本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、特定入賞口の一例であるV入賞口170に遊技球が入賞したときに大当たりを発生させる、羽根モノと呼ばれるパチンコ遊技機(遊技機)1に関する例である。このパチンコ遊技機1では、V入賞口170の入賞確率が変動する点に遊技上の特徴があり、入賞確率の変動に応じて表示画像が切り替わる点に演出上の特徴がある。この内容について図1~図15を参照して説明する。
図1のパチンコ遊技機1は、遊技者に対面するように設けられた遊技盤面13上に発射された遊技球が特定入賞口であるV入賞口170へ入賞したことを契機として所定の大当たり発生条件が成立したとき、遊技者にとって有利な大当たり状態を発生する遊技機である。パチンコ遊技機1は、遊技盤面13の表面側に形成された遊技領域130に向けて遊技媒体である遊技球を発射して遊技される。遊技者に対面する遊技盤面13は、透明なアクリル板により形成され、後述する画像エリア18などの一部のエリアを除いて塗装が施されている。
遊技領域130の下側には、遊技球を発射装置(図5中の符号242)に供給する上皿135、及び上皿135に収容しきれなくなった遊技球を蓄える下皿137が設けられている。上皿135の右下には、遊技球を発射するために遊技者が操作する操作ハンドル15が設けられている。
遊技領域130(図1)は、遊技媒体である遊技球が流下する領域である。遊技領域130は、遊技球が転動するステージ195を設けた役物19を中心として構成されている。
役物19の下側には、第1始動口11及び第2始動口12が配置されている。第1始動口11は、役物19の真下に1つ配置され、第2始動口12は、第1始動口11の左右両側に配置されている。遊技領域130の最下部には、入賞することなく流下した遊技球を回収するためのアウト孔138が開口している。さらに、アウト孔138の上側、第1始動口11との間隙に当たるスペースには、大当たり中のラウンド処理により開放される大入賞口16が配置されている。
第1始動口11及び第2始動口12は、役物19が備える可動羽根199(後述)の開放動作の契機となる入賞口である。
役物19の左右両側には、V入賞口170の入賞期待度(入賞確率)を示唆する画像を表示する縦長矩形状の画像エリア18が形成されている。画像エリア18は、透明なアクリル板よりなる遊技盤面13のうち、未塗装の透明領域である。この画像エリア18の裏側には、遊技者側から視認可能なように後述するレンチキュラー表示ユニット3(図4参照。)が配置されている。
役物19は、両外側に可動羽根199が取り付けられた樹脂製の枠体191を含んで構成された役物である。役物19は、大当たり状態の契機となるV入賞口170を有している。枠体191の内側に流入した遊技球がV入賞口170に入賞(V入賞)すると、大当たり状態が発生する。
枠体191(図2)の両外側の側面には、遊技球を流入させるための切欠き孔であって、可動羽根199が開いたときに開放されるワープ孔192が穿設されている。枠体191の相互に対面する内側面には、遊技球の出口であるワープルート出口193が開口している。ワープルート出口193は、ワープ孔192に流入した後、図示しないワープルート(案内通路)を経由してきた遊技球であるワープ球がステージ195に転がり出る出口である。
可動羽根199は、枠体191の外側面に沿う状態(図2(a))と、枠体191の両外側に回動した状態(同図(b))と、に切替可能である。同図(a)のように可動羽根199が枠体191の外側面に沿うように位置すると、ワープ孔192が閉鎖され、ワープルートに遊技球が流入できない閉鎖状態となる。一方、同図(b)のように可動羽根199が両外側に回動するとワープ孔192が開放され、ワープルートを経由して役物19に遊技球が流入可能な開放状態となる。
可動羽根199は、第1始動口11に遊技球が入賞(始動入賞)すると1回、第2始動口12に遊技球が入賞(始動入賞)すると2回動作する。なお、始動入賞が発生したとき、可動羽根199が直ちに動作する訳ではない。始動入賞が発生した後、可動羽根199の回動により役物19が開放状態に移行する時点である役物開放時期は、後述する開放時期抽選により決定される。
枠体191の内側の奥まった位置には、図1及び図2のごとく、液晶表示部190の表示画面が配置され、この表示画面の下側には、遊技者側に向けて垂れてワープ球が転がり落ちるスロープ状のステージ195が設けられている。ワープルートからこのステージ195に転がり出たワープ球の進行方向は、ほぼ水平に進むものからほぼ真下(手前側)に進むものまで様々である。さらに、このステージ195には、障害物195Bが立設されている。ステージ195に転がり出たワープ球は障害物195Bにぶつかって進行方向を変えながら手前側に転がり落ちる。
ステージ195のワープ球は、最終的に手前側の入賞口17に入賞する。この入賞口17は、ステージ195の左右方向に沿う溝状に形成されている。溝状の入賞口17(図2)の中央には、左右一対の仕切り171が設けられている。左右一対の仕切り171の間隙が、大当たりの契機となる特定入賞口の一例であるV入賞口170になっている。各仕切り171の外側はハズレ入賞口173である。
ハズレ入賞口173に入賞したときの特典は、5個の遊技球の払出である。これに代えて、例えばワープ孔192に流入したことを検知して賞球の払出等の特典を付与する一方、V入賞口170に遊技球が入賞しなかった場合に特典を与えない構成を採用しても良い。仕切り171の上面は、外側に向けて次第に低くなる傾斜面である。仕切り171の上面に遊技球が載れば、傾斜面に沿って転動して外側に流下したり、傾斜面で外側に跳ねたりし、そのままハズレ入賞口173に流入する可能性が高い。
