[0030]理解しやすくするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照符号が使用されている。ある実装形態の要素及び特徴は、特に記載がなくとも、他の実装形態に有利に組み込み可能なことが意図されている。
[0031]以下の開示は、上に形成された保護膜を有する電極と、上記の保護膜及び電極を含む、一次及び二次電気化学デバイスなどの高性能電気化学デバイスと、それを製造するための方法を記載する。本開示の様々な実装形態を完全に理解させるため、特定の詳細が以下の明細書の記載及び図1~6で提示される。多くの場合、電気化学セル及びバッテリに関連する周知の構造及びシステムを記述する他の詳細は、様々な実装の記述が無用に曖昧にならないように、以下の開示に記述されている。
[0032]図に示した詳細、寸法、角度及び他の特徴の多くは、特定の実装の例示にすぎない。したがって、他の実装は、本開示の本質及び範囲から逸脱することなく、他の詳細、構成要素、寸法、角度を有しうる。加えて、さらに本開示の実装は、以下で説明される幾つかの詳細なしでも実行されうる。
[0033]本明細書に記載されたいくつかの実装形態は、TopMetTM、SMARTWEB(商標)、TOPBEAMTMなどのリールツーリールコーティングシステムを参照して以下で説明される。これらすべては、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.から入手可能である。気相堆積プロセス(例えば、物理的気相堆積(PVD)プロセス、化学気相堆積(CVD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセス)を実施することができる他のツールも、本明細書に記載される実装形態から利益を得るよう適合され得る。さらに、本明細書に記載された気相堆積プロセスを可能にする任意のシステムを有利に使用することができる。本明細書に記載された装置の説明は例示的なものであり、本明細書に記載された実装形態の範囲を制限するものとして理解又は解釈するべきではない。ここではリールツーリールプロセスとして説明されているが、本明細書に記載された実装形態は、別個の基板上で実施することができることも理解されたい。
[0034]本明細書に記載されるように、フレキシブル基板は、とりわけ、膜、ホイル、ウェブ、プラスチック材料のストリップ、金属、紙、又は他の材料を含むと考えることができる。典型的には、「ウェブ」、「ホイル」、「ストリップ」、「基板」などの用語は、同義的に使用される。
[0035]いくつかの実装形態では、本明細書に記載される保護膜は、Liイオンバッテリ又は固体バッテリなどのエネルギー貯蔵デバイスと共に使用される。Liイオンバッテリは、典型的には、正極(例えば、カソード)と、液体電解質を含むポリマーセパレータによって分離された負極とを含む。固体バッテリは、典型的には、正極(例えばカソード)と負極(例えばアノード)を含むが、ポリマーセパレータと液体電解質の両方をイオン伝導性材料に置き換える。
[0036]本明細書に記載されるように、LTOは、一般的に、スピネル構造を有する任意のリチウムチタンベースの酸化物(例えば、Li4Ti5O12)を指す。このため、LTO材料は、一般的に、リチウム、チタン、及び酸素を含み、特定の実施態様では、他のドーパント原子も含み得る。
[0037]本明細書に記載されるように、リチウム化LTOは、一般的に、リチウム化を施された任意のリチウムチタンベースの酸化物(例えば、Li7Ti5O12、Li9Ti5O12)を指す。このため、LTO材料は、一般的に、リチウム、チタン、及び酸素を含み、特定の実施態様では、他のドーパント原子も含み得る。
[0038]Liイオンバッテリは、現世代のモバイルデバイス、マイクロエレクトロニクス、及び電気自動車の開発に非常に貢献してきた。現在のLiイオンバッテリは、約650Wh/lの範囲のエネルギー密度を有する。372mAh/gでの現在アノード(例えばグラファイト)の理論比容量は、バッテリのエネルギー密度を高めることを制限する。一方、Li金属アノードは、3860mAh/g(グラファイトの約10倍)の理論比容量を提供し、シリコンアノードは4200mAh/g(グラファイトの約12倍)を提供する。よって、1,000Wh/lより高いエネルギー密度を達成するために、Li金属アノード又はシリコングラファイトアノードなどの高い比容量の電極が必要である。
[0039]Li金属アノード及びシリコンアノードは、バッテリサイクル中の体積変化、電解質との反応性による固体電解質中間相(SEI)の形成から生じる課題に直面している。形成されたSEI層は、Liイオンに対するバリア層として作用し、アノードの動態に悪影響を及ぼす。SEI層は静的ではない。結果として、サイクルが繰り返されると、SEI層は部分的に枯渇して再形成され、非効率が継続する。典型的なLiイオンバッテリでは、正極は、2つの電極の比容量が低くなる(典型的には、アノードの約50%)。カソードはセル内のリチウム源として作用するため、アノードでのSEI形成中に失われるリチウムは、容量の小さい電極によって供給され、よってエネルギー密度に悪影響を及ぼす。
[0040]リチウムアノードの一つの問題は、バッテリ充電中のデンドライトの形成である。サイクル中、新しいリチウム表面が、リチウムアノード上で繰り返し形成され、枯渇する。この繰り返される形成と枯渇によって、堆積とその後の枯渇のたびに非効率的なSEI層が形成される。SEIに基づく非効率性に加えて、カソードまで成長するデンドライトが熱暴走を引き起こし、Li金属バッテリの安全性を悩ませてきた。上記のいずれの場合でも、安定した(化学的及び構造的に)伝導層の形成は、アノードに大きな利益をもたらすことになる。これまで、アプローチは、2つのオプションのいずれかを利用することに焦点を当ててきた。1つのアプローチでは、セラミック/イオン伝導剛性層が、デンドライトの成長及びSEIの形成の可能性を防止する。このアプローチは、Al2O3などのさまざまなセラミック層でも試みられてきた。別のアプローチでは、電子伝導層がアノード層における電子伝導性を促進する。しかしながら、主に単一の伝導層を使用することにより、全体的なセル抵抗が増加する。
[0041]本明細書に記載される実装形態を使用することにより、下流のリールの巻き取り及び巻き出し中に、片面又は両面のいずれかの堆積リチウム金属が保護され得る。本明細書に記載されるような一又は複数の薄い保護膜の堆積は、いくつかの利点を有する。第1に、いくつかの実装形態では、本明細書に記載される一又は複数の保護膜は、輸送、取り扱い、及び保管に適切な表面保護を提供するだけでなく、デバイス統合中のリチウムの表面反応を回避する。第2に、いくつかの実装形態では、本明細書に記載される一又は複数の保護膜は、リチウムイオンと互換性があり、イオンのインピーダンスを減少させて保護膜全体を移動する。第3に、いくつかの実装形態では、本明細書に記載される一又は複数の保護膜は、混合伝導材料である。混合伝導材料は、電子伝導性及びイオン伝導性の両方であり、よって、形成されたエネルギー貯蔵デバイスに組み込まれ得る。第4に、いくつかの実装形態では、本明細書に記載される一又は複数の保護膜は、特に高電流密度の動作での、リチウムデンドライトを抑制又は排除するのに役立つ。第5に、いくつかの実装形態では、本明細書に記載される保護膜の使用は、製造システムの複雑さを減少させ、現在の製造システムと互換性がある。
[0042]いくつかの実装形態では、保護膜は、リチウム遷移金属ジカルコゲナイド、リチウム化LTO(例えば、Li7Ti5O12、Li9Ti5O12)、又はそれらの組み合わせから選択される材料を含む。リチウム遷移金属ジカルコゲナイドは、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み得る。ここで、Mは、Ti、Mo、又はWから選択され、Xは、S、Se、又はTeから選択される。一例では、遷移金属ジカルコゲナイドは、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される。別の例では、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドは、リチウムチタンジスルフィド(例えばLiTiS2)、リチウムタングステンジスルフィド(例えばLiWS2)、リチウムモリブデンジスルフィド(例えばLiMoS2)、又はそれらの組み合わせから選択される。
[0043]いくつかの実装形態では、保護膜は単層膜である。他の実装形態では、保護膜は、二重層保護膜スタックなどの複数の層を含む。保護膜スタックは、少なくとも第1の保護膜と、第1の保護膜上に形成された第2の保護膜とを含む。一例では、第1の保護膜は、リチウム化LTO(例えば、Li7Ti5O12、Li9Ti5O12)を含み、第2の保護膜は、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含む。別の例では、第1の保護膜は、リチウム化LTO(例えば、Li7Ti5O12、Li9Ti5O12)を含み、第2の保護膜は、リチウムチタンジスルフィドを含む。いくつかの実装形態では、保護膜は、100ナノメートル以下の厚さを有する。
[0044]いくつかの実装形態では、保護膜は、負極構造体上に形成される。一例では、負極構造体は、リチウム金属膜である。別の例では、負極構造体は、シリコン膜である。別の例では、負極構造体は、グラファイト含有膜である。別の例では、負極構造体は、シリコングラファイト膜である。
[0045]いくつかの実装形態では、保護膜は、物理的気相堆積(PVD)プロセスを使用して、負極構造体上にシード層、LTO(例えばLi4Ti5O12)を堆積することにより形成される。シード層は、その後、リチウム金属膜との接触時に、又はシリコン及び/又はグラファイト膜のリチウム化中のいずれかに、リチウム化LTO(例えば、Li7Ti5O12、Li9Ti5O12)に還元される。
[0046]いくつかの実装形態では、保護膜は、目標の保護膜の厚さに基づいて、目標のサイクル数の間、前駆体を反応させることによって、原子層堆積(ALD)を介して堆積される。一例では、LiTiS2、TiS2は、TiCl4及びH2Sを使用してALDプロセスを介して堆積される。
[0047]理論に縛られるものではないが、そのような電気化学的に活性な層を採用することは、流入するイオンをデンドライト成長が問題となる電圧よりも高い表面電位に曝すLi/Siアノードの上方のインターフェースを提供すると考えられている。さらに、本開示で利用される材料はまた、材料がシステムに速度論的制限を導入しないように、アノードとしてのそれらの用途において急速充電/放電することができる。
[0048]図1は、本明細書に記載の実装形態によって形成された一又は複数の保護膜180を有するアノード電極構造体を組み込むエネルギー貯蔵デバイス100の一実装形態の概略断面図を示す。いくつかの実装形態では、エネルギー貯蔵デバイス100は、固体エネルギー貯蔵デバイス又はリチウムイオンベースのエネルギー貯蔵デバイスである。エネルギー貯蔵デバイス100は、図1では平面構造体として示されているが、層のスタックを巻回することによって円筒形に形成得る。さらに、他のセル構成(例えば、プリズムセル、ボタンセル、又はスタック電極セル)も形成され得る。エネルギー貯蔵デバイス100は、アノード電極構造体110と、カソード電極構造体120とを含み、それらの間には固体電解質膜130が位置決めされている。いくつかの実装形態では、エネルギー貯蔵デバイス100がLiイオンエネルギー貯蔵デバイスである場合、固体電解質膜130は、ポリマーセパレータ及び液体電解質と置き換えられる。カソード電極構造体120は、カソード電流コレクタ140とカソード膜150とを含む。アノード電極構造体110は、アノード電流コレクタ160と、アノード膜170と、一又は複数の保護膜180とを含む。
