JP7305141B1 - セメントペースト、及び、冬季用pcグラウトの施工方法 - Google Patents

セメントペースト、及び、冬季用pcグラウトの施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 採暖措置をとらず安価で一般地区において寒中施工に使用可能な冬季用PCグラウトおよびその施工方法を提供する。【解決手段】 この冬季用PCグラウト材は、少なくとも、セメントと、水と、混和剤と、を混練して成る。セメントは、早強ポルトランドセメントであり、混和剤は、ポリカルボン酸系ポリマーを主成分とするセメント分散剤と、増粘剤と、消泡剤と、から成る。セメント100質量部に対して、セメント分散剤は0.20~0.40質量部含有され、増粘剤は0.015~0.020質量部含有され、消泡剤は0.010~0.015質量部含有される。水セメント比を29~32%とし、養生期間を28日とした場合における、初期養生の1日目から7日目の最低気温が-12℃、かつ、-8℃以下となる1日の累計時間が6時間以下であり、日平均気温が-6.0℃以上となる環境下において、養生期間中に採暖措置をとらない場合であっても、冬季用PCグラウト材の強度が所期の強度以上となることを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、冬季において、所定条件の範囲内で寒中施工とされたPCグラウトが凍結することなく、養生期間中に採暖等の措置をとらず所期の強度が得られるPCグラウトおよびその施工方法に関するものである。
従来、コンクリート構造体に配設されたシース内にPC鋼材を挿通し、該PC鋼材を緊張定着することによって構造体にプレストレスを導入した後にシース内にグラウト(PCグラウトという)を充填する、いわゆるポストテンション方式により、建物や橋梁等のPC構造体を建設する方法が知られている。
PCグラウトは充填時には流動性を必要とする以外に、充填後は充分に強度を発現させる必要がある。そのために、土木コンクリート標準示方書では、日平均気温が4℃以下になることが予想される時期を寒中と定義し、寒中においてはPCグラウトが凍結する恐れがあるため、グラウトの注入作業は行わないことを標準としている。やむを得ず寒中にPCグラウトの注入を行う場合は、注入前にダクト(シース)周辺のコンクリート温度を5℃以上にしておかなければならず、かつ、PCグラウト温度は注入後少なくとも3日間5℃以上に保つことを原則としている。そのために、加熱装置を部材外部に配置して、コンクリート構造体全体を防寒シートで囲い(覆い工)加温するという採暖方法が採られている。しかしながら、採暖するにはコストと手間が掛かるばかりでなく、強風対策等も考慮しなければならず、長大な橋梁や大規模な構造物においては施工が極めて難しい。
一方で、寒中施工とされたPCグラウトが特別な採暖手段を取らなくても凍結しない冬季用PCグラウトに関する従来の技術は、複数の特許文献に示されている。特許文献1では、結晶イオン半径の3倍以上の水和イオン半径を示す陽イオンを放出し得る化合物とセメントとを含有する寒中施工用セメント組成物が示された。この組成物を使用することによって、零下20℃の寒中施工においても凍害が起こらず通常のコンクリート施工を行うことができ、硬化物は充分な強度を示すということが、開示されている。
特許文献2では、ポリカルボン酸アルカリ金属またはポリカルボン酸アルカリ土類金属からなる防凍用セメント添加剤をセメントに配合した防凍セメント組成物を使用することによって、セメント混練物が-15℃の氷点下においても凍結しないから、寒冷地における加熱養生装置を用いず施工可能にしたということが、開示されている。
特開平6-234556公開公報 特開2007-119268公開公報
特許文献1と2が開示する従来技術は、水和反応が進み強度発現の限界とされる-10℃以下でも凍結しないとしたものであるが、厳冬期においてはいずれも注入時の作業性、強度の発現性、および経済性などにおいて問題がある。特に、極寒地、例えば、北海道においては、厳しい外気温に加えて、予想困難となる積雪や強風などの不特定な要因がPCグラウトの初期凍害に大きく影響するために、その影響を取り除ききれず一般的に利用されるには至っていないのが現状である。
