JP7287203B2 - 熱交換モジュール - Google Patents

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Description

本開示は、熱交換モジュールに関する。
従来、下記の特許文献1に記載のヒートポンプシステムがある。特許文献1に記載のヒートポンプシステムでは、圧縮機、空冷式凝縮器、膨張手段、及び蒸発器が冷媒循環ラインに接続されている。このヒートポンプシステムは、空調ケースと、ブロワと、水冷式凝縮器とを備えている。空調ケースでは、その内部に冷風通路及び温風通路が形成されている。冷風通路には蒸発器が配置されている。温風通路には空冷式凝縮器が配置されている。ブロワは、空調ケースに配置され、冷風通路及び温風通路に空気を送風する。水冷式凝縮器には、空調ケースの外部に配置されるラジエータから冷却水が供給される。水冷式凝縮器には、圧縮機と空冷式凝縮器との間の冷媒循環ラインに配置されて、圧縮機から排出された冷媒を冷却水と熱交換させて凝縮させる。
特許第6218953号
ところで、特許文献1に記載のヒートポンプシステムでは、空調ケースとは別にラジエータが設けられているため、空調ケースの水冷凝縮器とラジエータとを接続するための長い配管等が必要となる。これが、ヒートポンプシステムの搭載性を悪化させる要因となっている。
なお、このような課題は、ヒートポンプシステムに限らず、発熱体を冷却するための冷却水を放熱させる冷却側熱交換部と、車室内に送風される空調空気を冷却するための空調側熱交換部とを有する熱交換システムに共通する課題である。
本開示は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷却側熱交換部及び空調側熱交換部を有する構成でありながら、搭載性を向上させることが可能な熱交換モジュールを提供することにある。
上記課題を解決する熱交換モジュールは、冷却側熱交換部(22,81,82)と、空調側熱交換部(24,25,83)と、送風装置(23,26,27)と、ケース(21)と、を備える。冷却側熱交換部は、車両(10)の発熱体(41)を冷却するための冷却水が内部を流れ、冷却水と空気との間で熱交換を行う。空調側熱交換部は、熱媒体が内部を流れ、車室内の空調を行うための空調空気と熱媒体との間で熱交換を行う。送風装置は、冷却側熱交換部、及び空調側熱交換部に空気を送風する。ケースには、冷却側熱交換部、空調側熱交換部、及び送風装置が収容される。ケースには、車両の外部の空気である外気を冷却側熱交換部及び空調側熱交換部に導入する外気導入口(210)と、冷却側熱交換部及び空調側熱交換部を通過した空気を排出する排出口(214)と、ケースの内部において外気導入口から排出口まで延びるように配置され、ケースの内部を、外気導入口から導入される外気を冷却側熱交換部に導いて排出口から排出する冷却通路(211)、及び外気導入口から導入される外気を空調側熱交換部に導いて排出口から排出する空調通路(212)に区画する区画壁(213)と、が形成されている。
この構成によれば、ケースに冷却側熱交換部及び空調側熱交換部が共に配置されているため、ケースの外部に冷却側熱交換部が配置されて、且つケースの内部に空調側熱交換部が配置されている構成と比較すると、搭載性を向上させることができる。更に、ケースには、冷却側熱交換部及び空調側熱交換部に共通の外気導入口が形成されているため、冷却側熱交換部及び空調側熱交換部のそれぞれに対応する外気導入口を別々に備える構成と比較すると、搭載性を向上させることができる。
なお、上記手段、特許請求の範囲に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本開示の熱交換モジュールによれば、冷却側熱交換部及び空調側熱交換部を有する構成でありながら、搭載性を向上させることができる。
図1は、実施形態の車両の構造を模式的に示す図である。 図2は、実施形態の熱交換モジュールの斜視構造を模式的に示す斜視図である。 図3は、実施形態の熱交換モジュールの構造を模式的に示す図である。 図4は、実施形態の熱交換システムの概略構成を示すブロック図である。 図5は、実施形態の熱交換システムの電気的な構成を示すブロック図である。 図6は、実施形態の発熱体冷却モード時における熱交換システムの動作例を示すブロック図である。 図7は、実施形態の発熱体冷却モード時における熱交換モジュールの動作例を示すブロック図である。 図8は、実施形態の発熱体冷却・冷房モード時における熱交換システムの動作例を示すブロック図である。 図9は、実施形態の発熱体冷却・冷房モード時における熱交換モジュールの動作例を示すブロック図である。 図10は、実施形態の暖房モード時における熱交換システムの動作例を示すブロック図である。 図11は、実施形態の暖房モード時における熱交換モジュールの動作例を示すブロック図である。 図12は、実施形態の着霜抑制モード時における熱交換システムの動作例を示すブロック図である。 図13は、実施形態の着霜抑制モード時における熱交換モジュールの動作例を示すブロック図である。 図14は、変形例の車両の構造を模式的に示す図である。 図15は、変形例の熱交換モジュールの側面構造を模式的に示す側面図である。 図16は、他の実施形態の熱交換モジュールの構造を模式的に示す図である。
以下、熱交換モジュールの一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、本実施形態の熱交換モジュール20は、車両10のボンネット11の上部に配置されている。本実施形態の車両10は、モータジェネレータの動力により走行する、いわゆる電気自動車である。したがって、車両は、モータジェネレータに電力を供給するためのバッテリや、バッテリに充電されている直流電力を交流電力に変換するインバータ装置等を備えている。熱交換モジュール20には、車両10の走行風が外気として導入される。熱交換モジュール20は、バッテリやインバータ装置等を冷却するための冷却水を放熱させるラジエータとしての機能と、車室内の空調を行う空調空気を生成する熱交換器としての機能とを有している。
