JP7291284B1 - 車上装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存の地上子を利用して、コストを抑制した、係員が乗務するGoA2.5相当の自動運転の技術を実現すること。【解決手段】車上装置10は、係員が乗務し、停止制御の種別の地上子を含む複数の種別の地上子が設置された軌道を走行する自動運転の列車に搭載される。車上装置10において、速度制御部169は、種別が停止制御の地上子が検出・特定された際、(1)特定地上子の種別が停止制御でない場合には、現在走行位置と線路条件情報210とに基づく進路開通時の進行パターンに沿った速度制御を行い、(2)特定地上子の種別が停止制御の場合には、所与の条件に基づいて、a)進行パターンに沿った速度制御、又は、b)現在走行位置と線路条件情報210と地上子属性情報200の特定地上子の属性情報とに基づく停止限界点までに停止可能な停止パターンに沿った速度制御を行う。【選択図】図15

Description

本発明は、列車に搭載される車上装置に関する。
ATS装置の一例として、ATS-P形と呼ばれるトランスポンダ式の地上子を用いて各種の情報を車上側に送信し、車上側で速度制御パターンを作成して列車の速度制御を行う技術が知られている(例えば、特許文献1の[0004]~[0005]段落を参照)。
また、無線通信を利用して車上側と地上側とで必要な情報を送受し、列車の在線検知や速度制御を行う技術も知られている。無線通信を利用することによれば、急な信号現示変化等があっても、速やかに車上に伝送することができる。
一方で、鉄道事業者においては、より一層の業務の効率化・省力化が必要となっており、近年では、一般の路線への自動運転の導入が検討されている。
ここで、鉄道における自動運転は、乗務員の乗務形態によってレベル0~レベル4の自動化レベル(GoA:Grades of Automation)に分類されている。そのうち、動力車操縦者(動力車操縦者免許を持つ者;運転士)が乗務しないレベル3やレベル4の自動運転に対しては、踏切がなく、人等が容易に立ち入れない構造(例えば高架構造等)であること、駅にはホームドアがあること、列車間の間隔を確保する装置からの制御情報が指示する運転速度以下に目標速度を設定し、円滑に列車の速度を制御する等の運転保安上必要な機能を有する自動列車運転装置(ATO:Automatic Train Operation)が設置されていること、等の要件が課されることから、広く一般の路線に導入するのは難しい。
一方で、我が国は、現在、人口減少社会を迎えており、鉄道分野においても運転士や保守作業員等の人材の確保、養成が困難になってきている。特に経営環境の厳しい地方鉄道においては、人材不足が深刻な問題となっている。このような背景から、踏切がなく、人等が容易に立ち入れない構造であることや、駅にはホームドアがあること、等の一部の要件を緩和することで、一般の路線に向けたGoA2.5と呼ばれる添乗員付き自動運転の導入が検討されている。GoA2.5の自動運転では、添乗員である係員は乗客の避難誘導に加えて緊急停止操作を行うものとし、且つ、列車間の間隔を確保する装置としては、上記したATS-P形相当の速度照査式ATS装置や無線通信を利用する等するものとして、運転士が乗務する場合と同等の安全性を確保することとしている。
特開2013-138603号公報
しかし、既存の地上子がトランスポンダ式ではない路線では、トランスポンダ式の地上子に置き換えて速度照査式ATS装置に係る全般システムを刷新するためには多額のコストが必要となり、地方の閑散線区等、導入が困難な路線も少なくない。また、無線通信を利用する場合も、列車が走行する軌道上の全域で車上側と地上側とで確実な無線通信を連続させるためには、専用の無線設備の設置が不可欠である。よって、コスト面の問題が同様に存在する。
本発明が解決しようとする課題は、トランスポンダ式の地上子のような様々な情報を地上から車上に送信可能な地上子ではない既存の地上子を利用して、コストを抑制した、係員が乗務するGoA2.5相当の自動運転の技術を実現することである。
上記課題を解決するための第1の発明は、停止制御の種別の地上子を含む複数の種別の地上子が設置された軌道を走行する動力車操縦者ではない係員が乗務する自動運転の列車に搭載される車上装置であって、前記地上子を検出する地上子検出手段(例えば、図1の車上子11)と、列車走行位置の経緯度を測位する測位手段(例えば、図15の測位部120)と、前記地上子毎に、当該地上子の設置位置経緯度と、当該地上子の設置位置キロ程と、当該地上子の前記種別と、当該地上子の前記種別が前記停止制御の場合に当該地上子に対応する鉄道設備に係わる停止限界点の情報を含む停止制御情報と、を含む属性情報を記憶する属性情報記憶手段(例えば、図15の車上記憶部190、図2の地上子属性情報200)と、速度制限箇所に係わる制限速度および始終端位置のキロ程と、線路の勾配箇所に係わる勾配の値および始終端位置のキロ程と、を含む線路条件情報を記憶する線路条件情報記憶手段(例えば、図15の車上記憶部190、図3の線路条件情報210)と、前記地上子検出手段による検出がなされた際に、前記測位手段から取得した測位経緯度と、前記属性情報記憶手段に記憶されている前記地上子毎の設置位置経緯度と、に基づいて、当該検出された地上子を特定地上子として特定する特定手段(例えば、図15の地上子特定部162)と、前記特定地上子の前記属性情報の当該地上子の設置位置キロ程を特定時基点とし、前記特定時基点からの列車走行位置を現在走行位置として算出する走行位置算出手段(例えば、図15の走行位置算出部161)と、前記特定手段により前記特定地上子が特定された際に、(1)当該特定地上子の前記種別が前記停止制御でない場合には、前記現在走行位置と前記線路条件情報とに基づく進路開通時の進行パターンに沿った速度制御を行い、(2)当該特定地上子の前記種別が前記停止制御の場合には、所与の条件に基づいて、a)前記進行パターンに沿った速度制御、又は、b)前記現在走行位置と前記線路条件情報と前記特定地上子の前記属性情報とに基づく前記停止限界点までに停止可能な停止パターンに沿った速度制御を行う速度制御手段(例えば、図15の速度制御部169)と、を備える車上装置である。
第1の発明によれば、車上装置は、地上子毎の属性情報や線路条件情報を記憶する。そして、種別が停止制御でない地上子を検出・特定した際には、進路開通時の進行パターンに沿った速度制御を行う。一方、種別が「停止制御」であり、鉄道設備と対応させて設置された地上子を検出・特定した際には、所与の条件に基づいて、進行パターンに沿った速度制御、又は、当該鉄道設備に係わる停止限界点までに停止可能な停止パターンに沿った速度制御を行う。これによれば、トランスポンダ式の地上子のような様々な情報を地上から車上に送信可能な地上子ではない既存の地上子を利用して、コストを抑制した、係員が乗務するGoA2.5相当の自動運転を実現することが可能となる。
また、第2の発明は、上記の車上装置において、前記鉄道設備は、信号機であり、前記車上装置と前記信号機の現示を制御する信号制御装置とは、公衆無線通信による無線通信が可能であり、当該無線通信により前記信号機の現示の情報が前記信号制御装置から前記車上装置に送信され、前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記信号制御装置から受信した現示の情報、前記無線通信の途絶、および、前記無線通信の回復、のうちの少なくとも1つに係る条件に基づき前記a)又は前記b)の速度制御を行う、車上装置である。
第2の発明によれば、公衆無線通信による無線通信を利用して、信号機の現示を制御する信号制御装置から車上装置に向けて信号機の現示の情報が送信される。車上装置は、種別が停止制御の地上子を検出・特定した際に、信号制御装置から受信した現示の情報や、無線通信の途絶および回復の状況に応じて、進行パターンに沿った速度制御、又は、停止パターンに沿った速度制御を行うことができる。これによれば、公衆無線通信による無線通信を利用して、コストを抑制した、係員が乗務するGoA2.5相当の自動運転を実現することが可能となる。
また、第3の発明は、上記の車上装置において、前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記信号制御装置から受信した現示の情報が進行現示のときは前記a)の速度制御を行い、停止現示のときは前記b)の速度制御を行う、車上装置である。
第3の発明によれば、信号制御装置からの信号機の現示の情報に応じて、進行パターンに沿った速度制御、又は、停止パターンに沿った速度制御を行うことができる。
また、第4の発明は、上記の車上装置において、前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記無線通信が途絶したときは前記b)の速度制御を行い、当該b)の速度制御によって列車速度が前記係員による緊急停止の操作に応じて即時に停止可能な所定の徐行速度以下となったときに当該徐行速度で進行する制御を行う、車上装置である。
第4の発明によれば、車上装置は、信号制御装置との無線通信が途絶したときには、停止パターンに沿った速度制御を行うことができる。そして、ここでの速度制御によって列車速度が徐行速度以下まで減速されたときには、当該徐行速度で列車を進行させることが可能となる。
