以下、本願発明の配達物追跡管理システムを幾つかの具体的な実施態様の構成により説明するなかで、配達物追跡管理方法、配達物追跡管理プログラム及び当該配達物追跡管理プログラムを記録した媒体についても同時に説明する。本願発明の配達物追跡管理システムでは、配達物に貼付されるRFタグには、ハイブリッド型RFIDタグを用いるものであり、短距離での情報授受の場合は860~960MHzのUHF無線通信帯域を用い、近接距離の場合は13.56MHzのHF無線通信帯域を用いる。
本発明に係る配達物追跡管理システムの第1の構成は、配達物の情報を管理する配達管理所に配設されたサーバ装置と、各配達物に貼付され、該配達物のID情報である配達物ID情報を記録したRFタグであるハイブリッド型RFIDタグと、宅配業務に使用される各配送車の運転室内に付設され、該配送車のID情報である配送車ID情報を記録したRFタグである配送車タグと、前記配送車の荷室内に配設される荷室端末装置と、各配達員に携帯される携帯端末装置と、を備え、
前記荷室端末装置は、860~960MHzのUHFの無線通信帯域により前記ハイブリッド型RFIDタグの配達物ID情報を読み取る荷室端末付RFセンサと、前記荷室端末付RFセンサで読み取られた前記配達物ID情報及び該荷室端末装置のID情報である荷室端末ID情報を、通信回線を介して前記サーバ装置へ送信する荷室端末送信手段と、を備え、
前記携帯端末装置は、13.56MHzのHFの無線帯域による通信により前記各ハイブリッド型RFIDタグである配達物タグに記録された情報を読み取る携帯端末付RFセンサと、測位システムにより位置情報を取得する携帯端末位置情報取得手段と、前記携帯端末付RFセンサで読み取られた情報、前記携帯端末位置情報取得手段で取得された位置情報、及び該携帯端末装置のID情報である携帯端末ID情報を、通信回線を介して前記サーバ装置へ送信する携帯端末送信手段と、を備え、
前記サーバ装置は、前記各配達物の前記配達物ID情報が格納される配達物IDフィールドに、該配達物の配達先の位置情報が格納される配達先位置情報フィールド、該配達物の現在の位置情報が格納される配達物位置情報フィールド、該配達物を配送する配送車の荷室内に配設された前記荷室端末装置の前記荷室端末ID情報が格納される荷室端末IDフィールド、及び該配達物を配達する配達員が所持する前記携帯端末装置の前記携帯端末ID情報が格納される携帯端末IDフィールドを関係づけて管理し、各配送車のID情報である前記配送車ID情報が格納される配送車IDフィールドに、該配送車の荷室内に配設された前記荷室端末装置の前記荷室端末ID情報が格納される荷室端末IDフィールドを関係づけて管理する配達物管理データベースと、前記荷室端末装置の前記荷室端末送信手段及び前記携帯端末装置の前記携帯端末送信手段により送信された各情報を受信するサーバ装置受信手段と、前記荷室端末装置から送信された前記配達物ID情報及び前記荷室端末ID情報を受信した場合、前記配達物管理データベース内の、該配達物ID情報に対応するレコードにおける、前記配送車IDフィールドのフィールド値を、受信した該荷室端末ID情報に対応する配送車ID情報に更新する配送車情報更新手段と、前記携帯端末装置から送信された前記配達物ID情報、該携帯端末装置の位置情報及び前記携帯端末ID情報を受信した場合、前記配達物管理データベース内の、該配達物ID情報に対応するレコードにおける、前記携帯端末IDフィールドのフィールド値を、受信した該携帯端末ID情報とし、前記配達物位置情報フィールドのフィールド値を、受信した該携帯端末装置の位置情報とする第1の配達員情報更新手段と、前記携帯端末装置から送信された前記配送車ID情報、該携帯端末装置の位置情報及び前記携帯端末ID情報を受信した場合、前記配達物管理データベースから、該配送車ID情報に対応する前記荷室端末ID情報に対応する各レコードにおける前記配達物IDフィールドのフィールド値である前記配達物ID情報を取得し、それらの各配達物ID情報に対応する各レコードにおける、前記携帯端末IDフィールドのフィールド値を受信した該携帯端末ID情報とし、前記配達物位置情報フィールドのフィールド値を受信した該携帯端末装置の位置情報とする第2の配達員情報更新手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、配達員が所持する携帯端末装置が、配達物に貼付される配達物タグの近接位置にある場合、或いは個別に配送車を変更する場合には、携帯端末装置が、ハイブリッド型RFIDタグの配達物ID情報を13.56MHzの帯域の電波(HF帯域)で読み取って携帯端末ID情報とともにサーバ装置へ送られ、配達物管理データベースにおいて、該配達物ID情報と該携帯端末ID情報とが関連づけて保存される。これにより、サーバ装置において各配達物を取り扱っている現在の配達員を追跡することができる。一方、配達物が配送車の荷室に積荷されている場合、配達物と配達員が所持する携帯端末装置とは離れているため、携帯端末装置により配達物に貼付される配達物タグを読み取ることは出来ない。この場合、携帯端末装置は配送車の荷室内の配達物に貼付されたRFタグから配達物ID情報を860~960MHzの帯域の電波(UHF帯域)を用いて読み取り、携帯端末ID情報とともにサーバ装置へ送る。つまり、配送車の荷室内に配設された荷室端末装置が、配達物に貼付される配達物タグを読み取り荷室端末ID情報とともにサーバ装置へ送る。サーバ装置では、これらの情報を基に、「携帯端末ID←→配送車ID←→荷室端末ID←→配達物ID」のように結びつけることにより、サーバ装置において各配達物を取り扱っている配達員を追跡することができる。このように、配達員が配達物から離れている状態にある場合においても、常時、各配達物を取り扱っている配達員を追跡し管理することが可能となる。また、配送中に、配送車のドライバー(配達員)が交代した場合、交代した配達員の新たな携帯端末装置が該配送車の配送車ID情報を読み取り新たな携帯端末装置の携帯端末ID情報とともにサーバ装置へ送り、配達物管理データベースが更新されるので、配達員が交代すれば、サーバ装置において自動的に配達物を取り扱っている配達員を変更し、正しく追跡することができる。
尚、配達物管理データベースにおいて、各フィールドは必ずしも1つのテーブル内で管理する必要はなく、複数のテーブルに跨ってリレーショナル・データベースとして管理するように構成してもよい。
また、荷室端末装置及び携帯端末装置は、一定の時間毎に定期的に各RFセンサで各RFタグに記録された情報を読み取り、サーバ装置へ送信するように構成することもできる。また、サーバ装置は、一定の時間毎に定期的に、荷室端末装置及び携帯端末装置に対して応答要求を送信し、荷室端末装置及び携帯端末装置は、応答要求を受信すると各RFセンサで各RFタグに記録された'情報を読み取り、サーバ装置へ送信するように構成することもできる。
本発明に係る配達物追跡管理システムの第2の構成は、前記第1の構成において、宅配業務に従事する各配達員に所持され、該配達員のID情報である配達員ID情報を記録したRFタグである配達員タグを備え、
前記サーバ装置は、各配達員のID情報である配達員ID情報が格納される配達員IDフィールドと、該配達員が所持する前記携帯端末装置の携帯端末ID情報が格納される携帯端末IDフィールドとを関係づけて管理する配達員管理データベースを備え、前記第1の配達員情報更新手段は、前記携帯端末装置から送信された前記配達物ID情報、該携帯端末装置の位置情報及び前記携帯端末ID情報、並びに前記配達員ID情報を受信した場合、前記配達物管理データベース内の、該配達物ID情報に対応するレコードにおける、前記携帯端末IDフィールドのフィールド値を受信した該携帯端末ID情報とし、前記配達物位置情報フィールドのフィールド値を受信した該携帯端末装置の位置情報とするとともに該携帯端末ID情報と該配達員ID情報どを関連づけるように前記臨達員管理ヂータベースを更新するものであり、
前記第2の配達員情報更新手段は、前記携帯端末装置から送信された前記配送車ID情報、該携帯端末装置の位置情報及び前記携帯端末ID情報、並びに前記配達員ID情報を受信した場合、前記配達物管理データベースから、該配送車ID情報に対応する前記荷室端末ID情報に対応する各レコードにおける前記配達物IDフィールドのフィールド値である前記配達物ID情報を取得し、
それらの各配達物ID情報に対応する各レコードにおける、前記携帯端末IDフィールドのフィールド値を受信した該携帯端末ID情報とし、前記配達物位置情報フィールドのフィールド値を受信した該携帯端末装置の位置情報とするとともに、該携帯端末ID情報と該配達員ID情報とを関連づけるように前記配達員管理データベースを更新するものであることを特徴とする。
この構成によれば、携帯端末装置を所持する配達員が変更した場合には、携帯端末装置が変更した配達員の配達員タグから配達員ID情報を読み取り、該携帯端末装置の携帯端末ID情報とともにサーバ装置へ送り、サーバ装置の配達員管理データベースに両者が関連づけられて登録される。従って、サーバ装置において、携帯端末装置を所持する配達員が変更した場合でも自動的に該携帯端末装置とその所持者との関係が変更される。従って、サーバ装置において各配達物を取り扱う現状の配達員を常に正確に追跡することが出来る。
本発明に係る配達物追跡管理システムの第3の構成は、前記第1又は2の構成において、前記配達物管理データベースは、前記各配達物の未配達/配達済を示す情報を含む情報である配達済情報を格納する配達済情報フィールドも併せて、該配達物に対応する前記配達物IDフィールドと関係づけて管理するものであり、
前記携帯端末装置は、配達物を配達先に配達したことを示す配達完了情報が入力されると、該配達物の前記ハイブリッド型RFIDタグから前記携帯端末付RFセンサにより、13.56MHz帯域の電波(HF帯域)で前記配達物ID情報を読み取り、該配達物ID情報を前記配達完了情報に含めて、該携帯端末装置の位置情報及び前記携帯端末ID情報とともに、前記携帯端末送信手段により前記サーバ装置へ送信する配達完了処理手段を備え、
前記サーバ装置は、前記各配達物の前記配達物ID情報及び該配達物の配達先の位置情報を前記配達物管理データベースに登録する配達物登録手段と、前記携帯端末装置から送信された前記配達完了情報、該携帯端末装置の位置情報、及び前記携帯端末ID情報を受信した場合、前記配達物管理データベース内の、該配達完了情報に含まれる前記配達物ID情報に対応するレコードを索出し、索出された該レコードにおける、前記配達先位置情報フィールドのフィールド値である配達先位置情報を取得し、該配達先位置情報を、受信した該携帯端末装置の位置情報と照合し、両者が適合する場合には、索出された該レコードにおける、前記配達済情報フィールドのフィールド値が配達済みとする配達済登録手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、配達完了時にサーバ装置において現在の配達物の位置情報と配達物管理データベースに登録された配達先の位置情報が照合されるので、誤配達の発生を防止することができる。
本発明に係る配達物追跡管理システムの第4の構成は、前記第1乃至3の何れかーの構成において、前記配達物管理データベースは、前記各配達物の未配達/配達済を示す情報を含む情報である配達済情報を格納する配達済情報フィールド、及び該配達物忙対して発行された前記不在連絡票の不在連絡票ID情報を格納する不在連絡票IDフィールドも併せて、該配達物に対応する前記配達物IDフィールドと関係づけて管理するものであり、
配達先の受取人が該配達先に不在の場合に該配達先に残置される不在連絡票に貼付され、該不在連絡票のID情報である不在連絡票ID情報を記録するRFタグである不在連絡票タグを備え、
前記携帯端末装置は、配達員が配達先に前記不在連絡票を残置したことを示す不在連絡票残置情報が入力されると、前記携帯端末付RFセンサにより、該配達先に配達する配達物の前記ハイブリッド型RFIDタグから前記配達物ID情報を13.56MHz帯域(HF帯域)で読み取り、該不在連絡票の前記不在連絡票タグから前記不在連絡票ID情報を読み取り、該配達物ID情報及び該不在連絡票ID情報を該不在連絡票残置情報に含めて、前記携帯端末送信手段により前記サーバ装置へ送信する不在連絡票残置処理手段、を備え、
前記サーバ装置は、前記携帯端末装置から送信された前記不在連絡票残置情報、該携帯端末装置の位置情報、及び前記携帯端末ID情報を受信した場合、
前記配達物管理データベース内の、該配達完了情報に含まれる前記配達物ID情報に対応するレコードを索出し、索出された該レコードにおける、前記配達先位置情報フィールドのフィールド値である配達先位置情報を取得し、該配達先位置情報を、受信した該携帯端末装置の位置情報と照合し、両者が適合する場合には、索出された該レコードにおける、前記不在連絡票IDフィールドのフィールド値を、受信した該不在連絡票残置情報に含まれる前記不在連絡票ID情報とする不在連絡票情報登録手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る配達物追跡管理システムの第5の構成は、前記第4の構成において、配達物を一時保管する預託所に設置されたボックスであって前記配達物の配達先に受取者が不在の場合に該配達物を一時保管する宅配ボックスに付設され、該宅配ボックスのID情報である宅配ボックスID情報を記録したRFタグである宅配ボックスタグと、前記預託所に配置される預託所端末装置と、を備え、
前記配達物管理データベースは、前記各配達物を預託した宅配ボックスの宅配ボックスID情報が格納される宅配ボックスIDフィールドも併せて、該配達物に対応する前記配達物IDフィールドと関係づけて管理するものであり、
前記携帯端末装置は、配達物を前記宅配ボックスに預託したことを示す預託登録情報が入力されると、前記携帯端末付RFセンサによって13.56MHzの無線通信帯域(HF帯域)より、該配達物の前記ハイブリッド型RFIDタグから前記配達物ID情報を読み取り、該宅配ボックスの前記宅配ボックスタグから前記宅配ボックスID情報を読み取り、該配達物ID情報及び該宅配ボックスID情報を該預託登録情報に含めて、該携帯端末装置の前記携帯端末ID情報とともに、前記携帯端末送信手段により前記サーバ装置へ送信する預託手続処理手段、を備え、
前記預託所端末装置は、860~960MHzの無線通信帯域(UHF帯域)、或いは13.56MHzの無線通信帯域(HF帯域)の何れかにより、前記ハイブリッド型RFIDタグに記録された前記配達物ID情報を読み取る預託所端末付RFセンサと、前記預託所端末付RFセンサで読み取られた情報を、通信回線を介して前記サーバ装置へ送信する預託所端末送信手段と、配達物を配達先の受取人に受け渡したしたことを示す受渡完了情報が入力されると、該配達物の前記配達物タグから前記預託所端末付RFセンサにより前記配達物ID情報を読み取り、該配達物に対して発行された前記不在連絡票の前記不在連絡票タグから前記預託所端末付RFセンサにより前記不在連絡票ID情報を読み取り、該配達物ID情報及び該不在連絡票ID情報を前記受渡完了情報に含めて、前記預託所端末送信手段により前記サーバ装置へ送信する受渡完了処理手段と、を備え、
