JP7297562B2 - 放射線検出器 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、放射線検出器に関する。
陽電子放射断層撮像法(Positron Emission Tomography:PET)によるPET撮像において、患者へと取り込まれたトレーサ物質は、その物質の物理的、かつ、生体分子の特性により、患者の身体における特定の位置に集中する。そのトレーサは、陽電子を放射(放出)する。陽電子が電子と衝突したとき、ほぼ180度離れて移動する2本のガンマ線(511keV)を生み出す、消滅イベントが発生する。
PET装置は、ガンマ線の同時計数ペアを検出するために、患者の周辺に位置した複数の検出器を使用する。複数の検出器により構成される検出器リングが、各角度から向かってくるガンマ線を検出するために使用される。PET装置は、等方性の放射線の捕捉を最大化するために、実質的に円筒形とすることができる。PET装置は、数千の個別の結晶(例えば、ルテチウムオルトケイ酸塩(LYSO)又はその他のシンチレーション結晶)から成る場合がある。この数千の個別の結晶は、各シンチレーションイベントからの光パルスを計測するための受光素子(photodetector)とともに、モジュールにパッケージ化された2次元シンチレータアレイに配置される。例えば、シンチレータ結晶アレイの各素子からの光は、複数の光電子増倍管(PhotoMultiplier Tube:PMT)で共有されたり、シンチレータ結晶アレイの素子と1対1の対応を有するシリコン光電子増倍管(Silicon PhotoMultipliers:SiPM)により検出されたりする。
トレーサの空間分布を再構成するために、トモグラフィー再構成を使用することがある。そのために、各検出されたイベントは、そのエネルギー(つまり、生成された光の量)、位置及びタイミングについて特徴付けられる。同時計数が2つのガンマ線の到達時間に基づいて検出されたとき、その2つのガンマ線が検出された2つの位置の間に線、つまりLOR(Line-of-Response)を引くことができ、陽電子消滅の位置はこのLORに沿ったどこかに存在するといえる。飛行時間(Time of Flight:TOF)に基づいたLORに沿った統計的な分布を決定することにより、LORに沿ったどの箇所で消滅が発生した可能性が高いのかを絞り込むためにタイミング情報もまた使用することができる。タイミング情報は、例えば、2つのガンマ線の間における到達時間の差と、複数の到達時間の分解能とである。
位置情報は、到達位置又は所定のガンマ線が検出されたシンチレータ結晶の識別、のどちらかを決定することができるということに依存する。PMTが受光素子として使用されるとき、多数対少数(many-to-few)の関係は、多数のシンチレータ結晶素子のアレイ(例えば、100の結晶素子を有する10×10のアレイ)からの光が、少数のPMT(例えば、正方形に配置された4つのPMT)により検出され、かつ、読み出されている、ということになる。PMTで光シェアリングが存在する場合に、個別のPMTにより計測されたパルス高さ/エネルギー間の割合に基づいて、相互作用点をおおよそに決定/推定するために、アンガーロジックを使用することができる。フラッドマップキャリブレーションを使用して、アンガーロジック位置空間は、個別の結晶素子に従ってセグメントすることができ、そのセグメンテーションはルックアップテーブルとして格納することができる。
上述の多数対少数の関係の1つの利点としては、多数のシンチレータ結晶からの信号を多重化し、かつ、読み出すのに、ほんの少しのチャネルしか必要としないので、読出エレクトロニクスを簡略化できることである。
シリコン光電子増倍管(SiPM)は、PMTに比べて検出エリアを小さくすることができるため、SiPMと個別のシンチレータ結晶との間の1対1の対応付け(coupling)を可能とする。それにもかかわらず、PET検出のためのSiPMの使用において、読出数の低減が依然として望ましい場合がある。読出数を低減するための検出器は、都合のよいことに、タイミング及び/又はエネルギー情報の検出におけるパフォーマンスを犠牲にすることはないだろう。したがって、SiPMベースのピクセル型ガンマ線検出器のための読出数を低減するための改善されたアプローチが望まれる。
米国特許出願公開第2018/0156926号明細書 米国特許出願公開第2014/0246594号明細書 米国特許出願公開第2017/0315046号明細書 米国特許出願公開第2015/0285922号明細書 米国特許出願公開第2018/0283938号明細書
発明が解決しようとする課題は、放射線検出器の時間分解能を向上させることである。
実施形態に係る放射線検出器は、複数の検出素子と、読出回路と、演算回路とを備える。前記複数の検出素子は、各々が行方向に沿って配置され、検出した放射線に応じた電流パルスを生成する。前記読出回路は、複数のキャパシタと、第1のハイパスフィルタと、第2のハイパスフィルタと、第1の行増幅器と、第2の行増幅器とを有する。前記複数のキャパシタは、各々が前記複数の検出素子のうちの2つの隣接する検出素子の電極間に配置される。前記第1のハイパスフィルタは、前記複数のキャパシタの第1の末端に入力側が接続される。前記第2のハイパスフィルタは、前記複数のキャパシタの前記第1の末端の他端である第2の末端に入力側が接続される。前記第1の行増幅器は、前記第1のハイパスフィルタの出力側に接続される。前記第2の行増幅器は、前記第2のハイパスフィルタの出力側に接続される。前記演算回路は、前記第1の行増幅器からの第1の出力及び前記第2の行増幅器からの第2の出力に基づいて、前記放射線のタイミング情報を生成するように構成される。
図1Aは、一実施例に係る単一の結晶ブロック及び光電子増倍管(PMT)を有する検出器モジュールの一例を示す図である。 図1Bは、一実施例に係るシンチレータ素子のアレイとして配置された結晶のブロックを有し、かつ、受光素子としてPMTを使用する検出器モジュールの一例を示す図である。 図1Cは、一実施例に係るシンチレータ素子のアレイとして配置された結晶を有し、かつ、受光素子としてシリコン光電子増倍管(SiPM)を使用する検出器モジュールの一例を示す図である。 図2Aは、一実施例に係るPMTを使用するガンマ線検出器(Gamma-Ray Detector:GRD)モジュールの上面図の一例を示す図である。 図2Bは、一実施例に係るPMT-GRDモジュールの側面図の一例を示す図である。 図2Cは、一実施例に係るシンチレータ結晶アレイのシリーズの透視図の一例を示す図である。 図2Dは、一実施例に係るアンガーロジックを使用して計算された位置の関数としてのカウントのフラッドマップキャリブレーションの上面図の一例を示す図である。 図3は、一実施例に係る位置情報を生成するためのアンガーロジックで使用できる出力を生成するために、電荷シェアリング用の複数のキャパシタ鎖(capacitor chains)を使用し、かつ、2段階加算増幅器を使用する、ハイブリッド2次元多重化スキーム回路図の一例を示す図である。 図4は、一実施例に係るSiPMの行中の電荷シェアリング用のキャパシタ鎖(複数のキャパシタ)の回路図の一例を示す図である。 図5は、一実施例に係る個別の行に対するゲイン値を設定するための重み付けレジスタを使用する2段階加算増幅器構成の回路図の一例を示す図である。 図6は、一実施例に係る重み付けレジスタと各個別の行に対するゲインとの間の関係を示す2段階加算増幅器構成の回路図の別の一例を示す図である。 図7は、一実施例に係る結晶識別に対する空間分解能を実証する、アンガーロジックを用いて計算された位置の関数としてカウントがプロットされた、SiPMの単一の1次元(1D)アレイにより検出されたカウントのヒストグラムプロットの一例を示す図である。 