JP7301930B2 - エナメル線 - Google Patents

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Description

本発明は、モーターやトランス等の電気機器用コイルに使用されるエナメル線およびエナメル線の製造方法に関する。
従来のエナメル線には、例えば横断面が平角形状からなる平角導体の外周に、当該平角導体を被覆するための絶縁皮膜を有するエナメル線がある。
特許文献1では、タフピッチ銅或いは無酸素銅からなり、矩形断面をなしている長軸の長さaと短軸の長さbとの比a/bが15以上であり、短軸の長さbが0.3mm~1.2mmであり、矩形断面の四隅に形成される角部に0.05mm~0.60mmの曲率半径の面取りがなされ、角部の表面の算術平均粗さRaが0.05μm~0.3μmであり、最大高さRzが0.5μm~2.5μmであり、二乗平均平方根粗さRqと最大高さRzの比率(Rq/Rz)が0.06~1.1であるコイル用平角絶縁導線素材が開示されている。また、特許文献1では、上述したコイル用平角絶縁導線素材を製造する場合に、従来の丸線から圧延して平角形状の導線を製造する方法に替えて、スリット加工して矩形断面を有するスリット条材を作製した後、抽伸加工して矩形断面の角部を形成する製造方法によって得られるとされている。
そして、特許文献1では、上述したコイル用平角絶縁導線素材及びその製造方法を適用することにより、矩形断面の角部の曲率半径を精度良く形成して平角導線自体に曲がりや反りが生じにくく、安定した樹脂被覆を有するエナメル線が得られるとされている。
特開2012-195212号公報
平角導体の幅方向(長軸の方向)にエナメル線が曲げられること(すなわち、エッジワイズ曲げ)によってコイルが成形される場合において、長軸の長さと短軸の長さの比からなるアスペクト比が10:1以上で、短軸の長さが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体を備えるエナメル線は、湾曲している部分の頂部付近の絶縁皮膜に亀裂が生じやすい。
そこで、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、アスペクト比が10:1以上で、短軸の長さが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体の外周に被覆された絶縁皮膜がエッジワイズ曲げに対して亀裂が生じにくいエナメル線を提供することである。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記のエナメル線を提供する。
[1]長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、前記短軸の長さbが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体と、前記平角導体の外周に被覆された絶縁皮膜と、を備え、前記平角導体の周囲に前記絶縁皮膜を有する状態でJIS C3216-3に準拠する方法によって引張試験を行ったときの伸び率が40%以上、引張強度が280MPa以下、0.2%耐力が65MPa以上である、エナメル線。
本発明によれば、アスペクト比が10:1以上で、短軸の長さが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体の外周に被覆された絶縁皮膜がエッジワイズ曲げに対して亀裂が生じにくいエナメル線を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るエナメル線の構成例を示す概略横断面図である。 本発明の一実施形態に係るエナメル線を製造するときのフローの一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るエナメル線の製造方法において、平角導体を圧延によって製造するときに用いる圧延ロールを示す概略構成図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係るエナメル線、およびエナメル線の製造方法について図を用いて説明する。
〔エナメル線〕
図1は、本実施形態に係るエナメル線10の構成例を示す概略横断面図である。
本実施形態に係るエナメル線10は、図1に示すように、長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、短軸の長さbが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体11と、平角導体11の外周に被覆され、平角導体11を絶縁するための絶縁皮膜12と、を少なくとも備える。なお、本実施形態に係るエナメル線10において、平角導体11は、例えば、長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上25以下で、短軸の長さbが0.40mm以上0.80mm以下である平角形状の横断面を有するものを対象とする。
