JP7301607B2 - 放射線診断装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、放射線診断装置に関する。
X線CT(Computed Tomography)装置やPET(Positron Emission Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置等の放射線診断装置では、シンチレータによってX線やガンマ線等の放射線が可視光に変換される。そして、フォトダイオード等の光センサによって可視光がアナログ形式の電気信号に変換される。そして、DAS(Data Acquisition System)等によってアナログ形式の電気信号がデジタル形式の電気信号(デジタルデータ)に変換される。
シンチレータは、X線の入力に対して、発せられる光が時間をかけて徐々に減衰する遅延蛍光(アフターグロー)という特性を有する。アフターグローによって、例えば、X線CT装置による撮影において、後続の複数のビューに亘って、シンチレータから光が発せられる。このため、放射線診断装置により得られる放射線画像の時間分解能が悪化したり、放射線画像にアーチファクトが発生したり、放射線画像がぼけたりする。例えば、X線のエネルギーが刻々と変化するデュアルエナジースキャンや、X線管及びX線検出器が高速で回転する高速スキャンでは、アフターグローを起因として時間分解能が顕著に悪化したり、アフターグローを起因とするアーチファクトが顕著に発生したりする。また、心臓等の動きが比較的速い撮影対象を高速スキャンで撮影する場合にも、アフターグローを起因として時間分解能が顕著に悪化したり、アフターグローを起因とするアーチファクトが顕著に発生したりする。
一方で、アフターグローによって、光センサから出力される電気信号のS/N(signal-to-noise ratio)が改善される面もある。そして、例えば、骨等の動きが小さい撮影対象を撮影する場合には、ノイズの少ない画像を得るために、アフターグローの影響を許容してでも、S/Nを良好にしたいという操作者の要望がある。また、例えば、体幹部等のノイズの影響を比較的受けやすい撮影対象を撮影する場合にも、ノイズの少ない画像を得るために、アフターグローの影響を許容してでも、S/Nを良好にしたいという操作者の要望がある。
したがって、撮影する部位、スキャン条件に応じて適切にアフターグローの影響を低減させることが望まれる。
特開平10-274675号公報 特表2016-519183号公報 特開平11-160440号公報
本発明が解決しようとする課題は、適切にアフターグローの影響を低減させることができる放射線診断装置を提供することである。
実施形態の放射線診断装置は、放射線検出器と、受付部と、処理部とを備える。放射線検出器は、入射放射線に応じて発光するシンチレータ、及び、シンチレータから発せられた光を検出し当該光に応じた信号を出力する光センサを含む。受付部は、スキャン条件の入力を受け付ける。処理部は、スキャン条件に基づいて、放射線検出器からの出力に対してアフターグローの影響を低減する処理を実行する。
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成の一例を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係るX線検出器の構成の一例を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係るX線CT装置が実行する第1処理の一例の流れを示すフローチャートである。 図4は、第1の実施形態の変形例1に係るX線検出器の構成の一例を示す図である。 図5Aは、第1の実施形態の変形例2に係る光センサの有感体積の一例を示す図である。 図5Bは、第1の実施形態の変形例2に係る光センサの有感体積の一例を示す図である。 図6は、第1の実施形態の変形例3に係るX線CT装置が実行する処理の一例を説明するための図である。 図7は、第2の実施形態に係るX線CT装置の構成の一例を示す図である。 図8は、第2の実施形態に係るX線検出器の構成の一例を示す図である。 図9は、第2の実施形態に係るX線CT装置が実行する第2処理の一例の流れを示すフローチャートである。 図10は、第3の実施形態に係るX線CT装置の構成の一例を示す図である。 図11は、第3の実施形態に係るX線検出器の構成の一例を示す図である。 図12は、第3の実施形態に係るX線CT装置が実行する第3処理の一例の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、放射線診断装置の実施形態について詳細に説明する。なお、一つの実施形態又は変形例に記載した内容は、他の実施形態又は他の変形例にも同様に適用されてもよい。
(第1の実施形態)
図1を参照しながら、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、X線CT装置1は、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。X線CT装置1は、放射線診断装置の一例である。
図1においては、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向とする。また、Z軸方向及びX軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とする。なお、図1は、説明のために架台装置10を複数方向から描画したものであり、X線CT装置1が架台装置10を1つ有する場合を示す。
架台装置10は、X線管11と、X線検出器12と、回転フレーム13と、X線高電圧装置14と、制御装置15と、ウェッジ16と、コリメータ17と、DAS18とを有する。架台装置10は、収集部の一例である。
X線管11は、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有する真空管である。X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加により、陰極から陽極に向けて熱電子を照射することで、被検体Pに対し照射するX線を発生する。例えば、X線管11には、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。なお、X線管11は、X線発生部の一例である。
X線検出器12は、X線管11から照射されて被検体Pを通過したX線を検出し、検出したX線量に対応した信号をDAS18へと出力する。X線検出器12は、例えば、X線管11の焦点を中心とした1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数の検出素子が配列された、複数の検出素子列を有する。X線検出器12は、例えば、チャネル方向に複数の検出素子が配列された検出素子列が列方向(スライス方向、row方向)に複数配列された構造を有する。X線は、放射線の一例である。
図2は、第1の実施形態に係るX線検出器12の構成の一例を示す図である。図2に示すように、X線検出器12は、例えば、シンチレータアレイ12aと、光センサアレイ12bと、グリッド(図示せず)とを有する間接変換型の検出器である。
シンチレータアレイ12aは、複数のシンチレータ12a_1を有する。シンチレータ12a_1は入射X線量に応じた光子量の光(シンチレーション光)を出力するシンチレータ結晶を有する。すなわち、シンチレータ12a_1は、入射X線に応じて発光する。グリッドは、シンチレータアレイ12aのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。
図2に示すように、シンチレータ12a_1は、入射X線に応じて、短波長の光90及び長波長の光91を発する。光90は、入射X線に対して即時にシンチレータ12a_1から発せられた後、即時に減衰する(即発蛍光)。一方、光91は、アフターグローであり、入射X線に対してシンチレータ12a_1から発せられた後、ゆっくり時間をかけて徐々に減衰する。ここで、アフターグローの波長(ピーク波長)は、一般的に、即発蛍光と比して長い。本実施形態では、光91の波長(ピーク波長)は、光90の波長(ピーク波長)よりも長い。