次に、熱交換モジュール20の具体的な構成について説明する。
図2に示されるように、熱交換モジュール20は、ケース21と、冷却側熱交換部22と、第1送風装置23と、第1空調側熱交換部24と、第2空調側熱交換部25と、第2送風装置26とを備えている。なお、図中の矢印Aで示される方向は外気の流れ方向を示している。また、矢印Z1で示される方向は鉛直方向上方を示し、矢印Z2で示される方向は鉛直方向下方を示している。
ケース21は、筒状に形成されている。外気流れ方向Aの上流側におけるケース21の一端部の上面には、車両10のボンネット11から外気を導入するための外気導入口210が形成されている。ケース21には、その内部の空間を冷却通路211及び空調通路212に区画する区画壁213が形成されている。外気導入口210から導入される外気は冷却通路211及び空調通路212のそれぞれに導入される。外気流れ方向Aの下流側におけるケース21の他端部の上面には、冷却通路211及び空調通路212を車室外に連通させる車室外連通口214が形成されている。ケース21の他端部の底面には、冷却通路211及び空調通路212を車室内に連通させる車室内連通口215が形成されている。ケース21には、冷却側熱交換部22、空調側熱交換部24,25、及び送風装置23,26が収容されている。
なお、以下では、便宜上、外気導入口210において、冷却通路211に連通されている部分を「冷却側外気導入口210a」と称し、空調通路212に連通されている部分を「空調側外気導入口210b」と称する。また、車室外連通口214において、冷却通路211に連通されている部分を「冷却側車室外連通口214a」と称し、空調通路212に連通されている部分を「空調側車室外連通口214b」と称する。さらに、車室内連通口215において、冷却通路211に連通されている部分を「冷却側車室内連通口215a」と称し、空調通路212に連通されている部分を「空調側車室内連通口215b」と称する。
区画壁213には、冷却通路211の上流側の部分と空調通路212の上流側の部分とを連通する連通路216が形成されている。この連通路216により、冷却通路211と空調通路212との間で空気を流通させることが可能となっている。
冷却側熱交換部22及び第1送風装置23は冷却通路211に配置されている。第1送風装置23は、外気流れ方向Aにおいて冷却側熱交換部22よりも下流側に配置されている。第1送風装置23は、冷却通路211を流れる空調空気を冷却側熱交換部22に送風する。冷却側熱交換部22の内部には冷却水が流れている。この冷却水は、車両10のモータジェネレータやバッテリ、インバータ装置等の発熱体を循環することにより、発熱体を冷却する。冷却側熱交換部22は、その内部を流れる冷却水と、その外部を流れる空調空気との間で熱交換を行うことにより冷却水を放熱して冷却する、いわゆるラジエータとして主に機能する。
第1空調側熱交換部24、第2空調側熱交換部25、及び第2送風装置26は空調通路212に配置されている。第2送風装置26は、例えばシロッコファンであって、空調通路212を流れる空調空気を第1空調側熱交換部24及び第2空調側熱交換部25に送風する。第1空調側熱交換部24及び第2空調側熱交換部25は、外気流れ方向Aにおける第2送風装置26の下流側に配置されている。第1空調側熱交換部24及び第2空調側熱交換部25には、車両10の空調装置に用いられるヒートポンプサイクルの熱媒体が流れている。第1空調側熱交換部24は、その内部を流れる熱媒体と、その外部を流れる空調空気との間で熱交換を行うことにより空調空気を冷却する、いわゆるエバポレータとして主に機能する。第2空調側熱交換部25は、外気流れ方向Aにおいて第1空調側熱交換部24よりも下流側に配置されている。第2空調側熱交換部25は、その内部を流れる熱媒体と、その外部を流れる空調空気との間で熱交換を行うことにより空調空気を加熱する、いわゆるヒータコアとして主に機能する。本実施形態では、第1空調側熱交換部24及び第2空調側熱交換部25が空調側熱交換部に相当する。
なお、図3は、熱交換モジュール20の構造を模式的に示した図である。
次に、図4を参照して、熱交換モジュール20が用いられる熱交換システム30について詳しく説明する。
図4に示されるように、熱交換システム30は、車両10のモータジェネレータやバッテリ、インバータ装置を発熱体41とするとき、発熱体41を冷却するための冷却システム40と、車両10の空調装置に用いられるヒートポンプシステム50とを備えている。
冷却システム40は、図2及び図3に示される熱交換モジュール20の冷却側熱交換部22に対して、発熱体41と、第1水熱媒体熱交換部61と、図2及び図3に示される熱交換モジュール20の第2空調側熱交換部25とが並列に接続された構造を有している。冷却システム40では、冷却側熱交換部22、発熱体41、第1水熱媒体熱交換部61、及び第2空調側熱交換部25に冷却水が循環している。
具体的には、冷却側熱交換部22及び発熱体41は環状流路W40により接続されている。環状流路W40における発熱体41の上流側にはポンプ42が設けられている。ポンプ42は、環状流路W40を流れる冷却水を吸入して圧送することにより、環状流路W40において冷却水を循環させる。
冷却システム40には、環状流路W40における冷却側熱交換部22の上流側の部分と下流側の部分とを接続するように第1バイパス流路W41が設けられている。第1バイパス流路W41には第2空調側熱交換部25が配置されている。第2空調側熱交換部25は第1バイパス流路W41により発熱体41に対して並列に接続されている。環状流路W40と第1バイパス流路W41との2箇所の接続部分には、それらの流路W40,W41の接続状態を切り替える三方弁等の切替弁450,451がそれぞれ設けられている。
