以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
ユーザ(旅行者とも呼ぶ)は、旅行地を旅行する場合に、予め、鉄道、自動車等の移動手段、宿泊する施設、食事をする施設等を含む旅行プランを大まかに決定し、旅行中に、土産店のような商業施設、遊園地のようなレジャー施設、水族館のような観光施設、見晴らし台のような観光スポット等の旅行プランにないローカルな施設又は場所(施設等と呼ぶ)を適宜選択して訪問し、そして予め決定した施設を利用する、或いは目的の施設等を訪問するために都合の良い宿泊施設、飲食施設を利用することが多い。ここで、旅行者が旅行地で利用又は訪問する宿泊施設、飲食施設、商業施設、レジャー施設、観光施設、観光スポット等、旅行地への旅行者の誘客に貢献する施設等を旅行コンテンツ、それらのなかで宿泊施設、飲食施設等、旅行者が旅行中に必ず利用する施設等を基本コンテンツ、旅行者が適宜選択して訪問する施設等を副コンテンツと称する。そこで、旅行者の旅行中の行動を追跡することで、旅行者を旅行地に誘客して旅行地の経済に貢献している旅行コンテンツを明らかにすること、基本コンテンツへの誘客に貢献している副コンテンツを明らかにすることができる。なお、これらのような誘客に貢献している旅行コンテンツをコアコンテンツとも呼ぶ。これらの分析結果は、旅行地の経済発展に貢献する旅行コンテンツへの開発投資に資する。
図1に、本実施形態に係る解析システム100の概略構成を示す。解析システム100は、旅行地における旅行者の行動を追跡して、旅行地への誘客に貢献している旅行コンテンツ及びその経済貢献度を分析するためのネットワークシステムであり、解析装置10、ユーザ端末20(20a~20n)、店舗端末30(30a~30m)、及び地図情報サーバ40を備える。これらは、ネットワーク99を介して互いに通信可能に接続されている。
解析装置10は、旅行者の旅行中の行動を追跡して、旅行地への誘客に貢献している旅行コンテンツ及びその経済貢献度を解析するコンピュータ端末である。また、解析装置10は、旅行者からの旅行プランの予約の処理、旅行者への割引クーポンの提供等、旅行者への各種サービス(旅行サービスと総称する)を提供するサーバ端末としても機能する。解析装置10は、中央処理装置(CPU)、通信装置(いずれも不図示)、及び記憶装置19を有する。なお、解析装置10は、クラウド(複数の分散サーバ或いは複数のサブシステム等)により実装されてもよい。
CPUは、サーバ専用プログラムを実行することにより、旅行者に対する旅行サービスの提供及び旅行コンテンツの解析を実行する機能を発現させる。解析装置10の機能構成については後述する。なお、サーバ専用プログラムは、例えば、ROM(不図示)に記憶され、それをCPUが読み出す、或いはCD-ROM等の記憶媒体に記憶され、それをCPUが読み取り装置(不図示)を用いて読み出してRAMに展開することで起動される。
通信装置は、ネットワーク99を介してユーザ端末20(20a~20n)等と相互に有線又は無線通信することができる装置であり、一例としてTCP/IP等のプロトコルを利用して通信することができる。
記憶装置19は、旅行者の旅行スケジュール、旅行者の行動の追跡結果、旅行者に提供する旅行サービス、旅行地の旅行コンテンツの情報等、各種情報を記憶するハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置である。記憶装置19は、例えばSCSI、SATA等のインタフェースを介して解析装置10に接続されている。なお、記憶装置19は、ネットワーク99上に通信可能に接続することとしてもよい。
ユーザ端末20(20a~20n)は、旅行者が所有するスマートフォン、タブレットコンピュータ等の携帯端末である。ユーザ端末20は、旅行者が、解析装置10と通信して旅行サービスを受けるために使用するクライアント端末として機能する。なお、複数人の旅行者がそれぞれユーザ端末20a~20nを所有するとするが、これらは同様に構成することができるから特に断らない限りユーザ端末20と総称する。ユーザ端末20は、CPU、GPSデバイス、表示デバイス、入力デバイス、及び通信デバイス(いずれも不図示)を有する。
CPUは、クライアント専用プログラム(クライアント専用アプリとも呼ぶ)を実行することにより、解析装置10と通信して旅行サービスの提供を受けるクライアント機能を発現させる。なお、クライアント専用プログラムは、例えば、ROM(不図示)に記憶され、それをCPUが読み込むことで起動される。
GPSデバイスは、全地球測位システムを利用して、ユーザ端末20の位置情報を検出する装置である。位置情報は、一例として経度及び緯度により与えることとしてよい。
表示デバイスは、旅行者に向けて入力指示、選択画面等を表示する液晶ディスプレイ等の装置である。
入力デバイスは、ユーザによる入力操作を受けて選択情報等を入力するためのタッチパネル等の装置である。
通信装置は、ネットワーク99を介して解析装置10と相互に通信する装置であり、例えばTCP/IP等のプロトコルを利用して通信することができる。通信装置は、無線通信網を介してネットワークに99にアクセスしてよい。
店舗端末30(30a~30m)は、各旅行コンテンツに配置されるPOS端末等、ネットワーク99に通信可能に接続されたコンピュータ端末である。なお、複数の旅行コンテンツにそれぞれ店舗端末30a~30mが配備されるとするが、これらは同様に構成することができるから特に断らない限り店舗端末30と総称する。店舗端末30は、少なくとも基本コンテンツに含まれる施設等に配備され、例えば旅行者が利用料等の支払いをした場合に、解析装置10に旅行者が訪問したこと及び支払額を通知することができる。
地図情報サーバ40は、位置情報と位置情報に対応して登録されている旅行コンテンツの情報とを含む地図情報を提供するサーバ端末である。地図情報サーバ40は、国土交通省等が運営する公的サーバであってよい。位置情報は、緯度及び経度により表される位置範囲、例えば表1に示すように中心緯度経度及び中心からの距離(半径)により表される円形状の位置範囲として与えてよい。或いは、2つの緯度経度により表される矩形状の位置範囲として与えてよい。
また、表2に示すように郵便番号及び住所で表される位置範囲であってもよい。この場合、地図情報サーバ40は、郵便番号及び住所で表される位置範囲に対応する緯度経度範囲を併せて提供してもよい。
地図情報は、定期的に地図情報サーバ40から取得し、記憶装置19に記録することとしてもよい。地図情報を用いることにより、位置情報が示す位置に存在する旅行コンテンツを検索することが可能となる。