仕切り171は、入賞口17の溝方向に沿って進退可能な可動式の仕切りである。仕切り171は、後述する駆動ユニット5(図4参照。)によって左右に駆動される。左右一対の仕切り171の動作は左右対称である。例えば、左側の仕切り171が左方に移動すれば、右側の仕切り171が右方に移動する。また例えば、左側の仕切り171が右方に移動すれば、右側の仕切り171が左方に移動する。このような左右一対の仕切り171の対称動作により、V入賞口170は、仕切り171の進退位置に関わらず、役物19の中央に位置できる。
左右一対の仕切り171が変位すると、上記のような対称動作に応じて、V入賞口170の開口幅が変化する。V入賞口170の開口幅は図3(a)~(c)のように3段階で変化し、これによりV入賞口170の入賞確率が3段階で変動する。なお、以下の説明では、同図(a)を「通常」の開口幅あるいは入賞確率といい、同図(b)を「向上1」の開口幅あるいは入賞確率といい、同図(c)を「向上2」の開口幅あるいは入賞確率という。
なお、遊技盤面13の裏側では、図4のごとく、駆動ユニット5が役物19の下方に配設されている。駆動ユニット5は、V入賞口170の仕切り171を駆動する機能と、役物19の両外側の画像エリア18の表示画像を切り替える機能と、を備えるユニットである。駆動ユニット5は、左右両側に向かって延びるスライダ51、52を有している。スライダ51、52は、役物19の両側のレンチキュラー表示ユニット3の下方に当たる位置まで延設されている。レンチキュラー表示ユニット3及び駆動ユニット5の構成については後で詳しく説明する。
次に、パチンコ遊技機1の電気的な構成について、図5を参照して説明する。パチンコ遊技機1は、主制御部20を中心として構成されている。主制御部20に対しては、遊技球を払い出す払出機構部231を制御する払出制御部23、遊技球の発射装置242を制御する発射制御部241、表示や効果音による遊技演出を制御する演出制御部25、始動入賞を検出する第1及び第2始動センサ211・212、V入賞口170への入賞球を検出するV入賞センサ213、大入賞口16への入賞球を検出する大入賞センサ214、役物19の可動羽根199を駆動する羽根ソレノイド221、大入賞口16を開放させる大入賞口ソレノイド224、電力供給のための電源回路部228等が電気的に接続されている。なお、演出制御部25には、スピーカー131を駆動するアンプ251や装飾ランプ部136が電気的に接続されているほか、液晶表示部190を制御する表示制御部26が通信可能に接続されている。主制御部20には、さらに、V入賞口170の仕切り171を駆動する後述のV入賞口モータ55が制御可能に接続されている。
図5に示す主制御部20は、CPU201、記憶素子であるROM202・RAM203、入出力インタフェースをなすI/O部204、乱数を発生する乱数発生部205、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部206等を備えている。
ROM202は、CPU201に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、上記の開放時期抽選に用いられる抽選テーブル等を記憶している。開放時期抽選用の抽選テーブルでは、乱数発生部205が発生し乱数抽出部206によって抽出された抽選用乱数を照合可能である。
開放時期抽選用の抽選テーブルは、始動入賞を契機として役物19が開放状態に移行する時点である役物開放時期を決定するための抽選テーブルである。開放時期抽選テーブルでは、第1~第3のパターンの役物開放時期に対応する当選乱数がハズレなしで規定されている。第1のパターンは、役物開放時期が始動入賞の2秒後のパターンである。第2のパターンは同4秒後のパターンであり、第3のパターンは同9秒後のパターンである。開放時期抽選による各パターンの振分確率は、第1のパターンが60%、第2のパターンが30%、第3のパターンが10%となっている。詳しくは後述するが、本例のパチンコ遊技機1では、V入賞後の経過時間に応じてV入賞口170の開口幅が広くなるので、役物開放時期が遅くなる第3のパターンが最も有利になる。
パチンコ遊技機1は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)特典付与手段:V入賞口170への遊技球の入賞(V入賞)に応じて遊技者に特典を与える手段であり、主制御部20により実現される。本例では、特典として、特別状態である大当たり状態の発生を例示する。
(2)入賞確率変動手段:V入賞口170(特定入賞口)への遊技球の入賞確率を変動させる手段であり、仕切り171とV入賞口モータ55(駆動ユニット5)との組合せにより実現される。本例の入賞確率変動手段は、V入賞口170(特定入賞口)を拡大させることにより入賞確率を変動させるように構成されている。
(3)開放時期変更手段:所定の条件が満たされた時点を基準とした役物19の開放状態への移行時点である役物開放時期を変更する手段であり、主制御部20により実現される。所定の条件として、第1始動口11及び第2始動口12への入賞(始動入賞)が設定されている。
(4)開放時期抽選手段:役物開放時期を抽選により決定するための手段であり、主制御部20により実現される。
