JP7297212B2 - 神経刺激装置、生体磁界計測システムおよび生体磁界計測システムの刺激発生タイミング設定方法 - Google Patents

神経刺激装置、生体磁界計測システムおよび生体磁界計測システムの刺激発生タイミング設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、神経刺激装置、生体磁界計測システムおよび生体磁界計測システムの刺激発生タイミング設定方法に関する。
生体の神経等が発生する磁界を生体磁界計測システムにより生体情報として取得し、生体の神経活動等を評価することで、病気等を判断する手法が知られている。例えば、生体磁界計測システムは、神経刺激装置と生体磁界計測装置とを有する。神経刺激装置は、生体の体表に取り付けられる電極から生体に電気刺激を与えて神経活動を誘発する。生体磁界計測装置は、電気刺激に応答して神経が発生する磁界を磁界信号として計測し、計測した磁界信号の波形を表示装置等に表示する。
この種の生体磁界計測システムでは、体表上の近接した位置に取り付けた複数の電極の各々から生体に電気刺激を順次与え、神経活動が所望値以上の電極のいずれかが、生体に電気刺激を与える電極として選択される(特許文献1)。
電気刺激を与える部位から磁界を計測する部位までが離れているほど、神経の電気活動の時間的な分散の影響などにより、計測する磁界信号の強度は小さくなる。上記の手法において、体表上の近接した位置に取り付けた複数の電極のいずれかを使用して所望の神経活動を誘発しても、磁界を精度よく計測することが困難になるおそれがある。
開示の技術は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、生体の神経活動の強度を高くできる生体への刺激の印加手法を提供することを目的とする。
上記技術的課題を解決するため、本発明の一形態の神経刺激装置は、生体の或る特定の神経部位から分岐した複数の神経部位にそれぞれ刺激を印加可能な複数の刺激部と、前記複数の刺激部に刺激を発生させるタイミングを個別に設定可能であり、前記複数の刺激部毎に発生させる前記複数の神経部位の各々への刺激に対して、生体磁界を計測する生体磁界計測装置により計測される前記特定の神経部位の応答結果に基づいて、前記複数の刺激部による刺激の発生タイミングを設定する刺激タイミング制御部と、を有し、前記刺激タイミング制御部は、前記磁界計測を基に推定された電流データに基づいて、前記生体に刺激を与えてから前記生体の応答に特徴点が現れるまでの潜時を前記複数の刺激部毎に算出し、算出した前記潜時に基づいて前記刺激の発生タイミングを決定することを特徴とする。
生体の神経活動の強度を高くできる生体への刺激の印加手法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る生体情報計測システムの一例を示すシステム構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る生体情報計測システムの別の例を示すシステム構成図である。 図1および図2に示した生体情報計測システムの要部の一例を示す機能ブロック図である。 図3の生体情報計測システムにおける事前計測モードでの処理の一例を示す説明図である。 図4の波形のピーク潜時付近を拡大した波形図である。 図3の生体情報計測システムにおける事前計測モードでの処理の別の例を示す説明図である。 図3の生体情報計測システムにおける事前計測モードでの処理のさらなる別の例を示す説明図である。 図3の生体情報計測システムにおける磁界の計測動作の一例を示すフロー図である。 図3の生体情報計測システムにおいて、片側刺激と両側同時刺激とでの磁界の信号強度の時間変化の一例を示す波形図である。 本発明の第2の実施形態に係る生体情報計測システムの機能ブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る生体情報計測システムの機能ブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係る生体情報計測システムの機能ブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係る生体情報計測システムの機能ブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係る生体情報計測システムの機能ブロック図である。 本発明の第7の実施形態に係る生体情報計測システムの機能ブロック図である。 上述した生体情報計測システムでの事前計測モードにおいて、磁界計測データを基に推定された電流データを使用して潜時を算出する例を示す説明図である。 本発明の第8の実施形態に係る生体情報計測システムの別の例を示すシステム構成図である。 図17の生体情報計測システムでの事前計測モードにおいて、電位計測データを使用して潜時を算出する例を示す説明図である。
以下、図面を参照して実施の形態の説明を行う。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。以下では、信号を示す符号は、信号値を示す符号または信号線(ケーブル)を示す符号としても使用される。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る生体情報計測システムの一例を示すシステム構成図である。例えば、図1に示す生体情報計測システム100は、電気刺激に基づいて脊髄から発生する磁界を計測する脊髄誘発磁界計測システムである。
生体情報計測システム100は、主要な構成要素として磁界計測装置10と低温容器20と神経刺激装置30とデータ処理装置50とを有している。神経刺激装置30は、被検者Pの体表(皮膚)から神経を電気的に刺激する装置である。
磁界計測装置10は、複数の超伝導量子干渉素子(SQUID:Superconducting QUantum Interference Device)を含むSQUIDセンサアレイ11と信号処理装置12とを有している。磁界計測装置10は、神経刺激装置30の電気刺激により被検者Pの計測対象の神経に誘発された磁界を計測可能である。磁界計測装置10は、生体情報計測装置の一例であり、生体磁界計測装置の一例である。以下では、超伝導量子干渉素子をSQUIDとも称する。
データ処理装置50は、磁界計測装置10が計測した磁界等の生体情報の情報処理を実行する機能と、神経刺激装置30による生体への電気刺激のタイミング等を制御する機能とを有する。また、データ処理装置50は、表示装置50aを含み、磁界計測装置10が計測した磁界の波形等を表示装置50aに表示する機能を有する。さらに、データ処理装置50は、マウスやキーボード等の図示しない入力装置を有する。
生体情報計測システム100の一部は、磁気をシールドする磁気シールドルーム200内に配置されている。磁気シールドルーム200を利用することで、被検者Pから発生する微弱な磁界(例えば、脊髄誘発磁界)を計測することができる。磁気シールドルーム200は、例えば、高透磁率材料であるパーマロイ等からなる板材と、銅やアルミニウム等の導電体からなる板材の積層により構成することができる。
磁気シールドルーム200は、例えば、2.5m×3.0m×2.5m程度の大きさの内部空間を有し、装置器具の搬送や、人の出入りを可能とする扉210を備えている。扉210は、磁気シールドルーム200の他の部分と同様に、高透磁率材料であるパーマロイ等からなる板材と、銅やアルミニウム等の導電体からなる板材の積層により構成することができる。
なお、本明細書において、高透磁率材料とは、比透磁率が1000より大きい材料を指す。高透磁率材料としては、パーマロイ以外に鉄、ニッケル、コバルトの単体や、その合金(アモルファス合金や紛体、ナノ粒子を含む)、フェライト等を挙げることができる。
以下、生体情報計測システム100およびその周辺部について、より詳しく説明する。磁気シールドルーム200内には、テーブル300が設置されている。また、磁気シールドルーム200内には、低温容器20が設置されており、磁界の計測や計測時の制御等に用いる信号線71が、低温容器20内に設置されるSQUIDセンサアレイ11に接続されている。信号線71は、磁界ノイズを低減するためにツイストケーブル構造を有し、磁気シールドルーム200の壁部を貫通して形成された孔221を通して、磁気シールドルーム200の外へ引き出され、磁界計測装置10を構成する信号処理装置12と接続される。
生体情報計測システム100を用いた脊髄誘発磁界の計測は、磁気シールドルーム200内に置かれたテーブル300に、被検者Pが仰臥位で横たわり、安静な状態で行われる。安静な状態で計測が行われることで、被検者Pへの負担が少ないだけでなく、被検者Pが動くことによるSQUIDセンサアレイ11との位置ずれを低減することができ、また、筋肉の緊張により生じる筋肉からの磁界ノイズ等を低減することができる。
低温容器20は、デュワーとも称され、被検者Pから発生する磁界を検出するSQUIDセンサアレイ11を極低温で動作させるために必要な液体ヘリウムを保持している。低温容器20は、例えば、脊髄誘発磁界の計測に適した形状の突起部21を備えており、突起部21の内部にSQUIDセンサアレイ11が設置される。例えば、脊髄誘発磁界の計測は、仰臥位となった被検者Pの腰部を、内部にSQUIDセンサアレイ11を有する突起部21と接触させた状態で行われる。
