JP7288567B2 - 焦点調節機能付き振れ補正装置 - Google Patents
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Description
この場合、レンズ及び撮像素子は精密光学部品であることから、振れ補正用駆動機構等の機構部品とは別に、クリーンルーム等の清浄空間にて組み立てた後に、振れ補正用駆動機構等を備える機構部品に組み込むことが行われる。
一方、特許文献2記載の装置のように焦点位置を調整可能なカメラの場合、スリーブ内の空間とは別のベース部材に撮像素子等を取り付けた後でないと、スリーブ内にレンズホルダを取り付けることはできない。そして、この撮像素子の取り付け作業は、スリーブの奥に配置されているベース部材上での配線作業等を伴うため、作業性が悪く、かつ取り付け作業中に異物が混入しないように厳密な管理が必要である。このため、この撮像素子の取り付け作業はクリーンルーム環境内で行う必要があり、作業が煩雑で工数が多くなる問題があった。
底板部にセンサモジュールを取り付けることにより、スリーブ体の軸上にセンサモジュールを配置することができ、その取り付け作業が容易である。
位置決め部により、センサモジュールとスリーブ体との位置決めを確実にして取り付けることができる。
ピン部と穴部との嵌合により、センサモジュールを容易且つ精度良く位置決めすることができる。
揺動用磁石とスライド用磁石とを同じホルダに設けたので、振れ補正用駆動機構及びスライド用駆動機構のそれぞれの駆動が他の駆動機構の磁力によって妨げられないので、省電力化を図ることができる。
固定体の磁性部材とホルダの揺動用磁石との間の吸引力により、無励磁時のホルダの姿勢を安定させることができる。
スライド用駆動機構の無励磁時にスリーブ体を所定の初期位置に配置することができる。
(振れ補正機能付き光学ユニット100の概略構成)
図1は、第1実施形態の焦点調節機能付き振れ補正装置を有する光学ユニット100の組立状態の外観を示す斜視図である。
この光学ユニット100は、携帯端末、ドライブレコーダ、無人ヘリコプター等に搭載される撮像装置等の光学機器(図示略)に組み込まれる薄型カメラであって、光学機器のシャーシ(機器本体)に支持された状態で搭載される。この光学ユニット100は、レンズモジュール120及び撮像素子132を有するセンサモジュール130を実施形態の焦点調節機能付き振れ補正装置110に組み込んで構成される。
この焦点調節機能付き振れ補正装置110は、レンズモジュール120とセンサモジュール130との光軸L方向の距離を調整可能な焦点調節機構を有するとともに、撮影時にジャイロスコープ等の振れ検出センサ(図示略)によって光学機器に生じる手振れ等の振れを検出した結果に基づいてレンズモジュール120及びセンサモジュール130を揺動させ、ピッチング及びヨーイングを補正可能な振れ補正機構を有する。
なお、本実施形態の焦点調節機能付き振れ補正装置110では、固定体10は、Z軸方向(光軸L方向)の一方側+Z方向から視たときに、ほぼ正方形状で、その四隅が面取りされた形状をしている。
図5、図6、図8及び図9に示すように、固定体10は、その底部を形成しつつ振れ補正用駆動機構40の揺動用コイル42を保持するベースホルダ11と、ベースホルダ11に被せられるカバーケース14とを有している。
ベースホルダ11は、ほぼ正方形の環状で四隅が面取りされた形状のベース枠部111と、ベース枠部111の内周部にZ軸方向の一方側+Zに向けて立設された振れ補正用駆動機構40の揺動用コイル42を保持するための支持板部112と、を有している。
また、各連結部113の外周側には、図8及び図9に示すように、後述するジンバル機構30の接点用ばね33を取り付けるための溝部116がZ軸方向に沿って形成されている。各溝部116は、ジンバル機構30の可動枠31の径方向の内側に配置される。
なお、カバーケース14及びベース枠部111の一部には、図6に示すように、カバーケース14内に配置される振れ補正用駆動機構40やスライド用駆動機構80、センサモジュール130等に接続されるフレキシブル配線基板(図示略)を外部に引き出すための切欠部144,117が形成されている。
図5~図8及び図10に示すように、可動体20は、振れ補正用駆動機構40の揺動用磁石41を保持する筒状ホルダ(本発明のホルダに相当)60と、筒状ホルダ60の内周側にスライド支持機構70を介してZ軸方向(光軸L方向)に移動可能に支持されたスリーブ体50と、筒状ホルダ60に対してスリーブ体50をZ軸方向へ移動可能に支持するスライド支持機構70と、筒状ホルダ60に対してスリーブ体50をZ軸方向に移動するスライド用駆動機構80と、を備える。