(5)演出手段:決定された役物開放時期に対応する演出を実行する手段であり、液晶表示部190により実現される。
次に、図6のごとく役物19を取り囲むように配設されたレンチキュラー表示ユニット3及び駆動ユニット5の構成について、順番に説明する。レンチキュラー表示ユニット3は、役物19の左右両側、画像エリア18の裏側に配設されている。駆動ユニット5は、役物19の下方に配置され、上記のごとく左右両外側に向けて延びるスライダ51、52を備えている。
レンチキュラー表示ユニット3は、図7のごとく、レンチキュラー画像30Aを表示するレンチキュラー画像表示部30と、レンチキュラー画像表示部30の前方に配置されたレンチキュラーレンズ部35と、を備える表示ユニットである。レンチキュラー表示ユニット3は、V入賞口170の入賞期待度に応じて3種類の画像を切り替えて表示する手段としての機能を備えている。レンチキュラー表示ユニット3が表示する画像は、透明な画像エリア18を介して遊技者側から視認できる。
レンチキュラー画像表示部30は、遊技盤面13に沿って配置されたレンチキュラー画像30Aを表示する表示部である。レンチキュラー画像表示部30は、大当たりの発生確率に関連する2種類以上(本例では第1~第3の画像31~33)の画像を含めて構成されている。レンチキュラー画像30Aは、左右方向の短冊状に分断された第1~第3の3種類の画像31~33を、上方から下方に向けて第1の画像31、第2の画像32、第3の画像33、第1の画像31、第2の画像32、第3の画像33・・・というように、順番に並べた画像である。レンチキュラー画像30Aでは、第1~第3の画像31~33の1セットが画像単位30Uとなっている。
第1の画像31(図8(a))は、「がんばれ」なるテキストを表示する画像である。第2の画像32(図8(b))は、「チャンス」なるテキストを表示する画像である。第3の画像(図8(c))は、「激熱ッ」なるテキストを表示する画像である。第1の画像31、第2の画像32、第3の画像33の順番で、画像が表す期待度が高くなる。レンチキュラー画像表示部30が表示するレンチキュラー画像は、大当たりが発生する確率が高いことを示す第3の画像33、及び大当たりが発生する確率が低いことを示す第1の画像31を含んで構成されている。
レンチキュラーレンズ部35(図7)は、左右方向に延びる畝状の凸レンズ350が、上下方向に隙間なく連続的に配置された光学部品である。このレンチキュラーレンズ部35の下端には、駆動ユニット5による支持点をなす凸状のピボット358が設けられている。このピボット358は、下方に向けて突出し、駆動ユニット5のスライダ51または52(図6参照。)に当接している。レンチキュラーレンズ部35は、このピボット358を介して駆動ユニット5により上下方向に駆動される。
レンチキュラーレンズ部35が備える各凸レンズ350は、レンチキュラー画像表示部30の上記の画像単位30Uに個別に対応している。凸レンズ350の上下方向の幅WLは、上記の画像単位30Uの上下方向の幅WGに一致している。凸レンズ350は、観者である遊技者の視線を第1~第3の画像31~33(図8)のうちのいずれかに選択的に導く機能を有している。レンチキュラーレンズ部35が初期位置にあるとき、凸レンズ350が遊技者の視線を第1の画像31(図8(a))に導くように構成されている。
第1~第3の画像31~33のセットである画像単位30Uに対して凸レンズ350の位置を上下方向にずらすことで、凸レンズ350が遊技者の視線を導く画像、すなわち凸レンズ350が焦点を結ぶ画像を切替できる。レンチキュラー画像30Aにおける画像単位30Uの上下方向の幅WGの1/3あるいは2/3の分、レンチキュラーレンズ部35が上方に変位すると、凸レンズ350が焦点を結ぶ画像が第2の画像32(図8(b))あるいは第3の画像33(図8(c))に切り替わる。
駆動ユニット5(図6)は、役物19の仕切り171を左右に進退駆動する機能と、レンチキュラーレンズ部35を上下方向に変位(スライド)させる駆動手段としての機能と、を併せ持つ駆動ユニットである。駆動ユニット5は、左右方向に沿って組み付けられる左右一対の棒状のスライダ51、52と、スライダ51、52を駆動するV入賞口モータ55と、を含んで構成されている。スライダ51、52は、連結部517、527を介してV入賞口170の仕切り171に連結されて一体をなしている。スライダ51、52の左右方向の進退に応じて仕切り171が左右方向に進退し、V入賞口170の開口幅が変化する。
左右一対のスライダ51、52(図6)は、レンチキュラー表示ユニット3の下方に延びるスライダ先端部511、521の形状が共通している一方、役物19の下方に当たるスライダ基部518、528の形状が異なっている。遊技者側から見て向かって左側のスライダ51のスライダ基部518は、直線的に形成されている一方、右側のスライダ52のスライダ基部528は、クランク状に形成されている。上記の連結部517(527)は、スライダ基部518(528)に固定されている。
左側のスライダ51のスライダ基部518の直線的な形状と、右側のスライダ52のスライダ基部528に設けられたクランク形状と、の組合せにより、スライダ基部518、528が上下方向に対面する隙間が形成されている。この隙間には、V入賞口モータ55の回転軸に外挿固定された略円柱状のピニオンギア550が配置されている。また、この隙間に対面するスライダ基部518、528の各側面には、ラックギアを設けたギア面519、529が形成されている。左右一対のスライダ51、52は、スライダ基部518、528のギア面519、529のラックギアがピニオンギア550に螺合する状態となっている。