脊髄誘発磁界を計測する際には、電気刺激により意図的に被検者Pの神経活動を誘発する必要がある。そこで、神経刺激装置30を用いて電気刺激が印加される。例えば、神経刺激装置30は、被検者Pの体表上において互いに異なる部位にそれぞれ取り付けられる電極40a,40bを有し、電極40a,40bから被検者Pに電気刺激を印加可能である。以下では、電極40a,40bを区別なく説明する場合、電極40とも称する。
図1に示す例では、電極40aが被検者Pの左足の膝窩部の皮膚上に取り付けられ、電極40bが、被検者Pの右足の膝窩部の皮膚上に取り付けられ、電極40a,40bから印加される電気刺激が、被検者Pの両足の坐骨神経を興奮させ、神経活動が中枢神経に伝搬される。そして、被検者Pの腰椎部分に対向するSQUIDセンサアレイ11により、腰椎部の脊髄および脊髄神経から発生する磁界が検出される。
左右の坐骨神経の各々は、中枢神経である脊髄から分岐する末梢神経の枝の1つである。中枢神経は、被検者Pの或る特定の神経部位の一例であり、左右の坐骨神経は、特定の神経部位から分岐した複数の神経部位の一例である。電極40a,40bは、特定の神経部位から分岐した複数の神経部位にそれぞれ印加する電気刺激を発生可能な複数の刺激部の一例である。また、両足の膝窩部は、末梢神経の枝において分岐元である中枢神経に対して互いに対称な位置にある電気刺激の印加対象である印加部位の一例である。
なお、電極40a,40bは、左右の両足の坐骨神経が通っている他の部位の皮膚上であって、磁界の計測部位である腰椎部の脊髄および脊髄神経に対して互いに対称な部位に取り付けられてもよい。また、磁界の計測部位は胸椎部や頚椎部でもよい。
各電極40a,40bは、刺激用の電気信号を伝送するために信号線72を介して、磁気シールドルーム200の外に設置された神経刺激装置30の本体(電極40a,40b以外の部分)に接続される。信号線72は、磁界ノイズを低減するためにツイストケーブル構造を有する。信号線72は、磁気シールドルーム200の壁部を貫通して形成された孔222を通して配線される。
例えば、データ処理装置50は、PC(Personal Computer)等のコンピュータ装置であり、信号線73を介して信号処理装置12と接続され、信号線74を介して神経刺激装置30と接続される。データ処理装置50は、磁界計測装置10の動作を制御するとともに、信号処理装置12から転送される生体磁界の計測データ等に基づいて、生体磁界の時間変化示す波形データを生成し、生成した波形データを用いて表示装置50aに波形を表示する。また、データ処理装置50は、後述する事前計測モードにおける神経刺激装置30による生体磁界の計測結果に基づいて、電極40a,40bから出力する電気刺激のタイミングを設定する。
被検者Pの神経活動を誘発するために、神経刺激装置30は、例えば、パルス状の電流を電極40aの刺激陽極41aと刺激陰極42a(図3)との間に流し、パルス状の電流を電極40bの刺激陽極41bと刺激陰極42b(図3)との間に流す。脊髄誘発磁界を計測する場合、神経刺激装置30は、例えば、数mA程度の大きさで数Hz程度のパルス電流を、電気刺激として被検者Pに印加する。そして、電気刺激で誘発された神経活動を起因とした脊髄や脊髄神経からの誘発磁界がSQUIDセンサアレイ11で検出される。
一般に、神経線維は、中枢から末梢に向けて枝分かれしている。換言すれば、神経線維は、末梢から中枢に向けて合流していく。この実施形態では、枝分かれした末梢神経において中枢神経に対して互いに対称な位置にある複数の印加部位に、磁界波形の特徴点が同時に現れるタイミングで電気刺激を与えることで、神経線維が合流する脊髄等から発生する磁界の強度を大きくすることができる。これにより、SQUIDセンサアレイ11は、単一の部位において神経線維に電気刺激を与える場合に比べて、大きな神経活動磁界強度を得ることができる。
但し、複数の部位において行った電気刺激により誘発された神経活動が磁界の計測部位に同時に伝わらないと、計測部位から発生する磁界の強度は大きくならない。また、神経活動が磁界の計測部位に同時に伝わらないと、末梢神経の一方に印加される電気刺激に基づいて計測部位で発生する磁界が、末梢神経の他方に印加される電気刺激に基づいて計測部位で発生する磁界に対してノイズとして見えてしまうおそれがある。
なお、神経線維の形状および神経線維を伝わる神経活動は、直線ではないため、例えば、左右両足において互いに対称の位置から同時に電気刺激を与えても、電気刺激が計測部位に同時に伝わるとは限らない。このため、この実施形態では、神経活動を計測部位に同時に伝え、計測部位から発する磁界の強度を大きくするために、磁界の計測前に、電極40a,40bから被検者Pに電気刺激を印加するタイミングがそれぞれ設定される。すなわち、磁界の計測部位である神経の合流地点において神経電気活動の位相が合うように電気刺激の発生タイミングが設定される。電気刺激の印加タイミングの設定方法は、図3以降で説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る生体情報計測システム100の別の例を示すシステム構成図である。図1と同じ要素については、詳細な説明は省略する。図2においても、生体情報計測システム100は、脊髄誘発磁界計測システムである。
図2に示す生体情報計測システム100では、SQUIDセンサアレイ11は、テーブル300で仰臥位となった被検者Pの頚椎部分に対向して設置され、頚椎部分の神経線維から発生する磁界を検出する。
この場合、例えば、左肘部と右肘部とに電極40a,40bがそれぞれ取り付けられ、電極40a,40bに印加される電気刺激により左右両腕の正中神経が誘発され、頚椎を通る神経線維に伝搬される。
左肘部と右肘部を通る正中神経は、中枢神経である脊髄から分岐する末梢神経の枝の1つである。左肘部と右肘部を通る正中神経は、特定の神経部位から分岐した複数の神経部位の一例である。また、左肘部と右肘部とは、末梢神経の枝において分岐元である中枢神経に対して互いに対称な位置にある電気刺激の印加対象である印加部位の一例である。
図2は、SQUIDセンサアレイ11と被検者Pとの位置関係と、電極40a,40bが取り付けられる印加部位とが異なることを除き、図1と同様である。図2においても、脊髄の計測部位である神経の合流地点において神経電気活動の位相が合うように電気刺激の発生タイミングが設定される。脊髄の計測部位である神経の合流地点において神経電気活動の位相が合うように電気刺激の発生タイミングを設定する方法は、図3以降で説明する。
以下の説明は、図1に示した被検者Pの両足の膝窩部から電気刺激を印加する例に適用されてもよく、図2に示した被検者Pの左右の肘部から電気刺激を印加する例に適用されてもよい。さらに、以下の説明は、膝窩部や左右の肘部に限定されず、被検者Pの或る特定の神経部位から分岐した2つの神経部位(手の指など)から電気刺激を印加する例に適用されてもよい。
図3は、図1および図2に示した生体情報計測システム100(脊髄誘発磁界計測システム)の要部の一例を示す機能ブロック図である。神経刺激装置30は、刺激陽極41aおよび刺激陰極42aを有する電極40aと、刺激陽極41bおよび刺激陰極42bを有する電極40bとを有する。例えば、神経刺激装置30は、電極40a,40bのみを有しており、外部から電流を受ける電極40a,40bが神経刺激装置30として機能する。例えば、神経刺激装置30は、市販品(汎用品)を使用することができる。
データ処理装置50は、CPU51、記憶装置52および刺激タイミング制御部60を有する。刺激タイミング制御部60は、刺激タイミング制御装置の一例である。CPU51は、例えば、記憶装置52に格納された計測制御プログラムを実行することで、磁界計測装置10の動作を制御する。また、CPU51は、記憶装置52に格納された刺激タイミング設定プログラムを実行することで、刺激タイミング制御部60を制御し、電極40a,40bから発生する電気刺激の発生タイミングを設定する。刺激タイミング制御部60は、電極40a,40bのそれぞれに任意のタイミングで電気刺激(例えば、電流パルス)を印加可能である。なお、以下では、電気刺激の仕様(電流値、周波数、持続時間等)は、予め設定されているとして説明する。
生体情報計測システム100は、病気等を診断するために電極40a,40bの両方を使用して被検者Pの複数の部位に電気刺激を並列に印加する通常計測モードを有する。また、生体情報計測システム100は、通常計測モードで磁界を計測する前に、電極40a,40bの各々を単独で使用して被検者Pに電気刺激を印加し、SQUIDセンサアレイ11に磁界を計測させる事前計測モードを有する。
刺激タイミング制御部60は、事前計測モードにおいて、例えば、被検者Pの体表に取り付けられた電極40aのみに電気刺激を印加する。SQUIDセンサアレイ11は、電極40aからの電気刺激に応答して被検者Pの神経から発生する磁界を計測し、計測した磁界を示す磁界信号を信号処理装置12に出力する。信号処理装置12は、SQUIDセンサアレイ11から受信する磁界信号を信号処理して磁界データ(波形データ)を生成し、生成した磁界データを記憶装置52に格納する。例えば、磁界データは、磁界強度の時間変化を表す波形データである。