前記サーバ装置は、前記携帯端末装置から送信された前記預託登録情報、該携帯端末装置の前記携帯端末ID情報を受信した場合、前記西日達物管理ヂータベーヌ内の、誤預託墾録情報に含まれる前記配達物ID情報に対応するレコードにおける、前記宅配ボックスIDフィールドのフィールド値を受信した該預託登録情報に含まれる前記宅配ボックスID情報とする宅配ボックス預託登録手段と、前記預託所端末装置から送信された前記受渡完了情報を受信した場合、前記配達物管理データベース内の、該受渡完了情報に含まれる前記配達物ID情報に対応するレコードを索出し、索出された該レコードにおける、前記不在連絡票IDフィールドのフィールド値である前記不在連絡票ID情報を取得し、該不在連絡票ID情報を、受信した該受渡完了情報に含まれる前記不在連絡票ID情報と照合し、両者が適合する場合には、索出された該レコードにおける、前記配達済情報フィールドのフィールド値が配達済みとする受渡済登録手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、預託所において配達物を預託する際に、預託する宅配ボックスの宅配ボックスIDがサーバ装置の配達物管理データベースに登録されるため、サーバ装置において配達物が宅配ボックスに預託されたことを記録・管理することができる。また、預託所において配達物を受け渡す際に、受取人が所持する不在連絡票の不在連絡票IDと、配達物管理データベースに登録されている不在連絡票IDとが照合されるため、誤って配達物を受取人に受け渡す事故を防止することができる。
本発明に係る配達物追跡管理システムの第6の構成は、ハイブリッド型RFIDタグを用いることが好ましく、前記第4の構成において、配達物を一時保管する預託所に設置された、前記配達物の配達先に受取者が不在の場合に該配達物を一時保管する宅配ボックスに付設され、該宅配ボックスのID情報である宅配ボックスID情報を記録したRFタグである宅配ボックスタグと、前記宅配ボックスのボックス扉の施錠/解錠を行う電子錠と、前記電子錠の開閉操作を行うとともにRFタグの読み取り手段を備えた宅配ボックス端末装置と、を備え、
前記配達物管理データベースは、前記各配達物を預託した宅配ボックスの前記宅配ボックスID情報を格納する宅配ボックスIDフィールドも併せて、該配達物に対応する前記配達物IDフィールドと関係づけて管理し、且つ前記各宅配ボックスの前記電子錠を操作する前記宅配ボックス端末装置のID情報である前記宅配ボックス端末ID'情報を格納する宅配ボックス端末IDフィールドを、該宅配ボックスに対応する前記宅配ボックスIDフィールドと関係づけて管理するものであり、
前記携帯端末装置は、配達物を前記宅配ボックスに預託したことを示す預託登録情報が入力されると、前記携帯端末付RFセンサにより、該配達物の前記ハイブリッド型RFIDタグから前記配達物ID情報を13.56MHzの無線帯域(HF帯域)で読み取り、該宅配ボックスの前記宅配ボックスタグから前記宅配ボックスID情報を読み取り、該配達物ID情報及び該宅配ボックスID情報を該預託登録情報に含めて、該携帯端末装置の前記携帯端末ID情報とともに、前記携帯端末送信手段により前記サーバ装置へ送信する預託手続処理手段、を備え、
前記宅配ボックス端末装置は、無線通信により前記配達物タグに記録された前記配達物ID情報を読み取る宅配ボックス付RFセンサと、前記宅配ボックス付RFセンサで読み取られた情報、及び該宅配ボックス端末装置のID情報である宅配ボックス端末ID情報を、通信回線を介して前記サーバ装置へ送信する宅配ボックス端末送信手段と、前記宅配ボックス付RFセンサにより前記不在連絡票タグから前記不在連絡票ID情報を読み取り、受渡要求情報として、該宅配ボックス端末装置の前記宅配ボックス端末ID情報とともに、前記宅配ボックス端末送信手段により前記サーバ装置へ送信する受渡要求処理手段と、を備え、
前記サーバ装置は、前記携帯端末装置から送信された前記預託登録情報、該携帯端末装置の前記携帯端末ID情報を受信した場合、前記配達物管理データベース内の、該預託登録情報に含まれる前記配達物ID情報に対応するレコードにおける、前記宅配ボックスIDフィールドのフィールド値を、該預託登録情報に含まれる前記宅配ボックスID情報とする宅配ボックス預託登録手段と、前記宅配ボックス端末装置から送信された前記受渡要求情報、及び該宅配ボックス端末装置の前記宅配ボックス端末ID情報を受信した場合、前記配達物管理データベース内の、該受渡要求情報に含まれる前記不在連絡票ID情報に対応する前記配達物ID情報を取得し、該配達物ID情報に対応する前記宅配ボックスIDフィールドのフィールド値である前記宅配ボックスID情報(以下「収納宅配ボックスID情報」という。)を取得し、前記配達物管理データベース内の、該受渡要求情報とともに受信した前記宅配ボックス端末ID情報に対応するー乃至複数の前記宅配ボックスID情報(以下「端末対応宅配ボックスID情報」という。)を取得し、前記端末対応宅配ボックスID情報の中に前記収納宅配ボックスID情報と一致するものがある場合には、前記配達物管理データベース内の、該配達物ID情報に対応するレコードにおける、前記配達済情報フィールドのフィールド値を配達済みとするとともに、索出された該宅配ボックスID情報を前記宅配ボックス端末装置へ返信する受渡済登録手段と、を備え、
前記宅配ボックス端末装置は、前記受渡済登録手段により返信された前記宅配ボックスID情報を受信した場合には、該宅配ボックスID情報に対応する前記宅配ボックスの前記電子錠の解錠を行うことを特徴とする。
この構成によれば、預託所において配達物を預託する際に、預託する宅配ボックスの宅配ボックスIDがサーバ装置の配達物管理データベースに登録されるため、サーバ装置において配達物が宅配ボックスに預託されたことを記録・管理することができる。また、受取人が宅配ボックスから配達物を受け取る際に、該受取人が所持する不在連絡票の不在連絡票IDと、配達物管理データベースに登録された不在連絡票IDの照合が行われ、更に、該宅配ボックスの宅配ボックスIDと配達物管理データベースに登録された該不在連絡票IDに対応する宅配ボックスIDとの照合が行われ、これらの照合の結果が適正な場合にのみ宅配ボックスの電子錠の解錠を行うため、不在連絡票を所持する配達先の受取人以外の者が宅配ボックス内の配達物を取り出す事故を防止することができる。
本発明に係る配達物追跡管理システムの第7の構成は、前記第1乃至6の何れかーの構成において、前記配達物管理データベースは、前記各配達物の受取人の電子メール・アドレス又はオンライン・ソーシャル・ネットワーク・アカウント(以下「SNSアカウント」という。)を含む連絡先情報を格納する受取人連絡先情報フィールドも併せて、該配達物に対応する前記配達物IDフィールドと関係づけて管理するものであり、
前記サーバ装置は、前記携帯端末装置から送信された該携帯端末装置の位置情報及び前記携帯端末ID情報を受信した場合、前記配達物管理データベース内の、該携帯端末ID情報に対応するレコードを索出し、索出された各レコードにおける、前記配達物IDフィールドのフィールド値である配達物ID情報を取得し、取得された前記各配達物ID情報に対応するレコードのうち、前記配達先位置情報フィールドのフィールド値である配達先位置情報が、前記携帯端末装置から送信された該携帯端末装置の位置情報に対して所定の距離以内にあるものを抽出し、抽出されたレコードにおける前記受取人連絡先情報フィールドのフィールド値である前記連絡先情報を取得する関連配達物検索手段と、前記関連配達物検索手段により索出された前記各連絡先情報に含まれる電子メール・アドレス又はSNSアカウントに対し、配達物が近づいたことを報知する接近通報を発信する接近通報発信手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、配達物が配達先に近づくと、自動的に配達先の受取人に間もなく配達物が配達されることが自動的に送信されるため、配達をスムーズに行うことが出来る。
本発明に係る配達物追跡管理システムの第8の構成は、前記第4の構成において、前記配達物管理データベースは、前記各配達物の受取人の電子メール・アドレス又はオンライン・ソーシャル・ネットワーク・アカウント(以下「SNSアカウント」という。)を含む連絡先情報を格納する受取人連絡先情報フィールドも併せて、該配達物に対応する前記配達物IDフィールドと関係づけて管理するものであり、
前記サーバ装置は、前記携帯端末装置から送信された前記不在連絡票残置情報、該携帯端末装置の位置情報、及び前記携帯端末ID情報を受信した場合、前記配達物管理データベース内の、該不在連絡票残置情報に含まれる前記配達物ID情報に対応するレコードにおける、前記受取人連絡先情報フィールドのフィールド値である前記連絡先情報を索出する不在時連絡先情報検索手段と、
前記不在時連絡先情報検索手段により索出された前記連絡先情報に含まれる電子メール・アドレス又はSNSアカウントに対し、配達したが不在で、あった旨、及び受取方法を選択するホームページのホームページ・アドレスを通知する配達時不在通知送信手段と、通信回線を介して前記ホームページ・アドレスにアクセスが行われた場合、受取方法として、再配達及びその時間帯、並びに宅配ボック受取を選択する選択入力欄を含む受取方法選択ホームページの情報を、アクセスを行った端末装置に対して送信する受取方法選択ホームページ処理手段と、前記受取方法選択ホームページにより配達物の受取方法が選択された場合、該配達物に対する前記不在連絡票残置情報を送信した前記携帯端末装置に対して、選択された受取方法を受取方法情報として通知するとともに、該受取方法情報を前記配達物管理データベースに該配達物の前記配達物ID情報と関連づけて登録する受取方法通知登録手段と、を備え、
前記携帯端末装置は、前記サーバ装置から送信される前記受取方法情報を受信すると、該受取方法情報を報知する受取方法報知手段を備えたことを特徴とする。
本発明に係る配達物追跡管理システムの第9の構成は、前記第8の構成において、前記受取方法選択ホームページは、前記選択入力欄において、再配達及びその時間帯、並びに宅配ボック受取の各受取方法のそれぞれの対価を併せて表示するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、各受取方法のそれぞれの対価を併せて表示することで、受取人は、必要性に応じて手数料が安い方法を選択するように誘導される。これにより、配達員にかかる労力負担を軽減させることができる。
(1)システム構成
(1.1)全体構成I
図1は、本発明の実施例1に係る配達物追跡管理システムの全体構成を表す図であり、図1中の(a)は配送車でのサブシシテム、(b)は配達物を預託される際のサブシステム、(c)は配達先のサブシステム、(d)は預託所でのサブシステム、(e)は預託所でのサブシシテムを示し、Cは配達管理所でのサーバ構成を示している。
本実施例の配達物追跡管理システムは、図1全体で示されたトータルシステムであり、サーバ装置1、管理所端末装置1a、被数の配送車Sの夫々の荷室内部の天井等に配置された荷室端末装置2、複数の配達員に携帯させた携帯端末装置3、複数の預託所に配置されている預託所端末装置4、複数の配達物に貼付されたハイブリッド型RFIDタグ5、複数の配送車の夫々に配置されている配送車タグ6、配達先が不在の場合に使用する複数の不在連絡票に夫々貼付する不在連絡票タグ7、所定場所に配置されている複数の宅配ボックスタグ8、及び複数の配達員に予め配布されている配達員タグ9を備えている。
本願発明において用いる各種の情報は、RFタグを介して授受される。このRFタグ(本願明細書においては、ハイブリッド型のRFIDタブを用いることを特徴とするものであるが、簡単のために、単に「タグ」と称することもある。)は、特定の周波数帯域の電波により情報の読み取り及び書き込みが可能なものである。その際、個々の配達物に貼付するハイブリッド型RFIDタグ5は、構造は図示しないが、公知のハイブリッド型のRFIDタグであり、詳細な構造は説明しないが、UHF帯(860~960MHz)とHF帯(13.56MHz)の両方の電波帯で使用できるように、両方の周波域で情報の読み取り及び書き込みが可能な2種類のアンテナを備えたRFIDタグである。配達物タグ5以外のタグは、ハイブリッド型RFIDタグではなくとも良く、UHF帯(860~960MHz)で用いられるタグでも良い。つまり、本願発明においては、配達物Dに貼付されるRFタグ5はハイブリッド型のRFIDタグであり、不在連絡票Aに貼付されるRFタグ7もハイブリッド型のRFIDタグであることが好ましい。このタグの使い分けは、情報の読み取り及び書き込みの操作が、電波の飛散が問題とならない閉じられた私的空間か、電波法により規制されている公道や公園等の開かれた公共空間において為されるか否かで選択される。
サーバ装置1及び管理所端末装置1aは、宅配する配達物Dの情報を管理する配達管理所Cに配設されている。このサーバ装置1は、全国に1箇所でも良いし、エリアごとに設置しても良いが、その場合は、それ等を統合したサーバ装置1を備えることが適切である。サーバ装置1は、各配達物Dの配送情報を管理するためのコンピュータであり、管理所端末装置1aは、配達管理所Cの管理者が配送情報を検索・閲覧等する場合に使用するコンビュータである。
荷室端末装置2は、宅配業務に使用される配送車Sの荷室内に配設されたRFタグリーダであり、荷室内に積み込まれた複数の配達物タグ5に記録された情報を、閉じられた空間内において、860~960MHzのUHF帯の電波で読み取ることができる。携帯端末装置3は、宅配業務に従事する各配達員Pに携帯されるRFタグリーダ・ライタ機能付端末装置であり、配達物タグ5に記録された情報をUHF帯で読み取ることが不適当な場合(例えば、公園や公道上等)に、HF帯で読み取ることができる。
預託所Fは、利用者が配送を希望する配達物Dを受け取るための施設であり、預託所端末装置4は、配達物Dを一時保管する預託所Fに配置されているRFタグリーダ機能付端末装置である。この場合、ハイブリッド型RFIDタグ5に記録された情報は、UHF帯で読み取ることができるように構成することもできるし、配達物タグ5に記録された情報をHF帯で読み取ることもできる。
配達物タグ5、配送車タグ6、不在連絡票タグ7、及び宅配ボックスタグ8は、何れもRFタグである。「RFタグ」(radio-frequency tag)とは、ID情報(IDentification information)を埋め込んだICタグ(integrated circuit tag)であって、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によってタグリーダとの問で情報をやりとりするものである。特に、配達物タグ5は、本願発明において具体的には、上述のとおり、UHF帯(860~960MHz)とHF帯(13.56MHz)の両方の電波帯で使用できるハイブリッド型のRFタグである。このRFタグは、パッシブタイプのものであってもアクティブのものであってもよい。ハイブリッド型RFIDタグの配達物タグ5は、各配達物Dの夫々に貼付される。ハイブリッド型RFIDタグ5には、配達物DのID情報である配達物ID情報を含む配達物情報が記録される。それに対して、配送車S内の配送車タグ6は、UHF帯(860~960MHz)専用のタグでも良く、各配送車Sの運転室内に付設される。配送車タグ6には、配送車SのID情報である配送車ID情報が記録されている。不在連絡票タグ7は、配達先H(住宅、事業所等)の受取人Qが該配達先Hに不在の場合に該配達先Hに残置される不在連絡票Aに記録され貼付される。不在連絡票タグ7は、配達員Pが受取人Qに対して発行するものなので、受取人が各自の携帯電話機等で読み取りを可能とするためにはハイブリッド型RFIDタグが好ましい。不在連絡票タグ7には、不在連絡票のID情報である不在連絡票ID情報が記録される。預託所F内には宅配ボックスBが設置されており、配達物Dの配達先Hに受取人Qが不在の場合に該配達物Dを一時保管する宅配ボックスBを備えることが可能である。この宅配ボックスBには、夫々宅配ボックスタグ8が付設され、宅配ボックスタグ8には、宅配ボックスBのID情報である宅配ボックスID情報が記録されている。宅配ボックスタグ8に記録されている情報は携帯電話機等により近接した位置において読み取り及び書き込みが為される場合には、HF帯(13.56MHz)専用のタグが好ましい。配達員タグ9は、夫々の配達員Pが、配達業務時間中には、常時、名札やカードケースなどに入れて所持している。配達員タグ9には、配達員PのID情報である配達員ID情報が記録されている。配達員タグ9は、記録されている情報は近接した位置での読み取り及び書き込みが為されることも考えれば、ハイブリッド型RFIDタグが好ましい。
