JP7308891B2 - 新規なポリペプチド及びこれを用いたオルニチン系産物の生産方法 - Google Patents
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Description
グルタミン酸から生合成され、プトレシン、シトルリン及びプロリンの生合成に用いられる前駆体である。また、高等動物の生体内代謝のオルニチン回路を介してアミノ酸またはアンモニアから尿素を生成して体外に排出する経路で重要な役割を果たす。オルニチンは筋肉の生成と体脂肪の減少に効果があるため栄養補助食品として使用されており、肝硬変と肝機能障害を改善する医薬品としても利用されている。これらのオルニチンを生産する方法としては、牛乳カゼイン(casein)を消化酵素で処理する方法及び形質転換された大腸菌またはコリネバクテリウム属微生物を用いる方法が知られている(特許文献1及び非特許文献1)。
、6の生産のための重要な原料物質である。プトレシンはシアン化水素(hydrogen cyanide)添加によりアクリロニトリル(acrylonitrile)に生産されるスクシノニトリル(succinonitrile)の水素化方法を介して産業的な規模で生産されうる。これらの化学物質の合成経路には、非再生的な石油化学的産物を原料物質として必要とする。また、相対的に複雑な製造段階、設備に加えて、高価な触媒システムと関連した高い温度と圧力が必要である。そこで、前記化学生産工程の代替として再生可能なバイオマス由来の炭素源からプトレシンの生産が要求され、最近では産業的に利用可能な高濃度のポリアミン(プトレシン)を生成するために、環境にやさしい微生物を利用しようとする研究が継続的に行われている(非特許文献2、3)。
ミノ酸に置換された、オルニチン系産物の排出能を有する新規なポリペプチドを提供する。
ミノ酸残基が他のアミノ酸に置換されたことを特徴とし、これにより、非変異ポリペプチド、具体的には、152番目のアラニンのアミノ酸残基を有するポリペプチドに比べて向上されたオルニチン系産物の排出能を有する。前記他のアミノ酸は、セリン(Serine)、アスパラギン(Asparagine)、ヒスチジン(Histidine)、プロリン(Proline)、リジン(Lysine)、グルタミン酸(Glutamic acid)、システイン(Cysteine)、グルタミン(Glutamine)またはメチオニン(Methionine)であってもよいが、これに制限されない。従って、前記オルニチン系産物の排出能を有するポリペプチドは、例えば、オルニチン系産物の排出タンパク質のアミノ酸配列で152番目のアラニンがセリン、アスパラギン、ヒスチジン、プロリン、リジン、グルタミン酸、システイン、グルタミンまたはメチオニンに置換されたものであってもよく、具体的には、配列番号3~20のいずれか一つに記載されるアミノ酸配列で構成されたポリペプチド、または前記配列と70%以上、具体的には、80%以上、より具体的には、85%以上、さらに具体的には、90%以上、より一層具体的には、95%以上、最も具体的には、99%以上の相同性または同一性を示すアミノ酸配列であってもよいが、152番目のアラニンが他のアミノ酸に置換されてオルニチン系産物排出能を有する限り、これに制限されるものではない。また、このような相同性または同一性を有する配列であって、実質的に配列番号3~20のいずれか一つに記載されるアミノ酸配列で構成されたポリペプチドと同一または相応する生物学的活性を有するアミノ酸配列であれば、一部の配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列もまた、本出願のカテゴリに含まれるものと解釈されるべきである。
、これに制限されない。その例として、オルニチン系産物はプトレシンとアルギニンであってもよい。また、本出願のオルニチン系産物の排出能を有する新規なポリペプチドによって排出されうるオルニチンを前駆体として合成される物質は、制限なく含まれる。
る。例えば、相同性または同一性が高い遺伝子同士、80%以上、具体的には、85%以上、より具体的には、90%以上、さらに具体的には、95%以上、より一層具体的には、97%以上、特に具体的には、99%以上の相同性または同一性を有する遺伝子同士でハイブリッド化する。そして、それより相同性または同一性が低い遺伝子同士はハイブリッド化しない条件、または通常のサザンハイブリッド化の洗浄条件である60℃、1×SSC 、0.1%SDS、具体的には、60℃、0.1×SSC、0.1%SDS、より具体的には、68℃、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度及び温度で、1回、具体的には、2回~3回洗浄する条件を挙げられる。