ネットワーク99は、解析装置10、ユーザ端末20(20a~20n)、店舗端末30(30a~30m)、及び地図情報サーバ40を相互に通信可能に接続する通信網である。ネットワーク99は、一例としてインターネットであるとするが、これに限らず、これらの間で相互に通信することができれば、ローカルエリアネットワーク、電話回線等、任意の通信網を採用してもよいし、複数の通信網が混在したネットワークとしてもよい。
図2に、ユーザ端末20の機能構成を示す。ユーザ端末20は、取得部21、表示部22、操作検出部23、及び送信部24を含む。
取得部21は、GPSデバイス(不図示)を用いて、ユーザ端末20の位置情報を取得する。位置情報は、緯度及び経度により与えられてよい。
表示部22は、解析装置10が提供する旅行サービスに関する情報を表示デバイス(不図示)上に表示するユニットである。表示部22は、ユーザ端末20の位置情報に基づいて、その位置情報が示す場所が宿泊施設、飲食施設、商業施設、レジャー施設、観光施設等の旅行コンテンツに対応する場合に、旅行コンテンツにおいて代金を支払う際に利用可能なクーポンを表示する。クーポンは、支払額の割引クーポン、ポイントカード、スタンプカード、引換券、入場券等、支払時に使用可能なクーポンであってよい。
操作検出部23は、旅行者、すなわちユーザ端末20の所有者がユーザ端末20上で行う操作を検出するユニットである。ここで、検出される操作は、例えば、入力デバイス上でのクーポンの選択・使用、写真・動画撮影、撮影した写真・動画又は記事のSNSへの投稿、検索エンジンを用いたキーワード検索、電子マネーを用いた代金の支払い(スマホ決済)等を含む。
送信部24は、通信装置(不図示)を用いて、取得部21により取得されたユーザ端末20の位置情報及び操作検出部23により検出されたユーザ端末20上で行われた操作(又はそのタイプ)を解析装置10に送信するユニットである。
図3に、解析装置10の機能構成を示す。解析装置10は、検出部11、特定部12、評価部13、スケジュール部14、及び提供部15を含む。
検出部11は、通信装置(不図示)を用いて、旅行者が所有するユーザ端末20から位置情報を受信するともに、旅行者がユーザ端末20上で行った操作を検出するユニットである。なお、操作の検出は、ユーザ端末20から操作検出部23が検出した操作(又はそのタイプ)を受信することでなされるとしてよい。検出部11がユーザ端末20から受信及び検出した位置情報及び操作のタイプは、セットにして記憶装置19に記録される。
特定部12は、検出部11により受信又は検出されたユーザ端末20の位置情報が示す場所及び操作のタイプの組み合わせに基づいて、旅行者が訪れた旅行コンテンツ及びその旅行コンテンツでの旅行者の行動を特定するユニットである。特定部12が特定した旅行コンテンツ及び旅行者の行動は、記憶装置19に記録される。特定部12による旅行コンテンツ及び旅行者の行動の特定については後述する。
評価部13は、特定部12により特定された旅行者の行動に基づいて、旅行コンテンツの経済貢献度を評価するユニットである。評価部13が評価した旅行コンテンツの経済貢献度は、記憶装置19に記録される。評価部13による旅行コンテンツの経済貢献度の評価については後述する。
スケジュール部14は、旅行者の旅行プラン、すなわち旅行プランに含まれる旅行コンテンツの利用をスケジューリングするユニットである。スケジュール部14は、ユーザ端末20から旅行プランの予約リクエストを受信すると、ユーザ端末20に対して旅行プランを提供し、旅行プランに含まれる少なくとも1つの旅行コンテンツの利用を、その旅行コンテンツに備えられた店舗端末30にリクエストしてスケジューリングする。この旅行コンテンツは、特に宿泊施設、飲食施設等の基本コンテンツを含んでよい。スケジュール部14によりスケジュールされた旅行プラン、すなわち利用が予約された旅行コンテンツ及びその予約時刻等の情報は記憶装置19に記録される。スケジュール部14による、旅行プランの予約については後述する。
提供部15は、スケジュール部14によりスケジュールされた旅行プラン、すなわち利用が予約された旅行コンテンツ(特に、基本コンテンツ)を利用する日時に対して表示してスケジュール表を作成し、通信装置(不図示)を用いてユーザ端末20に提供するユニットである。また、提供部15は、特定部12により旅行コンテンツ(特に、副コンテンツ)及び旅行者の行動が特定された場合に、その旅行コンテンツを日時に対してスケジュール表に追加して、ユーザ端末20に提供する。
ここで、スケジュール表は、旅行前においては、旅行プランに含まれる利用が予約された基本コンテンツのみを含むから予約表(予約カレンダーと呼ぶ)をなし、旅行中又は旅行後においては、さらに特定された旅行者の行動、特にその行動の対象の副コンテンツを含むことで旅行記録(旅行カレンダー又は旅カレンダーと呼ぶ)をなす。スケジュール表は、時系列表示するカレンダーモード、日記スタイルで表示するアルバムモード、地図上に移動経路に沿って表示するマップモード等、様々なフォーマットで表示してよい。さらに、提供部15は、スケジュール表において、旅行コンテンツの表示を、支払額に応じて影を追加する、マークを大きく表示するなどにより装飾してもよい。提供部15により作成されるスケジュール表についてはさらに後述する。
図4及び図5Aから図5Iに、それぞれ、旅行プランの予約手続きのフローS100及び旅行プランの予約手続きにおけるユーザ端末20の表示画面の例を示す。
ユーザが、ユーザ端末20上でクライアント専用アプリ(本実施形態では「旅のお友ナビ」と呼ばれる)を起動すると、図5Aに示す起動画面がユーザ端末20上に表示される。起動画面には、商業施設において利用可能なクーポンを選択するための「お得(クーポン)から選ぶ」、コンサート、ミュージカル等のイベントを選択するための「イベントから選ぶ」、旅行地エリアから利用する旅行コンテンツを選択するための「エリアから選ぶ」、旅行プランを予約する「旅予約」、旅行予約又は旅行記録を確認するための「旅の思い出」、その他「旅の準備・ふるさと納税」を含む様々な選択コマンドが表示される。ここで、ユーザが選択コマンド「旅予約」を選択して、旅行プランの予約リクエストが解析装置10に送信されることで、旅行プランの予約手続きのフローS100が開始する。
ステップS102では、ユーザにより、ユーザ端末20上で旅行プランの選択が行われる。ステップS104では、解析装置10のスケジュール部14により、ステップS102でのユーザ選択に応じてユーザ端末20に旅行コンテンツのリストを提供する。
