JP7287349B2 - レーダ回路ユニット、レーダ装置 - Google Patents

レーダ回路ユニット、レーダ装置 Download PDF

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Description

本開示は、レーダ回路ユニット及びレーダ装置に、関する。
特許文献1に開示されるように、レーダ波に対する反射波を利用して物体を検知するためのレーダ装置は、広く知られている。こうしたレーダ装置では、送信アンテナによりレーダ波へと変換出力される送信信号が、周波数制御された変調信号に基づき生成される。
特開2019-184339号公報
さて、特許文献1に開示のレーダ装置では、変調信号を増幅器により増幅して送信信号を生成するレーダ回路ユニットが、採用されている。しかし、一般に増幅器を構成するトランジスタには、耐圧限界が存在するため、変調信号の振幅は当該耐圧限界を超えるおそれがある。
そこで、変調信号を電力分配させ、複数の分岐信号とし、振幅を耐圧限界未満に抑え、耐圧限界のないバランのような受動素子で合成する手法が、考えられる。しかし、この手法では、レーダ波に合わせた高周波の変調信号が、各分岐信号へ電力分配される段階で、電力ロスが大きくなる。これは、レーダ回路ユニットの電力分配には長いメタル配線が必要になるが、表皮効果のために高周波ほどメタル配線の電力ロスが高いからである。その結果、特に電力分配前の増幅段階で、増幅率をあらかじめ高めざるを得ず、消費電力の増大を招くという問題があった。
本開示の課題は、消費電力を低減するレーダ回路ユニット及びレーダ装置を、提供することにある。
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
本開示の第一態様は、
送信アンテナ(2)によりレーダ波へ変換出力される送信信号(Ss)を、周波数制御された変調信号(Sl)に基づき生成するレーダ回路ユニット(4)であって、
レーダ波よりも低周波の変調信号を、複数の分岐信号に電力分配するパワーディバイダ(22)と、
パワーディバイダにより電力分配された各分岐信号を、レーダ波に合わせて個別に周波数逓倍する複数の逓倍器(23)と、
各逓倍器により周波数逓倍された分岐信号を、個別に増幅する複数のパワーアンプ(24)と、
各パワーアンプにより増幅された分岐信号を、送信信号へ合成するパワーコンバイナ(25)と、
を備える。
本開示の第二態様は、
第一態様のレーダ回路ユニットと、
レーダ回路ユニットにより生成された送信信号を、レーダ波へ変換して出力する送信アンテナと、
を含んで構成されるレーダ装置である。
これら第一及び第二態様では、レーダ波よりも低周波の段階で電力分配された分岐信号が、レーダ波に合うよう個別に周波数逓倍されてから、送信信号への合成前に個別に増幅される。これによれば、低周波の変調信号が各分岐信号へと電力分配される段階において、電力ロスが小さくなる。表皮効果による電力ロスは、低周波の方が高周波よりも小さいためである。したがって、低周波において電力分配しておけば、周波数逓倍後の増幅段階において、各分岐信号に対する増幅率を抑えて消費電力を低減することが、可能となる。
第一及び第二実施形態によるレーダ装置の基本構成を示すブロック図である。 第一及び第二実施形態によるレーダ装置のうちレーダ回路ユニットの基本構成を示すブロック図である。 図2に示すレーダ回路ユニットの具体例を示すブロック図である。 第一実施形態によるレーダ装置のうちレーダ回路ユニットの詳細構成を示すブロック図である。 比較例のレーダ回路ユニットを示すブロック図である。 第一実施形態によるレーダ装置及びレーダ回路ユニットの効果を、比較例と対比して説明するためのグラフである。 第二実施形態によるレーダ装置のうちレーダ回路ユニットの詳細構成を示すブロック図である。
以下、複数の実施形態を図面に基づき説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことで、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
(基本構成)
まず、後に詳述する第一及び第二実施形態の基本構成を、説明する。
図1に基本構成を示すレーダ装置1は、レーダ波に対する反射波を利用して物体を検知する。レーダ装置1は、例えば車両等の移動体に、搭載される。レーダ装置1は、例えばMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)等の半導体集積回路装置を主体として、構成されている。レーダ装置1は、送信アンテナ2、受信アンテナ3及びレーダ回路ユニット4を、含んで構成されている。
