JP7298684B2 - 混雑度推定装置、混雑度推定方法及びプログラム - Google Patents

混雑度推定装置、混雑度推定方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、雑度推定装置、混雑度推定方法及びプログラムに関する。

テーマパーク問題と呼ばれる問題が従来から知られている。テーマパーク問題とは、テーマパークの混雑状況をマルチエージェントシミュレーション(MAS:Multi-Agent Simulation)で再現することにより、来園者のアトラクション選択行動の分析や混雑状況の推定、混雑を緩和するための制御策の検討・評価等を行うための問題である。このようなテーマパーク問題を対象として、これまでに様々な従来技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、テーマパークにおけるアトラクションの待ち時間を予測する技術が記載されている。また、例えば、特許文献2には、テーマパーク等の混雑を緩和するための最適な制御策を探索する技術が記載されている。
特開2018-073361号公報 特開2018-147087号公報
ところで、テーマパークで来園者がアトラクションを選択する際には、来園者間で選好に個人差があることが一般的である。すなわち、アトラクションを選択する際には、各来園者は自身の好みに応じてアトラクションを選択するのが一般的である。しかしながら、従来技術では来園者間の選好の個人差が考慮されていなかった。このため、アトラクションの待ち時間等の混雑度を推定する場合、その精度が高くないことがあった。
本発明の実施の形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、混雑度を高い精度で推定することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の実施の形態におけるパラメータ推定装置は、総数Nの選択主体n(n=1,・・・,N)の各々が総数Mの選択対象m(m=1,・・・,M)のいずれかを選択するものとして、各選択主体nが許容する各選択主体mの混雑度の限界を表す許容限界αn,mを入力して、前記選択主体nの許容限界αn,mの前記選択対象mに関する最大値を表す忍耐力φと、前記選択主体nが前記選択対象mを選択する際の選好を表す選好ベクトルψとを算出し、算出した前記忍耐力φと前記選好ベクトルψとを用いて、総数I(>N)の選択主体i(i=1,・・・,I)の各々の許容限界αi,mを得るためのモデルのパラメータを推定するパラメータ推定手段、を有することを特徴とする。
また、本発明の実施の形態における混雑度推定装置は、総数Nの選択主体n(n=1,・・・,N)の各々が総数Mの選択対象m(m=1,・・・,M)のいずれかを選択するものとして、各選択主体nが許容する各選択主体mの混雑度の限界を表す許容限界αn,mを入力して、前記選択主体nの許容限界αn,mの前記選択対象mに関する最大値を表す忍耐力φと、前記選択主体nが前記選択対象mを選択する際の選好を表す選好ベクトルψとを算出し、算出した前記忍耐力φと前記選好ベクトルψとを用いて、総数I(>N)の選択主体i(i=1,・・・,I)の各々の許容限界αi,mを得るためのモデルのパラメータを推定するパラメータ推定手段と、推定した前記パラメータを用いた前記モデルにより、前記選択主体iの各々の許容限界αi,mを算出する算出手段と、前記許容限界αi,mとシミュレーション条件とを入力して、各時刻t(t=1,・・・・,T)において前記選択主体iが前記選択対象mのいずれかを選択することをシミュレーションすることで、前記各時刻tにおける前記選択対象mの各々の混雑度を推定する混雑度推定手段と、を有することを特徴とする。
混雑度を高い精度で推定することができる。
本発明の実施の形態における混雑度推定装置の全体構成の一例を示す図である。 許容限界モデルのパラメータを推定する処理の一例を示すフローチャートである。 パラメータ推定用の許容限界データの一例を説明するための図である。 忍耐力φ及びアトラクション選好ψn,mの一例を説明するための図である。 シミュレーション用の来園者データを作成する処理の一例を示すフローチャートである。 許容限界ベクトルαの生成の一例を説明するための図である。 シミュレーション用の来園者データの一例を説明するための図である。 入園時刻I及び退園時刻Oの設定の一例を説明するための図である。 予定数kの設定の一例を説明するための図である。 アトラクションの配置の一例を説明するための図である。 シミュレーション用の移動時間データの一例を説明するための図である。 シミュレーション用のアトラクションデータの一例を説明するための図である。 来園者の状態遷移の一例を説明するための図である。 シミュレーションにより混雑度を推定する処理の一例を示すフローチャートである。 シミュレーション結果の一例を説明するための図である。 本発明の実施の形態における混雑度推定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態では、複数のアトラクションが配置されたテーマパークにおいて、各来園者のアトラクションに対する選好を考慮して、当該テーマパークの各アトラクションの混雑度(例えば、各アトラクションの待ち時間)をシミュレーションにより推定する混雑度推定装置10について説明する。ここで、テーマパークとは、何等かのテーマに基づいて施設の一部又は全体を演出した観光施設のことあり、具体例としては遊園地等が挙げられる。なお、テーマパークはレジャーランド等と称されることもある。