ミノ酸配列または塩基配列と同一または類似の活性を有するその相同性配列が「%相同性」と示される。
一性は標準配列アルゴリズムによって決定されるし、用いられるプログラムによって確立されたデフォルトのギャップペナルティが一緒に用いられてもよい。実質的には、相同性または同一性のあるポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、一般的にすべてまたはタゲーットポリヌクレオチドまたはポリペプチド全長の少なくとも約50%、60%、70%、80%、85%または90%に従って中間または高い厳密度でハイブリッドしてもよい。ハイブリッドするポリヌクレオチドでコドンの代わりに縮退コドンを含有するポリヌクレオチドも考慮されうる。
.4のEMBOSSバージョン)置換マトリックス);(2)各ギャップのための3.0のペナルティ及び各ギャップの各記号のための追加の0.10ペナルティ(またはギャップ開放ペナルティ10、ギャップ延長ペナルティ0.5);及び(3)末端ギャップのための無ペナルティを含んでもよい。したがって、本願で用いられたものとして、用語、「相同性」または「同一性」は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド間の比較を示す。
できるように、適合の調節配列に作動可能に連結された前記目的ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列を含有するDNA製造物を意味する。前記調節配列は、転写を開始しうるプロモーター、このような転写を調節するための任意のオペレーター配列、適合のmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、及び転写及び解読の終結を調節する配列を含んでもよい。ベクターは、適切な宿主細胞内に形質転換された後、宿主ゲノムとは無関係に複製されたり機能することができ、ゲノムそのものに統合されてもよい。
l2)沈殿、微細注入法(microinjection)、ポリエチレングリコール(PEG)法、
DEAEデキストラン法、陽イオンリポソーム法、及び酢酸リチウムDMSO法などがあるが、これに制限されない。また、前記ポリヌクレオチドは、標的ポリペプチドをコードするDNA及びRNAを含む。前記ポリヌクレオチドは、宿主細胞内に導入されて発現できるものであれば、あらゆる形態で導入されるものであっても構わない。例えば、前記ポリヌクレオチドは、それ自体で発現されるのに必要なすべての要素を含む遺伝子構造体である発現カセット(expression cassette)の形態で宿主細胞に導入されてもよい。前記
発現カセットは、通常、前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結されているプロモーター(promoter)、転写終結シグナル、リボソーム結合部位及び翻訳終結シグナルを含んでもよい。前記発現カセットは、それ自体の複製が可能な発現ベクターの形態であってもよい。また、前記ポリヌクレオチドは、それ自体の形態で宿主細胞に導入されて、宿主細胞で発現に必要な配列と作動可能に連結されたものであってもよく、これに限定されない。
どであるが、必ずしもこれに限定されるものではない。より具体的には、本出願でコリネバクテリウム属微生物は、高濃度のプトレシンまたはアルギニンに露出されても、細胞生長と生存に影響を少なく受けるコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)であってもよい。
またはアルギニン生産能を有しているコリネバクテリウム属微生物を意味する。コリネバクテリウム属微生物は、プトレシンを生産せず、アルギニンは生産できるが、アルギニンの生産能が著しく低い。したがって、本出願でプトレシンまたはアルギニン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物とは、天然型菌株自体または外部プトレシンまたはアルギニン生産機序と関連する遺伝子が挿入されたり、内在的遺伝子の活性を強化させたり弱化させて向上されたプトレシンまたはアルギニン生産能を有するようになったコリネバクテリウム属微生物を意味する。
