JP7300256B2 - 圧電振動片、及び圧電振動子 - Google Patents
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Description
この種の圧電振動子として、特許文献1に示すように、パッケージと蓋体で形成されるキャビティ内に圧電振動片を気密封止したものが知られている。
図6(a)、(b)に示すように、圧電振動片600は、圧電材料により形成された所定長さの基部800と、基部800から並んで延びる一対の振動腕部700a、bを備えている。
両振動腕部700a、bには、その主面(表裏面)に振動腕の長手方向に延びる溝720a、bが形成されると共に、その主面と側面に駆動用の電圧が印加される2系統の電極910、920が形成されている。
電極910、920の形成は、溝720a、b内を含めた圧電振動片600の全体に対して電極材料を蒸着やスパッタリングによって成膜する。そして両振動腕部700a、bの主面に形成された成膜のうち、図6に示す白色部分をフォトリソグラフにより取り除くことで、電極910と電極920とを分割している。
このようにして形成した圧電振動片600は、電極910と電極920とに異なる系統の電圧を掛けることで、両振動腕部700a、bが互いに振動する。
この導電性の異物Sとしては、例えば、圧電振動片を収容したパッケージと蓋体を接着する際の銀ロウのスプラッシュがある。
また、両振動腕部700a、bの両サイドや両者間に形成されたアームにより、圧電振動片をパッケージ内に接着し固定する場合には、導電性接着剤が異物Sとなる場合がある。
特に圧電振動片が小型化する傾向にあるが、小型化するほど両電極910、920間の幅も狭くなるため、より小さな異物Sもショートの原因になっていた。
しかし、主面に電極を形成しないことで、導電性の異物Sによるショートは回避できるが、電極面積が減少してしまい、電界効率が低下(CI値が上昇)してしまうという課題がある。
(2)請求項2に記載の発明では、前記振動腕部の外側に並んで前記基部から延設された、実装用の1対の支持腕部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、基部と、前記基部から並んで延設された1対の振動腕部と、前記1対の振動腕部の両主面に、長手方向に沿って形成された溝部と、前記溝部の各々により、当該溝部の両側に形成される土手部と、前記1対の振動腕部における、一方の振動腕部の両側面と、他方の振動腕部の溝部の両側面に形成された第1側面電極と、前記1対の振動腕部における、前記一方の振動腕部の溝部の両側面と、前記他方の振動腕部の両側面に形成された第2側面電極と、前記1対の振動腕部における、前記一方の振動腕部の4つの前記土手部の主面と、前記他方の振動腕部の4つの前記土手部の主面、のうちの少なくとも1つの主面に、前記第1側面電極から延出して形成された第1主面電極と、前記1対の振動腕部の各々において、4つの前記土手部の主面のうち、前記第1主面電極が、全ての主面に形成されている場合には最大3つの主面に、全ての主面には形成されていない場合には最大4つの主面に、前記第2側面電極から延出して形成された第2主面電極と、前記1対の振動腕部の間に前記基部から延設された、実装用の1つの支持腕部と、を具備し、前記1対の振動腕部における前記支持腕部に対向する側の土手部を内側土手部とし、対向しない側の土手部を外側土手部とした場合、前記第1主面電極は、4つの前記外側土手部と、前記一方の振動腕部における2つの前記内側土手部又は前記他方の振動腕部における2つの前記内側土手部に形成され、前記第2主面電極は、4つの前記外側土手部と、4つの前記内側土手部のうち、前記第1主面電極が形成されていない2つの前記内側土手部に形成されている、ことを特徴とする圧電振動片を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記土手部の主面に第1主面電極が延出していない前記第1側面電極の先端と、前記土手部の主面に第2主面電極が延出していない前記第2側面電極の先端は、土手部の主面よりも下側に形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の圧電振動