図8は、一実施例に係るアンガーロジックを用いて計算される個別の結晶における位置の関数としてプロットされた、真ん中に配置された陽電子放出源を用いて互いに正反対(diametrical opposite)に置かれた、2つの1DSiPMアレイに対する同時計数カウントのヒストグラムプロットの一例を示す図である。 図9Aは、一実施例に係るレジスタ鎖のレジスタンスの関数としてプロットされた、近傍の結晶/検出器間の間隔(アンガーロジックで計算)のパーセンテージとして計算された、位置の関数としてのカウントヒストグラムの半値全幅(Full-Width at Half-Maximum:FWHM)のプロットの一例を示す図である。 図9Bは、一実施例に係るキャパシタ鎖のキャパシタンスの関数としてプロットされた、位置の関数としてのカウントヒストグラムのFWHMのプロットの一例を示す図である。 図9Cは、一実施例に係るレジスタ鎖のレジスタンスの関数として描かれたピコ秒(picoseconds:ps)での同時計数時間分解能(Coincidence Time Resolution:CTR)のプロットの一例を示す図である。 図9Dは、一実施例に係るキャパシタ鎖のキャパシタンスの関数としてプロットされたCTR値のプロットの一例を示す図である。 図9Eは、一実施例に係るハイパスフィルタにおけるキャパシタのキャパシタンスの関数としてプロットされたCTR値のプロットの一例を示す図である。 図9Fは、一実施例に係るエネルギー分解能がハイパスフィルタにおけるキャパシタのキャパシタンスの関数としてプロットされている、エネルギー(例えば511keV)のFWHMパーセンテージとして表されたエネルギー分解能のプロットの一例を示す図である。 図9Gは、一実施例に係るハイパスフィルタにおけるキャパシタのキャパシタンスの関数としてプロットされた位置/結晶ID分解能のFWHMのプロットの一例を示す図である。 図10Aは、一実施例に係るハイパスフィルタが33pFのキャパシタと400Ωのレジスタとを含み、キャパシタ鎖におけるキャパシタが100nFのキャパシタンスを有する場合に、電荷パルスに対する時間の関数としてプロットされたパルス波形のプロットの一例を示す図である。 図10Bは、一実施例に係るハイパスフィルタが470pFキャパシタと400Ωレジスタとを含み、キャパシタ鎖におけるキャパシタが100nFのキャパシタンスを有する場合に、電荷パルスに対する時間の関数としてプロットされたパルス波形のプロットの一例を示す図である。 図11Aは、一実施例に係るPET装置の概観の一例を示す図である。 図11Bは、一実施例に係るPET装置の外観の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る放射線検出器を説明する。なお、以下の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。
本実施形態に係る放射線検出器は、電荷シェアリング及びアンガーロジックを使用するシリコン光電子増倍管(Silicon PhotoMultipliers:SiPM)アレイの読出回路を備える。
以下、本実施形態に係る放射線検出器がガンマ線検出器である場合を例として、当該ガンマ線検出器における位置検出に関して説明する。より具体的には、検出器アレイにおける多くのガンマ線検出素子からの信号を、位置情報又は結晶識別(Identify:ID)情報がアンガーロジック(Anger logic)を用いて取り出されたいくつかの(4つの)出力に多重化するために電荷シェアリングを使用するガンマ線検出器の読出回路に関して説明する。
本実施形態に係る技術によれば、電荷シェアリングを実行するためにキャパシタ鎖を使用し、また、ガンマ線の検出により生じる電荷パルスに関して、シンチレーションベースのガンマ線検出器のアレイに沿った行の位置を決定するためにアンガーロジックを使用する方法及び装置が提供される。さらに、キャパシタ鎖(複数のキャパシタ)の複数の末端に構成された複数のハイパスフィルタは、タイミング情報を保存するためにパルス整形を実行する。電荷パルスに関する列位置を決定するために、2段階加算増幅器の構成が、アレイの複数の列の各々に関する2段階加算増幅器の相対的なゲインを制御する複数の重み付け増幅器とともに使用される。アレイの各検出素子は、シリコン光増倍管(例えば、降伏電圧を上回ってバイアスされたガイガーモード電子なだれ光ダイオード)である。位置情報は、2段階増幅器からの4つの出力に基づいて、アンガーロジックにより生成することができる。エネルギー情報及びタイミング情報は、2段階増幅器からの4つの出力の合計として生成することができる。
SiPMベースのピクセル型ガンマ線検出器のための、読出数を低減する改善されたアプローチが望まれるのは、上述の通りである。ここに説明されるアプローチは、第1の段階で、(i)行における電荷シェアリングアンガーロジックのためのキャパシタ鎖を使用することと、(ii)(a)ハイパスフィルタ及び/又は(b)高帯域増幅器を用いて電荷シェアリング鎖の両端を終結することと、を様々に含むことができる。これらの構成によれば、(i)ダークノイズ(dark noise)の抑制と、(ii)信号対ノイズ比(Signal-to-Noise Ratio:SNR)の改善と、(iii)後続の加算段階に対するパルス波形の維持と、という利点がある。さらに、ここに説明されるアプローチは、第2の段階で、全ての行を加算し、かつ、4つの最終出力を生成するために、高帯域増幅器を用いた重み付けレジスタの使用を含むことができる。検出イベントが発生した結晶素子を一意的に(uniquely)識別するために、これら4つの出力についてアンガーロジックをその後実行することができる。
一般的に、上述の処理は、「電荷シェアリングアンガーロジック(charge-sharing Anger logic)」と呼ばれることがあり、PMTベースのピクセル型ガンマ線検出器に関連して生じる光シェアリングアンガーロジック(light-sharing Anger logic)と似ている。ここに説明される電荷シェアリングアンガーロジックが適用された放射線検出器において、SiPMピクセルからの電荷は、アレイの列における検出素子の位置に関する情報(列情報、column information)を伝達するよう構成されたキャパシタを通して、4つの出力へと分布される。さらに、重み付けレジスタは、アレイの行における検出素子の位置に関する情報(行情報、row information)を伝達するよう構成されている。その上、行情報及び列情報は、従来的な光シェアリングアンガーロジックに対応する4つの出力へとエンコードされる。このため、本実施形態に係る新規のSiPMベースの検出器モジュール及び読出回路は、光シェアリングアンガーロジックを使用するPMTベースの検出器モジュールについて構成された、既存のPET装置と容易に統合することができる。既存のPET装置は、PET/CT装置を含む。
SiPMは、既存のPMTベースのアプローチに関連するPET装置のパフォーマンスを著しく改善することができる、新規の半導体受光素子である。例えば、SiPMベースのPET装置は、SiPMのより良い幾何学的な受光範囲と、より高い光子検出効率とを生かすことができる。その上、SiPMは、検出器アレイにおける個別のシンチレータ結晶素子の断面エリアとおおよそ等しい検出エリアを有することができるため、入ってくる光子の位置情報を必然的に提供し、結果的にSiPM受光素子と、結晶素子との間の1対1の対応が生じる。SiPMのサイズは、結晶のサイズとマッチするようにカスタマイズすることができるので、最小光学シェアリング(minimum optical sharing)を用いて最適なパフォーマンスを達成するための1対1読出構成でSiPM PET装置を作り上げることが可能である。しかし、高い読出チャネル密度でのデータ収集が可能な電子機器は、より低いチャネル密度を有する多重化された読出に比べて費用もより多くかかる。したがって、PETアプリケーション用の最適な多重化回路を開発することが望ましい。