また、前述したように、土木コンクリート標準示方書では、寒中にPCグラウトの注入を行う場合は、注入前にダクト(シース)周辺のコンクリート温度を5℃以上にしておかなければならず、かつ、PCグラウト温度は注入後少なくとも3日間5℃以上に保つことを原則としているということより、PCグラウトの寒中施工を行う際に、注入作業時と3日間の初期養生時の部材周囲の環境気温がPCグラウトの凍結防止に最も重要な要因になる。つまり、3日間において凍結せずセメントと水との水和反応が確実に進行して初期凍害を防止することさえできれば、PCグラウトの凍結することなく寒中施工が可能となる。
そこで,本発明は、作業性、経済性と実用性を重視し、特に、混練時の施工方法(条件)と初期養生期間(7日間)の外気温を限定し、北海道や山間部のような厳しい外気温に加えて雪や強風の影響が強い施工環境となる厳しい寒冷地を適用範囲から除き、採暖措置をとらず安価で一般地区において寒中施工に使用可能な、冬季用PCグラウトおよびその施工方法を提供することを目的とする。
なお、寒冷地の定義には、行政上や各分野の学会指針等において様々なものがあるが、本願発明では、国土交通省「住宅の次世代省エネルギー基準」」に基づく「寒冷地」に準拠し、それ以外の地区を一般地区という。
本発明の冬季用PCグラウト材として用いられるセメントペーストは、セメントと、水と、混和剤のみ、を混練して成る。前記セメントは、早強ポルトランドセメントであり、前記混和剤は、ポリカルボン酸系ポリマーを主成分とするセメント分散剤と、増粘剤と、消泡剤のみ、から成り、前記セメント分散剤は、前記セメント100質量部に対して、0.20~0.40質量部含有され、前記増粘剤は、前記セメント100質量部に対して、0.015~0.020質量部含有され、前記消泡剤は、前記セメント100質量部に対して、0.010~0.015質量部含有され、前記水とセメントとの水セメント比(W/C)が29~32%であり、前記冬季用PCグラウト材の注入作業が行われた後に養生期間を28日とした場合における、1日目から7日目の最低気温が-12℃以上、かつ、-8℃以下となる1日の累計時間が6時間以下であり、日平均気温が-6.0℃以上となる環境下において、前記養生期間中に採暖措置をとらずに寒中施工された前記セメントペーストの強度が以下のようになることを特徴とする。
本発明のセメントペーストは、注入されてからの前記養生期間の日数である材令が1日である場合、圧縮強度が、4.0N/mm以上となり、又は、前記材令が7日である場合、前記圧縮強度が、20N/mm以上となり、又は、前記材令が28日である場合、前記圧縮強度が、30N/mm以上となることを特徴とする。
本発明の冬季用PCグラウトの施工方法は、気温が-1.0~10.0℃の環境下で混練作業を行うこととする。当該施工方法は、前記セメントと、前記水と、前記混和剤とをミキサーを使用して混練するステップであって、前記ミキサーの回転数が1000rpm以上であり、1回あたりの混練する前記セメントの質量が25~100kgであり、混練時間が3分以上であるステップと、前記混練するステップの後に、当該セメントペーストを、1時間経過後のJP漏斗による流下時間が5~15秒となるように、混練直後の練上がり温度が9.0~18.0℃の範囲内に収まるように管理するステップと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、日平均気温が-6.0℃以上の一般地区において、初期養生期間である1日目から7日目の最低気温が-12℃、かつ、-8℃以下となる1日の累計時間が6時間以下の環境気温を限定した適用範囲として、採暖措置をとらず安価で経済性を持つPCグラウトの寒中施工を行うことが可能となる。また、本発明の施工方法は、施工の手間がかからず他の季節と変わらない作業性をもち、養生期間中に面倒な温度管理も不要であり、凍結なく簡単に寒中施工できる方法である。
また、水セメント比(W/C)を通常(W/C=45%)より大幅に減少したにもかかわらず、良好な流動性を保つことができ、施工性を損なうことなく、実用性を有する冬季用PCグラウトである。
本発明の実施形態に係る冬季用PCグラウトの試験の一例を実行している状態における、試験体を含む冷凍庫内の様子を示す写真である。 図1に示す試験体の温度、及び、冷凍庫内の温度のタイムチャートである。 図1に示す試験体の脱型後(圧縮試験前)と圧縮試験後を示す写真である。
