JP7311288B2 - 触媒フィルタ - Google Patents

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本発明は、一酸化炭素などを酸化分解することができる触媒フィルタに関する。
自動車や工場などの内燃機関から発生する排気ガスには微量の一酸化炭素などの有害成分が含まれるため、除去手段を用いてこれらを除去してから大気中に放出されている。また、密閉した保管庫などでは微量の悪臭物質が産生されアンモニア臭が発生する場合があり、種々の除去手段が施されている。
有害成分を除去する方法は活性炭などの吸着剤への吸着、プラズマ発生装置によるラジカルや、オゾンなど活性種による分解除去方法などが広く用いられている。しかしながら吸着剤による吸着処理では吸着剤の有害成分吸着量には上限があり、定期的な吸着剤の交換が必要である。
有害成分を分解除去する方法としては、上述のプラズマ法のような物理的に発生させた活性種で酸化して分解する方法以外に、触媒を用いて酸化して分解する方法も広く用いられている。酸化触媒体としては、接触面積を広くするため、無機粒子である担体に活性物質(触媒粒子)を担持させた構造体が使用されている(特許文献1)。また、シリンダー状のメソ孔を有する無機メソポーラス担体の細孔内に触媒粒子を担持させている触媒体も開発されている(特許文献2、3)。
また、本発明者らはプラズマ発生装置と金属微粒子触媒を組み合わせた除去方法を提案している(特許文献4)。
特開2003-080077号公報 特開2004-283770号公報 特開2007-326094号公報 国際公開第2013/42328号
しかしながら、上述した触媒体は、触媒活性が不十分であり、触媒活性の更なる向上が求められている。また、本発明者らのプラズマ発生装置と金属微粒子触媒を組み合わせた除去方法も一酸化炭素などの分解は不十分であり、浄化装置の更なる向上が求められている。
本発明は、触媒フィルタにおいて触媒活性を改善できる新規な技術を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]酸性の固体金属酸化物からなる担体と、該担体に担持されている金粒子とを含む金触媒と、
前記金触媒がその表面に担持されているフィルタ基材とを備え、
前記フィルタ基材の表面に対して、前記金粒子の担持量が0.005g/m以上0.5g/m以下であることを特徴とする触媒フィルタ。
[2] 前記担体を構成する固体金属酸化物が酸化ニオブであることを特徴とする[1]に記載の触媒フィルタ。
[3] 前記担体の比表面積が20m/g以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載の触媒フィルタ。
[4] 前記担体に担持されている前記金粒子の密度が3μmol/m以下であることを特徴とする[1]から[3]のいずれか一つに記載の触媒フィルタ。
[5] 前記担体がその容積が0.1cm/g以上であるメソ孔を有することを特徴とする[1]から[4]のいずれか一つに記載の触媒フィルタ。
[6] 金粒子の前記担体に対する担持量が0.5質量%以上12.0質量%以下であることを特徴とする[1]から[5]のいずれか一つに記載の触媒フィルタ。
[7] 前記フィルタ基材は、ハニカム状、繊維状であることを特徴とする[1]から[6]のいずれか一つに記載の触媒フィルタ。
本発明によれば、触媒フィルタにおいて触媒活性を改善できる新規な技術を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳述する。
本実施形態の触媒フィルタは、通気性を有するフィルタ基材と、その表面に担持されている金触媒を含んで構成される。金触媒は酸性の固体金属酸化物からなる担体と、該担体に担持されている金粒子とを含む。
なお、本実施形態の触媒フィルタにおいて、金粒子は、金以外の金属元素を金粒子と複合化させた複合粒子や金と金以外の金属元素の合金の粒子であってもよい。金以外の金属元素は、金と複合粒子や合金を形成できれば特に限定しないが,Ag、Pt、Ru、Rh、Pd、Os、Irなどの貴金属や、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Cd、Wなどの卑金属が挙げられる。
金以外の金属元素を金粒子と複合化した複合粒子の場合には、複合粒子の大きさを後述の大きさの範囲内(粒径が2nm以上9nm以下)とすることができる。複合粒子において用いることができる金粒子以外の金属粒子(ナノ粒子)としては、Pt、Pd、Irなどといった貴金属およびその酸化物、または卑金属およびそれらの酸化物などが挙げられる。これらの貴金属およびその酸化物、卑金属およびその酸化物の金属粒子は2種以上混合されて、担体に担持されてもよい。
