JP7302977B2 - 鉄道車両用制輪子の取付構造及び制輪子ブロック - Google Patents

鉄道車両用制輪子の取付構造及び制輪子ブロック Download PDF

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Description

本発明は、鉄道車両用制輪子の取付構造及び制輪子ブロックに関する。
鉄道車輌用のブレーキ機構には、在来線に多く採用されている踏面方式がある。この踏面方式は、車輪の踏面に制輪子を押付け、ブレーキ力を得る。
特許文献1の鉄道車輌用鋳鉄制輪子は、弾性を有する材料によって円弧状に形成された裏板(台金)に、複数の鋳鉄ブロックがボルト・ナットによって着脱自在に設けられている。そこで、例えば、鋳鉄ブロックが摩耗した場合に、制輪子そのものを交換する必要が無く、鋳鉄ブロックのみ交換して裏板を流用することができる。このため、制輪子交換時のコストを低減できる。
また、特許文献2のブレーキシュー取付装置は、予めピンを連結した摺動子ホルダに対し摺動子を嵌着し、ピンを回動させその自由端部をピン受け凹部に拘止させるという単純な作業により、摺動子ホルダに対する摺動子の取付を行うことができる。
特開2008-002548号公報 実開平02-125221号公報
しかしながら、特許文献1の鉄道車輌用鋳鉄制輪子は、摩擦材が鋳鉄に特化されており、焼結合金や硬度の低いレジンに対応できない。また、制輪子頭への固定構造は、従来と同様に裏板(台金)が必要で、がたつきによる振動のリスク改善には至らない。また、特許文献2のブレーキシュー取付装置は、薄板や細い棒状の部品が多いため、輸送時の衝撃や走行時の飛来物(小石など)で破損する可能性がある。また、部品点数が多いため、メンテナンス性が悪い。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、材質の異なる摩擦材の組み合わせが可能で、がたつきの無い固定をすることで振動によるノイズや部品の摩耗を低減できるとともに、各部品をシンプルな形状にし、製造や交換、メンテナンスを容易にすることができる鉄道車両用制輪子の取付構造及び制輪子ブロックを提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 矩形平板状に形成された補強板の一方の面に摩擦材が固着された制輪子ブロックと、一組の前記制輪子ブロックが車輪の踏面に沿って縦列配置される制輪子頭と、前記制輪子頭における車輪回転方向の両端部にそれぞれ設けられ、一組の前記制輪子ブロックにおける前記補強板の隣接する拡張側端縁と反対側の固定側端縁をそれぞれ位置決め固定する位置決め固定部と、前記制輪子頭の車輪回転方向の中間部に設けられ、一組の前記制輪子ブロックにおける前記拡張側端縁同士の間隔を拡張する方向に押圧した状態に保持する拡張保持機構と、を備えることを特徴とする鉄道車両用制輪子の取付構造。
上記(1)の構成の鉄道車両用制輪子の取付構造によれば、制輪子ブロックが、制輪子頭に直接、固定される。制輪子ブロックは、矩形平板状の鋼板で形成された補強板の一方の面に摩擦材が固着される。補強板は、鋼板の形状を統一することで、異なる性質の摩擦材での組み合わせが可能となる。例えば特許文献1の先行例では硬度の高い摩擦材(鋳鉄がベース)に特化していたが、本構成の鉄道車両用制輪子の取付構造によれば、レジンのような硬度の低い材質にも対応が容易に可能となる。また、車輪の踏面に沿って制輪子頭に縦列配置される一組の制輪子ブロックは、制輪子頭の車輪回転方向の中間部に設けられた拡張保持機構により、拡張側端縁同士の間隔を拡張する方向に押圧した状態に保持される。拡張保持機構により間隔が拡張された一組の制輪子ブロックは、固定側端縁が制輪子頭の車輪回転方向の両端部におけるそれぞれの位置決め固定部に固定される。拡張保持機構は、一組の制輪子ブロックの間に配置されていることにより、一組の制輪子ブロックを、同時に固定または開放することができる。
(2) 前記拡張側端縁における何れか一方の端部に形成された切欠きと、前記切欠きに対応して前記制輪子頭に突設され、前記切欠きに係合することにより前記制輪子ブロックの取付方向を規制する誤組付防止突起と、を備えることを特徴とする上記(1)に記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
上記(2)の構成の鉄道車両用制輪子の取付構造によれば、切欠きが、拡張側端縁における何れか一方の端部に形成される。拡張側端縁における何れか一方の端部とは、踏面幅方向の何れか一方の端部である。踏面幅方向とは、車輪の踏面の周方向に直交する方向である。一方の端部に形成された切欠きは、この切欠きに対応して制輪子頭に突設された誤組付防止突起に係合する。つまり、制輪子ブロックは、車輪における踏面幅方向の内外側と、摩擦材における踏面幅方向の内外側とが一致するようにして取り付けられる。
(3) 前記固定側端縁に形成された固定側凹部と、前記位置決め固定部に設けられ、前記固定側凹部に嵌合する固定側突部と、を備えることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
上記(3)の構成の鉄道車両用制輪子の取付構造によれば、固定側凹部が、補強板の固定側端縁に形成される。この固定側凹部には、位置決め固定部の固定側突部が嵌合する。固定側突部は、制輪子頭における車輪回転方向の両端部にそれぞれ設けられた位置決め固定部に形成される。制輪子ブロックは、補強板の固定側凹部が位置決め固定部の固定側突部と嵌合することにより、制輪子頭に対する踏面幅方向の移動が規制される。制輪子ブロックは、車輪の踏面幅方向の移動が規制されることにより、拡張保持機構による固定完了前における仮組み状態での脱落が規制され、固定時の作業性が向上する。
(4) 前記拡張側端縁に形成された拡張側凹部と、前記拡張保持機構の可動部材に設けられ、前記拡張側凹部に嵌合する拡張側突部と、を備えることを特徴とする上記(1)~(3)の何れか1つに記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
上記(4)の構成の鉄道車両用制輪子の取付構造によれば、拡張側凹部が、補強板の拡張側端縁に形成される。この拡張側凹部には、拡張保持機構における可動部材の拡張側突部が嵌合する。拡張側突部は、制輪子頭に支持される拡張保持機構の可動部材に形成される。制輪子ブロックは、補強板の拡張側凹部が可動部材の拡張側突部と嵌合することにより、制輪子頭に対する踏面幅方向の移動が規制される。制輪子ブロックは、車輪の踏面幅方向の移動が規制されることにより、拡張保持機構による固定完了前における仮組み状態での脱落が規制され、固定時の作業性が向上する。
(5) 前記拡張保持機構は、軸方向の両端部にそれぞれ正ねじ部と逆ねじ部とが形成され、前記制輪子頭に対して車輪回転方向に沿って移動可能かつ相対回転可能に設けられた両端ねじ部材と、前記正ねじ部及び前記逆ねじ部にそれぞれ螺合されることにより、前記拡張側端縁同士の間隔を拡張する方向に押圧するように構成されて前記一組の制輪子ブロックの間に介装された一組の可動部材と、を備えることを特徴とする上記(1)~(4)の何れか1つに記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
上記(5)の構成の鉄道車両用制輪子の取付構造によれば、拡張保持機構が、両端ねじ部材と、一組の可動部材と、を有する。両端ねじ部材は、一端に正ねじ部、他端に逆ねじ部が形成される。両端ねじ部材は、正ねじ部に一方の可動部材が螺合され、逆ねじ部に他方の可動部材が螺合される。両端ねじ部材は、例えば鉛直軸に沿う方向で制輪子頭に回転自在に固定され、拡張側端縁同士の間隔を拡張する。この拡張保持機構は、下面固定と称すことができる。下面固定の拡張保持機構は、制輪子頭背面の両端ねじ部材を下から回転させ、上下に縦列配置された一組の制輪子ブロックを同時に固定・開放することができる。
(6) 前記拡張保持機構は、軸方向の一端部にねじ部が形成され、前記制輪子頭に対して車輪回転方向に沿って移動可能かつ相対回転可能に設けられたねじ部材と、前記ねじ部に螺合され、隣接する前記拡張側端縁の一方に係合する第1可動部材と、前記制輪子頭に軸方向移動自在に設けられ、隣接する前記拡張側端縁の他方に係合すると共に前記ねじ部材の一端部に押圧される第2可動部材と、を備えることを特徴とする上記(1)~(4)の何れか1つに記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
