図中の同様の記号は、同様の要素を示している。点線は任意選択的な又は機能的な構成要素を示し、破線は表示されていない構成要素を示す。
基材上に光学フィルムを含む光学物品の図である。
微細構造化表面を有する光学フィルムを含む光学物品の図である。
プリズム構造体のファセットの平面図である。
プリズム構造体の平坦なファセットの側面図である。
光学フィルムを形成するための例示的なプロセスを示す。
コリメート光透過によって光学フィルムに関する光透過情報を生成するための例示的な方法である。
本明細書に開示される光学フィルムの各々試料1、2、及び3についての極角及び方位角での光強度のコノスコーププロットである。
本明細書に開示される光学フィルムの各々試料1、2、及び3についての極角及び方位角での光強度のコノスコーププロットである。
本明細書に開示される光学フィルムの各々試料1、2、及び3についての極角及び方位角での光強度のコノスコーププロットである。
正規化された極透過分布(y軸)に関する平均極角傾斜(x軸)のグラフである。
正規化された極透過分布(y軸)に関する平均極角傾斜(x軸)のグラフである。
正規化された極透過分布(y軸)に関する平均極角傾斜(x軸)のグラフである。
円錐の六方充填配列を有する試料光学フィルムについての極角及び方位角での光強度のコノスコーププロットである。
正規化された極透過分布(y軸)についての平均極角傾斜(x軸)のグラフである。
ワッフル様格子状プリズムを有する試料光学フィルムについての極角及び方位角における光強度のコノスコーププロットである。
正規化された極透過分布(y軸)についての平均極角傾斜(x軸)のグラフである。
部分球の配列を有する試料光学フィルムの極角及び方位角での光強度のコノスコーププロットである。
正規化された極透過分布(y軸)についての平均極角傾斜(x軸)のグラフである。
丸みを帯びたピークの不規則プリズムを有する試料光学フィルムについての極角及び方位角での光強度のコノスコーププロットである。
正規化された極透過分布(y軸)についての平均極角傾斜(x軸)のグラフである。
試料光学フィルムについての極角及び方位角の共焦点傾斜データのコノスコープ表示である。
極角(x軸)に対する傾斜頻度(y軸)のグラフである。
さまざまな円錐構造体のパラメータに対するモデル化された円錐利得の表である。
さまざまな円錐構造体のパラメータに対するモデル化された円錐利得の表である。
円錐構造体の平坦な主表面からの極角と、円錐構造体の主表面に沿った方位角と、における逆円錐構造体の光強度を示すチャートである。
試料5とシミュレーションされた円錐構造体との面極角の範囲に関する正規化された輝度のグラフである。
各々、上述のファセット分析を含む、試料6A及び6Bの複合AFM画像である。
各々、上述のファセット分析を含む、試料6A及び6Bの複合AFM画像である。
各々、上述のファセット分析を含む試料7A及び7Bの複合AFM画像である。
各々、上述のファセット分析を含む試料7A及び7Bの複合AFM画像である。
上述のファセット分析を含む試料8の複合AFM画像である。
上述のファセット分析を含む試料9の複合AFM画像である。
上述のファセット分析を含む、丸みを帯びたピークの不規則プリズムを有する光学フィルムの複合AFM画像である。
上述のファセット分析を含む、丸みを帯びたピークの不規則プリズムを有する光学フィルムの複合AFM画像である。
上述のファセット分析を含む、円錐の六方充填配列を有する光学フィルムの複合AFM画像である。
上述のファセット分析を含む、部分球の充填配列を有する光学フィルムの複合AFM画像である。
上述のファセット分析を含む、角錐プリズムの配列を有する光学フィルムの複合AFM画像である。
全表面積のパーセントとしての、6つの光学フィルム実施例の平坦なファセットコア領域の被覆面積のグラフである。試料6~9は、不規則プリズム、部分球、及び六角錐の光学フィルムよりも有意に高い表面積被覆率を示した。
2つの直交軸の面内方向(各々y及びx)に沿った、空間周波数に対するパワースペクトル密度のグラフである。
2つの直交軸の面内方向(各々y及びx)に沿った、空間周波数に対するパワースペクトル密度のグラフである。
ファセット部分についてのさまざまな方位角における表面積被覆率を表す、光学フィルムに関するファセット方位角分布のグラフである。
傾斜部分についてのさまざまな方位角における表面積被覆率を表す、平坦なファセット光学フィルムに関する傾斜方位角分布のグラフである。
本開示の光学フィルムのAFMデータからの傾斜/ファセット分布に基づく二次元分布プロットである。
本開示の光学フィルムのAFMデータからの傾斜/ファセット分布に基づく二次元分布プロットである。
不規則プリズム(26D)、部分球体(26A)、六角錐(26B)、及び角錐プリズム(26C)を有する光学フィルムのAFMデータの傾斜/ファセット分布に基づく二次元分布プロットである。
不規則プリズム(26D)、部分球体(26A)、六角錐(26B)、及び角錐プリズム(26C)を有する光学フィルムのAFMデータの傾斜/ファセット分布に基づく二次元分布プロットである。
不規則プリズム(26D)、部分球体(26A)、六角錐(26B)、及び角錐プリズム(26C)を有する光学フィルムのAFMデータの傾斜/ファセット分布に基づく二次元分布プロットである。
不規則プリズム(26D)、部分球体(26A)、六角錐(26B)、及び角錐プリズム(26C)を有する光学フィルムのAFMデータの傾斜/ファセット分布に基づく二次元分布プロットである。
試料10に開示された光学フィルム、試料11に開示された光学フィルム、及び不規則プリズム光学フィルムの傾斜強度累積分布グラフである。
試料10、試料11、及び不規則プリズム光学フィルムの傾斜強度分布グラフである。
上記光学フィルムの累積ファセット傾斜強度分布グラフである。
試料6、試料7、及び不規則プリズムの正規化された頻度に対する傾斜角のファセット傾斜角度分布グラフである。
上記光学フィルムの傾斜強度累積分布グラフである。
20度を超える傾斜を有する平坦なファセットコア領域の被覆率のチャートである。
任意の傾斜制限なしの平坦なファセットコア領域の被覆率のチャートである。
ファセット方位角分布及び傾斜方位角分布のグラフである。
ファセット方位角分布及び傾斜方位角分布のグラフである。
上記光学フィルムの累積ファセット傾斜角度分布グラフである。
平方度での立体角当たりの%の正規化頻度についての傾斜強度のグラフである。
平方度での立体角当たりの%の正規化頻度についての傾斜強度のグラフである。
上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
本明細書に記載される例示的な光学フィルムの顕微鏡写真である。
複数の不規則に配置された平面部分を含む光学フィルムの写真である。
ライトガイドの上方に光学フィルムを含む系の図である。
微細構造化表面を有する光学フィルムの図である。
入射角範囲にわたる入射光の全透過率のグラフである。
微細構造化表面の試料に関する、光強度のスコーププロットからの正規化された極透過率分布(y軸)についての平均極角傾斜(x軸)のグラフである。
画像解像度の解析を通じて光学フィルムの欠陥隠蔽特性を決定する例示的なシステム及び方法の図である。
制御解像度ターゲット(本明細書では「対象物70」と称される)の写真である。
開示された光学フィルムの試料12を通した対象物の写真である。
丸みを帯びた不規則プリズム光学フィルムを通した対象物の写真である。
部分球光学フィルムを通した対象物の写真である。
様々な空間周波数(線対(lp)/ミリメートル(mm))のコントラストのグラフである。
対照例44Aなしの図45Aのグラフを示す拡大図である。
制御解像度ターゲット75の写真である。
開示された光学フィルムの試料12を通したナイフエッジターゲットの写真である。
丸みを帯びたピークの不規則プリズム光学フィルムを通したナイフエッジターゲットの写真である。
部分球光学フィルムを通したナイフエッジターゲットの写真である。
様々な空間周波数(lp/mm)についての変調伝達関数のグラフである。
様々なサイズの不透明円及び不透明円形バンドを含む、制御解像度ターゲットの写真である。
開示された光学フィルムの試料12を通した制御解像度ターゲットの写真である。
丸みを帯びたピークの不規則プリズム光学フィルムを通る制御解像度ターゲットの写真である。
部分球光学フィルムを通る制御解像度ターゲットの写真である。
同じサイズの不透明円及び不透明円形バンドを含む、制御解像度ターゲットの写真である。
開示された光学フィルムの試料12を通した制御解像度ターゲットの写真である。
丸みを帯びたピークの不規則プリズム光学フィルムを通した制御解像度ターゲットの写真である。
透明背景上に配置された不透明円を含む制御解像度ターゲットの図である。
様々な直径Dの不透明円78についての不透明円コントラストのグラフである。
制御解像度ターゲットなしの、図51Aのグラフの拡大図である。
3つのサイズ範囲についての図51Bの棒グラフである。
透明背景上に不透明円形バンド81を含む、制御解像度ターゲットの図である。
3つの異なるサイズの不透明円形バンドの断面を画定する画素範囲にわたる強度のグラフである。
不透明リング領域の様々な内径Dについての不透明円形バンドのコントラストのグラフである。
制御解像度ターゲットなしの、図51Aのグラフの拡大図である。
微細構造化表面を含むエッジライト型光学系の図である。
拡散反射体と部分球光学フィルムとを伴うライトガイドのコノスコーププロットである。
拡散反射体と丸みを帯びたピークのプリズム光学フィルムとを伴うライトガイドのコノスコーププロットである。
拡散反射体と試料12の微細構造化表面とを伴うライトガイドの円錐視図である。
鏡面反射体と部分球光学フィルムとを伴うライトガイドのコノスコーププロットである。
鏡面反射体と丸みを帯びたピークのプリズム光学フィルムとを伴うライトガイドのコノスコーププロットである。
鏡面反射体と試料12の微細構造化表面とを伴うライトガイドのコノスコーププロットである。
図56A~Cの試験フィルムの光角度の棒グラフである。
図57A~Cの試験フィルムの光角度の棒グラフである。
拡散反射体を伴うライトガイドのコノスコーププロットである。
拡散反射体と吸収偏光子とを伴うライトガイドのコノスコーププロットである。
鏡面反射体を伴うライトガイドのコノスコーププロットである。
鏡面反射体と吸収偏光子とを伴うライトガイドのコノスコーププロットである。
拡散反射体を有する系の場合の、図56A~C及び図59A~Bのコノスコーププロットについての輝度断面のグラフである。
鏡面反射体を有する系の場合の、図57A~C及び図59C~Dのコノスコーププロットについての輝度断面のグラフである。
図56A~C及び図59A~Bのコノスコピックプロットについての、各プロットにおけるそれぞれのピーク光角度での方位角輝度断面のグラフである。
図57A~C及び図59C~Dのコノスコピックプロットについての、各プロットにおけるそれぞれのピーク光角度での方位角輝度断面のグラフである。
本発明のさまざまな実施形態を説明した。これらの実施形態及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に含まれる。