ピニオンギア550に螺合する状態で対向配置された左右一対のスライダ51、52は、ピニオンギア550の回転に応じて、互いに逆向きに変位する。V入賞口モータ55の動作によりピニオンギア550が図9(a)中の矢印の方向(反時計回り)に回転すると、左右一対のスライダ51、52が外側に変位する。一方、ピニオンギア550が図9(b)中の矢印の方向(時計回り)に回転すると、左右一対のスライダ51、52が内側に変位する。このようにスライダ51、52が左右方向に変位すると、連結部517、527を介して一体をなす仕切り171が左右方向に進退し、これにより、V入賞口170が拡縮する。
スライダ先端部511(521)の上向きの側面、すなわちレンチキュラー表示ユニット3の下端に面する側面は、レンチキュラーレンズ部35を下方から支持する支持面をなしている。スライダ先端部511(521)の上向きの側面には、2段階のステップが設けられ、高さが異なる3段階の低、中、高の支持面511L、M、H(521L、M、H)が形成されている(図6)。低、中、高の3段階の支持面511L、M、H(521L、M、H)は、外側から内側に向けてこの順番で配置されている。
高の支持面511H(521H)は、V入賞口170の上述の「向上2」の開口幅(図3(c))に対応している。つまり、レンチキュラーレンズ部35のピボット358が支持面511H(521H)に当接するとき、仕切り171が最も外側に移動して、V入賞口170の開口幅が最も広くなる。低の支持面511L(521L)は、V入賞口170の上述の「通常」の開口幅(図3(a))に対応している。つまり、レンチキュラーレンズ部35のピボット358が支持面511L(521L)に当接するとき、仕切り171が最も内側に移動して、V入賞口170の開口幅が最も狭くなる。また、中の支持面511M(521M)は、V入賞口170の上述の「向上1」の中間的な開口幅(図3(b))に対応している。
各支持面511L、M、H(521L、M、H)は、レンチキュラーレンズ部35の下端に設けられた上記のピボット358の摺動面となっている。隣り合う支持面の間には、傾斜状のスロープ513(523)が設けられている。スライダ51(52)が左(右)方向に進退する際、ピボット358は、スロープ513、523を利用して異なる支持面に載り移ることが可能である。図10のごとく、低、中、高の支持面511L、M、H(521L、M、H)のうちのいずれの支持面にピボット358が支持されるかによって、レンチキュラーレンズ部35の上下方向の高さが異なる。
高、中の支持面511H、M(521H、M)の高さの違い、中、低の支持面511M、L(521M、L)の高さの違いは、レンチキュラー画像30Aにおける画像単位30U(図7)の上下方向の幅WGの1/3に設定されている。なお、この幅WGは、レンチキュラーレンズ部35の畝状の凸レンズ350の幅WLと等しい。低の支持面511L(521L)は、レンチキュラーレンズ部35の凸レンズ350が第1の画像31に焦点を結ぶ初期状態に対応している(図10(a)、図11(a))。中の支持面511M(521M)は、凸レンズ350が第2の画像32に焦点を結ぶ状態に対応している(図10(b)、図11(b))。高の支持面511H(521H)は、凸レンズ350が第3の画像33に焦点を結ぶ状態に対応している(図10(c)、図11(c))。
このようにパチンコ遊技機1では、左右一対の仕切り171の間隙に形成されるV入賞口170の3段階の開口幅(図3(a)~(c))に対応付けて、ピボット358を支持する低、中、高の支持面511L、M、H、521L、M、H、が設けられている。また、上記のごとく、ピボット358が低、中、高の支持面511L、M、H(521L、M、H)に当接する状態は、それぞれ、V入賞口170の開口幅が「通常」、「向上1」、「向上2」となる状態に対応している。
V入賞口170の開口幅が最も狭いとき(図3(a)の「通常」)には、ピボット358が低の支持面511L、521Lによって支持され(図10(a))、遊技者の視線が第1の画像31(図8(a))に導かれる。V入賞口170の開口幅が最も広いとき(図3(c)の「向上2」)には、ピボット358が高の支持面511H、521Hによって支持され(図10(c))、遊技者の視線が第3の画像33に導かれる。また、V入賞口170の開口幅が中間にあるとき(図3(b)の「向上1」)には、ピボット358が中の支持面511M、521Mによって支持され(図10(b))、遊技者の視線が第2の画像32(図8(b))に導かれる。
本例のパチンコ遊技機1の構成では、画像エリア18に第1の画像31(図8(a))が表示される状態が初期状態であり、このときのレンチキュラーレンズ部35の上下方向の位置が初期位置である。この初期位置は、V入賞口170の開口幅が最も狭い「通常」(図3(a))に対応する位置である。
この初期位置を基準として、画像単位30U(図7参照)の幅WGの1/3分、レンチキュラーレンズ部35が上方に変位すると、凸レンズ350が焦点を結ぶ画像が第1の画像31から第2の画像32(図8(b))に切り替わる。このときのレンチキュラーレンズ部35の位置は、V入賞口170の開口幅が中間となる「向上1」(図3(b))に対応する位置である。
