JP7300151B2 - 浮体の姿勢制御による音響通信方法及び音響通信システム - Google Patents

浮体の姿勢制御による音響通信方法及び音響通信システム Download PDF

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Description

本発明は、自律型無人水上航走体(ASV:Autonomous Surface Vehicle)等の洋上の浮体と、自律型無人水中探査機(AUV:Autonomous Underwater Vehicle)等の水中の通信対象との間で音響通信を行う浮体の姿勢制御による音響通信方法及び音響通信システムに関する。
水中での通信においては減衰しにくい音波が用いられるが、その通信範囲は数kmと短く、音響通信の利用水深が大深度化した場合には音響機器の指向性を高める必要が生じる。指向性の音響機器は一般に鉛直方向に30度程度の指向角(非特許文献1)を有しているので鉛直方向以外への音響通信は困難となり、水平方向への音響範囲を拡大するには指向方向を変更させるジンバルやタレットといった機構が必要であり、既にソーナー機器においては計測データの品質向上のためジンバルを採用した実例もある(非特許文献2)。
さらに大容量の音響通信には通信時間が数秒以上必要になるため、動揺や傾斜による通信範囲の変動によらず常時通信範囲内に捉えられる範囲でなくては安定した通信が望めない(非特許文献3)。従って装着した船やASVといった艇体の動揺・傾斜も音響通信範囲に悪影響を及ぼすとされている。特に小型軽量な船舶やASVにおいては波浪中で安定性を保つことは難しく、安定動作のためには音響装置用スタビライザー等の搭載(非特許文献4)が必要となるが、構造の複雑化や駆動部の増加による整備性、信頼性、高価格化等の問題が生じる。
ここで、特許文献1には、水面航走体及び水中航走体のそれぞれに配置され音響通信状態を計測する通信状態計測装置と、水中航走体又は水面航走体を移動させる位置制御装置とを備え、位置制御装置は、通信状態計測装置の出力に基づいて、水中航走体が水中における音圧分布のうち相対的に音圧の高い場所に存在するように、水中航走体又は水面航走体を移動させるように構成された水中航走体の相対位置制御方法が開示されている。
また、特許文献2には、水中航走体と水上航走体との音響通信を制御することで水中航走体の航走を管理する航走管理装置であって、水上航走体に設けられ、水中航走体との間で音響通信により情報の送受信を行う音響通信機と、音響測位により水中航走体の位置を計測する音響測位機と、音響測位機による水中航走体の音響測位結果から算出される水中航走体の位置情報を保持する位置情報保持部としての記憶部と、位置情報保持部に保持されている水中航走体の位置情報から、水中航走体の移動経路を予測し、移動経路を移動する水中航走体との音響通信が可能となるように水上航走体の進路を決定する進路決定部及び進路決定部によって決定された進路に沿って水上航走体を航走させる航走制御部として機能する処理部とを備えた航走管理装置が開示されている。
また、特許文献3には、水中航走体との間で音響通信によりデータを通信する音響通信機と、水中航走体の位置を取得する音響測位機と、コントローラとを備え、コントローラは、音響測位機が取得する水中航走体の位置に基づいて、水上航走体が水中航走体に近づくように水上航走体を航走させる第1の処理と、第1の処理により、水中航走体との間で音響通信可能な位置に水上航走体を走行させた後に、水中航走体との間でデータを通信するように音響通信機を制御する第2の処理とを実行する水中航走体の航走支援装置が開示されている。
特開2016-144956号公報 特開2017-165332号公報 特開2017-165333号公報
百留忠洋,吉田弘,澤隆雄,et al.:洋上中継器(ASV)の開発, 日本ロボット学会誌 vol.36 No.4, pp.286-293, 2018. 東京大学生産技術研究所,九州工業大学プレスリリース資料,「海中ロボットでコバルトリッチクラストの全自動計測に成功!」,2016年2月4日 M. Kurowski, E. Rentzow, D. Dewiz, et al.: Operational Aspects of an Ocean-Going USV Acting as Communication Node, Proceedings of the 15th Conference on Computer Applications and Information Technology in the Maritime Industries, Ulrichshusen, Germany, pp.486-498, 2015. Blue Earth, JAMSTEC, Vol.141 No.28, pp.24-27, Feb 2016