上記(6)の構成の鉄道車両用制輪子の取付構造によれば、拡張保持機構が、ねじ部材と、第1可動部材と、第2可動部材と、を有する。ねじ部材は、一端部にねじ部が形成される。第1可動部材は、ねじ部材のねじ部に螺合され、隣接する拡張側端縁の一方に係合する。第2可動部材は、制輪子頭に軸方向移動自在に設けられ、隣接する拡張側端縁の他方に係合すると共に、ねじ部材の一端部に押圧される。ねじ部材は、例えば鉛直軸に沿う方向で制輪子頭に回転自在に固定され、第1可動部材と第2可動部材を介して拡張側端縁同士の間隔を拡張する。この拡張保持機構も、下面固定と称すことができる。下面固定の拡張保持機構は、制輪子頭背面のねじ部材を下から回転させ、上下に縦列配置された一組の制輪子ブロックを同時に固定・開放することができる。
(7) 前記第2可動部材は、前記制輪子頭に対して軸まわりに回転不能に設けられることを特徴とする上記(6)に記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
上記(7)の構成の鉄道車両用制輪子の取付構造によれば、第2可動部材は、制輪子頭に対する軸まわりの回転が規制される。そこで、第2可動部材により拡張側端縁が係合された制輪子ブロックは、第2可動部材の軸まわりの回転が規制されることにより、拡張保持機構による固定完了前における仮組み状態での制輪子頭に対する傾きが規制され、固定時の作業性が向上する。
(8) 前記拡張保持機構は、軸方向の一端部にねじ部が形成されると共に軸方向に沿ってウェッジカムが一体に形成され、前記制輪子頭に対して車輪回転方向と交差する方向に沿って移動可能に設けられたカム可動部材と、前記ウェッジカムの一対の傾斜面にそれぞれ対向して摺接するように前記拡張側端縁にそれぞれ形成された摺動傾斜面と、前記ねじ部に螺合され、前記制輪子頭に対して前記カム可動部材を軸方向に進退動させる回転ねじ部材と、を備えることを特徴とする上記(1)~(4)の何れか1つに記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
上記(8)の構成の鉄道車両用制輪子の取付構造によれば、拡張保持機構が、カム可動部材と、拡張側端縁のそれぞれ形成された摺動傾斜面と、回転ねじ部材と、を有する。カム可動部材は、軸方向の一端部にねじ部が形成されると共に軸方向の他端部にウェッジカムが一体に形成され、制輪子頭に対して車輪回転方向と交差する方向(車輪の踏面幅方向)に移動可能に設けられる。このウェッジカムは、踏面幅方向で相互に接近離反する一対の傾斜面を有する。つまり、一対の傾斜面は、楔形状となる。摺動傾斜面は、それぞれの拡張側端縁に形成され、ウェッジカムの一対の傾斜面にそれぞれ摺接する。回転ねじ部材は、ウェッジシャフトのねじ部に螺合され、制輪子頭に対してカム可動部材を踏面幅方向に進退動させ、拡張側端縁同士の間隔を拡張する。この拡張保持機構は、制輪子頭の側面に配される回転ねじ部材を回転させることから側面固定と称すことができる。側面固定の拡張保持機構は、制輪子頭の側面に配された回転ねじ部材を制輪子頭の側面から回転させ、上下に縦列配置された一組の制輪子ブロックを同時に固定・開放することができる。
(9) 矩形平板状に形成された補強板の一方の面に摩擦材が固着され、車輪の踏面に沿って制輪子頭に縦列配置される一組の制輪子ブロックであって、前記一組の制輪子ブロックにおける前記補強板の隣接する拡張側端縁と、前記拡張側端縁と反対側の固定側端縁との少なくとも何れか一方の端縁には、凹部が形成されることを特徴とする制輪子ブロック。
上記(9)の構成の制輪子ブロックによれば、補強板の隣接する拡張側端縁と、拡張側端縁と反対側の固定側端縁との少なくとも何れか一方の端縁に、凹部が形成される。この凹部には、制輪子頭または拡張保持機構の突部が嵌合する。制輪子ブロックは、補強板の凹部が突部と嵌合することにより、車輪の踏面幅方向の移動が規制される。制輪子ブロックは、踏面幅方向の移動が規制されることにより、拡張保持機構による固定完了前における仮組み状態での脱落が規制され、固定時の作業性が向上する。
(10) 前記制輪子ブロックにおける前記摩擦材の車輪側摺動面が、前記車輪の踏面に合わせた面形状に形成され、前記制輪子ブロックにおける前記補強板の車輪フランジ側側縁の両端部には、制輪子頭に突設された誤組付防止突起に係合することにより前記制輪子ブロックの取付方向が規制される切欠きが形成されることを特徴とする上記(9)に記載の制輪子ブロック。
上記(10)の構成の制輪子ブロックによれば、制輪子ブロックにおける補強板の車輪フランジ側側縁の両端部に、切欠きが形成される。切欠きは、制輪子頭に突設された誤組付防止突起に係合する。制輪子ブロックは、車輪における踏面幅方向の内外側と、摩擦材における踏面幅方向の内外側とが一致するようにして取り付けられる。これにより、制輪子ブロックは、摩擦材の圧接面勾配が車輪の踏面勾配と逆向きとなる誤組付けが防止される。
本発明に係る鉄道車両用制輪子の取付構造によれば、材質の異なる摩擦材の組み合わせが可能で、がたつきの無い固定をすることで振動によるノイズや部品の摩耗を低減できるとともに、各部品をシンプルな形状にし、製造や交換、メンテナンスを容易にすることができる。
本発明に係る制輪子ブロックによれば、材質の異なる摩擦材の組み合わせが可能であるとともに、補強板や摩擦材をシンプルな形状にし、製造や交換、メンテナンスを容易にすることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造を表す斜視図である。 図1に示した制輪子ブロックの斜視図である。 (a)は図1に示した鉄道車両用制輪子の取付構造を制輪子頭側から見た背面図、(b)は同取付構造を摩擦材側から見た正面図、(c)は同取付構造を制輪子頭の下端側から見た下面図である。 (a)は図3のA-A断面図、(b)は図3のB-B断面図である。 (a),(b)は本発明の第1実施形態に係る取付構造における拡張保持機構の隙間調整時の動作説明図である。 本発明の第2実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造を表す斜視図である。 図6に示した鉄道車両用制輪子の取付構造を表す分解斜視図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係る取付構造を表す縦断面図、(b)は(a)に示した拡張保持機構の分解斜視図である。 (a),(b),(c)は本発明の第2実施形態に係る取付構造における拡張保持機構の隙間調整時の動作説明図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造を表す側面図、(b)は(a)を摩擦材側から見た正面図である。 図10に示したカム可動部材の斜視図である。 (a),(b)は第3実施形態に係る取付構造における拡張保持機構の隙間調整時の動作説明図である。 (a),(b)は図12の(a),(b)に対応した要部拡大図である。 (a)は参考例に係る鉄道車両用制輪子の取付構造を制輪子頭側から見た背面図、(b)は同取付構造の側面図、(c)は同取付構造を摩擦材側から見た正面図である。 (a)は図14に示した鉄道車両用制輪子の取付構造を制輪子頭の下端側から見た下面図、(b)は(a)のC-C断面に沿う要部断面図である。 (a)は図14に示した制輪子ブロックの斜視図、(b)は図15に示した回転ねじ部材の斜視図、(c)は図15に示した偏心シャフトの斜視図である。 (a),(b),(c)は参考例に係る鉄道車両用制輪子の取付構造の隙間調整時の動作説明図である。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造を表す斜視図である。
本実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造は、図1に示すように、制輪子ブロック11と、制輪子頭13と、位置決め固定部15と、拡張保持機構17と、を主要な構成として有する。
図2は図1に示した制輪子ブロック11の斜視図である。