ただし、テーマパークにおける各アトラクションの混雑度をシミュレーションにより推定することは一例であって、本発明の実施の形態は、選択主体(例:来園者)が選択可能な複数の対象(例:アトラクション)が配置されている場合に、各対象の混雑度をシミュレーションにより推定することに同様に適用可能である。例えば、来場者が選択可能な複数のイベントブースが配置されたイベント会場において、各イベントブースの混雑度をシミュレーションにより推定することにも同様に適用可能である。
<理論的構成>
以降では、本発明の実施の形態の理論的な構成について説明する。
≪許容限界モデルのパラメータ推定≫
アトラクション数をM、各アトラクションのインデックスをm(m=1,・・・,M)として、インデックスmのアトラクションを「アトラクションm」と表す。同様に、各来園者のインデックスをnとして、インデックスnの来園者を「来園者n」と表す。また、アトラクションmに対する来園者nの待ち時間の許容限界(つまり、アトラクションmに対して来園者nが許容可能な待ち時間を表すスカラー値)をαn,mとする。
このとき、本発明の実施の形態では、例えばアンケート等によりN人の来園者から予め取得しておいた許容限界αn,m(n=1,・・・,N, m=1,・・・,M)を用いて、以下の式(1)及び式(2)に示すモデル(このモデルを「許容限界モデル」とも表す。)のパラメータを推定する。
Figure 0007298684000001
ここで、φは来園者nの待ち時間の許容限界の最大値を表し、以降では「忍耐力」とも表す。αは来園者nの許容限界αn,m(m=1,・・・,M)をm番目の要素とするM次元ベクトルであり、以降では「許容限界ベクトル」とも表す。ψは、来園者nのアトラクションmに対する相対的な選好を表すスカラー値ψn,mをm番目の要素とするM次元ベクトルである。以降では、ψn,mを「アトラクション選好」、ψを「アトラクション選好ベクトル」とも表す。
本発明の実施の形態では、忍耐力φが対数正規分布に従うものとして、つまり、log(φ)~N(μ,σ)であるものとして、パラメータμ及びσを最尤法等により推定する。なお、μ及びσはそれぞれ正規分布の平均及び分散である。
また、本発明の実施の形態では、アトラクション選好ベクトルψがディリクレ分布Dir(β)に従うものとして、つまり、ψ~Dir(β)であるものとして、パラメータβを最尤法により推定する。なお、βはディリクレ分布のパラメータであり、M次元ベクトル(β,・・・,β)で表される。
≪シミュレーション用の来園者データの作成≫
各アトラクションの混雑度をシミュレーションする際に用いる来園者数をI、各来園者のインデックスをiとして、インデックスiの来園者を「来園者i」と表す。なお、シミュレーションに用いる来園者数Iは、許容限界モデルのパラメータ推定に用いた来園者数Nよりも非常に大きいものとする。
このとき、本発明の実施の形態では、上記で推定したパラメータμ、σ及びβを用いて忍耐力φ(i=1,・・・,I)とアトラクション選好ベクトルψ(i=1,・・・,I)とを生成した上で、以下の式(3)により許容限界ベクトルα(i=1,・・・,I)を生成する。
Figure 0007298684000002
そして、これらの許容限界ベクトルαを用いて、シミュレーション用の来園者データを作成する。なお、シミュレーション用の来園者データには、アトラクションmに対する来園者iの許容限界αi,mと、来園者iの入園時刻I及び退園時刻Oと、来園者iがアトラクションを体験する予定数k(つまり、来園者iが何個のアトラクションの体験を予定しているかを示す個数)とが含まれる。
≪シミュレーション≫
シミュレーション用の来園者データと、シミュレーション用のアトラクションデータと、シミュレーション用の移動時間データとを用いて、各アトラクションmのシミュレーション時刻t毎の待ち時間(混雑度の一例)を推定する。なお、シミュレーション用のアトラクションデータとは、例えば、シミュレーションにおけるアトラクションの処理能力(つまり、単位時間あたりにアトラクションを体験可能な人数)を表すデータである。また、シミュレーション用の移動時間データとは、例えば、シミュレーションにおけるアトラクション間(及びテーマパークの出入口とアトラクションとの間)の移動に要する時間を表すデータである。
このとき、本発明の実施の形態では、来園者iのシミュレーション時刻tにおけるアトラクションmの選択確率θi,m,tを以下の式(4)に示すモデル(このモデルを「多項線形モデル」とも表す。)より算出する。
Figure 0007298684000003
ここで、Ai,m,t=max(0,αi,m-Wm,t)であり、Wm,tは時刻tにおけるアトラクションmの待ち時間である。なお、αi,mは許容限界ベクトルαのm番目の要素(つまり、来園者iのアトラクションmに対する許容限界)である。
これにより、シミュレーションの結果として、各来園者iのアトラクション選好ψi,mを考慮した各アトラクションmの待ち時間(混雑度の一例)が推定される。
なお、上記の式(4)に示す多項線形モデルは、従来から知られている線形を非負に拡張して、論理的整合性の条件を満たすようにしたモデルのことである。また、論理的整合性の条件とは、有限個の選択肢の中から或る選択肢を選択する場合に、何れかの選択肢を必ず選択するという条件の下では全ての選択肢の選択確率の和が1となり、かつ、全ての選択肢の選択確率が非負となる、という制約条件のことである。