光センサアレイ12bは、複数の光センサ12b_1及び複数の光センサ12b_2を有する。第1の実施形態に係る光センサ12b_1,12b_2は、例えば、フォトダイオード等により実現される。X線検出器12は、単一(1つ)のシンチレータ12a_1に対して1つの光センサ12b_1及び1つの光センサ12b_2が対応付けられて構成されている。図2に示すように、シンチレータ12a_1、光センサ12b_1及び光センサ12b_2が、矢印92が示す深さ方向に沿って、この順で配置されている。光センサ12b_1は、第1の光センサの一例である。光センサ12b_2は、第2の光センサの一例である。
光センサ12b_1,12b_2は、光センサ12b_1,12b_2に対応付けられたシンチレータ12a_1からの光を、光量に応じた電気信号に変換する機能を有する。すなわち、光センサ12b_1,12b_2は、単一のシンチレータ12a_1から発せられた光を検出し、検出した光に応じた電気信号を出力する。X線検出器12は、放射線検出器の一例である。また、電気信号は、信号の一例である。
ここで、光センサ12b_1は、光90を検出可能な波長感度特性を有する。また、光センサ12b_2は、光91を検出可能な波長感度特性を有する。すなわち、光センサ12b_1により検出可能な光の波長帯域内に、光90の波長(ピーク波長)が含まれる。また、光センサ12b_2により検出可能な光の波長帯域内に、光91の波長(ピーク波長)が含まれる。本実施形態では、光センサ12b_1を構成する材料の種類と、光センサ12b_2を構成する材料の種類とが異なるため、光センサ12b_1が有する波長感度特性と、光センサ12b_2が有する波長感度特性とが異なる。
したがって、光センサ12b_1は、光90を検出し、光90に応じた電気信号を出力する。また、光センサ12b_2は、光91を検出し、光91に応じた電気信号を出力する。以下の説明では、光90に応じた電気信号を、第1電気信号と称し、光91に応じた電気信号を、第2電気信号と称する場合がある。
図1の説明に戻り、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。例えば、回転フレーム13は、アルミニウムを材料とした鋳物である。なお、回転フレーム13は、X線管11及びX線検出器12に加えて、X線高電圧装置14やウェッジ16、コリメータ17、DAS18等を更に支持することもできる。更に、回転フレーム13は、図1において図示しない種々の構成を更に支持することもできる。以下では、架台装置10において、回転フレーム13、及び、回転フレーム13と共に回転移動する部分を、回転部とも記載する。
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生する高電圧発生装置と、X線管11が発生するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。なお、X線高電圧装置14は、回転フレーム13に設けられてもよいし、図示しない固定フレームに設けられても構わない。
制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。制御装置15は、入力インターフェース43からの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う。例えば、制御装置15は、回転フレーム13の回転や架台装置10のチルト、寝台装置30及び天板33の動作等について制御を行う。一例を挙げると、制御装置15は、架台装置10をチルトさせる制御として、入力された傾斜角度(チルト角度)情報により、X軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させる。なお、制御装置15は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられてもよい。
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線の分布が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ16は、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウム等を加工したフィルタである。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。なお、コリメータ17は、X線絞りと呼ばれる場合もある。また、図1においては、X線管11とコリメータ17との間にウェッジ16が配置される場合を示すが、X線管11とウェッジ16との間にコリメータ17が配置される場合であってもよい。この場合、ウェッジ16は、X線管11から照射され、コリメータ17により照射範囲が制限されたX線を透過して減衰させる。
DAS18は、X線検出器12が有する各検出素子によって検出されるX線の信号を収集する。例えば、DAS18は、各検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。
以下の説明では、DAS18により、第1電気信号(光90に応じた電気信号)を基に生成された検出データを、第1検出データと称する場合がある。また、DAS18により、第2電気信号(光91に応じた電気信号)を基に生成された検出データを、第2検出データと称する場合がある。
DAS18が生成したデータは、回転フレーム13に設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode: LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置10の非回転部分(例えば、固定フレーム等。図1での図示は省略している)に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置40へと転送される。ここで、非回転部分とは、例えば、回転フレーム13を回転可能に支持する固定フレーム等である。なお、回転フレーム13から架台装置10の非回転部分へのデータの送信方法は、光通信に限らず、非接触型の如何なるデータ伝送方式を採用してもよいし、接触型のデータ伝送方式を採用しても構わない。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを有する。基台31は、支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を、天板33の長手方向に移動する駆動機構であり、モータ及びアクチュエータ等を含む。支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長手方向に移動してもよい。
コンソール装置40は、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44とを有する。なお、コンソール装置40は架台装置10とは別体として説明するが、架台装置10にコンソール装置40又はコンソール装置40の各構成要素の一部が含まれてもよい。
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ41は、例えば、投影データや再構成画像データを記憶する。また、例えば、メモリ41は、X線CT装置1に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。なお、メモリ41は、X線CT装置1とネットワークを介して接続されたサーバ群(クラウド)により実現されることとしてもよい。メモリ41は、記憶部の一例である。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された画像データが示す画像を表示したり、医師や診療放射線技師等の操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を表示したりする。例えば、ディスプレイ42は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、スキャン条件を操作者から受け付ける。例えば、スキャン条件には、本スキャンにおける管電圧値や管電流値、回転部の回転速度に関する設定値、FOV(Field Of View)、撮影スライス厚、撮影範囲、撮影対象部位等が含まれる。
