JP7299277B2 - 粘着剤付き化粧シート及び構造体 - Google Patents
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Description
新装、改装における工期は短いことが好ましい。新装、改装における工期の短縮を目的とする化粧シートが特許文献1、2に開示されている。この化粧シートの表面はメラミン樹脂から成る。また、この化粧シートは粘着剤層を有する。
(A)ケイ素アルコキシドの加水分解縮合物
(B)水性シリカゾルを親水性溶媒で置換したオルガノシリカゾル
(C)親水基と疎水基とを有するアクリルコポリマー
(m)消臭性物質
(n)抗ウイルス性物質
(o)抗アレルゲン性物質
本開示の1つの局面である粘着剤付き化粧シートは、例えば、消臭、抗ウイルス、抗アレルゲン等の機能を発現する。
1.粘着剤付き化粧シート
(1)(A)ケイ素アルコキシドの加水分解縮合物
本開示の粘着剤付き化粧シートは化粧シート層を備える。化粧シート層は表層を備える。表層は、機能性組成物の硬化物を含む。機能性組成物は、(A)ケイ素アルコキシドの加水分解縮合物(以下では(A)成分ともいう)を含む。
ケイ素アルコキシドとして、例えば、下記化学式1で示される構造を有するケイ素アルコキシドが挙げられる。nは整数である。
ケイ素アルコキシドの加水分解縮合物の市販品として、「HAS-1」(SiO2含有量20.7~21.5質量%、エタノール/イソプロパノール/メタノール混合溶媒)、「HAS-6」(SiO2含有量17.6~18.4質量%、エタノール/メタノール混合溶媒)、「HAS-10」(SiO2含有量10.0~10.4質量%、エタノール/イソプロパノール/メタノール混合溶媒)等が挙げられる。「HAS-1」、「HAS-6」、及び「HAS-10」は、コルコート株式会社製の商品名である。
本開示の粘着剤付き化粧シートは化粧シート層を備える。化粧シート層は表層を備える。表層は、機能性組成物の硬化物を含む。機能性組成物は、(B)水性シリカゾルを親水性溶媒で置換したオルガノシリカゾル(以下では(B)成分ともいう)を含む。
本開示の粘着剤付き化粧シートは化粧シート層を備える。化粧シート層は表層を備える。表層は、機能性組成物の硬化物を含む。機能性組成物は、(C)親水基と疎水基を有するアクリルコポリマー(以下では(C)成分ともいう)を含む。
本開示の粘着剤付き化粧シートは化粧シート層を備える。化粧シート層は表層を備える。表層は、機能性組成物の硬化物を含む。機能性組成物は、(A)~(C)成分を含む主成分を含む。
本開示の粘着剤付き化粧シートは化粧シート層を備える。化粧シート層は表層を備える。表層は、機能性組成物の硬化物を含む。機能性組成物は、機能発現物質を含む。機能発現物質は、(m)消臭性物質、(n)抗ウイルス性物質、(o)抗アレルゲン性物質から成る群から選ばれる少なくとも1以上である。
物理吸着型の消臭性物質は、多孔質材料の細孔に臭い又はガスが吸着することで消臭効果を発揮する。物理吸着型の消臭性物質は、常温でガスを吸着した後に高温の熱、摩擦熱等の熱に触れると、吸着性能が低下し、吸着したガスを再放出することがある。
機能性組成物において、(m)消臭性物質及び(n)抗ウイルス性物質の合計配合量は、主成分の固形分100質量部に対して、60~150質量部であることが好ましく、75~115質量部であることが一層好ましい。(m)消臭性物質及び(n)抗ウイルス性物質の合計配合量が上記の範囲内である場合、外観、消臭性、抗ウイルス性において特に優れた粘着剤付き化粧シートとなる。(m)消臭性物質及び(n)抗ウイルス性物質の合計配合量が上記の下限値未満の場合、消臭性、抗ウイルス性がやや劣る。(m)消臭性物質及び(n)抗ウイルス性物質の合計配合量が上記の上限値を超える場合、表層に白化ムラが生じ易くなる。
機能性組成物において、(m)消臭性物質及び(o)抗アレルゲン性物質の合計配合量は、主成分の固形分100質量部に対して30~16質量部であることが好ましく、35~110質量部であることが一層好ましい。(m)消臭性物質及び(o)抗アレルゲン性物質の合計配合量が上記の範囲内であれば、外観、消臭性、抗アレルゲン性に特に優れた粘着剤付き化粧シートとなる。(m)消臭性物質及び(o)抗アレルゲン性物質の合計配合量が上記の下限値未満の場合は、消臭性、抗アレルゲン性がやや劣る。(m)消臭性物質及び(o)抗アレルゲン性物質の合計配合量が上記の上限値を超える場合は、表層に白化ムラが生じ易くなる。
機能性組成物において、(n)抗ウイルス性物質及び(o)抗アレルゲン性物質の合計配合量は、主成分の固形分100質量部に対して15~200質量部であることが好ましく、35~125質量部であることが一層好ましい。(n)抗ウイルス性物質及び(o)抗アレルゲン性物質の合計配合量が上記の範囲内であれば、外観、抗ウイルス性、抗アレルゲン性に特に優れた粘着剤付き化粧シートとなる。(n)抗ウイルス性物質及び(o)抗アレルゲン性物質の合計配合量が上記の下限値未満の場合は抗ウイルス性、抗アレルゲン性がやや劣る。(n)抗ウイルス性物質及び(o)抗アレルゲン性物質の合計配合量が上記の上限値を超える場合は、表層に白化ムラが生じ易くなる。
本開示の粘着剤付き化粧シートは化粧シート層を備える。化粧シート層は化粧層を備える。化粧層は、例えば、メラミン樹脂の硬化物を含む。化粧層は、例えば、メラミン樹脂含浸パターン紙を含む。メラミン樹脂含浸パターン紙は、例えば、坪量が80~140g/m2程度の化粧紙にメラミン樹脂を主成分とする樹脂液(以下、メラミン樹脂液とする)を含浸し、乾燥させたものである。メラミン樹脂含浸パターン紙における数式1で定義される含浸率は、70~160%の範囲が好ましい。
本開示の粘着剤付き化粧シートは化粧シート層を備える。化粧シート層は表層を備える。表層は、例えば、化粧シート層の表面に位置する。表層は、例えば、オーバーレイ層の上に積層されている。表層は、機能性組成物の硬化物を含む。機能性組成物は、(A)~(C)成分を含む主成分と、(m)~(o)から成る群から選択される1以上の機能発現物質とを含む。
転写シートを製造する方法は、例えば、機能性組成物を含む塗工液をシート状基材に塗布する方法である。塗工液をシート状基材に塗布する方法として、例えば、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、カーテンコート法、リバースコート法、コンマコート法等が挙げられる。
本開示の粘着剤付き化粧シートは化粧シート層を備える。化粧シート層は混抄紙層を備える。混抄紙層は、混抄紙により構成される層である。
混抄紙は、例えば、熱硬化性樹脂を有する樹脂液を珪酸マグネシウム混抄紙に含浸し、乾燥して形成した熱硬化性樹脂含浸紙である。また、混抄紙は、例えば、珪酸マグネシウム混抄紙に難燃剤を含浸し、乾燥して形成した難燃剤含浸紙である。熱硬化性樹脂含浸紙又は難燃剤含浸紙を用いることによりバランスが良くなり、仕上がった粘着剤付き化粧シートの反りを抑制することができる。熱硬化性樹脂含浸紙又は難燃剤含浸紙に用いられる繊維質基材は、耐熱性を有することがよい。