次に、刺激タイミング制御部60は、例えば、被検者Pの体表に取り付けられた電極40bに電気刺激を印加する。SQUIDセンサアレイ11は、電極40bからの電気刺激に応答して被検者Pの神経から発生する磁界を計測し、計測した磁界を示す磁界信号を信号処理装置12に出力する。信号処理装置12は、SQUIDセンサアレイ11から受信する磁界信号を信号処理して磁界データ(波形データ)を生成し、生成した磁界データを記憶装置52に格納する。
次に、刺激タイミング制御部60は、電極40a,40bに印加した電気刺激に応答してそれぞれ生成された波形データを用いて、ピーク潜時または立ち上がり潜時等の応答波形の特徴点を抽出する。ここで、ピーク潜時は、磁界強度が最大または最小になる時間である。立ち上がり潜時は、磁界強度が最大値に向けて変化する時間であり、例えば、磁界強度が負から正に変化する時間(磁界強度が0を横切る時間)である。
このように、刺激タイミング制御部60は、電極40a,40b毎に、被検者Pの印加部位の各々への刺激に対して磁界計測装置10により計測される計測部位の応答に基づいて、刺激の印加から中枢神経の応答(特徴点)までの潜時を算出する。ピーク潜時および立ち上がり潜時は、図4から図7で説明する。
刺激タイミング制御部60は、電極40aに対応する応答波形の特徴点と電極40bに対応する応答波形の特徴点が同じ時間に現れるように、電極40a,40bによる電気刺激の発生タイミングを設定する。例えば、刺激タイミング制御部60は、特徴点が早く現れる応答波形に対応する電極40による電気刺激の発生タイミングを遅延させることで、特徴点が現れる時間を揃える。すなわち、刺激タイミング制御部60は、事前計測モードにおいて算出した潜時に基づいて、電極40a,40bによる電気刺激の発生タイミングを、特徴点が現れる時間が揃うタイミングに設定する。以下では、電気刺激の発生タイミングは刺激発生タイミングとも称する。
そして、刺激タイミング制御部60は、事前計測モードにより決定した電極40a,40bに印加する電気刺激のタイミングを使用して、通常計測モードでの磁界の計測時に、電極40a,40bに電気刺激を発生させる。磁界計測装置10は、電極40a,40bによる電気刺激に応答して被検者Pの神経から発生する磁界を検出する。
この際、事前計測モードで設定された刺激発生タイミングにより、電極40a,40bにそれぞれ対応する磁界の強度波形の特徴点(ピーク潜時または立ち上がり潜時)の時間を、互いに一致させることができる。このため、単一の電極40のみから電気刺激を印加する場合に比べて、大きな磁界強度を得ることができ、被検者Pから発生する磁界の生体情報計測システムによる計測精度を向上することができる。
また、大きな磁界強度が得られるため、電気刺激を印加する印加部位と磁界を計測する部位との距離を従来に比べて大きくすることが可能になる。この結果、従来計測が困難であった部位から発生する磁界を計測することが可能になる。なお、刺激タイミング制御部60は、データ処理装置50でなく、磁界計測装置10の信号処理装置12内に配置されてもよい。
図4は、図3の生体情報計測システム100における事前計測モードでの処理の一例を示す説明図であり、図5は、図4の波形のピーク潜時付近を拡大した波形図である。図4および図5に示す波形の横軸は、SQUIDセンサアレイ11による磁界強度の計測時間[ms]を示す。計測時間は、電極40から生体に電気刺激が印加された時刻が0msとされる。図4および図5に示す波形の縦軸は、SQUIDセンサアレイ11が計測した被検者Pから発生する磁界の強度[fT]を示す。
図4の上側の波形は、事前計測モードにおいて、被検者Pに取り付けた電極40aから印加した電気刺激に応答してSQUIDセンサアレイ11が計測した磁界強度の変化の例を示す。図4の下側の波形は、事前計測モードにおいて、被検者Pに取り付けた電極40bから印加した電気刺激に応答してSQUIDセンサアレイ11が計測した磁界強度の変化の例を示す。すなわち、図4は、電極40a,40bから印加した電気刺激に応答してSQUIDセンサアレイ11により得られた磁界計測データを示す。
図4の上側の波形と図4の下側の波形とは、時間軸を揃えて並べているが、磁界の計測は互いに異なる時刻に行われる。すなわち、図4の上側の波形と図4の下側の波形を取得するための磁界の計測は、電極40a,40bのそれぞれに、互いに異なるタイミングで電気刺激を発生させることで行われる。そして、2つの波形データが取得された後、CPU51は、図4に示すように、2つの波形データを上下に並べて、時間範囲を示す破線とピーク潜時を示す破線とともに表示装置50aに表示する。
図1に示した例では、電極40aは被検者Pの左足の膝窩部に取り付けられ、電極40aからの電気刺激は、左足の坐骨神経を興奮させ、神経活動が脊髄に伝搬される。電極40bは被検者Pの右足の膝窩部に取り付けられ、電極40bからの電気刺激は、右足の坐骨神経を興奮させ、神経活動が脊髄に伝搬される。
図2に示した例では、電極40aは被検者Pの左肘部に取り付けられ、電極40aからの電気刺激は、左腕の正中神経を興奮させ、神経活動が脊髄に伝搬される。電極40bは被検者Pの左肘部に取り付けられ、電極40bからの電気刺激は、右腕の正中神経を興奮させ、神経活動が脊髄に伝搬される。
図4では、刺激タイミング制御部60は、予め指定された時間範囲に含まれる2つの波形の高さがそれぞれ最大となるピーク(プラス側のピーク値、陽性のピーク値)の計測時間をそれぞれピーク潜時TLt、TRtとして算出可能である。ピーク潜時TLt、TRtは、電気刺激を与えてから波形のピークが現れるまでの時間であり、刺激の印加部位と磁界の計測部位までの距離に依存する。
しかし、神経の走行は直線ではなく、かつ、刺激が神経を伝達する速度は、神経毎に微妙に異なるため、メジャー等を使用した外観上からの計測では、正確な距離を計測することは難しい。このため、外観上の計測に基づく電極40a,40bの取り付け位置の調整により、ピーク潜時TLt、TRtが現れる時間を揃えることは難しい。この実施形態では、電極40a,40bから発生する電気刺激の発生タイミングを調整することで、ピーク潜時TLt、TRtが現れる時間を揃えることができる。
図4に示す"指定された時間範囲"は、電極40a,40bから被検者Pに印加する電気刺激が発生するノイズの波形(例えば、0ms付近)を、ピーク潜時TLt、TRtの算出から除外するために設定される。例えば、時間範囲は、生体情報計測システム100の操作者等が、表示装置50aに表示された計測波形の時間範囲をマウス等の入力装置を使用して指定することで設定される。
なお、時間範囲は、CPU51が実行するプログラムにより自動的に設定されてもよい。電気刺激を印加する印加部位から磁界を計測する計測部位までの距離は、被検者Pの身長や足の長さによりほぼ依存する。このため、被検者Pの身長や足の長さが操作者等によりキーボード等の入力装置から入力したことに基づいて、CPU51により時間範囲の設定を自動的に行うことができる。
この際、過去に磁界を計測した他の被検者Pの身長や足の長さ等の情報と、時間範囲およびピーク潜時との組合せを蓄積しておき、蓄積され情報を用いて、CPU51により時間範囲を推定してもよい。時間範囲の推定は、機械学習の手法を使用して行われてもよい。過去の磁界の計測時の情報を使用することで、計算式を使って単純に時間範囲を設定する場合に比べて、時間範囲の設定の精度を向上することができる。
刺激タイミング制御部60は、ピーク潜時TLt、TRtのずれが、例えば0.1ms以下の場合、ピーク潜時TLt、TRtが一致すると判断する。ピーク潜時TLt、TRtのずれの判定に使用する閾値は、0.1msに限定されず、0.05msまたは0.01ms等でもよい。閾値は、神経刺激装置30による設定可能な電極40a,40bによる電気刺激の差の最小設定時間以上であることが好ましい。例えば、神経刺激装置30による電気刺激の差の最小時間は、0.01msである。
刺激タイミング制御部60は、図5に示すように、ピーク潜時TLt、TRtが一致しない場合、ピーク潜時TLt、TRtが現れる時間を合わせるために、電極40a,40bから発生する電気刺激のタイミングを遅らせる。
刺激タイミング制御部60は、例えば、ピーク潜時TLtがピーク潜時TRtより早い場合、ピーク潜時TLt、TRtの時間差だけ電極40aによる刺激発生タイミングを遅らせることを決定する。図5に示す例では、電極40aから発生する電気刺激のタイミングを、電極40bから発生する電気刺激のタイミングに対して0.2ms遅らせることが決定される。
同様に、刺激タイミング制御部60は、例えば、ピーク潜時TRtがピーク潜時TLtより早い場合、ピーク潜時TLt、TRtの時間差だけ電極40bによる刺激発生タイミングを遅らせることを決定する。なお、刺激タイミング制御部60は、ピーク潜時TLt、TRtが一致する場合、事前計測モードで使用した電極40a,40bによる刺激発生タイミングを通常計測モードで使用することを決定する。
