JP7310322B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

ここに開示する技術は、エンジンの制御装置に関する。
特許文献1には、エンジンルーム内の排気管の温度を予測する技術が記載されている。具体的に、エンジンの制御装置は、エンジンの運転状態に基づいて排気ガスの温度を予測すると共に、予測した排気ガスの温度と、車速及びラジエータの冷却ファンの回転数に基づく排気管の放熱係数と、に基づいて、排気管の温度を予測する。また、予測した排気管の温度に関連する排気管熱量が所定熱量よりも大きい場合、制御装置は、冷却ファンの回転数を上げる。これにより、排気管近傍のブレーキホースが高温に曝されることが抑制される。
特開2015-190329号公報
ところで、排気管には、エンジンから排出される排気ガス中の有害物質を減らす浄化装置が取り付けられている。浄化装置は、触媒装置及び/又はフィルタ装置を含む。また、排気ガスの性状に関する信号を出力するセンサ(例えば、排気ガス中のNOx濃度に関する信号を出力するセンサ)を、浄化装置よりも下流の排気管に取り付ける場合がある。センサは、例えば、エンジンルーム後部のダッシュパネルよりも後方のトンネル内で、排気管に取り付けられる。
排気管を流れる排気ガスは温度が次第に低下する。排気ガスの温度が下がると、排気ガス中の水分が凝縮することにより凝縮水が発生する場合がある。凝縮水がセンサに付着した状態でセンサに通電すると、センサが故障する恐れがある。そのため、エンジンの運転中に、制御装置は、センサの取り付け位置付近の排気ガスの温度を精度良く把握することによって、凝縮水の有無を推測したいという要求がある。
例えば特許文献1に記載されている技術を応用し、制御装置が、エンジンの運転状態や排気管の放熱等に基づいて、センサの取り付け位置付近における排気ガスの温度を推定することが考えられる。
ここで、本願出願人は、SI(Spark Ignition)燃焼とCI(Compression Ignition)燃焼とを組み合わせたSPCCI(SPark Controlled Compression Ignition)燃焼を提案している。SPCCI燃焼は、エンジンが一部の運転状態にある場合は、理論空燃比よりも大幅に燃料リーンにした混合気を、安定的に燃焼させることが可能である。燃料リーンな混合気を燃焼させることによって、エンジンは熱効率が高まる。エンジンの熱効率が高まると、自動車の燃費性能が向上する。
エンジンがリーン混合気を安定的に燃焼させるためには、エンジンルーム内の温度は比較的高い方が有利である。そこで、エンジンルーム内へ走行風を導入する走行風導入口に、走行風導入口の開度を変更する調節部を設けることが考えられる。エンジンがリーン混合気を燃焼させる場合に、調節部が走行風導入口を閉じると、エンジンルーム内への空気の導入を抑制することができる。
また、エンジンが理論空燃比の混合気をSPCCI燃焼させたり、理論空燃比の混合気をSI燃焼させたりする場合は、エンジンルーム内の温度を高く維持する必要がない。これらの場合は、エンジンルーム内の温度が過度に上昇することを抑制するため、調節部が走行風導入口を開けることにより、エンジンルーム内へ空気を導入することができる。また、エンジンの温度が高くかつエンジンルーム内の温度が高い場合には、調節部が走行風導入口を開けかつラジエータのファンを作動させると、エンジンルーム内へ空気を積極的に導入することもできる。
ところが、走行風導入口の開閉によって、エンジンルームにつながるトンネル内の温度や風速が変化すると共に、ファンのオンオフによっても、トンネル内の温度や風速が変化する。特許文献1に記載されている技術は、走行風導入口の開閉及びファンのオンオフの影響を考慮していないため、センサの取り付け位置における排気ガスの温度を精度良く推定することができない。
ここに開示する技術は、センサの取り付け位置における排気ガスの温度を、精度良く推定する。
具体的にここに開示する技術は、エンジンの制御装置に関する。
このエンジンの制御装置は、
エンジンルーム内に配設されたエンジンと、
走行風導入口から前記エンジンルーム内へ空気を導入する開状態と、前記空気の導入を抑制する閉状態とに、前記走行風導入口の開度を変更する調節部と、
前記走行風導入口から前記エンジンルーム内への空気の導入を促進するよう作動するファンと、
ダッシュパネルよりも後方のトンネル内に配設されかつ、前記エンジンから排気ガスを導出する排気管と、
前記トンネル内の前記排気管に取り付けられかつ、前記排気ガスの性状に関する信号を出力するセンサと、
前記センサが接続されかつ、前記センサの信号に基づいて前記エンジンを制御する制御部と、を備え
前記制御部はまた、所定の時間間隔で演算を繰り返すことにより、前記センサの取り付け位置付近における排気ガスの温度を時系列で推定する。
前記制御部は、
前記走行風導入口の開度と、前記ファンの作動状態と、車速とから、前記排気管の周囲の空気の風速を算出し、
前記風速と、前記排気管の周囲の雰囲気温度Tcと、前記排気管の温Tbとに基づいて、前記排気管から外部への熱伝達による第1放熱量Q1を算出し、
前記排気管の前回の温度Tbと、少なくとも前記第1放熱量Q1とに基づいて前記排気管の温度Tbを推定すると共に、推定した排気管の温度Tbと、前記排気管へ導入される排気ガスの温度Ta及び流量とに基づいて、前記センサの取り付け位置付近における排気ガスの温度を推定する。
エンジンから排出された排気ガスは、排気管へ導入される。排気管へ導入された排気ガスは、排気管を通じて放熱をしながら排気管内を流れて、センサの取り付け位置付近へと至る。制御部は、排気管へ導入される排気ガスの温度及び流量と、排気管の温度とに基づいて、センサの取り付け位置付近における排気ガスの温度を推定する。