荷室端末装置2、携帯端末装置3、及び預託所端末装置4は、携帯電話回線、無線LAN、インターネット通信網等の通信回線10を介して、サーバ装置1と通信可能に構成されている。尚、図1において、サーバ装置1は、受取人Qが所持する受取人端末装置11(携帯電話機、スマートフォン等)に対してメールやオンラインSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス:social networking service)等により、通信回線10を介して通信可能とされている。
(1.2)サーバ装置1の構成
図2は、図1のサーバ装置1の機能構成を表すブロック図である。サーバ装置1は、配達物管理データベース20、配達員管理データベース20a、会員管理データベース21、HP情報記憶部22、通信インタフェース23、配達物管理データベース更新部24、接近通報処理部25、不在時処理部26、及び配達状況通信部27を備えている。
配達物管理データベース20は、各配達物Dの配達物情報として、該配達物の種別、該配達物の配達先の住所を含む位置情報、該配達物の現在の位置情報、該配達物の配送を担当する配送車Sの配送車ID情報、該配達物の配達を担当する配達員Pが所持する携帯端末装置3の携帯端末ID情報、該配達物の未配達/配達済を示す情報である配達済情報、該配達物に対して発行された不在連絡票の不在連絡票ID情報を含む不在連絡票情報、該配達物を預託した場所の位置情報、該配達物を預託した宅配ボックスの宅配ボックスID情報、該配達物の受取人の位置情報、該配達物の受取人の電子メール・アドレス又はオンラインSNSアカウント(以下「SNSアカウント」)を含む連絡先情報などを関係づけて管理するデータベースである。配達員管理データベース20aは、配達員Pの配達員ID情報と、配達員Pが所持する携帯端末装置3の携帯端末ID情報とを関係づけて管理するデータベースである。会員管理データベース21は、配達業務に関連する各種追加サービスの提供を受けるための会員に登録された者(以下「登録会員」という。)の連絡先等の情報を管理するデータベースである。HP情報記憶部22は、配達物Dの現所在の検索や再配達等の請求などを入力するためのホームページ情報を記憶するモジュールである。
通信インタフェース23は、サーバ装置1と通信回線10との間の接続処理を行うモジュールである。サーバ装置1は、通信インタフェース23により、通信回線10を介して荷室端末装置2、携帯端末装置3、預託所端末装置4、及び受取人端末装置11との通信を行う。配達物管理データベース更新部24は、配達物管理データベース20のデータの検索や更新を行うモジュールである。接近通報処理部25は、複数の配達物Dが積み込まれている配送車Sの現在地を取り込み、特定の配達物Dが配達先Hに近づいた際に、当該配達物Dの受取人Qの受取人端末装置11に対して通報を行う処理を実行するモジュールである。不在時処理部26は、配達員Pが配達先Hに配達物Dを配達した際に受取人Qが配達先Hに不在であった場合における各種処理を実行するモジュールである。配達状況通信部27は、配達物Dの配達状況(配達物Dの処理段階や現在地等)を受取人Qの受取人端末装置11から検索・閲覧するための処理を実行するモジュールである。尚、図2の各モジュール及び各データベースは、コンピュータに専用のソフトウェアを読み込ませ実行することにより、機能的に実現される。勿論、これらの検索・閲覧機能は、本システム内に構築されている図示していないコンピュータや、配達員の所持している携帯電話機等によっても可能である。
配達物管理データベース更新部24は、配達物登録部30、配送車情報更新部31、配達員情報更新部32、配達済登録部33、不在連絡票情報登録部34、宅配ボックス預託登録部36、及び受渡済登録部37を備えている。
配達物登録部30は、各配達物Dの配達物情報及び該配達物Dの配達先の位置情報を配達物管理データベース20に登録するサブモジュールである。この配達物登録部30に登録される配達物Dの配達物情報は、配送を依頼する顧客が店舗に出向いて配達物Dの配送を依頼する際に適宜な手段により記録されるか、或いは、配達員が依頼人の住所にまで出向いて集荷をする際に適宜の手段により記録することができる。ここで、配達物Dの配達物情報の作成方法自体は本願発明の対象ではないのでこれ以上詳細には説明しないが、適宜な手段により配達物ID情報と共に配達物Sの配達物情報がハイブリッド型RFIDタグ5に記録され、貼付される。
配送車情報更新部31は、荷室端末装置2から送信された配達物情報及び荷室端末ID情報を受信した場合、配達物管理データベース20内の、該配達物情報に対応する配達物Dを配送する配送車SのID情報を、受信した該荷室端末ID情報とするように、配達物管理データベース20を更新するサブモジュールである。
配達員情報更新部32は、各配達員Pに携帯させた携帯端末装置3から送信された配達物ID情報を含む配達物情報、該携帯端末装置3の位置情報及び携帯端末ID情報を受信した場合、配達物管理データベース20内の、該配達物情報に対応する配達物Dを配送する配達員Pが所持する携帯端末装置3のID情報を、受信した該携帯端末ID情報とし、該配達物Dの現在の位置情報を、受信した該携帯端末装置3の位置情報とするように、配達物管理データベース20を更新するサブモジュールである。また、配達員情報更新部32は、携帯端末装置3から送信された配送車ID情報、該携帯端末装置3の位置情報、及び携帯端末ID情報を受信した場合、該配送車ID情報に対応する配達物情報を配達物管理データベース20から検索し、索出された配達物情報に対応する、該配達物Dを配達する配達員Pが所持する携帯端末装置のID情報を、受信した該携帯端末ID情報とし、該配達物情報に対応する配達物Dの現在の位置情報を、受信した該携帯端末装置3の位置情報とするように、配達物管理データベース20を更新する。これにより、何らかの理由で、配達物Dを配達の途中で配送車Sを変更する場合にも、配達物Dに関する情報管理を常時動的に管理することが可能である。
配達済登録部33は、携帯端末装置3から送信された配達完了情報、該携帯端末装置3の位置情報、及び携帯端末ID情報を受信した場合、該配達完了情報に含まれる配達物情報に対応する配達物情報を配達物管理データベース20から検索し、索出された配達物情報に対応する配達先Hの位置情報を、受信した該携帯端末装置3の位置情報と照合し、両者が適合する場合には、該配達物情報に対応する配達物Dの配達済情報が配達済みとなるように、配達物管理データベース20を更新するサブモジュールである。ここで、「配達完了情報」とは、配達物Dを配達先Hに配達したことを示す情報であり、該配達物Dの配達物情報(配達物IDを含む。)を含んだ情報である。「配達完了情報」は、配達員Pによる配達物Dの配達先Hへの配達完了により、配達員Pが携帯する携帯端末装置3から入力することも可能である。
不在連絡票情報登録部34は、携帯端末装置3から送信された不在連絡票残置情報、該携帯端末装置3の位置情報、及び携帯端末ID情報を受信した場合、該不在連絡票残置情報に含まれる配達物情報に合致する配達物情報を配達物管理データベース20から検索し、索出された配達物情報に対応する配達先Hの位置情報を、受信した該携帯端末装置3の位置情報と照合し、両者が適合する場合には、該配達物情報に対応する配達物Dの不在連絡票情報に、受信した該不在連絡票残置情報に含まれる不在連絡票ID情報を登録するように、配達物管理データベース20を更新するサブモジュールである。ここで、「不在連絡票残置情報」とは、配達員Pが配達先Hに不在連絡票Aを残置したことを示す情報である。この「不在連絡票残置情報」も、配達員Pにより配達物Dの配達先Hが不在である場合に、配達員Pが携帯する携帯端末装置3から入力することも可能である。
宅配ボックス預託登録部36は、携帯端末装置3から送信された預託完了情報、該携帯端末装置3の携帯端末ID情報を受信した場合、該預託完了情報に含まれる配達物情報に合致する配達物情報を配達物管理データベース20から検索し、索出された配達物情報と関連づけて、該預託完了情報に含まれる宅配ボックスID情報を配達物管理データベース20に登録するサブモジュールである。ここで、「預託完了情報」とは、配達物Dを宅配ボックスBに預託したことを示す情報である。
受渡済登録部37は、預託所端末装置4から送信された受渡完了情報、該預託所端末装置4の預託所端末ID情報を受信した場合、該受渡完了情報に含まれる配達物情報に合致する配達物情報を配達物管理データベース20から検索し、索出された配達物情報に対応して登録された不在連絡票情報を、受信した該受渡完了情報に含まれる不在連絡票ID情報と照合し、両者が適合する場合には、該配達物情報に対応する配達物の配達済情報が配達済みとなるように、配達物管理データベース20を更新するサブモジュールである。ここで、「受渡完了情報」とは、不在連絡票Aを所持する受取人Qが預託所Fに配達物Dを受取に来た際において、該配達物Dを配達先Hの受取人Qに受け渡したしたことを示す情報である。この「受渡完了情報」は、預託所Fの担当預託所員Tが、正規の受取人Qが預託所Fにおいて配達物Dを受け取ったことを確認した際に、預託所端末装置4により入力することが可能である。
接近通報処理部25は、関連配達物検索部40及び接近通報発信部41を備えている。関連配達物検索部40は、携帯端末装置3から送信された該携帯端末装置3の位置情報及び携帯端末ID情報を受信した場合、配達物管理データベース20に登録された該携帯端末ID情報に対応する配達物情報のうち、該配達物情報に対応する配達先Hの位置情報が携帯端末装置3から送信された該携帯端末装置3の位置情報に対して所定の距離以内にあるものの連絡先情報を、配達物管理データベース20から索出するサブモジュールである。接近通報発信部41は、関連配達物検索部40により索出された配達物の連絡先情報に含まれる電子メール・アドレス又はSNSアカウントに対し、配達物Dが近づいたことを報知する接近通報を発信するサブモジュールである。この接近通報は、予め定められた所定のタイミングにおいて、自動的に発信することも可能であるが、配達員Pが携帯する携帯端末装置3により、次に配達が予定される対象配達物Dを個別に指定して、当該指定された配達物Dに対してのみ発信することも可能である。
不在時処理部26は、不在時連絡先情報検索部50、配達時不在通知送信部51、受取方法選択ホームページ処理部52、及び受取方法通知登録部53を備えている。不在時連絡先情報検索部50は、携帯端末装置3から送信された不在連絡票残置情報、該携帯端末装置3の位置情報、及び携帯端末ID情報を受信した場合、該不在連絡票残置情報に含まれる配達物情報に対応する配達物情報を配達物管理データベース20から検索し、索出された配達物情報に対応する連絡先情報を索出するサブモジュールである。配達時不在通知送信部51は、不在時連絡先情報検索部50により索出された配達物Dの連絡先情報に含
まれる電子メール・アドレス又はSNSアカウントに対し、配達したが不在であった旨、及び受取方法を選択するホームページ・アドレスを通知するサブモジュールである。受取方法選択ホームページ処理部52は、通信回線10を介してホームページ・アドレスにアクセスが行われた場合、受取方法として、再配達及びその時間帯、並びに宅配ボック受取を選択する選択入力欄を含む受取方法選択ホームページの情報を、アクセスを行った受取人端末装置11に対して送信するサブモジュールである。受取方法通知登録部53は、受取方法選択ホームページにより配達物Dの受取方法が受取人Qにより選択された場合、該配達物Dに対する不在連絡票残置情報を送信した携帯端末装置3に対して、選択された受取方法を受取方法情報として通知するとともに、該受取方法情報を配達物管理データベース20に該配達物Dの配達物情報と関連づけて登録するサブモジュールである。
配達状況通信部27は、配達物情報検索部60、及び配達物位置表示部62を備えている。配達物情報検索部60は、受取人端末装置11又は管理所端末装置1aから送信される配達物検索要求を受信した場合、該配達物検索要求に含まれる配達物IDの情報に基づき配達物管理データベース20を検索し、該配達物IDに対応する配達物Dの現在の配送状態情報及び現在までの位置履歴情報のリストを取得する。配達物位置表示部62は、配達物情報検索部60が取得した配達物Dの現在の配送状態情報及び現在までの位置履歴情報のリストに基づき、該配達物Dの現在地周辺の地図データを作成すると共に、該地図データに配達物Dの現在の配送状態情報及び移動履歴を挿入し、配達物検索要求を送信した受取人端末装置11又は管理所端末装置1aへ送信する。
(1.3)荷室端末装置2、携帯端末装置3、及び預託所端末装置4の構成
図3は、図1の配送車Sの荷室内に配置された荷室端末装置2、各配達員Pに携帯させた携帯端末装置3、及び預託所F内に配置された預託所端末装置4の連携した構成を表すブロック図である。図3において、荷室端末装置2は、荷室端末付RFセンサ70、荷室端末位置情報取得部71、及び荷室端末送受信部72を備えている。荷室端末付RFセンサ70は、860~960MHzのUHFの無線帯域により通信可能なハイブリッド型RFIDタグである配達物タグ5の配達物情報を読み取るモジュールである。荷室端末装置2は、配送車Sの開閉扉から遠い荷室の奥の部分に設けることにより、荷室扉の開放時でも電波の漏洩が防ぐ効果がある。また、荷室扉の開放部にカーテン等の遮物を設けることにより、物理的に電波の漏洩を防止することもできる。さらに好ましい手段としては、配送車Sの荷室扉を閉じた際に、荷室扉閉を検知し、その検知信号が立った場合に、860MHz~960MHzのUHF帯での無線通信により前記配達物RFタグ5に記録された配達物ID情報及び配達物情報を読み取るように構成する。
荷室端末位置情報取得部71は、GNSSやLPS等の測位システムにより該荷室端末装置2の位置情報を取得するモジュールである。荷室端末送受信部72は、荷室端末装置2と通信回線10との間の接続処理を行うモジュールである。ここで配達物タグ5は、860~960MHz帯域のUHF帯域、及び13.56MHzのHF帯域の無線で通信が可能なハイブリッド型RFIDタグである。
また、携帯端末装置3は、携帯端末付RFセンサ80、携帯端末位置情報取得部81、携帯端末送受信部82、配達完了処理部83、不在連絡票残置処理部84、受取方法報知部86、預託手続処理部87、タッチパネル・ディスプレイ88、及びスピーカ89を備えている。
携帯端末付RFセンサ80は、13.56MHzのHF無線帯域による通信によりハイブリッド型RFIDタグである配達物タグ5の配達物情報を読み取るモジュールである。携帯端末位置情報取得部81は、GNSSやLPS等の測位システムにより該携帯端末装置3の位置情報を取得するモジュールである。携帯端末送受信部82は、携帯端末装置3と通信回線10との開の接続処理を行うモジュールである。
配達完了処理部83は、配達物Dを配達先Hに配達したことを示す配達完了情報が入力されると、該配達物Dの配達物タグ5から、13.56MHzのHF無線帯域による通信により、携帯端末付RFセンサ80により配達物情報を読み取り、該配達物情報を配達完了情報に含めて、該携帯端末装置3の位置情報及び携帯端末ID情報とともに、携帯端末送受信部82によりサーバ装置1へ送信するモジュールである。
不在連絡票残置処理部84は、配達員Pが配達先Hに不在連絡票Aを残置したことを示す不在連絡票残置情報が入力されると、携帯端末付RFセンサ80により、13.56MHzのHF無線帯域による通信によって、該配達先Hに配達する配達物Dのハイブリッド型RFIDタグ5から配達物情報を読み取り、該不在連絡票Aの不在連絡票タグ7から不在連絡票ID情報を読み取り、該配達物情報及び該不在連絡票ID情報を該不在連絡票残置情報に含めて、携帯端末送受信部82によりサーバ装置1へ送信するモジュールである。
