以下、本発明の毛髪化粧料用包装袋(以下、包装袋という)を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態の包装袋は、最内層としてポリオレフィン樹脂層、中間層として少なくともポリエステル樹脂層を含み、最外層としてポリエステル樹脂層又はナイロン樹脂層を有する。
最内層のポリオレフィン樹脂層を構成する樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等が挙げられる。さらにポリエチレンの具体例としては、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン等が挙げられる。これらのうち、一種のみが単独で使用されてもよいし、二種以上が組み合わされて使用されてもよい。これらの中で1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物を含む内容物の保存安定性、包装袋の安定性及び切裂き開封性等の使用感向上の観点からLLDPEが好ましく適用される。
ポリオレフィン層の厚みは、特に限定されないが、1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物を含む内容物の保存安定性、水蒸気透過性、使用感向上等の観点から好ましくは10~500μm、より好ましくは30~200μmである。
中間層は、少なくともポリエステル樹脂層を含み、好ましくはポリエステル樹脂層の外層側にアルミニウム層を含んで構成される。ポリエステル樹脂層を構成する樹脂の具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。これらのうち、一種のみが単独で使用されてもよいし、二種以上が組み合わされて使用されてもよい。これらの中で1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物を含む内容物の保存安定性、包装袋の安定性及び切裂き開封性等の使用感向上の観点からPETが好ましく適用される。
ポリエステル樹脂層は、その表層に無機蒸着が施されてもよい。無機蒸着が施される側は、包装袋の内層側及び外層側のいずれでもよい。無機蒸着の種類としては、外観特性、遮光性等の観点から公知のものを適宜採用することができるが、例えばアルミニウム、アルミニウムを主体にした合金、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム・珪素の複合体、酸化亜鉛等が挙げられる。これらのうち、一種のみが単独で使用されてもよいし、二種以上が組み合わされて使用されてもよい。これらのうち酸化ケイ素を用いた透明蒸着が切裂き開封性等の使用感に優れる観点から好ましく適用される。
ポリエステル樹脂層の厚みは、特に限定されないが、1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物を含む内容物の保存安定性、水蒸気透過性、切裂き開封性等の観点から好ましくは1~50μm、より好ましくは5~25μmである。
アルミニウム層は、水蒸気透過性、気密性、遮光性をより向上させる。また、包装袋の安定性及び切裂き開封性等の使用感をより向上させる。アルミニウム層の厚みは、特に限定されないが、水蒸気透過性及び気密性等の観点から好ましくは0.1~50μm、より好ましくは1~20μmである。
最外層は、ポリエステル樹脂層又はナイロン樹脂層が適用される。ポリエステル樹脂層を構成する樹脂の種類としては、中間層で用いられるポリエステル樹脂層と同様である。ナイロン樹脂層を構成する樹脂としては、公知のものを適宜採用することができる。これらの中で包装袋表面の印刷性、内容物を充填した包装袋の形状保持性(スタンディング性)に優れる観点からPETが適用されることが好ましい。
最外層の厚みは、特に限定されないが、1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物を含む内容物の保存安定性、切裂き開封性等の観点から好ましくは1~50μm、より好ましくは5~25μmである。
各層間の圧着シールは、公知の方法を適宜採用することができる。例えば各層を構成する樹脂の熱融着を介したシールであってもよいし、シール層(接着剤)を新たに形成することによりドライラミネートにより接着してもよい。
本実施形態の包装袋の形状・大きさは、特に限定されない。例えば上記のように作成された多層フィルム構造を有する樹脂シートを折り曲げ、開口部を設けた状態で端部を圧着シールすることにより袋状に成形される。毛髪化粧料を内部に充填した後、開口部を封鎖することにより包装袋が製造される。また、側面と底面を有するスタンディングパウチ構造を採用してもよい。かかる構成により、倒立保存することができ、より容易に保管することができる。
包装袋の最外層表面から最内層表面までの厚みは、耐久性、開封性、スタンディング性等を考慮し、適宜設定されるが、好ましくは12.1~650μm、より好ましくは41~270μmである。
包装袋の開封は、圧着シール部に形成された切込み等から切裂き開封するように構成してもよく、吐出口を有するスパウトを包装袋に取り付け、そこから取り出してもよい。スパウトは、例えば筒状部と、吐出口を密閉閉鎖する蓋体から構成し、蓋体が、筒状部と螺合により取り付けられ開閉を可能に構成してもよい。また、内容物を取り出すための手段として、スパウト以外にチャック構造等の再開封手段を採用してもよい。
包装袋に充填する内容物としては、1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物を含む毛髪化粧料であれば特に限定されない。1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物は、抗菌作用、抗酸化作用を有することが知られているため、かかる作用の発揮を目的として毛髪又は頭皮に適用される化粧料に適宜配合される。