また、第5の発明は、上記の車上装置において、前記鉄道設備は、踏切であり、前記車上装置と前記踏切を制御する踏切制御装置とは、公衆無線通信による無線通信が可能であり、前記踏切制御装置は、前記列車の前記踏切に係る所定の踏切始動点への進入検知に応じて踏切警報通知を前記車上装置に送信する踏切警報通知手段(例えば、図1の踏切制御装置61)と、踏切支障が発生した場合に踏切支障通知を前記車上装置に送信する踏切支障通知手段(例えば、図1の踏切制御装置61)と、を有しており、前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記踏切制御装置からの前記踏切警報通知の受信、前記踏切制御装置からの前記踏切支障通知の受信、前記無線通信の途絶、および、前記無線通信の回復、のうちの少なくとも1つに係る条件に基づいて、前記a)又は前記b)の速度制御を行う、車上装置である。
第5の発明によれば、公衆無線通信による無線通信を利用して、踏切を制御する踏切制御装置から車上装置に向けて踏切警報通知や踏切支障通知が送信される。車上装置は、種別が停止制御の地上子を検出・特定した際に、踏切制御装置からの踏切警報通知の受信、踏切支障通知の受信、無線通信の途絶および回復の状況に応じて、進行パターンに沿った速度制御、又は、停止パターンに沿った速度制御を行うことができる。これによれば、公衆無線通信による無線通信を利用して、コストを抑制した、係員が乗務するGoA2.5相当の自動運転を実現することが可能となる。
また、第6の発明は、上記の車上装置において、前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記踏切制御装置から前記踏切警報通知を受信したときは、前記a)の速度制御を行い、前記踏切制御装置から前記踏切警報通知を受信していないときは、前記b)の速度制御を行う、車上装置である。
第6の発明によれば、踏切制御装置から踏切警報通知を未受信の間は停止パターンに沿った速度制御を行い、踏切警報通知を受信している間は進行パターンに沿った速度制御を行うことができる。
また、第7の発明は、上記の車上装置において、前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記踏切制御装置から前記踏切支障通知を受信したときは、前記踏切警報通知の受信の有無に係わらず、前記b)の速度制御を行う、車上装置である。
第7の発明によれば、踏切制御装置から踏切支障通知を受信したときには、停止パターンに沿った速度制御を行うことができる。
また、第8の発明は、上記の車上装置において、前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記無線通信が途絶したときは前記b)の速度制御を行い、当該b)の速度制御によって列車速度が前記係員による緊急停止の操作に応じて即時に停止可能な所定の徐行速度以下となったときに当該徐行速度で進行する制御を行う、車上装置である。
第8の発明によれば、車上装置は、踏切制御装置との無線通信が途絶したときには、停止パターンに沿った速度制御を行うことができる。そして、ここでの速度制御によって列車速度が徐行速度以下まで減速されたときには、当該徐行速度で列車を進行させることが可能となる。
自動運転システムの全体構成例の概要を示す図。 地上子属性情報のデータ構成例を示す図。 線路条件情報のデータ構成例を示す図。 地上子特定処理を説明する図。 速度制御処理を説明するための図。 (1)式を説明するための図。 速度制御処理を説明するための他の図。 速度制御処理を説明するための他の図。 例1の速度制御処理を説明するための図。 例1の速度制御処理を説明するための他の図。 例1の速度制御処理を説明するための他の図。 例2の速度制御処理を説明するための図。 例2の速度制御処理を説明するための他の図。 例2の速度制御処理を説明するための他の図。 例3の速度制御処理を説明するための図。 例3の速度制御処理を説明するための他の図。 例3の速度制御処理を説明するための他の図。 例3の速度制御処理を説明するための他の図。 例4の速度制御処理を説明するための図。 例4の速度制御処理を説明するための他の図。 例4の速度制御処理を説明するための他の図。 例5の速度制御処理を説明するための図。 例5の速度制御処理を説明するための他の図。 例5の速度制御処理を説明するための他の図。 例6の速度制御処理を説明するための図。 例6の速度制御処理を説明するための他の図。 例6の速度制御処理を説明するための他の図。 例6の速度制御処理を説明するための他の図。 車上装置の構成例を示すブロック図。 列車制御処理の流れを示すフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
[全体構成]
図1は、本実施形態における自動運転システムの全体構成例の概要を示す図である。本実施形態の自動運転システムでは、列車1の自動運転として、自動化レベルがGoA2.5相当の自動運転(添乗員付き自動運転)を行う。GoA2.5相当の自動運転では、動力車操縦者(以下「運転士」という)ではない係員が列車1の前頭部に乗務する。係員は、ドアの開閉、列車1の出発時に要求される確認操作、緊急停止の操作、避難誘導等を行う。
より詳細には、本実施形態の自動運転は、既存のATS(Automatic Train Stop)装置を利用することで実現される。すなわち、列車1には、車体底部に車上子11が設けられている。そして、列車1に搭載される車上装置10は、軌道2に沿って設置された地上子3を車上子11を介して検出することで、列車1が当該地上子3の設置位置を通過したことを検出する。
ここで、地上子3は、トランスポンダ式の地上子のような様々な情報を地上から車上に送信可能な地上子ではなく、地上から車上に送信できる情報が限られた地上子、例えば共振回路よりなる受動型の地上子であり、一例を挙げるとATS-S形と呼ばれるATS装置の地上子である。
本実施形態の地上子3には、種別が「位置補正」である地上子と、種別が「停止制御」である地上子と、の2種類がある。そのうちの種別が「停止制御」である地上子は、地上に設備されている所定の鉄道設備のそれぞれと対応させて設置されている。
ここでいう所定の鉄道設備は、列車運行に関する保安状況等によって内方への進入を禁止する場合がある運転保安用の鉄道設備であり、内方への進入が禁止される場合にその旨の信号が、対応する地上子から発せられる鉄道設備である。本実施形態では、信号機5と、踏切6と、を想定している。すなわち、種別が「停止制御」である地上子は、列車1が走行する線区内の全ての信号機5および踏切6それぞれ毎に、対応する信号機5又は踏切6の手前の所定位置に設置される。以下、対応する信号機5又は踏切6のことを、当該地上子の「停止制御対象」ともいう。
また、自動運転システムは、信号機5の信号制御装置51と、踏切6の踏切制御装置61と、を含む。
信号制御装置51は、信号機5の制御装置であり、当該信号機5の現示を制御する。当該信号機5の現示が停止現示の場合に、列車1の内方への進入が禁止される。信号制御装置51は、制御対象とする1又は複数の信号機5の近傍に設置されている。本実施形態では理解を容易にするために、信号制御装置51は制御対象とする信号機5を1つとして説明する。
そして、本実施形態では、信号制御装置51は、公衆無線通信による無線通信を行うための無線通信モジュールを内蔵しており、通信圏内の車上装置10に向けて、信号機5の現示の情報(信号現示情報)を随時送信する制御を行う。例えば、信号制御装置51は、所定の送信周期で信号現示情報を繰り返し送信する。その際、信号制御装置51は、車上装置10側でどの信号機5の信号制御情報なのかを識別できるように、当該信号機5の識別情報とともに信号現示情報を送信する。識別情報には、当該信号機5の名称や、当該信号機5に割り当てられたID番号等を用いることができる。
また、車上装置10側では、信号現示情報の受信を利用して、当該信号制御装置51との無線通信の通信状態を検出する。具体的には、車上装置10において通信状態検出部165(図15を参照)が、同じ識別情報の付された信号現示情報の受信が途切れたことをもって該当する信号制御装置51との無線通信の途絶を検出し、当該識別情報の付された信号現示情報の受信が再開したことをもって当該信号制御装置51との途絶した無線通信の回復を検出する。
踏切制御装置61は、踏切6を制御する制御装置であり、踏切警報機62、踏切しゃ断機63、踏切支障報知装置(不図示)、踏切制御用の列車検知装置(不図示)、等とともに、当該踏切6の踏切保安装置を構成する。踏切制御装置61は、制御対象の踏切6の近傍に設置される。
踏切支障報知装置は、踏切道に対する支障(踏切支障)の発生を報知するためのものであり、非常ボタン64や不図示の障害物検知装置、特殊信号発光機65等で構成される。踏切制御装置61は、非常ボタン64が押された場合や、障害物検知装置が踏切道内の障害物を検知した場合に、踏切6への進入を禁止すべく特殊信号発光機65を点灯させることで踏切支障を報知する制御を行う。