例えば、入力インターフェース43は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インターフェース43は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、コンソール装置40とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。入力インターフェース43は、受付部の一例である。
処理回路44は、X線CT装置1全体の動作を制御する。なお、処理回路44は、コンソール装置40に含まれる場合に限られない。例えば、処理回路44は、複数のX線CT装置にて取得された検出データに対する処理を一括して行なう統合サーバに含まれてもよい。例えば、X線CT装置1とネットワークで接続された統合サーバが処理回路44を有してもよい。この場合、X線CT装置1は、収集した検出データを統合サーバへ送信する。そして、統合サーバは、検出データを受信する。そして、統合サーバの処理回路44は、受信した検出データに対して、以下で説明する各種の処理を実行する。
例えば、処理回路44は、システム制御機能441、前処理機能442、処理実行機能443、再構成処理機能444、画像処理機能445及び出力機能446を実行する。例えば、処理回路44は、メモリ41からシステム制御機能441に相当するプログラム(制御プログラム)を読み出して実行することにより、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各種機能を制御する。
システム制御機能441は、X線CT装置1を制御して、位置決め撮影を実行する。例えば、システム制御機能441は、X線管11の位置を所定の回転角度に固定し、天板33をZ方向に移動させながらX線管11からのX線を被検体Pに照射することで、位置決め撮影を実行する。また、処理回路44は、メモリ41から再構成処理機能444に相当するプログラムを読み出して実行することにより、位置決め撮影により収集されたX線の信号に基づいて、位置決め画像データを生成する。なお、位置決め画像データは、スキャノ画像データやスカウト画像データと呼ばれる場合もある。
そして、システム制御機能441は、位置決め画像データが示す位置決め画像をディスプレイ42に表示させる。そして、システム制御機能441は、位置決め画像を確認した操作者から、入力インターフェース43を介して入力されたスキャン条件を取得する。そして、システム制御機能441は、取得したスキャン条件をメモリ41に格納する。なお、システム制御機能441は、位置決め画像データに基づいて、自動的に、本スキャンのスキャン条件を設定してもよい。
そして、システム制御機能441は、スキャン条件に基づいて、X線CT装置1を制御して、以下に説明する、投影データを収集する本スキャンを実行する。例えば、システム制御機能441は、寝台駆動装置32を制御することにより、被検体Pを架台装置10の撮影口内へ移動させる。また、システム制御機能441は、コリメータ17の開口度及び位置を調整する。また、システム制御機能441は、制御装置15を制御することにより回転部を回転させる。また、システム制御機能441は、X線高電圧装置14を制御することにより、X線管11へ高電圧を供給させる。これにより、X線管11は、被検体Pに対して照射するX線を発生する。
システム制御機能441によって本スキャンが実行される間、DAS18は、複数の検出素子によって検出される複数のX線の信号を収集し、検出データを生成する。また、処理回路44は、メモリ41から前処理機能442に相当するプログラムを読み出して実行することにより、DAS18から出力された検出データに対して前処理を施す。例えば、前処理機能442は、DAS18から出力された検出データに対して、対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施す。なお、前処理を施した後のデータは、生データとも称される。また、前処理を施す前の検出データ及び前処理を施した後の生データは、総称して、投影データとも称される。
以下の説明では、前処理機能442により前処理が施された第1検出データを、第1生データと称する場合がある。また、前処理機能442により前処理が施された第2検出データを、第2生データと称する場合がある。
また、処理回路44は、メモリ41から処理実行機能443に相当するプログラムを読み出して実行することにより、スキャン条件に基づいて、X線検出器12からの出力、すなわち、前処理が施された生データに対してアフターグローの影響を低減する処理(第1処理)を実行する。処理実行機能443は、処理部の一例である。処理実行機能443の詳細については後述する。
また、処理回路44は、メモリ41から再構成処理機能444に相当するプログラムを読み出して実行することにより、第1処理後の生データに基づいてCT画像データを再構成する。具体的には、再構成処理機能444は、第1処理後の生データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを再構成する。再構成処理機能444は、再構成処理部の一例である。CT画像データは、放射線画像データの一例である。また、CT画像は、放射線画像の一例である。
また、処理回路44は、メモリ41から画像処理機能445に相当するプログラムを読み出して実行することにより、CT画像データに対して各種の画像処理を施す。例えば、画像処理機能445は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作等に基づいて、再構成されたCT画像データを、公知の方法により任意断面の断層像データや3次元画像データに変換する。また、画像処理機能445は、変換した断層像データや3次元画像データをメモリ41に記憶させる。
また、処理回路44は、メモリ41から出力機能446に相当するプログラムを読み出して実行することにより、断層像データや3次元画像データ、CT画像データ等を出力する。例えば、出力機能446は、断層像データが示す断層像やCT画像データが示すCT画像等の各種の画像をディスプレイ42に表示させる。出力機能446は、表示制御部の一例である。また、例えば、出力機能446は、断層像データや3次元画像データ、CT画像データを、X線CT装置1とネットワークを介して接続された外部装置(例えば、画像データを保管するサーバ装置等)に出力する。
図1に示すX線CT装置1においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ41に記憶されている。処理回路44は、メモリ41から各プログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路44は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。なお、図1においては、システム制御機能441、前処理機能442、処理実行機能443、再構成処理機能444、画像処理機能445及び出力機能446の各処理機能が単一の処理回路44によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、処理回路44は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路44が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、若しくは、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、又は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサはメモリ41に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