望ましくは、PETアプリケーション用の多重化回路は、タイミング情報及びエネルギー情報の低下を招く可能性のある、望まれない副作用(side effect)を回避する。例えば、多重化SiPMの2つの重大な副作用は、大きな全ピクセルエリアによるダークレートがより高くなることと、より大きな検出器のキャパシタンスによる、より幅広いパルス波形となる場合があることである。これら2つの副作用の両方がタイミングパフォーマンスの悪化を招くこともある。タイミングパフォーマンスの低下は、容量性の電荷シェアリングの使用及び/又はハイパスフィルタの追加により、少なくとも部分的に低減することができる。例えば、放射線検出器の特定の実施例において、電荷シェアリングを実行するSiPMの行を一緒に繋げるキャパシタ鎖は、シンプルだが高パフォーマンスな1次元(1D)SiPMアレイ読出解決法を提供するために、ハイパスフィルタを用いて終結することができる。
ここで説明されるPET装置、放射線検出器及びSiPM読出回路とは対照的に、その他のアプローチは、様々な欠点に悩まされる。例えば、SiPMのアレイの出力が、キャパシタ鎖無し、かつ、バッファとして作動する増幅器無しで単純に組み合わせられた/多重化された場合のパルス波形は、そうでない場合のパルス波形と比較して、著しく、かつ、不利に影響を受ける場合がある。さらに、SiPMが一緒に繋げられた場合に、それらの集約されたキャパシタンスは、各SiPMと比べてより大きくなり、多重化されたSiPMの出力パルスの減衰時間(decay time)を増加させるとともにパルス振幅を減少させる。その上、ダークカウントレートも、多重化されたSiPMの集約された総キャパシタンス/エリアに比例して増加することになる。結果として、これらその他のアプローチのタイミングパフォーマンスは、信号対ノイズ比(SNR)の低下が原因で悪化する。
さらにバッファとして作動する増幅器を使用しないその他のアプローチに関し、SiPMにより生成されたパルス波形は、出力端子でインピーダンスに敏感な場合がある。SiPMの行の終端の増幅器段階無しだと、SiPMの行からのパルス波形は、ダウンストリームからの信号及び回路構成要素の影響を受けやすく、多重化された信号のパルス波形を維持するために障害を示す。このようにして、これらのその他のアプローチは、PET装置のパフォーマンスのために重要なタイミング及びエネルギーの安定した読込(reading)の維持に失敗するかもしれない。
上述の通り、様々なアプリケーションに対する読出チャネル数を減らすために、アンガーロジックを使用することができる。例えば、PMTベースのPET検出器は、位置情報に対する小さな結晶をデコードするために、光シェアリングアンガーロジックを使用する。
図1A、図1B及び図1Cは、いくつかのガンマ線検出器(「ガンマカメラ」とも呼ばれる)の非限定的な実施例を示す。図1Aにおいて、シンチレータ結晶は単一のモノリシックブロックであり、ガンマ線光子を、ここでは光電子増倍管(PMT)として示されている、受光素子のアレイによって検出することができる第2の光子へと変換するシンチレーションイベントの位置である。このシンチレーションイベントの位置は、アンガーロジックを使用して決定することができる。例えば、4つのPMTは、「A」、「B」、「C」及び「D」とラベル付けられている。x方向及びy方向に対応するアンガー座標は、それぞれ以下のように定めることができる。
Figure 0007297562000001
その代わりに、別の実施例において、x方向及びy方向に対応するアンガー座標は、それぞれ以下のように定めることもできる。
Figure 0007297562000002
アンガーロジックのさらに他の実施例において、x方向及びy方向に対応するアンガー座標は、上記の組合せにより、それぞれ定めることができ、すなわち次式の通りとなる。
Figure 0007297562000003
ここでα∈{0,1}はピンクッション効果(pin cushion effects)を低減するために選択された定数である。
図1Bにおいて、シンチレータは、別個の結晶の周期的なアレイに分けられた状態へと切り分けられ、かつ、結晶アレイの個別の素子間の反射壁によって光学的に分離されている。このブロックにおける結晶間の光学的な分離は、隣接する結晶間の光シェアリングをある程度許容するくらい不完全なものの場合がある。受光素子がPMTの場合に、隣接する結晶間の光シェアリングは、結晶を出た後に発生する光シェアリングと比較すると、小さい場合がある。その場合において、シンチレーションイベントは、位置をおおよそ決定するためにアンガーロジックを使用し、その後、アンガーロジックを用いて計算されたおおよその位置を結晶アレイのそれぞれの指数へとマップするルックアップテーブルを生成するためにフラッドマップキャリブレーションを使用して、アレイの個別の素子間で区別される。
図1Cにおいて、各結晶素子からの光は、個別のシリコン光電子増倍管(SiPM)によって検出される。それぞれに受光素子を有する各結晶を用いて、受光素子中の光シェアリングを減らすことができる。さらに、各結晶は、例えば結晶素子間に設けられる反射性物質又は低屈折率を有する物質により、隣接する結晶素子から光学的に切り離すことができ、結果として光線が臨界角より大きいフレネル反射及び内部全反射となる。
図2A及び図2Bは、それぞれ、全て同じサイズのPMTを使用して達成できる割合に比べて、シンチレータ結晶アレイのエリアのより大きな割合をカバーするために、2つの異なるPMTのサイズ(25mmPMT及び38mmPMT)を使用するPMTベースの検出器モジュールの非限定的な例の上面図及び側面図をそれぞれ示す。アレイ1及びアレイ5は、11ピクセル×16ピクセルであり、アレイ2、アレイ3及びアレイ4は、8ピクセル×16ピクセルである。図2Cは、5つの結晶アレイの透視図を示し、図2Dは、アンガーロジックを使用して計算されたおおよその位置の関数としてのカウントのヒストグラムのフラッドマップキャリブレーションを示す。アンガーロジックは、おおよその位置を生成する。このため、ヒストグラムの局所最大値(maxima)は、個別の結晶素子の中心に対応すると識別することができ、またその後、位置情報(例えばチャネルiの中心座標のベクトルx )決定の際に使用されるルックアップテーブルにおける位置キャリブレーションとして格納することもできる。さらに図2Dは、光シェアリングアンガーロジックでよく観察される「ピンクッション効果」を示している。
図2A、図2B、図2C及び図2Dに描かれた光シェアリングアンガーロジックとは対照的に、ここに説明されるSiPM検出器モジュールは、電荷シェアリングアンガーロジックに基づいた多重化を通して、読出数の低減を達成する。図3~図5は、Nx×NyのSiPMのアレイを、4つの出力O~Oへと多重化する、電荷シェアリング読出回路300を示す。各行におけるNxのSiPMは、個別のキャパシタ鎖回路310(1),310(2),…,310(Nx)により組み合わせられる。これらのキャパシタ鎖回路からの出力は、2段階加算増幅器構成で構成された重み付けレジスタを使用して増幅され、かつ、組み合わせられる。