。
アンモニアリアーゼ及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼで構成される群から選択される1種以上の活性が内在的活性に比べて強化されるように変異されたものであってもよい。
1)前記タンパク質を暗号化するポリヌクレオチドのコピー数の増加、
2)前記ポリヌクレオチドの発現が増加するように発現調節配列の変形、
3)前記タンパク質の活性が強化されるように染色体上のポリヌクレオチド配列の変形、
4)前記タンパク質の活性を示す外来ポリヌクレオチドまたは前記ポリヌクレオチドのコドン最適化された変異型ポリヌクレオチドの導入、または
5)その組み合わせによって強化されるように変形する方法などにより行われてもよいが、これに制限されない。
モーター(特許文献4及び5)、lysCP1プロモーター(特許文献6)、EF-Tuプロモーター、groELプロモーター、aceAあるいはaceBプロモーターなどがあるが、これに限定されない。併せて、3)染色体上のポリヌクレオチド配列の変形は、特にこれに制限されないが、前記ポリヌクレオチド配列の活性をより強化するように核酸配列を欠失、挿入、非保存的または保存的置換、またはこれらの組み合わせで発現調節配列上の変異を誘導して実行するか、さらに強い活性を有するように改良されたポリヌクレオチド配列に交替することによって行われてもよい。
300個、より具体的には、1~100個、より具体的には、1~50個であってもよい。しかし、特にこれに制限されるものではない。
コリネバクテリウム・グルタミカム遺伝子NCgl2522はプトレシン排出能のあるものと明らかになったが(特許文献2)、プトレシンに加えてオルニチンを出発物質として生合成することができるシトルリン、プロリン及びアルギニンを排出することができるかどうかを確認するために、以下のように実験した。
アルギニン生産能を有する野生型ATCC21831菌株とKCCM10741P(特許文献7)でNCgl2522活性を強化するために、染色体内NCgl2522の開始コドンの前にCJ7プロモーター(特許文献5)を導入した。
は染色体上のNCgl2522の元の配列を有する相同組換え断片を収得した。具体的には、CJ7プロモーターの5’末端部位はコリネバクテリウム・グルタミカムATCC21831またはKCCM10741PのゲノムDNAを鋳型とし、表1の配列番号63及び64のプライマー対を用いたPCRを行い収得した。この時、PCR反応は94℃で30秒の変性、55℃で30秒のアニーリング、及び72℃で30秒の伸長過程を30回繰り返した。また、CJ7プロモーター部位は、表1の配列番号65及び66のプライマー対を用いて、同じ条件でPCRを行って収得し、CJ7プロモーターの3’末端部位はコリネバクテリウム・グルタミカムATCC21831またはKCCM10741PのゲノムDNAを鋳型とし、表1の配列番号67及び68のプライマー対を用いて、同じ条件でPCRを行って収得した。プロモーター置換に用いられたプライマーは、表1に示された通りである。
Kit(Clontech)を用いて、50℃で10分間反応させ、これを介して得られたプラスミドをそれぞれpDZ-P(CJ7)-NCgl2522-21831及びpDZ-P(CJ7)-NCgl2522-10741Pと命名した。
前記で製造されたプラスミドpDZ-P(CJ7)-NCgl2522-21831及びpDZ-P(CJ7)-NCgl2522-10741Pをアルギニン生産菌株であるATCC21831及びKCCM10741Pに電気穿孔法(electroporation)で導入
して形質転換体を収得し、前記形質転換体をカナマイシン(25μg/ml)とX-gal(5-bromo-4-chloro-3-indolin-D-galactoside)が含有されたBHIS平板培地(Braine heart infusion 37g/L、ソルビトール91g/L、寒天2%)に塗抹して培養することにより、コロニーを形成させた。このことから形成されたコロニーの中から、前記プラスミドpDZ-P(CJ7)-NCgl2522-21831またはpDZ-P(CJ7)-NCgl2522-10741Pが導入された菌株を選別した。
6.8)で振とう培養(30℃、8時間)し、それぞれ10-4から10-10まで順次希釈した後、X-gal含有固体培地に塗抹して培養しコロニーを形成させた。形成されたコロニーの中から相対的に低い割合で示される白色のコロニーを選択することにより、2次交差(crossover)によって最終的にNCgl2522遺伝子のプロモーターがCJ