エナメル線10において、長軸の長さaとは、平角導体11の対向する2つの短辺111、112間の長さであり、短軸の長さbとは、平角導体11に対向する2つの長辺113、114間の長さである。
エナメル線10は、平角導体11の外周に絶縁皮膜12を有する状態での伸び率が40%以上であることが好ましい。これにより、エナメル線10は、平角導体11の長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、短軸の長さbが0.80mm以下である場合において、コイル成形時にエナメル線10をエッジワイズに曲げ加工(以下、「エッジワイズ曲げ」ともいう)したときに、曲げが加わった部分の絶縁皮膜12(特に、エッジワイズ曲げによって湾曲している部分の頂部付近の絶縁皮膜12)に亀裂が生じにくくすることができる。
また、本実施形態に係るエナメル線10は、平角導体11の外周に絶縁皮膜12を有する状態での引張強度が280MPa以下であることが好ましく、より好ましくは230MPa以上280MPa以下である。さらに、平角導体11の周囲に絶縁皮膜12を有する状態での0.2%耐力は、65MPa以上であることが好ましく、より好ましくは70MPa以上95MPa以下である。エナメル線10は、このような引張強度や0.2%耐力を有することにより、平角導体11の長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、短軸の長さbが0.80mm以下である場合において、コイル成形時のエッジワイズ曲げに対して、曲げが加わった部分の絶縁皮膜12(特に、エッジワイズ曲げによって湾曲している部分の頂部付近の絶縁皮膜12)に亀裂が生じにくくすることができる。
また、本実施形態に係るエナメル線10では、上述した特定の伸び率、引張強度、および0.2%耐力を有することにより、エッジワイズ曲げによってコイル成形するときにおいて、エッジワイズ曲げによって湾曲した部分が短軸の方向へゆらいだ形状になる(例えば、エナメル線10が折れ曲がる)ことを生じさせずに曲げることができる。
なお、エナメル線10の伸び率および引張強度は、JIS C3216-3に準拠する方法によって求めることができる。また、エナメル線10の0.2%耐力は、上記の伸び率および引張強度を測定するときに得られた応力-ひずみ曲線において、得られた応力-ひずみ曲線への接線を原点から引き、次いで、その接線に平行な直線をひずみが0.2%である位置から引いたときに応力-ひずみ曲線と直線とが交差する点(交点)を求め、この交点における応力を0.2%耐力として算出することができる。
(平角導体)
平角導体11は、長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、短軸の長さbが0.80mm以下である。例えば、平角導体11は、「a/b」が10以上25以下で、短軸の長さbが0.40mm以上0.80mm以下であるものを対象とする。また、平角導体11の長軸の長さaは、6mm以上16mm以下であることが好ましい。さらに、平角導体11は、四隅の角部が特定の曲率半径(例えば、0.10mm以上0.60mm以下の曲率半径)を有するように湾曲した横断面を有している。平角導体11は、このような形状からなることにより、エナメル線10をコイルに成形させるときに短軸方向の厚みを小さくさせたコイルとすることができる。また、平角導体11は、このような形状からなることにより、エナメル線10における平角導体11の横断面の面積を小さくさせずに表面積を大きくすることができる。そのため、平角導体11を備えるエナメル線10では、高周波領域(例えば100kHzなど)における抵抗値増加率を小さくすることができる。
平角導体11には、導電性の高い金属、例えば、低酸素銅や無酸素銅、もしくはこれらの純銅と同等の導電性を有する銅合金、あるいはアルミニウム等の金属からなる。
(絶縁皮膜)
絶縁皮膜12は、例えば、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステルイミドのうちから選ばれる絶縁性の樹脂によって構成される絶縁皮膜を平角導体11の外周に被覆される。特に、絶縁皮膜12は、耐熱性を高くするとの観点からすれば、ポリアミドイミド、ポリイミドからなる樹脂によって構成されることが好ましい。また、絶縁皮膜12は、例えば、厚さが20μm以上100μm以下である。絶縁皮膜12の厚さは、耐電圧などの特性の変更に応じて適宜調整することができる。