受取方法報知部86は、サーバ装置1から送信される受取方法情報を受信すると、該受取方法情報を報知するモジュールである。預託手続処理部87は、配達物Dを宅配ボックスBに預託したことを示す預託完了情報が入力されると、13.56MHzのHF無線帯域による通信により、携帯端末付RFセンサ80によって、該配達物Dのハイブリッド型RFIDタグ5から配達物情報を読み取り、該宅配ボックスBの宅配ボックスタグ8から宅配ボックスID情報を読み取り、該配達物情報及び該宅配ボックスID情報を該預託完了情報に含めて、該携帯端末装置3の携帯端末ID情報とともに、携帯端末送受信部82によりサーバ装置1へ送信するモジュールである。タッチパネル・ディスプレイ88は、画面(ディスプレイ)に情報を表示すると共に、画面に触って入力・選択操作をすることで、該携帯端末装置3を操作する装置である。スピーカ89は該携帯端末装置3から音を出力する装置である。
また、預託所端末装置4は、預託所端末付RFセンサ90、預託所端末送受信部91、受渡完了処理部92、タッチパネル・ディスプレイ93、及びスピーカ94を備えている。預託所端末付RFセンサ90は、無線通信によりRFタグの配達物情報を読み取るモジュールである。預託所端末送受信部91は、預託所端末装置4と通信回線10との間の接続処理を行うモジュールである。受渡完了処理部92は、不在連絡票Aを所持する受取人Qが預託所Fに配達物Dを受取に来た際において、該配達物Dを配達先Hの受取人Qに受け渡したしたことを示す受渡完了情報が入力されると、該配達物Dのハイブリッド型RFIDタグ5から預託所端末付RFセンサ90によって、860~960MHzのUHF無線帯域、或いは13.56MHzのHF無線帯域により配達物情報を読み取り、該配達物Dに対して発行された不在連絡票Aの不在連絡票タグ7から預託所端末付RFセンサ90により不在連絡票ID情報を読み取り、該配達物情報及び該不在連絡票ID情報を受渡完了情報に含めて、該預託所端末装置4の預託所端末ID情報とともに、預託所端末送受信部91によりサーバ装置1へ送信するモジュールである。タッチパネル・ディスプレイ93は、画面(ディスプレイ)に情報を表示すると共に、画面に触って入力・選択操作をすることで、該預託所端末装置4を操作する装置である。スピーカ94は該預託所端末装置4から音を出力する装置である。RFタグの配達物情報を読み取る預託所端末付RFセンサ90は、860~960MHzのUHF無線帯域、或いは13.56MHzのHF無線帯域による何れかの帯域、或いは両方の帯域での無線通信により情報の送受信をすることができる。
(1.4)配達物管理データベース20及び会員管理データベース21の構成
図4は、図2の配達物管理データベース20及び会員管理データベース21の構成を表す図(IDEF1X(Integration Definition)記法によるER図)である。配達物管理データベース20は、“受付管理テーブル”,“位置履歴テーブル”,“配送車端末履歴テーブル”,“荷室端末テーブル”,“配送車テーブル”,“不在連絡票テーブル”,“宅配ボックステーブル”の各テーブルを備えており、各テーブル間で関係性を持たせたリレーショナル・データベースとなっている。また、配達員管理データベース20aは、“配達員テーブル”,“携帯端末使用履歴テーブル”の各テーブルを備えており、各テーブル問で関係性を持たせたリレーショナル・データベースとなっている。また、会員管理データベース21は、“登録会員テーブル”を備えている。
“受付管理テーブル”は、受け付けられた配達物Dを追跡管理するための情報を保存・管理するためのテーブルである。“受付管理テーブル”は、‘受付管理ID’,‘配達物ID’,‘配達物関連情報’,‘配達先位置情報’,‘受取人氏名情報’,‘受取人会員ID情報’,‘受取人連絡先靖報’,‘依頼人連絡先情報’,‘配送状態情報’,‘預託宅配ボックスID’,‘預託日時’,‘受取方法情報’,‘受渡端末ID’,‘配達済情報’の各フィールドを有する。‘受付管理ID’は、各配達物Dに固有に付される受付番号に該当する。‘配達物ID’は、配達物DのID情報である配達物ID情報である。‘配達物関連情報’は、配達物Dの内容に関連する情報であり、配達物関連情報には、例えば、配達物の属性(割れ物、要冷蔵等)、配達物の名称(書籍、衣類等)などが含まれていてもよい。‘配達先位置情報’は、配達先の位置に関する情報であり、具体的には、配達先の住所、建物名、部屋番号等を含むものである。‘受取人氏名情報’は、受取人の氏名又は名称に関する情報である。‘受取人会員ID情報’は、受取人Qが登録会員の場合に、その会員IDの情報である。‘受取人連絡先情報’は、受取人Qの連絡先の情報(例えば、電話番号、FAX番号、電子メール・アドレス等)である。‘依頼人連絡先情報’は、配達物Dの配達を依頼した依頼人の連絡先の情報(例えば、電話番号、FAX番号、E-mailアドレス等)である。‘配送状態情報’は、配達物Dが現在どの配送段階にあるかを特定する情報(例えば、「○○配送センタ内」、「○○配送センタから△△配送センタへ輸送中」、「配達先へ配送中」等)である。‘預託宅配ボックスID’は、配達物Dが宅配ボックスに預託された場合に、該宅配ボックスの宅配ボックスIDの情報である。‘預託日時’は、配達物Dが宅配ボックスBに預託された日時の情報である。‘受取方法情報’は、配達物Dの受取人Qから受取方法が指定された場合に、その受取方法に関する情報(宅配ボックス受取、配送センタ受取、指定コンビニ受取、再配達受取、再配達日時等)である。‘受渡端末ID’は、配達物Dを受取人Qへ受け渡しを行った際の配達物受渡処理を行った端末装置(携帯端末装置3又は預託所端末装置4)の端末ID情報である。‘配達済情報’には、配達物Dの配達が完了した際に、配達完了時刻や配達をした配達員PのID情報などが記録される。
“位置履歴テーブル”は、配達物Dの各時刻における位置情報を管理するテーブルである。“位置履歴テーブル”は、‘位置履歴ID’,‘受付管理ID’,‘日時’,‘配達物位置情報’の各フィールドを有する。‘日時’は、受付管理IDで特定される配達物Dの経緯・高度座標の測定日時であり、‘配達物位置情報’は、該配達物Dの経緯・高度座標である。経緯・高度座標は、GNSS等の測位システムにより計測される絶対座標である。
“配送車端末履歴テーブル”は、各荷室端末装置2が配達物Dを取り扱った履歴を管理するテーブルである。“配送車端末履歴テーブル”は、‘配送車端末履歴ID’,‘受付管理ID’,‘荷室端末ID’,‘積荷日時’,‘降荷日時’,‘有効フラグ’の各フィールドを有する。‘荷室端末ID’は、配送車Sの荷室内に配設される荷室端末装置2のID情報である荷室端末ID情報である。‘積荷日時’は、受付管理IDで特定される配達物Dが配送車Sの荷室内に積荷された日時であり、‘降荷日時’は、該配達物Dが配送車Sの荷室内から降荷された日時である。‘有効フラグ’は、各レコードの有効性を示すフラグ情報であり、レコード作成時(配達物Dが配送車Sの荷室内に積荷された時)に「有効」とされ、該配達物Dが配送車Sの荷室内から降荷されて一定時間(例えば10分)経過すると「無効」に設定される。“配送車端末履歴テーブル”内の或るレコードの‘有効フラグ’が「有効状態」の場合、該レコードの‘配送車端末履歴ID’に対応する配送車Sが、該レコード‘受付管理ID’に対応する配達物Dを所持している状態(所持状態)と判定することができる。
“携帯端末履歴テーブル”は、各携帯端末装置3を所持する配達員Pが配達物Dを取り扱った履歴を管理するテーブルである。“携帯端末履歴テーブル”は、‘携帯端末履歴ID’,‘受付管理ID’,‘携帯端末ID’,‘担当開始日時’,‘担当終了日時’,‘有効フラグ’の各フィールドを有する。‘携帯端末ID’は、各携帯端末装置3に割り振られる固有のIDである。‘担当開始日時’は、携帯端末IDで特定される携帯端末装置3を所持する配達員Pが受付管理IDで特定される配達物Dの担当を開始した日時、‘担当終了日時’は、該配達員Pが該配達物Dの担当を終了した日時である。‘有効フラグ’は、各レコードの有効性を示すフラグ情報であり、レコード作成時に「有効」とされ、該配達員Pが該配達物Dの担当を終了した際に「無効」とされる。“携帯端末履歴テーブル”内の或るレコードの‘有効フラグ’が「有効状態」の場合、該レコードの‘携帯端末履歴ID’に対応する携帯端末装置3を所持する配達員Pが、該レコード‘受付管理ID’に対応する配達物Dを所持している状態(所持状態)と判定することができる。
“荷室端末テーブル”は、各荷室端末装置2を識別・管理するためのテーブルである。“荷室端末テーブル”は、‘荷室端末ID’,‘荷室端末名称’,‘配送車ID’の各フィールドを有する。‘荷室端末名称’は、荷室端末IDで特定される荷室端末装置2に割り当てられる任意の名称(例えば、シリアル番号等)であり、‘配送車ID’は該荷室端末装置2が設置された配送車Sの配送車ID情報である。
“配送車テーブル”は、各配送車Sに関する情報を管理するテーブルである。“配送車テーブル”は、‘配送車ID’,‘配送車名称’,‘配送車種別’の各フィールドを有する。‘配送車名称’は、配送車IDで特定される配送車Sに割り当てられる任意の名称(例えば、運転者略号、ナンバープレート番号等)であり、‘配送車種別’は該配送車Sの種別(車種等)の情報である。尚、荷室端末装置2と配送車Sとは一対ーに対応するため、荷室端末IDと配送車IDとは一対ーに対応する。
“携帯端末テーブル”は、各携帯端末装置3を識別・管理するためのテーブルである。“携帯端末テーブル"は、‘携帯端末ID’,‘携帯端末名称’,‘携帯端末アドレス’の各フィールドを有する。‘携帯端末名称’は、携帯端末IDで特定される携帯端末装置3に割り当てられる任意の名称(例えば、シリアル番号等)であり、‘携帯端末アドレス’は該携帯端末装置3の通信回線接続時のアドレス情報(電話番号やネットワーク・アドレス等)である。
“預託所端末テーブル”は、各預託所端末装置4を識別・管理するためのテーブルである。“預託所端末テーブル”は、‘預託所端末ID’,‘預託所端末名称’,‘預託所端末種別’の各フィールドを有する。‘預託所端末名称’は、預託所端末IDで特定される預託所端末装置4に割り当てられる任意の名称(例えば、シリアル番号等)であり、‘預託所端末種別’は該預託所端末装置4の種別(機種等)の情報である。
“不在連絡票テーブル"は、発行された不在連絡票に関する情報を管理するためのテーブルである。“不在連絡票テーブル”は、‘不在連絡票ID’,‘受付管理ID’,‘携帯端末ID’,‘発行日時’の各フィールドを有する。‘受付管理ID’は、不在連絡票IDにより特定される不在連絡票Aが発行された配達物Dの受付管理ID、‘携帯端末ID’は、該不在連絡票Aを発行した携帯端末装置3の携帯端末ID、‘発行日時’は該不在連絡票Aが発行された日時の情報である。
“宅配ボックステーブル”は、各宅配ボックスBに関する情報を管理するためのテーブルである。“宅配ボックステーブル”は、‘宅配ボックスID’,‘宅配ボックス名称’‘宅配ボックス所在情報’,‘連絡先情報’の各フィールドを有する。‘宅配ボックス名称’は、宅配ボックスIDにより特定される宅配ボックスBの名称(例えば、シリアル番号等)、‘宅配ボックス所在情報’は、該宅配ボックスBの所在場所に関する情報(例えば、住所や預託所の名称等)、‘連絡先情報’は、該宅配ボックスBを管理する管理者の連絡先に関する情報である。
“配達員テーブル”は、配達物Dの配達業務に携わる各配達員Pを識別・管理するためのテーブルである。“配達員テーブル”は、‘配達員ID’,‘配達員氏名’,‘配達員所属情報’,‘配達員連絡先情報’の各フィールドを有する。‘配達員氏名’は、配達員IDで特定される配達員Pの氏名、‘配達員所属情報’は、該配達員Pの所属に関する情報(所属会社名、部署名等)、‘配達員連絡先情報’は、該配達員Pの連絡先に関する情報(電話番号等)である。
“携帯端末使用履歴テーブル”は、各携帯端末装置3をどの配達員Pがどの時間帯に使用したかの履歴情報を管理するためのテーブルである。“携帯端末使用履歴テーブル”は、‘携帯端末使用履歴ID’,‘携帯端末ID’,‘配達員ID’,‘貸与日時’,‘返却日時’,‘有効フラグ’の各フィールドを有する。‘貸与日時’は、携帯端末IDで特定される携帯端末装置3を、配達員IDで特定される配達員Pに貸与した日時、‘返却日時’は、該配達員Pが該携帯端末装置3を返却した日時である。‘有効フラグ’は、各レコードの有効性を示すフラグ情報であり、レコード作成時に「有効」とされ、該配達員Pが該携帯端末装置3を返却した際に「無効」とされる。“携帯端末使用履歴テーブル”内の或るレコードの‘有効フラグ’が「有効状態」の場合、該レコードの‘配達員ID’に対応する配達員Pが、該レコード‘携帯端末ID’に対応する携帯端末装置3を所持している状態(所持状態)と判定することができる。
“登録会員テーブル”は、配達業務に関連する各種追加サービスの提供を受けるための会員登録された者(受取人Q)の連絡先等の情報をテーブルである。“登録会員テーブル”は、‘会員ID情報’,‘会員氏名情報’,‘会員住所情報’,‘連絡先情報’,‘通知設定情報’,‘不在時配達先指定情報’の各フィールドを有する。‘会員氏名情報’は、会員ID情報で特定される会員の氏名、‘会員住所情報’は該会員の住所、‘連絡先情報’は、該会員の連絡先(電話番号等)、‘通知設定情報’は、該会員に対して接近通報や不在通知通報を発信するか否かの設定情報、‘不在時配達先指定情報’は該会員が配達時に不在の場合に配達物Dを届ける配達先に関する情報(例えば、指定の宅配ボックス、指定の配送センタ等)である。
尚、配達物ID,配送車端末ID,携帯端末ID,預託所端末ID,配送車ID,配達員ID,不在連絡票ID,宅配ボックスIDの其々は、そのID番号自体からID種別(配達物ID,配送車端末ID,携帯端末ID,預託所端末ID,配送車ID,配達員ID,不在連絡票ID,宅配ボックスIDの別)を特定できる必要があるため、これらの各ID番号は、“(種別番号)(シリアル番号)”のような構成とされている。ここで、(種別番号)はID種別を特定するための番号であり、(シリアル番号)は、其々の種別内で、個々の識別をするために割り当てられる一連の一意で等差な整数である。
(2)配達物追跡管理システムの動作
以上のように構成された本実施例の配達物追跡管理システムについて、以下その動作を説明する。
(2.1)配達物Dの配送中の配達物追跡動作
図5は、配達物Dの配送中における配達物管理データベース更新処理を表すフローチャートである。この配達物管理データベース更新処理は、配達物Dが配送車Sの荷室に積載されて運搬されている時や、集配センタや配達先Hや預託所F等において配達員Pが配達物Dを持ち運んでいる時に行われる処理である。
まず、ステップS1において、サーバ装置1は、通信回線10を介して、荷室端末装置2及び携帯端末装置3に対し、応答要求信号を送信する。ここで、サーバ装置1が応答要求信号を送信するタイミングは、一定時間ごとに定期的に送信するようにしても良いし、必要に応じて不定期的に送信するようにしても良い。
