JP7305080B1 - かき揚げ用バッターミックス、かき揚げ用バッター液及びかき揚げの製造方法 - Google Patents

かき揚げ用バッターミックス、かき揚げ用バッター液及びかき揚げの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明のバッターミックスは、型枠を用いて油ちょう製造されるかき揚げ用のもので、熱処理小麦粉20~60質量%及び卵白粉0.3~5質量%を含有する。本発明のかき揚げの製造方法は、具材とバッター液との混合物を型枠に充填し、油ちょうする工程を有し、該バッター液は、熱処理小麦粉20~60質量%及び卵白粉0.3~5質量%を含有する粉体原料100質量部と、水性液体100~150質量部とを含有する。かき揚げの製造方法は、具材とバッター液との混合物を型枠に充填し、油ちょうする工程を有し、バッター液は、熱処理小麦粉20~60質量%及び卵白粉0.3~5質量%を含有する粉体原料100質量部と、水性液体100~150質量部とを含有する。

Description

本発明は、型枠を用いたかき揚げの製造技術に関する。
かき揚げは、たまねぎ、にんじん、しいたけ、枝豆、海老等の食材を裁断したものを具材とする天ぷらである。一般の天ぷらが一つの具材の表面に衣が付着した構造を有するものであるのに対し、かき揚げは複数の具材が積み上がったような状態で衣材によってまとめられており、内部に空隙がある構造を有している。この構造に起因して、かき揚げを咀嚼すると、衣のサクサクとした食感だけでなく、積み上がった具材が崩壊する食感も楽しむことができる。
かき揚げの製造には熟練が必要であり、典型的には、必要に応じて具材に打ち粉をまぶし、更に、衣材を水に溶かして調製したバッター液を付着させたものを、かき揚げ1個分の分量でお玉に取り、これを熱した油槽にゆっくりと流し入れて、箸などで動かしながら空隙がある立体的な形状を成形しながら油ちょうする作業が必要になる。しかし立体的に成形しながら具材を油槽に投入する作業は難しく、平板状に成形されてしまったり、空隙がなく詰まった状態に成形されてしまったりする場合が少なくない。そこで、かき揚げの外観、色、重量等の品質を安定化させるため、様々なかき揚げ用調理器具が提案されている。かき揚げ用調理器具の一種として、かき揚げリングとも呼ばれる、複数の貫通孔が形成された型枠が市販されている。この型枠の内部に具材とバッター液との混合物を収容し、該型枠ごと油槽に沈めて該混合物を油ちょうすることで、理想的な形状のかき揚げを安定的に製造することができる。
従来、種々のかき揚げ用の型枠が提案されている。特許文献1には、筒状の型枠が記載されている。特許文献2には、底板と該底板上に載置された型枠とで構成されるかき揚げ収容部を複数有するとともに、その複数のかき揚げ収容部それぞれに接続された支持体を介して該型枠を回動可能にする回動機構部とを有する、かき揚げ調理器具が記載されている。
特許文献3には、円筒状型枠を複数有する連装型枠及び該連装型枠から立設する型枠支持体を含む連装型枠ユニットと、底板及び該底板から立設する底板支持体を含む底板ユニットとを備え、該連装型枠ユニットが該底板上に分離可能に載置された、かき揚げ調理器具が記載されている。また特許文献3には、前記かき揚げ調理器具を用いたかき揚げの製造方法として、前記連装型枠ユニット及び前記底板ユニットが一体となった状態のかき揚げ調理器具を用い、前記円筒状型枠内にかき揚げ生地を収容した状態で該型枠を油槽に入れて該かき揚げ生地を油ちょうしてかき揚げを製造し、次いで、該底板ユニットを分離して該油槽中で該型枠内の該かき揚げを押し出した後、分離した該底板ユニットを用いて該かき揚げを該油槽から回収する方法が記載されている。