以下、本発明の実施形態に係る冬季用PCグラウト材、及び、冬季用PCグラウト材を用いる施工方法について説明する。
本発明の実施形態に係る冬季用PCグラウト材、及び、冬季用PCグラウト材を用いる施工方法では、一般地区(例えば、気象庁の気候区分による暖地、温暖地など)の冬季において、採暖手段をとることなく、PCグラウトを注入したとき、凍結することなく、所期強度が得られることを目的としている。一方、厳しい外気温(例えば、北海道のような-20℃)の施工環境にて適用することを、あえて除外している。そのために、本実施形態の冬季用PCグラウト材では、初期養生時の環境気温がPCグラウトの凍結防止に最も重要な要因に着目し、適用範囲を一般地区に限定し、構成する材料をバランスよく配合し、うまく組合せることによって、都合よく防凍効果を生み出している。また、配合だけでなく、更に、施工条件を限定することによっても、防凍効果が得られる。このように、本実施形態の冬季用PCグラウト材には、経済性を重視し、一般地区の冬季において採暖手段を用いずにPCグラウト施工できればよい、ということを図る。
上記を鑑みて、本発明の実施形態に係る冬季用PCグラウト材は、セメントと、水と、混和剤のみが混練されることで構成される。
上述のセメントとしては、早強ポルトランドセメントが用いられる。早強ポルトランドセメントは、例えば、JIS R 5210にて規定される成分組成を充足するものであってもよい。また、セメントが製造される製造地は、任意であってもよい。
上述の混和剤は、セメント分散剤と、増粘剤と、消泡剤とで構成される。混和剤としては、例えば、鋼材の腐食を防ぐために、塩化物イオン量を抑制したものが用いられる。混和剤の性状は、例えば、セメント及び水との混練前には、粉末状を呈していてもよく、また、混練後には、低粘性でブリーディングが発生しないものとすることが好適である。
上述のセメント分散剤としては、ポリカルボン酸系ポリマーを主成分とするものが用いられる。当該主成分は、例えば、変性ポリカルボキシレイト等であってもよく、これに限定されない。セメント分散剤は、上述のセメント100質量部に対して、0.20~0.40質量部含有される。より具体的には、セメント分散剤の含有率が、例えば、セメント100質量部に対して、0.20質量部、0.38質量部であってもよい。
上述の増粘剤は、例えば、メチルセルロース等であってもよく、これに限定されない。当該増粘剤は、上述のセメント100質量部に対して、0.010~0.020質量部含有される。より具体的には、増粘剤の含有率が、例えば、0.015質量部、0.17質量部であってもよい。
上述の消泡剤は、例えば、界面活性剤等であってもよく、これに限定されない。当該消泡剤は、上述のセメント100質量部に対して、0.010~0.015質量部含有される。より具体的には、消泡剤の含有率が、例えば、セメント100質量部に対して、0.010質量部であってもよい。
本実施形態の冬季用PCグラウト材では、水に対するセメントの重量比率である水セメント比(W/C)を29~32%とし、養生期間を28日とした場合における、初期養生の1日目から7日目の最低気温が-12℃、かつ、-8℃以下となる1日の累計時間が6時間以下であり、日平均気温が-6.0℃以上となる環境下において、前記養生期間中に採暖措置をとらない場合であっても、冬季用PCグラウト材の強度が所期の強度以上となる。
本実施形態の冬季用PCグラウト材では、注入されてからの養生期間の日数である材令が1日である場合、冬季用PCグラウト材の圧縮強度が、所期の強度として4.0N/mm以上となる。材令が7日である場合、圧縮強度が、所期の強度として20N/mm以上となる。材令が28日である場合、圧縮強度が、所期の強度として30N/mm以上となる。圧縮強度の測定としては、例えば、JIS A 1107,1108にて規定される圧縮試験方法が用いられてもよい。なお、この特徴の詳細については、[実施例]の欄にて後述する。
本発明の実施形態に係る冬季用PCグラウト材を用いる施工方法は、気温が-1.0~10.0℃の環境下において、上述のように構成された冬季用PCグラウト材を用いる施工方法である。
ようするに、一般地区において、冬季の昼間での施工を前提とし、環境温度が強度発現の限界とされる-10℃まで下がる夜中になる前に、水和反応が進み部材のダクト(シース)内のPCグラウトに発生する水和熱を活かし初期強度を発現させて、なおかつ、部材内部のダクト(シース)内の温度がPCグラウトの凍結に影響するほどまで下がる前に夜明けになり環境温度が上がることを想定した適用範囲とする施工方法である。