7に置換された菌株を選別した。最終的に選抜された菌株を対象に、表1のプライマー対(配列番号65及び68)を用いてPCRを行って収得した産物を塩基配列分析して、染色体内NCgl2522開始コドンの前にCJ7プロモーターが導入されたことを確認した。この時、PCR反応は95℃で30秒の変性;55℃で30秒のアニーリング;及び72℃で1分の伸長過程を30回繰り返して行った。
2522と命名した。
NCgl2522遺伝子がオルニチン系産物の1つであるアルギニン排出能に及ぼす影響を確認するために、前記参考例で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株ATCC21831_Pcj7 NCgl2522及びKCCM10741P_Pcj7 NCgl2522を対象にアルギニン生産能を比較した。
3%、第1リン酸カリウム 0.1%、硫酸マグネシウム7水塩 0.2%、CSL(コ
ーン浸漬液) 1.5%、NaCl 1%、酵母エキス 0.5%、ビオチン 100μg/L、pH7.2] 25mlを入れた250mlのコーナーバッフルフラスコに1白金耳の菌株を接種し、30℃で48時間200rpmで培養して生産した。培養終了後、HPLCでアルギニンの生産量を測定し、その結果を表2の通りである。
オルニチン系産物排出タンパク質の活性を増加させようと、本発明者らはプトレシン排出タンパク質をコードする遺伝子であるNCgl2522(特許文献8)の変異体を製作した。
522変異体プラスミドライブラリを完成した。
、KH2PO4 1g/L、(NH4)2SO44g/L 、大豆タンパク質加水分解物0.48g/L、MnSO4・7H2O 0.01g/L、チアミン・HCl 200μg/L、ビオチン200μg/L、FeSO4・7H2O 0.01g/L、アルギニン1m
M、カナマイシン25μg/ml、pH7.2)で振とう培養(30℃、24時間)し、それぞれの培養物から生産されたプトレシン濃度を測定して、対照群に比べてプトレシン生産性が最も増加した形質転換体の1種を選別した。次に、選別された前記形質転換体のNCgl2522タンパク質のアミノ酸配列でどのような変異が誘導されたかを確認した。NCgl2522変異体配列の確認は、前記変異体を含む形質転換体から配列番号21及び22のプライマーを用いたコロニーPCRを行い、相同組換え断片を収得した後、配列番号21のプライマーを用いて遺伝子配列を解読する方法で行った。この際、PCR反応は95℃で30秒の変性;55℃で30秒のアニーリング;及び72℃で1分の伸長過程を30回繰り返して行った。
本発明者らは、前記実施例2で製造されたNCgl2522_M1変異体を介して、N
末端から152番目のアミノ酸残基がNCgl2522タンパク質の活性に重要な位置であることを認識した。そこで、NCgl2522タンパク質の152番目のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換した様々な変異体を製作した。
Cgl2522の152番目のアミノ酸残基にランダム突然変異を誘発するために表4のプライマー対(配列番号23及び24)を用いてPCRを行い、pDZ-NCgl2522_A152変異体プラスミドライブラリを完成した。この時、PCR反応は、95℃で30秒の変性;55℃で30秒のアニーリング;及び72℃で5分の伸長過程を25回繰り返して行った。
52変異体が導入された菌株を選別した。対照群に比べてプトレシンの生産性が最も増加した形質転換体の8種を選別し、各形質転換体のNCgl2522タンパク質のアミノ酸配列でどのような変異が誘導されたか実施例2と同様の方法で確認した。
鋳型とし、152番目のアミノ酸残基にランダム突然変異を誘発するためにプライマー対(配列番号23及び24)を用いてPCRを行い、pDZ-13869 -NCgl25
22_A152変異体プラスミドライブラリを完成した。この時、PCR反応は、95℃
で30秒の変性;55℃で30秒のアニーリング;及び72℃で5分の伸長過程を25回繰り返して行った。
<4-1>ATCC13032ベースプトレシン生産菌株でNCgl2522変異体菌株の製作
プトレシン生産菌株でプトレシン排出能を増加させるために、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032ベースのプトレシン生産菌株にNCgl2522遺伝子変異体であるNCgl2522_M1、NCgl2522_M3、NCgl2522_M4、