[0049]カソード電極構造体120は、カソード電流コレクタ140を含み、カソード膜150が、カソード電流コレクタ140上に形成されている。カソード電極構造体120は他の要素又は膜を含み得ることを理解されたい。
[0050]カソード膜150及びアノード膜170上の電流コレクタ140、160はそれぞれ、同一の電子伝導体であっても異なる電子伝導体であってもよい。いくつかの実装形態では、電流コレクタ140、160のうちの少なくとも一つは、フレキシブル基板である。一例では、フレキシブル基板は、CPP膜(すなわち、鋳造ポリプロピレン膜)、OPP膜(すなわち、配向ポリプロピレン膜)、又はPET膜(すなわち、配向ポリエチレンテレフタレート膜)である。あるいは、フレキシブル基板は、プレコート紙、ポリプロピレン(PP)膜、PEN膜、ポリラクターゼアセテート(PLA)膜、又はPVC膜であり得る。電流コレクタ140、160を構成し得る金属の例には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、ステンレス鋼、クラッド材、それらの合金、及びそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実装形態では、電流コレクタ140、160のうちの少なくとも一つは、穿孔している。いくつかの実装形態では、電流コレクタ140、160のうちの少なくとも一つは、ポリマー基板(例えば、金属材料でコーティングされたポリエチレンテレフタレート(「PET」))を含む。一例では、アノード電流コレクタ160は、銅でコーティングされたポリマー基板(例えばPET膜)である。いくつかの実装形態では、アノード電流コレクタ160は、ポリマー基板上の複数金属層である。複数金属層は、銅、クロム、ニッケルなどの組み合わせであり得る。いくつかの実装形態では、アノード電流コレクタ160は、銅ニッケルクラッド材を含む複層構造体である。一例では、複層構造体は、ニッケル又はクロムの第1の層と、第1の層上に形成された銅の第2の層と、第2の層上に形成された、ニッケル、クロム、又はその両方を含む第3の層とを含む。別の例では、アノード電流コレクタ160は、ニッケルでコーティングされた銅である。さらに、電流コレクタは、任意のフォームファクタ(例えば、金属ホイル、シート、又はプレート)、形状、及びミクロ/マクロ構造のものであってもよい。
[0051]概して、プリズムセルでは、タブは、電流コレクタと同じ材料で形成されており、スタックの製造中に形成され得るか、又は後で付加され得る。いくつかの実装形態では、電流コレクタは、スタックを越えて延び、スタックを越えて延びている電流コレクタの一部はタブとして使用され得る。一例では、カソード電流コレクタ140はアルミニウムである。別の例では、カソード電流コレクタ140は、ポリマー基板(例えば、PET膜)上に堆積されたアルミニウムを含む。いくつかの実装形態では、カソード電流コレクタ140は、50μm未満、より具体的には5μm、さらにより具体的には2μmの厚さを有する。いくつかの実装形態では、カソード電流コレクタ140は、約0.5μmから約20μm(例えば、約1μmから約10μm;約2μmから約8μm;又は約5μmから約10μm)の厚さを有する。一例では、アノード電流コレクタ160は銅である。別の例では、アノード電流コレクタ160はステンレス鋼である。いくつかの実装形態では、アノード電流コレクタ160は、50μm未満、より具体的には5μm、さらにより具体的には2μmの厚さを有する。一例では、アノード電流コレクタ160は、約0.5μmから約20μm(例えば、約1μmから約10μm;約2μmから約8μm;約6μmから約12μm;又は約5μmから約10μm)の厚さを有する。
[0052]カソード膜150又はカソードは、アノードと互換性がある任意の材料であってもよく、層間化合物、挿入化合物、又は電気化学的に活性なポリマーを含み得る。適切な層間材料には、例えば、リチウム含有金属酸化物、MoS2、FeS2、BiF3、Fe2OF4、MnO2、TiS2、NbSe3、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、V6O13及びV2O5が含まれる。適切なポリマーは、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、及びポリチオフェンを含む。いくつかの実装形態では、カソード膜150又はカソードは、コバルト酸リチウムなどの層状酸化物、リン酸鉄リチウムなどのカンラン石、又はリチウムマンガン酸化物などのスピネルから作製される。適切なリチウム含有酸化物は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)のように層状になっていてもよく、又は、LiNixCo1-2xMnO2、LiNiMnCoO2(「NMC」)、LiNi0.5Mn1.5O4、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O2、LiMn2O4のように混合金属酸化物であってもよく、又はドープされたリチウムリッチ層状材料であってもよく、ここで、xは、ゼロ又は非ゼロの数である。適切なリチウム含有ホスフェートは、鉄カンラン石(LiFePO4)又はその変種(例えば、LiFe(1-x)MgxPO4)、LiMoPO4、LiCoPO4、LiNiPO4、Li3V2(PO4)3、LiVOPO4、LiMP2O7、又はLiFe1.5P2O7であってもよく、ここで、xは、ゼロ又は非ゼロの数である。適切なリチウム含有フルオロホスフェートは、LiVPO4F、LiAlPO4F、Li5V(PO4)2F2、Li5Cr(PO4)2F2、Li2CoPO4F、又はLi2NiPO4Fであり得る。適切なリチウム含有ケイ酸塩は、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4、又はLi2VOSiO4であり得る。適切な非リチウム化合物の一例は、Na5V2(PO4)2F3である。
[0053]アノード膜170は、カソード膜150と互換性がある任意の材料であり得る。いくつかの実装形態では、アノード膜170は、372mAh/g以上、好ましくは≧700mAh/g、最も好ましくは≧1000mAh/gのエネルギー容量を有する。いくつかの実装形態では、アノード膜170は、グラファイト、シリコン含有グラファイト、リチウム金属、リチウム金属ホイル又はリチウム合金ホイル(例えばリチウムアルミニウム合金)、又はリチウム金属及び/又はリチウム合金とカーボン(例えば、コーク、グラファイト)、ニッケル、銅、スズ、インジウム、シリコン、それらの酸化物、若しくはそれらの組み合わせなどの材料との混合物から構成される。いくつかの実装形態では、アノード膜170は、リチウムを含有する層間化合物又はリチウムを含有する挿入化合物を含む。一例では、アノード膜170はリチウム金属膜である。リチウム金属膜は、本明細書に記載される方法を使用して堆積され得る。
[0054]いくつかの実装形態では、アノード膜170は、約10μmから約200μm(例えば、約1μmから約100μm;約10μmから約30μm;約20μmから約30μm;約1μmから約20μm;又は約50μmから約100μm)の厚さを有する。
[0055]いくつかの実装形態では、一又は複数の保護膜180は、アノード膜170上に形成される。いくつかの実装形態では、保護膜180は、リチウム遷移金属ジカルコゲナイド、リチウム化LTO(例えば、Li7Ti5O12、Li9Ti5O12)、又はそれらの組み合わせから選択される材料を含む。いくつかの実装形態では、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドは、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、ここで、Mは、Ti、Mo、又はWから選択され、Xは、S、Se、又はTeから選択される。一例では、遷移金属ジカルコゲナイドは、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される。一例では、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドは、リチウムチタンジスルフィド(例えばLiTiS2)、リチウムタングステンジスルフィド(例えばLiWS2)、リチウムモリブデンジスルフィド(例えばLiMoS2)、又はそれらの組み合わせから選択される。
[0056]いくつかの実装形態では、保護膜180は単層膜である。他の実装形態では、保護膜は、二重層保護膜スタックなどの複数の層を含む。保護膜スタックは、少なくとも第1の保護膜と、第1の保護膜上に形成された第2の保護膜とを含む。一例では、第1の保護膜は、リチウム化LTO(例えば、Li7Ti5O12、Li9Ti5O12)を含み、第2の保護膜は、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含む。別の例では、第1の保護膜は、リチウム化LTO(例えば、Li7Ti5O12、Li9Ti5O12)を含み、第2の保護膜は、リチウムチタンジスルフィドを含む。いくつかの実装形態では、保護膜は、100ナノメートル以下の厚さを有する。
[0057]いくつかの実装形態では、一又は複数の保護膜180は、混合伝導材料である。混合伝導材料は、電子伝導性及びイオン伝導性の両方であり、よって、形成されたエネルギー貯蔵デバイスに組み込まれ得る。いくつかの実装形態では、一又は複数の保護膜180は、イオン電導膜である。一例では、一又は複数の保護膜180は、リチウムイオン及びリチウム原子のうちの少なくとも一つに対して透過性である。いくつかの実装形態では、一又は複数の保護膜180は、アノード膜170の表面保護を提供し、これにより、乾燥した室内でのアノード膜の取り扱いが可能になる。いくつかの実装形態では、エネルギー貯蔵デバイス100が固体エネルギー貯蔵デバイスである場合、一又は複数の保護膜180は、改善されたSEIの形成に寄与し、よって、デバイス性能を改善する。いくつかの実装形態では、一又は複数の保護膜180は、蒸発(例えば、熱又は電子ビーム)又はスパッタリングなどの物理的気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)、スロットダイプロセス、浸漬コーティング、薄膜転写プロセス、グラビアコーティング、又は三次元リウム印刷プロセスによって、アノード膜170上に直接堆積され得る。
[0058]いくつかの実装形態では、一又は複数の保護膜180の各層は、500ナノメートル以下(例えば、約1nmから約400nm;約25nmから約300nm;約50nmから約200nm;約100nmから約150nm;約10nmから約80nm;又は約30から約60ナノメートル)の厚さを有するコーティング又は別個の膜である。他の実装形態では、一又は複数の保護膜180の各層は、100ナノメートル以下(例えば、約5ナノメートルから約100ナノメートル;約5ナノメートルから約40ナノメートル;約10ナノメートルから約20ナノメートル;又は約50ナノメートルから約100ナノメートル)の厚さを有するコーティング又は個別の膜である。