微細構造化フィルムは、特定の入射角で光を屈折させ、かつ、他の入射角で光を反射させて更なる処理を受けることによって、光をコリメートする傾斜側面を有する微細構造体を含むことができる。微細構造化フィルムの表面にわたる一貫した輝度を促進するために、この微細構造体は、さまざまな角度に配向された表面でパターン化してもよい。場合によっては、微細構造体は、反対方向に傾斜した平坦面を有する細長いプリズム微細構造体としてもよい。例えば、細長いプリズム微細構造体の2つのフィルムは、各々単一の軸に沿って光をコリメートするために、垂直の角度で積層してもよい。これらの微細構造体を有するフィルムの表面は、傾斜面によって被覆してもよい。しかし、これらのフィルムのパターン化された構造体は、面角度の限定された方位角分布に起因して、表面全体にわたって均一に光を空間的に分布させることができない。他の例では、微細構造体は、全ての方向に光を分布させる放射状表面を有する円形又は楕円形のベース輪郭を有してもよい。例えば、微細構造体は、球面レンズ又は円錐としてもよい。しかし、これらの円形のベース微細構造体の円形輪郭は、これらの微細構造体を使用してフィルムの表面を実質的に被覆せず、円形の基部微細構造体の間に平坦又は非構造化領域を残す。更に、規則的な微細構造パターンを有する微細構造化フィルムは、モアレ効果などの悪影響を受け易い恐れがある。
本開示には、光をコリメートするための微細構造化表面を有する光学フィルムが含まれる。微細構造化表面は、微細構造化表面の基準平面から傾斜した複数のファセットを含む、複数のプリズム構造体の不規則な分布を含む。プリズム構造体は、個別に不規則又はランダムであってもよいが、プリズム構造体のファセットは、ファセットの表面方位角分布が基準平面に沿って実質的に均一となるように、サイズ決定、角度付け、及び分散されてもよいが、ファセットの面極角分布は、基準平面に通常入射する光のピーク透過率と相関する極角範囲内に実質的に含まれることができる。このファセットの分布は、プリズム構造体を有する主表面全体を実質的に被覆しながら、ベース角度の均等分布を有する円錐形プリズム構造体の集合の光学分布特性などの、円錐形光学分布特性に近似する微細構造化表面の光学分布特性をもたらすことができる。相互に接続されたファセット表面を使用すれば、光学フィルムの表面全体を微細構造化表面によって被覆することができる。プリズム構造体を不規則に分布させれば、パターン化又は規則的なフィルムに現れるモアレ効果を低減することができる。
図1は、基材120上に光学フィルム110を含む光学物品100の図である。光学フィルム110は、微細構造化表面111と、基材120に連結された平坦な主表面112とを含む。基材120は、底部主表面121を含んでいる。光源130によって生成された光131は、基材120を通って底部主表面121で屈折し、微細構造化表面111で出射することができる。光学物品100から出射する光131は、実質的にコリメートされてもよい(即ち、底部主表面121に対して実質的に垂直な方向に、微細構造化表面111を出射する)。
微細構造化表面111は、光源130によって生成され、かつ、光学物品100を通して処理された、コリメートされていない光から、実質的にコリメートされた光を生成するように構成することができる。微細構造化表面111における光のコリメーションに影響を及ぼす因子としては、例えば、光学フィルム110の屈折率、微細構造化表面111に接触する媒体の屈折率、及び微細構造化表面111に対する入射光の角度、を挙げることができる。微細構造化表面111に対する入射光の角度に影響を及ぼす因子としては、例えば、基材120の屈折率、基材120の底部主表面121と光源130との間の媒体の屈折率、並びに光源130から放射される入射光の角度、を挙げることができる。
いくつかの実施例では、光学物品100は、光源130からの光を偏光及びコリメートすることができる。以下で更に詳細に説明するように、光学フィルム110は、コリメートフィルムであってもよく、基材120は反射偏光子であってもよい。本明細書に記載されるコリメート光学フィルムを反射偏光子と組み合わせることにより、光学物品は、単一のバックライトフィルムにおけるコリメーション及び輝度を増大させるように作用することができる。
図2Aは、微細構造化表面211を有する光学フィルム210を含む、上述の光学物品100などの光学物品200の図である。光学物品200は、光源130などの光源と、液晶ディスプレイデバイスなどの光ゲートデバイスとを更に備える光学デバイスに使用することができる。光学物品200は、光源からの光を光ゲートデバイスに向けるために使用してもよい。光源の例としては、エレクトロルミネセントパネル、ライトガイドアセンブリ、及び蛍光又はLEDバックライトが挙げられる。光源は、コリメートされていない光を生成してもよい。光学物品200は、微細構造化表面211の構成に応じて、輝度向上フィルム、均一フィルム、転向フィルム、又は画像指向フィルム(屈折ビーム方向転換製品)として使用することができる。光学物品200を使用する光学系は、光学ディスプレイ、バックライト、又は同様のシステムであってもよく、液晶パネル及び追加の偏光子、及び/又は他の光学フィルム若しくは構成要素などの他の構成要素を含んでもよい。
光学フィルム210は、平坦な主表面212において基材220に取り付けてもよい。この実施形態では、光学物品200には、基材220と光学フィルム210との2つの層が含まれる。しかし、光学フィルム210は、1つ以上の層を有してもよい。例えば、場合によっては、光学物品200は、微細構造化表面211及び底部主表面212を含む光学フィルム210の単一層のみを有することができる。場合によっては、光学物品200は、多数の層を有することができる。例えば、基材220は、複数の別個の層から構成されてもよい。光学物品200が複数の層を含む場合、構成層は、互いに同一の広がりを有してもよく、隣接する構成層の各対は、有形の光学材料を含み、互いに完全に一致する、又は、各々の表面積の少なくとも80%を超えて若しくは少なくとも90%互いに物理的に接触する、主表面を有してもよい。
基材220は、光の流れを制御するように構成された光学製品において使用するのに好適な組成を有してもよい。基材材料として使用するための要因及び特性としては、例えば、基材220を特定の光学製品内に組み込んだり、又はその中で使用したりすることができるような、十分な光学的透明性及び構造的強度を挙げることができ、光学製品の性能が経時的に損なわれないように、温度及び経時変化に対して十分な耐性を有することができる。任意の光学製品に対する基材220の特定の化学組成及び厚さは、構成されている特定の光学製品の要件、例えば、とりわけ、強度、透明度、温度耐性、表面エネルギー、微細構造化表面への付着性、微細構造化表面の形成能力、の必要性をバランスさせることに依存することができる。基材220は、一軸又は二軸配向としてもよい。
基材220に有用な基材材料としては、スチレン-アクリロニトリル、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート、コポリマー又はブレンドであってナフタレンジカルボン酸、ポリシクロオレフィン、ポリイミド、及びガラスをベースとするもの、を挙げることができる。任意選択的に、基材材料は、これらの材料の混合物又は組み合わせを含んでもよい。一実施形態では、基材220は多層であってもよく、あるいは、連続相中に懸濁された又は分散された分散相を含んでもよい。輝度向上フィルムなどのいくつかの光学製品の場合、望ましい基材材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリカーボネートが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの基材材料は、光学的に活性であり、偏光材料として機能することができる。フィルムを通る光の偏光は、例えば、通過光を選択的に吸収するフィルム材料に二色性偏光子を含めることによって、又は通過光を選択的に反射するフィルム材料に反射偏光子を含めることによって、達成することができる。偏光はまた、整列マイカチップなどの無機材料を含むことによって、又は連続フィルム内に分散した光変調液晶の液滴などの連続フィルム内に分散した不連続相によっても、達成することができる。代替として、フィルムは、異なる材料の極微小層から調製することができる。フィルム内の偏光材料は、例えば、フィルムの延伸、電場又は磁場の印加、及びコーティング手法などの方法を用いることによって、偏光方向に位置合わせされてもよい。
偏光フィルムの例としては、米国特許第5,825,543号及び同第5,783,120号に記載されているものが挙げられ、これらは各々参照により本明細書に組み込まれる。輝度向上フィルムと組み合わせてこれらの偏光フィルムを使用することは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,111,696号に記載されている。基材として使用することができる偏光フィルムの第2の例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,882,774号に記載のフィルムである。市販のフィルムは、商品名DBEF(Dual Brightness Enhancement Film)で3Mから市販されている多層フィルムである。輝度向上フィルムにおけるかかる多層偏光光学フィルムの使用は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,828,488号に記載されている。基材材料をこのように列挙してもこれは排他的ではなく、当業者には理解されるように、他の偏光及び非偏光フィルムもまた、本発明の光学製品の基部として有用な可能性がある。これらの基材材料は、多層構造を形成するために、例えば偏光フィルムを含む任意の数の他のフィルムと組み合わせることができる。追加の基材材料を手短に列挙するとすれば、とりわけ、米国特許第5,612,820号及び同第5,486,949号に記載されているフィルムを挙げることができる。特定の基部の厚さはまた、光学製品の上記の要件に依存し得る。
いくつかの実施例では、光学物品200は、自由浮遊フィルム又はバックライトフィルムであってもよく、基材220は反射偏光子であってもよい。光学フィルム210は、液晶ディスプレイなどのディスプレイ構成要素に面する微細構造化表面211を有する底部主表面212において、基材220に取り付けてもよい。光学物品200を使用してシステムを通過する光の経路に関して、光学フィルム210は、システムのフィルム積層体内の基材220の「上方」に位置してもよい。反射偏光子及びコリメート光学フィルムを有する光学物品200は、同じフィルムにおけるコリメート特性及び輝度増大特性の双方を提供することができる。
光学フィルム210は、底部主表面212で基材220に直接接触するか、又は基材220に光学的に位置合わせしてもよく、微細構造化表面211が光の流れを方向付けるか又は集中させることを可能にするサイズ、形状、及び厚さとすることができる。光学フィルム210は、基材220と一体的に形成してもよく、あるいは、材料から形成して、基材220に接着又は積層することができる。
光学フィルム210は、任意の好適な屈折率を有することができる。屈折率を選択するための要因としては、光学フィルム210への入射光の方向、微細構造化表面211の表面特性、及び微細構造化表面211からの出射光の所望の方向を挙げることができるが、これらに限定されない。例えば、場合によっては、光学フィルム210は、約1.4~約1.8、又は約1.5~約1.8、又は約1.5~約1.7の範囲の屈折率を有してもよい。場合によっては、光学フィルム210は、約1.5以上、又は約1.55以上、又は約1.6以上、又は約1.65以上、又は約1.7以上の屈折率を有してもよい。