特許文献1から特許文献3は、水上航走体と水中航走体との音響通信のために所定の位置まで水上航走体又は水上航走体の移動を行うものであり、音響アレイの指向方向の制御に水上航走体自身の姿勢を用いるものではない。
そこで本発明は、ジンバル等の駆動部品を用いることなく音響アレイの指向方向を制御する浮体の姿勢制御による音響通信方法及び音響通信システムを提供することを目的とする。
請求項1記載に対応した浮体の姿勢制御による音響通信方法においては、洋上の浮体と水中の通信対象との間で音響通信を行なう音響通信方法において、通信対象の位置情報を取得し、浮体に備えた指向角の限られた音響通信手段を、浮体の姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させることにより指向方位を通信対象の位置に向け音響通信を行なうことを特徴とする。
請求項1に記載の本発明によれば、水中航走体等の通信対象や水上航走体等の浮体を移動させたり、タレットやジンバル、スタビライザー等の機構や構造を用いたりすることなく、浮体の姿勢を制御するだけで指向方位を制御し、迅速に音響通信に係る通信範囲と通信距離の拡大を両立することができる。
請求項2記載の本発明は、浮体と通信対象との間で音響通信を完了させるために必要な所定の時間だけ、浮体の姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させることにより、音響通信手段の指向方位を通信対象の位置に向けることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明によれば、音響通信に必要な所定の時間を含む時間だけ姿勢を制御し指向方位を保持すればよく、それ以外の時間は浮体の他の任務や別の作業に充てたり、浮体の消費電力等を節約することができる。
請求項3記載の本発明は、浮体の浮力バランスを調整することで、浮体のピッチ、ロール、ヨー、又はヒーヴの少なくとも一つを制御して浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明によれば、浮体の姿勢を通常の浮体姿勢制御の範囲内で容易に制御することができる。
請求項4記載の本発明は、浮体の重心を変化させることで、浮力バランスを調整し、ピッチ、ロール又はヨーのいずれか一つを制御して浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明によれば、浮体の浮力バランスの調整により姿勢を容易に制御することができる。
請求項5記載の本発明は、通信対象が移動体である場合において、移動体の位置情報に基づき姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とする。
請求項5に記載の本発明によれば、通信対象の位置を的確に把握して浮体の姿勢を効率よく制御することができる。
請求項6記載の本発明は、移動体のあらかじめ定まった航路計画に従った位置情報に基づき姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とする。
請求項6に記載の本発明によれば、航路計画から通信対象の位置を把握して浮体の姿勢を的確に制御することができる。
請求項7記載の本発明は、浮体に設けた測位手段により測位した移動体の位置情報に基づき姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とする。
請求項7に記載の本発明によれば、通信対象の位置を測位手段により測位し的確に把握して浮体の姿勢を効率よく制御することができる。
請求項8記載の本発明は、水中に設けた水中測位手段から得られる移動体の位置情報に基づき姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とする。
請求項8に記載の本発明によれば、通信対象の位置を移動体の位置情報に基づき的確に把握して浮体の姿勢を効率よく制御することができる。
請求項9記載の本発明は、浮体が航走手段を有し、航走手段の推力又は反動を利用して姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とする。
請求項9に記載の本発明によれば、浮体が備えている航走手段を姿勢制御手段として利用して浮体の姿勢を容易に制御することができる。
請求項10記載の本発明は、浮体が舵と横舵を有した水上航走体であり、水上航走体を走行させ、舵又は横舵の少なくとも一つを制御し、水上航走体の姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とする。