なお、図1では、平角導体11の外周に絶縁皮膜12が1層で設けられているが、例えば、平角導体11の外周に被覆されて平角導体11との密着性を向上させる第一の絶縁皮膜と、この第一の絶縁皮膜の外周に被覆された上述した樹脂からなる第二の絶縁皮膜と、を有する2層の絶縁皮膜12としてもよい。このような密着性を向上させる第一の絶縁皮膜を平角導体11に接するように被覆することにより、エナメル線10は、コイル成形時のエッジワイズ曲げに対して絶縁皮膜12が平角導体11から剥離しにくくすることができ、また破断しにくくもなる。密着性を向上させる第一の絶縁皮膜は、高い絶縁性を維持しつつ高い密着性を持たせるとの観点から、例えば、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステルイミドのうちから選ばれる絶縁性の樹脂にメラミン類などの密着性を向上させる添加剤が添加されているものなどで構成される。
また、エナメル線10では、平角導体11の外周に絶縁皮膜12を有し、さらに絶縁皮膜12の外周に潤滑性や融着性を有する他の皮膜を有していてもよい。
〔エナメル線の製造方法〕
次に、本発明の一実施形態に係るエナメル線の製造方法について、図2、図3を用いて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るエナメル線を製造するときのフローの一例を示す説明図であり、図3は、本発明の一実施形態に係るエナメル線の製造方法において、平角導体を圧延によって製造するときに用いる圧延ロールを示す概略構成図である。
本実施形態に係るエナメル線の製造方法では、例えば、図2に示すような製造方法のフローによって上述した平角導体11およびエナメル線10を製造する。
より具体的に、本実施形態に係るエナメル線の製造方法は、所定の外形を有する金属線材からなる線材を送出機から圧延装置に送り出して、当該圧延装置によって線材を上述した平角形状の横断面を有する平角導体11に圧延する圧延工程と、圧延によって得られた平角導体11の外周に絶縁塗料を塗装する塗装工程と、絶縁塗料が塗装された平角導体11を加熱する加熱工程と、を有する。そして、本実施形態に係るエナメル線の製造方法では、上述した圧延工程、塗装工程および加熱工程を行うことによって得られる平角線材を巻取機で巻き取ることにより、図1に示す平角導体11の外周に絶縁皮膜12有するエナメル線10が得られる。
なお、これらの各工程は、当該工程の一部又は全てが同一の製造ライン上で行われることであってもよい。また、圧延工程を複数回行う場合は、前工程の圧延工程から次工程のとの間に、圧延して得られた平角導体を焼鈍する焼鈍工程を有することが好ましい。
以下では、上述した各工程について詳述する。
(圧延工程)
平角導体11を形成するための圧延工程では、金属線材からなる線材を圧延装置によって圧延する。線材に使用される金属線材は、例えば、低酸素銅や無酸素銅、もしくはこれらの純銅と同等の導電性を有する銅合金、あるいはアルミニウム等の金属からなる。線材は、横断面が円形状である場合、その直径が8mm以上12mm以下程度である。なお、金属線材が低酸素銅や無酸素銅、もしくはこれらの純銅と同等の導電性を有する銅合金からなる場合、金属線材の圧延のしやすさの観点から、金属線材は軟銅線であることが好ましい。
この圧延工程では、図3に示すように、圧延装置が有する一対の圧延ロール131a、131bを用いて線材1を1回以上圧延することによって長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、短軸の長さbが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体を製造する。なお、平角導体の長軸の長さaは、6mm以上16mm以下である。平角導体は、例えば、長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上25以下で、短軸の長さbが0.40mm以上0.80mm以下である平角形状の横断面を有する。
圧延工程において使用される圧延ロール131a、131bは、線材1を圧延する部分に特定の深さdを有する溝132a、132bが設けられている。そして、図3に示すように、対向する一対の圧延ロール131a、131bの溝132a、132bの各々の内面の一部または全部に線材1が接するように圧延ロールの内部を線材1が通過する。このとき、圧延ロール131a、131bが軸133a、133bを中心軸として同方向に回動することよって線材1を圧延する。このような圧延工程を1回以上、好ましくは1回以上3回以下で行うことにより、図1に示す上述した平角形状の横断面を有する平角導体11を製造する。