光学フィルム210は、光の流れを制御するように構成された光学製品において使用するのに好適な組成を有することができる。光学フィルム210に有用な材料としては、限定するものではないが、ポリ(カーボネート)(PC);シンジオタクチック及びアイソタクチックポリ(スチレン)(PS);C1~C8アルキルスチレン;ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)及びPMMAコポリマーを含む、アルキル、芳香族、及び脂肪族環含有(メタ)アクリレート;エトキシル化及びプロポキシル化(メタ)アクリレート;多官能性(メタ)アクリレート;アクリル化エポキシ;エポキシ;及び他のエチレン性不飽和材料;環状オレフィン及び環状オレフィンコポリマー;アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS);スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN);エポキシ;ポリ(ビニルシクロヘキサン);PMMA/ポリ(フッ化ビニル)ブレンド;ポリ(フェニレンオキシド)合金;スチレン系ブロックコポリマー;ポリイミド;ポリスルホン;ポリ(塩化ビニル);ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS);ポリウレタン;不飽和ポリエステル;低複屈折ポリエチレンを含むポリ(エチレン);ポリ(プロピレン)(PP);ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)などのポリ(アルカンテレフタレート);ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)などのポリ(アルカンナフタレート);ポリアミド;アイオノマー;酢酸ビニル/ポリエチレンコポリマー;酢酸セルロース;酢酸酪酸セルロース;フルオロポリマー;ポリ(スチレン)-ポリ(エチレン)コポリマー;ポリオレフィン系PET及びPENを含むPET及びPENコポリマー;並びにポリ(カーボネート)/脂肪族PETブレンド、が挙げられる。
光学フィルム210は、微細構造化表面211を含んでもよい。微細構造化表面211は、光学物品200からの実質的にコリメートされた光を透過するための構造化表面を表すことができる。微細構造化表面211は、微細構造化表面211と接触する光を、入射角の特定の範囲で屈折させ、かつ、これらの範囲外の光を反射するように構成することができる。これらの範囲は、例えば、光学フィルム210の屈折率と、空気などの微細構造化表面211に接触する任意の材料とに依存してもよい。図37は、微細構造化表面211などの微細構造化表面を有する光学フィルム210などの例示的な光学フィルムのSEM画像である。参照目的のために、微細構造化表面211は、x軸241及びx軸241に垂直なy軸242を有する基準平面を画定することができ、基準平面に垂直なz軸243に沿った厚さ方向を画定することができる。
微細構造化表面211は、複数のプリズム構造体230を含んでもよい。プリズム構造体230は、コリメート光などの、プリズム構造体230を有する光学フィルム210の所望の機能を特徴付ける微細構造化表面211の構成を表すことができる。一般に、プリズム構造体230は、例えば入射光の一部を屈折させ、かつ、入射光の異なる部分を再利用する、ことによって、光を方向転換することができる。プリズム構造体230は、正のz方向に沿ったような所望の方向に沿って、プリズム構造体230のファセット231に入射する光を方向転換するように構成してもよい。いくつかの実施例では、プリズム構造体230は、z軸243と実質的に平行であり、かつ、x軸及びy軸によって形成される基準平面に垂直である方向に、光を方向転換することができる。プリズム構造体230は、微細構造化表面211の表面積の90%超など、光学フィルム210の実質的に全ての微細構造化表面211を覆うことができる。
微細構造化表面211のプリズム構造体230は、微細構造化表面211にわたって、実質的に不規則に又はランダムに配置してもよい。実質的に不規則又はランダムな配置としては、局所的にパターン化されていない、あるいは、不規則にパターン化された、微細構造化表面211にわたるプリズム構造体230の空間的分布が含まれてもよいが、集合体における、特定の特性、特性の範囲、又は特性の確率を呈することがある。例えば、複数のプリズム構造体230が増加すると、複数のプリズム構造体230の特性の平均は、より少ない偏差しか呈しないことができるが、プリズム構造体230の第1の空間領域及びプリズム構造体230の第2の空間領域は、同様の特性分布を有さなくてもよい。
光学物品200の微細構造化表面211における不連続性、例えば、突起は、プリズム構造体230を通って引かれた平均中心線より上の表面輪郭によって囲まれる面積の合計が、平均中心線より下の面積の合計に等しくなるように、平均中心線から輪郭がずれてもよく、この平均中心線は、物品の(微細構造体に関する)公称表面に実質的に平行である。プリズム構造体230の高さは、光学顕微鏡又は電子顕微鏡で測定すると、表面の代表的な特徴長、例えば、1~30cmを通じて、約0.2~100μmとなることがある。該平均中心線は、平面、凹面、凸面、非球面、又は、それらの組合せとなってもよい。プリズム構造体230は、2つの交差するファセット間の最も遠い距離として定義されるピッチを有してもよい。プリズム構造体230のピッチは、250マイクロメートル以下とすることができ、0(交差)から250マイクロメートルまで変化してもよい。ピッチは、プリズム構造体230上のファセット231の底角233及びプリズム構造体230の高さなどの要因に関連する可能性がある。いくつかの実施例では、高さ及びピッチは、スパークル(sparkle)を低減するように選択することができる。スパークルとは、ランダムパターンであるように見える明るい輝度及び暗い輝度の小領域からなる、粒子の粗い質感(質感ムラ)として現れる光学的アーチファクトを指すことができる。明るい領域と暗い領域の位置は、視野角が変化するにつれて変化する可能性があるため、見る者にとって、質感は特に明白で不快なものになる。スパークルを最小化するために、プリズム構造体230は、約100マイクロメートル未満、好ましくは20~30マイクロメートル未満の高さを有してもよく、非常にわずかな周期性を有してもよく、近接構造のマイクロ画像、又はこれらの属性の任意の組み合わせを形成しなくてもよい。
複数のプリズム構造体230は、複数のファセット231を含んでもよい。各プリズム構造体230は、ピーク237で合流する複数のファセット231を含んでもよい。各ファセット231は、x軸241及びy軸242によって形成される基準平面に対する少なくとも1つの斜面を画定する、プリズム構造体230の表面及び微細構造化表面211を表してもよく、各ファセット231及び対応する斜面は、非ゼロ底角233を形成する。
複数のファセット231の少なくとも1つの傾斜は、傾斜強度分布及び傾斜強度累積分布を規定することができる。傾斜強度分布は、底角233などの傾斜角の正規化頻度を表すことができる。傾斜強度累積分布は、微細構造化表面211上の各角度について、底角233などの傾斜角の累積正規化頻度を表すことができる。累積傾斜強度分布は、傾斜角に対する累積正規化頻度の変化を表す変化率を含んでもよい。例えば、図27Aを参照されたい。いくつかの実施例では、約10度未満の傾斜に対する傾斜強度累積分布の変化率は、約1%/度未満としてもよく、約30度未満の傾斜に対する傾斜強度累積分布の変化率は、約2%/度未満としてもよい。例えば、図27Aを参照されたい。いくつかの実施例では、20%における傾斜強度累積分布の変化率は、約60度の傾斜強度累積分布の変化率よりも実質的に小さくてもよい。例えば、図27Eを参照されたい。いくつかの実施例では、約10度の傾斜強度累積分布の変化率は、約0.5%/度未満としてもよく、約20度の傾斜強度累積分布の変化率は、約1%/度未満としてもよい。例えば、図27Bを参照されたい。
微細構造化表面211は、基準平面に対して複数の斜面を画定してもよい。いくつかの実施例では、微細構造化表面の約10%は、約10度未満の斜面を有し、微細構造化表面の約15%は、約60度を超える斜面を有する。例えば、図27Aを参照されたい。いくつかの実施例では、構造化表面の約80%は、約30度~約60度の斜面を有する。例えば、図27Aを参照されたい。
各ファセット231は、表面領域と、ファセット231の平均表面方向を表すファセット法線方向を有してもよい。各ファセット231の表面領域は、光学フィルム210を通過する光がファセットと接触して、より低い入射角で屈折するか、又はより高い入射角で反射することができる、領域を表すことができる。ファセット231が湾曲している実施例では、ファセット法線方向は、平均曲率度、曲率の接線、ファセット231のピークを横切る平面、又はファセット231の平均屈折面を表す他の機能表面、の法線方向としてもよい。
ファセット231は、微細構造化表面211の実質的に全てを覆うことができる。いくつかの実施例では、ファセット231は、微細構造化表面211の90%超を覆うことができる。微細構造化表面211の表面被覆率は、特定の傾斜の大きさの範囲又は制限に関して、平方度の単位で、立体角当たりの微細構造化表面のパーセントとして表してもよい。いくつかの実施例では、平方度の単位で、立体角当たり微細構造化表面211の0.010%未満は、約10度の傾斜強度を有し、平方度の単位での立体角当たり微細構造化表面211の約0.008%未満は、約30度の傾斜強度を有する。例えば、図27Kを参照されたい。いくつかの実施例では、平方度の単位で、立体角当たり微細構造化表面211の0.008%未満は、約10度の傾斜強度を有し、平方度の単位で、立体角当たり微細構造化表面211の約0.007%未満は、約30度の傾斜強度を有する。いくつかの実施例では、平方度の単位で、立体角当たりに約0の傾斜強度を有する微細構造化表面211は、約0.0005%~約0.01%である。いくつかの実施例では、平方度の単位で、立体角当たりに約0の傾斜強度を有する微細構造化表面211は、約0.001%~約0.006%である。いくつかの実施例では、平方度の単位で、立体角当たりの微細構造化表面211の0.010%未満は、約10度未満の傾斜強度を有し、平方度の単位で、立体角当たりの微細構造化表面211の約0.008%超は、約50度の傾斜強度を有する。例えば、図27Lを参照されたい。いくつかの実施例では、例えば微細構造化表面の平面部分パーセントが約10%超の場合、平方度の単位で、立体角当たり構造化表面の約0.010%未満は、約10度の傾斜強度を有する。例えば、図27M及び図27Nを参照されたい。
複数のプリズム構造体230の複数のサブセットは、実質的に湾曲した周辺部分によって囲まれた実質的に平面の中央部分を備えるファセット231を含んでもよい。いくつかの実施例では、ファセットの平面中央部の約20%未満は、約40度未満の斜面を有し、微細構造化表面211の約10%未満は、約20度未満の斜面を有する。
ファセット231は、実質的に平坦とすることができる。実質的な平坦度は、例えば、プリズム構造体230の平均高さの10倍を超える曲率半径などの、平坦ファセット231の曲率半径又は平均曲率によって示すか、又は決定することができる。いくつかの実施例では、微細構造化表面211のファセット231の特定の部分(30%超など)は、実質的に平坦であってもよい。
複数のプリズム構造体230は、2つのファセット231の交点に形成された複数のピーク237を含んでもよい。ピーク237を形成する2つのファセット231は、関連する頂点角度232を有することができる。各ピーク237は、ピークの角鮮鋭度を表す、対応付けられた曲率半径を有してもよい。例えば、ピーク237は、プリズム構造体230の平均高さの1/10未満の曲率半径を有してもよい。ピーク237は、実質的に輪郭が際立っているか、又は鋭利な場合があり、その結果、ピーク237の表面積は、微細構造化表面211のわずかを占めるだけとなる。いくつかの実施例では、複数のピーク237の表面積は、微細構造化表面211の総表面積の1%未満である。輪郭が際立っているピーク237を有する微細構造化表面211は、ファセット231の表面積を増加させ、光学フィルム210の所望の透過範囲の光学利得を増加させ、軸上透過角付近に生じるウエットアウト(wet-out)を低減することができる。