例えば、解析装置10のスケジュール部14が旅行地のエリアのリストを提供することで、図5Bに示すようにユーザ端末20上にエリアの選択画面が表示される。ここで、ユーザは「栃木県日光市」を選択したとする。次いで、スケジュール部14は、ユーザが選択したエリアにおける旅行コンテンツの大カテゴリを提供することで、図5Cに示すように「宿泊(宿泊施設)」「飲食(飲食施設)」「小売店(商業施設)」「施設(レジャー施設、観光施設等)」、「移動(移動手段)」、等を含む選択画面を表示する。ここで、ユーザは、旅行予定日「202●年4月16日-17日」とともに「宿泊」を選択したとする。次いで、スケジュール部14は、ユーザが選択したカテゴリ「宿泊」に対する中カテゴリを提供することで、図5Dに示すように「高級旅館」「旅館」「ホテル」「グランピング・キャンプ場」等を含む選択画面を表示する。ここで、ユーザは、「グランピング・キャンプ場」を選択したとする。次いで、スケジュール部14は、ユーザが選択したエリア及びカテゴリ「グランピング・キャンプ場」に属する小カテゴリ、すなわち宿泊施設のリスト、さらにそれらの宿泊施設に対して利用可能なクーポンを提供することで、図5Eに示すようにユーザ端末20上に宿泊施設の選択画面が表示される。ここで、ユーザは、「日光だいや川公園オートキャンプ場」を選択したとする。これにより、宿泊施設の選択が完了する。
さらに、ユーザは、図5Fに示すように旅行コンテンツの大カテゴリの表示画面に戻って「飲食」を選択したとする。スケジュール部14は、ユーザが選択したカテゴリ「飲食」に対する中カテゴリを提供することで、図5Gに示すように「フレンチ」「イタリアン」「中華」「蕎麦」「ラーメン」等を含む選択画面を表示する。ここで、ユーザは、「蕎麦」を選択したとする。次いで、スケジュール部14は、ユーザが選択したエリア及びカテゴリ「蕎麦」に属する小カテゴリ、すなわち蕎麦を提供する飲食施設のリスト、さらにそれらの飲食施設に対して利用可能なクーポンを提供することで、図5Hに示すようにユーザ端末20上に飲食施設の選択画面が表示される。ここで、ユーザは、「蕎麦庵」を選択したとする。これにより、飲食施設の選択が完了する。
さらに、ユーザは、その他のカテゴリ「小売店」「施設」「移動」等より商業施設、レジャー施設、観光施設、移動手段を選択することもできる。ユーザは、ユーザ端末20上での旅行コンテンツの選択を終了して終了コマンド(不図示)を選択すると、ステップS106に移行する。
ステップS106では、解析装置10のスケジュール部14により、ユーザが利用を選択した旅行コンテンツの店舗端末30に予約リクエストを送信する。予約リクエストは、ユーザの氏名、利用日時、クレジットカード情報等を含んでよい。
ステップS108では、旅行コンテンツの運営者が、解析装置10から送信された予約リクエストに対して予約を承諾するか否かを判断する。運営者は、承諾/拒否する場合、店舗端末30から予約承諾/拒否の回答を解析装置10に送信する。
ステップS110では、店舗端末30から予約承諾を受信すると、スケジュール部14は旅行プラン、すなわち利用の予約が承諾された旅行コンテンツ及びその予約時刻等の情報を記憶装置19に記録する。
なお、ステップS110で店舗端末30から予約を拒否された旅行コンテンツについては、ユーザが、予約手続きを最初からやり直すことで変更することができる。
ステップS112では、スケジュール部14がユーザ端末20に旅行プランの予約が完了した報告が送信される。それにより、ステップS114では、図5Iに示すようにユーザ端末20に予約が完了した旅行プランの確認画面が表示される。
図6及び図7Aから図7Cに、それぞれ、旅行前における旅行プランの予約スケジュールの表示フロー及び予約スケジュールの表示におけるユーザ端末20の表示画面の例を示す。
ユーザが、図7Aに示すようにクライアント専用アプリの起動画面が表示されたユーザ端末20上で、旅行予約又は旅行記録を確認するための「旅の思い出」コマンドを選択することで、旅行プランの予約スケジュールの表示フローS200が開始する。
ステップS202では、ユーザ端末20から予約スケジュールの表示リクエストが解析装置10に送信される。ここで、図7Bに示すようにユーザ端末20に表示リクエストする旅行プランの選択画面が表示され、ユーザが旅行1を選択することでその表示リクエストが送信される。
ステップS204では、解析装置10の提供部15により、ステップS202でユーザが選択した旅行プラン(本例では旅行1)の予約スケジュールを記憶装置19から読み出し、利用が予約された旅行コンテンツ(特に、基本コンテンツ)を利用する日時に対して表示してスケジュール表を作成し、ユーザ端末20に提供される。
ステップS206では、図7Cに示すように、提供部15により提供された旅行1のスケジュール表がカレンダーモード(3次元予約カレンダーと称する)でユーザ端末20上に表示される。このスケジュール表では、4月16日の午前に移動手段(レンタカー等)による移動、午後に(2)飲食施設で食事、夜に(3)宿泊施設にチェックイン、4月17日の午前に(3)宿泊施設をチェックアウト、午後に移動手段(レンタカー等)による移動が予定され、4月16日の昼及び4月17日の昼の予定は空白となっていることが視覚的にわかる。また、予約されている(2)飲食施設での食事代の額に応じて比較的小さい影により飲食施設の表示が修飾され、予約されている(3)宿泊施設の宿泊料の額に応じて比較的大きな影により宿泊施設の表示が修飾されている。これにより、旅行プランに含まれる旅行コンテンツの利用料の予算が視覚的にわかる。
図8Aに、旅行地において旅行中のユーザ(すなわち、旅行者)の行動追跡フローS300を示す。図8B及び図8Cに、それぞれ、ユーザ端末20における操作検出ステップS320のサブフロー及び解析装置10における行動特定ステップのサブフローS330を示す。なお、ユーザ端末20側の処理フローは、旅行地を旅行する複数の旅行者が所有する複数のユーザ端末20a~20nのそれぞれにおいて同様に実行されるが、ここでは代表してユーザ端末20について説明する。
ステップS310では、ユーザ端末20により、ユーザ端末20上でクライアント専用アプリが起動されたか否かが判断される。旅行者がクライアント専用アプリを起動すると、判断が肯定されて、次のステップS320に進む。
ステップS320では、ユーザ端末20により、図8Bに示す操作検出のサブフローが実行される。
ステップS321では、取得部21がGPSデバイスを用いて、本ステップの実行時におけるユーザ端末20の位置情報を取得する。ユーザ端末20の位置情報は、緯度及び経度により与えられてよい。なお、位置情報とともにその位置情報が示す位置に滞在する滞在時間を取得してもよい。
ステップS322では、操作検出部23が、旅行者がユーザ端末20上で行った操作を検出する。