ステップS101において、携帯端末装置3が、配達員Pの読み取り動作として、或いはサーバ装置1からの応答要求信号を受信すると、ステップS102において、携帯端末装置3の携帯端末付RFセンサ80は、検索要求信号を無線発信する。ここで、「検索要求信号」とは、RFタグに対して応答するように要求するための無線信号をいう。検索要求信号を受信したRFタグ(配達物タグ5,配送車タグ6,配達員タグ9等)は、自己が記録している情報を携帯端末装置3に返信し、携帯端末装置3の携帯端末付RFセンサ80はそれを受信する。次に、ステップS103において、携帯端末装置3の携帯端末位置情報取得部81は、GNSS等の測位システムにより、該携帯端末装置3の位置情報(経度・緯度・高度の情報)を取得する。そして、ステップS104において、携帯端末装置3の携帯端末送受信部82は、携帯端末付RFセンサ80で読み取られた情報(配達物タグ5,配送車タグ6,配達員タグ9等から返信されたID情報)、携帯端末位置情報取得部81により取得された位置情報、及び該携帯端末装置3の携帯端末ID情報を、通信回線10を介してサーバ装置1へ返信する。
この場合の「検索要求信号」の送信と更新情報の受信は、本システムのネットワーク回線を利用しても可能であるし、携帯端末装置3を対象となるRFタグに近づけて13.56MHzのHF帯域の無線通信によっても可能である。特に、配達物タグ5は、ハイブリッド型RFIDタグであるので、荷室内で複数の配達物Dの情報を読み取る場合には、860~960MHzのUHF帯域の無線通信により行い、公園や公道上等で情報更新を必要とする場合は、公共機関の交通機関等において利用されている極めて近い近接距離で端末をかざしての無線通信が可能な13.56MHzのHF帯域の無線通信によって行う。
このような手法を採用すべき理由は、電波法による規制であり、公園や公道上等の公な環境では、事前に許諾されている許可がない限り、通信を行うことはできない。無許可での無線通信において860~960MHzのUHF帯域の使用は許されていない。そこで、自らの営業所内、特定顧客の施設内、或いは、配送車Sの閉じられた荷室空間内での無線通信に限って、数メートルから数十メートルの無線通信が可能な860~960MHzのUHF帯域により情報の授受が可能となる。そこで、限られた荷室空間内での無線通信の場合でも、荷室外への無線の漏れを防止するために、荷室扉の閉鎖時のみにおいて、通信が可能となる手段を備えるのが好ましい。その場合には、荷室扉の開閉を検知する手段を備え、荷室扉の「開」時には無線通信を禁じ、荷室扉の「閉」時にのみ無線通信を可能とする手段を設けても良い。そのためには、荷室扉が「閉」となったことを契機にして、情報更新のプログラムをスタートするように構成することも可能である。また、図示はしないが、荷室扉の内側に荷室扉の開時にも外部への電波の放出を遮蔽するために、厚手のカーテン等による無線通信遮蔽手段を設けることも可能である。
荷室内の配達物Dの位置情報として、(x,y,z)座標が分かれば、対象配達物がマトリックス状に分けた荷室のどの位置に置かれているかが判る。
ここで、携帯端末装置3の携帯端末付RFセンサ80は、検索要求信号に対する応答として、配達員タグ9からの応答(図1(a)~(d)のケース等)、配達物タグ5からの応答(図1(b)(c)(d)のケース等)、配送車タグ6からの応答(図1(a)のケース)の何れか又は複数を受信するケースがあり得る。従って、ステップS104において、各携帯端末装置3からサーバ装置1へ返信される情報は、(携帯端末ID,位置情報,{配達員ID},{配達物ID},{配送車ID})の組となる。ここで、「{…}」は集合を表す。それぞれの種類のRFタグ(配達員タグ9,配達物タグ5,配送車タグ6)に対して応答がない場合には、その種類のRFタグのID集合は空集合となる。
一方、情報の更新が、例えば、荷室内のような閉じられた空間内で行うことが可能な場合には、860~960MHz帯域のUHF無線通信により行う。その場合の対象となるRFタグは、ハイブリッド型RFIDタグの必要がある。ステップS201において、荷室端末装置2がサーバ装置1からの応答要求信号を受信すると、ステップS202において、荷室端末装置2の荷室端末付RFセンサ70は、860~960MHzのUHF体の電波で検索要求信号を無線発信する。検索要求信号を受信したRFタグ(ハイブリッド型RFIDタグ5等)は、自己が記録している情報を860~960MHzのUHF体の電波で荷室端末装置2に返信し、荷室端末装置2の荷室端末付RFセンサ70はそれを受信する。次に、ステップS203において、荷室端末装置2の荷室端末位置情報取得部71は、GNSS等の測位システムにより、該荷室端末装置2の位置情報(経度・緯度・高度の情報)を取得する。そして、ステップS204において、荷室端末装置2の荷室端末送受信部72は、荷室端末付RFセンサ70で読み取られた情報(ハイブリッド型RFIDタグ5等から返信されたID情報)、荷室端末位置情報取得部71により取得された位置情報、及び該荷室端末装置2の荷室端末ID情報を、通信回線10を介してサーバ装置1へ返信する。
ここで、ステップS204において、各荷室端末装置2からサーバ装置1へ返信される情報は、(荷室端末ID,位置情報,{配達物ID})の組となる。ここで、「{配達物ID}」は、荷室端末付RFセンサ70で読み取られた配送車Sの荷室内の各配達物Dに付された配達物タグ5の配達物IDの集合を表す。荷室内に配達物Dがない場合には空集合となる。
ステップS2において、サーバ装置1は、応答要求信号に対して携帯端末装置3及び荷室端末装置2がそれぞれ返信する応答情報を受信する。ここで、とり得るケースとしては、全く応答がない場合、1つの端末装置(荷室端末装置2又は携帯端末装置3)からの応答情報を受信した場合、及び複数の端末装置(荷室端末装置2又は携帯端末装置3)からの応答情報を受信した場合がある。
次に、ステップS3において、サーバ装置1は、受信した応答情報の中に荷室端末装置2からの応答情報が含まれるか否かを判定する。この判定は、応答情報の中の各ID情報を調べ、ID番号の中の(種別番号)部分が荷室端末IDの種別番号であるものがあるか否かを調べることによって行われる。荷室端末装置2からの応答情報が含まれない場合は、後述のステップS5の処理へ進む。
一方、荷室端末装置2からの応答情報が含まれる場合は、ステップS4において、サーバ装置1の配送車情報更新部31は、各荷室端末装置2からの応答情報に基づき、配達物管理データベース20内の“配送車端末履歴テーブル”及び“位置履歴テーブル”を必要に応じて更新する。具体的には、図6の通りである。各荷室端末装置2からの応答情報は、(荷室端末ID,位置情報,{配達物ID})の組である。配送車情報更新部31は、“配送車端末履歴テーブル”の中の‘荷室端末ID’フィールドが、応答情報に含まれる荷室端末IDと合致するレコードを全て抽出する(S301)。そして、応答情報に含まれる集合{配達物ID}内の各配達物ID(IDi)について(S302)、抽出した各レコード(以下「抽出レコード」という。)の‘受付管理ID’に対応する配達物ID(“受付管理テーブル”により対応付けられる。)の集合に該配達物ID(IDi)が含まれるか否かを判定し(S303)、該配達物ID(IDi)が含まれなければ、“配送車端末履歴テーブル”に新規なレコードを追加して、該新規レコードに、該配達物ID(IDiに対応する受付管理ID及び該荷室端末IDを登録し、‘積荷日時’は応答情報の受信時刻、‘有効フラグ’は「有効」とする(S304)。次に、各抽出レコード(ステップS304で追加した新規レコードを含む。)について(S306)、該抽出レコードの‘受付管理ID’に対応する配達物IDが、応答情報に含まれる集合{配達物ID}に含まれるか否かを判定し(S307)、含まれなければ、該抽出レコードの‘有効フラグ’を「無効」とし、‘降荷時刻’を応答情報の受信時刻として“配送車端末履歴テーブル”を更新する(S308)。次いで、該抽出レコードの‘有効フラグ’が「有効」な場合には(S309)、“位置履歴テーブル”内に新規レコードを追加して、該新規レコードに、該抽出レコードの‘受付管理ID’,応答情報の受信時刻,及び応答情報に合まれる配達物位置情報の経緯・高度座標を登録する(S310)。これにより、荷室端末IDで特定される配送車Sの荷室内に積荷された配達物Dの情報が更新されるとともに、それら配達物Dの現在の位置情報が更新される。
次に、ステップS5において、サーバ装置1は、受信した応答情報の中に携帯端末装置3からの応答情報が含まれるか否かを判定する。この判定は、応答情報の中の各ID情報を調べ、ID番号の中の(種別番号)部分が携帯端末IDの種別番号であるものがあるか否かを調べることによって行われる。携帯端末装置3からの応答情報が含まれない場合は、サーバ装置1は今回の一連の処理を終了する。一方、サーバ装置1からの応答情報が含まれる場合は、次のステップS6の処理へ進む。ここで、各携帯端末装置3からの応答情報は、(携帯端末ID,位置情報,{配達員ID},{配達物ID},{配送車ID})
の組である。
次に、ステップS6において、サーバ装置1は、携帯端末装置3からの応答情報の中に配達員IDが含まれるか否かを判定する。配達員IDが含まれない場合は、後述のステップS8へ進む。一方、配達員IDが含まれていた場合、ステップS7において、配達員情報更新部32は、該携帯端末装置3からの応答情報に基づき、配達員管理データベース20a内の“携帯端末使用履歴テーブル”を必要に応じて更新する。具体的には、図7の通りである。まず、配達員情報更新部32は、“携帯端末使用履歴テーブル”の中の‘携帯端末ID’フィールドが、応答情報に含まれる携帯端末IDと合致する有効レコード(‘有効フラグ’が「有効」であるレコード)を全て抽出する(S321)。有効レコードが抽出されなかった場合(S322)、“携帯端末使用履歴テーブル”に新規なレコードを追加して、該新規レコードに、応答情報中の携帯端末ID及び配達員IDを登録し、‘貸与日時’は応答情報の受信時刻、‘有効フラグ’は「有効」とする(S323)。一方、有効レコードが抽出された場合(S322)、配達員情報更新部32は、抽出された有効レコードの配達員IDが応答情報中の配達員IDと合致するか否かを判定し(S324)、合致しない場合には、抽出された該有効レコードの‘返却日時’を応答情報の受信時刻とした後、該有効レコードの‘有効フラグ’を無効化し(S325)、“携帯端末使用履歴テーブル”に新規なレコードを追加して、該新規レコードに、応答情報中の携帯端末ID及び配達員IDを登録し、‘貸与日時’は応答情報の受信時刻、‘有効フラグ’は「有効」とする(S323)。これにより、“携帯端末使用履歴テーブル”において、応答情報の中の携帯端末IDで特定される携帯端末装置3を現在所持する配達員Pの配達員IDが、該携帯端末IDと関連づけられる。
次に、ステップS8において、サーバ装置1は、携帯端末装置3からの応答情報の中に配達物IDが含まれるか否かを判定する。配達物IDが含まれない場合は、後述のステップS10へ進む。一方、配達物IDが含まれていた場合、ステップS9において、配達員情報更新部32は、該携帯端末装置3からの応答情報に基づき、配達物管理データベース20内の“携帯端末履歴テーブル”及び“位置履歴テーブル”を必要に応じて更新する。具体的には、図8の通りである。まず、配達員情報更新部32は、“受付管理テーブル”を参照し、応答情報に含まれる配達物IDに対応する受付管理IDを取得した後(S331)、“携帯端末履歴テーブル”の中の、‘受付管理ID’フィールドが、取得した受付管理IDと合致する有効レコード(‘有効フラグ’が「有効」であるレコード)を全て抽出する(S332)。有効レコードが抽出されなかった場合(S333)、“携帯端末履歴テーブル”に新規なレコードを追加して、該新規レコードに、取得した受付管理ID及び応答情報中の携帯端末IDを登録し、‘担当開始日時’は応答情報の受信時刻、‘有効フラグ’は「有効」とする(S336)。一方、有効レコードが抽出された場合(S333)、配達員情報更新部32は、抽出された有効レコードの携帯端末IDが応答情報中の携帯端末IDと合致するか否かを判定し(S334)、合致しない場合には、抽出された該有効レコードの‘担当終了日時’を応答情報の受信時刻とした後、該有効レコードの‘有効フラグ’を無効化し(S335)、“携帯端末履歴テーブル”に新規なレコードを追加して、該新規レコードに、取得した受付管理ID及び応答情報中の携帯端末IDを登録し、‘担当開始日時’は応答情報の受信時刻、‘有効フラグ’は「有効」とする(S336)。次に、応答情報に含まれる配達物IDに対応する受付管理IDと応答情報の受信時刻とを検索キーとして、“位置履歴テーブル”を検索し、‘受付管理ID’フィールド及び‘日時’フィールドが該受付管理ID及び該応答情報の受信時刻に一致するレコードを検索する(S338)。そして、両者が一致するレコードが無かった場合(S339)、“位置履歴テーブル”内に新規レコードを追加して、該新規レコードに、該受付管理ID,該応答情報の受信時刻,及び応答情報に含まれる配達物位置情報の経緯・高度座標を登録する(S340)。これにより、“携帯端末履歴テーブル”において、応答情報の中の携帯端末IDで特定される携帯端末装置3が、現在配達中の配達物Dの配達物IDと関連づけられるとともに、その配達物Dの現在の位置情報が更新される。
次に、ステップS10において、サーバ装置1は、携帯端末装置3からの応答情報の中に配送車IDが含まれるか否かを判定する。配送車IDが含まれない場合は、一連の配達物管理データベース更新処理を終了する。一方、配送車IDが含まれていた場合、配達員情報更新部32は、まず、ステップS11において、“荷室端末テーブル”を検索して該配送車IDに対応する荷室端末IDを取得した後、“配送車端末履歴テーブル”を検索して、該荷室端末IDに対応する有効レコード(‘有効フラグ’が「有効」であるレコード)を全て抽出し、抽出した各レコード内の受付管理ID(以下「積荷配達物の受付管理ID」という。)を取得する。そして、ステップS12~S14において、取得された各積荷配達物の受付管理IDに対して、配達員情報更新部32は、該携帯端末装置3からの応答情報に基づき、配達物管理データベース20内の“携帯端末履歴テーブル”及び“位置履歴テーブル”を必要に応じて更新する。このステップS13における更新処理は、具体的には、前述した図8の処理と同様である(尚、この場合ステップS331は省略される)。これにより、“携帯端末履歴テーブル”において、応答情報の中の携帯端末IDで特定される携帯端末装置3が、配送車IDで特定される現在使用中の配送車Sの荷室内にある各配達物Dの配達物IDと関連づけられる。
尚、上記ステップS5~S14の処理は、応答情報の中に複数の携帯端末装置3からの応答情報が含まれる場合には、それぞれの携帯端末装置3からの応答情報に対して個別に実行される。
以上のような動作により、各配達物Dの各時刻における位置の履歴は、配達物管理データベース20の“位置履歴テーブル”に記録されることとなり、各時刻における各配達物Dの位置を追跡することが可能となる。また、各時点において各配達物Dの取り扱いを担当していた配達員Pが所持する携帯端末装置3の履歴は、配達物管理データベース20の“携帯端末履歴テーブル”に記録されることとなり、また、各携帯端末装置3を各時点において使用していた配達員Pの使用履歴は、配達員管理データベース20aの“携帯端末使用履歴テーブル”に記録されることとなり、各配達物Dについて、各時刻にどの配達員Pが該配達物Dを取り扱っていたのかを事後的に追跡・調査することが可能となる。
尚、ここでは、荷室端末装置2及び携帯端末装置3は、サーバ装置1からの応答要求に対して周辺のRFタグのセンシングを行って応答情報を返信する動作(図5のS101~S104,S201~S204)について例示したが、応答要求に依らず、荷室端末装置2及び携帯端末装置3が一定時間毎に定期的にRFタグのセンシングを行って応答情報を返信するように構成することもできる。また、荷室端末装置2及び携帯端末装置3は位置情報取得部(荷室端末位置情報取得部71,携帯端末位置情報取得部81)を備えているので、荷室端末装置2及び携帯端末装置3は、位置情報取得部で検出される位置が、前回センシングを行った位置から一定の距離以上位置が移動した際に、RFタグのセンシングを行って応答情報を返信するように構成することもできる。