踏切制御用の列車検知装置は、軌道2上の列車検知の始動点(踏切始動点)および終止点(踏切終止点)に設置された踏切制御子や重畳軌道回路を有して構成され、踏切始動点/踏切終止点に列車1が位置したことを進入/進出として検知する。踏切制御装置61は、列車検知装置が踏切始動点への列車1の進入を検知した場合に踏切警報を開始し、列車検知装置が踏切終止点からの列車1の進出を検知した場合に踏切警報を解除する制御を行う。
そして、本実施形態では、踏切制御装置61は、公衆無線通信による無線通信を行うための無線通信モジュールを内蔵しており、踏切警報を開始した際に、通信圏内の車上装置10に向けて踏切警報通知の送信制御を開始する。そして、踏切制御装置61は、踏切警報を解除するまでの間、所定の送信周期で踏切警報通知を繰り返し送信する。その際、踏切制御装置61は、車上装置10側でどの踏切6の踏切警報通知なのかを識別できるように、当該踏切6の識別情報(名称やID番号)とともに踏切警報通知を送信する。踏切警報を解除した場合は、踏切警報通知の送信を終了する。また、踏切制御装置61は、踏切支障が発生した際には、踏切支障通知を送信する制御を行う。具体的には、踏切制御装置61は、特殊信号発光機65を点灯させた後、踏切支障の解消を受けて消灯させるまでの間、踏切6の識別情報とともに踏切支障通知を所定の送信周期で繰り返し送信する。
また、踏切制御装置61は、通信圏内の車上装置10に向けて、少なくとも踏切6の識別情報を通信状態の検出用に別途所定周期で繰り返し送信する制御を行う。車上装置10において通信状態検出部165(図15を参照)は、同じ識別情報の受信が途切れたことをもって該当する踏切制御装置61との無線通信の途絶を検出し、当該識別情報の受信が再開したことをもって当該踏切制御装置61との途絶した無線通信の回復を検出する。
そして、列車1の車上装置10は、上記した地上子3の検出と併せて、信号制御装置51からの信号現示情報の受信、および、踏切制御装置61からの踏切警報通知や踏切支障通知の受信を利用して、列車1の自動運転を実現する。そのために、車上装置10は、公衆無線通信による無線通信を行うための無線通信モジュールを内蔵している。そして、列車1が信号制御装置51に係る速度制御区間に入ったときには少なくとも当該信号制御装置51からの信号現示情報を受信し、列車1が踏切制御装置61に係る速度制御区間に入ったときには少なくとも当該踏切制御装置61からの踏切警報通知や踏切支障通知を受信する。
また、車上装置10は、列車1の走行位置(列車走行位置)の経緯度を測位する測位部120(図15を参照)と、軌道2上の列車1の列車走行位置を現在走行位置として随時算出する走行位置算出部161(図15を参照)と、を備える。
測位部120は、GPS(Global Positioning System)に代表されるGNSS(Global Navigation Satellite System)による測位を行う。また、測位部120は、GNSS信号に基づいて速度を検出する。例えば、測位部120は、GPS衛星7からの信号を受信するGPSモジュールやGPS受信機等によって実現できる。GPS以外のGalileoや北斗衛星測位システム(BeiDou)を利用することとしてもよい。後述する地上子特定処理では、車上装置10は、測位部120により得られる測位箇所の地球表面座標(緯度・経度)を、測位経緯度として取得する。
走行位置算出部161は、車輪又は車軸の回転や、測位部120で検出された位置や速度に応じて列車1の現在走行位置を算出する。本実施形態では、走行位置算出部161は、回転検出器13の検出信号に基づいて、最後に検出・特定した地上子3の設置位置キロ程(図2を参照)を特定時基点とする特定時基点からの走行距離を、現在走行位置として随時算出することとして説明する。具体的には、走行位置算出部161は、地上子を検出・特定した際に、算出・更新している現在走行位置(特定時基点からの走行距離)をゼロにリセットする。そして、回転検出器13の検出信号に基づく列車1の走行距離を加算することで、特定時基点からの走行距離を随時算出する。回転検出器13は、車輪又は車軸の回転を検出するパルスジェネレータや速度発電機等で構成される。算出した現在走行位置195は、走行位置情報193(図15を参照)に含めて随時更新・記憶される。
また、本実施形態では、走行位置算出部161は、現在走行位置(特定時基点からの走行距離)の随時算出と並行して、線路起点からの走行距離(キロ程)を算出する。線路起点からの線路距離によって示される軌道2上の位置のことを「キロ程」という。そして、地上子を検出・特定した際に、算出・更新している現在走行位置(キロ程)を当該地上子の設置位置キロ程(図2を参照)で更新する。算出した現在走行位置キロ程197は、走行位置情報193(図15を参照)に含めて随時更新・記憶される。
また、車上装置10には、検出対象の地上子(列車1の走行線区に設置された全ての地上子3)の属性情報を記憶する地上子属性情報200と、当該走行線区に係る線路条件情報210と、が記憶されている。そして、車上装置10は、車上子11による地上子3の検出のたびに、1)当該地上子3が検出対象の地上子3のうちの何れに該当するのかを特定する地上子特定処理と、2)特定された地上子(特定地上子)の属性情報をもとに列車1の現在走行位置を補正する走行位置補正処理と、3)特定地上子の種別に従って、進行パターン又は停止パターンに沿った列車1の速度制御を行う速度制御処理と、を実行する。
1.地上子属性情報について
図2は、地上子属性情報200のデータ構成例を示す図である。図2に示すように、地上子属性情報200は、検出対象の地上子毎に、該当する地上子を識別するための地上子番号201と、当該地上子の属性情報203とを対応付けて設定したデータテーブルである。
属性情報203には、設置位置経緯度と、設置位置キロ程と、種別とが設定される。設置位置経緯度には、該当する地上子の設置位置の経緯度が設定される。設置位置キロ程には、当該地上子の軌道2上の位置を表す設置位置のキロ程が設定される。種別には、「位置補正」又は「停止制御」が設定される。
また、属性情報203には、当該地上子の種別が「停止制御」の場合に、停止制御情報が設定される。停止制御情報は、当該地上子に対応する鉄道設備(当該地上子の停止制御対象)の識別情報である対象識別情報と、当該地上子の停止制御対象に係わる停止限界点距離と、を含む。停止限界点距離は、当該地上子から、当該地上子の停止制御対象に係わる停止限界点までの距離を示す。なお、停止限界点距離にかえて、停止限界点のキロ程を記憶しておく構成としてもよい。
例えば、図2における地上子番号「No.3」の地上子の属性情報203には、停止制御対象が第3信号機であることを示す対象識別情報と、3番(No.3)の地上子から第3信号機に係わる停止限界点までの距離を示す停止限界点距離と、を含む停止制御情報が設定される。
また、図2における地上子番号「No.2」の地上子の属性情報203には、停止制御対象が第2踏切であることを示す対象識別情報と、2番(No.2)の地上子から第2踏切に係わる停止限界点までの距離を示す停止限界点距離と、を含む停止制御情報が設定される。
2.線路条件情報について
図3は、線路条件情報210のデータ構成例を示す図である。線路条件情報210は、線路条件箇所の情報として、鉄道技術基準第57条の解釈基準5に基づく線路の条件に応じた速度制限箇所に係わる制限速度および始終端位置と、線路の勾配箇所に係わる勾配の値および始終端位置と、を記憶する。
鉄道技術基準第57条の解釈基準5に基づく線路の条件に応じた速度制限箇所は、a)曲線区間、b)分岐器区間、c)速度を制限している構造物区間、d)線路終端部、e)所定の踏切道、f)所定の下り勾配、のうちの何れかである。e)の所定の踏切道は、「踏切遮断機の遮断動作が終了していない踏切道に進入するおそれのある場合」に該当する踏切道である。該当する踏切道がある場合には、当該踏切道の箇所に係わる制限速度および始終端位置が設定される。
本実施形態では、線路条件情報210は、図3に示すように、キロ程(線路起点からの線路距離)と対応付けて、当該キロ程における制限速度と、勾配とを記憶したデータテーブルとして用意される。
3.地上子特定処理について
図4は、地上子特定処理を説明するための説明図である。図4では、列車1が走行する軌道2上の地上子の設置位置経緯度P21,P23を「×」印で示す。また、設置位置経緯度P21の地上子を列車1の車上装置10が検出した際に車上装置10が測位した測位経緯度P3を黒丸印で示す。
地上子特定処理では、車上装置10は、車上子11による地上子の検出がなされた際に、測位部120から測位経緯度を取得する。そして、車上装置10は、取得した測位経緯度と、地上子属性情報200に記憶されている地上子毎の設置位置経緯度と、に基づいて、検出された地上子を特定地上子として特定する。
具体的には、車上装置10は、検出対象の地上子のうちの、取得した測位経緯度からの距離が測位誤差範囲内の設置位置経緯度の地上子を、特定地上子として(つまり、検出された地上子が当該設置位置経緯度の地上子であるとして)特定する。例えば、図4で説明すると、設置位置経緯度P21に設置された地上子を検出した際に、測位経緯度P3を取得する。次いで、測位経緯度P3からの距離が測位誤差範囲の距離Da以内である設置位置経緯度P21の地上子を、特定地上子として特定する。