[0059]いくつかの実装形態では、固体電解質膜130は、リチウムイオン伝導性材料である。リチウムイオン伝導性材料は、リチウムイオン伝導セラミック又はリチウムイオン伝導ガラスであり得る。一例では、Liイオン伝導性材料は、LiPON、Li7La3Zr2O12の結晶相又はアモルファス相のいずれかのドープされた変種、ドープされた抗ペロブスカイト組成物、アルジロダイト組成物(例えば、Li6PS5Br、Li6PS5Cl、Li7PS6、Li6PS5I、Li6PO5Cl)、リチウム硫黄リン酸材料、Li2S-P2S5、Li10GeP2S12、及びLi3PS4、リン酸リチウムガラス、(1-x)LiI-(x)Li4SnS4、xLiI-(1-x)Li4SnS4、混合硫化物及び酸化物電解質(結晶性LLZO、アモルファス(1-x)LiI-(x)Li4SnS4混合物、アモルファスxLiI-(1-x)Li4SnS4)、Li3S(BF4)0.5Cl0.5、Li4Ti5O12、リチウムがドープされたチタン酸ランタン(LATP)、Li2+2xZn1-xGeO4、LiM2(PO4)3(ここで、例えば、M=Ti、Ge、Hf)のうちの一又は複数で構成されている。一例では、xは、0と1の間(例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、及び0.9)である。
[0060]図2は、本明細書に記載の一又は複数の実装形態によって形成されたアノード電極構造体200の一実装形態の断面図を示す。図2で、アノード電流コレクタ160は、スタックを越えて延びる必要はないが、スタックを越えて延びるように示されており、スタックを越えて延びている部分はタブとして使用され得るということを、留意されたい。アノード電極構造体200は、両面電極構造体として示されているが、本明細書に記載の実装形態は、片面電極構造体にも適用されることを理解されたい。
[0061]アノード電極構造体200は、アノード電流コレクタ160を有し、アノード膜170a、170b(併せて170)が、アノード電流コレクタ160の対向する側面上に形成される。いくつかの実装形態では、アノード膜170は、リチウム金属、シリコン、グラファイト、シリコン含有グラファイト、又はそれらの組み合わせから構成される。一例では、アノード膜170はリチウム金属膜である。いくつかの実装形態では、アノード膜170は、20マイクロメートル以下(例えば、約1マイクロメートルから約20マイクロメートル)の厚さを有する。いくつかの実装形態では、第1の保護膜210a、210b(併せて210)は、アノード膜170a、170bのそれぞれの上に形成される。一例では、第1の保護膜210は、本明細書に記載されるような混合伝導材料を含む。一例では、第1の保護膜210は、Li9Ti5O12、リチウム遷移金属ジカルコゲナイド、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実装形態では、第1の保護膜210は、100ナノメートル以下(例えば、約5ナノメートルから100ナノメートル;約5ナノメートルから約40ナノメートル;約10ナノメートルから約20ナノメートル;又は約50ナノメートルから約100ナノメートル)の厚さを有する。いくつかの実装形態では、図2に示すように、第1の保護膜210は、アノード電流コレクタ160に接触するよう延びるアノード膜170の曝露された表面(例えば、上面及び側壁)をコーティングする。
[0062]いくつかの実装形態では、第2の保護膜220a、220b(併せて220)は、第1の保護膜210のそれぞれの上に形成される。第2の保護膜220は、本明細書に記載されるような混合伝導材料を含み得る。第2の保護膜220は、第1の保護膜210とは異なる。いくつかの実装形態では、第2の保護膜220は、リチウムイオン及びリチウム原子のうちの少なくとも一つに対して透過性である。一例では、第2の保護膜220は、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドである。いくつかの実装形態では、第2の保護膜220は、100ナノメートル以下(例えば、約5ナノメートルから100ナノメートル;約5ナノメートルから約40ナノメートル;約10ナノメートルから約20ナノメートル;又は約50ナノメートルから約100ナノメートル)の厚さを有する。
[0063]一例では、第1の保護膜210はリチウム化LTO(例えばLi7Ti5O12 Li9Ti5O12)を含み、第2の保護膜220はリチウム遷移金属ジカルコゲナイドである。別の例では、第1の保護膜210はリチウム化LTO(例えば、Li7Ti5O12、Li9Ti5O12)を含み、第2の保護膜220はLiTiS2である。
[0064]図3は、本明細書に記載の実装形態によって形成されたアノード電極構造体300の一実装形態の断面図を示す。図3で、アノード電流コレクタ160は、スタックを越えて延びる必要はないが、スタックを越えて延びるように示されており、スタックを越えて延びている部分はタブとして使用され得るということを、留意されたい。アノード電極構造体300は、両面電極構造体として示されているが、本明細書に記載の実装形態は、片面電極構造体にも適用されることを理解されたい。
[0065]アノード電極構造体300は、アノード電流コレクタ160と、アノード電流コレクタ160の対向する側面上に形成されたアノード膜170a、170b(併せて170)とを有する。いくつかの実装形態では、アノード膜170は、リチウム金属、シリコン、グラファイト、シリコン含有グラファイト、又はそれらの組み合わせから構成される。一例では、アノード膜170はリチウム金属膜である。いくつかの実装形態では、アノード膜170は、20マイクロメートル以下(例えば、約1マイクロメートルから約20マイクロメートル)の厚さを有する。いくつかの実装形態では、保護膜310a、310b(併せて310)は、アノード膜170a、170bのそれぞれの上に形成される。いくつかの実装形態では、保護膜310は、本明細書に記載されるような混合伝導材料を含む。一例では、保護膜310は、リチウム化LTO(例えば、Li7Ti5O12、Li9Ti5O12)、リチウム遷移金属ジカルコゲナイド、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実装形態では、保護膜310は、100ナノメートル以下(例えば、約5ナノメートルから100ナノメートル;約5ナノメートルから約40ナノメートル;約10ナノメートルから約20ナノメートル;又は約50ナノメートルから約100ナノメートル)の厚さを有する。いくつかの実装形態では、図3に示すように、保護膜310は、アノード電流コレクタ160に接触するよう延びるアノード膜170の曝露された表面(例えば、上面及び側壁)をコーティングする。
[0066]図4は、本明細書に記載の実装形態によるアノード電極構造体を形成するための方法400の一実装形態の概要を表すプロセスフロー図を示す。アノード電極構造体は、図2に示されるアノード電極構造体200であり得る。工程410では基板が設けられる。いくつかの実装形態では、基板は、図6に示されるような材料の連続シート650である。一例では、基板はアノード電流コレクタ160である。基板が構成され得る金属の例には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、ステンレス鋼、クラッド材、それらの合金、及びそれらの組み合わせが含まれる。一例では、基板は銅材料である。別の例では、基板はステンレス鋼材料である。いくつかの実装形態では、基板は穿孔されている。さらに、基板は、任意のフォームファクタ(例えば、金属の箔、シート、又はプレート)、形状、及びミクロ/マクロ構造のものであってよい。
[0067]いくつかの実装形態では、基板は前処理プロセスに曝露され、前処理プロセスには、電流コレクタの曝露された表面から有機材料を除去するためのプラズマ処理又はコロナ放電プロセスのうちの少なくとも1つが含まれる。前処理プロセスは、基板上への膜堆積の前に実施される。
[0068]工程420では、アノード膜が基板上に形成される。いくつかの実装形態では、アノード膜はアノード膜170であり、基板はアノード電流コレクタ160である。一例では、アノード膜は、銅電流コレクタ上に形成される。別の例では、アノード膜は基板上に既に存在しているか又は「既成」されている。アノード膜が基板上に既に存在している場合、リチウム金属膜がアノード膜上に形成され得る。アノード膜が存在しない場合、アノード金属膜が基板上に直接形成され得る。いくつかの実装形態では、アノード膜は、リチウム金属、シリコン、グラファイト、シリコン含有グラファイト、又はそれらの組み合わせから構成される。いくつかの実装形態では、アノード膜は、20マイクロメートル以下(例えば、約1マイクロメートルから約20マイクロメートル)の厚さを有する。
[0069]いくつかの実装形態では、アノード膜はリチウム金属膜である。リチウム金属の薄膜を堆積するための任意の適切なリチウム堆積プロセスは、リチウム金属の薄膜の堆積に使用され得る。リチウム金属の薄膜の堆積は、蒸発(例えば熱蒸発又は電子ビーム)などのPVDプロセス、スロットダイプロセス、転写プロセス、又は三次元リチウム印刷プロセスによってなされ得る。リチウム金属の薄膜を堆積するためのチャンバは、電子ビーム蒸発器、熱蒸発器、又はスパッタリングシステムなどのPVDシステム、薄膜転写システム(グラビア印刷システムなどの大面積パターン印刷システムを含む)、又はスロットダイ堆積システムを含み得る。
[0070]工程430では、第1の保護膜がアノード膜上に形成される。図2を参照すると、第1の保護膜は第1の保護膜210であり得、アノード膜はアノード膜170であり得る。いくつかの実装形態では、第1の保護膜は、本明細書に記載されるような混合伝導材料を含む。いくつかの実装形態では、第1の保護膜は、リチウム化LTO(例えばLi7Ti5O12、Li9Ti5O12)、リチウム遷移金属ジカルコゲナイド、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実装形態では、第1の保護膜は、スパッタリング又は蒸発(例えば、熱蒸発又は電子ビーム)などのPVDプロセス、化学気相堆積プロセス、原子層堆積プロセス、又は三次元リチウム印刷プロセスによって堆積される。いくつかの実装形態では、第1の保護膜は、500ナノメートル以下(例えば、約1nmから約400nm;約25nmから約300nm;約50nmから約200nm;約100nmから約150nm;約10nmから約80nm;又は約30から約60ナノメートル)の厚さを有する。いくつかの実装形態では、第1の保護膜は、100ナノメートル以下(例えば、約5ナノメートルから100ナノメートル;約10ナノメートルから約20ナノメートル;又は約50ナノメートルから約100ナノメートル)の厚さを有する。
[0071]いくつかの実装形態では、第1の保護膜はLTO(例えばLi4Ti5O12)を含み、これは、PVDプロセスを介してアノード膜上に堆積される。LTO(例えばLi4Ti5O12)膜は、リチウム化プロセスに曝露されて、リチウム化LTO(例えばLi7Ti5O12、Li9Ti5O12)膜を形成し得る。一例では、リチウム化プロセスは、保護されたアノード膜がその一部であるエネルギー貯蔵デバイスの第1のサイクル充電中に生じる。別の例では、LTO(例えばLi4Ti5O12)膜は、リチウム金属膜上に堆積され、LTO(例えばLi4Ti5O12)膜は、リチウム金属膜との相互作用によって還元されて、リチウム化LTO(例えばLi7Ti5O12、Li9Ti5O12)膜を形成する。
[0072]いくつかの実装形態では、第1の保護膜は、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含む。一例では、遷移金属ジカルコゲナイドは、PVDプロセスを介してアノード膜上に堆積される。別の例では、遷移金属ジカルコゲナイドは、CVD又はALDプロセスを介してアノード膜上に堆積される。いくつかの実装形態では、堆積された遷移金属ジカルコゲナイドは、リチウム化プロセスに曝露されて、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを形成する。一例では、リチウム化プロセスは、保護されたアノード膜がその一部であるエネルギー貯蔵デバイスの第1のサイクル充電中に生じる。遷移金属ジカルコゲナイドがリチウム金属膜上に堆積される別の例では、遷移金属ジカルコゲナイドは、リチウム金属膜との相互作用によって還元されて、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを形成する。
