JP7295339B2 - エネルギー伝送装置を備える電気自動車 - Google Patents

Description

技術分野
本発明は、充電ステーションに電気自動車を電気的に接続するように構成された、長手リンクを含むエネルギー伝送装置を備える電気自動車に関する。

背景技術
電気自動車は、益々実用的になりつつあり、特に、電気バスは、世界中の都市の公共サービスの路線上で利用され始めている。従来のディーゼルのバスと比較すると、電気バスは、大気汚染を削減できる点と、より静かな運転である点がメリットである。

電気バスは、多くの場合、２つの種類に分類される。「大きなバッテリー」のバスは、何時間もの間、たとえば、一晩中充電される大容量バッテリーを有しており、かなり長い行程に対して十分な航続距離を提供する。一方で、「急速充電」バスは、多くの場合、たとえば旅客用の停留所において非常に急速に充電できるよう設計された低容量バッテリーを有しており、次の充電場所までの十分な航続距離を提供する。バッテリーが小さいことは、車両の総重量を低減できることを意味しているので、乗車定員を増員させたり、より効率のよい運行が行えたりする。

急速充電設計は、路線が１０キロメートルの距離にもなり得る公共サービスの市バスに特に適している。バスを路線の一端で充電して、路線の他端までサービスを提供してから戻って来て再充電するか、選択したバス停留所で再充電するのに十分な航続距離を提供できる。充電は、比較的短時間で済み、たとえば、ドライバーを交代する期間中、またはどこかのバス停留所でバスが停止している間に行うことができる。

バスを充電するための充電ステーションは、多くの場合、横向きの充電マウントを有する縦方向に延在する構造を備え、その下に電気バスが停車する。集電装置は、多くの場合、パンタグラフとして設けられ、通常、電気バスの屋根の上に取り付けられており、引き出て充電を開始できるように充電マウントの電気的コンタクトと電気的に接続する。

電気バスに電力を供給するための今日のバッテリーはすでに重量が重いという状況からすると、電気バスの乗車定員は、バスの軸重の制約を受けている。よって、すべての車載機器、特に、このような電気バスの電気エネルギーを供給することに関連する機器の実際の質量を減らすことが重要な要件となる。

発明の概要
そのため、本発明の目的は、電気自動車を提供することであり、特に、充電ステーションに電気的に接続するための軽量な手段を備える電気バスを提供することである。

本発明の目的は、添付の独立クレームの特徴によって解決できる。好ましい実施の形態の詳細については、その従属クレームに記載している。

よって、この目的は、次のような電気自動車によって解決できる。電気自動車であって、電気自動車を充電ステーションに電気的に接続するように構成されたエネルギー伝送装置を備え、
エネルギー伝送装置は、長手リンクと交差リンクとを含み、前記長手リンクおよび前記交差リンクは、各々、上端部と下端部とを有し、
下端部は、電気自動車の上に、電気自動車の横方向に摺動可能に配置され、
長手リンクの下端部および交差リンクの下端部を互いに向かって摺動させることにより長手リンクの上端部が充電ステーションに接続するために、好ましくは、縦方向に電気自動車から離れるように移動されるよう、交差リンクの上端部は、長手リンクの両端部の間に接続される。

そのため、本発明の重要なポイントは、互いに接続されて「ラムダ」型になる長手リンクと交差リンクとを備える「ラムダパラレルメカニズム」を提供することである。提案する「ラムダパラレルメカニズム」によって、たとえば旅客用のバス停留所で電気自動車を超急速充電できるようするための充電ステーションとの電気接続を、１秒未満で容易に確立することができる。提案する解決策は、垂直面および水平面における機械の展開に基づいており、これにより、このような電気接続を確立するための従来技術の解決策と比較して、重量を大幅に削減できる。

