサデータがモデルから出力されるように、モデルの学習を実行する。
更に、黒球温度推定部15(図1参照)は、学習部16による学習済みのモデルを用いて、黒球温度を推定する。
詳細には、図2に示す例では、温度センサデータ(気温情報取得部11によって取得された気温情報)と、湿度センサデータ(湿度情報取得部12によって取得された湿度情報)と、照度センサデータ(照度情報取得部13によって取得された照度情報)と、皮膚温度センサデータ(皮膚温度情報取得部14によって取得された皮膚温度情報)とが、学習済みのモデルに入力される。更に、学習済みのモデルが、推定結果としての黒球温度を出力する。
詳細には、図2に示す例では、既知の黒球温度を示す情報である教師データと、既知の黒球温度が得られた時点の気温情報、湿度情報、照度情報および皮膚温度情報を有する学習データとの組を用いることによって、黒球温度推定部15の機械学習が行われる。そのため、図2に示す例では、例えば実験などにおいて気温情報、湿度情報、照度情報および皮膚温度情報と黒球温度との関係を事前に得る必要なく、黒球温度を推定することができる。
図3に示す例では、ステップS11において、学習部16が、黒球温度推定部15の機械学習を行う。
次いで、ステップS12では、気温情報取得部11が、気温情報を取得する。また、ステップS13では、湿度情報取得部12が、湿度情報を取得する。また、ステップS14では、照度情報取得部13が、照度情報を取得する。また、ステップS15では、皮膚温度情報取得部14が、黒球温度推定システム1の利用者の皮膚温度情報を取得する。
次いで、ステップS16では、黒球温度推定部15が、ステップS12において取得された気温情報と、ステップS13において取得された湿度情報と、ステップS14において取得された照度情報と、ステップS15において取得された皮膚温度情報とに基づいて、黒球温度を推定する。
以下、本発明の黒球温度推定システム、暑さ指数推定システム、熱中症リスク推定システム、ウェアラブルデバイス、黒球温度推定方法およびプログラムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態の黒球温度推定システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の黒球温度推定システム1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の黒球温度推定システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の黒球温度推定システム1と同様の効果を奏することができる。
詳細には、第2実施形態の黒球温度推定システム1では、黒球温度推定部15が、第1実施形態の黒球温度推定システム1において学習部16による機械学習が行われた後の黒球温度推定部15と同等の機能を有する。
そのため、第2実施形態の黒球温度推定システム1においても、第1実施形態の黒球温度推定システム1と同様に、例えば実験などにおいて気温情報、湿度情報、照度情報および皮膚温度情報と黒球温度との関係を事前に得る必要なく、黒球温度を推定することができる。
以下、本発明の黒球温度推定システム、暑さ指数推定システム、熱中症リスク推定システム、ウェアラブルデバイス、黒球温度推定方法およびプログラムの第3実施形態について説明する。
第3実施形態の黒球温度推定システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の黒球温度推定システム1と同様に構成されている。従って、第3実施形態の黒球温度推定システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の黒球温度推定システム1と同様の効果を奏することができる。
本発明者等は、鋭意研究において、時系列気温情報を用いる場合には、非時系列気温情報を用いる場合よりも、黒球温度の推定精度を向上させることができることを見い出した。
そこで、第3実施形態の黒球温度推定システム1では、温度センサ1Aが、気温を所定時間間隔(例えば5秒~1分間隔)で検出する。また、温度センサ1Aは、複数回分(例えば30回分)の検出結果を時系列気温情報として出力する。詳細には、温度センサ1Aは、上述した所定時間間隔で気温の瞬時値を検出するのではなく、上述した所定時間間隔で、気温の値を一定期間検出する。更に、その一定期間中の気温の時間平均が、上述した時系列気温情報として用いられる。
本発明者等は、鋭意研究において、時系列湿度情報を用いる場合には、非時系列湿度情報を用いる場合よりも、黒球温度の推定精度を向上させることができることを見い出した。