[0073]いくつかの実装形態では、遷移金属カルコゲナイド膜は、ターゲットに連結されたRF電源を有するPVDプロセスを使用して堆積される。ターゲットは、典型的には、遷移金属カルコゲナイド膜の材料から構成されている。例えば、チタン硫化物合金ターゲット、タングステン硫化物ターゲット、又はモリブデン硫化物ターゲット。プラズマは、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、又は窒素などの非反応性ガスから生成され得る。一例では、プラズマは、約30標準立方センチメートル(sccm)から約200sccm、例えば約100sccmから約150sccmの範囲内の流量を有するアルゴンガスから生成される。RF電力は、約50Wから約4,000Wの範囲内の電力レベルで、例えば約1,000Wから約3,000Wで、例えば約2000Wでターゲットに印加され得る。堆積チャンバは、約0.1mTorrから約500mTorr加圧され得る。一例では、堆積チャンバは、約0.1mTorrから約100mTorr、例えば約10mTorrから約30mTorr、例えば25mTorr加圧される。基板は、電気的に「フローティング」であってもよく、バイアスを有しなくてもよい。一例では、工程430の堆積プロセスは、約50℃から約400℃、例えば約100℃から約200℃、例えば約120℃の堆積温度で実施される。
[0074]いくつかの実装形態では、プラズマは、合金ターゲットに連結されたDC電源を使用して生成される。基板は、電気的に「フローティング」であってもよく、バイアスを有しなくてもよい。一例では、プラズマは、約30標準立方センチメートル(sccm)から約200sccm、例えば約100sccmから約150sccmの範囲内の流量を有するアルゴンガスから生成される。一例では、DC電力は、約50Wから約5,000Wの範囲内の電力レベルで、約1000Wから約3000Wで、例えば約1000Wから約2000Wで、例えば約2000Wでターゲットに印加され得る。堆積チャンバは、約0.1mTorrから約500mTorr加圧される。一例では、堆積チャンバは、約0.1mTorrから約100mTorr、例えば約10mTorrから約30mTorr、例えば25mTorr加圧される。一例では、工程430の堆積プロセスは、約50℃から約400℃、例えば約100℃から約200℃、例えば約120℃の堆積温度で実施される。
[0075]いくつかの実装形態では、遷移金属ジカルコゲナイドは、ALDプロセスを使用して堆積される。一例では、ALDプロセスは、(a)遷移金属を含む第1の前駆体ガスを処理領域内へ流すことと、(b)処理領域をパージすることと、(c)カルコゲナイドを含む第2の前駆体ガスを処理領域内へ流して、遷移金属カルコゲナイド膜を形成することと、(d)処理領域をパージすることと、(e)場合によっては、遷移金属ジカルコゲナイド膜が目標の厚さに達するまで(a)~(d)を繰り返すこととを含む。遷移金属ジカルコゲナイドがTiS2である一例では、TiS2膜は、(a)TiCl4を処理領域内へ流すことと、(b)処理領域をパージすることと、(c)H2Sを処理領域内へ流して、TiS2膜を形成することと、(d)処理領域をパージすることと、(e)TiS2膜が目標の厚さに達するまで(a)~(d)を繰り返すこととによって、形成される。一例では、(a)~(d)は、異なる順序で、例えば、(c)H2Sを処理領域内へ流して、TiS2膜を形成し、(b)処理領域をパージし、(a)TiCl4を処理領域内へ流し、(d)処理領域をパージし、(e)TiS2膜が目標の厚さに達するまで繰り返して、実施される。
[0076]工程440では、第2の保護膜が第1の保護膜上に形成される。図2を参照すると、第2の保護膜は第2の保護膜220であり得、第1の保護膜は第1の保護膜210であり得る。いくつかの実装形態では、第2の保護膜は、本明細書に記載されるような混合伝導材料を含む。いくつかの実装形態では、第2の保護膜は、リチウム化LTO(例えばLi7Ti5O12、Li9Ti5O12)、リチウム遷移金属ジカルコゲナイド、又はそれらの組み合わせを含む。第2の保護膜は、工程430で形成された第1の保護膜とは異なる。いくつかの実装形態では、第2の保護膜は、スパッタリング又は蒸発(例えば、熱蒸発又は電子ビーム)などのPVDプロセス、化学気相堆積プロセス、原子層堆積プロセス、又は三次元リチウム印刷プロセスによって堆積される。いくつかの実装形態では、第2の保護膜は、500ナノメートル以下(例えば、約1nmから約400nm;約25nmから約300nm;約50nmから約200nm;約100nmから約150nm;約10nmから約80nm;又は約30から約60ナノメートル)の厚さを有する。他の実装形態では、第2の保護膜は、100ナノメートル以下(例えば、約5ナノメートルから100ナノメートル;約10ナノメートルから約20ナノメートル;又は約50ナノメートルから約100ナノメートル)の厚さを有する。
[0077]いくつかの実装形態では、第2の保護膜は、1ナノメートルから3,000ナノメートルの範囲(例えば、10ナノメートルから600ナノメートルの範囲;50ナノメートルから100ナノメートルの範囲;50ナノメートルから200ナノメートルの範囲;100ナノメートルから150ナノメートルの範囲)の厚さを有する。他の実装形態では、第2の保護膜220は、500ナノメートル以下(例えば、約1nmから約400nm;約25nmから約300nm;約50nmから約200nm;約100nmから約150nm;約10nmから約80nm;又は約30から約60ナノメートル)の厚さを有する。他の実装形態では、第2の保護膜220は、100ナノメートル以下(例えば、約5ナノメートルから100ナノメートル;約10ナノメートルから約20ナノメートル;又は約50ナノメートルから約100ナノメートル)の厚さを有する。
[0078]一例では、工程430中に形成された第1の保護膜は、リチウム化LTO(例えば、Li7Ti5O12、Li9Ti5O12)を含み、工程440中に形成された第2の保護膜は、リチウムチタンジスルフィドを含む。
[0079]図5は、本明細書に記載の一又は複数の実装形態によるアノード電極構造体を形成するための方法500の一実装形態の概要を表すプロセスフロー図を示す。アノード電極構造体は、図3に示されるアノード電極構造体300であり得る。工程510では基板が設けられる。いくつかの実装形態では、基板は、図6に示されるような材料の連続シート650である。一例では、基板はアノード電流コレクタ160である。基板が構成され得る金属の例には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、ステンレス鋼、クラッド材、それらの合金、及びそれらの組み合わせが含まれる。一例では、基板は銅材料である。別の例では、基板はステンレス鋼である。いくつかの実装形態では、基板は穿孔されている。さらに、基板は、任意のフォームファクタ(例えば、金属の箔、シート、又はプレート)、形状、及びミクロ/マクロ構造のものであってよい。
[0080]いくつかの実装形態では、基板は前処理プロセスに曝露され、前処理プロセスには、電流コレクタの曝露された表面から有機材料を除去するためのプラズマ処理又はコロナ放電プロセスのうちの少なくとも1つが含まれる。前処理プロセスは、基板上への膜堆積の前に実施される。
[0081]工程520では、アノード膜が基板上に形成される。いくつかの実装形態では、アノード膜はアノード膜170であり、基板はアノード電流コレクタ160である。一例では、アノード膜は、銅電流コレクタ上に形成される。別の例では、アノード膜は基板上に既に存在しているか又は「既成」されている。アノード膜が基板上に既に存在している場合、リチウム金属膜がアノード膜上に形成され得る。アノード膜が存在しない場合、アノード金属膜が基板上に直接形成され得る。いくつかの実装形態では、アノード膜は、リチウム金属、シリコン、グラファイト、シリコン含有グラファイト、又はそれらの組み合わせから構成される。いくつかの実装形態では、アノード膜は、20マイクロメートル以下(例えば、約1マイクロメートルから約20マイクロメートル)の厚さを有する。アノード膜を堆積するのに任意の適切な方法が使用され得る。
[0082]工程530では、保護膜がリチウム金属膜上に形成される。図3を参照すると、保護膜は保護膜310であり得、アノード膜はアノード膜170であり得る。いくつかの実装形態では、保護膜は、本明細書に記載されるような混合伝導材料を含む。いくつかの実装形態では、保護膜は、リチウム化LTO(例えば、Li7Ti5O12、Li9Ti5O12)、リチウム遷移金属ジカルコゲナイド、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実装形態では、保護膜は、スパッタリング又は蒸発(例えば、熱蒸発又は電子ビーム)などのPVDプロセス、化学気相堆積プロセス、原子層堆積プロセス、又は三次元リチウム印刷プロセスによって堆積される。いくつかの実装形態では、保護膜は、500ナノメートル以下(例えば、約1nmから約400nm;約25nmから約300nm;約50nmから約200nm;約100nmから約150nm;約10nmから約80nm;又は約30から約60ナノメートル)の厚さを有する。他の実装形態では、保護膜は、100ナノメートル以下(例えば、約5ナノメートルから100ナノメートル;約10ナノメートルから約20ナノメートル;又は約50ナノメートルから約100ナノメートル)の厚さを有する。
[0083]図6は、本明細書に記載の実装形態によるアノード電極構造体を形成するためのフレキシブル基板コーティング装置600の概略図を示す。フレキシブル基板コーティング装置600は、本明細書に記載の実装形態によるリチウムアノードデバイスを製造するのに適している、Applied Materialsによって製造されたSMARTWEB(登録商標)であり得る。フレキシブル基板コーティング装置600は、リチウムアノードを製造するのに、特に本明細書に記載のリチウムアノード用の保護膜スタックを製造するのに使用され得る。フレキシブル基板コーティング装置600は、巻き出しモジュール602と、処理モジュール604と、巻き取りモジュール606とを含むロールツーロールシステムとして構成されている。処理モジュール604は、順に配置された複数の処理モジュール又はチャンバ610、620、630、及び640を含み、そのそれぞれは、材料の連続シート650又は材料のウェブに対して1つの処理操作を実施するように構成されている。いくつかの実装形態では、図6に示すように、処理チャンバ610-640は、コーティングドラム655の周りに放射状に配置される。放射状以外の配置も想定される。例えば、いくつかの実装形態では、処理チャンバは、線形の構成で位置決めされる。
[0084]いくつかの実装形態では、処理チャンバ610-640は、独立型のモジュール式処理チャンバであり、ここで、各モジュール式処理チャンバは、他のモジュール式処理チャンバから構造的に分離されている。したがって、独立型のモジュール式処理チャンバは、それぞれ互いに影響を及ぼすことなく、配置、再配置、交換、又は維持することができる。4つの処理チャンバ610-640が示されているが、任意の数の処理チャンバが、フレキシブル基板コーティング装置600に含まれ得ることを理解されたい。