通常のシナリオでは、電気自動車（好ましくは、電気バスとして提供される）は、充電ステーションコネクタ要素を電気的コンタクトとして備える横方向に延在する充電マウントなど、充電ステーションの充電ステーションコネクタ要素の下で停車する。長手リンクの下端部と交差リンクの下端部とが互いに向かって摺動することにより、電気自動車から離れるように上端部が充電ステーションコネクタ要素に向けて引き出され、電気自動車の充電を開始できるように最後は充電ステーションコネクタ要素と電気的に接続する。充電ステーションに合わせるように横方向に調節するためには、充電ステーションコネクタ要素と電気的に接続する前に、長手リンクおよび交差リンクが電気自動車の横方向に移動されるよう、長手リンクの下端部および交差リンクの下端部が同じ方向に摺動され得る。たとえば電気バスの路線の一端に設置された充電ステーションによって電気バスがフル充電されると、または、電気バスがその路線を続行することを希望すると、長手リンクの下端部と交差リンクの下端部とが互いから離れるように摺動することにより、それらの上端部を充電ステーションから引き離して、長手リンクおよび交差リンクを電気自動車に向けて移動させる。

好ましくは、エネルギー伝送装置は、電気自動車の屋根の上に配置される。これにより、好ましくは、長手リンク、交差リンクおよび／またはスライド移動方向の延在は、それぞれ電気自動車の縦方向および／または電気自動車の運転方向と直交する。好ましくは、交差リンクは長手リンクよりも短く、ならびに／または、電気自動車の縦方向に側面から見た場合、長手リンクと交差リンクとは、「ラムダ」状に接続されている。これにより、好ましくは、長手リンクが引き出された場合の、長手リンクの上端部と、交差リンクの長手リンクへの接続点との間の長さの割合は、１：１、１：２、１：３、または１：４である。好ましくは、これらの下端部は、電気自動車の横方向の端から端まで摺動できるように配置される。

充電ステーションは、バス停留所に設置されたオーバーヘッド部分としてのほぼ横向きの充電マウントを有するほぼ縦型の構造を備えてもよい。好ましくは、充電ステーションは、ＥＶＳＥ、電気自動車充電設備、近くにある電気自動車およびプライグインハイブリッドを含む電気自動車を含む、プラグイン電気自動車などの電気自動車を再充電するための電気エネルギーを供給するインフラが備える要素に接続される、ならびに／またはそれらの一部である。好ましくは、充電ステーションは、標準規格であるＴｙｐｅ２、ＣＣＳ、ＣＨＡｄｅＭＯ、ＳＡＥコンバインド充電システム、テスラスーパーチャージャーおよび／またはＥＶＳＥ（ポスト挿入シグナリングのための制御パイロットが電気自動車に搭載されているので、これらは単純な電圧源である）に準ずるいわゆる急速充電を可能にするように構成される。充電ステーションは、たとえば最大で３０００Ｖなどの公称交流電圧および／または公称直流電圧で、電気自動車を充電し得る。

好ましい実施態様によると、電気自動車は、長手リンクに並列に距離をあけて配置される第２の長手リンクを備える。好ましくは、第２の長手リンクは、長手リンクとともに連結式の平行四辺形を形成するように配置される。さらに好ましい実施態様によると、エネルギー伝送装置は、第３の長手リンクを備え、第３の長手リンクは、第２の長手リンクと第３の長手リンクとの間に交差リンクが配置されるように長手リンクおよび第２の長手リンクに並列に距離をあけて配置される。第２の長手リンクおよび／または第３の長手リンクを設けることで、より安定したエネルギー伝送装置につながる。

別の好ましい実施態様によると、長手リンク、第２の長手リンク、第３の長手リンク、ならびに／または交差リンクは、金属棒および／もしくは管として、ならびに／または金属構造体として、特に、折りたたみ式の金属構造体として設けられる。好ましくは、長手リンクは、金属構造体として設けられ、第２の長手リンク、第３の長手リンク、および交差リンクは、金属棒として設けられる。好ましくは、第２の長手リンクおよび第３の長手リンクは、電気自動車の縦方向に互いに距離をあけて配置される。好ましくは、長手リンクは、電気自動車の縦方向に側面から見た場合「Ｌ」字状の形状を含み、小さい部分が下端部を形成し、長い部分が上端部を形成する。こうすることで、交差リンクの上端部を、長手リンクの上端部と下端部との間の直接の直線的な連結部の引っ込んだ位置に設けることができる。