請求項10に記載の本発明によれば、浮体が備えている舵又は横舵を姿勢制御手段として利用して浮体の姿勢を容易に制御することができる。
請求項11記載の本発明は、水上航走体が通信対象を水上航走体の右方向ないし左方向に位置するように保ちながら、通信対象の存在する位置の上の海面位置を略中心として回遊する航跡に沿って走行することを特徴とする。
請求項11に記載の本発明によれば、回遊する航跡に沿って走行することにより舵又は横舵の機能を発揮させ、通信対象との音響通信を行いやすくすることができる。
請求項12記載に対応した本発明の浮体の姿勢制御による音響通信システムにおいては、通信対象と、音響通信手段を備えた浮体と、浮体の姿勢を制御する姿勢制御手段と、通信対象の位置情報を取得する位置情報取得手段とを備え、音響通信方法を行なうことを特徴とする。
請求項12に記載の本発明によれば、水中航走体等の通信対象や水上航走体等の浮体を移動させたり、タレットやジンバル、スタビライザー等の機構や構造を用いたりすることなく、浮体の姿勢を制御するだけで指向方位を制御し、迅速に音響通信に係る通信範囲と通信距離の拡大を両立することができる。
本発明の浮体の姿勢制御による音響通信方法によれば、水中航走体等の通信対象や水上航走体等の浮体を移動させたり、タレットやジンバル、スタビライザー等の機構や構造を用いたりすることなく、浮体の姿勢を制御するだけで指向方位を制御し、迅速に音響通信に係る通信範囲と通信距離の拡大を両立することができる。
また、浮体と通信対象との間で音響通信を完了させるために必要な所定の時間だけ、浮体の姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させることにより、音響通信手段の指向方位を通信対象の位置に向ける場合には、必要な所定の時間を含む時間だけ姿勢を制御し指向方位を保持すればよく、それ以外の時間は浮体の他の任務や別の作業に充てたり、浮体の消費電力等を節約することができる。
また、浮体の浮力バランスを調整することで、浮体のピッチ、ロール、ヨー、又はヒーヴの少なくとも一つを制御して浮体を傾斜又は動揺させる場合には、浮体の姿勢を通常の浮体姿勢制御の範囲内で容易に制御することができる。
また、浮体の重心を変化させることで、浮力バランスを調整し、ピッチ、ロール又はヨーのいずれか一つを制御して浮体を傾斜又は動揺させる場合には、浮体の浮力バランスの調整により姿勢を容易に制御することができる。
また、通信対象が移動体である場合において、移動体の位置情報に基づき姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させる場合には、通信対象の位置を的確に把握して浮体の姿勢を効率よく制御することができる。
また、移動体のあらかじめ定まった航路計画に従った位置情報に基づき姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させる場合には、航路計画から通信対象の位置を把握して浮体の姿勢を的確に制御することができる。
また、浮体に設けた測位手段により測位した移動体の位置情報に基づき姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させる場合には、通信対象の位置を測位手段により測位し的確に把握して浮体の姿勢を効率よく制御することができる。
また、水中に設けた水中測位手段から得られる移動体の位置情報に基づき姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させる場合には、通信対象の位置を移動体の位置情報に基づき的確に把握して浮体の姿勢を効率よく制御することができる。
また、浮体が航走手段を有し、航走手段の推力又は反動を利用して姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させる場合には、浮体が備えている航走手段を姿勢制御手段として利用して浮体の姿勢を容易に制御することができる。
また、浮体が舵と横舵を有した水上航走体であり、水上航走体を走行させ、舵又は横舵の少なくとも一つを制御し、水上航走体の姿勢を制御して浮体を傾斜又は動揺させる場合には、浮体が備えている舵又は横舵を姿勢制御手段として利用して浮体の姿勢を容易に制御することができる。
また、水上航走体が通信対象を水上航走体の右方向ないし左方向に位置するように保ちながら、通信対象の存在する位置の上の海面位置を略中心として回遊する航跡に沿って走行する場合には、回遊する航跡に沿って走行することにより舵又は横舵の機能を発揮させ、通信対象との音響通信を行いやすくすることができる。