(2.2)配達物接近報知処理動作
次に、配達物Dが配達先Hに近づいた際に、受取人Qの所持する受取人端末装置11等に対して接近通報を発信する処理(配達物接近報知処理)について説明する。この接近通報の発信は、配達業務に関連する各種追加サービスの提供を受ける資格がある登録会員に対してのみ実施される。
図9は、配達物接近報知処理を表すフローチャートである。まず、ステップS401において、サーバ装置1において、荷室端末装置2又は携帯端末装置3からの応答情報(図5のステップS2において受信される応答情報と同じ。)が受信される。ここで、各荷室端末装置2からサーバ装置1へ返信される応答情報は、(荷室端末ID,位置情報,{配達物ID})の組である。各携帯端末装置3からの応答情報は、(携帯端末ID,位置情報,{配達員ID},{配達物ID},{配送車ID})の組である。ここで、応答情報の受信により、図5で説明した配達物管理データベース更新処理が事前に実行される。
次に、ステップS402において、関連配達物検索部40は、配達物管理データベース20の“携帯端末履歴テーブル”又は“配送車端末履歴テーブル”から、該応答情報に含まれる携帯端末ID又は荷室端末IDに対応する有効レコード(‘有効フラグ’が「有効」であるレコード)を抽出し、抽出された各有効レコードの‘受付管理ID’を抽出して、抽出された受付管理IDのリスト(以下「関連配達物リスト」という。)を作成する。そして、関連配達物検索部40は、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”を参照し、関連配達物リストの各受付管理IDで特定される配達物Dのうち、‘配達先位置情報’で特定される該配達物Dの配達先Hの位置が、該応答情報に含まれる位置情報に対して、所定の距離以内にあるものを抽出し、抽出された配達物Dの受付管理IDのリスト(以下「接近配達物リスト」という。)を作成する。ここで、接近配達物リストが空の場合(S403)、配達物接近報知処理を終了してステップS401へ戻る。一方、接近配達物リストが空ではない場合には、次のステップS404に進む。
次に、ステップS404において、関連配達物検索部40は、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”及び会員管理データベース21の“登録会員テーブル”を参照し、接近配達物リストの各受付管理IDについて、該受付管理IDに対応する(‘受取人連絡先情報’,‘受取人会員ID情報’,‘通知設定情報’)のリスト(以下「連絡先情報リスト」という。)を作成する。ここで、‘通知設定情報’は、配達先Hの受取人Qが登録会員の場合(即ち‘受取人会員ID情報’に会員IDが設定されている場合)にのみ“登録会員テーブル”を参照して設定される。尚、連絡先情報リストに登録された(‘受取人連絡先情報’,‘受取人会員ID情報’,‘通知設定情報’)の組からなる各要素を、以下「連絡先情報」という。
次に、ステップS405~S409において、連絡先情報リストに登録された各連絡先情報について、
(S406)関連配達物検索部40は、該連絡先情報の‘受取人会員ID情報’に会員IDが設定されているか否かを判定し、
(S407)会員IDが設定されている場合には、該連絡先情報の‘通知設定情報’が「接近通報を発信する」(接近通知サービス有効)となっているか否かを判定し、
(S408)接近通知サービス有効の場合には、通信回線10を介し、該連絡先情報の‘受取人連絡先情報’に含まれる電子メール・アドレス又はSNSアカウントに対し、配達物Dが近づいたことを報知する接近通報を発信する、
という処理を実行する。ここで、「接近通報」 の文面は予め定められたフォーマットに従って自動的に作成される。
以上の動作により、配達先Hに配達物Dが一定の距離まで近づくと、接近通知サービスを受けることを予め登録している登録会員の受取人Qの連絡先に、接近通報が自動的に発信され、該受取人Qは配達物Dが間もなく届くことを認知することができる。
尚、ここでは、接近通報は、接近通知サービスを受けることを予め登録した登録会員にのみ送信する例を示したが、この例以外に、登録会員全員に送信するように構成することもでき、また、登録会員であるか否かに関わらず全員に送信するように構成することもできる。
(2.3)配達先での受渡処理動作
次に、配達物Dが配達先Hに到達した際に、配達先Hで配達物Dが受取人Qに受け渡される際(図1(b))の処理(配達先配達済み登録処理)について説明する。
図10は、配達先配達済み登録処理を表すフローチャートである。まず、ステップS421において、配達先Hにおいて配達員Pは携帯端末装置3のタッチパネル・ディスプレイ88から、各配達物Dに近接させて、13.56MHzHF帯域の無線通信により「配達完了確認指示」を入力する。これは、例えば、携帯端末装置3において専用のアプリケーション・プログラムを実行し、該アプリケーション・プログラムの実行画面において配達完了確認ボタンをタッチパネル・ディスプレイ88に表示させ、配達員Pがその配達完了確認ボタンをタップすることにより実行することができる。
次に、ステップS422において、携帯端末装置3に「配達完了確認指示」が入力されると、携帯端末装置3の配達完了処理部83は、携帯端末付RFセンサ80により、近傍のRFタグのセンシングを行い、応答情報を受信する。このとき、配達員Pは配達物Dを所持しているので、このRFタグのセンシングによって、正常ならば、配達物Dのハイブリッド型RFIDタグ5からの応答情報、及び配達員Pが配達業務時間中に常時所持している配達員タグ9からの応答情報が受信される筈である(図1(b)参照)。次いで、ステップS423において、配達完了処理部83は、携帯端末位置情報取得部81により、携帯端末装置3の現在の位置情報を取得する。
次に、ステップS424において、配達完了処理部83は、ステップS422においてRFタグの応答情報が正常に受信できたか否かを判定する。即ち、ハイブリッド型RFIDタグ5のID番号を含む応答情報と配達員タグ9のID番号を含む応答情報が受信されているか否かを判定する。ここで、前述の通り、各ID番号は“(種別番号)(シリアル番号)”のような構成とされており、受信したID番号の(種別番号)の部分が配達物ID及び配達員IDの種別番号か否かを判定すれば、正常に受信できたか否かを判定することができる。ここで、正常に受信できていないと判定された場合、ステップS425において、配達完了処理部83は、タッチパネル・ディスプレイ88及びスピーカ89から読取エラー表示及びエラー発生音を出力することにより、読み取りエラーの発生を配達員Pに報知し、配達先配達済み登録処理を終了する。一方、ステップS424において正常に受信できたと判定された場合、次のステップS426へ進む。
次に、ステップS426において、配達完了処理部83は、通信回線10を介してサーバ装置1へ、配達完了情報を送信する。ここで、「配達完了情報」とは、配達完了確認指示入力情報に加えて、ステップS422で受信された配達物Dの配達物ID及び配達員Pの配達員ID、並びにステップS423で取得された携帯端末装置3の現在の位置情報を含む情報である。
次に、ステップS441において、サーバ装置1は、携帯端末装置3から送信された配達完了情報を受信すると、ステップS442において、サーバ装置1の配達済登録部33は、該配達完了情報に含まれる配達物IDに基づき、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”を検索し、該配達物IDに対応する‘配達先位置情報’を取得する。そして、ステップS443において、配達済登録部33は、取得した‘配達先位置情報’と受信した配達完了情報に含まれる位置情報とを照合し、両者が適合しているか否かを判定する。ここで、両者が適合していないと判定された場合には、ステップS444において、配達済登録部33は、該配達完了情報を送信した携帯端末装置3に対して、通信回線10を介し「位置不適合エラー情報」を送信する。一方、両者が適合していると判定された場合には、ステップS445において、配達済登録部33は、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”内の該配達物IDに対応するレコードの‘配達済情報’フィールドに、受信した配達完了情報に含まれる配達員ID、該配達完了情報の受信時刻を登録し、‘配送状態情報’フィールドを「配達済」に変更して、“受付管理テーブル”を更新する。また、配達済登録部33は、該配達物IDに対応する受付管理IDに基づき、“配送車端末履歴テーブル”及び“携帯端末履歴テーブル”を検索し、該受付管理IDに対応するレコードの‘有効フラグ’を全て無効化する。そして、ステップS446において、配達済登録部33は、該配達完了情報を送信した携帯端末装置3に対して、通信回線10を介し「完了受付済通知」を送信する。
次に、ステップS427において、携帯端末装置3は、サーバ装置1から送信される「位置不適合エラー情報」又は「完了受付済情報」を受信すると、ステップS428において、携帯端末装置3の配達完了処理部83は、受信した情報が「位置不適合エラー情報」であるか否かを判定する。ここで、「位置不適合エラー情報」と判定した場合、ステップS429において、配達完了処理部83は、タッチパネル・ディスプレイ88及びスピーカ89から位置不適合エラー表示及びエラー発生音を出力することにより、位置不適合エラーの発生を配達員Pに報知し、配達先配達済み登録処理を終了する。一方、ステップS429において「位置不適合エラー情報」ではないと判定した場合、ステップS430において、配達完了処理部83は、タッチパネル・ディスプレイ88及びスピーカ89から受付完了表示及び受付完了音を出力することにより、配達済み登録処理が正常に受け付けられたことを配達員Pに報知し、配達先配達済み登録処理を終了する。
以上のような動作により、配達員Pが配達物Dを誤った配達先に届けた場合には、位置不適合エラー表示及びエラー発生音によって配達員Pに位置不適合エラーが報知されるため、誤配達の発生を防止することができる。また、サーバ装置1の配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”には、‘配達済情報’として、配達時刻と配達を行った配達員PのID情報が記録されるため、事後的に配達物Dがいつ誰により配達されたかを確認することが可能となる。
(2.4)不在連絡票登録処理動作
次に、配達員Pが配達物Dを配達先Hに配達した際に、配達先Hに受取人Qが不在であった場合において行われる不在連絡票登録処理(図1(c))について説明する。
図11は、不在連絡票登録処理を表すフローチャートである。まず、ステップS451において、配達先Hにおいて配達員Pは携帯端末装置3のタッチパネル・ディスプレイ88から、「不在連絡票発行指示」を入力する。これは、例えば、携帯端末装置3において専用のアプリケーション・プログラムを実行し、該アプリケーション・プログラムの実行画面において不在連絡票発行ボタンをタッチパネル・ディスプレイ88に表示させ、配達員Pがその不在連絡票発行ボタンをタップすることにより実行することができる。
次に、ステップS452において、携帯端末装置3に「不在連絡票発行指示」が入力されると、携帯端末装置3の不在連絡票残置処理部84は、通信回線10を介して、サーバ装置1に対し不在連絡票発行要求を送信する。ステップS481において、サーバ装置1は、携帯端末装置3からの不在連絡事発行要求を受信する左、ステップS482において、サーバ装置1の不在連絡票情報登録部34は、配達物管理データベース20の“不在連絡票テーブル”に新規レコードを作成して該新規レコードの不在連絡票IDを新規に作成し、作成した該不在連絡票IDを通信回線10を介して、該不在連絡票発行要求を送信した携帯端末装置3に対し、該不在連絡票IDを送信する。ステップS453において、携帯端末装置3はサーバ装置1から送信された該不在連絡票IDを受信すると、ステップS454において、携帯端末装置3の不在連絡票残置処理部84は、タッチパネル・ディスプレイ88に不在連絡票IDを受信した旨を表示する。そして、携帯端末付RFセンサ80により、配達員Pが携帯端末装置3に対してかざして不在連絡票Aの不在連絡票タグ7に、該不在連絡票IDを書き込む。これにより、不在連絡票Aには不在連絡票IDが記録される。
この場合、不在連絡票Aの不在連絡票タグ7は、860~960MHzのUHF帯及び13.56MHzのHF帯の無線通信が可能なハイブリット型のRFタグが好ましい。
次に、ステップS455において、不在連絡票残置処理部84は、携帯端末付RFセンサ80により、近傍のRFタグのセンシングを行い、応答情報を受信する。このとき、配達員Pは配達物D及び不在連絡票Aを所持しているので、このRFタグのセンシングによって、正常ならば、配達物Dのハイブリッド型RFIDタグ5からの応答情報、ハイブリッド型RFIDタグの不在連絡票Aの不在連絡票タグ7からの応答情報、及び配達員Pが配達業務時間中に常時所持している配達員タグ9からの応答情報が受信される筈である(図1(c)参照)。次いで、ステップS456において、不在連絡票残置処理部84は、携帯端末位置情報取得部81により、携帯端末装置3の現在の位置情報を取得する。
次に、ステップS457において、不在連絡票残置処理部84は、ステップS455においてRFタグの応答情報が正常に受信できたか否かを判定する。即ち、ハイブリッド型RFIDタグ5のID番号を含む応答情報、ハイブリッド型RFIDタグの不在連絡票タグ7のID番号を含む応答情報、及び配達員タグ9のID番号を含む応答情報が受信されているか否かを判定する。ここで、前述の通り、各ID番号は“(種別番号)(シリアル番号)”のような構成とされており、受信したID番号の(種別番号)の部分が配達物ID、不在連絡票ID、及び配達員IDの種別番号か否かを判定すれば、正常に受信できたか否かを判定することができる。ここで、正常に受信できていないと判定された場合、ステップS458において、不在連絡票残置処理部84は、タッチパネル・ディスプレイ88及びスピーカ89から読取エラー表示及びエラー発生音を出力することにより、読み取りエラーの発生を配達員Pに報知し、不在連絡票登録処理を終了する。一方、ステップS457において正常に受信できたと判定された場合、次のステップS459へ進む。
次に、ステップS459において、不在連絡票残置処理部84は、通信回線10を介してサーバ装置1へ、不在連絡票残置情報を送信する。ここで、「不在連絡票残置情報」とは、不在連絡票発行情報に加えて、ステップS455で受信された配達物Dの配達物ID、不在連絡票Aの不在連絡票ID、配達員Pの配達員ID、該携帯端末装置3の携帯端末ID、及びステップS456で取得された携帯端末装置3の現在の位置情報を含む情報である。