別の好ましい実施態様によると、エネルギー伝送装置は、長手リンクの上端部に取り付けられたヘッドプレート、長手リンクの下端部に取り付けられて摺動可能に電気自動車の上に配置された長手底板、および／または、交差リンクの下端部に取り付けられて摺動可能に電気自動車の上で配置された交差底板を含む。好ましくは、ヘッドプレートは、長手リンクの上端部にスイベル式に取り付けられ、長手底板は、長手リンクの下端部にスイベル式に取り付けられ、および／または、交差底板は、交差リンクの下端部にスイベル式に取り付けられる。さらに好ましくは、第２の長手リンクおよび／または第３の長手リンクは、ヘッドプレートおよび／または長手底板の一方の片側に取り付けられ、長手リンクは、他方の片側に取り付けられる。より好ましくは、第２の長手リンクは、電気自動車の前側に向けてヘッドプレートおよび／または長手底板に取り付けられ、第３の長手リンクは、電気自動車の後ろ側に向けてヘッドプレートおよび／または長手底板に取り付けられる。好ましくは、これらの長手リンクがヘッドプレートおよび／または長手底板に対してスイベル式に回転した場合にヘッドプレートおよび長手底板が互いに平行状態に維持されるよう、長手リンクはその端部間の長さが同じである。好ましくは、第２の長手リンクは、長手天板が長手リンクの上端部に取り付けられ、長手底板が長手リンクの下端部に取り付けられた状態で、長手リンクとともに連結式の平行四辺形を形成するように配置される。

さらに好ましい実施態様によると、受動関節、特に、一式の回転関節によって、ヘッドプレートは長手リンクの上端部に取り付けられ、長手底板は長手リンクの下端部に取り付けられ、交差底板は交差リンクの下端部に取り付けられ、および／または交差リンクの上端部は長手リンクに取り付けられる。それぞれの接続にこのような受動点を用いることにより、提案する装置を容易に軽量で実装できるようになる。

別の好ましい実施態様によると、エネルギー伝送装置は、長手底板および／または交差底板を備え、長手底板および／または交差底板は、電気自動車の横方向に電気自動車の上に置かれたレール上に配置される。好ましくは、これらのレールは、電気自動車の横方向の端から端まで延在する。長手底板および／または交差底板は、レール上を摺動するためのローラーを含んでもよい。好ましくは、これらのレールは、互いに距離をあけて配置され、ならびに／または長手底板および／もしくは交差底板は、レールに摺動可能かつ取り外し不可能に取り付けられる。こうすることで、充電ステーションと接続するためにエネルギー伝送装置を垂直面および水平面で位置決めするためのスライダーとして長手底板および／または交差底板を用いることによって、提案する解決策は、２つの自由度を可能にする。提案する長手リンクと交差リンクとの組合せによって、構造力を有利かつ好適に再分割される。

さらに好ましい実施態様によると、エネルギー伝送装置は、長手底板および交差底板を摺動させるための空気圧シリンダおよび／またはモーターを含む。好ましくは、空気圧シリンダならびに／またはモーターの各々は、長手リンクおよび交差リンクの１つの下端部、ならびに／または底板および交差底板に取り付けられる。モーションコントロールまたは力コントロールを、横方向と縦方向両方の特定のプロファイルを用いて、空気圧シリンダの圧力調整およびスライダーの位置センサーフィードバックに基づいて制御できる。能動間接、すなわち、空気圧シリンダおよび／またはモーターならびに受動関節のこのような組合せにより、従来のシステムと比較して構造力が好適に再分割される。すなわち、提案する解決策により、接続中の充電ポールにかかる縦方向の衝撃が大幅に減少し、その結果、充電ステーションに接続するための提案の機械構造全体のノイズおよび摩耗が軽減する。