さらにレンチキュラーレンズ部32が幅WGの1/3分、上方に変位すると、凸レンズ350が焦点を結ぶ画像が第2の画像32から第3の画像33(図8(c))に切り替わる。このときのレンチキュラーレンズ部35の位置は、V入賞口170の開口幅が最も広くなる「向上2」(図3(c))に対応する位置である。
以上のように構成されたパチンコ遊技機1の基本的な遊技の流れについて説明する。
パチンコ遊技機1は、操作ハンドル15を操作し、遊技領域130に遊技球を打ち込むことで遊技が行われる。遊技領域130を流下する遊技球が第1始動口11あるいは第2始動口12に流入すると始動入賞が発生し、その後、役物開放時期に到達したときに可動羽根199(役物19)の開放動作が行われる。可動羽根199が開放動作を行うと枠体191の側面に設けられたワープ孔192が開口し、役物19に遊技球が流入可能な開放状態となる。なお、上記の通り、役物開放時期は、始動入賞を契機として実行される開放時期抽選により決定される。
ワープ孔192を介して役物19に流入した遊技球は、ワープ球となって枠体191の内部に形成された図示しないワープルートを経由し、枠体191の内側面のワープルート出口193からステージ195に転がり出る。前下がりに傾斜するステージ195に転がり出たワープ球は、障害物195Bにぶつかりながら手前側の入賞口17に入賞する。上記のごとく、この入賞口17は、大当たりの契機となるV入賞口170と、ハズレ入賞口173と、に区画されている。ワープ球は、V入賞口170、及びハズレ入賞口173のいずれかに入賞する。なお、V入賞口170の入賞確率は、仕切り171の位置によって変動する。仕切り171は、後述する通り、始動入賞後の経過時間に応じて入賞確率が高くなるように3段階の位置(図3(a)~(c))に変位する。なお、V入賞口170の入賞確率を変動させる動作完了前の始動入賞は、入賞球の払出のみが行われ、可動羽根199等の制御の契機としての始動入賞はキャンセルされる。
V入賞口170への入賞が発生した場合に、遊技者側に有利な特別状態である大当たりが発生する。この大当たりは、大入賞口16が開放されるラウンド処理が繰り返される遊技状態である。大当たりでは、大入賞口16が開放されるラウンド処理が10回繰り返して実行される。1回のラウンド処理は、30秒経過するか、入賞個数が10個に到達すると終了する。
V入賞口170への入賞(V入賞、大当たり)の発生時には、図12のごとく、「V入賞!!」のメッセージと共に、大当たり中のラウンド処理の実行回数(同図では10ラウンド)を報知する演出画面が液晶表示部190の表示画面に表示される。また、大当たりの発生中では、図13のごとく「大当たり」のメッセージと共に、大当たりに関する情報を報知する演出画面が液晶表示部190の表示画面に表示される。同図中に例示する大当たりに関する情報は、左側から、終了ラウンド数、現在のラウンド数、そのときのラウンドでの入賞個数である。その後、大当たり中のラウンド処理の実行回数が終了ラウンド数に到達すると、大当たりが終了する。
本例のパチンコ遊技機1の遊技は、始動入賞の後、V入賞が発生するまでの動作に特徴がある。パチンコ遊技機1の遊技では、上記の役物開放時期を決定する開放時期抽選と、始動入賞後の経過時間に応じてV入賞口170の入賞確率が高まる制御と、の組合せにより、V入賞口170の入賞期待度(入賞確率)に差が生み出されて遊技の興趣が高められている。この内容について、図14のタイミングチャートを参照して説明する。
図14は、丸囲み1で示す始動入賞の時点を起点としたタイミングチャートである。同図(a)~(c)は、第1~第3のパターンの役物開放時期に対応している。同図(a)は、役物開放時期が始動入賞の2秒後という第1のパターンに対応し、同図(b)は、役物開放時期が始動入賞の4秒後という第2のパターンに対応し、同図(c)は、役物開放時期が始動入賞の9秒後という第3のパターンに対応している。
図14(a)~(c)は、始動入賞のタイミング、V入賞口170の入賞確率の経時変化(同図中のV入賞口)、可動羽根199の開放動作のタイミング(同図中の羽根開放)を表している。同図中、始動入賞の「ON」は、始動入賞の発生に対応し、羽根開放の「開放」は開放動作の実行中に対応している。V入賞口170の「通常」、「向上1」、「向上2」は、V入賞口170の入賞確率の3段階を表し、「通常」→「向上1」→「向上2」の順番で入賞確率が高くなっている。
図14中のV入賞口170の「通常」、「向上1」、「向上2」は、それぞれ、図15(a)~(c)の仕切り171の位置および画像エリア18の表示に対応している。「通常」は、図15(a)のごとく、左右一対の仕切り171が遊技球1個分に近い隙間を空けて対向するV入賞口170の状態に対応し、「がんばれ」のテキスト表示である第1の画像31が画像エリア18に表示される。この「通常」の状態では、V入賞口170の入賞確率が最も低い通常の確率になる。
「向上1」は、図15(b)のごとく、左右一対の仕切り171が外側に変位して、V入賞口170の開口幅が広くなったV入賞口170の状態に対応し、「チャンス」のテキスト表示である第2の画像32が画像エリア18に表示される。この「向上1」では、V入賞口170の入賞確率が「通常」よりも高く、「向上2」よりも低い中間の確率となる。
「向上2」は、図15(c)のごとく、左右一対の仕切り171が外側限度まで変位して、V入賞口170の開口幅が最大になったV入賞口170の状態に対応し、「激熱ッ」のテキスト表示である第3の画像33が画像エリア18に表示される。この「向上2」では、V入賞口170の入賞確率が最大の確率になる。