片を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、基部と、前記基部から並んで延設された1対の振動腕部と、前記1対の振動腕部の両主面に、長手方向に沿って形成された溝部と、前記溝部の各々により、当該溝部の両側に形成される土手部と、前記1対の振動腕部における、一方の振動腕部の両側面と、他方の振動腕部の溝部の両側面に形成された第1側面電極と、前記1対の振動腕部における、前記一方の振動腕部の溝部の両側面と、前記他方の振動腕部の両側面に形成された第2側面電極と、前記1対の振動腕部における、前記一方の振動腕部の4つの前記土手部の主面と、前記他方の振動腕部の4つの前記土手部の主面、のうちの少なくとも1つの主面に、前記第1側面電極から延出して形成された第1主面電極と、前記1対の振動腕部の各々において、4つの前記土手部の主面のうち、前記第1主面電極が、全ての主面に形成されている場合には最大3つの主面に、全ての主面には形成されていない場合には最大4つの主面に、前記第2側面電極から延出して形成された第2主面電極と、前記1対の振動腕部の外側に並んで前記基部から延設された、実装用の1対の支持腕部と、を具備し、前記1対の振動腕部における土手部のうち、前記1対の支持腕部のいずれかの支持腕部に対向する側の土手部を外側土手部とし、対向しない側の土手部を内側土手部とした場合、前記第1主面電極は、4つの前記内側土手部と、前記一方の振動腕部における2つの前記外側土手部又は前記他方の振動腕部における2つの前記外側土手部に形成され、前記第2主面電極は、4つの前記内側土手部と、4つの前記外側土手部のうちの前記第1主面電極が形成されていない2つの前記外側土手部に形成され、前記土手部の主面に第1主面電極が延出していない前記第1側面電極の先端と、前記土手部の主面に第2主面電極が延出していない前記第2側面電極の先端は、土手部の主面よりも下側に形成されている、ことを特徴とする圧電振動片を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、実装部を備えたパッケージと、前記実装部に接合材を介して実装された、請求項1から請求項5のうちのいずれか1の請求項に記載の圧電振動片と、を具備したことを特徴とする圧電振動子を提供する。
(1)実施形態の概要
本実施形態の圧電振動片6は、音叉形の圧電振動片であり、基部8から1対の振動腕部7が延設されると共に、基部8から振動腕部7の両外側に並列して延設された支持腕部9を備える。1対の振動腕部7の長手方向には、その主面(裏表面)に一定幅の溝部72が形成されている。この溝部72により、振動腕部7には、外側土手部73と内側土手部74が形成されている。
本実施形態および各変形例によれば、振動腕部7に形成された、各4箇所の主面(外側土手部73の両主面2箇所と、内側土手部74の両主面2箇所の合計4箇所)のうちの少なくとも1箇所に対して、励振電極91、92の一方が側面から主面まで延設され、励振電極91、92の他方が側面における主面よりも低い位置まで形成されている。
これにより、導電性異物Sが主として飛来する土手部の主面箇所において、励振電極91と励振電極92とのショートを回避することができる。
なお、第1励振電極のうち、各土手の側面に形成されている部分が第1側面電極として機能し、土手の主面に形成されている部分が第1主面電極として機能する。また第2励振電極のうち、各土手の側面に形成されている部分が第2側面電極として機能し、土手の主面に形成されている部分が第2主面電極として機能する。
図1は、実施形態に係る圧電振動片6の構成と断面を表した図である。
圧電振動片6は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された、いわゆる音叉形の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。本実施形態では、圧電材料として水晶を使用して形成した圧電振動片を例に説明する。
以下、振動腕部7a、7bの長さ方向(図1の左右方向)を長手方向、振動腕部7a、7bが対向する方向(図1(a)の上下方向)を短手方向、圧電振動片6の厚さの方向(図1(b)の上下方向)を厚さ方向という。