さらに好ましい実施態様によると、エネルギー伝送装置は、長手リンクの上端部に取り付けられ、特に長手天板を通して充電ステーションに電気的に接続するように構成された電気コネクタ要素を備える。このような電気コネクタ要素により、充電ステーションとの電気接続を容易に確立できる。電気コネクタ要素は、コネクタおよび／またはピンを含んでもよく、コネクタおよび／またはピンは、単相ＡＣの中性点（Ｎ）およびライン（Ｌ１）のためのものである、３相ＡＣの中性点（Ｎ）およびライン位相（Ｌ１、Ｌ２、およびＬ３）のためのものである、単相ＡＣと低電流ＤＣとの組合せの中性点（Ｎ）およびライン（Ｌ１）、陰極（－）、および陽極（＋）のためのものである、低電流ＤＣの陰極（－）および陽極（＋）のためのものである、ならびに／または、中もしくは高電流ＤＣラインの複数の陰極（－，－）および複数の陽極（＋，＋）のためのものである。これに加えて、電気コネクタ要素は、シグナルコネクタおよび／もしくはピンを含んでもよく、シグナルコネクタおよび／もしくはピンは、プリ挿入シグナルのためのＰＰ（近接パイロット）用のものである、ポスト挿入シグナルのためのＣＰ（制御パイロット）用のものである、ならびに／または、全電流保護接地システムとしてのＰＥ（保護接地）のためのものである。

別の好ましい実施態様によると、電気コネクタ要素は、縦軸を中心とした電気コネクタ要素の回転を可能にする関節を介して、上端部に取り付けられる。こうすることで、たとえば電気自動車が充電ステーションにぴったり平行に位置していないときの電気コネクタ要素と充電ステーションとの不一致をなくすことができる。

さらに好ましい実施態様によると、電気自動車は、電気バスとして提供される。これに代えて、自動車、バス、バン、トラック、電車、トラクター、またはその他の電動車両として電気自動車を提供できる。

この目的は、電気自動車のエネルギー伝送装置を充電ステーションに接続するための方法によってさらに解決され、当該方法は、上述した電気自動車を備え、
長手リンクの上端部が好ましくは縦方向に電気自動車から離れるように移動されるよう、長手リンクの下端部および交差リンクの下端部をともに摺動させることにより、充電ステーションに接続するステップを含む。

好ましい実施態様によると、この方法は、
長手リンクおよび交差リンクが電気自動車の横方向に移動されるよう、長手リンクの下端部および交差リンクの下端部を同じ方向に摺動させるステップを含む。

こうすることで、充電ステーションを１秒未満で容易に素早く接続できるようになるので、旅客用のバス停留所における超急速充電が可能になる。長手リンクの下端部および交差リンクの下端部をまず同じ方向に摺動することによって、エネルギー伝送装置２を充電ステーションに対して水平に配置できるようになる。水平に配置すると、長手リンクの上端部を充電ステーションに向けて上に移動させて最後は充電ステーションと接続させるために、長手リンクの下端部と交差リンクの下端部とを一緒に摺動させることができる。これに代えて、長手リンクの下端部および交差リンクの下端部を同時に同じ方向に一緒に移動させることにより、長手リンクの上端部の横移動と縦移動とをまとめることができる。長手リンクの上端部を充電ステーションから切断するために、方法は、長手リンクおよび交差リンクが電気自動車に向けて電気自動車の横方向に移動されるよう、長手リンクの下端部と交差リンクの下端部とを互いに離れるように摺動させるステップを含んでもよい。

方法のその他の実施の形態および利点は、上述した電気自動車および装置から当業者によって直接または明確に導き出される。

本発明のこれらのおよびその他の態様は、以下に記載する実施の形態から明らかであり、以下に記載する実施の形態を例にして解明されるだろう。

好ましい実施の形態に係る、エネルギー伝送装置を備える、概略斜視図での電気自動車の一部を示す図である。 好ましい実施の形態に係る、別の概略斜視図での図１のエネルギー伝送装置を示す図である。 好ましい実施の形態に係る、３つの異なる状況で充電ステーションに接続する図１のエネルギー伝送装置を備える、横から見た電気自動車を示す図である。 さらに好ましい実施の形態に係る、概略斜視図でのエネルギー伝送装置を示す図である。

