JP7308018B2 - 飲料、容器詰め飲料および飲料の苦みの抑制方法 - Google Patents
飲料、容器詰め飲料および飲料の苦みの抑制方法 Download PDFInfo
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酸度が0.03%以下であり、
カフェインと、
以下の成分(a)、(b)のうち少なくとも1つ以上を含む、飲料が提供される。
(a)β-ダマセノン 0.05ppb以上300ppb以下
(b)グアヤコール 0.05ppb以上300ppb以下
上記の飲料が透明な容器に充填された容器詰め飲料が提供される。
酸度が0.03%以下である飲料において、カフェインと、以下の成分(a)、(b)のうち少なくとも1つ以上を含むように調製する、飲料の苦みの抑制方法が提供される。
(a)β-ダマセノン 0.05ppb以上300ppb以下
(b)グアヤコール 0.05ppb以上300ppb以下
<飲料>
本実施形態の飲料は、
酸度が0.03%以下であり、
カフェインと、
以下の成分(a)、(b)のうち少なくとも1つ以上を含む。
(a)β-ダマセノン 0.05ppb以上300ppb以下
(b)グアヤコール 0.05ppb以上300ppb以下
本実施形態の飲料は、酸度が0.03%以下であり、カフェインを含むことを前提として、上記特定の成分(a)及び/又は(b)を特定量配合することで、酸度が低い場合に苦みを抑制することができる。また、本実施形態の飲料は、成分(a)及び/又は(b)を単に配合するのではなく、特定の範囲の配合量とすることによって、より一層効果的に苦みを抑制できる。
本実施形態の飲料の風味は、カフェインを含有するものであればよく特に限定されないが、コーヒー風味、茶風味、コーラ風味、エナジードリンク風味などが挙げられる。また、風味の有無にかかわらず、本実施形態の飲料を、いわゆるエナジードリンクとすることができる。なお、コーヒー生豆換算で1%以上の「コーヒー入り清涼飲料」及び「コーヒー飲料」、「コーヒー」と表示される飲料は、本実施形態の飲料から除外される。
カフェインの濃度の下限は、0.02g/L以上が好ましく、0.03g/L以上がより好ましく、0.05g/L以上がさらに好ましい。一方、カフェインの濃度の上限は、0.5g/L以下が好ましく、0.3g/L以下がより好ましく、0.1g/L以下がさらに好ましい。
カフェインの濃度を、かかる数値範囲とすることで、カフェインによる風味付けをしつつ、苦みを抑制することができる。
成分(a)の濃度の下限は、0.05ppb以上が好ましく、0.3ppb以上がより好ましく、0.5ppb以上がさらに好ましい。成分(a)の濃度の上限は、300ppb以下が好ましく、100ppb以下がより好ましく、50ppb以下がさらに好ましい。
成分(a)の濃度を、かかる数値範囲とすることで、苦みを抑制できる。特に、成分(a)の上限を上記範囲とすることで、異味の発生を抑制しつつ、苦みを抑制できる。
成分(b)の濃度の下限は、0.05ppb以上が好ましく、0.1ppb以上がより好ましく、0.5ppb以上がさらに好ましい。成分(b)の濃度の上限は、300ppb以下が好ましく、100ppb以下がより好ましく、50ppb以下がさらに好ましい。
成分(b)の濃度を、かかる数値範囲とすることで、苦みを抑制できる。特に、成分(b)の上限を上記範囲とすることで、異味の発生を抑制しつつ、苦みを抑制できる。
本実施形態の飲料は、本発明の効果が得られる限りにおいて、上記以外の種々の成分を含んでもよい。例えば、上記以外の香気成分、甘味料、酸味料、pH調整剤、果汁、各種栄養成分、着色料、希釈剤、酸化防止剤、増粘安定剤等を含んでもよい。
ただし、透明性の観点からは、飲料は、着色料を実質的に含まないか、含むとしても少量であることが好ましい。
ただし、高甘味度甘味料は、健康志向や需要者の嗜好性等の観点から、含まないことがよい。
本実施形態の飲料の糖度は、特に限定されないが、3.0以下が好ましい。飲料をより低カロリーとする観点から、糖度を低くしてもよく、例えば、2.5以下、2以下、1.5以下であってもよい。
本実施形態の飲料の20℃におけるpHは、好ましくは、2.8以上5以下であり、より好ましくは、3.0以上4.6以下である。これにより、苦みを抑制しつつ、後味を良好に保持できる。
なお、pHの測定は、市販のpH測定器を用いるなどして行うことができる。pHの調整は、例えば、特定酸の量を変えることや、pH調整剤を用いることなどにより行うことができる。
本実施形態の飲料の酸度は、クエン酸の相当量として換算した値(クエン酸度)において、好ましくは、0.03%以下であり、より好ましくは、0.02%以下であり、さらに好ましくは0.01%以下である。これにより、苦みを抑制しつつ、後味を良好に保持できる。なお、クエン酸度の好ましい下限は特になく、0%より大きい値である。