エンジンルーム内に走行風を導入する走行風導入口には、調節部が設けられている。調節部が走行風導入口を開状態にした場合は、走行風導入口からエンジンルーム内へ空気が導入される。調節部が走行風導入口を閉状態にした場合は、走行風導入口からエンジンルーム内への空気の導入が抑制される。走行風導入口の開度に応じて、エンジンルーム内へ導入される空気の流量が変化する。尚、調節部は、走行風導入口を全開と全閉とに切り替わるよう構成してもよい。調節部は、走行風導入口を全開と全閉との中間開度に調整可能に構成してもよい。
また、ファンは、作動時には、走行風導入口からエンジンルーム内への空気の導入を促進する。ファンは、例えばラジエータの冷却ファンであってもよい。
制御部は、走行風導入口の開度と、ファンの作動状態と、車速とから、トンネル内の排気管の周囲の空気の風速を算出する。例えば、走行風導入口の開度とファンの作動状態と車速とを変更しながら、排気管の周囲における風速を計測すると共に、その統計データに基づいて風速マップを作成してもよい。制御部は、作成した風速マップに基づいて風速を算出することができる。
排気管の周囲の風速及び雰囲気温度が定まると、制御部は、排気管の温度に基づいて、排気管から外部への熱伝達による第1放熱量を算出することができる。排気管の周囲の雰囲気温度は、例えばトンネルが、その内部の少なくとも一部が外部に開放している構造であれば、外気温度を雰囲気温度とみなすことができる。また、トンネルが外部から遮断された構造であれば、前記で算出した風速と、トンネル内に導入される空気の温度と、排気管の温度とに基づいて、排気管の周囲の雰囲気温度を算出してもよい。排気管から外部への第1放熱量が定まれば、制御部は、排気管の温度を算出することができる。排気管から外部への第1放熱量を算出するに際し走行風導入口の開度及びファンの作動状態が考慮されているため、制御部は、排気管の温度を精度良く算出することができる。
そして、制御部は、算出した排気管の温度と、排気管へ導入される排気ガスの温度及び流量と、に基づいて、トンネル内のセンサの取り付け位置付近における排気ガスの温度を、精度良く推定することができる。
前記制御部は、前記トンネルの構成から予め定めた輻射モデルと、前記排気管の温Tbと、前記輻射モデルに関係する温度であって、前記排気管の周囲の壁の温度Tdとに基づいて、前記排気管から外部への輻射による第2放熱量Q2を算出し、
前記制御部は、前記排気管の前回の温度Tbと、少なくとも前記第1放熱量Q1と前記第2放熱量Q2とに基づいて、前記排気管の温度Tbを推定する、としてもよい。
トンネル内に配設された排気管は、トンネルを構成する壁や路面に囲まれている。排気管から外部への放熱は、熱伝達による放熱の他にも、輻射による放熱がある。制御部は、排気管の温度と、排気管の周囲の壁の温度とに基づいて、排気管から外部への輻射による第2放熱量を算出する。排気管の周囲の壁は、排気管の周囲に存在するトンネルの壁や、路面を意味する。排気管の周囲の壁の温度は、例えば外気温度と等しい、としてもよい。
制御部は、少なくとも第1放熱量と第2放熱量とに基づいて排気管の温度を推定することにより、排気管の温度を、より精度良く推定することができる。その結果、制御部は、トンネル内のセンサの取り付け位置付近における排気ガスの温度を、より精度良く推定することができる。
前記制御部は、前記排気管内の排気ガスの温度Taと、前記排気ガスの流量と、前記排気管の前回の温度Tbとに基づいて、前記排気ガスから前記排気管への熱伝達による第3放熱量Q3を算出し、
前記制御部は、前記排気管の前回の温度Tbと、少なくとも前記第1放熱量Q1と前記第3放熱量Q3とに基づいて、前記排気管の温度Tbを推定する、としてもよい。
排気管は、外部へ放熱する他に、排気管内の排気ガスから受熱する。制御部は、排気管内の排気ガスの温度と、排気ガスの流量と、排気管の前回の温度とに基づいて、排気ガスから排気管への熱伝達による第3放熱量、つまり、排気管の受熱量を算出する。制御部は、少なくとも第1放熱量と第3放熱量とに基づいて、排気管の温度を推定することにより、排気管の温度を、より精度良く推定することができる。その結果、制御部は、トンネル内のセンサ取り付け位置付近における排気ガスの温度を、より精度良く推定することができる。
前記制御部は、前記ファンがオフである場合、前記走行風導入口の開度が大きい場合の方が、小さい場合よりも前記風速を高く算出する、としてもよい。
走行風導入口の開度が大きいと、走行風導入口からエンジンルーム内へ導入される空気の流量が増えるため、トンネル内の排気管の周囲の風速が高まる。制御部は、走行風導入口の開度に応じた風速を正確に算出することができる。
前記制御部は、前記走行風導入口が開である場合、前記ファンがオンである場合の方が、オフである場合よりも前記風速を高く算出する、としてもよい。
ファンがオンであれば、走行風導入口からエンジンルーム内への空気の導入が促進されるため、トンネル内の排気管の周囲の風速も高まる。制御部は、ファンの作動状態に応じた風速を正確に算出することができる。
車速の上昇に対する前記風速の上昇率は、前記ファンがオフである場合、前記走行風導入口の開度が大きい場合の方が、小さい場合よりも高い、としてもよい。
前述したように走行風導入口の開度が大きいと、走行風導入口からエンジンルーム内へ導入される空気の流量が増えるため、車速が上昇したときに、トンネル内の風速も大きく上昇する。制御部は、走行風導入口の開度と車速とに応じた風速を正確に算出することができる。
車速の上昇に対する前記風速の上昇率は、前記走行風導入口が開である場合、前記ファンがオンである場合とオフである場合とで等しい又はほぼ等しい、としてもよい。
走行風導入口の開度が同じであれば、車速の上昇に対する風速の上昇率は、ファンがオンである場合もオフである場合も、等しい又はほぼ等しい。制御部は、走行風導入口の開度とファンの作動状態と車速とに応じた風速を正確に算出することができる。