特定の実施例において、SiPMの行は、アンガーロジックのキャパシタ鎖を使用して一緒に繋がれ、ハイパスフィルタが続き、そして増幅器により終結される。列情報は、その後、第2の段階の重み付けレジスタによりエンコードされる。その他の関数に加えて、増幅器はバッファとして作動し、回路を複数の部分(パート)へと区切り、かつ、分離する。このようにして、SiPMのより多くの行が付け足された場合にも、信号のパルス波形及び振幅は低下しない。
図4は、特定の実施例において、行情報が個別のキャパシタ鎖回路310(1),310(2),…,310(Nx)を使用して多重化されることを示し、310(1)が代表として示している。キャパシタ鎖回路310(1)において、各SiPMピクセルは、陰極(cathode)で降伏電圧(breakdown voltage)を上回って設定された高電圧(High-Voltage:HV)でバイアスされた受光素子P(例えば、パラレルガイガーモード電子なだれフォトダイオード)として表すことができ、この受光素子Pは、クエンチングレジスタ(quenching resistor)Rと直列に配置されている。第1のキャパシタ鎖回路310(1)におけるSiPMのからの信号/電流は、キャパシタC,C,…,CNx-2,CNx-1を含むキャパシタ鎖312(1)により組み合わせられる。レジスタRsは、キャパシタ鎖312(1)においてグラウンド(ground)とキャパシタとの間に設けられたバイアスレジスタとして作動し、キャパシタC,C,…,CNx-2,CNx-1から蓄積された電荷を少しずつ減らし(bleeding-off)、定常状態で、グラウンドに光ダイオード信号を格納する。キャパシタ鎖312(1)の各末端で、ハイパスフィルタ314(1)とハイパスフィルタ316(1)とは、それぞれパルスを形成するために設けられ、タイミング情報の劣化を妨げる。各ハイパスフィルタの後、増幅器Axが設けられ、後続の回路素子からi番目のキャパシタ鎖回路310(1)を切り離すためのバッファとして作動する。そうでなければ、キャパシタ鎖回路のパフォーマンスは、終端インピーダンスとその他のダウンストリーム回路要素とに依存する場合がある。
図5は、特定の実施例において、列情報が2つの重み付けレジスタ回路320(1),320(2)を使用して多重化されることを示し、320(2)を代表として示している。上方のレジスタRy1_t,Ry2_t,…,RyNy_tは、様々な重みを個別のキャパシタ鎖回路310からの電圧Vxi(図6参照)に適用する。同様に、下方のレジスタRy1_b,Ry2_b,…,RyNy_bは、様々な重みを個別のキャパシタ鎖回路310からの電圧Vxi(図6参照)に適用する。上方のレジスタは、出力Oを生成するために、一方で、下方のレジスタは、出力Oを生成するために、それぞれ組み合わせられ、かつ、増幅される。これらの結果は、2段階加算増幅器構成を使用して達成される。
図6は、増幅の値を決定するためにレジスタ値Ra1,Ra2,Ra3と、Ry1,Ry2,…,RyNyとして示された重み付けレジスタ値とを使用する2段階加算増幅器構成の非限定的な例を示す。出力電圧は、次式のように定められる。
Figure 0007297562000004
特定の実施例において、第1の増幅器段階のゲイン1+Ra2/Ra1は、{10,40}の区間に設定することができる。例えば、ゲインは、大体20に設定する場合がある。さらに、特定の実施例において、i番目の行に対応する第2の増幅器段階のゲインRa3/Ryiは、大体1に設定する場合がある。それぞれの行において、第2の増幅器段階に対するゲインは、重み付けレジスタ値Ryiに反比例し、複数の行のそれぞれに起因する合計された行信号Voutputの比を決定する。
出力は、アンガーロジックに従って、その後、組み合わせることができる。例えば、特定の実施例において、次式に従ってX値及びY値を生成することができる。
Figure 0007297562000005
ただし、ここに説明された方法及び回路の趣旨から乖離することなく、X値及びY値を計算するのに各列増幅器Aからの出力O,O,O,Oを組み合わせるためにその他の式を使用することができる。
図7は、次式により与えられる非対称性に基づいたカウント数のプロットを示す。
Figure 0007297562000006
ここで、シミュレーション条件を簡略化するために、7つのSiPM検出器(つまりN=1及びN=7)の単一行のみが存在するとする。例えば、非対称性は、-Xとして解釈することができる。これらの結果は、個別の検出器の間で良好な分解能が取得されることを示す。図7は、結晶がいかにして電荷非対称性を使用して識別されるかを示すものである。電荷非対称性のヒストグラムは、7つの結晶に対応する7つのピークをはっきりと示す。7つのピーク位置が抽出された後、結晶識別(IDentities:ID)を割り当てるために、2つの隣接するピーク間の6つの中間点を特定し、かつ、使用することができる。結晶ID分解能は、7つのピークの半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)を2つの隣接するピーク間の平均距離により割ることで平均として計算することができる。図7に示された例において、HVは、降伏電圧を上回る5.5ボルトのバイアスがかけられており、ハイパスフィルタは、47pFのキャパシタンス(キャパシタC)と、50Ωのレジスタンス(レジスタR)とを使用し、キャパシタ鎖において、キャパシタC,C,…,CNx-2,CNx-1は、100nFのキャパシタンスを有し、かつ、レジスタRは1kΩのレジスタンスを有する。
図8は、図7に関し上記で説明されたのと同じパラメータを使用し、陽電子放射源が7つの検出器要素それぞれの、2つの1Dアレイ間に配置された場合に、生成された同時計数のペアのカウントを示す。
図9A、図9B、図9C及び図9Dは、キャパシタ鎖におけるキャパシタンスの関数としてのパフォーマンス結果を示し、キャパシタ鎖がレジスタ鎖と置き換えられた場合に、パフォーマンスは、レジスタ鎖におけるレジスタのレジスタンスの関数として示される。上述の通り、図9A及び図9Bで図示されたID分解能は、7つのピークの半値全幅(FWHM)を2つの隣接するピーク間の平均距離で割ることにより平均として計算することができる。ID分解能は、値O及びOを決定するために、100ナノ秒(ns)と200ナノ秒との両方の積分窓を使用して決定されたものである。大抵の場合、積分窓の異なるサイズに起因するID分解能における差はわずかであるが、その差がわずかではないときでも、100ナノ秒の積分窓は、一貫してより良いID分解能をもたらした。図9Aは、レジスタ鎖に対する結晶ID分解能を示し、図9Bは、キャパシタ鎖に対する結晶ID分解能を示す。
図9C及び図9Dに示されたタイミング分解能について、1D検出器アレイに関して、アンガーロジックの両端からの出力信号/波形を合計することができ、その後、合計された信号がしきい値を通過するときに、到達時間を計算することができる。その後精確な時間を得るために、線形補間を使用することができる。例えば、電荷は、100ナノ秒(ns)窓を使用して部分的に積分することができる。電荷非対称性は、結晶を識別するために使用され、総電荷は、3-σ窓を用いて511keVの総吸収イベントを選択するために使用される。FWHM時間分解能は、総吸収イベントのみを使用して、あり得る結晶のペアのそれぞれに関して、第1に計算される。7つの主なペアからの同時計数時間分解能(Coincidence Time Resolution:CTR)曲線の平均は、平均的なCTR曲線を与え、それから最適なしきい値及び最良のCTRが決定される。図9Cは、レジスタ鎖に対するCTR(すなわちタイミング分解能)を示し、図9Dは、キャパシタ鎖に対するCTRを示す。