NCgl2522_M5、NCgl2522_M6、NCgl2522_M7、NCgl2
522_M8、NCgl2522_M9またはNCgl2522_M10を染色体内に導入
した。
、PCR反応は、95℃で30秒の変性;55℃で30秒のアニーリング;及び72℃で30秒の伸長過程を30回繰り返して行った。
22_M1、pDZNCgl2522_M3、pDZ-NCgl2522_M4、pDZ-
NCgl2522_M5、pDZ-NCgl2522_M6、pDZ-NCgl2522_
M7、pDZ-NCgl2522_M8、pDZ-NCgl2522_M9及びpDZ-NCgl2522_M10と命名した。
22_M3、pDZ-NCgl2522_M4、pDZ-NCgl2522_M5、pDZ
-NCgl2522_M6、pDZ-NCgl2522_M7、pDZ-NCgl2522_M8、pDZ-NCgl2522_M9及びpDZ-NCgl2522_M10をそれぞ
れKCCM11240P(特許文献10)に電気穿孔法(electroporation)で導入して
形質転換体を収得し、前記形質転換体をカナマイシン(25μg/ml)とX-gal(5-bromo-4-chloro-3-indolin-D-galactoside)が含有されたBHIS平板培地(Braine heart infusion 37g/L、ソルビトール91g/L、寒天2%)に塗抹して培養することによりコロニーを形成させた。このことから形成されたコロニー中から、前記それぞれのプラスミドが導入された菌株を選別した。
れの変異体に置換された菌株を選別した。最終的に選抜された菌株を対象にプライマー対(配列番号25及び26)を用いてPCRを行って収得した産物を塩基配列分析してそれ
ぞれの変異体に置換されたことを確認した。この時、PCR反応は、95℃で30秒の変性;55℃で30秒のアニーリング;及び72℃で1分の伸長過程を30回繰り返して行った。
22_M5、KCCM11240P NCgl2522_M6、KCCM11240P NCgl2522_M7、KCCM11240P NCgl2522_M8、KCCM1124
0P NCgl2522_M9及びKCCM11240P NCgl2522_M10と命名した。
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13869ベースのプトレシン生産菌株であるDAB12-aΔNCgl1469(特許文献10)をDAB12-bと命名し、プトレシン生産菌株のプトレシン排出能を増加させるためにNCgl2522遺伝子変異体であるNCgl2522_M2、NCgl2522_M11、NCgl2522_M12、
NCgl2522_M13、NCgl2522_M14、NCgl2522_M15、NC
gl2522_M16、NCgl2522_M17及び NCgl2522_M18をそれぞれDAB12-b菌株の染色体内に導入した。
プトレシン生産菌株でプトレシン排出能を増加させるNCgl2522遺伝子変異体を導入する時にプトレシンの生産に及ぼす効果を確認するために、前記実施例<4-1>及び<4-2>で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株を対象にプトレシン生産能を比較した。
gl2522_M1; KCCM11240P NCgl2522_M3; KCCM112
40P NCgl2522_M4; KCCM11240P NCgl2522_M5; KCCM11240P NCgl2522_M6; KCCM11240P NCgl2522_
M7; KCCM11240P NCgl2522_M8; KCCM11240P NCg
l2522_M9; KCCM11240P NCgl2522_M10; DAB12-b NCgl2522_M2; DAB12-b NCgl2522_M11; DAB12-b NCgl2522_M12; DAB12-b NCgl2522_M13; DAB12-
b NCgl2522_M14; DAB12-b NCgl2522_M15; DAB12