本実施形態の触媒フィルタにおいては、被処理気体がフィルタ基材に固定された金触媒と接触して、被処理気体中の処理対象成分が酸化されて分解される。
本実施形態の触媒フィルタの構成要素である金触媒は、酸性の固体金属酸化物からなる担体と金(Au)粒子を含んで構成される。担体は、酸性の固体金属酸化物である。
本明細書において固体金属酸化物が「酸性」であるとは、等電点のpHが5以下であることを意味する。上記の酸性の固体金属酸化物としては、酸化ニオブ、ポリオキソメタレート(具体的にはたとえばケイタングステン酸,ケイモリブデン酸,リンタングステン酸,リンモリブデン酸,モリブデン酸アンモニウム,タングステン酸アンモニウム等)、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化モリブデン、酸化バナジウム等が挙げられる。中でも、触媒活性をより高めることができるため、酸化ニオブ、ポリオキソメタレート、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化モリブデン、および酸化バナジウムからなる群より選択される一種以上が好ましく、酸化ニオブがより好ましい。
担体の形状は特に制限されないが、触媒活性をより高めることができるため、複雑な3次元構造を有しているのが好ましく、特に酸化ニオブ、ポリオキソメタレート、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化モリブデン、酸化バナジウムにおいては、MO4四面体、MO5正方錘、MO6六面体またはMO5三方両錘からなる基本単位において、脱水縮合反応により酸素原子が基本単位間を架橋し、頂点、稜または面を介して結合してなる3次元構造体であるのが好ましい。また、これらの中でも特に水熱反応により得られた酸化ニオブが、触媒活性が高く、より好ましい。
また、触媒活性をより高めることができるため、担体の比表面積が20~500m/gであるのが好ましく、比表面積が100~300m/gであるのがさらに好ましく、比表面積が150~300m/gであるのが最も好ましい。なお、本実施形態に係る比表面積はBET法による自動比表面積測定装置を用いて算出した値である。
触媒活性をより高めることができるため、担体である固体酸化物はメソ孔(孔径が2nm以上50nm以下の孔)を有し、該メソ孔容量であるメソ孔容積は0.1cm/g 以上であるのが好ましく、0.2cm/g以上であるのがさらに好ましい。なお、メソ孔容積の上限値は特に限定されないが、フィルタ基材との接着性の観点から、例えば2.0cm/g以下とすることが好ましい。
ここでメソ孔であることはBET法により孔径の値を得ることで特定することができる。また、メソ孔容積は、吸着質が脱離するときの相対圧と吸着量の関係である脱着等温線から細孔径を求めるBJH法(E.P.Barrett, L.G.Joyner, P.H.Halenda:J.Am.Chem. Soc., 73, 373 (1951))により算出できる。
また、触媒活性をより高めることができるため、担体の粒径は、平均粒子径で5~1000nmであるのが好ましく、5~500nmであるのがさらに好ましい。
なお、本実施形態に係る粒子の粒径は透過型電子顕微鏡(TEM)の画像写真での粒子サイズを算出し、その平均値として粒径を得ることができる。
触媒活性をより高めることができるため、本実施形態に係る金触媒における金粒子は、平均粒径が5nm以下であるのが好ましく、0.1~2nmであるのがさらに好ましい。
触媒活性をより高めることができるため、本実施形態に係る金粒子の含有量は、担体に対して0.1~15.0質量%であるのが好ましく、0.5~12.0質量%がさらに好ましい。
また、触媒フィルタの製造コストを下げられるため、上記金粒子の密度は、好ましくは3μmol/m以下、更に好ましくは0.1~0.15μmol/mである。この3μmol/m以下との密度は、特に担体の比表面積が上述の好ましい範囲の場合に特に有効であり、少ない金密度でも活性が増大するという点で特に効果的である。
なお、上記密度は以下の式(1)に基づき求めることができる。

金粒子の密度=担体に対する金粒子含有量(重量%)/100/197(金の分子量,g/mol)/担体の比表面積(m/g) ・・・・(1)
本実施形態に係る金触媒において、金粒子は上記担体の表面に担持されているようにしてもよい。また、上述のように担体が3次元構造体である場合、担体内部に空洞が生じている場合もあり、その場合には金粒子は当該空洞内の担体表面に担持されていてもよい。