筒部61は、Z軸方向に沿う四つの壁部611を有しており、各壁部611の外面に振れ補正用駆動機構40の揺動用磁石41が保持(固定)されている。また、各壁部611は、ベースホルダ11の各支持板部112の径方向内側で、かつ、支持板部112に対向する位置に配置されており、可動枠31の径方向内側に配置されている。
また、両突出部62の外面には、ジンバル機構30の接点用ばね33を取り付けるための溝部621がZ軸方向に沿って形成されている。各溝部621は、ジンバル機構30の可動枠31の径方向の内側に配置される。
内側ケース63の筒状胴部64はほぼ角筒状に形成されており、筒状胴部64の四つの側板部641がX軸方向の一方側+X及び他方側-X、Y軸方向の一方側+Y及び他方側-Yにそれぞれ配置される。
なお、図11に示すように、スリーブ体50の角形ボビン部53には、所定の間隔をおいて複数本のリブ状突起部55が周方向に沿って形成されている。
センサカバー133は、天板部135と周壁部136とを有する矩形の箱状に形成されており、天板部135の中央部に開口部137が形成されている。この天板部135の開口部137は、前述したボトム枠67における底板部68の開口部681とほぼ同じ大きさの正方形状に形成される。
振れ補正用駆動機構40は、図4~図9に示すように、板状の揺動用磁石41と、揺動用磁石41の磁界内で電磁力を発生可能な揺動用コイル42と、により構成され、揺動用磁石41と揺動用コイル42とを利用した磁気駆動機構である。本実施形態では、揺動用磁石41と揺動用コイル42との組み合わせが、可動体20(筒状ホルダ60)の周方向に90°ずつ間隔をおいて4組設けられる。また、各揺動用磁石41は可動体20の筒状ホルダ60に保持され、各揺動用コイル42は固定体10のベースホルダ11に保持されており、本実施形態では、筒状ホルダ60とベースホルダ11との間に振れ補正用駆動機構40が構成されている。
なお、四つの揺動用磁石41は、外面側及び内面側に対する着磁パターンが同一である。このため、周方向で隣り合う揺動用磁石41同士が吸着し合うことがないので、組み立て等が容易である。なお、筒状ホルダ60は非磁性体の樹脂から構成される。
本実施形態の焦点調節機能付き振れ補正装置110では、ピッチング方向及びヨーイング方向の振れを補正するため、可動体20を固定体10に対して、Z軸方向に直交する第1軸線R1周りに揺動可能に支持するとともに、Z軸方向及び第1軸線R1に直交する第2軸線R2周りに揺動可能に支持する。このため、固定体10と可動体20との間には、ジンバル機構(揺動支持機構)30が構成されている。
そして、第1軸線R1の延在方向に配置された二つの球体32が固定体10のベースホルダ11に設けられた接点用ばね33に支持され、第2軸線R2の延在方向に配置された二つの球体32が可動体20の筒状ホルダ60に固定された接点用ばね33に支持される。
一方、可動体20における筒状ホルダ60の2箇所の突出部62は、第2軸線R2が延在する方向の対角上に位置しており、その外面に形成された溝部621に、それぞれ接点用ばね33が取り付けられる。そして、これら接点用ばね33に、第2軸線R2が延在する方向の対角上に位置する可動枠31の二つの球体32がそれぞれ支持される。
ベースホルダ11における各支持板部112の中央部外側の溝部115内に磁性部材45がそれぞれ設けられている。この磁性部材45は、平面視が正方形の板状に形成されており、支持板部112の外面に、振れ補正用駆動機構40の揺動用磁石41の着磁分極線413に対し、Z軸方向と直交する径方向において対向する磁性部材45が設けられている。この場合、磁性部材45は、振れ補正用駆動機構40において組をなす揺動用磁石41の着磁分極線413及び揺動用コイル42のコイル中心と、磁性部材45のZ軸方向の中心位置と、が同じ高さ位置となるように配置される。
スリーブ体50は内側ケース63内にZ軸方向に沿って配置されている。そして、スライド支持機構70は、スリーブ体50のZ軸方向の一方側+Zの端部を支持する先端側ばね部材71と、スリーブ体50のZ軸方向の他方側-Zの端部を支持する後端側ばね部材72と、を有している。
一方、ボトム枠67の底板部68の上面(Z軸方向の一方側+Zの面)には、その四隅にばね取付部683が形成され、このばね取付部683にボス部684がZ軸方向の一方側+Zに向けて突出形成されている。