図9Aに、旅行者がユーザ端末20上で行う宿泊施設のチェックイン及びチェックアウトの操作画面を示す。旅行者は、例えば、図5Aに示すクライアント専用アプリの起動画面からコマンド「旅予約」を選択し、そして図5Iに示す予約済みの旅行プランの確認画面上で宿泊施設「宿泊:日光だいや川公園オートキャンプ」を選択する、或いは図7Aに示す起動画面からコマンド「旅の思い出」を選択し、そして図7Cに示す予約済みの旅行プランのスケジュール表で宿泊施設「(3)宿泊」を選択する。これに応じて、チェックイン・チェックアウトのリクエストが解析装置10に送信され、解析装置10はユーザ端末20にその宿泊施設でチェックイン・チェックアウトするためのQRコード(登録商標)を発行する。QRコード(登録商標)は、宿泊施設を特定する情報、旅行者を特定する情報等を含んでよい。ユーザ端末20がQRコード(登録商標)を受信し表示すると、これに応じて操作検出部23が操作「チェックイン及びチェックアウト」を検出する。
旅行者はユーザ端末20に表示されたQRコード(登録商標)をその宿泊施設の店舗端末30に対して提示することで、チェックイン及びチェックアウトをすることができる。このとき、店舗端末30は、QRコード(登録商標)を読み取ってチェックイン及びチェックアウトの手続き及び利用料の支払い手続きをするとともに、宿泊施設を特定する情報、旅行者を特定する情報、支払額に関する情報を解析装置10に送信する。それにより、解析装置10は、どの旅行者が、いつ、どの宿泊施設をチェックイン及びチェックアウトして幾ら支払ったのかを記憶装置19に記録する。
図9Bに、旅行者がユーザ端末20上で行う商業施設でのクーポンの選択の操作画面を示す。旅行者は、例えば、図5Aに示すクライアント専用アプリの起動画面からコマンド「お得(クーポン)から選ぶ」を選択し、図5Bに示すエリアの選択画面から目的地「栃木県日光市」を選択し、図5Cに示す大カテゴリの選択画面から「小売店(商業施設)」を選択し、さらに目的の商業施設(例えば、道の駅)を選択する。これに応じて、道の駅のクーポン発行のリクエストが解析装置10に送信され、解析装置10はその商業施設で利用可能なクーポンが登録されている場合にクーポン情報をユーザ端末20に発行する。クーポン情報は、商業施設を特定する情報、旅行者を特定する情報等を含んでよい。ユーザ端末20がクーポン情報を受信してQRコード(登録商標)を表示すると、これに応じて操作検出部23が操作「クーポンの選択・使用」を検出する。
或いは、旅行者は、図5Aに示すクライアント専用アプリの起動画面からコマンド「お得(クーポン)から選ぶ」を選択する。これに応じて、ユーザ端末20がクーポン発行のリクエストをステップS321で取得された位置情報とともに解析装置10に送信し、解析装置10は受信した位置情報に基づいてユーザ端末20が位置する商業施設(本例の場合、道の駅)を地図情報から特定し、その商業施設で利用可能なクーポンが登録されている場合にクーポン情報をユーザ端末20に発行する。クーポン情報は、商業施設を特定する情報、旅行者を特定する情報等を含んでよい。ユーザ端末20がクーポン情報を受信してQRコード(登録商標)を表示すると、これに応じて操作検出部23が操作「クーポンの選択・使用」を検出する。
旅行者はユーザ端末20に表示されたQRコード(登録商標)をその商業施設の店舗端末30に対して提示することで、例えば代金の割引を受けることができる。このとき、店舗端末30は、QRコード(登録商標)を読み取って代金を割り引き、その支払い手続きをするとともに、商業施設を特定する情報、旅行者を特定する情報、支払額に関する情報を解析装置10に送信する。それにより、解析装置10は、どの旅行者が、いつ、どの商業施設で幾ら支払ったのかを記憶装置19に記録する。
図9Cに、旅行者がユーザ端末20上で行う飲食施設でのクーポンの選択の操作画面を示す。旅行者は、例えば、図5Aに示すクライアント専用アプリの起動画面からコマンド「お得(クーポン)から選ぶ」を選択し、図5Bに示すエリアの選択画面から目的地「栃木県日光市」を選択し、図5Cに示す大カテゴリの選択画面から「飲食(飲食施設)」を選択し、さらに目的の飲食施設(例えば、蕎麦庵)を選択する。これに応じて、蕎麦庵のクーポン発行のリクエストが解析装置10に送信され、解析装置10はその飲食施設で利用可能なクーポンが登録されている場合にクーポン情報をユーザ端末20に発行する。クーポン情報は、飲食施設を特定する情報、旅行者を特定する情報等を含んでよい。ユーザ端末20がクーポン情報を受信してQRコード(登録商標)を表示すると、これに応じて操作検出部23が操作「クーポンの選択・使用」を検出する。
或いは、旅行者は、図5Aに示すクライアント専用アプリの起動画面からコマンド「お得(クーポン)から選ぶ」を選択する。これに応じて、ユーザ端末20がクーポン発行のリクエストをステップS321で取得された位置情報とともに解析装置10に送信し、解析装置10は受信した位置情報に基づいてユーザ端末20が位置する飲食施設(本例の場合、蕎麦庵)を地図情報から特定し、その飲食施設で利用可能なクーポンが登録されている場合にクーポン情報をユーザ端末20に発行する。クーポン情報は、飲食施設を特定する情報、旅行者を特定する情報等を含んでよい。ユーザ端末20がクーポン情報を受信してQRコード(登録商標)を表示すると、これに応じて操作検出部23が操作「クーポンの選択・使用」を検出する。
或いは、旅行者は、図5Aに示すクライアント専用アプリの起動画面からコマンド「旅予約」を選択し、そして図5Iに示す予約済みの旅行プランの確認画面上で飲食施設「食事:蕎麦庵」を選択する、或いは図7Aに示す起動画面からコマンド「旅の思い出」を選択し、そして図7Cに示す予約済みの旅行プランのスケジュール表で飲食施設「(2)食事」を選択する。これに応じて、クーポン発行のリクエストが解析装置10に送信され、解析装置10は選択された飲食施設で利用可能なクーポンが登録されている場合にクーポン情報をユーザ端末20に発行する。クーポン情報は、飲食施設を特定する情報、旅行者を特定する情報等を含んでよい。ユーザ端末20がクーポン情報を受信してQRコード(登録商標)を表示すると、これに応じて操作検出部23が操作「クーポンの選択・使用」を検出する。
旅行者は、ユーザ端末20に表示されたQRコード(登録商標)をその飲食施設の店舗端末30に対して提示することで例えば代金の割引を受けることができる。このとき、店舗端末30は、QRコード(登録商標)を読み取って代金を割り引き、その支払い手続きをするとともに、飲食施設を特定する情報、旅行者を特定する情報、支払額に関する情報を解析装置10に送信する。それにより、解析装置10は、どの旅行者が、いつ、どの飲食施設で幾ら支払ったのかを記憶装置19に記録する。