送信アンテナ2は、レーダ回路ユニット4により生成された送信信号Ssを、レーダ波へ変換して出力する。このときレーダ波は、例えば76GHz等、ミリ波帯域の周波数fにて出力される。受信アンテナ3は、物体により反射されたレーダ波の反射波を、受信信号Srへ変換してレーダ回路ユニット4に入力する。レーダ回路ユニット4は、送信アンテナ2及び受信アンテナ3と電気接続されている。レーダ回路ユニット4は、制御部10、送信部20(図2,3も参照)、及び受信部30を備えている。
制御部10は、PLL(Phase Locked Loop)12を有している。制御部10は、例えばFCM(Fast-Chirp Modulation)変調等の周波数制御をPLL12により実行することで、レーダ波よりも低周波のローカル信号Slを変調信号として生成する。このときローカル信号Slの周波数は、Nを2以上の自然数として、レーダ波の周波数fに対して1/Nの値(即ち、f/N)に、変調される。制御部10は、こうしてPLL12により周波数制御されたローカル信号Slを、送信部20及び受信部30へ入力する。
図2,3に示すように送信部20には、PLL12からのローカル信号Slが、入力される。送信部20は、プリアンプ21、パワーディバイダ22、逓倍器23、パワーアンプ24及びパワーコンバイナ25を有している。送信部20は、プリアンプ21に通して増幅させたローカル信号Slを、パワーディバイダ22より電力分配することで、複数に分岐させた分岐信号Sbを生成する。ここで分岐信号Sbの分岐数は、iを自然数として、2のi乗(即ち、2)により表される。
送信部20は、パワーディバイダ22より電力分配された各分岐信号Sbを、それぞれ対応した複数の逓倍器23により、個別に周波数逓倍する。ここで逓倍器23の個数は、分岐信号Sbの分岐数と同数であり、2のi乗(即ち、2)により定義される。また、ローカル信号Slの周波数f/Nに対して、レーダ波の周波数fの逓倍比は、Nにより定義される。さらに2とNとは、一致又は相違する値に設定される。これらの定義及び設定の下で2個の逓倍器23は、それぞれ分岐信号Sbを、N逓倍した周波数fの信号に変換する。尚、特に図2は、後に詳述する第一及び第二実施形態と対応しており、2及びNの双方の値が2の場合となるレーダ回路ユニット4について具体例を示している。
図2,3に示すように送信部20は、各逓倍器23により周波数逓倍された各分岐信号Sbを、それぞれ対応した複数のパワーアンプ24により、個別に増幅する。各パワーアンプ24は、少なくとも1つのトランジスタを主体に、構成されている。ここでパワーアンプ24の個数は、分岐信号Sbの分岐数及び逓倍器23の個数と同数であり、2のi乗(即ち、2)により定義される。この定義の下で2個のパワーアンプ24は、それぞれN逓倍された周波数fの分岐信号Sbを、所定の増幅率にて増幅する。そこで各パワーアンプ24では、それぞれを構成するトランジスタの耐圧限界を、分岐信号Sbの振幅が下回るように、増幅率が予設定されている。
送信部20は、各パワーアンプ24により増幅された各分岐信号Sbを、共通のパワーコンバイナ25により送信信号Ssへと合成する。この合成により生成された送信信号Ssは、パワーコンバイナ25から送信アンテナ2へ出力されることで、送信信号Ssと実質同一周波数fのレーダ波へと変換される。
このような送信部20に対して受信部30には、図1に示すように、受信アンテナ3からの受信信号Srと、PLL12からのローカル信号Slとが、入力される。受信部30は、混合器32及び受信増幅器34を有している。受信部30は、混合器32により受信信号Srとローカル信号Slとを混合させてから、受信増幅器34により増幅する。そこで制御部10は、受信部30での増幅信号に基づき、物体までの距離を算出する。
(第一実施形態)
次に、第一実施形態の詳細構成を説明する。図4に示すように、第一実施形態のパワーディバイダ22は、共通の差動分配器220に対して差動増幅器222とトランス224とが複数ずつ組み合わされた、カスコード分岐回路である。ここで第一実施形態では、i=1として分岐信号Sbの分岐数2が、逓倍比Nと同じ2(図2,3参照)に、設定されている。この設定に応じて差動増幅器222及びトランス224は、一対ずつ設けられている。