なお、図1においては、単一のメモリ41が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。しかしながら、複数のメモリ41を分散して配置し、処理回路44は、個別のメモリ41から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。また、メモリ41にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
また、処理回路44は、ネットワークを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、各種の機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路44は、メモリ41から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、X線CT装置1とネットワークを介して接続された外部のワークステーションや、サーバ群(クラウド)を計算資源として利用することにより、図1に示す各機能を実現してもよい。
以上、X線CT装置1の構成の一例について説明した。かかる構成の下、X線CT装置1は、適切にアフターグローの影響を低減させることができるように、以下に説明する各種の処理を実行する。
図3は、第1の実施形態に係るX線CT装置1が実行する第1処理の一例の流れを示すフローチャートである。図3の例に示すように、処理実行機能443は、スキャン条件が記憶されたメモリ41から、スキャン条件を取得する(ステップS101)。
そして、処理実行機能443は、スキャン条件から、アフターグローの影響を抑制するのか、又は、アフターグローの影響を許容しつつS/Nの向上を図るのかを、判定する(ステップS102)。
例えば、スキャン条件に含まれる撮影対象が心臓等の動きが比較的速い部位である場合には、アフターグローを起因とする時間分解能の悪化やアーチファクトの発生が考えられる。また、スキャン条件が示す照射X線のエネルギーが刻々と変化する場合(例えば、デュアルエナジー収集の場合)にも、アフターグローを起因とする時間分解能の悪化やアーチファクトの発生が考えられる。
そこで、これらの場合、すなわち、アフターグローの影響を抑制する場合(ステップS102:アフターグローの影響を抑制)には、処理実行機能443は、ステップS103に進む。ステップS103では、処理実行機能443は、以下の式(1)にしたがって、第1生データに、第2の生データが所定の重み付けの係数αにより重み付けされることにより得られた生データを加算することにより、第3生データを生成する。
D3=D1+(α×D2) (1)
ただし、「+」は、加算を示す記号であり、「×」は、乗算を示す記号である。また、「D1」は、第1生データを示し、「D2」は、第2生データを示し、「D3」は、第3生データを示す。また、係数αは、0以上1未満の値である。係数αの値が、0に近づくほど、第3生データから再構成されるCT画像データにおけるアフターグローの影響が小さくなる。一方、係数αの値が、1に近づくほど、第3生データから再構成されるCT画像データにおけるアフターグローの影響が大きくなる。係数αの値は、例えば、操作者により設定される。
式(1)において、「α×D2」は、所定の係数αで重み付けされた第2生データを示す。ステップS103で生成された第3生データは、再構成処理機能444によりCT画像データを再構成する際に用いられる1チャネルのデータである。
このように、処理実行機能443は、スキャン条件に基づいて、光センサ12b_2の寄与を光センサ12b_1と比して低減させる。具体的には、処理実行機能443は、光センサ12b_1から出力される第1電気信号に基づく第1生データに対する光センサ12b_2から出力される第2電気信号に基づく第2生データの割合が、比較的低くなるように、第3生データを生成する。そして、処理実行機能443は、第3生データが、CT画像データを再構成する際に用いられるように制御する。そして、第1処理が終了される。この場合、再構成処理機能444は、第3生データを用いて、CT画像データを再構成する。したがって、再構成されたCT画像データの時間分解能の悪化、及び、アーチファクトの発生を抑制することができる。
ここで、アフターグローの測定値をモデルとして用いて、ソフトウェアによって補正をかける従来手法がある。このような従来手法に対して、第1の実施形態に係るX線CT装置1は、物理的にアフターグローの影響が抑制された第3生データを用いて、CT画像データを再構成する。したがって、第1の実施形態に係るX線CT装置1によれば、従来手法よりも確実に、アフターグローの影響を低減することができる。また、第1の実施形態に係るX線CT装置1によれば、従来手法における計算機による補正を行う際の処理負荷よりも、少ない処理負荷で、アフターグローの影響を低減することができる。
一方、スキャン条件に含まれる撮影対象が骨等の動きが比較的小さい部位である場合には、アフターグローの影響を許容してでも、S/Nを良好にすることが考えられる。また、スキャン条件に含まれる撮像対象が、体幹部等のノイズの影響を比較的受けやすい部位である場合にも、アフターグローの影響を許容してでも、S/Nを良好にすることが考えられる。そこで、これらの場合、すなわち、S/Nの向上を図る場合(ステップS102:S/Nの向上)には、処理実行機能443は、ステップS104に進む。
ステップS104では、処理実行機能443は、以下の式(2)にしたがって、第1生データに、第2生データを加算することにより、第4生データを生成する。
D4=D1+D2 (2)
ただし、「D4」は、第4生データを示す。
第4生データは、再構成処理機能444によりCT画像データを再構成する際に用いられる1チャネルのデータである。そして、第1処理が終了される。この場合、再構成処理機能444は、第4生データを用いて、CT画像データを再構成する。したがって、再構成されたCT画像データのS/Nの改善を図ることができる。
以上、第1の実施形態に係るX線CT装置1について説明した。第1の実施形態に係るX線CT装置1によれば、適切にアフターグローの影響を低減させることができる。また、第1の実施形態に係るX線CT装置1によれば、従来では、アフターグローによる影響が強いため使用することが困難であった、高発光かつ低価格のシンチレータを、シンチレータ12a_1として使用することができる。また、第1の実施形態に係るX線CT装置1によれば、互いにトレードオフの関係にある時間分解能及びS/Nを適切に調整することができる。
(第1の実施形態の変形例1)
なお、第1の実施形態では、光センサ12b_1及び光センサ12b_2が、矢印92が示す深さ方向に並んで配置される場合について説明した。しかしながら、光センサ12b_1及び光センサ12b_2の配置は、これに限られない。そこで、光センサ12b_1及び光センサ12b_2の配置の他の例を、第1の実施形態の変形例1として説明する。
以下、第1の実施形態の変形例1の説明では、第1の実施形態と異なる点を主に説明し、第1の実施形態と同様の構成の説明については、省略する場合がある。図4は、第1の実施形態の変形例1に係るX線検出器12の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、矢印92が示す深さ方向ではなく、シンチレータ12a_1の一面に沿って、光センサ12b_1及び光センサ12b_2が並ぶように配置されている。このため、第1の実施形態の変形例1によれば、第1の実施形態と比較して、光センサアレイ12bの深さ方向の寸法の増大を抑制することができる。すなわち、第1の実施形態の変形例1によれば、光センサアレイ12bのサイズの増大を抑制することができる。
以上、第1の実施形態の変形例1について説明した。第1の実施形態の変形例1によれば、図4に示すように光センサ12b_1,12b_2を配置した場合であっても、第1の実施形態と同様に、適切にアフターグローの影響を低減させることができる。また、第1の実施形態の変形例1によれば、光センサアレイ12bのサイズの増大を抑制することができる。
(第1の実施形態の変形例2)