図2Bは、プリズム構造体230のファセット231の平面図である。ファセット法線方向234は、x軸241(図示)又はy軸242と方位角235を形成することができる。方位角235は、x軸241及びy軸242によって形成される基準平面に沿ったファセット231の向きを表すことができる。ファセット231は、0~2πラジアンなどの方位角235の実質的に全方位角範囲にわたって配向されてもよい。
図2Cは、プリズム構造体230の平坦なファセット231の側面図である。ファセット法線方向234は、z軸243と極角236を形成することができる。極角236は、x軸241及びy軸242によって形成される基準平面の法線に対する平坦なファセット231の向きを表すことができる。ファセット231は、0~π/2ラジアンなどの、極角236の実質的に完全な極性象限全体にわたって配向してもよい。
微細構造化表面211は、ファセット231の表面法線分布を有してもよい。ファセットの面法線分布は、特定の極角235又は方位角236を有するファセット231の確率又は濃度などのファセット231の面法線分布を表すことができる。ファセット231の面法線分布は、ファセット231の面極角分布と、ファセット231の面方位角分布とを含む。
面極角分布は、特定の極角236におけるファセット231の法線分布を表す。いくつかの実施例では、面極角分布は、極角の範囲内のファセットのパーセンテージとして表すことができる。例えば、90%を超えるような実質的に全てのファセット231は、特定の極角範囲内の極角を有してもよい。特定の範囲の極角は、z軸243の5度以内など、実質的にコリメートされた光を生成する、広範な極角を含むことができる。いくつかの実施例では、ファセット231の実質的に全ては、40度~50度の極角236を有するファセット231の90%など、約45度の極角236を有してもよい。いくつかの実施例では、面極角分布は、特定の極角236を有する平坦なファセット231の確率として表すことができる。
複数のファセット231の面極角分布は、複数のファセット231のピーク分布を表す極角又は極角の範囲と対応付けられたピーク極角分布を含んでもよい。ピーク極角分布は、軸外であってもよく、即ち、ピーク極角分布は、微細構造化表面211の基準平面に対して実質的に垂直でなくてもよい。いくつかの実施例では、面極角分布は、軸上の極角分布の少なくとも2倍大きい軸外ピーク極角分布を有する。
プリズム構造体230は、光学フィルム210にわたって分布させることができ、それらのファセットは、ファセットの面極角分布が、特定の範囲の極角に対する光学フィルム210の光学利得を増加させるように、微細構造化表面211にわたって配向してもよい。いくつかの実施例では、面極角分布は、極透過率分布を生成するように構成されてもよく、極透過率分布は、微細構造化表面211を通る軸方向コリメート光の、極角0からπ/2までの強度分布に入る透過率を表す。極透過分布は、集合体円錐形微細構造体のコリメートされた光透過特性と対応付けてもよい。例えば、円錐状の微細構造体は、特定の屈折率について特定の極角でピーク輝度を有する光を分配することができ、ピーク輝度は、軸上の極透過よりも高い特定の比、例えば2倍高いものであってもよい。微細構造化表面211の面極角分布は、ピーク輝度に対応付けられた特定の入射角の光からコリメートされた光を生成する、極角範囲内の実質的に全てのファセットを含むことができる。いくつかの実施例では、極角範囲は、32~38度の入射角の光に対するピーク輝度について選択される。ファセット231は、微細構造化表面211から透過された光が実質的にコリメートされるように、30~60度などの極角236の範囲にわたって配向してもよい。
面方位角分布は、特定の方位角におけるファセット231の分布を表す。例えば、高試料サイズでは、0.1%~0.5%、又は0.25%~0.3%などの、全ての平坦なファセットのうちの実質的に360分の1は、特定の角度の間の方位角を有してもよい。プリズム構造体230は、ファセット231の面方位角分布が均一な方位角透過率分布を生成することができるように、光学フィルム210及び微細構造化表面211にわたって配向されたそれらの平坦なファセット全体に分布してもよい。ここで、方位角透過率分布は、微細構造化表面211を方位角で通過する光の透過率を表す。光の方位角透過率は、集合体円錐形微細構造体のコリメートされた光透過特性と対応付けてもよい。例えば、円錐形微細構造体は、完全な方位角範囲にわたって均一に光を分配することができる。ファセット231の面方位角分布は、360度全体にわたって特定の角度分解能範囲内で均一であってもよい。いくつかの実施例では、角度分解能は、製造精度に基づいて選択される。ファセット231の合計表面積又は数は、方位角235ごとに実質的に同じであってもよく、方位角235の平均は回転対称であってもよい。いくつかの実施例では、方位角235に局所的な変動が存在し得るが、ファセット231の合計表面積又は数は、10,000より大きい平面ファセットなどのファセット231の特定の試料サイズ又は解像度において、実質的に同じと判定することができる。
プリズム構造体230は、光学フィルム210全体にわたって不規則に分布及び配向されてもよいが、プリズム構造体230の平坦なファセット231の集合効果は、光を均等に分布させるために基準平面上の全範囲の方位角、及び、光を実質的にコリメートするための極角の限定された範囲、にわたって均等に分布される表面積を有する微細構造化表面211である。
図3は、光学フィルム210などの光学フィルムを形成するための例示的なプロセス300を示す。光学フィルムを製造する前に、光学フィルムの微細構造化表面211などの微細構造化表面に対応する構造化表面特性を有する微細複製ツールを作製してもよい。あるいは、光学フィルムの微細構造化表面に対応する構造化表面特性を有する微細複製ツールは、光学フィルムの所望の微細構造化表面に基づいて提供又は選択されてもよい。
ステップ310において、その上に金属層を電気メッキすることができる基礎として機能するようにベースを準備することができる。ベースは、例えばシート、プレート、又はシリンダなど、多数の形のうちの1つを取ることができる。例えば、円形シリンダを使用して、連続ロール物品を製造することができる。ベースは金属製であってもよく、例示的な金属としては、ニッケル、銅、及び黄銅が挙げられるが、他の金属もまた使用することができる。ベースは露出面(「ベース面」)を有することができ、その上に後続のステップで1つ以上の電着層を形成することができる。ベース面は滑らかで平坦、又は実質的に平坦であってもよい。研磨された平滑なシリンダの外側湾曲面は、特に、シリンダの表面上の所定の点の付近にある局所的な小領域を考慮するときには、実質的に平坦であるとみなすことができる。
ステップ320において、ベース表面を電気メッキするために電気メッキ条件を選択することができる。溶液に使用される金属塩の種類などの電気メッキ溶液の組成、並びに、電流密度、メッキ時間、及び基材移動速度などの他のプロセスパラメータは、電気メッキ層が滑らかかつ平らには形成されないが、その代わりに、構造化され、かつ、所望のプリズム構造体230に対応する形体などの不規則な平らなファセット形体によって特徴付けられる、主表面を有するように選択することができる。電流密度の選択、メッキ時間の選択、及び基材の移動速度などのベース露出速度の選択は、不規則形体のサイズ及び密度を決定することができる。電気メッキ溶液に使用される金属塩の種類などの金属テンプレートを選択すれば、形体の幾何学的形状を決定することができる。例えば、電気メッキプロセスで使用される金属塩の種類は、堆積された金属構造体の形状を決定することができ、したがって、微細構造化表面211などの微細構造化表面上のプリズム構造体230などのプリズム構造体の形状を決定することができる。
ステップ330では、電気メッキプロセスを使用して、基材のベース面上に金属の層を形成することができる。このステップが始まる前に、基材のベース面を下処理してもよく、そうでなければ付着性を高めるように処理してもよい。電気メッキされる金属は、ベース面を構成する金属と実質的に同じであってもよい。例えば、ベース面が銅を含む場合、ステップ330で形成された電気メッキ層も銅製であってもよい。金属の層を形成するために、電気メッキプロセスでは、電気メッキ溶液を使用することができる。電気メッキ層の表面が、微細構造化表面211に対応する不規則な面を有する微細構造化表面を有するように、電気メッキプロセスを実行することができる。金属は、ロールの微細構造化表面上に不均一に付着し、突起を形成することがある。光学フィルムの微細構造化表面は、ロールの微細構造化表面に対して、ピーク又は谷などで複製される。微細構造化ロール上に堆積された金属構造の位置及び配置は、ランダムである。代表的な第1の主表面の構造化特性及び粗さは、図37の光学フィルムのSEM画像で見ることができ、このフィルムは、ステップ330に従って作製された電気メッキ層の表面から微細複製される。
ステップ330が完了した後、電気メッキ層を有する基材は、光拡散フィルムを形成するための原ツールとして使用することができる。場合によっては、ステップ330で作製された電気メッキ層の構造化表面を含み得るツールの構造化表面を、第2の金属又は他の好適な材料で不動態化又は別の方法で保護することができる。例えば、電気メッキ層が銅からなる場合、構造化表面はクロムの薄いコーティングで電気メッキすることができる。クロム又は他の好適な材料の薄いコーティングは、構造化表面のトポグラフィを実質的に保存するのに十分に薄いことが好ましい。
原ツール自体を光学拡散フィルムの製作に使用するのではなく、原ツールの構造化表面をマイクロ複製することによって1つ以上の複製ツールを製作し、次いでこの複製ツールを使用して光学フィルムを作製することができる。原ツールから製作された第1の複製は、構造化表面に対応するがその反転された形態の第1の複製構造化表面を有する。例えば、構造化表面の突起は、第一の複製構造化表面の空洞に対応する。第1の複製から第2の複製を作製することができる。第2の複製は、原ツールの構造化表面に対応し、かつ、その構造化表面の非反転形態である第2の複製構造化表面を有する。
例えば、ステップ330において構造化された表面ツールが作られた後、同じ構造化された表面(原ツールに対して反転されているかどうかに関わらず)を有する光学フィルム210などの光学フィルムは、原ツール又は複製ツールからのマイクロ複製によって、ステップ340において作製することができる。光学フィルムは、例えば予め形成されたフィルムのエンボス加工、又はキャリアフィルム上の硬化性層の注型及び硬化を含む任意の好適なプロセスを用いてツールから形成することができる。例えば、微細構造化表面211を有する光学フィルム210は、(a)重合性組成物を調製することと、(b)ステップ330で形成された構造化表面ツールのマスターネガ構造化表面上に、マスターの空洞を充填するのに十分な量で重合性組成物を堆積させることと、(c)基材220などの基材とマスターとの間で重合性組成物のビーズを移動させることによって空洞を充填することと、(d)重合性組成物を硬化させることと、によって調製することができる。上記の実施形態では、光学フィルム210及び基材220は、互いに接合された別個の層であってもよい。別の方法としては、押し出された又はキャストされた基材材料上にモールドを直接複製することを挙げることができ、この方法の結果として、モノリシックである基材220と光学フィルム210とが得られる。
上述のように、本明細書に記載の微細構造化表面は、光をコリメートし、光を拡散させ、光学系内の利得を増加させるように構成することができる。それに対応して、本明細書に記載されるような複数の不規則に配置されたファセット又は平面部分を有する微細構造化表面は、光、拡散光、又は増加利得をコリメートする微細構造化表面の能力によって特徴付けることができる。前述の光学特性は、ファセットの分布の不規則性、ファセット間の頂点角の定義、ファセットの平坦性などの、前述の微細構造化表面の構造特性と相関させることができる。微細構造化表面の光学特性は、微細構造化表面を組み込む光学系にとって有利であり得る一方、かかる光学特性はまた、構造特性の存在及び構成を示し、特徴付けることもできる。