差動分配器220には、正負の入力端子INP,INNが設けられている。これらの入力端子INP,INNには、前段のプリアンプ21(図3参照)により増幅された変調信号としてのローカル信号Slが、入力される。ここでローカル信号Slの周波数は、レーダ波の周波数fに対する逓倍比Nを2として、f/2により表される値(即ち、fの半値)、例えば38GHz等に制御されている。
差動分配器220には、例えばMOSFET(metal-oxide-semiconductor Field Effect Transistor)等の電界効果トランジスタであるパワートランジスタ220a,220bが、一対設けられている。パワートランジスタ220a,220bのゲートは、それぞれ対応する入力端子INP,INNに対して、個別に接続されている。パワートランジスタ220a,220bのソースは、接地されている。パワートランジスタ220a,220bのドレインは、後段となる双方の差動増幅器222に分岐して接続されている。
こうした構成から差動分配器220は、差動入力されるローカル信号Slを増幅して各差動増幅器222へと分岐させることで、それら各差動増幅器222への分岐信号Sbに電力分配する。これにより各差動増幅器222に対して、周波数はf/2に実質保持且つ電流は実質半減(即ち、約1/2)された分岐信号Sbが、それぞれ入力される。
各差動増幅器222には、例えばMOSFET等の電界効果トランジスタであるパワートランジスタ222a,222bが、一対ずつ設けられている。パワートランジスタ222a,222bのゲートには、電源電圧VDDが印加されている。パワートランジスタ222a,222bのソースは、前段の差動分配器220のうち、それぞれ対応するパワートランジスタ220a,220bのドレインに対して、個別にカスコード接続されている。パワートランジスタ222a,222bのドレインは、それぞれ対応する後段のトランス224に対して、個別に接続されている。
各トランス224は、それぞれ一対ずつの1次コイル224a同士の結合中点に電源電圧VDDが印加される、センタータップ型である。差動型の各トランス224において一対の1次コイル224aの入力端は、それぞれ対応するパワートランジスタ222a,222bのドレインに対して、個別に接続されている。各トランス224においてそれぞれ一対ずつの2次コイル224bの各出力端は、それぞれ対応する後段の逓倍器23に対して、個別に接続されている。
これらの構成から各差動増幅器222には、対応するトランス224からの安定電力の供給下、差動分配器220により電力分配された分岐信号Sbが、差動入力される。各差動増幅器222は、対応するトランス224のインダクタ機能によりパワートランジスタ222a,222bでの寄生容量の低減下、入力された分岐信号Sbを周波数f/2のまま増幅する。各差動増幅器222により増幅された分岐信号Sbは、対応するトランス224の2次コイル224bを通して、対応する逓倍器23へと入力される。
各逓倍器23は、前段のパワーディバイダ22のうち、それぞれ一対ずつ対応の2次コイル224bから入力を受ける、差動型周波数逓倍回路である。各逓倍器23において一対の出力端は、それぞれ対応する後段のパワーアンプ24に対して、個別に接続されている。こうした構成の各逓倍器23には、パワーディバイダ22において電力分配された分岐信号Sbが、増幅状態で差動入力される。逓倍比Nが2であるダブラーとしての各逓倍器23は、増幅入力された分岐信号Sbの周波数f/2を、2逓倍する。これにより各逓倍器23は、レーダ波に合わせて高めた周波数fの分岐信号Sbを、対応するパワーアンプ24へと入力する。
各パワーアンプ24は、それぞれ対応する前段の逓倍器23から入力を受ける、差動増幅回路である。各パワーアンプ24には、例えばMOSFET等の電界効果トランジスタであるパワートランジスタ240a,240bが、一対ずつ設けられている。パワートランジスタ240a,240bのゲートは、それぞれ対応する逓倍器23の出力端に対して、個別に接続されている。パワートランジスタ240a,240bのソースは、接地されている。パワートランジスタ240a,240bのドレインは、後段となるパワーコンバイナ25に対して、共通に接続されている。パワートランジスタ240aのゲートとパワートランジスタ240bのドレインとの間、並びにパワートランジスタ240bのゲートとパワートランジスタ240aのドレインとの間には、それぞれ発振抑制用のキャパシタ240cが、介装されている。尚、キャパシタ240cは、省かれていてもよい。