本実施形態の飲料の波長420nmにおける吸光度は、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.3以下であり、さらに好ましくは0.1以下である。ここで、特段の材料や製法を用いていない通常のコーヒー飲料は、焙煎されたコーヒー豆に由来する褐色の色を呈している。これに対し、本実施形態の飲料は、通常のコーヒー飲料とは異なるものであり、波長420nmにおける透明性が得られるものである。
また、本実施形態の飲料は、波長650nmにおける吸光度は、好ましくは0.06以下であり、より好ましくは0.04以下であり、さらに好ましくは0.01以下である。すなわち、本実施形態の飲料は、透明性が高い飲料であり、いわゆる止渇目的で喫飲されるフレーバーウォーターやニアウォーターとすることができる。
本実施形態の飲料は、カフェイン、および必要に応じて添加されるその他の成分を、定法に従って水に均一に混合することで得ることができる。
本実施形態の飲料は、加熱殺菌され、容器に詰められた状態の容器詰め飲料としてもよい。なお、各成分の調合タイミングは、殺菌処理前に限られず、特定の成分、例えば、揮発性が相対的に高い香気成分を殺菌処理後に調合してもよい。
さらに飲料を外観から観察し、透明性、色などを確認できる観点から、容器は透明であることが好ましく、具体的にはペットボトルまたは無着色の瓶が好ましい。また、取扱性、流通性、携帯性等の観点から、容器はペットボトルであることが好ましい。
本実施形態の飲料の苦みの抑制方法は、酸度が0.03%である飲料において、カフェインと、以下の成分(a),(b)のうち少なくとも1つ以上を含むように調製するものである。
(a)β-ダマセノン 0.05ppb以上300ppb以下
(b)グアヤコール 0.05ppb以上300ppb以下
これにより、飲料の苦みを抑制できる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 酸度が0.03%以下であり、
カフェインと、
以下の成分(a)、(b)のうち少なくとも1つ以上を含む飲料。
(a)β-ダマセノン 0.05ppb以上300ppb以下
(b)グアヤコール 0.05ppb以上300ppb以下
2. 20℃におけるpHが5.0以下である1.に記載の飲料。
3. カフェインの濃度が0.02g/L以上0.5g/L以下である1.又は2.に記載の飲料。
4. 波長420nmにおける吸光度が0.5以下である、1.乃至3.のいずれか一つに記載の飲料。
5. 波長650nmにおける吸光度が0.06以下である、1.乃至4.のいずれか一つに記載の飲料。
6. 1.乃至5.のいずれか一つに記載された飲料が透明な容器に充填された容器詰め飲料。
7. 酸度が0.03%以下である飲料において、カフェインと、以下の成分(a)、(b)のうち少なくとも1つ以上を含むように調製する、飲料の苦みの抑制方法。
(a)β-ダマセノン 0.05ppb以上300ppb以下
(b)グアヤコール 0.05ppb以上300ppb以下
<対照例1、実施例1,2、比較例1~4>
表1に示す配合比率となるように、香気成分を除く各成分を水中で均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を95℃瞬間殺菌にて殺菌した後、香気成分を調合し、容器に詰めた。これにより容器詰め飲料を得た。
得られた飲料について以下の測定、および評価を行い、結果を表1に示した。なお、表1中の「-」は、配合されていないことを示す。
・糖度(Bx):糖用屈折計示度「RX-5000α」株式会社アタゴ製を用いてブリックス値を測定した。飲料の液温は20℃とした。
・pH:東亜ディーケーケー社製 GST-5741Cにて測定した値(20℃)とした。
・吸光度(D420:波長420nm、D650:波長650nm):飲料を光路長1cmのセルに入れて、市販の分光光度計で測定した値とした。なお、吸光度測定は、20℃の温度条件下、石英セルを用いて実施した。
・クエン酸酸度:フェノールフタレイン指示薬と水酸化ナトリウムとを用いて、以下の手順で滴定することにより求めた。
(1)200mL三角フラスコに対して5~15gの飲料を正確に秤量し、水を用いて5
0ml程度まで希釈する。
(2)希釈した上記飲料に対して1%フェノールフタレイン指示薬を数滴加えて撹拌する。
(3)三角フラスコ内の希釈飲料溶液をマグネティックスターラーで撹拌しながら、25
mLビューレットに入れた0.1Mの水酸化ナトリウムを上記飲料溶液に滴下し、滴定試
験を実施する。この滴定試験は、三角フラスコ内の飲料溶液の色が、30秒間赤色を持続
した点を終点とする。そして、
(4)クエン酸酸度(%)の値を、滴定試験の結果に基づき、次式によって算出する。
クエン酸酸度(%)=A×f×(100/W)×0.0064 (式1)
[(式1)において、Aは、0.1M水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)を、fは、0.1M水酸化ナトリウム溶液の力価を、Wは、飲料試料の質量(g)を示す。また、(式1)において乗算している「0.0064」という値は、1mLの0.1M水酸化ナトリウム溶液に相当する無水クエン酸の質量(g)を指す。]