いくつかの実施例では、複数の平面部分を有する微細構造化表面は、ライトガイドからの光をコリメートする微細構造化表面の能力によって特徴付けることができる。図38は、複数の不規則に配置された平坦部分11を有する微細構造化表面10を含む光学フィルムの写真である。複数の不規則に配置された平面部分11は、図2の複数のファセット231などのファセットの部分であってもよい。複数の平面部分11の各平面部分は、最小の曲率閾値を下回る曲率を有してもよい。複数の不規則に配置された平面部分11は、以下の実施例に記載されるような表面特徴付け手順を使用することによって決定されてもよい(例えば、下記図15~19及び図28~36を参照)。
図39は、ライトガイド20の上方に光学フィルム50を含む系の図である。ライトガイド20は、光源90から側面22を通じて光を受光し、ライトガイド20の放射面21から光30を放射するように構成されてもよい。放射面21は、ライトガイド20の第1の方向(x)に沿って延在してもよい。光30は、放射面に垂直かつ第1の方向(x)に平行な第1の平面40内でライトガイド20から出射することができる。ライトガイド20から出射する光30は、光30の断面の光分布31(「第1の光分布31」)を有してもよい。第1の光分布31は、法線41から第1の方向(x)への角度θ1(「第1の角度θ1」)でのピーク32(「第1のピーク32」)によって特徴付けることができる。
光学フィルム50は、光を透過するように構成された第1の主表面52と、光30などの光をライトガイド20から受光するように構成された第2の主表面54とを有してもよい。第1の主表面52は、図38に記載されるように、複数の不規則に配置された平面部分11を有するように構成された微細構造化表面10を含んでもよい。ライトガイド20から出射する光35は、光35の断面の光分布33(「第2の光分布33」)を有してもよい。第2の光分布33は、法線41から角度θ2(「第2の角度θ2」)でのピーク34(「第2のピーク34」)によって特徴付けることができる。
微細構造化表面10が放射面21上又はその近傍に配置されるとき、微細構造化表面10は、第1の光分布31の第1の角度θ1に対する第2の光分布33の第2の角度θ2によって特徴付けることができる。第1の光分布31の第1の角度θ1が、約60度超、又は約70度超、又は約75度超である場合、第2の光分布33の第2の角度θ2は、それぞれ、約5度~約35度の範囲、又は約5度~約30度の範囲、又は約10度~約25度の範囲内であってもよい。
ライトガイド20から微細構造化表面10への光の光分布のピーク角度の減少は、少なくとも第1の平面40に沿った光のコリメーションを表し得る。光のコリメーションは、法線に対する高光角度の傾斜上の光屈折によるものであってもよく、これは、微細構造化表面10の光学フィルム50の屈折率について、例えば図2Aの基本角233などの特定の角度でのファセット傾斜のほぼ限定された分布を示すことができる(例えば、図27Cの試料6~9を参照)。
いくつかの実施例では、複数の不規則に配置されたファセットを有する微細構造化表面は、対向平坦面(デルタ透過率)よりも、微細構造化表面からのコリメート光の高い透過率によって特徴付けることができる。図40は、微細構造化表面10を有する光学フィルム50の図である。微細構造化表面10は、第1の主面13及び第2の主面14を有してもよく、複数の不規則に配置されたファセット12を含んでもよい。前方コリメート光15は、第1の主面13に入射することができ、後方コリメート光16は、第2の主面14に入射することができる。光学フィルム50は、微細構造化表面10を含む第1の主表面52と、対向する第2の主表面54とを有してもよい。
前方コリメート光15が微細構造化表面10の第1の主面13に入射する場合、微細構造化表面からの透過光は第1の全透過率を有してもよい。後方コリメート光16が微細構造化表面10の第2の主面14に入射する場合、微細構造化表面10からの透過光は第1の全透過率よりも高い第2の全透過率を有してもよい。図41は、入射角の範囲にわたる入射光の全透過率のグラフである。図41に見られるように、全透過率は、第1の主面13上のコリメート光の方が第2の主面14上のコリメート光よりも高い。いくつかの実施例では、第2の全透過率と第1の全透過率との間の差は、約10%超、約20%超、又は約30%超であってもよい。
微細構造化表面10が、微細構造化表面10の透過面でコリメート光を受光し、より高い全透過率で光を透過させる能力は、光の再利用能力がより高いことを示し、従って、透過光をコリメート光に限定する光学フィルム50のファセット傾斜及び屈折率の存在を示し得る。高いデルタ透過率はまた、より高い利得又はより高い欠陥隠蔽能力を示し得る。
いくつかの実施例では、複数の不規則に配置されたファセットを有する微細構造化表面は、軸上値よりも高いピーク値を有する光分布によって特徴付けることができる。図42は、図5A及び5Bに記載されるように、微細構造化表面10の試料に関する、光強度のコノスコーププロットからの正規化された極透過率分布(y軸)についての平均極角傾斜(x軸)のグラフである。光分布60は、ピーク値62及び軸上値61を有し得る。ピーク値62と軸上値61との比は、約1.2超、約1.5超、約2超、又は約15超であってもよい。軸上値よりも大きいピーク値を有する光分布は、図2Aのピーク237などのシャープなファセットピークを示し得る。
いくつかの実施例では、複数の不規則に配置されたファセットを有する微細構造化表面は、光を拡散するように構成されてもよい。ライトガイドは、不均一に分布する、又は光学的欠陥を含む光を出射することができる。微細構造化表面上のファセットの不規則な配置は、透過光のコリメーションをほぼ維持しながら光を拡散的に処理することができる。
微細構造化表面が光を拡散する能力は、微細構造化表面の欠陥隠蔽能力と相関させることができる。いくつかの実施例では、微細構造化表面は、解像度ターゲットのコントラストの低減度によって特徴付けることができる。解像度ターゲットからの光は、光学フィルムを通して処理され、微細構造化表面から透過され、画像として検出されてもよい。画像内の解像度ターゲットのコントラスト低減は、微細構造化フィルムの光拡散能力を表し得る。例えば、以下に記載の図43~54を参照されたい。コントラスト又は解像度の低減は、ピーク角の周りの傾斜の変化を示すことができ、この結果、拡散し任意の欠陥画像と混じり合う。再使用は光の経路長を増加させ画像上に広がるため、コントラスト又は解像度の低減はまた、図2Aの基本角233などの、フィルムの屈折率の特定の範囲内に制限されるファセット傾斜による再使用も示すことができる。
本明細書に記載の微細構造化表面は、様々な光学用途において光をコリメートするために使用されてもよい。1つの特に有用な用途は、テレビ及びモニタなどのエッジライト型光学系のバックライトである。いくつかの実施例では、複数の不規則に配置されたファセットを有する微細構造化表面は、エッジライト型光学系において使用されてもよい。図55は、微細構造化表面10を含むエッジライト型光学系95の図である。エッジライト型光学系95は、光源90、ライトガイド20、微細構造化表面10、及び反射偏光子96を含むことができる。ライトガイド20は、側面22及び放射面21を有してもよい。光源90によって出射された光は、側面22でライトガイド20に入り、第1の光分布31内で第1の光ピーク32を有する光30として放射面21からライトガイド20を出ることができる。第1の光ピーク32は、第1の角度θ1をなしてもよい。いくつかの実施例では、第1の角度θ1は、放射面21の法線に対し約60度超であってもよい。
微細構造化表面10は、放射面21に配置されてもよい。微細構造化表面10は、複数の不規則に配置されたファセット12を含んでもよい。各ファセットは、微細構造化表面10の平面40に対する傾斜を画定する中央部分52を含み得る。いくつかの実施例では、中央部分52の約20%未満は、約40度未満の傾斜を有してもよい。
反射偏光子96は、微細構造化表面10と放射面21との間に配置されてもよい。反射偏光子96は、第1の偏光状態を有する光をほぼ反射し、第1の偏光状態と直交する第2の偏光状態を有する光をほぼ透過させるように構成されてもよい。光源90から出射された光の少なくとも一部は、第2の光ピーク34を有する第2の光分布33内の光35として光学系95から出射することができる。第2の光ピークは第2の角度θ2をなしてもよい。いくつかの実施例では、第2の角度θ2は、放射面21の法線に対し約50度未満であってもよい。いくつかの実施例では、拡散反射体が、第2の角度θ2が放射面21の法線から約45度未満となるように、反射偏光子96の反対側でライトガイド20上に配設されてもよい。いくつかの実施例では、鏡面反射体が、第2の角度θ2が放射面21に対して約40度未満となるように、反射偏光子96の反対側でライトガイド20上に配置されてもよい。例えば、図56C及び図57Cを参照されたい。
いくつかの実施例では、エッジライト型光学系95は、光学フィルム50の第1の主表面52の反対側の第2の主表面54に直接結合された反射偏光子96を有することができる。例えば、光学フィルム50及び反射偏光子96は、本明細書で論じられるような有利な光分布特性を有する単一の物品として製造されてもよい。物品は、拡散シートとして機能し得る光学フィルム50の第2の主表面54に対向する反射偏光子96の主表面に、PET基材などの他の層を積層させてもよい。その結果得られる物品は、拡散、透明度、コリメーション、及び利得特性が改善され得る。
光透過特性
本開示に係る光学フィルムの試料(試料1、試料2、及び試料3)は、上述の図3を含む本明細書に記載の技術に従って作製した。ツールは、「Optical Article」と題された米国特許出願第2010/0302479号に開示されているのと同様な方法を使用して作製した。このツールを使用して、米国特許第5,175,030号で説明されるような注型及び硬化プロセスによって、光学フィルムを作製した。注型及び硬化プロセスで使用される樹脂は、光学的な用途に好適な樹脂であった。(1)円錐の六方充填配列、(2)ワッフル格子状プリズム、(3)部分球の充填配列、及び(4)丸みを帯びたピークの不規則プリズム、を有する光学フィルムの比較例も準備された。
光学フィルムをコリメートされた光透過プローブで試験して、光学フィルムの光学特性、かかる極透過分布及び方位角透過率分布を求めた。図4は、コリメート光透過によって光学フィルムに関する光透過情報を生成するための例示的な方法である。軸方向にコリメートされたLED光を有する光プローブを、光学フィルムの微細構造化表面の前方に配置し、0度の極角及び方位角に位置合わせした。光学フィルムの平坦な主表面の背後に検出器を配置した。光プローブからの軸方向にコリメートされた光を、光学フィルムを通して処理し、光学フィルムの微細構造化表面による光源光の角散乱を検出器上で測定した。
表面特性
本開示に係る光学フィルムの4つの試料(試料6A/B、試料7A/B、試料8、及び試料9)を、上述の図3及び実施例1~3を含む本明細書に記載の技術に従って作製した。(1)丸みを帯びたピークの不規則プリズムを有する光学フィルム、(2)円錐の六方充填配列を有する光学フィルム、(3)部分球状充填配列を有する光学フィルム、及び(4)角錐プリズム配列を有する光学フィルム、の比較例もまた準備された。以下に記載されるように、試料のAFM画像を撮影し、画像解析に使用した。
AFM画像を、平坦性及び角度配向について分析した。コードは、傾斜分析ツールにファセット分析機能を追加するために書き込まれた。ファセット分析機能は、試料のファセットの平坦性及び配向を分析するためのファセットのコア領域を識別するように構成された。ノイズを最小限に抑え(例えば、AFMではメディア3、共焦点顕微鏡ではフーリエローパス)、ゼロの高さが平均の高さになるように高さマップをシフトするために、プレフィルタの高さマップを選択した。
