JP7313647B2 - 眼鏡又はアクセサリの継手 - Google Patents
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Description
このような眼鏡のヒンジにおいては、眼鏡装着者の頭部を左右から挟みつける方向に付勢して眼鏡のずり落ちを抑制したバネヒンジや、フロント部に対してテンプルを前記ヒンジにおいて着脱可能として、別のデザインのテンプルに交換できるようにしたもの、ヒンジを構成するボルトが緩みやすいことから、ボルトレス又はヒンジレスとしたものなど、種々の機能のものが提案又は市販されている。
また近年では、ネオジウム磁石など強力な磁着力を有する磁石が安価に販売されており、このような磁石のバネヒンジやボルトレスヒンジ等への応用も拡がっている(特許文献3~6参照)。
例えば特許文献3には、蝶番の固定側に設けた磁石と可動側に設けた磁石の反発力とを利用したバネ蝶番が開示されている。また、特許文献4や特許文献3には、ボルトの代わりに磁石を用いることでボルトレスとしたヒンジが開示されている。さらに特許文献4には、ヒンジの代わりに磁石によってフロント部とテンプルとを連結したヒンジレス眼鏡が開示されている。
さらに特許文献5のヒンジレス眼鏡は、磁石の磁着力のみでロント部とテンプルとを連結しているため、テンプルが外れやすいという問題がある。
請求項2に記載するように、前記第一の部材と前記第二の部材の組を軸線方向に複数設けてもよい。このように構成することで、屈曲部分を複数有する継手を得ることができ、全体として湾曲状に変形する継手を得ることができる。
請求項4に記載するように、この実施形態においても前記第一の部材と前記第二の部材の組を軸線方向に複数設けてもよい。この場合、前記第一の部材及び第二の部材の組のうちの一部の組について前記磁着部と被磁着部とを設けるようにしてもよい。
請求項6に記載するように、一方の前記平坦面に凸部を形成し、他方の前記平坦面に前記凸部と係合する凹部を形成してもよい。このようにすれば、初期形態復帰時に凸部と凹部が係合することで、初期形態時の第一の部材と第二の部材の接合関係を常に一定に保つことができるほか、初期形態時に横方向に負荷が作用しても、第一の部材と第二の部材の位置ずれを防止できる。
請求項8に記載するように、前記付勢手段が伸縮方向及び曲げ方向に弾性変形する芯材で、前記第一の部材及び前記第二の部材に貫通孔が形成され、この貫通孔に前記芯材を挿通させて設けてもよい。
図1は、本発明の継手を適用した眼鏡の一実施形態を示す斜視図である。
眼鏡10は、左右のレンズ11,11を保持する左右のリム12,12と、この左右のリム12,12を連結するブリッジ13と、リム12,12のそれぞれに取り付けられた鼻パッド14.14とを有するフロント部Fと、このフロント部Fの左右にヨロイ15,15を介して取り付けられた左右のテンプルT,Tとを有している。そして、ヨロイ15,15とテンプルT,Tとが継手1,1によって、フロント部Fに対して屈曲自在に取り付けられている。
図2(a)の実施形態では、ヨロイ15とテンプルTの端部に形成された嵌合孔15a,Taに初期形態が軸線Cに沿った直線状の引張コイルバネ6(以下、バネ6と記載する)の端部が嵌め込まれる。
ヨロイ15及びテンプルTと上記構成の継手1との連結は、例えば、嵌合孔15a,Taの内径をバネ6の端部の外径と同程度か僅かに小さく形成し、バネ6の端部を嵌合孔15a,Taに嵌め込んで取り付けるようにしてもよいし、嵌合孔15a,Taの内周面にバネ6の螺条と係合する螺条を数条凸設し、バネ6の端部を嵌合孔15a,Taに螺入するようにしてもよい。
また、接着剤によってヨロイ15及びテンプルTと継手1とを接着するようにしてもよいし、磁石によってヨロイ15及びテンプルTと継手1とを磁着するようにしてもよい。
この実施形態の継手1の基本構成は、第一の実施形態の継手1とほぼ同じであるが、この実施形態の継手1では平坦面2a,3aの鉛直軸線が軸線Cに対して角度αだけ傾いている。そのため、この実施形態の継手1の初期形態は図2(b)に示すように角度αだけ屈曲した形状となる。このように、本発明の継手1では、接触部である平坦面2a,3aの角度αを調整することで、初期形態を自在に設定することが可能である。
この実施形態の継手1は、それぞれ複数の第一の部材2と第二の部材3を交互に軸線C方向に配置したものである。この実施形態では第一の部材2及び第二の部材3はそろばん玉状に形成されていて、両端面が平坦面2a,3aとして形成されている。第一の部材2及び第二の部材3の平坦面2a,3aの両側は、テーパ面2b,3bとして形成されていて、組となる第一の部材2及び第二の部材3のそれぞれをテーパ面2b,3bのテーパ角に応じた屈曲角度で屈曲させることが可能になる。