この溝132a、132bの深さdは、圧延工程において線材1を圧延して得られる平角導体11が有する長軸の長さaの0.20倍以上0.50倍未満であることが好ましい。例えば、溝132a、132bの深さは、1.20mm以上8.00mm未満の範囲において、圧延して得られる平角導体11の長軸の長さaの大きさに応じて適宜調整する。なお、深さdの大きさは、溝132a、132bの底部から圧延ロール131a、131bの表面134までの距離である。また、圧延ロール131aに有する溝132aの深さdと圧延ロール131bに有する溝132bの深さdとは、同じ大きさであることが好ましい。
これに加えて、圧延ロール131a、131bは、線材1を圧延する部分の溝132a、132bの幅Wが2.00≦d/W≦6.00の関係を満たす大きさを有することが好ましい。溝132a、132bの幅Wは、例えば、0.55mm以上1.35mm以下の範囲において、上記の関係を満たすように深さdの大きさや圧延して得られる平角導体11の短軸の長さbの大きさに応じて適宜調整する。一例を挙げれば、溝132a、132bの深さdが3.50mmであるとき、溝132a、132bの幅Wは、平角導体11の短軸の長さbの大きさに応じて1.00mm以上1.25mm以下の範囲で調整する。このとき、特に、溝132a、132bの幅Wは、平角導体11の短軸の長さdとの関係において、W=d+0.45の関係を満たすことがより好ましい。なお、幅Wの大きさは、溝132a、132bの深さdと直交する方向に沿って溝132a、132bの大きさを測定したときにその大きさが最大となる値である。また、圧延ロール131aに有する溝132aの幅Wと圧延ロール131bに有する溝132bの幅Wとは同じ大きさであることが好ましい。
また、溝132a、132bは、圧延ロール131a、131bの表面134から軸133a、133bの方向へ窪んだ凹形状を有する。凹形状としては、例えば、圧延ロール131a、131bの表面134から軸133a、133bに沿って徐々に縮径した形状、U字形状、テーパ形状などがある。
本実施形態に係るエナメル線の製造方法では、特に圧延工程において、上述した特定の深さdと幅Wとを有する溝132a、132bを備える圧延ロール131a、131bを用いて線材1を圧延することにより、1回の圧延加工において、線材1の長軸の中央部分で折れてしまうことのないように線材1へ加わる応力を小さくし、かつ線材1の加工度を大きくすることができる。その結果、本実施形態に係るエナメル線の製造方法では、アスペクト比の大きい平角導体(すなわち、長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、短軸の長さbが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体)を形成するための圧延回数を低減することができるため、アスペクト比の大きい平角形状の横断面を有する平角導体および当該平角導体を備えるエナメル線を製造するときの生産効率を向上させることができる。
(焼鈍工程)
焼鈍工程では、図3に示す圧延ロール131a、131bを用いて圧延された線材1に対してさらに圧延を行う場合に、次工程の圧延工程の前工程として線材1を焼鈍装置によって焼鈍する。線材1の焼鈍の方法に特段の限定はなく、例えば、焼鈍炉の内部に線材1を搬送させるなどの方法がある。焼鈍工程では、このような方法で線材1に焼鈍が行われることにより、圧延加工によって線材1に生じた加工ひずみを低減させることができる。
なお、圧延工程において、図1に示す上述した平角形状を有する平角導体11を製造したあとは、焼鈍工程を介さずに焼鈍されていない状態の平角導体11を塗装工程へ搬送する。
(塗装工程)
続いて、エナメル線10の製造方法に関し、塗装工程では、圧延工程において形成された平角導体11の外周に被覆される絶縁皮膜12を形成するための絶縁塗料を塗装する。
本実施形態に係るエナメル線10の製造方法では、塗装工程において、平角導体11の周囲に塗装される絶縁塗料の塗装量を調整することが可能な塗装ダイスを用いることが好ましい。このような塗装ダイスとしては、例えば、平角導体11の表面に対向する所定の位置に突起等を有するものがある。このような突起を有する塗装ダイスを適用することにより、平角導体11の周囲に塗装される絶縁塗料が過度に塗装されること、および絶縁塗料の表面張力によって平角導体11の角部に塗装される絶縁塗料の塗装量が減少することを防止することができる。そのため、平角導体11の周囲に形成される絶縁皮膜12が不均一な厚さになることを防止することができる。