第1の実施形態では、光センサ12b_1を構成する材料の種類と、光センサ12b_2を構成する材料の種類とが異なるため、光センサ12b_1が有する波長感度特性と、光センサ12b_2が有する波長感度特性とが異なる場合について説明した。しかしながら、光センサ12b_1を構成する材料の種類と、光センサ12b_2を構成する材料の種類とが同一であってもよい。そして、光センサ12b_1の有感体積と、光センサ12b_2の有感体積とが異なることにより、光センサ12b_1が有する波長感度特性と、光センサ12b_2が有する波長感度特性とを異ならせてもよい。そこで、このような変形例を、第1の実施形態の変形例2として説明する。
以下、第1の実施形態の変形例2の説明では、第1の実施形態と異なる点を主に説明し、第1の実施形態と同様の構成の説明については、省略する場合がある。第1の実施形態の変形例2では、光センサ12b_1を構成する材料の種類と、光センサ12b_2を構成する材料の種類とが同一である。ただし、後述するように、光センサ12b_1の有感体積と、光センサ12b_2の有感体積とが異なる。
図5Aは、第1の実施形態の変形例2に係る光センサ12b_2の有感体積の一例を示す図である。図5Bは、第1の実施形態の変形例2に係る光センサ12b_1の有感体積の一例を示す図である。ここでは、有感体積を、模式的に、直方体で表す。
図5A及び図5Bに示すように、光センサ12b_2の有感体積及び光センサ12b_1の有感体積において、長さL1の辺及び長さL2の辺が共通する。長さL1の辺と、長さL2の辺とで規定される2つの面のうち1つの面Fが、シンチレータ12a_1の一面と対向する。そして、図5Aに示す矢印92により示される深さ方向に延びる長さL3の辺は、図5Bに示す深さ方向に延びる長さL4の辺よりも長い。これは、光センサ12b_1,12b_1に入射されるシンチレーション光の波長が長くなるほど、深さ方向におけるキャリアの発生位置が、より深くなるからである。したがって、光センサ12b_2の有感体積の方が、光センサ12b_1の有感体積よりも大きい。
このような構成により、光センサ12b_1は、光90を検出可能な波長感度特性を有し、光センサ12b_2は、光90及び光91を検出可能な波長感度特性を有する。そして、変形例2では、X線CT装置1は、光センサ12b_1から出力される電気信号を第1電気信号とし、光センサ12b_2から出力される電気信号を第2電気信号として、第1の実施形態と同様の処理を行う。
以上、第1の実施形態の変形例2について説明した。第1の実施形態の変形例2によれば、光センサ12b_1を構成する材料の種類と、光センサ12b_2を構成する材料の種類とが同一であっても、光センサ12b_1が有する波長感度特性と、光センサ12b_2が有する波長感度特性とを異ならせることができる。また、第1の実施形態の変形例2によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
(第1の実施形態の変形例3)
次に、第1の実施形態の変形例3に係るX線CT装置1について説明する。第1の実施形態の変形例3では、X線CT装置1が、X線のエネルギーを推定する。
以下、第1の実施形態の変形例3の説明では、第1の実施形態と異なる点を主に説明し、第1の実施形態と同様の構成の説明については、省略する場合がある。図6は、第1の実施形態の変形例3に係るX線CT装置1が実行する処理の一例を説明するための図である。
第1の実施形態の変形例3に係る処理実行機能443は、図6に示すように、光センサ12b_1から出力される電気信号に基づくデータ(例えば、第1生データ)61と、光センサ12b_2から出力される電気信号に基づくデータ(例えば、第2生データ)62との差D又は比を算出する。ここで、算出された差D又は比は、シンチレータ12a_1の深さ方向における光が発生した位置に対応する。例えば、シンチレータ12a_1内部をシンチレーション光が伝播する際に、シンチレータ12a_1の媒質中の光の透過率が波長によって異なる。このため、差Dが大きくなるほど、シンチレータ12a_1内を光が移動する距離が長くなる。すなわち、差Dが大きくなるほど、光が、シンチレータ12a_1内のより浅い位置で発生していることとなる。そのため、処理実行機能443は、差D又は比から、シンチレータ12a_1の深さ方向における光が発生した位置を推定することができる。そして、処理実行機能443は、推定した位置に基づいて、光センサ12b_1,12b_2に入射したX線のエネルギーを推定する。すなわち、処理実行機能443は、光センサ12b_1から出力される電気信号と、光センサ12b_2から出力される電気信号とに基づいて、入射X線のエネルギーを推定する。例えば、処理実行機能443は、光センサ12b_1から出力される電気信号に基づくデータと、光センサ12b_2から出力される電気信号に基づくデータとに基づいて、入射X線のエネルギーを推定する。
このようにして推定されたエネルギーは、例えば、スペクトラルCTを実行するアプリケーション等に用いられる。
以上、第1の実施形態の変形例3に係るX線CT装置1について説明した。第1の実施形態の変形例3に係るX線CT装置1によれば、入射X線のエネルギーを推定することできる。また、第1の実施形態の変形例3に係るX線CT装置1によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
(第1の実施形態の変形例4)
なお、アフターグローの影響を抑制する場合、DAS18が、第1電気信号を増幅し、増幅された第1電気信号に、第2電気信号を加算することにより、第3電気信号を生成してもよい。第3電気信号は、CT画像データを再構成する際に用いられる1チャネルの生データの元となる信号である。そこで、このような変形例を、第1の実施形態の変形例4として説明する。
以下、第1の実施形態の変形例4の説明では、第1の実施形態と異なる点を主に説明し、第1の実施形態と同様の構成の説明については、省略する場合がある。
第1の実施形態の変形例4では、DAS18は、処理回路と、増幅器とを有する。処理回路は、デジタル形式のデータを処理可能な回路である。例えば、処理回路は、プロセッサにより実現される。増幅器は、第1電気信号を増幅する増幅処理を行う。
そして、変形例4では、処理実行機能443は、第1の実施形態と同様に、スキャン条件が記憶されたメモリ41から、スキャン条件を取得する。そして、処理実行機能443は、第1の実施形態と同様に、スキャン条件から、アフターグローの影響を抑制するのか、又は、アフターグローの影響を許容しつつS/Nの向上を図るのかを、判定する。そして、処理実行機能443は、判定結果を示す判定結果情報をDAS18の処理回路に送信する。判定結果情報は、アフターグローの影響を抑制すること、又は、アフターグローの影響を許容しつつS/Nの向上を図ることを示す情報である。
そして、DAS18の処理回路は、判定結果情報を受信する。そして、DAS18の処理回路は、判定結果情報がアフターグローの影響を抑制することを示す場合、第1電気信号を増幅器に増幅させる。そして、DAS18の処理回路は、増幅された第1電気信号に、第2電気信号が係数αにより重み付けされることにより得られた電気信号を加算することにより、第3電気信号を生成する。第3電気信号は、再構成処理機能444によりCT画像データを再構成する際に用いられる1チャネルの生データの元となるデータである。このように、DAS18の処理回路は、スキャン条件に基づいて、光センサ12b_1の寄与を、光センサ12b_2と比して大きくする処理を実行する。変形例4に係るDAS18は、処理部の一例である。
そして、DAS18は、第3電気信号から検出データを生成する。前処理機能442は、検出データに対して前処理を施す。そして、再構成処理機能444は、前処理が施された検出データ(生データ)を用いて、CT画像データを再構成する。したがって、変形例4によれば、再構成されたCT画像データの時間分解能の悪化、及び、アーチファクトの発生を抑制することができる。
一方、DAS18の処理回路は、判定結果情報がアフターグローの影響を許容しつつS/Nの向上を図ることを示す場合には、第1電気信号に第2電気信号を加算することにより、第4電気信号を生成する。第4電気信号は、再構成処理機能444によりCT画像データを再構成する際に用いられる1チャネルの生データの元となるデータである。