1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の具体例として、例えば1-ヒドロキシ-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-6-メチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4,6-ジメチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-ヘプチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(1-エチルペンチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-ウンデシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-プロペニル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-オクテニル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,2-ジブチル-ビニル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(シクロヘキセニリデン-メチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-シクロヘキシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(メチル-シクロヘキシル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2-ビシクロ〔2,2,1〕ヘプチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-〔2-(ジメチルシクロヘキシル)-プロピル〕-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-メチル-フェニル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(3-メチル-フェニル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-第3ブチル-フェニル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(3-メチル-4-クロル-フェニル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(3,5-ジクロル-フェニル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(3-ブロム-4-クロル-フェニル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-メトキシスチリル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-〔1-(4-ニトロフェノキシ)-ブチル〕-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-シアノフェノキシメチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(フェニルスルホニルメチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-〔1-(4-クロルフェニルスルホニル)-ブチル〕-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-ベンジル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4-ジメチルベンジル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(第3ブチル-ベンジル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2-クロル-ベンジル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-クロルベンジル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,5-ジクロル-ベンジル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-ブロム-ベンジル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(フェノキシメチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(3-メチルフェノキシ-メチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-第2ブチルフェノキシ-メチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,5-トリクロルフェノキシ-メチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-ブロムフェノキシ-メチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-クロルフェニルメルカプト-メチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-メチルフェニルメルカプト-メチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2-ナフチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-ベンズヒドリル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-フリル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(フリルビニル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-スチリル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(フェニルブタジエニル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-フェニル-6-メチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4,6-ジフェニル-2-ピリドン、これらの塩等が挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
塩としては、有機塩基塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、2~4価の陽イオン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。有機塩基塩としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-メチル-ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノ-エタノール、2-アミノ-2-メチル-n-プロパノール、ジメチルアミノプロパノール、2-アミノ-2-メチル-プロパンジオール、トリ-イソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、モルホリン、ピペリジン、シクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ドデシルアミン、N,N-ジメチル-ドデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N-エチルベンジルアミン、ジメチルステアリルアミン、N-メチル-モルホリン、N-メチルピペラジン、4-メチルシクロヘキシルアミン、N-ヒドロキシエチル-モルホリン等の有機アミン塩等が挙げられる。