図14(a)~(c)における丸囲み数字1~5は、イベントの発生時点を示している。丸囲み数字1は、始動入賞の時点を示している。丸囲み数字2は、可動羽根199の開放動作の実行時点を示している。丸囲み数字3は、V入賞口170の入賞確率が「通常」から「向上1」に移行する時点を示している。丸囲み数字4は、V入賞口170の入賞確率が「向上1」から「向上2」に移行する時点を示している。丸囲み数字5は、V入賞口170の入賞確率が「向上2」から「通常」に復帰する時点を示している。同図の通り、本例では、始動入賞から5秒までが「通常」、5秒から10秒までが「向上1」、10秒から15秒までが「向上2」である。なお、V入賞口170が「通常」→「向上1」→「向上2」までの一連の動作を完了するのに15秒を要するが、動作完了前の始動入賞は可動羽根199やV入賞口170の制御等の契機にはならない。入賞に応じた払出しが行われる一方、可動羽根199の回動動作等の契機としての始動入賞はキャンセルされる。
役物開放時期として第1のパターン(2秒後)が決定された場合、図14(a)のごとく、始動入賞の2秒後に可動羽根199による開放動作が実行されて、役物19が開放状態となる。この時点では、V入賞口170が「通常」の状態にある(図3(a)の状態)。そのため、役物19に流入したワープ球がV入賞口170に入賞する可能性は低くなっている。このように役物開放時期が2秒後である第1のパターンは、V入賞の期待度が低いパターンになっている。
図14(a)の第1のパターンの場合、始動入賞後、可動羽根199が開放動作を実行するまでの経過時間は2秒と短い。そのため、第1のパターンの場合には、画像エリア18の表示の切替が発生せず、図15(a)の通常画像のままである。勿論、第1のパターンであっても障害物195Bに衝突すること等により遊技球がステージ195上に長期間滞ることでV入賞口170の入賞確率が高まる可能性もある。
役物開放時期として第2のパターン(4秒後)が決定された場合、図14(b)のごとく、始動入賞の4秒後に可動羽根199による開放動作が実行されて、役物19が開放状態となる。そして、この開放動作の1秒後には、V入賞口170が「通常」から「向上1」の状態に移行する(図15(b)の状態。)。V入賞口170が「向上1」の状態に移行すると、画像エリア18の表示切替が発生し、図15(a)の「通常」画像から同図(b)の「チャンス」画像に切り替わる。画像エリア18の画像が切り替わる演出が発生すれば、V入賞口170の開口幅が広くなって入賞確率が高くなったことを遊技者が確実性高く認識でき、V入賞に対する遊技者の期待感が高まる。
第2のパターンでは、ワープルートを経由してワープルート出口193に転がり出た遊技球がステージ195上を転動している間に、V入賞口170が「向上1」の状態に移行することを期待できる。そのため、図14(a)の第1のパターンの場合よりも、V入賞口170の入賞確率(入賞期待度)が高くなる。
役物開放時期として第3のパターン(9秒後)が決定された場合、図14(c)のごとく、始動入賞の9秒後に可動羽根199による開放動作が実行されて、役物19が開放状態となる。この開放動作の時点では、すでにV入賞口170が「向上1」の状態となって入賞確率が向上している(図15(b)の状態。)。そしてこの時点ですでに、画像エリア18の表示切替が実行され、図15(a)の「通常」画像から同図(b)の「チャンス」画像への切替が完了している。これにより、V入賞に対する遊技者の期待感が高められている。
さらに、開放動作の1秒後には、図14(c)のごとく、V入賞口170が「向上1」から「向上2」の状態に移行し(図15(c)の状態。)、V入賞口170の入賞確率が最大となる。V入賞口170が「向上1」から「向上2」に切り替わると、画像エリア18の表示がさらに切り替わり、最も期待度が高い図15(c)の「激熱ッ」画像が表示される状態になる。この画像表示によって遊技者は、V入賞口170の入賞確率が最大となったことを確実に認識できる。これにより、V入賞に対する遊技者の期待感は最高潮を迎えることになる。役物開放時期が9秒後である第3のパターンの場合、ワープルートを経由してワープルート出口193に転がり出た遊技球がステージ195上を転動している間に、V入賞口170が「向上2」の状態に移行する可能性が高く、V入賞の期待度が最も高くなる。
以上のように、本例のパチンコ遊技機1では、役物19に遊技球が流入可能になる所定の条件(本例では始動入賞)が満たされた後の経過時間に応じて、V入賞口170の入賞確率が変化する。さらに、このパチンコ遊技機1では、所定の条件が満たされた時点(本例では始動入賞時)を基準とした役物19の開放状態への移行時点である役物開放時期が変化する。本例のパチンコ遊技機1では、役物19が開放状態になる役物開放時期と、V入賞口170の入賞確率の経時変化と、の組合せに応じて、V入賞口170への入賞確率が大きく変化する。この組合せによれば、例えばV入賞口170などの特定入賞口の入賞確率を始動入賞後の時間経過に応じて変更可能である一方、特定入賞口の入賞確率を自由に変化させることが規制される規則の下であっても、始動入賞を契機としたV入賞の期待度を大きく変更でき、遊技の興趣を効果的に向上できる。