また、本実施形態及び変形例の圧電振動片6や後述する圧電振動子1は左右対称な構造となっているため、振動腕部7aと振動腕部7bというように、対称配置された両部分を同一の数字で表すと共に、両部分を区別するため、一方に区別符合a、A、他方に区別符合b、Bを付して説明する。ただし、区別符号を適宜省略して説明した場合には、両部分を指しているものとする。
基部8には、短手方向を向く両端面から外側に延びる連結部81a、81bが連結され、この連結部81a、81bには、長手方向に延びる支持腕部9a、9bが連結されている。一対の支持腕部9a、9bは、短手方向において、振動腕部7a、7bの両外側に配置されている。
一対の振動腕部7a、7bは、その全長のほぼ中央部分の幅を基準幅とした場合、この基準幅よりも両側に広くなるように形成された拡幅部71a、71bを備えている。この拡幅部71a、71bは、振動腕部7a、7bの重量及び振動時の慣性モーメントを増大する機能を有している。これにより、振動腕部7a、7bは振動し易くなり、振動腕部7a、7bの長さを短くすることができ、小型化が図られている。
なお、本実施形態の圧電振動片6は、振動腕部7a、7bに拡幅部71a、71bが形成されているが、拡幅部のない圧電振動片を使用してもよい。
図1(b)に示すように、一対の振動腕部7a、7bには、一定幅の溝部72a、72bが形成されている。
溝部72a、72bは、一対の振動腕部7a、7bの両主面(表裏面)上において、厚さ方向に凹むとともに、基部8側から長手方向に沿って延在している。溝部72a、72bは、振動腕部7a、7bの基端(基部8の先端側の端部)から、拡幅部71a、71bの手前までに形成されている。
溝部72a、72bにより、一対の振動腕部7a、7bは、それぞれ図1(b)に示すように断面H型となっている。
また、振動腕部7a、7bの短手方向内側の側面(振動腕部7a、7bの互いに対応する側の面)と、溝部72a、72bの短手方向内側の側面との間に内側土手部74a、74bが形成されている。
具体的には、一方の励振電極91が、主に一方の振動腕部7aの溝部72a内と、他方の振動腕部7bの側面上とに互いに電気的に接続された状態で形成されている。
また、他方の励振電極92が、主に他方の振動腕部7bの溝部72b内と、一方の振動腕部7aの側面上とに互いに電気的に接続された状態で形成されている。
一方、溝部72a、72bの短手方向の両側面に形成された側の励振電極は、振動腕部7a、7bの主面よりも低い位置まで形成されていて、両土手部73a、73b、74a、74bの主面まで延設されていない。
具体的には、図1(b)に示されるように、振動腕部7aでは、その両側面に形成された励振電極92が外側土手部73aと内側土手部74aの主面まで延設され、溝部72aの短手方向の側面に形成された励振電極91が主面よりも低い位置(主面よりも底面側の位置)まで形成されている。
また振動腕部7bでは、その両側面に形成された励振電極91が外側土手部73bと内側土手部74bの主面まで延設され、溝部72bの短手方向の側面に形成された励振電極92が主面よりも低い位置(主面よりも底面側の位置)まで形成されている。
両マウント電極99a、99bと電気的に接続した2系統の引回し電極(図示しない)が連結部81a、81bと基部8に形成されている。
そして、支持腕部9aに形成された第1系統のマウント電極99aが引回し電極を介して励振電極92(図1(b)参照)と接続され、支持腕部9bに形成された第2系統のマウント電極99bが引回し電極を介して励振電極91と接続されている。
2系統の励振電極91、92は、一対のマウント電極99a、99bを介して電圧が印加されるようになっている。
そして、励振電極91、92、マウント電極99a、99b、引回し電極を形成する部分を残し、それ以外の部分をフォトリソグラフにより取り除くことで、2系統の電極ラインが形成される。
すなわち、両土手部73a、73b、74a、74bには、励振電極91、92のうちの何れか一方だけが形成されている。
このため、図1(c)に示すように、振動腕部7a、7bの主面上に導電性の異物Sが付着したとしても、溝部72a、72bの側面側の励振電極は主面よりも低い位置までしか形成されていないので、励振電極91と励振電極92とのショートを回避することができる。