<混雑度推定装置10の全体構成>
次に、本発明の実施の形態における混雑度推定装置10の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態における混雑度推定装置10の全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態における混雑度推定装置10は、パラメータ推定部101と、来園者データ作成部102と、シミュレーション部103と、記憶部104とを有する。なお、パラメータ推定部101と、来園者データ作成部102と、シミュレーション部103とは、例えば、混雑度推定装置10にインストールされた1以上のプログラムがプロセッサ等に実行させる処理により実現される。また、記憶部104は、例えば、混雑度推定装置10の補助記憶装置や記録媒体等の任意の記憶装置を用いて実現可能である。
記憶部104は、各種データを記憶する。記憶部104に記憶されるデータとしては、例えば、後述するパラメータ推定用の許容限界データ、許容限界モデルのパラメータμ、σ及びβ、シミュレーション用の来園者データ、シミュレーション用のアトラクションデータ、シミュレーション用の移動時間データ、シミュレーションに用いる来園者数I等が挙げられる。また、記憶部104には、各アトラクションmのシミュレーション時刻tにおける待ち時間Wm,tも記憶される。
パラメータ推定部101は、パラメータ推定用の許容限界データを入力として、上記の式(1)及び式(2)に示す許容限界モデルのパラメータμ、σ及びβを推定する。ここで、パラメータ推定用の許容限界データとは、例えばアンケート等によりN人の来園者から予め取得しておいた許容限界αn,m(n=1,・・・,N, m=1,・・・,M)を示すデータである。
来園者データ作成部102は、パラメータ推定部101により推定されたパラメータμ、σ及びβと、シミュレーションに用いる来園者数Iとを入力として、許容限界ベクトルα(i=1,・・・,I)を生成する。そして、来園者データ作成部102は、これらの許容限界ベクトルα(i=1,・・・,I)を用いて、シミュレーション用の来園者データを作成する。
シミュレーション部103は、シミュレーション用の来園者データと、シミュレーション用のアトラクションデータと、シミュレーション用の移動時間データとを入力として、各アトラクションmのシミュレーション時刻t毎の待ち時間Wm,tを推定する。ここで、本発明の実施の形態では、シミュレーション時刻tは非負整数値の「分」であるものとして、シミュレーション開始からの経過時間[分]を表すものとする。具体的には、シミュレーションの終了時刻をT[分]として、t=0,1,2,・・・,T[分]と表されるものとする。ただし、これに限られず、シミュレーション時刻tは、任意の時間毎(例えば、30分毎や1時間毎等)のインデックスを表すものであってもよい。
なお、図1に示す混雑度推定装置10の全体構成は一例であって、他の構成であってもよい。例えば、パラメータ推定部101、来園者データ作成部102及びシミュレーション部103のそれぞれを異なる装置が有していてもよい。すなわち、図1に示す混雑度推定装置10は、例えば、パラメータ推定部101を有するパラメータ推定装置と、来園者データ作成部102を有する来園者データ作成装置と、シミュレーション部103を有するシミュレーション装置とに分けることができてもよい。
<許容限界モデルのパラメータ推定処理>
以降では、許容限界モデルのパラメータを推定する処理について、図2を参照しながら説明する。図2は、許容限界モデルのパラメータを推定する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS101:パラメータ推定部101は、パラメータ推定用の許容限界データを入力する。上述したように、パラメータ推定用の許容限界データとは、許容限界αn,m(n=1,・・・,N, m=1,・・・,M)を示すデータ(例えば、N×Mの行列で表され、(n,m)成分をαn,mとするデータ)である。なお、パラメータ推定部101は、例えば、記憶部104に記憶されているパラメータ推定用の許容限界データを入力してもよいし、通信ネットワークを介して接続される他の装置から送信されたパラメータ推定用の許容限界データを入力してもよい。
ここで、一例として、N=5、M=3である場合におけるパラメータ推定用の許容限界データの具体例を図3に示す。図3では、許容限界α1,1=24.0、許容限界α1,2=97.8、許容限界α1,3=49.7である場合を示している。同様に、許容限界α2,1=58.7、許容限界α2,2=28.7、許容限界α2,3=27.6である場合を示している。n=3,4,5の場合も図3に示す通りである。
ステップS102:パラメータ推定部101は、パラメータ推定用の許容限界データが示す許容限界αn,m(n=1,・・・,N, m=1,・・・,M)を用いて、上記の式(1)により忍耐力φを計算すると共に、上記の式(2)によりアトラクション選好ベクトルψを計算する。すなわち、パラメータ推定部101は、各来園者nに対して、各アトラクションmの待ち時間の許容限界αn,mのうちの最大値を忍耐力φとする。また、パラメータ推定部101は、各来園者nに対して、全アトラクションに対する各アトラクションmの待ち時間の許容限界αn,mの割合をアトラクション選好ψn,mとする。なお、アトラクション選好ψn,mは0以上かつ1以下であり、その値が1に近いほど該当のアトラクションが選択されることを表す。