具体的な当該施工方法は、2つのステップを備えており、先ず、混練するステップが実行され、次に、練上がり温度を管理するステップが実行されるようになっている。
上述の混練するステップは、上述のセメントと、水と、混和剤と、をミキサーを使用して混練するステップである。混練する際のミキサーの回転数は、1000rpm以上である。1回あたりの混練するセメントの質量は、25~100kgである。混練時間は、3分以上である。混練の順序としては、例えば、水及び混和剤を30秒練り混ぜた後に、セメントを投入して更に3分以上練り混ぜるようにしてもよい。
上述の練上がり温度を管理するステップは、上述の混練するステップの後に、少なくとも1時間以上の可使時間の確保と初期凍害の防止を目的とし、当該冬季用PCグラウト材を、1時間経過後のJP漏斗による流下時間が5~15秒となるように、混練直後の練上がり温度が9.0~18.0℃の範囲内に収まるように管理するステップである。
本願における管理するステップとは、具体的に下記のように行うこととする。
まず、練上がり温度を測定する。練り上がり温度が所定範囲内である場合には当該混練した冬季用PCグラウト材の注入作業を行う。
もし、上記の確認にて練上がり温度が所定範囲から外れた場合には、材温や水温を調節して再度混練し、練上がり温度を測定する。練り上がり温度が所定範囲内に収まっていることが確認できた場合には当該再度混練した冬季用PCグラウト材の注入作業を行う。
このように、練上がり温度が所定の範囲内に収まることが確認できるまで、調節のための混練を行う。
後述する「実施例」の表1に示すように、試験では所定の環境温度において混練する際に、各実施例における練上がり温度が9.0~18.5℃の範囲内に収まるように調節することによって、混練から1時間後のJP漏斗による流下時間が4.8~12.5秒となり、可使時間が1時間以上となることが実証された。
したがって、施工方法としては前述した管理を行うことによって混練後のPCグラウトの可使時間を少なくとも1時間以上確保することとする。ただし、本願では実用性を考慮し、施工方法としては、1時間経過後のJP漏斗による流下時間が5~15秒となることを1時間以上の可使時間を確保できる条件とする。
JP漏斗を用いた流下時間の測定としては、JSCE-F 531にて規定される流動性試験方法が用いられている。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る冬季用PCグラウト材によれば、日平均温度が-6.0℃以上の一般地区において,初期養生の1日目から7日目の環境気温と施工条件を限定したことによって、採暖措置をとらず安価で経済性を持つPCグラウトの寒中施工を行うことが可能となる。また、本発明の実施形態に係る冬季用PCグラウト材の施工方法は、施工手間がかからず他の季節と変わらない作業性をもち、養生期間中に面倒な温度管理も不要であり、凍結なく簡単に寒中施工できる方法である。
[実施例]
本発明の実施形態に係るPC用冬季グラウト材の性能確認及び使用条件の設定に必要なデータを得るために、各実施例に対応する試験を実施した。表1は、各実施例の試験結果の一覧を示す。実施例は、全14例であり、それぞれ表1に記載の配合記号としてA0,A1,A2,A3,A4,A6,A7,B0,B1,B2,B3,B4,B6,B7がそれぞれ割り当てられている。以下、各実施例を、配合記号に対応するように、実施例A0,A1,A2,A3,A4,A6,A7,B0,B1,B2,B3,B4,B6,B7とそれぞれ称呼する。
Figure 0007305141000001

<混和剤>
配合記号の表記「A」「B」において、それぞれ混和剤を異ならせた。実施例A0,A1,A2,A3,A4,A6,A7では、混和剤として、N社製のポリカルボン酸系分散剤に、セルロース系の増粘剤と、消泡剤とを配合した。セメント100質量部に対して、分散剤、増粘剤、消泡剤の含有率を、それぞれ0.20質量部、0.015質量部、0.010質量部とした。実施例B0,B1,B2,B3,B4,B6,B7では、混和剤として、L社製のポリカルボン酸系分散剤に、セルロース系の増粘剤と、消泡剤とを配合した。セメント100質量部に対して、分散剤、増粘剤、消泡剤の含有率を、それぞれ0.38質量部、0.017質量部、0.010質量部とした。