特許文献4には、筒状型枠と該筒状型枠の一端開口部に固定される底板とで構成されるかき揚げ収容部を複数備えたかき揚げ調理器具において、該筒状型枠と該底板との間に隙間が形成されたものが記載されている。内部にかき揚げ生地が収容された前記かき揚げ収容部を油槽に投入して該かき揚げ生地を油ちょうした後、該かき揚げ収容部を該油槽中で下降させると、該油槽中の油が前記隙間を介して該かき揚げ収容部の内部に流入する。この油の流入により、前記かき揚げ収容部内のかき揚げが、該かき揚げ収容部の型枠から剥がれて油槽中に浮遊するようになされている。
特開2004-329144号公報 特開2008-206700号公報 特開2012-034736号公報 US2013295254A1
型枠は、形状が安定したかき揚げを製造する際に有用であるが、その一方で型枠内の油の対流が少ないため、かき揚げの火通りが悪くなる結果、かき揚げが油っぽい風味となる問題がある。また、油ちょう後のかき揚げを型枠から外す操作が必要になり、これを手間取るとかき揚げの形状が崩れてしまう場合や、焦げてしまう場合があった。このような、型枠を用いたかき揚げの製造方法の課題を、型枠等の調理器具ではなく、かき揚げ自体の改良、具体的には例えば、かき揚げの衣を形成する衣材の改良により、解決することが要望されている。特許文献1~4は型枠の改良技術を開示するものであり、かき揚げ自体を改良することでかき揚げ製造の効率化や品質の向上を図るものではない。
本発明の課題は、型枠を用いてかき揚げを製造する際に、油ちょう後の型枠離れが良く、油っぽさの無い高品質のかき揚げを製造し得る技術を提供することである。
本発明者は、前記課題の解決のため検討した結果、かき揚げ用の衣材に卵白粉を配合することで、かき揚げにおける衣の油っぽさを低減できることを見出した。一方で、かき揚げ用の衣材に卵白粉を配合すると、型枠を用いたかき揚げの製造方法において、型枠内で油ちょうされたかき揚げが該型枠から外れにくくなる、すなわち型枠離れが悪化するという知見を得た。本発明者は更に検討を重ねた結果、型枠を用いたかき揚げの製造方法において衣材として、卵白粉及び熱処理小麦粉をそれぞれ特定量含有するものを用いることで、油ちょう後のかき揚げの型枠離れが良好で、しかも衣の油っぽさが低減されたかき揚げが得られることを見出した。
本発明は、前記知見に基づくものであり、熱処理小麦粉20~60質量%及び卵白粉0.3~5質量%を含有する、型枠を用いて油ちょう製造されるかき揚げ用バッターミックスである。
また本発明は、熱処理小麦粉20~60質量%及び卵白粉0.3~5質量%を含有する粉体原料100質量部と、水性液体100~150質量部とを含有する、型枠を用いて油ちょう製造されるかき揚げ用バッター液である。
また本発明は、具材とバッター液との混合物を型枠に充填し、油ちょうする工程を有する、かき揚げの製造方法であって、前記バッター液は、熱処理小麦粉20~60質量%及び卵白粉0.3~5質量%を含有する粉体原料100質量部と、水性液体100~150質量部とを含有する、かき揚げの製造方法である。
本発明のかき揚げ用バッターミックス(以下、「バッターミックス」とも言う。)は、少なくとも熱処理小麦粉及び卵白粉を含有する。
本発明で用いる熱処理小麦粉は、小麦粉に熱処理を施したものである。熱処理に用いる原料小麦粉としては、通常揚げ物に用いられる小麦粉を適用することができ、強力小麦粉、中力粉麦粉、薄力小麦粉、デュラム粉等を例示できる。これらの中では、得られるかき揚げの食感がやや硬くなるのを防止する観点から、薄力小麦粉が好ましい。