ここで、測位誤差範囲内(設置位置経緯度が測位経緯度から距離Da以内)に地上子が1つ存在することが、地上子特定の要件となる。測位誤差としての距離Daは、少なくとも20m以下、さらに条件を加えれば10m以下も可能である。これにより、設置間隔が距離Daの2倍以上である地上子の特定が可能であり、設置間隔が40m以上、条件を加えれば20m以上の間隔で設置された地上子を特定することが可能となる。
4.走行位置補正処理について
走行位置補正処理では、車上装置10は、地上子特定処理の結果、地上子が特定された場合(つまり、検出対象の地上子の中に測位誤差範囲内の地上子が1つ存在し、地上子の特定に成功した場合)に、列車の現在走行位置を補正する。
具体的には、車上装置10は、特定された地上子(以下適宜「特定地上子」という)の属性情報203を参照し、設置位置キロ程を取得する。そして、車上装置10は、当該設置位置キロ程で現在走行位置キロ程197を書き換え、地上子を特定できたことをもって現在走行位置195をリセットして走行位置情報193を更新することで、現在走行位置の補正を行う。
5.速度制御処理について
本実施形態では、車上装置10は、公衆無線通信による無線通信で信号制御装置51からの信号現示情報を受信し、踏切制御装置61からの踏切警報通知や踏切支障通知を受信する。そのため、通信障害が発生して信号制御装置51や踏切制御装置61との間の無線通信が途絶すると、信号現示情報や踏切警報通知、踏切支障通知を受信できない。また、信号現示情報を受信した場合でも、その後に無線通信が途絶したために、途絶している間に変化した現示を示す信号現示情報を受信できない事態が生じ得る。他にも、踏切警報通知は受信したものの、その後に無線通信が途絶したことで踏切支障通知の受信ができない事態が生じ得る。
そのため、GoA2.5相当の自動運転を実現するためには、前述のような事態の発生に備えて、非常時には信号機5や踏切6に係わる停止限界点までに確実に停止することが可能な仕組みが必要となる。
そこで、車上装置10は、地上子を検出・特定した際に、走行位置補正処理で現在走行位置を補正した後、速度制御処理を実行する。速度制御処理では、車上装置10は、(1)特定地上子の種別が「停止制御」でない場合(以下単に「(1)の場合」ともいう)には、現在走行位置と線路条件情報210とに基づく進路開通時の進行パターンに沿った速度制御を行い、(2)当該特定地上子の種別が「停止制御」の場合(以下単に「(2)の場合」ともいう)には、所与の条件に基づいて、進行パターンに沿った速度制御、又は、現在走行位置と線路条件情報210と特定地上子の属性情報203とに基づく停止限界点までに停止可能な停止パターンに沿った速度制御、を行う。本実施形態では、車上装置10は、特定地上子の停止制御対象が信号機5なのか踏切6なのかに応じた条件に基づいて、進行パターンに沿った速度制御、又は、停止パターンに沿った速度制御を行う。
図5は、速度制御処理を説明するための図である。図5では、横軸をキロ程とし、縦軸を速度として、速度制御の基準となる進行パターンの例を太い実線で示している。また、図5では、横軸に沿って、横軸の区間内に存在する1番(No.1)~3番(No.3)の3つの地上子を黒塗りの三角形で示している。これら3つの地上子は、図2に示した地上子である。また、横軸に沿って、2番(No.2)の地上子に対応する第2踏切と、3番(No.3)の地上子に対応する第3信号機と、を示している。また、図5では、制限速度を太い破線で示している。
5-1.(1)の場合の速度制御等について
図5の例では、キロ程(A)に、種別が「位置補正」である1番の地上子が存在する。図2の地上子属性情報200において当該地上子の属性情報203には、キロ程(A)が設置位置キロ程として設定されている。したがって、車上装置10は、列車が1番の地上子に差し掛かり、車上子11を介して当該地上子を検出した場合には、地上子特定処理を実行する。そして、当該地上子が1番の地上子であることを特定できた場合には、車上装置10は、走行位置補正処理を実行して、当該地上子の設置位置キロ程(A)で現在走行位置を補正する。
走行位置補正処理を実行したならば、車上装置10は、速度制御処理を実行する。ここでは、特定地上子である1番の地上子の種別が「位置補正」であり、(1)の場合に該当する。よって、車上装置10は、太い実線で示す進行パターンに沿った速度制御を行う。具体的には、車上装置10は、2番の地上子に差し掛かり、当該地上子を検出・特定するまでの間、現在走行位置をもとに、進行パターンの速度で進行する制御を行う。
ここで、進行パターンは、列車速度が太い破線で示す制限速度を超えないように進行するための速度制御パターンである。制限速度の変化点(制限速度が変化する軌道2上の位置)における速度制御パターンは、当該変化点がキロ程(C)のように下位に変化する下位変化点なのか、キロ程(I)のように上位に変化する上位変化点なのかに応じて次のように定められる。
すなわち、下位変化点である変化点(C)の速度制御パターンは、当該変化点(C)で変化後の制限速度50km/hまで減速するための速度制御パターンとされる。具体的には、減速制御開始点(B)までは変化前の制限速度60km/hとし、減速制御開始点(B)から変化点(C)までは変化前の制限速度60km/hから変化後の制限速度50km/hに漸次低下させる速度制御パターンである。減速制御開始点(B)は、変化前の制限速度60km/hから変化後の制限速度50km/hに所定のブレーキ力で減速するのに必要な減速距離を、変化点(C)から減算した位置に定められる。
また、上位変化点である変化点(I)の速度制御パターンは、当該変化点(I)を列車が抜けきるまでは変化前の制限速度50km/hとし、抜けきった後は変化後の制限速度60km/hとする速度制御パターンである。図5では、上位変化点(I)より列車長分の距離を開けて速度を上位に変化させており、上位変化点(I)を列車が抜けきったことを示している。
本実施形態では、進行パターンに沿った速度制御を実現するため、進行パターンの算出ロジック(以下「進行パターン算出ロジック」という)を予め用意しておく。具体的には、例えば、進行パターン算出ロジックは、i)現在走行位置、ii)線路条件情報210においてキロ程と対応付けて設定されている制限速度および勾配、iii)列車の空走時間、iv)減速度・列車長といった列車諸元、等に基づいて、前方に他の列車が存在しない状態で開通した進路を走行可能な速度パターンに沿った現在走行位置における制御速度を求めることができる一種の関数として用意される。例えば、当該速度パターンは、列車の現在走行位置Lが特定地上子の設置位置内方の制動開始位置Lまでは線路条件情報に登録された速度とし、制動開始位置Lから下位現示変化点までは特定地上子の特定時点で決定した制動初速度V、減速度β、空走時間T、制動開始位置Lに基づいて以下の(1)式から算出される速度Vとすることができる。図6は、(1)式を説明するための図である。
Figure 0007291284000002
制動開始位置Lは、下位現示変化点における制限速度から変化後の制限速度に所定のブレーキ力で減速するのに必要な減速距離を、下位現示変化点から減算して求めた位置とすることができる。(1)式における(L-L)の項は、制動開始位置Lから現在走行位置Lまでの距離を示す。
そして、進行パターンに沿った速度制御では、車上装置10は、当該進行パターン算出ロジックを用いて現在走行位置(図15の現在走行位置195)に応じた制御速度を求め、求めた制御速度に従って列車速度を制御する。
例えば、図5に示すキロ程(A)に到達し、1番の地上子を検出・特定した際に行う進行パターンに沿った速度制御では、車上装置10は、進行パターン算出ロジックを用いて、キロ程(A)以降の制限速度や勾配、列車諸元等をもとに太い実線の進行パターンに沿った現在走行位置の速度を制御速度として求め、列車速度を制御する。
5-2.(2)の場合の速度制御等について
図5の例では、キロ程(D)に、種別が「停止制御」である2番の地上子が存在する。図2の地上子属性情報200において当該地上子の属性情報203には、キロ程(D)が設置位置キロ程として設定されている。そのため、列車が進行してキロ程(D)に差し掛かり、2番の地上子を検出・特定した際には、車上装置10は、走行位置補正処理を実行し、当該地上子の設置位置キロ程(D)で現在走行位置を補正する。
そして、走行位置補正処理を実行したならば、車上装置10は、速度制御処理を実行する。ここでは、特定地上子である2番の地上子の種別が「停止制御」であり、(2)の場合に該当する。そして、当該地上子の停止制御対象が第2踏切であるので(図2を参照)、車上装置10は、後述する踏切に係る条件に基づいて、進行パターンに沿った速度制御、又は、停止パターンに沿った速度制御を行う。
また、図5の例では、キロ程(F)に、種別が「停止制御」である3番の地上子が存在する。図2の地上子属性情報200において当該地上子の属性情報203には、キロ程(F)が設置位置キロ程として設定されている。そのため、列車がさらに進行してキロ程(F)に差し掛かり、3番の地上子を検出・特定した際には、車上装置10は、走行位置補正処理を実行し、当該地上子の設置位置キロ程(F)で現在走行位置を補正する。