そして、DAS18は、第4電気信号から検出データを生成する。前処理機能442は、検出データに対して前処理を施す。そして、再構成処理機能444は、前処理が施された検出データ(生データ)を用いて、CT画像データを再構成する。したがって、再構成されたCT画像データのS/Nの改善を図ることができる。
以上、第1の実施形態の変形例4に係るX線CT装置1について説明した。第1の実施形態の変形例4に係るX線CT装置1によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
なお、変形例4において、処理実行機能443がスキャン条件をDAS18の処理回路に送信してもよい。そして、DAS18の処理回路が、スキャン条件から、アフターグローの影響を抑制するのか、又は、アフターグローの影響を許容しつつS/Nの向上を図るのかを、判定してもよい。
(第1の実施形態の変形例5)
なお、アフターグローの影響を抑制する場合、光センサ12b_2における電荷の積分時間の方が光センサ12b_1における電荷の積分時間よりも短くなるように、X線検出器12が、光センサ12b_1及び光センサ12b_2を制御してもよい。そして、DAS18が、このように制御された積分時間の元で得られた第1電気信号と、第2電気信号とを加算してもよい。このような加算により得られた電気信号は、CT画像データを再構成する際に用いられる1チャネルの生データの元となる信号である。そこで、このような変形例を、第1の実施形態の変形例5として説明する。
以下、第1の実施形態の変形例5の説明では、第1の実施形態と異なる点を主に説明し、第1の実施形態と同様の構成の説明については、省略する場合がある。
第1の実施形態の変形例5では、X線検出器12は、処理回路を備える。変形例5では、X線検出器12と、処理回路44とは、互いに通信可能である。そして、変形例5では、処理実行機能443は、判定結果情報をX線検出器12の処理回路に送信する。なお、変形例5に係る判定結果情報は、変形例4に係る判定結果情報と同様の情報である。
そして、X線検出器12の処理回路は、判定結果情報を受信する。そして、X線検出器12の処理回路は、判定結果情報がアフターグローの影響を抑制することを示す場合、光センサ12b_2における電荷の積分時間の方が光センサ12b_1における電荷の積分時間よりも短くなるように、光センサ12b_1及び光センサ12b_2を制御する。そして、DAS18の処理回路は、このように制御された積分時間の元で得られた第1電気信号と、第2電気信号とを加算する。このような加算により得られた電気信号は、再構成処理機能444によりCT画像データを再構成する際に用いられる1チャネルの生データの元となる信号である。この場合、DAS18は、このような加算により得られた電気信号から検出データを生成する。前処理機能442は、検出データに対して前処理を施す。そして、再構成処理機能444は、前処理が施された検出データ(生データ)を用いて、CT画像データを再構成する。したがって、再構成されたCT画像データの時間分解能の悪化、及び、アーチファクトの発生を抑制することができる。
一方、X線検出器12の処理回路は、判定結果情報がアフターグローの影響を許容しつつS/Nの向上を図ることを示す場合、光センサ12b_1における電荷の積分時間と光センサ12b_2における電荷の積分時間とが同一となるように、光センサ12b_1及び光センサ12b_2を制御する。そして、DAS18の処理回路は、このように制御された積分時間の元で得られた第1電気信号と、第2電気信号とを加算する。このような加算により得られた電気信号は、再構成処理機能444によりCT画像データを再構成する際に用いられる1チャネルの生データの元となる信号である。この場合、DAS18は、加算により得られた電気信号から検出データを生成する。前処理機能442は、検出データに対して前処理を施す。そして、再構成処理機能444は、前処理が施された検出データ(生データ)を用いて、CT画像データを再構成する。したがって、再構成されたCT画像データのS/Nの改善を図ることができる。
以上、第1の実施形態の変形例5に係るX線CT装置1について説明した。第1の実施形態の変形例5に係るX線CT装置1によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
なお、変形例5において、処理実行機能443がスキャン条件をX線検出器12の処理回路に送信してもよい。そして、X線検出器12の処理回路が、スキャン条件から、アフターグローの影響を抑制するのか、又は、アフターグローの影響を許容しつつS/Nの向上を図るのかを、判定してもよい。
なお、上述した第1の実施形態では、処理実行機能443が、第1生データ(前処理が施された第1検出データ)及び第2生データ(前処理が施された第2検出データ)に対して、各種の処理を実行する場合について説明した。しかしながら、DAS18の処理回路が、判定結果情報に基づいて、第1検出データ(第1電気信号を基に生成された検出データ)及び第2検出データ(第2電気信号を基に生成された検出データ)に対して、同様の処理を実行してもよい。また、DAS18の処理回路が、第1電気信号及び第2電気信号に対して、同様の処理を実行してもよい。この場合においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。DAS18の処理回路が、上述したような処理を行うことにより、DAS18からコンソール装置40へ送信されるデータの量を削減することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るX線CT装置1について説明する。第2の実施形態では、シンチレータと、光センサとの間にフィルタが設けられ、フィルタにより光センサに入射される光の波長が変調される。
図7は、第2の実施形態に係るX線CT装置1の構成の一例を示す図である。以下、第2の実施形態の説明において、主に第1の実施形態と異なる点を説明し、第1の実施形態と同様の構成の説明については省略する場合がある。例えば、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する場合がある。
図7に示す第2の実施形態に係る処理回路44は、第1の実施形態に係る処理実行機能443に代えて、処理実行機能447を備える点が、図1に示す第1の実施形態に係る処理回路44と異なる。また、図7に示すように、第2の実施形態では、処理回路44と、X線検出器12との通信が可能な点が、第1の実施形態と異なる。
図8は、第2の実施形態に係るX線検出器12の構成の一例を示す図である。図8に示すように、X線検出器12は、シンチレータアレイ12aと、光センサアレイ12bと、複数のフィルタ12cと、複数の電圧印加回路12dと、グリッド(図示せず)とを有する間接変換型の検出器である。
シンチレータアレイ12aは、第1の実施形態と同様に、複数のシンチレータ12a_1を有する。
光センサアレイ12bは、複数の光センサ12b_3を有する。第2の実施形態に係る光センサ12b_3は、例えば、フォトダイオード等により実現される。X線検出器12は、単一(1つ)のシンチレータ12a_1に対して1つの光センサ12b_3、1つのフィルタ12c及び1つの電圧印加回路12dが対応付けられて構成されている。図8に示すように、シンチレータ12a_1、フィルタ12c及び光センサ12b_3が、深さ方向に沿って、この順で配置されている。
光センサ12b_3は、光センサ12b_3に対応付けられたシンチレータ12a_1からの光を、光量に応じた電気信号に変換する機能を有する。すなわち、光センサ12b_3は、単一のシンチレータ12a_1から発せられた光を検出し、検出した光に応じた電気信号を出力する。
ここで、光センサ12b_3は、光90及び光91を検出可能な波長感度特性を有する。すなわち、光センサ12b_3により検出可能な光の波長帯域内に、光90の波長(ピーク波長)、及び、光91の波長(ピーク波長)が含まれる。