なお、操作検出部23は、上述の宿泊施設でのチェックイン及びチェックアウト、商業施設でのクーポンの選択、飲食施設でのクーポンの選択と同様に、レジャー施設、観光施設等、その他の旅行コンテンツにおけるチェックイン及びチェックアウト、代金を支払う際のクーポン選択についても、旅行者がユーザ端末20上で行う操作として検出することができる。
図9Dに、旅行者がユーザ端末20上で行う写真・動画撮影の操作画面を示す。旅行者は、例えば、図5Aに示すクライアント専用アプリの起動画面からコマンド「その他」を選択し、これを介してカメラを選択する。旅行者が、ユーザ端末20を用いて写真・動画を撮影すると、これに応じて操作検出部23が操作「写真・動画の撮影」を検出する。
図9Eに、旅行者がユーザ端末20上で行う撮影した写真・動画又は記事のSNSへの投稿の操作画面を示す。例えば、図5Aに示すクライアント専用アプリの起動画面からコマンド「その他」を選択し、これを介してSNS投稿を選択する。旅行者が、ユーザ端末20を用いて撮影した写真・動画を選択し、記事を入力してSNSに投稿すると、これに応じて操作検出部23が操作「撮影した写真・動画又は記事のSNSへの投稿」を検出する。
図9Fに、旅行者がユーザ端末20上で行う検索エンジンを用いたキーワード検索の操作画面を示す。例えば、図5Aに示すクライアント専用アプリの起動画面からコマンド「その他」を選択し、これを介してキーワード検索を選択する。旅行者が、例えば、これから向かおうとする或いは関心のある未予約の目的地を入力すると、公知の検索エンジンから検索結果が送信されてユーザ端末20上に表示される。これに応じて操作検出部23が操作「検索エンジンを用いたキーワード検索」を検出する。
図9Gに、旅行者がユーザ端末20上で行うスマホ決済の操作画面を示す。例えば、旅行者が商業施設等の旅行コンテンツで代金の支払いをするために、図5Aに示すクライアント専用アプリの起動画面からコマンド「その他」を選択し、これを介してスマホ決済を選択する。これに応じて、ユーザ端末20は事前に登録されている旅行者のクレジットカード番号、その他の必要事項を記録したQRコード(登録商標)を入力デバイス上に表示する。これに応じて操作検出部23が操作「代金の支払い(スマホ決済)」を検出する。旅行コンテンツの店舗端末30はこれを読み取り、クレジットカード会社のサーバに通信して決済する。
或いは、旅行者がスマホ決済を選択すると、ユーザ端末20がスマホ決済リクエストを解析装置10に送信する。これに応じて操作検出部23が操作「代金の支払い(スマホ決済)」を検出する。解析装置は、スマホ決済リクエストを受信すると、登録されている旅行者のポイント残高を減額するとともに、旅行コンテンツの店舗端末30に決済を承諾する。
ステップS323では、送信部24が通信装置(不図示)を用いて、ステップS321で取得されたユーザ端末20の位置情報(さらに、滞在時間)及びステップS322で検出されたユーザ端末20上で行われた操作(又はそのタイプ)を解析装置10に送信する。表3に、送信される位置情報及び検出された操作の一例を示す。
なお、検出された操作が「撮影した写真・動画又は記事のSNSへの投稿」である場合、ユーザは、旅行後に旅行コンテンツで撮影した写真・動画を選択し、その旅行コンテンツについて記事を作成してSNSへ投稿するのが通常であり、そのため投稿する際の位置情報と記事の内容に関わる旅行コンテンツとは関係しないから、投稿された記事を位置情報及び検査された操作とともに解析装置10に送信するとしてよい。
なお、検出された操作が「検索エンジンを用いたキーワード検索」である場合、ユーザは、次の目的の旅行コンテンツへ移動中にキーワード検索するのが通常であり、そのためキーワード検索する際の位置情報と検索に係る旅行コンテンツとは関係しないから、キーワード検索したキーワードを位置情報及び検査された操作とともに解析装置10に送信するとしてよい。
ユーザ端末20は、クライアント専用アプリが起動されるたびに上記のステップS210~S320を繰り返す。
なお、複数の旅行者がそれぞれ所有するユーザ端末20a~20nが起動されるたびにそれぞれのユーザ端末上で上記のステップS210~S320が実行されることで、複数のユーザ端末20a~20nのそれぞれからユーザ端末の位置情報及びユーザ端末上で行われた操作(又はそのタイプ)が解析装置10に送信される。
ステップS330では、解析装置10により、図8Cに示す行動特定のサブフローが実行される。なお、解析装置10は、地図情報サーバ40から地図情報を取得し、記憶装置19に記録しているとする。
ステップS331では、検出部11により、複数の旅行者がそれぞれ所有するユーザ端末20(20a~20n)からステップS323で送信された位置情報を受信するとともに、ユーザ端末20(20a~20n)上で行われた操作を検出する。ここで、操作の検出は、ユーザ端末20(20a~20n)から送信された検出された操作を受信することでなされるとしてよい。受信した、位置情報及び検出された操作は、上記の表3に示すようにセットにして記憶装置19に記録される。
ステップS332では、特定部12により、位置情報が示す場所及び操作のタイプの組み合わせに基づいて、旅行者が訪れた旅行コンテンツ及びその旅行コンテンツでの旅行者の行動を特定する。まず、特定部は、ステップS331でユーザ端末20から受信した位置情報に基づいて、その位置情報が示す場所に存在する旅行コンテンツを地図情報、例えば表1に示す地図情報と対比して特定する。それにより、表4の左蘭に示すように、表3における位置情報が旅行コンテンツに置き換えられる。ここで、特定部12は、位置情報が旅行地に属するか否か判断し、属しないと判断した場合、ステップS330を終了してよい。
なお、検出された操作「撮影した写真・動画又は記事のSNSへの投稿」に対しては、先述のとおり投稿した際の位置情報が示す場所と投稿する記事の内容に関わる旅行コンテンツとは通常、異なる。そこで、位置情報が示す場所と記事の内容に関わる旅行コンテンツとが異なると判断される場合、特定部12は、記事の内容から旅行コンテンツ(本例では「見晴台」)を読み取り、これを旅行コンテンツとして特定してよい。
なお、検出された操作が「検索エンジンを用いたキーワード検索」に対しては、先述のとおりキーワード検索した際の位置情報と検索対象の旅行コンテンツとは通常、異なる。そこで、位置情報が示す場所と検索対象の旅行コンテンツとが異なると判断される場合、特定部12は、キーワード検索に含まれる旅行コンテンツ(本例では「観光施設A」)を読み取り、これを旅行コンテンツとして特定してよい。