そして、スリーブ側連結部711の内周部がスリーブ体50に連結され、各支持体側連結部712が、その穴部714にボス部78を嵌合した状態でスペーサ部材75のばね取付部77に固定される。これにより、スペーサ部材75の内側にスリーブ体50が支持される。
この支持状態において、図5及び図6に示すように、スリーブ体50は、その外周部のスライド用コイル(後述の第1コイル81及び第2コイル82)との間の光軸L方向の中間位置が、内側ケース63内のスライド用磁石83の着磁分極線833よりもZ軸方向の他方側-Zにずれて配置されている。これにより、スライド用磁石83が、スライド用コイル81,82に対して、スリーブ体50をZ軸方向の一方側+Zに向けて付勢する磁力を作用させている。
スライド用駆動機構80は、スリーブ体50の中央部の角形ボビン部53の外周面に巻回された第1スライド用コイル(単に第1コイルと称す)81及び第2スライド用コイル(単に第2コイルと称す)82と、第1コイル81及び第2コイル82に鎖交磁界を発生させる鎖交磁界発生体(スライド用磁石83及び内側ケース63)と、を備え、これら第1コイル81、第2コイル82及び鎖交磁界発生体により磁気駆動機構が構成されている。
このように構成した焦点調節機能付き振れ補正装置110は、そのZ軸上に、一方側+Zから他方側-Zに貫通する空間が形成されている。具体的には、Z軸方向の一方側+Zから、カバーケース14の開口部143、内側ケース63の開口部66及び内側ケース63内のスペーサ部材75の開口部76を介して、スリーブ体50の内側空間がZ軸方向の一方側+Zに向けて開放状態とされ、Z軸方向の他方側-Zでは、ベースホルダ11における環状のベース枠部111の内側に筒状ホルダ60が設けられ、その筒状ホルダ60のさらに内側に設けられるボトム枠67における底板部68の開口部681が、筒状ホルダ60内のスリーブ体50の内側空間に連通している。そして、そのボトム枠67の底板部68は、Z軸方向の他方側-Zに露出状態とされる。
このため、Z軸方向の一方側+Zからレンズモジュール120を挿入して、その外周部のおねじ部121をスリーブ体50のめねじ部54に螺合することにより、スリーブ体50の内側空間にレンズモジュール120を取り付けることができる。
レンズモジュール120及びセンサモジュール130は、それぞれ密閉され、一体化しているので、これらの取り付け作業を容易にすることができるとともに、クリーンルーム環境でなくても、取り付け作業を行うことができる。
また、スライド支持機構70においては、先端側ばね部材71及び後端側ばね部材72とも、駆動時には捩じり変形を伴わない撓み変形のみが生じ、また、直径も小さいので、比較的変形しにくい。このため、薄肉に形成しておくことが可能であり、洗浄作業時に変形も生じにくい。
さらに、振れ補正用駆動機構40において可動体20の初期位置への復帰のために磁性部材45を用いた磁気ばね機構を採用しているので、これをばね部材により構成する場合に比べて、変形し難くなる。ばね部材を用いる場合は、振れ補正時の揺動により捩じり変形が生じるので、捩じり変形し易いように薄肉にしておく必要があるので、その分、洗浄作業により変形するおそれが高くなる。しかし、本実施形態のような磁気ばね機構においては、このような変形し易い部品を用いていないので、洗浄作業を容易に行うことができる。
そして、スライド用駆動機構80のスライド用磁石83による磁界の中で、第1コイル81及び第2コイル82に所定方向の電流を流すと、その電磁力によってスリーブ体50と一体のレンズモジュール120をZ軸方向(光軸L方向)に移動することができ、第1コイル81及び第2コイル82に流す電流量を調整することで、センサモジュール130に対する焦点位置を調節することができる。
上記第1実施形態では、振れ補正用駆動機構40の揺動用磁石41を筒状ホルダ60の外面に固定し、スライド用駆動機構80のスライド用磁石83を筒状ホルダ60内の内側ケース63の内面に固定したが、これら磁石を一体化して共通のものとしてもよい。この第2実施形態では、図17に焦点調節機能付き振れ補正装置210の要部を示すが、第1実施形態と共通要素には同一符号を付して説明を簡略化する。また、第2実施形態においても、光学ユニット(振れ補正機能付き光学ユニット)は、焦点調節機能付き振れ補正装置210と、レンズモジュール(図示略)と、センサモジュール(図示略)とを備え、焦点調節機能付き振れ補正装置210にレンズモジュール及びセンサモジュールを組み込んで構成される。
なお、この磁石90の着磁分極線913とスライド用コイル81,82のZ軸方向の中間位置とは必ずしも同じ高さに一致させなくてもよい。