図3(a)の実施形態では、ヨロイ15とテンプルTの端部に形成された嵌合孔15a,Taに初期形態が軸線Cに沿った直線状のコイルバネ6(以下、バネ6と記載する)の端部が嵌め込まれる。
バネ6は、テンプルTを取り付けた状態で、下記に説明する磁石4,5の磁着力と協働して前記初期形態を維持できるバネ性を有するものを選択する。また、バネ6は圧縮コイルバネ又は引張コイルバネのいずれでもよい。
また、接着剤によってヨロイ15及びテンプルTと継手1とを接着するようにしてもよいし、磁石によってヨロイ15及びテンプルTと継手1とを磁着するようにしてもよい。
以下では、図3(a)の実施形態の継手と異なる点のみを説明する。
この実施形態では、第一の部材2の端部に形成された平坦面2aの中央に凹部2cが形成され、この凹部2cにリング状の磁石4が嵌め込まれる。また、第二の部材3の全体又は端部は磁石4と磁着できるステンレスなどの金属で形成されている。すなわち、この実施形態では、磁着性のある金属で形成された第二の部材3の端部が「被磁着部」を構成する。
この実施形態の継手1は、それぞれ複数の第一の部材2と第二の部材3を交互に軸線C方向に配置したものである。この実施形態では第一の部材2及び第二の部材3はそろばん玉状に形成されていて、両端面が平坦面2a,3aとして形成されている。また、この実施形態では第一の部材2及び第二の部材3は磁石で形成されている。第一の部材2及び第二の部材3の平坦面2a,3aの両側は、図3(b)に示した第六の実施形態の継手1の第二の部材3のテーパ面3bと同様のテーパ面として形成されていて、組となる第一の部材2及び第二の部材3のそれぞれがテーパ角に応じた屈曲角度で屈曲することで、継手1の全体の屈曲角度を大きくすることができる。
初期形態のテンプルTに横方向(軸線Cと交叉する方向)に負荷を作用させると、第二の部材3は、図4(a)の(i)で示す初期形態の状態(第一の部材2と第二の部材3とは図4(b)に示す状態)から第一の部材2に対して傾き(図4(c)参照)、図4(a)(ii)に示すように継手1が屈曲した状態となる。この状態では、バネ6及び磁石4の磁着力により、第二の部材3及びテンプルTには負荷方向と逆方向に付勢力が作用する。これは、バネ蝶番において眼鏡装着者の頭部に作用する付勢力と同じであるが、本発明の継手1においてはバネ6の付勢力と磁着力との協働によって、従来のバネ蝶番よりも大きな付勢力を作用させることが可能になる。
さらに負荷を加えると、テーパ面3bが平坦面2aに当接し、当該屈曲角度で継手1が保持される(図4(a)(iii)参照)。例えばテンプルTを折り畳む際には、テーパ面3bが平坦面2aに当接するまで第二の部材3を第一の部材2に対して屈曲させればよい。
例えば、上記で説明した第一の実施形態~第八の実施形態の各構成は適宜に組み合わせることが可能である。また、上記の説明では、第二の部材3にテーパ面3bを形成しているが、第二の部材2にテーパ面2bを形成してもよく、テーパ面に変えて湾曲面としてもよい。
さらに付勢手段はバネ6としているが、弾性を有するものであればゴムなどの他の弾性体を用いてもよい。
また、上記の説明では眼鏡のヒンジに適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明の継手1はヒンジに限らず他の部位、例えばテンプルTとモダンMの間などにも用いることができる。
また、眼鏡に限らずバングルやネックレスなどのアクセサリにも適用が可能である。図8は、バングル20に本発明の継手1を適用した例を示す図であるが、図示の例でのバングル20では、本体21の開放部分である開閉部22に継手1を設け、継手1によって開閉部22を開閉自在にしている。このようにすることで、装着者の腕にバングル20を装着しやすくすることができる。ハングル20の本体部分にも一つ又は複数の継手1を用いることができる。
2 第一の部材
2a 平坦面
2b テーパ面
2c 凹部
3 第二の部材
3a 平坦面(接触部)
3b テーパ面
3c 凸部
4,5 磁石(磁着体、被磁着体)
6 バネ(付勢手段)
7 貫通孔
8 芯材
9 カバー
15 ヨロイ
15a 嵌合孔
20 バングル
21 本体
22 開閉部
T テンプル
Ta 嵌合孔
M モダン
Claims (10)
- 眼鏡の屈曲部分に設けられるか又はバングル及びネックレスを含むアクセサリの開閉部を開閉するように設けられる屈曲自在な継手において、