制輪子ブロック11は、図2に示すように、矩形平板状に形成された補強板19の一方の面に、摩擦材21が固着される。摩擦材21の車輪側摺動面(圧接面)は、車輪23の踏面25(図4参照)に合わせた面形状に形成される。補強板19は、鋼板製で簡素な矩形状の平板で形成される。摩擦材21は、焼結合金製やレジン製とすることができる。従来の鉄道車両用制輪子では、制輪子頭への制輪子ブロックの固定に、台金が必要であったが、本取付構造の制輪子ブロック11は、制輪子頭13に直接、背面の鋼板(即ち、補強板19)が固定される。
制輪子ブロック11は、車輪23の踏面25(図4参照)に沿って、一組が、制輪子頭13に縦列配置される。一組の制輪子ブロック11における補強板19の隣接する拡張側端縁27と、拡張側端縁27と反対側の固定側端縁29との少なくとも何れか一方の端縁には、凹部が形成される。本第1実施形態において、凹部は、拡張側端縁27と固定側端縁29との双方に、拡張側凹部33及び固定側凹部31として形成される。
即ち、補強板19の固定側端縁29には、固定側凹部31が形成される。また、補強板19の拡張側端縁27には、拡張側凹部33が形成される。固定側凹部31は、後述する位置決め固定部15の固定側突部47に嵌合する。拡張側凹部33は、後述する拡張保持機構17に設けられる可動部材(正ねじ可動部材61及び逆ねじ可動部材63)の拡張側突部59と嵌合する。
本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造は、補強板19の切欠き35と、制輪子頭13の誤組付防止突起37(図3参照)と、を有する。切欠き35は、拡張側端縁27における何れか一方の端部(本第1実施形態では、踏面幅方向の車輪フランジ側の端部)に形成される。誤組付防止突起37は、この切欠き35に対応して制輪子頭13に突設される。誤組付防止突起37は、切欠き35に係合することにより制輪子ブロック11の取付方向を規制する。
図3の(a)は図1に示した鉄道車両用制輪子の取付構造を制輪子頭13側から見た背面図、図3の(b)は同取付構造を摩擦材21側から見た正面図、図3の(c)は同取付構造を制輪子頭13の下端側から見た下面図である。
制輪子頭13は、図1及び図3に示すように、一組の制輪子ブロック11を保持する。即ち、制輪子頭13には、一組の制輪子ブロック11が車輪23の踏面25に沿って縦列配置される。制輪子頭13は、制輪子ブロック11を取り付ける取付面39(図4参照)が、補強板19と平行な平面で形成される。取付面39が形成された取付板41の背面には、車軸に沿う方向に離間した平行な一対の側板部43が踏面25の周方向に延在して一体に形成される。制輪子頭13は、側板部43に穿設された取付用孔45を使用して、鉄道車両の台車枠等に支持される非回転部材(例えば生てこ)にピンにて揺動自在に取付けられる。
図4の(a)は図3のA-A断面図、図4の(b)は図3のB-B断面図である。
制輪子頭13は、図3及び図4に示すように、車輪回転方向の両端部のそれぞれに、位置決め固定部15を有する。位置決め固定部15は、固定側端縁29が差し入れられる取付面39と平行な空隙を有する。それぞれの位置決め固定部15は、一組の制輪子ブロック11における補強板19の隣接する拡張側端縁27と反対側の固定側端縁29をそれぞれ位置決め固定する。
制輪子頭13の位置決め固定部15には、固定側突部47が設けられる。固定側突部47は、位置決め固定部15の空隙に位置して補強板19の固定側凹部31に嵌合する。つまり、制輪子ブロック11は、固定側凹部31を挟んで対峙した一対の固定側端縁29が、固定側突部47を挟む一対の空隙に差し入れられるように構成されている。
制輪子頭13の車輪回転方向の中間部には、拡張保持機構17が設けられる。拡張保持機構17は、一組の制輪子ブロック11における拡張側端縁27同士の間隔を拡張する方向に押圧した状態に保持する。
本第1実施形態において、拡張保持機構17は、両端ねじ部材49と、一組の可動部材と、を有する。
両端ねじ部材49は、軸方向の両端部に、それぞれ正ねじ部51と逆ねじ部53とが形成される。この両端ねじ部材49は、制輪子頭13に対して車輪回転方向(より正確には車輪23の接線と平行な上下方向)に沿って移動可能かつ相対回転可能に設けられる。両端ねじ部材49は、シャフト止め板55により制輪子頭13に回転自在に固定される。また、両端ねじ部材49の一端面には、六角レンチ穴57が形成される。両端ねじ部材49は、この六角レンチ穴57が下側となる向きで制輪子頭13に回転可能に取り付けられる。
一組の可動部材は、一組の制輪子ブロック11の間に介装される。一組の可動部材は、正ねじ部51及び逆ねじ部53にそれぞれ螺合されることにより、拡張側端縁同士の間隔を拡張する方向に押圧するように構成されている。
一組の可動部材のそれぞれには、拡張側突部59が設けられる。この拡張側突部59は、上記した補強板19の拡張側凹部33に、固定側突部47と同様にして嵌合する。
なお、一組の可動部材は、両端ねじ部材49の両端部に螺合できるように、一方が正ねじ部51の形成された正ねじ可動部材61となり、他方が逆ねじ部53の形成された逆ねじ可動部材63となる。
図5の(a),(b)は本発明の第1実施形態に係る取付構造における拡張保持機構17の隙間調整時の動作説明図である。
一組の制輪子ブロック11は、それぞれの固定側端縁29が制輪子頭13の位置決め固定部15に係合されるとともに、図5の(a)に示すように、それぞれの拡張側端縁27が正ねじ可動部材61と逆ねじ可動部材63とに係合されて仮組される。この仮組状態では、制輪子ブロック11の脱落は生じないが、可動部材と拡張側端縁27とには隙間が存在している。
六角レンチ穴57に六角レンチが挿入されて両端ねじ部材49が回転されると、正ねじ可動部材61と逆ねじ可動部材63とが離間する方向に移動される。すると、下方の正ねじ可動部材61が下方の制輪子ブロック11の拡張側端縁27に当たる。
更に両端ねじ部材49が回転されると、上方の制輪子ブロック11とに生じている隙間分、上方の逆ねじ可動部材63が押し上げられる。この際、下方の正ねじ可動部材61の位置は、不変となる。このまま両端ねじ部材49が動かなくなるまで回転させることにより、一組の制輪子ブロック11の固定が完了する。
次に、上記した本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造の作用を説明する。
本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、制輪子ブロック11が、制輪子頭13に直接、固定される。制輪子ブロック11は、矩形平板状の鋼板で形成された補強板19の一方の面に摩擦材21が固着される。補強板19は、鋼板の形状を統一することで、異なる性質の摩擦材21での組み合わせが可能となる。例えば特許文献1の先行例では硬度の高い摩擦材(鋳鉄がベース)に特化していたが、本第1実施形態の鉄道車両用制輪子の取付構造では、レジンのような硬度の低い材質にも対応が容易に可能となる。
また、車輪23の踏面25に沿って制輪子頭13に縦列配置される一組の制輪子ブロック11は、制輪子頭13の車輪回転方向の中間部に設けられた拡張保持機構17により、拡張側端縁27同士の間隔を拡張する方向に押圧した状態に保持される。拡張保持機構17により間隔が拡張された一組の制輪子ブロック11は、固定側端縁29が制輪子頭13の車輪回転方向の両端部におけるそれぞれの位置決め固定部15に固定される。拡張保持機構17は、一組の制輪子ブロック11の間に配置されていることにより、一組の制輪子ブロック11を、同時に固定または開放することができる。
拡張保持機構17の押圧には、例えば、簡単な構造のねじ締め機構やシャフトの回転機構を採用できる。これにより、本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造は、シャフトを回転させたり、ねじを締めたりする単純な作業で一組の制輪子ブロック11の固定を同時に完了させることができる。また、寸法のばらつきによる固定位置の変化に対応でき、がたつきの無い固定が可能となる。そして、シャフトを回転させたり、ねじを緩めたりする単純な作業で一組の制輪子ブロック11を同時に開放して脱着することもできる。