また、本実施形態の圧電振動片6によれば、振動腕部7a、7bの側面に形成された側の励振電極が、両土手部73a、73b、74a、74bの主面上にまで延出して形成されることで、励振電極91、92を土手部の主面に形成しない場合(例えば、特許文献1)に比べて、主面上の延出分だけ電極面積を確保でき、その結果電界効率を上げることができる。
主面部にまで延出する励振電極91又は励振電極92の長さを長くすることで、異物Sによるショートを回避しつつ、より電界効率を上げることができる。
なお、励振電極91又は励振電極92の長さをL/2よりも長くすることについては、後述する各変形例において、各土手部の主面に励振電極91と励振電極92の何れか一方だけを延出させる場合に適用可能である。
図2は圧電振動片6の変形例の構成を表した断面図である。
図2に示した変形例の圧電振動片6では、両土手部73a、73b、74a、74bの主面に形成する励振電極91、92が異なる点を除き、他は実施形態と同じである。
図2(a)に示した第1変形例では、図1(b)で説明した実施形態と逆に、2系統の励振電極91、92のうち、溝部72a、72bの短手方向の側面に形成された側の励振電極が、両土手部73a、73b、74a、74bの主面上にまで延出して形成され、他方側の励振電極は、振動腕部7a、7bの側面の途中まで形成されている。
具体的には、振動腕部7aでは、溝部72aの短手方向の側面に形成された励振電極91が外側土手部73aと内側土手部74aの主面まで延設され、振動腕部7aの両側面に形成された励振電極92が主面よりも低い位置まで形成されている。
また、振動腕部7bでは、溝部72bの短手方向の側面に形成された励振電極92が外側土手部73bと内側土手部74bの主面まで延設され、振動腕部7bの両側面に形成された励振電極91が主面よりも低い位置まで形成されている。
この第2変形例においても、振動腕部7a、7bの主面上に導電性の異物Sが付着したとしても、振動腕部7a、7bの両側面側の励振電極が主面よりも低い位置までしか形成されていないので、励振電極91と励振電極92とのショートを回避することができる。
また、主面上の延出分だけ電極面積を確保できるため、電界効率を上げることができる。
しかし、ショートの原因である導電性の異物Sは、上述したように、圧電振動片6をパッケージ内にマウントする際の導電性接着剤や、パッケージと蓋体を接着する際の銀ロウ等のスプラッシュが原因である。
そして、いずれの場合の異物Sも、圧電振動片6の短手方向外側から飛来するものであるため、異物Sによる励振電極91、92のショートは、主として外側土手部73a、73bに生じている。
これにより、導電性異物Sによる励振電極91、92のショートを有効に回避しつつ、励振に寄与する励振電極の面積をより大きく確保することができる。
振動腕部7bの外側土手部73bには、溝部72bに形成された励振電極92が主面に延設され、振動腕部7bの外側面の励振電極91は主面より低く形成されている。
一方、振動腕部7a、7bの内側土手部74a、74bは、両励振電極91、92が共に主面まで延設されている。
振動腕部7bの外側土手部73bには、振動腕部7bの外側面の励振電極91が主面まで延設され、溝部72bの外側土手部73b側に形成された励振電極92は主面より低く形成されている。
一方、振動腕部7a、7bの内側土手部74a、74bは、両励振電極91、92が共に主面まで延設されている。
実施形態や第1~第3変形例で説明した圧電振動片6は、いずれも振動腕部7a、7bの両外側にマウント用の支持腕部9a、9bが形成された、いわゆるサイドアーム型の例である。
これに対して図3(a)に示した第4変形例、同(b)の第5変形例は、両振動腕部7a、7bの間に1本の支持腕部9cが配設されている、いわゆるセンターアーム型の例である。
第4、第5変形例の圧電振動片6は、この支持腕部9cにより圧電振動子のパッケージにマウントされる。そして、1本の支持腕部9cに、2系統のマウント電極99a、99b(図示しない)が、図面下側の主面に形成されている。
図3(a)に示した第4変形例では、振動腕部7aの内側土手部74aに、溝部72aに形成された励振電極91が主面に延設され、振動腕部7aの内側(支持腕部9c側)面の励振電極92は主面より低く形成されている。