金粒子の担持量は、フィルタ基材の表面に対して、0.005g/m以上0.5g/m以下であるのが好ましい。0.5g/cmを超えると、金粒子同士が凝集しやすくなり、上記範囲内にある場合と比較して触媒活性が減少しやすくなる。また、0.005g/cm未満では、上記範囲内にある場合と比較して、十分な触媒活性が得られにくい。
触媒活性をより高めることができるため、粒径2nm以上9nm以下の金粒子を0.005g/m以上担持する場合、担体はメソ孔を有することが好ましい。また、同様に触媒活性をより高めることができるため、より好ましい金粒子の担持量は、フィルタ基材の表面に対して0.010g/m以上0.5g/m以下であり、さらに好ましい金粒子の担持量は、フィルタ基材の表面に対して0.1g/m以上0.5g/m以下である。
なお、本実施形態の金触媒においては、金粒子に加えて、助触媒粒子や金以外の他の金属元素などを含んでいてもよく、特に限定されない。具体的には、助触媒粒子と金粒子が混在するものなどが挙げられる。金粒子単独で用いる場合や金粒子と助触媒粒子とを混在させたものを用いる場合には、金粒子を上述の大きさの範囲内(粒径が2nm以上9nm以下)とすることができる。助触媒粒子において用いることができる金粒子以外の金属粒子(ナノ粒子)としては、Pt、Pd、Irなどといった貴金属およびその酸化物、または卑金属およびそれらの酸化物などが挙げられる。これらの貴金属およびその酸化物、卑金属およびその酸化物の金属粒子は2種以上混合されて、担体に担持されてもよい。
また、水分によって金触媒が影響を受け難くするために、金触媒を疎水化したり、吸湿材や乾燥剤を添加してもよい。
本実施形態の金触媒は、フィルタ基材上に形成させる。このとき、フィルタ基材は通気性を有すれば特に限定しないが、ハニカム状、繊維状などの基材が好ましい。繊維状、ハニカム状であれば圧力損失が小さくなるので好ましい。
本実施形態の触媒フィルタは、被処理気体中の処理対象となる物質を酸化反応で二酸化炭素や水などの無害な物質に分解処理し、大気中に排出できる。本実施形態の触媒フィルタにおいて処理可能な物質としては、自動車の内装材、住宅の建材・内装材、家電の筐体・部材などの素材から揮発する物質、たとえば、塗料、接着剤、洗浄剤などの有機溶剤から揮発する物質が挙げられる。具体的には、エチレン、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、スチレンなどの炭化水素類、メタノール、エタノール、プロピルアルコールなどのアルコール類、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどのアルデヒド類、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオールなどのチオール類、硫化メチル、二硫化メチル、ジメチルスルホキシドなどの硫黄有機化合物などが例示される。また、工場や厨房の燃焼工程や家庭用暖房器具などやタバコの不完全燃焼により生じる一酸化炭素も処理可能である。
フィルタ基材は、本実施形態の触媒フィルタを製造する際に高温に加熱する場合があるため、当該加熱温度に耐える耐熱性を有する材料で構成されていることが望ましい。具体的にはフィルタ基材の材料として、金属材料、セラミックス、ガラス、炭素繊維、炭化珪素繊維や耐熱性有機高分子材料などが好ましく、さらには金属、金属酸化物、ガラスがより好ましい。
フィルタ基材に用いられる金属材料としては、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ、TZM(Titanium Zirconium Molybdenum)、W-Re(tungsten-rhenium)などの高融点金属や、銀、ルテニウムなどの貴金属及びそれらの合金または酸化物、チタン、ニッケル、ジルコニウム、クロム、インコネル、ハステロイなどの特殊金属、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、亜鉛、マグネシウム、鉄などの汎用金属およびこれら汎用金属を含む合金またはこれら汎用金属の酸化物を用いることができる。また、各種めっき及び真空蒸着や、CVD法や、スパッタ法などにより、上述した金属、合金または酸化物の被膜が形成された部材を金属材料として用いてもよい。
さらに、フィルタ基材に用いられるセラミックスとしては、土器、陶器、石器、磁器などの陶磁器、セメント、石膏、ほうろう及びファインセラミックスなどのセラミックスを挙げることができる。セラミックスの組成は、元素系、酸化物系、水酸化物系、炭化物系、炭酸塩系、窒化物系、ハロゲン化物系、及びリン酸塩系などを挙げることができ、また、それらの複合物でもよい。