そして、走行位置補正処理を実行したならば、車上装置10は、速度制御処理を実行する。ここでは、特定地上子である3番の地上子の種別が「停止制御」であり、(2)の場合に該当する。そして、当該地上子の停止制御対象が第3信号機であるので(図2を参照)、車上装置10は、後述する信号機に係る条件に基づいて、進行パターンに沿った速度制御、又は、停止パターンに沿った速度制御を行う。
図7は、2番の地上子を検出・特定した際に着目して、速度制御で用いる進行パターンを一点鎖線で示し、停止パターンを二点鎖線で示した図である。図7においてキロ程(E)が、第2踏切に係わる停止限界点のキロ程である。また、停止限界点のキロ程(E)よりも手前の所定位置には、踏切支障の発生時に点灯する特殊信号発光機65(図1を参照)が設置されている(図5では不図示)。図8は、3番の地上子を検出・特定した際に着目して、速度制御で用いる進行パターンを一点鎖線で示し、停止パターンを二点鎖線で示した図である。図8においてキロ程(H)が、第3信号機に係わる停止限界点のキロ程である。
ここで、停止パターンは、特定地上子の停止制御対象に係わる停止限界点までに列車を停止させるための速度制御パターンである。常用最大ブレーキを参考にする場合であれば、常用最大ブレーキの減速度に基づき定められる。具体的には、例えば、停止パターンは、当該停止限界点までにゼロとなるように速度を漸減させる速度制御パターンとすることができる。
例えば、図7では、停止制御対象が第2踏切である2番の地上子を検出・特定した際に着目しているので、停止パターンは、第2踏切に係わる停止限界点のキロ程(E)までにゼロとなるように速度を漸減させる速度制御パターンとされる。当該地上子の属性情報203(図2を参照)には停止限界点距離を含む停止制御情報が設定されており、第2踏切に係わる停止限界点のキロ程(E)は、設置位置キロ程(D)に停止限界点距離を加算した位置である。
一方、図8では、停止制御対象が第3信号機である3番の地上子を検出・特定した際に着目しているので、停止パターンは、第3信号機に係わる停止限界点のキロ程(H)までにゼロとなるように速度を漸減させる速度制御パターンとされる。当該地上子の属性情報203(図2を参照)には停止限界点距離を含む停止制御情報が設定されており、第3信号機に係わる停止限界点のキロ程(H)は、設置位置キロ程(F)に停止限界点距離を加算した位置である。
本実施形態では、停止パターンに沿った速度制御を実現するため、停止パターンの算出ロジック(以下「停止パターン算出ロジック」という)についても予め用意しておく。具体的には、例えば、停止パターン算出ロジックは、i)現在走行位置、ii)線路条件情報210においてキロ程と対応付けて設定されている制限速度および勾配、iii)特定地上子の属性情報203に設定されている特定地上子の停止制御情報、iv)列車の空走時間、v)減速度・列車長といった列車諸元、等に基づいて、例えば、常用最大ブレーキをかけて停止限界点までに停止するための速度パターンに沿った現在走行位置における制御速度を求めることができる一種の関数として用意される。例えば、当該速度パターンは、上記した(1)式を利用することができる。そして、当該停止パターン算出ロジックを用いて現在走行位置(図15の現在走行位置195)に応じた制御速度を求め、求めた制御速度に従って列車速度を制御することで、停止パターンに沿った速度制御を行う。
例えば、図7のキロ程(D)に到達し、2番の地上子を検出・特定した際に行う停止パターンに沿った速度制御では、車上装置10は、停止パターン算出ロジックを用いて、キロ程(D)以降の制限速度や勾配、2番の地上子の停止制御情報、列車諸元等をもとに図7に示す二点鎖線の停止パターンに沿った現在走行位置の速度を制御速度として求め、列車速度を制御する。図8のキロ程(F)に到達し、3番の地上子を検出・特定した際に行う停止パターンに沿った速度制御では、車上装置10は、停止パターン算出ロジックを用いて、キロ程(F)以降の制限速度や勾配、3番の地上子の停止制御情報、列車諸元等をもとに図8に示す二点鎖線の停止パターンに沿った現在走行位置の速度を制御速度として求め、列車速度を制御する。
また、車上装置10は、(2)の場合に進行パターンに沿った速度制御を行うときには、(1)の場合と同様に、進行パターン算出ロジックを用いて現在走行位置の制御速度を求めて、列車速度の制御に用いる。すなわち、例えば、2番の地上子を検出・特定した際に行う進行パターンに沿った速度制御では、車上装置10は、進行パターン算出ロジックを用いて、キロ程(D)以降の制限速度や勾配、列車諸元等をもとに図7に示す一点鎖線の進行パターンに沿った現在走行位置の速度を制御速度として求める。3番の地上子を検出・特定した際に行う進行パターンに沿った速度制御では、車上装置10は、進行パターン算出ロジックを用いて、キロ程(F)以降の制限速度や勾配、列車諸元等をもとに図8に示す一点鎖線の進行パターンに沿った現在走行位置の速度を制御速度として求める。
そして、車上装置10は、(2)の場合には、停止制御対象が信号機なのか踏切なのかに応じた条件に基づいて、進行パターンに沿った速度制御、又は、停止パターンに沿った速度制御を行う。停止制御対象が信号機なのか踏切なのかは、停止制御情報の対象識別情報から判別できる。
すなわち、図8で着目した3番の地上子の停止制御対象は信号機(第3信号機)である。その場合は、車上装置10は、信号機に係る条件に基づいて、図8の一点鎖線の進行パターンに沿った速度制御、又は、二点鎖線の停止パターンに沿った速度制御を行う。具体的には、車上装置10は、特定地上子の停止制御対象である信号機(ここでは第3信号機)の信号制御装置51(図1を参照)から受信した信号現示情報、当該信号制御装置51との無線通信の途絶、および、当該途絶した無線通信の回復、のうちの少なくとも1つに係る条件に基づいて、進行パターンに沿った速度制御、又は、停止パターンに沿った速度制御を行う。
一方、図7で着目した2番の地上子の停止制御対象は踏切(第2踏切)である。その場合は、車上装置10は、踏切に係る条件に基づいて、図7の一点鎖線の進行パターンに沿った速度制御、又は、二点鎖線の停止パターンに沿った速度制御を行う。具体的には、車上装置10は、当該特定地上子の停止制御対象である踏切(ここでは第2踏切)の踏切制御装置61(図1を参照)からの踏切警報通知の受信、当該踏切制御装置61からの踏切支障通知の受信、当該踏切制御装置61との無線通信の途絶、および、当該途絶した無線通信の回復、のうちの少なくとも1つに係る条件に基づいて、進行パターンに沿った速度制御、又は、停止パターンに沿った速度制御を行う。
以下、3番の地上子に着目した図8の場合の信号機に係る条件に基づく進行パターンに沿った速度制御又は停止パターンに沿った速度制御の例(例1~例3)と、2番の地上子に着目した図7の場合の踏切に係る条件に基づく進行パターンに沿った速度制御又は停止パターンに沿った速度制御の例(例4~例6)と、について順に説明する。
(例1)
図9A~Cは、例1における速度制御処理の説明図である。図8の進行パターン(一点鎖線)および停止パターン(二点鎖線)を図9Aに示し、例1の速度制御処理で行う(2)の場合の速度制御を図9B,Cに示している。
例1は、横軸の区間の走行中、車上装置10と第3信号機の信号制御装置51との間の無線通信が終始可能な例(車上装置10が当該信号制御装置51との無線通信の途絶を終始検出しない例)である。そして、第3信号機が停止現示(R)であり、その後進行現示(G)に変化する場合の例である。図9B中に、第3信号機の信号制御装置51から停止現示を示す信号現示情報を受信し始めたタイミングを矢印A11で示している。また、図9C中に、当該信号制御装置51から進行現示を示す信号現示情報を受信し始めたタイミング(当該信号制御装置51からの信号現示情報が進行現示に変化したタイミング)を矢印A13で示している。
図9Bに示すように、例1では、3番の地上子の検出・特定の時点で、当該地上子の停止制御対象である第3信号機の信号制御装置51から停止現示を示す信号現示情報を受信した(矢印A11)。そのため、当該地上子の検出・特定の時点では、図9Bに示すように、車上装置10は、図9Aの停止パターン(二点鎖線)に沿った速度制御を行い、停止限界点のキロ程(H)までに列車1を停止させる。
また、例1は途中で通信途絶が生じない例であるため、その後に矢印A13のタイミングで第3信号機の現示が停止現示から進行現示(G)に変わると、車上装置10は、第3信号機の信号制御装置51から進行現示を示す信号現示情報を受信することとなる。そのため、図9Cに示すように、停止限界点のキロ程(H)で列車1を停止させた後、信号現示情報が進行現示に変化した場合には、車上装置10は、図9Aの進行パターン(一点鎖線)に沿った速度制御を行って列車1を発車させ、進行する制御を行う。
(例2)
図10A~Cは、例2における速度制御処理の説明図である。図8の進行パターン(一点鎖線)および停止パターン(二点鎖線)を図10Aに示し、例2の速度制御処理で行う(2)の場合の速度制御を図10B,Cに示している。