図9Eは、20℃での様々なオーバーバイアス値に対するハイパスフィルタで使用されたキャパシタンスの関数としてプロットされたCTRを示している。ここで、オーバーバイアスは、HVが降伏電圧を超える量である。より小さなフィルタキャパシタンス値は、信号のベースライン安定性に直接的な影響を与える低周波ノイズの抑制に役立つ。しかし、キャパシタンスが小さすぎる場合に、強い減衰が増幅器やデータ収集等その他のソースから効果的に電気的なノイズ(electrical noise)を増幅することになる。したがって、図9Eのために使用される実施例によると、33pF及び50Ωのハイパスフィルタの組み合わせが、最良なCTRパフォーマンスを与える。オーバーバイアス電圧は、SiPMのゲイン及び光検出効率を制御する。より高いオーバーバイアス電圧は、一般的に約6Vまではより優れた時間分解能を与えるが、それ以上はダークノイズを増加させ、パフォーマンスに著しい影響を与え始める。
同様に、図9Fは、様々なオーバーバイアス値に対するハイパスフィルタで使用されたキャパシタンスの関数としてプロットされたエネルギー分解能を示す。特定の実施例において、エネルギー分解能は、511keVの総吸収ピークのFWHMを抽出することにより、各結晶に関して計算することができる。マイクロセルには数に限りがあるため、SiPMは、異なる入力エネルギーに対して非線形の反応を示す。非線形性は、次式のようにおおよそパラメータ化することができる。
Figure 0007297562000007
ここで、Qは、SiPM(例えば、Q∝O+O)から収集された総電荷、Eは入力ガンマ線のエネルギー、αとβとは、キャリブレーションデータに対して最も良いフィットを取得するために調整された2つの定数である。例えば、異なる設定での2つの定数は、22Naソースの511keV及び1275keVの2つの特徴的な光子エネルギーを使用するキャリブレーションの間に決定することができる。その後、実際の相対的なエネルギー分解能は、次式の通り補正することができる。
Figure 0007297562000008
図9Fに示されたエネルギー分解能は、フィルタキャパシタンスにあまり敏感ではない。オーバー電圧は他方で、エネルギー分解能により大きな影響を与える。より高い電圧は、高いダークノイズ及びより強いマイクロセル飽和状態を生じる。このような中、3.5Vは、20℃で10.4±0.1%の最良なエネルギー分解能を与える。
図9Gは、HVの様々なオーバーバイアス値に対するハイパスフィルタで使用されたキャパシタンスの関数としてプロットされた、結晶ID分解能を示す。明らかに、フィルタキャパシタンスの選択が、アンガーロジックにおける電荷分布に影響を及ぼす。より弱いフィルタリングは、より優れた結晶分離をもたらす。しかし、控えめな結晶アレイに関して、個別の結晶は、結晶ID分解能(FWHM)が25%よりも低い限りは、はっきりと識別することができる。その他のピッチについて予測される結晶ID分解能も、分解能がピッチの逆数に比例するとして、導出することができる。例えば、2×2mm結晶を用いると、結晶ID分解能は、図9Gを生成するために使用された4×4mm結晶を用いる結晶ID分解能の2倍になると予測される。
タイミング分解能とエネルギー分解能との両方がPET装置のパフォーマンスに影響を与えるので、例えばハイパスフィルタに関して33pFのフィルタキャパシタンスと、HVに関して4.5Vのオーバーバイアス電圧とを選択することにより、良いパフォーマンスを達成することができる。
ハイパスフィルタは、タイミング情報の低質下の回避及びダーク電流/カウントの抑制に関していくつかの利点を提供する。図10A及び10Bは、それぞれハイパスフィルタの有無でのパルス波形を示す(つまり、時間(ns)の関数としての電圧(mV))。ハイパスフィルタは、(i)出力パルスの幅を減らし、(ii)高いダークレートでの影響を抑制し、(iii)信号対ノイズ比(SNR)を改善する。ゲインは、2段階増幅器により維持され、かつ、補償される。
上述の電荷シェアリングアンガーロジック読出回路は、その他のアプローチに勝る利点をいくつか持っている。まず、電荷シェアリングアンガーロジックが現在のPET装置における光シェアリングと比較してタイミング分解能を改善する点である。第2に、キャパシタ鎖の使用が、レジスタ鎖を使用して取得されたものに比べて、より優れた結晶識別を示す点である。しかし、ここに開示された方法の実施例において、キャパシタ鎖は、抵抗素子(resistive elements)(すなわちレジスタ)も含む。
図11A及び図11Bは、画像再構成法を実行することができるPET装置800の非限定的な例を示す。当該PET装置800は、長方形の検出器モジュールとしてそれぞれが構成された、多数のガンマ線検出器(Gamma-Ray Detectors:GRDs)(例えば、GRD1,GRD2からGRDNまで)を含む。検出器モジュールGRD1,…,GRDNは、シンチレータ結晶アレイ、SiPMの検出器アレイ及び読出回路300を含むことができる。一実施例に従って、検出器リングは、40個のGRDを含む。別の実施例では、GRDが48個存在するものもあり、そしてPET装置800に対してより大きなボアサイズを作るために、さらに多くの数のGRDが使用される。
各GRDは、ガンマ線を吸収し、かつ、シンチレーション光子を放出する、個別の検出器結晶の2次元アレイを含む場合がある。シンチレーション光子は、こちらもGRD内に配置された光電子増倍管(PhotoMultiplier Tube:PMT)の2次元アレイによって検出することができる。検出器結晶のアレイとPMTとの間にライトガイドを設けることが可能である。
これに代えて、シンチレーション光子は、シリコン光電子増倍管(Silicon PhotoMultipliers:SiPM)のアレイにより検出することができ、各個別の検出器結晶は、個別のSiPMを有することがある。
各受光素子(例えば、PMT又はSiPM)は、シンチレーションイベントがいつ発生したかを示すアナログ信号と、検出イベントを生み出しているガンマ線のエネルギー情報とを生成することができる。その上、1つの検出器結晶から放出された光子は、1つ以上の受光素子によって検出される可能性があり、また、各受光素子で生み出されたアナログ信号に基づいて、検出イベントに対応する検出器結晶は、例えばアンガーロジック及び結晶デコーディングを使って決定することができる。
図11Bは、被検体OBJから放射されたガンマ線を検出するために配置された、ガンマ線光子計数検出器(GRD)を有するPET装置の概略図を示す。当該GRDは、各ガンマ線検出に対応する、タイミング、位置及びエネルギーを測定することが可能である。一実施例において、ガンマ線検出器は、図11A及び図11Bに示されている様に、リング状に配置されている。検出器結晶は、シンチレータ結晶とすることができる。このシンチレータ結晶は、2次元アレイに配置された個別のシンチレータ素子を有し、当該シンチレータ素子は任意の公知のシンチレーション物質(scintillating material)とすることができる。PMTは、アンガーロジック及びシンチレーションイベントの結晶デコーディングを可能にするために、各シンチレータ素子からの光が多重PMTによって検出されるようにして配置されてもよい。
図11Bは、PET装置800の配置例を示しており、図11Bには、天板816に横たわる撮像される被検体OBJと、被検体周辺及び天板816を囲うように配置されたGRD1からGRDNまでのGRDモジュールとが示されている。GRDは、ガントリ840に固定して接続された円形構成要素820に固定して接続されている場合がある。ガントリ840は、PET装置800のいくつもの部材を格納する。PET装置800のガントリ840は、また、被検体OBJと天板816とが通過できるような開口を含み、消滅イベントにより被検体OBJからそれぞれ反対方向に放出されるガンマ線は、GRDによって検出可能である。ガンマ線のペアについての同時計数を決定するために、タイミング及びエネルギー情報を使用することが可能である。