-b NCgl2522_M116; DAB12-b NCgl2522_M17; DAB12-b NCgl2522_M18)と2種の親菌株(KCCM11240P;DAB12-b)をそれぞれ1mMアルギニン含有CM平板培地(グルコース 1%、ポリペプトン 1%、酵母エキス 0.5%、牛肉エキス 0.5%、NaCl 0.25%、尿素 0.2%、50% NaOH 100μl、アガー 2%、pH6.8、1L基準)に塗抹し、30℃で24時間培養した。このことから培養された各菌株を25mlの力価培地(グルコース 8%、大豆タンパク質 0.25%、トウモロコシ固形 0.50%、(NH4)2SO44%、 KH2PO4 0.1%、MgSO4・7H2O 0.05%、尿素 0.15%、ビオチン 100μg、チアミン・HCl 3mg、パントテン酸カルシウム
3mg、ニコチン酸アミド 3mg、CaCO3 5%、1L基準)に一白金耳程度に接種した後、これを30℃、200rpmで50時間振とう培養した。すべての菌株の培養時の培地に1mMアルギニンを添加した。各培養物から生産されたプトレシン濃度を測定し、その結果を下記の表7に示した。
9種のコリネバクテリウム・グルタミカム変異株すべてで親菌株に比べてプトレシン生産量及び生産性が7%~14%増加した。また、DAB12-bにそれぞれの変異体を導入した場合、9種のコリネバクテリウム・グルタミカム変異株すべてで親菌株に比べてプトレシン生産量及び生産性が5%~12%増加したことを確認した。この時の生産性は、各形質転換体の時間当たりのプトレシン生産量を示し、g/L/hで示した。
<5-1>プトレシン排出能が増加された菌株にNCgl2522変異体を導入した菌株の製作
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032ベースのプトレシン排出能が増加されたプトレシン生産菌株であるKCCM11240P P(CJ7)-NCgl25
22(特許文献2)において、NCgl2522遺伝子変異体の影響性を確認するために、NCgl2522_M1、NCgl2522_M3、NCgl2522_M4、NCgl2522_M5、NCgl2522_M6、NCgl2522_M7、NCgl2522_M8、NCgl2522_M9、NCgl2522_M10変異体を、それぞれ前記菌株の染色体内に導入した。
1、pDZ-NCgl2522_M3、pDZ-NCgl2522_M4、pDZ-NCgl2522_M5、pDZ-NCgl2522_M6、pDZ-NCgl2522_M7、
pDZ-NCgl2522_M8、pDZ-NCgl2522_M9、pDZ- NCgl
2522_M10を実施例<4-1>と同様の方法でKCCM11240P P(CJ7)-NCgl2522に形質転換し、染色体内NCgl2522遺伝子が変異体に置換されたことを確認した。前記過程を介して選別されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異
株をそれぞれKCCM11240P P(CJ7)-NCgl2522 NCgl2522_M1、KCCM11240P P(CJ7)-NCgl2522 NCgl2522_M3、KCCM11240P P(CJ7)-NCgl2522 NCgl2522_M4、KCCM11240P P(CJ7)-NCgl2522 NCgl2522_M5、KCCM11240P P(CJ7)-NCgl2522 NCgl2522_M6、KCCM11240P P(CJ7)-NCgl2522 NCgl2522_M7、KCCM11240P P(CJ7)-NCgl2522 NCgl2522_M8、KCCM11240P P(CJ7)-NCgl2522 NCgl2522_M9、KCCM11240P P(CJ7)-NCgl2522 NCgl2522_M10と命名した。
プトレシン排出能が増加したコリネバクテリウム・グルタミカム生産菌株にNCgl2522変異体が及ぼす効果を確認するために、前記実施例<5-1>で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株と親菌株のプトレシン生産能を比較した。
CJ7)-NCgl2522 NCgl2522_M1、KCCM11240P P(CJ
7)-NCgl2522 NCgl2522_M3、KCCM11240P P(CJ7)
-NCgl2522 NCgl2522_M4、KCCM11240P P(CJ7)-N
Cgl2522 NCgl2522_M5、KCCM11240P P (CJ7)-NCgl2522 NCgl2522_M6、KCCM11240P P(CJ7)-NCgl2
522 NCgl2522_M7、KCCM11240P P(CJ7)-NCgl252