また、本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、切欠き35が、拡張側端縁27における何れか一方の端部(本第1実施形態では、踏面幅方向の車輪フランジ側の端部)に形成される。拡張側端縁27における何れか一方の端部とは、踏面幅方向の何れか一方の端部である。踏面幅方向とは、車輪23の踏面25の周方向に直交する方向である。一方の端部(踏面幅方向の車輪フランジ側の端部)に形成された切欠き35は、この切欠き35に対応して制輪子頭13に突設された誤組付防止突起37に係合する。つまり、制輪子ブロック11は、車輪23における踏面幅方向の内外側と、摩擦材21における踏面幅方向の内外側とが一致するようにして取り付けられる。
車輪23の踏面25には、カーブにおいて輪軸の舵を取る踏面勾配が設けられる。この踏面勾配は、レールの横断面において、レールの一側から他側に向けて上下方向に傾斜する傾斜面となる。制輪子ブロック11は、摩擦材21の圧接面においてもこの踏面勾配に倣った圧接面勾配が形成される。
本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、制輪子ブロック11が誤組付防止突起37により、摩擦材21の踏面幅方向における内外側の取付向きが踏面幅方向の内外側の向きと一致するように規制されるので、圧接面勾配が踏面勾配と逆向きとなる誤組付けを防止することができる。
また、本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、固定側凹部31が、補強板19の固定側端縁29に形成される。この固定側凹部31には、位置決め固定部の15の固定側突部47が嵌合する。固定側突部47は、制輪子頭13における車輪回転方向の両端部にそれぞれ設けられた位置決め固定部15に形成される。制輪子ブロック11は、補強板19の固定側凹部31が位置決め固定部15の固定側突部47と嵌合することにより、制輪子頭13に対する踏面幅方向の移動が規制される。制輪子ブロック11は、車輪23の踏面幅方向の移動が規制されることにより、拡張保持機構17による固定完了前における仮組み状態での脱落が規制され、固定時の作業性が向上する。
また、本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、拡張側凹部33が、補強板19の拡張側端縁27に形成される。この拡張側凹部33には、拡張保持機構17における可動部材(正ねじ可動部材61及び逆ねじ可動部材63)の拡張側突部59が嵌合する。拡張側突部59は、制輪子頭13に支持される拡張保持機構17の可動部材に形成される。制輪子ブロック11は、補強板19の拡張側凹部33が可動部材(正ねじ可動部材61及び逆ねじ可動部材63)の拡張側突部59と嵌合することにより、制輪子頭13に対する踏面幅方向の移動が規制される。制輪子ブロック11は、車輪23の踏面幅方向の移動が規制されることにより、拡張保持機構17による固定完了前における仮組み状態での脱落が規制され、固定時の作業性が向上する。
そして、固定側凹部31と拡張側凹部33との双方が設けられた制輪子ブロック11は、車輪回転方向の両端が、固定側突部47と拡張側突部59とに嵌合して踏面幅方向の移動がより確実に規制される。車輪23の踏面25には、上記の踏面勾配が設けられる。左右の車輪23は、正面から見て内側にフランジが形成され、内側が高く外側が低くなる踏面勾配を有する。左右の車輪23は、カーブを走行すると遠心力により輪軸が外側に向かう。その結果、外周側の車輪23は、径のより大きな部分がレールに乗る。一方、内周側の車輪23は、逆に、径のより小さな部分がレールに乗る。このことで外周側がより大きな距離を進むことになり左右の車輪23の差動が可能となる。本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、制輪子ブロック11における踏面幅方向の移動を確実に規制することにより、踏面勾配を有する車輪23の踏面25に、偏摩耗(踏面勾配を損ねる摩耗)が生じることを抑制できる。
また、本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、拡張保持機構17が、両端ねじ部材49と、一組の可動部材である正ねじ可動部材61及び逆ねじ可動部材63と、を有する。両端ねじ部材49は、一端に正ねじ部51、他端に逆ねじ部53が形成される。両端ねじ部材49は、正ねじ部51に一方の可動部材である正ねじ可動部材61が螺合され、逆ねじ部53に他方の可動部材である逆ねじ可動部材63が螺合される。両端ねじ部材49は、図4の(a)に示すように、鉛直軸に沿う方向で制輪子頭13に回転自在に固定され、拡張側端縁27同士の間隔を拡張する。この拡張保持機構17は、下面固定と称すことができる。下面固定の拡張保持機構17は、制輪子頭背面の両端ねじ部材49を下から回転させ、上下に縦列配置された一組の制輪子ブロック11を同時に固定・開放することができる。
本第1実施形態に係る拡張保持機構17では、部品寸法差により、固定までの移動距離が上下の正ねじ可動部材61及び逆ねじ可動部材63で異なる。これを解消するため、両端ねじ部材49のシャフト止め板55による固定部が微小距離、上下方向に移動可能となっている。先に、制輪子ブロック11に対して正ねじ可動部材61又は逆ねじ可動部材63が接触した位置を基点に、上下の正ねじ可動部材61と逆ねじ可動部材63との距離が広がりながら両端ねじ部材49も移動するため、固定に必要な距離の中間点と両端ねじ部材49の中央部が一致し、上下方向に隙間なく固定できる。
その際、本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、正ねじ可動部材61及び逆ねじ可動部材63の移動方向と制輪子ブロック11の締結方向の角度差を利用し、固定時に制輪子ブロック11を制輪子頭13へ押し付ける方向にも荷重が発生するように構成している。
本第1実施形態に係る拡張保持機構17は、両端ねじ部材49の両端に正ねじ部51及び逆ねじ部53を配し、これら正ねじ部51及び逆ねじ部53に正ねじ可動部材61及び逆ねじ可動部材63をそれぞれ螺合させた下面固定の一体型の拡張保持機構17となる。一体型の拡張保持機構17は、両端ねじ部材49の回転力を正確に正ねじ可動部材61及び逆ねじ可動部材63へ伝えられるため、固定精度が高い。また、正ねじ部51と逆ねじ部53は、それぞれに回転抵抗があるため、ゆるみ止めにも効果がある。
組付け不良は、工程の多さや複雑さが起因となることが多い。本第1実施形態に係る拡張保持機構17では、両端ねじ部材49を回転させる作業のみで固定できるようになっており、回転が止まった時点で固定が完了するため、判断が容易である。また、完全にがたつきがなくなるまでは回転し続ける機構のため、従来の制輪子に見られた制輪子頭13との隙間はなく、振動による摩耗やノイズをなくし、衝撃に対する耐久力も向上する。
制輪子頭13と車輪23との隙間は、制輪子ブロック11の高さほどしかない。従って、本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造は、従来の制輪子と同じく横からの着脱に対応できるように構成されている。また、本第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造は、部品点数が少なく、かつ部品サイズが大きいため、製造及び部品交換やメンテナンスが容易で、各部品の強度も高い。これは、制輪子周辺が地上と近く、かつ常に風雪にさらされる環境のため、制輪子頭13、制輪子ブロック11及び拡張保持機構17に対する錆や破損へ対応を可能とする効果もある。
本第1実施形態に係る制輪子ブロック11では、補強板19の隣接する拡張側端縁27と、拡張側端縁27と反対側の固定側端縁29との両方の端縁に、拡張側凹部33及び固定側凹部31がそれぞれ形成される。固定側凹部31には、制輪子頭13の固定側突部47が嵌合し、拡張側凹部33には、拡張保持機構17における正ねじ可動部材61及び逆ねじ可動部材63の拡張側突部59が嵌合する。制輪子ブロック11は、補強板19の凹部(拡張側凹部33及び固定側凹部31)が突部(拡張側突部59及び固定側突部47)と嵌合することにより、踏面幅方向の移動が規制される。制輪子ブロック11は、踏面幅方向の移動が規制されることにより、拡張保持機構17による固定完了前における仮組み状態での脱落が規制され、固定時の作業性が向上する。