図11Bにおいて、ガンマ線検出データの収集、格納、処理及び配布用の回路構成及びハードウェアも示されている。回路構成及びハードウェアは、プロセッサ870、ネットワークコントローラ874、メモリ878及びデータ収集システム(DAS)876を含む。PET装置800は、GRDからの検出測定結果をDAS876、プロセッサ870、メモリ878、ネットワークコントローラ874へ送信するデータチャネルも含む。データ収集システム876は、検出器からの検出データの取得、デジタル処理及び送信を制御することができる。一実施例において、DAS876は、寝台の天板816の移動を制御する。プロセッサ870は、ここで述べられたような、検出データの前再構成処理、検出データからの画像再構成、画像データの後再構成処理等を含む機能を実行する。
プロセッサ870は、画像再構成法を実行するよう構成される場合がある。プロセッサ870は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はその他の複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)などの個々の論理ゲートとして動作し得るCPU(中央演算処理装置)を含むことができる。FPGA又はCPLDの実装形態は、VHDL、ベリログ(Verilog)又は任意の他のハードウェア記述言語でコーディングされていてもよく、当該コードはFPGA又はCPLD内の電子メモリに直接格納されてもよいし、別箇の電子メモリ内に直接格納されてもよい。さらに、メモリは、ROM、EPROM、EEPROM(登録商標)又はフラッシュメモリ等の不揮発性であってもよい。またメモリは、スタティックRAM又はダイナミックRAMなど揮発性でもよい。FPGA又はCPLDとメモリとの間の相互作用のような電子メモリを管理するためのマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサなど、プロセッサが提供されていてもよい。
代替的に、プロセッサ870におけるCPUは、画像再構成法を実行するコンピュータ読み取り可能な命令(computer-readable instructions)のセットを含むコンピュータプログラムを実行することができ、当該コンピュータプログラムは、任意の上述の非一過性の電子メモリ及び/又はハードディスクドライブ、CD、DVD、FLASHドライブ、又は任意の他の公知の記憶媒体に格納される。さらに、当該コンピュータ読み取り可能な命令は、米国のIntelからのXeonプロセッサ又は米国のAMDからのOpteronプロセッサなどのプロセッサと、Microsoft VISTA、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX(登録商標)、Apple、MAC-OSなどのオペレーティングシステム及び他のオペレーティングシステムとともに実行する、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン又はオペレーティングシステムの構成要素やそれらの組合せとして提供され得る。さらに、CPUは、命令を実施するために並列に協働的に動作する複数のプロセッサとして実装され得る。
メモリ878は、ハードディスクドライブ、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、FLASHドライブ、RAM、ROM又は当技術分野において公知の他の電子記憶媒体であってもよい。
米国のIntel CorporationからのIntel Ethernet(登録商標) PROネットワークインターフェースカードなどのネットワークコントローラ874は、PET装置800の様々な部分間をインターフェースすることができる。さらに、ネットワークコントローラ874は、外部ネットワークとインターフェースすることもできる。理解されている通り、外部ネットワークは、インターネットなどの公衆ネットワークやLAN又はWANネットワークなどのプライベートネットワーク、それらの任意の組合せでもよく、また、PSTN又はISDNサブネットワークを含むこともできる。外部ネットワークはまた、イーサネット(登録商標)ネットワークなど、有線であってもよいし、EDGE、3G及び4Gなどのワイヤレスセルラーシステムを含むセルラーネットワークなどの無線であってもよい。無線のネットワークはまた、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)又は任意の他の公知の通信の無線方式であってもよい。
上述の実施形態に係る技術によれば、以下のことが言える。
実施形態に係る放射線検出器(検出器モジュールGRD1~N)は、複数の検出素子(受光素子P)と、読出回路300と、演算回路とを備える。複数の検出素子は、各々が行方向(x方向)に沿って配置され、検出した放射線(例えばガンマ線)に応じた電流パルスを生成する。読出回路(例えばキャパシタ鎖回路310)は、複数のキャパシタ(各行のキャパシタ鎖312)と、第1のハイパスフィルタ(例えばハイパスフィルタ316)と、第2のハイパスフィルタ(例えばハイパスフィルタ314)と、第1の行増幅器(増幅器Ax)と、第2の行増幅器(増幅器Ax)とを有する。複数のキャパシタは、各々が複数の検出素子のうちの2つの隣接する検出素子の電極間に配置される。第1のハイパスフィルタは、複数のキャパシタの第1の末端に入力側が接続される。第2のハイパスフィルタは、複数のキャパシタの第1の末端の他端である第2の末端に入力側が接続される。第1の行増幅器は、第1のハイパスフィルタの出力側に接続される。第2の行増幅器は、第2のハイパスフィルタの出力側に接続される。演算回路は、第1の行増幅器からの第1の出力及び第2の行増幅器からの第2の出力に基づいて、放射線のタイミング情報を生成するように構成される。また、演算回路は、第1の出力及び第2の出力に基づいて、複数の検出素子の行に沿った位置と、複数の検出素子の行における電流パルスが生じた検出素子とのうちいずれか一方を推定するアンガーロジックをさらに実行するように構成される。なお複数のキャパシタ鎖回路310を有する読出回路300においては、第1の行増幅器からの第1の出力は、後段の第1の列増幅器を介して、第3の出力(出力O)として演算回路に供給されている。同様に、第2の行増幅器からの第2の出力は、後段の第3の列増幅器を介して、第5の出力(出力O)として演算回路に供給されている。