なお、例えば奇麗な夜景を見ることができる高台、美しい日の入りを見ることのできる海岸など、現地においてのみ知られている旅行コンテンツは、通常、地図情報に登録されていない。そこで、地図情報において位置情報が示す場所に旅行コンテンツが登録されていない場合、旅行コンテンツは不明とし、表4において位置情報が示す場所として位置情報をそのまま記憶装置19に記録してよい。後に旅行コンテンツが特定された場合に、その旅行コンテンツが位置する場所が表4に記録された位置情報を含むことで、特定された旅行コンテンツに記録を置き換えるとしてよい。また、旅行コンテンツが不明の位置情報が示す複数の位置が予め定められた距離範囲に含まれる場合、それらは同一の旅行コンテンツに対応すると判断してよい。
次いで、特定部12は、位置情報が示す場所に存在する旅行コンテンツ及び操作のタイプの組み合わせに基づいて、旅行者が訪れた旅行コンテンツ及びその旅行コンテンツでの旅行者の行動を特定する。例えば、表4の第2列に示すように、位置情報が示す場所が「宿泊施設A」であり、操作のタイプが「チェックイン又はチャックアウト」である場合、特定部12は、旅行コンテンツは「宿泊施設A」であり、「旅行者が宿泊施設Aに宿泊したこと」を特定する。なお、位置情報が示す場所が「レジャー施設」「観光施設」等、チェックイン又はチャックアウトの手続きを要する旅行コンテンツである場合についても、同様に旅行者の行動を特定することができる。
次に、表4の第3列に示すように、位置情報が示す場所が「小売店A(すなわち、商業施設)」であり、操作のタイプが「クーポンの選択・使用」である場合、特定部12は、旅行コンテンツは「小売店A」であり、「旅行者が小売店Aで買い物をしたこと」を特定する。なお、位置情報が示す場所が「レジャー施設」「観光施設」等、代金の支払い時にクーポンを選択できる旅行コンテンツである場合についても、同様に旅行者の行動を特定することができる。
次に、表4の第4列に示すように、位置情報が示す場所が「飲食施設A」であり、操作のタイプがクーポンの選択・使用である場合、特定部12は、旅行コンテンツは「飲食施設A」であり、「旅行者が飲食施設Aで飲食をしたこと」を特定する。なお、位置情報が示す場所が「レジャー施設」「観光施設」等、飲食代の支払い時にクーポンを選択できる旅行コンテンツである場合についても、同様に旅行者の行動を特定することができる。
次に、表4の第5列に示すように、位置情報が示す場所が「レジャー施設A」であり、操作のタイプが「写真又は動画の撮影」である場合、特定部12は、旅行コンテンツは「レジャー施設A」であり、「旅行者がレジャー施設Aを訪問したこと」を特定する。なお、位置情報が示す場所が「観光スポット」、「観光施設」等である場合も同様に旅行者の行動を特定することができる。
次に、表4の第6列に示すように、操作のタイプが撮影した「写真、動画、又は記事のSNSへの投稿」である場合、特定部12は、旅行コンテンツは写真、動画、又は記事から特定される場所、本例の場合は記事から特定された「見晴台」であり、「旅行者が見晴台に訪問したこと」を特定する。斯かる場合、写真、動画、又は記事から特定される場所は、位置情報が示す場所とは異なることとなる。
次に、表4の第7列に示すように、操作のタイプが「検索エンジンを用いたキーワード検索」であり、位置情報が示す場所とは異なる場所に関する検索である場合、つまり位置情報が示す場所とキーワード検索に含まれる旅行コンテンツとが異なる場合、特定部12は、旅行コンテンツはキーワード検索に含まれる旅行コンテンツ、本例の場合、「観光施設A」であり、「旅行者が観光施設Aに移動予定であること」を特定する。
次に、表4の第8列に示すように、位置情報が示す場所が「小売店B」であり、操作のタイプが「代金の支払い(スマホ決済)」である場合、特定部12は、旅行コンテンツは「小売店B」であり、「旅行者が小売店Bで代金を支払ったこと」を特定する。なお、位置情報が示す場所が「宿泊施設」「観光スポット」「観光施設」等、何らかの代金の支払いをする可能性のある旅行コンテンツである場合についても、同様に旅行者の行動を特定することができる。
このように特定部12が旅行者の行動を特定することで、旅行プランにおいて旅行コンテンツの利用がスケジュールされていない空白期間、例えば図7Cに示す予約カレンダーにおける4月16日昼、4月17日昼、及び4月17日夜における、旅行者が訪れた旅行コンテンツ(すなわち、副コンテンツ)及びその副コンテンツでの旅行者の行動をも特定することが可能となる。
ステップS333では、特定部12により、ステップS332で特定された旅行者の行動をスケジュール表に登録する。特に、スケジュール表において旅行コンテンツの利用がスケジュールされていない空白期間における旅行者の行動が特定された場合に、その空白期間(ユーザ端末20から位置情報等を受信した日時でよい)に利用した旅行コンテンツ、そこで代金の支払いをした場合にはさらにその額を記憶装置19に記録して登録する。それにより、旅行前の旅行プランの予約手続きにおいてスケジュールされた旅行コンテンツ、すなわち基本コンテンツを利用する旅行者が、基本コンテンツの利用がスケジュールされていない空白期間において、どの副コンテンツに訪れてどういう行動をとるか特定し、基本コンテンツへの誘客に貢献している副コンテンツを分析することが可能となる。
ステップS340では、検出部11により、旅行者が旅行を完了したか否か判断される。旅行の完了は、旅行者が、図4等を用いて説明した旅行プランの予約手続きにおいてスケジュール表に登録された旅行コンテンツ、すなわち基本コンテンツのすべてを訪問したことで判断することができる。また、ユーザ端末20から位置情報を受信し、その位置情報が示す位置が旅行地から外れたことをもって判断することもできる。旅行が完了したと判断されるまで、ステップS330が繰り返される。
図10Aに、旅行者1及び2が旅行中に利用した旅行コンテンツの組み合わせパターン(旅行パターンと呼ぶ)を示す。ステップS310からS330を繰り返すことで、各旅行者の旅行パターンが特定される。旅行者1は、基本コンテンツである宿泊施設(宿泊)Aに加えて、副コンテンツであるレジャー施設(レジャー)A、商業施設(小売店)A及びCを利用したことがわかる。また、旅行者2は、基本コンテンツである宿泊施設(宿泊)Aに加えて、副コンテンツであるレジャー施設(レジャー)B、商業施設(小売店)A~Cを利用したことがわかる。このように、旅行前の旅行プランの予約手続きにおいてスケジュールされた基本コンテンツだけでなく、スケジュールの空白期間に利用した副コンテンツを特定することができる。