各画素において、gcurvature及びtcurvatureを計算した。ピクセルのgcurvatureは、Z(x,y)、Z(x-dx,y-dy)、及びZ(x+dx,y+dy)の3つの点の高さを使用して傾斜方向に計算された表面曲率である。ここで、(dx,dy)は傾斜ベクトルと平行であり、(dx,dy)=Sk/Skdivosorの大きさであり、Skはコア粗さの深さであり、Skdivisorはユーザによって設定された単位なしパラメータである。(dx,dy)の大きさは、最も近い画素に丸められ、3画素などの最小値に設定されてもよい。tcurvatureは、傾斜を横切る方向が平行ではなく曲率の計算に使用されることを除いて、gcurvatureと同じである。
各画素の閾値を使用して、平坦なファセットの2値マップを取得した。閾値としては、(1)max(gcurvature,tcurvature)<rel_curvecutoff/Rであり、式中、R=min(xcrossing_period,ycrossing_period)/2、及び、xcrossing_period及びycrossing_periodは、x、y方向におけるゼロ交差間の平均距離であり、(2)gslope<facetslope_cutoffである。
画像処理ステップは、2値画像をクリーンアップするために適用することができる。画像処理ステップは、侵食、N画素未満のファセットの除去、二度の拡張、侵食を含み得る。ここで、N=ceil(r*r*minfacetcoeff)画素であり、rは画素における(dx,dy)の大きさであり、ceilは最も近い整数に切り上げられる関数である。次いで、画像を生成し、計算されたファセット領域の統計及び分布を生成した。
実施例1、2、3
図5A、図6A、及び図7Aは、本明細書に開示される光学フィルムの各々試料1、2、及び3についての極角及び方位角での輝度のコノスコーププロットである。各試料は、軸から外れて極角範囲に集中している極透過分布、及び全範囲にわたって実質的に均一である方位角透過分布を示す。
図5B、図6B、及び図7Bは、正規化された極透過分布(y軸)に関する平均極角傾斜(x軸)のグラフである。図5B、図6B、及び図7Bで観察されるように、各試料は、3つの試料についてピーク極透過角度及び極角の集中極角範囲を有する。軸上(0度)の極角に対するピーク極透過角度の比も記載されている。軸上の極透過に対する顕著なピーク極透過角度及び高比のピーク極透過は、円錐形透過率分布を示してもよく、ファセットの実質的に均一な面方位角分布及びファセットの集中した軸外面極角分布と相関し得る。
比較例1-円錐の六方充填配列
図8Aは、円錐の六方充填配列を有する試料光学フィルムについての極角及び方位角での輝度のコノスコーププロットである。各円錐は、六角形の基部を有する湾曲した側面を有してもよく、図19のようなパターン化された配列に配置してもよい。特定の方位角における高い相対輝度は、円錐のパターン化された六角形のピークなどの不均一な面方位角分布に相関する不均一な方位角透過率分布を示す。図8Bは、正規化された極透過分布(y軸)についての平均極角傾斜(x軸)のグラフである。試料は、高度に集中した極透過分布と、軸上の極角に対する非常に高いピークの極透過角度とを有する。
比較例2-格子状プリズム
図9Aは、ワッフル様格子状プリズムを有する試料光学フィルムについての極角及び方位角における輝度のコノスコーププロットである。各平坦プリズム面は、4つの正方形角のうちの1つに配向されてもよい。ある方位角での高い相対輝度は、プリズムの4つの正方形角のような不均一な方位角分布に相関する不均一な方位角透過率分布を示す。図9Bは、正規化された極透過分布(y軸)についての平均極角傾斜(x軸)のグラフである。多重ピーク極透過角度は、不均一なプリズム表面を示し、一方、軸上極角が大きいことは、プリズム頂部で著しく平坦な又は丸い表面を示す。
比較例3-部分球
図10Aは、部分球の配列を有する試料光学フィルムの極角及び方位角での輝度のコノスコーププロットである。各部分球は、高い軸上極角成分を有する丸みを帯びた側面を有することができる。図10Bは、正規化された極透過分布(y軸)についての平均極角傾斜(x軸)のグラフである。試料は、高い軸上の極透過分布を有する。
比較例4-丸みを帯びた不規則プリズム
図11Aは、丸みを帯びたピークの不規則プリズムを有する試料光学フィルムについての極角及び方位角での輝度のコノスコーププロットである。不規則プリズムは、図18A及び図18Bのように、丸みを帯びたピークで交わる湾曲した側面を有することができる。図11Bは、正規化された極透過分布(y軸)についての平均極角傾斜(x軸)のグラフである。試料のピーク極透過角度は軸上透過率角度に近く、軸上極透過に対するピーク極角透過の低い比率は、プリズム表面間の丸みのあるピークを示すことができる。
実施例4
本明細書に開示されるような第4の試料光学フィルム(試料4)は、図3及び上述の方法に従って調製された。図12Aは、試料光学フィルムについての極角及び方位角の共焦点傾斜データのコノスコープ表示である。この実施例では、極角及び方位角は、各々光学フィルムの平坦面の極角及び方位角に相関することができる。図12Aから分かるように、傾斜分布は特定の極角範囲で最も高く、方位角範囲にわたって実質的に均一に分布している。ピーク極角分布角度は方位角にわたって実質的に一定である。図12Bは、極角(x軸)に対する傾斜頻度(y軸)のグラフである。各々の対向する方位角の極角分布は実質的に相関し、実質的に均一な方位角分布を示す。
実施例5
光学円錐構造体の光学特性を決定するために光学円錐構造体をモデル化した。光学円錐構造体は、例えば、光学円錐構造体の表面における屈折及びフレネル反射をシミュレートした。図13は、さまざまな円錐構造体のパラメータに対するモデル化された円錐利得の表である。光学フィルムで得られた利得に関して、円錐構造パラメータに対する円錐利得を求めるために、多数の円錐をモデル化した。円錐にわたって変化する要因としては、例えば、構造(屈折)指数、突起表面部分、突起アスペクト比(高さ対半径)、及び幾何学的円錐表面法線に対する表面法線のガウス分布幅によって特徴付けられる表面粗さが挙げられる。図14Aは、円錐構造体の平坦な主表面からの極角と、円錐構造体の主表面に沿った方位角とにおける、逆円錐構造体の輝度を示すチャートである。
光学フィルムの試料(試料5)の光学特性を、円錐構造体モデルの光学特性と比較した。図14Bは、試料5とシミュレーションされた円錐構造体との面極角の範囲に関する正規化された輝度のグラフである。図14Aに見られるように、光学フィルムの輝度の極角プロットは、方位角的に滑らかな外観を有する。図13及び図14Bにも見ることができるように、測定された光学利得などの光学フィルムのコリメートされた光透過特性を、シミュレートされた円錐構造体のシミュレートされた光学利得などのコリメートされた光透過特性と実質的に比較する。
実施例6~9及び比較例5~8
図15A及び図15Bは、各々、上述のファセット分析を含む、試料6A及び6Bの複合AFM画像である。図16A及び図16Bは、各々、上述のファセット分析を含む試料7A及び7Bの複合AFM画像である。図17Aは、上述のファセット分析を含む試料8の複合AFM画像である。図17Bは、上述のファセット分析を含む試料9の複合AFM画像である。図18A及び図18Bは、上述のファセット分析を含む、丸みを帯びたピークの不規則プリズムを有する光学フィルムの複合AFM画像である。図19は、上述のファセット分析を含む、円錐の六方充填配列を有する光学フィルムの複合AFM画像である。図20は、上述のファセット分析を含む、部分球の充填配列を有する光学フィルムの複合AFM画像である。輪郭は、湾曲パラメータ内のファセット面を表すことができる。図21は、上述のファセット分析を含む、角錐プリズムの配列を有する光学フィルムの複合AFM画像である。輪郭は、湾曲パラメータ内のファセット面を表すことができる。
図22は、全表面積のパーセントとしての、6つの光学フィルム実施例の平坦なファセットコア領域の被覆面積のグラフである。試料6~9は、不規則プリズム、部分球、及び六角錐の光学フィルムよりも有意に高い表面積被覆率を示した。
図23A及び図23Bは、2つの直交軸の面内方向(各々y及びx)に沿った、空間周波数に対するパワースペクトル密度のグラフである。フィルムのトポグラフィは、各光学フィルムが延びる基準平面に対して画定することができる。x、y平面を基準平面として使用して、各構造化表面のトポグラフィは、x及びy構成要素の基準平面に対する高さとして説明することができる。図23A及び図23Bは、各光学フィルムの表面上のプリズム構造体の空間的不規則性又はランダム性の程度を表す。図23A及び図23Bに見られるように、x平均及びy平均の双方のパワースペクトル密度は、本開示の試料6A/B及び7A/Bについて、各々x方向及びy方向の空間周波数が減少するにつれて、着実に減少する。対照的に、角錐プリズムを有する光学フィルムは、パワースペクトル密度の多数の高いピークによって観察されるように、六方充填配列の円錐を有する光学フィルムと同様に、高い周期性及びパターニングを示す。
図24Aは、ファセット部分についてのさまざまな方位角における表面積被覆率を表す、光学フィルムに関するファセット方位角分布のグラフである。図24Bは、傾斜部分についてのさまざまな方位角における表面積被覆率を表す、平坦なファセット光学フィルムに関する傾斜方位角分布のグラフである。各グラフは、周期的方位角におけるフィルムのパーセント被覆率をプロットしている。図24Aに見られるように、角錐プリズム及び六角錐の双方が、ファセット部分について不均一な方位角分布を示す一方で、本開示の光学フィルムはより狭い範囲内の被覆率を示す。図24A及び図24Bの双方に見られるように、本開示の双方の光学フィルムは、表面被覆率の小さな局所的変化を伴う、全方位角範囲にわたってファセットの実質的に均一な面方位角分布を示す。
図25A及び図25Bは、本開示の光学フィルムのAFMデータからの傾斜/ファセット分布に基づく二次元分布プロットである。図25C及び図26A~図26Cは、不規則プリズム(26D)、部分球体(26A)、六角錐(26B)、及び角錐プリズム(26C)を有する光学フィルムのAFMデータの傾斜/ファセット分布に基づく二次元分布プロットである。各プロットについて、x軸はx方向の傾斜であり、y軸はy方向の傾斜である。傾斜角を角度で示すために、傾斜の弧正接がとられる。各同心リングは、10度を表す。図25A及び図25Bに見られるように、本開示の光学フィルムは、上述の実施例1~3のコノスコピックプロットに見られるものと同様に、概して方位角及び極角の透過率分布と相関する、均一な面方位角分布及び軸外の集中した面極角分布を示す。対照的に、図26Dは、軸上の極角に近い面極角分布を示す。図26Aは、高い軸上集中度を有する拡散面極角分布を示す。図26Bは、高度に集中した面極角分布を示す。図26Cは、不均一な面方位角分布を示す。
図27Cは、上記光学フィルムの累積ファセット傾斜強度分布グラフである。試料6~9は、他の光学フィルムと比較して、よりコンパクトな傾斜強度分布を有する。
図27Dは、試料6、試料7、及び不規則プリズムの正規化された頻度に対する傾斜角のファセット傾斜角度分布グラフである。不規則プリズムは二峰性の傾斜分布を有し、試料6及び7は顕著なピーク分布を有する。
図27Eは、上記光学フィルムの傾斜強度累積分布グラフである。試料6~9は、部分球及び不規則プリズムよりも高い傾斜の大きさを有する。
図27Fは、20度を超える傾斜を有する平坦なファセットコア領域の被覆率のチャートである。試料6~9は、六角錐、部分球、及び不規則プリズムよりも20度を超えて大きな傾斜を有する平坦なファセットの著しく高い被覆率を有する。