熱硬化性樹脂含浸紙に用いられる熱硬化性樹脂として、例えば、アミノ-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール-アルデヒド樹脂、ビニルエステル樹脂等が挙げられる。アミノ-ホルムアルデヒド樹脂は、メラミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のアミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合によって得ることができる。
フェノール-アルデヒド樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、フェノール性水酸基1モルに対してアルデヒド類1~1.3モルの割合で、塩基性触媒下にて反応させて得られる。フェノール類として、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、オクチルフェノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF等が挙げられる。
フェノール-アルデヒド樹脂は、必要に応じて、パラスルフォンアミド、桐油、リン酸エステル類、グリコール類等の、可塑化を促す変性剤で変性された変性フェノール-アルデヒド樹脂であってもよい。
塩基性触媒として、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、及びマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物が挙げられる。また、他の塩基性触媒として、例えば、及びトリエチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、アンモニア等が挙げられる。
ビニルエステル樹脂は、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とをエステル化触媒を用いて反応して得られる。エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールAとエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加物のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂等が挙げられる。
エステル化触媒として、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミン等の第三級アミン類;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩;塩化リチウム、塩化クロム等の無機塩;2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;テトラメチルホスフォニウムクロライド、ジエチルフェニルプロピルホスフォニウムクロライド、トリエチルフェニルホスフォニウムクロライド、ベンジルトリエチルフェニルホスフォニウムクロライド、ジベンジルエチルメチルホスフォニウムクロライド、ベンジルメチルジフェニルホスフォニウムクロライド、テトラフェニルホスフォニウムブロマイド等のホスフォニウム塩;第二級アミン類;テトラブチル尿素;トリフェニルホスフィン;トリトリールホスフィン;トリフェニルスチビン等が挙げられる。
本開示の粘着剤付き化粧シートは化粧シート層を備える。化粧シート層はコア層を備える。
プリプレグに用いられる繊維質基材として、例えば、有機繊維基材、無機繊維基材等が挙げられる。有機繊維基材として、例えば、有機成分を含む有機繊維からなる不織布、織物が挙げられる。有機繊維に含まれる有機成分として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等、又は、これらの変成物、エチレン-酢酸ビニル共重合体等に代表される各種共重合体、又はこれらの混合物が挙げられる。
無機繊維基材として、例えば、無機成分を含む無機繊維からなる不織布、織布等が挙げられる。無機繊維に含まれる無機成分として、例えば、ガラス繊維、ロックウール、炭素繊維等が挙げられる。
無機繊維基材を用いた場合は、有機繊維基材を用いた場合よりも、粘着剤付き化粧シートの不燃性が一層向上する。無機繊維基材の中でも、特に、ガラス繊維を含む不織布は、繊維方向がない。そのため、ガラス繊維を含む不織布を用いた場合は、粘着剤付き化粧シートの反りが抑制される。また、ガラス繊維を含む不織布を用いた場合、粘着剤付き化粧シートの耐熱性、耐炎性、スラリーの含浸性が一層向上する。
コア層に用いられているプリプレグにおいて、無機繊維基材の坪量は、10~200g/m2の範囲が好ましい。コア層を構成するプリプレグは、繊維質基材に加えて、さらに、バインダー成分を含むことが好ましい。バインダー成分は、例えば、熱可塑性樹脂からなる。
バインダー成分は、結着剤としての役割を担う。バインダー成分は、プリプレグを構成する材料同士、プリプレグ間、及びプリプレグにより構成されるコア層とコア層に隣接する層とを結着する。
バインダー成分として、熱可塑性樹脂が好ましい。コア層のプリプレグは、アクリル樹脂エマルジョンを含むことが好ましい。バインダー成分である熱可塑性樹脂として、アクリル樹脂エマルジョンが好ましい。特に、ガラス転移温度(Tg)が-20℃以上のアクリル樹脂エマルジョンを用いると、コア層の密着性や成形性が向上するため、より好ましい。その中でも、平均粒子径が150~300nmのアクリル樹脂エマルジョンを用いると、コア層の結着力、及び粘着剤付き化粧シートの曲げ加工性や平滑性を一層向上させることができるため、さらに好ましい。平滑性が向上する理由は、アクリル樹脂エマルジョンが微粒子であるためであると推測される。アクリル樹脂エマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとして水中で乳化重合又は懸濁重合して得られるものである。アクリル樹脂エマルジョンの製造に使用するモノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヒドロキシエチル等のエステルが挙げられる。これらのモノマーに加えて、他の共重合可能なモノマーや多官能モノマーを共重合させてもよい。
なお、平均粒子径は、レーザー光回折・散乱式粒子径測定装置(大塚電子株式会社製ELS-8000)を使用し、レーザーの照射時に検出された散乱光に基づいて計算した値である。
プリプレグにおいて繊維質基材に含浸されているスラリー中での熱可塑性樹脂の配合割合は、固形分で3~17質量%とすることが好ましい。熱可塑性樹脂の配合割合が17質量%限以下であることにより、粘着剤付き化粧シートの不燃性が一層向上するとともに、化粧シート層の熱圧成形時にプリプレグから合成樹脂が染み出したりすることを抑制できる。また、熱可塑性樹脂の配合割合が3質量%以上であることにより、プリプレグ同士の密着性が一層向上するとともに、繊維質基材へ含浸するスラリーの量のコントロールが一層容易になる。