そして、拡張側端縁27と反対側の固定側端縁29との双方に凹部が設けられた本第1実施形態に係る制輪子ブロック11は、車輪回転方向の両端が、固定側突部47と拡張側突部59とに嵌合して踏面幅方向の移動が確実に規制される。その結果、制輪子ブロック11は、上記したように、踏面勾配を有する車輪23の踏面25に、偏摩耗の生じることを抑制できる。
また、本第1実施形態に係る制輪子ブロック11では、制輪子ブロック11における補強板19の車輪フランジ側側縁の両端部に、切欠き35が形成される。切欠き35は、制輪子頭13に突設された誤組付防止突起37に係合する。制輪子ブロック11は、車輪23における踏面幅方向の内外側と、摩擦材21における踏面幅方向の内外側とが一致するようにして取り付けられる。これにより、制輪子ブロック11は、上記したように、摩擦材21の圧接面勾配が車輪23の踏面勾配と逆向きとなる誤組付けが防止される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図6は本発明の第2実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造を表す斜視図であり、図7は図6に示した鉄道車両用制輪子の取付構造を表す分解斜視図である。なお、本第2実施形態においては、図1~図5に示した第1実施形態に係る部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本第2実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造は、制輪子頭13の一部分と、拡張保持機構65とが、第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造と異なる。
制輪子頭13は、図6及び図7に示すように、一対の側板部43の中央部同士が、車輪回転方向に離間した一対の連結壁部67により連結されている。一方の連結壁部67には、角穴69が形成される。他方の連結壁部67には、丸穴71が形成される。拡張保持機構65は、これら一対の連結壁部67の間に取り付けられる。
本第2実施形態に係る拡張保持機構65は、ねじ部材73と、第1可動部材75と、第2可動部材77と、を有する。
ねじ部材73は、軸方向の一端部にねじ部79(図8参照)が形成される。ねじ部材73は、軸方向の他端部に六角レンチ穴57が形成される。ねじ部材73は、他端部が他方の連結壁部67の丸穴71に挿通され、制輪子頭13に対して車輪回転方向に沿って移動可能かつ相対回転可能に設けられる。
図8の(a)は本発明の第2実施形態に係る取付構造を表す縦断面図、図8の(b)は図8の(a)に示した拡張保持機構65の分解斜視図である。
第1可動部材75は、矩形ブロック状に形成され、長手方向の一方に、ねじ部材73のねじ部79が螺合する雌ねじ81が形成される。第1可動部材75は、長手方向の他方に、拡張側突部59が形成される。第1可動部材75の拡張側突部59は、隣接する制輪子ブロック11の拡張側端縁27に設けられた拡張側凹部33と係合する。
第2可動部材77は、角軸部83を有する。角軸部83は、一端側に、拡張側突部59が形成される。第2可動部材77の拡張側突部59は、隣接する制輪子ブロック11の拡張側端縁27に設けられた拡張側凹部33と係合する。第2可動部材77は、角軸部83が一方の連結壁部67の角穴69に挿通されることにより、制輪子頭13に軸方向移動自在に、かつ制輪子頭13に対して軸まわりに回転不能に設けられる。第2可動部材77は、ねじ部材73が回転されることにより、ねじ部材73の一端部に押圧される。
図9の(a),(b),(c)は本発明の第2実施形態に係る取付構造における拡張保持機構65の隙間調整時の動作説明図である。
図8の(a)に示すように、上下に縦列配置された一組の制輪子ブロック11は、それぞれの固定側端縁29が制輪子頭13の位置決め固定部15に係合されるとともに、図9の(a)に示すように、それぞれの拡張側端縁27が第1可動部材75と第2可動部材77とに係合されて仮組される。この仮組状態では、制輪子ブロック11の脱落は生じないが、ねじ部材73の一端部と第2可動部材77とには、隙間が存在している。
六角レンチ穴57に六角レンチが挿入されてねじ部材73が回転されると、ねじ部材73の一端部が、上側の第2可動部材77を押し上げる。これにより、図9の(b)に示すように、第2可動部材77が、上側の制輪子ブロック11に先に当たる。この際、下側の第1可動部材75と制輪子ブロック11との隙間は大きいが、手を軽く添えているだけで、制輪子ブロック11の落下を防ぐことができる。
更にねじ部材73が回転されると、下側の第1可動部材75が下がり、下側の制輪子ブロック11の拡張側端縁27に当たる。この際、上方の第2可動部材77の位置は、不変となる。このままねじ部材73が動かなくなるまで回転させることにより、一組の制輪子ブロック11の固定が完了する。
次に、上記した本第2実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造の作用を説明する。
本第2実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、拡張保持機構65が、ねじ部材73と、第1可動部材75と、第2可動部材77と、を有する。ねじ部材73は、一端部にねじ部79が形成される。第1可動部材75は、ねじ部材73のねじ部79に螺合され、隣接する下側の制輪子ブロック11の拡張側端縁27に係合する。第2可動部材77は、制輪子頭13に軸方向移動自在に設けられ、隣接する上側の制輪子ブロック11の拡張側端縁27に係合すると共に、ねじ部材73の一端部に押圧される。ねじ部材73は、図8の(a)に示すように、鉛直軸に沿う方向(上下方向)で制輪子頭13に回転自在に固定され、第1可動部材75と第2可動部材77を介して拡張側端縁27同士の間隔を拡張する。この拡張保持機構65も、下面固定と称すことができる。下面固定の拡張保持機構65は、制輪子頭背面のねじ部材73を下から回転させ、上下に縦列配置された一組の制輪子ブロック11を同時に固定・開放することができる。
また、本第2実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造によれば、第2可動部材77は、角軸部83が一方の連結壁部67の角穴69に挿通されることにより、制輪子頭13に対して軸まわりに回転不能に設けられている。そこで、第2可動部材77は、制輪子頭13に対する軸まわりの回転が規制される。そこで、第2可動部材77により拡張側端縁27が係合された制輪子ブロック11は、第2可動部材77の軸まわりの回転が規制されることにより、拡張保持機構65による固定完了前における仮組み状態での制輪子頭13に対する傾きが規制され、固定時の作業性が向上する。
そして、本第2実施形態に係る拡張保持機構65は、ねじ部材73に第1可動部材75を螺合し、ねじ部材73とは別体の第2可動部材77をねじ部材73の一端部で押圧する下面固定の別体型の拡張保持機構65となる。別体型の拡張保持機構65は、ねじ部材73や第1可動部材75、第2可動部材77を交換するときに、これらの部材を一対の側板部43の間から脱着及び装着できる。このため、本第2実施形態に係る別体型の拡張保持機構65は、交換時等に、制輪子頭13を分解する必要がないため、メンテナンス性に優れる。また、それぞれの部品形状を簡素化できるため、上記した第1実施形態に係る一体型の拡張保持機構17に比ベコストダウンと高強度化を図ることができる。他の作用は、第1実施形態に係る一体型の拡張保持機構17と同じである。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図10の(a)は本発明の第3実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造を表す側面図、図10の(b)は図10の(a)を摩擦材21側から見た正面図である。図11は図10に示したカム可動部材91の斜視図である。なお、第3実施形態においては、図1~図5に示した第1実施形態に係る部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本第3実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造は、制輪子頭13の一部分と、拡張保持機構85とが、第1実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造と異なる。