次に、ステップS483において、サーバ装置1は、携帯端末装置3から送信された不在連絡票残置情報を受信すると、ステップS484において、サーバ装置1の不在連絡票情報登録部34は、該不在連絡票残置情報に含まれる配達物IDに基づき、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”を検索し、該配達物IDに対応する‘配達先位置情報’を取得する。そして、ステップS485において、不在連絡票情報登録部34は取得した‘配達先位置情報’と受信した不在連絡票残置情報に含まれる位置情報とを照合し、両者が適合しているか否かを判定する。ここで、両者が適合していないと判定された場合には、ステップS486において、不在連絡票情報登録部34は、該不在連絡票残置情報を送信した携帯端末装置3に対して、通信回線10を介し「位置不適合エラー情報」を送信する。一方、両者が適合していると判定された場合には、ステップS487において、不在連絡票情報登録部34は、配達物管理データベース20内の“受付管理テーブル”を参照して該配達物IDに対応する受付管理IDを取得し、配達物管理データベース20内の“不在連絡票テーブル”から、該不在連絡票残置情報に含まれる不在連絡票IDに対応するレコードを検索して、該レコードの‘受付管理ID’フィールドに、取得した該受付管理IDを登録し、該レコードの‘携帯端末ID’フィールドに、該不在連絡票残置情報に含まれる携帯端末IDを登録し、該レコードの‘発行日時’フィールドに、該不在連絡票残置情報の受信時刻を登録して、“不在連絡票テーブル”を更新する。そして、ステップS488において、後述する配達時不在通知送信処理を実行した後、ステップS489において、不在連絡票情報登録部34は、該不在連絡票残置情報を送信した携帯端末装置3に対して、通信回線10を介し「不在連絡票受付済応答」を送信する。この「不在連絡票受付済応答」は、不在連絡票の発行をサーバ装置1側で受け付けたことを通知する通知信号であるが、ステップS488の配達時不在通知送信処理において、受取人Qの不在時配達先指定情報(受取人Qが不在の場合の指定配達先に関する情報)が得られた場合には、この不在連絡票受付済応答には該不在時配達先指定情報も含められる。
次に、ステップS460において、携帯端末装置3は、サーバ装置1から送信される「位置不適合エラー情報」又は「不在連絡票受付済応答」を受信すると、ステップS461において、携帯端末装置3の不在連絡票残置処理部84は、受信した情報が「位置不適合エラー情報」であるか否かを判定する。ここで、「位置不適合エラー情報」と判定した場合、ステップS462において、不在連絡票残置処理部84は、タッチパネル・ディスプレイ88及びスピーカ89から位置不適合エラー表示及びエラー発生音を出力することにより、位置不適合エラーの発生を配達員Pに報知し、不在連絡票登録処理を終了する。一方、ステップS429において「位置不適合エラー情報」ではないと判定した場合、ステップS463において、不在連絡票残置処理部84は、タッチパネル・ディスプレイ88及びスピーカ89から不在連絡票受付済表示及び受付完了音を出力することにより、不在連絡票登録処理が正常に受け付けられたことを配達員Pに報知し、不在連絡票登録処理を終了する。ここで、「不在連絡票受付済応答」の中に不在時配達先指定情報が含まれていた場合には、不在連絡票残置処理部84は、タッチパネル・ディスプレイ88に、該不在時配達先指定情報で指定される指定配達先に関する情報も表示する。
以上のような動作により、配達員Pが不在連絡票Aを誤った配達先で発行しそうになった場合には、位置不適合エラー表示及びエラー発生音によって配達員Pに位置不適合エラーが報知されるため、不在連絡票Aの誤発行の発生を防止することができる。また、サーバ装置1の配達物管理データベース20内の“不在連絡票テーブル”には、不在連絡票Aの発行時刻と発行を行った配達員Pの所持する携帯端末装置3の携帯端末ID情報が記録されるため、事後的に不在連絡票Aがいつどの配達員Pにより発行されたかを確認することが可能となる。尚、不在連絡票Aの発行時刻における携帯端末装置3の携帯端末IDと該携帯端末装置3を所持していた配達員Pの配達員IDとの対応付けは、配達員管理データベース20aの“携帯端末使用履歴テーブル”を参照することによって行うことが出来る。
最後に、上記ステップS488における配達時不在通知送信処理に関して説明する。この配達時不在通知送信処理は、配達員Pが不在連絡票Aを配達先Hで発行した際に、不在連絡票Aが残置されたことを受取人Qに通知する処理である。図12は、配達時不在通知送信処理を表すフローチャートである。
まず、ステップS501において、サーバ装置1の不在時連絡先情報検索部50は、不在連絡票残置情報に含まれる配達物IDに基づき、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”を検索し、該配達物IDに対応する‘受取人氏名’,‘受取人連絡先情報’及び‘受取人会員ID情報’を取得する。更に、‘受取人会員ID情報’に会員IDが登録されていた場合には、不在時連絡先情報検索部50は、該会員IDに基づき、会員管理データベース21の“登録会員テーブル”を検索し、該会員IDに対応する‘通知設定情報’及び‘不在時配達先指定情報’を取得する。
次に、ステップS502において、配達時不在通知送信部51は、S501で取得した‘受取人会員ID情報’に会員IDが登録されているか否かを検査することにより、受取人Qが、配達業務に関連する各種追加サービスの提供を受ける資格がある登録会員であるか否かを判定する。ここで、登録会員でないと判定された場合には、配達時不在通知送信処理は終了する。一方、登録会員と判定された場合には、次に、ステップS503において、配達時不在通知送信部51は、S501で取得した‘通知設定情報’が、不在通知通報を発信する設定がされているか否かを判定し、不在通知通報を発信する設定がされている場合には、配達時不在通知送信部51は、S501で取得した‘受取人連絡先情報’で指定される電子メール・アドレス又はSNSアカウントに対し、不在連絡票Aを配達先Hで発行したことを報知する配達時不在通知を発信する。ここで、「配達時不在通知」の文面は予め定められたフォーマットに従って自動的に作成される。
(2.5)受取指定選択処理動作
次に、上述の不在連絡票Aを受け取った受取人Qや上述の「配達時不在通知」を受信した受取人Qが、配達物Dの受取方法を選択し指定する際に実行される受取指定選択処理に関して説明する。図13は、受取指定選択処理を表すフローチャートである。この受取指定選択処理は、受取人Qが、受取人端末装置11(スマートフォン等)から不在連絡票Aに表示されたURL(uniform resource locator)又は配達時不在通知の文中に記載されたURLに、通信回線10を介してアクセスすることによって開始する。尚、このURLは、サーバ装置1においてインターネット上からアクセス可能に公開している受取方法選択ホームページのURLであるとする。
この受取指定選択処理動作の受取指定選択処理をインターネットにアクセスすることにより処理をスタートする上記方法以外にも、不在連絡票Aをハイブリッド型RFIDタグにより構成することで、受取人Qが、受取人端末装置11(スマートフォン等)により、13.5MHzのHF帯の電波で無線通信することによって、不在連絡票Aのデータを読取り、不在連絡票Aに記録された特定のURLを介して受取指定選択処理を実行することも可能である。
ステップS511において、通信回線10を介して、受取人端末装置11からサーバ装置1の受取方法選択ホームページに対してアクセスされた場合、ステップS512において、サーバ装置1の受取方法選択ホームページ処理部52は、受取方法として、再配達及びその時間帯、並びに宅配ボック受取を選択する選択入力欄を含む受取方法選択ホームページの情報を、アクセスを行った受取人端末装置11に対して送信する。
図14に、受取方法選択ホームページの一例を示す。図14において、受取方法選択ホームページには、伝票番号入力欄101、受取方法選択欄102、再配達時間帯選択欄103、手数料表示欄104、集配センタ表示欄105、宅配ボックス表示欄106、及び送信ボタン107が設けられている。伝票番号入力欄101は、不在連絡票Aに記載された伝票番号(不在連絡票IDの(シリアル番号)部分が使用される。)を入力する欄である。伝票番号入力欄101は、配達物Dが特定できるIDであれば、どのような配達物特定IDでもよい。配達時不在通知の文中に記載されたURLのリンクから受取方法選択ホームページにアクセスした場合には、伝票番号入力欄101には、不在連絡票Aの伝票番号は、受取方法選択ホームページ処理部52によって自動的に入力されるものとする。受取方法選択欄102は、受取人Qが受取方法の選択を入力する欄である。受取人Qは、受取方法選択欄102の選択ボタンをクリック(又はタップ)することによって、受取方法の選択を行う。ここでは、受取方法として、「集配センタで受け取る」、「宅配ボックスで受け取る」「再配達を希望する」の3つから選択できるように設定されている。
受取方法選択欄102での選択は、配達の安全が確保できる限りは、他の場所での受取、例えば、宅配ボックスの設置がない近所のコンビニエンス・ストア等での受取や、近隣の特定住所での受取を選択させることも可能である。再配達時間帯選択欄103は、受取方法として「再配達を希望する」を選択した場合に、再配達時間帯を選択する欄である。受取人Qは、再配達時間帯選択欄103の選択ボタンをクリック(又はタップ)することによって、再配達時間帯の選択を行う。手数料表示欄104は、受取人Qが選択した受取方法に対して必要となる手数料を表示する欄である。この手数料表示欄104に手数料を表示することで、受取人Qは、必要性に応じて手数料が安い方法を選択するように誘導される。これにより、配達員Pにかかる労力負担を軽減させることができる。
集配センタ表示欄105は、受取人Qが受取方法として「集配センタで受け取る」を選択した場合に、配達物Dの受け渡しが行われる集配センタの名称が表示される欄である。この集配センタの名称は、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”に登録されている配達先Hの‘配達先位置情報’に基づき、受取方法選択ホームページ処理部52が自動的に集配センタを選択して表示する。但し、受取人Qが登録会員であり、会員管理データベース21の“登録会員テーブル”に、該受取人Qの‘不在時配達先指定情報’として特定の集配センタが登録されている場合には、受取方法選択ホームページ処理部52は、該‘不在時配達先指定情報’に登録された集配センタを選択して表示する。
宅配ボックス表示欄106は、受取人Qが受取方法として「宅配ボックスで受け取る」を選択した場合に、配達物Dの受け渡しが行われる宅配ボックスの名称及び宅配ボックスが設置されている預託所(コンピニエンス・ストア等)の名称が表示される欄である。この宅配ボックス等の名称は、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”に登録されている配達先Hの‘配達先位置情報’に基づき、受取方法選択ホームページ処理部52が自動的に宅配ボックス及び預託所を選択して表示する。但し、受取人Qが登録会員であり、会員管理データベース21の“登録会員テーブル”に、該受取人Qの‘不在時配達先指定情報’として特定の宅配ボックス及び預託所が登録されている場合には、受取方法選択ホームページ処理部52は、該‘不在時配達先指定情報’に登録された宅配ボックス及び預託所を選択して表示する。
ステップS513において、受取人Qが、上記受取方法選択ホームページで受取方法の選択を行い、送信ボタン107をクリック(又はタップ)すると、ステップS515において、受取方法選択ホームページ処理部52は、伝票番号入力欄101に入力された伝票番号(不在連絡票IDの(シリアル番号)部分)に基づき、配達物管理データベース20の“不在連絡票テーブル”を検索し、該伝票番号に該当する不在連絡票IDがあるか否かを検査する。該当する不在連絡票IDがない場合には、受取方法選択ホームページ処理部52は、伝票番号が不正である旨を受取方法選択ホームページに表示してステップS512に戻る。ステップS515で該当する不在連絡票IDがあった場合、ステップS516において、受取方法選択ホームページ処理部52は、配達物管理データベース20の“不在連絡票テーブル”を参照し、該不在連絡票IDに対応する受付管理IDを取得した後、ステップS517において、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”を検索し、該受付管理IDに対応するレコードを抽出し、該抽出レコードの‘受取方法情報’フィールドに、受取人Qにより選択された受取方法の情報を登録して、“受付管理テーブル”を更新する。次いで、ステップS518において、受取方法通知登録部53は、配達物管理データベース20の“携帯端末履歴テーブル”を検索し、該受付管理IDに対応するレコードを抽出し、該抽出レコードの携帯端末IDを取得した後、該携帯端末IDによって特定される携帯端末装置3に対して、受取人Qにより選択された受取方法の情報を送信する。
以上の動作により、受取人Qにより選択された受取方法の情報が、配達物管理データベース20に登録されると共に、携帯端末装置3に対して即時に送信され、携帯端末装置3を所持する配達員Pに伝達される。
(2.6)預託登録処理動作
次に、図15により、配達先Hに受取人Qが不在であった場合において、配達員Pが配達物Dを預託所Fの宅配ボックスBに預託する場合(図1(d))の預託登録処理に関して説明する。ここで、預託所Fは、例えば、コンビニエンス・ストア等の商店、マンションやアパートの荷物管理室、駅の荷物管理室など、宅配ボックスBを管理する施設である。図15は、預託登録処理を表すフローチャートである。前提として、配達員Pが配達物D、携帯端末装置3、配達員タグ9を所持した状態で、宅配ボックスBの前(又は近傍)で携帯端末装置3の操作を行うものとする。
ここで、図1に示したシステム構成図では、預託所Fに設置されている宅配ボックスB内には1個の配達物Dが預託されているものが図示されているが、本発明のハイブリッド型RFIDタグを個々の配達物Dに貼付することにより、一箇所の預託所F内の一個の宅配ボックスB内に、複数の配達物Dを預託しておくことも可能である。この場合には、図22に示すように、配送車S内の環境と同じく、宅配ボックスB内の天井等に配置された宅配ボックス内端末装置95を配置する。宅配ボックス内端末装置95は、宅配ボックス内に配設されたRFタグリーダであり、預託された複数の配達物タグ5に記録された情報をUHF帯で読み取ることができる。
まず、ステップS531において、預託所Fにおいて配達員Pは携帯端末装置3のタッチパネル・ディスプレイ88から、「預託登録指示」を入力する。これは、例えば、携帯端末装置3において専用のアプリケーション・プログラムを実行し、該アプリケーション・プログラムの実行画面において預託登録ボタンをタッチパネル・ディスプレイ88に表示させ、配達員Pがその預託登録ボタンをタップすることにより実行することができる。
次に、ステップS532において、預託手続処理部87は、携帯端末付RFセンサ80により、近傍のRFタグのセンシングを行い、応答情報を受信する。このとき、配達員Pは、宅配ボックスBの前に居り、配達物Dを所持しているので、このハイブリッド型RFIDタグのセンシングによって、HF帯での無線通信による情報の授受も可能であり、正常ならば、配達物Dのハイブリッド型RFIDタグ5からの応答情報、宅配ボックスBの宅配ボックスタグ8からの応答情報、及び配達員Pが配達業務時間中に常時所持している配達員タグ9からの応答情報が受信される筈である(図1(d)参照)。
次に、ステップS533において、預託手続処理部87は、ステップS532においてRFタグの応答情報が正常に受信できたか否かを判定する。即ち、ハイブリッド型RFIDタグ5のID番号を含む応答情報、宅配ボックスタグ8のID番号を含む応答情報、及び配達員タグ9のID番号を含む応答情報が受信されているか否かを判定する。ここで、前述の通り、各ID番号は“(種別番号)(シリアル番号)"のような構成とされており、受信したID番号の(種別番号)の部分が配達物ID、宅配ボックスID、及び配達員IDの種別番号か否かを判定すれば、正常に受信できたか否かを判定することができる。ここで、正常に受信できていないと判定された場合、ステップS534において、預託手続処理部87は、タッチパネル・ディスプレイ88及びスピーカ89から読取エラー表示及びエラー発生音を出力することにより、読み取りエラーの発生を配達員Pに報知し、預託登録処理を終了する。一方、ステップS533において正常に受信できたと判定された場合、次のステップS535へ進む。