そこで、第3実施形態の黒球温度推定システム1では、湿度センサ1Bが、例えば温度センサ1Aと同一の時間間隔で湿度(相対湿度)を検出する。また、湿度センサ1Bは、例えば温度センサ1Aと同一回数分の検出結果を時系列湿度情報として出力する。詳細には、湿度センサ1Bは、例えば上述した時間間隔で、例えば温度センサ1Aの検出期間と同一期間中、湿度の値を検出する。更に、その期間中の湿度の時間平均が、上述した時系列湿度情報として用いられる。
本発明者等は、鋭意研究において、時系列照度情報を用いる場合には、非時系列照度情報を用いる場合よりも、黒球温度の推定精度を向上させることができることを見い出した。
そこで、第3実施形態の黒球温度推定システム1では、照度センサ1Cが、例えば温度センサ1Aと同一の時間間隔で、照度を検出する。また、照度センサ1Cは、例えば温度センサ1Aと同一回数分の検出結果を時系列照度情報として出力する。詳細には、照度センサ1Cは、例えば上述した時間間隔で、例えば温度センサ1Aの検出期間と同一期間中、照度の値を検出する。更に、その期間中の照度の時間平均が、上述した時系列照度情報として用いられる。
本発明者等は、鋭意研究において、時系列皮膚温度情報を用いる場合には、非時系列皮膚温度情報を用いる場合よりも、黒球温度の推定精度を向上させることができることを見い出した。
そこで、第3実施形態の黒球温度推定システム1では、皮膚温度センサ1Dは、例えば温度センサ1Aと同一の時間間隔で、黒球温度推定システム1の利用者の皮膚温度を検出する。また、皮膚温度センサ1Dは、例えば温度センサ1Aと同一回数分の検出結果を時系列皮膚温度情報として出力する。詳細には、皮膚温度センサ1Dは、例えば上述した時間間隔で、例えば温度センサ1Aの検出期間と同一期間中、黒球温度推定システム1の利用者の皮膚温度を検出する。更に、その期間中の皮膚温度の時間平均が、上述した時系列皮膚温度情報として用いられる。
更に、第3実施形態の黒球温度推定システム1では、黒球温度推定部15が、気温情報取得部11によって取得された時系列気温情報と、湿度情報取得部12によって取得された時系列湿度情報と、照度情報取得部13によって取得された時系列照度情報と、皮膚温度情報取得部14によって取得された時系列皮膚温度情報とに基づいて、黒球温度を推定する。
詳細には、第3実施形態の黒球温度推定システム1では、学習部16が、既知の黒球温度を示す情報である教師データと、既知の黒球温度が得られた時点を含む時系列気温情報、時系列湿度情報、時系列照度情報および時系列皮膚温度情報を有する学習データとの組を用いることによって、黒球温度推定部15の機械学習を行う。つまり、第3実施形態の黒球温度推定システム1は、各センサの入力データとして時間履歴を含むデータを用いる。
以下、本発明の黒球温度推定システム、暑さ指数推定システム、熱中症リスク推定システム、ウェアラブルデバイス、黒球温度推定方法およびプログラムの第4実施形態について説明する。
第4実施形態の黒球温度推定システム1は、後述する点を除き、上述した第3実施形態の黒球温度推定システム1と同様に構成されている。従って、第4実施形態の黒球温度推定システム1によれば、後述する点を除き、上述した第3実施形態の黒球温度推定システム1と同様の効果を奏することができる。
詳細には、第4実施形態の黒球温度推定システム1では、黒球温度推定部15が、第3実施形態の黒球温度推定システム1において学習部16による機械学習が行われた後の黒球温度推定部15と同等の機能を有する。
そのため、第4実施形態の黒球温度推定システム1においても、第3実施形態の黒球温度推定システム1と同様に、例えば実験などにおいて時系列気温情報、時系列湿度情報、時系列照度情報および時系列皮膚温度情報と黒球温度との関係を事前に得る必要なく、黒球温度を推定することができる。
図4に示す例では、暑さ指数推定システムAが、黒球温度推定システム1と、暑さ指数推定部A1とを備えている。暑さ指数推定部A1は、黒球温度推定システム1によって推定された黒球温度(Tg)と、乾球温度(Ta)と、湿球温度(Tw)と、上述した(1)式とに基づいて、暑さ指数(WBGT)[℃]を算出する。
詳細には、暑さ指数推定部A1が、温度センサ1Aによって検出された気温を乾球温度(Ta)として用いる。また、暑さ指数推定部A1は、温度センサ1Aによって検出された気温(乾球温度(Ta))と、湿度センサ1Bによって検出された湿度(相対湿度)と、公知の湿り空気線図とに基づいて、湿球温度(Tw)を算出する。湿り空気線図は、湿球温度、乾球温度、露点温度、相対/絶対湿度、エンタルピの関係を示す図である。