図10B及び図10Cに、それぞれ、複数の旅行者の旅行パターンの集計及び旅行コンテンツの利用率の集計を示す。複数の旅行者のそれぞれについて上述の通り旅行パターンが特定され、旅行コンテンツ(本例では、宿泊施設(宿泊)A、宿泊B、レジャー施設(レジャー)A、レジャーB、商業施設(小売店)A、小売店B、小売店C)毎の利用頻度及び利用割合が集計されている。なお、図10Bに示す表では、利用「1」、未利用「0」として表されている。なお、「1」に代えて、各旅行コンテンツでの支払額を用いて表してもよい。
ここで、例えば、旅行者の行動を旅行者が所有するユーザ端末20(20a~20n)の位置情報だけで判断すると、単なる待ち合わせ、トイレ休憩のように経済行為を伴わない旅行コンテンツの利用までもが特定されるため、旅行者を旅行地に誘客して旅行地の経済に貢献している旅行コンテンツを正確に特定するのは困難である。それに対して、本実施形態に係る解析システム100による解析方法によれば、旅行者の行動を旅行者が所有するユーザ端末20(20a~20n)の位置情報だけでなく、表3に示したユーザ端末20(20a~20n)上で行われる操作に基づいて特定することで、経済行為を伴わない旅行コンテンツの利用を除外することができ、また経済行為を伴わないが別の旅行コンテンツへの誘客に貢献する旅行コンテンツの利用を特定することができ、旅行地への誘客に貢献している旅行コンテンツ及びその経済貢献度をより正確に評価することが可能となる。
ステップS340で旅行が完了したと判断されると、ステップS350に進む。
ステップS350では、評価部13により、ステップS330で特定された旅行者の行動に基づいて、旅行地における旅行コンテンツの経済貢献度を評価する。評価部13は、複数の旅行者の行動に基づいて、旅行コンテンツにおける訪問頻度、訪問ルート、支払額、滞在時間のうちの少なくとも1つに基づいて、各旅行コンテンツの旅行地への経済貢献度を評価してよい。さらに、評価部13は、図4等を用いて説明した旅行プランの予約手続きにおいてスケジュール表に登録された旅行コンテンツ、すなわち基本コンテンツの利用と、特定部12により特定された特定された旅行コンテンツ、すなわち副コンテンツ及び旅行者の行動との相関を評価してよい。それにより、ユーザ端末20から位置情報を受信するともに旅行者がユーザ端末20上で行った操作のタイプを検出することで、位置情報が示す場所及び操作のタイプの組み合わせに基づいて、旅行者がどの旅行コンテンツでどういう行動をとったのか正確に特定することができ、スケジュールされた施設の利用と特定された旅行コンテンツ及び旅行者の行動との相関から、特定された旅行コンテンツのなかから旅行者を施設に誘客しているコアコンテンツ又は施設により誘客されているコンテンツを分析することができる。評価部13による旅行コンテンツの経済貢献度の評価についてはさらに後述する。
最後に、評価部13が評価結果を出力することで、旅行者の行動追跡フローS300を終了する。
図11及び図12Aから図12Dに、それぞれ、旅行中又は旅行後における旅行記録(旅カレンダー)の表示フロー及び旅行記録の表示におけるユーザ端末20の表示画面の例を示す。本フローは、図6を用いて説明した旅行前における旅行プランの予約スケジュールの表示フローと類似するが、旅行中又は旅行後における表示フローであることで旅行中の旅行者の行動もスケジュール表に反映される。
ユーザが、図12Aに示すようにクライアント専用アプリの起動画面が表示されたユーザ端末20上で、旅行予約又は旅行記録を確認するための「旅の思い出」コマンドを選択することで、旅行記録(旅カレンダー)の表示フローS400が開始する。なお、本例では時系列形式の表示モード(カレンダーモード)が選択されている。
ステップS402では、ユーザ端末20から旅行記録の表示リクエストが解析装置10に送信される。ここで、図7Bに示すようにユーザ端末20に表示リクエストする旅行プランの選択画面が表示され、ユーザが旅行1を選択することでその表示リクエストが送信される。
ステップS404では、解析装置10の提供部15により、ステップS402でユーザが選択した旅行プラン(本例では旅行1)のスケジュール表を記憶装置19から読み出す。ここで、旅行中又は旅行後であることで、旅行前に利用が予約された旅行コンテンツ(特に、基本コンテンツ)だけでなく、旅行中に特定部12により特定された旅行コンテンツ(特に、副コンテンツ)を追加して、日時に対して表示してスケジュール表を作成し、ユーザ端末20に提供する。
ステップS406では、図12Bに示すように、提供部15により提供された旅行1のスケジュール表がカレンダーモード(3次元旅カレンダーと称する)でユーザ端末20上に表示される。このスケジュール表では、図7Cの3次元予約カレンダーに示された予定通りに利用又は訪問した旅行コンテンツ、すなわち4月16日の午前に移動手段(レンタカー等)による移動、午後に(2)飲食施設で食事、夜に(3)宿泊施設にチェックイン、4月17日の午前に(3)宿泊施設をチェックアウト、午後に移動手段(レンタカー等)による移動に加えて、旅行中に利用又は訪問した旅行コンテンツ、すなわち4月16日の昼に(1)商業施設で買物及び4月17日の夜に見晴台を訪問が追加表示されている。これにより、旅行者の旅行中の行動が視覚的にわかる。また、(1)商業施設での買物代の額に応じて比較的小さい影により商業施設の表示が修飾されている。これにより、旅行中に費やした旅行コンテンツの利用料が視覚的にわかる。
なお、スケジュール表の表示モードとして、カレンダーモードの他に日記スタイルのアルバムモード及び地図を用いるMAP家計簿モードを選択することができる。アルバムモードは、例えば、図12Cに示すように旅行者により撮影及び作成された写真・動画及びテキスト文面が表示される。テキスト文面は、日時、天候、季節、温度、湿度、風速等の記録、随筆、紀行文、俳句、散文、小説、エッセイ等の旅行者により作成された文面を含んでよく、それにより日記スタイルに表示することとしてよい。MAP家計簿モードは、図12Dに示すように、地図上に移動経路、訪問した旅行コンテンツとそこで支払った代金の額に応じて拡大表示されるマーク(本例では立方体)が表示される。支払額を重ねて表示してもよい。
解析装置10の評価部13による旅行コンテンツの経済貢献度の評価について、さらに説明する。
図13Aに、旅行パターン毎の平均売上及び現出回数の統計を示す。旅行パターンは、旅行者が旅行中に利用した旅行コンテンツの組み合わせパターンであり、訪問ルート(すなわち、旅行コンテンツを利用した時間順序)を考慮したパターンとしてもよい。本例では旅行パターンは(ア)~(ソ)の15通り含まれる。評価部13は、図10Bに示した複数の旅行者の旅行パターンの集計に基づいて、図13Aに示すように、旅行パターン毎の平均売上及び現出回数並びにそれらの偏差値(平均売上の偏差値A及び現出回数の偏差値B)を算出する。