実施の形態の説明
図１は、好ましい実施の形態に係る、図３に示す充電ステーション３に電気自動車を電気的に接続するエネルギー伝送装置２を備えた、電気バスとして提供される概略斜視図での電気自動車１の一部を示す図である。図２は、好ましい実施の形態に係る、別の概略斜視図での図１のエネルギー伝送装置を示す図である。図４は、さらに好ましい実施の形態に係る、別の概略斜視図でのエネルギー伝送装置を示す図である。

エネルギー伝送装置２は、長手方向に延在する金属構造体として設けられた（第１の）長手リンク４と、図２においてのみ示す第２の長手リンク５および第３の長手リンク６とを備え、図１では第２の長手リンク５のみが提供されている。後者の２つの長手リンク５および６は、各々、長手方向に延在する重厚な金属棒として設けられる。エネルギー伝送装置２は、平らな四角形状の長手ヘッドプレート７と、平らな四角形状の長手底板８とをさらに備え、すべての長手リンク４、５、および６の上端部および下端部が、受動関節によってこれらにそれぞれ取り付けられる。これにより、長手リンク４のそれぞれの端部が、長手ヘッドプレート７および長手底板８の一方の片側にそれぞれ取り付けられ、第２の長手リンク５および第３の長手リンク６のそれぞれの端部が、長手ヘッドプレート７および長手底板８の反対側の片側にそれぞれ取り付けられる。こうすることで、すべての長手リンク４、５、および６は、１，５０メートル前後伸長し、長手ヘッドプレート７が長手底板８に対して平行にスイベル式に回転できるように互いに距離をあけて平行に伸びる。

エネルギー伝送装置２は、長手方向に延在する重厚な金属棒として設けられる交差リンク９と、平らな四角形状の交差底板１０とをさらに備える。交差リンク９は、その下端部が受動関節によって交差底板１０に取り付けられ、その上端部は、長手リンク４の上端部の受動関節と交差リンク９の受動関節との間の距離が長手リンク４の下端部と交差リンク９との間の距離のおよそ２倍の長さになるよう、長手リンク４の両端部の間に受動関節によって取り付けられるおよび／または接続される。これにより、交差リンク９は、第２の長手リンク５と第３の長手リンク６との間に配置される。図１および図２からわかるように、金属構造体として設けられた長手リンク４は、側面から見た場合、その両端部の間に「Ｌ」字状の形状を含む。これにより、長手リンク４の交差リンク９との受動関節は、長手リンク４の両端部の間の直線的な連結部に対して、第２の長手リンク５および第３の長手リンク６から離れる方向に引っ込む。

長手底板８および交差底板１０は、電気自動車１の屋根の上に摺動可能に配置される。そのため、図３に示すように、電気自動車１の横方向に延在する２つの平行なレール１１が電気自動車１の屋根の上に設けられる。長手底板８および交差底板１０は、各々、レール１１上で摺動するローラーを備える。長手底板８および交差底板１０は、長手底板８および交差底板１０の各々に接続された空気圧シリンダおよび／または電気モーター１２によって横方向に摺動され得る。

図示しない電気自動車１のバッテリーを充電するための充電ステーション３と電気自動車１を電気的に接続するために、図１に示す実施の形態の別の概略斜視図として図２に示される電気コネクタ要素１３は、長手ヘッドプレート７上で長手リンク４の上端部に取り付けられる。電気自動車１を電気エネルギーでいわゆる超急速充電するための、側面図で図３に示される充電ステーション３は、旅客バス停留所の道路上に配置される。側面から見た場合、充電ステーション３は、Ｃ字状の形状を備え、横向きの充電マウントが取り付けられた縦方向に延在する構造を有し、その下に、電気エネルギーで充電するために電気バスが停車する。

図３をさらに参照すると、電気自動車１は、充電ステーション３の下に停車する。左の図では、エネルギー伝送装置２は、引き離された状態にあり、これにより、ここまで説明した要素のすべては、電気自動車１の屋根に可能な限り近くにある。このような状態は、長手天板７が屋根に向けて移動されるよう、長手底板８と交差底板１０を互いに最も遠く離れるように摺動することによって実現される。電気自動車１が充電ステーション３の下に停車すると、長手底板８および交差底板１０は、互いに近づくように摺動される。この摺動によって長手天板７が上に移動することにより、屋根から離れる。こうすることで、長手天板７の上に配置された電気コネクタ要素１３が充電ステーション３の充電ステーションコネクタ要素１４に向かって移動される（中央の図を参照）。右の図では、電気自動車１に電気エネルギーが充電されるように、電気コネクタ要素１３は充電ステーションコネクタ要素１４にプラグ接続される。