さらに、このパチンコ遊技機1では、V入賞口170の入賞確率の変動に合わせて、駆動手段としての駆動ユニット5がレンチキュラーレンズ部35を上方にスライドさせ、これによりレンチキュラー画像30Aにおける3種類の画像31~33のうち、遊技者が画像エリア18に視認できる画像が切り替わる。V入賞口170の入賞確率が高くなると、画像エリア18の表示が、「通常」画像(図15(a))から「チャンス」画像(図15(b))に切り替わる。さらにV入賞口170の入賞確率が高くなると、画像エリア18の表示がチャンス画像(図15(b))から激熱画像(図15(c))に切り替わる。
パチンコ遊技機1では、V入賞口170の開口幅を左右する仕切り171の動きに連動するレンチキュラーレンズ部35の機械的な動作によって、画像エリア18の表示が切り替わる。特に、本例の構成では、仕切り171を左右に駆動するための駆動力を利用してレンチキュラーレンズ部35が上下方向に駆動され、この上下方向の変位に応じて画像エリア18の表示が切り替わる。レンチキュラーレンズ部35は、3種類の画像31~33によって構成されたレンチキュラー画像30Aと対面する状態にある。レンチキュラーレンズ部35を上下方向にずらすことで、レンチキュラー画像30Aの3種類の画像31~33のうち、観者である遊技者が視認する画像を切替できる。
このように本例のパチンコ遊技機1では、液晶ディスプレイなどを利用する電気的な作用によるものではなく、レンチキュラー効果を利用した簡単かつ単純な構成により、画像エリア18の切替表示が実現されている。レンチキュラー効果の元画像であるレンチキュラー画像30Aには、大当たりであるV入賞が発生する確率が高いことを示す第3の画像33、及びV入賞が発生する確率が低いことを示す第1の画像31が含まれている。それ故、パチンコ遊技機1では、画像エリア18の表示切替により、V入賞に対する遊技者の期待感を刺激できる。
このように本例のパチンコ遊技機1は、始動入賞によって所定の条件が満たされた後の時間経過に応じてV入賞口170の入賞確率が大きく変化する役物19によって遊技の興趣が高められた優れた特性の遊技機である。このパチンコ遊技機1では、V入賞口170の入賞確率の変動に応じてレンチキュラーレンズ部35が移動し、その移動に応じて遊技者が視認する画像が変化するというレンチキュラー効果を利用し、低コストの構成で遊技者の期待感を高めることができる。
本例のパチンコ遊技機1は、V入賞口170の入賞確率を変更するための入賞確率変動手段の一例として、V入賞口170に至る遊技球の流路に設けられた可動部材である仕切り171を有している。そしてこの仕切り171によってV入賞口170への遊技球の流入のし易さを変化させることで、V入賞口170の入賞確率を変更する。仕切り171などの可動部材によれば、V入賞口170を拡大させることにより入賞確率を確実性高く変更できる。可動部材によりV入賞口170を拡大させる構成を採用した場合、入賞確率が変動する様子を遊技者が視認でき、視覚的に遊技の興趣を向上できる。なお、V入賞口170の拡大に代えて、遊技球が流下し易い位置にV入賞口170を移動させることで、入賞確率を変動させる構成を採用しても良い。この構成を採用した場合にも、V入賞口170の入賞確率が変動する様子を遊技者が視覚的に認識可能である。
また、パチンコ遊技機1では、V入賞口170の入賞確率として複数段階の入賞確率が設けられ、いずれかの入賞確率が設定される。また、役物開放時期として複数段階の役物開放時期が設けられ、いずれかの役物開放時期が設定される。V入賞口170の入賞確率あるいは役物開放時期を段階的に設定すれば、遊技者側から入賞確率や役物開放時期の変更がわかり易くなる。また段階的な入賞確率と段階的な役物開放時期によれば、その組合せによりV入賞の期待度について多様な変化を実現できる。
なお、パチンコ遊技機1では、予め設けられる複数の役物開放時期の内、いずれかを選択することで役物開放時期が変更される(開放時期変更手段)。そして、第1役物開放時期と、第1役物開放時期よりも後の時点である第2役物開放時期と、のいずれが選択されるに関わらず、所定の経時変化のパターンでV入賞口(特定入賞口)170の入賞確率が変更される。入賞確率の時間的な変動パターンを一定にすれば、役物開放時期に対するV入賞の期待度を遊技者が把握し易くなる。この場合には、役物開放時期の設定に応じて遊技者の期待感を効果的に高揚できる。なお、本例では、役物開放時期として、第1~第3のパターンを例示している(図14(a)~(c))。例えば、役物開放時期が一番早い第1のパターンを第1役物開放時期の一例とすれば、第2及び第3のパターンが第2役物開放時期の一例となる。また、役物開放時期が中間の第2のパターンを第1役物開放時期の一例とすれば、第3のパターンが第2役物開放時期の一例となる。
なお、本例のパチンコ遊技機1の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することもできる。さらに、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、可動部材の一例をなす仕切り171を用いてV入賞口170の入賞確率を変更する構成を採用している。V入賞口170などの特定入賞口の入賞確率を変更する構成は本例の構成に限定されず、始動入賞からの時間経過に応じてV入賞が容易になる構成であれば良い。