冷却システム40には、第1バイパス流路W41における第2空調側熱交換部25の上流側の部分と下流側の部分とを接続するように第2バイパス流路W42が設けられている。第2バイパス流路W42には第1水熱媒体熱交換部61が設けられている。第1水熱媒体熱交換部61は第2バイパス流路W42により発熱体41及び第2空調側熱交換部25に対して並列に接続されている。第1水熱媒体熱交換部61は、冷却システム40を循環する冷却水と、ヒートポンプシステム50を循環する熱媒体との間で熱交換を行う部分である。第2バイパス流路W42にはポンプ43が設けられている。ポンプ43は、第2バイパス流路W42を流れる冷却水を吸入して圧送することにより、第2バイパス流路W42に冷却水を循環させる。第1バイパス流路W41と第2バイパス流路W42との2箇所の接続部分には、それらの流路W41,W42の接続状態を切り替える三方弁等の切替弁452,453がそれぞれ設けられている。
冷却システム40には、環状流路W40におけるポンプ42の上流側の部分と発熱体41の下流側の部分とを接続するように第3バイパス流路W43が設けられている。第3バイパス流路W43にはポンプ44及び第2水熱媒体熱交換部62が配置されている。第2水熱媒体熱交換部62は、冷却システム40を循環する冷却水と、ヒートポンプシステム50を循環する熱媒体との間で熱交換を行う部分である。ポンプ44は、第3バイパス流路W43を流れる冷却水を吸入して圧送することにより、第3バイパス流路W43に冷却水を循環させる。環状流路W40と第3バイパス流路W43との2箇所の接続部分には、それらの流路W40,W43の接続状態を切り替える三方弁等の切替弁454,455がそれぞれ設けられている。
冷却システム40では、基本的には、冷却側熱交換部22により冷却された冷却水が発熱体41を循環することにより発熱体41が冷却される。また、冷却システム40では、切替弁450~455により流路の接続状態を切り替えることにより、冷却側熱交換部22と水熱媒体熱交換部61,62との間で冷却水を循環させたり、発熱体41と水熱媒体熱交換部61,62との間で冷却水を循環させたりすることも可能となっている。
ヒートポンプシステム50は、第1空調側熱交換部24と、圧力調整弁51と、コンプレッサ52と、第1膨張弁53と、第2膨張弁54と、第1水熱媒体熱交換部61と、第2水熱媒体熱交換部62とを備えている。第1空調側熱交換部24、圧力調整弁51、コンプレッサ52、第1水熱媒体熱交換部61、及び第1膨張弁53は環状流路W50により環状に接続されている。環状流路W50には熱媒体が循環している。
コンプレッサ52は、環状流路W50を流れる熱媒体を吸入して圧縮することにより高温及び高圧の気相熱媒体を吐出し、環状流路W50において熱媒体を循環させる。コンプレッサ52から吐出される高温及び高圧の気相熱媒体は環状流路W50を通じて第1水熱媒体熱交換部61に流入する。
第1水熱媒体熱交換部61では、コンプレッサ52から吐出される高温及び高圧の気相熱媒体と、冷却システム40を循環する冷却水との間で熱交換が行われることにより、熱媒体の熱が冷却水に放出されて熱媒体が凝縮する。第1水熱媒体熱交換部61において凝縮された高圧の液相熱媒体は環状流路W50を通じて第1膨張弁53に流入する。
第1膨張弁53は、第1水熱媒体熱交換部61から吐出される高圧の液相熱媒体を膨張させて減圧させる。第1膨張弁53により減圧させられた低圧の液相熱媒体は環状流路W50を通じて第1空調側熱交換部24に流入する。
第1空調側熱交換部24では、第1膨張弁53から吐出される低圧の液相熱媒体と空調空気との間で熱交換が行われることにより、熱媒体が空調空気の熱を吸収して空調空気が冷却される。空調空気の熱を吸収することにより蒸発した低温の気相熱媒体は、第1空調側熱交換部24から圧力調整弁51に流れることにより圧力が調整された後、コンプレッサ52に吸入される。
このように、ヒートポンプシステム50では、環状流路W50を熱媒体が循環している場合、空調空気を冷却する、いわゆる冷凍サイクルとして動作する。
一方、ヒートポンプシステム50には、環状流路W50における第1水熱媒体熱交換部61の下流側の部分とコンプレッサ52の上流側の部分とを接続するようにバイパス流路W51が設けられている。バイパス流路W51には第2膨張弁54及び第2水熱媒体熱交換部62が設けられている。環状流路W50とバイパス流路W51との2箇所の接続部分には、それらの流路W50,W51の接続状態を切り替える三方弁等の切替弁550,551が設けられている。切替弁550,551は、例えばバイパス流路W51に熱媒体が流れずに、且つ環状流路W50のみに熱媒体が流れるような流路を構成する。これにより、上述のようにヒートポンプシステム50は冷凍サイクルとして駆動することが可能である。
また、切替弁550,551は、第1膨張弁53及び第1空調側熱交換部24に熱媒体が流れずに、且つコンプレッサ52、第1水熱媒体熱交換部61、及びバイパス流路W51に熱媒体が流れるような流路を構成する。
このような流路が形成された場合、第2膨張弁54は、第1水熱媒体熱交換部61から吐出される高圧の液相熱媒体を膨張させて減圧させる。第2膨張弁54により減圧させられた低圧の液相熱媒体はバイパス流路W51を通じて第2水熱媒体熱交換部62に流入する。
第2水熱媒体熱交換部62では、第2膨張弁54から吐出される低圧の液相熱媒体と、冷却システム40の第3バイパス流路W43を流れる冷却水との間で熱交換が行われることにより、冷却水の熱が熱媒体に吸収される。冷却水の熱を吸収することにより蒸発した低圧の気相熱媒体は、コンプレッサ52に吸入される。
コンプレッサ52は、第2水熱媒体熱交換部62から吐出される低圧の気相熱媒体を吸入して圧縮することにより、高温及び高圧の気相熱媒体を吐出する。コンプレッサ52から吐出される高温及び高圧の気相熱媒体は第1水熱媒体熱交換部61に流入する。
第1水熱媒体熱交換部61では、コンプレッサ52から吐出される高温及び高圧の気相熱媒体と、冷却システム40の第2バイパス流路W42を流れる冷却水との間で熱交換が行われることにより、熱媒体の熱が冷却水に吸収される。この熱媒体の熱を吸収した冷却水を、冷却システム40の第2空調側熱交換部25に流すことにより、第2空調側熱交換部25において空調空気を加熱することが可能となる。
このようにヒートポンプシステム50では、空調空気の冷却及び加熱を共に行うことができる。