次に、ステップS535において、預託手続処理部87は、通信回線10を介してサーバ装置1へ、預託登録情報を送信する。ここで、「預託登録情報」とは、預託登録指示情報に加えて、ステップS532で受信された配達物Dの配達物ID、宅配ボックスBの宅配ボックスID、配達員Pの配達員ID、及び該携帯端末装置3の携帯端末IDを含む情報である。
次に、ステップS551において、サーバ装置1は、携帯端末装置3から送信された預託登録情報を受信すると、ステップS552において、サーバ装置1の宅配ボックス預託登録部36は、該預託登録情報に含まれる配達物IDに基づき、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”を検索し、該配達物IDに対応するレコードを取得する。また、宅配ボックス預託登録部36は、配達物管理データベース20の“宅配ボックステーブル”を検索し、該預託登録情報に含まれる宅配ボックスIDが“宅配ボックステーブル”に登録されているか否かを検査する。そして、ステップS553において、該配達物IDに対応するレコードが抽出されており且つ該宅配ボックスIDが“宅配ボックステーブル”に登録されているか否かを判定する。ここで、レコードが抽出されなかった場合(即ち、配達物IDが不正であった場合)又は該宅配ボックスIDが“宅配ボックステーブル”に登録されていなかった場合には、ステップS554において、宅配ボックス預託登録部36は、該預託登録情報を送信した携帯端末装置3に対して、通信回線10を介し「未登録エラー情報」を送信する。
一方、レコードが抽出た場合には、ステップS555において、宅配ボックス預託登録部36は、“受付管理テーブル”の該レコードの‘預託宅配ボックスID’フィールドに、該預託登録情報に含まれる宅配ボックスIDを登録し、‘預託日時’フィールドに、該預託登録情報を受信した日時を登録し、‘配送状態情報’フィールを「宅配ボックス収函済」に変更した後、“受付管理テーブル”を更新する。また、宅配ボックス預託登録部36は、抽出された該レコードの受付管理IDを取得し、“携帯端末履歴テーブル”の受付管理IDに対応する有効レコードの‘有効フラグ’を無効化し‘担当終了日時’を該預託登録情報が受信された日時に設定し、“携帯端末履歴テーブル”を更新する。また、宅配ボックス預託登録部36は、“配送車端末履歴テーブル”の該受付管理IDに対応する有効レコードの‘有効フラグ’を無効化し‘降荷日時’を該預託登録情報が受信された日時に設定し、“配送車端末履歴テーブル”を更新する。そして、ステップS556において、宅配ボックス預託登録部36は、該預託登録情報を送信した携帯端末装置3に対して、通信回線10を介し「預託受付済通知」を送信する。また、抽出された該レコードの‘受取人会員ID情報’フィールドに会員IDが登録されていた場合には、ステップS557において、宅配ボックス預託登録部36は、会員管理データベース21の“登録会員テーブル”における該会員IDに対応する‘通知設定情報’及び‘連絡先情報’を取得し、該‘通知設定情報’が、宅配ボックス預託済通知を受ける状態に設定されていた場合には、該‘連絡先情報’に設定された電子メール・アドレス又はSNSアカウントに対して、配達物Dが宅配ボックスBに収函されたことを通知する「預託済通知」を送信する。この「預託済通知」は、配達物Dが預託された宅配ボックスBを管理する預託所Fの場所(住所)及び名称に関する情報が含められる。
次に、ステップS536において、携帯端末装置3は、サーバ装置1から送信される「未登録エラー情報」又は「預託受付済通知」を受信すると、ステップS537において、携帯端末装置3の預託手続処理部87は、受信した情報が「未登録エラー情報」であるか否かを判定する。ここで、「未登録エラー情報」と判定した場合、ステップS538において、預託手続処理部87は、タッチパネル・ディスプレイ88及びスピーカ89から未登録エラー表示及びエラー発生音を出力することにより、未登録エラーの発生を配達員Pに報知し、預託登録処理を終了する。一方、ステップS537において「未登録エラー情報」ではないと判定した場合、ステップS539において、預託手続処理部87は、タッチパネル・ディスプレイ88及びスピーカ89から預託登録受付済表示及び受付完了音を出力することにより、預託登録処理が正常に受け付けられたことを配達員Pに報知し、預託登録処理を終了する。
以上のような動作により、配達員Pが配達物Dを宅配ボックスBに預託した場合、該配達物Dの配達物ID、該宅配ボックスBの宅配ボックスID、及び預託日時が、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”に登録され、預託された配達物Dに対応して登録された荷室端末装置2及び携帯端末装置3の‘有効フラグ’が無効化され、該荷室端末装置2及び該携帯端末装置3の配達物Dの所持状態が解除される。また、登録会員に対しては、該登録会員の電子メール・アドレス又はSNSアカウントに対して、「預託済通知」が送信され、配達物Dが宅配ボックスBに収函されたことが通知される。
(2.7)預託先での受渡処理動作
次に、図16により、不在連絡票Aを受け取った受取人Qが、預託所Fに配達物Dを受け取に来た場合において、預託所Fにおいて預託所員Tが受取人Qに配達物Dを受け渡す預託所受渡処理に関して説明する。ここで、預託所員Tは、例えば、コンビニエンス・ストア等の商店の店員、マンションやアパートの荷物管理室の管理人、駅の荷物管理室の職員などである。図16は、預託所受渡処理を表すフローチャートである。前提として、預託所員Tは預託所Fに配置されている預託所端末装置4、及び受取人Qが持参した不在連絡票Aに貼られた不在連絡票タグ7を所持した状態で、宅配ボックスBの前(又は近傍)で預託所端末装置4の操作を行うものとする。
まず、ステップS571において、預託所Fにおいて預託所員Tは預託所端末装置4のタッチパネル・ディスプレイ93から、「受渡完了指示」を入力する。これは、例えば、預託所端末装置4において専用のアプリケーション・プログラムを実行し、該アプリケーション・プログラムの実行画面において受渡完了ボタンをタッチパネル・ディスプレイ93に表示させ、預託所員Tがその受渡完了ボタンをタップすることにより実行することができる。
次に、ステップS572において、預託所端末装置4の受渡完了処理部92は、預託所端末付RFセンサ90により、近傍のRFタグのセンシングを行い、応答情報を受信する。このとき、預託所員Tは、宅配ボックスBの前に居り、不在連絡票Aを所持しているので、このRFタグのセンシングによって、正常ならば、不在連絡票Aの不在連絡票タグ7からの応答情報、宅配ボックスBの宅配ボックスタグ8からの応答情報、及び宅配ボックスB内に収納されている配達物Dに貼付されたハイブリッド型RFIDタグ5からの応答情報が受信される筈である(図1(e)参照)。
次に、ステップS573において、受渡完了処理部92は、ステップS572においてRFタグの応答情報が正常に受信できたか否かを判定する。即ち、ハイブリッド型RFIDタグ5のID番号を含む応答情報、宅配ボックスタグ8のID番号を含む応答情報、及び不在連絡票タグ7のID番号を含む応答情報が受信されているか否かを判定する。ここで、前述の通り、各ID番号は“(種別番号)(シリアル番号)”のような構成とされており、受信したID番号の(種別番号)の部分が配達物ID、宅配ボックスID、及び不在連絡票IDの種別番号か否かを判定すれば、正常に受信できたか否かを判定することができる。ここで、正常に受信できていないと判定された場合、ステップS574において、受渡完了処理部92は、タッチパネル・ディスプレイ93及びスピーカ94から読取エラー表示及びエラー発生音を出力することにより、読み取りエラーの発生を預託所員Tに報知し、預託所受渡処理を終了する。一方、ステップS573において正常に受信できたと判定された場合、次のステップS575へ進む。
次に、ステップS575において、受渡完了処理部92は、通信回線10を介してサーバ装置1へ、受渡完了情報を送信する。ここで、「受渡完了情報」とは、受渡完了指示情報に加えて、ステップS572で受信された配達物Dの配達物ID、宅配ボックスBの宅配ボックスID、不在連絡票Aの不在連絡票ID、及び該預託所端末装置4の預託所端末IDを含む情報である。
次に、ステップS591において、サーバ装置1は、預託所端末装置4から送信された受渡完了情報を受信すると、ステップS592において、サーバ装置1の受渡済登録部37は、該受渡完了情報に含まれる配達物IDに基づき、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”を検索し、該配達物IDに対応するレコードを取得し、該レコードの受付管理IDを取得する。また、受渡済登録部37は、配達物管理データベース20の“宅配ボックステーブル”を検索し、該受渡完了情報に含まれる宅配ボックスIDが“宅配ボックステーブル”に登録されているか否かを検査する。また、受渡済登録部37は、配達物管理データベース20の“不在連絡票テーブル”を検索し、該受渡完了情報に含まれる不在連絡票IDが“不在連絡票テーブル”に登録されおり、且つ該不在連絡票IDに対応する‘受付管理ID’が、該配達物IDに対応する受付管理IDと一致しているか否かを検査する。そして、ステップS593において、該配達物IDに対応するレコードが抽出されており、且つ該宅配ボックスIDが“宅配ボックステーブル”に登録されており、且つ該不在連絡票IDが“不在連絡票テーブル”に登録されおり、且つ該不在連絡票IDに対応する受付管理IDが、該配達物IDに対応する受付管理IDと一致しているか否かを判定する。ここで、レコードが抽出されなかった場合(即ち、配達物IDが不正であった場合)、又は該宅配ボックスIDが“宅配ボックステーブル”に登録されていなかった場合、若しくは該不在連絡票IDが“不在連絡票テーブル”に登録されていなかった場合、若しくは該不在連絡票IDに対応する受付管理IDが該配達物IDに対応する受付管理IDと一致していなかった場合には、ステップS594において、受渡済登録部37は、該受渡完了情報を送信した預託所端末装置4に対して、通信回線10を介し「ID不正エラー情報」を送信する。
一方、レコードが抽出された場合には、ステップS595において、受渡済登録部37は、“受付管理テーブル”の該レコードの‘配達済情報’フィールドに、受信した該受渡完了情報に含まれる預託所端末ID、該受渡完了情報の受信時刻を登録し、‘配送状態情報’フィールドを「配達済」に変更して、“受付管理テーブル”を更新する。そして、ステップS596において、受渡済登録部37は、該受渡完了情報を送信した預託所端末装置4に対して、通信回線10を介し「完了受付済通知」を送信する。
次に、ステップS576において、携帯端末装置3は、サーバ装置1から送信される「ID不正エラー情報」又は「完了受付済通知」を受信すると、ステップS577において、預託所端末装置4の受渡完了処理部92は、受信した情報が「ID不正エラー情報」であるか否かを判定する。ここで、「ID不正エラー情報」と判定した場合、ステップS578において、受渡完了処理部92は、タッチパネル・ディスプレイ93及びスピーカ94から未登録エラー表示及びエラー発生音を出力することにより、ID不正エラーの発生を預託所員Tに報知し、預託所受渡処理を終了する。一方、ステップS577において「ID不正エラー情報」ではないと判定した場合、ステップS579において、受渡完了処理部92は、タッチパネル・ディスプレイ93及びスピーカ94から受渡完了受付済表示及び受付完了音を出力することにより、受渡完了登録が正常に受け付けられたことを預託所員Tに報知し、預託所受渡処理を終了する。
以上のような動作により、受取人Qが持参した不在連絡票Aが不正な場合には、預託所員Tが配達物Dを誤った受取人Qに受け渡すことが防止される。また、受取人Qに配達物Dが正しく受け渡された場合には、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”に、受け渡しが行われた時刻とその受け渡しを行った預託所Fの預託所端末装置4のID情報が‘配達済情報’として記録されるため、事後的に該配達物Dが何時、どこの預託所Fにおいて受け渡されたかを確認することが可能となる。
(2.8)再配達先での受渡処理動作
不在連絡票Aを受けた受取人Qが、配達物Dの受取方法として「再配達」を指定した場合には、配達員Pは配達先Hへ、配達物Dの再配達を行う。この場合、再配達を行った際に、配達先Hにおいて配達物Dが受取人Qに受け渡される。この場合の受け渡し処理については、(2.3)で説明した配達先配達済み登録処理と同様の処理が行われる。
(2.9)配達物閲覧処理動作
最後に、図17により、受取人Q又は配達管理所Cの管理者が、特定の配達物の現在位置や配送状態を調べる際の配達物位置閲覧処理について説明する。図17は、配達物位置閲覧処理を表すフローチャートである。
まず、ステップS601において、受取人Qが所持する受取人端末装置11(スマートフォン、パソコン、タブレット端末等)や管理所端末装置1aからサーバ装置1に対して、配達物Dの配達物検索要求が送信され、サーバ装置1は該配達物検索要求を受信する。ここで、「配達物検索要求」は、特定の配達物D(以下「指定配達物」という。)の位置及び配送状態の検索を要求する要求信号であり、指定配達物の伝票番号(“(種別番号)(シリアル番号)”のような構成である配達物IDの(シリアル番号)部分)が含まれているものとする。
次に、ステップS602において、サーバ装置1の配達物情報検索部60は、受信した配達物検索要求に含まれる伝票番号に(種別番号)を付加して配達物IDを作成し、この配達物IDに基づき、配達物管理データベース20の“受付管理テーブル”を検索して、該配達物IDに対応する‘受付管理ID’及び‘配送状態情報’を取得する。次いで、ステップS603において、取得した受付管理IDに基づき、配達物管理データベース20の“位置履歴テーブル”を検索して、該受付管理IDに対応する(‘日時’,‘配達物位置情報’)のリスト(以下「配送位置履歴リスト」という。)を作成する。
次に、ステップS604において、サーバ装置1の配達物位置表示部62は、ステップS603で作成した配送位置履歴リストを‘日時’でソートし、該配送位置履歴リストの中の日時が最も新しいものの配達物位置情報を取得して、該配達物位置情報の周辺の地図データを作成する。ここで、地図データは、独自に用意した地図データを使用しても良いが、例えば、米国に本社を置く多国籍企業であるグーグル(Google:登録商標)が「Google maps、Googleマップ」の名称によりインターネット上で提供するサービス(Googleマップ(登録商標)をカスタマイズして表示できるようにする「Google Maps JavaScript API」(JavaScript:登録商標)などのサービス)を利用することも出来る。更に、配達物位置表示部62は、地図データ上に、該配送位置履歴リストに基づき、指定配達物が移動した位置履歴及び指定配達物の現在位置を挿入し、該指定配達物の現在の配送状態情報を挿入する。そして、最後に、ステップS605において、配達物位置表示部62は、作成した地図データを、配達物検索要求を送信した端末装置に対して送信する。
図18(a)(b)に、配達物位置表示部62により作成される地図データの一例を示す。図18において、地図上に表示された黒点(移動履歴マーク)は、指定配達物の移動履歴を表している。また、地図上に表示されたトラックの記号又は荷物の記号(現在地マーク)は、指定配達物の現在の位置を表している。また、現在地マークの周辺に表示された文字は、指定配達物の現在の配送状態情報を表す。
このように、受取人端末装置11や管理所端末装置1aから地図上で配達物Dの現在地及び配送状態を確認することができることで、受取人Qや管理者は配達物Dの現在の位置及び状態を容易に把握することが可能となる。