原料小麦粉に施す熱処理は、湿熱処理でも乾熱処理でも構わない。乾熱処理は、容器中に原料小麦粉を入れ、水分を加えずに、該容器の外から加熱する熱処理であり、原料小麦粉中の水分の蒸発を積極的に行う熱処理である。一方、湿熱処理は、原料小麦粉中の水分を維持しながら、又は水分を加えながら行う熱処理であり、例えば、原料小麦粉に加水し、あるいは原料小麦粉に水蒸気(飽和水蒸気)を直接当てて、原料小麦粉の全体を加熱することにより実施することができる。
前記熱処理は、原料小麦粉のα化、蛋白質の変性をできるだけ起こさないものが好ましい。好ましい熱処理条件の一例として、原料小麦粉の品温75~95℃が1~60秒間維持される熱処理が挙げられる。また、前記熱処理においては、粉体である原料小麦粉が均一に加熱されることが好ましい。
前記熱処理の好ましい例として、下記の熱処理A~Eが挙げられる。下記の熱処理A~Eは何れも、原料小麦粉に加水しなければ乾熱処理、加水すれば湿熱処理となり、両処理を任意に選択し得る。
(熱処理A)
熱処理Aは、加熱媒体として空気又は蒸気を用い、加熱媒体を原料小麦粉に接触させる処理である。熱処理Aにおいて、加熱媒体の温度は、好ましくは75~120℃、より好ましくは80~110℃、更に好ましくは85~105℃である。熱処理Aの好ましい一態様として、密閉系高速攪拌機(例えば、特開平3-83567号公報に開示の装置)等の攪拌装置を用いる処理が挙げられる。具体的には、攪拌装置の内部の収容空間に原料小麦粉を収容し、該収容空間を画定する該攪拌装置の壁部の温度を、該壁部の外側に配置され且つ加熱媒体が循環するジャケット等の加熱手段を用いて、60~80℃程度に保温した状態で、該収容空間に、温度が前記の好ましい範囲に調整された加熱媒体を導入しながら、該収容空間内の原料小麦粉を攪拌する処理が挙げられる。
(熱処理B)
熱処理Bは、流動層造粒装置内に加熱媒体として空気又は蒸気を導入しつつ、該装置内に原料小麦粉を投入して所定時間滞留させる処理である。熱処理Bにおいて、加熱媒体の温度は好ましくは75~120℃、より好ましくは80~110℃、更に好ましくは85~105℃である。流動層造粒装置としては、例えば株式会社大川原製作所製の横型流動層乾燥装置を用いることができる。
(熱処理C)
熱処理Cは、搬送コンベアにおける被搬送物の載置面に原料小麦粉を堆積させた状態で載置し、該搬送コンベアを稼働させて該原料小麦粉を搬送しながら、赤外線ヒーターを用いて搬送中の該原料小麦粉を加熱する処理である。前記搬送コンベアに堆積された原料小麦粉の厚さは、通常0.5~3cm程度である。前記赤外線ヒーターによる加熱温度は、好ましくは150~300℃、より好ましくは180~270℃であり、前記搬送コンベアの前記載置面の温度は、好ましくは80~140℃、より好ましくは90~130℃である。
(熱処理D)
熱処理Dは、被搬送物の載置面と、該載置面を加熱する加熱手段とを具備する搬送コンベアを用いる処理で、該載置面に原料小麦粉を堆積させた状態で載置し、該搬送コンベアを稼働させて該原料小麦粉を搬送しながら、該加熱手段を用いて搬送中の該原料小麦粉を加熱する処理である。前記搬送コンベアに堆積された原料小麦粉の厚さは、前記熱処理Cと同程度にすることができる。前記搬送コンベアとしては、加熱手段を具備しない通常の搬送コンベアにおける被搬送物の載置面に、ヒートパッド等の別体の加熱手段を配置したものを用いることができる熱処理Dにおいて、前記載置面の温度は、好ましくは80~140℃、より好ましくは90~130℃である。
(熱処理E)
熱処理Eは、アルミパウチ等の密封可能な容器に原料小麦粉を封入し、該容器を過熱蒸気、湯、油等の加熱媒体を用いて加熱する処理である。熱処理Eにおいては、容器内における原料小麦粉の封入形態を、厚さ5mm以下程度の平板状の薄層とすることが、均一加熱の観点から好ましい。