また、浮体の姿勢制御による音響通信システムによれば、水中航走体等の通信対象や水上航走体等の浮体を移動させたり、タレットやジンバル、スタビライザー等の機構や構造を用いたりすることなく、浮体の姿勢を制御するだけで指向方位を制御し、迅速に音響通信に係る通信範囲と通信距離の拡大を両立することができる。
本実施形態の浮体の姿勢制御による音響通信システムの概要図 同音響通信システムの浮体の概要図
以下に、本発明の実施形態による浮体の姿勢制御による音響通信方法及び音響通信システムについて説明する。
図1は、本実施形態の浮体の姿勢制御による音響通信システムの概要図である。図2は、同音響通信システムの浮体の概要図である。
音響通信システムは、洋上に位置する浮体10と、水中に位置する通信対象20とを備える。浮体10及び通信対象20は無人かつ無索で自律航走するロボットであり、水面Aの近傍に配置された浮体10が、電波の届かない水中で水底Bの調査作業等を行う複数の通信対象20に対して音響信号を利用した管制を行っている。
浮体10には、自律型無人水上航走体(ASV)を用いている。浮体10は、前端部が半球面となった筒型の本体10aと、本体10aの上面に延設された支柱10bとを備える。浮体10は、本体10aが水中に没して支柱10bの上部が水面A上に突き出た半潜水状態で用いられる。支柱10bの上部には、GPS等の自己位置把握手段11と、衛星通信アンテナ及び無線LANアンテナ等の海上通信手段12が搭載されている。浮体10は、自己位置把握手段11を用いてGNSS(全地球航法衛星システム)衛星からのGNSS信号を受信することにより、自己の位置を把握できる。また、海上通信手段12を用いて母船との通信を行うことができる。また、本体10aの後部には舵13a、横舵13bと、推進器等の航走手段14が設けられ、本体10aの前部にはサブスラスター16が設けられており、これらによって水面Aの近傍を移動することができる。なお、サブスラスター16によって、ヨーの制御ができる。また、本体10aの下面には、位置情報取得手段(測位手段)17及び音響通信手段15が設けられている。音響通信手段15は、音波を送信する送波器と音波を受信する受波器とを有し、本体10aに固定状態にて取り付けられている。浮体10は、位置情報取得手段(測位手段)17による音響測位により通信対象20の位置を測定すると共に、音響通信手段15を用いて通信対象20と音響信号による双方向音響通信を行い、通信対象20を管制している。また、浮体10には、浮体10の姿勢を制御する姿勢制御手段が設けられている。
通信対象20には、浮体10との接続にケーブルを用いずに水中を自律的に航走する自律型無人水中探査機(AUV)を用いている。移動体である通信対象20には、舵、推進器及びバラスト(重り)などの移動手段21と、自機の位置情報を求める水中測位手段(慣性航法装置)22と、浮体10との音響信号による双方向音響通信に用いる通信対象音響通信手段23と、浮体10の位置情報取得手段(測位手段)17から発せられる信号に対して返答を行う音響トランスポンダ(図示無し)が設けられている。通信対象音響通信手段23は、音波を送信する送波器と音波を受信する受波器とを有する。
浮体10が通信対象20との間で行う音響通信においては、通信範囲と通信距離はトレードオフの関係にあり、従来は両立のためにジンバル等の機構を組み込む必要があった。また、音響通信においては浮体10の動揺や傾斜は障害と見なされており、これらを軽減させ如何に浮体10を水平に安定させるかに注力されてきた。しかし、上述のようにジンバル等の駆動部品の採用や浮体10を水平に安定させるための機器類の搭載は、構造の複雑化や高価格化等を招来してしまう。
そこで本実施形態による浮体10は、通信対象20の位置情報を取得し、浮体10に備えた指向角の限られた音響通信手段15を、浮体10の姿勢を制御して浮体10の本体10aを傾斜等させることにより指向方位を通信対象20の位置に向け、水中の通信対象20との間で音響通信を行なう。このように、これまで障害と見なされてきた浮体10の傾斜等を積極的に活用することで浮体10に固定された音響通信手段15を通信対象20へ指向させることができる。これにより、通信対象20や浮体10を移動させたり、タレットやジンバル、スタビライザー等の機構や構造を用いたりすることなく、浮体の姿勢を制御するだけで指向方位を制御し、迅速に音響通信に係る通信範囲と通信距離の拡大を両立することができる。姿勢制御による指向方位の制御は、音響通信可能な位置に水上航走体を走行させて通信を行う従来の方式と比較して、姿勢を変えるだけで指向角の限られた音響通信手段15を通信対象の方に向けることができるため、迅速に音響通信に係る通信範囲と通信距離の拡大を図ることができる。また、姿勢制御は浮体10が備えている姿勢制御手段を利用して、指向方位を変える制御を容易に行うことができる。