これらの中で抗菌作用、抗酸化作用に優れる観点から1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-ピリドンのエタノールアミン塩であるピロクトンオラミンが好ましく適用される。
毛髪化粧料中における1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の配合量は、特に限定されないが、上述した効能の発揮の観点、毛髪化粧料中における安定性の観点から0.001~5質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。
毛髪化粧料の剤型として、25℃における剤型が、例えば水溶液や乳液等の液状、ゲル状、クリーム状等が挙げられる。毛髪化粧料の用途としては、特に限定されず、毛髪洗浄剤組成物(シャンプー)、リンス、コンディショナー、トリートメント、永久染毛剤、半永久染毛料、セット剤、育毛剤、育毛シャンプー・リンス等が挙げられる。以下に、毛髪化粧料として、毛髪洗浄剤組成物に適用した一具体例を示す。
<毛髪洗浄剤組成物>
毛髪洗浄剤組成物は、1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の他、例えば界面活性剤、カチオン性ポリマー、可溶化剤を含有する。界面活性剤としては、公知の成分を適宜採用することができ、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
界面活性剤の配合量は、特に限定されるものではないが、毛髪洗浄剤組成物中において5~50質量%が好ましく、さらに好ましくは10~30質量%である。界面活性剤の配合量が5質量%以上の場合、洗浄性をより向上させる。一方、界面活性剤の配合量が50質量%以下の場合、適度な粘性を保ち、洗浄中の使用感をより向上させる。
界面活性剤として、洗浄性の向上の観点から、例えばアミノ酸型アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤を含有し、さらに使用性向上の観点からエーテル型非イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。
アミノ酸型アニオン性界面活性剤の具体例としては、例えばN-アシルアミノ酸型界面活性剤が挙げられる。N-アシルアミノ酸型界面活性剤は、飽和または不飽和のアシル基を有するアミノ酸の塩、及び同アミノ酸の類縁体の塩である。当該アミノ酸の具体例としては、例えばグルタミン酸、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、トリプトファン、バリン、セリン、N-メチルグリシン(サルコシン)、N-メチルアラニン等が挙げられる。当該アミノ酸の類縁体の具体例としては、例えば2-アミノエタンスルホン酸(タウリン)、N-メチルタウリン等が挙げられる。また、当該酸性アミノ酸及びその類縁体は、D体、L体、及びDL体のいずれであってもよい。
アニオン基の対イオンの具体例としては、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。N-アシルアミノ酸型界面活性剤の具体例としては、例えばココイルグルタミン酸トリエタノールアミン(ココイルグルタミン酸TEA)、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、パルミトイルプロリンナトリウム等が挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中で、好ましくはココイルグルタミン酸TEA、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウムである。
アミノ酸型アニオン性界面活性剤の配合量は、特に限定されるものではないが、毛髪洗浄剤組成物中において0.3~25質量%が好ましく、さらに好ましくは3~20質量%である。配合量が0.3質量%以上の場合、洗浄性をより向上させる。一方、配合量が25質量%以下の場合、適度な粘性を保ち、洗浄中の使用感をより向上させる。
両性界面活性剤の具体例としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
両性界面活性剤の配合量は、特に限定されるものではないが、毛髪洗浄剤組成物中において0.3~25質量%が好ましく、さらに好ましくは3~20質量%である。配合量が0.3質量%以上の場合、洗浄性をより向上させる。一方、配合量が25質量%以下の場合、適度な粘性を保ち、洗浄中の使用感をより向上させる。
エーテル型非イオン性界面活性剤は、1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物、アミノ酸型アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤を含有する毛髪洗浄剤組成物において、適度な粘度に安定化させる。それにより、毛髪洗浄剤組成物の包装袋が詰め替え用袋の場合、充填のしやすさ、移し変え操作、移し変え後の袋に付着した内容物残渣の低減等の袋の使用特性を向上させる。また、垂れ落ちしにくく、また泡立ちのスピードが速く、洗浄剤の使用感を向上させる。
エーテル型非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。より具体的には、ポリオキシエチレン(以下、POEという)セチルエーテル(セテス)、POEステアリルエーテル(ステアレス)、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル(オレス)、POEラウリルエーテル(ラウレス)、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、POEポリオキシプロピレンセチルエーテル、POEポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、POEセトステアリルヒドロキシミリスチレンエーテル(例えばセテアレス-60ミリスチルグリコール)等が挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中で好ましくはPOEセトステアリルヒドロキシミリスチレンエーテルである。
エーテル型非イオン性界面活性剤の配合量は、特に限定されるものではないが、毛髪洗浄剤組成物中において0.1~10質量%が好ましく、さらに好ましくは0.5~5質量%である。配合量が0.1質量%以上の場合、粘度安定性及び使用感をより向上させる。一方、配合量が10質量%以下の場合、適度な粘性を保ち、洗浄中の使用感をより向上させる。