振動腕部7bの内側土手部74bには、溝部72bに形成された励振電極92が主面に延設され、振動腕部7bの内側(支持腕部9c側)面の励振電極91は主面より低く形成されている。
一方、振動腕部7a、7bの外側土手部73a、73bは、両励振電極91、92が共に主面まで延設されている。
振動腕部7bの内側土手部74bには、振動腕部7bの内側(支持腕部9c側)面の励振電極91が主面まで延設され、溝部72bの内側土手部74b側に形成された励振電極92は主面より低く形成されている。
一方、振動腕部7a、7bの外側土手部73a、73bは、両励振電極91、92が共に主面まで延設されている。
マウントによる導電性接着剤と、接着によるスプラッシュの両者が異物Sとなる場合には、実施形態や第1変形例(図1(b)、図2(a)参照)と同様に、外側土手部73a、73bと内側土手部74a、74b共に、励振電極91、92の何れか一方のみを主面まで延設することができる。
この場合、内側土手部74a、74bは、両励振電極91、92が共に主面まで延設される。
圧電振動片6では、主面が2つ存在している。すなわち、振動腕部7a、7bの外側土手部73a、73bと内側土手部74a、74bに対して、図1(b)、図2、図3に示した圧電振動片6では、図面上側の主面と下側の主面が存在する。
説明した実施形態と第1~第5変形例の圧電振動片6では、外側土手部73a、73b、内側土手部74a、74bの両主面とも、励振電極91、92の延設状態が同じである。
例えば、図2(b)に示した第2変形例では、外側土手部73a、73b共に、両主面まで励振電極91、92の一方が延設され、他方が主面よりも低く形成されている。また、内側土手部74a、74b共に、両主面まで励振電極91、92の両方が延設されている。
ここで、「一方側の主面」とは、導電性異物Sの原因になる導電性接着剤(マウント部)とスプラッシュを生じる部分(蓋の接続部)に近い側の主面が該当する。
そして、両主面のうち、一方の主面がマウント部に近く、他方の主面が蓋の接続部に近い場合、いずれか導電性の異物Sの主原因となっている側だけを対象とする。但し、両者が導電性異物Sの主原因となっている場合には、実施形態又は第1~第5変形例による。
なお、圧電振動片6の支持腕部9a、9bは振動腕部7a、7bとほぼ同じ厚さに形成されるため、支持腕部9a、9bにマウント電極99a、99bが形成される側の面が「一方側の主面」となる。
この第6、第7変形例は、サイドアーム型の圧電振動片6で、マウントによる導電性接着剤よりも、図面上方からのスプラッシュが主原因となる場合の例である。
図4(a)に示した圧電振動片6では、振動腕部7aの外側土手部73aの両主面のうち、上側の主面にだけ、溝部72aに形成された励振電極91が延設され、振動腕部7aの外側面の励振電極92は主面より低く形成されている。
振動腕部7bの外側土手部73bの両主面のうち、上側の主面にだけ、溝部72bに形成された励振電極92が主面に延設され、振動腕部7bの外側面の励振電極91は主面より低く形成されている。
そして、外側土手部73a、73bの下側の主面、及び、内側土手部74a、74bの両主面は、両励振電極91、92が共に主面まで延設されている。
すなわち、第7変形例では、第6変形例とは逆に、振動腕部7a、7bにおける各外側面の励振電極92、91が外側土手部73a、73bの上側主面まで延設され、溝部72a、72bの励振電極91、92が主面よりも低く形成されている。
そして、外側土手部73a、73bの下側の主面、及び、内側土手部74a、74bの両主面は、両励振電極91、92が共に主面まで延設されている。
更に、基部8から延びる支持腕部9を備えていない、圧電振動片6においても、外側土手部73a、73b、内側土手部74a、74bの両主面のうちの何れかの主面に対して、側面から延設する励振電極を励振電極91、92の一方とする、実施形態、変形例を適用することができる。この場合の圧電振動片6は、基部8にマウント電極99a、99bが形成される。
これにより、導電性異物Sが主として飛来する土手部の主面箇所において、励振電極91と励振電極92とのショートを回避することができる。