また、フィルタ基材に用いられるセラミックスとしては、さらに、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、フェライト、アルミナ、フォルステライト、ジルコニア、ジルコン、ムライト、ステアタイト、コーディエライト、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ニューカーボンなどや、高強度セラミックス、機能性セラミックス、超伝導セラミックス、非線形光学セラミックス、抗菌性セラミックス、生分解性セラミックス、及びバイオセラミックスなどのセラミックスを挙げることができる。
また、フィルタ基材に用いられるガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、石英ガラス、カルコゲンガラス、ウランガラス、水ガラス、偏光ガラス、強化ガラス、合わせガラス、耐熱ガラス・硼珪酸ガラス、防弾ガラス、ガラス繊維、ダイクロ、ゴールドストーン(茶金石・砂金石・紫金石)、ガラスセラミックス、低融点ガラス、金属ガラス、ニューガラス、及びサフィレットなどのガラスを挙げることができる。
また、フィルタ基材にはその他に、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、及びポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ、シリカ質混合材を添加した混合セメントである高炉セメント、シリカセメント、及びフライアッシュセメントなどのセメントを使用することも可能である。
また、フィルタ基材にはその他に、チタニアや、ジルコニア、アルミナ、セリア(酸化セリウム)、ゼオライト、アパタイト、シリカ、活性炭、珪藻土などを使用することができる。さらに、基材には、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、錫などからなる金属酸化物を用いることも可能である。
さらに、フィルタ基材には、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアラミド、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリキノリン、ポリキノキサリン、フッ素樹脂などや、フェノール樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などの当業者に公知な耐熱性有機高分子材料を用いることも可能である。
本実施形態の触媒フィルタは、例えば、フィルタ基材に固体金属酸化物を固定し、次いで金属酸化物に金粒子を担持させる工程を行うことにより製造することができる。
フィルタ基材に固体金属酸化物を固定する工程は、例えば、フィルタ基材を固体金属酸化物の懸濁液に浸漬して基材表面に担体である固体金属酸化物を付着させ、その後200℃から500℃で焼成することで、フィルタ基材表面に固着させることができる。
次いで、金コロイド溶液を用いて担体である固体金属酸化物に金粒子を担持させる担持工程を行う(以下、この製造方法をコロイド法という)。なお、金粒子を担持させる方法としては、特に好ましい方法であるので、以下ではコロイド法を説明するが、これに限定されるものではない。例えば、金触媒は、析出還元法(DP法)、析出沈殿法(DR法)、DPウレア法、固相混合法(SG法)、共同沈殿法(One-pot法)等の方法で金粒子を担持させることもできる。
上記金粒子担持工程においては、上記固体金属酸化物として、比表面積が好ましくは20m/g以上、更に好ましくは100m/g以上、より好ましくは150m/g以上の高比表面積のものを用い、上記金コロイド溶液として、粒径5nm以下、好ましくは0.5~3nmの金粒子を含有する金コロイド溶液を用いることができる。比表面積が上記範囲外の場合及び金粒子の粒径が5nmを超える場合には、固体金属酸化物からなる担体に金粒子が担持されなくなる。
担持工程においては、金コロイド溶液に固体金属酸化物を固定化したフィルタ基材を浸漬し、その後フィルタ基材を引き上げて焼成することで、金粒子を担持させることができる。
具体的には、例えば、金コロイド溶液に固体金属酸化物を固定したフィルタ基材を浸漬し、金コロイド溶液のpHを8~11に水酸化ナトリウムなどを用いて調整しつつ30分~2時間撹拌混合する。金の含有量は、固体金属酸化物100重量部に対して好ましくは0.01~20重量部、更に好ましくは0.1~5重量部である。
ついで、水素化ホウ素ナトリウムをコロイド溶液中の金粒子100重量部に対して50~200重量部添加する。コロイド溶液からフィルタ基材を引上げて洗浄し、60~100℃にて乾燥させた後、200~500℃にて2~10時間空気中で焼成して、固体金属酸化物の表面に金粒子が担持されている金触媒を得ることができる。