前記制御部は、前記温度推定部が推定した排気ガスの温度が、所定値よりも低い場合は、前記センサへの通電を禁止する、としてもよい。
排気ガスの温度が所定値よりも低い場合は、排気ガス中の水分が凝縮した凝縮水が発生している可能性が高い。制御部がセンサへの通電を禁止することにより、センサの故障を抑制することができる。
前記走行風導入口は、エンジンルーム前部に設けられたグリルであり、
前記調節部は、前記グリルに設けられたグリルシャッターである、としてもよい。
以上説明したように、前記のエンジンの制御装置は、トンネル内のセンサの取り付け位置付近における排気ガスの温度を、精度良く推定することができる。
図1は、エンジン、浄化装置及びセンサの配置を例示する自動車前部の断面図である。 図2は、エンジン及び浄化装置の配置を例示する自動車前部の平面図である。 図3は、エンジンの制御装置を例示するブロック図である。 図4は、グリルシャッターの開閉と冷却ファンのオンオフとの切り替えを説明する図である。 図5は、センサケース内ガス温度を推定するロジックを説明するための図である。 図6は、センサケース内ガス温度の推定ロジックを例示する図である。 図7は、車速とグリルシャッターの開閉と冷却ファンのオンオフと風速との関係を示す風速マップを例示する図である。 図8は、センサケース内ガス温度の推定ロジックに係るフローチャートである。
以下、エンジンの制御装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ここで説明するエンジンの制御装置は例示である。
(エンジンの構成)
図1は、エンジン、浄化装置及びセンサの配置を例示する自動車前部の断面図であり、図2は、エンジン及び浄化装置の配置を例示する自動車前部の平面図である。
自動車の前部のエンジンルーム90内には、エンジン1と、エンジン1に連結された変速機93とが配設されている。図例のエンジン1は、複数の気筒18(図例では、4つの気筒18)が一列に配設された直列エンジンである。エンジン1は、その気筒列の方向が、自動車の車幅方向に一致するように配置されている。エンジン1は、いわゆる横置きである。
エンジン1は、気筒18が吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程を繰り返すことにより運転する4ストロークエンジンである。エンジン1の燃料は、この構成例においては、ガソリンである。燃料は、少なくともガソリンを含む液体燃料であればよい。エンジン1はまた、点火プラグ82(図3参照)が気筒18内の混合気に点火をする火花点火式エンジンである。
エンジン1は、シリンダヘッド11、シリンダブロック12及びオイルパン13を有している。シリンダヘッド11はシリンダブロック12の上に連結され、オイルパン13はシリンダブロック12の下に取り付けられている。
シリンダヘッド11には、図1に示すように、気筒18内に吸気を導入するための吸気ポート111が形成されていると共に、気筒18内から排気ガスを導出するための排気ポート112が形成されている。吸気ポート111には、図示を省略するが、クランクシャフトの回転に同期して開閉する吸気弁が配設されている。排気ポート112には、クランクシャフトの回転に同期して開閉する排気弁が配設されている。
エンジン1の前側には、吸気マニホールド14が取り付けられている。吸気マニホールド14は、各吸気ポート111と連通している。吸気マニホールド14は、各気筒18内へ吸気を導入する。吸気マニホールド14には、吸気管15が接続されている。吸気管15の上流端には、自動車の前方に向かって開口した吸気取込口16が形成されている。吸気管15の途中にはエアクリーナー17が設けられている。
エンジン1の後側には、排気マニホールド(つまり、独立排気管)20が取り付けられている。排気マニホールド20は、各排気ポート112と連通している。排気マニホールド20は、各気筒18から排気ガスを導出する。排気マニホールド20には、浄化装置22が接続されている。浄化装置22は、排気ガス中の有害物質を減らす。浄化装置22は、詳細な図示は省略するが、三元触媒とGPF(Gasoline Particulate Filter)とを有している。
浄化装置22には、排気管21が接続されている。排気管21は、浄化装置22から後方に向かって延びている。排気管21は、トンネル91内に配設されている。トンネル91は、ダッシュパネル92に接続されている。ダッシュパネル92は、エンジンルーム90の後部を形成する。トンネル91内の空間は、エンジンルーム90につながっている。トンネル91の下部は、開放されている。
トンネル91内の排気管21には、センサケース26が介設している。センサケース26は、後述するNOxセンサSW10を有している。NOxセンサSW10は、浄化装置22の下流に位置している。
エンジン1には、EGR装置が設けられている。EGR装置は、排気ガスの一部を、EGRガスとして吸気に還流する。EGR装置は、EGR通路23と、EGRクーラー24と、EGR弁25とを有している。EGR通路23は、排気管21(より詳細には浄化装置22の下流端部)と吸気管15とを連結する。EGRクーラー24は、EGR通路23の途中に設けられかつ、EGRガスを冷却する。EGR弁25は、吸気に還流するEGRガス量を調節する。
エンジンルーム90の前部には、走行風導入口としてのグリル60が形成されている。グリル60の後方に、ラジエータ40と、冷却ファン42とが配設されている。ラジエータ40は、エンジン1の前方に位置し、冷却ファン42は、ラジエータ40とエンジン1との間に位置している。冷却ファン42はファンの一例である。ラジエータ40は、エンジン1の冷却液を冷却する。冷却ファン42が作動すると、グリル60からエンジンルーム90内への空気の導入が促進される。