図5に示されるように、熱交換システム30は、各システム40,50を制御する制御装置70を備えている。制御装置70は、CPUやメモリ等を有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。制御装置70は、メモリに予め記憶されているプログラムを実行することにより、各システム40,50を制御するための各種処理を実行する。
具体的には、制御装置70には、温度センサ71,72及び操作部73の出力信号が取り込まれている。温度センサ71は、発熱体41の温度を検出するとともに、検出された発熱体41の温度に応じた信号を制御装置70に出力する。温度センサ72は、冷却側熱交換部22の温度を検出するとともに、検出された冷却側熱交換部22の温度に応じた信号を制御装置70に出力する。操作部73は、車両10の乗員により操作される部分である。操作部73では、例えば車室内の暖房及び冷房のいずれを行うかを選択する操作や、車室内の設定温度を選択する操作等を行うことが可能となっている。操作部73は、乗員の操作に応じた信号を制御装置70に出力する。
冷却システム40にはドア部材460~462が設けられている。ドア部材460~462は、図2及び図3に示される冷却通路211の冷却側外気導入口210a、冷却側車室外連通口214a、及び冷却側車室内連通口215aをそれぞれ開閉する。ヒートポンプシステム50にはドア部材560~562が設けられている。ドア部材560~562は、図2及び図3に示される空調通路212の空調側外気導入口210b、空調側車室外連通口214b、及び空調側車室内連通口215bをそれぞれ開閉する。さらに、熱交換システム30には、図2及び図3に示される連通路216を開閉するためのドア部材31が設けられている。なお、ドア部材460~462,560~562,31は熱交換モジュール20の構成要素である。
制御装置70は、温度センサ71,72及び操作部73のそれぞれの出力信号により、発熱体41の温度、冷却側熱交換部22の温度、及び操作部73に対する乗員の操作等に応じて、冷却システム40の各構成要素、ヒートポンプシステム50の各構成要素、並びにドア部材31を制御する。これにより、制御装置70は、各システム40,50を、発熱体冷却モード、発熱体冷却・冷房モード、暖房モード、並びに着霜抑制モードのいずれかのモードで駆動させる。
次に、各モードの詳細について図6~図13を参照して説明する。なお、図6、図8、図10、及び図12では、冷却水又は熱媒体が流れている流路が実線で示され、冷却水又は熱媒体が流れていない流路が破線で示されている。また、図7、図9、図11、及び図13では、外気導入口210、車室外連通口214、車室内連通口215、及び連通路216のうち、閉状態となっている部分が点ハッチングで図示されている。さらに、図7、図9、図11、及び図13では、空気の流れ方向が矢印で示されている。
<発熱体冷却モード>
発熱体冷却モードは、発熱体41の冷却を行うモードである。例えば、制御装置70は、発熱体41の温度が所定温度以上になることに基づいて、各システム40,50を発熱体冷却モードで動作させる。発熱体冷却モードでは、各システム40,50において図6に示されるような冷却水の流路及び熱媒体の流路が形成される。
図6に示されるように、制御装置70は、発熱体41、冷却側熱交換部22、及び第2空調側熱交換部25に冷却水が流れ、且つ第1水熱媒体熱交換部61及び第2水熱媒体熱交換部62に冷却水が流れないように切替弁450~455の開閉状態を切り替える。また、制御装置70は、ポンプ42を駆動させるとともに、ポンプ43を停止させる。さらに、制御装置70は、ヒートポンプシステム50のコンプレッサ52を停止させることにより、ヒートポンプシステム50において熱媒体を循環させない。
また、図7に示されるように、制御装置70は、冷却側外気導入口210a、空調側外気導入口210b、冷却側車室外連通口214a、及び空調側車室外連通口214bが開状態となり、且つ冷却側車室内連通口215a、空調側車室内連通口215b、及び連通路216が閉状態となるように各ドア部材460~462,560~562,31を制御する。さらに、制御装置70は送風装置23,26を駆動させる。これにより、冷却通路211では、冷却側外気導入口210aから導入された外気が冷却側熱交換部22を通過した後、冷却側車室外連通口214aから車室外に排出される。また、空調通路212では、空調側外気導入口210bから導入された外気が第2空調側熱交換部25を通過した後、空調側車室外連通口214bから車室外に排出される。
図7に示されるような空気の流れが形成されることにより、冷却側熱交換部22では、その内部を流れる冷却水と、冷却通路211を流れる外気との間で熱交換が行われることにより、冷却水が冷却される。また、第2空調側熱交換部25では、その内部を流れる冷却水と、空調通路212を流れる外気との間で熱交換が行われることにより、冷却水が冷却される。これを利用し、発熱体冷却モードでは、図6に示されるように、発熱体41の熱を吸収した冷却水を冷却側熱交換部22だけでなく第2空調側熱交換部25に流すことにより、冷却側熱交換部22及び第2空調側熱交換部25の両方で冷却水を放熱させるようにしている。すなわち、発熱体冷却モードでは、冷却側熱交換部22を第1のラジエータとすると、第2空調側熱交換部25が第2のラジエータとして機能する。これにより、冷却側熱交換部22のみで冷却水を放熱する場合と比較すると、冷却側熱交換部22に要求される放熱量を少なくすることができるため、冷却側熱交換部22を小型化したり、冷却側熱交換部22において熱交換が行われる部分の枚数を少なくしたりすることが可能である。冷却システム40では、冷却側熱交換部22及び第2空調側熱交換部25により冷却された冷却水が発熱体41を循環することにより、発熱体41が冷却される。
以上のように、発熱体冷却モードは、発熱体41の冷却のみを行うモードである。
<発熱体冷却・冷房モード>