本発明のバッターミックスにおける熱処理小麦粉の含有量は、該ミックスの全質量に対して、20~60質量%、好ましくは23~50質量%、より好ましくは26~40質量%である。熱処理小麦粉の含有量が20質量%未満では、型枠を用いたかき揚げの製造方法においてかき揚げの型枠離れが悪化するおそれがあり、熱処理小麦粉の含有量が60質量%を超えると、かき揚げの衣が散って油っぽい食感になるとともに、かき揚げの形状が崩れやすくなる。
本発明で用いる卵白粉としては、通常の食用に供されるものを制限なく利用することができる。卵白粉としては、卵白を含有する全卵粉を用いることもできるが、卵黄が含まれると得られるかき揚げの食感がべた付く場合があるため、卵白粉を用いることが好ましい。
本発明のバッターミックスにおける卵白粉の含有量は、該ミックスの全質量に対して、0.3~5質量%、好ましくは0.5~4質量%、より好ましくは0.8~3質量%である。卵白粉の含有量が0.3質量%未満では、かき揚げが油っぽい食感になり、卵白粉の含有量が5質量%を超えると、型枠を用いたかき揚げの製造方法においてかき揚げの型枠離れが悪化するおそれがある。
本発明のバッターミックスは、前記成分(熱処理小麦粉、卵白粉)以外の他の成分を含有してもよい。前記他の成分としては、かき揚げの衣材として通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、熱処理を行っていない小麦粉;澱粉、加工澱粉等の澱粉類;デキストリン;糖類;糖アルコール類;油脂類;蛋白質;膨張剤;ゲル化剤;増粘剤;調味料;香辛料;香料;着色料等が挙げられ、これらのいずれか1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明のバッターミックスにおける前記他の成分の含有量は、該ミックスの全質量に対して、好ましくは80質量%未満、より好ましくは10~70質量%、更に好ましくは20~60質量%である。
本発明のバッターミックスは、前記成分を混合することで製造することができる。本発明のバッターミックスは、典型的には、常温常圧で粉体である。各成分の混合順序、混合方法は特に制限されず、バッターミックスの製造効率等を考慮して適宜設定し得る。各成分の混合方法としては、例えば、撹拌子を用いて攪拌混合する方法、ミキサー等の装置を用いた混合方法が挙げられる。
本発明のバッターミックスをかき揚げの製造に用いる場合には通常、該バッターミックスと液体とを混合してバッター液を調製し、該バッター液をかき揚げの製造に用いる。かき揚げ用バッター液の調製方法は特に制限されず、バッターミックスに水性液体を混合してもよく、あるいは水性液体に、バッターミックスを構成する各成分(熱処理小麦粉、卵白粉等)を個別に順次添加混合して調製してもよい。本発明にはこのかき揚げ用バッター液が包含される。
以下、本発明のかき揚げ用バッター液(以下、「バッター液」とも言う。)について説明する。本発明のバッター液について特に説明しない点は、前述した本発明のバッターミックスについての説明が適宜適用される。
本発明のバッター液は、常温常圧で液状の衣材であり、熱処理小麦粉20~60質量%及び卵白粉0.3~5質量%を含有する粉体原料と、水性液体とを含有する。
本発明のバッター液に用いる粉体原料は、常温常圧で粉体であり、少なくとも前述した熱処理小麦粉及び卵白粉を含み、更に必要に応じ、前述した本発明のバッターミックスで使用可能な、熱処理小麦粉及び卵白粉以外の他の成分の1種以上を含有してもよい。
本発明のバッター液に用いる水性液体としては、この種のバッター液に使用可能なものを特に制限なく用いることができ、例えば、水、酸性水、アルカリ水等が挙げられる。