ここで、エンジン1は、一部の運転領域において、SI燃焼とCI燃焼とを組み合わせたSPCCI燃焼を行う。その他の運転領域において、エンジン1は、SI燃焼を行う。SPCCI燃焼は、SI燃焼による発熱と圧力上昇とを利用して、CI燃焼をコントロールする。CI燃焼を含むSPCCI燃焼は、燃費の向上及び排出ガス性能の向上に有利である。エンジン1は、SPCCI燃焼を行う場合は、混合気の空燃比を、理論空燃比にする場合(つまり、ストイキSPCCI)と、理論空燃比よりもリーンにする場合(つまり、リーンSPCCI)と、がある。エンジン1は、SI燃焼を行う場合は、混合気の空燃比を、理論空燃比にする。
エンジン1がリーンSPCCI燃焼を行う場合、エンジン1及びエンジンルーム90内の温度を比較的高く維持した方が、燃焼の安定に有利である。そこで、この自動車は、エンジンルーム90内への空気の導入量を調節するグリルシャッター65を備えている。グリルシャッター65は調節部の一例である。
グリルシャッター65は、グリル60に設けられている。グリルシャッター65は、上下方向に並んだ複数のフィン66を有している。各フィン66は、回動可能に構成されている。グリルシャッター65は、フィン66の向きが自動車の走行方向に対して垂直な場合に開度が最小(つまり、閉)になり、フィン66の向きが自動車の走行方向に対して平行な場合に開度が最大(つまり、全開)になる。図1は、グリルシャッター65の開度が最大の状態を例示している。グリルシャッター65は、その開度を、最小と最大との間の中間開度にすることも可能である。グリルシャッター65の開度が大きいほど、グリル60の開度が大きいから、エンジンルーム90内へ導入される空気の流量が多くなる。グリルシャッター65を閉じると、グリル60の開度が小さくなってエンジンルーム90内への空気の導入を制限される。エンジンルーム90内への空気の導入を制限すると、エンジンルーム90内の温度が高くなる。グリルシャッター65を開けて、エンジンルーム90内へ空気を導入すると、エンジンルーム90内の温度が低下する。エンジンルーム90内へ導入された空気により、ラジエータ40は、エンジン1の冷却液を冷却する。グリルシャッター65を開けかつ、冷却ファン42を作動させると、エンジンルーム90内へ導入される空気の流量が増えるため、エンジンルーム90内の温度がさらに低下する。ラジエータ40は、エンジン1の冷却液の温度をさらに低下させる。
この自動車はまた、エンジンルーム90内に、保温カバー50を設けている。尚、図2は、保温カバー50を取り外したエンジンルーム90を図示している。保温カバー50は、エンジン1のシリンダヘッド11の上面全体と、左右両側面と、後面とを覆っている。保温カバー50がエンジン1を覆うことによって、エンジン1が保温されると共に、エンジン1音の拡散が抑制される。
(エンジンの制御装置)
図3は、エンジン1の制御装置の構成を例示するブロック図である。エンジンの制御装置は、ECU(Engine Control Unit)10を備えている。ECU10は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラーであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)101と、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)により構成されてプログラム及びデータを格納するメモリ102と、電気信号の入出力をする入出力バス103と、を備えている。ECU10は、制御部の一例である。
ECU10には、各種のセンサSW1~SW11が接続されている。センサSW1~SW11は、信号をECU10に出力する。センサには、以下のセンサが含まれる。
エアフローセンサSW1:吸気管15におけるエアクリーナー17の下流に配置されかつ、吸気管15を流れる空気の流量を計測する
吸気温度センサSW2:吸気管15におけるエアクリーナー17の下流に配置されかつ、吸気管15を流れる空気の温度を計測する
筒内圧センサSW3:各気筒18に対応してシリンダヘッド11に取り付けられかつ、気筒18内の圧力を計測する
EGR差圧センサSW4:EGR通路23に配設されかつ、EGR弁25の上流及び下流の圧力差を計測する
車速センサSW5:自動車の車速を計測する
液温センサSW6:エンジン1の冷却液の液温を検出する
クランク角センサSW7:エンジン1に取り付けられかつ、クランクシャフトの回転角を計測する
アクセル開度センサSW8:アクセルペダル機構(図示省略)に取り付けられかつ、アクセルペダルの操作量に対応したアクセル開度を計測する
燃圧センサSW9:燃料供給システム85に取り付けられかつ、インジェクタ81へ供給する燃料の圧力を計測する
NOxセンサSW10:浄化装置22よりも下流の排気管21に取り付けられかつ、排気ガス中のNOx濃度を計測する
外気温センサSW11:自動車が走行している環境下の外気温を計測する。
ECU10は、これらのセンサSW1~SW11の信号に基づいて、エンジン1の運転状態を判断すると共に、予め定められている制御ロジックに従って、後述する各デバイス81~86、25、65、42の制御量を演算する。制御ロジックは、メモリ102に記憶されている。制御ロジックは、メモリ102に記憶している運転マップを用いて、目標量及び/又は制御量を演算することを含む。
ECU10は、演算をした制御量に係る電気信号を、インジェクタ81、点火プラグ82、吸気電動S-VT83、排気電動S-VT84、燃料供給システム85、スロットル弁86、EGR弁25、グリルシャッター65、及び、冷却ファン42に出力する。