こうした構成の各パワーアンプ24には、後に詳述するパワーコンバイナ25からの安定電力の供給下、対応する逓倍器23において周波数逓倍された分岐信号Sbが、差動入力される。各パワーアンプ24は、入力された分岐信号Sbを周波数fのまま増幅して、共通のパワーコンバイナ25へと入力する。
パワーコンバイナ25は、前段の各パワーアンプ24から入力を受ける、受動型バラン合成回路である。パワーコンバイナ25は、トランス250,251の組み合わせにより、構成されている。各トランス250,251は、それぞれ一対ずつの1次コイル250a,251a同士の結合中点に電源電圧VDDが印加される、センタータップ型である。
第一トランス250において各1次コイル250aの入力端は、それぞれ対応する前段のパワーアンプ24におけるパワートランジスタ240aのドレインに対して、個別に接続されている。第二トランス251において各1次コイル251aの入力端は、それぞれ対応する前段のパワーアンプ24におけるパワートランジスタ240bのドレインに対して、個別に接続されている。
第一トランス250において一対ずつの2次コイル251bの各結合端と、第二トランス251において一対ずつの2次コイル251bの各結合端とは、互いに対応するもの同士で結合されている。第二トランス251において一方の2次コイル251bの出力端は、接地されている。第二トランス251において他方の2次コイル251bの出力端は、パワーコンバイナ25に設けられた出力端子OUTに対して、接続されている。
こうした構成のパワーコンバイナ25は、各パワーアンプ24への安定電力の供給下、それら各パワーアンプ24において増幅された周波数fの分岐信号Sbが、差動入力される。パワーコンバイナ25は、入力された各分岐信号Sbの振幅を、位相の正逆を揃えて合成することで、周波数fの送信信号Ssを生成する。
(作用効果)
以上説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
第一実施形態では、レーダ波よりも低周波の変調信号としてのローカル信号Slから電力分配された分岐信号Sbが、レーダ波に合わせて個別に周波数逓倍されてから、送信信号Ssへの合成前に個別に増幅される。これによれば、低周波のローカル信号Slが各分岐信号Sbへと電力分配される段階において、電力ロスが小さくなる。その結果、特に電力分配から周波数逓倍後の増幅段階において、また他の増幅段階においても、各分岐信号Sb等に対する増幅率を抑えて消費電力を低減することが、可能となる。


レーダ波よりも低周波の段階で電力分配された分岐信号Sbが、レーダ波に合うよう個別に周波数逓倍されてから、送信信号Ssへの合成前に個別に増幅される。これによれば、低周波の変調信号であるローカル信号Slが各分岐信号Sbへと電力分配される段階において、電力ロスが小さくなる。表皮効果による電力ロスは、低周波の方が高周波よりも小さいためである。したがって、低周波において電力分配しておけば、周波数逓倍後の増幅段階において、また他の増幅段階においても、各分岐信号Sb等に対する増幅率を抑えて消費電力を低減することが、可能となる。
ここで、図2に示す第一実施形態に対して、図5に示す比較例を説明する。比較例は、プリアンプ51に通した周波数f/2のローカル信号Slを逓倍器52により2逓倍してから、パワーディバイダ53により電力分配した周波数fの分岐信号Sbをパワーアンプ54により増幅して、パワーコンバイナ55により送信信号Ssへと合成している。このような比較例は、先述した課題を内在している。これに対して第一実施形態は、図6から明らかなように、消費電力の低減効果を発揮可能となる。
また第一実施形態によると、変調信号としてのローカル信号Slを複数の分岐信号Sbへと電力分配するパワーディバイダ22は、差動分配器220と複数の差動増幅器222との組み合わされた、カスコード分岐回路である。このようなカスコード分岐回路によれば、差動分配器220と各差動増幅器222との間での電力分配に伴う電力ロスが、最小限に抑えられ得る。故に、消費電力の高い低減効果を担保することが、可能となる。
また第一実施形態によると、iを自然数として分岐信号Sbの分岐数は2により、具体的にはi=1とした場合の2により、表される。これによれば、差動増幅器222と逓倍器23とパワーアンプ24との組数が分岐数と対応することで、電力分配後の逓倍及びそれを挟んだ二段階増幅を、合成前に均等化して各分岐信号Sbに施すことができる。故に、各差動増幅器222及び各パワーアンプ24のパワートランジスタ222a,222b,240a,240b等での増幅段階において、耐圧限界超えの回避と消費電力の低減とを両立して達成することが、可能となる。