例2は、例1と同様に、途中で第3信号機の信号制御装置51との間の無線通信の途絶が生じない例である。そして、例2は、第3信号機の現示が3番の地上子の検出・特定の時点では進行現示であったが、その後何らかの理由により停止現示に変化した例である。図10B中に、第3信号機の信号制御装置51から進行現示を示す信号現示情報を受信したタイミングを矢印A21で示している。また、図10C中に、当該信号制御装置51から停止現示を示す信号現示情報を受信し始めたタイミング(当該信号制御装置51からの信号現示情報が停止現示に変化したタイミング)を矢印A23で示している。
図10Bに示すように、例2では、3番の地上子の検出・特定の時点で、当該地上子の停止制御対象である第3信号機の信号制御装置51から進行現示を示す信号現示情報を受信した(矢印A21)。そのため、当該地上子の検出・特定の時点では、図10Bに示すように、車上装置10は、図10Aの進行パターン(一点鎖線)に沿った速度制御を行う。
しかし、例2では、図10Cに示すように、矢印A23のタイミングで、第3信号機の信号制御装置51からの信号現示情報が停止現示に変化した。そのため、車上装置10は、当該信号現示情報の受信の時点で図10Aの停止パターン(二点鎖線)に沿った速度制御を行い、停止限界点のキロ程(H)までに列車1を停止させる。
(例3)
図11A~Dは、例3における速度制御処理の説明図である。図8の進行パターン(一点鎖線)および停止パターン(二点鎖線)を図11Aに示し、例3の速度制御処理で行う(2)の場合の速度制御を図11B~Dに示している。
例3では、第3信号機が進行現示である。ただし、例3は、例1や例2とは異なり、途中で車上装置10と第3信号機の信号制御装置51との間の無線通信が途絶する例である。図11B中に、通信途絶のタイミングを矢印A31で示し、図11C中に、列車速度が所定の徐行速度となったタイミングを矢印A33で示している。
図11Bに示すように、例3では、3番の地上子の検出・特定の時点で、当該地上子の停止制御対象である第3信号機の信号制御装置51との間の無線通信が途絶している(矢印A31)。つまり、当該信号制御装置51から信号現示情報(第3信号機の現示の情報)を受信できない状態である。そのため、当該地上子の検出・特定の時点では、図11Bに示すように、車上装置10は、第3信号機の現示が停止現示であることを想定して、図11Aの停止パターン(二点鎖線)に沿った速度制御を行う。
そして、車上装置10は、図11C,Dに示すように、無線通信が途絶した状態が続いて列車速度が所定の徐行速度以下となった場合には(矢印A33)、列車1に乗務している係員による緊急停止の操作に応じて即時に停止可能な列車速度で、停止限界点のキロ程(H)の内方への進入を許容する制御(以下「徐行進入許容制御」という)を行う。例えば、車上装置10は、列車速度を徐行速度に維持して徐行速度で進行する制御を行う。したがって、係員による緊急停止の操作がされない限りは、図11Dに示すように、列車1は停止限界点のキロ程(H)の内方に徐行速度で進行して、第3信号機を通過する。
これによれば、係員が必要と判断した場合には、緊急停止の操作を行うことで、列車1を停止限界点のキロ程(H)までに停止させることができる。例えば、係員が目視によって第3信号機の停止現示を確認した場合等である。しかし、実際には、図11Cの場面では、第3信号機は進行現示であるので、緊急停止の操作はせずに、周囲を警戒しながら徐行速度で進行することもできる。或いは、係員が指令所からの指示に従って緊急停止の操作を行うことで、列車1を停止限界点のキロ程(H)までに停止させることができる。
なお、第3信号機が駅間の閉塞信号機であり、且つ、直近前方の列車の手前に停止できる徐行速度であれば内方への進入が許容される運用下においては、第3信号機が停止現示であっても、係員が周囲を警戒しながら徐行速度で第3信号機の内方に列車を進入させることができるため、この場合にも、車上装置10は上記の徐行進入許容制御を行うことができる。
(例4)
図12A~Cは、例4における速度制御処理の説明図である。図7の進行パターン(一点鎖線)および停止パターン(二点鎖線)を図12Aに示し、例4の速度制御処理で行う(2)の場合の速度制御を図12B,Cに示している。
例4は、横軸の区間の走行中、車上装置10と第2踏切の踏切制御装置61との間の無線通信が終始可能であった例(車上装置10が当該踏切制御装置61との無線通信の途絶を終始検出しない例)であって、当該踏切制御装置61から踏切警報通知を受信し、その後に踏切支障通知を受信した場合の例である。図12B中に、第2踏切の踏切制御装置61から踏切警報通知を受信し始めたタイミングを矢印A41で示している。また、図12C中に、当該踏切制御装置61から踏切支障通知を受信し始めたタイミングを矢印A43で示している。
図12Bに示すように、例4では、キロ程(D)に設置された2番の地上子の検出・特定の時点で、当該地上子の停止制御対象である第2踏切の踏切制御装置61から踏切警報通知を受信した(矢印A41)。そのため、当該地上子の検出・特定の時点では、図12Bに示すように、車上装置10は、図12Aの進行パターン(一点鎖線)に沿った速度制御を行う。
また、例4は途中で通信途絶が生じない例であるため、第2踏切において踏切支障が発生すると、車上装置10は、第2踏切の踏切制御装置61から踏切支障通知を受信することとなる(矢印A43)。踏切支障の発生時には、踏切制御装置61は、特殊信号発光機65を点灯させて踏切支障を報知する制御を行う。図12Cに示すように、車上装置10は、踏切支障通知を受信したならば、図12Aの停止パターン(二点鎖線)に沿った速度制御を行い、停止限界点のキロ程(E)までに列車1を停止させる。
(例5)
図13A~Cは、例5における速度制御処理の説明図である。図7の進行パターン(一点鎖線)および停止パターン(二点鎖線)を図13Aに示し、例5の速度制御処理で行う(2)の場合の速度制御を図13B,Cに示している。
例5は、例4と同様に、途中で第2踏切の踏切制御装置61との間の無線通信の途絶が生じない例である。そして、例5は、列車1が第2踏切に係る踏切始動点に進入したものの、列車検知装置による列車の検知が遅れた例である。図13C中に、第2踏切の踏切制御装置61から踏切警報通知を受信し始めたタイミングを矢印A5で示している。
すなわち、例5では、2番の地上子の検出・特定の時点で、当該地上子の停止制御対象である第2踏切の踏切制御装置61から踏切警報通知を受信していない。このような事態は、当該時点で列車1は踏切始動点を通過しているが、短絡不良が生じて列車検知装置が列車1を検知できていないこと等により起こり得る。そのため、当該地上子の検出・特定の時点では、図13Bに示すように、車上装置10は、図13Aの停止パターン(二点鎖線)に沿った速度制御を行う。
しかし、例5では、2番の地上子の検出・特定の時点より後で列車検知装置が列車1を検知し、当該検知を受けて当該踏切制御装置61が踏切警報を開始するため、図13Cに示すように、矢印A5のタイミングで、車上装置10は、第2踏切の踏切制御装置61から踏切警報通知を受信する。そのため、車上装置10は、当該受信の時点で、図13Aの進行パターン(一点鎖線)に沿った速度制御を行う。
(例6)
図14A~Dは、例6における速度制御処理の説明図である。図7の進行パターン(一点鎖線)および停止パターン(二点鎖線)を図14Aに示し、例6の速度制御処理で行う(2)の場合の速度制御を図14B~Dに示している。
例6では、第2踏切の踏切制御装置61は、2番の地上子の検出・特定の時点よりも前に踏切警報を開始している。ただし、例6では、踏切警報の開始前から車上装置10と第2踏切の踏切制御装置61との間の無線通信が途絶していて、その後に回復した例である。図14B中に、通信途絶のタイミングを矢印A61で示し、図14C中に、列車速度が所定の徐行速度となったタイミングを矢印A63で示し、図14D中に、通信回復のタイミングを矢印A65で示している。
図14Bに示すように、例6では、2番の地上子の検出・特定の時点で、当該地上子の停止制御対象である第2踏切の踏切制御装置61との間の無線通信が途絶しており(矢印A61)、当該踏切制御装置61から踏切警報通知を受信できていない状態である。そのため、当該地上子の検出・特定の時点では、図14Bに示すように、車上装置10は、列車1が第2踏切に近づいているのに踏切警報を開始していないことを想定して、図14Aの停止パターン(二点鎖線)に沿った速度制御を行う。
そして、車上装置10は、図14C,Dに示すように、無線通信が途絶した状態が続いて列車速度が所定の徐行速度以下となった場合には(矢印A63)、列車1に乗務している係員による緊急停止の操作に応じて即時に停止可能な列車速度で、停止限界点のキロ程(E)への進入を許容する徐行進入許容制御を行う。例えば、車上装置10は、列車速度を徐行速度に維持して徐行速度で進行する制御を行う。したがって、係員による緊急停止の操作がされない限りは、図14Dに示すように、列車1は停止限界点のキロ程(E)の内方に徐行速度で進行して、第2踏切を通過する。
これによれば、係員が必要と判断した場合に緊急停止の操作を行うことで、列車1を停止限界点のキロ程(E)までに停止させることができる。或いは、係員が指令所からの指示に従って緊急停止の操作を行うことで、列車1を停止限界点のキロ程(E)までに停止させることができる。また、緊急停止の操作はせず、周囲を警戒しながら徐行速度で進行することもできる。