<セメント>
各実施例において、セメントとして、T社製の早強ポルトランドセメントを用いた。実施例A0,A1,A2,A3,A4,B0,B1,B2,B3,B4では、同メーカの三重県製のものを用い、実施例A6,A7,B6,B7では、同メーカの北海道製のものを用いた。製造地を異ならせたのは、同じセメントメーカにおける品質のばらつきが、試験結果に及ぼす影響を把握するためである。表1において、水セメント比は、水の質量を、セメントの質量で除した値である。実施例A2,B2では、水セメント比を0.29とし、実施例A3,B3では、水セメント比を0.32とし、それ以外の実施例では、水セメント比を全て0.3とした。即ち、水セメント比を29~32%の範囲内のものとした。
<JP漏斗流下時間>
各実施例の原料を混練し、練り上がり温度を測定した後に、JP漏斗流下時間を計測した。それぞれの工程における気温は、-1.0~10.0℃の範囲内であった。上述のセメントと、水と、混和剤とをミキサーを使用して、1000rpmにて3分以上混練した。ミキサーを止めて混練完了した時における冬季用PCグラウト材の温度を、練り上がり温度として測定した。
表1に示すように、実施例B4にて、練り上がり温度が9.0℃となり、全実施例中で最低温度となった。一方、実施例B6にて、練り上がり温度が18.5℃となり、全実施例中で最高温度となった。即ち、各実施例での練り上がり温度を、9.0~18.5℃の範囲内に推移するよう調整した。
ミキサーを止めて混練完了した時から1時間経過後における、冬季用PCグラウト材のJP漏斗流下時間を測定した。具体的には、三脚にセットして内壁を濡らしたJP漏斗の下端開口を塞いだ状態において、当該JP漏斗の上端開口から、上記1時間経過後の冬季用PCグラウト材を流入していった。次いで、JP漏斗上面まで充填を完了させた後に、下端開口を解放して冬季用PCグラウト材の流出を開始すると同時に、時間測定を開始した。そして、流出するグラウト流が途切れるまでの時間を、JP漏斗流下時間として測定した。
表1に示すように、実施例B3にて、JP漏斗流下時間が4.8秒となり、全実施例中で最短時間となった。一方、実施例A0にて、JP漏斗流下時間が12.5秒となり、全実施例中で最長時間となった。即ち、各実施例でのJP漏斗流下時間は、4.8~12.5秒の範囲内に推移した。
このJP漏斗流下時間の範囲は、一般的に、低粘性と呼ばれる粘性レベルを示している。従って、水セメント比を0.29~0.32(29~32%)、グラウトの練り上がり温度を9.0~18.0℃に調節することにより、グラウトの注入作業を練り混ぜ後1時間以内であれば、低粘性状態で実施できることが確認された。
<圧縮強度>
各実施例において、上述した混練を経て得たグラウトを試験体として成形し、試験体を養生した。各試験体の形状としては、φ50×100mmの円柱を成形した。一般地区の冬季環境を再現するため、冷凍庫内で試験体の養生を実行した。
図1に示すように、円柱形状の各試験体を、冷凍庫内に立位状態で静置して養生した。なお、養生中において、別途採暖の措置はとらなかった。図2は、表1に示す各実施例の代表例として、試験体の温度、及び、冷凍庫内の温度のタイムチャートを示している。図2で示される試験体の温度のタイムチャートは、例として、実施例A6,A7,B6,B7のものである。試験体の中心部を熱電対で測定し、所定のタイミング毎に記録していくことで、タイムチャートを取得した。冷凍庫内の温度は、-1.2~-11.6℃の範囲内に推移し、平均-6.0℃程度であった。ただし、表1に示す各実施例において、試験時が異なるために試験時に計測された冷凍庫内の最低温度がまちまちであり、その中で計測された最も低い最低温度は-13.9℃であったものがある。
養生を開始した後に、異なる材令の試験体に対し、圧縮強度をそれぞれ測定した。養生期間を28日間とし、実施例A0,B0では、材令7,28日の各時点における試験体の圧縮強度を測定した。実施例A1,A2,A3,A4,B1,B2,B3,B4では、材令1,7日の各時点における試験体の圧縮強度を測定した。実施例A6,A7,B6,B7では、材令1,7,28日の各時点における試験体の圧縮強度を測定した。
圧縮強度試験としては、3本の試験体の圧縮強度をそれぞれ測定し、表1においては、それらの平均値を圧縮強度の値として示している。例として、実施例A6,A7,B6,B7での測定値及び平均値を、以下に示す。