平角導体11の外周に塗装される絶縁塗料は、絶縁皮膜12を構成する樹脂成分を有機溶媒に溶解させたものを用いることができる。例えば、ポリイミド、ポリアミドイミドなどからなる樹脂を極性溶媒であるジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルスルホオキシド(DMSO)、N-メチルピロリドン(NMP)などに溶解させた絶縁塗料を用いることができる。また例えば、ホルマールやポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルイミドなどからなる樹脂をクレゾールやキシロールなどに溶解させた絶縁塗料を用いることもできる。
(加熱工程)
続いて、加熱工程では、塗装工程によって絶縁塗料が塗装された平角導体11を加熱装置に導入して加熱する。絶縁塗料が塗装された平角導体11は、加熱装置によって特定の温度に加熱されることにより、平角導体11の外周に塗装された絶縁塗料が硬化するととともに、平角導体11が軟化することになる。加熱工程では、このようにして加熱することにより、平角導体11の外周に絶縁皮膜12を形成する。
本実施形態に係るエナメル線の製造方法では、塗装工程と加熱工程とを複数回繰り返すことにより、平角導体11の外周に所望の厚さ(例えば、20μm以上100μm以下厚さ)の絶縁皮膜12が得られる。
以上の各工程を経ることにより、平角導体11の外周に絶縁皮膜12を形成した平角線材が得られ、この平角線材を巻取機で巻き取ることにより、上述したエナメル線10を製造することができる。
なお、上述したエナメル線10の製造方法では、塗装工程と加熱工程とで構成される絶縁皮膜形成工程を、圧延工程と別の製造ラインで行うことにより、絶縁皮膜12を形成する際の平角導体11に捻じれなどが生じにくい。そのため、このような絶縁皮膜形成工程を圧延工程と別の製造ラインで行う製造方法では、絶縁皮膜12の厚さを均一にしやすくなるため、上述した伸び率、引張強度、0.2%耐力などの諸特性を有するエナメル線10をより安定して製造することができる。
また、上述した平角導体11あるいはエナメル線10の製造方法では、横断面が円形状である金属線材からなる線材を圧延装置によって圧延することにより、アスペクト比の大きい平角形状の横断面を有する平角導体11を形成する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態に係る平角導体11あるいはエナメル線10の製造方法では、横断面が円形状である金属線材をコンフォーム押出機などの押出機に供給し、供給した金属線材を当該押出機によって横断面が平角形状に押出成形することにより、圧延工程で圧延するための線材を形成する押出成形工程を圧延工程の前工程に有してもよい。
押出成形工程では、例えば、直径が8mm以上12mm以下程度であり、横断面が円形状である金属線材を押出機によって、横断面が平角形状の線材が押出される。この押出された線材が圧延するための線材となる。なお、金属線材がタフピッチ銅や無酸素銅などの純銅からなる場合は、押出機から軟銅線の状態の線材が押出される。そして、圧延工程では、この横断面が平角形状である線材を図3に示す圧延ロールを用いて圧延することにより、長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上(例えば、10以上25以下)で、短軸の長さbが0.8mm以下(例えば、0.40mm以上0.80mm以下)である横断面形状を有する平角導体11を製造する。
本実施形態に係るエナメル線10の製造方法では、上述した押出成形工程を有することにより、圧延工程の回数を低減すること、および圧延工程の回数低減に伴う焼鈍工程の回数低減が可能となる。すなわち、本実施形態に係る平角導体11あるいはエナメル線10の製造方法では、上述した押出成形工程と圧延工程とを組み合わせることにより、生産効率の更なる向上が期待できる。
また、本実施形態に係るエナメル線10の製造方法では、圧延を用いて横断面のアスペクト比が10:1以上で、短軸の長さが0.80mm以下である平角導体を製造するときに、図3に示す圧延ロールを用いずに、圧延工程と焼鈍工程とを複数回繰り返すことにより、平角導体11を製造してもよい。
このような図3に示す圧延ロールを用いない圧延工程と焼鈍工程とを複数回繰り返してアスペクト比が大きい平角形状の横断面を有する平角導体11を製造する場合では、図3に示す圧延ロールを用いた場合と同様に、上述した特性を有するエナメル線10を得ることが可能である。ただし、図3に示す圧延ロールを用いない場合は、図3に示す圧延ロールを用いた場合と比較して工程数が多くなる。そのため、生産効率の向上の観点からすれば、図3に示す圧延ロールを用いた圧延工程を含むエナメル線の製造方法が好ましい。