また、浮体10は、浮体10と通信対象20との間で音響通信を完了させるために必要な所定の時間(数秒~十数秒)だけ、浮体10の姿勢を制御することにより、音響通信手段の指向方位を通信対象の位置に向けることが好ましい。これにより、音響通信に必要な所定の時間を含む時間だけ浮体10の姿勢を制御し指向方位を保持すればよく、それ以外の時間は浮体10の他の任務や別の作業に充てたり、浮体10の消費電力等を節約することができる。
浮体10は、浮体10の浮力バランスを調整することで、浮体10のピッチ(進行方向に対する縦の傾斜)、ロール(進行方向に対する横の傾斜)、ヨー(上下を軸とした回動)、又はヒーヴ(上下動)の少なくとも一つにより自機の姿勢を制御することができる。これにより、浮体10の姿勢を通常の浮体姿勢制御の範囲内で容易に精度よく制御することができる。
浮体10の浮力バランスの調整は、浮体10に設けられている浮力調整装置を姿勢制御手段として利用して行う。浮力調整装置は外部から水を取り込み可能かつ外部へ排水可能な構造となっており、吸水及び排水により浮力バランスを調整することができる。
また、浮体10は、浮体10の重心を変化させることで、浮力バランスを調整し、ピッチ、ロール又はヨーのいずれか一つにより自機の姿勢を制御することができる。これにより、浮体10の浮力バランスの調整により姿勢を容易に制御することができる。
浮体10の重心の変化は、上述の浮力調整装置における吸水及び排水の他、浮体10に設けられているバラストを姿勢制御手段として利用してバラストの切り離し等により行う。
また、浮体10は、推進器等の航走手段14の推力又は反動を利用して自機の姿勢を制御することができる。これにより、浮体10が備えている航走手段14を姿勢制御手段として利用して浮体10の姿勢を容易に制御することができる。
また、浮体10は、舵13a、横舵13bの少なくとも一つを制御することで、自機の姿勢を制御することができる。これにより、浮体10が備えている舵13a又は横舵13bを姿勢制御手段として利用して浮体10の姿勢を容易に制御することができる。
浮体10に設けられている舵は、縦の舵13aと水平の横軸13bとを十字型に組み合わせたものである。なお、横舵13bは水平に対して角度をもって斜めに設けられたものであってもよい。
また、水上航走体である浮体10は、ピッチよりもロールの方がより大きな傾斜角度の姿勢をとることができるため、水中の通信対象20が浮体10の右方向又は左方向に位置するように通信対象20が存在する水中位置の上となる海面位置からの距離を保ちながら、海面位置を略中心として回遊する航跡に沿って走行することで、舵13a又は横舵13bの機能を発揮させ、通信対象20との音響通信を行いやすくすることができる。
また、上述のように本実施形態の通信対象20は移動手段21を備えた移動体であり、浮体10は、通信対象20の位置情報に基づき自機の姿勢を制御する。通信対象20が移動体の場合は位置が一定でないため、このように通信対象20の位置を把握して浮体10の姿勢を制御することで、通信対象20の位置を的確に把握して浮体10の姿勢を効率よく制御することができる。
また、通信対象20が移動体であり、あらかじめ定まった航路計画に従った移動を行う場合は、その航路計画から導出される通信対象20の位置情報に基づき自機の姿勢を制御することができる。これにより、航路計画から通信対象20の位置を把握して浮体10の姿勢を的確に制御することができる。
また、浮体10は、指向角が音響通信手段15よりも広い位置情報取得手段(測位手段)17により移動体である通信対象20を測位し、得られた通信対象20の位置情報に基づき自機の姿勢を制御することができる。これにより、通信対象20の位置を測位手段17により測位し的確に把握して浮体10の姿勢を効率よく制御することができる。
また、浮体10は、移動体である通信対象20に設けられた水中測位手段(慣性航法装置)22から得られる通信対象20の位置情報に基づき自機の姿勢を制御することができる。これにより、通信対象20の位置を移動体の位置情報に基づき的確に把握して浮体10の姿勢を効率よく制御することができる。
なお、水中測位手段は、通信対象20とは別の移動体(水中航走体)や水底Bに設けることもできる。
なお、上記実施形態では浮体10を自律型無人水上航走体(ASV)として説明したが、浮体10は航走手段や舵を有さないものであってもよい。この場合、浮体10の姿勢の制御は、浮力バランスの調整又は重心の変化等により行う。
また、上記実施形態では通信対象20を自律型無人水中探査機(AUV)として説明したが、通信対象20は海中又は水底Bの定位置に設けられたものとすることもできる。