この圧電振動子1は、図1(a)で説明したサイドアーム型の圧電振動片を例に説明するが、センターアーム型の圧電振動片6や、支持腕部9を有しない圧電振動片6についても、マウント部の構造とマウント箇所が異なることを除き同様である。
図5は、上述した実施形態又は変形例に係るサイドアーム型の圧電振動片6を備えた圧電振動子1の分解斜視図である。
図5に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、内部に気密封止されたキャビティCを有するパッケージ2と、キャビティC内に収容された圧電振動片6と、を備えたセラミックパッケージタイプの表面実装型振動子である。
パッケージ2は、概略直方体状に形成されている。パッケージ2は、パッケージ本体3と、パッケージ本体3に対して接合されるとともに、パッケージ本体3との間にキャビティCを形成する封口板4と、を備えている。
パッケージ本体3は、互いに重ね合わされた状態で接合された第1ベース基板10および第2ベース基板11と、第2ベース基板11上に接合されたシールリング12と、を備えている。
第2ベース基板11は、第1ベース基板10に重ねられており、第1ベース基板10に対して焼結などにより結合されている。すなわち、第2ベース基板11は、第1ベース基板10と一体化されている。
なお、後述するように第1ベース基板10と第2ベース基板11の間には、両ベース基板10、11に挟まれた状態で接続電極(図示せず)が形成されている。
電極パッド20A、20Bと外部電極21A、21Bとは、第2ベース基板11の実装部14A、14Bに形成された第2貫通電極22A、22B、第1ベース基板10と第2ベース基板11の間に形成された接続電極(図示せず)、及び、第1ベース基板10に形成された第1貫通電極(図示せず)を介して互いにそれぞれ導通している。
すなわち、図5に示すように、圧電振動片6は、支持腕部9a、9bに設けられた各マウント電極99a、99b(図1(a)参照)が、実装部14A、14B上の電極パッド20A、20B(上面にメタライズ層が形成されている場合は該メタライズ層)にそれぞれ接合材51a、51b、52a、52bを介して電気的および機械的に接合されている。
このように、本実施形態の圧電振動片6は、支持腕部9a、9bのそれぞれが、その長さ方向(長手方向)の2箇所で実装部14A、14B上に接合保持(2点支持)される。
接合材51a、51b、52a、52bが導電性接着剤により構成されている場合、塗布装置の移動ヘッドに支持されたディスペンサノズルにより塗布される。
本実施形態では、各接合材のサイズは圧電振動子1のサイズによるが、例えば、1.2mm×1.0mmサイズの圧電振動子1の場合、半径0.1mm程度に塗布される。
本実施形態の圧電振動片6では、上述したように、外側土手部73a、73b、内側土手部74a、74bの主面には、励振電極91、92の少なくとも一方の励振電極が側面(外側側面又は溝部72a、72bの側面)から延設しているので、導電性異物の付着によるショートを回避しつつ、振動に寄与する面積を大きくすることができ、圧電効果を良くすることができる。
例えば、上記実施形態においては、圧電振動片6を用いた圧電振動子1として、セラミックパッケージタイプの表面実装型振動子について説明したが、圧電振動片6を、ガラス材によって形成されるベース基板およびリッド基板が陽極接合によって接合されるガラスパッケージタイプの圧電振動子1に適用することも可能である。
また、説明した実施形態の電極パッド20は、実装部14のほぼ全面に形成されているが、接合材51、52の少なくとも一方に対応する領域に形成されていればよい。
(1)構成1
基部と、
前記基部から並んで延設された1対の振動腕部と、
前記1対の振動腕部の両主面に、長手方向に沿って形成された溝部と、
前記溝部の各々により、当該溝部の両側に形成される土手部と、
一方側の前記振動腕部の側面と、他方側の前記振動腕部の溝部に形成された第1励振電極と、
前記他方側の前記振動腕部の側面と、前記一方側の前記振動腕部の溝部に形成された第2励振電極と、を備え、
前記振動腕部の各々は、4つのうちの少なくとも1つの前記土手部において、前記第1励振電極と前記第2励振電極のうちの一方の励振電極が当該土手部の一方の側面から主面まで延設され、他方の励振電極が他方の側面から主面よりも下側まで形成されている、