その他の界面活性剤としては、上記以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び上記以外の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル、及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンの具体例としては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアミン等が挙げられる。より具体的には、アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えばPOEラウリルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる。アルキル硫酸塩の具体例として、例えばラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等が挙げられる。アルキル硫酸塩の誘導体の具体例として、例えばPOEラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。アルキルエーテルカルボン酸塩としては、例えばPOEラウリルエーテル酢酸ナトリウム(例えばラウレス-4カルボン酸ナトリウム)が挙げられる。スルホコハク酸エステルの具体例として、例えばスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等が挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、ベヘニルジメチルアミン、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリルジメチルアミン、パルミトキシプロピルジメチルアミン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。塩化アルキルトリメチルアンモニウムの具体例としては、例えば塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えば脂肪酸アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、アルキルグルコシド等が挙げられる。脂肪酸アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アルカノールアミド、ポリアルキレンオキサイド脂肪酸アルカノールアミド等が含まれる。脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、例えばラウリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド等が挙げられる。また、ポリアルキレンオキサイド脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、例えばPOEラウリン酸モノエタノールアミド、POEヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシプロピレンミリスチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシプロピレンヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド等が挙げられる。POEラウリン酸モノエタノールアミドの具体例としては、例えばPEG-3ラウラミド等が挙げられる。
エステル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばモノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEヤシ油脂肪酸グリセリン、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸POEソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル(ラウリン酸ポリグリセリル-10)、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、POE還元ラノリン等が挙げられる。POEヤシ油脂肪酸グリセリンの具体例としては、例えばヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル等が挙げられる。ジステアリン酸ポリエチレングリコールの具体例としては、例えばジステアリン酸PEG-150等が挙げられる。モノイソステアリン酸POEソルビタンの具体例としては、例えばイソステアリン酸PEG-20ソルビタン等が挙げられる。モノラウリン酸POEソルビタンの具体例としては、例えばラウリン酸PEG-80ソルビタン等が挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
アルキルグルコシドの具体例として、例えばアルキル(炭素数8~16)グルコシド、POEメチルグルコシド、POEジオレイン酸メチルグルコシド等が挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
カチオン性ポリマーは、上記成分と併用することにより、特にすすぎ時の感触及び仕上がり後の感触をより向上させる。したがって、毛髪洗浄剤組成物は、好ましくはカチオン性ポリマーを含有する。カチオン性ポリマーの具体例としては、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム、カチオン化キトサン、ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体、4級化ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
カチオン化セルロース誘導体の具体例としては、例えばヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる4級アンモニウム塩の重合体(ポリクオタニウム-10(INCI名称))、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド共重合体(ポリクオタニウム-4:例えばセルコートH-100、同L-200(アクゾノーベル社製))等が挙げられる。
カチオン化グアーガムの具体例としては、例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド等が挙げられる。カチオン化キトサンの具体例としては、例えばキトサンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド等が挙げられる。