固体金属酸化物は市販のものを使用してもよいほか、例えば公知の製造方法により得たものを使用してもよい。例えば、酸化ニオブにより固体金属酸化物を構成する場合には、NH4{NbO(C242(H2O)}・nH2O(Nb:6mmol)を水に溶解し、150~300℃にて10~30時間水熱合成を行う。次いで得られた固体を吸引ろ過した後、50~100℃にて乾燥し、350~500℃にて1~4時間熱処理することで酸化ニオブからなる固体金属酸化物を得ることができる。
金コロイド溶液は、水中でコロイドを形成する化合物を水中に溶解させることにより形成することができる。この際用いることができる化合物としてはテトラクロロ金酸、HAuCl、Au(en)Cl等(en:エチレンジアミン基)を挙げることができる。テトラクロロ金酸を用いる場合は、テトラクロロ金酸のトルエン溶液とテトラオクチルアンモニウムブロミドのトルエン溶液とを水素化ホウ素ナトリウムの存在下に水中に投入することにより金コロイド溶液を得ることができる。また、HAuClを用いる場合には、テトラオクチルアンモニウムブロミドのトルエン溶液をHAuClと共に水素化ホウ素ナトリウムの存在下に水中に投入することにより金コロイド溶液を得ることができる。また、Au(en)Clについては、そのまま水中に投入することにより金コロイド溶液を得ることができる。なお、水素化ホウ素ナトリウムは上述のように担持させる際に添加し、コロイド化においては特に添加しないで金コロイド溶液を調整することもできる。
本実施形態のフィルタの使用環境は特に限定されず、被処理気体の種類やフィルタが設置される環境に応じて好適な温度、湿度において使用できる。
本実施形態のフィルタは、例えば、被処理気体中の有害成分を除去する作用または機能を有する部材や気体浄化装置に使用することができる。
当該部材や装置としては、エアコン、冷蔵庫などのフィルタ類や、倉庫やショーケース内に設置する空気浄化フィルタ、オフィスや喫煙室に設置する空気清浄機、あるいは内燃機関などの排気ガス浄化装置や燃料電池の水蒸気改質器などを挙げることができる。当該部材や装置には触媒体の加熱機構など、触媒体が好適に作動する使用環境が設定できる機能を設けてもよい。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
アンモニウムニオビウムオキサレートを純水に溶解し、耐圧容器中で175℃、24時間加熱した。生成した固形分を分別回収し、純水で数回洗浄を行なった。
ビーカーに上記固形分と純水を入れて攪拌し、懸濁液を調製した。この懸濁液にセラミックハニカム(岩谷産業社製)を浸漬させた。その後、セラミックハニカムを引上げ、余剰分の懸濁液をエアブローで除去し、120℃で5分間乾燥させた。再び懸濁液に浸漬し、上述の浸漬と乾燥操作を3回繰り返した。
その後、120℃で6時間、次いで400℃で2時間乾燥及び焼成を行って、酸化ニオブを固定したハニカム基材(酸化ニオブ/ハニカム)を得た。
塩化金酸水溶液、トルエン、テトラオクチルアンモニウムブロマイドを混合、攪拌しながら、ドデカンチオールを加え、水素化ホウ素ナトリウムで還元した。トルエン相を回収し、金コロイド溶液を得た。さらにトルエンで希釈し、所定濃度の金コロイド溶液を調製した。
上述の酸化ニオブ/ハニカムを、酸化ニオブに対して金が1.67質量%となるよう金濃度を調整した金コロイド溶液に攪拌しながら90分浸漬した。混合溶液からハニカムを引上げ、100℃で90分真空乾燥を行った。次いで、焼成炉に入れ、1時間かけて300℃まで昇温し、そのまま300℃で2時間焼成して、触媒フィルタを得た。
得られた触媒フィルタについて、基材表面に対する金粒子の担持量、酸化ニオブに対する金粒子の担持量、酸化ニオブのフィルタ基材表面における比表面積、メソ孔径、メソ孔容積、酸化ニオブに担持されている金粒子密度は、それぞれ0.100g/m、11.1質量%、210m/g、3.7nm、0.65cm/g、2.7μmol/mであった。
なお、金粒子の担持量は、原子吸光光度計を用いて測定した。酸化ニオブの比表面積は、高精度ガス吸着量測定装置(マイクロトラックベル社製)を用いて、液体窒素温度にて窒素吸着等温線を測定し、BET法に基づき算出した。メソ孔径は同様にBET法に基づき算出した。また、メソ孔容積は同装置で脱着等温線を測定し、BJH法に基づき算出した。また、担体に担持されている金粒子の密度は、貴金属粒子の担持量結果および担体の比表面積結果を用いて、上述の(1)式を用いて算出した。以下の実施例および比較例においても同様の方法で測定した。
[実施例2]