コア層中の熱可塑性樹脂の量は、10~100g/m2であることが好ましい。コア層中の熱可塑性樹脂の量とは、単位面積のコア層中の熱可塑性樹脂の重量である。熱可塑性樹脂の量が100g/m2以下である場合、粘着剤付き化粧シートの不燃性が一層向上する。また、熱可塑性樹脂の量が100g/m2以下である場合、化粧シート層を熱圧成形により製造するときに、熱可塑性樹脂が染み出したりすることを抑制できる。
コア層中の熱可塑性樹脂の量が10g/m2以上である場合、コア層を構成するプリプレグ同士の密着性が一層向上する。また、熱可塑性樹脂の量が10g/m2以上である場合、繊維質基材へスラリーを含浸させてコア層を製造する場合に、スラリーの含浸量を一層容易にコントロールできる。
コア層を構成するプリプレグは、繊維質基材に、上記のバインダー成分に加えて、さらに、吸熱性金属水酸化物を含むことが好ましい。
吸熱性金属水酸化物とは、吸熱反応を生じさせ得る金属水酸化物をいう。吸熱性金属水酸化物は、結晶水を含むものが多い。吸熱性金属水酸化物は、高温時に分解し、水を放出する。吸熱性金属水酸化物の反応は吸熱反応であるため、吸熱性金属水酸化物は燃焼時に温度上昇を抑制する効果がある。コア層が吸熱性金属水酸化物を含む場合、粘着剤付き化粧シートの不燃性が向上する。
吸熱性金属水酸化物として、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、特に水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムが好ましい。繊維質基材に含浸されるスラリーの固形分の含有量を100質量部とする。スラリー中の吸熱性金属水酸化物の含有量が20~95質量部である場合、粘着剤付き化粧シートの密着性及び不燃性能が向上する。
吸熱性金属水酸化物の平均粒子径は、例えば、1~50μmの範囲内とすることができる。この平均粒子径は、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)により検出された粒度分布(体積分布)から算出された算術平均径である。吸熱性金属水酸化物の平均粒子径が上記の範囲内である場合、スラリー中での吸熱性金属水酸化物の分散性が向上し、スラリーの繊維質基材への含浸性が向上する。また、粘着剤付き化粧シートの表面が平滑になる。
コア層中の吸熱性金属水酸化物の量は、50~600g/m2の範囲内が好ましい。コア層中の吸熱性金属水酸化物の量とは、単位面積のコア層中の吸熱性水酸化物の重量である。コア層中の吸熱性金属水酸化物の量がこの範囲内である場合、コア層を構成するプリプレグ同士の密着性が高くなり、粘着剤付き化粧シートの不燃性が向上する。
前記のコア層用のスラリーは、他に、吸熱性金属水酸化物以外の無機充填材、シランカップリング剤、難燃剤等を含んでもよい。吸熱性金属水酸化物以外の無機充填材として、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等の炭酸塩、シリカ、タルク、フライアッシュ等が挙げられる。無機充填材の平均粒子径は、例えば、0.05~20μmの範囲内である。無機充填材の平均粒子径がこの範囲内である場合、繊維質基材へのスラリー含浸性が一層向上する。無機充填材の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)により検出された粒度分布(体積分布)から算出された算術平均径で算出された値である。
無機充填材の中でも、特に、炭酸塩、炭酸塩の中でも特に炭酸カルシウムを選択することが好ましい。炭酸塩を選択した場合、粘着剤付き化粧シートの製造工程における作業性、切削性が一層向上する。炭酸カルシウムとして、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム(沈降性炭酸カルシウム)等を用いることができる。炭酸カルシウムの平均粒子径は、例えば、0.05~10μm、より好ましくは0.1~5μmである。炭酸カルシウムの平均粒子径が0.05μm以上である場合、スラリー中で炭酸カルシウムの凝集が生じ難くなり、繊維質基材へのスラリーの含浸性が向上する。また、炭酸カルシウムの平均粒子径が10μm以下である場合、粘着剤付き化粧シートの表面が一層平滑となり、粘着剤付き化粧シートの外観が向上する。
軽質炭酸カルシウムとは、石灰石を焼成し化学的に製造される炭酸カルシウムを意味する。重質炭酸カルシウムとは、白色結晶質石灰石を乾式又は湿式粉砕して造った微粉炭酸カルシウムを意味する。
コア層を構成するプリプレグに含まれる全無機充填材中に占める吸熱性金属水酸化物の配合割合は30~100質量%とすることができる。配合割合がこの範囲内の場合、化粧シート層、及び粘着剤付き化粧シートの不燃性及び切削性が一層向上する。
コア層を構成するプリプレグを製造するために繊維質基材に含浸されるスラリーは、例えば、シランカップリング剤を含む。スラリーがシランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤を含まない場合よりも、日本工業規格JIS K-6902:2007「熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法」の耐煮沸性において、プリプレグの重量増加率が一層小さくなり、また、プリプレグと混抄紙層との密着性が一層向上する。コア層を構成するプリプレグにおけるシランカップリング剤の配合割合は、固形分換算でスラリー全成分中の0.1~10質量%の範囲であることが好ましい。
シランカップリング剤として、例えば、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基含有シラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン、p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基含有シラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン等が挙げられる。特に、エポキシ基含有シランやアミノ基含有シランを用いると、プリプレグにおける架橋密度が一層向上する。
シランカップリング剤の量は、1~20g/m2の範囲内が好ましい。シランカップリング剤の量がこの範囲内である場合、上述したシランカップリング剤による効果が一層顕著になる。シランカップリング剤の量とは、単位面積のコア層が含むシランカップリング剤の重量である。
コア層は、難燃剤を含むことが好ましい。難燃剤は、例えば、プリプレグを形成するためのスラリーに含まれる。
難燃剤として、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、リン・窒素系難燃剤が好ましい。リン系難燃剤として、例えば、リン酸エステル、含リンポリオール、含リンアミン等が挙げられる。窒素系難燃剤として、例えば、メラミンシアヌレート、トリアジン化合物、グアニジン化合物等が挙げられる。リン・窒素系難燃剤として、例えば、リン酸グアニジン、リン酸グアニル尿素等が挙げられる。