ここで、一例として、N=5、M=3である場合における忍耐力φ及びアトラクション選好ベクトルψの各要素であるアトラクション選好ψn,mの具体例を図4に示す。図4では、アトラクション選好ψ1,1=0.14、アトラクション選好ψ1,2=0.57、アトラクション選好ψ1,3=0.29である場合を示している。同様に、アトラクション選好ψ2,1=0.51、アトラクション選好ψ2,2=0.25、アトラクション選好ψ2,3=0.24である場合を示している。n=3,4,5の場合も図4に示す通りである。
また、図4では、忍耐力φ=97.8、忍耐力φ=58.7、忍耐力φ=19.3、忍耐力φ=7.5、忍耐力φ=25.9である場合を示している。
ステップS103:パラメータ推定部101は、上記のステップS102で計算された忍耐力φ(n=1,・・・,N)が対数正規分布に従う(つまり、log(φ)~N(μ,σ))ものとして、パラメータμ及びσを最尤法により推定する。この推定には、例えば、『C.M.ビショップ著「パターン認識と機械学習(上)ベイズ理論による統計的予測」p.24(1.2.4 ガウス分布)』に記載されている手法を用いればよい。
ステップS104:パラメータ推定部101は、上記のステップS102で計算されたアトラクション選好ベクトルψがディリクレ分布Dir(β)に従う(つまり、ψ~Dir(β))ものとして、パラメータβを最尤法により推定する。この推定には、例えば、『Thomas P. Minka, "Estimating a Dirichlet distribution", <URL: https://tminka.github.io/papers/dirichlet/minka-dirichlet.pdf>』に記載されている手法を用いればよい。なお、上述したように、パラメータβは、β=(β,・・・,β)と表されるM次元ベクトルである。
以上により、許容限界モデルのパラメータμ、σ及びβが推定される。これらのパラメータμ、σ及びβは、例えば、パラメータ推定部101によって記憶部104に保存される。
<シミュレーション用の来園者データ作成処理>
以降では、シミュレーション用の来園者データを作成する処理について、図5を参照しながら説明する。図5は、シミュレーション用の来園者データを作成する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS201:来園者データ作成部102は、シミュレーションに用いる来園者数Iと、許容限界モデルのパラメータμ、σ及びβとを入力する。これらのパラメータμ、σ及びβは、パラメータ推定部101によって推定されたパラメータである。なお、来園者データ作成部102は、例えば、記憶部104に記憶されているパラメータμ、σ及びβを入力してもよいし、通信ネットワークを介して接続される他の装置から送信されたパラメータμ、σ及びβを入力してもよい。また、来園者データ作成部102は、例えば、記憶部104に記憶されている来園者数Iを入力してもよいし、通信ネットワークを介して接続される他の装置から送信された来園者数Iを入力してもよいし、キーボード等の入力装置で指定された来園者数Iを入力してもよい。
ステップS202:来園者データ作成部102は、正規分布N(μ,σ)に従う乱数r(i=1,・・・,I)を生成した上で、これらの乱数r(i=1,・・・,I)から忍耐力φ(i=1,・・・,I)を生成する。すなわち、来園者データ作成部102は、各i=1,・・・,Iに対して、φ=eriとして、忍耐力φを生成する。なお、eはネイピア数である。
ステップS203:来園者データ作成部102は、ディリクレ分布Dir(β)に従うM次元ベクトルをI個ランダムに生成し、これらのM次元ベクトルをアトラクション選好ベクトルψ(i=1,・・・,I)とする。
ステップS204:来園者データ作成部102は、忍耐力φとアトラクション選好ベクトルψとを用いて、上記の式(3)により許容限界ベクトルα(i=1,・・・,I)を生成する。上記の式(3)に示すように、i=1,・・・,Iに対して、来園者データ作成部102は、アトラクション選好ψi,mの最大値が1となるように各アトラクション選好ψi,m(m=1,・・・,M)を正規化した上で、正規化後のψi,mと忍耐力φとの積が許容限界αi,mとなるように許容限界ベクトルαを生成する。
ここで、一例として、M=3である場合における許容限界ベクトルαの生成の具体例を図6に示す。図6では、i=1の場合、maxψ=0.57であり、φ=97.8である。このため、許容限界ベクトルαの要素である許容限界α1,1、α1,2及びα1,3は、α1,1=97.8×(0.14/0.57)=24.0、α1,2=97.8×(0.57/0.57)=97.8、α1,3=97.8×(0.29/0.57)=49.7となる。
同様に、図6では、i=2の場合、maxψ=0.51であり、φ=58.7である。このため、許容限界ベクトルαの要素である許容限界α2,1、α2,2及びα2,3は、α2,1=58.7×(0.51/0.51)=58.7、α2,2=58.7×(0.25/0.51)=28.7、α2,3=58.7×(0.24/0.51)=27.6となる。i=3以降についても同様に、許容限界ベクトルαの各要素αi,1、αi,2及びαi,3が計算される。
ステップS205:来園者データ作成部102は、許容限界ベクトルα(i=1,・・・,I)を用いて、シミュレーション用の来園者データを作成する。上述したように、シミュレーション用の来園者データには、アトラクションmに対する来園者iの許容限界αi,mと、来園者iの入園時刻I及び退園時刻Oと、来園者iがアトラクションを体験する予定数kとが含まれる。なお、入園時刻I及び退園時刻Oの組(ペア)は「滞在時間」と称されてもよい。