(第二実施形態)
図7に示すように第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。
第二実施形態のパワーディバイダ22は、共通のトランス分配器2220に対して差動増幅器2222とトランス224とが複数ずつ組み合わされた、トランス分岐回路である。ここで第二実施形態においても、分岐信号Sbの分岐数2iが逓倍比Nと同じ2(図2,3参照)に設定されている。この設定に応じて差動増幅器2222及びトランス224は、一対ずつ設けられている。
トランス分配器2220には、正負の入力端子INP,INNが設けられている。これらの入力端子INP,INNには、前段のプリアンプ21(図3参照)により増幅された変調信号としてのローカル信号Slが、入力される。ここで第二実施形態においてもローカル信号Slの周波数は、レーダ波の周波数fに対する逓倍比Nを2として、f/2により表される値(即ち、fの半値)、例えば38GHz等に制御されている。
トランス分配器2220は、トランス2225,2226の組み合わせにより、構成されている。各トランス2225,2226は、それぞれ一対ずつの2次コイル2225b,2226b同士の結合中点に所定のゲート電圧Vgが印加される、センタータップ型である。
第一トランス2225において一対ずつの1次コイル2225aの各結合端と、第二トランス2226において一対ずつの1次コイル2226aの各結合端とは、互いに対応するもの同士で結合されている。第一トランス2225において各1次コイル2225aの入力端は、それぞれ対応する入力端子INP,INNに対して、個別に接続されている。第一トランス2225において各2次コイル2225bの出力端は、それぞれ対応する後段の差動増幅器2222に対して、個別に接続されている。第二トランス2226において各2次コイル2226bの出力端は、それぞれ対応する後段の差動増幅器2222に対して、個別に接続されている。
こうした構成からトランス分配器2220は、差動入力されるローカル信号Slを各差動増幅器2222へと分岐させることで、それら差動増幅器2222への分岐信号Sbに電力分配する。これにより各差動増幅器2222に対して、周波数はf/2に実質保持且つ電流は実質半減(即ち、約1/2)された分岐信号Sbが、それぞれ入力される。
各差動増幅器2222には、例えばMOSFET等の電界効果トランジスタであるパワートランジスタ2222a,2222bが、一対ずつ設けられている。パワートランジスタ2222a,2222bのゲートは、前段のトランス分配器2220のうち、それぞれ対応する2次コイル2225b,2226bの出力端に対して、個別接続されている。パワートランジスタ2222a,2222bのソースは、接地されている。パワートランジスタ2222a,2222bのドレインは、それぞれ対応する後段のトランス224に対して、個別に接続されている。パワートランジスタ2222aのゲートとパワートランジスタ2222bのドレインとの間、並びにパワートランジスタ2222bのゲートとパワートランジスタ2222aのドレインとの間には、それぞれ発振抑制用のキャパシタ2222cが、介装されている。尚、キャパシタ2222cは、省かれていてもよい。
各トランス224は、一対ずつの1次コイル224aの入力端がそれぞれ対応するパワートランジスタ2222a,2222bのドレインと個別に接続される点を除き、第一実施形態と実質同一である。また、逓倍器23とパワーアンプ24とパワーコンバイナ25の各構成については、いずれも第一実施形態と実質同一である。
これらの構成から各差動増幅器2222には、対応するトランス2224からの安定電力の供給下、トランス分配器2220により電力分配された分岐信号Sbが、差動入力される。各差動増幅器2222は、対応するトランス224のインダクタ機能によりパワートランジスタ2222a,2222bでの寄生容量の低減下、入力された分岐信号Sbを周波数f/2のまま増幅する。各差動増幅器2222により増幅された分岐信号Sbは、対応するトランス224の2次コイル224bを通して、対応する逓倍器23へと入力される。
(作用効果)
以上説明した第二実施形態の第一実施形態とは異なる作用効果を、以下に説明する。