実施形態に係る放射線検出器(検出器モジュールGRD1~N)は、2次元検出器アレイ(SiPMアレイ)と、複数のキャパシタ(各行のキャパシタ鎖312)と、複数のハイパスフィルタ(各行のハイパスフィルタ314及びハイパスフィルタ316)と、複数の行増幅器(各行の各末端の増幅器Ax)と、互いに並列な2つの重み付けレジスタ(上方のレジスタRyi_t及び下方のレジスタRyi_b,i=1~Ny)と、第1の列増幅器(例えば出力O側の増幅器A)と、第2の列増幅器(例えば出力O側の増幅器A)と、第3の列増幅器(例えば出力O側の増幅器A)と、第4の列増幅器(例えば出力O側の増幅器A)と、演算回路とを備える。2次元検出器アレイは、検出した放射線(例えばガンマ線)に応じた電流パルスを生成する複数の検出素子が列方向(y方向)及び行方向(x方向)に沿って配置される。複数のキャパシタは、2次元検出器アレイの各行に沿って配置される。複数のハイパスフィルタの各々は、複数のキャパシタの各行の各末端に入力側が接続される。複数の行増幅器の各々は、複数のハイパスフィルタの各出力側に接続される。互いに並列な2つの重み付けレジスタの各セットは、複数の行増幅器の各出力側に接続される。例えば、2つの重み付けレジスタは、列方向に互いに並列である。第1の列増幅器は、行方向の一端に設けられる互いに並列な2つの重み付けレジスタのセットのうちの一方のセットに接続される。第2の列増幅器は、一端の他方のセットに接続される。第3の列増幅器は、行方向の他端に設けられる互いに並列な2つの重み付けレジスタのセットのうちの一方のセットに接続される。第4の列増幅器は、他端の他方のセットに接続される。演算回路は、第1の列増幅器からの第1の出力(出力O)、第2の列増幅器からの第2の出力(出力O)、第3の列増幅器からの第3の出力(出力O)及び第4の列増幅器からの第4の出力(出力O)に基づいて、放射線のタイミング情報を生成するように構成される。また、演算回路は、第1の出力、第2の出力、第3の出力及び第4の出力に基づいて、列方向の位置と、電流パルスが生じた2次元検出器アレイにおける列とのうちのいずれか一方を推定するとともに、行方向の位置と、電流パルスが生じた2次元検出器アレイにおける行とのうちのいずれか一方を推定するアンガーロジックをさらに実行するように構成される。
なお、タイミング情報を生成する回路と、アンガーロジックを実行する回路とは、1つの回路として一体に構成されていてもよいし、それぞれ異なる回路として個別に構成されていてもよい。また、タイミング情報やエネルギー情報を生成する回路は、例えばアナログ/デジタル変換器(ADC)を含む。この場合、アンガーロジックを実行する回路から出力された推定結果(アナログ信号)が、当該ADCによりアナログ/デジタル変換される場合もある。
このように、本実施形態に係る放射線検出器では、多重化された読出回路における複数のレジスタが複数のキャパシタに置き換えられている。この構成によれば、信号の立ち上がり時の減衰を低減することができる。信号の立ち上がりを早くすることは、発生した電気信号が所定の閾値を超えるまでの時間を短縮することに寄与する。また、信号の減衰を低減することは、波高値の低下に伴う信号の立ち上がりの鈍化を抑制することに寄与する。つまり、高周波成分が減衰されにくいキャパシタが適用された、本実施形態に係る読出回路を備える放射線検出器によれば、良好なタイミング情報を取得することができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、放射線検出器の時間分解能を向上させることができる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device:PLD)等の回路を意味する。PLDは、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)を含む。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。プログラムが保存された記憶回路は、コンピュータ読取可能な非一時的記録媒体である。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、プログラムを実行するのではなく、論理回路の組合せにより当該プログラムに対応する機能を実現してもよい。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図11Bにおける複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
300…読出回路、
310…キャパシタ鎖回路(読出回路)、
312…キャパシタ鎖(複数のキャパシタ)、
314…ハイパスフィルタ(第2のハイパスフィルタ)、
316…ハイパスフィルタ(第1のハイパスフィルタ)、
320…重み付けレジスタ回路、
800…PET装置、
816…天板、
820…円形構成要素、
840…ガントリ、
870…プロセッサ、
874…ネットワークコントローラ、
876…データ収集システム(DAS)、
878…メモリ、
Ax…増幅器(行増幅器)、
Ay…増幅器(列増幅器)、
…ハイパスフィルタのキャパシタ、
(i=1~Nx-1)…キャパシタ鎖のキャパシタ(複数のキャパシタ)、
GRD1~GRDN…検出器モジュール(放射線(ガンマ線)検出器)、
,O,O,O…出力(第3~第6の出力)、
…受光素子(複数の検出素子)、
…レジスタ(ハイパスフィルタのレジスタ)、
…レジスタ(クエンチングレジスタ)、
…レジスタ(バイアスレジスタ)、
yi_t(i=1~N)…レジスタ(上方のレジスタ)、
yi_b(i=1~N)…レジスタ(下方のレジスタ)。

Claims (20)

  1. 各々が行方向に沿って配置され、検出した放射線に応じた電流パルスを生成する複数の検出素子と、
    各々が前記複数の検出素子のうちの2つの隣接する検出素子の電極間に配置される複数のキャパシタと、前記複数のキャパシタの第1の末端に入力側が接続される第1のハイパスフィルタと、前記複数のキャパシタの前記第1の末端の他端である第2の末端に入力側が接続される第2のハイパスフィルタと、前記第1のハイパスフィルタの出力側に接続される第1の行増幅器と、前記第2のハイパスフィルタの出力側に接続される第2の行増幅器とを有する読出回路と、
    前記第1の行増幅器からの第1の出力及び前記第2の行増幅器からの第2の出力に基づいて、前記放射線のタイミング情報を生成するように構成される演算回路と
    を具備する放射線検出器。
  2. 前記演算回路は、前記第1の出力及び前記第2の出力に基づいて、前記複数の検出素子の行に沿った位置と、前記複数の検出素子の行における前記電流パルスが生じた検出素子とのうちいずれか一方を推定するアンガーロジックをさらに実行する、
    請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 前記行方向に沿って配置された複数の検出素子は、列方向に沿って配置されることにより2次元検出器アレイを構成し、
    前記読出回路において、前記第1の行増幅器、前記第1のハイパスフィルタ、前記複数のキャパシタ、前記第2のハイパスフィルタ及び前記第2の行増幅器は、前記2次元検出器アレイの各行に沿って設けられ、
    前記読出回路は、前記複数の第1の行増幅器の出力側に接続される複数の第1の重み付けレジスタと、前記複数の第1の重み付けレジスタの出力側に接続される第1の列増幅器と、前記複数の第1の行増幅器の出力側に前記複数の第1の重み付けレジスタとは並列に接続される複数の第2の重み付けレジスタと、前記複数の第2の重み付けレジスタの出力側に接続される第2の列増幅器とをさらに有し、
    前記複数の第1の行増幅器の各々からの第1の出力に関する、前記第1の列増幅器のゲインは、前記複数の第1の行増幅器の各々の出力側に接続された第1の重み付けレジスタのレジスタンス値に基づき、
    前記複数の第1の行増幅器の各々からの第1の出力に関する、前記第2の列増幅器のゲインは、前記複数の第1の行増幅器の各々の出力側に接続された第2の重み付けレジスタのレジスタンス値に基づき、
    前記演算回路は、前記第1の列増幅器からの第3の出力及び前記第2の列増幅器からの第4の出力に基づいて、前記列方向の位置と、前記電流パルスが生じた前記2次元検出器アレイにおける列とのうちいずれか一方を推定するアンガーロジックを実行する、
    請求項2に記載の放射線検出器。
  4. 前記読出回路は、前記複数の第2の行増幅器の出力側に接続される複数の第3の重み付けレジスタと、前記複数の第3の重み付けレジスタの出力側に接続される第3の列増幅器と、前記複数の第2の行増幅器の出力側に前記複数の第3の重み付けレジスタとは並列に接続される複数の第4の重み付けレジスタと、前記複数の第4の重み付けレジスタの出力側に接続される第4の列増幅器とをさらに有し、