難燃剤の量は、1~100g/m2の範囲内が好ましい。この範囲内であることにより、上述した難燃剤による効果が一層顕著になる。難燃剤の量とは、単位面積のコア層中の難燃剤の重量である。
コア層を製造するために繊維質基材にスラリーを含浸するときは、上記の数式1で定義される含浸率が500~1200%の範囲になるようにすることが好ましい。含浸率が1200%以下である場合、プリプレグからのスラリー固形分の脱落を抑制することができ、プリプレグを取り扱い易くなる。含浸率が500%以上である場合、プリプレグの層間剥離が生じ難くなる。
(10)粘着剤層
本開示の粘着剤付き化粧シートは粘着剤層を備える。粘着剤層は、化粧シート層における表層とは反対側に設けられている。
(11)化粧シート層の構成
本開示の粘着剤付き化粧シートは化粧シート層を備える。化粧シート層では、表層、化粧層、混抄紙層、及びコア層がこの順に積層されている。
化粧層の厚みは、0.05mm以上0.15mm以下が好ましい。化粧層の厚みが0.05mm以上0.15mm以下である場合、化粧シート層における化粧層以外の層の合計厚みは、0.15mmよりも大きく1.8mm以下が好ましく、0.2mm以上1.3mm以下であることが一層好ましい。
化粧シート層のうち、表層を除く部分は、例えば、化粧層と、混抄紙層と、コア層とを積層し、平板プレス、連続プレス等のプレス機で熱圧成形することで得られる。
化粧シート層の裏面に粘着剤層を設ける方法として、例えば、化粧シート層を製造した後に、化粧シート層の裏面に、粘着剤層を圧着、ラミネートする方法が挙げられる。
図1に示すように、本開示の粘着剤付き化粧シート11は、化粧シート層1と、化粧シート層1の裏面に設けられた粘着剤層9とを備える。化粧シート層1は、下から順に、コア層4、混抄紙層5、化粧層3、表層2が積層された積層構造を有することが好ましい。「下」とは、粘着剤層9の側を意味する。化粧シート層1がこのような積層構造を有する場合、コア層4の素材の色が化粧シート層1の表面に現れ難く、粘着剤付き化粧シート11の平滑性が優れる。
図2に示すように、化粧層3の上方にオーバーレイ層8が積層されて形成されていてもよい。この場合は、化粧層3の絵柄の鮮明性はやや劣るものの、耐摩耗性に優れた粘着剤付き化粧シート12となる。
図3に示すように、化粧シート層1は、下から順に、バランス層5、コア層4、化粧層3、オーバーレイ層8が積層された積層構造を有していてもよい。
(イ)粘着剤付き化粧シートと基材とを用意する。
(ハ)前記(イ)のステップで得られた基材に対し、粘着剤付き化粧シートを貼り合わせ、接着することで、複合体を形成する。複合体は、粘着剤付き化粧シートと基材とから成る。
粘着剤付き化粧シートを所定のサイズにカットするときや、粘着剤付き化粧シートの角部を仕上げカットするときは、例えば、電動丸鋸、カッターナイフ、はさみ等を使用することができる。粘着剤付き化粧シートと基材との密着をより強固にするために、前記(ハ)のステップの前に、基材を水系プライマー又は溶剤系プライマーで処理してもよい。
2.構造体
本開示の構造体は、基材と、粘着剤付き化粧シートとを備える。粘着剤付き化粧シートは、基材に接着されている。
(1)実施例1
(1-1)主成分の製造
以下の各成分を混合することにより、主成分を製造した。
「NPC-ST-30」(商品名、日産化学工業株式会社製、平均粒子径10~15nm、エチレングリコールモノn-プロピルエーテル分散シリカゾル、SiO230質量%):600質量部(固形分換算)
「DISPERBYK-2009」(アクリルコポリマーの溶液、アクリルコポリマー44質量%、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル)(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製):13.2質量部(固形分換算)
「HAS-1」は(A)成分である。「NPC-ST-30」は親水性溶媒に分散されたオルガノシリカゾルである。「NPC-ST-30」は(B)成分である。「DISPERBYK-2009」は(C)成分である。
微粒子状の(m)消臭性物質を製造した。(m)消臭性物質の組成は、酸化亜鉛74質量%及びアミノ変性シリカ26質量%であった。(m)消臭性物質の平均粒子径は350nmであった。
機能性組成物(M)を含む塗工液をプラスチックフィルムに塗工して転写シート(M)を得た。塗工液を塗布して得られた塗膜の膜厚は、塗膜の乾燥後において4.5μmであった。塗工液を塗布して得られた塗膜は、機能性組成物(M)の硬化物の層である。機能性組成物(M)の硬化物の層は、表層となる。
メラミン-ホルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液(AA)を化粧紙に含浸し、メラミン樹脂含浸パターン紙(M)を得た。化粧紙の坪量は100g/m2であった。化粧紙の表面には、導管部を有する木目模様の絵柄が印刷されていた。メラミン樹脂含浸パターン紙(M)において、数式1で定義される含浸率は140%であった。メラミン樹脂含浸パターン紙(M)は化粧層を構成する。
珪酸マグネシウム混抄紙(商品名:GP-18、タイガレックス株式会社製)を用意した。珪酸マグネシウム混抄紙の坪量は180g/m2であった。珪酸マグネシウム混抄紙は、含水珪酸マグネシウム(セピオライト)80質量%と、パルプ10質量%と、ガラス繊維5質量%と、有機バインダー5質量%とを含んでいた。
以下の各成分を混合し、混合物を製造した。
アクリル樹脂エマルジョン(品番RAX-208、アイカ工業株式会社製):32質量部
水酸化アルミニウム:300質量部
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:2.7質量部
リン酸グアニジン(アピノン303、三和ケミカル株式会社製、全窒素含有量39%):29質量部
アクリル樹脂エマルジョンはバインダーである。アクリル樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は60℃であった。アクリル樹脂エマルジョンにおける主モノマーは2-エチルヘキシルアクリレートとメチルメタアクリレートとであった。アクリル樹脂エマルジョンの平均粒子径は200nmであった。
下から順に、1枚のプリプレグ、1枚のリン酸グアニジン含浸混抄紙、1枚のメラミン樹脂含浸パターン紙(M)、及び転写シート(M)を積層し、積層体を形成した。転写シート(M)の向きは、機能性組成物(M)の硬化物の層がメラミン樹脂含浸パターン紙(M)と対向する向きであった。リン酸グアニジン含浸混抄紙はバランス層を構成した。機能性組成物(M)の硬化物の層は表層となった。
(1-8)粘着剤付き化粧シートの製造
化粧シート層(M)の裏面に、粘着シート(日栄化工株式会社製)を貼着して、厚み0.55mmの粘着剤付き化粧シートを得た。裏面とは、化粧シート層(M)の表面のうち、表層とは反対側の表面である。粘着シートは、シリコーン離型紙と、シリコーン離型紙の上にアクリル樹脂を主成分とするアクリル系粘着剤を塗布して成る粘着材層とを備えるものであった。粘着シートの厚みは136μmであった。