図３の中央の図のように、電気コネクタ要素１３は、充電ステーションコネクタ要素１４のちょうど真下の位置に到達する。よって、充電ステーションコネクタ要素１４に対するこの水平の位置を保つために、長手底板８および交差底板１０の両方が図の右方向に向かって移動される。一般に、電気コネクタ要素１３を上下に移動させて左図に示す引き離された状態から右図に示す引き出された状態にするためには、長手底板８および交差底板１０のうち１つのみを摺動するだけで十分であろう。しかしながら、充電ステーションコネクタ要素１４に対する電気コネクタ要素１３の位置によっては、長手底板８および交差底板１０を同じ方向に先ず移動させて電気コネクタ要素１３の位置を横にずらした後に、長手底板８と交差底板１０とを互いに向かって移動させることが必要である場合がある。充電ステーションコネクタ要素１４に対して電気コネクタ要素１３を位置決めすることを容易にするためのカメラなどが長手天板７に取り付けられてもよい。電気コネクタ要素１３を縦軸に対して位置合わせするために、電気コネクタ要素１３は、関節１５を介して長手天板７に取り付けられる。

図４は、さらに好ましい実施の形態に係る、エネルギー伝送装置を示す図である。図２に示すエネルギー伝送装置と比較すると、図４のエネルギー伝送装置は、金属棒から構成される長手リンク４を備えており、これにより、側面から見た場合、３つの金属棒が正三角形を形成する。当該三角形は、その向かい合わせのエッジにそれぞれ配置された長手天板７と長手底板８との間に形成される。交差リンク９は、この三角形の残りのエッジに接続される。第２の長手リンク５は、１つの端部が長手天板７に取り付けられ、２つの端部が長手底板８に取り付けられたｙ字構造の形で設けられる。さらには、レール１１および電気モーター１２がより詳細に図示されている。図から分かるように、２つの電動モーター１２とベルト１６付きの偏向ローラーとが、ベルト駆動部という形で図示されている。ベルト１６が移動したときに長手底板８および交差底板１０もそれぞれ移動されるよう、長手底板８および交差底板１０はベルトに取り付けられる。ベルト駆動部の代わりに、摩耗駆動部が用いられてもよい。

本発明について、図面および上述の説明において詳細に図示および説明したが、このような図示および説明は例証または例示的であって、制限的ではないとみなされるべきである。本発明は、開示の実施の形態に限定されない。開示の実施の形態に対するその他の変更は、当業者が、図面、開示、および添付のクレームの検討に基づいて添付のクレームに記載の本発明を実施することによって理解され、実現され得る。請求項において、「ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ」という語は、その他の構成要素やステップを除外せず、不定冠詞「ａ」または「ａｎ」は、複数を除外しない。特定の手段が互いに異なる従属クレームに記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示さない。添付のクレームにおける参照符号は、いずれも本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。

参照符号の一覧
１ 電気自動車
２ エネルギー伝送装置
３ 充電ステーション
４ 長手リンク
５ 第２の長手リンク
６ 第３の長手リンク
７ 長手天板
８ 長手底板
９ 交差リンク
１０ 交差底板
１１ レール
１２ 空気圧シリンダおよび／または電気モーター
１３ 電気コネクタ要素
１４ 充電ステーションコネクタ要素
１５ 関節
１６ ベルト

Claims (13)