    前記複数の第2の行増幅器の各々からの第2の出力に関する、前記第3の列増幅器のゲインは、前記複数の第2の行増幅器の各々の出力側に接続された第3の重み付けレジスタのレジスタンス値に基づき、
    前記複数の第2の行増幅器の各々からの第2の出力に関する、前記第3の列増幅器のゲインは、前記複数の第2の行増幅器の各々の出力側に接続された第4の重み付けレジスタのレジスタンス値に基づき、
    前記演算回路は、前記第3の出力、前記第4の出力、前記第3の列増幅器からの第5の出力及び前記第4の列増幅器からの第6の出力に基づいて、前記列方向の前記位置と、前記電流パルスが生じた前記2次元検出器アレイにおける前記列とのうちいずれか一方を推定することに加え、前記行方向の位置と、前記電流パルスが生じた前記2次元検出器アレイにおける行とのうちいずれか一方を推定するアンガーロジックを実行する、
    請求項3に記載の放射線検出器。
  5. 前記第1、第2、第3及び第4の列増幅器の各列増幅器に関して、前記対応する複数の重み付けレジスタの複数のレジスタンス値は、前記列方向の前記位置に関する前記アンガーロジックにより生成される複数の値の間に一様な間隔をもたらすように選択される、
    請求項4に記載の放射線検出器。
  6. 前記各行の複数のキャパシタに関して、前記複数のキャパシタの複数のキャパシタ値は、前記行方向の前記位置に関する前記アンガーロジックにより生成される複数の値の間に一様な間隔をもたらすように選択される、
    請求項2又は3に記載の放射線検出器。
  7. 前記行方向に沿って配置される前記複数の検出素子の各々は、降伏電圧を上回ってバイアスされたシリコン光電子増倍管である、
    請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の放射線検出器。
  8. 前記行方向に沿って配置される前記複数の検出素子にそれぞれ直列に接続される複数のバイアスレジスタをさらに備え、
    前記複数のバイアスレジスタの各々の一端は、グラウンドに接続される、
    請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の放射線検出器。
  9. 前記行方向に沿って配置される前記複数の検出素子にそれぞれ直列に接続される複数のバイアスレジスタをさらに備え、
    前記複数の検出素子は、1ボルトから10ボルトまでの範囲内の所定の電圧によって降伏電圧を上回るようにバイアスされ、
    前記第1のハイパスフィルタ及び前記第2のハイパスフィルタは、それぞれ、10ピコファラドから500ピコファラドまでの範囲内の所定のキャパシタンスのキャパシタと、10オームから500オームまでの範囲内の所定のレジスタンスのレジスタとを有し、
    前記複数のキャパシタは、10ナノファラドから1000ナノファラドまでの範囲内の所定のキャパシタンスを有する、
    請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の放射線検出器。
  10. 前記第1の列増幅器は、前記第3の出力の時間応答における前記第3の出力の終端インピーダンスの効果を低減し、
    前記第2の列増幅器は、前記第4の出力の時間応答における前記第4の出力の終端インピーダンスの効果を低減する、
    請求項3に記載の放射線検出器。
  11. 前記複数の第1の行増幅器のうちの任意の第1の行増幅器と、前記任意の第1の行増幅器に対して直列に接続される、前記第1の重み付けレジスタ及び前記第1の列増幅器とは、2段階加算増幅器を構成し、
    前記任意の第1の行増幅器と、前記任意の第1の行増幅器に対して直列に接続される、前記第2の重み付けレジスタ及び前記第2の列増幅器とは、前記2段階加算増幅器とは別の2段階加算増幅器を構成する、
    請求項3に記載の放射線検出器。
  12. 前記複数のキャパシタの各々に直列又は並列に接続されるレジスタをさらに備える、
    請求項1乃至11のうちのいずれか1項に記載の放射線検出器。
  13. 検出した放射線に応じた電流パルスを生成する複数の検出素子が列方向及び行方向に沿って配置される2次元検出器アレイと、
    前記2次元検出器アレイの各行に沿って配置される複数のキャパシタと、
    前記複数のキャパシタの各行の各末端に入力側が接続されるハイパスフィルタと、
    前記複数のハイパスフィルタの各出力側に接続される行増幅器と、
    前記複数の行増幅器の各出力側に接続される互いに並列な2つの重み付けレジスタと、
    前記行方向の一端に設けられる前記互いに並列な2つの重み付けレジスタのセットのうちの一方のセットに接続される第1の列増幅器と、
    前記一端の他方のセットに接続される第2の列増幅器と、
    前記行方向の他端に設けられる前記互いに並列な2つの重み付けレジスタのセットのうちの一方のセットに接続される第3の列増幅器と、
    前記他端の他方のセットに接続される第4の列増幅器と、
    前記第1の列増幅器からの第1の出力、前記第2の列増幅器からの第2の出力、前記第3の列増幅器からの第3の出力及び前記第4の列増幅器からの第4の出力に基づいて、前記放射線のタイミング情報を生成するように構成される演算回路と
    を具備する放射線検出器。
  14. 前記演算回路は、前記第1の出力、前記第2の出力、前記第3の出力及び前記第4の出力に基づいて、列方向の位置と、前記電流パルスが生じた前記2次元検出器アレイにおける列とのうちのいずれか一方を推定するとともに、前記行方向の位置と、前記電流パルスが生じた前記2次元検出器アレイにおける行とのうちのいずれか一方を推定するアンガーロジックをさらに実行する、
    請求項13記載の放射線検出器。
  15. 吸収した放射線に応じたシンチレーション光子を生じ、前記複数の検出素子の各々に対応するシンチレータ結晶が2次元アレイ状に配置されるシンチレータ結晶アレイをさらに備え、
    前記演算回路は、前記シンチレーション光子が生じた前記シンチレータ結晶アレイのシンチレータ結晶を推定するアンガーロジックを実行する、
    請求項14に記載の放射線検出器。
  16. 前記複数の検出素子の各々は、降伏電圧を上回ってバイアスされたシリコン光電子増倍管である、
    請求項13乃至15のうちのいずれか1項に記載の放射線検出器。
  17. 前記演算回路は、前記第1の出力、前記第2の出力、前記第3の出力及び前記第4の出力に基づいて、エネルギー情報をさらに生成する、
    請求項13乃至16のうちのいずれか1項に記載の放射線検出器。
  18. 前記エネルギー情報は、前記第1の出力、前記第2の出力、前記第3の出力及び前記第4の出力の合計を使用して生成される、吸収された放射線のエネルギーを含む、
    請求項17に記載の放射線検出器。
  19. 前記タイミング情報は、前記第1の出力、前記第2の出力、前記第3の出力及び前記第4の出力の合計を使用して生成される、吸収された放射線の到達時間を含む、
    請求項13乃至18のうちのいずれか1項に記載の放射線検出器。
  20. 前記複数のハイパスフィルタの各々は、前記2次元検出器アレイの前記複数の検出素子のうちの1つにより検出された放射線の到達時間のタイミング情報を最適化するパルス波形をもたらすように選択された値をそれぞれ有するレジスタ及びキャパシタを含む、
    請求項13乃至19のうちのいずれか1項に記載の放射線検出器。
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