・実施例A6
・・材令1日の圧縮強度
1本目の試験体の測定値:6.1MPa(N/mm
2本目の試験体の測定値:4.8MPa(N/mm
3本目の試験体の測定値:5.6MPa(N/mm
測定値の平均値 :5.5MPa(N/mm
・・材令7日の圧縮強度
1本目の試験体の測定値:30.0MPa(N/mm
2本目の試験体の測定値:29.0MPa(N/mm
3本目の試験体の測定値:26.4MPa(N/mm
測定値の平均値 :28.5MPa(N/mm
・実施例A7
・・材令1日の圧縮強度
1本目の試験体の測定値:6.3MPa(N/mm
2本目の試験体の測定値:6.3MPa(N/mm
3本目の試験体の測定値:6.1MPa(N/mm
測定値の平均値 :6.2MPa(N/mm
・・材令7日の圧縮強度
1本目の試験体の測定値:28.0MPa(N/mm
2本目の試験体の測定値:26.7MPa(N/mm
3本目の試験体の測定値:21.9MPa(N/mm
測定値の平均値 :25.5MPa(N/mm
・実施例B6
・・材令1日の圧縮強度
1本目の試験体の測定値:5.3MPa(N/mm
2本目の試験体の測定値:4.8MPa(N/mm
3本目の試験体の測定値:4.8MPa(N/mm
測定値の平均値 :5.0MPa(N/mm
・・材令7日の圧縮強度
1本目の試験体の測定値:15.5MPa(N/mm
2本目の試験体の測定値:26.7MPa(N/mm
3本目の試験体の測定値:26.7MPa(N/mm
測定値の平均値 :23.0MPa(N/mm
・実施例B7
・・材令1日の圧縮強度
1本目の試験体の測定値:5.8MPa(N/mm
2本目の試験体の測定値:5.0MPa(N/mm
3本目の試験体の測定値:6.1MPa(N/mm
測定値の平均値 :5.6MPa(N/mm
・・材令7日の圧縮強度
1本目の試験体の測定値:37.1MPa(N/mm
2本目の試験体の測定値:24.2MPa(N/mm
3本目の試験体の測定値:27.5MPa(N/mm
測定値の平均値 :29.6MPa(N/mm
表1に示すように、材令1日において、実施例B6にて、圧縮強度が5.0MPa(N/mm)となり、測定した全実施例中で最小値となった。一方、実施例A1にて、圧縮強度が8.0MPa(N/mm)となり、測定した全実施例中で最大値となった。即ち、材令1日において、測定した各実施例での圧縮強度は、5.0~8.0MPa(N/mm)の範囲内に推移した。材令1日において、測定した各実施例での平均の養生温度(即ち、冷凍庫内の温度)は、-6.7~-6.2℃の範囲内に推移した。
材令7日において、実施例B6にて、圧縮強度が23.0MPa(N/mm)となり、測定した全実施例中で最小値となった。一方、実施例B2にて、圧縮強度が55.3MPa(N/mm)となり、測定した全実施例中で最大値となった。即ち、材令7日において、測定した各実施例での圧縮強度は、23.0~55.3MPa(N/mm)の範囲内に推移した。材令7日において、測定した各実施例での平均の養生温度(即ち、冷凍庫内の温度)は、-6.5~-5.7℃の範囲内に推移した。
材令28日において、実施例B6にて、圧縮強度が39.7MPa(N/mm)となり、測定した全実施例中で最小値となった。一方、実施例A0にて、圧縮強度が52.6MPa(N/mm)となり、測定した全実施例中で最大値となった。即ち、材令28日において、測定した各実施例での圧縮強度は、39.7~52.6MPa(N/mm)の範囲内に推移した。材令28日において、測定した各実施例での平均の養生温度(即ち、冷凍庫内の温度)は、-6.4~-6.2℃の範囲内に推移した。
従って、水セメント比を0.29~0.32(29~32%)、グラウトの練り上がり温度を9.0~18.0℃に調節することにより、平均の養生温度が-6.0℃以上である環境下において、採暖の措置をとることなく、材令1日で4.0MPa(N/mm)以上の圧縮強度を得られることが確認された。その後、同環境下でも強度の増大が見られ、材令7日で20.0MPa(N/mm)以上の圧縮強度を得られ、材令28日で基準強度である30.0MPa(N/mm)以上の圧縮強度を得られることが、確認された。
また、配合記号の表記「A」「B」において、それぞれ混和剤を異ならせたが、混和剤を構成するポリカルボン酸系分散剤の製品が異なっていても、性能の差が認められなかった。また、セメント製造地が異なっていても、性能の差が認められなかった。