図13Bに、旅行パターンの平均売上及び現出回数の分散を示す。横軸を平均売上の偏差値A、縦軸を現出回数の偏差値Bとして、15通りの旅行パターン(ア)~(ソ)をプロットしたものである。平均売上は旅行パターン(イ)(ア)(エ)(ウ)が高く、現出回数は旅行パターン(ア)(エ)(ケ)が多いことがわかる。
図13Cに、算出された旅行パターンの経済貢献指数を示す。経済貢献指数は、一例として、図13Aに示した平均売上の偏差値A及び現出回数の偏差値Bの積で与えることができる。本例では、旅行パターン(ア)の経済貢献指数が最も高く、順に旅行パターン(エ)(イ)(ケ)(ウ)の経済貢献指数が高いことがわかる。
図14A及び図14Bに、それぞれ、旅行パターン毎の旅行コンテンツの現出回数の集計及び上位、中位、下位の旅行パターンにおける旅行コンテンツ現出率を示す。評価部13は、図14Aに示すように、旅行パターン毎に旅行コンテンツの現出回数及び総現出数に占める各旅行コンテンツの現出割合を算出する。ここで、経済貢献指数により、1から5位を上位、6から10位を中位、11から15位を下位と分類し、図14Bに示すようにそれぞれの分類における旅行コンテンツ現出率が算出される。
図15に示すように、評価部13は、上位、中位、及び下位の旅行パターンのそれぞれにおける各旅行コンテンツの経済貢献指数を算出する。さらに、評価部13は、上位、中位、及び下位の旅行パターンのそれぞれにおける経済貢献指数に現出率を加えて合計することで、貢献指数合計を算出する。
図16に、旅行コンテンツの経済貢献指数ランキング及び給付率を示す。評価部13は、上で算出した貢献指数合計に基づいて旅行地の経済に貢献している旅行コンテンツを特定する。本例では、小売店Aが最も旅行地の経済に貢献していることがわかる。この分析結果に基づいて旅行地の経済に貢献している7つの旅行コンテンツに対してその貢献指数に応じて給付率を決定し、その給付率に基づいてふるさと納税、税金又は地方交付金等の財源から助成金を給付し、企業努力・改善・再投資を促すことができる。このように、本例の分析結果は、旅行地の経済に貢献する旅行コンテンツへの開発投資の参考にすることができる。
なお、上述の評価部13による旅行コンテンツの経済貢献度の評価において、例えば、平均売上に代えて平均売上を旅行コンテンツでの滞在時間で除算した売上効率を用いて経済貢献度を評価してもよい。それにより、時間単価当たりの売上に基づいてより効率よく旅行地の経済に貢献している旅行コンテンツを分析することができる。
なお、上述の評価部13による旅行コンテンツの経済貢献度の評価において、複数の旅行者の旅行パターンの集計に基づいて基本コンテンツの出現と副コンテンツの出現との相関を評価してもよい。評価部13は、例えば図10Bに示した旅行パターンの集計から、宿泊施設(宿泊)Aが出現する旅行パターン(本例の場合、(ア)(イ)(ウ)(エ)(キ))を特定し、宿泊Aが出現する旅行パターンの出現率を算出してよい。それにより、宿泊Aは旅行パターン(エ)を通じて頻繁に出現していることがわかる。従って、旅行パターン(エ)に出現する副コンテンツより、宿泊Aへの誘客に貢献するコアコンテンツを特定することができる。また、評価部13は、宿泊Aとともに出現する副コンテンツの出現率を算出してもよい。それにより、宿泊Aを利用する旅行客は、商業施設(小売店)Aを最も利用していることがわかる。従って、小売店Aが、宿泊Aへの誘客に貢献するコアコンテンツであると特定することができる。或いは、特定の旅行コンテンツが出現する旅行パターンのみに基づいて図13Aから図16に示した分析をすることで、その特定の旅行コンテンツへの誘客に貢献しているコアコンテンツを特定することもできる。
本実施形態に係る解析装置10は、旅行者が所有するユーザ端末20から位置情報を受信するともに、旅行者がユーザ端末20上で行った操作を検出する検出部11、位置情報が示す場所及び操作のタイプの組み合わせに基づいて、旅行者が訪れた旅行コンテンツ及び旅行コンテンツでの旅行者の行動を特定する特定部12、旅行者の行動に基づいて、旅行コンテンツの経済貢献度を評価する評価部13を備える。これによれば、ユーザ端末20から位置情報を受信するともに旅行者がユーザ端末20上で行った操作を検出することで、位置情報が示す場所及び操作のタイプの組み合わせに基づいて、旅行者がどの旅行コンテンツに訪れてどういう行動をとったのか正確に特定することができ、旅行者の行動に基づいて旅行者を誘客する旅行コンテンツの経済貢献度を評価することで、旅行地に経済貢献している旅行コンテンツを精密に分析することが可能となる。
また、本実施形態に係るユーザ端末20は、解析装置10と通信可能であり、位置情報を取得する取得部21、ユーザ端末20上で旅行者が行う操作を検出する操作検出部23、位置情報及び操作のタイプを解析装置10に送信する送信部24を備える。これによれば、解析装置10が、ユーザ端末20が送信する位置情報が示す場所及び操作のタイプの組み合わせに基づいて、旅行者がどの旅行コンテンツに訪れてどういう行動をとったのか正確に特定することができ、旅行者の行動に基づいて旅行者を誘客する旅行コンテンツの経済貢献度を評価することで、旅行地に経済貢献している旅行コンテンツを精密に分析することが可能となる。
また、本実施形態に係る解析方法は、解析装置10により、旅行者が所有するユーザ端末20から位置情報を受信するともに、旅行者がユーザ端末20上で行った操作を検出する段階、解析装置10により、位置情報が示す場所及び操作のタイプの組み合わせに基づいて、旅行者が訪れた旅行コンテンツ及び旅行コンテンツでの旅行者の行動を特定する段階、解析装置10により、旅行者の行動に基づいて、旅行コンテンツの経済貢献度を評価する段階を備える。これによれば、ユーザ端末20から位置情報を受信するともに旅行者がユーザ端末20上で行った操作を検出することで、位置情報が示す場所及び操作のタイプの組み合わせに基づいて、旅行者がどの旅行コンテンツに訪れてどういう行動をとったのか正確に特定することができ、旅行者の行動に基づいて旅行者を誘客する旅行コンテンツの経済貢献度を評価することで、旅行地に経済貢献している旅行コンテンツを精密に分析することが可能となる。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図17は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。