基本的には実施例1と同様にして粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
実施例3では、機能性組成物(M)を製造するとき、主成分100質量部に対し、(m)消臭性物質を30質量部配合した。
実施例5では、主成分を製造するとき、(C)成分である「DISPERBYK-2009」の配合量を16.8質量部とした。
実施例7では、主成分を製造するとき、(B)成分である「NPC-ST-30」の配合量を900質量部とした。
実施例9では、(m)消臭性物質の平均粒子径を1000nmにした。
実施例10では、転写シートを製造するとき、塗工液を塗布して得られた塗膜の膜厚を、塗膜の乾燥後において2.0μmとした。
実施例12では、(m)消臭性物質の組成を、酸化亜鉛を45質量%含み、アミノ変性シリカを55質量%含む組成とした。
実施例14では、(m)消臭性物質に代えて、(n)抗ウイルス性物質を製造した。(n)抗ウイルス性物質は、トリアジン-イミダゾール-チアゾール系の有機系合成抗ウイルス性物質であった。(n)抗ウイルス性物質の平均粒子径は1000nmであった。
(3)実施例15~19
基本的には実施例14と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
実施例18では、主成分を製造するとき、(C)成分である「DISPERBYK-2009」の配合量を16.8質量部とした。
基本的には実施例19と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
実施例21では、(n)抗ウイルス性物質の平均粒子径を3000nmにした。また、転写シートを製造するとき、機能性組成物(N)を含む塗工液を塗布して得られた塗膜の膜厚を、塗膜の乾燥後において2.2μmとした。
基本的には実施例21と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、実施例22では、(n)抗ウイルス性物質の平均粒子径を500nmにした。
基本的には実施例1と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
(7)実施例24~31
基本的には実施例23と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
実施例25では、機能性組成物(O)を製造するとき、主成分100質量部に対し、(o)抗アレルゲン性物質を50質量部配合した。
実施例27では、(o)抗アレルゲン性物質の平均粒子径を1000nmとした。
実施例28では、転写シートを製造するとき、機能性組成物(O)を含む塗工液を塗布して得られた塗膜の膜厚を、塗膜の乾燥後において2.0μmとした。
実施例30では、主成分を製造するとき、(B)成分である「NPC-ST-30」の配合量を900質量部とした。
(8)実施例32
基本的には実施例1と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
基本的には実施例2と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、実施例33では、粘着シートの厚みが80μmであった。
基本的には実施例3と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、実施例34では、粘着シートの厚みが50μmであった。
基本的には実施例1と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
(12)実施例36
基本的には実施例9と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
基本的には実施例1と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
基本的には実施例1と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。実施例38では、化粧シート層において、下から順に、混抄紙、プリプレグ、メラミン樹脂含浸パターン紙、表層の順に積層されている。
基本的には実施例15と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。実施例39では、混抄紙におけるリン酸グアニジンの含浸率を5%とした。
基本的には実施例16と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。実施例40では、混抄紙におけるリン酸グアニジンの含浸率を50%とした。
基本的には実施例19と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。実施例41では、混抄紙を製造するとき、リン酸グアニジンに代えて、メラミン樹脂を主成分とする含浸樹脂を用いた。
(18)実施例42
基本的には実施例20と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。実施例42では、混抄紙を製造するとき、リン酸グアニジンに代えて、フェノール樹脂を主成分とする含浸樹脂を用いた。
基本的には実施例1と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
実施例44では、(m)消臭性物質として酸化銅を用いた。
実施例45では、(m)消臭性物質として酸化ジルコニウムを用いた。
基本的には実施例14と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
実施例47では、(n)抗ウイルス性物質としてアミノ変性アクリル粒子を用いた。
基本的には実施例23と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
(22)実施例50
基本的には実施例1と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
坪量100g/m2の茶色の木目柄の印刷を施した化粧紙に、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液(AA)を、数式1で定義される含浸率が140%になるように含浸した。次に、その化粧紙に、実施例1で製造した機能性組成物(M)を含む塗工液を、乾燥後の膜厚が4.5μmとなるように塗布してメラミン樹脂含浸パターン紙(Mt)を得た。なお、化粧紙の表面には、導管部を有する木目模様の絵柄が印刷されていた。
(23)実施例51
基本的には実施例14と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