制輪子頭13は、図10に示すように、取付板41の中央部に、車軸に沿う方向に延在する厚肉の軸受部87(図12参照)が、一対の側板部43に渡って形成される。軸受部87は、断面C字状となって踏面25に対向する面が開放する軸受穴89が、車軸に沿う方向で貫通して形成される。拡張保持機構85は、この軸受穴89を介して制輪子頭13に取り付けられる。
本第3実施形態に係る拡張保持機構85は、カム可動部材91と、摺動傾斜面93と、回転ねじ部材95と、を有する。
カム可動部材91は、ウェッジシャフト97の軸方向の一端部に、ねじ部79が形成される。ウェッジシャフト97の軸方向他端部には、軸方向に沿ってウェッジカム99が一体に形成される。カム可動部材91は、制輪子頭13の軸受穴89に、ウェッジシャフト97が挿入される。ウェッジシャフト97が軸受穴89に挿入されたカム可動部材91は、制輪子頭13に対して車輪回転方向と交差する方向に沿って移動可能となる。また、カム可動部材91は、ウェッジシャフト97の軸線を中心に、軸受穴89に揺動自在(首ふり自在)に取り付けられる。
一組の制輪子ブロック11Aにおけるそれぞれの拡張側端縁27には、摺動傾斜面93(図12参照)が形成される。それぞれの拡張側端縁27に形成された一対の摺動傾斜面93は、ウェッジカム99の一対の傾斜面101にそれぞれ対向して摺接する。それぞれの傾斜面101の正面側には、制輪子ブロック脱落防止鍔103が形成される。
回転ねじ部材95は、雌ねじ81が同軸で設けられた筒状に形成される。回転ねじ部材95の非螺合側の端面には、直径方向の治具係合溝105(図10参照)が形成されていてもよい。この場合、大きな治具係合溝105を付けることにより、簡素な治具で回せるようにしている。
回転ねじ部材95は、ウェッジシャフト97のねじ部79に螺合される。ウェッジシャフト97のねじ部79は、軸受部87の側面で開口する軸受穴89から突出する。回転ねじ部材95は、この軸受部87から突出したねじ部79に螺合する。これにより、カム可動部材91は、回転ねじ部材95が回転されることにより、制輪子頭13に対して車軸に沿う方向に進退動が可能となっている。
図12の(a),(b)は本発明の第3実施形態に係る取付構造における拡張保持機構の隙間調整時の動作説明図である。
図10に示すように、上下に縦列配置された一組の制輪子ブロック11Aは、それぞれの固定側端縁29が制輪子頭13の位置決め固定部15に係合されるとともに、図12の(a)に示すように、それぞれの拡張側端縁27がカム可動部材91のウェッジカム99に係合されて仮組される。この仮組状態では、制輪子ブロック11Aの脱落は生じないが、ウェッジカム99の傾斜面101と拡張側端縁27とには、隙間が存在している。
図13の(a),(b)は図12の(a),(b)に対応した要部拡大図である。
回転ねじ部材95が回転されると、カム可動部材91が移動され、ウェッジカム99の下側の傾斜面101が、下側の制輪子ブロック11Aの摺動傾斜面93に先に当たる。
回転ねじ部材95は、図13の(b)に示すように、ウェッジカム99の上下の傾斜面101が均等に摺動傾斜面93に当たるまで回転する。このままウェッジシャフト97が動かなくなるまで回転させることにより、一組の制輪子ブロック11Aの固定が完了する。
次に、上記した本第3実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造の作用を説明する。
本第3実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、拡張保持機構85が、カム可動部材91と、拡張側端縁27のそれぞれに形成された摺動傾斜面93と、回転ねじ部材95と、を有する。カム可動部材91は、ウェッジシャフト97の軸方向の一端部にねじ部79が形成されると共にウェッジシャフト97の軸方向の他端部にウェッジカム99が一体に形成され、制輪子頭13に対して車輪回転方向と交差する方向(車輪23の踏面幅方向)に移動可能に設けられる。このウェッジカム99は、踏面幅方向で相互に接近離反する形状の一対の傾斜面101を有する。つまり、一対の傾斜面101は、楔形状となる。
摺動傾斜面93は、それぞれの拡張側端縁27に形成され、ウェッジカム99の一対の傾斜面101のそれぞれに摺接する。回転ねじ部材95は、ウェッジシャフト97のねじ部79に螺合され、制輪子頭13に対してカム可動部材91を踏面幅方向に進退動させ、拡張側端縁27同士の間隔を拡張する。本第3実施形態に係る拡張保持機構85は、制輪子頭13の側面に配される回転ねじ部材95を回転させることから側面固定と称すことができる。側面固定の拡張保持機構85は、制輪子頭13の側面に配された回転ねじ部材95を制輪子頭13の側面から回転させ、上下に縦列配置された一組の制輪子ブロック11Aを同時に固定・開放することができる。
本第3実施形態に係る拡張保持機構85においても、部品寸法差により、固定までの一対の傾斜面101の移動距離が上下で異なる。これを解消するため、カム可動部材91のウェッジシャフト97が、制輪子頭13の軸受穴89に挿入されて上下方向に首をふる機構とされている。ウェッジシャフト97が先に一方の制輪子ブロック11Aへ接触すると、ウェッジシャフト97は反対側に回転し(ウェッジシャフト97の軸線を中心に首をふり)、他方の制輪子ブロック11Aに当接する。カム可動部材91は、ウェッジカム99の一対の傾斜面101が、上下の制輪子ブロック11Aに均等に当たるまで回転する。カム可動部材91は、そのまま、ウェッジシャフト97が動かなくなるまで回転ねじ部材95を回転させる。これにより、本第3実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、回転ねじ部材95が回らなくなる位置で、上下に縦列配置された一組の制輪子ブロック11Aとウェッジカム99との隙間が均等に埋まり、固定が完了する。
[参考例]
次に、参考例を説明する。
図14の(a)は参考例に係る鉄道車両用制輪子の取付構造を制輪子頭13側から見た背面図、図14の(b)は同取付構造の側面図、図14の(c)は同取付構造を摩擦材側から見た正面図である。図15の(a)は図14に示した鉄道車両用制輪子の取付構造を制輪子頭13の下端側から見た下面図、図15の(b)は図15の(a)のC-C断面に沿う要部断面図である。なお、参考例においては、図1~図5に示した第1実施形態における部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
この参考例に係る鉄道車両用制輪子の取付構造は、制輪子頭13の背面に設けた偏心シャフト107を回転させ、上下に縦列配置された一組の制輪子ブロック11Bを別々に固定・開放する。
本参考例に係る制輪子頭13の両端には、図14及び図15に示すように、正面側からねじ部179を有した偏心シャフト107がそれぞれ貫通する。制輪子頭13の背面に貫通した偏心シャフト107の先端には、雌ねじ部109を有した回転ねじ部材111が螺合される。回転ねじ部材111の背面には、一対の治具穴113が形成される。回転ねじ部材111の内部には、圧縮ばねが同軸で配置される。圧縮ばねは、回転ねじ部材111を介して偏心シャフト107を背面側へ引き抜く方向にばね力を作用させる。
偏心シャフト107の正面側には、制輪子ブロック脱落防止鍔103が形成される。制輪子ブロック脱落防止鍔103は、それぞれの補強板19の外側端縁115を正面側から押さえることにより制輪子ブロック11Bの脱落を規制する。
図16の(a)は図14に示した制輪子ブロック11Bの斜視図、図16の(b)は図15に示した回転ねじ部材111の斜視図、図16の(c)は図15に示した偏心シャフト107の斜視図である。
図16の(a)に示すように、それぞれの制輪子ブロック11Bにおける補強板19の外側端縁115には、制輪子ブロック固定凹部117が形成される。この制輪子ブロック固定凹部117には、偏心シャフト107の偏芯面119が接触する。