軸線方向に端部を突き合わせ、突き合わせた前記端部で軸線に対して交叉する方向に屈曲自在に接合される第一の部材及び第二の部材と、
この第一の部材及び第二の部材のそれぞれの前記端部の少なくとも一部に形成され、前記第一の部材と前記第二の部材を突き合わせて前記端部どうしを二次元的又は三次元的に接触させることで、前記端部どうしが互いに係合して前記第一の部材と前記第二の部材とを初期形態に維持する接触部と、
前記第一の部材及び前記第二の部材の前記接触部を、常時突き合わせる方向に付勢し、前記第一の部材及び第二の部材の軸線方向に離間又は軸線と交叉する方向に屈曲する可動領域を制限する付勢手段と、
を有し、
前記第一の部材、前記第二の部材及び前記付勢手段を一つにまとめてユニット化し、前記眼鏡の屈曲部分又は前記アクセサリの開閉部に対して着脱できるようにしたこと、
を特徴とする眼鏡又はアクセサリの継手。 - 前記第一の部材と前記第二の部材の組を軸線方向に複数設けたことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡又はアクセサリの継手。
- 眼鏡の屈曲部分に設けられるか又はバングル及びネックレスを含むアクセサリの開閉部を開閉するように設けられる屈曲自在な継手において、
軸線方向に端部を突き合わせ、突き合わせた前記端部で軸線に対して交叉する方向に屈曲自在に接合される第一の部材及び第二の部材と、
この第一の部材及び第二の部材のそれぞれの前記端部の少なくとも一部に形成され、前記第一の部材と前記第二の部材を突き合わせて前記端部どうしを二次元的又は三次元的に接触させることで、前記端部どうしが互いに係合して前記第一の部材と前記第二の部材とを初期形態に維持する接触部と、
突き合わせる前記第一の部材及び前記第二の部材の前記端部のうち、一方の前記端部に設けられた磁着部及び他方の前記端部に設けられ前記磁着部と磁着する被磁着部と 、
前記第一の部材及び第二の部材を連結し、前記磁着部と前記被磁着部とが磁着した状態での前記第一の部材及び第二の部材の軸線方向に離間又は軸線と交叉する方向に屈曲する可動領域を制限するとともに、前記磁着部と前記被磁着部との間に作用する磁着力と協働して、屈曲時に前記第一の部材及び第二の部材に前記初期形態へ復帰させる付勢力を作用させる付勢手段と、
を有し、
前記第一の部材、前記第二の部材及び前記付勢手段を一つにまとめてユニット化し、前記眼鏡の屈曲部分又は前記アクセサリの開閉部に対して着脱できるようにしたこと、
を特徴とする眼鏡又はアクセサリの継手。 - 前記第一の部材と前記第二の部材の組を軸線方向に複数設け、前記第一の部材及び前記第二の部材の組のうちの少なくとも一組について、前記磁着部前記被磁着部とを設けたことを特徴とする請求項3に記載の眼鏡又はアクセサリの継手。
- 少なくとも一方の前記接触部において、当該接触部に連続する側面の少なくとも一部に、前記第一の部材と前記第二の部材の屈曲をガイドする傾斜状又は湾曲状のガイド部を形成したことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の眼鏡又はアクセサリの継手。
- 一方の前記接触部に凸部を形成し、他方の前記接触部に前記凸部と係合する凹部を形成したことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の眼鏡又はアクセサリの継手。
- 前記接触部が、平面視して角形状、円形状又は楕円形状に形成されていることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の眼鏡又はアクセサリの継手。
- 前記付勢手段が伸縮方向及び曲げ方向に弾性変形する芯材で、前記第一の部材及び前記第二の部材に貫通孔が形成され、この貫通孔に前記芯材を挿通させて設けたことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の眼鏡又はアクセサリの継手。
- 前記第一の部材及び前記第二の部材に貫通孔が形成され、この貫通孔に、少なくとも曲げ方向に弾性変形する芯材を挿通させて設けたことを特徴とする請求項3~7のいずれかに記載の眼鏡又はアクセサリの継手。
- 前記第一の部材及び第二の部材の外側に、前記第一の部材及び第二の部材の屈曲に応じて変形が可能なカバーを設けたことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の眼鏡又はアクセサリの継手。
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