2 NCgl2522_M8、KCCM11240P P(CJ7)-NCgl2522 NCgl2522_M9、KCCM11240P P(CJ7)-NCgl2522 NCg
l2522_M10)と親菌株(KCCM11240P P( CJ7)-NCgl252
2)をそれぞれ1mMアルギニン含有CM平板培地(グルコース 1%、ポリペプトン 1%、酵母エキス 0.5%、牛肉エキス 0.5%、NaCl 0.25%、尿素 0.2%、50% NaOH 100μl、アガー 2%、pH6.8、1L基準)に塗抹し、30℃で24時間培養した。このことから培養された各菌株を25mlの力価培地(グルコース 8%、大豆タンパク質 0.25%、トウモロコシ固形 0.50%、(NH4)2SO44%、 KH2PO4 0.1%、MgSO4・7H2O 0.05%、尿素 0.15%、ビオチン 100μg、チアミン・HCl 3mg、パントテン酸カルシウム 3mg、ニコチン酸アミド 3mg、CaCO3 5%、1L基準)に一白金耳程度に接種した後、これを30℃、200rpmで50時間振とう培養した。すべての菌株の培養時の培地に1mMアルギニンを添加した。各培養物から生産されたプトレシン濃度を測定し、その結果を下記の表8に示した。
強化されている親菌株に比べてプトレシン生産量及び生産性が4%~10%増加したことを確認した。この時の生産性は、各形質転換体の時間当たりのプトレシン生産量を示し、g/L/hで示した。
<6-1>L-アルギニン生産菌株でNCgl2522変異体菌株の製作
L-アルギニン生産菌株でL-アルギニン排出能を増加させるために、コリネバクテリウム・グルタミカムKCCM10741P(特許文献7)のL-アルギニン生産菌株にNCgl2522遺伝子変異体であるNCgl2522_M1、NCgl2522_M3、NCgl2522_M4、NCgl2522_M5、NCgl2522_M6、NCgl25
22_M7、NCgl2522_M8、NCgl2522_M9またはNCgl2522_M10を染色体内に導入した。
2_M3、NCgl2522_M4、NCgl2522_M5、NCgl2522_M6、NCgl2522_M7、NCgl2522_M8、NCgl2522_M9またはNCgl
2522_M10に置換された菌株を選別した。
2_M5、KCCM10741P NCgl2522_M6、KCCM10741P NCgl2522_M7、KCCM10741P NCgl2522_M8、KCCM10741
P NCgl2522_M9及びKCCM10741P NCgl2522_M10と命名した。
体菌株の製作
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC21831野生型L-アルギニン生産菌株のL-アルギニン排出能を増加させるために、NCgl2522遺伝子変異体であるNCgl2522_M2、NCgl2522_M11、NCgl2522_M12、NCgl2
522_M13、NCgl2522_M14、NCgl2522_M15、NCgl252
2_M16、NCgl2522_M17及びNCgl2522_M18をそれぞれATCC
12831菌株の染色体内に導入した。
4、NCgl2522_M15、NCgl2522_M16、NCgl2522_M17及
びNCgl2522_M18に置換された菌株を選別した。
522_M15、ATCC21831 NCgl2522_M16、ATCC21831 NCgl2522_M17、ATCC21831 NCgl2522_M18と命名した。
L-アルギニン生産菌株にL-アルギニン排出能を増加させるNCgl2522遺伝子変異体を導入する時のL-アルギニン生産に及ぼす効果を確認するために、前記実施例<6-1>と<6-2>で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株を対象に、L-アルギニン生産能を比較した。
れたコリネバクテリウム・グルタミカム菌株で高収率及び高生産性でプトレシンを生産できることを確認し、前記菌株をKCCM11240P NCgl2522_A152Sと命名した後、ブダペスト条約下で国際寄託機関である韓国微生物保存センター(KCCM)に2016年9月1日付で寄託し、受託番号KCCM11887Pを与えられた。
Claims (17)
- オルニチン系産物を排出するポリペプチドの活性が強化された、オルニチン系産物を生産するコリネバクテリウム属微生物であって、前記ポリペプチドが配列番号1または配列番号2に記載されたアミノ酸配列においてN末端から152番目のアラニン(Alanine)残基が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列で構成されている、微生物であり、