[0085]処理チャンバ610-640は、フレキシブル基板コーティング装置600が本開示の実装形態によるリチウムアノードデバイスを堆積することを可能にする任意の適切な構造、構成、配置、及び/又は構成要素を含み得る。例えば、限定されないが、処理チャンバは、コーティング源、電源、個々の圧力制御装置、堆積制御システム、及び温度制御装置を含む適切な堆積システムを含み得る。チャンバには、個々のガス供給が設けられていてもよい。チャンバは、良好なガス分離のために互いに分離されていてもよい。フレキシブル基板コーティング装置600は、堆積チャンバの数に制限されない。例えば、フレキシブル基板コーティング装置600は、3、6、12、又はそれ以上の処理チャンバを含み得る。
[0086]処理チャンバ610-640は、通常、一又は複数の堆積ユニット612、622、632、及び642を含む。一又は複数の堆積ユニットは、CVD源、ALD源、PECVD源、およびPVD源から選択され得る。いくつかの実装形態では、一又は複数の堆積ユニットは、蒸発源(熱蒸発又は電子ビーム)、マグネトロンスパッタ源、DCスパッタ源、ACスパッタ源、パルススパッタ源などのスパッタ源、高周波(RF)スパッタリング、又は中波(MF)スパッタリングを含み得る。例えば、5kHz~100kHzの範囲、例えば、30kHz~50kHzの周波数のMFスパッタリングが提供され得る。一又は複数の堆積ユニットは、蒸発源を含み得る。蒸発源は、熱蒸発源又は電子ビーム蒸発であり得る。一例では、蒸発源はリチウム(Li)源である。さらに、蒸発源はまた、2つ以上の金属の合金であってもよい。堆積される材料(例えば、リチウム)は、るつぼ内に設けられ得る。リチウムは、熱蒸発技法によって、又は電子ビーム蒸発技法によって、蒸発する。
[0087]フレキシブル基板コーティング装置600の処理チャンバ610-640のいずれかは、マグネトロンスパッタリングなどのスパッタリングによって堆積を実施するよう構成され得る。本明細書で使用される場合、「マグネトロンスパッタリング」は、磁石アセンブリ、すなわち、磁場を発生させることができるユニットを使用して行われるスパッタリングを指す。磁石アセンブリは、永久磁石を含み得る。一例では、永久磁石は、回転可能なターゲット表面の下に生成された磁場の中に自由電子が捕捉されるような様態で、回転可能なターゲットの中に配置されうるか、又は、平面ターゲットに連結されうる。一例では、磁石アセンブリは、平面カソードに連結される。
[0088]マグネトロンスパッタリングはまた、限定されないが、TwinMagTMカソードアセンブリなどのダブルマグネトロンカソードによって実現され得る。処理チャンバ内のカソードは、交換可能であり得る。よって、特定の製造プロセスのために装置を最適化することを容易にする装置のモジュール設計が提供される。堆積をスパッタリングするためのチャンバ内のカソードの数は、フレキシブル基板コーティング装置600の再最適な生産性を最適化するように選択される。
[0089]いくつかの実装形態では、処理チャンバ610-640のうちの一又は複数は、マグネトロンアセンブリを用いずにスパッタリングを実施するように動作可能である。処理チャンバ610-640のうちの一又は複数は、限定されないが、化学気相堆積、原子層堆積、又はパルスレーザ堆積などのほかの方法によって堆積を実施するように動作可能である。処理チャンバ610-640のうちの一又は複数は、プラズマ酸化又はプラズマ窒化プロセスなどのプラズマ処理プロセスを実施するように動作可能である。
[0090]いくつかの実装形態では、処理チャンバ610-640は、材料の連続シート650の両側を処理するように動作可能である。フレキシブル基板コーティング装置600は、水平に配向されている材料の連続シート650を処理するように動作可能であるが、フレキシブル基板コーティング装置600は、異なる配向で位置決めされた基板を処理するように動作可能であり得る。例えば、材料の連続シート650は、垂直に配向されていてもよい。いくつかの実装形態では、材料の連続シート650は、フレキシブル伝導性基板である。いくつかの実装形態では、材料の連続シート650は、上に形成された一又は複数の層を有する伝導性基板を含む。一例では、伝導性基板は銅基板である。
[0091]フレキシブル基板コーティング装置600は、移送機構652をさらに含む。移送機構652は、処理チャンバ610-640の処理領域を通って材料の連続シート650を移動させることができる任意の移送機構を含み得る。移送機構652は、共通移送アーキテクチャを含む。一例では、共通移送アーキテクチャは、巻き取りモジュール606内に位置決めされた共通巻き取りリール654と、処理モジュール604内に位置決めされたコーティングドラム655と、巻き出しモジュール602内に位置決めされた送りリールとを有するリールツーリールシステムを含む。巻き取りリール654と、コーティングドラム655と、送りリール656とは、個別に加熱され得る。巻き取りリール654と、コーティングドラム655と、送りリール656とは、各リール内に位置決めされた内部熱源又は外部熱源を使用して個別に加熱される。共通移送アーキテクチャは、巻き取りリール654とコーティングドラム655と送りリール656との間に位置決めされた一又は複数の補助移送リール653a、653bをさらに含み得る。フレキシブル基板コーティング装置600は、単一の処理領域を有するとして示されているが、いくつかの実装形態では、フレキシブル基板コーティング装置600は、各個別の処理チャンバ610-640について分離された又は別個の処理領域を有する。別個の処理領域、モジュール、又はチャンバを有する実装形態では、共通移送アーキテクチャは、各チャンバ又は処理領域が、個別の、巻き取りリール及び送りリール、並びに巻き取りリールと送りリールとの間に位置決めされた1つ又は複数の任意選択的な中間移送リールを有するリールツーリールシステムであってもよい。
[0092]フレキシブル基板コーティング装置600は、異なる処理チャンバ610-640を通って材料の連続シート650を移動させるための送りリール656及び巻き取りリール654を含む。一例では、第1の処理チャンバ610及び第2の処理チャンバ620は、それぞれ、アノード膜(例えば、リチウム膜、グラファイト膜、シリコン膜、又はシリコングラファイト膜)の一部を堆積するように動作可能である。第3の処理チャンバ630は、第1の保護膜(例えば、Li9Ti5O12又はリチウム遷移金属ジカルコゲナイド)を堆積するよう動作可能である。第4の処理チャンバ640は、第2の保護膜(例えば、Li9Ti5O12又はリチウム遷移金属ジカルコゲナイド)を第1の保護膜の情報に堆積するよう動作可能である。
[0093]いくつかの実装形態では、処理チャンバ610-620は、材料の連続シート650上にアノード膜を堆積するように動作可能である。アノード薄膜を堆積するための任意の適切なリチウム堆積プロセスは、リチウム金属の薄膜の堆積に使用され得る。一例では、アノード膜の堆積は、蒸発(例えば、熱蒸発又は電子ビーム)などのPVDプロセス、CVDプロセス、ALDプロセス、スロットダイプロセス、転写プロセス、積層プロセス、又は三次元リチウム印刷プロセスによってなされる。リチウム金属のアノード膜を堆積するためのチャンバには、熱蒸発器、電子ビーム蒸発器などのPVDシステム、CVDシステム、ALDシステム、薄膜転写システム(グラビア印刷システムなどの大面積パターン印刷システムを含む)、積層システム、又はスロットダイ堆積システムが含まれ得る。
[0094]いくつかの実装形態では、第3の処理チャンバ630は、アノード膜上にリチウム化LTO膜又はリチウム遷移金属ジカルコゲナイド膜を形成するよう構成される。リチウム化LTO膜又はリチウム遷移金属ジカルコゲナイド膜は、本明細書に記載されるようなPVD技法又はALD技法を使用して堆積され得る。いくつかの実装形態では、第4の処理チャンバ640は、カルコゲナイド膜上にフッ化リチウム膜を形成するよう構成されている。フッ化リチウム膜を堆積するためのチャンバには、熱蒸発器、電子ビーム蒸発器などのPVDシステム、CVDシステム、ALDシステム、薄膜転写システム(グラビア印刷システムなどの大面積パターン印刷システムを含む)、積層システム、又はスロットダイ堆積システムが含まれ得る。
[0095]工程では、材料の連続シート650は、矢印608によって示される基板移動方向によって示すように、送りリール656から巻き出される。材料の連続シート650は、一又は複数の補助移送リール653a、653bを介してガイドされ得る。材料の連続シート650が、例えば、フレキシブル基板の配向を微調整することによりフレキシブル基板の適切な動作を制御する一又は複数の基板ガイド制御ユニット(図示せず)によってガイドされることも可能である。
[0096]送りリール656から巻き戻し、補助移送リール653a上を動いた後、材料の連続シート650は、その後、コーティングドラム655に設けられ、堆積ユニット612、622、632、及び642の位置に対応する堆積エリアを通って移動される。工程中、コーティングドラム655は、フレキシブル基板が矢印608の方向に移動するように、軸651の周りを回転する。
[0097]実装形態
[0098]条項1.方法であって、電流コレクタ上にリチウム金属膜を形成することであって、電流コレクタが銅及び/又はステンレス鋼を含む、リチウム金属膜を形成することと、リチウム金属膜上に保護膜スタックを形成することであって、リチウム金属膜上に、Li9Ti5O12を含む第1の保護膜を形成することを含む、保護膜スタックを形成することとを含む、方法。
[0099]条項2.リチウム金属膜上に保護膜スタックを形成することが、第1の保護膜上に第2の保護膜を形成することであって、第2の保護膜が遷移金属ジカルコゲナイドを含む、第2の保護膜を形成することをさらに含む、条項1に記載の方法。
[00100]条項3.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、Mが、Ti、Mo、又はWから選択され、Xが、S、Se、又はTeから選択される、条項2に記載の方法。
[00101]条項4.遷移金属ジカルコゲナイドが、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される、条項3に記載の方法。
[00102]条項5.リチウム金属膜上に第1の保護膜を形成することが、物理的気相堆積(PVD)プロセスを介してリチウム金属膜上にLi4Ti5O12を堆積することを含む、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
[00103]条項6.Li4Ti5O12膜をリチウム化プロセスに曝露して、Li9Ti5O12膜を形成することをさらに含む、条項5に記載の方法。
[00104]条項7.Li4Ti5O12膜が還元されて、Li9Ti5O12膜を形成する、条項5に記載の方法。
[00105]リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、リチウムチタンジスルフィド、リチウムタングステンジスルフィド、リチウムモリブデンジスルフィド、又はそれらの組み合わせから選択される、条項2から7のいずれか一項に記載の方法。
[00106]リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを形成することが、化学気相堆積プロセスを介してLi4Ti5O12膜又はLi9Ti5O12膜上にTiS2膜を堆積することと、TiS2膜をリチウム化プロセスに曝露して、Li4Ti5O12膜又はLi9Ti5O12膜上にLiTiS2膜を形成することとを含む、条項2から8のいずれか一項に記載の方法。
[00107]条項10.Li4Ti5O12膜又はLi9Ti5O12膜上にTiS2膜を堆積することが、(a)TiCl4を処理領域内に流すことと、(b)処理領域をパージすることと、(c)H2Sを処理領域内に流して、TiS2膜を形成することと、(d)処理領域をパージすることと、(e)TiS2膜が目標の厚さに達するまで、(a)~(d)を繰り返すこととを含む、条項9に記載の方法。