再び図2のタイムチャート参照しつつ、効果についての考察を行う。打設直後(即ち、養生開始)から略2時間が経過すると、何れの試験体の温度も零下となった。その後、各試験体の温度は、-1~-2℃の範囲内に6~7時間ほど維持された。この現象は、水和反応による発熱が起因していると考えられる。実施例の冬季用PCグラウトが凍結せず、初期の強度発現が阻害されない理由は、上述の現象によるものと考えられる。およそ24時間後(即ち、材令1日)には、グラウト内部温度は平均養生温度と同等の-6℃程度となっているが、この時の圧縮強度は、上記測定のごとく5MPa程度であり、強度発現が阻害されることなく進んだものと理解できる。なお,この時に計測された最低温度が-11.6℃、かつ、-8℃以下となる1日の累計時間が6.3時間であった。図3は、例として実施例A4の材令1日で脱型後と圧縮試験後の試験体の状態を示している。図3(a)は、脱型後かつ圧縮試験前の試験体を示し、図3(b)は、圧縮試験後の試験体を示している。これらの観測によれば、外見及び内部において、凍結の痕跡は見られなかった。このことからも、実施例の冬季用PCグラウトが凍結しなかったことが、確認された。
水セメント比(W/C)については、凍結防止のことを考えると、小さくすることが好ましい反面、水セメント比を小さくすると流動性が悪くなり施工性が劣ることになりがちである。
本願発明では、水セメント比(W/C)を通常(W/C=45%)より大幅に減少したにもかかわらず、練り上がったPCグラウト材の可使時間が1時間であることをJPロートによる流下時間を確認し、施工性を損なうことなく、良好な流動性を保つことができるようにしてある。また、JSCE-F532-2013にて提示されたポリエチレン袋方法を用いて、材料の分離がなくブリーディグの発生がないことを確認した。
以上、実施形態を示して本発明をより詳細かつ具体的に説明したが、実施形態は単なる例示説明であり、本発明を限定するものではない。

Claims (2)

  1. セメントと、水と、混和剤のみ、
    を混練して成り、冬季用PCグラウト材として用いられるセメントペーストであって、
    前記セメントが早強ポルトランドセメントであり、
    前記混和剤が、ポリカルボン酸系ポリマーを主成分とするセメント分散剤と、増粘剤と、消泡剤のみ、からなり、
    前記セメント分散剤は、前記セメント100質量部に対して、0.20~0.40質量部含有され、
    前記増粘剤は、前記セメント100質量部に対して、0.015~0.020質量部含有され、
    前記消泡剤は、前記セメント100質量部に対して、0.010~0.015質量部含有され、
    前記水とセメントとの水セメント比が29~32%であり、
    前記冬季用PCグラウト材の注入作業が行われた後に養生期間を28日とした場合における、1日目から7日目の最低気温が-12℃以上、かつ、-8℃以下となる1日の累計時間が6時間以下であり、日平均気温が-6.0℃以上となる環境下において、前記養生期間中に採暖措置をとらずに寒中施工された前記セメントペーストの強度が以下の(1)~(3)のいずれか以上となることを特徴とするセメントペースト。
    (1)材令が1日である場合、圧縮強度が、4.0N/mm
    (2)材令が7日である場合、圧縮強度が、20N/mm
    (3)材令が28日である場合、圧縮強度が、30N/mm
  2. 気温が-1.0~10.0℃の環境下で混練作業を行うこととする請求項1に記載のセメントペーストを用いた冬季用PCグラウトの施工方法であって、
    前記セメントと、前記水と、前記混和剤とをミキサーを使用して混練するステップであって、前記ミキサーの回転数が1000rpm以上であり、1回あたりの混練する前記セメントの質量が25~100kgであり、混練時間が3分以上であるステップと、
    前記混練するステップの後に、当該セメントペーストを、1時間経過後のJP漏斗による流下時間が5~15秒となるように、混練直後の練上がり温度が9.0~18.0℃の範囲内に収まるように管理するステップと、
    を備えたことを特徴とする冬季用PCグラウトの施工方法。
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