坪量100g/m2の茶色の木目柄の印刷を施した化粧紙に、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液(AA)を、数式1で定義される含浸率が140%になるように含浸し含浸紙を得た。次に、その含浸紙の表面に、実施例14で製造した機能性組成物(N)を含む塗工液を、乾燥後の膜厚が2.2μmとなるように塗工してメラミン樹脂含浸パターン紙(Nt)を得た。なお、化粧紙の表面には、導管部を有する木目模様の絵柄が印刷されていた。
基本的には実施例23と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
坪量100g/m2の茶色の木目柄の印刷を施した化粧紙に、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液(AA)を、数式1で定義される含浸率が140%になるように含浸し含浸紙を得た。次に、その含浸紙の表面に、実施例23で製造した機能性組成物(O)を含む塗工液を、乾燥後の膜厚が4.0μmとなるように塗工してメラミン樹脂含浸パターン紙(Ot)を得た。なお、化粧紙の表面には、導管部を有する木目模様の絵柄が印刷されていた。
基本的には実施例1と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
基本的には比較例3と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
比較例5~9では、各成分の種類、配合量、物性等を、表4-1及び表4-2に示すとおりとした。
基本的には実施例1と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、各成分の種類、配合量、物性等を、表5-1及び表5-2に示すとおりとした。
基本的には実施例1と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、各成分の種類、配合量、物性等を、表6-1及び表6-2に示すとおりとした。
実施例83は、化粧層の上方にオーバーレイ層を形成する実施例である。上方とは表層の側である。坪量22g/m2のオーバーレイ紙に実施例1で製造した樹脂液(AA)を含浸し、メラミン樹脂含浸オーバーレイ紙を得た。メラミン樹脂含浸オーバーレイにおける数式1で定義される含浸率は260%であった。
基本的には実施例83と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
実施例85では、実施例70で製造した転写シートを用いた。
実施例86では、化粧シート層を製造するとき、下から順に、リン酸グアニジン含浸混抄紙を1枚、ガラス繊維布基材プリプレグを1枚、メラミン樹脂含浸パターン紙を1枚、メラミン樹脂含浸オーバーレイ紙を1枚、転写シートを1枚積層した点以外は同様に実施した。リン酸グアニジン含浸混抄紙は、浸混抄紙層を構成する。浸混抄紙層はバランス層として機能する。
実施例87~100は、本開示の粘着剤付き化粧シートを使用する施工例である。
<基材の用意>
学校用机を用意した。学校用机は、メラミン化粧板から成る表層材を備えていた。表層材のサイズは、幅650mm、長さ450mmであった。幅650mm、長さ450mmは、JIS S 1021:2011に準拠したサイズであった。表層材を基材とした。
<粘着剤付き化粧シートのカット>
実施例83で製造した粘着剤付き化粧シートを用意した。粘着剤付き化粧シートを、電動丸鋸を用いて、幅650mm、長さ450mmのサイズにカットした。次に、カットした粘着剤付き化粧シートの角部を、はさみを用いて曲面にカットした。その結果、粘着剤付き化粧シートの角部の形状は、机の角部の形状と一致した。
<基材の平滑・下地処理>
基材の表面の汚れを拭き取った。次に、アクリル樹脂系パテにより、基材の表面の凹部を処理した。また、サンドペーパーを用いて、基材の表面の凸部を研磨し、基材の表面を平滑に仕上げた。
<粘着剤付き化粧シートと基材の接着>
粘着剤付き化粧シートの一端を基材の一方の端部に位置を合わせて貼着した。次に、スキージー(へら)を粘着剤付き化粧シートの表面に当てがい、一方の端部から他方の端部に向けて皺が寄らないように摺動させて、粘着剤付き化粧シートを基材に貼り合わせた。次に、粘着剤付き化粧シートの上で金属ローラーを転動させて粘着剤付き化粧シートを基材に圧締し、接着した。
<仕上げ>
粘着剤付き化粧シートの周縁をサンドペーパーで面取りして仕上げた。図4に、基材30と、粘着剤付き化粧シート11とから成る構造体を示す。図4において「20」はプライマーの層を表す。
<基材の用意>
飲食店舗用の机を用意した。机は、ラワン合板から成る表層材を備えていた。表層材とは下地の基材である。表層材のサイズは、幅600mm、長さ1200mmであった。表層材を基材とした。
<粘着剤付き化粧シートのカット>
実施例83で製造した粘着剤付き化粧シートを、カッターナイフを用いて、幅600mm、長さ1200mmのサイズにカットした。
<基材の平滑処理>
基材の表面を実施例87と同様に平滑に仕上げた。プライマー処理は行わなかった。
<粘着剤付き化粧シートと基材の接着>
実施例87と同様に行った。
<仕上げ>
実施例87と同様に行った。図5に、基材30と、粘着剤付き化粧シート11とから成る構造体を示す。
<基材の用意>
シナ合板から成るラウンドテーブルを用意した。ラウンドテーブルの天板の形状は、直径800mmの円形であった。ラウンドテーブルの天板を基材とした。
<粘着剤付き化粧シートのカット>
実施例83で製造した粘着剤付き化粧シートを、電動丸鋸を用いて、幅800mm、長さ800mmの矩形の形状にカットした。
<基材の平滑・下地処理>
基本的には実施例87と同様に、基材の平滑・下地処理を行った。ただし、下地処理に溶剤系プライマーを使用した。溶剤系プライマーは合成ゴム系専用溶剤系プライマー(品番:RQ-900P、アイカ工業株式会社製)であった。溶剤系プライマーの塗布量は120g/m2であった。RQ-900Pは10分程度で乾燥する速乾タイプのプライマーである。
<粘着剤付き化粧シートと基材の接着>
実施例87と同様に行った。
<仕上げ>
粘着剤付き化粧シートの周縁を、電動トリマーを用いて切削した。その結果、粘着剤付き化粧シートの周縁は、基材の周縁に一致した。
<粘着剤付き化粧シートの製造>
基本的には実施例83と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
<基材の平滑・下地処理>
学校のトイレの下地を基材とした。基材の面は垂直面であった。基材は珪酸カルシウム板であった。基材の表面の汚れをアルコールや乾いたウエスで拭き取った。基材の表面の凹部を、主剤と硬化剤とから成るエポキシパテで処理した。基材の表面の凸部を、サンドペーパーを用いて研磨し、基材の表面を平滑に仕上げた。
<粘着剤付き化粧シートと基材の接着>
粘着剤付き化粧シートの一端を基材の一方の端部に位置を合わせて貼着し、次いで、スキージー(へら)を粘着剤付き化粧シートの表面に当てがい、一方の端部から他方の端部に向けて皺が寄らないように摺動させて、粘着剤付き化粧シートを基材に貼り合わせた。次に、粘着剤付き化粧シートの上で金属ローラーを転動させて粘着剤付き化粧シートを基材に圧締し、接着した。