ジアリル4級アンモニウム塩の重合体又は共重合体の具体例としては、例えばジメチルジアリルアンモニウムクロリド重合体(ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム)(ポリクオタニウム-6:例えばマーコート100(ルーヴリゾール社製))、アクリル酸アミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド共重合体(ポリクオタニウム-7)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体(ポリクオタニウム-22:例えばマーコート280(ルーヴリゾール社製))、アクリル酸/ジアリル第四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。
4級化ポリビニルピロリドンの具体例としては、例えばビニルピロリドンとメタクリル酸ジメチルアミノエチルの共重合体と硫酸ジエチルから得られる4級アンモニウム塩(ポリクオタニウム-11:例えばガフコート734、同755(アイエスピー・ジャパン社製))等が挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
これらの中で、仕上がり後の毛髪の感触向上効果に優れる観点から2種以上のカチオン性ポリマーを併用することが好ましく、より具体的には、カチオン化セルロース誘導体及びカチオン化グアーガムから選ばれるカチオン性ポリマーを併用することがより好ましい。
可溶化剤は、例えば、毛髪洗浄剤組成物を液状にする場合に配合される。使用される可溶化剤の例としては、例えば水及び有機溶媒(溶剤)が挙げられる。有機溶媒の具体例としては、例えばエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ-フェニルプロピルアルコール、ケイ皮アルコール、アニスアルコール、p-メチルベンジルアルコール、α-ジメチルフェネチルアルコール、α-フェニルエタノール、エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、フェノキシイソプロパノール、2-ベンジルオキシエタノール、N-アルキルピロリドン、炭酸アルキレン、アルキルエーテル等が挙げられる。これらの可溶化剤のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの中で、毛髪洗浄剤組成物中のその他の成分を溶解する能力に優れることから水が好ましく適用される。溶媒として水が用いられる場合、毛髪洗浄剤組成物中における水の含有量(使用時の含有量)は、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上である。
毛髪洗浄剤組成物は、必要に応じて、前述した成分以外の成分、例えば上記以外の水溶性ポリマー、油性成分、多価アルコール、pH調整剤、糖、防腐剤、安定剤、動植物又は微生物の抽出物、生薬抽出物、ビタミン、香料、酸化防止剤、キレート化剤、アミノ酸、紫外線吸収剤、無機塩、酸性染料、染毛色材、痒み抑制剤、冷感剤、保湿剤、毛髪保護剤等をさらに含有してもよい。
上記以外の水溶性ポリマーは、毛髪洗浄剤組成物に適度な粘度を与える。そのため、毛髪洗浄剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において水溶性ポリマーを含有してもよい。水溶性ポリマーとしては、例えば天然高分子、半合成高分子、合成高分子、及び無機物型高分子が挙げられる。天然高分子の具体例としては、例えばデンプン、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、デキストリン、トリグルコ多糖(プルラン)等が挙げられる。
半合成高分子の具体例としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプンリン酸エステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩等が挙げられる。
合成高分子の具体例としては、例えばトリイソステアリン酸PEG-120メチルグルコース、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-酢酸ビニル(VP/VA)共重合、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキル共重合体、イタコン酸とPOEアルキルエーテルとの半エステル、又はメタクリル酸とPOEアルキルエーテルとのエステルと、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのアルキルエステルから選ばれる少なくとも一つの単量体と、からなる共重合体、(メタクリロイルエチルジメチルベタイン/塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム/メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール)共重合体(ポリクオタニウム-49)が挙げられる。これらの水溶性ポリマーのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
上記以外の油性成分は、毛髪にうるおい感を付与する。そのため、毛髪洗浄剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において油性成分を含有してもよい。油性成分としては、例えば油脂、ロウ類、炭化水素、エステル油、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、シリコーン等が挙げられる。
油脂の具体例としては、例えばアルガニアスピノサ核油、オリーブ油(オリブ油)、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油、杏仁油、パーシック油、桃仁油、パーム油、卵黄油等が挙げられる。ロウ類の具体例としては、例えばラノリン、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油等が挙げられる。炭化水素の具体例としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、合成スクワラン等が挙げられる。
エステル油の具体例としては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2-エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10~30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、2-エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油等が挙げられる。