該活性の強化が、
1)該ポリペプチドを暗号化するポリヌクレオチドのコピー数を増加させること、
2)該ポリヌクレオチドの発現が増加するように発現調節配列を変形すること、または
3)上記の組み合わせによって活性を強化するように変形すること、
である、微生物。 - 前記152番目のアラニンがセリン(Serine)、アスパラギン(Asparagine)、ヒスチジン(Histidine)、プロリン(Proline)、リジン(Lysine)、グルタミン酸(Glutamic acid)、システイン(Cysteine)、グルタミン(Glutamine)またはメチオニン(Methionine)に置換された、請求項1に記載の微生物。
- 前記ポリペプチドが、配列番号3~20のいずれか1つに記載されたアミノ酸配列で構成された、請求項1に記載の微生物。
- ポリペプチドの活性がその内在的活性に比べて強化された、請求項1に記載の微生物。
- 活性の強化が、前記ポリヌクレオチドの発現が増加するように発現調節配列を変形することである、請求項1に記載の微生物。
- 前記微生物が、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)である、請求項1に記載の微生物。
- 前記オルニチン系産物がプトレシンである、請求項1に記載の微生物。
- さらにオルニチンデカルボキシラーゼ(ornithine decarboxylase、ODC)の活性が導入された、請求項7に記載の微生物。
- さらにオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(ArgF)及びグルタミン酸排出に関与するタンパク質で構成される群から選択される1種以上の活性がその内在的活性に比べて不活性化された、請求項7に記載の微生物。
- さらにアセチルガンマグルタミルリン酸レダクターゼ(ArgC)、アセチルグルタミン酸シンターゼまたはオルニチンアセチルトランスフェラーゼ(argJ)、アセチルグルタミン酸キナーゼ(ArgB)、及びアセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼ(ArgD)で構成される群から選択される1種以上の活性がその内在的活性に比べて強化された、請求項7に記載の微生物。
- さらにプトレシンアセチルトランスフェラーゼの活性が内在的活性に比べて不活性化された、請求項7に記載の微生物。
- 前記オルニチン系産物がアルギニンである、請求項1に記載の微生物。
- さらにアセチルガンマグルタミルリン酸レダクターゼ(ArgC)、アセチルグルタミン酸シンターゼまたはオルニチンアセチルトランスフェラーゼ(argJ)、アセチルグルタミン酸キナーゼ(ArgB)、及びアセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼ(ArgD)で構成される群から選択される1種以上の活性がその内在的活性に比べて強化された、請求項12に記載の属微生物。
- さらにオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(ornithine carbamoyltransferase、ArgF)、アルギニノコハク酸シンターゼ(Argininosuccinate synthase、argG)、アルギニノコハク酸リアーゼ(Argininosuccinate lyase、argH)、アスパラギン酸アンモニアリアーゼ及び/またはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼで構成される群から選択される1種以上の活性がその内在的活性に比べて増加された、請求項12に記載の属微生物。
- (i)請求項1~14のいずれか一項に記載のコリネバクテリウム属微生物を培地で培養する段階;及び
(ii)前記段階で収得される微生物または培地からオルニチン系産物回収する段階
を含む、オルニチン系産物の生産方法。 - 前記オルニチン系産物がプトレシンである、請求項15に記載の方法。
- 前記オルニチン系産物がアルギニンである、請求項15に記載の方法。
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