発熱体冷却・冷房モードは、発熱体41の冷却及び車室内の冷房を行うモードである。例えば、制御装置70は、発熱体41の温度が所定温度以上であって、且つ操作部73により車室内の冷房が選択されている場合に、各システム40,50を発熱体冷却・冷房モードで動作させる。なお、制御装置70は、車室内の温度と、操作部73により設定される車室内の目標温度との偏差等に基づいて、車室内の冷房を自動的に実行する際に、各システム40,50を発熱体冷却・冷房モードで動作させてもよい。発熱体冷却・冷房モードでは、各システム40,50において図8に示されるような冷却水及び熱媒体の流路が形成される。
図8に示されるように、制御装置70は、発熱体41、冷却側熱交換部22、第1水熱媒体熱交換部61、及び第2空調側熱交換部25に冷却水が流れ、第2水熱媒体熱交換部62に冷却水が流れないように切替弁450~455の開閉状態を切り替える。また、制御装置70は、冷却システム40のポンプ42,43を駆動させる。さらに、制御装置70は、コンプレッサ52、第1水熱媒体熱交換部61、第1膨張弁53、第1空調側熱交換部24、及び圧力調整弁51に熱媒体が流れ、且つ第2水熱媒体熱交換部62に熱媒体が流れないように切替弁550,551の開閉状態を切り替えるとともに、コンプレッサ52を駆動させる。
また、図9に示されるように、制御装置70は、冷却側外気導入口210a、空調側外気導入口210b、冷却側車室外連通口214a、空調側車室外連通口214b、及び空調側車室内連通口215bが開状態となり、且つ冷却側車室内連通口215a及び連通路216が閉状態となるように各ドア部材460~462,560~562,31を制御する。また、制御装置70は送風装置23,26を駆動させる。これにより、冷却通路211では、冷却側外気導入口210aから導入された外気が冷却側熱交換部22を通過した後、冷却側車室外連通口214aから車室外に排出される。また、空調通路212では、空調側外気導入口210bから導入された外気が第1空調側熱交換部24及び第2空調側熱交換部25を通過した後、空調側車室外連通口214b及び空調側車室内連通口215bから車室内及び車室外にそれぞれ排出される。
図9に示されるような空気の流れが形成されることにより、冷却側熱交換部22では、その内部を流れる冷却水と、冷却通路211を流れる外気との間で熱交換が行われることにより、冷却水が冷却される。また、第2空調側熱交換部25では、その内部を流れる冷却水と、空調通路212を流れる外気との間で熱交換が行われることにより、冷却水が冷却される。図8に示されるように、発熱体冷却・冷房モードでは、発熱体41の熱を吸収した冷却水が冷却側熱交換部22及び第2空調側熱交換部25に流れることにより、冷却側熱交換部22及び第2空調側熱交換部25の両方で冷却水が放熱される。したがって、発熱体冷却・冷房モードでは、発熱体冷却モードと同様に、冷却側熱交換部22を第1のラジエータとすると、第2空調側熱交換部25が第2のラジエータとして機能する。冷却システム40では、冷却側熱交換部22及び第2空調側熱交換部25により冷却された冷却水が発熱体41を循環することにより、発熱体41の冷却が可能となっている。
一方、図8に示されるように、冷却側熱交換部22及び第2空調側熱交換部25において冷却された冷却水は第1水熱媒体熱交換部61に流れる。第1水熱媒体熱交換部61では、コンプレッサ52により圧縮された高温及び高圧の気相熱媒体と冷却水との間で熱交換が行われることにより、熱媒体の熱が冷却水に吸収されて、熱媒体が凝縮する。このように、ヒートポンプシステム50では、第1水熱媒体熱交換部61が実質的にコンデンサとして機能する。第1水熱媒体熱交換部61において凝縮された高圧の液相熱媒体は第1膨張弁53を通じて減圧されることにより低圧の液相熱媒体となった後、第1空調側熱交換部24に流入する。図9に示されるように、第1空調側熱交換部24では、その内部を流れる低圧の液相熱媒体と、空調通路212を流れる外気との間で熱交換が行われることにより、外気が冷却される。このように、ヒートポンプシステム50では、第1空調側熱交換部24がエバポレータとして機能する。第1空調側熱交換部24において冷却された外気は、空調空気として、空調側車室内連通口215bを通じて車室内に導入されることにより、車室内の冷房が行われる。したがって、ヒートポンプシステム50は冷凍サイクルとして動作する。
以上のように、発熱体冷却・冷房モードは、発熱体41の冷却、並びに車室内の冷房の両方を行うモードである。
<暖房モード>
暖房モードは、車室内の暖房を行うモードである。例えば、制御装置70は、操作部73により車室内の暖房が選択されている場合に、各システム40,50を暖房モードで動作させる。なお、制御装置70は、車室内の温度と、操作部73により設定される車室内の目標温度との偏差等に基づいて、車室内の暖房を自動的に実行する際に、各システム40,50を発熱体冷却・冷房モードで動作させてもよい。暖房モードでは、各システム40,50において図10に示されるような冷却水及び熱媒体の流路が形成される。
図10に示されるように、制御装置70は、冷却側熱交換部22と第2水熱媒体熱交換部62との間を冷却水が循環し、且つ第1水熱媒体熱交換部61と第2空調側熱交換部25との間を冷却水が循環するように切替弁450~455の開閉状態を切り替える。また、制御装置70は、冷却システム40のポンプ42,43を駆動させる。さらに、制御装置70は、コンプレッサ52、第1水熱媒体熱交換部61、第2膨張弁54、及び第2水熱媒体熱交換部62に熱媒体が流れ、且つ第1空調側熱交換部24に熱媒体が流れないように切替弁550,551の開閉状態を切り替えるとともに、コンプレッサ52を駆動させる。
また、図11に示されるように、制御装置70は、冷却側車室内連通口215a、空調側車室内連通口215b、及び連通路216が開状態となり、且つ冷却側外気導入口210a、空調側外気導入口210b、冷却側車室外連通口214a、及び空調側車室外連通口214bが閉状態となるように各ドア部材460~462,560~562,31を制御する。さらに、制御装置70は第1送風装置23を停止させ、且つ第2送風装置26を駆動させる。これにより、冷却側車室内連通口215aから導入される車室内の空気が冷却通路211、連通路216、空調通路212を順に通過した後、空調側車室内連通口215bから車室内へと流れるようになる。なお、第1送風装置23が逆転可能である場合には、制御装置70は第1送風装置23を駆動させてもよい。以下では、車室内の空気を「内気」と称する。