[00108]条項11.第1の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項1から10のいずれか一項に記載の方法。
[00109]条項12.第2の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項11に記載の方法。
[00110]条項13.アノード電極構造体であって、銅及び/又はステンレス鋼を含む電流コレクタと、電流コレクタ上に形成されたリチウム金属膜と、リチウム金属膜上に形成された保護膜スタックであって、リチウム金属膜上に形成された、Li9Ti5O12を含む第1の保護膜を含む、保護膜スタックとを含む、アノード電極構造体。
[00111]条項14.保護膜スタックが、第1の保護膜上に形成された第2の保護膜をさらに含み、第2の保護膜がリチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含む、条項13に記載のアノード電極構造体。
[00112]条項15.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、Mが、Ti、Mo、又はWから選択され、Xが、S、Se、又はTeから選択される、条項14に記載のアノード電極構造体。
[00113]条項16.遷移金属ジカルコゲナイドが、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される、条項15に記載のアノード電極構造体。
[00114]条項17.第1の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項13から16のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00115]条項18.第2の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項14から17のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00116]条項19.エネルギー貯蔵デバイスであって、条項13から18のいずれか一項に記載のアノード電極構造体と、カソード電極構造体と、アノード電極構造体とカソード電極構造体との間に形成された固体電解質膜とを含む、エネルギー貯蔵デバイス。
[00117]条項20.固体電解質膜が、LiPON、Li7La3Zr2O12の結晶相又はアモルファス相のいずれかのドープされた変種、ドープされた抗ペロブスカイト組成物、アルジロダイト組成物、リチウム硫黄リン酸材料、Li2S-P2S5、Li10GeP2S12、及びLi3PS4、リン酸リチウムガラス、(1-x)LiI-(x)Li4SnS4、xLiI-(1-x)Li4SnS4、混合硫化物及び酸化物電解質(結晶性LLZO、アモルファス(1-x)LiI-(x)Li4SnS4混合物、アモルファスxLiI-(1-x)Li4SnS4)、Li3S(BF4)0.5Cl0.5、Li4Ti5O12、リチウムがドープされたチタン酸ランタン(LATP)、Li2+2xZn1-xGeO4、LiTi2(PO4)3、LiHf2(PO4)3、LiGe2(PO4)3、及びそれらの組み合わせのうちの一又は複数で構成されている、条項19に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
[00118]条項21.方法であって、電流コレクタ上にリチウム金属膜を形成することであって、電流コレクタが銅及び/又はステンレス鋼を含む、リチウム金属膜を形成することと、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含むリチウム金属膜上に保護膜を形成することとを含む、方法。
[00119]条項22.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、Mが、Ti、Mo、又はWから選択され、Xが、S、Se、又はTeから選択される、条項21に記載の方法。
[00120]条項23.遷移金属ジカルコゲナイドが、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される、条項22に記載の方法。
[00121]条項24.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、リチウムチタンジスルフィド、リチウムタングステンジスルフィド、リチウムモリブデンジスルフィド、又はそれらの組み合わせから選択される、条項21から23のいずれか一項に記載の方法。
[00122]条項25.保護膜を形成することが、リチウム金属膜上にTiS2膜を堆積することと、TiS2膜をリチウム化プロセスに曝露して、リチウムチタンジスルフィド膜を形成することとを含む、条項21から24のいずれか一項に記載の方法。
[00123]条項26.リチウム金属膜上にTiS2膜を堆積することが、(a)TiCl4を処理領域内に流すことと、(b)処理領域をパージすることと、(c)H2Sを処理領域内に流して、TiS2膜を形成することと、(d)処理領域をパージすることと、(e)TiS2膜が目標の厚さに達するまで、(a)~(d)を繰り返すこととを含む、条項25に記載の方法。
[00124]条項27.保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項21から26のいずれか一項に記載の方法。
[00125]条項28.アノード電極構造体であって、銅及び/又はステンレス鋼を含む電流コレクタと、電流コレクタ上に形成されたリチウム金属膜と、リチウム金属膜上に形成された保護膜であって、リチウム金属膜上に形成された、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含む第1の保護膜を含む、保護膜とを含む、アノード電極構造体。
[00126]条項29.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、Mが、Ti、Mo、又はWから選択され、Xが、S、Se、又はTeから選択される、条項28に記載のアノード電極構造体。
[00127]条項30.遷移金属ジカルコゲナイドが、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される、条項29に記載のアノード電極構造体。
[00128]条項31.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、リチウムチタンジスルフィド、リチウムタングステンジスルフィド、リチウムモリブデンジスルフィド、又はそれらの組み合わせから選択される、条項28から30のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00129]条項32.保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項28から31のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00130]条項33.エネルギー貯蔵デバイスであって、条項28から32のいずれか一項に記載のアノード電極構造体と、カソード電極構造体と、アノード電極構造体とカソード電極構造体との間に形成された固体電解質膜とを含む、エネルギー貯蔵デバイス。
[00131]条項34.固体電解質膜が、LiPON、Li7La3Zr2O12の結晶相又はアモルファス相のいずれかのドープされた変種、ドープされた抗ペロブスカイト組成物、アルジロダイト組成物、リチウム硫黄リン酸材料、Li2S-P2S5、Li10GeP2S12、及びLi3PS4、リン酸リチウムガラス、(1-x)LiI-(x)Li4SnS4、xLiI-(1-x)Li4SnS4、混合硫化物及び酸化物電解質(結晶性LLZO、アモルファス(1-x)LiI-(x)Li4SnS4混合物、アモルファスxLiI-(1-x)Li4SnS4)、Li3S(BF4)0.5Cl0.5、Li4Ti5O12、リチウムがドープされたチタン酸ランタン(LATP)、Li2+2xZn1-xGeO4、LiTi2(PO4)3、LiHf2(PO4)3、LiGe2(PO4)3、及びそれらの組み合わせのうちの一又は複数で構成されている、条項33に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
[00132]条項35.方法であって、電流コレクタ上にグラファイト含有膜を形成することであって、電流コレクタが銅及び/又はステンレス鋼を含む、グラファイト含有膜を形成することと、グラファイト含有膜上に保護膜スタックを形成することであって、グラファイト含有膜上に、Li9Ti5O12を含む第1の保護膜を形成することを含む、保護膜スタックを形成することとを含む、方法。
[00133]条項36.グラファイト含有膜上に保護膜スタックを形成することが、第1の保護膜上に第2の保護膜を形成することであって、第2の保護膜がリチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含む、第2の保護膜を形成することをさらに含む、条項35に記載の方法。
[00134]条項37.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、Mが、Ti、Mo、又はWから選択され、Xが、S、Se、又はTeから選択される、条項36に記載の方法。
[00135]条項38.遷移金属ジカルコゲナイドが、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される、条項37に記載の方法。
[00136]条項39.グラファイト含有膜上に第1の保護膜を形成することが、物理的気相堆積(PVD)プロセスを介してグラファイト含有膜上にLi4Ti5O12を堆積することを含む、条項35から38のいずれか一項に記載の方法。
[00137]条項40.Li4Ti5O12膜をリチウム化プロセスに曝露して、Li9Ti5O12膜を形成することをさらに含む、条項39に記載の方法。
[00138]条項41.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、リチウムチタンジスルフィド、リチウムタングステンジスルフィド、リチウムモリブデンジスルフィド、又はそれらの組み合わせから選択される、条項35から40のいずれか一項に記載の方法。
[00139]条項42.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを形成することが、化学気相堆積プロセスを介してLi4Ti5O12膜又はLi9Ti5O12膜上にTiS2膜を堆積することと、TiS2膜をリチウム化プロセスに曝露して、Li4Ti5O12膜又はLi9Ti5O12膜上にLiTiS2膜を形成することとを含む、条項35から41のいずれか一項に記載の方法。
[00140]条項43.Li4Ti5O12膜又はLi9Ti5O12膜上にTiS2膜を堆積することが、(a)TiCl4を処理領域内に流すことと、(b)処理領域をパージすることと、(c)H2Sを処理領域内に流して、TiS2膜を形成することと、(d)処理領域をパージすることと、(e)TiS2膜が目標の厚さに達するまで、(a)~(d)を繰り返すこととを含む、条項42に記載の方法。
[00141]条項44.第1の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項35から43のいずれか一項に記載の方法。
[00142]条項45.第2の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項36から43のいずれか一項に記載の方法。
[00143]条項46.グラファイト含有膜がシリコンをさらに含む、条項35から45のいずれか一項に記載の方法。