図5に示す例では、熱中症リスク推定システムBが、暑さ指数推定システムAと、熱中症リスク推定部B1とを備えている。熱中症リスク推定部B1は、暑さ指数推定システムAによって推定(算出)された暑さ指数(WBGT)[℃]に基づいて、熱中症リスク推定システムBの利用者(黒球温度推定システム1の利用者)が熱中症になるリスクを4段階に分類する。
熱中症リスク推定部B1は、暑さ指数推定システムAによって算出された暑さ指数(WBGT)が28[℃]以上31[℃]未満である場合に、熱中症リスク推定システムBの利用者が熱中症になるリスクを「厳重警戒」段階に分類する。
熱中症リスク推定部B1は、暑さ指数推定システムAによって算出された暑さ指数(WBGT)が25[℃]以上28[℃]未満である場合に、熱中症リスク推定システムBの利用者が熱中症になるリスクを「警戒」段階に分類する。
熱中症リスク推定部B1は、暑さ指数推定システムAによって算出された暑さ指数(WBGT)が25[℃]未満である場合に、熱中症リスク推定システムBの利用者が熱中症になるリスクを「注意」段階に分類する。
暑さ指数(WBGT)[℃]が高い状態は、熱中症リスク推定システムBの利用者が熱中症になりそうな状態に相当する。
図6に示す例では、機械学習の手法として、ニューラルネットワークが用いられる。
詳細には、図6に示す例では、学習データとして用いられる温度センサデータと湿度センサデータとが温湿度センサによって、例えば1minに1回、測定される。温湿度センサは、例えば黒球温度推定システム1の利用者の腕周りに配置される。
また、学習データとして用いられる照度センサデータが、例えば温度センサデータおよび湿度センサデータと同一タイミングで、照度センサによって測定される。照度センサは、例えば黒球温度推定システム1の利用者の腕周りに配置される。
更に、学習データとして用いられる皮膚温度センサデータが、例えば温度センサデータおよび湿度センサデータと同一タイミングで、皮膚温度センサによって測定される。皮膚温度センサは、例えば黒球温度推定システム1の利用者の腕周りに配置される。
また、黒球温度センサによって、教師データとしての黒球温度が、例えば温度センサデータおよび湿度センサデータと同一タイミングで測定される。黒球温度センサは、黒球温度推定システム1の利用者の腕周りに配置されなくてよい。
ニューラルネットワークの学習の結果、ニューラルネットワークは、黒球温度を推定できるようになる。
ニューラルネットワークにおいて推定された黒球温度を用いることにより、上述した暑さ指数推定システムAによって、暑さ指数(WBGT)[℃]を算出することができる。
また、その暑さ指数(WBGT)[℃]を用いることにより、上述した熱中症リスク推定部B1によって、4段階のリスク(危険度)の分類を行うことができる。
図8は図7に示す黒球温度の実測値と黒球温度の推定値とを比較した図である。図8の横軸は、図6に示すニューラルネットワークに入力された黒球温度の実測値[℃]を示しており、図8の縦軸は、図6に示すニューラルネットワークから出力された黒球温度の推定値[℃]を示している。
図7および図8に示す研究では、10時19分から11時16分までの間に1minに1回検出された温度センサデータ、湿度センサデータ、照度センサデータおよび皮膚温度センサデータから黒球温度推定部15により推定された黒球温度と、10時19分から11時16分までの間に1minに1回測定された黒球温度センサデータとの比較を行った。
黒球温度推定部15による例えば10時19分の時点の黒球温度の推定では、10時19分の時点における温度センサデータ、湿度センサデータ、照度センサデータおよび皮膚温度センサデータが使用された。また、黒球温度推定部15による例えば11時16分の時点の黒球温度の推定では、11時16分の時点における温度センサデータ、湿度センサデータ、照度センサデータおよび皮膚温度センサデータが使用された。
図7および図8に示す研究では、図7に示すように、黒球温度の実測値とほぼ一致する黒球温度の推定値を得ることができた。つまり、図6に示すニューラルネットワーク(第1実施形態の黒球温度推定システム1)では、黒球温度を高精度に推定することができた。また、図8に示すように、R2値として「0.9193」が得られた。
図9に示すように、暑さ指数の実測値が、熱中症リスクの「注意」段階(25[℃]未満)に相当する条件下では、図5に示す熱中症リスク推定システムBによる熱中症リスクの推定結果の正答率が、「1」(=100%)になった。
暑さ指数の実測値が、熱中症リスクの「警戒」段階(25[℃]以上28[℃]未満)に相当する条件下では、図5に示す熱中症リスク推定システムBによる熱中症リスクの推定結果の正答率が、「0.93」(=93%)になった。