したがって、光センサ12b_3は、光90が入射された場合には、光90を検出し、光90に応じた電気信号を出力する。また、光センサ12b_3は、光91が入射された場合には、光91を検出し、光91に応じた電気信号を出力する。
フィルタ12cは、液晶等の偏光フィルムにより実現される。フィルタ12cは、シンチレータ12a_1と、光センサ12b_3との間に設けられる。フィルタ12cは、印加される電圧の大きさに応じた波長帯域の光を透過させる光学特性を有する。本実施形態では、フィルタ12cは、第1電圧が印加されると、光90のピーク波長を含む第1の波長帯域の光を透過させ、光91のピーク波長を含む第2の波長帯域の光を遮る。また、フィルタ12cは、第1電圧とは異なる第2電圧が印加されると、第1の波長帯域の光及び第2の波長帯域の光を透過させる。
電圧印加回路12dは、処理実行機能447による制御を受けて、フィルタ12cに電圧を印加する。例えば、電圧印加回路12dは、第1電圧又は第2電圧をフィルタ12cに印加する。
図7の説明に戻り、処理回路44は、メモリ41から処理実行機能447に相当するプログラムを読み出して実行することにより、スキャン条件に基づいて、アフターグローに対応する波長の光91を少なくとも低減するように、フィルタ12cの光学特性を制御する処理(第2処理)を実行する。処理実行機能447は、処理部の一例である。
図9は、第2の実施形態に係るX線CT装置1が実行する第2処理の一例の流れを示すフローチャートである。図9の例に示すように、処理実行機能447は、第1の実施形態に係る第1処理のステップS101と同様に、スキャン条件が記憶されたメモリ41から、スキャン条件を取得する(ステップS201)。
そして、処理実行機能447は、第1処理のステップS102と同様に、スキャン条件から、アフターグローの影響を抑制するのか、又は、アフターグローの影響を許容しつつS/Nの向上を図るのかを、判定する(ステップS202)。
アフターグローの影響を抑制する場合(ステップS202:アフターグローの影響を抑制)には、処理実行機能447は、ステップS203に進む。ステップS203では、処理実行機能447は、第1電圧がフィルタ12cに印加されるように、電圧印加回路12dを制御する。例えば、処理実行機能447は、第1電圧をフィルタ12cに印加するように、電圧印加回路12dを制御する。
この場合、光センサ12b_3は、光90を検出し、第1電気信号(光90に応じた電気信号)を出力する。第2の実施形態において、第1電気信号は、再構成処理機能444によりCT画像データを再構成する際に用いられる1チャネルの生データの元となる信号である。そして、DAS18は、第1電気信号から第1検出データを生成する。そして、DAS18は、第1検出データを処理回路44に送信する。
そして、前処理機能442は、第1検出データに対して前処理を施す。そして、再構成処理機能444は、第1生データ(前処理が施された第1検出データ)を用いて、CT画像データを再構成する。したがって、再構成されたCT画像データの時間分解能の悪化、及び、アーチファクトの発生を抑制することができる。
一方、S/Nの向上を図る場合(ステップS202:S/Nの向上)には、処理実行機能447は、ステップS204に進む。ステップS204では、処理実行機能447は、第2電圧がフィルタ12cに印加されるように、電圧印加回路12dを制御する。例えば、処理実行機能447は、第2電圧をフィルタ12cに印加するように、電圧印加回路12dを制御する。
この場合、光センサ12b_3は、光90及び光91を検出し、光90及び光91に応じた電気信号を出力する。
そして、DAS18は、光90及び光91に応じた電気信号から光90及び光91に応じた検出データを生成する。そして、DAS18は、光90及び光91に応じた検出データを処理回路44に送信する。
そして、前処理機能442は、光90及び光91に応じた検出データに対して前処理を施す。このような処理により得られた生データ(前処理が施された光90及び光91に応じた検出データ)は、再構成処理機能444によりCT画像データを再構成する際に用いられる1チャネルのデータである。そして、再構成処理機能444は、このような生データを用いて、CT画像データを再構成する。したがって、再構成されたCT画像データのS/Nの改善を図ることができる。
以上、第2の実施形態に係るX線CT装置1について説明した。第2の実施形態に係るX線CT装置1によれば、第1の実施形態と同様に、適切にアフターグローの影響を低減させることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るX線CT装置1について説明する。第3の実施形態では、波長感度特性が変更可能な光センサが用いられる。
図10は、第3の実施形態に係るX線CT装置1の構成の一例を示す図である。以下、第3の実施形態の説明において、主に第1の実施形態と異なる点を説明し、第1の実施形態と同様の構成の説明については省略する場合がある。例えば、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する場合がある。
図10に示す第3の実施形態に係る処理回路44は、第1の実施形態に係る処理実行機能443に代えて、処理実行機能448を備える点が、図1に示す第1の実施形態に係る処理回路44と異なる。また、図10に示すように、第3の実施形態では、処理回路44と、X線検出器12との通信が可能な点が、第1の実施形態と異なる。
図11は、第3の実施形態に係るX線検出器12の構成の一例を示す図である。図11に示すように、X線検出器12は、シンチレータアレイ12aと、光センサアレイ12bと、複数のバイアス電圧印加回路12eと、グリッド(図示せず)とを有する間接変換型の検出器である。
シンチレータアレイ12aは、第1の実施形態と同様に、複数のシンチレータ12a_1を有する。
光センサアレイ12bは、複数の光センサ12b_4を有する。第3の実施形態に係る光センサ12b_4は、例えば、アバランシェフォトダイオードにより実現される。X線検出器12は、単一(1つ)のシンチレータ12a_1に対して1つの光センサ12b_4及び1つのバイアス電圧印加回路12eが対応付けられて構成されている。図11に示すように、シンチレータ12a_1及び光センサ12b_4が、深さ方向に沿って、この順で配置されている。
光センサ12b_4は、光センサ12b_4に対応付けられたシンチレータ12a_1からの光を、光量に応じた電気信号に変換する機能を有する。すなわち、光センサ12b_4は、単一のシンチレータ12a_1から発せられた光を検出し、検出した光に応じた電気信号を出力する。
ここで、光センサ12b_4は、印加されるバイアス電圧の大きさに応じて変化する波長感度特性を有する。本実施形態では、光センサ12b_4は、バイアス電圧として第3電圧が印加されている場合には、光90を検出可能であり、光91を検出できない波長感度特性を有する。すなわち、第3電圧が印加されている場合には、光センサ12b_4により検出可能な光の波長帯域内に、光90の波長(ピーク波長)が含まれているが、光91の波長(ピーク波長)が含まれない。
したがって、光センサ12b_4は、第3電圧が印加されている場合には、光90を検出し、第1電気信号(光90に応じた電気信号)を出力する。
また、本実施形態では、光センサ12b_4は、バイアス電圧として、第3電圧と異なる第4電圧が印加されている場合には、光90及び光91を検出可能な波長感度特性を有する。すなわち、第4電圧が印加されている場合には、光センサ12b_4により検出可能な光の波長帯域内に、光90の波長(ピーク波長)、及び、光91の波長(ピーク波長)が含まれる。例えば、第4電圧は、第3電圧よりも大きい。バイアス電圧は、負荷電圧の一例である。
バイアス電圧印加回路12eは、処理実行機能448による制御を受けて、光センサ12b_4にバイアス電圧を印加する。例えば、バイアス電圧印加回路12eは、バイアス電圧として、第3電圧又は第4電圧を光センサ12b_4に印加する。
図10の説明に戻り、処理回路44は、メモリ41から処理実行機能448に相当するプログラムを読み出して実行することにより、スキャン条件に基づいて、光センサ12b_4に印加されるバイアス電圧の大きさを制御する処理(第3処理)を実行する。また、処理回路44は、処理実行機能448に相当するプログラムを実行することにより、スキャン条件に基づいて、アフターグローに対応する波長に対応する信号の出力を下げるように、バイアス電圧の大きさを制御する処理を第3処理として実行する。処理実行機能448は、処理部の一例である。