本発明のバッター液は、粉体原料100質量部に対し、水性液体を100~150質量部、好ましくは115~135質量部含有する。水性液体の含有量が前記範囲にあることで、前述した本発明のバッターミックスの効果(油ちょう後の型枠離れが良く、油っぽさの無い高品質のかき揚げを製造し得る)が確実に奏されるようになるとともに、かき揚げが立体的に成形しやすくなる、バッター液のたれ落ちが低減される等の効果も奏される。
また、水性液体の含有量が前記範囲にある本発明のバッター液の粘度は、好ましくは0.3~3Pa・sである。本明細書において、バッター液の粘度は、特に説明しない限り、B型粘度計を用い、測定対象のバッター液の品温5~10℃、回転数12rpmの条件で測定された値を指す。
前述した本発明のバッターミックス及びバッター液は、型枠を用いて油ちょう製造されるかき揚げ用に好適である。本発明には、この型枠を用いたかき揚げの製造方法が包含される。
以下、本発明のかき揚げの製造方法について説明する。本発明のかき揚げの製造方法について特に説明しない点は、前述した本発明のバッターミックス又は本発明のバッター液についての説明が適宜適用される。
本発明のかき揚げの製造方法では、かき揚げの原料として具材及びバッター液を用いる。バッター液としては、前述した本発明のバッター液(すなわち、熱処理小麦粉20~60質量%及び卵白粉0.3~5質量%を含有する粉体原料100質量部と、水性液体100~150質量部とを含有するバッター液)を用いることができる。
具材としては、かき揚げに利用できるものであれば特に制限されず、例えば、たまねぎ、にんじん、青菜、さつまいも等の野菜類;いんげん、枝豆等の豆類;しいたけ、まいたけ等のキノコ類;海老、いか、あさり等の魚介類;鳥、豚等の畜肉類;卵類;チーズ類;種実類;前記の具材に加熱等の加工処理を施した加工食材が挙げられる。
具材の形状は特に制限されないが、立体的な形状のかき揚げの製造を容易にする観点から、短冊状、拍子木状等の一方向に長い形状が好ましい。
具材の大きさも特に制限されないが、一般的には、長手方向長さが2~5cm程度であり、厚さ(長手方向と直交する方向の長さ)が0.5~1.5cm程度である。
尤も、具材が葉物野菜のような厚さが比較的薄いものである場合、あるいは具材が魚介類及び畜肉類である場合は、具材の形状及び大きさは、前記の限りではない。
本発明のかき揚げの製造方法では、具材とバッター液との混合物(以下、「かき揚げ用生地」とも言う。)を油ちょうする。かき揚げ用生地は、典型的には、具材の表面にバッター液を付着させることで得られる。必要に応じ、具材にバッター液を付着させる前に、具材の表面に打ち粉をまぶしてもよい。
かき揚げ用生地を製造する際の具材に対するバッター液の付着量は、具材100質量部に対して、好ましくは20~60質量部、より好ましくは25~50質量部である。
本発明のかき揚げの製造方法では、型枠を用いてかき揚げ用生地を油ちょうする。型枠としては、かき揚げ用生地の油ちょうに使用可能な調理器具を特に制限なく用いることができる。型枠は、典型的には、底板と、該底板から立設する型枠とで構成される収容部を備え、金属製である。前記底板及び前記型枠には複数の貫通孔が形成されており、前記収容部を油槽に投入すると、該油槽中の油が該貫通孔を介して該収容部内に流入する。前記収容部にかき揚げ用生地を収容した状態で該収容部を油槽に投入することで、該かき揚げ用生地は油ちょうされてかき揚げとなる。型枠としては、特許文献1~4に記載された調理器具を用いることもできる。例えば、特許文献4に記載されたかき揚げ用器具1は、互いに同一の構造を有する複数のかき揚げ収容部2と、これら複数のかき揚げ収容部2どうしを連結する連結具3と、取っ手部4とを備えている。かき揚げ収容部2は、両端部が開口された円筒状の型枠5と、該型枠5の下端に固定された円板形状の底板6とを備え、上端が開放されたカップ形状を有している。型枠5及び底板6には複数の貫通孔が形成されている。