暑さ指数の実測値が、熱中症リスクの「厳重警戒」段階(28[℃]以上31[℃]未満)に相当する条件下では、図5に示す熱中症リスク推定システムBによる熱中症リスクの推定結果の正答率が、「0.79」(=79%)になった。
暑さ指数の実測値が、熱中症リスクの「危険」段階(31[℃]以上)に相当する条件下では、図5に示す熱中症リスク推定システムBによる熱中症リスクの推定結果の正答率が、「0.95」(=95%)になった。
図5に示す熱中症リスク推定システムBによる熱中症リスクの推定結果の4段階の正答率平均は、「0.91」(=91%)になった。
つまり、暑さ指数(WBGT)[℃]の分類間隔(分類温度幅)が3[℃](25[℃]~28[℃]、28[℃]~31[℃])に設定された図9に示す研究では、暑さ指数の実測値を用いる必要なく、熱中症リスクを高精度に推定することができた。
図10に示す研究では、暑さ指数(WBGT)[℃]の分類間隔(分類温度幅)が3[℃]以外の場合(具体的には、分類温度幅が1[℃]の場合、分類温度幅が2[℃]の場合、および、分類温度幅が4[℃]の場合)においても、熱中症リスクを高精度に推定できることが確認できた。
Input
Affine(500)
BatchNormalization
Tanh
BatchNormalization
ReLU
Affine(100)
ReLU
Affine(1)
Abs
図11に示す例では、ウェアラブルデバイスCが、腕時計型熱中症リスク低減デバイスとして機能する。ウェアラブルデバイスCは、腕時計機能部C1と、第1または第3実施形態の黒球温度推定システム1とを備えている。
図11に示すAI(Artificial Intelligence)処理回路が、黒球温度推定システム1の黒球温度推定装置10として機能する。また、図11に示す温湿度センサは、温度センサ1Aの機能と湿度センサ1Bの機能とを有する。温度センサ1Aは、例えば黒球温度推定システム1の利用者の周囲の物体表面温度を検出する機能を有する。湿度センサ1Bは、例えばウェアラブルデバイスC付近の温湿度を検出する機能を有する。
図11に示す例では、温湿度センサ(温度センサ1A、湿度センサ1B)と照度センサ1Cと加速度センサとが、ウェアラブルデバイスCの表面側に配置され、環境センサとして機能する。照度センサ1Cは、例えばウェアラブルデバイスC付近の照度を検出する機能を有する。加速度センサは、例えばウェアラブルデバイスCの姿勢、運動状態などを検出する機能を有する。
脈拍センサと皮膚温度センサ1Dと発汗センサとは、ウェアラブルデバイスCの裏面側に配置され、生体センサとして機能する。皮膚温度センサ1Dとしては、例えば黒球温度推定システム1の利用者の皮膚の表面温度を検出する赤外線センサが用いられる。発汗センサは、例えば黒球温度推定システム1の利用者付近の温湿度を検出する機能を有する。
図11に示す電源は、AI処理回路(黒球温度推定装置10)と、温湿度センサ(温度センサ1A、湿度センサ1B)と、照度センサ1Cと、脈拍センサと、皮膚温度センサ1Dと、発汗センサと、加速度センサとに電力を供給する。
図11に示すウェアラブルデバイスCは、図4に示す暑さ指数推定システムAが有する機能、および、図5に示す熱中症リスク推定システムBが有する機能を有する。
図11に示す例では、ウェアラブル端末に搭載可能なセンサのみで暑さ指数が分かるので、個人個人の熱中症リスクを手軽に把握することができる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
Claims (9)
- 黒球温度を推定する黒球温度推定システムであって、
気温情報を取得する気温情報取得部と、
湿度情報を取得する湿度情報取得部と、
照度情報を取得する照度情報取得部と、
前記黒球温度推定システムの利用者の皮膚温度情報を取得する皮膚温度情報取得部と、
前記気温情報取得部によって取得された気温情報と、前記湿度情報取得部によって取得された湿度情報と、前記照度情報取得部によって取得された照度情報と、前記皮膚温度情報取得部によって取得された皮膚温度情報とに基づいて、黒球温度を推定する黒球温度推定部とを備える、
黒球温度推定システム。 - 既知の黒球温度を示す情報である教師データと、前記既知の黒球温度が得られた時点の気温情報、湿度情報、照度情報および皮膚温度情報を有する学習データとの組を用いることによって、前記黒球温度推定部の機械学習を行う学習部を更に備える、
請求項1に記載の黒球温度推定システム。 - 前記気温情報取得部は時系列気温情報を取得し、
前記湿度情報取得部は時系列湿度情報を取得し、