そして、刺激タイミング制御部60は、決定した刺激発生タイミングを通常計測モードで使用する。すなわち、刺激タイミング制御部60は、事前計測モードにおいて電極40a,40b毎に算出した潜時に基づいて、電極40a,40bによる刺激発生タイミングを、潜時が現れる時間が揃うタイミングに設定する。
図6は、図3の生体情報計測システム100における事前計測モードでの処理の別の例を示す説明図である。図4と同様の要素および処理については、詳細な説明は省略する。
図6では、刺激タイミング制御部60は、予め指定された時間範囲に含まれる2つの波形のそれぞれの磁界強度が負から正に変化する立ち上がり時の計測時間を立ち上がり潜時TLt、TRtとして算出する。そして、刺激タイミング制御部60は、図4と同様に、立ち上がり潜時TLt、TRtの時間差に応じて、立ち上がり潜時TLt、TRtが現れる時間を合わせるために、電極40a,40bの一方から発生する電気刺激のタイミングを遅らせる。
設定された刺激発生タイミングは、通常計測モードで使用される。なお、図4の説明と同様に、事前計測モードにおいて立ち上がり潜時TLt、TRtが一致する場合、事前計測モードで使用した電極40a,40bの刺激発生タイミングが通常計測モードで使用される。
なお、図6においても、CPU51は、2つの波形の波形データが取得された後、2つの波形データを上下に並べて、時間範囲を示す破線とタイミング潜時を示す破線とともに表示装置50aに表示する。
図7は、図3の生体情報計測システム100における事前計測モードでの処理のさらなる別の例を示す説明図である。図4と同様の要素および処理については、詳細な説明は省略する。
図7では、刺激タイミング制御部60は、予め指定された時間範囲に含まれる2つの波形の高さがそれぞれ最小となるピーク(マイナス側のピーク値、陰性のピーク値)の計測時間をピーク潜時TLt、TRtとして算出する。そして、刺激タイミング制御部60は、図4と同様に、ピーク潜時TLt、TRtの時間差に応じて、ピーク潜時TLt、TRtの時間を合わせるために、電極40a,40bによる刺激発生タイミングを設定する。設定された刺激発生タイミングは、通常計測モードで使用される。なお、図4の説明と同様に、事前計測モードにおいてピーク潜時TLt、TRtが一致する場合、事前計測モードで使用した電極40a,40bによる刺激発生タイミングが通常計測モードで使用される。
なお、図7においても、CPU51は、2つの波形の波形データが取得された後、2つの波形データを上下に並べて、時間範囲を示す破線とピーク潜時を示す破線とともに表示装置50aに表示する。
事前計測モードにおいて、潜時をピーク潜時とするか立ち上がり潜時とするかは、磁界を計測する環境に応じて決定されてもよい。例えば、計測される環境磁界(アーチファクト)が生体磁界の強度に比べて大きいため、SN比(Signal-to-Noise ratio)が小さいくなる場合、ピーク潜時により波形の時間的な特徴量を得ることが好ましい。また、立ち上がり潜時による潜時の算出は、電気生理分野で一般的に使用される手法である。
図4、図6および図7では、刺激タイミング制御部60がピーク潜時またはタイミング潜時を自動的に算出する例を説明した。しかしながら、例えば、生体情報計測システム100に手動設定モードを設け、磁界の2つの波形が表示された表示装置50aを見る操作者等によりピーク潜時またはタイミング潜時が指定されてもよい。あるいは、刺激タイミング制御部60が算出して表示装置50aに表示されたピーク潜時またはタイミング潜時を示す破線を、操作者がマウス等を使用して時間軸方向に動かすことで、ピーク潜時またはタイミング潜時が調整されてもよい。この際、図5に示したように、表示装置50aに表示される波形は時間軸方向に拡大可能であってもよい。
図8は、図3の生体情報計測システム100における磁界の計測動作の一例を示すフロー図である。図8において、ステップS10、S12、S14、S16は、生体情報計測システム(生体磁界計測システム)の刺激発生タイミング設定方法の一例を示し、事前計測モードにおいてCPU51と刺激タイミング制御部60とが協働することで実施される。
ステップS10において、生体情報計測システム100は、上述したように、電極40a,40bに個別に刺激を発生させ、事前計測モードにより磁界を計測する。
次に、ステップS12において、生体情報計測システム100は、ステップS10での磁界の計測結果に基づいて、図4、図6または図7で説明した手法のいずれかを使用して、電極40a,40b毎に潜時を算出する。
次に、ステップS14において、生体情報計測システム100は、電極40a,40bに対応する潜時が一致しているか否かを判定し、一致している場合、ステップS18を実施し、一致していない場合、ステップS16を実施する。上述したように、一致/不一致は、例えば、潜時差が0.1ms以下であるか否かにより判定される。
ステップS16において、生体情報計測システム100は、波形の特徴点が現れる時間が同じになるように、電極40a,40bに発生させる電気刺激の発生タイミングを設定し、ステップS18を実施する。例えば、刺激発生タイミングは、早い潜時に対応する電極40による刺激発生タイミングを、潜時差だけ遅らせることで調整される。すなわち、電極40a,40bの一方のみの刺激発生タイミングが遅らされる。
ステップS14、S16により、刺激発生タイミングを調整することで、電極40a,40bから印加される電気刺激に対応して脊髄等から発生する磁界を精度よく重ね合わせることができ、磁界の強度を強くすることができる。このため、被検者Pの表皮に取り付けられる電極40a,40bの位置が、理想的な位置よりずれている場合にも、磁界の強度が弱くなることを防止することができる。換言すれば、被検者Pの表皮に電極40a,40bを取り付ける位置を厳密に決めなくてもよいため、磁界の計測前の準備での作業性を向上することができる。
ステップS18において、生体情報計測システム100は、事前計測モードから通常計測モードに移行し、電極40a,40bから被検者Pに同時に電気刺激を与えて、被検者Pが発生する磁界を計測する。そして、生体情報計測システム100による生体磁界の計測動作を終了する。
なお、例えば、ステップS18において、被検者Pに電気刺激を与えて磁界を計測する動作を繰り返しているときに、磁界強度が低下した場合、テーブル300上の被検者Pが動くなどして、印加部位に取り付けている電極40がずれたおそれがある。この場合、磁界の計測動作を一旦中止し、図8に示す処理が再度実施されてもよい。
図9は、図3の生体情報計測システム100において、片側刺激と両側同時刺激とでの磁界の信号強度の時間変化の一例を示す波形図である。片側刺激は、電極40a,40bの一方を使用して電気刺激を被検者Pに印加した場合の波形を示す。両側同時刺激は、通常計測モードにおいて、事前計測モードで決定した刺激発生タイミングを使用して電極40a,40bから被検者Pに電気刺激を同時に印加した場合の波形を示す。図9に示す磁界の波形は、例えば、SQUIDセンサアレイ11の複数のSQUIDが計測した磁界を重ね合わせたものである。
図9に示す例では、両側同時刺激による磁界強度(400fT)は、片側刺激による磁界強度(180fT)のほぼ2倍である。すなわち、事前計測モードで決定した刺激発生タイミングを使用して電極40a,40bから電気刺激を発生させることで、計測される磁界強度が高まることが分かる。したがって、例えば、膝窩部に電気刺激を与えて胸髄から発生する磁界を計測する場合など、印加部位から計測部位までが離れている場合にも、計測する磁界強度を従来に比べて大きくすることができる。この結果、従来計測が困難であった計測部位での磁界の計測を可能にすることができる。
以上、この実施形態では、特定の神経部位から分岐した複数の神経部位の各々への刺激に対する特定の神経部位の応答結果に基づいて、電極40a,40bによる刺激発生タイミングを設定する。例えば、脊髄(中枢神経)から分岐した末梢神経の複数の神経部位の各々への電気刺激に対する中枢神経の特定部位から発生する磁界の計測結果に基づいて、電極40a,40bによる刺激発生タイミングを設定する。
設定した刺激発生タイミングを使用して電極40a,40bの両方から刺激を並列に発生させることで、神経線維が合流する脊髄等から発生する磁界の強度を大きくすることができる。これにより、SQUIDセンサアレイ11は、単一の部位において神経線維に電気刺激を与える場合に比べて、神経活動により発生する大きな磁界強度を得ることができる。すなわち、生体の神経活動の強度を高くすることができる生体への刺激の発生タイミングを設定することができる。
ピーク潜時または立ち上がり潜時により、電気刺激に対する磁界の応答波形の特徴点を抽出することで、波形の形状よらず、正しい潜時を判断することができる。これにより、特徴点が現れる時間を揃えるための電極40a,40bによる刺激発生タイミングを精度よく設定することができる。特徴点が現れる時間を精度よく一致させることができるため、磁界強度をさらに大きくすることができる。