図11に示されるような空気の流れが形成されることにより、冷却側熱交換部22では、その内部を流れる冷却水と、冷却通路211を流れる内気との間で熱交換が行われることにより、内気の熱が冷却水に吸収される。内気の熱を吸収した冷却水は、図10に示されるように第2水熱媒体熱交換部62に流れる。第2水熱媒体熱交換部62には、第2膨張弁54により減圧された低圧の液相熱媒体が流れている。第2水熱媒体熱交換部62では、内気の熱を吸収した冷却水と、低圧の液相熱媒体との間で熱交換が行われることにより、液相熱媒体が冷却水の熱を吸収して蒸発する。よって、ヒートポンプシステム50では、第2水熱媒体熱交換部62が実質的にエバポレータとして機能する。
図10に示されるように、第2水熱媒体熱交換部62において蒸発した低圧の気相熱媒体はコンプレッサ52により圧縮されることにより高温及び高圧の気相熱媒体となった後、第1水熱媒体熱交換部61に流入する。第1水熱媒体熱交換部61では、コンプレッサ52により圧縮された高温及び高圧の気相熱媒体と冷却水との間で熱交換が行われることにより、熱媒体の熱が冷却水に吸収される。したがって、ヒートポンプシステム50では、第1水熱媒体熱交換部61が実質的にコンデンサとして機能する。熱媒体の熱を吸収することにより加熱された冷却水は第2空調側熱交換部25に流れる。図11に示されるように、第2空調側熱交換部25では、空調通路212を流れる内気と冷却水との間で熱交換が行われることにより、内気が加熱される。よって、第2空調側熱交換部25は、空調空気を加熱するヒータコアとして機能する。第2空調側熱交換部25において加熱された内気が空調側車室内連通口215bを通じて車室内に流れることにより、車室内を暖房することができる。
このように、暖房モードは、車室内の暖房を行うモードである。
<着霜抑制モード>
着霜抑制モードは、暖房モードで動作している際に冷却側熱交換部22への霜の付着を未然に防止するためのモードである。例えば、制御装置70は、暖房モードで動作している際に温度センサ72により冷却側熱交換部22の温度を監視しており、冷却側熱交換部22の温度が第1所定温度以下になることに基づいて暖房モードから着霜抑制モードに移行する。第1所定温度は、冷却側熱交換部22に実際に霜が付着する温度よりも若干高い温度に設定されている。また、制御装置70は、着霜抑制モードを実行した後、冷却側熱交換部22の温度が第2所定温度よりも高くなることに基づいて、あるいは着霜抑制モードを所定時間だけ実行することに基づいて、着霜抑制モードから暖房モードに移行する。第2所定温度は第1所定温度よりも高い温度である。このように、着霜抑制モードは、暖房モードの実行時に冷却側熱交換部22への霜の付着の可能性が高くなった際に実行される。着霜抑制モードでは、各システム40,50において図12に示されるような冷却水及び熱媒体の流路が形成される。
図12に示されるように、制御装置70は、発熱体41と冷却側熱交換部22との間を冷却水が循環し、且つ第1水熱媒体熱交換部61と第2空調側熱交換部25との間を冷却水が循環するように切替弁450~455の開閉状態を切り替える。また、制御装置70は、冷却システム40のポンプ42,43を駆動させる。さらに、制御装置70は、コンプレッサ52、第1水熱媒体熱交換部61、第1膨張弁53、第1空調側熱交換部24、及び圧力調整弁51に熱媒体が流れ、且つ第2水熱媒体熱交換部62に熱媒体が流れないように切替弁550,551の開閉状態を切り替えるとともに、コンプレッサ52を駆動させる。
また、図13に示されるように、制御装置70は、冷却側車室内連通口215a、空調側車室内連通口215b、及び連通路216が開状態となり、冷却側外気導入口210a、空調側外気導入口210b、冷却側車室外連通口214a、及び空調側車室外連通口214bが閉状態となるように各ドア部材460~462,560~562,31を制御する。さらに、制御装置70は第1送風装置23を停止させ、且つ第2送風装置26を駆動させる。これにより、冷却側車室内連通口215aから導入される車室内の空気が冷却通路211、連通路216、空調通路212を順に通過した後、空調側車室内連通口215bから車室内へと流れるようになる。なお、第1送風装置23が逆転可能である場合には、制御装置70は第1送風装置23を駆動させてもよい。
図12に示されるように発熱体41と冷却側熱交換部22との間を冷却水が循環することにより、発熱体41の熱を吸収した冷却水が冷却側熱交換部22に流れるため、冷却側熱交換部22の温度を上昇させることができる。そのため、冷却側熱交換部22への霜の付着が未然に防止される。
一方、第1空調側熱交換部24には、第1膨張弁53により減圧された低圧の液相熱媒体が流れている。図13に示されるように、第1空調側熱交換部24では、その内部を流れる低圧の液相熱媒体と、空調通路212を流れる内気との間で熱交換が行われることにより、熱媒体が内気の熱を吸収して蒸発する。よって、着霜抑制モードでは、第1空調側熱交換部24が実質的にエバポレータとして機能する。
図12に示されるように、第1空調側熱交換部24において蒸発した低圧の気相熱媒体は、圧力調整弁51を通じてコンプレッサ52へと流れ、コンプレッサ52により圧縮されることにより高温及び高圧の気相熱媒体となった後、第1水熱媒体熱交換部61に流入する。第1水熱媒体熱交換部61では、コンプレッサ52により圧縮された高温及び高圧の気相熱媒体と冷却水との間で熱交換が行われることにより、熱媒体の熱が冷却水に吸収される。したがって、ヒートポンプシステム50では、第1水熱媒体熱交換部61が実質的にコンデンサとして機能する。熱媒体の熱を吸収することにより加熱された冷却水は第2空調側熱交換部25に流れる。図13に示されるように、第2空調側熱交換部25では、空調通路212を流れる内気と冷却水との間で熱交換が行われることにより、内気が加熱される。よって、第2空調側熱交換部25は、空調空気を加熱するヒータコアとして機能する。第2空調側熱交換部25において加熱された内気が空調側車室内連通口215bを通じて車室内に流れることにより、車室内を暖房することができる。