ここで、一例として、M=3の場合におけるシミュレーション用の来園者データを図7に示す。図7では、i=1の場合、許容限界α1,1=24.0、許容限界α1,2=97.8、許容限界α1,3=49.7、入園時刻I=8:00、退園時刻O=14:00、予定数k=2である。同様に、i=2の場合、許容限界α2,1=58.7、許容限界α2,2=28.7、許容限界α2,3=27.6、入園時刻I=8:30、退園時刻O=16:00、予定数k=2である。i=3以降についても図7に示す通りである。
ここで、来園者iの入園時刻I及び退園時刻Oには任意の時刻を設定することが可能であるが、一般に、実際のテーマパークは昼間に滞在人数がピークとなることが多いと考えられる。そこで、本発明の実施の形態では、テーマパーク内の来園者iの滞在人数が昼間にピークとなるように各来園者iの入園時刻I及び退園時刻Oを設定する。具体的には、テーマパークの開園時刻が「8:00」、閉園時刻が「21:00」、1日あたり累計で3000人が来園する場合を想定して、図8に示すように、シミュレーション時刻tをt=0[分]~t=T=780[分]まで、I=3000として、t=300からt=400の間に滞在人数がピークとなるように各来園者iの入園時刻I及び退園時刻Oを設定した。なお、上述したように、Tはシミュレーション終了時刻である。
また、来園者iの予定数kには0以上の任意の整数値を設定することが可能であるが、本発明の実施の形態では、平均3のポアソン分布(ただし、0は除く)に従うように各予定数kを設定した。I=3000である場合の予定数k(i=1,・・・,3000)のヒストグラムを図9に示す。
以上により、シミュレーション用の来園者データが作成される。この来園者データは、例えば、来園者データ作成部102によって記憶部104に保存される。
<シミュレーションの条件>
シミュレーションにより混雑度を推定する処理を説明する前に、その前提として、シミュレーション時における各種条件について説明する。
≪移動時間≫
シミュレーション時におけるアトラクション間及びテーマパークの出入口とアトラクションとの間を各来園者iが移動する際に要する時間は、シミュレーション用の移動時間データで与えられる。本発明の実施の形態では、M=5であるものとして、各アトラクションmの配置と、アトラクション間及び出入口-アトラクション間の移動経路とが図10に示すものであるとする。なお、図10中において、アトラクションを示す丸の中の数字はアトラクションのインデックスである。
このとき、図11に示すシミュレーション用の移動時間データが与えられるものとする。図11に示すシミュレーション用の移動時間データは、移動元から移動先への移動時間がマトリックス形式で表現されている。例えば、移動元が「出入口」、移動先が「m=1のアトラクション」である場合、その移動時間は30[分]となる。同様に、移動元が「m=1のアトラクション」、移動先が「m=5のアトラクション」である場合、その移動時間は10[分]となる。
≪アトラクションの処理能力≫
シミュレーション時におけるアトラクションの処理能力(つまり、単位時間あたりにアトラクションを体験可能な人数)は、シミュレーション用のアトラクションデータで与えられる。本発明の実施の形態では、M=5であるものとして、図12に示すシミュレーション用のアトラクションデータが与えられるものとする。図12に示すシミュレーション用のアトラクションデータは、アトラクションの体験時間[分]と、アトラクションの定員[人]と、アトラクションの処理能力[人/分]と、アトラクションの稼働周期[分]とがマトリックス形式で表現されている。なお、処理能力は、「定員/体験時間」となる。
例えば、m=1のアトラクションは、体験時間が「5分]、定員が「12人」、処理能力が「2.4」、稼働周期が「5」である。これは、m=1のアトラクションは、5分毎に稼働し、1回の稼働で12人が同時に体験可能であり、1回の体験時間は5分間であることを表している。
なお、本発明の実施の形態では、シミュレーション用のアトラクションデータには、「処理能力」が含まれるものとしたが、これに限られず、少なくとも「処理能力を特定可能な情報」が含まれていればよい。処理能力を特定可能な情報とは、「定員」と「体験時間」との組であってもよいし、「処理能力」そのものであってもよい。
≪各来園者iの状態遷移等≫
シミュレーション時には、各来園者iには、図13に示す各状態(「入園」、「退園」、「アトラクション選択」、「移動」、「待ち行列」、「体験」、「待機」)のうちのいずれか1つの状態やテーマパーク内の位置等が対応付けられている。つまり、例えば、来園者のインデックスiと、この来園者の状態や位置等とが対応付けて記憶部104に記憶される。なお、初期状態においては、各来園者iには状態「入園」、位置「出入口」が対応付けられているものとする。
このとき、各シミュレーション時刻tにおいて、以下の(C1)~(C9)に示す条件に従って各来園者iの状態や位置等を更新するものとする。
(C1)状態「入園」の来園者iについて
入園時刻Iがシミュレーション時刻t以前である場合、来園者iの状態を「アトラクション選択」に更新する。このことは、シミュレーション時刻tが入園時刻Iになった場合、来園者iがテーマパークに入園し、アトラクションの選択を開始することを意味する。