その後は、途絶した無線通信が矢印A65のタイミングで回復した。また、踏切警報が解除された場合には、第2踏切の踏切制御装置61からは踏切警報通知を受信しなくなる。そのため、踏切警報通知を受信しなくなった時点で、車上装置10は、図14Dに示すように、図14Aの進行パターン(一点鎖線)に沿った速度制御を行う。
なお、例6では、踏切制御装置61が踏切警報を開始するよりも前から無線通信が途絶していた例を示したが、踏切制御装置61が踏切警報を開始し、車上装置10にて踏切警報通知の受信中に無線通信が途絶する場合もある。その場合は、踏切警報通知は受信していることから、踏切警報自体は開始されていると判断できる。したがって、無線通信が回復した時点で進行パターンに沿った速度制御を行うようにすればよい。
6.車上装置の構成について
図15は、車上装置10の構成例を示すブロック図である。図15に示すように、車上装置10は、車上子11と、測位部120と、操作入力部130と、表示部140と、無線通信部150と、車上制御部160と、車上記憶部190とを備えて構成される。
操作入力部130は、例えば、スイッチやボタン等を有する入力装置であり、操作入力に応じた操作信号を車上制御部160に出力する。表示部140は、例えば液晶表示装置等で実現され、車上制御部160からの表示信号に応じた表示を行う。
無線通信部150は、無線通信モジュール等で実現される無線の通信装置で構成され、外部との公衆無線通信よる無線通信を行う。本実施形態では、信号機5の信号制御装置51や、踏切6の踏切制御装置61(図1を参照)との間で当該無線通信を行う。
車上制御部160は、車上子11を介した地上子の検出、測位部120による測位経緯度、無線通信部150を介して信号制御装置51から受信した信号現示情報や踏切制御装置61から受信した踏切警報通知、踏切支障通知等に基づいて、各種の演算処理を行って車上装置10の動作を制御する。
本実施形態では、車上制御部160は、走行位置算出部161と、地上子特定部162と、走行位置補正部163と、通信状態検出部165と、速度制御部169と、を含む。これら各機能部は、プログラムを実行することによりソフトウェアとして実現される演算処理ブロックであってもよいし、信号処理回路によって実現される回路ブロックであってもよい。本実施形態では、車上制御部160が所定のプログラムを実行することによりソフトウェアとして実現される演算処理ブロックとして説明する。
地上子特定部162は、地上子特定処理を実行する機能部であり、車上子11によって検出された地上子を特定地上子として特定する。具体的には、地上子特定部162は、車上子11による地上子の検出がなされた際に、測位部120による検出時の測位経緯度と、地上子属性情報200に記憶されている地上子毎の設置位置経緯度と、に基づいて、検出された地上子を特定地上子として特定する。
走行位置補正部163は、走行位置補正処理を実行する機能部であり、地上子特定部162によって特定された特定地上子の設置位置キロ程(図2を参照)に基づいて、走行位置算出部161が算出している現在走行位置を補正する。
通信状態検出部165は、信号制御装置51から通信状態の検出用に送信される識別情報の受信を利用して、当該信号制御装置51との無線通信の途絶および当該途絶した無線通信の回復を検出する。また、通信状態検出部165は、踏切制御装置61から通信状態の検出用に送信される識別情報の受信を利用して、当該踏切制御装置61との無線通信の途絶および当該途絶した無線通信の回復を検出する。
速度制御部169は、速度制御処理を実行する機能部である。本実施形態では、速度制御部169は、特定地上子の種別が「位置補正」の場合((1)の場合)には、進路開通時の進行パターンに沿った速度制御を行う。一方、速度制御部169は、特定地上子の種別が「停止制御」の場合((2)の場合)には、当該特定地上子の停止制御対象が信号機なのか踏切なのかに応じた条件に従って、進行パターンに沿った速度制御、又は、停止制御対象に係わる停止限界点までに停止可能な停止パターンに沿った速度制御を行う。
車上記憶部190は、ICメモリやハードディスク等の記憶媒体により実現される。この車上記憶部190には、車上装置10を動作させ、車上装置10が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、当該プログラムの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。本実施形態では、車上記憶部190には、測位経緯度情報191と、走行位置情報193と、地上子属性情報200(図2を参照)と、線路条件情報210(図3を参照)と、が記憶される。
7.処理の流れについて
図16は、車上装置10が行う列車制御処理の流れを示すフローチャートである。図16に示すように、列車制御処理では、車上子11によって地上子が検出された場合に(ステップS1:YES)、地上子特定部162が、地上子特定処理を実行する。すなわち、先ず、地上子特定部162は、当該地上子の検出がなされた際の測位経緯度を測位部120から取得する(ステップS3)。そして、地上子特定部162は、取得した測位経緯度と、地上子属性情報200に記憶されている地上子毎の設置位置経緯度とに基づいて、検出された地上子を特定する(ステップS5)。例えば、地上子特定部162は、図4を参照して説明した要領で、測位経緯度からの距離が所定の距離Da以内である設置位置経緯度の地上子を、特定地上子として特定する。
そして、地上子が特定された(検出された地上子の特定に成功した)場合には(ステップS7:YES)、走行位置補正部163が走行位置補正処理を実行し、現在走行位置を補正する(ステップS8)。すなわち、走行位置補正部163は、当該特定地上子に係る設置位置キロ程で現在走行位置を補正する。なお、地上子を特定できなかった(検出された地上子の特定に失敗した)場合には(ステップS7:NO)、例えば、非常ブレーキで列車を停止させる(ステップS9)。
ステップS8で現在走行位置を補正したならば、続いて、速度制御部169が、速度制御処理を実行する。速度制御処理では、速度制御部169は、先ず、特定地上子の種別を判別する(ステップS11)。そして、速度制御部169は、特定地上子の種別が「位置補正」の場合((1)の場合)には、進路開通時の進行パターンに沿った速度制御を行う(ステップS13)。本実施形態では、進行パターンに沿った速度制御は、進行パターン算出ロジックを用いて現在走行位置における制御速度を求め、求めた制御速度で列車速度を制御することで行う。ステップS13の速度制御は、車上子11によって地上子が検出されるまで(ステップS15:NO)の間行われる。地上子が検出された場合には(ステップS15:YES)、ステップS3に戻る。
また、ステップS11で判別した特定地上子の種別が「停止制御」の場合((2)の場合)には、速度制御部169は、停止制御対象の制御装置との無線通信が途絶しているか否かを判定する。すなわち、速度制御部169は、特定地上子の停止制御対象が信号機の場合は当該信号機の信号制御装置51との無線通信が途絶しているかを判定し、踏切の場合は当該踏切の踏切制御装置61との無線通信が途絶しているかを判定する。
無線通信が途絶していなければ(ステップS17:NO)、特定地上子の停止制御対象が信号機なのか踏切なのかに応じて処理を分岐する(ステップS19)。すなわち、停止制御対象が信号機の場合は、速度制御部169は、当該信号制御装置51から受信した信号現示情報が示す現示を判別する(ステップS21)。
進行現示の場合には、速度制御部169は、進行パターンに沿った速度制御を行う(ステップS23)。進行パターンに沿った速度制御は、ステップS13と同様である。その後、車上子11によって地上子が検出されなければ(ステップS25:NO)、ステップS17に戻る。無線通信が途絶しておらず、停止制御対象が信号機であり、現示が進行現示の場合には、地上子が検出されるまでステップS23の速度制御が継続されることとなる。地上子が検出された場合には(ステップS25:YES)、ステップS3に戻る。
停止現示の場合には、速度制御部169は、当該信号機に係わる停止限界点までに停止可能な停止パターンに沿った速度制御を行う(ステップS27)。停止パターンに沿った速度制御は、停止パターン算出ロジックを用いて現在走行位置における制御速度を求め、求めた制御速度で列車速度を制御することで行う。その後、車上子11によって地上子が検出されなければ(ステップS29:NO)、ステップS17に戻る。無線通信が途絶しておらず、停止制御対象が信号機であり、現示が停止現示の場合には、地上子が検出されるまでステップS27の速度制御が継続されることとなる。地上子が検出された場合には(ステップS29:YES)、ステップS3に戻る。
一方、ステップS17で判別した停止制御対象が踏切の場合には、速度制御部169は、当該踏切の踏切制御装置61から踏切支障通知を受信しているか否かを判定する。そして、速度制御部169は、踏切支障通知を受信している場合には(ステップS31:YES)、ステップS27に移行して停止パターンに沿った速度制御を行う。踏切支障通知を受信していない場合には(ステップS31:NO)、速度制御部169は、踏切警報通知を受信しているか否かを判定する。そして、速度制御部169は、踏切警報通知を受信していない場合には(ステップS33:NO)、ステップS27に移行して停止パターンに沿った速度制御を行う。踏切警報通知を受信している場合には(ステップS33:YES)、速度制御部169は、ステップS23に移行して進行パターンに沿った速度制御を行う。