本発明のかき揚げの製造方法では、型枠を用いたかき揚げ用生地の油ちょうは常法に従って行うことができる。典型的には、かき揚げ用生地を型枠内に収容し、該型枠を熱した油中に沈めて油ちょうする。そして、油ちょう中のかき揚げ用生地におけるバッター液(衣材)が適度に凝固した時点、又は該バッター液(衣材)に適度な揚げ色がつき火が通った時点で、型枠を油中から引き揚げてかき揚げを型枠から取り出す。あるいは、油中で型枠を深くまで沈降させることで、かき揚げの浮力によりかき揚げを型枠から浮上させて取り出すこともできる。本発明のかき揚げの製造方法では、型枠に付着したかき揚げを該型枠から剥がす操作を行うタイミングは特に制限されず、油ちょうの終了後でもよく、油ちょうの途中でもよい。
本発明のかき揚げの製造方法によれば、前述したバッター液の使用により、かき揚げの型枠離れが良好であるため、型枠の内面に付着したかき揚げを該型枠から剥がして分離させることが容易であり、かき揚げの回収作業負担の軽減が図られるとともに、型枠からのかき揚げの取り出しに手間取ることによるかき揚げの過加熱、かき揚げの破損等の不都合の発生を防止することができる。
本発明のかき揚げの製造方法では、型枠を用いてかき揚げ用生地を油ちょうする際の油温(揚げ油の品温)は特に制限されないが、かき揚げの型枠離れを一層向上させる観点から、好ましくは150~170℃、より好ましくは155~165℃である。油ちょうに使用する油は特に制限されず、各種食用油を用いることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1~15、比較例1~9:かき揚げ用バッターミックス〕
下記表1~3に示す原料を混合してかき揚げ用バッターミックスを調製した。熱処理小麦粉A及びBは下記方法により製造した。
(熱処理小麦粉Aの製造方法)
前記熱処理Aにより、熱処理小麦粉Aを製造した。具体的には、特開平3-83567号公報に開示の装置(密閉系高速攪拌機)を用い、該装置における被処理物(原料小麦粉)の収容空間を画定する壁部の温度を70℃に保温しつつ、該収容空間に加熱媒体として95℃の水蒸気を導入した状態で、該収容空間に原料小麦粉として薄力小麦粉(日清フーズ株式会社製、商品名「フラワー」)を5kg投入し、該原料小麦粉を攪拌しながら、該原料小麦粉の品温85℃を10秒間維持する条件で湿熱処理して、熱処理小麦粉Aを製造した。
(熱処理小麦粉Bの製造方法)
原料小麦粉の湿熱処理の条件を、原料小麦粉の品温105℃を40秒間維持する条件に変更した以外は、熱処理小麦粉Aの製造方法と同様の方法で熱処理小麦粉Bを製造した。
〔製造例:かき揚げの製造〕
各実施例及び比較例のバッターミックスを用いて、かき揚げを製造した。具体的には、バッターミックス100質量部に対して清水130質量部を加えて、バッター液を調製した。また、カットしたたまねぎ(7mm×3mm×40mm)、にんじん(4mm×4mm×40mm)、しゅん菊(0.5mm×5mm×5mm)、海老(6mm×12mm×15mm)を、4:4:1:1の質量比で混合して具材を調製した。前記具材を80gずつ小分けし、小分けしした具材の全体に打ち粉として薄力小麦粉5gを振り掛けて付着させた後、該具材をかき揚げ用型枠(金属の網製)の内部に収容した。前記型枠は、直径8cmの平面視円形状の底板と、該底板から立設する高さ5cmの円筒形状の型枠とを備え、該底板と該型枠とで確定される空間が具材の収容部である。そして、前記型枠の内部の具材に前記バッター液を33g振り掛けながら菜箸でよく攪拌して該バッター液を該具材の全体に付着させるとともに、菜箸で該具材を成形して、高さ4cmのかき揚げ用生地を調製した。次いで、前記かき揚げ用生地を前記型枠ごと油温165℃の油槽に沈め、該かき揚げ用生地が完全に油中に沈降した状態で2.5分間油ちょうして、略円筒形状(太鼓状)のかき揚げを製造した。