被検者Pの表皮に取り付けられる電極40a,40bの位置が、理想的な位置よりずれている場合にも、磁界の強度が弱くなることを防止することができる。換言すれば、被検者Pの表皮に電極40a,40bを取り付ける位置を厳密に決めなくてもよいため、磁界の計測前の準備での作業性を向上することができる。
電極40a,40bによる刺激発生タイミングを求める刺激タイミング制御部60を、データ処理装置50に設けることで、既存の神経刺激装置30を使用して、磁界強度を大きくするタイミングで、電極40a,40bに電気刺激を印加することができる。例えば、市販されている神経刺激装置30を使用することができるため、生体情報計測システム100のコストを削減することができる。
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態に係る生体情報計測システム(生体磁界計測システム)の機能ブロック図である。図3と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。図10に示す生体情報計測システム100Aは、磁界計測装置10と神経刺激装置30Aとデータ処理装置50Aと表示装置50aとを有している。生体情報計測システム100Aのシステム構成は、図1または図2と同様である。
データ処理装置50Aは、図3に示したデータ処理装置50から刺激タイミング制御部60が削除されていることを除き、データ処理装置50と同様の構成および機能を有する。神経刺激装置30Aは、図3に示した神経刺激装置30に刺激タイミング制御部60が追加されていることを除き、神経刺激装置30と同様の構成および機能を有する。
生体情報計測システム100Aによる磁界の計測動作のフローは、図8と同様である。事前計測モードにおいて、磁界波形の特徴点である潜時は、図4、図6または図7で説明した手法のいずれかを使用して算出される。信号強度の時間変化の例は、図9と同様である。
以上、第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様に、被検者Pが発生する磁界強度を向上することができる。さらに、第2の実施形態では、刺激タイミング制御部60が、神経刺激装置30Aに含まれるため、既存のデータ処理装置50Aを使用して、電極40a,40bから発生する電気刺激の発生タイミングを設定することができる。
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態に係る生体情報計測システム(生体磁界計測システム)の機能ブロック図である。図3と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。図11に示す生体情報計測システム100Bは、磁界計測装置10と神経刺激装置30Bとデータ処理装置50Bと表示装置50aとを有している。生体情報計測システム100Bのシステム構成は、図1または図2と同様である。
データ処理装置50Bは、図3に示したデータ処理装置50の刺激タイミング制御部60の代わりに、発生タイミング算出部61とトリガ信号発生部62とを有することを除き、データ処理装置50と同様の構成および機能を有する。神経刺激装置30Bは、図3に示した神経刺激装置30に外部トリガ信号入力部63と電流供給部64とが追加されていることを除き、神経刺激装置30と同様の構成および機能を有する。発生タイミング算出部61およびトリガ信号発生部62は、刺激タイミング制御部の一例であり、刺激タイミング制御装置の一例である。
発生タイミング算出部61は、事前計測モードにおいて動作し、電極40a,40bから被検者Pの印加部位の各々へ個別に印加される電気刺激に対して計測部位から応答(特徴点)が発生するまでの潜時を算出する。発生タイミング算出部61は、図8に示したステップS12、S14、S16の処理と同様の処理を実施する。潜時は、図4、図6または図7で説明したように、ピーク潜時または立ち上がり潜時である。そして、発生タイミング算出部61は、電極40a,40bにそれぞれ対応する2つの応答波形の特徴点が同じ時間に現れるように、電極40a,40bに刺激を発生させるタイミングを設定する。発生タイミング算出部61の機能は、図3で説明した刺激タイミング制御部60の機能から電極40a,40bに電気刺激を発生させる機能を除いたものと同様である。
例えば、発生タイミング算出部61が算出した刺激発生タイミングは、記憶装置52に格納される。なお、記憶装置52に格納される刺激発生タイミングは、電気刺激の発生を遅らせる電極40を示す遅延電極情報と、一方の電極40に対する他方の電極40の電気刺激の遅れ時間を示す遅延時間情報とを含む。
トリガ信号発生部62は、信号線74を介して神経刺激装置30Bの外部トリガ信号入力部63に接続され、トリガ信号を外部トリガ信号入力部63に出力する。例えば、トリガ信号発生部62が出力するトリガ信号は、印加電極情報、遅延電極情報、遅延時間情報または印加開始指示の少なくともいずれかを含む。印加電極情報は、電気刺激を発生させる電極40を示す。例えば、印加電極情報は、事前計測モードでは、電極40a,40bの一方を示し、通常計測モードでは、電極40a,40bの両方を示す。印加電極情報が電極40a,40bの一方を示す場合、遅延電極情報および遅延時間情報は使用されない。印加開始指示は、電気刺激の印加開始の指示(本来のトリガ信号としての電気刺激の印加開始指示)を示す。
事前計測モードにおいて、トリガ信号発生部62は、CPU51が計測開始指示を出力する前に、電極40a,40bの一方を示す印加電極情報を、トリガ信号として外部トリガ信号入力部63に出力する。この際、トリガ信号発生部62は、ダミーの遅延電極情報とダミーの遅延時間情報とを外部トリガ信号入力部63に出力してもよい。
通常計測モードにおいて、トリガ信号発生部62は、CPU51が計測開始指示を出力する前に、記憶装置52に記憶されている印加電極情報、遅延電極情報および遅延時間情報をトリガ信号として、外部トリガ信号入力部63に出力する。
そして、トリガ信号発生部62は、事前計測モードおよび通常計測モードにおいて、データ処理装置50Aに接続された図示しない入力装置を介して受ける計測の開始指示に基づいて、印加開始指示をトリガ信号として外部トリガ信号入力部63に出力する。計測の開始指示は、生体情報計測システム100Bを操作する操作者等が、マウスやキーボード等の入力装置を操作することで発生する。
外部トリガ信号入力部63は、信号線74を介して受信するトリガ信号を解読し、解読結果に応じた動作を実施する。外部トリガ信号入力部63は、印加電極情報、遅延電極情報または遅延時間情報を受信した場合、受信した印加電極情報、遅延電極情報または遅延時間情報を神経刺激装置30B内に設けられる内部レジスタ等に格納する。外部トリガ信号入力部63は、印加開始指示を受信した場合、印加の開始を示す開始タイミング信号を電流供給部64に出力する。
電流供給部64は、電極40a,40bの一方を示す印加電極情報が内部レジスタに保持されている状態で印加開始指示を受信した場合、印加電極情報で示される一方の電極40のみに所定の電流を供給し、電気刺激を発生させる。
電流供給部64は、電極40a,40bの両方を示す印加電極情報が内部レジスタに保持されている状態で印加開始指示を受信した場合、内部レジスタから遅延電極情報と遅延時間情報とを読み出す。電流供給部64は、遅延時間情報が"0ms"を示す場合、電極40a,40bに同時に所定の電流を出力し、電気刺激を発生させる。
電流供給部64は、読み出した遅延時間情報が"0ms"以外を示す場合、まず、遅延電極情報で示される電極40でない側の一方の電極40に所定の電流を出力し、電気刺激を発生させる。そして、電流供給部64は、一方の電極40に所定の電流を出力してから遅延時間情報で示される遅延時間経過後に、遅延電極情報で示される他方の電極40に所定の電流を出力し、電気刺激を発生させる。
なお、電流供給部64は、印加開始指示の受信に基づいて、内部レジスタから印加電極情報、遅延電極情報および遅延時間情報を読み出してもよい。また、電流供給部64は、印加開始指示を受信する前に、内部レジスタから印加電極情報、遅延電極情報および遅延時間情報を予め読み出しておいてもよい。
例えば、神経刺激装置30Bは、電極40からの電気刺激の発生に同期して、電気刺激の発生を磁界計測装置10に通知する。但し、通常計測モードにおいて、2つの電極40から発生する電気刺激が同時でない場合、神経刺激装置30Bは、電気刺激を早く発生する電極40からの電気刺激の発生に同期して、電気刺激の発生を磁界計測装置10に通知する。神経刺激装置30Bは、電気刺激を遅く発生する電極40からの電気刺激の発生に同期した電気刺激の発生の磁界計測装置10への通知を行わない。
磁界計測装置10は、神経刺激装置30Bからの通知に基づいて、SQUIDセンサアレイ11による磁界の計測を開始し、計測した磁界信号を信号処理装置12により処理することで磁界データを生成する。なお、神経刺激装置30Bが電極40からの電気刺激の発生を通知する代わりに、データ処理装置50Bが、印加開始指示に基づいて、電極40からの電気刺激の発生を磁界計測装置10に通知してもよい。