[00144]条項47.アノード電極構造体であって、銅及び/又はステンレス鋼を含む電流コレクタと、電流コレクタ上に形成されたグラファイト含有膜と、グラファイト含有膜上に形成された保護膜スタックであって、グラファイト含有膜上に形成された、Li9Ti5O12を含む第1の保護膜を含む、保護膜スタックとを含む、アノード電極構造体。
[00145]条項48.保護膜スタックが、第1の保護膜上に形成された第2の保護膜をさらに含み、第2の保護膜がリチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含む、条項47に記載のアノード電極構造体。
[00146]条項49.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、Mが、Ti、Mo、又はWから選択され、Xが、S、Se、又はTeから選択される、条項48に記載のアノード電極構造体。
[00147]条項50.遷移金属ジカルコゲナイドが、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される、条項49に記載のアノード電極構造体。
[00148]条項51.第1の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項47から50のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00149]条項52.第2の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項48から51のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00150]条項53.グラファイト含有膜がシリコンをさらに含む、条項47から52のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00151]条項54.エネルギー貯蔵デバイスであって、条項47から53のいずれか一項に記載のアノード電極構造体と、カソード電極構造体と、アノード電極構造体とカソード電極構造体との間に形成された固体電解質膜とを含む、エネルギー貯蔵デバイス。
[00152]条項55.固体電解質膜が、LiPON、Li7La3Zr2O12の結晶相又はアモルファス相のいずれかのドープされた変種、ドープされた抗ペロブスカイト組成物、アルジロダイト組成物、リチウム硫黄リン酸材料、Li2S-P2S5、Li10GeP2S12、及びLi3PS4、リン酸リチウムガラス、(1-x)LiI-(x)Li4SnS4、xLiI-(1-x)Li4SnS4、混合硫化物及び酸化物電解質(結晶性LLZO、アモルファス(1-x)LiI-(x)Li4SnS4混合物、アモルファスxLiI-(1-x)Li4SnS4)、Li3S(BF4)0.5Cl0.5、Li4Ti5O12、リチウムがドープされたチタン酸ランタン(LATP)、Li2+2xZn1-xGeO4、LiTi2(PO4)3、LiHf2(PO4)3、LiGe2(PO4)3、及びそれらの組み合わせのうちの一又は複数で構成されている、条項54に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
[00153]条項56.方法であって、電流コレクタ上にグラファイト含有膜を形成することであって、電流コレクタが銅及び/又はステンレス鋼を含む、グラファイト含有膜を形成することと、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含むグラファイト含有膜上に保護膜を形成することとを含む、方法。
[00154]条項57.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、Mが、Ti、Mo、又はWから選択され、Xが、S、Se、又はTeから選択される、条項56に記載の方法。
[00155]条項58.遷移金属ジカルコゲナイドが、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される、条項57に記載の方法。
[00156]条項59.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、リチウムチタンジスルフィド、リチウムタングステンジスルフィド、リチウムモリブデンジスルフィド、又はそれらの組み合わせから選択される、条項56から58のいずれか一項に記載の方法。
[00157]条項60.保護膜を形成することが、グラファイト含有膜上にTiS2膜を堆積することと、TiS2膜をリチウム化プロセスに曝露して、リチウムチタンジスルフィド膜を形成することとを含む、条項56から59のいずれか一項に記載の方法。
[00158]条項61.グラファイト含有膜上にTiS2膜を堆積することが、(a)TiCl4を処理領域内に流すことと、(b)処理領域をパージすることと、(c)H2Sを処理領域内に流して、TiS2膜を形成することと、(d)処理領域をパージすることと、(e)TiS2膜が目標の厚さに達するまで、(a)~(d)を繰り返すこととを含む、条項60に記載の方法。
[00159]条項62.保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項56から61のいずれか一項に記載の方法。
[00160]条項63.グラファイト含有膜がシリコンをさらに含む、条項56から62のいずれか一項に記載の方法。
[00161]条項64.アノード電極構造体であって、銅及び/又はステンレス鋼を含む電流コレクタと、電流コレクタ上に形成されたグラファイト含有膜と、グラファイト含有膜上に形成された保護膜であって、リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含む、保護膜とを含む、アノード電極構造体。
[00162]条項65.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、Mが、Ti、Mo、又はWから選択され、Xが、S、Se、又はTeから選択される、条項64に記載のアノード電極構造体。
[00163]条項66.遷移金属ジカルコゲナイドが、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される、条項65に記載のアノード電極構造体。
[00164]条項67.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、リチウムチタンジスルフィド、リチウムタングステンジスルフィド、リチウムモリブデンジスルフィド、又はそれらの組み合わせから選択される、条項64から66のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00165]条項68.保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項64から67のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00166]条項69.グラファイト含有膜がシリコンをさらに含む、条項64から68のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00167]条項70.エネルギー貯蔵デバイスであって、条項64から69のいずれか一項に記載のアノード電極構造体と、カソード電極構造体と、アノード電極構造体とカソード電極構造体との間に形成された固体電解質膜とを含む、エネルギー貯蔵デバイス。
[00168]条項71.固体電解質膜が、LiPON、Li7La3Zr2O12の結晶相又はアモルファス相のいずれかのドープされた変種、ドープされた抗ペロブスカイト組成物、アルジロダイト組成物、リチウム硫黄リン酸材料、Li2S-P2S5、Li10GeP2S12、及びLi3PS4、リン酸リチウムガラス、(1-x)LiI-(x)Li4SnS4、xLiI-(1-x)Li4SnS4、混合硫化物及び酸化物電解質(結晶性LLZO、アモルファス(1-x)LiI-(x)Li4SnS4混合物、アモルファスxLiI-(1-x)Li4SnS4)、Li3S(BF4)0.5Cl0.5、Li4Ti5O12、リチウムがドープされたチタン酸ランタン(LATP)、Li2+2xZn1-xGeO4、LiTi2(PO4)3、LiHf2(PO4)3、LiGe2(PO4)3、及びそれらの組み合わせのうちの一又は複数で構成されている、条項70に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
[00169]条項72.方法であって、電流コレクタ上にリチウム金属膜を形成することであって、電流コレクタが銅及び/又はステンレス鋼を含む、リチウム金属膜を形成することと、リチウム金属膜上に保護膜スタックを形成することであって、リチウム金属膜上に、リチウム化リチウムチタン酸化物(LTO)を含む第1の保護膜を形成することを含む、保護膜スタックを形成することとを含む、方法。
[00170]条項73.リチウム金属膜上に保護膜スタックを形成することが、第1の保護膜上に第2の保護膜を形成することであって、第2の保護膜が遷移金属ジカルコゲナイドを含む、第2の保護膜を形成することをさらに含む、条項72に記載の方法。
[00171]条項74.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、Mが、Ti、Mo、又はWから選択され、Xが、S、Se、又はTeから選択される、条項73に記載の方法。
[00172]条項75.遷移金属ジカルコゲナイドが、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される、条項74に記載の方法。
[00173]条項76.リチウム金属膜上に第1の保護膜を形成することが、物理的気相堆積(PVD)プロセスを介してリチウム金属膜上にLTO膜を堆積することを含む、条項72から75のいずれか一項に記載の方法。
[00174]条項77.LTO膜をリチウム化プロセスに曝露して、リチウム化LTO膜を形成することをさらに含む、条項76に記載の方法。
[00175]条項78.LTO膜が還元されて、リチウム化LTO膜を形成する、条項76に記載の方法。
[00176]条項79.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、リチウムチタンジスルフィド、リチウムタングステンジスルフィド、リチウムモリブデンジスルフィド、又はそれらの組み合わせから選択される、条項73から78のいずれか一項に記載の方法。
[00177]条項80.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを形成することが、化学気相堆積プロセスを介してLTO膜又はリチウム化LTO膜上にTiS2膜を堆積することと、TiS2膜をリチウム化プロセスに曝露して、LTO膜又はリチウム化LTO膜上にLiTiS2膜を形成することとを含む、条項73から79のいずれか一項に記載の方法。
[00178]条項81.LTO膜又はリチウム化LTO膜上にTiS2膜を堆積することが、(a)TiCl4を処理領域内に流すことと、(b)処理領域をパージすることと、(c)H2Sを処理領域内に流して、TiS2膜を形成することと、(d)処理領域をパージすることと、(e)TiS2膜が目標の厚さに達するまで、(a)~(d)を繰り返すこととを含む、条項80に記載の方法。
[00179]条項82.第1の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項72から81のいずれか一項に記載の方法。
[00180]条項83.第2の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項82に記載の方法。