インジェクタ81は、シリンダヘッド11に取り付けられかつ、気筒18内に燃料を直接噴射する。点火プラグ82は、シリンダヘッド11に取り付けられかつ、気筒18内の混合気に強制的に点火をする。吸気電動S-VT83は、シリンダヘッド11に取り付けられかつ、図示を省略する吸気カムシャフトの回転位相を、所定の角度範囲内で連続的に変更する。吸気カムシャフトは、図示を省略する吸気弁を開閉する。排気電動S-VT84は、シリンダヘッド11に取り付けられかつ、図示を省略する排気カムシャフトの回転位相を、所定の角度範囲内で連続的に変更する。排気カムシャフトは、図示を省略する排気弁を開閉する。燃料供給システム85は、インジェクタ81に燃料を供給する。スロットル弁86は、エアクリーナー17よりも下流の吸気管15に取り付けられ、気筒18内への空気の導入量を調節する。
図4は、ECU10が実行するグリルシャッター65、及び、冷却ファン42の制御例を示している。ECU10は、冷却液温度、及び/又は、エンジンルーム90内の温度に応じて、グリルシャッター65を開閉すると共に、冷却ファン42をオンオフする。具体的に、ECU10は、冷却液温度、及び/又は、エンジンルーム90内の温度が低いと、グリルシャッター65を閉じると共に、冷却ファン42をオフにする。これにより、エンジン1及びエンジンルーム90内の温度が高く維持される。エンジン1は、リーンSPCCI燃焼を安定的に実行することができる。
エンジン1が、ストイキSPCCI燃焼又はSI燃焼を実行すると、冷却液温度、及び/又は、エンジンルーム90内の温度が高くなる。ECU10は、冷却液温度、及び/又は、エンジンルーム90内の温度が高くなると、グリルシャッター65を開ける。これにより、グリル60からエンジンルーム90内へ空気が導入されるため、エンジン1の冷却液及びエンジンルーム90内の温度が下がる。
冷却液温度、及び/又は、エンジンルーム90内の温度がさらに高くなると、ECU10は、グリルシャッター65を開けると共に、冷却ファン42をオンにする。これにより、グリル60からエンジンルーム90内へ導入される空気の流量が多くなるため、エンジン1の冷却液及びエンジンルーム90内の温度をさらに低下させることが可能になる。
(排気ガス温度の推定)
排気管21を流れる排気ガスは温度が次第に低下する。排気ガスの温度が下がると、排気ガス中の水分が凝縮することにより凝縮水が発生する場合がある。凝縮水が、NOxセンサSW10に付着した状態でNOxセンサSW10に通電すると、NOxセンサSW10が故障する恐れがある。そこで、ECU10は、エンジン1の運転中に、NOxセンサSW10を有するセンサケース26内の排気ガスの温度を精度良く把握することが好ましい。
ここに開示するエンジンの制御装置は、センサケース26内の排気ガスの温度を、温度センサによって検出するのではなく、演算によって推定する。エンジンの制御装置は、温度センサを省略することができる。温度センサの省略は、コストの低減の他に、温度センサの劣化や故障に起因する温度センサの修理や交換が不要になるという利点もある。
図5は、センサケース26内における排気ガス温度を推定するロジックを説明するための図である。センサケース26は、排気管21を介して浄化装置22に接続されている。浄化装置22を通過した排気ガスは、排気管21を通過している間に放熱する(図5の矢印参照)。センサケース26内において、排気ガスの温度は、浄化装置22の出口における排気ガスの温度よりも低い。
排気管21を通過している排気ガスの放熱量は、その排気ガスの温度と排気管21の温度との温度差に応じて定まる。排気管21の温度は、排気ガスの放熱量、言い替えると排気管21が排気ガスから受ける受熱量と、排気管21から外部へ放出する放熱量とに応じて定まる。排気管21から外部への放熱量は、排気管21の周囲の空気の風速と、排気管21の周囲の雰囲気温度と、排気管21の周囲に存在する壁(つまり、トンネル91を構成する床面や、路面)の温度とに応じて定まる。
図6は、ECU10が実行する、センサケース26内における排気ガス温度を推定するロジックを示している。ECU10は、浄化装置22の出口のガス温度71と、排気管21に導入される排気ガスの流量72とをインプットとし、センサケース26内のガス温度70をアウトプットとする演算を行う。ECU10は、所定の時間間隔で演算を繰り返すことにより、時系列のガス温度70を観測する。
浄化装置22の出口付近に温度センサを取り付けると、ECU10は、浄化装置22の出口における排気ガスの温度71を、当該温度センサの出力信号に基づいて取得することができる。
また、浄化装置22の出口付近に温度センサを取り付けなくても、ECU10は、エンジン1から排出される排気ガスの温度及び流量に基づいて、浄化装置22の出口のガス温度71を演算によって求めることができる。図5に示すように、浄化装置22は、排気マニホールド20を介してエンジン1に接続されている。エンジン1の気筒18から排出された排気ガスは、排気ポート112を介して排気マニホールド20に導入される。排気ガスは、排気マニホールド20を通過している間に放熱する。浄化装置22の入口において、排気ガスの温度は、エンジン1の排気ポート112における排気ガスの温度よりも低い。
排気マニホールド20を通過している排気ガスの放熱量は、その排気ガスの温度と排気マニホールド20の温度との温度差に応じて定まる。排気マニホールド20の温度は、排気マニホールド20が排気ガスから受ける受熱量と、排気マニホールド20から外部へ放出する放熱量とに応じて定まる。エンジン1、排気マニホールド20及び浄化装置22は、エンジンルーム90内に配設されている。排気マニホールド20から外部への放熱量は、排気マニホールド20の周囲の空気の風速と、排気マニホールド20の周囲の雰囲気温度と、排気マニホールド20の周囲に存在する壁(つまり、エンジンルーム内壁)の温度とに応じて定まる。