<粘着剤付き化粧シートの用意>
実施例83で製造した粘着剤付き化粧シートを、電動丸鋸を用いて幅900mm、長さ900mmのサイズにカットした。
<基材の平滑・下地処理>
コンビニエンスストアの壁面の下地を基材とした。基材の表面は垂直面であった。基材は亜鉛メッキ鋼板であった。基材の表面の汚れをアルコールや乾いたウエスで拭き取った。基材の表面の凹部を、主剤と硬化剤とから成るエポキシパテで処理した。基材の表面の凸部を、グラインダーを用いて研磨し、基材の表面を平滑に仕上げた。
<粘着剤付き化粧シートと基材の接着>
粘着剤付き化粧シートの一端を基材の一方の端部に位置を合わせて貼着した。次に、スキージー(へら)を粘着剤付き化粧シートの表面に当てがい、一方の端部から他方の端部に向けて皺が寄らないように摺動させて、粘着剤付き化粧シートを基材に貼り合わせた。次に、粘着剤付き化粧シートの上で金属ローラーを転動させて粘着剤付き化粧シートを基材に圧締し、接着した。
基本的には実施例91と同様に施工を行った。ただし、以下の点で相違する。
実施例92では、基材は焼付塗装鋼板であった。
実施例94では、基材はアルミニウム合金板であった。
(37)実施例95
<粘着剤付き化粧シートの用意>
実施例91と同様に、粘着剤付き化粧シートを用意した。
<基材の平滑・下地処理>
一般住宅の腰壁の下地を基材とした。基材はラワン合板であった。基材の表面の汚れを拭き取った。次に、アクリル樹脂系パテにより、基材の表面の凹部を処理した。また、サンドペーパーを用いて基材の表面の凸部を研磨し、基材の表面を平滑に仕上げた。
<粘着剤付き化粧シートと基材の接着>
粘着剤付き化粧シートの一端を基材の一方の端部に位置を合わせて貼着した。次に、スキージー(へら)を粘着剤付き化粧シートの表面に当てがい、一方の端部から他方の端部に向けて皺が寄らないように摺動させて、粘着剤付き化粧シートを基材に貼り合わせた。次に、粘着剤付き化粧シートの上で金属ローラーを転動させて粘着剤付き化粧シートを基材に圧締し、接着した。
基本的には実施例95と同様に施工を行った。ただし、基材はシナ合板であった。
(39)実施例97
<粘着剤付き化粧シートの用意>
実施例90と同様に、粘着剤付き化粧シートを用意した。粘着剤付き化粧シートの厚さは0.45mmであった。
<基材の平滑・下地処理>
学校のトイレの壁面を基材とした。基材の表面は垂直面であった。基材の表面は4000Rの曲面であった。基材はラワン合板であった。基材の表面の汚れを拭き取った。次に、アクリル樹脂系パテにより基材の表面の凹部を処理した。また、サンドペーパーを用いて基材の表面の凸部を研磨し、基材の表面を平滑に仕上げた。
<粘着剤付き化粧シートと基材の接着>
粘着剤付き化粧シートの一端を基材の一方の端部に位置を合わせて貼着した。次に、スキージー(へら)を粘着剤付き化粧シートの表面に当てがい、一方の端部から他方の端部に向けて皺が寄らないように摺動させて、粘着剤付き化粧シートを基材に貼り合わせた。次に、粘着剤付き化粧シートの上で金属ローラーを転動させて粘着剤付き化粧シートを基材に圧締し、接着した。
基本的には実施例96と同様に施工を行った。ただし、学校のトイレの壁面を基材とした。基材の表面は垂直面であった。基材の表面は4000Rの曲面であった。基材はシナ合板であった。
基本的には実施例90と同様に施工を行った。ただし、以下の点で相違する。粘着剤付き化粧シートは、実施例83で製造したものであった。また、基材の表面は垂直面であった。基材の表面は4000Rの曲面であった。基材は珪酸カルシウム板であった。
基本的には実施例91と同様に施工を行った。ただし、以下の点で相違する。基材の表面は垂直面であった。基材の表面は4000Rの曲面であった。基材は亜鉛メッキ鋼板であった。実施例87~100の施工条件を表19に示す。
基本的には実施例1と同様にして、粘着剤付き化粧シートを製造した。ただし、以下の点で相違する。
実施例107~110では、各成分の種類、配合量、物性等を表8-1及び表8-2に示すとおりとした。
上記実施例及び比較例について、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含む主成分及び機能性組成物の配合量や配合割合、機能発現物質の粒子径、塗工液のpH、塗布量、並びにコア層のコア材の種類を、表1-1~表9-2に示す。塗布量とは、塗工液を塗布して得られた塗膜の膜厚を、塗膜が乾燥後に測定した値である。
A:ケイ素アルコキシドの加水分解縮合物
B:水性シリカゾルを親水性溶媒で置換したオルガノシリカゾル
C:親水基と疎水基とを有するアクリルコポリマー
B/A:(B)成分の質量を(A)成分の質量で除した値である。
m:消臭性物質
n:抗ウイルス性物質
o:抗アレルゲン性物質
また、各表における(A)、(B)、及び(C)成分の質量部の数値は固形分の質量である。
(1)評価方法
各実施例及び各比較例に係る粘着剤付き化粧シートを、以下の方法で評価した。
<外観の評価>
粘着剤付き化粧シートの外観を、JIS K 6902:2007「熱硬化性樹脂高圧化粧シート試験方法」に基づき評価した。また、手のひらで粘着剤付き化粧シートの表面に5秒間触れた後に手を離し、表面を目視で観察することにより、指紋が目立つか否かを評価した。粘着剤付き化粧シートの外観の評価は、以下の基準で行った。
△1:僅かに表面に白化ムラが生じるが、化粧層の木目模様の絵柄の導管部は認識できる。指紋は目立たない。
×:著しく表面に白化ムラが生じ、化粧層の木目模様の絵柄が不鮮明で導管部が認識できない。指紋は目立たない。
<硫化水素消臭性能の評価>
粘着剤付き化粧シートから、100mm×200mmの大きさの試験片を切り出した。有効面積が200cm2になるように、アルミテープで試験片の裏面と側面とを被覆した。試験片を袋の中に入れた。袋はテドラーバッグであった。袋内での濃度が4ppmになるように、袋内に硫化水素ガス3Lを注入した。24時間経過後に、袋内での硫化水素残存濃度を測定した。この測定値により、消臭された硫化水素の総量を算出し、硫化水素ガスの消臭率(%)とした。
<アンモニア消臭性能の評価>
粘着剤付き化粧シートから、100mm×200mmの大きさの試験片を切り出した。有効面積が200cm2になるように、アルミテープで試験片の裏面と側面とを被覆した。試験片を袋の中に入れた。袋はテドラーバッグであった。袋内での濃度が100ppmになるように、袋内にアンモニアガス3Lを注入した。24時間経過後に、袋内でのアンモニア残存濃度を測定した。この測定値により、消臭されたアンモニアの総量を算出し、消臭率(%)とした。
<抗ウイルス性能ファージ試験>
試験ウイルスはバクテリオファージQβであった。試験規格は、JIS R 1756:2020「ファインセラミックス―可視光応答形光触媒材料の抗ウイルス性試験方法―バクテリオファージQβを用いる方法」であった。測定時間は24時間であった。
なお、未加工品とは、表層が形成されていない粘着剤付き化粧シートであり、加工品とは各実施例及び各比較例に係る粘着剤付き化粧シートである。
<抗アレルゲン性能アンモニア>