例えば、ジンバル機構30では、可動枠31に固定した球体32を接点用ばね33に接触させる構造としたが、必ずしも球体でなくてもよく、棒状部材等の先端面を球状に形成してなる球状先端面を接点用ばねに接触させる構造としてもよい。
また、ジンバル機構30の二つの軸線R1,R2は、光軸Lに直交し、かつ相互に直交して設けられていたが、必ずしも直交状態でなくてもよく、90°以外の角度で光軸Lに交差し、かつ相互に90°以外の角度で交差する配置としてもよい。その場合、交差角度に応じて各軸線R1,R2周りの揺動量を設定すればよい。
Claims (9)
- レンズを有するレンズモジュール及び撮像素子を有するセンサモジュールを保持するための可動体と、前記可動体を支持するための固定体と、前記固定体に前記可動体を光軸に交差し、かつ、互いに交差する二つの軸線周りに揺動可能に支持するジンバル機構と、前記固定体に対して前記可動体を揺動させる振れ補正用駆動機構とを備え、前記ジンバル機構には、前記可動体の周囲を囲む環状の可動枠と、該可動枠を前記可動体及び前記固定体に対して前記二つの軸線上で支持する四つの揺動支点部とを有しており、
前記可動体には、前記レンズモジュールをその光軸が軸方向に一致した状態に取り付け可能な内部空間を有するスリーブ体と、該スリーブ体を前記可動体内で前記軸方向に移動可能に支持するスライド支持機構と、前記スリーブ体を前記軸方向に移動するスライド用駆動機構と、前記スリーブ体の前記軸方向の一端側で該スリーブ体の径方向外側に設けられ、前記センサモジュールを前記スリーブ体の前記内部空間に対向して取り付け可能なセンサ取り付け部とを有し、
前記固定体及び前記可動体は、前記スリーブ体の前記内部空間を被写体側に開放状態とし、前記センサ取り付け部を前記被写体とは反対側に露出状態としていることを特徴とする焦点調節機能付き振れ補正装置。 - 前記可動体に、前記スリーブ体を支持するためのホルダが設けられ、該ホルダと前記スリーブ体との間に前記スライド支持機構と前記スライド用駆動機構とが備えられ、前記ホルダに、前記スリーブ体の一端に対向する環状の底板部が設けられており、前記センサ取り付け部は前記底板部に形成されていることを特徴とする請求項1記載の焦点調節機能付き振れ補正装置。
- 前記センサ取り付け部に、前記センサモジュールを取り付けるときの位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の焦点調節機能付き振れ補正装置。
- 前記位置決め部は、前記センサモジュールと前記センサ取り付け部との一方に前記スリーブ体の軸方向に沿って設けたピン部と、前記センサモジュールと前記センサ取り付け部との他方に設けられ、前記ピン部を嵌合する穴部とにより構成されていることを特徴とする請求項3記載の焦点調節機能付き振れ補正装置。
- 前記振れ補正用駆動機構は、前記ホルダに設けられた揺動用磁石と、前記固定体に設けられ、前記揺動用磁石の磁界内で電磁力を発生可能な揺動用コイルと、を備え、前記スライド用駆動機構は、前記ホルダに設けられたスライド用磁石と、前記スリーブ体に設けられ、前記スライド用磁石の磁界内で電磁力を発生可能なスライド用コイルと、を備えることを特徴とする請求項2記載の焦点調節機能付き振れ補正装置。
- 前記揺動用磁石と前記スライド用磁石とは、前記振れ補正用駆動機構と前記スライド用駆動機構とに対する共通磁石として一体に形成されていることを特徴とする請求項5記載の焦点調節機能付き振れ補正装置。
- 前記共通磁石は、前記スリーブ体の前記軸方向に沿う方向の中心位置に着磁分極線が形成されており、前記揺動用コイル及び前記スライド用コイルにおいて前記スリーブ体の前記軸方向に沿う方向の中心位置と前記着磁分極線とは、前記スリーブ体の前記軸方向と直交する方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項6記載の焦点調節機能付き振れ補正装置。
- 前記固定体に、前記揺動用磁石の着磁分極線に対し、前記スリーブ体の前記軸方向と直交する方向に対向する磁性部材が設けられていることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項記載の焦点調節機能付き振れ補正装置。
- 前記スライド支持機構は、前記ホルダに前記スリーブ体を連結状態に支持するばね部材であることを特徴とする請求項5から8のいずれか一項記載の焦点調節機能付き振れ補正装置。
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