金コロイド溶液を酸化ニオブに対して金が1.50質量%となるよう金濃度を調整した金コロイド溶液に換えた以外は実施例1と同様な操作を行って、触媒フィルタを得た。
得られた触媒フィルタについて、基材表面に対する金粒子の担持量、酸化ニオブに対する金粒子の担持量、酸化ニオブに担持されている金粒子密度は、それぞれ0.059g/m、10.0質量%、2.4μmol/mであった。
[実施例3]
金コロイド溶液を酸化ニオブに対して金が0.75質量%となるよう金濃度を調整した金コロイド溶液に換えた以外は実施例1と同様な操作を行って、触媒フィルタを得た。
得られた触媒フィルタについて、基材表面に対する金粒子の担持量、酸化ニオブに対する金粒子の担持量、酸化ニオブに担持されている金粒子密度は、それぞれ0.024g/m、5.0質量%、1.2μmol/mであった。
[実施例4]
金コロイド溶液を酸化ニオブに対して金が0.45質量%となるよう金濃度を調整した金コロイド溶液に換えた以外は実施例1と同様な操作を行って、触媒フィルタを得た。
得られた触媒フィルタについて、基材表面に対する金粒子の担持量、酸化ニオブに対する金粒子の担持量、酸化ニオブに担持されている金粒子密度は、それぞれ0.015g/m、3.0質量%、0.7μmol/mであった。
[実施例5]
金コロイド溶液を酸化ニオブに対して金が0.15質量%となるよう金濃度を調整した金コロイド溶液に換えた以外は実施例1と同様な操作を行って、触媒フィルタを得た。
得られた触媒フィルタについて、基材表面に対する金粒子の担持量、酸化ニオブに対する金粒子の担持量、酸化ニオブに担持されている金粒子密度は、それぞれ0.006g/m、1.0質量%、0.2μmol/mであった。
[比較例1]
水熱合成した酸化ニオブを市販の酸化ニオブ(双日社製)に換えた以外は実施例1と同様の操作を行って触媒フィルタを得た。
得られた触媒フィルタについて、基材表面に対する金粒子の担持量、酸化ニオブに対する金粒子の担持量、酸化ニオブのフィルタ基材表面における比表面積、メソ孔径、メソ孔容積、および酸化ニオブに担持されている金粒子密度は、それぞれ0.004g/m、1.1質量%、5.8m/g、4.2nm、0.11cm/g、9.6μmol/mであった。
[比較例2]
水熱合成した酸化ニオブを酸化チタン(日本アエロジル社製)に換えた以外は比較例1と同様な操作を行って、触媒フィルタを得た。
得られた触媒フィルタについて、基材表面に対する金粒子の担持量、酸化チタンに対する金粒子の担持量、酸化チタンのフィルタ基材表面における比表面積、メソ孔径、メソ孔容積、および酸化チタンに担持されている金粒子密度は、それぞれ0.001g/m、4.2質量%、51m/g、5.8nm、0.14cm/g、4.2μmol/mであった。
[一酸化炭素除去試験]
実施例および比較例の触媒フィルタを用いて、一酸化炭素の分解反応を行った。
一酸化炭素と空気を混合して一酸化炭素濃度1,000ppmの試験ガスを調製し、流量をマスフローコントローラーで制御しながら、触媒フィルタに供給した。処理前の被処理気体と処理20分後の被処理気体の分析は長光路(2.5m)のガスセルを装填した赤外分光光度計(FTIR-6000、日本分光株式会社製)を用いた。反応条件は一酸化炭素濃度1,000ppm、酸素濃度20%、相対湿度60%、ガス流量1.0L/min、反応温度室温とした。
以下の式を用いてCO除去率を算出し、結果を表1に記載した。
CO除去率(%)={(初期CO濃度 - 反応後CO濃度)/初期CO濃度}×100
当該試験結果から、実施例の触媒フィルタにおいてCO除去率がより優れていることが理解できる。

Claims (3)

  1. 酸化ニオブからなる担体と、該担体に担持されている金粒子とを含む金触媒と、
    前記金触媒がその表面に担持されているフィルタ基材とを備え、
    前記フィルタ基材の表面における前記金粒子の担持量が0.005g/m以上0.5g/m以下であり、
    前記担体に担持されている前記金粒子の密度が0.1μmol/m 以上、3μmol/m 以下であり、
    前記担体がその容積が0.1cm /g以上であるメソ孔を有することを特徴とする、一酸化炭素分解用の触媒フィルタ。
  2. 金粒子の前記担体に対する担持量が0.5質量%以上12.0質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の触媒フィルタ。
  3. 前記フィルタ基材がハニカム状または繊維状の形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の触媒フィルタ。
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