エンジン1と浄化装置22との間の熱に関するシステムと、浄化装置22とセンサケース26との間の熱に関するシステムとは類似している。ECU10は、浄化装置22の出口における排気ガスの温度71を、後述するセンサケース26内の排気ガス温度を推定するロジック(図6参照)に準じて推定することができる。つまり、ECU10は、排気ポートのガス温度と排気ガス流量とをインプットとし、浄化装置入口のガス温度をアウトプットとする演算を行うことにより、浄化装置22の入口のガス温度、及び、浄化装置22の出口のガス温度を推定することができる。
ここで、ECU10は、排気ポートのガス温度を演算によって求めてもよい。詳細な説明は省略するが、本願発明者らは、SPCCI燃焼及びSI燃焼を行うエンジン1において、燃焼進行度と排気ポートガス温度との間には線形となる相関関係が存在することを見出した。燃焼進行度は、燃焼が特定の程度まで進行したときのクランク角度である。質量燃焼割合が、例えば50%となるクランク角度(mfb50)は、燃焼進行度として用いることができる。ECU10は、筒内圧センサSW3の出力信号と、クランク角センサSW7の出力信号とに基づいてmfb50を演算することができる。燃焼進行度が遅角すると、排気ポートガス温度が高くなり、燃焼進行度が進角すると、排気ポートのガス温度が低くなる。燃焼進行度と排気ポートのガス温度との関係を表すモデル又はマップを用いて、ECU10は、排気ポートのガス温度を演算することができる。
尚、ECU10が排気ポートのガス温度を演算する代わりに、排気ポートガス温度を計測する温度センサを、エンジン1に取り付けてもよい。ECU10は、当該温度センサの出力信号に基づいて、排気ポートのガス温度を取得することができる。
図6に戻り、ECU10は、エアフローセンサSW1の出力信号(つまり、エンジン1の空気量)と、ECU10が定めた燃料供給量と、EGR差圧センサSW15の出力信号(つまり、外部EGRガス量)とに基づいて、エンジン1から排出されかつ、排気管21に導入される排気ガス流量72を演算することができる。
ECU10はまた、浄化装置22の出口のガス温度71と排気ガス流量72とから、排気ガス熱エネルギ73と、排気ガス流速74とを演算する。
ECU10は、排気管21から外部への放熱量を演算するために、排気管21の周囲の空気の風速を算出する。本願発明者等の検討によると、トンネル91内に配設された排気管21の周囲の空気の風速は、自動車の車速、グリルシャッター65の開度、及び、冷却ファン42の作動状態と相関を有していることがわかった。そこで、車速とグリルシャッター65の開度と冷却ファン42の作動状態とを変更しながら、排気管21の周囲において計測をした風速の統計データに基づき、風速マップ75を事前に作成しておく。ECU10は、風速マップ75と、車速センサSW5の信号から得られる自動車の車速76と、ECU10が定めるグリルシャッター65の開度77と、ECU10が定める冷却ファンのオンオフ78とに基づいて、排気管21の周囲の風速79を算出する。
ここで、図7は、風速マップ75を例示している。風速マップ75は、前述したように、車速とグリルシャッター65の開度と冷却ファン42のオンオフと排気管21の周囲における空気の風速との関係を定めている。車速が高いと、グリル60や、その他の箇所を通じてエンジンルーム90及びトンネル91内へ流入する空気の流量が増える。そのため、車速が高いほど、排気管21の周囲における空気の風速は高い。
また、冷却ファン42がオフの状態において、グリルシャッター65が開(つまり、全開)である場合は、グリルシャッター65が閉(つまり、全閉)である場合よりも、グリル60を通じてエンジンルーム90及びトンネル91内へ流入する空気の流量が増える。そのため、グリルシャッター65が開である場合は、閉である場合よりも、排気管21の周囲における空気の風速は高い。
冷却ファン42がオフの状態において、グリルシャッター65の開度が大きい場合の方が、小さい場合よりも、車速の上昇に対する風速の上昇率(つまり、図7の直線の傾き)は高い。グリルシャッター65の開度が大きいと、グリル60からエンジンルーム90及びトンネル91内へ導入される空気の流量が増えるため、車速が上昇したときに風速が大きく上昇する。
グリルシャッター65が開である場合、冷却ファン42がオンである場合の方が、オフである場合よりも、排気管21の周囲における空気の風速は高い。
また、グリルシャッターが開である場合、冷却ファン42がオンである場合とオフである場合とで、車速の上昇に対する風速の上昇率(つまり、図7の傾き)は、等しい又はほぼ等しい。
尚、図7の風速マップ75は、グリルシャッター65が全開である場合の直線と、グリルシャッター65が全閉である場合の直線とを含んでいる。風速マップ75は、グリルシャッター65が中間開度である場合の直線を、さらに含んでいてもよい。
また、ECU10は、グリルシャッター65が中間開度である場合は、グリルシャッター65が全開である場合の直線と、グリルシャッター65が全閉である場合の直線との間を補完することにより、排気マニホールド20の周囲における空気の風速を算出してもよい。
尚、ECU10は、風速マップ75に代えて、モデルを用いて排気管21の周囲における空気の風速を算出してもよい。
ECU10は、機能ブロックとしての風速算出部31を有している。風速算出部31は、グリルシャッター65の開度と、冷却ファン42の作動状態と、車速とから、排気管21の周囲の空気の風速を算出する。
ECU10はまた、排気管21の周囲の雰囲気温度Tcを設定する。本願発明者等の検討によると、トンネル91内の排気管21の周囲の温度は、トンネル91の下部が、開放されているため、外気温710にほぼ等しい。そこで、ECU10は、外気温センサSW11の信号を、雰囲気温度Tcに定める。