偏芯面119は、偏心シャフト107の軸線に対して偏芯した円形外周面で形成されている。補強板19の外側端縁115と反対側の内側端縁121には、係合凸部123が形成される。一組の補強板19の係合凸部123は、制輪子頭13の中央部に形成された位置決め固定部124における一対の制輪子ブロック固定溝125(図14参照)にそれぞれ挿入される。制輪子ブロック11Bは、補強板19の係合凸部123が制輪子頭13の制輪子ブロック固定溝125に挿入され、補強板19の制輪子ブロック固定凹部117が偏心シャフト107の偏芯面119に係合することで、仮組状態での脱落が防止される。
偏心シャフト107には、偏芯面119の軸端側に、制輪子ブロック脱落防止鍔103が形成される。偏心シャフト107は、制輪子ブロック脱落防止鍔103の反対側に、直径方向の治具係合溝105が形成される。
図17の(a),(b),(c)は参考例に係る鉄道車両用制輪子の取付構造の隙間調整時の動作説明図である。
この参考例に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、開放状態において、図17の(a)に示すように、偏心シャフト107のシャフト中心に対して回転中心がずれている。偏心シャフト107を回転させると、図17の(b)に示すように、偏芯面119が制輪子ブロック固定凹部117を押圧し、制輪子ブロック11Bが制輪子頭13の位置決め固定部124側に移動させられる。図17の(c)に示すように、偏心シャフト107が止まるまで回転することにより、補強板19の内側端縁121が制輪子頭13の位置決め固定部124に当たる。偏心シャフト107の回転後、回転ねじ部材111を回転して固定が完了する。
この参考例に係る鉄道車両用制輪子の取付構造において、制輪子ブロック11Bは上下別に固定されるが、部品寸法差を埋める必要がある。この参考例に係る鉄道車両用制輪子の取付構造では、図17に示すように、偏心シャフト107を回転させて固定することで、これを解消する。しかし、偏心シャフト107だけではゆるみやすいため、その先端にねじ部179を設け、同じく雌ねじ109を切った回転ねじ部材111を締める。なお、この回転ねじ部材111の内部には圧縮ばねを配し、回転ねじ部材111、偏心シャフト107を介して制輪子ブロック11Bを制輪子頭13に押し付ける方向に付勢する。制輪子頭13の背面は輻が狭く、通常の工具では作業がしづらいため、この取付構造では専用工具を用いて偏心シャフト107と回転ねじ部材111を締結できるようにすることが望ましい。
従って、上述した本実施形態に係る鉄道車両用制輪子の取付構造によれば、材質の異なる摩擦材21の組み合わせが可能で、がたつきの無い固定をすることで振動によるノイズや部品の摩耗を低減できるとともに、各部品をシンプルな形状にし、製造や交換、メンテナンスを容易にすることができる。
また、本実施形態に係る制輪子ブロック11,11Aによれば、材質の異なる摩擦材21の組み合わせが可能であるとともに、補強板19や摩擦材21をシンプルな形状にし、製造や交換、メンテナンスを容易にすることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
ここで、上述した本発明に係る鉄道車両用制輪子の取付構造及び制輪子ブロックの実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。
[1] 矩形平板状に形成された補強板(19)の一方の面に摩擦材(21)が固着された制輪子ブロック(11,11A)と、
一組の前記制輪子ブロック(11,11A)が車輪(23)の踏面(25)に沿って縦列配置される制輪子頭(13)と、
前記制輪子頭(13)における車輪回転方向の両端部にそれぞれ設けられ、一組の前記制輪子ブロック(11,11A)における前記補強板(19)の隣接する拡張側端縁(27)と反対側の固定側端縁(29)をそれぞれ位置決め固定する位置決め固定部(15)と、
前記制輪子頭(13)の車輪回転方向の中間部に設けられ、一組の前記制輪子ブロック(11,11A)における前記拡張側端縁(27)同士の間隔を拡張する方向に押圧した状態に保持する拡張保持機構(17,65,85)と、
を備えることを特徴とする鉄道車両用制輪子の取付構造。
[2] 前記拡張側端縁(27)における何れか一方の端部に形成された切欠き(35)と、
前記切欠き(35)に対応して前記制輪子頭(13)に突設され、前記切欠き(35)に係合することにより前記制輪子ブロック(11)の取付方向を規制する誤組付防止突起(37)と、
を備えることを特徴とする上記[1]に記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
[3] 前記固定側端縁(29)に形成された固定側凹部(31)と、
前記位置決め固定部(15)に設けられ、前記固定側凹部(31)に嵌合する固定側突部(47)と、
を備えることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
[4] 前記拡張側端縁(27)に形成された拡張側凹部(33)と、
前記拡張保持機構(17,65)の可動部材(正ねじ可動部材61及び逆ねじ可動部材63、第1可動部材75及び第2可動部材77)に設けられ、前記拡張側凹部(33)に嵌合する拡張側突部(59)と、
を備えることを特徴とする上記[1]~[3]の何れか1つに記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
[5] 前記拡張保持機構(17)は、
軸方向の両端部にそれぞれ正ねじ部(51)と逆ねじ部(53)とが形成され、前記制輪子頭(13)に対して車輪回転方向に沿って移動可能かつ相対回転可能に設けられた両端ねじ部材(49)と、
前記正ねじ部(51)及び前記逆ねじ部(53)にそれぞれ螺合されることにより、前記拡張側端縁(27)同士の間隔を拡張する方向に押圧するように構成されて前記一組の制輪子ブロック(11)の間に介装された一組の可動部材(正ねじ可動部材61及び逆ねじ可動部材63)と、
を備えることを特徴とする上記[1]~[4]の何れか1つに記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
[6] 前記拡張保持機構(65)は、
軸方向の一端部にねじ部(79)が形成され、前記制輪子頭(13)に対して車輪回転方向に沿って移動可能かつ相対回転可能に設けられたねじ部材(73)と、
前記ねじ部(79)に螺合され、隣接する前記拡張側端縁(27)の一方に係合する第1可動部材(75)と、
前記制輪子頭(13)に軸方向移動自在に設けられ、隣接する前記拡張側端縁(27)の他方に係合すると共に前記ねじ部材(73)の一端部に押圧される第2可動部材(77)と、
を備えることを特徴とする上記[1]~[4]の何れか1つに記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
[7] 前記第2可動部材(77)は、前記制輪子頭(13)に対して軸まわりに回転不能に設けられる
ことを特徴とする上記[6]に記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
[8] 前記拡張保持機構(85)は、
軸方向の一端部にねじ部(79)が形成されると共に軸方向に沿ってウェッジカム(99)が一体に形成され、前記制輪子頭(13)に対して車輪回転方向と交差する方向に沿って移動可能に設けられたカム可動部材(91)と、
前記ウェッジカム(99)の一対の傾斜面(101)にそれぞれ対向して摺接するように前記拡張側端縁(27)にそれぞれ形成された摺動傾斜面(93)と、
前記ねじ部(79)に螺合され、前記制輪子頭(13)に対して前記カム可動部材(91)を軸方向に進退動させる回転ねじ部材(95)と、
を備えることを特徴とする上記[1]~[4]の何れか1つに記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
[9] 矩形平板状に形成された補強板(19)の一方の面に摩擦材(21)が固着され、車輪(23)の踏面(25)に沿って制輪子頭(13)に縦列配置される一組の制輪子ブロック(11)であって、