〔本実施形態に係る効果〕
本実施形態によれば、長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、短軸の長さbが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体11と、平角導体11の外周に被覆された絶縁皮膜12と、を備え、伸び率が40%以上、引張強度が280MPa以上、0.2%耐力が65MPa以上であるエナメル線とすることにより、アスペクト比が大きいエナメル線において、コイル成形時のエッジワイズ曲げに対して絶縁皮膜12に亀裂が生じにくくすることができる。
また、本実施形態によれば、圧延ロールを用いて線材を圧延することによって長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、短軸の長さbが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体を形成する圧延工程と、前記平角導体の外周に被覆される絶縁皮膜を形成する絶縁皮膜形成工程と、を含み、当該圧延工程では、圧延ロールが線材を圧延する部分に、圧延して得られる平角導体の長軸の長さaの0.20倍以上0.50倍未満の大きさからなる深さd、および深さdとの関係において、2≦d/W≦6を満たす幅Wを有する溝を備え、線材が溝の内面に接するように圧延ロールを通過することよって線材を圧延する。これにより、本実施形態に係るエナメル線の製造方法では、圧延ロールによって圧延する際に、線材がその長軸の中央部分で折れてしまうことのないように線材へ加わる応力を小さくし、かつ、線材の加工度を大きくすることができる。その結果、本実施形態に係るエナメル線の製造方法では、圧延工程と焼鈍工程との回数を低減することができるため、上述したアスペクト比の大きい平角形状の横断面を有する平角導体11および当該平角導体11を備えるエナメル線10を効率よく製造することができる。
すなわち、本実施形態によれば、アスペクト比が10:1以上で、短軸の長さが0.80mm以下である平角導体11を有し、コイル成形時のエッジワイズ曲げに対して絶縁皮膜12に亀裂が生じにくく、生産性に優れたエナメル線10とその製造方法を提供することができる。
なお、本実施形態に係るエナメル線10は、例えばEV(Electric Vehicle)やHEV(Hybrid Electric Vehicle)等に使用される駆動モーター、太陽光発電に使用される直流昇圧コイル、あるいは電気機器のノイズ対策等に使用されるリアクトルコイルに好適である。
表1に示す試料1では、横断面が円形状のタフピッチ銅(直径:12mm)からなる線材を、押出機を用いて横断面が平角状に押出成形し、次いで、図3に示す圧延ロール(溝の深さd:3.50mm、溝の幅W:1.15mm)を用いて圧延することによって長軸の長さaが14mm、短軸の長さbが0.70mm、角部の曲率半径が0.30mmである横断面が平角形状の平角導体を作製した。次いで、この平角導体の外周に、ポリイミドからなる絶縁性の樹脂に密着性を向上させる添加剤が添加されている絶縁塗料を塗装して加熱することを2回繰り返すことによって第一の絶縁皮膜を形成し、第一の絶縁皮膜の外周にポリアミドイミドからなる絶縁線の樹脂を含む絶縁塗料を塗装する塗装工程と塗装された絶縁塗料を含む平角導体を加熱する加熱工程とを繰り返すことによって第二の絶縁皮膜を形成し、巻取機によって巻き取ることにより、40μmの厚さを有する絶縁皮膜(第一の絶縁皮膜/第二の絶縁皮膜)を備えるエナメル線を製造した。
表1に示す試料2では、横断面が円形状のタフピッチ銅(直径:12mm)からなる線材を、圧延ロール(溝の深さd:1.50mm以下、溝の幅W:2.80mm以下)を用いて圧延を複数回行い、長軸の長さaが14mm、短軸の長さbが0.70mm、角部の曲率半径が0.30mmである横断面が平角形状の平角導体を作製した。なお、試料2では、圧延を複数回行う際に焼鈍炉にて焼鈍を行った。次いで、この平角導体の外周に、ポリイミドからなる絶縁性の樹脂に密着性を向上させる添加剤が添加されている絶縁塗料を塗装して加熱することを2回繰り返すことによって第一の絶縁皮膜を形成し、第一の絶縁皮膜の外周にポリアミドイミドからなる絶縁性の樹脂を含む絶縁塗料を塗装する工程と、塗装された絶縁塗料を含む平角導体を加熱する加熱工程とを繰り返すことによって第二の絶縁皮膜を形成し、巻取機によって巻き取ることにより、43μmの厚さを有する絶縁皮膜(第一の絶縁皮膜/第二の絶縁皮膜)を備えるエナメル線を製造した。
以下の表1では、試料1、2のエナメル線の特性等について評価を行った。表1では、エナメル線の特性として、伸び率、引張強度、0.2%耐力、エッジワイズ曲げを評価した結果、及び生産性を評価した結果を示す。