尚、トンネル91が密閉された構造であれば、排気管21の周囲の雰囲気温度は外気温度と一致しない場合がある。この場合の雰囲気温度は、例えば前記で算出した風速79、トンネル91内に流入する空気の温度、及び、排気管21の外表面温度と相関を有している。排気管21の周囲において計測をした雰囲気温度の統計データに基づいて温度マップを事前に作成しておき、ECU10は、当該温度マップに基づいて、排気管21の周囲における雰囲気温度を算出してもよい。尚、ECU10は、温度マップに代えて、モデルを用いて排気管21の周囲における雰囲気温度を算出してもよい。
ECU10は、前述した風速79及び雰囲気温度Tcと、排気管21の温度Tbとに基づいて、排気管21から外部への熱伝達による第1放熱量Q1を算出する。ECU10は、予め定めた熱伝達モデルに基づいて、第1放熱量Q1を算出すればよい。ECU10は、機能ブロックとしての第1放熱量算出部32を有している。第1放熱量算出部32は、排気管21から外部への熱伝達による第1放熱量Q1を算出する。
トンネル91内に配設された排気管21は、トンネル91を構成する壁(つまり、床面)や路面に囲まれている。排気管21から外部への放熱は、熱伝達による放熱の他にも、輻射による放熱がある。ECU10は、排気管21の温度Tbと路面及び/又は床面温度Tdとに基づいて、排気管21から外部への輻射による第2放熱量Q2を算出する。本願発明者等は、トンネル91が開放している構成例においては、路面及び/又は床面温度Tdと、雰囲気温度Tcとは、ほぼ一致することを確認した。路面及び/又は床面温度Tdは、外気温センサSW11が計測する外気温710と等しい、とすることができる。尚、自動車が、路面及び/又は床面温度Tdと、雰囲気温度Tcとが一致しない構成であれば、ECU10は、雰囲気温度Tcとは別に、路面及び/又は床面温度Tdを算出すればよい。
ECU10は、予め定めた輻射モデルに基づいて、第2放熱量Q2を算出すればよい。ECU10は、機能ブロックとしての第2放熱量算出部33を有している。第2放熱量算出部33は、排気管21から外部への輻射による第2放熱量Q2を算出する。
排気管21は、外部へ放熱する他に、排気管21内の排気ガスから受熱する。ECU10は、排気管21内の排気ガス温度Taと、排気ガスの流量と、排気管21の温度Tbとに基づいて、排気ガスから排気管21への熱伝達による第3放熱量Q3を算出する。第3放熱量Q3は、排気管21の受熱量である。ECU10は、予め定めた熱伝達モデルに基づいて、第3放熱量Q3を算出すればよい。ECU10は、機能ブロックとしての第3放熱量算出部34を有している。第3放熱量算出部34は、排気ガス温度Taと、排気ガスの流量72と、排気管21の温度Tbとに基づいて、排気ガスから排気管21への熱伝達による第3放熱量Q3を算出する。
ECU10は、算出した放熱量Q1、Q2及びQ3に基づいて排気管21の温度Tbを算出する。より詳細に、ECU10は、排気管21の前回温度に対して、排気管21から放熱される熱量Q1、Q2と、排気管21が受熱する熱量Q3との差し引きに基づいて、排気管21の温度Tbを推定する。
そして、ECU10は、排気管21の温度Tbを推定すれば、当該排気管21の温度Tbと、排気管21に導入される排気ガスの熱エネルギ73とに基づいて、排気管21の入口から出口までにおいて排気ガスから排気管21へ放熱する熱量を算出し、その放熱量に基づいてセンサケース26内における排気ガスの温度70を推定する。ECU10は、機能ブロックとしての温度推定部35を有している。
ECU10は、車速とグリルシャッター65の開度と冷却ファン42の作動状態とを考慮して算出した排気管21の温度に基づいて、トンネル91内のセンサケース26内における排気ガスの温度を、精度良く推定することができる。
図8は、ECU10が実行する、排気ガス温度の推定手順を例示するフローチャートである。尚、このフローチャートのステップS1~S11は、その順番を、可能な範囲で入れ替えることも可能である。
先ず、スタート後のステップS1において、ECU10は、各種センサSW1~SW11の信号を読み込む。続くステップS2において、ECU10は、前述したように、冷却液温度、及び/又は、エンジンルーム90内の温度に応じて、グリルシャッター65の開度、及び、冷却ファン42の作動状態を設定する(図4参照)。
ステップS3においてECU10は、グリルシャッター開度77と冷却ファン42のオンオフ78と車速76と風速マップ75とから、排気管21の周囲の風速79を算出する。
ステップS4において、ECU10は、排気管温度Tbと風速79と雰囲気温度Tc(つまり、外気温710)とから、熱伝達による第1放熱量Q1を算出する。また、ステップS5において、ECU10は、排気管温度Tbと路面/床面温度Td(=Tc、つまり、外気温710)とから輻射による第2放熱量Q2を算出する。
ステップS6において、ECU10は、排気ガス温度Taと排気管温度Tbとから熱伝達による第3放熱量Q3を算出する。
そして、ステップS7において、ECU10は、前回の排気管温度と、ステップS4~S6で算出した放熱量Q1~Q3とに基づいて、今回の排気管温度Tbを算出し、続くステップS8において、ECU10は、浄化装置22の出口のガス温度71と排気ガス流量72とから算出した排気ガス熱エネルギ73と、排気管温度Tbとから、排気ガスから排気管21への放熱量を算出し、センサケース26内における排気ガスの温度70を算出(つまり、推定)する。
センサケース26内の排気ガスの温度70を算出すれば、ECU10は、続くステップS9で、算出した排気ガスの温度70が、予め定めた閾値を超えるか否かを判断する。閾値は、排気ガスから凝縮水が発生しない温度として定めればよい。温度が閾値を超える場合は、プロセスはステップS9からステップS10に進む。温度が閾値以下の場合、つまり、センサケース26内における排気ガスの温度が低い場合、プロセスはステップS9からステップS11に進む。ステップS10においてECU10は、NOxセンサSW10への通電を許可し、NOx濃度の計測を行う。ステップS11においてECU10は、NOxセンサSW10への通電を禁止する。凝縮水が付着した状態でNOxセンサSW10に通電することが回避される。NOxセンサSW10が故障してしまうことを抑制することができる。