図27Gは、任意の傾斜制限なしの平坦なファセットコア領域の被覆率のチャートである。試料6~9は、六角錐、部分球、及び不規則プリズムよりも20度を超えて大きな傾斜を有する平坦なファセットの著しく高い被覆率を有する。
図27H及び図27Iは、ファセット方位角分布及び傾斜方位角分布のグラフである。試料6及び7は、全方位角範囲にわたって実質的に均一な方位角傾斜分布を示す。
図27Jは、上記光学フィルムの累積ファセット傾斜角度分布グラフである。試料6及び7は、不規則プリズムよりもはるかに大きいコンパクトな傾斜角(又は傾斜の大きさ)分布を有する。
図27K及び図27Lは、平方度での立体角当たりの%の正規化頻度についての傾斜強度のグラフである。試料6~9は、35~65の傾斜強度に関して、平方度での立体角当たりの高%で示されるように、高い表面被覆率を有する。
図28~図36は、上記の図15~図22について説明したのと同じ分析を含むが、より広い曲率の制約を伴う。
実施例10及び11
図27Aは、試料10に開示された光学フィルム、試料11に開示された光学フィルム、及び不規則プリズム光学フィルムの傾斜強度累積分布グラフである。この実施例では、不規則プリズム光学体は、試料10及び11のいずれよりも低い傾斜を有してもよい。図27Bは、試料10、試料11、及び不規則プリズム光学フィルムの傾斜強度分布グラフである。ピーク傾斜正規化頻度は、より低い傾斜強度である。
欠陥隠蔽
本開示による光学フィルムの試料は、本明細書に記載の技術に従って作製された。(1)丸みを帯びたピークの不規則プリズムを有する光学フィルム、及び(2)部分球の充填配列を有する光学フィルムの比較例も提供された。以下に記載されるように、試料の写真を撮影し、画像解析に使用した。
光学フィルムをカメラ及びランバート光源を用いて試験して、光学フィルムの欠陥隠蔽特性、及びそれに対応して光学フィルムの拡散特性を決定した。図43は、画像解像度の解析を通じて光学フィルムの欠陥隠蔽特性を決定するための例示的なシステム及び方法の図である。カメラを、カメラに面する構造化表面を有するそれぞれの光学フィルムの前面に配置した。図43の例では、光学フィルムは、複数の不規則に配置されたファセット12を有する光学フィルムの微細構造化表面10である。間隔dを有する光学的に透明基材74を光学フィルムの下に配置し、この例では、光学的に透明基材74は、厚さ1mmのスライドガラスであった。光学的に透明な基板74の下に、解像度ターゲット70、75、77、80を配置した。ランバート光源72を、解像度ターゲット70、75、77、80の下に配置した。ランバート光源72は、ほぼ全ての視野角に対して等しい放射輝度を有する任意の光源であってもよい。ランバート光源72からの拡散光を解像度ターゲット70、75、77、80に通し、それぞれの光学フィルムを通じて処理した。解像度ターゲット70、75、77、80の画像をカメラによって捕捉し、画像の特性を判定した。
実施例12並びに比較例13及び14
図44Aは、制御解像度ターゲット70(本明細書では「対象物70」と称される)の写真である。対象物70は、バーのパターン又は線対を含む1951USAF解像度試験チャートである。パターンは、1ミリメートル当たりのD線対の空間周波数を有する。図44Bは、開示された光学フィルムの試料12を通した対象物70の写真である。図44Cは、丸みを帯びたピークの不規則プリズム光学フィルムを通した対象物70の写真である。図44Dは、部分球光学フィルムを通した対象物70の写真である。図44B~44Dに見られるように、試料12は、丸みを帯びたピークのプリズム及び部分球よりも低い解像度を有する。解像度が低いほど、光を分配し、欠陥の伝達を低減する優れた能力を示し得る。
図44A~44Dの写真のコントラストは、1mmの間隔dで対象物70の様々な空間周波数について決定した。コントラストは、(Max-Min)/(Max+Min)として定義することができ、Maxは最大強度であり、Minは最小強度である。図45Aは、様々な空間周波数(線対(lp)/ミリメートル(mm))のコントラストのグラフである。図45Bは、対照例44Aなしの図45Aのグラフを示す拡大図である。図45A及び45Bに見られるように、試料12は、空間周波数範囲全体にわたって対照例(光学フィルムなし)よりも低いコントラストを有し、丸みを帯びたピークのプリズム光学フィルム(「SA」)、及び部分球光学フィルム(「BGD」)よりも低いコントラストを有する。例えば、試料12の微細構造化表面を通して見た対象物70のコントラストは、Dが1.5lp/mmであるときに約0.1であり、Dが2.5lp/mmであるときに約0.05未満である。対照的に、図44Aのように、微細構造化表面がない状態から見た対象物70のコントラストは、Dが1.5lp/mmであるとき、及びDが2.5lp/mmであるときに約0.7超であり、又はDが1.5lp/mmであるとき、及びDが2.5lp/mmであるとき、約0.8超である。
図46Aは、制御解像度ターゲット75(本明細書では、「ナイフエッジターゲット75」と称される)の写真である。ナイフエッジターゲット75は、エッジ76を有する。ナイフエッジターゲット75を使用して、様々な空間周波数についての変調伝達関数(MTF)を判定することができる。変調伝達関数は、様々な空間周波数の正弦波に対する系の応答である。ナイフエッジターゲット75を使用して、線のフーリエ変換の二乗によって計算され得るパワースペクトル密度(PSD)の大きさを取得することによって、MTFを計算することもできる。1mm当たりの解像可能線対の数は、MTFから判定することができる。図46Bは、開示された光学フィルムの試料12を通したナイフエッジターゲット75の写真である。図46Cは、丸みを帯びた不規則プリズム光学フィルムを通したナイフエッジターゲット75の写真である。図46Dは、部分球面光学フィルムを通したナイフエッジターゲット75の写真である。図46B~46Dに見られるように、試料12は、丸いピークのプリズム光学フィルム(46C)及び部分球光学フィルム(46D)よりも低い解像度を有する。
図46A~46Dの写真の変調伝達関数を、1mmの間隔dでナイフエッジターゲット75の様々な空間周波数について判定した。図47は、様々な空間周波数(lp/mm)についての変調伝達関数のグラフである。図47に見られるように、試料12は、空間周波数の範囲にわたって対照例(光学フィルムなし)よりも低い変調伝達関数を有し、丸みを帯びたピークのプリズム光学フィルム(「SA」)、及び部分球光学フィルム(「BGD」)よりも低い変調伝達関数を有する。例えば、試料12の微細構造化表面を通して見たナイフエッジターゲット75の変調伝達関数は、約0.5lp/mmの空間周波数で約0.5未満である、又は約0.5lp/mmの空間周波数で約0.1未満である。対照的に、図46Aのように、微細構造化表面がない状態から見たナイフエッジターゲット75の変調伝達関数は、約0.5lp/mmの空間周波数で約0.8超である。
図48Aは、様々なサイズの不透明円及び不透明円形バンドを含む、制御解像度ターゲットの写真である。図48Bは、開示された光学フィルムの試料12を通した制御解像度ターゲットの写真である。図48Cは、丸みを帯びたピークの不規則なプリズム光学フィルムを通した制御解像度ターゲットの写真である。図48Dは、部分球光学フィルムを通した制御解像度ターゲットの写真である。図48B~48Dに見られるように、試料12は、丸いピークのプリズム及び部分球よりも低い解像度を有する。解像度が低いほど、光を分配し、欠陥の伝達を低減する、より優れた能力を示し得る。
図49Aは、あるサイズの不透明円及び不透明円形バンドを含む、制御解像度ターゲットの写真である。図49Bは、開示された光学フィルムの試料12を通した制御解像度ターゲットの写真である。図49Cは、丸みを帯びたピークの不規則プリズム光学フィルムを通した制御解像度ターゲットの写真である。図44B及び44Cに見られるように、試料12は、丸みを帯びたピークのプリズム光学フィルム(49C)よりも低い解像度を有する。
図50は、透明背景79上に配置された不透明円78を含む制御解像度ターゲット77の図である。不透明円78は直径Dを有してもよい。ターゲット77は、不透明円78の直径Dのコントラストを決定するために使用されてもよい。コントラストは、(Max-Min)/(Max+Min)として定義することができ、Maxは最大強度であり、Minは最小強度であるる。
図51Aは、様々な直径Dの不透明円78についての不透明円78のコントラストのグラフである。図51Bは、制御解像度ターゲット77なしの、図51Aのグラフの拡大図である。図51Cは、3つのサイズ範囲についての図51Bの棒グラフである。図51A~Cに見られるように、試料12(「BA」)は、丸みを帯びたピークのプリズム光学フィルム(「SA」)又は部分球光学フィルム(「BGD」)よりも小さいコントラストを有する。例えば、試料12の微細構造化表面を通して見た不透明円78のコントラストは、Dが約0.8mmであるとき0.25未満であり、Dが約0.4mmであるとき約0.05未満である。これとは全く異なり、図49Aのように、微細構造化表面がない状態で見た不透明円78のコントラストは、Dが約0.8mmのとき約0.7超であり、Dが約0.4mmであるとき約0.7超である。
図52は、透明背景82上に不透明円形バンド81を含む制御解像度ターゲット80の図である。不透明円形バンド81は、不透明リング領域84によって囲まれた内側透明円形領域83を画定する。不透明リング領域84は、内径D及び外径D1を有する。円形バンド81のコントラストは、(I1-I2)/(I1+I2)として定義することができ、I1は透明円形領域83の平均強度であり、I2は不透明リング領域84の平均強度である。ターゲット80は、固定外径D1での様々な内径Dについての円形バンド81のコントラストを決定するために使用されてもよい。
図53は、外径D1が2mmであるときの、3つの異なるサイズの不透明円形バンド81の断面を画定する画素範囲にわたる強度のグラフである。図53から分かるように、丸みを帯びたピークのプリズム(「SA」)及び部分球(「BGD」)は、不透明円形バンド81の断面の2つの不透明リング領域84に対応する2つの谷部を有する。対照的に、試料12(「BA」)は、透明円形領域83に対応する単一の谷部を有する。図49A~Cに戻って参照すると、コントラストは、試料12に対応する図49Bの中心で最大である一方、対照例及び丸みを帯びたピークのプリズムにそれぞれ対応する図49A及び49Cの不透明リング領域において最大である。
図54Aは、外径D1が2mmであるときの、不透明リング領域84の様々な内径Dについての不透明円形バンド81のコントラストのグラフである。図54Bは、制御解像度ターゲット80なしの、図51Aの拡大図である。図54A及び54Bに見られるように、試料12(「BA」)は、対照例、丸みを帯びたピークのプリズム(「SA」)、及び部分球(「BGD」)よりも、内径範囲全体にわたって低いコントラストを有する。例えば、試料12の微細構造化表面を通して見た不透明円形バンド81のコントラストは、Dが約0.15mm~約0.8mmの範囲で0未満であり、円形バンド81のコントラストの大きさは、Dが約0.8mmから少なくとも約0.4mmまで減少するにつれて増大する。対照的に、微細構造化表面のない状態で見た不透明円形バンド81のコントラストは、図49Aのように、Dが約0.15mm~約0.8mmの範囲で0超である。
デバイスの利得及び転向特性
図55と同様の試験システムを使用し、上述の光透過特性を用いて、試料12の微細構造化表面、丸みを帯びたピークのプリズム、及び部分球を含む光学フィルムの利得及び転向特性を決定することができる。試験システムでは、LEDは光をライトガイド内に放射することができる。上記の光学フィルムなどの試験フィルムをライトガイド上に置き、反射偏光子を試験フィルム上に配置した。反射偏光子は、その底部に曇ったPETを積層させた。試験フィルムの上に配置したコノスコープが、試験フィルムの完全な角度出力を測定した。出力を分析して、各フィルムの軸上利得及び転向効果を判定した。軸上利得測定は、反射偏光子のみでの軸方向ライトガイド出力と、試験フィルム及び反射偏光子での軸方向ライトガイド出力との比較である。