高級アルコールの具体例としては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2-ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2-オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
高級脂肪酸の具体例としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルの具体例としては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
シリコーンの具体例としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。これらの油性成分のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
多価アルコールとしては、例えばグリコール、グリセリン等が挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール(BG)等が挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールのうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
pH調整剤は、毛髪洗浄剤組成物のpHを調整するために配合してもよい。pH調整剤としては、無機酸、有機酸、それらの塩等が挙げられる。無機酸の具体例としては、例えばリン酸、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸等が挙げられる。さらにリン酸の具体例としては、例えばオルトリン酸、ポリリン酸、ピロリン酸、メタリン酸等が含まれる。有機酸の具体例としては、例えばクエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルコン酸、グルクロン酸、安息香酸等が挙げられる。有機酸塩の具体例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。糖の具体例としては、例えばグルコース、ガラクトース等の単糖、マルトース、スクロース、フルクトース、トレハロース等の二糖、ソルビトール等の糖アルコール等が挙げられる。防腐剤の具体例としては、例えばパラベン、メチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。安定剤の具体例としては、例えばフェナセチン、8-ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等が挙げられる。動植物又は微生物の抽出物の具体例としては、例えばサピンヅストリホリアツス果実エキス、加水分解酵母エキス等が挙げられる。酸化防止剤の具体例としては、例えばアスコルビン酸類及び亜硫酸塩等が挙げられる。キレート化剤の具体例としては、例えばエデト酸(エチレンジアミン四酢酸(EDTA))、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸及びその塩類、並びにヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩類等が挙げられる。アミノ酸の具体例としては、例えばトレオニン、アルギニン、テアニン、タウリン等が挙げられる。無機塩として、例えば塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。痒み抑制剤としては、サリチル酸、その誘導体等が挙げられる。冷感剤としては、例えばl-メントール等が挙げられる。保湿剤としては、例えばローズ水等が挙げられる。毛髪保護剤としては、例えばアデノシン3リン酸2ナトリウム等が挙げられる。上述したその他の成分のうち一種のみを使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の包装袋は、最内層としてポリオレフィン樹脂層、中間層にポリエステル樹脂層を含み、最外層としてポリエステル樹脂層又はナイロン樹脂層を有する。したがって、1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物を含む毛髪化粧料を充填包装した場合、1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の保存安定性を向上することができる。
また、包装袋の安定性、例えばフィルム間の剥がれ防止、及び切裂き開封性等の使用感を向上することができる。
(2)本実施形態の包装袋において、中間層としてポリエステル樹脂層の外層側にさらにアルミニウム層を有する場合、水蒸気透過性、気密性をより向上させる。また、包装袋の安定性、例えばフィルム間の剥がれ防止、及び切裂き開封性等の使用感をより向上させる。
(3)本実施形態の包装袋において、中間層のポリエステル樹脂層に無機蒸着が施されている場合、包装袋の安定性及び切裂き開封性等の使用感をより向上させる。
(4)本実施形態の包装袋において、最外層がポリエステル樹脂層である場合、1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の保存安定性をより向上することができる。また、包装袋の表面印刷性、包装袋の形状保持性(スタンディング性)を向上させる。
(5)本実施形態の包装袋において、内容物として充填する毛髪化粧料が、アミノ酸型アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びエーテル型非イオン性界面活性剤を含有する場合、粘度安定性を向上させる。エーテル型非イオン性界面活性剤は、1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物、アミノ酸型アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤を含有する毛髪洗浄剤組成物において、粘度を適度な粘度に安定化させる。それにより、毛髪洗浄剤組成物の包装袋が詰め替え用袋の場合、充填のしやすさ、移し変え操作、移し変え後の袋に付着した内容物残渣の低減等の袋の使用特性を向上させる。また、垂れ落ちしにくく、また泡立ちのスピードが速く、洗浄剤の使用感を向上させる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、最外層から順にポリエステル樹脂層若しくはナイロン樹脂層/ポリエステル樹脂層/ポリオレフィン樹脂層、又は最外層から順にポリエステル樹脂層若しくはナイロン樹脂層/アルミニウム層/ポリエステル樹脂層/ポリオレフィン樹脂層を配して構成した。本発明の効果を阻害しない範囲内において、強度、気密性等を向上させる観点から、各層の間にさらに別の樹脂層、例えばポリエステル、ナイロン(NY)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、セロハン等を配して構成してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。尚、本発明は、実施例欄記載の構成に限定されるものではない。尚、以下実施例2,3は、参考例2,3に置き換えるものとする。