[00181]条項84.アノード電極構造体であって、銅及び/又はステンレス鋼を含む電流コレクタと、電流コレクタ上に形成されたリチウム金属膜と、リチウム金属膜上に形成された保護膜であって、リチウム金属膜上に形成された、リチウム化LTOを含む第1の保護膜を含む、保護膜とを含む、アノード電極構造体。
[00182]条項85.保護膜スタックが、第1の保護膜上に形成された第2の保護膜をさらに含み、第2の保護膜がリチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含む、条項84に記載のアノード電極構造体。
[00183]条項86.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、Mが、Ti、Mo、又はWから選択され、Xが、S、Se、又はTeから選択される、条項85に記載のアノード電極構造体。
[00184]条項87.遷移金属ジカルコゲナイドが、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される、条項86に記載のアノード電極構造体。
[00185]条項88.第1の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項84から87のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00186]条項89.第2の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項85から88のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00187]条項90.エネルギー貯蔵デバイスであって、条項84から89のいずれか一項に記載のアノード電極構造体と、カソード電極構造体と、アノード電極構造体とカソード電極構造体との間に形成された固体電解質膜とを含む、エネルギー貯蔵デバイス。
[00188]条項91.固体電解質膜が、LiPON、Li7La3Zr2O12の結晶相又はアモルファス相のいずれかのドープされた変種、ドープされた抗ペロブスカイト組成物、アルジロダイト組成物、リチウム硫黄リン酸材料、Li2S-P2S5、Li10GeP2S12、及びLi3PS4、リン酸リチウムガラス、(1-x)LiI-(x)Li4SnS4、xLiI-(1-x)Li4SnS4、混合硫化物及び酸化物電解質(結晶性LLZO、アモルファス(1-x)LiI-(x)Li4SnS4混合物、アモルファスxLiI-(1-x)Li4SnS4)、Li3S(BF4)0.5Cl0.5、Li4Ti5O12、リチウムがドープされたチタン酸ランタン(LATP)、Li2+2xZn1-xGeO4、LiTi2(PO4)3、LiHf2(PO4)3、LiGe2(PO4)3、及びそれらの組み合わせのうちの一又は複数で構成されている、条項90に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
[00189]条項92.方法であって、電流コレクタ上にグラファイト含有膜を形成することであって、電流コレクタが銅及び/又はステンレス鋼を含む、グラファイト含有膜を形成することと、グラファイト含有膜上に保護膜スタックを形成することであって、グラファイト含有膜上に、リチウム化リチウムチタン酸化物(LTO)を含む第1の保護膜を形成することを含む、保護膜スタックを形成することとを含む、方法。
[00190]条項93.グラファイト含有膜上に保護膜スタックを形成することが、第1の保護膜上に第2の保護膜を形成することであって、第2の保護膜がリチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含む、第2の保護膜を形成することをさらに含む、条項92に記載の方法。
[00191]条項94.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、Mが、Ti、Mo、又はWから選択され、Xが、S、Se、又はTeから選択される、条項93に記載の方法。
[00192]条項95.遷移金属ジカルコゲナイドが、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される、条項94に記載の方法。
[00193]条項96.グラファイト含有膜上に第1の保護膜を形成することが、物理的気相堆積(PVD)プロセスを介してグラファイト含有膜上にLTO膜を堆積することを含む、条項92から95のいずれか一項に記載の方法。
[00194]条項97.LTO膜をリチウム化プロセスに曝露して、リチウム化LTO膜を形成することをさらに含む、条項96に記載の方法。
[00195]条項98.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、リチウムチタンジスルフィド、リチウムタングステンジスルフィド、リチウムモリブデンジスルフィド、又はそれらの組み合わせから選択される、条項94から97のいずれか一項に記載の方法。
[00196]条項99.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドを形成することが、化学気相堆積プロセスを介してLTO膜又はリチウム化LTO膜上にTiS2膜を堆積することと、TiS2膜をリチウム化プロセスに曝露して、LTO膜又はリチウム化LTO膜上にLiTiS2膜を形成することとを含む、条項95から98のいずれか一項に記載の方法。
[00197]条項100.LTO膜又はリチウム化LTO膜上にTiS2膜を堆積することが、(a)TiCl4を処理領域内に流すことと、(b)処理領域をパージすることと、(c)H2Sを処理領域内に流して、TiS2膜を形成することと、(d)処理領域をパージすることと、(e)TiS2膜が目標の厚さに達するまで、(a)~(d)を繰り返すこととを含む、条項99に記載の方法。
[00198]条項101.第1の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項92から100のいずれか一項に記載の方法。
[00199]条項102.第2の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項93から100のいずれか一項に記載の方法。
[00200]条項103.グラファイト含有膜がシリコンをさらに含む、条項92から102のいずれか一項に記載の方法。
[00201]条項104.アノード電極構造体であって、銅及び/又はステンレス鋼を含む電流コレクタと、電流コレクタ上に形成されたグラファイト含有膜と、グラファイト含有膜上に形成された保護膜であって、グラファイト含有膜上に形成された、リチウム化LTOを含む第1の保護膜を含む、保護膜とを含む、アノード電極構造体。
[00202]条項105.保護膜スタックが、第1の保護膜上に形成された第2の保護膜をさらに含み、第2の保護膜がリチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含む、条項104に記載のアノード電極構造体。
[00203]条項106.リチウム遷移金属ジカルコゲナイドが、式MX2を有する遷移金属ジカルコゲナイドを含み、Mが、Ti、Mo、又はWから選択され、Xが、S、Se、又はTeから選択される、条項105に記載のアノード電極構造体。
[00204]条項107.遷移金属ジカルコゲナイドが、TiS2、MoS2、WS2、又はそれらの組み合わせから選択される、条項106に記載のアノード電極構造体。
[00205]条項108.第1の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項104から107のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00206]条項109.第2の保護膜が、100ナノメートル以下の厚さを有する、条項104から108のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00207]条項110.グラファイト含有膜がシリコンをさらに含む、条項104から109のいずれか一項に記載のアノード電極構造体。
[00208]条項111.エネルギー貯蔵デバイスであって、条項104から110のいずれか一項に記載のアノード電極構造体と、カソード電極構造体と、アノード電極構造体とカソード電極構造体との間に形成された固体電解質膜とを含む、エネルギー貯蔵デバイス。
[00209]条項112.固体電解質膜が、LiPON、Li7La3Zr2O12の結晶相又はアモルファス相のいずれかのドープされた変種、ドープされた抗ペロブスカイト組成物、アルジロダイト組成物、リチウム硫黄リン酸材料、Li2S-P2S5、Li10GeP2S12、及びLi3PS4、リン酸リチウムガラス、(1-x)LiI-(x)Li4SnS4、xLiI-(1-x)Li4SnS4、混合硫化物及び酸化物電解質(結晶性LLZO、アモルファス(1-x)LiI-(x)Li4SnS4混合物、アモルファスxLiI-(1-x)Li4SnS4)、Li3S(BF4)0.5Cl0.5、Li4Ti5O12、リチウムがドープされたチタン酸ランタン(LATP)、Li2+2xZn1-xGeO4、LiTi2(PO4)3、LiHf2(PO4)3、LiGe2(PO4)3、及びそれらの組み合わせのうちの一又は複数で構成されている、条項111に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
[00210]要約すると、本開示の利点のいくつかは、エネルギー密度、サイクル寿命、及び安全性を高めるために、リチウム膜、グラファイト膜、又はシリコングラファイト膜などのアノード膜上に保護膜又はインターフェース膜を効率的に統合及び堆積することを含む。いくつかの実装形態では、保護膜は、より高い電圧の材料(例えば、1.5ボルトを超える電圧を有する材料)からダウンセレクトされる。いくつかの実装形態では、保護膜は、Li9Ti5O12及び/又はリチウム遷移金属ジカルコゲナイドを含む。いくつかの実装形態では、保護膜は、Li4Ti5O12又は遷移金属ジカルコゲナイド(例えば、WS2、TiS2、及びMoS2)を含む膜を堆積することにより形成される。リチウムとの相互作用時に、Li4Ti5O12と遷移金属ジカルコゲナイドの両方は、それぞれ、液体電解質でSEIの形成を減少させながら、Li9Ti5O12及び/又はリチウム遷移金属ジカルコゲナイドに還元される(どちらも高速リチウムイオン輸送を提供する)。前述の保護膜はまた、リチウム化の際に最小限の体積変化を経験し、これにより、保護膜の保護インターフェースでの寸法変化及び/又は亀裂が防止される。さらに、Li9Ti5O12は、固体電解質の酸化物系と互換性があり、リチウムチタンジスルフィドは、将来の統合のために硫化物固体電解質と互換性がある。
[00211]本開示の要素、又は、その例示的態様若しくは実装形態を紹介する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、要素が1つ又は複数存在することを意味することが意図されている。
[00212]「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という表現は、包括的であるように意図されており、列挙された要素以外に追加の要素があり得ることを意味する。
[00213]以上の記述は本開示の実装形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱しなければ、本開示の他の実装形態及びさらなる実装形態が案出されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決まる。