ことを特徴とする圧電振動片。
この構成の圧電振動片によれば、振動腕部の各々は、4つのうちの少なくとも1つの土手部において、第1励振電極と第2励振電極のうちの一方の励振電極が当該土手部の一方の側面から主面まで延設され、他方の励振電極が他方の側面から主面よりも下側まで形成されているので、異物によるショートが生じにくく、振動に寄与する電極部分の面積を主面までの延設によって、より大きく確保することができる。
前記4つのうちの他の土手部が存在する場合には当該他の土手部において、前記第1励振電極と前記第2励振電極の両方が前記土手部の側面から主面まで延設されている、
ことを特徴とする構成1に記載の圧電振動片。
(3)構成3
前記4つの全土手部において、前記一方の励振電極が当該土手部の一方の側面から主面まで延設され、前記他方の励振電極が他方の側面から主面よりも下側まで形成されている、
ことを特徴とする構成1、又は構成2に記載の圧電振動片。
(4)構成4
前記4つの土手部のうち、
前記他方の振動腕部から離れた側の外側土手部において、前記一方の励振電極が当該土手部の一方の側面から主面まで延設され、前記他方の励振電極が他方の側面から主面よりも下側まで形成され、
前記他方の振動腕部に近い側の内側土手部において、前記第1励振電極と前記第2励振電極の両方が前記土手部の側面から主面まで延設されている、
ことを特徴とする構成1、又は構成2に記載の圧電振動片。
(5)構成5
前記振動腕部の外側に並んで前記基部から延設された、実装用の1対の支持腕部を有する、
ことを特徴とする構成1から構成4のうちのいずれか1の構成に記載の圧電振動片。
(6)構成6
前記1対の振動腕部の間に前記基部から延設された、実装用の1つの支持腕部を備え、
前記4つの土手部のうち、少なくとも前記他方の振動腕部に近い側の内側土手部において、前記一方の励振電極が当該土手部の一方の側面から主面まで延設され、前記他方の励振電極が他方の側面から主面よりも下側まで形成されている、
ことを特徴とする構成1、又は請求項2に記載の圧電振動片。
(7)構成7
実装部を備えたパッケージと、
前記実装部に接合材を介して実装された、構成1から構成6のうちのいずれか1の構成に記載の圧電振動片と、
を具備したことを特徴とする圧電振動子。
2 パッケージ
3 パッケージ本体
4 封口板
6 圧電振動片
7 振動腕部
8 基部
9 支持腕部
10 第1ベース基板
11 第2ベース基板
14 実装部
20 電極パッド
21 外部電極
22 第2貫通電極
51、52 接合材
72 溝部
73 外側土手部
74 内側土手部
91 励振電極
92 励振電極
99 マウント電極
Claims (6)
- 基部と、
前記基部から並んで延設された1対の振動腕部と、
前記1対の振動腕部の両主面に、長手方向に沿って形成された溝部と、
前記溝部の各々により、当該溝部の両側に形成される土手部と、
前記1対の振動腕部における、一方の振動腕部の両側面と、他方の振動腕部の溝部の両側面に形成された第1側面電極と、
前記1対の振動腕部における、前記一方の振動腕部の溝部の両側面と、前記他方の振動腕部の両側面に形成された第2側面電極と、
前記1対の振動腕部における、前記一方の振動腕部の4つの前記土手部の全主面に、前記一方の振動腕部の両側面に形成された前記第1側面電極から延出して形成された第1主面電極と、
前記1対の振動腕部における、前記他方の振動腕部の4つの前記土手部の全主面に、前記他方の振動腕部の両側面に形成された前記第2側面電極から延出して形成された第2主面電極と、を具備し、
前記第1主面電極と前記第2主面電極は、各々が形成されている土手部の短手方向の幅をLとした場合に、L/2よりも短く形成され、
前記他方の振動腕部の前記溝部の両側面に形成された第1側面電極の先端と、前記一方の振動腕部の前記溝部の両側面に形成された第2側面電極の先端は、土手部の主面よりも下側に形成されている、
ことを特徴とする圧電振動片。 - 前記振動腕部の外側に並んで前記基部から延設された、実装用の1対の支持腕部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。 - 基部と、
前記基部から並んで延設された1対の振動腕部と、