例えば所謂チューリップのような入賞口をV入賞口として、その開放度合いによって入賞確率を制御することも良い。また例えば、ステージ195上の障害物195Bについて、遊技球に対する影響度合いの大きい作用状態と、影響度合いの小さいキャンセル状態と、を制御可能に構成することも良い。例えば、V入賞し易くなる障害物(誘導障害物という。)と、V入賞を阻害する障害物(阻害障害物という。)と、の区別があれば、誘導障害物を作用状態に設定すると共に、阻害障害物をキャンセル状態に設定することでV入賞し易い状態を設定できる。誘導障害物をキャンセル状態に設定すると共に、阻害障害物を作用状態に設定することでV入賞し難い状態を設定することも良い。さらに例えば、ワープ球が転動してV入賞口170に向かうステージ195の表面の形状を制御可能としても良い。例えば、ステージ中央のV入賞口170に向けてワープ球を誘導するようにステージの表面を谷状にしたり、同様のV入賞口170へのワープ球の流入を阻害するようにステージの表面を山状にすることで、V入賞口170の入賞確率を変更できる。
本例では、可動羽根199の開放動作の実行タイミングである役物開放時期を抽選(開放時期抽選)により決定する構成を例示している。例えば大当たりの後、一定期間が経過した場合や、ハズレとなった始動入賞の回数が所定回数に達した場合など、の有利な条件が成立した場合の開放時期抽選では、有利な第3のパターン(図14(c))の確率を100%に設定したり、上記に例示した有利な条件が成立すれば第3のパターン、成立しなければ第1のパターンのように抽選を行うことなく入賞確率を変更しても良い。さらに、本例では、役物開放時期として第1~第3のパターンを設けたが、10パターン等、パターンの数を増やしたり、2パターンのように減らしても良い。
本例では、可動羽根199の開放動作により役物19が開放状態になるための所定の条件として、始動口11、12の入賞である始動入賞を例示している。所定の条件は、始動入賞に限定されない。始動入賞を契機として実行される抽選での当選や上記同様に一定期間の経過や始動入賞の回数が所定回数に達する等を、所定の条件に設定しても良いが、この場合、例えば一定期間が経過した際にその旨を報知し、その報知を起点として可動羽根199が開放するまでの期間やV入賞口170の入賞確率を変動させれば良い。
また、本例では、始動入賞後の時間経過に応じてV入賞口170の入賞確率が高くなっていく構成を例示している。入賞確率の経時変化のパターンは本例には限定されない。例えば図14(c)を初期状態として、時間経過に応じて、同図(b)の状態→同図(a)の状態に近づいていく等、時間経過に応じて遊技者側に不利になるように制御しても良い。
更に本例では、V入賞口170の入賞確率を変動させる動作完了前の始動入賞については可動羽根199等の制御の契機にならないことを例示したが、役物動作完了前の始動入賞に応じて、可動羽根199は回動するがV入賞口170の入賞確率の変化には影響させない、或いは作動完了前であるか否かに関わらず可動羽根199を回動させたりV入賞口170の入賞確率を変化させたりしても良い。
本例では、特典の一例として大当たり発生を例示している。特典は大当たり発生に限定されない。例えば、大当たりを発生させるための抽選(大当たり抽選)を行うことや、始動口入賞等に応じて別途行われる大当たり抽選を有利な確率とすることや、遊技球の付与や、その後の可動羽根199の開放時間や開放回数を有利にするといった開放条件の変更など、遊技者にとって有利な特典であれば良く、大当たり発生以外の他の特典を設定可能である。
なお、本例では、V入賞口170の3段階の開口幅(図3(a)~(c))に連動して、レンチキュラーレンズ部35の上下方向の位置が3段階に切り替わり、これにより画像エリア18の表示が切り替わる構成を例示している。これに代えて、レンチキュラーレンズ部35の位置を無段階で変更しても良い。この場合には、例えば、「通常」画像である第1の画像31(図8(a))と「チャンス」画像である第2の画像32(図8(b))とが混じって視認される中間的な表示を遊技者側に提示できる。この中間的な表示では、レンチキュラーレンズ部35が初期位置(図10(a))から上方に変位するに従って、第1の画像31に対して第2の画像32が混ざり込む度合いが大きくなっていき、最終的に第2の画像32に切り替わるような表示変化を実現できる。
さらに、画像エリア18の無段階の表示変化に対応して、V入賞口170の入賞確率を無段階で、連続的に変化させることも良い。例えばV入賞口170の開口幅を規定する仕切り171を連続的に変位させれば、V入賞口170の入賞確率を無段階で、連続的に変動させることが可能である。例えば、スライダ51(52)に設けた3段階の支持面511L、M、H(521L、M、H)に代えて、傾斜状の支持面を採用しても良い。この場合には、V入賞口170の開口幅を連続的に変更できると共に、その連続的な変更に連動して、レンチキュラーレンズ部35の上下方向の位置を連続的に変更できる。
なお、本例では、レンチキュラー画像表示部30に対してレンチキュラーレンズ部35を上下方向にスライドさせる構成を例示したが、レンチキュラーレンズ部35に対してレンチキュラー画像表示部30を上下方向にスライドさせる構成を採用することも良い。また、本例では、レンチキュラーレンズ部35を上下方向にスライドさせることによって、レンチキュラー画像表示部30における視認可能な画像が切り替わる機構を例示したが、これに代えて、レンチキュラーレンズ部あるいはレンチキュラー画像表示部を左右方向にスライドさせることによってレンチキュラー画像表示部における視認可能な画像が切り替わる機構を採用しても良い。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更、あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。