Figure 0007301930000001
(伸び率、引張強度、0.2%耐力)
表1において、エナメル線の伸び率および引張強度は、平角導体の周囲に絶縁皮膜を有する状態でJIS C3216-3に準拠する方法によって引張試験を行い、測定した。また、エナメル線の0.2%耐力は、上記の伸び率および引張強度を測定するときに得られた応力-ひずみ曲線において、得られた応力-ひずみ曲線への接線を原点から引き、次いで、その接線に平行な直線をひずみが0.2%である位置から引いたときに応力-ひずみ曲線と直線とが交差する点(交点)を求め、この交点における応力を0.2%耐力として測定した。
(エッジワイズ曲げ)
表1において、エナメル線のエッジワイズ曲げは、平角導体の周囲に絶縁皮膜を有するエナメル線の状態でJIS C3216-3 JA.5.1.2 a)に準拠する方法によって試験した。なお、本試験では、直径が16mmのマンドレルの表面にエナメル線の長軸の方向に位置する絶縁皮膜の表面が接した状態で当該エナメル線をエッジワイズに180度曲げ、この曲げによってエナメル線の絶縁皮膜に亀裂が生じるか否かを評価した。
(生産性)
表1において、生産性は、圧延工程にて平角導体を作製する際の圧延回数によって評価した。
表1に示すように、試料1、2のエナメル線では、長軸の長さaと短軸の長さbとの比「a/b」が10以上で、短軸の長さbが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体の外周に被覆された絶縁皮膜を備え、平角導体の外周に絶縁皮膜を有する状態において、伸び率が40%以上、引張強度が280MPa以下、0.2%耐力が65MPa以上である。このようなエナメル線とすることにより、アスペクト比が10:1以上で、短軸の長さが0.80mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体の外周に被覆された絶縁皮膜がエッジワイズに曲げられたときに亀裂が生じにくいことが分かる。なお、試料1、2のエナメル線では、上述したエッジワイズ曲げを行うときにおいて、湾曲させる部分(180度曲げを施す部分)が治具等を用いなくとも短軸の方向へゆらいだ形状にならずに曲げることができた。
また、表1に示すように、図3に示す圧延ロールを用いた圧延工程を含むエナメル線の製造方法(試料1の製造方法)では、図3に示す圧延ロールを用いない圧延工程を含むエナメル線の製造方法(試料2の製造方法)よりも生産性に優れる(すなわち、生産効率がよい)ことが分かる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
上記に記載した実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
10 エナメル線
11 平角導体
12 絶縁皮膜

Claims (3)

  1. 圧延加工されたタフピッチ銅からなる線材であり、対向する2つの短辺の間の長さである長軸の長さaと対向する2つの長辺の間の長さである短軸の長さbとの比「a/b」が10以上25以下で、前記短軸の長さbが0.40mm以上0.80mm以下で、前記長軸の長さaが6mm以上16mm以下である平角形状の横断面を有する平角導体と、
    前記平角導体の外周に被覆され、ポリイミドからなる絶縁性の樹脂によって構成される第1の絶縁皮膜と、前記第1の絶縁皮膜の外周に形成され、ポリアミドイミドからなる絶縁性の樹脂によって構成される第2の絶縁皮膜と、からなる絶縁皮膜と、を備え、
    前記平角導体の周囲に前記絶縁皮膜を有する状態でJIS C3216-3に準拠する方法によって引張試験を行ったときの伸び率が40%以上、引張強度が280MPa以下、0.2%耐力が65MPa以上であり、
    前記平角導体の周囲に前記絶縁皮膜を有する状態において、直径が16mmのマンドレルの表面に前記絶縁皮膜の表面が接した状態で前記長軸の方向に曲げたときに、曲げた部分が前記短軸の方向に折れ曲がらずに180度に曲がる、エナメル線。
  2. 前記第1の絶縁皮膜は、前記平角導体との密着性を向上させる添加剤が添加されている、
    請求項に記載のエナメル線。
  3. 前記平角導体の周囲に前記絶縁皮膜を有する状態において、JIS C3216-3に準拠する方法を用い、直径が16mmのマンドレルの表面に前記絶縁皮膜の表面が接した状態でエッジワイズに180度曲げたときに前記絶縁皮膜に亀裂が生じない、
    請求項1または2に記載のエナメル線。
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