前記一組の制輪子ブロック(11)における前記補強板(19)の隣接する拡張側端縁(27)と、前記拡張側端縁(27)と反対側の固定側端縁(29)との少なくとも何れか一方の端縁には、凹部(固定側凹部31、拡張側凹部33)が形成される
ことを特徴とする制輪子ブロック(11)。
[10] 前記制輪子ブロック(11)における前記摩擦材(21)の車輪側摺動面が、前記車輪(23)の踏面(25)に合わせた面形状に形成され、
前記制輪子ブロック(11)における前記補強板(19)の車輪フランジ側側縁の両端部には、制輪子頭(13)に突設された誤組付防止突起(37)に係合することにより前記制輪子ブロック(11)の取付方向が規制される切欠き(35)が形成される
ことを特徴とする上記[9]に記載の制輪子ブロック(11)。
11…制輪子ブロック
13…制輪子頭
15…位置決め固定部
17…拡張保持機構
19…補強板
21…摩擦材
23…車輪
25…踏面
27…拡張側端縁
29…固定側端縁
31…固定側凹部
33…拡張側凹部
35…切欠き
37…誤組付防止突起
47…固定側突部
49…両端ねじ部材
51…正ねじ部
53…逆ねじ部
59…拡張側突部
61…正ねじ可動部材(可動部材)
63…逆ねじ可動部材(可動部材)

Claims (9)

  1. 矩形平板状に形成された補強板の一方の面に摩擦材が固着された制輪子ブロックと、
    一組の前記制輪子ブロックが車輪の踏面に沿って縦列配置される制輪子頭と、
    前記制輪子頭における車輪回転方向の両端部にそれぞれ設けられ、一組の前記制輪子ブロックにおける前記補強板の隣接する拡張側端縁と反対側の固定側端縁をそれぞれ位置決め固定する位置決め固定部と、
    前記制輪子頭の車輪回転方向の中間部に設けられ、一組の前記制輪子ブロックにおける前記拡張側端縁同士の間隔を拡張する方向に押圧した状態に保持する拡張保持機構と、
    前記固定側端縁に形成された固定側凹部と、
    前記位置決め固定部に設けられ、前記固定側凹部に嵌合することにより前記制輪子頭に対する前記制輪子ブロックの踏面幅方向の移動を規制する固定側突部と、
    を備えることを特徴とする鉄道車両用制輪子の取付構造。
  2. 矩形平板状に形成された補強板の一方の面に摩擦材が固着された制輪子ブロックと、
    一組の前記制輪子ブロックが車輪の踏面に沿って縦列配置される制輪子頭と、
    前記制輪子頭における車輪回転方向の両端部にそれぞれ設けられ、一組の前記制輪子ブロックにおける前記補強板の隣接する拡張側端縁と反対側の固定側端縁をそれぞれ位置決め固定する位置決め固定部と、
    前記制輪子頭の車輪回転方向の中間部に設けられ、一組の前記制輪子ブロックにおける前記拡張側端縁同士の間隔を拡張する方向に押圧した状態に保持する拡張保持機構と、
    前記拡張側端縁に形成された拡張側凹部と、
    前記拡張保持機構の可動部材に設けられ、前記拡張側凹部に嵌合することにより前記制輪子頭に対する前記制輪子ブロックの踏面幅方向の移動を規制する拡張側突部と、
    を備えることを特徴とする鉄道車両用制輪子の取付構造。
  3. 矩形平板状に形成された補強板の一方の面に摩擦材が固着された制輪子ブロックと、
    一組の前記制輪子ブロックが車輪の踏面に沿って縦列配置される制輪子頭と、
    前記制輪子頭における車輪回転方向の両端部にそれぞれ設けられ、一組の前記制輪子ブロックにおける前記補強板の隣接する拡張側端縁と反対側の固定側端縁をそれぞれ位置決め固定する位置決め固定部と、
    前記制輪子頭の車輪回転方向の中間部に設けられ、一組の前記制輪子ブロックにおける前記拡張側端縁同士の間隔を拡張する方向に押圧した状態に保持する拡張保持機構と、
    を備え、
    前記拡張保持機構は、
    軸方向の両端部にそれぞれ正ねじ部と逆ねじ部とが形成され、前記制輪子頭に対して車輪回転方向に沿って移動可能かつ相対回転可能に設けられた両端ねじ部材と、
    前記正ねじ部及び前記逆ねじ部にそれぞれ螺合されることにより、前記拡張側端縁同士の間隔を拡張する方向に押圧するように構成されて前記一組の制輪子ブロックの間に介装された一組の可動部材と、
    を備えることを特徴とする鉄道車両用制輪子の取付構造。
  4. 矩形平板状に形成された補強板の一方の面に摩擦材が固着された制輪子ブロックと、
    一組の前記制輪子ブロックが車輪の踏面に沿って縦列配置される制輪子頭と、
    前記制輪子頭における車輪回転方向の両端部にそれぞれ設けられ、一組の前記制輪子ブロックにおける前記補強板の隣接する拡張側端縁と反対側の固定側端縁をそれぞれ位置決め固定する位置決め固定部と、
    前記制輪子頭の車輪回転方向の中間部に設けられ、一組の前記制輪子ブロックにおける前記拡張側端縁同士の間隔を拡張する方向に押圧した状態に保持する拡張保持機構と、
    を備え、
    前記拡張保持機構は、
    軸方向の一端部にねじ部が形成され、前記制輪子頭に対して車輪回転方向に沿って移動可能かつ相対回転可能に設けられたねじ部材と、
    前記ねじ部に螺合され、隣接する前記拡張側端縁の一方に係合する第1可動部材と、
    前記制輪子頭に軸方向移動自在に設けられ、隣接する前記拡張側端縁の他方に係合すると共に前記ねじ部材の一端部に押圧される第2可動部材と、
    を備えることを特徴とする鉄道車両用制輪子の取付構造。
  5. 前記第2可動部材は、前記制輪子頭に対して軸まわりに回転不能に設けられる
    ことを特徴とする請求項に記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
    を備えることを特徴とする鉄道車両用制輪子の取付構造。
  6. 矩形平板状に形成された補強板の一方の面に摩擦材が固着された制輪子ブロックと、
    一組の前記制輪子ブロックが車輪の踏面に沿って縦列配置される制輪子頭と、
    前記制輪子頭における車輪回転方向の両端部にそれぞれ設けられ、一組の前記制輪子ブロックにおける前記補強板の隣接する拡張側端縁と反対側の固定側端縁をそれぞれ位置決め固定する位置決め固定部と、
    前記制輪子頭の車輪回転方向の中間部に設けられ、一組の前記制輪子ブロックにおける前記拡張側端縁同士の間隔を拡張する方向に押圧した状態に保持する拡張保持機構と、
    を備え、
    前記拡張保持機構は、
    軸方向の一端部にねじ部が形成されると共に軸方向に沿ってウェッジカムが一体に形成され、前記制輪子頭に対して車輪回転方向と交差する方向に沿って移動可能に設けられたカム可動部材と、
    前記ウェッジカムの一対の傾斜面にそれぞれ対向して摺接するように前記拡張側端縁にそれぞれ形成された摺動傾斜面と、
    前記ねじ部に螺合され、前記制輪子頭に対して前記カム可動部材を軸方向に進退動させる回転ねじ部材と、
    を備えることを特徴とする鉄道車両用制輪子の取付構造。
  7. 前記拡張側端縁における何れか一方の端部に形成された切欠きと、
    前記切欠きに対応して前記制輪子頭に突設され、前記切欠きに係合することにより前記制輪子ブロックの取付方向を規制する誤組付防止突起と、
    を備えることを特徴とする請求項1~請求項6の何れか1項に記載の鉄道車両用制輪子の取付構造。
  8. 矩形平板状に形成された補強板の一方の面に摩擦材が固着され、車輪の踏面に沿って制輪子頭に縦列配置される一組の制輪子ブロックであって、
    前記一組の制輪子ブロックにおける前記補強板の隣接する拡張側端縁と、前記拡張側端縁と反対側の固定側端縁との少なくとも何れか一方の端縁には、前記制輪子頭における車輪回転方向の両端部にそれぞれ設けられた位置決め固定部の固定側突部に嵌合することにより前記制輪子頭に対する前記制輪子ブロックの踏面幅方向の移動が規制される凹部が形成される
    ことを特徴とする制輪子ブロック。
  9. 前記制輪子ブロックにおける前記摩擦材の車輪側摺動面が、前記車輪の踏面に合わせた面形状に形成され、
    前記制輪子ブロックにおける前記補強板の車輪フランジ側側縁の両端部には、制輪子頭に突設された誤組付防止突起に係合することにより前記制輪子ブロックの取付方向が規制される切欠きが形成される
    ことを特徴とする請求項8に記載の制輪子ブロック。
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