尚、排気マニホールド20の温度の算出に係る放熱量Q1~Q3の内、可能であれば、ECU10は、放熱量Q2及びQ3の算出を省略してもよい。
また、ここに開示する技術は、SPCCI燃焼を行うエンジン1に適用することに限定されない。ここに開示する技術が適用可能なエンジン1は、特に制限はない。SI燃焼のみを行う、いわゆる火花点火式エンジン又はガソリンエンジンに、ここに開示する技術を適用してもよい。また、CI燃焼を行う、いわゆるディーゼルエンジンに、ここに開示する技術を適用してもよい。
1 エンジン
10 ECU(制御部)
21 排気管
26 センサケース
42 冷却ファン(ファン)
31 風速算出部
32 第1放熱量算出部
33 第2放熱量算出部
34 第3放熱量算出部
35 温度推定部
60 グリル(走行風導入口)
65 グリルシャッター(調節部)
90 エンジンルーム
91 トンネル
92 ダッシュパネル
SW10 NOxセンサ

Claims (9)

  1. エンジンルーム内に配設されたエンジンと、
    走行風導入口から前記エンジンルーム内へ空気を導入する開状態と、前記空気の導入を抑制する閉状態とに、前記走行風導入口の開度を変更する調節部と、
    前記走行風導入口から前記エンジンルーム内への空気の導入を促進するよう作動するファンと、
    ダッシュパネルよりも後方のトンネル内に配設されかつ、前記エンジンから排気ガスを導出する排気管と、
    前記トンネル内の前記排気管に取り付けられかつ、前記排気ガスの性状に関する信号を出力するセンサと、
    前記センサが接続されかつ、前記センサの信号に基づいて前記エンジンを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部はまた、所定の時間間隔で演算を繰り返すことにより、前記センサの取り付け位置付近における排気ガスの温度を時系列で推定し、
    前記制御部は、
    前記走行風導入口の開度と、前記ファンの作動状態と、車速とから、前記排気管の周囲の空気の風速を算出し、
    前記風速と、前記排気管の周囲の雰囲気温度Tcと、前記排気管の温Tbとに基づいて、前記排気管から外部への熱伝達による第1放熱量Q1を算出し、
    前記排気管の前回の温度Tbと、少なくとも前記第1放熱量Q1とに基づいて前記排気管の温度Tbを推定すると共に、推定した排気管の温度Tbと、前記排気管へ導入される排気ガスの温度Ta及び流量とに基づいて、前記センサの取り付け位置付近における排気ガスの温度を推定するエンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御部は、前記トンネルの構成から予め定めた輻射モデルと、前記排気管の温Tbと、前記輻射モデルに関係する温度であって、前記排気管の周囲の壁の温度Tdとに基づいて、前記排気管から外部への輻射による第2放熱量Q2を算出し、
    前記制御部は、前記排気管の前回の温度Tbと、少なくとも前記第1放熱量Q1と前記第2放熱量Q2とに基づいて、前記排気管の温度Tbを推定するエンジンの制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御部は、前記排気管内の排気ガスの温度Taと、前記排気ガスの流量と、前記排気管の前回の温度Tbとに基づいて、前記排気ガスから前記排気管への熱伝達による第3放熱量Q3を算出し、
    前記制御部は、前記排気管の前回の温度Tbと、少なくとも前記第1放熱量Q1と前記第3放熱量Q3とに基づいて、前記排気管の温度Tbを推定するエンジンの制御装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御部は、前記ファンがオフである場合、前記走行風導入口の開度が大きい場合の方が、小さい場合よりも前記風速を高く算出するエンジンの制御装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御部は、前記走行風導入口が開である場合、前記ファンがオンである場合の方が、オフである場合よりも前記風速を高く算出するエンジンの制御装置。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のエンジンの制御装置において、
    車速の上昇に対する前記風速の上昇率は、前記ファンがオフである場合、前記走行風導入口の開度が大きい場合の方が、小さい場合よりも高いエンジンの制御装置。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のエンジンの制御装置において、
    車速の上昇に対する前記風速の上昇率は、前記走行風導入口が開である場合、前記ファンがオンである場合とオフである場合とで等しい又はほぼ等しいエンジンの制御装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御部は、推定した排気ガスの温度が、所定値よりも低い場合は、前記センサへの通電を禁止するエンジンの制御装置。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のエンジンの制御装置において、
    前記走行風導入口は、エンジンルーム前部に設けられたグリルであり、
    前記調節部は、前記グリルに設けられたグリルシャッターであるエンジンの制御装置。
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