(C2)予定数k≠0かつ状態「アトラクション選択」の来園者iについて
上記の式(4)に示す多項線形モデルによりアトラクションmの選択確率θi,m,tを算出し、来園者iが次に体験するアトラクションmを確率的に選択する。具体的には、待ち時間Wm,t<αi,mを満たすアトラクションmを候補として、選択確率θi,m,tに基づいていずれか1つのアトラクションmを選択する。
そして、いずれかのアトラクションmが選択された場合は、来園者iの状態を「移動」に更新する。このとき、現在の位置から「選択されたアトラクションm」までの移動時間をシミュレーション時刻tに加算した「移動完了時刻」を当該来園者iに対応付けると共に、当該来園者iの位置を「選択されたアトラクションm」に更新する。移動時間は、上述したシミュレーション用の移動時間データから取得される。なお、各来園者i間での移動時間の個人差を表現するために、シミュレーション用の移動時間データから取得された移動時間に対して乱数が加減乗除されてもよい。
一方で、いずれのアトラクションmも選択されなかった場合(つまり、全てのアトラクションmに対して、Wm,t≧αi,mであるため、θi,m,t=0となった場合)、来園者iの状態を「待機」に更新する。このとき、予め決められた待機時間(例えば、「30分」等)をシミュレーション時刻tに加算した「待機終了時刻」を当該来園者iに対応付ける。なお、待機時間は予め決められていてもよいし、乱数を待機時間としてもよい。
(C3)予定数k=0かつ状態「アトラクション選択」の来園者iについて
来園者iの状態を「退園」に更新する。また、当該来園者iの位置を「出入口」に更新する。このことは、当該来園者iが予定数のアトラクションを体験したため、テーマパークを退園することを意味する。
(C4)状態「移動」の来園者iについて
来園者iに対応付けられている移動完了時刻がシミュレーション時刻t以前である場合、当該来園者iの状態を「待ち行列」に更新する。また、当該来園者iが体験するアトラクションmの待ち時間Wm,tをシミュレーション時刻tに加算した「体験開始時刻」と、当該アトラクションmの体験時間を体験開始時刻に加算した「体験終了時刻」とを当該来園者iに対応付ける。なお、当該来園者iに対応付けられている移動完了時刻は削除される(又は、閉園時刻よりも後の時刻に更新されてもよい。)。
(C5)状態「待ち行列」の来園者iについて
来園者iに対応付けられている体験開始時刻がシミュレーション時刻t以前である場合、当該来園者iの状態を「体験」に更新する。なお、当該来園者iに対応付けられている体験開始時刻は削除される(又は、閉園時刻よりも後の時刻に更新されてもよい。)。
(C6)状態「体験」の来園者iについて
来園者iに対応付けられている体験終了時刻がシミュレーション時刻t以前である場合、当該来園者iの状態を「アトラクション選択」に更新する。また、当該来園者iの予定数kを1減ずる。
(C8)状態「待機」の来園者iについて
来園者iに対応付けられている待機終了時刻がシミュレーション時刻t以前である場合、当該来園者iの状態を「アトラクション選択」に更新する。
(C9)状態「入園」及び「退園」以外の全ての状態の来園者iについて
退園時刻Oがシミュレーション時刻t以前である場合、来園者iの状態を「退園」に更新する。また、当該来園者iの位置を「出入口」に更新する。このことは、シミュレーション時刻tが退園時刻Oになった場合、来園者iがテーマパークを退園することを意味する。
<シミュレーションによる混雑度推定処理>
以降では、上記の「シミュレーションの条件」で述べた各種条件の下で、シミュレーションにより混雑度を推定する場合の処理について、図14を参照しながら説明する。図14は、シミュレーションにより混雑度を推定する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS301:シミュレーション部103は、シミュレーション用の来園者データと、シミュレーション用のアトラクションデータと、シミュレーション用の移動時間データとを入力する。なお、シミュレーション部103は、例えば、記憶部104に記憶されているこれらのデータを入力してもよいし、通信ネットワークを介して接続される他の装置から送信されたこれらのデータを入力してもよい。
ステップS302:シミュレーション部103は、シミュレーション時刻tをシミュレーション開始時刻に初期化すると共に、各アトラクションmの待ち時間Wm,tを0に初期化する。なお、シミュレーション開始時刻としてはt=0とすればよいが、これに限られず、任意の時刻をシミュレーション開始時刻としてもよい。
ステップS303:シミュレーション部103は、上記の(C1)~(C9)に示す条件に従って各来園者iの状態や位置等を更新する。
ステップS304:次に、シミュレーション部103は、シミュレーション時刻tを更新する。すなわち、シミュレーション部103は、シミュレーション時刻tに1を加算する。
ステップS305:シミュレーション部103は、シミュレーション時刻tがシミュレーション終了時刻Tであるか否かを判定する。シミュレーション時刻tがシミュレーション終了時刻Tでないと判定された場合はステップS306に進む。一方で、シミュレーション時刻tがシミュレーション終了時刻Tであると判定された場合はステップS307に進む。