前記照度情報取得部は時系列照度情報を取得し、
前記皮膚温度情報取得部は時系列皮膚温度情報を取得し、
前記黒球温度推定部は、前記気温情報取得部によって取得された時系列気温情報と、前記湿度情報取得部によって取得された時系列湿度情報と、前記照度情報取得部によって取得された時系列照度情報と、前記皮膚温度情報取得部によって取得された時系列皮膚温度情報とに基づいて、黒球温度を推定する、
請求項1に記載の黒球温度推定システム。 - 既知の黒球温度を示す情報である教師データと、前記既知の黒球温度が得られた時点を含む時系列気温情報、時系列湿度情報、時系列照度情報および時系列皮膚温度情報を有する学習データとの組を用いることによって、前記黒球温度推定部の機械学習を行う学習部を更に備える、
請求項3に記載の黒球温度推定システム。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の黒球温度推定システムを備える暑さ指数推定システム。
- 請求項5に記載の暑さ指数推定システムを備える熱中症リスク推定システム。
- 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の黒球温度推定システムと、
気温を検出し、気温情報を出力する温度センサと、
湿度を検出し、湿度情報を出力する湿度センサと、
照度を検出し、照度情報を出力する照度センサと、
前記黒球温度推定システムの利用者の皮膚温度を検出し、皮膚温度情報を出力する皮膚温度センサとを備え、
前記黒球温度推定システムの利用者によって装着されるウェアラブルデバイス。 - 黒球温度推定システムによって黒球温度を推定する黒球温度推定方法であって、
気温情報を取得する気温情報取得ステップと、
湿度情報を取得する湿度情報取得ステップと、
照度情報を取得する照度情報取得ステップと、
前記黒球温度推定システムの利用者の皮膚温度情報を取得する皮膚温度情報取得ステップと、
前記気温情報取得ステップにおいて取得された気温情報と、前記湿度情報取得ステップにおいて取得された湿度情報と、前記照度情報取得ステップにおいて取得された照度情報と、前記皮膚温度情報取得ステップにおいて取得された皮膚温度情報とに基づいて、黒球温度を推定する黒球温度推定ステップとを備える、
黒球温度推定方法。 - 黒球温度推定システムに、
気温情報を取得する気温情報取得ステップと、
湿度情報を取得する湿度情報取得ステップと、
照度情報を取得する照度情報取得ステップと、
前記黒球温度推定システムの利用者の皮膚温度情報を取得する皮膚温度情報取得ステップと、
前記気温情報取得ステップにおいて取得された気温情報と、前記湿度情報取得ステップにおいて取得された湿度情報と、前記照度情報取得ステップにおいて取得された照度情報と、前記皮膚温度情報取得ステップにおいて取得された皮膚温度情報とに基づいて、黒球温度を推定する黒球温度推定ステップと
を実行させるためのプログラム。
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JP2019223038A Active JP7317685B2 (ja) | 2019-12-10 | 2019-12-10 | 黒球温度推定システム、暑さ指数推定システム、熱中症リスク推定システム、ウェアラブルデバイス、黒球温度推定方法およびプログラム |
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Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002130777A (ja) | 2000-10-23 | 2002-05-09 | Yamatake Building Systems Co Ltd | 空調システム |
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-
2019
- 2019-12-10 JP JP2019223038A patent/JP7317685B2/ja active Active
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岡田 牧 他,岡田・日下の黒球温度推定式の広域適用とパラメータ調整,日本ヒートアイランド学会論文集,2013年,Vol.8,pp.13-21 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021092441A (ja) | 2021-06-17 |
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