図56A~Cはそれぞれ、拡散反射体と、部分球光学フィルム(図56A)、丸みを帯びたピークのプリズム(図56B)、及び試料12の微細構造化表面(図56C)とを伴う、ライトガイドのコノスコーププロットである。図56A~56Cに見られるように、試料12の微細構造化表面についてのピーク光角度は、部分球光学フィルム及び丸みを帯びたピークのプリズム光学フィルムについてのピーク光角度よりも小さい。部分球光学フィルムの利得は、2.39であり、丸みを帯びたピークのプリズム光学フィルムの利得は2.56であり、試料12の微細構造化表面の利得は2.49であった。
図57A~Cはそれぞれ、鏡面反射体と、部分球光学フィルム(図56A)、丸みを帯びたピークのプリズム(図56B)、及び試料12の微細構造化表面(図56C)と、を伴うライトガイドのコノスコーププロットである。図57A~57Cに見られるように、試料12の微細構造化表面についてのピーク光角度は、部分球光学フィルム及び丸みを帯びたピークのプリズム光学フィルムについてのピーク光角度よりも小さい。部分球光学フィルムの利得は、3.15であり、丸みを帯びたピークのプリズム光学フィルムの利得は4.26であり、試料12の微細構造化表面の利得は5.02であった。
図58A及び58Bは、図56A~C及び図57A~Cの試験フィルムの光角度の棒グラフである。図58A及び58Bに見られるように、試料12の微細構造化表面のピーク光角度は、拡散反射体及び鏡面反射体の両方の場合で低くなった。例えば、拡散反射体を伴う試料12の微細構造化表面は、約45度未満の光ピークに対応する角度を有する一方、鏡面反射体を伴う試料12の微細構造化表面は、約40度未満の光ピークに対応する角度を有していた。
図59A~Dは、拡散反射体を伴うライトガイド(図59A)、拡散反射体及び吸収偏光子を伴うライトガイド(図59B)、鏡面反射体を伴うライトガイド(図59C)、並びに鏡面反射体及び吸収偏光子を伴うライトガイド(図59D)の出力のコノスコーププロットである。
図60Aは、拡散反射体の場合の、図56A~C及び図59A~Bのコノスコピックプロットについての輝度断面のグラフである。図60Aに見られるように、試料12は最低の光ピーク角度を有した。図60Bは、鏡面反射体の場合の、図57A~C及び図59C~Dのコノスコーププロットについての輝度断面のグラフである。図60Bに見られるように、試料12は最低の光ピーク角度を有した。低いピーク角度は典型的には、高い軸上利得及び視野角と相関し、等価な軸上視野特性の場合には、より薄いフィルムをもたらすことができる。
図61Aは、図56A~C及び図59A~Bのコノスコピックプロットについての、各プロットにおけるそれぞれのピーク光角度での方位角輝度断面のグラフである。図61Aに見られるように、試料12は、最も低い方位角の輝度断面を有した。図61Bは、図57A~C及び図59C~Dのコノスコピックプロットについての、各プロットにおけるそれぞれのピーク光角度での方位角輝度断面のグラフである。図61Bに見られるように、試料12は、最も低い方位角の輝度断面を有した。
以下は、本開示の実施形態である。
実施形態1は、微細構造化表面の約10%超を形成する、複数の不規則に配置された平面部分を備え、微細構造化表面が、第1の方向に沿って延在するライトガイドの放射面に配置され、放射面からライトガイドを出る光の、放射面に対して垂直かつ第1の方向に対して平行である第1の平面における断面が、第1の光分布である場合、ライトガイドによって放射された光が微細構造化表面を透過した透過光の第1の平面における断面が第2の光分布であり、第1の光分布は、微細構造化表面の法線に対し約60度超である第1の角度をなす第1のピークを含み、第2の光分布は、微細構造化表面の法線に対し約5度~約35度の範囲内である第2の角度をなす第2のピークを含む、微細構造化表面である。
実施形態2は、第1の角度が、微細構造化表面の法線に対し約70度超である、実施形態1に記載の微細構造化表面である。
実施形態3は、第1の角度が、微細構造化表面の法線に対し約75度超である、実施形態1に記載の微細構造化表面である。
実施形態4は、第2の角度が、微細構造化表面の法線に対し約5度~約30度の範囲内にある、実施形態1に記載の微細構造化表面である。
実施形態5は、第2の角度が、微細構造化表面のる法線に対し約10度~約30度の範囲内にある、実施形態1に記載の微細構造化表面である。
実施形態6は、互いに反対側である第1の主表面及び第2の主表面を含み、第1の主表面が、請求項1に記載の微細構造化表面を含む、光学フィルムである。
実施形態7は、複数の不規則に配置されたファセットと、互いに反対側である第1及び第2の主面とを備え、垂直入射するコリメート光が第1の主面に入射する場合、微細構造化表面は、第1の全透過率を有し、垂直入射するコリメート光が第2の主面に入射する場合、微細構造化表面は、第2の全透過率と、法線方向に沿った軸上値及びピーク値を有する光分布と、を有し、第2の全透過率は第1の全透過率よりも高く、軸上値に対するピーク値の比が約1.2超である、微細構造化表面である。
実施形態8は、軸上値に対するピーク値の比が、約1.5超である、実施形態7に記載の微細構造化表面である。
実施形態9は、軸上値に対するピーク値の比が、約2超である、実施形態7に記載の微細構造化表面である。
実施形態10は、軸上値に対するピーク値の比が、約15超である、実施形態7に記載の微細構造化表面である。
実施形態11は、第1の全透過率と第2の全透過率との差が、約10%超である、実施形態7に記載の微細構造化表面である。
実施形態12は、第1の全透過率と第2の全透過率との差が、約20%超である、実施形態7に記載の微細構造化表面である。
実施形態13は、第1の全透過率と第2の全透過率との差が、約30%超である、実施形態7に記載の微細構造化表面である。
実施形態14は、互いに反対側である第1の主表面及び第2の主表面を含み、第1の主表面が実施形態7に記載の微細構造化表面を含む光学フィルムである。
実施形態15は、微細構造化表面が、1ミリメートル当たりのD線対の空間周波数を有する対象物から約1mmの間隔を置いているとき、微細構造化表面を通して見た対象物のコントラストは、Dが1.5のときは約0.1未満であり、Dが2.5のときは約0.05未満である、微細構造化表面である。
実施形態16は、微細構造化表面の非存在下で見た円のコントラストは、Dが約1.5ミリメートルであるとき、及びDが約2.5ミリメートルであるときは約0.7超である、実施形態15に記載の微細構造化表面である。
実施形態17は、微細構造化表面の非存在下で見た円のコントラストは、Dが約1.5ミリメートルであるとき、及びDが約2.5ミリメートルであるときは約0.8超である、実施形態15に記載の微細構造化表面。
実施形態18は、微細構造化表面が、対象物から約1mmの間隔を置いているとき、対象物がランバート光源によって照射される、実施形態15に記載の微細構造化表面である。
実施形態19は、対象物が、微細構造化表面とランバート光源との間に配置される、実施形態18に記載の微細構造化表面である。
実施形態20は、微細構造化表面と対象物との間の約1mmの間隔が、光学的に透明な板状基材でほぼ充填される、実施形態15に記載の微細構造化表面である。
実施形態21は、光学的に透明な板状基材が光学的に透明ガラスから作製される、実施形態20に記載の微細構造化表面である。
実施形態22は、微細構造化表面であって、複数の不規則に配置されたファセットを備え、微細構造化表面が、エッジを有するナイフエッジターゲットから約1mmの間隔で離間されている場合、微細構造化表面を通して見たエッジの変調伝達関数は、Dが1.5であるときは約0.1未満であり、約0.5線対/ミリメートルの空間周波数で約0.5未満である、微細構造化表面である。
実施形態23は、微細構造化表面を通して見たエッジの変調伝達関数が、1ミリメートル当たり約1線対の空間周波数で約0.1未満である、実施形態22に記載の微細構造化表面である。
実施形態24は、微細構造化表面を通して見たエッジの変調伝達関数が、1ミリメートル当たり約0.5線対の空間周波数で約0.8未満である、実施形態22に記載の微細構造化表面である。
実施形態25は、複数の不規則に配置されたファセットを備え、微細構造化表面が、透明背景上の直径Dの不透明円を含むターゲットから約1mmの間隔で離間されている場合、微細構造化表面を通して見た円のコントラストは、Dが約0.8ミリメートルであるときに0.25未満であり、Dが約0.4ミリメートルであるときに約0.05未満である、微細構造化表面である。
実施形態26は、微細構造化表面の非存在下で見た円のコントラストが、Dが約0.8ミリメートルであり、及びDが約0.4ミリメートルであるときに、約0.7超である、実施形態25に記載の微細構造化表面である。
実施形態27は、複数の不規則に配置されたファセットを備え、微細構造化表面が、透明背景上にあって内径D及び約0.2ミリメートルの外径D1を有する不透明リング領域によって囲まれた内側透明円形領域を画定する不透明円形バンドを含むターゲットから約1mmの間隔で離間されており、かつ不透明円形バンドを、微細構造化表面を通して見た場合、円形領域は平均強度I1を有し、リング領域は平均強度I2を有し、(I1-I2)/(I1+I2)として定義される円形バンドのコントラストは、Dが約0.15ミリメートル~約0.8ミリメートルの範囲でゼロ未満である、微細構造化表面である。
実施形態28は、微細構造化表面の非存在下で見た円形バンドのコントラストが、Dが約0.15ミリメートル~約0.8ミリメートルの範囲で0超である、実施形態27に記載の微細構造化表面である。
実施形態29は、Dが約0.8ミリメートルから少なくとも約0.4ミリメートルまで減少するにつれて、円形バンドのコントラストの大きさが増加する、実施形態27に記載の微細構造化表面である。
実施形態30は、エッジライト型光学システムであって、光源と、側面及び放射面を有するライトガイドであって、光源から放射される光が、側面において前記ライトガイドに入射し、放射面から前記ライトガイドを、放射面の法線に対し約60度超である第1の角度をなす第1の光ピークをもって出射する、ライトガイドと、放射面に配置された微細構造化表面であって、複数の不規則に配列されたファセットを含み、各ファセットが、微細構造化表面の平面に対して傾斜を画定する中央部分を含み、ファセットの中央部分の約20%未満が、約40度未満の傾斜を有する、微細構造化表面と、微細構造化表面と放射面との間に配置された反射偏光子であって、第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、第1の偏光状態と直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過するように構成されており、光源から放射された光の少なくとも一部が、放射面の法線に対し約50度未満である第2の角度をなす第2の光ピークをもって光学システムから出射する、反射偏光子と、を備える、エッジライト型光学システムである。
実施形態31は、反射偏光子の反対側のライトガイド上に配置された拡散反射体を更に備え、第2の角度が、放射面の法線に対し約45度未満である、実施形態30に記載の光学系である。
実施形態32は、反射偏光子の反対側のライトガイド上に配置された鏡面反射体を更に備え、第2の角度が、放射面の法線に対し約40度未満である、実施形態30に記載の光学系である。
本発明のさまざまな実施形態を説明した。これらの実施形態及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に含まれる。