図12は、第3の実施形態に係るX線CT装置1が実行する第3処理の一例の流れを示すフローチャートである。図12の例に示すように、処理実行機能448は、第1処理のステップS101と同様に、スキャン条件が記憶されたメモリ41から、スキャン条件を取得する(ステップS301)。
そして、処理実行機能448は、第1処理のステップS102と同様に、スキャン条件から、アフターグローの影響を抑制するのか、又は、アフターグローの影響を許容しつつS/Nの向上を図るのかを、判定する(ステップS302)。
アフターグローの影響を抑制する場合(ステップS302:アフターグローの影響を抑制)には、処理実行機能448は、ステップS303に進む。ステップS303では、処理実行機能448は、第3電圧が光センサ12b_4に印加されるように、バイアス電圧印加回路12eを制御する。例えば、処理実行機能447は、第3電圧を光センサ12b_4に印加するように、バイアス電圧印加回路12eを制御する。
この場合、光センサ12b_4は、光90を検出し、第1電気信号(光90に応じた電気信号)を出力する。第1電気信号は、再構成処理機能444により再構成されるCT画像データの元となる1チャネルの生データの元となる信号である。そして、DAS18は、第1電気信号から第1検出データを生成する。そして、DAS18は、第1検出データを処理回路44に送信する。
そして、前処理機能442は、第1検出データに対して前処理を施す。そして、再構成処理機能444は、前処理が施された第1検出データ(第1生データ)を用いて、CT画像データを再構成する。したがって、再構成されたCT画像データの時間分解能の悪化、及び、アーチファクトの発生を抑制することができる。
一方、S/Nの向上を図る場合(ステップS302:S/Nの向上)には、処理実行機能448は、ステップS304に進む。ステップS304では、処理実行機能448は、第4電圧が光センサ12b_4に印加されるように、バイアス電圧印加回路12eを制御する。例えば、処理実行機能448は、第4電圧を光センサ12b_4に印加するように、バイアス電圧印加回路12eを制御する。
この場合、光センサ12b_3は、光90及び光91を検出し、光90及び光91に応じた電気信号を出力する。
そして、DAS18は、光90及び光91に応じた電気信号から光90及び光91に応じた検出データを生成する。そして、DAS18は、光90及び光91に応じた検出データを処理回路44に送信する。
そして、前処理機能442は、光90及び光91に応じた検出データに対して前処理を施す。再構成処理機能444は、このようして得られた生データ(前処理が施された、光90及び光91に応じた検出データ)を用いて、CT画像データを再構成する。したがって、再構成されたCT画像データのS/Nの改善を図ることができる。
以上、第3の実施形態に係るX線CT装置1について説明した。第3の実施形態に係るX線CT装置1によれば、第1の実施形態と同様に、適切にアフターグローの影響を低減させることができる。
なお、第3の実施形態において、ステップS303において、処理実行機能448が、アフターグローに対応する波長に対応する電気信号の出力を下げるように、バイアス電圧の大きさを制御する場合について説明した。しかしながら、ステップS303において、処理実行機能448が、メインピークに対応する波長(光90のピーク波長)に対応する電気信号の出力を上げるように、バイアス電圧の大きさを制御してもよい。この場合、再構成処理機能444は、前処理機能442により前処理が施された、光90及び光91に応じた検出データ(生データ)を用いて、CT画像データを再構成する。
なお、上述した各実施形態及び各変形例において、X線CT装置1が各種の処理を実行する場合について説明した。しかしながら、X線CT装置1と同様にシンチレータ及び光センサを含む放射線検出器を備えるPET装置、及び、SPECT装置等の放射線診断装置が、X線CT装置1が実行する各種の処理と同様の処理を実行してもよい。
上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、上述した実施形態で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態又は変形例によれば、適切にアフターグローの影響を低減させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 X線CT装置
12 X線検出器
43 入力インターフェース
443 処理実行機能

Claims (9)

  1. 入射放射線に応じて発光するシンチレータ、及び、前記シンチレータから発せられた光を検出し当該光に応じた信号を出力する光センサを含む放射線検出器と、
    撮影対象部位又は管電圧値を含むスキャン条件の入力を受け付ける受付部と、
    前記スキャン条件に含まれる前記撮影対象部位又は前記管電圧値に基づいて、前記放射線検出器からの出力に対してアフターグローの影響を低減する第1の処理又は前記放射線検出器からの出力がアフターグローの影響が低減された出力となるように前記放射線検出器を制御する第2の処理を実行する処理部と、
    を備える、放射線診断装置。
  2. 前記放射線検出器は、単一のシンチレータに対して第1の光センサ及び前記第1の光センサよりも長波長の光を検出する第2の光センサが対応付けられて構成され、
    前記処理部は、前記スキャン条件に基づいて前記第2の光センサの寄与を前記第1の光センサと比して低減する前記第1の処理を実行する、
    請求項1に記載の放射線診断装置。
  3. 前記処理部は、前記第1の光センサから出力される信号に基づくデータに、所定の係数で重み付けされた前記第2の光センサから出力される信号に基づくデータを加算することにより得られたデータ、又は、前記第1の光センサ及び前記第2の光センサのうち前記第1の光センサから出力される信号に基づくデータを、放射線画像データを再構成する際に用いられるように制御する前記第1の処理を実行する、
    請求項2に記載の放射線診断装置。
  4. 前記放射線検出器は、単一のシンチレータに対して第1の光センサ及び前記第1の光センサよりも長波長の光を検出する第2の光センサが対応付けられて構成され、
    前記処理部は、前記スキャン条件に基づいて前記第1の光センサの寄与を前記第2の光センサと比して大きくする前記第1の処理を実行する、
    請求項1に記載の放射線診断装置。
  5. 前記第2の光センサの有感体積は、前記第1の光センサの有感体積よりも大きい、請求項2~4のいずれか1つに記載の放射線診断装置。
  6. 前記処理部は、前記第1の光センサから出力される信号と、前記第2の光センサから出力される信号とに基づいて、前記入射放射線のエネルギーを推定する、請求項2~5のいずれか1つに記載の放射線診断装置。
  7. 前記放射線検出器は、前記シンチレータと前記光センサとの間に設けられたフィルタを更に備え、
    前記処理部は、前記スキャン条件に基づいてアフターグローに対応する波長の光を少なくとも低減するように前記フィルタの特性を制御する前記第2の処理を実行する、請求項1に記載の放射線診断装置。
  8. 前記光センサは、負荷電圧に応じて変化する波長感度特性を有し、
    前記処理部は、前記スキャン条件に基づいて前記負荷電圧を制御する前記第2の処理を実行する、
    請求項1に記載の放射線診断装置。
  9. 前記光センサは、アバランシェフォトダイオードであり、
    前記処理部は、前記スキャン条件に基づいてアフターグローに対応する波長に対応する信号の出力を下げるか、又は、メインピークに対応する波長に対応する信号の出力を上げるように、前記アバランシェフォトダイオードに印加されるバイアス電圧を制御する、
    請求項8に記載の放射線診断装置。
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