また、ステップS17で無線通信が途絶していると判定した場合は(ステップS17:YES)、速度制御部169は、特定地上子の停止制御対象に係わる停止限界点までに停止可能な停止パターンに沿った速度制御と、徐行速度での当該停止限界点の内方への進入を許容する徐行進入許容制御と、を行う(ステップS35)。すなわち、速度制御部169は、停止パターンに沿った速度制御を行うとともに、当該速度制御によって列車速度が所定の徐行速度まで減速した場合に、徐行速度で進行する制御を行う。その後、車上子11によって地上子が検出されなければ(ステップS37:NO)、ステップS17に戻る。無線通信が途絶している状態が続いている間、地上子が検出されるまでステップS35の速度制御が継続されることとなる。地上子が検出された場合には(ステップS37:YES)、ステップS3に戻る。
以上説明したように、本実施形態によれば、車上装置10において、地上子属性情報200や線路条件情報210を記憶しておく。そして、種別が「位置補正」の地上子を検出・特定した際には、進路開通時の進行パターンに沿った速度制御を行うことができる。一方、種別が「停止制御」であり、信号機や踏切と対応させて設置された地上子を検出・特定した際には、特定地上子の停止制御対象(対応する信号機又は踏切)に応じた条件に基づいて、進行パターンに沿った速度制御、又は、当該停止制御対象に係わる停止限界点までに停止可能な停止パターンに沿った速度制御を行うことができる。
また、停止制御対象の制御装置である信号機の信号制御装置51や踏切の踏切制御装置61との間の無線通信が途絶したことで停止パターンに沿った速度制御を行った場合に、当該速度制御によって列車速度が徐行速度以下まで減速されたときには、係員による緊急停止の操作に応じて即時に停止可能な列車速度で、停止限界点の内方に列車を進行させることが可能となる。
これによれば、無線通信が途絶したために信号現示情報や踏切警報通知、踏切支障通知を受信できない場合に備えて、非常時には信号機や踏切に係わる停止限界点までに確実に停止することが可能な仕組みを実現できる。したがって、トランスポンダ式の地上子のような様々な情報を地上から車上に送信可能な地上子ではない既存の地上子や公衆無線通信による無線通信を利用して、コストを抑制した、係員が乗務するGoA2.5相当の自動運転を実現することが可能となる。
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
例えば、上記した実施形態では、進行パターン算出ロジックと停止パターン算出ロジックとがそれぞれ異なる関数に基づくロジックであるとして説明したが、当該ロジックはいわゆるソフトウェア制御に基づく処理であるため、任意の方法で記述することができる。例えば、入力するパラメータを変える(進行パターンを算出する場合と停止パターンを算出する場合とを切り替えるフラグ的なパラメータを設ける)ことによって、1つの関数による共通のロジックとすることとしてもよい。
10 車上装置、11 車上子、120 測位部、130 操作入力部、140 表示部、150 無線通信部、160 車上制御部、161 走行位置算出部、162 地上子特定部、163 走行位置補正部、165 通信状態検出部、169 速度制御部、190 車上記憶部、191 測位経緯度情報、193 走行位置情報、195 現在走行位置(特定時基点からの距離)、197 現在走行位置キロ程、200 地上子属性情報、210 線路条件情報、1 列車、2 軌道、3 地上子、5 信号機、51 信号制御装置、6 踏切、61 踏切制御装置、62 踏切警報機、63 踏切しゃ断機、64 非常ボタン、65 特殊信号発光機、7 GPS衛星

Claims (8)

  1. 停止制御の種別の地上子を含む複数の種別の地上子が設置された軌道を走行する動力車操縦者ではない係員が乗務する自動運転の列車に搭載される車上装置であって、
    前記地上子を検出する地上子検出手段と、
    列車走行位置の経緯度を測位する測位手段と、
    前記地上子毎に、当該地上子の設置位置経緯度と、当該地上子の設置位置キロ程と、当該地上子の前記種別と、当該地上子の前記種別が前記停止制御の場合に当該地上子に対応する鉄道設備に係わる停止限界点の情報を含む停止制御情報と、を含む属性情報を記憶する属性情報記憶手段と、
    速度制限箇所に係わる制限速度および始終端位置のキロ程と、線路の勾配箇所に係わる勾配の値および始終端位置のキロ程と、を含む線路条件情報を記憶する線路条件情報記憶手段と、
    前記地上子検出手段による検出がなされた際に、前記測位手段から取得した測位経緯度と、前記属性情報記憶手段に記憶されている前記地上子毎の設置位置経緯度と、に基づいて、当該検出された地上子を特定地上子として特定する特定手段と、
    前記特定地上子の前記属性情報の当該地上子の設置位置キロ程を特定時基点とし、前記特定時基点からの列車走行位置を現在走行位置として算出する走行位置算出手段と、
    前記特定手段により前記特定地上子が特定された際に、(1)当該特定地上子の前記種別が前記停止制御でない場合には、前記現在走行位置と前記線路条件情報とに基づく進路開通時の進行パターンに沿った速度制御を行い、(2)当該特定地上子の前記種別が前記停止制御の場合には、所与の条件に基づいて、a)前記進行パターンに沿った速度制御、又は、b)前記現在走行位置と前記線路条件情報と前記特定地上子の前記属性情報とに基づく前記停止限界点までに停止可能な停止パターンに沿った速度制御を行う速度制御手段と、
    を備える車上装置。
  2. 前記鉄道設備は、信号機であり、
    前記車上装置と前記信号機の現示を制御する信号制御装置とは、公衆無線通信による無線通信が可能であり、当該無線通信により前記信号機の現示の情報が前記信号制御装置から前記車上装置に送信され、
    前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記信号制御装置から受信した現示の情報、前記無線通信の途絶、および、前記無線通信の回復、のうちの少なくとも1つに係る条件に基づき前記a)又は前記b)の速度制御を行う、
    請求項1に記載の車上装置。
  3. 前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記信号制御装置から受信した現示の情報が進行現示のときは前記a)の速度制御を行い、停止現示のときは前記b)の速度制御を行う、
    請求項2に記載の車上装置。
  4. 前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記無線通信が途絶したときは前記b)の速度制御を行い、当該b)の速度制御によって列車速度が前記係員による緊急停止の操作に応じて即時に停止可能な所定の徐行速度以下となったときに当該徐行速度で進行する制御を行う、
    請求項2又は3に記載の車上装置。
  5. 前記鉄道設備は、踏切であり、
    前記車上装置と前記踏切を制御する踏切制御装置とは、公衆無線通信による無線通信が可能であり、
    前記踏切制御装置は、前記列車の前記踏切に係る所定の踏切始動点への進入検知に応じて踏切警報通知を前記車上装置に送信する踏切警報通知手段と、踏切支障が発生した場合に踏切支障通知を前記車上装置に送信する踏切支障通知手段と、を有しており、
    前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記踏切制御装置からの前記踏切警報通知の受信、前記踏切制御装置からの前記踏切支障通知の受信、前記無線通信の途絶、および、前記無線通信の回復、のうちの少なくとも1つに係る条件に基づいて、前記a)又は前記b)の速度制御を行う、
    請求項1に記載の車上装置。
  6. 前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記踏切制御装置から前記踏切警報通知を受信したときは、前記a)の速度制御を行い、前記踏切制御装置から前記踏切警報通知を受信していないときは、前記b)の速度制御を行う、
    請求項5に記載の車上装置。
  7. 前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、前記踏切制御装置から前記踏切支障通知を受信したときは、前記踏切警報通知の受信の有無に係わらず、前記b)の速度制御を行う、
    請求項5に記載の車上装置。
  8. 前記速度制御手段は、前記(2)の場合に、
    前記無線通信が途絶したときは前記b)の速度制御を行い、当該b)の速度制御によって列車速度が前記係員による緊急停止の操作に応じて即時に停止可能な所定の徐行速度以下となったときに当該徐行速度で進行する制御を行う、
    請求項5~7の何れか一項に記載の車上装置。
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