前記1対の振動腕部の両主面に、長手方向に沿って形成された溝部と、
前記溝部の各々により、当該溝部の両側に形成される土手部と、
前記1対の振動腕部における、一方の振動腕部の両側面と、他方の振動腕部の溝部の両側面に形成された第1側面電極と、
前記1対の振動腕部における、前記一方の振動腕部の溝部の両側面と、前記他方の振動腕部の両側面に形成された第2側面電極と、
前記1対の振動腕部における、前記一方の振動腕部の4つの前記土手部の主面と、前記他方の振動腕部の4つの前記土手部の主面、のうちの少なくとも1つの主面に、前記第1側面電極から延出して形成された第1主面電極と、
前記1対の振動腕部の各々において、4つの前記土手部の主面のうち、前記第1主面電極が、全ての主面に形成されている場合には最大3つの主面に、全ての主面には形成されていない場合には最大4つの主面に、前記第2側面電極から延出して形成された第2主面電極と、
前記1対の振動腕部の間に前記基部から延設された、実装用の1つの支持腕部と、
を具備し、
前記1対の振動腕部における前記支持腕部に対向する側の土手部を内側土手部とし、対向しない側の土手部を外側土手部とした場合、
前記第1主面電極は、4つの前記外側土手部と、前記一方の振動腕部における2つの前記内側土手部又は前記他方の振動腕部における2つの前記内側土手部に形成され、
前記第2主面電極は、4つの前記外側土手部と、4つの前記内側土手部のうち、前記第1主面電極が形成されていない2つの前記内側土手部に形成されている、
ことを特徴とする圧電振動片。 - 前記土手部の主面に第1主面電極が延出していない前記第1側面電極の先端と、前記土手部の主面に第2主面電極が延出していない前記第2側面電極の先端は、土手部の主面よりも下側に形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の圧電振動片。 - 基部と、
前記基部から並んで延設された1対の振動腕部と、
前記1対の振動腕部の両主面に、長手方向に沿って形成された溝部と、
前記溝部の各々により、当該溝部の両側に形成される土手部と、
前記1対の振動腕部における、一方の振動腕部の両側面と、他方の振動腕部の溝部の両側面に形成された第1側面電極と、
前記1対の振動腕部における、前記一方の振動腕部の溝部の両側面と、前記他方の振動腕部の両側面に形成された第2側面電極と、
前記1対の振動腕部における、前記一方の振動腕部の4つの前記土手部の主面と、前記他方の振動腕部の4つの前記土手部の主面、のうちの少なくとも1つの主面に、前記第1側面電極から延出して形成された第1主面電極と、
前記1対の振動腕部の各々において、4つの前記土手部の主面のうち、前記第1主面電極が、全ての主面に形成されている場合には最大3つの主面に、全ての主面には形成されていない場合には最大4つの主面に、前記第2側面電極から延出して形成された第2主面電極と、
前記1対の振動腕部の外側に並んで前記基部から延設された、実装用の1対の支持腕部と、を具備し、
前記1対の振動腕部における土手部のうち、前記1対の支持腕部のいずれかの支持腕部に対向する側の土手部を外側土手部とし、対向しない側の土手部を内側土手部とした場合、
前記第1主面電極は、4つの前記内側土手部と、前記一方の振動腕部における2つの前記外側土手部又は前記他方の振動腕部における2つの前記外側土手部に形成され、
前記第2主面電極は、4つの前記内側土手部と、4つの前記外側土手部のうちの前記第1主面電極が形成されていない2つの前記外側土手部に形成され、
前記第1主面電極と前記第2主面電極は、各々が形成されている土手部の短手方向の幅をLとした場合に、L/2よりも短く形成され、
前記土手部の主面に第1主面電極が延出していない前記第1側面電極の先端と、前記土手部の主面に第2主面電極が延出していない前記第2側面電極の先端は、土手部の主面よりも下側に形成されている、
ことを特徴とする圧電振動片。 - 実装部を備えたパッケージと、
前記実装部に接合材を介して実装された、請求項1から請求項5のうちのいずれか1の請求項に記載の圧電振動片と、
を具備したことを特徴とする圧電振動子。
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