また、遅延電極情報を使用する代わりに、基準タイミングに対する電極40a,40b毎の遅延時間を示す遅延時間情報が使用されてもよい。この場合、事前計測モードでは、遅延時間情報が示す電極40a,40bのそれぞれの遅延時間は、ともに"0ms"に設定される。そして、電流供給部64は、印加開始指示に基づいて、印加電極情報で示される電極40に電気刺激を発生させる。
一方、通常計測モードでは、遅延時間情報において、一方の電極40の遅延時間が"0ms"に設定され、他方の電極40の遅延時間が、一方の電極40に対する他方の電極40の電気刺激の遅れ時間を示す値に設定される。
以上の動作により、神経刺激装置30Bは、事前計測モードおよび通常計測モードを認識することなく、トリガ信号発生部62からの印加開始指示に応答して、電極40a,40bに電気刺激を発生させることができる。したがって、神経刺激装置30Bに、市販品(汎用品)を使用することが可能である。生体情報計測システム100Bによる磁界の計測動作のフローは、図8と同様である。なお、発生タイミング算出部61およびトリガ信号発生部62は、データ処理装置50Bでなく、磁界計測装置10の信号処理装置12内に配置されてもよい。信号強度の時間変化の例は、図9と同様である。
以上、第3の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様に、被検者Pが発生する磁界強度を向上することができる。さらに、第3の実施形態では、外部トリガ信号入力部63は、トリガ信号発生部62が生成したトリガ信号に基づいて、電流供給部64にから電極40に電流を出力させることができる。これにより、神経刺激装置30Bは、事前計測モードおよび通常計測モードを認識することなく、トリガ信号発生部62から出力されるトリガ信号に応じて電極40に電気刺激を発生させることができる。これにより、例えば、市販されている神経刺激装置30Bを使用することができ、生体情報計測システム100Bのコストを削減することができる。
(第4の実施形態)
図12は、本発明の第4の実施形態に係る生体情報計測システム(生体磁界計測システム)の機能ブロック図である。図3、図10および図11と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。図12に示す生体情報計測システム100Cは、磁界計測装置10と神経刺激装置30Cとデータ処理装置50Aと表示装置50aとを有している。生体情報計測システム100Cのシステム構成は、図1または図2と同様である。
神経刺激装置30Cは、図11に示した神経刺激装置30Bに発生タイミング算出部61とトリガ信号発生部62とが追加されていることを除き、神経刺激装置30Bと同様の構成および機能を有する。すなわち、この実施形態では、既存のデータ処理装置50Aを使用して、事前計測モードの動作と、事前計測モードで設定された刺激発生タイミングを使用した通常計測モードの動作とを実行することができる。
CPU51は、事前計測モードにおいて、電極40a,40bに同時に電気刺激を発生させる指示を、神経刺激装置30Cの発生タイミング算出部61を介してトリガ信号発生部62に出力する。また、CPU51は、事前計測モードでの磁界の計測が完了した場合、神経刺激装置30Cの発生タイミング算出部61に、通常計測モードで使用する電極40a,40bの刺激発生タイミングを算出させる。
発生タイミング算出部61の機能は、図11で説明した発生タイミング算出部61の機能と同様である。但し、この実施形態の発生タイミング算出部61は、事前計測モードで計測された磁界データを記憶装置52から読み出す機能と、算出した刺激発生タイミングを記憶装置52に格納する機能とを有する。なお、算出した刺激発生タイミングは、神経刺激装置30Cに設けられる図示しないレジスタやメモリ等に格納されてもよい。
トリガ信号発生部62、外部トリガ信号入力部63および電流供給部64の機能は、それぞれ図11に示したトリガ信号発生部62、外部トリガ信号入力部63および電流供給部64の機能と同様である。但し、トリガ信号発生部62は、信号線74を介して受信するCPU51からの計測開始指示に基づいて、トリガ信号を外部トリガ信号入力部63に出力する。
生体情報計測システム100Cによる磁界の計測動作のフローは、図8と同様である。事前計測モードにおいて、磁界波形の特徴点である潜時は、図4、図6または図7で説明した手法のいずれかを使用して算出される。信号強度の時間変化の例は、図9と同様である。
以上、第4の実施形態においても、上述した実施形態と同様に、被検者Pが発生する磁界強度を向上することができる。さらに、第4の実施形態では、既存のデータ処理装置50Aを使用して、事前計測モードの動作と、事前計測モードで設定された刺激発生タイミングを使用した通常計測モードの動作とを実行することができる。
(第5の実施形態)
図13は、本発明の第5の実施形態に係る生体情報計測システム(生体磁界計測システム)の機能ブロック図である。上述した実施形態と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。図13に示す生体情報計測システム100Dは、磁界計測装置10と神経刺激装置30Dとデータ処理装置50Dと表示装置50aとを有している。生体情報計測システム100Dのシステム構成は、図1または図2と同様である。
データ処理装置50Dは、図11に示したデータ処理装置50Bの発生タイミング算出部61およびトリガ信号発生部62の代わりに、発生タイミング算出部61Dおよびトリガ信号発生部62Dを有する。データ処理装置50Dのその他の構成および機能は、データ処理装置50Bの構成および機能と同様である。発生タイミング算出部61Dおよびトリガ信号発生部62Dは、刺激タイミング制御装置の一例である。
神経刺激装置30Dは、図11に示した神経刺激装置30Bの外部トリガ信号入力部63と電流供給部64との代わりに、外部トリガ信号入力部63Dと電流供給部64Dとを有することを除き、神経刺激装置30Bと同様の構成および機能を有する。トリガ信号発生部62Dと外部トリガ信号入力部63Dとは、電極40a,40bにそれぞれ対応する信号線74を介して接続される。外部トリガ信号入力部63Dと電流供給部64Dとは、電極40a,40bにそれぞれ対応する信号線を介して接続される。
発生タイミング算出部61Dは、事前計測モードにおいて、電極40a,40bにそれぞれ対応する2つの応答波形の特徴点が同じ時間に現れるように、電極40a,40bの刺激発生タイミングをそれぞれ算出する。発生タイミング算出部61Dにおいて、電極40a,40bの刺激発生タイミングを算出するまでの動作は、図11で説明した発生タイミング算出部61の動作と同様である。発生タイミング算出部61Dは、それぞれ算出した電極40a,40bの刺激発生タイミングを記憶装置52に格納する。
トリガ信号発生部62Dは、事前計測モードにおいて、電極40a,40bの各々に電気刺激を発生させるトリガ信号を順次生成し、生成したトリガ信号を、互いに異なる信号線74を使用して神経刺激装置30Dに順次出力する。電極40a,40b毎に専用の信号線74を使用することで、トリガ信号発生部62Dは、電極40a,40bを識別するトリガ信号を生成しなくてよい。
トリガ信号発生部62Dは、通常計測モードにおいて、記憶装置52に格納された電極40a,40b毎の刺激発生タイミングにしたがって、電極40a,40bに電気刺激を発生させる一対のトリガ信号を外部トリガ信号入力部63Dに出力する。
外部トリガ信号入力部63Dは、電極40aに対応する信号線74を介してトリガ信号を受信した場合、電極40aに対応する信号線を介して電流供給部64Dに印加の開始を示す開始タイミング信号を出力する。外部トリガ信号入力部63Dは、電極40bに対応する信号線74を介してトリガ信号を受信した場合、電極40bに対応する信号線を介して電流供給部64Dに印加の開始を示す開始タイミング信号を出力する。
電流供給部64Dは、開始タイミング信号を受信した信号線に対応する電極40に所定の電流を供給し、電気刺激を発生させる。これにより、トリガ信号発生部62D、外部トリガ信号入力部63Dおよび電流供給部64Dは、印加電極情報、遅延電極情報および遅延時間情報を使用することなく、電極40a,40bに電気刺激を発生させることができる。換言すれば、トリガ信号発生部62Dから外部トリガ信号入力部63Dに印加開始指示を示すトリガ信号のみを出力することで、電極40a,40bに電気刺激を発生させることができる。
神経刺激装置30Dは、印加開始指示を示すトリガ信号を受けて動作するため、市販品(汎用品)を使用することができる。なお、発生タイミング算出部61およびトリガ信号発生部62Dは、データ処理装置50Dでなく、磁界計測装置10の信号処理装置12内に配置されてもよい。
以上、第5の実施形態においても、上述した実施形態と同様に、被検者Pが発生する磁界強度を向上することができる。さらに、第5の実施形態では、神経刺激装置30Dは、トリガ信号発生部62Dが出力する電極40a,40b毎のトリガ信号に応じて、電極40a,40bのそれぞれに電気刺激を発生させることができる。これにより、例えば、市販されている神経刺激装置30Dを使用することができ、生体情報計測システム100Dのコストを削減することができる。