1. 電気自動車（１）であって、前記電気自動車（１）を充電ステーション（３）に電気的に接続するように構成されたエネルギー伝送装置（２）を備え、
   前記エネルギー伝送装置（２）は、長手リンク（４）と交差リンク（９）とを含み、前記長手リンク（４）および前記交差リンク（９）は、各々、上端部と下端部とを有し、
   前記下端部は、前記電気自動車（１）の上に、前記電気自動車（１）の横方向に摺動可能に配置され、
   前記長手リンク（４）の前記下端部および前記交差リンク（９）の前記下端部を互いに向かって摺動させることにより前記長手リンク（４）の前記上端部が前記充電ステーション（３）に接続するために前記電気自動車（１）から離れるように移動されるよう、前記交差リンク（９）の前記上端部は、前記長手リンク（４）の両端部の間に接続される、電気自動車（１）。
2. エネルギー伝送装置（２）は、前記長手リンク（４）に並列に距離をあけて配置される第２の長手リンク（５）を含む、請求項１に記載の電気自動車（１）。
3. エネルギー伝送装置（２）は、前記長手リンク（４）および前記第２の長手リンク（５）に並列に距離をあけて配置される第３の長手リンク（６）を含み、前記交差リンク（９）は、前記第２の長手リンク（５）と前記第３の長手リンク（６）との間に配置される、請求項２に記載の電気自動車（１）。
4. エネルギー伝送装置（２）は、前記長手リンク（４）の前記上端部に取り付けられた長手天板（７）、前記長手リンク（４）の前記下端部に取り付けられて摺動可能に前記電気自動車（１）の上に配置された長手底板（８）、および／または、前記交差リンク（９）の前記下端部に取り付けられて摺動可能に前記電気自動車（１）の上に配置された交差底板（１０）を含む、請求項１から３のいずれかに記載の電気自動車（１）。
5. 受動関節によって、前記長手天板（７）は前記長手リンク（４）の前記上端部に取り付けられ、前記長手底板（８）は前記長手リンク（４）の前記下端部に取り付けられ、前記交差底板（１０）は前記交差リンク（９）の前記下端部に取り付けられ、および／または、前記交差リンク（９）の前記上端部は前記長手リンク（４）に取り付けられる、請求項４に記載の電気自動車（１）。
6. エネルギー伝送装置（２）は、前記長手底板（８）および／または前記交差底板（１０）を含み、前記長手底板（８）および／または前記交差底板（１０）は、前記電気自動車（１）の上に前記電気自動車（１）の横方向に置かれたレール（１１）の上に配置される、請求項４または５のいずれかに記載の電気自動車（１）。
7. エネルギー伝送装置（２）は、前記長手底板（８）および前記交差底板（１０）を摺動させるための空気圧シリンダおよび／または電気モーター（１２）を備える、請求項４から６のいずれかに記載の電気自動車（１）。
8. 前記長手リンク（４）ならびに／または前記交差リンク（９）は、金属棒および／もしくは管として、ならびに／または金属構造体として設けられる、請求項１から７のいずれかに記載の電気自動車（１）。
9. エネルギー伝送装置（２）は、前記長手リンク（４）の前記上端部に取り付けられ、前記充電ステーション（３）に電気的に接続するように構成された電気コネクタ要素（１３）を含む、請求項１から８のいずれかに記載の電気自動車（１）。
10. 前記電気コネクタ要素（１３）は、縦軸を中心とした前記電気コネクタ要素（１３）の回転を可能にする関節（１５）を介して、前記長手リンク（４）の前記上端部に取り付けられる、請求項９に記載の電気自動車（１）。
11. 前記電気自動車（１）は、電気バスとして設けられる、請求項１から１０のいずれかに記載の電気自動車（１）。
12. 電気自動車（１）のエネルギー伝送装置（２）を充電ステーション（３）に接続するための方法であって、請求項１から１１のいずれかに記載の電気自動車（１）を備え、
    前記長手リンク（４）の前記上端部が前記電気自動車（１）から離れるように移動されることにより前記充電ステーション（３）に接続するよう、前記長手リンク（４）の前記下端部および前記交差リンク（９）の前記下端部を互いに向かって摺動させるステップを含む、方法。
13. 前記長手リンク（４）および前記交差リンク（９）が前記電気自動車（１）の横方向に移動されるよう、前記長手リンク（４）の前記下端部および前記交差リンク（９）の前記下端部を同じ方向に摺動させるステップを含む、請求項１２に記載の方法。

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