本発明は、浮体10自身の姿勢の制御により浮体10に固定された音響通信手段15の指向方向を制御することで、通信対象20や浮体10を移動させたり、タレットやジンバル,スタビライザー等の機構や構造を用いたりすることなく音響通信範囲を制御することができ、浮体10による水中の通信対象20の管制等に活用できる。また、浮体10は航走型以外の係留された定置型であってもよく、船舶であってもよい。
10 浮体
15 音響通信手段
17 位置情報取得手段(測位手段)
20 通信対象

Claims (12)

  1. 洋上の浮体と水中の通信対象との間で音響通信を行なう音響通信方法において、前記通信対象の位置情報を取得し、前記浮体に備えた指向角の限られた音響通信手段を、前記浮体の姿勢を制御して前記浮体を傾斜又は動揺させることにより指向方位を前記通信対象の位置に向け音響通信を行なうことを特徴とした、浮体の姿勢制御による音響通信方法。
  2. 前記浮体と前記通信対象との間で前記音響通信を完了させるために必要な所定の時間だけ、前記浮体の姿勢を制御して前記浮体を傾斜又は動揺させることにより、前記音響通信手段の指向方位を前記通信対象の位置に向けることを特徴とした、請求項1に記載の浮体の姿勢制御による音響通信方法。
  3. 前記浮体の浮力バランスを調整することで、前記浮体のピッチ、ロール、ヨー、又はヒーヴの少なくとも一つを制御して前記浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とした、請求項1又は請求項2に記載の浮体の姿勢制御による音響通信方法。
  4. 前記浮体の重心を変化させることで、前記浮力バランスを調整し、前記ピッチ、前記ロール又は前記ヨーのいずれか一つを制御して前記浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とした、請求項3に記載の浮体の姿勢制御による音響通信方法。
  5. 前記通信対象が移動体である場合において、前記移動体の前記位置情報に基づき前記姿勢を制御して前記浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とした、請求項1から4のいずれか1項に記載の浮体の姿勢制御による音響通信方法。
  6. 前記移動体のあらかじめ定まった航路計画に従った前記位置情報に基づき前記姿勢を制御して前記浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とした、請求項5に記載の浮体の姿勢制御による音響通信方法。
  7. 前記浮体に設けた測位手段により測位した前記移動体の前記位置情報に基づき前記姿勢を制御して前記浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とした、請求項5に記載の浮体の姿勢制御による音響通信方法。
  8. 前記水中に設けた水中測位手段から得られる前記移動体の前記位置情報に基づき前記姿勢を制御して前記浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とした、請求項5に記載の浮体の姿勢制御による音響通信方法。
  9. 前記浮体が航走手段を有し、前記航走手段の推力又は反動を利用して前記姿勢を制御して前記浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とした、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の浮体の姿勢制御による音響通信方法。
  10. 前記浮体が舵と横舵を有した水上航走体であり、前記水上航走体を走行させ、前記舵又は前記横舵の少なくとも一つを制御し、前記水上航走体の前記姿勢を制御して前記浮体を傾斜又は動揺させることを特徴とした、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の浮体の姿勢制御による音響通信方法。
  11. 前記水上航走体が前記通信対象を前記水上航走体の右方向又は左方向に位置するように保ちながら、前記通信対象の存在する位置の上の海面位置を略中心として回遊する航跡に沿って走行することを特徴とした、請求項10に記載の浮体の姿勢制御による音響通信方法。
  12. 前記通信対象と、
    前記音響通信手段を備えた前記浮体と、
    前記浮体の前記姿勢を制御する姿勢制御手段と、
    前記通信対象の前記位置情報を取得する位置情報取得手段とを備え、
    請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の音響通信方法を行なうことを特徴とした、浮体の姿勢制御による音響通信システム。
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