ステップS306:シミュレーション部103は、各アトラクションmの待ち時間Wm,tを算出し、記憶部104に保存する。ここで、待ち時間Wm,tは、「シミュレーション時刻tにおいてアトラクションmに並んでいる来園者iの人数/アトラクションmの処理能力」で算出される。なお、シミュレーション時刻tにおいてアトラクションmに並んでいる来園者iの人数とは、シミュレーション時刻tにおける状態が「待ち行列」で、かつ、位置が「アトラクションm」である来園者iの数のことである。
なお、シミュレーション部103は、待ち時間Wm,tの算出及び保存を行った後、ステップS303に戻る。これにより、シミュレーション時刻tがシミュレーション終了時刻Tとなるまで、ステップS303~ステップS306が繰り返し実行される。
ステップS307:シミュレーション部103は、全ての来園者iの状態を「退園」、位置を「出入口」に更新する。この場合、シミュレーション時刻t=Tであり、テーマパークの閉園時刻に相当するためである。
以上により、シミュレーションの結果として、各シミュレーション時刻tにおける各アトラクションmの待ち時間Wm,tが得られる。これらの待ち時間Wm,tが、各シミュレーション時刻tにおける各アトラクションmの混雑度の推定結果である。
<シミュレーション結果>
次に、M=5、I=1000,2000,3000,4000,5000,6000,7000,8000,9000とした場合におけるシミュレーション結果(つまり、各シミュレーション時刻tにおけるアトラクションmの待ち時間Wm,tの推移)を図15に示す。なお、図15に示すm=1~m=5の待ち時間は、それぞれ、図5のステップS202及びステップS203で忍耐力φ及びアトラクション選好ベクトルψを生成する際の乱数のシードを変えて10回ずつシミュレーションを行った結果得られた待ち時間Wm,tの平均値である。
図15に示すように、来園者数Iが増加するに従って全てのアトラクションmで待ち時間が増加していることがわかる。このため、現実のテーマパークにおける各アトラクションの混雑度(待ち時間)を良く再現できており、本発明の実施の形態によって混雑度を高い精度で推定できていることがわかる。
したがって、本発明の実施の形態によれば、例えば、来園者の一部からアンケート等によって許容限界αn,m(n=1,・・・,N, m=1,・・・,M)を事前に得ておくことで、各来園者のアトラクション選好を考慮した上で、I(>N)人が来園した際の混雑度を容易に、かつ、高い精度で予測することが可能となる。
<混雑度推定装置10のハードウェア構成>
最後に、本発明の実施の形態における混雑度推定装置10のハードウェア構成について、図16を参照しながら説明する。図16は、本発明の実施の形態における混雑度推定装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図16に示すように、本発明の実施の形態における混雑度推定装置10は、入力装置201と、表示装置202と、外部I/F203と、RAM(Random Access Memory)204と、ROM(Read Only Memory)205と、プロセッサ206と、通信I/F207と、補助記憶装置208とを有する。これら各ハードウェアは、それぞれがバスBを介して通信可能に接続されている。
入力装置201は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等であり、ユーザが各種操作を入力するのに用いられる。表示装置202は、例えばディスプレイ等であり、混雑度推定装置10の処理結果等を表示する。なお、混雑度推定装置10は、入力装置201及び表示装置202の少なくとも一方を有していなくてもよい。
外部I/F203は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体203a等がある。混雑度推定装置10は、外部I/F203を介して、記録媒体203a等の読み取りや書き込みを行うことができる。記録媒体203aには、混雑度推定装置10が有する各機能部(例えば、パラメータ推定部101、来園者データ作成部102及びシミュレーション部103)を実現する1以上のプログラムが記録されていてもよい。なお、記録媒体203aには、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード、USBメモリカード等がある。
RAM204は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。ROM205は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM205には、例えば、OS(Operating System)に関する設定情報や通信ネットワークに関する設定情報等が格納されている。
プロセッサ206は、例えばCPU(Central Processing Unit)等であり、ROM205や補助記憶装置208等からプログラムやデータをRAM204上に読み出して各種処理を実行する演算装置である。
通信I/F207は、混雑度推定装置10を通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。混雑度推定装置10が有する各機能部を実現する1以上のプログラムは、通信I/F207を介して、所定のサーバ装置等から取得(ダウンロード)されてもよい。
補助記憶装置208は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等であり、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置208に格納されているプログラムやデータには、例えば、OS、当該OS上で各種機能を実現するアプリケーションプログラム、混雑度推定装置10が有する各機能部を実現する1以上のプログラム等がある。