試験菌はダニアレルゲン(Der fII)、スギアレルゲン(Cry jI)であった。測定時間は24時間であった。測定方法はELISA法(酵素免疫測定法)であった。
<耐薬品性>
試験液は以下のとおりであった。
r:クレゾール石鹸水 5.0%溶液
s:次亜塩素酸ナトリウム 6.0%溶液
t:1%塩酸水溶液
u:1%水酸化ナトリウム水溶液
粘着剤付き化粧シートから試験片を切り出した。試験片を洗浄し、その後乾燥させた。試験液0.2mlを試験片に滴下し、24時間放置した。その後、試験液を水で洗い落とし、試験片の変化を肉眼で観察し、以下の基準で評価した。
△:侵食は無いが色調、艶が変化
×:侵食している
<不燃性>
ISO5660に準拠したコーンカロリーメーターによる20分試験の発熱性試験を行った。総発熱量が8MJ/m2以下であり、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えておらず、試験後の試験体において裏面まで貫通する割れ、ひび等がない場合を○とした。この3条件を一つでも満たさないものを×とした。
評価結果を表10-1~表18-2に示す。
表16-1に示すように、実施例101では、(m)消臭性物質の配合量が少なく消臭性能がやや劣っていた。実施例102では、(m)消臭性物質の配合量が多く、外観において僅かに白化ムラが生じた(△1)。実施例103では、(n)抗ウイルス性物質の配合量が少なく抗ウイルス性能がやや劣っていた。
実施例121では、抗アレルゲン性がやや劣っていた。実施例122では、外観において、指紋は目立たないものの、僅かに白化ムラが生じた(△1)。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
Claims (11)
- 表層(2)、化粧層(3)、混抄紙層(5)、及びコア層(4)が、前記表層、前記化粧層、前記混抄紙層、前記コア層の順、又は、前記表層、前記化粧層、前記コア層、前記混抄紙層の順で積層された化粧シート層(1)と、
前記化粧シート層における前記表層とは反対側に設けられた粘着剤層(9)と、を備え、
前記表層は、以下の(A)~(C)を含む主成分と、以下の(m)~(o)から成る群から選択される1以上の機能発現物質とを含む機能性組成物の硬化物を含み、
固形分換算で、前記(B)成分は、前記(A)成分1質量部に対して、0.5~12質量部配合され、
固形分換算で、前記(C)成分は、前記(B)成分1質量部に対して、0.005~0.3質量部配合された、
粘着剤付き化粧シート(11、12、13)。
(A)ケイ素アルコキシドの加水分解縮合物
(B)水性シリカゾルを親水性溶媒で置換したオルガノシリカゾル
(C)親水基と疎水基とを有するアクリルコポリマーであって、ポリアミン構造を有するアクリルコポリマー
(m)消臭性物質
(n)抗ウイルス性物質
(o)抗アレルゲン性物質 - 請求項1に記載の粘着剤付き化粧シートであって、
前記機能性組成物は前記(m)消臭性物質を含み、
前記機能性組成物において、前記(m)消臭性物質の配合量が、前記主成分の固形分100質量部に対して30~60質量部である、
粘着剤付き化粧シート。 - 請求項1又は2に記載の粘着剤付き化粧シートであって、
前記機能性組成物は前記(n)抗ウイルス性物質を含み、
前記機能性組成物において、前記(n)抗ウイルス性物質の配合量が、前記主成分の固形分100質量部に対して、35~75質量部である、
粘着剤付き化粧シート。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着剤付き化粧シートであって、
前記機能性組成物は前記(o)抗アレルゲン性物質を含み、
前記機能性組成物において、前記(o)抗アレルゲン性物質の配合量が、前記主成分の固形分100質量部に対して、3~50質量部である、
粘着剤付き化粧シート。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着剤付き化粧シートであって、
前記機能性組成物は前記(m)消臭性物質を含み、
前記(m)消臭性物質は、化学吸着型の消臭性物質である、
粘着剤付き化粧シート。 - 請求項5に記載の粘着剤付き化粧シートであって、
前記化学吸着型の消臭性物質は、酸化亜鉛、シリカ、ゼオライト、酸化銅、及び酸化ジルコニムから成る群から選ばれる1以上を含む、
粘着剤付き化粧シート。 - 表層(2)、化粧層(3)、混抄紙層(5)、及びコア層(4)が、前記表層、前記化粧層、前記混抄紙層、前記コア層の順、又は、前記表層、前記化粧層、前記コア層、前記混抄紙層の順で積層された化粧シート層(1)と、
前記化粧シート層における前記表層とは反対側に設けられた粘着剤層(9)と、を備え、
前記表層は、以下の(A)~(C)を含む主成分と、以下の(m)~(o)から成る群から選択される1以上の機能発現物質とを含む機能性組成物の硬化物を含み、
前記機能性組成物は前記(n)抗ウイルス性物質を含み、
前記(n)抗ウイルス性物質は、トリアジン-チアゾール-イミダゾール系物質、及びアミノ変性アクリルポリマーから成る群から選ばれる1以上を含む、
粘着剤付き化粧シート(11、12、13)。
(A)ケイ素アルコキシドの加水分解縮合物
(B)水性シリカゾルを親水性溶媒で置換したオルガノシリカゾル
(C)親水基と疎水基とを有するアクリルコポリマーであって、ポリアミン構造を有するアクリルコポリマー
(m)消臭性物質
(n)抗ウイルス性物質
(o)抗アレルゲン性物質 - 表層(2)、化粧層(3)、混抄紙層(5)、及びコア層(4)が、前記表層、前記化粧層、前記混抄紙層、前記コア層の順、又は、前記表層、前記化粧層、前記コア層、前記混抄紙層の順で積層された化粧シート層(1)と、
前記化粧シート層における前記表層とは反対側に設けられた粘着剤層(9)と、を備え、
前記表層は、以下の(A)~(C)を含む主成分と、以下の(m)~(o)から成る群から選択される1以上の機能発現物質とを含む機能性組成物の硬化物を含み、
前記機能性組成物は前記(o)抗アレルゲン性物質を含み、
前記(o)抗アレルゲン性物質は、アニオン変性された有機化合物と担持体との複合物である、
粘着剤付き化粧シート(11、12、13)。
(A)ケイ素アルコキシドの加水分解縮合物
(B)水性シリカゾルを親水性溶媒で置換したオルガノシリカゾル
(C)親水基と疎水基とを有するアクリルコポリマーであって、ポリアミン構造を有するアクリルコポリマー
(m)消臭性物質
(n)抗ウイルス性物質
(o)抗アレルゲン性物質 - 請求項8に記載の粘着剤付き化粧シートであって、
前記アニオン変性された有機化合物は、アニオン変性直鎖アルカン、及びアニオン変性ポリビニルアルコールから成る群から選ばれる1以上である、
粘着剤付き化粧シート。 - 請求項8又は9に記載の粘着剤付き化粧シートであって、
前記担持体は、スチレン粒子、及び酸化銀粒子から成る群から選ばれる1以上を含む、
粘着剤付き化粧シート。 - 基材と、
前記基材に接着された請求項1~10いずれか1項に記載の粘着剤付き化粧シートと、
を備える構造体。
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