・官能評価:実施例および比較例の飲料(20℃)それぞれを、熟練した5名のパネラーが試飲し、以下の評価基準に従い、「苦みの強さ」について、7段階(1~7点)評価を実施し、その平均点を求めた。また、評価する際は、対照例1の飲料を対照品(基準値4点)として評価を実施した。また、「苦みの強さ」については、各比較例に対して0.4点以上評点が小さくなる場合について、苦みが抑制されたものと判断した。なお、評価は、数値が大きいほど、苦みが強いことを表す。
(苦味の強さ)比較例に対して、0.2点以上の差がつく場合を差があると見なした。
7点・・・基準と比較して、非常に強く感じる。
6点・・・基準と比較して、強く感じる
5点・・・基準と比較して、やや強く感じる。
4点・・・基準
3点・・・基準と比較して、やや弱く感じる。
2点・・・基準と比較して、弱く感じる。
1点・・・基準と比較して、非常に弱く感じる。
<対照例1、比較例1,5、実施例3~5>
表2に示す配合比率となるように、香気成分を除く各成分を水中で均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を95℃瞬間殺菌にて殺菌した後、香気成分を調合し、容器に詰めた。これにより容器詰め飲料を得た。
得られた飲料について、上記実験1と同様にして、測定および評価を行い、結果を表2に示した。また、異味について、同じパネリストが4段階で評価(数字が大きいほど異味が強いことを表す)し、3点以上の点数を付けた人数を記載した。なお、表2中の「-」は、配合されていないことを示す。
(異味)3点以上の点を2名以上付けた場合を不可とする。
4点・・・異味が強く感じられる。
3点・・・異味が感じられる。
2点・・・異味がやや感じられる。
1点・・・異味は感じられない。
<対照例1、比較例1,6、実施例6~8>
表3に示す配合比率となるように、香気成分を除く各成分を水中で均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を95℃瞬間殺菌にて殺菌した後、香気成分を調合し、容器に詰めた。これにより容器詰め飲料を得た。
得られた飲料について、上記実験2と同様にして、測定および評価を行い、結果を表3に示した。
<対照例1、比較例7,8、実施例9,10>
表4に示す配合比率となるように、香気成分を除く各成分を水中で均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を95℃瞬間殺菌にて殺菌した後、香気成分を調合し、容器に詰めた。これにより容器詰め飲料を得た。
得られた飲料について、上記実験1と同様にして、測定および評価を行い、結果を表4に示した。なお、表4中の「-」は、配合されていないことを示す。
<対照例1、比較例9,10、実施例11,12>
表5に示す配合比率となるように、香気成分を除く各成分を水中で均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を95℃瞬間殺菌にて殺菌した後、香気成分を調合し、容器に詰めた。これにより容器詰め飲料を得た。
得られた飲料について、上記実験1と同様にして、測定および評価を行い、結果を表5に示した。なお、表5中の「-」は、配合されていないことを示す。
Claims (6)
- クエン酸の相当量として換算した酸度が0.03%以下であり、
カフェインと、
酸味料と、
以下の成分(a)、(b)のうち少なくとも1つ以上と、を含み、
波長420nmにおける吸光度が0.1以下であり、
波長650nmにおける吸光度が0.01以下である、飲料(ただし、コーヒー生豆換算で1%以上の飲料を除く)。
(a)β-ダマセノン 0.05ppb以上300ppb以下
(b)グアヤコール 0.05ppb以上300ppb以下 - 20℃におけるpHが5.0以下である請求項1に記載の飲料。
- カフェインの濃度が0.02g/L以上0.5g/L以下である請求項1又は2に記載の飲料。
- 前記酸味料が、クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、フィチン酸、アスコルビン酸又はそれらの塩の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の飲料。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載された飲料が透明な容器に充填された容器詰め飲料。
- クエン酸の相当量として換算した酸度が0.03%以下である飲料において、カフェインと、酸味料と、以下の成分(a)、(b)のうち少なくとも1つ以上と、を含み、
波長420nmにおける吸光度が0.1以下となり、
波長650nmにおける吸光度が0.01以下となるように調製する、飲料の苦みの抑制方法(ただし、コーヒー生豆換算で1%以上の飲料を除く)。
(a)β-ダマセノン 0.05ppb以上300ppb以下
(b)グアヤコール 0.05ppb以上300ppb以下
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