(第6の実施形態)
図14は、本発明の第6の実施形態に係る生体情報計測システム(生体磁界計測システム)の機能ブロック図である。上述した実施形態と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。図14に示す生体情報計測システム100Eは、磁界計測装置10と神経刺激装置30Eとデータ処理装置50Aと表示装置50aとを有している。生体情報計測システム100Eのシステム構成は、図1または図2と同様である。
神経刺激装置30Eは、図13に示した神経刺激装置30Dに発生タイミング算出部61Dとトリガ信号発生部62Dとが追加されていることを除き、神経刺激装置30Dと同様の構成および機能を有する。すなわち、この実施形態では、既存のデータ処理装置50Aを使用して、事前計測モードの動作と、事前計測モードで設定された刺激発生タイミングを使用した通常計測モードの動作とを実行することができる。
発生タイミング算出部61Dの機能は、図13で説明した発生タイミング算出部61Dの機能と同様である。但し、この実施形態の発生タイミング算出部61Dは、事前計測モードで計測された磁界データを記憶装置52から読み出す機能と、算出した刺激発生タイミングを記憶装置52に格納する機能とを有する。なお、算出した刺激発生タイミングは、神経刺激装置30Eに設けられる図示しないレジスタやメモリ等に格納されてもよい。
トリガ信号発生部62D、外部トリガ信号入力部63Dおよび電流供給部64Dの機能は、それぞれ図13に示したトリガ信号発生部62D、外部トリガ信号入力部63Dおよび電流供給部64Dの機能と同様である。但し、トリガ信号発生部62Dは、信号線74を介して受信するCPU51からの計測開始指示に基づいて、トリガ信号を外部トリガ信号入力部63Dに出力する。
生体情報計測システム100Eによる磁界の計測動作のフローは、図8と同様である。事前計測モードにおいて、磁界波形の特徴点である潜時は、図4、図6または図7で説明した手法のいずれかを使用して算出される。信号強度の時間変化の例は、図9と同様である。
以上、第6の実施形態においても、上述した実施形態と同様に、被検者Pが発生する磁界強度を向上することができる。また、第4の実施形態と同様に、既存のデータ処理装置50Aを使用して、事前計測モードの動作と、事前計測モードで設定された刺激発生タイミングを使用した通常計測モードの動作とを実行することができる。
(第7の実施形態)
図15は、本発明の第7の実施形態に係る生体情報計測システム(生体磁界計測システム)の機能ブロック図である。上述した実施形態と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。図15に示す生体情報計測システム100Fは、磁界計測装置10と2つの神経刺激装置30F、30Gとデータ処理装置50Dと表示装置50aとを有している。生体情報計測システム100Fのシステム構成は、図1または図2と同様である。
神経刺激装置30Fは、外部トリガ信号入力部63と、電流供給部64と、電極40aとを有する。神経刺激装置30Gは、外部トリガ信号入力部63と、電流供給部64と、電極40bとを有する。神経刺激装置30F、30Gは、サブ刺激装置の一例であり、この実施形態では、2つのサブ刺激装置により神経刺激装置が構成される。
トリガ信号発生部62Dは、事前計測モードにおいて、電極40a,40bの各々に電気刺激を発生させるトリガ信号を順次生成し、生成したトリガ信号を、各神経刺激装置30F、30Gの外部トリガ信号入力部63に順次出力する。このために、トリガ信号発生部62Dは、互いに異なる信号線74を介して、神経刺激装置30F、30Gの外部トリガ信号入力部63にそれぞれ接続される。
神経刺激装置30F、30Gの各外部トリガ信号入力部63は、トリガ信号発生部62Dから受信したトリガ信号に基づいて、自刺激装置内の電流供給部64Dに印加の開始を示す開始タイミング信号を出力する。そして、神経刺激装置30F、30Gは、互いに独立して電極40a,40bから電気刺激を発生する。例えば、神経刺激装置30F、30Gは、市販品(汎用品)が使用されてもよい。
生体情報計測システム100Fによる磁界の計測動作のフローは、図8と同様である。事前計測モードにおいて、磁界波形の特徴点である潜時は、図4、図6または図7で説明した手法のいずれかを使用して算出される。信号強度の時間変化の例は、図9と同様である。
以上、第7の実施形態においても、上述した実施形態と同様に、被検者Pが発生する磁界強度を向上することができる。さらに、第5の実施形態と同様に、神経刺激装置30F、30Gの各々は、トリガ信号発生部62Dが出力する電極40a,40b毎のトリガ信号に応じて、電極40(40aまたは40b)のそれぞれに電気刺激を発生させることができる。これにより、例えば、市販されている1チャネル(電極40が1つのみ)の神経刺激装置30F、30Gを使用することができ、生体情報計測システム100Fのコストを削減することができる。
なお、上述した実施形態では、神経刺激装置30、30A、30B、30D、30E、30F、30Gは、電極40a,40bから電気刺激(電流パルス)を発生する例を説明した。しかしながら、神経刺激装置30、30A、30B、30D、30E、30F、30Gは、磁気刺激、音刺激または機械刺激を発生してもよく、皮膚内に挿入する針状の電極40を有してもよい。この場合にも、刺激に対する脊髄等の特定の神経部位の応答時間が揃うように、事前計測モードにおいて、刺激発生タイミングを設定することができる。
また、上述した実施形態では、2つの電極40a,40bから発生する電気刺激に対する脊髄等の特定の神経部位の応答時間が揃うように刺激の発生タイミングを調整し、磁界を計測する例を説明した。しかしながら、刺激は、3以上の電極40から発生する電気刺激に対する脊髄の応答時間が揃うように刺激の発生タイミングを調整し、3以上の応答を重複させてもよい。3以上の刺激は、磁気刺激、音刺激または機械刺激でもよい。
さらに、上述した実施形態では、両足の膝窩部または左右の肘部から電気刺激を印加し、脊髄等の特定の神経部位から発生する磁界を計測する例を説明した。しかしながら、例えば、左手または右手の示指と中指から刺激を印加し、刺激を印加した手掌部や腕の正中神経から発生する磁界を計測してもよい。刺激は、3本以上の指から印加されてもよく、左手と右手の少なくとも1つの指から印加されてもよい。
また、上述した実施形態では、事前計測モードでの潜時を算出する処理は、電気刺激に基づいて得られる磁界計測データを用いた例で説明した。しかしながら、潜時の算出は、磁界計測データに限らず、磁界計測データを基に推定(電流再構成)された電流データを使用して行われてもよい。すなわち、2つの電極40a,40bから発生する電気刺激の印加タイミングの調整は、電流データから算出される潜時を使用して行われてもよい。
図16は、上述した生体情報計測システムでの事前計測モードにおいて、磁界計測データを基に推定された電流データを使用して潜時を算出する例を示す。例えば、図16に示す電流強度の波形は、左右両足からの電気刺激による左右の坐骨神経の神経活動に基づく、L2椎体とL3椎体の間(椎間)の位置における神経電気活動の電流分布波形を算出した結果である。このように電流波形のピーク時間であるピーク潜時を特徴量としてもよい。
磁界ではXYZ(3次元の各方向)の単体での成分波形になるため、例えばX軸でSN比が悪く、時間的特徴量が検出しにくい場合がある。これに対して、電流データは、XYZの3つの成分に基づいて推定(電流再構成)を行うことで算出されるため、結果、SN比が良い波形を得ることができ、より精度よくタイミングを合わせることができる利点がある。
(第8の実施形態)
さらに、上述した実施形態では、事前計測モードでの潜時を算出する処理は、磁界計測データを用いる例を示したが、潜時の算出は、磁界計測データに限らず、電位計測データを使用して行われてもよい。例えば、胸椎部の脊髄に対して神経磁界を計測する際の電気刺激の印加タイミングの調整にあたって、神経磁界の計測を行う前に、電位計測装置を用いて、例えば、被測定部(胸椎部)に対し、L3椎体部分で得られた電位波形の特徴点を取得し、その結果を用いることが考えられる。
図17は、本発明の第8の実施形態に係る生体情報計測システム(生体磁界計測システム)の別の例を示すシステム構成図である。図17に示す生体情報計測システム100Gでは、事前計測モードで計測される電位波形の特徴点を用いて、神経刺激装置30から印加する電気刺激のタイミングが調整される。なお、図1と同様の要素については、同じ符号を付記し、詳細な説明は省略する。生体情報計測システム100Gは、図1の構成に、生体情報計測装置として、磁界計測装置10に加えて、生体の特定部位間の電位差を計測可能な電位計測装置80が追加されている。