このように、着霜抑制モードは、車室内の暖房を行いつつ、冷却側熱交換部22の着霜を未然に防止するモードである。
以上説明した本実施形態の熱交換モジュール20によれば、以下の(1)~(9)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)熱交換モジュール20のケース21には、外気を冷却側熱交換部22及び空調側熱交換部24,25に導入するための共通の外気導入口210が形成されている。この構成によれば、ケース21に冷却側熱交換部22及び空調側熱交換部24,25が共に配置されているため、ケース21の外部に冷却側熱交換部22が配置されて、且つケース21の内部に第1空調側熱交換部24が配置されている構成と比較すると、搭載性を向上させることができる。さらに、ケース21には、冷却側熱交換部22及び空調側熱交換部24,25に共通する外気導入口210が形成されているため、冷却側熱交換部22及び空調側熱交換部24,25のそれぞれに対応する外気導入口を別々に備える構成と比較すると、搭載性を向上させることができる。
(2)ケース21には、外気導入口210から導入される外気を冷却側熱交換部22に導く冷却通路211と、外気導入口210から導入される外気を空調側熱交換部24,25に導く空調通路212とが設けられている。この構成によれば、冷却通路211を流れる空気と、空調通路212を流れる空気とが混入することがないため、冷却側熱交換部22及び空調側熱交換部24,25の熱交換性能の低下を抑制することができる。
(3)ケース21には、冷却通路211と空調通路212とが一体的に形成されている。この構成によれば、冷却通路211と空調通路212とが分離して設けられている場合と比較すると、搭載性を向上させることができる。
(4)ケース21には、冷却通路211において冷却側熱交換部22よりも下流側であって、且つ空調通路212において空調側熱交換部24,25よりも下流側に車室外連通口214が形成されている。車室外連通口214は、冷却側熱交換部22及び空調側熱交換部24,25を通過した空気を、車室内とは異なる場所である車室外に排出する排出口として機能する。この構成によれば、冷却側熱交換部22だけでなく空調側熱交換部24,25をラジエータとして機能させることが可能となる。
(5)ケース21には、冷却通路211における冷却側熱交換部22よりも上流側の部分と、空調通路212における空調側熱交換部24,25よりも上流側の部分とを連通させる連通路216が形成されている。本実施形態では、連通路216が連通部に相当する。この構成によれば、図11及び図13に示されるような空気の流れを形成することが可能であるため、車室内の暖房が可能となる。また、冷却側熱交換部22が内気から吸熱できるため、内気よりも低温な外気から吸熱する場合と比較すると、冷却側熱交換部22の吸熱効率を高めることができる。また、冷却側熱交換部22の吸熱効率が高められることにより、冷却側熱交換部22が着霜するまでの時間を延長することができる。
(6)熱交換モジュール20は、連通路216を開閉するドア部材31を更に備えている。本実施形態では、ドア部材31が、連通部を開閉する開閉部に相当する。この構成によれば、発熱体冷却モードや発熱体冷却・冷房モードの実行の際には、連通路216を閉じることができるため、冷却通路211を流れる空気と、空調通路212を流れる空気との混入を回避することができる。そのため、冷却側熱交換部22及び空調側熱交換部24,25の熱交換性能の低下を抑制することができる。
(7)空調側熱交換部には、エバポレータとして機能する第1空調側熱交換部24と、ヒータコアとして機能する第2空調側熱交換部25とが含まれている。この構成によれば、車室内の冷房及び暖房を選択的に行うことが可能となる。
(8)送風装置23,26は、冷却通路211及び空調通路212のそれぞれに配置されている。この構成によれば、冷却通路211及び空調通路212のそれぞれの風量を制御することが可能となる。
(9)外気導入口210は車両10のボンネット11に設けられている。この構成によれば、熱交換モジュール20に外気を容易に導入することが可能となる。
(変形例)
次に、熱交換モジュール20の変形例について説明する。
図14に示されるように、本変形例の熱交換モジュール20は、車両10のボンネット11の上部における車両後方側の部分に配置されている。図15に示されるように、熱交換モジュール20のケース21の内部には、外気流れ方向Aの中央部から後方側に延びるように区画壁213が設けられている。この区画壁213により冷却通路211と空調通路212とが区画されて形成されている。
ケース21の内部における区画壁213よりも上流側の部分には送風装置27が配置されている。送風装置27は、ケース21の外気導入口210から導入される外気を冷却通路211及び空調通路212にそれぞれ送風する。
冷却通路211には、第1冷却側熱交換部81と、第2冷却側熱交換部82とが配置されている。第1冷却側熱交換部81は、発熱体41の冷却水を冷却するラジエータとして機能する。第2冷却側熱交換部82は、車両の空調装置に用いられる冷凍サイクルのコンデンサとして機能する。冷却通路211の下流側には車室外連通口214が設けられている。したがって、第1冷却側熱交換部81及び第2冷却側熱交換部82を通過した外気は車室外連通口214を通じて車室外に排出される。
空調通路212には、空調側熱交換部83が配置されている。空調側熱交換部83は、車両の空調装置に用いられる冷凍サイクルのエバポレータとして機能する。空調通路212の下流側の部分には車室内連通口215が設けられている。したがって、空調側熱交換部83において冷却された空調空気は車室内連通口215を通じて車室内に導入される。これにより、車室内の冷房が可能となる。
本変形例の熱交換モジュール20によれば、発熱体41の冷却及び車室内の冷房を行うことが可能であるとともに、搭載性を向上させることが可能となる。