本発明は、具体的に開示された上記の実施の形態に限定されるものではなく、請求の範囲の記載から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
10 混雑度推定装置
101 パラメータ推定部
102 来園者データ作成部
103 シミュレーション部
104 記憶部

Claims (4)

  1. 総数Nの選択主体n(n=1,・・・,N)の各々が総数Mの選択対象m(m=1,・・・,M)のいずれかを選択するものとして、各選択主体nが許容する各選択対象mの混雑度の限界を表す許容限界αn,mを入力して、前記選択主体nの許容限界αn,mの前記選択対象mに関する最大値を表す忍耐力φと、前記選択主体nが前記選択対象mを選択する際の選好を表す選好ベクトルψとを算出し、算出した前記忍耐力φと前記選好ベクトルψとを用いて、総数I(>N)の選択主体i(i=1,・・・,I)の各々の許容限界αi,mを得るためのモデルのパラメータを推定するパラメータ推定手段と、
    推定した前記パラメータを用いた前記モデルにより、前記選択主体iの各々の許容限界αi,mを算出する算出手段と、
    前記許容限界αi,m、前記選択対象mの各々の単位時間あたりの処理能力を特定可能な情報が含まれるシミュレーション条件とを入力して、各時刻t(t=1,・・・・,T)において前記選択主体iが前記選択対象mのいずれかを選択することをシミュレーションすることで、前記各時刻tにおける前記選択対象mの各々の混雑度を推定する混雑度推定手段と、
    を有し、
    前記パラメータ推定手段は、
    前記忍耐力φ が対数正規分布に従うものとして、前記対数正規分布に対応する正規分布N(μ,σ )のパラメータμ及びσ を前記モデルのパラメータとして最尤法により推定し、
    前記選好ベクトルψ がディリクレ分布Dir(β)に従うものとして、前記ディリクレ分布Dir(β)のパラメータβを前記モデルのパラメータとして最尤法により推定し、
    前記混雑度推定手段は、
    前記許容限界α i,m から、各時刻t(t=1,・・・・,T)において前記選択主体iが前記選択対象mのいずれかを選択する確率θ i,m,t を多項線形モデルにより算出し、
    算出した前記確率θ i,m,t と、前記選択対象mの各々の単位時間あたりの処理能力を特定可能な情報とに基づいて、前記各時刻tにおける前記選択対象mの各々の混雑度を推定する、ことを特徴とする混雑度推定装置。
  2. 前記混雑度推定手段は、
    時刻tにおける前記選択対象mの各々の混雑度をWm,tとして、前記選択対象mのいずれかを選択する状態の各選択主体iについて、Wm,t<αi,mを満たす選択対象mの中から前記確率θi,m,tに従って1つの選択対象mを選択し、選択した選択対象mと、前記選択した選択対象mの単位時間当たりの処理能力を特定可能な情報とに基づいて、前記選択した選択対象mの混雑度を推定する、ことを特徴とする請求項に記載の混雑度推定装置。
  3. 総数Nの選択主体n(n=1,・・・,N)の各々が総数Mの選択対象m(m=1,・・・,M)のいずれかを選択するものとして、各選択主体nが許容する各選択対象mの混雑度の限界を表す許容限界αn,mを入力して、前記選択主体nの許容限界αn,mの前記選択対象mに関する最大値を表す忍耐力φと、前記選択主体nが前記選択対象mを選択する際の選好を表す選好ベクトルψとを算出し、算出した前記忍耐力φと前記選好ベクトルψとを用いて、総数I(>N)の選択主体i(i=1,・・・,I)の各々の許容限界αi,mを得るためのモデルのパラメータを推定するパラメータ推定手順と、
    推定した前記パラメータを用いた前記モデルにより、前記選択主体iの各々の許容限界αi,mを算出する算出手順と、
    前記許容限界αi,m、前記選択対象mの各々の単位時間あたりの処理能力を特定可能な情報が含まれるシミュレーション条件とを入力して、各時刻t(t=1,・・・・,T)において前記選択主体iが前記選択対象mのいずれかを選択することをシミュレーションすることで、前記各時刻tにおける前記選択対象mの各々の混雑度を推定する混雑度推定手順と、
    をコンピュータが実行し、
    前記パラメータ推定手順は、
    前記忍耐力φ が対数正規分布に従うものとして、前記対数正規分布に対応する正規分布N(μ,σ )のパラメータμ及びσ を前記モデルのパラメータとして最尤法により推定し、
    前記選好ベクトルψ がディリクレ分布Dir(β)に従うものとして、前記ディリクレ分布Dir(β)のパラメータβを前記モデルのパラメータとして最尤法により推定し、
    前記混雑度推定手順は、
    前記許容限界α i,m から、各時刻t(t=1,・・・・,T)において前記選択主体iが前記選択対象mのいずれかを選択する確率θ i,m,t を多項線形モデルにより算出し、
    算出した前記確率θ i,m,t と、前記選択対象mの各々の単位時間あたりの処理能力を特定可能な情報とに基づいて、前記各時刻tにおける前記選択対象mの各々の混雑度を推定する、ことを特徴とする混雑度推定方法。
  4. コンピュータを、請求項1又は2に記載の混雑度推定装置における各手段、として機能させるためのプログラム。
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