〔評価試験〕
前記のかき揚げの製造において、油ちょう後に型枠からかき揚げを剥がして取り出す際の操作性、すなわちかき揚げの型枠離れ特性を、10名の専門パネラーに下記評価基準で評価してもらった。その10名の評価点の算術平均値を下記表1~3に示す。
また、かき揚げ1種類につき10個を製造し、それら10個のかき揚げの高さをそれぞれ測定し、それらの平均値を算出した。その結果を下記表1~3に示す。
また、製造したかき揚げを10名の専門パネラーに食してもらい、下記評価基準で評価してもらった。その10名の評価点の算術平均値を下記表1~3に示す。
<かき揚げの型枠離れ特性の評価基準>
5点:型枠を油槽に沈めるだけで、かき揚げが該型枠から分離して該油槽の上面に浮上する。型枠離れ特性は極めて良好。
4点:型枠をゆすりながら油槽に沈めるだけで、かき揚げが該型枠から分離して該油槽の上面に浮上する。型枠離れ特性は良好。
3点:型枠をゆすりながら油槽に沈めるだけではかき揚げは該型枠から分離しないが、かき揚げを菜箸で軽く持ち上げると該型枠から分離する、型枠離れ特性はやや良好。
2点:菜箸でかき揚げをつかんで型枠から分離する操作が必要。型枠離れ特性は不良。
1点:菜箸でかき揚げをつかんで型枠から分離する操作が必要で、その操作の差異にかき揚げの一部が破損する。型枠離れ特性は極めて不良。
<かき揚げ食感の評価基準>
5点:油っぽさが全く感じられず、極めて良好。
4点:油っぽさがほとんど感じられず、良好。
3点:やや油っぽさが感じられ、やや良好。
2点:油っぽさがあり、不良。
1点:油っぽく、且つべた付いており、極めて不良。
Figure 0007305080000001
表1に示すとおり、各実施例は、バッターミックスが熱処理小麦粉20~60質量%及び卵白粉0.3~5質量%を含有するため、これを満たさない比較例に比べて、製造されたかき揚げは、型枠離れ特性に優れ、高さが十分にあり、且つ油っぽさの少ない良好な食感であった。
Figure 0007305080000002
表2における実施例と比較例との対比から、バッターミックスにおける熱処理小麦粉の含有量は、該ミックスの全質量に対して20~60質量%が好ましいことがわかる。
Figure 0007305080000003
表3における実施例と比較例との対比から、バッターミックスにおける卵白粉の含有量は、該ミックスの全質量に対して0.3~5質量%が好ましいことがわかる。
本発明によれば、油ちょう後の型枠離れが良く、油っぽさの無い高品質のかき揚げを製造し得る技術(かき揚げ用バッターミックス、かき揚げ用バッター液、かき揚げの製造方法)が提供される。

Claims (4)

  1. 熱処理小麦粉20~60質量%及び卵白粉0.3~5質量%を含有する、型枠を用いて油ちょう製造されるかき揚げ用バッターミックス。
  2. 熱処理小麦粉20~60質量%及び卵白粉0.3~5質量%を含有する粉体原料100質量部と、水性液体100~150質量部とを含有する、型枠を用いて油ちょう製造されるかき揚げ用バッター液。
  3. 具材とバッター液との混合物を型枠に充填し、油ちょうする工程を有する、かき揚げの製造方法であって、
    前記バッター液は、熱処理小麦粉20~60質量%及び卵白粉0.3~5質量%を含有する粉体原料100質量部と、水性液体100~150質量部とを含有する、かき揚げの製造方法。
  4. 油ちょうする際の油温が150~170℃である、請求項3に記載のかき揚げの製造方法。
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