図17に示す例では、電位計測装置80の電極40c(電位記録用の記録電極(陽極・陰極の組))が被検者Pの腰椎部分(例えばL3椎体部分)の皮膚上に取り付けられ、例えば、両足の膝窩部に取り付けられた電極40a,40bから、それぞれ印加される電気刺激により、被検者Pの両足の坐骨神経が興奮状態となる。その結果、電極40a,40bの電気刺激により、被検者Pの神経活動が中枢神経に伝搬され、電位計測装置80の電位検知用の電極40c間で、神経活動に基づく電位波形が計測される。電位計測データは、電位計測装置80に保存されてその結果を用いる。より好ましくは、電位計測データは、信号線75を介してデータ処理装置50に転送され、データ処理装置50が特徴量を算出し、電極40a,40bからの電気刺激タイミングを算出する。なお、電位計測装置80と電極40cとを接続する信号線76は、ノイズ低減のため、ツイストケーブルを用いることが望ましい。
図18は、図17の生体情報計測システム100Gでの事前計測モードにおいて、電位計測データを使用して潜時を算出する例を示す。例えば、図18に示す電位の波形は、左右両足からの電気刺激による左右の坐骨神経の神経活動に基づく、L3椎体部分の位置における神経電気活動の電位波形を算出した結果である。このように電位波形のピーク時間であるピーク潜時TLt、TRtを特徴量としてもよい。また、特徴量の算出は、電位計測装置80またはデータ処理装置50で加算平均処理およびピーク潜時の算出が行われる。なお、図17では、電位計測装置80と神経刺激装置30とを、別の装置として説明したが、これに限られず、例えば、電位計測装置80および神経刺激装置30の代わりに、神経刺激と電位計測とが両方行える装置を用いてもよい。
上記したように、電位計測装置80を用いて、神経磁界を計測する際の電気刺激の印加タイミングを調整する方法の場合、例えば、磁界計測装置10により、胸椎部での磁界計測にあたって事前計測として腰椎部で磁界計測する場合は、被検者Pがテーブル300の長手方向に移動する(若しくは、被検者Pに対しSQUIDセンサアレイ11(突起部21)の位置を変更する)必要があるが、電位計測装置80を用いる場合は、被検者Pの移動が不要(若しくは、SQUIDセンサアレイ11の位置の変更が不要)となり、より簡易に事前計測を行う事ができる。
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10 磁界計測装置
11 SQUIDセンサアレイ
12 信号処理装置
20 低温容器
21 突起部
30、30A、30B、30C 神経刺激装置
30D、30E、30F、30G 神経刺激装置
40a、40、40c 電極
41a、41b 刺激陽極
42a、42b 刺激陰極
50、50A、50B、50D データ処理装置
50a 表示装置
51 CPU
52 記憶装置
60 刺激タイミング制御部
61、61D 発生タイミング算出部
62、62D トリガ信号発生部
63、63D 外部トリガ信号入力部
64、64D 電流供給部
71、72、73、74、75、76 信号線
80 電位計測装置
100、100A、100B、100C 生体情報計測システム
100D、100E、100F、100G 生体情報計測システム
200 磁気シールドルーム
300 テーブル
P 被検者
特開2017-99450号公報

Claims (12)

  1. 生体の或る特定の神経部位から分岐した複数の神経部位にそれぞれ刺激を印加可能な複数の刺激部と、
    前記複数の刺激部に刺激を発生させるタイミングを個別に設定可能であり、前記複数の刺激部毎に発生させる前記複数の神経部位の各々への刺激に対して、生体磁界を計測する生体磁界計測装置により計測される前記特定の神経部位の応答結果に基づいて、前記複数の刺激部による刺激の発生タイミングを設定する刺激タイミング制御部と、を有し、
    前記刺激タイミング制御部は、前記磁界計測を基に推定された電流データに基づいて、前記生体に刺激を与えてから前記生体の応答に特徴点が現れるまでの潜時を前記複数の刺激部毎に算出し、算出した前記潜時に基づいて前記刺激の発生タイミングを決定すること
    を特徴とする神経刺激装置。
  2. 前記刺激タイミング制御部は、前記生体磁界計測装置が計測する応答の強度の時間変化を示す波形のピーク値、または、前記波形の立ち上がりを前記特徴点として算出すること、
    を特徴とする請求項1に記載の神経刺激装置。
  3. 前記刺激タイミング制御部は、
    前記複数の刺激部毎に算出した前記潜時に基づいて、前記特徴点が現れる時間が揃う前記発生タイミングを算出する発生タイミング算出部と、
    前記発生タイミング算出部が算出した前記発生タイミングに基づいてトリガ信号を発生するトリガ信号発生部と、を有し、
    前記複数の刺激部は、前記トリガ信号に応答して刺激を発生すること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の神経刺激装置。
  4. 前記トリガ信号発生部は、前記複数の刺激部のそれぞれに出力する複数の前記トリガ信号を発生し、
    前記複数の刺激部は、対応する前記トリガ信号に応答して刺激を発生すること、
    を特徴とする請求項3に記載の神経刺激装置。
  5. 生体の或る特定の神経部位から分岐した複数の神経部位にそれぞれ刺激を印加可能な複数の刺激部を有する神経刺激装置と、
    前記複数の神経部位の各々への刺激に対する前記特定の神経部位の応答結果を生体磁界として計測する生体磁界計測装置と、
    前記複数の刺激部に刺激を発生させるタイミングを個別に設定可能であり、前記複数の刺激部毎に発生させる前記複数の神経部位の各々への刺激に対して、生体磁界を計測する生体磁界計測装置により計測される前記特定の神経部位の応答結果に基づいて、前記複数の刺激部による刺激の発生タイミングを設定する刺激タイミング制御装置と、を有し、
    前記刺激タイミング制御装置は、前記磁界計測を基に推定された電流データに基づいて、前記生体に刺激を与えてから前記生体の応答に特徴点が現れるまでの潜時を前記複数の刺激部毎に算出し、算出した前記潜時に基づいて前記刺激の発生タイミングを決定すること
    を特徴とする生体磁界計測システム。
  6. 前記刺激タイミング制御装置は、
    前記特定の神経部位の前記応答結果に基づいて、前記生体に刺激を与えてから前記生体の応答に特徴点が現れるまでの潜時を前記複数の刺激部毎に算出可能であり、
    算出した複数の前記潜時に基づいて、前記発生タイミングを、前記特徴点が現れる時間が揃うタイミングに設定すること、
    を特徴とする請求項5に記載の生体磁界計測システム。
  7. 前記刺激タイミング制御装置は、前記生体磁界計測装置が計測する応答の強度の時間変化を示す波形のピーク値、または、前記波形の立ち上がりを前記特徴点として算出すること、
    を特徴とする請求項6に記載の生体磁界計測システム。
  8. 前記刺激タイミング制御装置は、
    前記複数の刺激部毎に算出した前記潜時に基づいて、前記特徴点が現れる時間が揃う前記発生タイミングを算出する発生タイミング算出部と、
    前記発生タイミング算出部が算出した前記発生タイミングに基づいてトリガ信号を発生するトリガ信号発生部と、を有し、
    前記複数の刺激部は、前記トリガ信号に応答して刺激を発生すること、
    を特徴とする請求項6または請求項7に記載の生体磁界計測システム。
  9. 前記トリガ信号発生部は、前記複数の刺激部のそれぞれに出力する複数の前記トリガ信号を発生し、
    前記複数の刺激部は、対応する前記トリガ信号に応答して刺激を発生すること、
    を特徴とする請求項8に記載の生体磁界計測システム。
  10. 前記神経刺激装置は、前記複数の刺激部の各々をそれぞれ含む複数のサブ刺激装置を有し、
    前記トリガ信号発生部は、前記複数のサブ刺激装置の各々の前記刺激部に出力する前記トリガ信号を発生すること、
    を特徴とする請求項9に記載の生体磁界計測システム。
  11. 前記複数の刺激部から前記生体に印加される刺激は、電気刺激であること、
    を特徴とする請求項5ないし請求項10のいずれか1項に記載の生体磁界計測システム。
  12. 生体の或る特定の神経部位から分岐した複数の神経部位にそれぞれ刺激を印加可能な複数の刺激部を有する神経刺激装置と、
    前記複数の神経部位の各々への刺激に対する前記特定の神経部位の応答結果を生体磁界として計測する生体磁界計測装置と、
    前記複数の刺激部に刺激を発生させるタイミングを個別に設定可能であり、前記複数の刺激部毎に発生させる前記複数の神経部位の各々への刺激に対して、生体磁界を計測する生体磁界計測装置により計測される前記特定の神経部位の応答結果に基づいて、前記複数の刺激部による刺激の発生タイミングを設定する刺激タイミング制御装置と、を有する生体磁界計測システムの刺激発生タイミング設定方法であって、
    前記刺激タイミング制御装置により、
    前記複数の刺激部毎に刺激を発生させ、
    前記磁界計測を基に推定された電流データに基づいて、前記生体に刺激を与えてから前記生体の応答に特徴点が現れるまでの潜時を前記複数の刺激部毎に算出し、算出した前記潜時に基づいて前記刺激の発生タイミングを決定すること
    を特徴とする生体磁界計測システムの刺激発生タイミング設定方法。
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