<試験例1:包装袋の1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物安定性等の試験>
各例の包装袋を作成し、1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物を含有する毛髪化粧料を充填した際の1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の保存安定性等について評価した。
まず、表1に示す各成分を含有する、毛髪化粧料としての毛髪洗浄剤組成物(処方例1)を調製した。なお、表1における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。
(実施例1)
最外層としてPET樹脂層(厚さ12μm)、中間層としてアルミニウム層(厚さ7μm)/PET樹脂層(厚さ12μm)、最内層としてLLDPE樹脂層(厚さ100μm)を積層し、外層側からPET樹脂層/アルミニウム層/PET樹脂層/LLDPE樹脂層の多層フィルム構造を有する樹脂シートを得た。なお、各層はドライラミネートにより貼り合わせた。得られた樹脂シートを半分に折り曲げ、開口部を設けた状態で端部を圧着シールすることにより袋状に成形した。袋の内部に上述した毛髪洗浄剤組成物を充填した後、開口部を熱圧着により封鎖することにより、毛髪洗浄剤組成物を充填した実施例1の包装袋を製造した。
(実施例2)
最外層としてナイロン樹脂層(厚さ15μm)、中間層としてアルミニウム蒸着PET樹脂層(厚さ12μm)、最内層としてLLDPE樹脂層(厚さ120μm)を積層し、外層側からナイロン樹脂層/アルミニウム蒸着/PET樹脂層/LLDPE樹脂層の多層フィルム構造を有する樹脂シートを得た。なお、各層はドライラミネートにより貼り合わせた。実施例1と同様の方法にて、毛髪洗浄剤組成物を充填した実施例2の包装袋を製造した。
(実施例3)
最外層としてPET樹脂層(厚さ12μm)、中間層としてシリカ蒸着(透明蒸着)PET樹脂層(厚さ12μm)、ナイロン樹脂層(厚さ15μm)、最内層としてLLDPE樹脂層(厚さ130μm)を積層し、外層側からPET樹脂層/シリカ蒸着/PET樹脂層/ナイロン樹脂層/LLDPE樹脂層の多層フィルム構造を有する樹脂シートを得た。なお、各層はドライラミネートにより貼り合わせた。実施例1と同様の方法にて、毛髪洗浄剤組成物を充填した実施例3の包装袋を製造した。
(参考例1)
参考例として、厚さ1500μmのPET容器に、上記毛髪洗浄剤組成物を充填した。
(比較例1)
最外層としてPET樹脂層(厚さ12μm)、中間層としてアルミニウム層(厚さ7μm)、ナイロン樹脂層(厚さ15μm)、最内層としてLLDPE樹脂層(厚さ100μm)を積層し、外層側からPET樹脂層/アルミニウム層/ナイロン樹脂層/LLDPE樹脂層の多層フィルム構造を有する樹脂シートを得た。なお、各層はドライラミネートにより貼り合わせた。実施例1と同様の方法にて、毛髪洗浄剤組成物を充填した比較例1の包装袋を製造した。
(比較例2)
最外層としてPET樹脂層(厚さ12μm)、中間層としてアルミニウム層(厚さ7μm)、最内層としてLLDPE樹脂層(厚さ100μm)を積層し、外層側からPET樹脂層/アルミニウム層/LLDPE樹脂層の多層フィルム構造を有する樹脂シートを得た。なお、各層はドライラミネートにより貼り合わせた。実施例1と同様の方法にて、毛髪洗浄剤組成物を充填した比較例2の包装袋を製造した。
(1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の安定性)
各例の包装袋を40℃、相対湿度75%の環境下で6ヶ月間保存した。保存期間経過後の包装袋について、圧着シールの一部に切り込みを入れ、該切り込み部より手で切裂きながら開封し、内容物を取り出した。
内容物として充填された毛髪洗浄剤組成物中における1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の安定性は、ピロクトンオラミン残量(質量%)を測定することにより評価した。ピロクトンオラミンの濃度は、HPLCを使用し、標準品より得られる検量線により求めた。ピロクトンオラミンの残量が95%以上の場合を優れる:◎、90%以上且つ95%未満の場合を可:○、90%未満の場合を不良:×として評価した。結果を表2に示す。
(包装袋の安定性)
上記の1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の安定性の評価において、保存期間経過後の包装袋の外観を観察した。包装袋の多層フィルム構造が剥離しておらず、ラミネート強度の変化が認められるが実使用上問題ない場合を優れる:◎、フィルム間の剥離が認められるものを不良:×として評価した。結果を表2に示す。
(切裂き開封性)
上記の1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の安定性の評価において、切り込み部より手で切裂きながら開封する際の開封性について次の基準により評価した。
手で切り裂く途中で留まることなく最後まで難なく開封できる場合を優れる:◎、開封の途中でやや力を要するが最後まで開封できる場合を可:○、開封の途中で手で切り裂くことが出来なくなる場合を不良:×として評価した。結果を表2に示す。
(水蒸気透過性)
上記の1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の安定性の評価において、保存期間経過後、内容物が充填された包装袋の質量を測定した。保存期間経過前の内容物が充填された包装袋の質量と比較し、内容物の残量(質量%)を求めた。内容物の残量が99%以上の場合を優れる:◎、90%以上且つ99%未満の場合を可:○、90%未満の場合を不良:×として評価した。結果を表2に示す。
表2に示されるように、各実施例の包装袋は、保存期間経過後の1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の安定性に問題ないことが確認された。一方、比較例1,2の包装袋は、1-ヒドロキシ-2-ピリドン型化合物の安定性が得られないことが確認された。また、特にアルミニウム層とナイロン樹脂層の間のラミネートの剥がれが認められ、包装袋の耐久性が得られなかった。実施例1の中間層としてアルミニウム層を有する場合、水蒸気透過性に優れることが確認された。中間層としてアルミニウム層又は透明蒸着PET樹脂層を有する実施例1,3は、アルミニウム蒸着PET樹脂層を有する実施例2よりも切裂き開封性に優れることが確認された。