第二実施形態によると、変調信号としてのローカル信号Slを複数の分岐信号Sbへと電力分配するパワーディバイダ22は、トランス分配器2220と複数の差動増幅器2222との組み合わされた、トランス分岐回路である。このようなトランス分岐回路によれば、トランス分配器2220と各差動増幅器2222との間での電力分配に伴う電力ロスが、可及的に小さく抑えられ得る。故に、消費電力の低減効果を高めることが、可能となる。
また第二実施形態によっても、iを自然数として分岐信号Sbの分岐数は2により、具体的にはi=1とした場合の2により、表される。これによれば、差動増幅器2222と逓倍器23とパワーアンプ24との組数が分岐数と対応することで、電力分配後の逓倍及びそれを挟んだ二段階増幅を、合成前に均等化して各分岐信号Sbに施すことができる。故に、各差動増幅器2222及び各パワーアンプ24のパワートランジスタ2222a,2222b,240a,240b等での増幅段階において、耐圧限界超えの回避と消費電力の低減とを両立して達成することが、可能となる。
(他の実施形態)
以上、複数の実施形態について説明したが、本開示は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
変形例のパワーディバイダ22は、例えばウィルキンソン分岐回路又はマーチャントバラン分岐回路等であってもよい。変形例の増幅器222,2222とパワーアンプ24とのうち少なくとも一方は、例えばシングルエンド型増幅回路等であってもよい。変形例のトランス224は、例えばシングルエンド型等であってもよい。変形例のパワーコンバイナ25は、例えばトランス合成回路又はマーチャントバラン合成回路等であってもよい。変形例のパワートランジスタ220a,220b,222a,222b,240a,240b,2222a,2222bは、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のバイポーラトランジスタに代替されてもよい。変形例のレーダ装置1及びレーダ回路ユニット4は、受信部30と制御部10とのうち少なくとも一方における、一部又は全ての機能を、備えていなくてもよい。
2 送信アンテナ、4 レーダ回路ユニット、22 パワーディバイダ、23 逓倍器、24 パワーアンプ、25 パワーコンバイナ、220 差動分配器、222,2222 差動増幅器、2220 トランス分配器、Sl ローカル信号、Ss 送信信号

Claims (5)

  1. 送信アンテナ(2)によりレーダ波へ変換出力される送信信号(Ss)を、周波数制御された変調信号(Sl)に基づき生成するレーダ回路ユニット(4)であって、
    前記レーダ波よりも低周波の前記変調信号を、複数の分岐信号に電力分配するパワーディバイダ(22)と、
    前記パワーディバイダにより電力分配された各前記分岐信号を、前記レーダ波に合わせて個別に周波数逓倍する複数の逓倍器(23)と、
    各前記逓倍器により周波数逓倍された前記分岐信号を、個別に増幅する複数のパワーアンプ(24)と、
    各前記パワーアンプにより増幅された前記分岐信号を、前記送信信号へ合成するパワーコンバイナ(25)と、
    を備えるレーダ回路ユニット。
  2. 前記パワーディバイダは、
    前記変調信号を各前記分岐信号へ分岐させる差動分配器(220)と、
    前記差動分配器により分岐された各前記分岐信号を、それぞれ対応する前記逓倍器へ増幅入力する複数の差動増幅器(222)と、
    の組み合わされたカスコード分岐回路である請求項1に記載のレーダ回路ユニット。
  3. 前記パワーディバイダは、
    前記変調信号を各前記分岐信号へ分岐させるトランス分配器(2220)と、
    前記トランス分配器により分岐された各前記分岐信号を、それぞれ対応する前記逓倍器へ増幅入力する複数の差動増幅器(2222)と、
    の組み合わされたトランス分岐回路である請求項1に記載のレーダ回路ユニット。
  4. 前記分岐信号の分岐数は、iを自然数として、2により表される請求項2又は3に記載のレーダ回路ユニット。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のレーダ回路ユニットと、
    前記レーダ回路ユニットにより生成された前記送信信号を、前記レーダ波へ変換して出力する前記送信アンテナと、
    を含んで構成されるレーダ装置。
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