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・図16に示されるように、熱交換モジュール20は、車室内の空気を導入する内気導入口28と、内気導入口28から導入される内気を空調通路212における第2送風装置26よりも上流側の部分に導く内気通路29と、内気通路29及び空調通路212を連通させる連通路290と、連通路290を開閉させるドア部材とを更に備えるものであってもよい。この構成によれば、例えば発熱体冷却・冷房モードにおいて、空調側外気導入口210bに代えて、内気導入口28から内気を導入することにより、いわゆる内気循環モードを実現することが可能となる。
・制御装置70は、冷却側熱交換部22が実際に着霜した際に着霜抑制モードを実行してもよい。
・ケース21には、冷却側外気導入口210aと空調側外気導入口210bとが分離して設けられていてもよい。また、ケース21には、冷却通路211と空調通路212とが分離して設けられていてもよい。
・ケース21には、冷却通路211及び空調通路212が離間して設けられていてもよい。
・車室外連通口214は、車室外とは別の場所、例えばモータジェネレータが設けられるモータルームや、内燃機関が設けられるエンジンルーム等に空気を排出する部分であってもよい。
・外気導入口210は、ボンネット11に限らず、例えば車両10のフロントや床下から外気を導入する部分であってもよい。
・熱交換モジュール20は、冷却通路211及び空調通路212に共通する一つの送風装置を有するものであってもよい。
・ケース21の内部で冷却通路211及び空調通路212が区画して形成されていれば、外気導入口210及び車室外連通口214は区画壁213により区画されていなくてもよい。
・ヒータコアとして機能する第2空調側熱交換部25に代えて、空気加熱式PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを用いてもよい。
・ケース21には区画壁213が設けられていなくてもよい。すなわち、冷却通路211及び空調通路212は分かれて形成されていなくてもよい。
・ヒートポンプシステム50は、空調空気の冷却を行う冷凍サイクルとしてのみ動作するものであってもよい。この場合、暖房モードや着霜抑制モードの実行が不要となるため、ケース21には連通路216が形成されていなくてもよい。
・熱交換モジュール20は、車両10の走行風を外気として導入するものに限らず、例えば車両10が充電している状態や信号待ちしている状態等、車両10の停車中に送風装置23,26を駆動させることにより外気を導入するものであってもよい。
・車両10は、電気自動車に限らず、内燃機関の動力により走行するエンジン車両や、電動機及び内燃機関のそれぞれの動力により走行するハイブリッド車両であってもよい。なお、エンジン車両では内燃機関が発熱体となる。また、ハイブリッド車両では、電動機に電力を供給するバッテリや、内燃機関が発熱体となる。
・本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
10:車両
11:ボンネット
20:熱交換モジュール
21:ケース
22:冷却側熱交換部
23:第1送風装置
24:第1空調側熱交換部
25:第2空調側熱交換部
26:第2送風装置
27:送風装置
31:ドア部材(開閉部)
41:発熱体
81:第1冷却側熱交換部
82:第2冷却側熱交換部
83:空調側熱交換部
210:外気導入口
211:冷却通路
212:空調通路
214:車室外連通口(排出口)
216:連通路(連通部)

Claims (7)

  1. 車両(10)の発熱体(41)を冷却するための冷却水が内部を流れ、冷却水と空気との間で熱交換を行う冷却側熱交換部(22,81,82)と、
    熱媒体が内部を流れ、車室内の空調を行うための空調空気と熱媒体との間で熱交換を行う空調側熱交換部(24,25,83)と、
    前記冷却側熱交換部、及び前記空調側熱交換部に空気を送風する送風装置(23,26,27)と、
    前記冷却側熱交換部、前記空調側熱交換部、及び前記送風装置が収容されるケース(21)と、を備え、
    前記ケースには、
    前記車両の外部の空気である外気を前記冷却側熱交換部及び前記空調側熱交換部に導入する外気導入口(210)と、
    前記冷却側熱交換部及び前記空調側熱交換部を通過した空気を排出する排出口(214)と、
    前記ケースの内部において前記外気導入口から前記排出口まで延びるように配置され、前記ケースの内部を、前記外気導入口から導入される外気を前記冷却側熱交換部に導いて前記排出口から排出する冷却通路(211)、及び前記外気導入口から導入される外気を前記空調側熱交換部に導いて前記排出口から排出する空調通路(212)に区画する区画壁(213)と、が形成されている
    熱交換モジュール。
  2. 前記排出口は、前記冷却側熱交換部及び前記空調側熱交換部を通過した空気を、車室内とは異なる場所に排出する
    請求項に記載の熱交換モジュール。
  3. 前記区画壁には、前記冷却通路における前記冷却側熱交換部よりも上流側の部分と、前記空調通路における前記空調側熱交換部よりも上流側の部分とを連通させる連通部(216)が形成されている
    請求項1又は2に記載の熱交換モジュール。
  4. 前記連通部を開閉する開閉部(31)を更に備える
    請求項に記載の熱交換モジュール。
  5. 前記送風装置は、前記冷却通路及び前記空調通路のそれぞれに配置されている
    請求項のいずれか一項に記載の熱交換モジュール。
  6. 前記空調側熱交換部には、空調空気を冷却することが可能な熱交換部(24)と、空調空気を加熱することが可能な熱交換部(25)とが含まれている
    請求項1~のいずれか一項に記載の熱交換モジュール。
  7. 前記外気導入口は、前記車両のボンネット(11)に設けられている
    請求項1~のいずれか一項に記載の熱交換モジュール。
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